JP6147443B2 - 除電部材のトラフへの取り付け構造、トラフ線路、静電気の除電方法及びこれに用いる除電部材 - Google Patents

除電部材のトラフへの取り付け構造、トラフ線路、静電気の除電方法及びこれに用いる除電部材 Download PDF

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Description

本発明は、トラフ上を歩行する歩行者の静電気を除電する除電部材のトラフへの取り付け構造、トラフ線路、および静電気の除電方法及びこれに用いる除電部材等に関する。
鉄道等の軌道脇には、信号ケーブル等を敷設するためのトラフが敷設される。従来、コンクリート製のトラフが用いられていたが、コンクリート製のトラフは重量があることから作業性が悪いため、より軽量であり、環境負荷の小さなリサイクル樹脂製のトラフが利用されている。
トラフは、本体と蓋部とから構成されるが、トラフ本体は、その先後端に雄部や雌部の嵌合部が形成されていて、前記雄部と前記雌部を嵌合させ連結することで、通常所定長さの線路を形成して使用される。また、蓋は、トラフ本体上に被せて取り付けられ種々の固定方法で固定されるが、通常は、固定部材でトラフ本体に固定される。
一方、このようにトラフが連結されたトラフ線路は、線路脇や橋などの比較的狭い場所に形成されることが多い。この場合、線路などのメンテナンスや工事を行うための作業者は、比較的足場の良いトラフ線路上を歩行する。
しかし、作業者がトラフ線路上を歩行すると、トラフおよび作業者には静電気が蓄積されて帯電する。帯電とは、二つの物質間の接触によって接触面を挟んで電荷のやり取りが生じ、一方がプラス、他方がマイナスの電荷を帯びる現象である。この帯電には主に、接触帯電、摩擦帯電、剥離帯電の3種類があると言われている。特に、絶縁性の材料は静電気を発生しやすく、絶縁性であるトラフや靴底には静電気が蓄積されて帯電しやすい。したがって、トラフ線路上を作業者が歩くと、作業者の靴とトラフ表面との、接触、摩擦、剥離によって双方が帯電する。
特に、歩行することにより、作業者の靴の表面には、トラフ表面との接触、摩擦、剥離の繰り返しにより、徐々に帯電量が増加して行く、これに対して、人体は、成人の水分量が60〜65%とされることからも判るように、固有抵抗が低く導体と見なすことができる。このため、静電誘導により、人体にも電荷が誘導される。
ここで、静電誘導とは、導体に帯電体が接近すると、導体表面には、帯電体の極性と逆の極性の電荷が誘導され、帯電体から離れた表面には、誘導電荷と逆の電荷が誘導されることをいう。具体的には、床を歩行した時には、靴と床の摩擦により、静電誘導が起こる(例えば特許文献1)。当然、作業者が樹脂製のトラフ蓋上を歩行する場合にも、同様に作業者にも静電気が誘導され、誘導される電荷は、歩行距離の増加による靴の帯電量の増加に伴って静電誘導による電荷も増加する。
このように作業者にも静電誘導により、電荷が誘起され帯電が起こり、静電気が蓄積されると、作業者が、例えば手すりや他の導体に接しようとした際に、作業者と対象物との間に放電が生じる。この放電によって作業者は衝撃を受け、痛みを感じ、場合によっては、狭い作業場において、作業者がバランスを崩して転倒するなどの恐れがある。
このような、作業者への帯電を防止するため、例えば、靴底の外底面の抵抗値を規定した帯電防止靴が提案されている(特許文献2)。特許文献2は、靴底に抵抗値が10Ω以下になるような部材を貼り付けて、その結果、人体の帯電電位を50V以下にすることが可能となる。
また、トラフを構成するリサイクル樹脂に、カーボンや低分子界面活性剤や高分子界面活性剤を添加したり、金属酸化物を添加するなどして、トラフの導電性を向上させることで、帯電を抑制する方法がある。
さらに、線路脇に、除電スペースを設け、そこに除電マットや除電装置を設けて、これらにより除電を行なうなどの方法がある。例えば、除電マットとしては、アラミド繊維などからなる多孔性高強度シート材と共に導電性短繊維が抄造され、シート表面から導電性短繊維の一部が突出した高強度放電シートに導電性繊維を含むパイルが打ち込まれた除電マットが開示されている(特許文献3)。ここでは、除電は人体に帯電した静電気が、人体や靴底が除電マットと接触することにより、パイルの導電性繊維や高強度放電シートにより空中放電される。
さらに、特開平11−297490号公報には、自動車における人体が接触しやすい導電部分に貼着される自動車用除電シート材であって、帯電体が接触させられた場合に帯電体から電荷を取り除く除電層と、この除電層の一面に形成された接着層と、を有し、上記除電層の表面抵抗率が、15℃、相対湿度30%の雰囲気において、1×109 〜9×1010Ωであることを特徴とする、自動車用除電シート材が開示されている。(特許文献4)
この除電シートにおいて、表面抵抗率を1×109 〜9×1010Ωとするのは、表面抵抗率が上記範囲よりも小さいと、帯電した状態で人の手指などが金属などの導体に接触した場合に、人体に帯電した静電気が一気に放電されて電撃感を受け、その抵抗率が上記範囲よりも大きいと、静電気の減衰時間が長くなって人体に帯電した静電気が十分には除電されないため、直接人体から除電する場合には、除電シートの表面抵抗率を所定範囲に設定する必要があることが記載されている。
最後に、人体から直接除電する方法としては、イオンを空中に噴霧して人体に帯電した電荷を中和して、人体に帯電した電荷を除去する除電装置を使用する方法がある。
国際公開公報WO2006/011419 特開2013−59412号公報 特開平6−217859号公報 特開平11−297490号公報
しかし、特許文献2は、靴底の材料組成を検討して、靴底の底面層の電位を所定範囲とすることにより、人体の帯電電位を緩和するものであるが、作業者や靴底に帯電した静電気を除電して電荷を除去するものではない。
また、界面活性剤を樹脂に添加して、トラフの導電性を向上させることで帯電防止効果を得るためには、少量の添加では効果が少ない。また、界面活性剤による帯電防止効果は、トラフ表面にブリードアウトした界面活性剤の効果によるため、除電効果が小さく効果の安定性や持続性に問題がある。
また、TiO、ZnO、SnOなどの金属酸化物を添加して、帯電防止効果を得ることも可能であるが、微量の添加では効果がなく、添加量を多くすると衝撃性の低下やコストアップになる。また、帯電防止剤として、界面活性剤や金属酸化物を使用する場合は、トラフの表面電気抵抗を低下させることはできるものの、トラフや作業者の帯電を完全に抑えることはできない。
また、線路脇に、除電スペースを設け、そこに除電シートや除電マットを設ける場合は、設置場所が限られ、そこまで移動しないと除電できない。このため、そこまで移動する間に導体に接触して作業者が衝撃を受ける可能性があり危険である。さらに除電シートや除電マットなどの設置場所を確保することが必要であり、設備コストも高価になる。また、これらの除電マットを屋外に設置した場合、作業者が歩行することで、除電マットの繊維が抜け落ちたり、除電マットの表面や内部に土砂などが付着堆積して、除電性能が低下する問題がある。
特許文献4の発明は、樹脂組成が複雑であり、製造性が悪い問題点があり、さらに、透明の塩化ビニル樹脂を使用するため、下層の接着剤が紫外線や環境温度変化により劣化することが考えられる。また、車体の金属部分の内側に使用することが多いため、シート厚さの上限が薄く作業者が歩行するトラフ蓋上面に設置するには、耐久性が不足する問題がある。塩化ビニル樹脂を使用しているため、使用後の処分にも問題がある。
除電装置を用いる方法では、除電装置を設置するスペースを設け、除電スペースの周囲を囲う設備やイオンを発生させるための装置の電源が必要あり、専用の除電スペースを設ける必要があり、トラフ上に設置することができない上、前述のように、作業者が除電スペースに移動するまでの間に電撃を受ける可能性がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、歩行者の歩行の妨害にならずに、従来のトラフをそのまま使用することが可能であり、作業者に帯電した静電気を容易に除電することが可能な除電部材のトラフへの取り付け構造や作業者がトラフ蓋の表面を歩行して停止するだけで除電可能なトラフ線路上を歩行する作業者の静電気の除電方法及びこれに用いるトラフ用除電部材を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、除電部材のトラフへの取り付け構造であって、前記トラフはトラフ本体と、前記トラフ本体の上に配置された樹脂製のトラフ蓋からなり、前記除電部材は、導体部材と、前記導体部材との接続部を有する金属製導電部材と、を具備し、前記接続部に前記導体部材の一端が接続され、前記導体部材の他端は接地部に接続され、前記金属製導電部材は、天板部と、前記天板部の両端部に接続する一対の脚状部とを有しており、前記天板部は前記トラフ蓋上面を幅方向に覆って配置されており、前記一対の脚状部は前記トラフ本体を挟持しており、前記金属製導電部材が前記トラフ本体に固定されていることを特徴とする除電部材のトラフへの取り付け構造である。導体部材としては、リード線や金属製のチェーン部材などの線状の導体を用いることができる。
