JP6146433B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
従来より、特定の状態(例えば、当たり状態)となった場合に、遊技球が入球可能となる状態に入球手段が可変されることで、発射装置の発射強度を調整して入球可能となった入球手段へ遊技球を発射させる遊技性を備えた遊技機が知られている。
特開平9−308730号公報
しかしながら、上述した従来の遊技機では、さらに好適な遊技機が求められていた。
さらに遊技を好適にした遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技領域へ遊技球を遊技者の操作に基づいて発射可能な発射手段と、前記遊技領域における特定の領域へ遊技球が到達可能となるように、遊技者の操作に基づいて前記発射手段による遊技球の発射を制御する発射制御手段と、前記特定の領域に配置され、遊技球が入球可能な第1入球手段と、前記特定の領域に配置され、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記特定の領域とは異なる領域に配置される第3入球手段と、その第3入球手段に遊技球が入球したことに基づいて識別情報の動的表示を所定期間実行することが可能な動的表示実行手段と、前記識別情報が特定の識別情報で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、前記識別情報が動的表示されている期間に特定条件の成立を判定することが可能な判定手段と、前記第1入球手段よりも前記第2入球手段に遊技球が入球し易くする第1位置と、前記第2入球手段よりも前記第1入球手段に遊技球が入球し易くする第2位置とに可変されることが可能な可変部材と、前記可変部材が前記第1位置に可変されている場合に、前記第2入球手段に第1所定数の遊技球が入球したことに基づいて、前記可変部材を前記第2位置へと可変させる第1可変手段と、前記可変部材が前記第2位置に可変されている場合に、前記第1入球手段に第2所定数の遊技球が入球したことに基づいて、前記可変部材を前記第1位置へと可変させる第2可変手段と、前記判定手段により特定条件が成立したと判定されたことに基づいて、前記動的表示実行手段により実行されている前記識別情報の動的表示を、前記所定期間の経過前に終了させる終了手段と、を有し、前記識別情報が動的表示されている期間に前記第1入球手段に入球し、特定条件が成立すると決定された場合には、前記特定条件が成立するまでの期間に対応した期間で構成された前記識別情報の動的表示が途中で終了されることを示す特定演出が実行されるものである
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記識別情報が動的表示される表示手段は、液晶ディスプレイで構成されているものである。
請求項1記載の遊技機によれば、遊技領域へ遊技球を遊技者の操作に基づいて発射可能な発射手段と、前記遊技領域における特定の領域へ遊技球が到達可能となるように、遊技者の操作に基づいて前記発射手段による遊技球の発射を制御する発射制御手段と、前記特定の領域に配置され、遊技球が入球可能な第1入球手段と、前記特定の領域に配置され、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記特定の領域とは異なる領域に配置される第3入球手段と、その第3入球手段に遊技球が入球したことに基づいて識別情報の動的表示を所定期間実行することが可能な動的表示実行手段と、前記識別情報が特定の識別情報で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、前記識別情報が動的表示されている期間に特定条件の成立を判定することが可能な判定手段と、前記第1入球手段よりも前記第2入球手段に遊技球が入球し易くする第1位置と、前記第2入球手段よりも前記第1入球手段に遊技球が入球し易くする第2位置とに可変されることが可能な可変部材と、前記可変部材が前記第1位置に可変されている場合に、前記第2入球手段に第1所定数の遊技球が入球したことに基づいて、前記可変部材を前記第2位置へと可変させる第1可変手段と、前記可変部材が前記第2位置に可変されている場合に、前記第1入球手段に第2所定数の遊技球が入球したことに基づいて、前記可変部材を前記第1位置へと可変させる第2可変手段と、前記判定手段により特定条件が成立したと判定されたことに基づいて、前記動的表示実行手段により実行されている前記識別情報の動的表示を、前記所定期間の経過前に終了させる終了手段と、を有し、前記識別情報が動的表示されている期間に前記第1入球手段に入球し、特定条件が成立すると決定された場合には、前記特定条件が成立するまでの期間に対応した期間で構成された前記識別情報の動的表示が途中で終了されることを示す特定演出が実行されるものである。よって、遊技を好適にすることができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記識別情報が動的表示される表示手段は、液晶ディスプレイで構成されているものである。よって、多様な表示態様を表示できるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 (a)及び(b)は、第1実施形態における遊技盤の背面の一部を、正面側から透視した部分拡大正面図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の背面図である。 (a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置の表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置の実際の表示画面を例示した図である。 (a)及び(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置で表示される押下示唆演出の演出画面を模式的に示した図である。 (a)及び(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置で表示される押下示唆演出の演出画面を模式的に示した図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態における発射制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 各種カウンタの概要を示す図である。 (a)は、第1実施形態における主制御装置のROMの内容を模式的に示した図であり、(b)は、第1実施形態における主制御装置のRAMの内容を模式的に示した図である。 (a)は、第1実施形態における第1当たり乱数テーブルを模式的に示した図であり、(b)は、第1実施形態における第1当たり種別選択テーブルを模式的に示した図であり、(c)は、第1実施形態における第2当たり乱数テーブルを模式的に示した図であり、(d)は、第1実施形態における変動パターンテーブルの内容を模式的に示した図である。 (a)は、第1実施形態における第1特別図柄用変動パターンテーブルの内容を模式的に示した図であり、(b)は、第1実施形態における特図1大当たり用変動パターンテーブルを模式的に示した図であり、(c)は、第1実施形態における特図1外れ用(通常)変動パターンテーブルを模式的に示した図であり、(d)は、第1実施形態における特図1外れ用(確変)変動パターンテーブルを模式的に示した図である。 (a)は、第1実施形態における第2特別図柄用変動パターンテーブルの内容を模式的に示した図であり、(b)は、第1実施形態における特図2大当たり用変動パターンテーブルを模式的に示した図であり、(c)は、第1実施形態における特図2小当たり用変動パターンテーブルを模式的に示した図であり、(d)は、第1実施形態における特図2外れ用変動パターンテーブルを模式的に示した図である。 (a)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のROMの内容を模式的に示した図であり、(b)は、第1実施形態における演出変更選択テーブルを模式的に示した図であり、(c)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの内容を模式的に示した図である。 第1実施形態における表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態における表示制御装置のワークRAMの内容を模式的に示した図である。 (a)〜(c)は、第1実施形態における電源投入時画像を説明する説明図である。 (a)は、第1実施形態における背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面Bを説明する説明図である。 第1実施形態における表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 第1実施形態における転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 第1実施形態における描画リストの一例を模式的に示した模式図である。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄大当たり判定処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動パターン選択処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄大当たり判定処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動パターン選択処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される先読み処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たりコマンド処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される入賞時演出変更処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される疑似演出変更処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される演出変更処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される示唆演出処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示したフローチャートである。 (a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 (a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される大当たり関連コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される演出変更コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される示唆演出コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。 (a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。 第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。 第1実施形態の第1変形例におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 第1実施形態の第2変形例におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 第1実施形態の第2変形例におけるパチンコ機の遊技盤の部分拡大正面図である。 第1実施形態の第3変形例におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 第1実施形態の第4変形例におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 第1実施形態の第5変形例におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 第1実施形態の第6変形例におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図65を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3は遊技盤13を正面視した場合における遊技盤13の背面側の部分正面拡大図であり、図4はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63a、63b、67等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図8参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、押下されることで、一定の発射強度(後述する第2入賞口640(図2参照)に入球可能な発射強度)で遊技球が発射されるスキップスイッチ51c、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とがそれぞれ内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。なお、ここで、回動操作される最大の回動量で発射しても後述する第2入賞口640に遊技球が入賞困難な発射強度(具体的には、返しゴム600aに遊技球が衝突する発射強度)で発射される。これにより、操作ハンドル51を回転操作して遊技球を発射させても第2入賞口640には入賞できない(入賞困難)となるように構成でき、第2入賞口640へ入賞させるには、スキップスイッチ51cを使用して遊技球を発射させることで容易に入賞させるように構成できる。よって、第2入賞口640へ入賞させる操作を別の操作とすることができ、遊技者が意図的に第2入賞口640へ容易に入賞させることができる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
なお、操作ハンドル51のスキップスイッチ51cがオンの場合(押下されている場合)には、上述した可変抵抗器の抵抗値に関わらず一定の強さで球が発射される。ここで、本パチンコ機10では遊技球の発射強度を、発射ソレノイド142(図8参照)に供給される電力値(電圧値)を可変させることで、最小の発射強度である0%から最大の発射強度である100%まで可変することが可能に構成されている。この発射強度は、スキップスイッチ51cがオフの場合(押下されていない場合)には、操作ハンドル51の回動操作量に応じて0%(遊技球が発射されない状態)〜90%(図2の破線b参照)まで可変することが可能となっており、スキップスイッチ51cがオンの場合(押下されている場合)には、操作ハンドル51の回動操作量に関係なく100%(図2の破線a参照)に可変されるものである。
詳細は後述するが、スキップスイッチ51cがオンの場合に遊技球が発射される発射強度は、操作ハンドル51の回動操作量に応じて可変される発射強度(0〜90%)のうち最大の発射強度(90%、図2の破線b参照)よりも強い発射強度(100%、図2の破線a参照)となる。この100%の発射強度は、後述する第2入賞口640(図2参照)へ遊技球が到達可能な強度となっている。
一方、スキップスイッチがオフの場合(押下されていない場合)には、上述したように操作ハンドル51の回動操作量に対応した発射強度で遊技球が発射される。その結果、操作ハンドル51の回動操作量に対応した発射強度(0〜90%)では、遊技球が第2入賞口640へ到達することがない(又は、困難となっている)。これにより、スキップスイッチ51cを押下した場合にのみ、第2入賞口640へ遊技球を入球させることができる(又は、容易に入球させることができる)。
なお、本実施形態では、スキップスイッチ51cを押下することにより、操作ハンドル51の回動操作量に対応した発射強度(0〜90%)とは異なる発射強度(100%)で遊技球を発射することが可能となるよう構成したが、これに限られず、スキップスイッチ51cを押下することにより、操作ハンドル51の操作範囲(回動範囲)が広がる(又は、可変される)ように構成してもよい。
具体的には、スキップスイッチ51cを押下していない場合には、回動操作量が所定の発射強度(90%)となる位置で、それより右方向(時計回り)へ回動する回動操作を規制する。一方、スキップスイッチ51cを押下した場合にその規制を解除し、回動操作量が所定の発射強度(90%)となる位置から、更に右方向(時計回り)へ回動可能とする。これにより、スキップスイッチ51cを押下することにより、発射強度が0〜100%となる範囲で回動操作することが可能となる。その結果、スキップスイッチ51cを押下した場合に回動操作量を増加することができ、スキップスイッチ51cの押下有無によって、遊技球を発射可能な発射強度を変更することができる。その結果、上述したようにスキップスイッチ51cを押下した場合にのみ、第2入賞口640へ遊技球を入球させることができる。
また、スキップスイッチ51cを押下することにより、操作ハンドル51の回動操作量に対応する発射強度が変更されるように構成してもよい。具体的には、操作ハンドル51の回動操作量を検出するための可変抵抗器を2種類設け、スキップスイッチ51cの押下有無に応じて、どちらの可変抵抗器の電気抵抗に基づいて発射強度を設定するかを切り替えるようにすればよい。この場合、操作ハンドル51cの回動操作量が同一であっても、スキップスイッチ51cの押下有無に応じて用いられる可変抵抗器の種類が切り替わる。よって、検出される電気抵抗が異なる、即ち、設定される発射強度が異なることになる。その結果、操作ハンドル51の回動操作量に対応する発射強度をスキップスイッチ51cの押下有無に応じて変更することができる。
これにより、例えば、スキップスイッチ51cが押下されていない場合には、操作ハンドル51の操作に基づく発射強度が、遊技盤13の左側に遊技球が打ち出される発射強度(0〜50%)とし、一方、スキップスイッチ51cが押下されている場合には、操作ハンドル51の操作に基づく発射強度が、遊技盤13の右側に遊技球が打ち出される発射強度(50〜100%)とする。これにより、遊技盤13の左側と右側とに遊技球を容易に打ち分けることが可能な遊技機を提供することができる。
なお、本実施形態におけるスキップスイッチ51cは、遊技者が押下している間にのみオン状態になるものとしたが、これに限られず、遊技者の押下操作毎にオン状態とオフ状態とが切り替わるものでも良い。これにより、スキップスイッチ51cを継続してオン状態にする場合に、スキップスイッチ51cを押下し続ける必要がないため、遊技者の操作負荷を軽減することができる。
また、スキップスイッチ51cは操作ハンドル51に設けるようにしたが、これに限られず、他の位置に配置してもよいし、他のボタン(例えば、枠ボタン22)と共通化してもよい。さらに、スキップスイッチ51cはボタンに限られず、レバーなどの他の操作手段であってもよい。なお、枠ボタン22とスキップスイッチ51cとを共通化した場合には、特定の状態(例えば、押下示唆演出の実行中)にのみ、枠ボタン22の操作に基づいて遊技球が発射されるようにし、その他の状態では、遊技球が発射されないようにしてもよい。これにより、単に演出の興趣向上を目的とした枠ボタン22の押下を示唆する演出(所謂、ボタン押下演出)中に遊技球が発射されてしまうことがないようにできる。
さらに、スキップスイッチ51cの押下に基づいて発射強度を変更することで、遊技者の意図した発射強度で発射することができるように構成したが、上述した構成に限られず、遊技者が発射強度を認識しやすくする構成としてもよい。例えば、操作ハンドル51を右方向(時計回り)に回動していき、回動操作量が所定の発射強度(90%)となる位置よりも、右方向(時計回り)へ回動された場合(即ち、発射強度が90%を超えた場合)に、LEDを点灯させたり、音を出力したり、画面表示を行ったりすることで、遊技者に報知を行う。これにより、発射強度が所定の発射強度(90%)を超えて遊技を実行していることを、遊技者が容易に認識することのできる遊技機を提供できる。
また、スキップスイッチ51cを設けずに、操作ハンドル51の回動範囲を発射強度0%〜100%としておき、90%〜100%の範囲に対応する回動に必要な回動力を高く設定しておくように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が意図的に回動力を高めて操作ハンドル51を回動させることで、90%より強い発射強度で遊技球を発射することができ、通常時は、90%よりも強い発射強度に対応した回動力よりも小さい回動力で操作ハンドル51を操作することで、0%〜90%の間の任意の発射強度で遊技球を容易に発射することができる(即ち、意図せずに、90%より強い発射強度で遊技球を発射してしまう不具合を抑制できる)。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、右第1入賞口641、第2入賞口640、可変入賞装置65、普通入賞口(スルーゲート)67、回転役物680、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。第1入賞口64、右第1入賞口641、第2入賞口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図8参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技盤13の中央右側には、普通入賞口(スルーゲート)67が設けられている。普通入賞口67は、ゲート型で遊技球の通過を検出することができるセンサを有した入賞口で構成されている。普通入賞口67を遊技球が通過した場合に、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。普通入賞口67へ遊技球が通過したことに対して行われる抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。
普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、後述する、可変表示装置ユニット80に設けられた第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、「○」と「×」の図柄が交互に所定時間(例えば、20秒)点灯した後に、抽選結果を示す普通図柄(本実施形態では「○」もしくは「×」の図柄)が停止表示(点灯表示)される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に普通入賞口67に球が通過すると、その通過回数は、最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示される。
普通図柄の当たりと判定された場合には、第2図柄表示装置83に普通図柄の抽選が当たりであったことを示す図柄である「○」が点灯表示される。当たりである図柄が表示されると、普通電動役物641aが作動し、通常時は上方に起立した状態で維持されている右第1入賞口641に付随して設けられている普通電動役物641aが略垂直に起立した状態から略V字形(逆ハの字形)に可動される。これにより、略V字形(逆ハの字形)に可動された普通電動役物641aにより遊技球が誘導され、右第1入賞口641に所定時間(本実施形態では1.2s)遊技球を入球し易い状態になる。一方、普通図柄の外れと判定された場合には、第2図柄表示装置83に普通図柄の抽選が外れであったことを示す図柄である「×」が点灯表示される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入賞口64または右第1入賞口641、第2入賞口640、普通入賞口67に入賞された球のうち変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。また、大当たり中のラウンド数やエラー表示もそれに対応する点灯状態により示される。
7セグメント表示器37bは、左右に2つの7セグメントLEDで構成されている。左側の7セグメントLEDは、第1抽選遊技の判定結果を示す第1特別図柄が変動表示(動的表示)される。具体的には、第1入賞口64または右第1入賞口641への入賞に基づいて決定された、変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(本実施形態では、7セグメントの中央のセグメントが点滅表示)した後に、判定結果を示す図柄で停止表示される。判定結果が外れの場合には中央の1セグメントが点灯表示する外れを示す図柄「−」が表示される。一方、判定結果が当たりである場合には、当たりに対応した図柄「3」、「7」などの外れを示す図柄とは異なる図柄が表示される。第2抽選遊技についても、第1抽選遊技と同様に構成されている。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
また、パチンコ機10における変動パターン(変動態様または動的表示態様)は、後述するが、変動態様毎に変動時間が設定されており、時間情報に関する動的表示態様に該当する。さらには、変動パターンは、リーチとなる変動パターンと非リーチとなる変動パターンとで、変動時間の比較的長い長時間変動パターンと比較的変動時間の短い短時間変動パターンとに分けることもできる。このように、大まかに、時間の一定基準(ここでは、リーチ、非リーチ、または、基準時間(例えば、10秒より長いか否か))で仕分けた場合に対しても、時間情報に関する動的表示態様に該当する。
また、変動開始時間となるまでの時間情報については、正確な変動開始となる時間も該当するし、上記した、大まかな変動パターンの時間情報(例えば、長時間変動パターンであるか否か等)に基づいて決定される時間情報(例えば、変動開始までに行われる長時間変動パターンの回数等)についての情報も該当する。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64、右第1入賞口641及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として特別図柄の抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、設定されている遊技状態と、特別図柄の種別(第1特別図柄、第2特別図柄)とに対応してそれぞれ選択される大当たり種別が設定されている。
大当たり確率が低確率で、普通図柄の当たり確率も低確率に設定される通常遊技状態では、第1特別図柄の大当たり種別としては、大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))、大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回))が用意されている。第2特別図柄の大当たり種別としては、大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し)(所謂、2R潜伏確変大当たり))、大当たりF(2R通常大当たり(電サポなし))が用意されている。
また、大当たり確率が低確率または高確率で普通図柄の当たり確率が高確率に設定される電サポ遊技状態(確変遊技状態、時短遊技状態)では、第1特別図柄の大当たり種別としては、上述した通常遊技状態の場合と同様の大当たり種別が用意されている。第2特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりC(2R確変大当たり(電サポ次回まで))」、「大当たりD(2R時短大当たり(電サポ100回))」が用意されている。
上記したように、大当たり種別を設定することで、通常遊技状態では、詳細は後述するが、第2入賞口640へ遊技者が意図的に入賞し易くなっているが、得られる大当たり時の特典としては第1特別図柄よりも少なくなっている。具体的は、第1特別図柄で大当たりすると、大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))または大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回))が設定されるので、16ラウンドの大当たりとなり、1ラウンド100球の遊技球を得ることができ、16ラウンドで1600球の遊技球を得ることができる。一方、第2特別図柄で大当たり(「大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))」または「大当たりF(2R通常大当たり(電サポなし))」)となっても2ラウンドの大当たりであり、さらに1ラウンドでは、1球が後述する特定入球口65aに入賞できるか否かの開放時間(1ラウンド0.5秒)となっているので、ほとんど遊技球を得ることができない大当たりとなっている。さらに、第1特別図柄では、大当たり遊技後に、右第1入賞口641へ遊技球が入賞し易くなる電サポ状態に必ず移行するが、第2特別図柄では、大当たり遊技後には電サポ状態に移行しない構成となっている。