前記天板部の中央には、トラフ蓋の上面に突出する凸状部が形成され、前記凸状部と前記トラフ蓋との間に隙間が形成されてもよい。ここで、凸状部は、天板部の端部から全体的に滑らかな曲線で形成されることが望ましい。
前記脚状部はトラフ蓋と反対方向に形成される。歩行者が天板部を踏むと凸状部が沈み込んで、天板部と歩行者の靴底の間の接触面積を増加させて除電性能を向上させることができる。凸状部は、全体的になめらかな曲線で形成する他、ビード加工やエンボス加工を行なって、天板部の剛性を向上させるとともに、天板部を踏む時に作業者が天板部によって滑ることを防止することもできる。
前記トラフ蓋の上面には、基底部上に突出する突出部が形成され、前記天板部は、前記突出部の上面と、前記基底部の上面の間に配置されることが望ましい。天板部が突出部の先端より上方へ突出しないため、作業者が除電部材の金属製導電部材の天板部上を歩いても歩きやすい。
前記脚状部には、前記トラフ本体に固定するための固定部が設けられ、前記固定部には、前記脚状部の下端部に形成された係止爪が形成されており、前記係止爪を前記トラフ本体の側面を挟持することで、前記金属製導電部材が前記トラフ本体に固定されることが望ましい。
前記金属製導電部材は、前記トラフ蓋と前記トラフ本体との固定部材としての構造を具備し、前記除電部材は、前記トラフ本体への前記トラフ蓋の固定位置と同一位置に取り付け可能であることが望ましい。
第1の発明によれば、作業者がトラフ線路の樹脂製トラフ蓋上を歩行することで帯電した静電気を、トラフ蓋上をそのまま歩行を続けながら、必要に応じて除電部材を踏むことで除電することができる。このため、作業者の歩行距離が長くても、歩行中に帯電、除電を複数回繰り返して、除電を行なうことができる。そのため、トラフ線路とは別に除電スペースや除電部材を設けて、そこに立ち寄る必要がない。さらに、天板に金属製導電部材を用いるため、除電マットのように、除電部材と靴底の全表面を接触させたり、除電対象物との接触面積をそれ程大きくしなくても、除電が可能である。
また、本発明の除電部材の集電板がトラフ蓋の上面を幅方向に包み込んで横断するように覆うことから、歩行中に集電板を踏み損なうことがなく、確実に作業者が除電を行なうことができる。また、天板部の幅はトラフ幅より大きく、天板部の長さは所定長さを有し、略長方形の形状を有していることから、天板部の幅方向のいずれの位置を踏んでも、靴底と天板部の接触面積が変わることがなく、接触面積をほぼ一定の状態で、安定して除電を行なうことができる。
また、トラフへの除電部材の取り付けが容易であり、従来使用されているトラフにも適用が可能である。また、例えば、導体部材としてのリード線の接続部が脚状部であるため、作業者の歩行の妨げにもならない。除電部材がトラフ蓋上面を幅方向に覆って折り曲げ部の先端の係止部でトラフ本体またはトラフ蓋に固定するものであるから、トラフ蓋への取り付けが容易である。
また、除電部材の集電板としての天板部が、トラフ蓋の長手方向に垂直な幅方向断面において、トラフ蓋の前記基底部の上面に配置され、さらに前記突出部の上面と、前記基底部の上面の間に位置することで、突出部の先端より上方へ突出しないため、作業者が除電部材の金属製導電部材の天板部につまずくことが無い。また、作業者が歩行時に天板部を強く蹴ったとしても、天板部は基底部の上面に、突出部上面より低く配置されているので、天板部がトラフ蓋のずれることが長手方向にずれることがない。
また、前記金属製導電部材は、帯状金属片を折り曲げて前記天板部と前記脚状部とを一体に形成したもので、天板部の中央に、緩やかに凸状に膨らんだ凸状部を形成することで、トラフ蓋と天板部の間に隙間を形成することができる。このため、歩行者が天板部を踏むことで凸状部が沈み込むように変形して、天板部と歩行者の靴底の間の接触面積を増加させることができる。
このようにすることで、集電板と靴底の接触面積が増加するため、靴底に帯電した静電気の集電板からの除電をスムーズに行なうことができる。ここで、靴底は絶縁体であるため、靴底表面自体における電荷は移動しにくいため、除電の際に接触面積を大きくすることは、極めて重要である。また、上記のように天板部に凸状部を設けることにより、靴底と天板部の接触部において、沈み込んだ天板部に復元力が働くことで、見かけ上の接触面積が増加するだけでなく、接触圧力が増加し、ミクロ的な接触面積はさらに増加する効果がある。
また、脚状部の下端部に係止爪を形成し、係止爪をトラフ本体の側面に形成された係止部に固定することで、金属製導電部材を容易にトラフ本体へ取り付けて固定することができる。なお、金属製導電部材を係止爪により、トラフ本体に固定する場合には、係止爪のみにより金属製導電部材を固定することができるが、金属製導電部材のトラフ本体への固定方法は、係止爪による他、ボルト固定やその他のいかなる方法によっても良い。例えば、係止爪は、帯状金属片の脚状部の先端を折り曲げて形成すれば良い。
また、金属製導電部材が、トラフ蓋とトラフ本体との固定部材としての構造を具備すれば、トラフ蓋の固定部材に代えて、除電部材の固定部によって、トラフ蓋をトラフ本体に固定することもできる。
第2の発明は、トラフ本体およびトラフ蓋をそれぞれ連結して形成したトラフ線路において、第1の発明にかかる除電部材のトラフへの取り付け構造を、作業者の歩行距離と帯電電圧の関係を求めて、この結果に基づいて想定される帯電量に見合うように前記トラフ線路の所定位置の前記トラフ蓋の固定位置(固定部位)に設けることを特徴とするトラフ線路である。
ここで、作業者がトラフ線路の樹脂製トラフ蓋上を歩行することで帯電する静電誘導による帯電量は、トラフ線路の敷設環境や季節、作業者個人によるバラツキにより大きく異なるが、最も大きく影響するのは湿度である。そこで、トラフ線路における帯電量が最も大きくなると考えられる冬場の帯電量を基準にトラフ線路に設ける除電部材の位置や設置間隔を決めることが望ましい。
ここで、図15は、無次元化した歩行距離と帯電電圧の関係を示す図である。樹脂製トラフ蓋表面の歩行による作業者の帯電圧は、歩行距離の増加とともに急激に増加するが、その後歩行距離の増加とともに帯電圧が徐々に飽和する傾向を示す。この飽和領域では歩行距離の増加による帯電圧の増加量が減少する傾向を示す。通常このような帯電圧が飽和する領域に至る作業者の歩行距離は数百〜1kmであり、帯電圧も5kVより高くなる。したがって、静電誘導により帯電した作業者が導体等に触って電撃を受けるリスクを低減するためには、より帯電圧の低い領域において除電を行うことが望ましい。たとえば、この場合の作業者の歩行距離は、例えば、50〜100mである。
また、この場合に、除電部材の取り付け位置が、設定された作業者の歩行距離に対し、トラフ長さ1本分(約1m)未満の相違が生じることがある。しかしながら、この場合に生じる帯電圧の変化はそれほど大きなものでなく、樹脂製トラフ蓋の表面を歩行する作業者の除電を行なうための除電部材の設置間隔を設定することに、問題を生じることがない。
したがって、作業者が導体等に触って電撃を受けるリスクを低減するために、例えば、複数の除電部材の設置間隔を、トラフ長さの整数倍あるいはそれからトラフ長1本未満の相違の範囲で、除電部材の設置環境と作業者の帯電量に対応して、任意に設定することができる。この場合、設定条件としては、例えば、作業者の帯電圧を作業者が電撃を感じる下限値の3kVを目安に除電間隔を設定するのが好ましい。
前記トラフ蓋は、トラフ本体に固定できれば、いずれの位置に固定しても良い。通常トラフ蓋は、トラフ蓋の熱膨張や熱収縮の吸収や、トラフ外部からの異物の侵入などを防止するため、トラフ蓋の長手方向の両端を重ね合わせて使用することが多い。そこで、トラフ蓋の一端部に下層薄肉部、長手方向の他端部に上層薄肉部を形成し、下層薄肉部または、上層薄肉部またはその近傍に固定部を設けた蓋を用いることがある。
ここで、前記トラフ本体および前記トラフ蓋をそれぞれ連結して形成したトラフ線路において、前記トラフ蓋は、長手方向の一端に下層薄肉部、他端に上層薄肉部を具備し、隣り合う前記トラフ蓋は、一方の前記トラフ蓋の前記上層薄肉部を、他方の前記トラフ蓋の前記下層薄肉部の上に重ね合わせられており、前記除電部材は、前記上層薄肉部と前記下層薄肉部との重ね合わせ位置または前記上層薄肉部に近傍に配置され、一方の前記トラフ蓋と他方の前記トラフ蓋を固定してもよい。
前記除電部材を設けた位置以外の、前記トラフ本体と前記トラフ蓋との固定位置には、前記金属製導電部材のみからなる固定部材を用いて前記トラフ蓋を前記トラフ本体へ固定してもよい。