これにより、第2入賞口640のみに遊技球を入賞させるように遊技を行う不正がされた場合にも、遊技店側が多大な被害を受ける不具合を抑制できる。さらに、後述するが、所定以上の間、第1特別図柄の抽選が行われない状態で、第2特別図柄の抽選が連続して実行されると、エラー表示(店員を呼ぶ表示態様や現在の遊技方法が不正であることを示す表示態様)が第3図柄表示装置81に表示され、音声でもエラーを示す警報音や音声が出力される。さらに、外部出力端子261に対してもエラー信号が出力され、ホールコンピュータへと通知される。これにより、遊技店側も不正な遊技方法を早期に判別でき、不正な遊技による被害を抑制することができる。
なお、第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「16R確変大当たり(電サポあり)」とは、最大ラウンド数が16ラウンド(1ラウンドは、30秒または10球入賞まで)の大当たりの後に特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)の抽選確率が高く設定される高確率状態へ移行するとともに時短状態(普通図柄の当たり確率が高確率)となる大当たりのことである。また、「16R時短大当たり」は、最大ラウンド数が16ラウンド(1ラウンドは30秒または10球入賞まで)の大当たりの後に、特別図柄の抽選確率が低く設定される低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(本実施形態では、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。「2R潜伏確変大当たり(電サポなし)」とは、最大ラウンド数が2ラウンド(1ラウンドは、0.5秒または10球入賞まで)の大当たりの後に、高確率状態へ移行する大当たりのことである。この場合、大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))とは異なり、時短状態(電サポ状態)は付与されない。また、「2R通常大当たり(電サポなし)」とは、上述した2R潜伏確変大当たり(電サポなし)に対して、大当たり遊技後が低確率状態に移行される大当たりである。「2R確変大当たり(電サポ次回まで)」の大当たりは、最大ラウンド数が2ラウンド(1ラウンドは、0.5秒または10球入賞まで)の大当たりの後に、高確率状態へ移行すると共に、次回の大当たりまで時短遊技状態へ移行する大当たりのことである。「2R通常大当たり(電サポ100回)」の大当たりは、最大ラウンド数が2ラウンド(1ラウンドは、0.5秒または10球入賞まで)の大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、外れとなる特別図柄の変動回数が最大100回まで時短遊技状態へ移行する大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する普通図柄の当たり確率がアップして右第1入賞口641へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで普通図柄の当たり確率のみがアップして右第1入賞口641へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も普通図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中(潜伏確変状態除く)や時短中は、普通図柄の当たり確率がアップするだけではなく、右第1入賞口641に付随する電動役物641aが開放される時間と回数も変更され、通常中と比して長い時間と多い開放回数が設定される。電動役物641aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物641aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、右第1賞口641へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、右第1入賞口641へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、右第1入賞口641に付随する電動役物641aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物641aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、右第1入賞口641に付随する電動役物641aが開放される時間および1回の当たりで電動役物641aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物641aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物641aを開放する回数はせず、普通図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。さらに、普通図柄の当たり確率は変更せずに、変動時間の長さを変えるように構成してもよい。具体的には、当たり確率は1/1に設定しておき、通常時は、変動時間を5分等にし、時短中は、0.5秒に設定することで、右第1入賞口641へ遊技球を入球し難い状態とし易い状態とに切替可能に設定するように構成してもよい。
次に、遊技領域の下側には、複数の一般入賞口63が配設されている。この一般入賞口63へ遊技球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される。遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64、右第1入賞口641または第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして普通図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図8参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図8参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。この第3図柄表示装置81に表示される表示内容の詳細については、図5から図7を参照して後述する。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、右第1入賞口641に付随された電動役物641aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、右第1入賞口641の電動役物641aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、右第1入賞口641へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物641aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に右第1入賞口641へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で第1特別図柄についての抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る、右第1入賞口641が配設されている。この右第1入賞口641へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる右第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなる。右第1入賞口スイッチがオンとなると、上述した第1入賞口スイッチがオンとなった場合と同様に、右第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置(図4参照)で第1特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
ここで、第1入賞口64および右第1入賞口641は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、各入賞口へ遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数を同じに構成したが、それぞれ異なるようにしても良い。例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、右第1入賞口641へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
右第1入賞口641には電動役物641aが付随されている。この電動役物641aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物641aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が右第1入賞口641へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物641aが開放状態(拡大状態)となり、球が右第1入賞口641へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物641aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物641aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、右第1入賞口641へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64は、右第1入賞口641にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。一方、右第1入賞口641には電動役物641aが設けられており、通常時(時短中でない場合)は電動役物641aが開放され難く、右第1入賞口641へ遊技球を入球させることが困難な状態となっている。
よって、通常中においては、右第1入賞口641に付随する電動役物641aが閉鎖状態にある場合が多く、右第1入賞口641に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、右第1入賞口641に付随する電動役物641aが開放状態となりやすく、右第1入賞口641に入賞しやすい状態であるので、右第1入賞口641へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物641aを開放状態にすると共に、右第1入賞口641への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
次に、遊技領域の右側上方であって、スルーゲート67および右第1入賞口641の上方の遊技領域には、右第1入賞口641へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように発射(所謂「右打ち」)された遊技球が入球可能な位置に作動口670が配設されている。詳細は図3を参照して説明するが、この作動口670へ遊技球が入球することにより、第2入賞口640に付随して設けられている非電動役物640aが開状態(第2入賞口640へ遊技球が入球可能な状態)へ可変される。
また、作動口670の上側には、回転体681とケース部材682とで構成される回転役物680が配設されている。回転体681は回動可能となるようにケース部材682に軸支されており、回転体681の外周位置に上下2箇所に遊技球が1球通過可能な開口部を有したケース部材682が遊技盤にビス止めされることにより配設されている。ケース部材682の下側の開口部である下開口部682bの下側には、上述した作動口670が配設されており、ケース部材682の下開口部682bから流下した遊技球は作動口670へ入球することになる。
回転体681は円形の外形で構成され、遊技球1球分の厚みで構成されている。周囲には、遊技球が1球入球可能な凹部681aが1箇所形成されており、遊技盤13の背面側に配置される図示しない回転モータ681aにより右方向(時計回り)に1回転5秒の回転速度で常時回動される。よって、ケース部材682の上側の開口部である上開口部682aへ遊技球が入球する場合に、回転体681の凹部681aが上側(上開口部682aの下方)に位置していると、その凹部681aに遊技球が入球する。そして、回転体681が回転し、その遊技球が入球した凹部681aが下側(下開口部682bの上方)へ回動されると、遊技球は下開口部682bからケース部材682の外側へと流下し、すぐ下側に配設されている作動口670へ入球する。
一方、ケース部材682の上開口部682aへ遊技球が入球する場合に、回転体681の凹部681aが上側以外の位置に位置していると、遊技球はケース部材682の内側へ入球することができない。ここで、ケース部材682と回転体681との隙間を非常に狭く(本実施形態では1mm)構成し、回転体681の凹部681aでない外形の一部がケース部材682の上開口部682aから突出するように構成している。また、ケース部材682は、遊技球の直径に対して非常に小さい厚み(本実施形態では1mm)で形成している。さらに、ケース部材682の上開口部682aの右端部には、垂直方向に遊技球1球分の直径(11mm)分の壁部が設けられている。これにより、回転体681の凹部681aが上側以外の位置に位置している場合に、ケース部材682の内側へ入球することができなかった遊技球は、回転体681の上部から回転体681の外形に沿って左側下方へ流下する。そして、回転体681の外周に設けられているケース部材682の厚み(1mm)を乗り越えて、スルーゲート67や右第1入賞口641の配置されている下方の遊技領域へ流下する。
なお、本実施形態では、スルーゲート67へ流下し難いように、スルーゲート67上部の釘を調整すると、回転役物680へ遊技球が流下し易くなっている。しかし、回転役物680の内部へ入球しなかった遊技球が流下する遊技領域である、回転役物680の左下の遊技領域にスルーゲート67を設けている。よって、スルーゲート67へ遊技球が流下し難く調整しても、スルーゲート67へと流下せず、回転役物680へと流下した遊技球が、その後、スルーゲート67へと流下することとなる。その結果、スルーゲート67へ遊技球が入球し難くなるような調整を困難とすることができ、遊技者にとって不利な調整がなされることを抑制することができる。
このように、回転役物680では、5秒毎に1球のみ回転体681の凹部681aに遊技球が入球し、作動口670へ入球する。これにより、作動口670へ遊技球が過剰に入球し、作動口670の下方位置に設けられている右第1入賞口641や特定入賞口65aへ遊技球が入球し難くなってしまうことを抑制することができる。
なお、回転役物680における回転体681の回転速度は、上述したものに限られるものではなく、10秒毎に1球入球可能となるようにしてもよいし、3秒毎に1球入球可能となるようにしてもよい。また、遊技状態に応じて、回転体681の回転速度を変更するようにしてもよい。例えば、遊技状態が右打ち遊技状態でない場合には、回転体681の回転速度を遅くし(1分毎に1球入球可能となる回転速度)、遊技状態が右打ち状態である場合には、回転体681の回転速度を速くする(5秒毎に1球入球可能となる回転速度)。さらに、特定の遊技状態でなければ、回転体681が回転されないように制御してもよいし、回転体681の受容部681aへ遊技球が入球不可能となるような速い回転速度となるように制御してもよい。これにより、遊技状態が特定の遊技状態(例えば、右打ち遊技状態)でなければ、回転体681の受容部681aへ遊技球が入球し、作動口670へ遊技球が入球させることができない。その結果、遊技状態が特定の遊技状態(例えば、右打ち遊技状態)でないにも関わらず、作動口670へ遊技球を入球させ、第2入賞口640へ遊技球を入球させようとする不正行為を抑制することができる。
また、回転体681と回転体681への入球を規制するためのケース部材682とのいずれもが回転するように構成してもよい。具体的には、回転体681の凹部681aとケース部材682の開口部とが共に上側となっている場合に、遊技球が回転体681の凹部681aへと入球可能となり、回転体681の凹部681aとケース部材682の開口部とが共に下側となっている場合に凹部681aの遊技球が作動口670へと流下可能となる。回転体651とケース部材682との回転速度を異ならせることによって、回転体681の凹部681aへ遊技球が入球するタイミングを判断することを困難にすることができる。その結果、意図して遊技球を作動口670へ入球させ、その後、第2入賞口640へ入球させる不正行為を抑制することができる。
また、本実施形態では、作動口670への入球を抑制するために、回転役物680を設けるようにしたが、これに限られず、その他の役物を設けるようにして、作動口670へ過剰に遊技球が入球してしまうことを防止してもよい。例えば、作動口670の上部に突出する位置と埋没する位置とにスライド移動するベロ状板材で形成される役物を設けるようにしてもよいし、入球した遊技球を左右または前後方向に振り分ける振分装置の振分先の一つを作動口670とするようにしてもよい。さらに、作動口670へ電動役物を設け、この電動役物を作動(可変)させることによって、遊技球が入球容易な状態と入球困難な状態とを切り替えるようにしてもよい。また、この電動役物はスルーゲート67へ遊技球が通過することに基づく抽選結果によって開閉されるようにしてもよい。さらに、この電動役物が作動(可変)可能となるために、一定期間の間隔が必要となるようにしてもよい。具体的には、スルーゲート67へ遊技球が通過したことに基づいて実行される抽選結果に基づいて電動役物を作動(可変)可能とし、その抽選に必要な時間を長くすればよい。これにより、作動口670へ過剰に入球されることを抑制できる。また、作動口670への入球を抑制することで、第2入賞口640への入球を抑制することができ、第1特別図柄に基づく変動が過剰にスキップ(短縮)されることで、射幸性が高くなりすぎることを抑制できる。
遊技盤13の右側上方であって、作動口670及び回転役物680のさらに上方には、第2入賞口640が設けられている。この第2入賞口640は、球が入賞すると1個の球が賞球として払い出される入賞口となっている。上述したように、第2入賞口640が設けられている位置には、スキップスイッチ51cを使用して遊技球を発射させることで容易に入賞させるように構成されている。即ち、遊技者が意図的に第2入賞口640へ容易に(意図的に)入賞させることができる。そこで、第2入賞口640への入賞に基づいて払い出される賞球の数は、第1入賞口64または右第1入賞口641に比べて少ない賞球数にしている。これにより、遊技者が意図的に第2入賞口640のみに遊技球を入賞させるように遊技を行う不正がされた場合にも、遊技店側が多大な被害を受ける不具合を抑制できる。
さらに、本実施形態では、第2入賞口640の入賞に基づく賞球数は1球としているのに対し、第2入賞口640へ遊技球を入球させるには、1球より多い遊技球が必要となる。具体的には、第2入賞口640へ遊技球を入球させるには、作動口670へ遊技球を入球させ、非電動役物640aを開状態にする必要があるため、最低でも2球の遊技球が必要となる。これにより、第2入賞口640の入賞に基づいて払い出される賞球に対して、第2入賞口640へ入賞させるために必要な遊技球数が多くなるため、第2入賞口640のみに遊技球を入賞させるように遊技を行う不正がされた場合にも、遊技店側が多大な被害を受ける不具合を抑制できる。また、遊技者に対して第2入賞口640のみに遊技球を入賞させるような不正遊技を行う動機を弱めることができ、上述した不正な遊技が実行されることを抑制できる。
この第2入賞口640へ遊技球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなる。この第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図8参照)で第2特別図柄の抽選がなされると、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。詳細は後述するが、本実施形態では、第1特別図柄の変動表示の実行中においても第2特別図柄の抽選に基づく変動表示を実行可能である。そして、第1特別図柄の変動中において、第2特別図柄の変動表示の結果が大当たりまたは小当たりとなる態様で停止表示される場合に、変動中の第1特別図柄の変動表示が強制的に停止される(以降、強制停止という)。よって、スキップスイッチ51cの押下に基づいて発射された遊技球は、第2特別図柄の抽選を実行する第2入賞口640へ入球するので、遊技者がスキップスイッチ51cを押下することで、第1特別図柄の変動表示を変動時間の途中で強制停止すること、即ち、スキップすること(以下、スキップという)が可能に構成されている。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の変動中において、第2特別図柄の変動表示の結果が大当たりまたは小当たりとなる態様で停止表示される場合に、変動中の第1特別図柄の変動表示が強制停止されるように構成したが、これに限られるものではない。例えば、第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりである変動表示が開始される場合(または変動表示が開始されてから所定時間経過後)に、変動中の第1特別図柄の変動表示が強制停止されるように構成してもよい。これにより、第1特別図柄の変動表示が強制停止されるタイミングを早めることができ、変動表示がスキップされたとの印象を遊技者に対してより強く与えることができる。
また、本実施形態では、第1特別図柄の変動中において、第2特別図柄の変動表示の結果が大当たりまたは小当たりとなる態様で停止表示される場合に、変動中の第1特別図柄の変動表示が強制停止され、強制停止された変動に基づく抽選結果を無効とするように構成しているが、これに限られるものではない。第1特別図柄の変動中において、第2特別図柄の変動表示の結果が大当たりまたは小当たりとなる態様で停止表示される場合に、変動中の第1特別図柄の変動表示を仮停止させ、その後、第2特別図柄の大当たり遊技または小当たり遊技が終了してから、仮停止していた第1特別図柄の変動表示を再開させるようにしてもよい。これにより、第1特別図柄の変動に基づく抽選結果が、遊技者に有利となる抽選結果であった場合に、その抽選結果が無効にされてしまい遊技者にとって不利益となってしまうことを防止できる。
第2入賞口640には、非電動役物640aが付随して設けられている(図3(a)および(b)参照)。この非電動役物640aは、第2入賞口640へ遊技球が入球不可能または困難となる閉状態(図3(a)参照)と、第2入賞口640へ遊技球が入球可能となる開状態(図3(b)参照)とに機械的に作動(可変)される。具体的に、非電動役物640aは第2入賞口640の左端に配置され、上方に起立した状態で維持される閉状態(図3(a)参照)と、非電動役物640aの下端の回動軸640b(図3参照)を中心として左方向(反時計回り)に60度回動した位置に維持される開状態(図3(b))とに機械的に作動(可変)される。
この非電動役物640aは、作動口670へ遊技球が1球入球することで開状態へと作動(可変)され、第2入賞口640へ遊技球が1球入球することで閉状態へと作動(可変)される。
ここで、図3を参照して、作動口670または第2入賞口640への入球に基づいて非電動役物640aが作動(可変)される構造について説明する。図3は、作動口670および第2入賞口640が配置されている部分の遊技盤13の背面を、正面から透視した部分拡大正面図である。図3(a)には、非電動役物640aが閉状態に作動(可変)された状態が図示され、図3(b)には、非電動役物640aが開状態に作動(可変)された状態が図示される。非電動役物640aは、作動口670へ遊技球が入球したことに基づいて開状態に作動(可変)され、第2入賞口640へ遊技球が入球したことに基づいて閉状態に作動(可変)されるものである。
図3に示すように、遊技盤13の背面側には、非電動役物640aを開閉するための開閉切替部材902が配設されており、この開閉切替部材902が回動されることにより、非電動役物640aが閉状態と開状態とに作動(可変)される。開閉切替部材902は、細い長方形の形状で構成されており、図示しない開閉切替部材902の背面側に配置されているベース体に回動可能に軸支される回転軸902aが形成されている。
開閉切替部材902は、第2入賞口640へ入球した遊技球が流下する第1排出流路900内に回動可能に設けられる第1流路切替部材900fと、作動口670へ入球した遊技球が流下する第2排出流路901に回動可能に設けられる第2流路切替部材901fとに、第1連結部材903、第2連結部材904とを介してそれぞれ接続されている。
開閉切替部材902と第1連結部903とは、開閉切替部材902の上部(回転軸902aより上方側)と第1連結部903の一端側とが回動可能に固定されている。そして、第1連結部903と第1流路切替部材903とは、第1連結部903の他端部と第1流路切替部材900fとの一端側とが回動可能に固定されている。
ここで、第1流路切替部材900fは、くの字形状で構成されており、中心部(回転軸900f3)を第1排出流路901内に回動可能に固定されている。この第1流路切替部材900fの詳細な構成については、後述するが、回動切替部材902が回転軸902aを中心に右方向に回動することで、第1連結部材903が右方向にスライドして移動されることで、第1流路切替部材900fも回転軸900f3を中心に右方向に回動される。
これにより、左第1排出流路900dを第1流路切替部材900fが閉鎖して、右第1排出流路に遊技球を誘導させる状態(図3(a)に示した状態)から、図3(b)に示すように、第1流路切替部材900fが左第1排出流路900dと右第1排出流路900cとを閉鎖して、遊技球を第1流路切替部材900fの第2壁部f2にへと誘導するように切り替えられる。なお、この第1流路切替部材900fは、図3(b)に示した状態で、第2入賞口640に遊技球が入球して、第2壁部900f2に衝突すると、その遊技球の力(自重)により左方向へと回動して、図3(a)に示した状態に切替られる。この場合には、第1流路切替部材900fが第1連結部材903を左方向にスライドさせることにより、回動切替部材902を左方向に回動させる。
ここで、図3(a)に示すように、回動切替部材902の回転軸902aの下方には、上述したように、第2連結部材904の一端が回動可能に連結されている。また、第2連結部材904の他端側には、第2流路切替部材901fの一端(第3壁部901f1の一端)が回動可能に連結されている。図3(a)に示した状態では、第2流路切替部材901fは、左第2排出流路901dと右第2排出流路901cとを第1流路切替部材900fが閉鎖し、第4壁部901f2へと遊技球を誘導する状態に配置されている(切替られている)。この場合に作動口670に遊技球が入球すると、第4壁部901f2に入球した遊技球が衝突して、その遊技球の力(自重)により第2流路切替部材901fが左方向(反時計回り)に回動され、第2連結部材904が左方向にスライドされ、回動切替部材902がそれに連動して、右方向(時計回り)に回動される。回動切替部材902が右方向に回動されると、第1連結部材903は右方向にスライドされるので、上述したように第1流路切替部材900fが右方向に回動され、図3(b)に示した状態に切り替えられる。また、上述したように、図3(b)に示した状態で、第2入賞口640に入球すると、第1流路切替部材900fが左方向に回動されて、第1連結部材903が左方向にスライドすることにより、回動切替部材902が左方向(反時計回り)に回動され、第2流路切替部材901f1を右方向(時計回り)に回動させ、図3(a)に示した状態に切り替える。
なお、図3(a)に示したように、作動口670に遊技球が入球した場合に、第2流路切替部材901fが回動する状態では、第2入賞口640に遊技球が入賞すると、第1流路切替部材900fを回動させずに左第1排出流路900cに流下(排出される)。ここで、図3(a)に示した状態では、回動切替部材902の上方先端部で錘部材640cを右回り(時計回り)に回動させた状態で停止させている(押している)。詳細は後述するが、この錘部材640cと羽根形状で構成された非電動役物640aとは固定されており、共に回動するように回転軸640bに固定されている。そして、図3(b)に示したように回動切替部材902が右回り(時計回り)に回動されると、錘部材640cと回動切替部材902との接触が解除されて、錘部材640cの自重により左回り(反時計回り)に回動して、非電動役物640aも左回りに回動される。この場合には、錘部材640cは、垂直下方に向く位置まで回動して停止する。これにより、非電動役物640aは、遊技球を第2入賞口640aへ入賞させやすい開放状態に可変される。
これにより、第1流路切替部材900fが回動されると、その第1流路切替部材900fに第1連結部材903を介して接続されている開閉切替部材902が左方向(反時計回り)に回動される。その結果、非電動役物640aが閉状態となる(図3(a)参照)。
一方、作動口670へ入球した遊技球により第2流路切替部材901fが回動される。第2流路切替部材901fが回動されると、その第2流路切替部材に第2連結部材904を介して接続されている開閉切替部材902が右方向(時計回り)へ回動される。その結果、非電動役物640aが開状態となる(図3(b)参照)。