第2の発明によれば、トラフ線路において作業者の帯電量に見合うように除電部材を取り付けるため、作業者の帯電量を所定値以下とすることができる。トラフ本体およびトラフ蓋をそれぞれ連結して形成したトラフ線路において、作業者の歩行距離と帯電電圧の関係を求めて、この結果に基づいて想定される帯電量に見合うようにトラフ線路における除電部材のトラフ蓋への固定位置を決めることができる。
たとえば、一定距離の歩行における歩行者の帯電電圧の上昇の最も高い作業者を選定して、その作業者の歩行中の帯電電圧を測定して、その作業者が所定の帯電電圧になる歩行距離を求めて、帯電電圧を所定値以下に設定したり、あるいは複数の作業者の所定の歩行距離における帯電電圧の測定を行なって、この帯電電圧の平均値を用いることができる。
このときの作業者の歩行距離を測定することで、想定される帯電圧に見合う距離を決定することができる。
また、除電部材のトラフへの取り付け構造を、トラフ本体の長さの整数倍の任意間隔の位置に複数設けるか、あるいはトラフ本体の長さの整数倍の任意間隔の位置からトラフ本体へのトラフ蓋の固定位置の相互間距離だけ離れた位置のいずれかに複数設けることで、除電部材を所定の間隔で容易に配置することができる。
また、トラフ蓋の一端部に下層薄肉部、長手方向の他端部に上層薄肉部を形成した蓋を用い、隣り合うトラフ蓋の、上層薄肉部と下層薄肉部とを相互に重ね合わせ、重ね合わせ位置またはその近傍に除電部材を固定することで、隣接するトラフ蓋の相互に重ね合わせた両端近傍を同時に固定できるため、トラフ蓋の固定効果が高い。
また、除電部材を設けた位置以外の、トラフ本体とトラフ蓋との固定位置には、金属製導電部材としての帯状金属片のみからなる固定部材を用いることで、従来から使用されている固定部材をそのまま利用することができる。
また、トラフ本体とトラフ蓋との固定部材との取り付け位置を相互に交換することが可能であれば、状況に応じて、除電部材の配置を容易に変更することができる。このためには、除電部材と、トラフ蓋と固定部材の取り付け部の構造が同様であれば良い。
第3の発明は、第1の発明における除電部材のトラフへの取り付け構造において、前記導体部材は、リード線またはチェーン部材であり、前記除電部材によって前記トラフ本体に前記トラフ蓋を固定するとともに、前記除電部材の前記天板部から集電した静電気を、前記リード線または前記チェーン部材を通じて前記接地部に放電させることを特徴とする静電気の除電方法である。
前記導体部材は、チェーン部材であり、前記除電部材の前記天板部から集電した静電気を、前記チェーン部材を通じて前記接地部に放電させてもよい。
前記リード線または前記チェーン部材の一端は、前記金属製導電部材の脚状部にボルトを溶接し、前記ボルトにナットを固定して接続し、前記リード線または前記チェーン部材の他端は前記接地部に接続されることが望ましい。
ここで、チェーン部材はリード線と同様にボルトにナットで固定することができる。また、前記リード線の代わりに金属製のチェーン部材を用い、前記除電部材の前記天板部から集電した静電気を、前記チェーン部材を通じて前記接地部に放電させることができる。
また、前記導体部材は、リード線であり、前記リード線の一端は、ばね性を有するクリップに接続されており、前記クリップは前記脚状部の一部を挟持しており、前記リード線の他端は前記接地部に接続されてもよい。
また、前記導体部材は、リード線であり、前記リード線の一端はコネクタに接続されており、前記コネクタは前記脚状部に固定されており前記リード線の他端は前記接地部に接続されてもよい。
前記除電部材と、前記トラフ本体と前記トラフ蓋とを固定する固定部材の取り付け位置を、相互に交換することが可能なことが望ましい。このように取り付け位置の交換を行うには、リード線の長さにトラフ1本分程度余裕が必要である。
前記接地部はコンクリートアンカボルト、金属構造物、地中のいずれかであり、前記脚状部と前記接地部が前記リード線またはチェーン部材により電気的に接続されてもよい。接地部まで多少距離がある場合に、リード線またはチェーン部材をトラフ側面に沿って配線を行なっているため、除電部材周辺で作業を行う場合に、作業空間を十分確保できることから、作業に支障が生じない。また、トラフ内部にリード線やチェーン部材を配線していないので、除電部材の配置の変更やトラフ内に設置されたケーブルの増設や撤去を行う際に、除電部材のリード線が邪魔になることがない。
前記除電部材を樹脂製トラフ線路上のトラフ蓋上面に設けることで、トラフ線路上を歩く作業者が前記除電部材の前記天板部を踏むことで静電誘導で帯電した作業者の静電気の除電を行うことが望ましい。
前記除電部材を樹脂製トラフ線路上に、100m以下の間隔で複数個設けるか、あるいは50m以下の間隔で複数個設けて、トラフ線路上を歩く作業者が前記除電部材の前記天板部を踏むことで、静電誘導で帯電した作業者の静電気を繰り返して除電することがさらに望ましい。
前記トラフ線路上に複数個設けられる前記除電部材の設置間隔は、前記トラフ本体の長さの整数倍の任意間隔の位置または、前記整数倍の任意間隔の位置から、前記トラフ本体への前記トラフ蓋の固定位置の相互間距離に相当する距離だけ離れた位置のいずれかとすることが望ましい。
また、前記トラフ線路上に設ける前記除電部材の設置間隔は、作業者の歩行距離と帯電電圧の関係を求めて、この結果に基づいて作業者の歩行距離に応じた帯電電圧の見込みを求めることで前記除電部材の設置間隔を決定することが望ましい。
第3の発明によれば、作業者がトラフ線路上を歩行する際に、所定の間隔で配置される除電部材を踏むだけで、確実に作業者の除電を行うことができる。また、作用者の靴底に帯電した静電気を除電することで、静電誘導により人体に誘起し帯電した静電気を減少させ容易に除電できる。また、前記除電部材を樹脂製トラフ線路上に所定距離をあけて複数個設けることで、トラフ線路上を歩く作業者に帯電した電荷の除電を繰り返し行うことができ、作業者に帯電した電荷の累積帯電量を少なくすることができる。
また、脚状部にボルトを溶接し、ナットによってリード線またはチェーン部材を接続することで、リード線またはチェーン部材の接続が容易である。また、脚状部にクリップを取り付けたり、脚状部をΩ型に成型して、これにリード線を差し込むことができる。
また、除電部材と固定部材を相互に交換可能な構造であれば、状況に応じて、除電部材の配置を容易に変更することができる。
また、リード線またはチェーン部材をコンクリートアンカボルト、金属構造物、地中のいずれかに直接接続することで、確実に除電を行うことができる。
前記除電方法では、前記除電部材を樹脂製トラフ線路上に所定距離間隔をあけて複数個設けて、トラフ線路上を歩く作業者が前記除電部材の前記天板部を踏むことで静電誘導により帯電した電荷の除電を繰り返して行うことができる。また、前記トラフ線路上に複数個設ける除電部材の設置間隔は、前記トラフ本体の長さの整数倍の任意間隔または、前記整数倍の任意間隔から前記トラフ本体への前記トラフ蓋の固定位置の相互間距離に相当する距離だけ離れた位置のいずれかとすることができる。例えば、前記トラフ線路上に設ける除電部材の設置間隔は、作業者の歩行距離と帯電電圧の関係を求めて、この結果から作業者の歩行距離に応じた帯電電圧の見込み求めることで除電部材の設置間隔を決定することができる。以上のようにすることでより合理的な間隔で除電部材を設置することができる。
この除電方法では、人体に帯電した電荷を直接除電するのではなく、靴底の電荷を除電することで、間接的に人体からの除電を行うことから、除電時に靴底の電荷を金属板に放電または吸収させても、電荷が人体から直接放電させることがなく、帯電電圧を低下させることができるので、除電により作業者が電撃を受けることがない。
第4の発明は、トラフへ取り付ける除電部材であって、除電部材は、リード線と、前記導体部材との接続部を有する金属製導電部材と、を具備し、前記接続部に前記導体部材の一端が接続され、前記導体部材の他端は接地部に接続され、前記金属製導電部材は、天板部と、前記天板部の両端部に接続するばね性を有する帯状金属片を折り曲げて形成したトラフ本体を挟持する一対の脚状部とを有しており、前記脚状部は、天板部に対して鋭角に曲げられていて、トラフ側壁を挟持するときにトラフ側壁に押圧力を及ぼすように脚状部が開口するトラフ用の除電部材である。
第4の発明の別の実施形態としては、トラフへ取り付ける除電部材であって、除電部材は、導体部材と、前記導体部材との接続部を有する金属製導電部材と、を具備し、前記接続部に前記導体部材の一端が接続され、前記導体部材の他端は接地部に接続され、前記金属製導電部材は、天板部と、前記天板部の両端部に接続するばね性を有する帯状金属片を折り曲げて形成したトラフ本体を挟持する一対の脚状部とを有しており、前記脚状部にはトラフ内方に向かって折り曲げられる固定部がそれぞれの脚状部の両側に形成され、前記天板部の両端部近傍と前記脚状部の両側の固定部には孔がそれぞれ設けられ、前記天板部の両端部近傍の孔と前記脚状部の両側の固定部近傍の孔とがそれぞれ対向して平行に配列されるトラフ用の除電部材である。