具体的に、まず、開閉切替部材902の回動により非電動役物640aの開閉が機械的に作動(可変)される構造について説明する。その後、第2入賞口640または作動口670への入球に基づいて開閉切替部材902が回動される構造について説明する。
図3(a)に示すように、非電動役物640aの下端部には、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に回動可能に配設される回転軸640bが接続され、その回転軸640bには、ベース板60の背面側であって第2入賞口640へ入球した遊技球が流下する第1排出流路の背面側に、錘部材640cの上端部が接続される。この錘部材640cは、非電動役物640aが垂直方向を向いている場合に、錘部材640cの上端部を中心として時計回りに60度回転した位置となるように接続され、錘部材640cと非電動役物640aとの相対位置は変化しないように固定されている。
錘部材640cの下方には、略直方体状の開閉切替部材902が、中央部の回転軸902aを回転中心として回動可能であって、上端部が錘部材640cと当接可能となる位置に軸支されている。この開閉切替部材902は、最も長い辺が垂直方向となるように軸支されており、回転軸902aの上側に第1連結部材903が、回転軸902aの下側に第2連結部材904が、それぞれパチンコ機10の背面側から接続されている。詳細は後述するが、この第1連結部材903と第2連結部材904とは、それぞれ左右方向に所定距離(30mm)の可動が可能となっている。これら第1連結部材903と第2連結部材904との可動範囲が限定されていることにより、開閉切替部材902の回動範囲も限定される。
具体的には、開閉切替部材902が垂直な状態から回転軸902aを中心に反時計回りに30度回動した位置であって、開閉切替部材902の上端部が錘部材640cに当接し錘部材640cを時計回りに60度回動させる第1位置(図3(a)参照)から、開閉切替部材902が垂直な状態から回転軸902aを中心に時計回りに30度回動した位置であって錘部材640cに当接しない第2位置(図3(b)参照)までの範囲において、回動可能となっている。
よって、第1連結部材903が左方向へ可動し、第2連結部材904が右方向へ可動している場合、即ち、開閉切替部材902が第1位置(図3(a)参照)の場合には、左方向に回動された開閉切替部材902によって、錘部材640cが時計回りに60度回動されるので、錘部材640cに回転軸640bを介して接続されている非電動役物640aが垂直(閉状態)となる。
一方、第1連結部材903が右方向へ可動し、第2連結部材904が左方向へ可動している場合、即ち、開閉切替部材902が第2位置(図3(b)参照)の場合には、開閉切替部材902が右方向であって、錘部材640cに当接しない位置に回動される。ここで、錘部材640cは金属(アルミニウム)で形成されており、樹脂で形成される非電動役物640aに比べ質量が大きいため、非電動役物640aと錘部材640cとを回転軸640bで接続した状態の重心の位置は錘部材640cの重心(中心)とおおよそ同一の位置となる。その結果、開閉切替部材902が第2位置(図3(b)参照)の場合には、開閉切替部材902が錘部材640cに当接しないので、錘部材640cは、錘部材640cが垂直となる位置、即ち、非電動役物640aが下端部(回転軸640b)を中心として反時計回りに60度回転した位置(開状態)で静止する。
なお、非電動役物640aと錘部材640cとを回転軸640bで接続した状態の重心の位置が錘部材640cの重心(中心)とおおよそ同一の位置とならない場合、即ち、錘部材640cが垂直でない向きで静止する場合には、錘部材640cと非電動役物640aとの相対的な位置(角度)を適宜調整すればよい。
このように、開閉切替部材902が、錘部材640cに当接する第1位置(図3(a)参照)と、錘部材640cに当接しない第2位置(図3(a)参照)とに回動されることにより、非電動役物640aが開閉される。
次に、開閉切替部材902を回動させるための構造について説明する。開閉切替部材902に接続されている、第1連結部材903の他端には第1流路切替部材900fが接続されており、第2連結部材904の他端には第2流路切替部材901fが接続されている。
まず、第2入賞口640へ入球し、第1排出流路900を流下する遊技球によって、開閉切替部材902が第2位置(右方向に回動された状態、図3(b)参照)から第1位置(左方向に回動された状態、図3(a)参照)へ回動される場合について説明する。その後、作動口670へ入球し、第2排出流路901を流下する遊技球によって、開閉切替部材が第1位置(左方向に回動された状態、図3(a)参照)から、第2位置(右方向に回動された状態、図3(b)参照)へ回動される場合について説明する。
第2入賞口640へ入球した遊技球は、第2入賞口640の取り付け位置に設けられた貫通穴を通過して遊技盤13の背面側の第1排出流路900へと流下する。第1排出流路900は、略コの字形状で内部を遊技球が流下可能となるように形成されており、第2入賞口640の配設されている位置の背面側を上端として配設される。この第1排出流路は、第2入賞口640の背面側の位置である上端から左下方向であって、開閉切替部材902の左側の位置へ向かって第1誘導流路900aが形成されている。
第1誘導流路の下端には、第1流路切替部900bが形成されている。流路切替部900bには、第1流路切替部材900fが回転軸900f3を中心として回動可能となるように遊技盤13の背面に軸支されており、第1流路切替部900bの下流側には右第1排出流路900cと左第1排出流路900dとが下方へ向けて形成されている。詳細は後述するが、第1流路切替部材900が第1位置の場合には(図3(a)参照)、第2入賞口640へ入球した遊技球が右第1排出流路900cへと流下し、第1流路切替部材900dが第2位置の場合には(図3(b)参照)、第2入賞口640へ入球した遊技球が第1流路切替部材900dを第1位置へと回動させると共に、左第1排出流路900dへと流下する。右第1排出流路900cまたは左第1排出流路900dへ流下した遊技球は、遊技盤13の背面側よりパチンコ機10の外部(島設備等)に遊技球を排出する為の流路部材である集合樋(図示せず)へと流下して、他の入賞口に入球した遊技球と共にパチンコ機10の外部へと排出される。
ここで、第1流路切替部900bに軸支される第1流路切替部材900fについて説明する。第1流路切替部材900fは、回転軸900f3を下端として形成される直方体形状の第1壁部900f1と、その第1壁部900f1から反時計回りに100度の位置に第1壁部900f1と同様に形成される第2壁部900f2とを有し、その第1壁部900f1と第2壁部900f2との間には遊技球を1球受け入れることが可能な収容部が形成されている。その第1流路切替部材900fの右下には右第1排出流路900cが形成されており、その右第1排出流路900cから分岐部900eを挟んだ左側であって、第1流路切替部材900fの左下には左第1排出流路900dが形成されている。
図3(a)に示すように、第1流路切替部材900fが第1位置(左方向に最大角度まで回動している状態)に位置している場合には、第1流路切替部材900fの収容部は、左下向きであって第1誘導流路900aと対向しない向きとなっている。この場合、第1流路切替部材900fは、収容部左側の第2壁部900f2が分岐部900eと当接しており、それ以上左方向(反時計回り)に回動されることはなく、第1流路切替部材900fにより、左第1排出流路900dが封鎖された状態となっている。よって、第1流路切替部900bへ流下してきた遊技球は、第1流路切替部材900fの収容部へ入球されることなく、右第1排出流路900cへと流下する。
一方、図3(b)に示すように、第1流路切替部材900fが第2位置(右方向に最大角度まで回動している状態)に位置している場合には、第1流路切替部材900fの収容部は、上向きであって第1誘導流路900aと対向する向きとなっている。よって、第1流路切替部900bへ流下してきた遊技球は、第1流路切替部材900fの収容部へ入球し、第1流路切替部材900fを左方向(反時計回り)に回動させて、右第1排出流路900cへと流下する。ここで、本実施形態では、第1流路切替部材900fが第2位置である場合に、収容部左側の第2壁部900f3が収容部右側の第1壁部900f1よりも水平となるように構成しているため、収容部に入球した遊技球の重量が収容部左側の第2壁部900f3へとより多く加わるので、第1流路切替部材900fが左方向(反時計回り)に回動される。
このように、第1流路切替部材900fが第1位置(左方向に最大角度まで回動している状態)に位置している場合には、第2入賞口640へ入球した遊技球は、右第1排出流路900cへと流下する。一方、第1流路切替部材900fが第2位置(右方向に最大角度まで回動している状態)に位置している場合には、第2入賞口640へ入球した遊技球は、第1流路切替部材900fを第1位置に回動させると共に、左第1排出流路900dへと流下する。よって、第2入賞口640へ入球した遊技球は、第1流路切替部材900fが第2位置の場合に一球だけ左第1排出流路900dへ流下し、その他の遊技球は右第1排出流路900cへ流下することになる。
次に、第1流路切替部材900fと開閉切替部材902との関係について説明する。第1流路切替部材900fの第1壁部900f1の上端(回転軸900f3と反対側)には、取付け穴900f4が設けられており、第1排出流路900の背面に設けられる連結部材903が取り付けられる。第1流路切替部材900fの背面側である第1流路切替部900bにおいて、取付け穴900f4の可動範囲に該当する箇所にはルータ加工により貫通穴が形成されている。これにより、第1排出流路900の流路部材を挟んで、第1流路切替部材900fの取付け穴900f4と連結部材903とが取り付け可能であり、連結部材903が取り付けられた状態で第1流路切替部材900fが回動可能となっている。
連結部材903は、上述したように開閉切替部材902の回転軸902aより上側に取り付けられている。よって、第1流路切替部材900fが左方向(反時計回り)に回動すると、第1流路切替部材900fの第1壁部900f1に設けられた取付け穴900f4に取り付けられた連結部材903が左方向へ可動する。そして、連結部材903が左方向へ可動することにより、開閉切替部材902が回転軸902aを回転中心として左方向(反時計回り)に回動し、第1位置へと回動される。
上述したように、開閉切替部材902が第1位置である場合(即ち、第1流路切替部材900fが第1位置である場合)には、開閉切替部材902が錘部材640cに当接し、錘部材640cが左方向へ可動されることで、非電動役物640aが閉状態となる場合である(図3(a)参照)。一方、開閉切替部材902が第2位置である場合(即ち、第1流路切替部材900fが第2位置である場合)には、開閉切替部材902が錘部材640cに当接せず、錘部材640cが垂直方向となっており、非電動役物640aが開状態となる場合である(図3(b)参照)。よって、非電動役物640aが開状態である場合(即ち、第1流路切替部材900fが第2位置である場合)に、第2入賞口640へ遊技球が入球することで、第1流路切替部材900fが第2位置から第1位置へと回動され、非電動役物640aが開状態から閉状態へと作動(可変)される。なお、非電動役物640aが閉状態である場合(即ち、第1流路切替部材900fが第1位置である場合)に、第2入賞口640へ遊技球が入球しても、第1流路切替部材900fは第1位置のままであるため、非電動役物640aは作動(可変)されない。
次いで、作動口670へ入球し、第2排出流路901を流下する遊技球によって、開閉切替部材が第1位置(左方向に回動された状態、図3(a)参照)から、第2位置(右方向に回動された状態、図3(b)参照)へ回動される場合について説明する。
作動口670へ入球した遊技球は、作動口670の取り付け位置に設けられた貫通穴を通過して遊技盤13の背面側の第2排出流路901へと流下する。この第2排出流路901は、上述した第1排出流路900と同様の構造であるが、開閉切替部材902を第1位置(左へ回動した状態)から第2位置(右へ回動した状態)へと回動させるように構成されている点で相違する。その他の点は、上述した第1排出流路900と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
具体的には、第2排出流路901には、上述した第1排出流路と同様に、入球した作動口により第2位置(右に回動された状態)から第1位置(左に回動された状態)へと回動される第2流路切替部材901fが設けられている。この第2流路切替部材901fは、第2連結部材904によって開閉切替部材902と接続されているが、第1流路切替部材900fとは異なり、開閉切替部材902の回転軸902aの下側へと接続されている。これにより、第2流路切替部材901fが第1位置(左に回動された状態)では、開閉切替部材902は第2位置となり、第2流路切替部材901fが第2位置(右に回動された状態)では、開閉切替部材902が第1位置となる。
上述したように、開閉切替部材902が第2位置である場合(即ち、第2流路切替部材901fが第1位置である場合)は、開閉切替部材902が錘部材640cに当接せず、錘部材640cが垂直方向となっており、非電動役物640aが開状態となる場合である。一方、開閉切替部材902が第1位置である場合(即ち、第2流路切替部材901fが第2位置である場合)は、開閉切替部材902が錘部材640cに当接し、錘部材640cが左方向へ可動されることで、非電動役物640aが閉状態となる場合である(図3(a)参照)。
よって、非電動役物640aが閉状態である場合(即ち、第2流路切替部材901fが第2位置である場合)に、作動口670へ遊技球が入球することで、第2流路切替部材901fが第2位置から第1位置へと回動され、非電動役物640aが閉状態から開状態へと作動(可変)される。なお、非電動役物640aが既に開状態である場合(即ち、第2流路切替部材901fが第1位置である場合)に、作動口670へ遊技球が入球しても、第2流路切替部材901fは第1位置のままであるため、非電動役物640aは作動(可変)されない。
このように、非電動役物640aが閉状態の場合には、第1流路切替部材900fが第1位置となり、第2流路切替部材901fが第2位置となる。一方、非電動役物640aが開状態の場合には、第1流路切替部材900fが第2位置となり、第2流路切替部材901fが第1位置となる。ここで、第1流路切替部材900fおよび第2流路切替部材901fは第2位置である場合に遊技球が入球(通過)することで作動(可変)されるが、第1位置である場合には作動(可変)されない。よって、いずれかの流路切替部材(第1流路切替部材900fまたは第2流路切替部材901f)が作動(可変)可能な場合には、他方の流路切替部材(第2流路切替部材901fまたは第1流路切替部材900f)が作動(可変)されない状態となる。これにより、作動口670および第2入賞口640に同時に遊技球が入球した場合においても、不具合なく流路切替部材(第1流路切替部材900fまたは第2流路切替部材901f)を可動(可変)させることができる。
ここで、右第1入賞口641へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射(所謂「右打ち」)している場合は、遊技球が作動口670にも入球する。上述したように、作動口670に遊技球が入球することに基づいて、第2入賞口640に付随して設けられている非電動役物640aが開状態となる。この非電動役物640aが開状態となることで、スキップスイッチ51cの押下に基づいて発射された遊技球が第2入賞口640へ入球可能な状態となる。
非電動役物640aは、第2入賞口640へ遊技球が1球入球するまで開状態のままに維持され、第2入賞口640へ遊技球が入球すると閉状態へと作動(可変)される。これにより、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射(所謂「右打ち」)している場合は、遊技球が作動口670に入球し、非電動役物640aが開状態のままに維持されているので、スキップスイッチ51cを押下することにより発射される遊技球が第2入賞口640へ入球可能な状態にできる。
なお、上述した作動口670および回転役物680の配設される位置は、可変表示装置80の右側に限られるものではない。例えば、作動口670および回転役物680を可変表示装置80の左側に設け、可変表示装置80の左方を球が通過するように球を発射(所謂「左打ち」)している場合に、作動口670へ遊技球が入球することが可能な配置としてもよい。これにより、左打ち遊技状態においても、第1特別図柄の変動表示を停止(スキップ)させることが可能な遊技機を提供することができる。
さらに、作動口670および回転役物680を第1入賞口64の下方に設けるようにしてもよい(図72参照)。これにより、左打ち遊技状態および右打ち遊技状態のどちらの遊技状態の場合においても、第1特別図柄の変動表示を停止(スキップ)させることが可能な遊技機を提供することができる。この作動口670および回転役物680を第1入賞口64の下方に設ける場合の詳細については、図72を参照して後述する。
また、スキップスイッチ51cが押下されることに基づいて発射された遊技球のうち、非電動役物640aが閉状態であるために、第2入賞口640へ入球しなかった遊技球が入球する位置に回転役物680および作動口670を設けても良い。また、第2入賞口640へ入球しなかった遊技球が回転役物680および作動口670へ誘導されるように誘導部材を設けるようにしても良い。これにより、作動口670へ遊技球を入球させるために、操作ハンドル51の回動操作量を調整せずとも、スキップスイッチ51cを押下することで、作動口670へ遊技球を入球させることが可能な遊技機とすることができる。
さらに、この場合において、スキップスイッチ51cの押下に基づいて、連続して2球(または2球より多く)の遊技球が発射されるようにしてもよい。これにより、連続して発射される遊技球のうち、1球目の遊技球が第2入賞口640へ遊技球が入球し、非電動役物640aが閉状態となる。その後、連続して発射される遊技球のうち、2球目の遊技球は非電動役物640aが閉状態となっているために、作動口670へと入球し、再度非電動役物640aが開状態となる。これにより、非電動役物640aが常に開状態となるので、スキップスイッチ51cを押下すれば常に第2入賞口640へ遊技球を入球させることが可能な遊技機を提供することができる。
連続して2球(または2球より多く)の遊技球が発射されるようにする方法としては、次に示す方法が例示される。例えば、スキップスイッチ51cの構造として、一度の押下操作によって、2球(または、それ以上)の遊技球が発射されるような押下状態となる構造とすればよい。具体的には、スキップスイッチ51cが押下操作された後に、スキップスイッチ51cが押下状態から非押下状態へと戻るのに必要な反発力を減衰させる機構を設ける。そして、スキップスイッチ51cが押下状態から非押下状態へと戻るのに必要な時間が、遊技球が2球(または、それ以上)発射される時間となるようにすればよい。反力を減衰させる機構としては、低反発材料の他、ダンパーやショックアブソーバなどが挙げられる。
また、スキップスイッチ51cが押下操作された場合に、球発射ユニット112aに遊技球が2球(または、それ以上)発射される電力が供給されるように構成すればよい。具体的には、スキップスイッチ51cの押下に基づいて、球発射ユニット112aへ遊技球を発射するための電力を蓄えるコンデンサを設け、そのコンデンサに遊技球が2球(または、それ以上)発射される電力を蓄えるように構成すればよい。
さらに、主制御装置110からの入力される信号に基づいて発射ソレノイドの発射強度を可変可能な発射制御装置112を設け、発射制御処理(S108)においてスキップスイッチ51cの押下状態と、操作ハンドル51の操作量に基づいて、発射強度を指示する信号を発射制御装置112に対して送信するように構成する。そして、スキップスイッチ51cの押下に基づいて、2球(または、それ以上)の遊技球が、100%の発射強度で発射されるように制御するように構成すればよい。
図2に戻り、説明を続ける。遊技盤13の右側上方であって、上述した作動口670、回転役物680、第2入賞口640を覆う位置に透明なプラスチック製の前面カバー部材600が取り付けられている。この前面カバー部材600は、第2入賞口640を覆う上側部分は、光の透過率が低くなり、内部が視認困難となるように黒色に着色されている。一方、回転役物680と第2入賞口640とを覆う下側部分は、着色はされていない(無色透明である)ものの、内部が視認困難となるような模様(モザイク)が施されている。これにより、前面カバー部材600が取り付けられている遊技領域のうち、回転役物680と第2入賞口640とが覆われている下側部分は、遊技者に対して遊技球が流下する遊技領域であると認識させ、その上側の部分である第2入賞口640が配設される領域は、遊技者に対して遊技球が流下しない領域であると認識させることができる。
この前面カバー部材600の左端部には、スキップスイッチ51cが押下されていない場合における球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム600aが取り付けられ、操作ハンドル51における最大の操作量に基づいて発射された遊技球(即ち、発射強度90%で発射された遊技球、図2の破線b参照)は、返しゴム600aに当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。これにより、遊技者に対して、返しゴム600aが取り付けられた位置より上側は遊技球が流下する領域(遊技領域)ではないと認識させることができる。
なお、上述したものに限られず、前面カバー部材600は内部が視認容易なものであってもよいし、前面カバー部材を設けないようにしてもよい。これにより、非電動役物640aの開閉状態や、第2入賞口640への遊技球の入球を遊技者が視認することが容易となるため、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、スキップスイッチ51cが押下されている場合に発射された遊技球(即ち、発射強度90%で発射された遊技球、図2の破線a参照)は、返しゴム600aよりも上側を通過し、非電動役物640aが開状態であれば、第2入賞口640へ入球する。よって、遊技者が遊技領域ではないと認識している領域に遊技球が発射され、第2入賞口640へ入球することになる。これにより、第2入賞口640への入球に基づいて第1特別図柄が停止されていることを遊技者に対して認識し難くすることができるので、スキップスイッチ51cの操作に基づいて第1特別図柄が停止されているような印象を与えることができる。
なお、返しゴム600aは、閉状態の非電動役物640aとの間に遊技球が1球流下可能な隙間を空けて取り付けられており、非電動役物640aはこの隙間を埋めるように開状態へ作動(可変)される。よって、第2入賞口640に付随している非電動役物640aが開放されていれば、返しゴム600aの上側を流下する遊技球は、非電動役物640aにより第2入賞口640へ誘導される。一方、非電動役物640aが開放されていなければ、返しゴム600aの上側を流下する遊技球は、非電動役物640aによって第2入賞口640への入球が阻止され、非電動役物640aと返しゴム600aとの間の隙間を通過し、下方のスルーゲート67等の配設される遊技領域へと流下する。
右第1入賞口641の下方左側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に第1特定入賞口65aが設けられている。本実施形態におけるパチンコ機10においては、第1入賞口64、右第1入賞口641又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている可変入賞装置65の特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
また、第2入賞口640への入賞に起因して行われた抽選が小当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、小当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その小当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、小当たりの発生が示される。その後、上述した特別遊技状態に比べて、球が入賞し難い小当たり遊技状態に遊技状態が遷移する。この小当たり遊技状態では、通常時には閉鎖されている可変入賞装置65の特定入賞口65aが、短時間(本実施形態では0.5秒)開放される。また、小当たり遊技状態で開閉動作は2回となっており、この小当たり遊技状態では特定入賞口65aへ遊技球がほとんど入球することがない。
可変入賞装置65は、具体的には、第1特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として右側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド65b(図示せず)とを備えている。第1特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイド65bを駆動して開閉板を正面側に傾倒し、球が第1特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側に限られず、例えば、第1入賞口64の下方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口66が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,641,640,65にも入賞しなかった球は、アウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。このアウト口66は、第1入賞口64の下方であって、遊技領域の下端(内レール61の下端)に配設される。
よって、遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,641,640,65にも入賞せず、遊技領域の外縁部である内レール61に到達した遊技球は、内レール61の傾斜に沿って流下され、アウト口66を通って球排出路へ案内される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図4に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90、91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図8参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ(図4、122)が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図8参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ(図4、122)は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図5から図7を参照して、本パチンコ機10の第3図柄表示装置81に表示される表示内容について説明する。図5は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図6および図7は本パチンコ機10における押下示唆演出の演出画面を説明するための図面である。
まず、図5を参照して、第3図柄表示装置81の表示画面について説明する。図5(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図5(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図8参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図5(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入賞口64または右第1入賞口641に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図5(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入賞口64または右第1入賞口641へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入賞口64または右第1入賞口641への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下(例えば、2回)、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
また、本実施形態においては、第2入賞口640への入球は保留されないように構成したが、これに限られるものではなく、上述した第1入賞口64または右第1入賞口641と同様に最大4回まで保留されるように構成してもよい。さらに、最大保留球数は4回に限定されるものではなく、3回以下(例えば、2回)、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