第4の発明によれば、ばね性を有することから、トラフに取り付けやすい。また、本発明の除電部材は、除電性能に優れるだけでなく、耐食性にも優れるステンレスなどの高強度金属材料を用いることから、耐久性に優れる。また、合成樹脂繊維を用いる除電マットと比べて、繊維間に目詰まりすることなく、防汚性に優れることから、除電性能が低下することがない。ここで、この除電部材は、高強度金属材料からなるため、除電部材に作業工具などをぶつけたとしても壊れることがない。除電部材の脚状部の下側には係止爪が形成されていて、除電部材を容易にトラフ本体の係止部に係止することができる。また、除電部材の天板部に表面の粗面化のための表面粗面化加工を行なえば、作業者が天板部を踏む時にすべリにくい。
また、天板部の両端部近傍に設けた一方の孔からボルトを挿入して、脚状部の両側に設けたそれぞれの孔において前記ボルトをナット固定することで、金属製の導電部材を固定することができる。
本発明によれば、歩行者の歩行の妨害にならずに、従来のトラフをそのまま使用することが可能であり、作業者に帯電した静電気を容易に除電することが可能な除電部材のトラフへの取り付け構造を提供することができる。
除電部材1の分解斜視図。 除電部材のトラフへの取り付け構造30の分解斜視図。 除電部材のトラフへの取り付け構造30の組み立て斜視図。 除電部材のトラフへの取り付け構造30の除電部材1の近傍の側方拡大図。 図4のB−B線拡大図、(b)は(a)の他の実施形態を示す図。 図5(a)の他の実施形態を示す図。 図5(a)の他の実施形態を示す図。 図5(a)のB部拡大図。 トラフ線路40を示す図。 図7のC部における部分断面図。 除電部材1aの斜視図。 除電部材1bの斜視図。 クリップ接続を用いた除電部材1cの斜視図。 コネクタ接続を用いた除電部材1dの斜視図。 除電部材1eの斜視図。 除電部材1eの取り付け構造を示す部分断面図。 除電部材1の他の取り付け構造を示す図。 作業者の歩行距離と帯電電圧の増加の関係
以下、本発明の実施の形態にかかる除電部材1について説明する。図1は、トラフへ取り付ける除電部材1を示す分解斜視図である。除電部材1は、主に、帯状金属片3、ボルト11、ナット13、リード線15等から構成される。
金属製導電部材である帯状金属片3は、天板部5および脚状部7を有する。帯状金属片3は、板状の金属板を屈曲して一体に形成され、天板部5の両端部が天板部5に対して略垂直(図では、天板部5に対して90度よりもやや小さい鋭角の角度)に曲げられて一対の脚状部7が形成される。すなわち、帯状金属片3は略U字状となり、一対の脚状部7は天板部の両端部に接続する。
一方の脚状部7にはボルト11が溶接される。なお、ボルト11は頭付ボルトであってもよい。ボルト11にはリード線15が接続されて、ナット13によってリード線15が脚状部7に固定される。すなわち、ボルト11は、導体部材の接続部であり、帯状金属片3は、導体部材であるリード線15と、リード線15との接続部を有する。なお、リード線15を脚状部7に固定することができれば、リード線15の固定方法は、図示した例には限られない。クリップによる固定やコネクタ接続による固定も用いることができる。
それぞれの脚状部7の下端部には、トラフ本体に固定するための固定部9が形成される。固定部9には係止爪10が形成される。係止爪10は、脚状部7の端部が内側に折り込まれて形成される。固定部9は、トラフ本体に形成される係止部に固定される部位である。なお、トラフ本体等の詳細は後述する。
帯状金属片3は、トラフ本体およびトラフ蓋(以下合わせて単にトラフと呼ぶことがある)に固定されて使用される。より具体的には、脚状部7の下端側を開いてトラフに取り付け、トラフ本体の側面を、一対の脚状部7で挟みこむようにして、帯状金属片3がトラフに固定される。すなわち、係止爪10でトラフ本体の側面を挟持することで、金属製導電部材がトラフ本体に固定される。このため、帯状金属片3(天板部5および脚状部7)には、トラフ蓋等を固定するためのばね性と、耐食性が要求される。
帯状金属片3には、例えば、ステンレスやめっき鋼板などを使用すると除電部材を屋外の風雨にさらされる環境下でも長期間使用することができ、除電部材の耐久性を向上することができる。具体的には、SUS304などを使用することができる。また、天板部5と脚状部7のコーナー部におけるばね性を高めるために、コーナー部にリブ等を形成してもよい。なお、本発明においては、帯状金属片3の幅方向と長手方向は、トラフの幅方向、長手方向と一致するものとする。ここで、帯状金属片の長さは30mmから50mmの範囲で、この範囲の長さがあれば十分な除電性能が得られる。
次に、除電部材1のトラフへの取り付け構造について説明する。図2は、除電部材のトラフへの取り付け構造30を示す分解斜視図、図3は、除電部材のトラフへの取り付け構造30を示す組立斜視図である。
トラフは、主に、トラフ本体17とトラフ蓋19からなる。トラフ本体17およびトラフ蓋19は、樹脂製であるが、例えばリサイクル樹脂製を用いることもできる。トラフ本体17およびトラフ蓋19は、例えば1mの長さである。トラフ本体17の長手方向の両端には、それぞれ雄型嵌合部と雌型嵌合部が設けられる。一のトラフ本体17の雄型嵌合部と、隣り合う他のトラフ本体17の雌型嵌合部とを互いに嵌合させることで、トラフ本体17同士を連結することができる。
トラフ蓋19は、トラフ本体17の上に被せられる。トラフ蓋19の長手方向の一方の端部には、下層薄肉部27が形成される。下層薄肉部27は、上面側に段差を有し、他の部位と比較して厚みが薄い部位である。トラフ蓋19の長手方向の他方の端部には、上層薄肉部29が形成される。上層薄肉部29は、下面側に段差を有し(図示せず)、他の部位と比較して厚みが薄い部位である。トラフを長手方向に連結する際には、隣り合うトラフ蓋19の、一方のトラフ蓋19の上層薄肉部29が、他方のトラフ蓋19の下層薄肉部27の上に重ね合わせられる。なお、トラフ蓋19の連結部の詳細は後述する。
トラフ蓋19の上面には、滑り止め等の目的で、突出部23が形成される。以下の説明では、突出部23を除く、トラフ蓋19の上面を基底部24とする。突出部23はリブとしての機能も果たし、トラフ蓋19の強度向上にも寄与する。なお、本発明の突出部23の形状は、図示した例には限られない。
トラフ蓋19は、トラフ本体17に対して、固定部材によって固定される。トラフ蓋19の固定には、帯状金属片3と略同様の形状のものを使用することができる。すなわち、天板部と一対の脚状部からなるものを用いることができる。さらに脚状部の下端部に係止部が形成された金属部材(除電部材1における帯状金属片3のみの部材)を用いることができる。
なお、トラフ蓋19の固定部材としては、例えば、ボルトおよびナットを使用することもできる。この場合、トラフ蓋19に形成された孔25を用いる。また、帯状金属片を取り付けた後に、トラフ蓋19を上方から固定するバックル式の固定部材を用いることもできる。なお、以下の説明では、除電部材1(帯状金属片3)を固定部材と兼用する場合について説明するが、固定部材と除電部材1を併用してもよい。
除電部材1は、例えば、トラフ本体17とトラフ蓋19との固定部(本来、固定部材が取り付けられる部位)に取り付けられる。トラフ本体17とトラフ蓋19との固定部においては、トラフ本体17の外側面に係止部21が設けられる。係止部21は、トラフ本体17の外側面に形成される凸部である。
トラフ蓋19の上方から、帯状金属片3をトラフに嵌めこんで取り付け、脚状部7の下端部の係止爪10を係止部21に固定することで、帯状金属片3がトラフに固定される。この際、帯状金属片3の一対の脚状部7で、トラフ本体17およびトラフ蓋19の側面を挟持するようにして、帯状金属片3がトラフに固定される。
図4は、除電部材1が取り付けられた部位近傍の側方拡大図であり、図5(a)は図4のB−B線断面図である。前述した様に、トラフ蓋19の基底部24の上面には、基底部24上に突出する突出部23が形成される。
図5(a)に示すように、帯状金属片3の天板部5が、トラフ蓋19の上面を幅方向に覆って配置される。また、帯状金属片3の天板部5は、トラフ蓋19の長手方向に垂直な断面における上面の突出部の先端を結んで形成される面(突出部23の上面であって図中線A)よりも、上方には突出しない。すなわち、帯状金属片3がトラフに取り付けられた状態で、帯状金属片3の天板部5は、トラフ蓋19の基底部24の上面に配置され、突出部23の上面と、基底部24の上面との間に位置する。したがって、作業者がトラフ上を歩行する際に、帯状金属片3につまずくことがない。
ここで、トラフ蓋19の長手方向に垂直な断面における上面の突出部の先端を結んで形成される面とは、突出部23などの突出部の先端を結んで得られる面のことである。すなわち、この面は、前述した様に、トラフ蓋19上面にはすべり止め突起や強度補強のためのリブ等を設ける場合が多いが、これらの突起やリブなどの突出部23の先端を結んで得られる面のことである。なお、トラフ蓋19の上面は必ずしも直線である必要はなく、トラフ蓋19の上面の突出部23の先端を結んで形成される面の形状を反映していれば、どのような形状であっても良い。ともかく、作業者の安全な歩行を確保するためには、この面より、天板部が突出しないことが必要である。
なお、図5(a)に示す例では、帯状金属片3の天板部5が平坦である例を示すが、本発明はこれに限られない。例えば、前述した様に、一対の脚状部7を下端部に行くにつれて互いに近づくように形成した場合には、帯状金属片3をトラフに取り付けた際に、脚状部7の下端部が押し広げられる。すなわち、脚状部7でトラフ側壁を挟持するときに、トラフ側壁に押圧力を及ぼすように脚状部が開口する。この結果、トラフに帯状金属片3が取り付けられた際に、天板部5と脚状部7とのコーナー部近傍において、脚状部7の端部から天板部の端部が曲げ変形を受け、天板部が上方に反りあがるようになる場合がある。この場合でも、帯状金属片3の天板部5の全体が、トラフ蓋19の上面(突出部23を除く部位の上面)と突出部23の上面との間に位置するようにすることが望ましい。
また、図5(b)に示すように、帯状金属片3の天板部5には、天板部5の幅方向の中央部が緩やかに上方に凸状に膨らんだ凸状部31を形成してもよい。すなわち、凸状部31は、脚状部7と反対方向であって、トラフ蓋19の上面に突出する。凸状部31を形成することで、トラフ蓋19と天板部5との間に隙間4が形成される。したがって、歩行者が天板部5を踏むことで、天板部5に形成された凸状部31が沈み込んで、天板部5と歩行者の靴底の間の接触面積を増加させることができる。
この場合、トラフ蓋上面に形成されるすべり止め突起等のトラフ蓋の外側形状の関係によるが、トラフ蓋の断面の最上部を結んだ輪郭線よりも、天板部が突出しなければ良い。これらの点を考慮すると、例えば、トラフ蓋の基底部と天板部との間に形成される隙間は、2.0mm以下であることが望ましく、さらに、1.2mm以下であることが好ましい。
また、図6(a)は、図5(a)、図5(b)に対応する図であり、図6(b)は図6(a)のE部の拡大図である。図6(a)、図6(b)に示すように、トラフ蓋19の上面(突出部23を除く面)が幅方向に平ではなく、トラフ蓋19の幅方向の中央に凸部を形成して、これに前記幅方向の中央部に凸状部31を形成した帯状金属片3を被せても良い。このようなトラフ蓋19の幅方向中央に凸部を形成したトラフに、前記除電部材を被せた場合でも、少なくとも、トラフ蓋19の幅方向中央の両側には、隙間4が形成される。このようなトラフ形状であっても、歩行者が天板部5を踏むことで、天板部5に形成された凸状部31も同様に沈み込み、天板部5と歩行者の靴底の間の接触圧力と接触面積が増加する効果が認められる。この時、除電部材の凸状部31の頂点とトラフ蓋19の凸部の頂点の接触状態は、トラフ蓋19と天板部5の凸状部31の両者の構造により異なり、相互に接触しても良いが、必ずしも接触しなくても良い。
ここで、特に図示しないが、図5(a)と同様な、天板部5が平坦な帯状金属片3と、トラフ蓋19の幅方向の中央部に凸状部を形成したトラフ蓋19を、トラフ蓋19の幅方向の中央の凸状部に帯状金属片3が接するように、帯状金属片3を被せても良い。このようにした場合でも、トラフ蓋19の幅方向中央の両側には、隙間が形成されることから、歩行者が天板部を踏むことで、天板部に形成された凸状部が沈み込み、天板部5と歩行者の靴底の間の接触面積が増加する。
また、凸状部31を押しこむと、脚状部7の下端部が互いに外側に開くように帯状金属片3を変形させることができる。脚状部7の下端部を開かせることで、係止爪10のかかり代を小さくすることができる。このため、帯状金属片3を取り外す際に、凸状部31押し込むことで、帯状金属片3をトラフから容易に取り外すことができる。なお、この場合でも、凸状部31の最頂部が、トラフ蓋19の上面(突出部23を除く部位の上面)と突出部23の上面との間に位置するようにすることが望ましい。
次に、複数のトラフ本体17およびトラフ蓋19をそれぞれ連結して形成したトラフ線路について説明する。図7は、除電部材のトラフへの取り付け構造30を用いたトラフ線路40を示す図である。前述した様に、複数のトラフ本体17同士は、互いの雄型嵌合部と雌型嵌合部とが互いに嵌合して連結される。トラフ蓋19は、それぞれトラフ本体17上に被せられ、固定部材33および除電部材1によって固定される。
除電部材1のリード線15は、一方の端部が帯状金属片3の接続部に接続され、他方の端部が、接地部であるコンクリートへのアンカーボルト35に接続される。すなわち、リード線15は、アース線として機能する。なお、リード線15を通じて接地される接地部としては、アンカーボルト35以外にも、例えば、金属構造物や地中であってもよい。すなわち、脚状部7と接地部が導体部材により電気的に接続されていればよい。
固定部材33は、ボルト11等を有しない、帯状金属片3と略同様の形状である。すなわち、トラフ蓋19の上方から、固定部材33をトラフに嵌めこみ、固定部材33の脚状部の下端部の係止爪を係止部21に固定することで、固定部材33がトラフに固定される。この際、固定部材33の一対の脚状部で、トラフ本体17およびトラフ蓋19の側面を挟み込むようにして、固定部材33がトラフに固定される。すなわち、後述する除電部材1が設ける位置以外の、トラフ本体17とトラフ蓋19との固定位置には、金属製導電部材のみからなる(ボルト11等を有しない帯状金属片3からなる)固定部材を用いてトラフ蓋19がトラフ本体17へ固定される。
図8は、図7のC部におけるトラフの断面図である。前述した様に、トラフ蓋19の長手方向の一方の端部には、下層薄肉部27が形成される。また、トラフ蓋19の長手方向の他方の端部には、上層薄肉部29が形成される。トラフの連結部においては、下層薄肉部27の上方に上層薄肉部29が重なるように配置される。すなわち、隣り合うトラフ蓋19同士の端部が互いに重なり合う。
ここで、除電部材1を上層薄肉部29の重ね合わせ位置または重ね合わせ位置の近傍(上層薄肉部29近傍)に固定する場合には、トラフ蓋19の固定部材を下層薄肉部27の近傍に固定すれば良く、トラフ蓋19の固定部材を上層薄肉部29の重ね合わせ位置または重ね合わせ位置の近傍(上層薄肉部29近傍)に固定する場合には、除電部材1を下層薄肉部27の近傍に固定すれば良い。このようにすることで、一方のトラフ蓋19と他方のトラフ蓋19とを固定することができる。
尚、トラフ本体17に対するトラフ蓋19の固定位置が、一つのトラフに対して2カ所以上あれば、既設のトラフ線路に除電部材1を増設する場合において、各トラフ蓋19は、固定部材によりそれぞれのトラフに少なくとも1か所は固定されていることから、除電部材1はトラフ蓋19の固定部材が取り付けられていないトラフ蓋19の固定位置に固定すればよい。また、トラフ蓋19を上層薄肉部29の重ね合わせ位置または重ね合わせ位置の近傍(上層薄肉部29近傍)に固定すれば、下層薄肉部27と上層薄肉部29が重なった状態で、蓋の固定を行うことができる。このため、トラフ蓋19の固定を、各トラフについて1か所で済ますことができる。したがって、除電部材1をトラフ蓋19の上層薄肉部29と下層薄肉部27の重ね合わせ位置またはその近傍に取り付けることが望ましい。
このように、トラフ本体17に対するトラフ蓋19の固定位置は、上層薄肉部29上または上層薄肉部29の近傍であることが望ましい。この部位でトラフ蓋19を上方から固定することで、下側のトラフ蓋19が上側のトラフ蓋19で押さえられ、トラフ蓋19が開くことを防止することができる。したがって、除電部材1をこの位置に配置することで、除電部材1をトラフ蓋19の固定部材として機能させることができる。すなわち、除電部材1は、トラフ蓋19とトラフ本体17との固定部材としての構造を具備する。
このように、除電部材1は、固定部材33によるトラフ蓋19の固定位置と同一の位置に配置することができる。すなわち、固定部材33に代えて、除電部材1を配置することができる。この際、固定部材33と除電部材1とは、略同一の帯状金属片からなるため、それぞれの取り付け位置を相互に交換することも可能である。
なお、トラフ蓋19とトラフ本体17との固定位置にはすべて固定部材33を配置し、トラフ蓋19の固定は、固定部材33のみで行ってもよい。この場合には、除電部材1は固定部材33とは異なる部位(例えば、下層薄肉部27の近傍)に別途配置してもよい。
図7に示すように、トラフ線路40は、所定の間隔でトラフ蓋19が固定される。より具体的には、固定部材33および除電部材1は、一本のトラフ本体17およびトラフ蓋19ごとに配置される。したがって、除電部材1は、トラフ本体17の長さの整数倍の任意間隔で、複数設けることができる。このため、除電部材1の配置間隔(図中D)を測定することなく、トラフ本体17の本数から、容易に除電部材1の取り付け間隔を確認することができる。