次に図6および図7を参照して、第3図柄表示装置81に表示される演出内容について説明する。図6および図7は、第1特別図柄に基づく変動の実行中、かつ、非電動役物640aが開状態である場合に、第3図柄表示装置81に表示される押下示唆演出の一例を模式的に示した模式図である。
図6(a)は、第1特別図柄に基づく変動中に非電動役物640aが開状態である場合に表示される押下示唆演出である開放時押下示唆演出の一例を示した図である。第1特別図柄に基づく変動が実行されている場合には、第3図柄表示装置81の画面中央部に第3図柄が変動表示される。そして、その第1特別図柄に基づく変動が実行(表示)されている場合に、非電動役物640aが開状態となると、第3図柄表示装置81の画面右下部にスキップスイッチ51cの押下を示唆する開放時押下示唆演出が表示される。具体的には、「バトルorスキップ」の文字と共に、その文字の画面下側の位置に「PUSH」の文字を有する操作ハンドル51およびスキップスイッチ51cを模したボタンの画像が表示される。なお、第1特別図柄に基づく変動が開始される時点で、非電動役物640aが既に開状態である場合には、第1特別図柄に基づく変動が開始される時点から、開放時押下示唆演出が表示される。
開放時押下示唆演出の表示中に、スキップスイッチ51cが押下され、第2入賞口へ遊技球が入球すると、第2特別図柄の抽選が実行される。第2特別図柄の抽選結果は、高確率(388/400)で小当たりとなる。第2特別図柄の抽選結果が小当たりとなり、その小当たりの抽選結果に基づく変動パターンとして、変動C(0.5秒)が選択された場合には、図6(b)に示すスキップ演出が表示される。具体的には、第3図柄表示装置81の画面中央部に表示されている第3図柄の変動表示の下に「スキップ!」の文字が表示される。そして、第2特別図柄の変動が第3図柄表示装置81の画面右上部に表示され、その第2特別図柄の変動が停止されると共に、第1特別図柄の変動が停止表示される。なお、これに限られず、「スキップ!」の文字が表示されると共に、第1特別図柄の変動を停止表示してもよいし、第1特別図柄の変動が視認困難(または、出来ない)態様に変更してもよい。これにより、「スキップ!」の文字が表示された時点で、第1特別図柄の変動が停止されたかのような印象を遊技者に対して与えることができる。
このスキップ演出は、第2特別図柄の小当たりに基づく変動C(0.5秒)が実行され、その後の小当たり遊技(2.0秒)が実行されるまでの2.5秒間表示される。そして、小当たり遊技が終了し、第1特別図柄の抽選結果に基づく新たな変動が開始される場合にスキップ演出の表示が終了される。上述したように、「スキップ!」の文字を遊技者が視認しやすい画面中央部に表示し、第2特別図柄の抽選結果に基づく変動表示を遊技者が視認し難い画面右上部に表示することで、第2特別図柄の小当たりに基づく変動や小当たり遊技が実行されたことを認識し難くすることができる。これにより、第1特別図柄の変動中に、スキップスイッチ51cを押下することに基づいて、実行中である第1特別図柄の変動をスキップし、第1特別図柄の新たな変動を開始することが可能な遊技機であるとの印象を与えることができる。
次に、図7(a)を参照して、第1特別図柄の変動中に第2特別図柄の抽選結果が小当たりとなり、その小当たりの抽選結果に基づく変動パターンとして、変動A(30秒)が選択された場合に表示されるバトル演出について説明する。
図7(a)に示すバトル演出では、第3図柄表示装置81の画面中央部に表示されていた第3図柄の変動表示が画面左上部に縮小されて停止表示され、画面中央部上側には「バトル!」の文字が表示され、画面中央部左側には主人公の画像が表示され、画面中央部右側には怪獣の画像が表示される。また、第3図柄表示装置81の右上には第2特別図柄の抽選結果に基づく変動表示が表示される。
本実施形態では、第1特別図柄の大当たりに基づく変動中に、第2入賞口640へ遊技球が入球した場合にも、疑似演出変更処理(図46)により、上述したバトル演出を表示するように構成している。これは、第1特別図柄の大当たりに基づく変動が実行されている場合に、第2入賞口640へ遊技球が入球しても、上述したスキップ演出やバトル演出が実行されないとすると、第1特別図柄の変動が大当たりであることを、遊技者に容易に判別されてしまうためである。疑似演出変更処理(図46参照)により、上述したバトル演出が表示されることで、第2入賞口640へ遊技球が入球した場合には、第1特別図柄の抽選結果に関わらずバトル演出(図7(a)参照)が表示されるので、第1特別図柄の変動が大当たりであることを判別しにくくすることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
このバトル演出は、第1特別図柄が大当たりではなく、第2入賞口640への入賞に基づいて第1特別図柄の変動が停止される場合には、その後、主人公が怪獣とのバトルに敗北する演出(外れバトル演出)が表示され、画面中央上側には「残念!外れ!」の文字が表示される。そして、第2特別図柄の変動および小当たり遊技が終了すると共に通常の表示内容へと変化し、第1特別図柄の新たな変動が開始される。一方、第1特別図柄が大当たりであり、第2入賞口640への入賞に基づいてバトル演出が実行されている場合には、その後、主人公が怪獣とのバトルに勝利する演出(当たりバトル演出)が表示され、画面中央上側に「やったね!大当たり!」の文字が表示される。そして、第1特別図柄の変動が終了すると共に、第1特別図柄の大当たり遊技へと移行される。
このバトル演出に表示される怪獣の上側には、棒状のHPゲージが表示されており(図7(a)参照)、このHPゲージの長さにより主人公が怪獣とのバトルに勝利する期待度が示唆される。具体的には、第1特別図柄が大当たりではなく、第2入賞口640への入賞に基づいて第1特別図柄の変動が停止される場合であって、その後、主人公が怪獣とのバトルに敗北する演出が表示される場合には、HPゲージが長い演出を選択されやすいように構成する。一方、第1特別図柄が大当たりであり、第2入賞口640への入賞に基づいてバトル演出が実行されている場合であって、その後、主人公が怪獣とのバトルに勝利する演出が表示される場合には、HPゲージが短い演出を選択されやすくする。これにより、HPゲージが短い演出が表示される場合には、主人公が怪獣とのバトルに勝利する演出が表示され、大当たりとなる可能性が高いことを示唆することができる。なお、期待度を示唆する態様はHPゲージに限られることはなく、その他の演出態様によって期待度を示唆するようにしてもよい。例えば、出現する怪獣の種類が大当たりとなる期待度によって異なるようにしてもよいし、出力される音楽の種類が大当たりとなる期待度によってことなるようにしてもよい。
上述したバトル演出は、第1特別図柄の大当たりに基づく変動表示、または、第2特別図柄の小当たり遊技の終了タイミングに同期して終了されるものである。具体的には、第1特別図柄の大当たりに基づく変動表示が終了すると共に、主人公が怪獣とのバトルに勝利する演出(当たりバトル演出)が終了され、大当たり遊技が開始される。また、第2特別図柄の小当たり遊技が終了すると共に、主人公が怪獣とのバトルに敗北する演出(外れバトル演出)が終了され、第1特別図柄に基づく新たな変動表示が開始される。
ここで、バトル演出の演出時間について説明する。本実施形態における外れバトル演出はバトルの演出を表示する期間であるバトル演出期間(30秒)とそのバトル演出の結果を報知する期間である演出結果報知期間(2秒)との計12秒の演出時間となるよう構成されている。この外れバトル演出は、第2特別図柄の小当たりに基づく変動A(30秒)が開始される場合に演出開始されるものであり、第2特別図柄の小当たりに基づく変動A(30秒)が実行され、その後実行される小当たり遊技(2秒)が終了するタイミング、即ち、第2特別図柄の小当たりに基づく長変動が開始されてから32秒経過後に、終了される。よって、第2入賞口640への遊技球の入球に基づいて表示される外れバトル演出の終了タイミングと、第2特別図柄に基づく変動表示の終了タイミングとを一致させることができ、遊技者に対して違和感のない演出を提供することができる。
一方、本実施形態における当たりバトル演出としては、復活バトル演出(演出時間:20秒〜30秒)と、第1当たりバトル演出(演出時間:10秒〜20秒)と、第2当たりバトル演出(演出時間:5秒〜10秒)との3種類が用意されている。この当たりバトル演出は、第1特別図柄の大当たりに基づく変動中に、第2入賞口640へ遊技球が入球した場合に演出開始されるものであり、その第1特別図柄の大当たりに基づく変動の残変動時間に応じて、上記した3種類のいずれかの当たりバトル演出が選択される。これにより、第1特別図柄の大当たりに基づく変動中に、第2入賞口640への遊技球の入球に基づいて表示されるバトル演出の終了タイミングと、第1特別図柄の大当たりに基づく変動の終了タイミング、即ち、第1特別図柄の大当たり遊技の開始タイミングとを一致させることができ、遊技者に対して違和感のない演出を提供することができる。
なお、当たりバトル演出が実行される場合には、第2入賞口640への遊技球の入球に基づいて第2特別図柄の変動(変動A(30秒))が開始される。よって、上述した各バトル演出よりも第2特別図柄の変動(30秒)が長いため、各バトル演出の終了時に第2特別図柄の変動が余ることになる。しかし、本実施形態では、第1特別図柄の大当たりに基づく変動が停止された場合に、第2特別図柄の変動を強制的に停止するよう構成されているので、第1特別図柄の大当たりに基づく変動が停止タイミング、即ち、各バトル演出の終了タイミングと、第2特別図柄の変動の停止タイミングとを一致させることができ、遊技者に対して違和感のない演出を提供することができる。
また、第1特別図柄の残変動時間が5秒以下である場合には、残変動時間(演出時間)が短いために、上述したバトル演出を実行(表示)できない。そこで、本実施形態では、大当たりを報知するための一発告知演出を実行(表示)するように構成している。これにより、第1特別図柄の残変動時間が短い場合においても、遊技者に対して違和感のない演出を提供することができる。
なお、これに限られず、第1特別図柄の残変動時間に関わらず、上述したバトル演出などを実行(表示)するようにしてもよい。例えば第2特別図柄の変動時間に合わせてバトル演出などを実行(表示)するようにしてもよい。
次に、図7(b)を参照して、第1特別図柄に基づく変動中に非電動役物640aが閉状態である場合に表示される押下示唆演出である閉鎖時押下示唆演出について説明する。図7(b)は、閉鎖時押下示唆演出の一例を示した図である。
第1特別図柄に基づく変動が実行されている場合には、第3図柄表示装置81の画面中央部に第3図柄が変動表示される。そして、非電動役物640aが閉状態である場合に、変動パターンと演出カウンタ223eの値とに基づいて、第3図柄表示装置81の画面右下部にスキップスイッチ51cの押下を示唆する閉鎖時押下示唆演出が表示される。
具体的には、開放時押下示唆演出において第3図柄表示装置81の画面右下部に表示されていた「PUSH」の文字を有する操作ハンドル51およびスキップスイッチ51cを模したボタンの画像が表示されると共に、その上部にゲージが表示され、更にその上部に「ボタンの長押しでMAXになるとコメントが出るよ」の文字が表示される。ゲージはスキップスイッチ51cの押下に基づいて、点灯表示される領域が左端を起点として増加するものである。このゲージの全ての領域が点灯表示されると、即ち、MAXまでゲージが増加すると、画面中央部に表示されている第3図柄の変動表示の下部にコメントが表示される。ここで表示されるコメントは、大当たりとなる期待度を示唆するものである。
これにより、スキップスイッチ51cの押下に基づいて、大当たりとなる期待度を示唆するコメントが表示されるという特典が付与されるので、遊技者に対してスキップスイッチ51cの押下操作を促すことができる。また、スキップスイッチ51cを押下することにより、所定数の遊技球(即ち、遊技価値)を消費することとなるが、その消費した遊技価値に代えて大当たりとなる期待度を示唆するコメントが表示されるという特典が付与されるので、遊技者の不利益を低減することができる。
なお、上述したように、第1特別図柄が大当たりであって、その第1特別図柄に基づく変動の残変動時間が短い(5秒以下である)場合に、第2入賞口640へ遊技球が入球すると、一発告知演出が表示される。これは、第1特別図柄に基づく変動の残変動時間が短い(5秒以下である)場合に、バトル演出の表示を行うと、バトル演出の表示中であるにも関わらず、第1特別図柄に基づく変動が終了し、大当たり遊技が開始されてしまい、遊技者が困惑するとの問題が生じる。
そこで、第1特別図柄に基づく変動の残変動時間が5秒以下の状態において、開放時押下示唆演出の表示態様を変更するようにしてもよい。これにより、開放時押下示唆演出が表示されている場合に第2入賞口640への入球に基づいて表示される演出(バトル演出など)と異なる演出(一発告知演出)が実行されることを、遊技者に対して認識させることができる。なお、この押下示唆演出の変更タイミングは、上述したもの(第1特別図柄に基づく変動の残変動時間が5秒以下)に限られず、例えば、第1特別図柄に基づく変動の残変動時間が10秒以下としてもよいし、3秒以下としてもよい。さらに、第1特別図柄(または第2特別図柄)に基づく変動が大当たりとなる期待度や、所定のカウンタ値などに応じて、押下示唆演出の表示タイミングを可変させるようにしてもよい。
なお、上述したものに限られず、第1特別図柄に基づく変動の残変動時間が5秒以下の状態において、第2入賞口640へ遊技球が入球した場合には、何らの演出変更を行わず、そのままとしてもよい。これにより、第2入賞口640へ遊技球が入球していないか、第2入賞口640への入賞に基づく抽選結果が外れたと遊技者に対して思わせることができ、その後、大当たりを報知することで遊技者に対して意外性を付与し、興趣を向上させることができる。
本実施形態における開放時押下示唆演出と閉鎖時押下示唆演出とで表示されるボタンの画像(操作ハンドル51およびスキップスイッチ51cを模したボタンの画像)は、枠ボタン22の押下を示唆する演出で用いられるボタンの画像(円柱形状のボタンの画像)と異なるようにしている。これにより、遊技者に対して、いずれのボタンを押下するのかを明確に示唆することができ、わかりやすい遊技機を提供することができる。
なお、これに限られず、開放時押下示唆演出と閉鎖時押下示唆演出において表示されるボタンの画像は、ボタンの位置を示す態様の画像や文字(例えば、「ハンドルのボタンを押せ!」の文字)としてもよい。これにより、スキップスイッチ51cの押下が示唆されていることを、遊技者に対してわかりやすくすることができる。
また、本実施形態では、上述したスキップ演出やバトル演出を、第2入賞口640へ遊技球が入球した場合に表示されるように構成したが、これに限られるものではない。具体的には、スキップスイッチ51cが押下された時点で表示されるようにしてもよい。これにより、スキップスイッチ51cの押下によってスキップ演出などが表示されている印象を強めることができる。また、スキップスイッチ51cの押下から第2入賞口640へ遊技球が入球するまでの期間は、スキップ演出やバトル演出とは異なる演出を別途行うようにしてもよい。これにより、スキップスイッチ51cの押下に基づいて表示された演出(スキップ演出など)の表示と、スキップスイッチ51cの押下に基づいて発射された遊技球の第2入賞口640への入球や入球に基づく抽選結果とに不整合が生じてしまうとの不具合を抑制できる。
また、上述した押下示唆演出(開放時押下示唆演出、閉鎖時押下示唆演出)を、第1特別図柄の保留球数に応じて表示される確率を変更してもよい。具体的には、第1特別図柄の保留球数が多い場合には、押下示唆演出を表示され易くし、第1特別図柄の保留球数が少ない場合には、押下示唆演出を表示され難くする。これにより、保留球数が多い場合には押下示唆演出を表示することで、第1特別図柄の変動をスキップしやすくし、入球がオーバーフローしてしまうことを抑制できる。一方、保留球数が少ない場合には押下示唆演出を表示しないことで、第1特別図柄の変動がスキップされないので、保留球を早く消化してしまい、変動表示がされていない時間が多くなってしまうとの不具合を抑制することができる。
さらに、第1特別図柄の保留球数に応じて押下示唆演出の内容を変更してもよい。具体的には、第1特別図柄の保留球数が多い場合には、スキップスイッチ51cの押下を強く促す演出(例えば、「スキップスイッチを押せ!!」)を表示し、第1特別図柄の保留球数が少ない場合には、スキップスイッチ51cの押下を弱く促す演出(例えば、「スキップスイッチを押すといいかも?」)を表示するようにしてもよい。これにより、保留球数が多い場合にはスキップスイッチ51cの押下を強く促す押下示唆演出を表示することで、第1特別図柄の変動をスキップさせやすくし、入球がオーバーフローしてしまうことを抑制できる。一方、保留球数が少ない場合にはスキップスイッチ51cの押下を弱く促す押下示唆演出を表示し、スキップスイッチ51cの押下を強く促す押下示唆演出を表示しないことで、第1特別図柄の変動がスキップされないので、保留球を消化してしまい、変動表示がされていない時間を少なくすることができる。
また、上述した開放時押下示唆演出と閉鎖時押下示唆演出を、第1特別図柄の抽選結果を先読みし、その先読みした結果に基づいて実行するようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の抽選結果が外れであるとの先読みされた場合には、スキップスイッチ51cの押下を促す押下示唆演出を表示されやすくする。これにより、外れの変動をスキップしやすくすることができるので、遊技機の稼働率を向上させることができる。なお、この先読みした結果に基づいて押下示唆演出を実行するのは、特定の遊技状態の場合のみとしてもよい。
さらに、第1特別図柄の保留球のうち3球目の保留が大当たりであると判別された場合には、1球目と2球目の保留球のスキップ演出を連続的な態様(連続押下示唆演出)の演出が実行(表示)されるようにしてもよい。具体的には、1球目の保留球に基づく変動中に「鍵を探せ!」の文字を伴う演出が表示されると共にスキップスイッチ51cの押下を促す押下示唆演出を表示する。そして、スキップスイッチ51cの押下に基づいて「鍵を入手!」の文字を伴う演出を表示すると共に1球目の保留球に基づく変動を停止する。次いで、2球目の保留球に基づく変動中に「入手した鍵で宝箱を開けろ!」の文字を伴う演出を表示すると共にスキップスイッチ51cの押下を促す押下示唆演出を表示する。そして、スキップスイッチ51cの押下に基づいて「宝箱が開いた!」の文字を伴う演出を表示すると共に2球目の保留球に基づく変動を停止する。その後、大当たりとなる3球目の保留球に基づく変動において、「おめでとう!大当たり!!」の文字を伴う演出を表示する。
このような連続押下示唆演出を実行(表示)することにより、大当たりとなる期待度を段階的に高めることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。なお、大当たりとなる保留球に基づく変動は強制停止することができないため、大当たりとなる保留球に基づく変動においてはスキップスイッチ51cの押下を示唆しないようすればよい。また、これに限られず、大当たりとなる保留球に基づく変動中にスキップスイッチ51cの押下を示唆するようにして、第2入賞口640への入球に基づいて演出の態様を変更するようにしてもよい。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図8は、パチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などの周辺制御装置(サブ制御装置)に対して動作を指示するために、データ送受信回路によって、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドが送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、コネクタ207,217を介して払出制御装置111が、また、コネクタ208,228を介して音声ランプ制御装置113が、それぞれ接続されている。その他、入出力ポート205には、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、発射制御装置112、外部出力端子板261、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ206が接続されている。外部出力端子板261には、ホールコンピュータ262が接続可能に構成されており、主制御装置110からホールコンピュータ262へ外部出力端子板261を介してデータ等を出力することができる。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、発射ソレノイド142の前面に球を配置するよう球送りソレノイド154を制御すると共に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう発射ソレノイド142を制御するものである。発射ソレノイド142および球送りソレノイド154は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。
具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、払出制御基板111の信号変換回路241から発射許可信号SG3が主制御装置110の入出力ポート205に入力される。その発射許可信号SG3が入出力ポート205に入力されると、MPU201は、入出力ポート205から発射制御信号αおよび球送り制御信号βを発射制御装置112へ出力する。発射制御信号αが発射制御装置112に入力されると、発射ソレノイド142に電圧が供給され、発射ソレノイド142は、予め発射ソレノイド142の前面に配置された球を、操作ハンドル51の回動操作量に応じた強さで遊技領域へ向けて発射する。また、球送り制御信号βが発射制御装置112に入力されると、球送りソレノイド154に電圧が供給され、遊技球が発射ソレノイド142の前面に配置される。
ここで、発射許可信号SG3について説明する。発射許可信号SG3は払出制御装置111内の信号変換回路241から主制御装置110の入出力ポート205へ出力される信号である。この発射許可信号SG3を出力する信号変換回路241は、論理回路であるアンド回路を主として構成されている。この発射許可信号SG3は、タッチセンサ51aがオン、打ち止めスイッチ51bがオフの状態となった場合に限ってオンとなり、いずれかのセンサが上記条件を満たさなければオフとなる。遊技者が発射を意図して操作ハンドル51を回動操作している場合には、タッチセンサ51aはオン、打ち止めスイッチ51bはオフとなるので、原則的に遊技者が発射を意図して操作ハンドル51の回動操作を行っている状態においては、発射ソレノイド142によって球が発射される。
なお、発射ソレノイド142の球の発射と、球送りソレノイド154によって行われる発射ソレノイド142の前面への球の配置とは同時にはならないように構成されている。
また、発射制御装置112には、スキップスイッチ51c(図1参照)が接続されており、このスキップスイッチ51cがオンである場合(押下されている場合)には、上述した操作ハンドル51cの回転操作量に関わらず、一定の打ち出し強さ(発射強度=100%)となるよう発射ソレノイド142が制御される。一方、スキップスイッチ51cがオフである場合(押下されていない場合)には、上述したように操作ハンドル51cの回転操作量に応じた球の打ち出し強さ(発射強度=0%〜90%)となるよう発射ソレノイド142が制御される。
ここで、本実施形態では、スキップスイッチ51cがオフである(押下されていない)場合の、発射ソレノイド142の打ち出し強さ(発射強度=0%〜90%)は、発射された遊技球が第2入賞口640へは到達しない発射強度となっている(図2の破線b参照)。一方、スキップスイッチ51cがオンである(押下されている)場合の、発射ソレノイド142の打ち出し強さ(発射強度100%)は、発射された遊技球が第2入賞口640へ到達可能な発射強度となっている(図2の破線a参照)。よって、スキップスイッチ51cを押下しない場合には、第2入賞口640へ遊技球が入球せず、スキップスイッチ51cを押下した場合には、第2入賞口640へ遊技球が入球可能となる。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを備えている。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
RAM213の作業エリアには、総賞球個数メモリ213aと、上位コマンド記憶バッファ213bと、払出エラーフラグ213cと、払出許可フラグ213dとが設けられている。
総賞球個数メモリ213aは、払出制御装置111が払い出すべき、未払いの賞球の総個数を記憶するメモリである。遊技領域へ打ち込まれた球が、いずれかの入賞口63,64,65aへ入賞し、これが主制御装置110で検出されると、その入賞に応じた数の賞球の払い出しが、賞球コマンドによって、主制御装置110から払出制御装置111に対して指示される。総賞球個数メモリ213aには、該賞球コマンドで指示された賞球の払い出し数が加算され記憶される。総賞球個数メモリ213aの値が0でなければ、賞球の払い出しが行われ、払い出された賞球が1個検出される毎に、その値が1減算される。賞球の払い出しは、総賞球個数メモリメモリ213aの値が0になるまで行われる。
上位コマンド記憶バッファ213bは、主制御装置110から払出制御装置111へ出力される2バイトのコマンドのうち、上位コマンド(1バイト目のコマンド)を記憶するバッファである。主制御装置110から払出制御装置111へは、払出復帰コマンドと、払出初期化コマンドと、15種類の賞球コマンドとが出力されるが、上位コマンド記憶バッファ213bには、これらの上位コマンド(99H,AAH,F0H〜FEH)のいずれかが記憶される。上位コマンド記憶バッファ213bの内容は、下位コマンド(2バイト目のコマンド)を入力すると、0クリアされる。
払出エラーフラグ213cは、主制御装置110から払出制御装置111へ出力される2バイトのコマンドを、払出制御装置111が正常に入力できない場合にオンされるフラグである。払出エラーフラグ213cがオンされると、7セグメントLED121に「C」の文字が表示され、コマンドエラーの発生が報知される。一旦オンされた払出エラーフラグ213cは、2バイトの正常なコマンドを入力すると、オフされる。なお、払出エラーフラグ213cがオフされると、7セグメントLED121のエラー表示も解除される。
払出許可フラグ213dは、賞球や貸出球の払い出しを許可するためのフラグであり、立ち上げ処理においてオフされる一方(図38のS1614)、主制御装置110から出力された正常なコマンド(払出初期化コマンド、払出復電コマンド、賞球コマンドなど)を入力すると、オンされる。即ち、払出許可フラグ213dは、主制御装置110が立ち上がっていることを確認するためのフラグである。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、コネクタ207,217を介して主制御装置110が接続されると共に、7セグメントLED121や、払出モータ216、外部出力端子板261などがそれぞれ接続されている。また、払出制御装置111には、信号変換回路241が設けられており、更に、図示はしないが、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
7セグメントLED121は、払出制御装置111の状態を報知するための表示器(表示手段)である。払出制御装置111が主制御装置110から出力されたコマンドを入力し、そのコマンドが規定外のコマンド(無効なコマンド)であると判断された場合には、7セグメントLED121により「C」の文字が表示され、コマンドエラーの発生が報知される。また、外部出力端子板261には、ホールコンピュータ262が接続可能に構成されており、払出制御装置111からホールコンピュータ262へ外部出力端子板261を介してデータ等を出力することができる。払出制御装置111で発生したエラー等も、外部出力端子板262を介して、ホールコンピュータ262へ出力することができる。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33や表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを備えている。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、コネクタ208,228を介して主制御装置110が接続されると共に、表示制御装置114や、音声出力装置226、ランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