次に、上述した除電構造を用いた静電気の除電方法について説明する。このように除電部材1が取り付けられたトラフ線路40(除電部材のトラフへの取り付け構造30)上を作業者が歩行すると、所定の距離ごとに、除電部材1に遭遇する。したがって、除電部材1を靴で踏むことで、作業者に帯電された静電気が、天板部で集電されて、接地部に放電される。すなわち、天板部5は集電板として機能する。したがって、作業者に帯電した静電気を除電することができる。ここで、天板部5の長さは作業者の靴底の長さより短くても良い。
ここで、作業者に帯電する電荷は、靴底とトラフの材料により決まる帯電列により決まるが、通常は、靴底は+に帯電し、作業者の靴底の近傍の足の部分は−に帯電する場合が多い。
尚、除電部材1のトラフ長手方向の長さが作業者の靴の長さより短い場合には、除電部材1の天板部5と靴底が接触した部分は瞬時に除電され、天板部5と靴底が直接接触しない部分は瞬時には除電されない。しかし、靴底は同種の電荷に帯電しているため、帯電した同種の電荷同士の静電反発力により、帯電した電荷が靴底の天板部5との接触部位にも移動してさらに除電が進むことになる。
ここで、より確実に除電を行うには、靴底の除電部材1と接触していない部分が除電部材1と接触するように、除電部材1の天板を踏み直すことでより確実に迅速に除電を行うことができる。この場合には、天板部5と未接触の状態で靴底に残留した静電気が天板部5との接触により除電できるので、念のために天板部5を靴底との接触位置を変えて踏み直すことが望ましい。
なお、作業者がトラフ線路40上を歩行する際には、歩行距離に応じて帯電量が増加する。労働省産業安全研究所「静電気安全指針」(National Institute of Occupational Safety and Health,Japan ”Recommendations for Requirements for avoiding Electrostatic Hazards in Industry(2007)”)によれば、作業者の体が3kV以上の電圧で帯電すると、放電時に痛烈な痛みを感じることが報告されている。
したがって、作業環境や作業者等にもよるが、作業者が3kV以上帯電しないように、除電部材1を取り付けることが望ましい。すなわち、作業者の歩行距離と帯電電圧の関係を求めて、この結果に基づいて作業者の歩行距離に応じて想定される帯電量の見込みを求め、これに見合うように、除電部材1の設置間隔を決定し、トラフ線路40の所定位置のトラフ蓋19の固定位置に、除電部材1を設けることが望ましい。例えば、トラフ線路40の100m以下の間隔で除電部材1を複数個設けることが望ましい。このようにすることで、トラフ線路40上を歩く作業者が、除電部材1の天板部5を踏み、静電誘導により帯電した作業者の静電気の除電を繰り返して行なうことができる。なお、望ましくは後述するように作業者の耐電圧が約3KV以上になる可能性が高い50mごとに除電部材1を取り付けることで、作業者が3kV以上帯電することを抑制したり、3kV以下の低電位に除電することができる。
なお、固定部材33として、除電部材1の帯状金属片3と同様の部材を用いた場合には、作業者が固定部材33と除電部材1とを識別できない恐れがある。このため、帯状金属片3の天板部5には、除電部材1と固定部材33とを識別可能なマーク等を設けてもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、除電部材1を樹脂製のトラフ線路40のトラフ蓋19の上面に設け、トラフ線路40上を歩く作業者が除電部材1の天板部5を踏むことで静電誘導により帯電した作業者の静電気の除電を行うことができる。したがって、作業者がトラフ線路40上を歩行する際に帯電した静電気を、容易に除電することができる。また、除電部材1は、固定部材33としての機能を具備するため、固定部材33に代えて配置することができる。すなわち、除電部材1によってトラフ本体17にトラフ蓋19を固定するとともに、除電部材1の天板部5から集電した静電気を、リード線15を通じて接地部に放電させることができる。また、固定部材33の固定位置であれば、いずれの位置にも配置することができる。
また、トラフへの固定部材33の取り付け位置に除電部材1を取り付けることができるため、従来のトラフをそのまま利用することができる。また、複数の除電部材1を所定の間隔で取り付ける際に、除電部材1の設置間隔を、トラフの長さの整数倍離れた任意の間隔または位置、あるいはこの任意の位置からトラフの固定位置の相互間距離に相当する距離だけ離れたトラフ蓋の固定位置に容易に複数の除電部材1をトラフ線路40に取り付けることができる。したがって、作業者に想定される帯電量に見合うように、除電部材1の取り付け位置を設定することができる。
また、トラフ蓋19の下層薄肉部27と上層薄肉部29とを相互に重ね合わせ、重ね合わせ位置またはその近傍に除電部材1を取り付けることで、トラフ蓋19を確実に固定することができる。
また、リード線15が天板部5ではなく脚状部7に接続されるため、歩行者の妨げにならない。また、天板部5が、トラフ蓋19の幅方向断面における上面の突出部の先端を結んで形成される面から上方にはみ出さないため、作業者が帯状金属片3につまずくことが無い。
また、脚状部7の外面にリード線15が接続されるため、リード線15の取り回しが容易であり、トラフ線路40近傍の接地部に容易に接続することができる。
また、天板部5の中央に、緩やかに凸状に膨らんだ凸状部31を形成することで、歩行者が天板部5を踏んだ際に、天板部5に形成された凸状部31が沈み込み、天板部5と歩行者の靴底の間の接触面積を増加させることができる。また、凸状部31を押し込むことで、帯状金属片3の取り外しが容易となる。
次に、第2の実施形態について説明する。図9(a)は、第2の実施の形態にかかる除電部材1aを示す斜視図である。なお、以下の説明において、除電部材1等と同一の機能を奏する構成については、図1〜図8と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
除電部材1aは、除電部材1とほぼ同様の構成であるが、係止爪10が、脚状部7とは別体で形成される点で異なる。係止爪10は、帯状金属片3の脚状部7等とは異なる板部材から構成される。なお、脚状部7も係止爪10もいずれもばね性を有する部材からなる。係止爪10が互いに内側に向くように、係止爪10を脚状部7の内面側に接合することで、除電部材1の係止爪10と同様の機能を得ることができる。
このように、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。尚、特に図示しないが、図13と類似した別の構成も考えることができる。例えば、固定部材45の上部に、除電部材1aの脚状部7を短めに形成し、脚状部7の先端を折り曲げて形成した固定部9を、トラフ蓋下面と固定部材45の間に装入し、トラフ蓋の下面に接するように配置することもできる。このとき、固定部9に孔を設け、ナット43の位置に対応するようにしてボルトナットで固定する構造とすることもできる。
次に、第3の実施形態について説明する。図9(b)は、第3の実施の形態にかかる除電部材1bを示す斜視図である。除電部材1bは、除電部材1とほぼ同様の構成であるが、リード線15の代わりにチェーン部材18をボルト11にナット13で固定したものである。ここで、チェーン部材18の他端部は、接地部に接続される。したがって、除電部材1bの天板部5から集電した静電気を、チェーン部材18を通じて接地部に放電させることができる。
第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。このように、本発明は、接地部と除電部材の金属製導電部材とを接続する導体部材として、リード線15やチェーン部材18を適用することができる。なお、以下の説明では、導体部材として、リード線15を用いた例について示す。
次に、第4の実施形態について説明する。図10は、第4の実施の形態にかかる除電部材1cを示す斜視図である。除電部材1cは、除電部材1とほぼ同様の構成であるが、リード線15の脚状部7への固定に、クリップ12が用いられる点で異なる。クリップ12は、ばね性を有する金属製部材であり、脚状部7の一部を挟持して、脚状部7に取り付けられる。クリップ12の外側面には、リード線15が接続される。すなわち、リード線145一端は、ばね性を有するクリップ12に接続されており、リード線15の他端は接地部に接続されている。なお、クリップ12を脚状部7に対してさらにリベットで固定してもよい。
このように、第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