また、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225には、作動口誘導流路スイッチ800が接続されている。この作動口誘導流路スイッチ800は、非電動役物640aと前面カバー部材600の左端部の返しゴム600aとの間(作動口誘導流路)を通過する遊技球を検知するためのスイッチである。この作動口誘導流路には、非電動役物640aが閉状態の場合に、スキップスイッチ51cの押下に基づいて発射された遊技球(即ち、非電動役物640aが閉状態であることによって、第2入賞口640へ入球しなかった遊技球)が流下する。また、作動口誘導流路を通過した遊技球は、上述したように回転役物680へと誘導されることになる。よって、作動口誘導流路スイッチ800がオンとなる場合(即ち、作動口誘導流路を遊技球が通過した場合)は、その後、回転役物680へ遊技球が入球し、作動口670へ遊技球が入球する可能性が高い場合となる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。表示制御装置114の詳細については、図16および図17を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ123を有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給するものである。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチや、ソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ123が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力すると、バックアップデータ(RAM203の内容)をクリアする。
次に、図9を参照して、発射制御装置112を説明する。図9は、発射制御装置112の電気的構成を示したブロック図である。発射制御装置112は、電圧変動調整部301と、加算電圧調整部302と、加算回路部303と、電圧供給部304と、発射ソレノイド制御部305と、球送りソレノイド制御部306とを備えて構成されている。
電圧変動調整部301は、操作ハンドル51の回動操作量に応じて可変抵抗器VR1に発生した直流電圧(信号SA1)を分圧する回路であり、オペアンプOP1と、抵抗値が可変である可変抵抗器VR2とによって構成される。ここで、可変抵抗器VR2は、図示しない操作つまみ122aによって抵抗値の調整が可能である。
電圧変動調整部301の入力側であるオペアンプOP1のプラス入力端子(非反転入力端子)は、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器VR1、または、抵抗値が固定された抵抗R8のいずれか一方と接続されるように構成されている。オペアンプOP1のプラス入力端子(非反転入力端子)が、可変抵抗器VR1または抵抗R8のいずれと接続されるかは、スキップスイッチ51cの状態(オンまたはオフ)によって定められる。具体的には、スキップスイッチ51cがオンである(押下されている)場合には、オペアンプOP1のプラス入力端子に抵抗R8が接続され、スキップスイッチ51cがオフである(押下されていない)場合には、オペアンプOP1のプラス入力端子に可変抵抗機VR1が接続される。
ここで、可変抵抗器VR1の一端には、5ボルトの直流電源DC1が接続され、可変抵抗器VR1の他端はグランドされている。これは、操作ハンドル51の回動操作量に応じて可変抵抗器VR1の抵抗値が変化し、その抵抗値の変化に対応した直流電圧が可変抵抗器VR1に発生し、その発生した直流電圧(信号SA1)をオペアンプOP1のプラス入力端子(非反転入力端子)に入力させるためである。
一方、抵抗R8の一端には、上述した可変抵抗器VR1と同様に、5ボルトの直流電源DC1が接続され、抵抗R8の他端はグランドされている。これにより、スキップスイッチ51cがオンである(押下されている)場合には、操作ハンドル51の回動操作量に関わらず、直流電源DC1(5ボルト)と抵抗R8によって発生する電流に基づく信号(信号SA1)をオペアンプOP1のプラス入力端子(非反転入力端子)に入力することができる。
本実施形態では、可変抵抗器VR1の最小の抵抗値よりも抵抗R8の抵抗値のほうが小さいものとなっている。これにより、抵抗R8に発生する電流は、可変抵抗器VR1に発生する電流よりも大きいものとすることができ、その電流に基づく信号がオペアンプOP1のプラス入力端子へ入力される。これにより、可変抵抗器VR1に発生する電流に基づく信号によって定められる発射強度(0〜90%)よりも、抵抗R8に発生する電流に基づく信号によって定められる発射強度(100%)のほうを強い発射強度にできる。
なお、上述したものに限られず、スキップスイッチ51cがオンである(押下されている)場合にのみ、抵抗R8に電圧(5ボルト)を印加し、その電流値を測定するようにしてもよい。さらに、スキップスイッチ51cがオンである(押下されている)場合には、可変抵抗器VR1へ電圧(5ボルト)を印加しないようにしてもよい。これにより、オペアンプOP1のプラス入力端子へ入力されていない抵抗(抵抗R8または可変抵抗器VR1)により発生する電流(即ち、消費される電力)を節約することができる。
次いで、オペアンプOP1のマイナス入力端子(反転入力端子)は、オペアンプOP1の出力端子と短絡され、オペアンプOP1の出力を、そのままオペアンプOP1のマイナス入力端子に帰還させている。よって、オペアンプOP1は、オペアンプOP1のプラス入力端子(非反転入力端子)から入力された直流電圧を増幅度がほぼ1でオペアンプOP1の出力端子に出力するバッファ回路として用いられている。
オペアンプOP1の出力端子には、可変抵抗器VR2の一端が直列に接続されており、可変抵抗器VR2の他端はグランドされている。よって、オペアンプOP1のプラス入力端子(非反転入力端子)から入力された直流電圧(信号SA1)は、増幅度がほぼ1でオペアンプOP1の出力端子から出力され、その出力された直流電圧は、可変抵抗器VR2で分圧される。分圧された直流電圧は、加算回路部303の抵抗R2に入力される。なお、可変抵抗器VR2の抵抗値を図示しない操作つまみ122aによって調整することにより、可変抵抗器VR2に発生する直流電圧(信号SB1)を調整することができる。
また、可変抵抗器VR2に発生する直流電圧(信号SB1)によって、操作ハンドル51の回動操作量に応じて可変抵抗器VR1に発生する直流電圧(信号SA1)の変動幅を小さくすることにより、遊技領域に球が打ち込まれる発射強度となる操作ハンドル51の回動操作量の範囲およびその範囲幅を調整することができる。ただし、可変抵抗器VR2に発生する直流電圧(信号SB1)は、可変抵抗器VR2により操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生した直流電圧(信号SA1)を分圧しているので、可変抵抗器VR1に発生した直流電圧(信号SA1)より小さくなる。この小さくなった電圧分は、次に述べる加算電圧調整部302から加算回路部303へ入力される直流電圧によって補うことができる。
加算電圧調整部302は、一定値の直流電圧を発生させる回路であり、12ボルトの直流電源DC2と、抵抗値が固定された抵抗R1と、抵抗値が可変である可変抵抗器VR3と、ツェナーダイオードD1と、コンデンサCD1とによって構成される。ここで、可変抵抗器VR3は、図示しない操作つまみ122bによって抵抗値の調整が可能である。
可変抵抗器VR3の他端はグランドされており、可変抵抗器VR3の一端は、ツェナーダイオードD1のカソードと、コンデンサCD1の一端と、抵抗R1の一端と接続されている。ツェナーダイオードD1のアノードは、グランドされているので、ツェナーダイオードD1と可変抵抗器VR3とは並列に接続される。また、コンデンサCD1の他端はグランドされているので、コンデンサCD1と可変抵抗器VR3とは、ツェナーダイオードD1と同様に、並列に接続される。よって、コンデンサCD1、ツェナーダイオードD1、および可変抵抗器VR3で並列回路を構成している。また、抵抗R1の他端は12ボルトの直流電源DC2と接続されている。なお、ツェナーダイオードD1は、ツェナーダイオードD1に発生する直流電圧を一定値(定電圧)とするために、コンデンサCD1は、ツェナーダイオードD1に発生する一定電圧を安定化させるために用いられる。また、抵抗R1は、12ボルトの直流電源DC2から供給される電流を制限するために用いられる。
12ボルトの直流電源DC2から供給された12ボルトの直流電圧は、抵抗R1と、コンデンサCD1、ツェナーダイオードD1、および可変抵抗器VR3の並列回路とで分圧される。ツェナーダイオードD1に発生した一定の直流電圧(ツェナー電圧)は、ツェナーダイオードD1と並列に接続される可変抵抗器VR3にも発生する。ここで、可変抵抗器VR3の抵抗値を図示しない操作つまみ122bによって調整することにより、可変抵抗器VR3から出力される直流電圧をツェナー電圧以下の電圧で調整することができる。なお、可変抵抗器VR3に発生する直流電圧は、加算回路部303の抵抗R3に入力される。ここで、可変抵抗器VR3に発生する直流電圧を加算回路部303の抵抗R3に入力することによって、遊技領域に球が打ち込まれる発射強度となる操作ハンドル51の回動操作量の範囲幅を変えずに、その範囲のみを調整することができる(図9の信号SC1)。よって、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生した直流電圧(信号SA1)を電圧変動調整部301の可変抵抗器VR2により分圧することで、可変抵抗器VR2に発生する直流電圧(信号SB1)が可変抵抗器VR1に発生した直流電圧(信号SA1)より小さくなったとしても、この小さくなった電圧分を、可変抵抗器VR3に発生する直流電圧によって補うことができる。
なお、12ボルトの直流電源DC2から供給される直流電圧を、ツェナーダイオードD1を用いて一定電圧化しているので、12ボルトの直流電源DC2から供給される直流電圧が不安定となり、その直流電圧が変化したときにも、ツェナーダイオードD1に発生する直流電圧は安定した一定値(一定電圧)となる。よって、ツェナーダイオードD1に並列に接続される可変抵抗器VR3にも安定した一定電圧が発生することにより、可変抵抗器VR3に発生する直流電圧も安定した一定電圧となる。
加算回路部303は、電圧変動調整部301の可変抵抗器VR2に発生した直流電圧(信号SB1)と、加算電圧調整部302の可変抵抗器VR3に発生した直流電圧とを足し合わせて(加算して)出力する回路であり、抵抗値が固定された抵抗R2,R3,R4,R5と、オペアンプOP2とによって構成されている。
電圧変動調整部301の可変抵抗器VR2は、抵抗R2の一端と接続されており、加算電圧調整部302の可変抵抗器VR3は、抵抗R3の一端と接続されている。ここで、抵抗R2,R3,R4,R5の抵抗値は全て同一であり、抵抗R3の他端には、抵抗R2の他端とオペアンプOP2のプラス入力端子(非反転入力端子)とが接続されている。そして、オペアンプOP2のマイナス入力端子(反転入力端子)には、抵抗R4の一端と抵抗R5の一端とが接続されており、抵抗R4の他端はオペアンプOP2の出力端子と、抵抗R5の他端はグランドされている。
よって、抵抗R2,R3,R4,R5とオペアンプOP2とから構成される回路は、抵抗R2の一端から入力された(電圧変動調整部301の可変抵抗器VR2に発生した)直流電圧(信号SB1)と、抵抗R3の一端から入力された(加算電圧調整部302の可変抵抗器VR3に発生した)直流電圧とを足し合わせて(加算して)、オペアンプOP2の出力端子から出力する加算回路として機能する。なお、オペアンプOP2の出力端子から出力された直流電圧は、電圧供給部304のオペアンプOP3のプラス入力端子(非反転入力端子)に入力される。
電圧供給部304は、発射ソレノイド142に電圧を供給する回路であり、オペアンプOP3と、ローパスフィルタF1と昇圧器であるDC−DCコンバータCV1と、32ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC3と、コンデンサCD2とによって構成されている。オペアンプOP3のマイナス入力端子(反転入力端子)とオペアンプOP3の出力端子とは短絡されているので、オペアンプOP3はバッファアンプとして機能する。オペアンプOP3のプラス入力端子(非反転入力端子)は、加算回路部303のオペアンプOP2の出力端子と接続されている。よって、加算回路部303のオペアンプOP2の出力端子に発生した直流電圧は、オペアンプOP3のプラス入力端子から入力され、増幅度がほぼ1で、オペアンプOP3の出力端子から出力される。
オペアンプOP3の出力端子はローパスフィルタF1の入力端子に接続されており、このローパスフィルタF1で、オペアンプOP3の出力端子から出力された直流電圧に重畳されたノイズ(高周波成分)を減少させる。ローパスフィルタF1の出力端子はDC−DCコンバータCV1の入力端子と接続されており、更には、そのDC−DCコンバータCV1には、32ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC3が接続され、その直流電源DC3からは32ボルトの直流電圧がDC−DCコンバータCV1に供給されている。よって、ローパスフィルタF1の出力端子から出力された直流電圧(信号SC1)は、DC−DCコンバータCV1によって、直流電圧Ecに昇圧される。
DC−DCコンバータCV1の出力端子には、コンデンサCD2の一端(プラス端子)が接続されており、そのコンデンサCD2の他端は、グランドされている。よって、DC−DCコンバータCV1の出力端子から出力された昇圧後の直流電圧Ecは、後述するFETスイッチSW1のドレイン端子Dとソース端子Sとの導通が遮断されているときに、コンデンサCD2に印加され、これにより、そのコンデンサCD2には、コンデンサCD2の容量とコンデンサCD2に印加された直流電圧Ecとの積により求まる電荷が蓄えられる。なお、このコンデンサCD2に蓄えられた電荷に応じて、発射ソレノイド142に電圧が印加される。
また、DC−DCコンバータCV1の出力端子には、発射ソレノイド142の一端が接続され、その発射ソレノイド142の他端には、発射ソレノイド制御部305のFETスイッチSW1のドレイン端子Dが接続されている。また、コンデンサCD2の後段であり、発射ソレノイド142の一端と他端との間にはダイオードD2が接続され、そのダイオードD2のカソードが発射ソレノイド142の一端に、ダイオードD2のアノードが発射ソレノイド142の他端に接続されている。このダイオードD2によって、発射ソレノイド142の球の発射動作後に発生する逆起電力(サージ電圧)を抑制している。
発射ソレノイド制御部305は、発射ソレノイド142のオンオフを制御するための回路であり、抵抗値が固定された抵抗R6と、ローパスフィルタF2と、シュミットトリガインバータIC1と、FETスイッチSW1と、5ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC1とによって構成されている。
ローパスフィルタF2の入力端子は、主制御装置110の入出力ポート205と接続され、その入出力ポート205とローパスフィルタF2の入力端子との間には、抵抗R6の一端が接続されている。抵抗R6の他端は直流電源DC1と接続されており、入出力ポート205がオン状態(5ボルト状態)であれば、ローパスフィルタF2の入力端子には、5ボルトが入力され、入出力ポート205がオフ状態(ゼロボルト状態)であれば、ローパスフィルタF2の入力端子は、無入力状態(ゼロボルト状態)となる。なお、入出力ポート205はオンオフを繰り返し行うので、ローパスフィルタF2の入力端子には、入出力ポート205のオンにより発生するパルス信号である発射制御信号αが入力される。
ローパスフィルタF2の入力端子に発射制御信号αが入力されると、ローパスフィルタF2で、発射制御信号αに重畳されたノイズ(高周波成分)を減少させる。ローパスフィルタF2の出力端子は、シュミットトリガインバータIC1の入力端子と接続されており、シュミットトリガインバータIC1に入力された発射制御信号αは、シュミットトリガインバータIC1で波形が整形されると共に、波形が反転され、シュミットトリガインバータIC1の出力端子から発射制御信号γとして出力される。
シュミットトリガインバータIC1の出力端子は、FETスイッチSW1のゲート端子Gと接続される。FETスイッチSW1のドレイン端子Dは、一端がDC−DCコンバータCV1に接続された発射ソレノイド142の他端およびダイオードD2のアノードと接続され、FETスイッチSW1のソース端子Sは、グランドされている。よって、FETスイッチSW1のゲート端子Gに発射制御信号γが入力されると(5ボルト状態)、FETスイッチSW1のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通し、発射ソレノイド142には、コンデンサCD2に蓄えられた電荷によって発生する電圧E1(最大値Ecボルト)が印加される。これにより、発射ソレノイド142のプランジャ142aが突出し、発射ソレノイド142の前面に配置された球を遊技領域へ向けて発射する。なお、コンデンサCD2に蓄えられた電荷によって発射ソレノイド142に印加される電圧E1は、印加された瞬間に最大値のEcボルトとなり、時間経過と共に、その電圧値は減少する。
一方、FETスイッチSW1のゲート端子Gに発射制御信号γが入力されていないときは(ゼロボルト状態)、FETスイッチSW1のドレイン端子Dとソース端子Sとの導通は遮断され、発射ソレノイド142には電圧E1が印加されない。これにより、発射ソレノイド142のプランジャ142aは、発射ソレノイド142内部に設けられたバネ(図示せず)によって、突出状態から初期状態に戻される。
球送りソレノイド制御部306は、球送りソレノイド154のオンオフを制御するための回路であり、抵抗値が固定された抵抗R7と、ローパスフィルタF3と、シュミットトリガインバータIC2と、FETスイッチSW2と、5ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC1と、12ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC2とによって構成されている。
ローパスフィルタF3の入力端子は、主制御装置110の入出力ポート205と接続され、その入出力ポート205とローパスフィルタF3の入力端子との間には、抵抗R7の一端が接続されている。抵抗R7の他端は直流電源DC1と接続されており、入出力ポート205がオン状態(5ボルト状態)であれば、ローパスフィルタF3の入力端子には、5ボルトが入力され、入出力ポート205がオフ状態(ゼロボルト状態)であれば、ローパスフィルタF3の入力端子は、無入力状態(ゼロボルト状態)となる。なお、入出力ポート205はオンオフを繰り返し行うので、ローパスフィルタF3の入力端子には、入出力ポート205のオンにより発生するパルス信号である球送り制御信号βが入力される。
ローパスフィルタF3の入力端子に球送り制御信号βが入力されると、ローパスフィルタF3で、球送り制御信号βに重畳されたノイズ(高周波成分)を減少させる。ローパスフィルタF3の出力端子は、シュミットトリガインバータIC2の入力端子と接続されており、シュミットトリガインバータIC2に入力された球送り制御信号βは、シュミットトリガインバータIC2で波形が整形されると共に、波形が反転され、シュミットトリガインバータIC2の出力端子から球送り制御信号δとして出力される。
シュミットトリガインバータIC2の出力端子は、FETスイッチSW2のゲート端子Gと接続される。FETスイッチSW2のドレイン端子Dは、球送りソレノイド154の他端およびダイオードD3のアノードと接続され、球送りソレノイド154の一端には、ダイオードD3のカソードおよび12ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC2が接続されている。また、FETスイッチSW2のソース端子Sは、グランドされている。よって、FETスイッチSW2のゲート端子Gに球送り制御信号δが入力されると(5ボルト状態)、FETスイッチSW2のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通し、球送りソレノイド154には直流電源DC2から供給される12ボルトの直流電圧E2が印加される。これにより、球送りソレノイド154がオン(励磁)され、遊技球が図示しないホルダ部155aに収容された状態となる。なお、ダイオードD3によって、球送りソレノイド154のオンからオフへの切り替え時に発生するサージ電圧を抑制している。
一方、FETスイッチSW2のゲート端子Gに球送り制御信号δが入力されていないときは(ゼロボルト状態)、FETスイッチSW2のドレイン端子Dとソース端子Sとの導通は遮断され、球送りソレノイド154には直流電圧E2が印加されない。これにより、送出部材155は自重により下方へ回動し、図示しないホルダ部155aに収容されていた球G1は下側へ送り出され、発射ソレノイド142の前面に配置される。
図8に戻り、説明を続ける。本パチンコ機10には上述したものの他、図示しないセンサなどが設けられている。例えば、振動センサが、遊技盤13の裏面に取り付けられている。パチンコ機10では、入賞口への入賞が遊技状態を決定する重要な要因となるので、振動によって球の流れを変え、意図的に入賞口への入賞が行われることを阻止する必要がある。そこで、振動センサの出力から、遊技者などによってパチンコ機10に振動が与えられたと判断される場合は、その振動エラーを伝えるエラーコマンドを表示制御装置114に送信する。その他、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
次に、図10を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図23参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図39参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203のカウンタ用バッファ203hに適宜格納される。RAM203には、各特別図柄や普通図柄に対応する実行エリア(例えば、第1特別図柄保留球実行エリア203c)と保留エリア(例えば、第1特別図柄保留球格納エリア203a)とが設けられており、これらの各エリアには、各入賞口(第1入賞口64または右第1入賞口641、第2入賞口640、スルーゲート67)への入球タイミングに合わせて、各種カウンタ値(例えば、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値)がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図23参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図39参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64または右第1入賞口641に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。一方、球が第2入賞口640に入賞したタイミングではRAM203の第2特別図柄保留球実行エリア203dに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、各特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類の判定値が含まれる。即ち、それぞれの状態においてテーブルに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なっている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64または右第1入賞口641に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。一方、球が第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球実行エリア203dに格納される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64、右第1入賞口641または第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球実行エリア203dに格納される。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球実行エリア203dに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球実行エリア203dに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球実行エリア203dに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選については、共通の各種カウンタ値を選択するように構成したが、第1特別図柄(第1抽選遊技)と第2特別図柄(第2抽選遊技)とで、それぞれ専用の各種カウンタを設定して、第1特別図柄と第2特別図柄との各種カウンタの更新契機や初期値等を異ならせることにより、異なる値で更新されるカウンタ値で構成されるようにしても当然よい。
このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選において、同じ契機でカウンタ値を取得することとなっても、異なる値のカウンタ値を取得することができ、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される変動パターンや、当否の判定結果が同期してしまう不具合を抑制することができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とで、共通の各変動パターンテーブルより変動パターンを選択するようにしたとしても、選択される変動パターンが同期してしまう不具合を抑制し、多彩な演出を行うことができる。また、主制御装置110のMPU201のRAM203の記憶データを抑制し、安価な構成(記憶領域の小さいRAM等を使用)とすることができる。
ここで、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は3個あり、その乱数値である「0」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図12(a)参照)に格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/400」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「0〜9」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図12(a)参照)に格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/40」となる。
また、第1特別図柄では低確率時、高確率時共に小当たりとなる乱数値が設けられていない。一方、第2特別図柄では低確率時に小当たりとなる乱数は398個あり、その乱数値である「1〜398」は、第1当たり乱数テーブル202a(図12(a)参照)に格納されている。このように、第2特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が400ある中で、小当たりとなる乱数の総数が398なので、第2特別図柄の小当たりとなる確率は「398/400」となる。また、第2特別図柄の高確率時に、第2特別図柄の小当たりとなる乱数は388個あり、その乱数値である「10〜398」は、第1当たり乱数テーブル202a(図12(a)参照)に格納されている。このように、第2特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が400ある中で、小当たりとなる乱数の総数が388なので、第2特別図柄の小当たりとなる確率は「388/400」となる。なお、本実施形態では一のテーブル(第1当たり乱数テーブル202a)を用いるように構成したが、これに限られず、複数のテーブル(第1特別図柄用、第2特別図柄用のテーブル、低確率時、高確率時用のテーブルなど)に分けて、それらを適宜用いるように構成してもよい。
なお、第1特別図柄と第2特別図柄とにおいて大当たりとなる確率および小当たりとなる確率は上述したものに限られない。例えば、第1特別図柄において小当たりとなる乱数値を設けるようにしてもよい(即ち、小当たりとなるようにしてもよい)し、第2特別図柄において小当たりとなる乱数値を少なく(例えば100個に減らす)してもよい。
さらに、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されており、この第1当たり種別カウンタC2の値と、ROM202内に設けられている第1当たり種別選択テーブル202b(図12(b)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。図12(b)に示すように、第1特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))」となり、乱数値が「50〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回))」となる。
一方、第2特別図柄の大当たり種別は、パチンコ機10の遊技状態と、第1当たり種別カウンタC2の値とに応じて決定される(図30のS806参照)。具体的には、遊技状態が確変遊技状態である場合に、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」であれば、「大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))」となり、乱数値が「50〜99」であれば、「大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回))」となる(図12(b)参照)。
「大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))」または「大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回))」では、特定入賞口65aの開閉動作が16回(16ラウンド)繰り返し実行されることで、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。よって、「大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))」または「大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回))」に基づく変動表示が実行される場合には、演出変更処理(図47参照)によって、遊技者に対して有利な状態(大当たり)となったことを示唆するための当たりバトル演出が表示される(図15(b)参照)。
また、「大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))」では、大当たり遊技後に確変遊技状態が付与されるので、確変遊技状態が付与される大当たりであることを示唆するための確変当たりバトル演出が表示され、「大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回))」では、大当たり遊技後に時短遊技状態が付与されるので、時短遊技状態が付与される大当たりであることを示唆するための時短当たりバトル演出が表示される。確変当たりバトル演出と、時短当たりバトル演出とでは、演出の前半部分が同一の演出が表示される。これにより、確変当たりバトル演出(大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで)))であるか時短当たりバトル演出(大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回)))であるかを、バトル演出の後半まで判別できないようにできる。その結果、遊技者に対してバトル演出の後半まで興味を継続して持たせることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態では、「大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))」と「大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回))」とを判別可能な演出を表示するように構成したが、これに限られず、「大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))」または「大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回))」のいずれの大当たりとなったかを判別困難(または、出来ない)な演出としてもよい。これにより、遊技者は大当たり遊技終了後に、遊技状態が確変遊技状態または時短遊技状態のいずれになったかを判別することが困難(または、出来ない)となる。その結果、遊技者は、遊技状態が時短遊技状態よりも有利な確変遊技状態であるかもしれないとの期待感を抱いて遊技を継続するので、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、遊技状態が時短遊技状態である場合に、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」であれば、「大当たりC(2R確変大当たり(電サポ次回まで))」となり、乱数値が「50〜99」であれば、「大当たりD(2R時短大当たり(電サポ100回))」となる(図12(b)参照)。「大当たりC(2R確変大当たり(電サポ次回まで))」または「大当たりD(2R時短大当たり(電サポ100回))」では、大当たり遊技後に確変遊技状態が付与されるので、遊技状態が時短遊技状態から確変遊技状態へと移行する大当たりであることを示唆するための昇格ランクアップ演出が表示され、「大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回))」では、大当たり遊技後に時短遊技状態が再度付与される(上乗せされる)ので、時短遊技状態が再度付与される(上乗せ)される大当たりであることを示唆するための上乗せランクアップ演出が表示される(図15(b)参照)。
昇格ランクアップ演出と、上乗せランクアップ演出とでは、演出の前半部分が同一の演出が表示される。これにより、昇格ランクアップ演出(大当たりC(2R確変大当たり(電サポ次回まで)))であるか上乗せランクアップ演出(大当たりD(2R時短大当たり(電サポ100回)))であるかを、ランクアップ演出の後半まで判別できないようにできる。その結果、遊技者に対してランクアップ演出の後半まで興味を継続して持たせることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。また、昇格ランクアップ演出が表示されることで、その後の遊技状態が確変遊技状態となることに対して、遊技者が違和感を抱かないようにすることができる。さらに、上乗せランクアップ演出が表示されることで、再度時短遊技状態が100回付与されることに対して、遊技者が違和感を抱かないようにすることができる。
なお、本実施形態では、「大当たりC(2R確変大当たり(電サポ次回まで))」と「大当たりD(2R時短大当たり(電サポ100回))」とを判別可能な演出を表示するように構成したが、これに限られず、「大当たりC(2R確変大当たり(電サポ次回まで))」または「大当たりD(2R時短大当たり(電サポ100回))」のいずれの大当たりとなったかを判別困難(または、出来ない)な演出としてもよい。これにより、遊技者は、大当たり遊技終了後に遊技状態が確変遊技状態または時短遊技状態のいずれになったかを判別することが困難(または、出来ない)となる。その結果、遊技者は、遊技状態が時短遊技状態よりも有利な確変遊技状態であるかもしれないとの期待感を抱いて遊技を継続するので、遊技者の興趣を向上させることができる。
さらに、遊技状態が通常遊技状態である場合に、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」であれば、「大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))」となり、乱数値が「50〜99」であれば、「大当たりF(2R通常大当たり(電サポなし))」となる(図12(b)参照)。
特定入賞口65aの開閉動作が2回(2ラウンド)繰り返し実行されるが、特定入賞口65aが開状態となる時間が短く(0.5秒)、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)が付与されない(または、され難い)。よって、「大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))」または「大当たりF(2R通常大当たり(電サポなし))」に基づく変動表示が実行される場合には、スキップ演出が表示される(図15(b)参照)。これにより、遊技者に対して「大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))」または「大当たりF(2R通常大当たり(電サポなし))」となったことを認識困難(または、出来ない)とすることができる。その結果、「大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))」に基づく大当たり遊技の実行後に確変遊技状態が付与されるが、遊技者に対して確変遊技状態が付与されたことを認識困難(または、出来ない)とすることができる。
ここで、「大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))」または「大当たりF(2R通常大当たり(電サポなし))」となるのは、通常遊技状態において、第2入賞口640へ遊技球が入球し、大当たりとなる場合である。本実施形態では、スキップスイッチ51cの押下によって、第2入賞口640へ遊技球を入球させる(第2特別図柄の抽選を実行する)ことが容易となるように構成している。この場合、第2特別図柄の抽選において、遊技者に有利となる大当たりが選択される状態は、遊技者にとって非常に有利な状態であるといえる。
そこで、本実施形態では、通常遊技状態については、第2特別図柄の抽選において、遊技上の価値(遊技価値)が付与されない(または、され難い)大当たり(「大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))」および「大当たりF(2R通常大当たり(電サポなし))」)が選択されるように構成している。
これにより、通常遊技状態において第2特別図柄の抽選を行うこと(スキップスイッチ51cを押下し、第2入賞口640へ遊技球を入球させること)で得られる遊技上の価値(遊技価値)を少なくすることができる。その結果、遊技者にとって有利となりすぎない遊技機を提供することができる。
さらに、通常遊技状態において、第2特別図柄の抽選結果が「大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))」または「大当たりF(2R通常大当たり(電サポなし))」となった場合には、小当たりとなった場合と同様の演出であるスキップ演出(図6(b)参照)を表示するようにしている(図15(b)参照)。
これにより、第2特別図柄の抽選結果が「大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))」となり、スキップ演出の表示後に確変遊技状態が付与されたとしても、遊技者は、大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))、大当たりF(2R通常大当たり(電サポなし))、小当たりのいずれの抽選結果に基づいてスキップ演出が実行されたのかを判別することができない(または、困難である)ため、確変遊技状態が付与されたことを判別することができない(または、困難である)。その結果、通常遊技状態において、第2特別図柄の抽選結果が「大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))」となり確変遊技状態が付与されることを期待して、第2入賞口640へ入球させる遊技(不正な遊技)を抑制することができる。
なお、上述したものに限られず、第2特別図柄の抽選結果において確変遊技状態が付与されないようにしてもよい。また、通常遊技状態における第2特別図柄の抽選結果においては確変遊技状態が付与されないようにし、時短遊技状態や確変遊技状態における第2特別図柄の抽選結果においては確変遊技状態が付与されるようにしてもよい。この場合、遊技盤13に確変遊技状態が遊技球の通過に基づいて付与される作動口(所謂、V入賞口)を設けるようにし、遊技球がその作動口(所謂、V入賞口)を通過することを規制する・しないを、特別図柄の抽選結果に基づいて制御することが可能な規制部材を設けるようにすれば良い。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本制御例では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64または右第1入賞口641に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納され、球が第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球実行エリア203dに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本制御例ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入賞口64または右第1入賞口641への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。また、低確率状態では、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入賞口64または右第1入賞口641への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。ここで、変動時間とは、特別図柄の変動が開始されてから、図柄が停止表示され、図柄が確定するまでの時間のことを指す。例えば、9.6秒の図柄変動が実行された後で、図柄が0.4秒間だけ停止表示されて図柄が確定する場合には、変動時間が10秒(9.6秒+0.4秒)であると表記する。この変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図39参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル202d(図12から図14参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている(図11(a)参照)。
ここで、図12から図14を参照して変動パターンテーブル202dについて説明する。この変動パターンテーブル202dは、図12(d)に示すように、第1入賞口64または右第1入賞口641への入球に基づく変動について規定した第1特別図柄用変動パターンテーブル202d1と、第2入賞口640への入球に基づく変動について規定した特図2特別図柄用変動パターンテーブル202d2とが設定されている。
まず、図13を参照して、第1特別図柄用変動パターンテーブル202d1の詳細について説明する。この第1特別図柄用変動パターンテーブル202d1は、図13(a)に示すように、特図1大当たり用変動パターンテーブル202d1a(図13(b)参照)と、特図1外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1b(図13(c)参照)と、特図1外れ用(確変)変動パターンテーブル202d1c(図13(d)参照)とが少なくとも設定されている。なお、図示は省略したが、このほかにも、時短遊技状態における変動パターンテーブル等が設定されている。
まず、図13(b)を参照して、特図1大当たり用変動パターンテーブル202d1aについて説明する。図13(b)は、この特図1大当たり用変動パターンテーブル202d1aの内容を模式的に示した模式図である。特図1大当たり用変動パターンテーブル202d1aは、第1特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が設定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ設定されている。各変動パターンに対して、それぞれ変動種別カウンタCS1の値が判定値として設定されている。
具体的には、ノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンについては、「0〜50」が、スーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンについては、「51〜179」が、スペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンについては、「180〜198」がそれぞれ変動種別カウンタCS1の判定値として設定される。主制御装置110のMPU201は、第1特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する時には、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを特図1大当たり用変動パターンテーブル202d1aより選択する。
図13(c)は、特図1外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1bの内容を模式的に示した模式図である。特図1外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1bは、第1特別図柄の抽選結果が外れである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が設定されたデータテーブルである。第1特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜99」の範囲にあれば外れリーチを設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間の比較的に短い短外れ(7秒)と変動時間の長い長外れ(10秒)が設定されている。短外れ(7秒)に対しては、「0〜98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99〜198」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、外れのノーマルリーチ各種(30秒)に対して「0〜149」が、外れのスーパーリーチ各種(60秒)に対して「150〜197」が、外れのスペシャルリーチ各種(90秒)に対して「198」が、変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態において第1特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、変動種別選択カウンタCS1の値に基づいて、特図1外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1bより変動パターンを選択する。
図13(d)は、特図1外れ用(確変)変動パターンテーブル202d1cの内容を模式的に示した模式図である。この特図1外れ用(確変)変動パターンテーブル202d1cは、遊技状態が確変遊技状態である場合に、外れとなる第1特別図柄の変動パターンを選択するためのデータテーブルである。この特図1外れ用(確変)変動パターンテーブル202d1cでは、設定されている変動種別選択カウンタCS1の値が、上述した特図1外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1bとは異なる点で相違する。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90〜99」の範囲にあれば外れリーチが決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
次に、図14を参照して、特図2特別図柄用変動パターンテーブル202d2の詳細について説明する。この特図2特別図柄用変動パターンテーブル202d2は、図14(a)に示すように、特図2大当たり用変動パターンテーブル202d2a(図14(b)参照)と、特図2小当たり用変動パターンテーブル202d2b(図14(c)参照)と、特図2外れ用変動パターンテーブル202d2c(図14(d)参照)とが少なくとも設定されている。
まず、図14(b)を参照して、特図2大当たり用変動パターンテーブル202d2aについて説明する。図14(b)は、この特図2大当たり用変動パターンテーブル202d2aの内容を模式的に示した模式図である。特図2大当たり用変動パターンテーブル202d2aは、第2特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が設定されたデータテーブルである。
遊技状態が確変遊技状態における大当たりの変動パターンとしては、変動A(30秒)が設定されており、確変遊技状態では変動種別カウンタCS1の値に関わらず(値が0〜198の場合に)、変動A(30秒)が選択される。また、時短遊技状態における変動パターンとして、変動B(10秒)が設定されており、時短遊技状態では変動種別カウンタCS1の値に関わらず(値が0〜198の場合に)、変動B(10秒)が選択される。さらに、通常遊技状態における変動パターンとして、変動C(0.5秒)が設定されており、通常遊技状態では変動種別カウンタCS1の値に関わらず(値が0〜198の場合に)、変動C(0.5秒)が選択される。
具体的には、主制御装置110のMPU201は、第2特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する時には、取得している変動種別カウンタCS1の値と遊技状態とに対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202d2aより選択する。
詳細は後述するが、確変遊技状態において第2特別図柄が大当たりとなる場合には、確変または時短当たりバトル演出が実行される(図15(b)参照)。この確変または時短当たりバトル演出は30秒の演出となっているため、変動A(30秒)が終了するタイミングと確変または時短当たりバトル演出(30秒)の終了タイミングとを一致させることができる。
また、時短遊技状態において第2特別図柄が大当たりとなる場合には、昇格または上乗せランクアップ演出が実行される(図15(b)参照)。この昇格または上乗せランクアップ演出は12秒の演出となっている。時短遊技状態において第2特別図柄が大当たりとなる場合には、2ラウンドの大当たり(大当たりC(2R確変大当たり(電サポ次回まで))または大当たりD(2R時短大当たり(電サポ100回)))が選択され、その大当たり遊技の遊技時間は2秒(特定入賞口の開時間0.5秒と閉時間0.5秒×2回)となっている。よって、変動B(10秒)が終了しその後の大当たり遊技(2秒)が終了するタイミング(計12秒)と、昇格または上乗せランクアップ演出の終了タイミング(12秒)とを一致させることができる。
さらに、通常遊技状態において第2特別図柄が大当たりとなる場合には、スキップ演出が実行される(図15(b)参照)。このスキップ演出は2.5秒の演出となっている。通常遊技状態において第2特別図柄が大当たりとなる場合には、2ラウンドの大当たり(「大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))」または「大当たりF(2R通常大当たり(電サポなし))」)が選択され、その大当たり遊技の遊技時間は2秒(特定入賞口の開時間0.5秒と閉時間0.5秒×2回)となっている。よって、変動C(0.5秒)が終了しその後の大当たり遊技(2秒)が終了するタイミング(計2.5秒)と、スキップ演出の終了タイミング(2.5秒)とを一致させることができる。これにより、大当たり遊技が実行されたことを、遊技者対して認識困難(または、出来ない)にすることができ、第2特別図柄に基づく抽選結果が大当たりとなったことを認識困難(または、出来ない)にすることができる。
図14(c)は、特図2小当たり用変動パターンテーブル202d2bの内容を模式的に示した模式図である。特図2小当たり用変動パターンテーブル202d2bは、第2特別図柄の抽選結果が小当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が設定されたデータテーブルである。小当たりの変動パターンとしては、いずれの遊技状態においても変動C(0.5秒)のみが設定されている。各変動パターンに対して、それぞれ変動種別カウンタCS1の値が判定値として設定されている。
特図2小当たり用変動パターンテーブル202d2bには、小当たりの変動パターンとして、変動C(0.5秒)のみが設定されており、遊技状態と変動種別カウンタCS1の値とに関わらず(値が0〜198の場合に)、変動C(0.5秒)が選択される。
具体的には、主制御装置110のMPU201は、第2特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する時には、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを小当たり用変動パターンテーブル202d2bより選択する。
ここで、スキップ演出は2.5秒の演出となっている。第2特別図柄が小当たりとなる場合には、2ラウンドの小当たり遊技が実行され、その小当たり遊技の遊技時間は2秒(特定入賞口の開時間0.5秒と閉時間0.5秒×2回)となっている。よって、変動C(0.5秒)が終了しその後の小当たり遊技(2秒)が終了するタイミング(計2.5秒)と、スキップ演出の終了タイミング(2.5秒)とを一致させることができる。
図14(d)は、特図2外れ用変動パターンテーブル202d2cの内容を模式的に示した模式図である。特図2外れ用変動パターンテーブル202d2cは、第2特別図柄の抽選結果が外れである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が設定されたデータテーブルである。
遊技状態が確変遊技状態における外れの変動パターンとしては、変動A(30秒)が設定されており、確変遊技状態では変動種別カウンタCS1の値に関わらず(値が0〜198の場合に)、変動A(30秒)が選択される。また、時短遊技状態における変動パターンとして、変動B(10秒)が設定されており、時短遊技状態では変動種別カウンタCS1の値に関わらず(値が0〜198の場合に)、変動B(10秒)が選択される。さらに、通常遊技状態における変動パターンとして、変動A(30秒)が設定されており、通常遊技状態では変動種別カウンタCS1の値に関わらず(値が0〜198の場合に)、変動A(30秒)が選択される。
具体的には、主制御装置110のMPU201は、第2特別図柄の抽選結果が外れとなる場合の変動パターンを選択する時には、取得している変動種別カウンタCS1の値と遊技状態とに対応する判定値が設定されている変動パターンを外れ用変動パターンテーブル202d2cより選択する。
詳細は後述するが、確変遊技状態において第2特別図柄が外れとなる場合には、外れバトル演出が実行される(図15(b)参照)。この外れバトル演出は30秒の演出となっているため、変動A(30秒)が終了するタイミングと外れバトル演出(30秒)の終了タイミングとを一致させることができる。
また、第1特別図柄に基づく外れの変動が実行されている場合に、第2特別図柄の抽選結果が外れとなると、外れバトル演出が実行される。この場合、外れバトル演出の表示中に第1特別図柄に基づく外れの変動が停止すると、その外れバトル演出を継続した状態で、次の保留に基づく第1特別図柄の変動を開始する。一方、第1特別図柄に基づく外れの変動が外れバトル演出の終了時においても継続して実行されている場合には、外れバトル演出を終了した後に、その第1特別図柄に基づく外れの変動表示が残時間分実行されることになる。なお、これに限られず、第1特別図柄に基づく外れの変動表示の残時間分、外れバトル演出を延長するようにしてもよいし、別途演出を行うようにしてもよい。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本制御例ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が普通入賞口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203hに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図12(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、普通図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通入賞口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、右第1入賞口641が「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本制御例では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら右第1入賞口641が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、普通図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通入賞口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、右第1入賞口641が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、右第1入賞口641の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、右第1入賞口641へ球が入球し易い状態となる。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本制御例では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら右第1入賞口641が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図23参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図39参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