次に、第5の実施形態について説明する。図11は、第5の実施の形態にかかる除電部材1dを示す斜視図である。除電部材1dは、除電部材1とほぼ同様の構成であるが、脚状部7の一部に、屈曲部14が形成され、リード線15の脚状部7への接続に、コネクタ16が用いられる点で異なる。
屈曲部14は、正面視において、略Ω型(一部が開口した略円形)であり、脚状部7の面側に形成される。屈曲部14は、脚状部7にプレス成形により形成され、トラフに取り付けた際に、トラフの長手方向に平行となるように、脚状部7の全幅にわたって形成される。したがって、屈曲部14によって、脚状部7には、略円柱形の空間が形成される。
屈曲部14(屈曲部14により形成された空間)には、金属製のコネクタ16が挿入される。コネクタ16は、当該空間に対応した略円柱状の形状である。コネクタ16の端面には、リード線15が接続される。コネクタ16を屈曲部14に挿入することで、リード線15と帯状金属片3とを導通させることができる。すなわち、リード線15の一端はコネクタ16に接続されており、コネクタ16が脚状部7に固定され、リード線15の他端は接地部に接続される。尚、この場合、コネクタ16の抜け防止のため、コネクタ16の長さが、帯状金属片3(脚状部7)の幅よりも長いものを使用することが望ましい。
このように、第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
次に、第6の実施形態について説明する。図12は、第6の実施の形態にかかる除電部材1eを示す斜視図である。除電部材1eは、除電部材1とほぼ同様の構成であるが、帯状金属片3の一部に孔37、39が形成される点で異なる。
天板部5の両端部近傍には、それぞれ孔37が形成される。また、除電部材1dの固定部9は、係止爪ではなく、内側に向けて、脚状部7に対して略垂直に折り曲げられて形成される。すなわち、脚状部7にはトラフ内方(脚状部7が互いに対向する方向)に向かって折り曲げられる固定部9がそれぞれの両側の脚状部7に形成される。この折曲げられた固定部9には、それぞれ孔39が形成される。なお、天板部5の両端部近傍の孔37と、脚状部7の両側の固定部9の孔39とがそれぞれ対向して平行に配列される。
図13は、除電部材1eをトラフに取り付けた状態を示す部分断面図である。前述した様に、トラフ本体17に対するトラフ蓋19の固定方法は、帯状金属片からなる固定部材33には限られない。図13に示す例では、固定部材45が用いられる。
固定部材45は、係止部21を上下から挟み込むように、板状部材が折曲げられて、上下の把持部が形成される。また、固定部材45の上下の把持部には、対応する部位に孔が形成される。また、固定部材45の下方の把持部の孔に対応する下面には、ナット43が溶接などにより接合一体化される。ナット43は望ましくは袋ナットである。
また、前述した様に、トラフ蓋19には、孔25が形成される。また、トラフ蓋19をトラフ本体17に固定した状態において、係止部21の、トラフ蓋19の孔25に対応する部位には、孔25aが形成される。すなわち、トラフ蓋19の孔25と、係止部21の孔25aが一直線に配列する。また、固定部材45を係止部21に固定した状態で、孔25aの位置と、固定部材45の把持部の孔の位置が対応する。
この状態で、孔25からボルト41を挿入する。ボルト41は、孔25、25aを貫通する。ボルト41を固定部材45のナット43と結合させることで、トラフ蓋19がトラフ本体17に固定される。
さらに、この状態から、除電部材1dをトラフ蓋19の上方から取り付ける。この際、天板部5の孔37がトラフ蓋19の孔25(ボルト41)の位置に対応する。また、固定部9は、固定部材45(係止部21)の下面側のナット43に被せることで係止される。この際、固定部9の孔39がナット43の位置に対応する。したがって、除電部材1dを固定した状態でも、ボルト41の状態を視認することができる。また、ナット43と帯状金属片3の固定部9とが干渉することが無い。
このように、第6の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
次に、第7の実施形態について説明する。図14は、第7の実施の形態にかかる除電部材1の取り付け構造を示す断面図である。なお、図14においては、除電部材1を用いた例を示すが、除電部材1a〜1dを用いてもよい。
前述した各実施形態においては、トラフ本体17およびトラフ蓋19の側方から挟み込むようにして、帯状金属片3をトラフに固定した例を説明した。本実施形態では、トラフ蓋19の両端部近傍に、帯状金属片3の脚状部7(固定部9)が挿通可能な孔47が形成される。また、トラフ本体17の係止部21にも、同様に、帯状金属片3の脚状部7(固定部9)が挿通可能な孔47が形成される。
トラフ蓋19をトラフ本体17上に設置した状態において、トラフ蓋19の孔47と、係止部21の孔49とが直線状に配列する。この状態で、トラフ蓋19の上方から、帯状金属片3の脚状部7を、トラフ蓋19の孔47と、係止部21の孔49に挿通する。帯状金属片3を完全に押し込むと、脚状部7の下端部の係止爪10が係止部21の下面(孔49の縁部)にかかり、帯状金属片3がトラフに固定される。
このように、第7の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
次に、実際にトラフ線路上に除電部材を取り付けて、作業者の除電効果について確認した。
(人体帯電電位の測定)
まず、作業者がリサイクル樹脂製のトラフを用いたトラフ線路上を50m歩行した際における、作業者の人体帯電圧を、春日電機製の人体電位測定器を用いて測定した。測定時の気温は15℃であり、湿度は30%であった。結果を表1に示す。
Figure 0006147443
表1より、作業者によってばらつきはあるものの、50m程度歩行すると、3.0kVを超える恐れがあることが分かった。前述したように、人体帯電圧が3.0kVを超えると、除電方法によっては、放電時に痛みを伴うことがある。ここで、本発明では、靴底を除電することで、間接的に人体に帯電した静電気を除電する方法であるため、除電時に静電気の影響を受けにくく、トラフ線路上の50m以下の間隔で、除電部材を取り付けることが望ましい。
(除電部材による除電効果)
次に、本発明の除電部材を用いて、帯電した作業者の除電効果を評価した。除電部材としては、図1に示す除電部材1と同様の構造とした。リード線の接続先としては、トラフ線路近傍のアンカーボルトとした。あらかじめトラフ線路上を所定時間歩行して、作業者の人体帯電圧を測定した。その後、トラフ線路に取り付けられた除電部材を片足で踏んだ際の人体帯電圧の変化を評価した。なお、作業者の靴としては、ポリウレタン靴底のものとEVA+NBR靴底のものを評価した。結果を表2に示す。
Figure 0006147443
表2に示すように、人体帯電圧が3.0kV以上であっても、除電部材を踏んだ1秒後には、直ちに除電されることが分かった。また、この効果は、靴底の材質によらず得ることができた。このように、除電部材によって、作業者が放電時に痛みを感じないレベルである1kV以下に除電できることが分かった。
次に、図5(b)に示す帯状金属片が天板部の幅方向の中央部が緩やかに上方に膨らんだ凸状部を形成して、トラフ蓋と天板部との間に隙間を形成した場合の除電効果を、表2と同様の靴底の材質がEVAとNBRを使用した合成ゴムについて確認実験を行った結果を表3に示す。
この時、トラフ蓋と天板部との間に隙間の最大値は1.0mmとし、除電前の歩行者の最大電位3.2kVの同一電位に設定した。この場合の作業者の踏み込み終了から1秒後の作業者の電位は、表2に比べて、0.06kV低下し、0.24kVとなった。
Figure 0006147443
ここで、特開2005−094958号公報に示されるL字型バックルでトラフ蓋を固定すると同時に帯状金属片の代わりに、前記L字型バックルを除電部材の集電部材として使用し、これにリード線を接続して、接地部に接続する構造の除電部材を試作し、除電実験を行った。ここで、バックルはコの字形の形状に曲げた金属棒をトラフ本体の側面に沿って、さらにL字に曲げたものであるが、この除電実験の結果は、集電部材としてのバックルをトラフ蓋上面で踏み込むことが難しく、例えバックルをうまく踏むことができた場合でも、トラフ蓋上面における靴底とバックルの間の接触面積が著しく少ないことから、十分な除電を行うことができなった。
なお、詳細は省略するが、接地部として、アンカーボルト以外の金属構造物や地中とした場合でも、同様の効果が得られた。尚、本発明における除電部材を用いた除電は、作業者の人体から直接除電を行うのではなく、作業者の絶縁部材からなる作業靴を除電することで、人体に静電誘導により発生した静電気を間接的に除電するため、人体が除電により電撃を受けることがない。また、上記のように、絶縁体である靴から除電を行うことから、靴の内部では、帯電した電荷同士の静電反発力による電荷の移動が起こることから、さらに除電が進むものの残留電荷が少し残るが、作業者が放電時に痛みを感じない電位以下に除電できるので実用上問題ない。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a、1b、1c、1d、1e………除電部材