次いで、図11を参照して、主制御装置110に設けられるROM202とRAM203の内容について説明する。ROM202は、上述したように、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターンテーブル202dが少なくとも設けられている。ROM202に設けられた各テーブルの内容は、上述した通りであるため、その詳細な説明を省略する。
RAM203は、図10に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図39参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図38参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図37参照)が即座に実行される。
RAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第1特別図柄保留球実行エリア203c、第2特別図柄保留球実行エリア203d、第1特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203g、普通図柄保留球格納エリア203h、普通図柄保留球実行エリア203i、時短カウンタ203k、確変フラグ203m、特図1大当たりフラグ203o、特図2大当たりフラグ203p、特図2小当たりフラグ203r、時短フラグ203s、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、上限個数(本実施形態では、4個)まで、第1入賞口64または右第1入賞口641に入賞したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。
第1特別図柄保留球実行エリア203cは、第1特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、第1特別図柄が変動表示停止した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aに各種カウンタ値が記憶されている場合に、その各種カウンタ値がシフトして記憶される記憶エリアである。
第2特別図柄保留球実行エリア203dは、第2特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、第2入賞口640へ遊技球が入球したことに基づいて取得された各種カウンタ値が直接記憶される記憶エリアである。よって、第2特別図柄では入賞に基づいて保留されることがない。
第1特別図柄保留球格納エリア203a、第1特別図柄保留球実行エリア203c、第2特別図柄保留球実行エリア203dは、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図10参照)より取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動パターン判定用カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ記憶される。MPU201は、タイマ割込処理(図23参照)の中で、球が第1入賞口64または右第1入賞口641へ入賞したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第1特別図柄保留球格納エリア203aにそれぞれ格納する。一方、球が第2入賞口640へ入賞したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3、CS1の値を取得し、第2特別図柄保留球実行エリア203dへ直接記憶される。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示の設定等の処理を実行するために、上述した第1特別図柄保留球格納エリア203aに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この第1特別図柄保留球実行エリア203cへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
第1特別図柄保留球数カウンタ203eは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図23参照)の中で検出される第1入賞口64または右第1入賞口641への入賞に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ計数するカウンタである。第1特別図柄保留球数カウンタ203eは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図38、S1614)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、第1特別図柄保留球数カウンタ203eは最大値4まで1加算される。そして、変動表示演出が実行される毎に、実行された演出に対応する特別図柄のカウンタが1減算される。
また、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(即ち、第1特別図柄の保留球数)は、第1入賞口64または右第1入賞口641に遊技球が入賞したことに基づいて、第1特別図柄保留球格納エリア203aにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第1特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第1特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1特別図柄保留球数カウンタ203eが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
MPU201は、第1特別図柄保留球実行エリア203cまたは第2特別図柄保留球実行エリア203dにカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1〜C3、CS1の各値がそれぞれ記憶された場合には、第1特別図柄保留球実行エリア203cまたは第2特別図柄保留球実行エリア203dに格納されたデータを、第1特別図柄変動開始処理(図24、S203)または第2特別図柄変動開始処理(図24、S206)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、第1または第2変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203gは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図23参照)の中で検出される普通入賞口67を遊技球が通過(以下「始動入賞」と称す)したことに基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81、第2図柄表示装置83で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203gは、普通入賞口67を遊技球が通過したことに基づいて記憶される保留球数の合計を記憶するカウンタである。電源投入後のRAM203の初期設定処理(図38、S1614)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図36、S1404参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203gは、変動表示演出が実行される毎に1減算される(図35、S1309参照)。
普通図柄保留球格納エリア203hは、普通入賞口67への始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図10参照)より取得した第2当たり乱数カウンタC4が記憶される記憶エリアである。主制御装置110のMPU201は、タイマ割込処理(図23参照)の中で、球が普通入賞口67へ通過(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから第2当たり乱数カウンタC4の値を取得し、普通図柄保留球格納エリア203hの第2当たり乱数カウンタ格納エリア203h1に格納する。普通図柄保留球格納エリア203hは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC4の値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリアを有している。普通図柄保留球格納エリア203hには、普通入賞口67へ通過(始動入賞)した順に保留球のデータが、データが空いている保留エリアの内、消化される順序の早い保留エリアから順に記憶される。
また、普通図柄保留球実行エリア203iは、始動入賞に基づいて、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、各カウンタ値が格納され、普通図柄の当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示(変動パターン)の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。
なお、MPU201は、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、当たり抽選や、第2図柄表示装置83の表示の設定等の処理を実行するために、上述した普通図柄保留球格納エリア203hに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(第2当たり乱数カウンタC4の値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この普通図柄保留球実行エリア203iへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
時短カウンタ203kは、16R時短大当たり遊技が実行された後に、時短回数100が設定されるカウンタエリアである。時短回数が設定されると、時短回数が0に設定されるまでの間、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が実行される。また、普通図柄の当たりを示す図柄「○」が第2図柄表示装置83に表示された場合に、普通電動役物641aが通常遊技状態よりも長い開放時間(本実施形態では、1s)開放する動作を2回繰り返される。この遊技状態を以下、時短遊技状態とする。
時短カウンタ203kは、第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示停止する毎に1ずつ減算され、時短カウンタ203kの値が0となると、時短遊技状態から通常遊技状態へと移行し、普通図柄当たり乱数カウンタ202cの低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cが設定され、普通図柄の当たりを示す図柄「○」が第2図柄表示装置83に表示された場合に、開放時間が0.2sで開放回数1回の設定で、普通電動役物641aの羽根が開放される。
確変フラグ203mは、遊技状態が高確率遊技状態であることを示すフラグである。第1特別図柄または第2特別図柄において、16R確変大当たり遊技が当選したことが報知され、16R確変大当たり遊技が実行された場合に、大当たり遊技が終了したことに基づいて、オンに設定されるフラグである。一方、確変フラグ203mがオンに設定されて、第1特別図柄または第2特別図柄で大当たりを示す図柄(すべての種別)で停止表示されるとオフに設定され、大当たり遊技後に、その大当たり遊技の大当たり種別に応じてオンに設定される。具体的には、大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))、大当たりC(2R確変大当たり(電サポ次回まで))、大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))であればオンに設定される。
特図1大当たりフラグ203oは、第1入賞口64または右第1入賞口641に入賞したことに基づいて、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が当たりであると判定された場合に、オンに設定されるフラグである。また、大当たり遊技が終了するとオフに設定される。
特図2大当たりフラグ203pは、第2入賞口640に入賞したことに基づいて、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が当たりであると判定された場合に、オンに設定されるフラグである。また、大当たり遊技が終了するとオフに設定される。
特図2小当たりフラグ203rは、第2特別図柄の当たり判定が小当たりであると判定されたことを示すフラグである。この特図2小当たりフラグ203rは、後述する第2特別図柄大当たり判定処理(図30参照)において、第2特別図柄の抽選結果が小当たりであると判別された場合にオンに設定される(図30のS808参照)。そして、第2特別図柄変動開始処理(図29)において参照され、メイン処理(図39参照)の小当たり制御処理において小当たり遊技が終了するタイミングにオフに設定される(図39のS1705参照)。
上述した特図2大当たりフラグ203pまたは特図2小当たりフラグ203rがオンである場合は、第2特別図柄の大当たり遊技または小当たり遊技が実行される場合であるので、第1特別図柄の変動が実行中であれば、その変動を停止させる(図29のS706)。ここで、第2入賞口640への入球に基づいて抽選される第2特別図柄の抽選結果が高確率で大当たりまたは小当たりとなるように、第1当たり乱数テーブル202aの大当たり(または小当たり)判定値を設定している(図12(a)参照)。これにより、第2入賞口640へ遊技球が入球することに基づいて、第1特別図柄の変動を停止させることができる。
また、上述したように、第2入賞口640へ入球が可能となるのは、第2入賞口640に付随している非電動役物640aが開状態の場合である。この非電動役物640aが開状態の場合には、開放時押下示唆演出(図6(a)参照)が第3図柄表示装置81に表示される。この開放時押下示唆演出により、遊技者に対してスキップボタン51cを押下するように促すことができる。
さらに、本実施形態では、スキップスイッチ51cを押下することに基づいて発射された遊技球のうち、第2入賞口640へ入球しなかった遊技球が入球しやすい位置に、遊技球の入球に基づいて非電動役物640aを開状態へと作動させる作動口670が設けられている。そして、非電動役物640aが閉状態の場合には、閉鎖時押下示唆演出(図6(a)参照)が第3図柄表示装置81に表示される。この閉鎖時押下示唆演出により、遊技者に対してスキップボタン51cを押下するように促し、作動口670へ遊技球を発射することを促す(即ち、非電動役物640aを開状態にすることを促す)ことができる。
スキップボタン51cが押下されると、発射制御装置112により発射される遊技球が第2入賞口640へと発射される。第2入賞口640へ遊技球が入球すると、上述したように、第1特別図柄の変動が停止されると共に、第1特別図柄の変動をスキップしたことを示唆するスキップ演出(図6(b)参照)、または、バトル演出(図7(a)参照)が表示される。これにより、スキップボタン51cの押下に基づいて演出が変更されたかのような印象を、遊技者に対して与えることができる。
さらに、第2入賞口640の前面側には、遊技者が内部を視認することを困難にする前面カバー部材600が配置されている。よって、遊技者は、スキップボタン51cの押下に基づいて発射される遊技球が第2入賞口640へ入球したことを、認識することが困難となっている。その結果、第2入賞口640へ入賞したことに基づいて、第1特別図柄の変動が停止され、スキップ演出(図6(b)参照)、または、バトル演出(図7(a)参照)が表示されるにも関わらず、スキップボタン51cの押下に基づいて演出が変更されたかのような印象を、遊技者に対して与えることができる。
なお、本実施形態では、第2特別図柄の大当たり遊技または小当たり遊技が実行される場合(第2特別図柄の抽選結果として大当たりまたは小当たりが表示される場合)に、第1特別図柄の変動表示を強制的に停止(強制停止)するように構成したが、これに限られず、普通図柄の抽選結果が当たりである場合に、第1特別図柄の変動表示を停止するように構成しても良いし、第1特別図柄の大当たり遊技または小当たり遊技が実行される場合(第1特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりである場合)に、第2特別図柄の変動表示を強制的に停止(強制停止)するように構成しても良い。
また、第1特別図柄の変動中において、第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりである変動表示が開始される場合に、変動中の第1特別図柄の変動表示が強制停止されるように構成してもよい。これにより、第1特別図柄の変動表示が強制停止されるタイミングを早めることができ、変動表示がスキップされたとの印象を遊技者に対してより強く与えることができる。
さらに、上述した強制停止を行わないで、演出表示によって第1特別図柄の変動がスキップされたかのような印象を与えるようなスキップ演出を実行(表示)するようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動を視認困難(または不可能)な態様に変更して、「スキップ!」の文字が表示されるようにすればよい。また、第1特別図柄の変動中において、スキップスイッチ51cの押下や第2入賞口640への入球に基づいて、表示中の演出の態様を変更可能とするのみでもよい。これにより、遊技者はスキップスイッチ51の押下によって好みの演出態様を選択することができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、第1特別図柄の抽選結果として小当たりを設定していないが、これに限られず、第1特別図柄の抽選結果として小当たりを設定するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の当たり判定が小当たりであると判定されたことを示すフラグである特図1小当たりフラグを設け、特図2小当たりフラグと同様にして設定・参照するようにすればよい。さらに、第2特別図柄の抽選結果として小当たり(または大当たり)を設定せず、第2特別図柄の抽選結果が大当たり(または小当たり)となった場合にのみ、特別図柄の変動表示を停止するようにしても良い。
また、一方の特別図柄の抽選結果が大当たり(または小当たり)となった場合には、他方の特別図柄の変動表示を停止するが、一方の特別図柄の抽選結果が小当たり(または大当たり)となった場合には、他方の特別図柄の変動表示を停止しないようにしてもよい。さらに、大当たり(または小当たり)の種別に応じて、他方の特別図柄の変動表示を停止するようにしてもよい。
時短フラグ203sは、遊技状態が時短遊技状態であるか否かを示すフラグである。この時短フラグ203sは、オンである場合には遊技状態が時短遊技状態であることを示しオフである場合には遊技状態が時短遊技状態でないことを示す。時短フラグ203sは、後述する大当たり制御処理(図40参照)により、エンディング演出の開始タイミングにおいて、確変大当たりのエンディングであると判別され(図40のS1813:Yes)、かつ、大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))のエンディングでない場合(図40のS1815:No)、オンに設定され、確変大当たりおよび時短大当たりでないエンディング(即ち、通常大当たりのエンディング)であると判別された場合に(図40のS1817:No)オフに設定される。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶しておくためのエリアである。
次に、図15を参照して、音声ランプ制御装置113に設けられているROM222、およびRAM223について説明を行う。音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターンテーブル222a、演出変更選択テーブル222bが少なくとも格納されている。
変動パターンテーブル222aは、既に公知のものであるため簡単に説明するが、音声ランプ制御装置113は主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を変動パターンテーブル222aより決定する。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数種類の中より1の変動態様が決定される。
演出変更選択テーブル222bは、第1特別図柄の外れに基づく変動中にスキップスイッチ51cの押下を示唆する示唆演出が表示されている場合に、第2入賞口640へ遊技球が入球した際(即ち、第2特別図柄に基づく変動が実行される場合)に表示(変更)する演出を選択するためのテーブルである。この演出変更選択テーブル222bは、後述する演出変更処理(図47参照)において参照され、第2特別図柄の抽選結果と遊技状態とに応じて演出が選択される。
ここで、図15(b)を参照して、演出変更選択テーブルの詳細について説明する。遊技状態が確変遊技状態の場合に、第2特別図柄の抽選結果が、「大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))」であれば確変当たりバトル演出(30秒)が選択され、「大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回))」であれば時短当たりバトル演出(30秒)が選択され、「小当たり」であればスキップ演出(2.5秒)が選択され、「外れ」であれば外れバトル演出(30秒)が選択される。なお、遊技状態が確変遊技状態である場合には、第2特別図柄の抽選結果が「大当たりC(2R確変大当たり(電サポ次回まで))」、「大当たりD(2R時短大当たり(電サポ100回))」、「大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))」または「大当たりF(2R通常大当たり(電サポなし))」となることはない(図12(b)参照)。
また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、第2特別図柄の抽選結果が、「大当たりC(2R確変大当たり(電サポ次回まで))」であれば確変ランクアップ演出(12秒)が選択され、「大当たりD(2R時短大当たり(電サポ100回))」であれば上乗せランクアップ演出(12秒)が選択され、「小当たり」であればスキップ演出(2.5秒)が選択され、「外れ」であれば外れランクアップ演出(12秒)が選択される。なお、遊技状態が時短遊技状態である場合には、第2特別図柄の抽選結果が「大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))」、「大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回))」、「大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))」または「大当たりF(2R通常大当たり(電サポなし))」となることはない(図12(b)参照)。
さらに、遊技状態が通常遊技状態の場合には、第2特別図柄の抽選結果が、「大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))」、「大当たりF(2R通常大当たり(電サポなし))」または「小当たり」であればスキップ演出(2.5秒)が選択され、「外れ」であれば外れバトル演出(30秒)が選択される。なお、遊技状態が時短遊技状態である場合には、第2特別図柄の抽選結果が「大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))」、「大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回))」、「大当たりC(2R確変大当たり(電サポ次回まで))」または「大当たりD(2R時短大当たり(電サポ100回))」となることはない(図12(b)参照)。
上述したように、確変遊技状態において第2特別図柄が大当たりとなる場合には、確変または時短当たりバトル演出(30秒)が実行される(図15(b)参照)。確変遊技状態において第2特別図柄が大当たりとなる場合に選択される変動パターンは、変動A(30秒)であるので(図14(b)参照)、変動A(30秒)が終了するタイミングと確変または時短当たりバトル演出(30秒)の終了タイミングとを一致させることができる。
また、確変遊技状態において第2特別図柄が小当たりとなる場合には、スキップ演出(2.5秒)が実行される(図15(b)参照)。確変遊技状態において第2特別図柄が小当たりとなる場合に選択される変動パターンは変動C(0.5秒)であり(図14(c)参照)、その小当たり遊技の遊技時間は2秒(特定入賞口の開時間0.5秒と閉時間0.5秒×2回)である。よって、変動C(0.5秒)が終了しその後の小当たり遊技(2秒)が終了するタイミング(計2.5秒)と、スキップ演出の終了タイミング(2.5秒)とを一致させることができる。このスキップ演出が小当たり遊技の終了タイミングまで表示されることにより、小当たりが発生したことおよび小当たり遊技が実行されたことを遊技者が認識することが困難(または、出来ない)となるので、スキップ演出が表示されたことにより第1特別図柄の変動が停止され、次の第1特別図柄の保留に基づく変動が開始された(スキップされた)との印象を遊技者に対して与えることができる。
さらに、確変遊技状態において第2特別図柄が外れとなる場合には、外れバトル演出(30秒)が実行される(図15(b)参照)。確変遊技状態において第2特別図柄が外れとなる場合に選択される変動パターンは変動A(30秒)である(図14(d)参照)。よって、変動A(30秒)が終了するタイミングと外れバトル演出(30秒)の終了タイミングとを一致させることができる。
次いで、時短遊技状態において第2特別図柄が大当たりとなる場合には、昇格または上乗せランクアップ演出(12秒)が実行される(図15(b)参照)。時短遊技状態において第2特別図柄が大当たりとなる場合に選択される変動パターンは変動B(10秒)であり(図14(b)参照)、その大当たり遊技の遊技時間は2秒(特定入賞口の開時間0.5秒と閉時間0.5秒×2回)である。よって、変動B(10秒)が終了しその後の大当たり遊技(2秒)が終了するタイミング(計12秒)と、昇格または上乗せランクアップ演出の終了タイミング(12秒)とを一致させることができる。
また、時短遊技状態において第2特別図柄が小当たりとなる場合には、スキップ演出(2.5秒)が実行される(図15(b)参照)。このスキップ演出(2.5秒)は、確変遊技状態において第2特別図柄が小当たりとなる場合と同様に、時短遊技状態において実行される小当たり遊技の終了タイミング(計2.5秒)と終了タイミングが一致するものである。
さらに、時短遊技状態において第2特別図柄が外れとなる場合には、外れランクアップ演出(10秒)が実行される(図15(b)参照)。時短遊技状態において第2特別図柄が外れとなる場合に選択される変動パターンは変動B(10秒)である(図14(d)参照)。よって、変動B(10秒)が終了タイミングと、外れランクアップ演出(10秒)の終了タイミングとを一致させることができる。
ここで、昇格または上乗せランクアップ演出(12秒)と外れランクアップ演出(10秒)とは、演出時間が異なるものの、それぞれの演出における前半部分は同一の演出となっており、演出の後半部分(演出が表示されてから8秒経過時)において当該ランクアップ演出が、昇格ランクアップ演出、上乗せランクアップ演出、外れランクアップ演出のいずれであるかが判別可能な演出となっている。これにより、遊技者に対してランクアップ演出の後半まで興味を継続して持たせることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
次いで、通常遊技状態において第2特別図柄が大当たりとなる場合には、スキップ演出(2.5秒)が実行される(図15(b)参照)。このスキップ演出(2.5秒)は、確変遊技状態または時短遊技状態において第2特別図柄が小当たりとなる場合と同様に、通常遊技状態において実行される大当たり遊技の終了タイミング(計2.5秒)と終了タイミングが一致するものである。これにより、大当たり遊技が実行されたことを、遊技者対して認識困難(または、出来ない)にすることができ、第2特別図柄に基づく抽選結果が大当たりとなったことを認識困難(または、出来ない)にすることができる。
また、通常遊技状態において第2特別図柄が小当たりとなる場合にも、同様にスキップ演出が実行される(図15(b)参照)。このスキップ演出(2.5秒)は、通常遊技状態において第2特別図柄が大当たりとなる場合や、確変遊技状態または時短遊技状態において第2特別図柄が小当たりとなる場合と同様に、通常遊技状態において実行される小当たり遊技の終了タイミング(計2.5秒)と終了タイミングが一致するものである。