3………帯状金属片
4………隙間
5………天板部
7………脚状部
9………固定部
10………係止爪
11………ボルト
12………クリップ
13………ナット
14………屈曲部
15………リード線
16………コネクタ
17………トラフ本体
18………チェーン部材
19………トラフ蓋
21………係止部
23………突出部
24………基底部
25、25a………孔
27………下層薄肉部
29………上層薄肉部
30………除電部材のトラフへの取り付け構造
31………凸状部
33………固定部材
35………アンカーボルト
37、39………孔
40………トラフ線路
41………ボルト
43………ナット
45………固定部材
47、49………孔

Claims (21)

  1. 除電部材のトラフへの取り付け構造であって、
    前記トラフはトラフ本体と、前記トラフ本体の上に配置された樹脂製のトラフ蓋からなり、
    前記除電部材は、導体部材と、前記導体部材との接続部を有する金属製導電部材と、を具備し、
    前記接続部に前記導体部材の一端が接続され、前記導体部材の他端は接地部に接続され、
    前記金属製導電部材は、天板部と、前記天板部の両端部に接続する一対の脚状部とを有しており、
    前記天板部は前記トラフ蓋上面を幅方向に覆って配置されており、
    前記一対の脚状部は前記トラフ本体を挟持しており、
    前記金属製導電部材が前記トラフ本体に固定されていることを特徴とする除電部材のトラフへの取り付け構造。
  2. 前記金属製導電部材は、帯状金属片を折り曲げて前記天板部と前記脚状部とを一体に形成したもので、前記天板部の中央には、前記トラフ蓋上面に突出する凸状部が形成され、前記凸状部と前記トラフ蓋との間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項1記載の除電部材のトラフへの取り付け構造。
  3. 前記トラフ蓋の上面には、基底部上に突出する突出部が形成され、
    前記天板部は、前記トラフ蓋の前記基底部の上面に配置され、さらに前記突出部の上面と、前記基底部の上面の間に位置することを特徴とする請求項1記載の除電部材のトラフへの取り付け構造。
  4. 前記脚状部には、前記トラフ本体に固定するための固定部が設けられ、
    前記固定部には、前記脚状部の下端部に形成された係止爪が形成されており、
    前記係止爪で前記トラフ本体の側面を挟持することで、前記金属製導電部材が前記トラフ本体に固定されていることを特徴とする請求項1記載の除電部材のトラフへの取り付け構造。
  5. 前記金属製導電部材は、前記トラフ蓋と前記トラフ本体との固定部材としての構造を具備し、前記除電部材は、前記トラフ本体への前記トラフ蓋の固定位置と同一位置に取り付け可能であることを特徴とする請求項4記載の除電部材のトラフへの取り付け構造。
  6. トラフ本体およびトラフ蓋をそれぞれ連結して形成したトラフ線路において、請求項1から請求項5のいずれかに記載の除電部材のトラフへの取り付け構造を、作業者の歩行距離と帯電電圧の関係を求めて、この結果に基づいて想定される帯電量に見合うようにトラフ線路の所定位置の前記トラフ蓋の固定位置に設けることを特徴とするトラフ線路。
  7. 前記トラフ本体および前記トラフ蓋をそれぞれ連結して形成したトラフ線路において、
    前記トラフ蓋は、長手方向の一端に下層薄肉部、他端に上層薄肉部を具備し、
    隣り合う前記トラフ蓋は、一方の前記トラフ蓋の前記上層薄肉部を、他方の前記トラフ蓋の前記下層薄肉部の上に重ね合わせられており、
    前記除電部材は、前記上層薄肉部と前記下層薄肉部との重ね合わせ位置または前記上層薄肉部に近傍に配置され、一方の前記トラフ蓋と他方の前記トラフ蓋を固定することを特徴とする請求項6記載のトラフ線路。
  8. 前記除電部材を設けた位置以外の、前記トラフ本体と前記トラフ蓋との固定位置には、前記金属製導電部材のみからなる固定部材を用いて前記トラフ蓋を前記トラフ本体へ固定することを特徴とする請求項6記載のトラフ線路。
  9. 請求項1記載の除電部材のトラフへの取り付け構造において、
    前記導体部材は、リード線またはチェーン部材であり、
    前記除電部材によって前記トラフ本体に前記トラフ蓋を固定するとともに、前記除電部材の前記天板部から集電した静電気を、前記リード線または前記チェーン部材を通じて前記接地部に放電させることを特徴とする静電気の除電方法。
  10. 前記導体部材は、チェーン部材であり、
    前記除電部材の前記天板部から集電した静電気を、前記チェーン部材を通じて前記接地部に放電させることを特徴とする請求項9記載の静電気の除電方法。
  11. 前記金属製導電部材の脚状部にボルトが溶接され、前記導体部材の一端は、ナットによって前記ボルトに固定されて接続され、前記導体部材の他端は前記接地部に接続されていることを特徴とする請求項9記載の静電気の除電方法。
  12. 前記導体部材は、リード線であり、
    前記リード線の一端は、ばね性を有するクリップに接続されており、前記クリップは前記脚状部の一部を挟持しており、前記リード線の他端は前記接地部に接続されていることを特徴とする請求項9記載の静電気の除電方法。
  13. 前記導体部材は、リード線であり、
    前記リード線の一端はコネクタに接続されており、前記コネクタは前記脚状部に固定されており前記リード線の他端は前記接地部に接続されていることを特徴とする請求項9記載の静電気の除電方法。
  14. 前記除電部材と、前記トラフ本体と前記トラフ蓋とを固定する固定部材の取り付け位置を、相互に交換することが可能なことを特徴とする請求項9記載の静電気の除電方法。
  15. 前記接地部はコンクリートアンカボルト、金属構造物、地中のいずれかであり、前記脚状部と前記接地部が前記導体部材により電気的に接続されていること特徴とする請求項9記載の静電気の除電方法。
  16. 前記除電部材を樹脂製トラフ線路の前記トラフ蓋上面に設け、トラフ線路上を歩く作業者が前記除電部材の前記天板部を踏むことで静電誘導により帯電した作業者の静電気の除電を行うことを特徴とする請求項9記載の静電気の除電方法。
  17. 前記除電部材を樹脂製トラフ線路上に100m以下の間隔で複数個設けて、トラフ線路上を歩く作業者が前記除電部材の前記天板部を踏むことで静電誘導により帯電した作業者の静電気の除電を繰り返して行なうことを特徴とする請求項16に記載の静電気の除電方法。
  18. 前記トラフ線路上に複数個設けられる前記除電部材の設置間隔は、前記トラフ本体の長さの整数倍の任意間隔の位置または、前記整数倍の任意間隔の位置から、前記トラフ本体への前記トラフ蓋の固定位置の相互間距離に相当する距離だけ離れた位置のいずれかとすることを特徴とする請求項17記載の静電気の除電方法。
  19. 前記トラフ線路上に設ける前記除電部材の設置間隔は、作業者の歩行距離と帯電電圧の関係を求めて、この結果に基づいて作業者の歩行距離に応じた帯電電圧の見込みを求めることで前記除電部材の設置間隔を決定することを特徴とする請求項18に記載の静電気の除電方法。
  20. トラフへ取り付ける除電部材であって、除電部材は、導体部材と、前記導体部材との接続部を有する金属製導電部材と、を具備し、前記接続部に前記導体部材の一端が接続され、前記導体部材の他端は接地部に接続され、前記金属製導電部材は、天板部と、前記天板部の両端部に接続するばね性を有する帯状金属片を折り曲げて形成したトラフ本体を挟持する一対の脚状部とを有しており、前記脚状部は、前記天板部に対して鋭角に曲げられていて、トラフ側壁を挟持するときにトラフ側壁に押圧力を及ぼすように前記脚状部が開口することを特徴とする除電部材。
  21. トラフへ取り付ける除電部材であって、除電部材は、導体部材と、前記導体部材との接続部を有する金属製導電部材と、を具備し、前記接続部に前記導体部材の一端が接続され、前記導体部材の他端は接地部に接続され、前記金属製導電部材は、天板部と、前記天板部の両端部に接続するばね性を有する帯状金属片を折り曲げて形成したトラフ本体を挟持する一対の脚状部とを有しており、前記脚状部にはトラフ内方に向かって折り曲げられる固定部がそれぞれの脚状部の両側に形成され、前記天板部の両端部近傍と前記脚状部の両側の固定部には孔がそれぞれ設けられ、前記天板部の両端部近傍の孔と前記脚状部の両側の固定部近傍の孔とがそれぞれ対向して平行に配列されることを特徴とする除電部材。
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