さらに、通常遊技状態において第2特別図柄が外れとなる場合には、外れバトル演出(30秒)が実行される。通常遊技状態において第2特別図柄が外れである場合に選択される変動パターンは変動A(30秒)である(図14(d)参照)。よって。第2特別図柄の外れに基づいて実行される変動A(30秒)が終了するタイミングと外れバトル演出(30秒)の終了タイミングとを一致させることができる。
また、第1特別図柄に基づく外れの変動が実行されている場合に、第2特別図柄の抽選結果が外れとなると、外れバトル演出が実行される。この場合、外れバトル演出の表示中に第1特別図柄に基づく外れの変動が停止すると、その外れバトル演出を継続した状態で、次の保留に基づく第1特別図柄の変動を開始する。一方、第1特別図柄に基づく外れの変動が外れバトル演出の終了時においても継続して実行されている場合には、外れバトル演出を終了した後に、その第1特別図柄に基づく外れの変動表示が残時間分実行されることになる。なお、これに限られず、第1特別図柄に基づく外れの変動表示の残時間分、外れバトル演出を延長するようにしてもよいし、別途演出を行うようにしてもよい。
次に、図15(c)を参照して、音声ランプ制御装置113のRAM223について説明する。音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223a、第1特別図柄保留球数カウンタ223b1、第1変動開始フラグ223c1、第2変動開始フラグ223c2、第1停止種別選択フラグ223d1、第2停止種別選択フラグ223d2、演出カウンタ223e、示唆演出フラグ223f、示唆演出状態格納エリア223g、演出変更フラグ223h、疑似演出変更フラグ223i、ゲージレベル223j、電源断フラグ223y、その他メモリエリア223mとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、各特別図柄に対応する、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報である各カウンタC1〜C3の各値がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
第1特別図柄保留球数カウンタ223b1は、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第1特別図柄の変動表示(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている変動表示演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
第1変動開始フラグ223c1は、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された第1特別図柄の変動パターンを通知する第1変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される(図43、S2102)。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図48、S2602)。
第2変動開始フラグ223c2は、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された第2特別図柄の変動パターンを通知する第2変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される(図43、S2106)。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図48、S2606)。
第1停止種別選択フラグ223d1は、主制御装置110から出力される第1特別図柄の変動停止種別を通知する第1停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される(図43、S2109)。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図48、S2610)。
第2停止種別選択フラグ223d2は、主制御装置110から出力される第2特別図柄の変動停止種別を通知する第2停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される(図43、S2109)。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図48、S2610)。
演出カウンタ223eは、0〜198のループカウンタであり、表示制御装置114のV割込処理(図112)で実行されるメイン処理(図42参照)において更新される。特図1変動パターンコマンドを受信した場合には、この演出カウンタ223eの値と、受信したコマンドから抽出した変動パターンとに基づいて、示唆演出を実行するための示唆演出フラグがオンに設定される(図43のS2105参照)。
電源断フラグ223yは、主制御装置110が電源断を検知すると音声ランプ制御装置113へ電源断コマンドが送られ、音声ランプ制御装置113がその電源断コマンドを受信すると、電源断フラグ223yがオンに設定され、電源断処理が実行される(図42のS2017)。そして、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図41)において、電源断フラグ223yがオンの場合に、RAMの作業領域のクリアが実行され、電源断フラグ223yがオフに設定される(図41のS1910)。
示唆演出フラグ223fは、各種示唆演出(閉鎖時押下示唆演出、開放時押下示唆演出)を実行(表示)するか否かを判別するためのフラグである。示唆演出フラグ223fは、後述する示唆演出処理(図49)において参照され、オンであれば各種示唆演出が実行(表示)され、オフであれば実行(表示)されない。この示唆演出フラグ223fは、特図1変動パターンコマンドを受信した場合に、抽出した変動パターンと演出カウンタとに基づいてオンに設定され(図43のS2104参照)、各種示唆演出が実行(表示)されている変動が停止される場合にオフに設定される(図43のS2118参照)。また、後述する入賞時演出変更処理(図45)によって、演出が変更された場合は、各種示唆演出の実行(表示)を終了する場合であるので、示唆演出フラグ223fがオフに設定される。
示唆演出状態格納エリア223gは、各種示唆演出が実行されている場合に設定される領域であり、現在実行(表示)中の示唆演出の種別(閉鎖時押下示唆演出、開放時押下示唆演出)に基づく値が格納される領域である。この示唆演出状態格納エリア223gは、後述する示唆演出処理(図49参照)において参照されるものであり、各種示唆演出(閉鎖時押下示唆演出、開放時押下示唆演出)を実行(表示)するための各種表示用示唆演出コマンドが設定される場合に、設定された示唆演出の種別(閉鎖時押下示唆演出、開放時押下示唆演出)に基づく値が格納される。
演出変更フラグ223hは、実行中の変動表示において演出変更処理が実行されたか否かを判別するためのフラグである。演出変更フラグ223hがオンであれば当該変動表示において演出変更処理が実行されたことを示し、オフであれば実行中の変動表示において演出変更処理が実行されていないことを示す。この演出変更フラグ223hは、入賞時演出変更処理(図45参照)において、演出変更処理(図45のS2309参照)が実行された場合にオンに設定される。そして、第2特別図柄の変動を停止するための特図2変動停止コマンドを受信した場合、即ち、演出変更処理(図47参照)によって演出が変更された変動表示が停止される場合に、演出変更フラグ223hがオフに設定される。
詳細は後述するが、この演出変更フラグ223hがオンである場合には、即ち、実行中の変動表示において演出が変更された場合には、入賞時演出変更処理(図45参照)において、演出の変更(疑似演出変更処理および演出変更処理)が実行されなくなる(図45のS2306:No参照)。これにより、疑似演出変更処理(図46参照)によって変更された演出(バトル演出やランクアップ演出)が実行中(表示中)であるにも関わらず、再度演出変更処理(または、疑似演出変更処理)が実行され、演出が変更されてしまうことを抑制できる。
疑似演出変更フラグ223iは、実行中の変動表示において疑似演出変更処理(図46参照)が実行されたか否かを判別するためのフラグである。疑似演出変更フラグ223hがオンであれば、実行中の変動表示において疑似演出変更処理が実行され、演出が変更されたことを示し、オフであれば実行中の変動表示において疑似演出変更処理が実行されておらず、演出が変更されていないことを示す。この疑似演出変更フラグ223iは、入賞時演出変更処理(図45参照)において、疑似演出変更処理(図45のS2308参照)が実行された場合にオンに設定される。そして、大当たり遊技のオープニング演出を実行(表示)するためのオープニングコマンドを受信した場合、即ち、疑似演出変更処理(図47参照)によって演出が変更された変動表示が停止され、大当たり遊技が開始される場合に、疑似演出変更フラグ223hがオフに設定される。
詳細は後述するが、この疑似演出変更フラグ223iがオンである場合には、即ち、実行中の変動表示において演出が変更された場合には、入賞時演出変更処理(図45参照)において、演出の変更(疑似演出変更処理および演出変更処理)が実行されなくなる(図45のS2306:No参照)。これにより、疑似演出変更処理(図46参照)によって変更された演出(バトル演出やランクアップ演出)が実行中(表示中)であるにも関わらず、再度疑似演出変更処理(または、演出変更処理)が実行され、演出が変更されてしまうことを抑制できる。
ゲージレベル223jは、閉鎖時押下演出(図7(b)参照)において第3図柄表示装置81の右側中央に表示されるゲージの態様(ゲージが点灯表示される領域の幅)を決定するための値を格納する領域である。このゲージレベル223jの値は0から5000の範囲で設定されるものである。具体的には、ゲージレベル223jが0である場合には、ゲージの点灯表示される領域も0(即ち、ゲージ枠のみが表示され、内部は点灯表示されない)となる。ゲージレベル223jが2500である場合には、ゲージの点灯表示される領域の幅は最大幅の半分となり、ゲージ枠の左端から中央までの領域が点灯表示される。ゲージレベル223jが5000である場合には、ゲージの点灯表示される領域の幅は最大幅となり、ゲージ枠の左端から右端までの全ての領域が点灯表示される。このように、ゲージレベル223jの値に応じて、ゲージ枠の左端を起点として点灯表示される領域の幅が決定される。
その他メモリエリア223mは、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
次に、図16を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図16は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図50のS2801参照)の終了後に実行される初期化処理(図50のS2802参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
次いで、画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図22参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図52(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235d、電源投入時タイトル画像エリア235fが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入賞口64、右第1入賞口641または第2入賞口640への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像、電源投入時変動画像および電源投入時タイトル画像エリア235fに対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図65参照)。
ここで、図18を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図18は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図18(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図18(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図18(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図18(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図18(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図18(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図16に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図19を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図19は、背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図19(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図19(b)は、「空ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。
各背面A,Bのうち、背面A及びBに対応する背面画像は、図19に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A及びBに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
遊技者によって枠ボタン22が操作されてステージが「街中ステージ」または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図19(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである街中ステージを表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される街中ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
一方、空ステージに対応する背面Bは、図19(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。
ここで、ステージを変更するために遊技者による行われる枠ボタン22の操作は、遊技者の意思に基づき任意のタイミングで行われるものであるので、任意のタイミングで枠ボタン22が操作されても即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者による枠ボタン22の操作によって任意のタイミングでステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、背面Bにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図16参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図16に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図53参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入賞口64、右第1入賞口641または第2入賞口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
次に、図17を参照して、表示制御装置114に設けられたワークRAM233について説明する。ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233j、描画対象バッファフラグ233k、その他記憶エリア223zを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりであれば、その大当たりの種別を示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞装置650の入球規制板654が繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知すると共に、大当たり終了後に遊技者に付与される遊技価値(普通図柄の時短期間)を遊技者に報知する、または、保留されている特別図柄の抽選において抽選結果が大当たりとなることを遊技者に報知するための演出である。
エンディング演出において普通図柄の時短期間を報知することによって、遊技者は、普通図柄の時短期間を容易に認識することができる。この普通図柄の時短期間が長ければ長い程、球がスルーゲート67を通過する機会が多くなるので、普通図柄の抽選が行われる機会が多くなり、普通図柄の当たりになる機会も多くなる。よって、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放される機会も多くなるので、球が右第1入賞口641へ入球し易くなり、特別図柄の抽選が行われ易くなる。従って、表示される普通図柄の時短期間が長いほど、特別図柄の大当たりになるという期待感を強く、遊技者に対して持たせることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。故に、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、右第1入賞口641は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が右第1入賞口641へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期間感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、エンディング演出において、保留されている特別図柄の抽選のうち何れかの抽選結果が特別図柄の大当たりになることを報知することによって、遊技者は、保留されている特別図柄の抽選において特別図柄の大当たりになることを認識できるので、確実に特別図柄の大当たりになるという期待感を、遊技者に対して持たせることができる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図20を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図20は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」のいずれか)に対応する背面A,Bのいずれかを表示させるか、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A,Bのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図20の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図22参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図21を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図21は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図21のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図21のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図21の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図22参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図21の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図18(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図50参照)の中でオンに設定される(図50のS2805参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図63(b)のS4705参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図52(b)のS3101参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図52(b)のS3108参照)および簡易表示設定処理(図52(b)のS3109参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図53〜図59参照)および表示設定処理(図60〜図62参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図52(b)のS3105参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図63(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図64参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図22参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図22参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図22参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図52(b)のS3103参照)の中で、ポインタ更新処理(図60のS4305参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図22参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図22を参照して、描画リストの詳細について説明する。図22は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図22に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233kで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図52(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図60のS4307参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233jは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233jは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図50のS2802参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233jは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233jの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図64参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233jを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図64のS4813参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図64のS4814参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233kは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図65のS4902参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233kは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233kの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図52(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図65のS4902参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
その他記憶エリア233zは、その他、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。表示制御装置113のコマンド判定処理(図53参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
<主制御装置の制御処理について>
次に、図23から図40のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図38)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図39)と、定期的に(本実施形態では2ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込処理(図23)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図37)とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理(図23)とNMI割込処理(図37)とを説明し、その後立ち上げ処理(図38)とメイン処理(図39)とを説明する。
図23は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99、239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入賞口64、右第1入賞口641または第2入賞口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図24〜図34を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通入賞口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図35および図36を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。
発射制御処理(S108)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。なお、本実施形態では、操作ハンドル51に設けられているスキップスイッチ51cが押下されることで、発射制御装置112の発射強度の設定に用いられる抵抗器が変更され、発射ソレノイド142から発射される遊技球の発射強度が変更される。ただし、これに限られず、主制御装置110からの入力される信号に基づいて発射ソレノイドの発射強度を可変可能な発射制御装置112を設け、発射制御処理(S108)においてスキップスイッチ51cの押下状態と、操作ハンドル51の操作量に基づいて、発射強度を指示する信号を発射制御装置112に対して送信するようにしてもよい。これにより、抵抗器を2種類設けずとも、上述したようにスキップスイッチ51cの操作有無に応じて発射強度を変更可能な遊技機とすることができるので、製品コストを低減することができる。
次に、図24を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S104)を説明する。図24は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(図24、S104)は、第1特別図柄と第2特別図柄とを、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81とで同時に変動表示を可能に制御したり、判定結果を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(図24、S104)について説明する。
特別図柄変動処理(図24、S104)では、まず、大当たり遊技中であるか否か判定される(S201)。大当たり中であると判定された場合には(S201:Yes)、この処理を終了する。一方、大当たり中でないと判定された場合には(S201:No)、第1特別図柄の変動表示中であるかが判定される(S202)。第1特別図柄の変動表示中であると判定された場合には(S202:Yes)、第1特別図柄変動停止処理が実行される(S204)。この第1特別図柄変動停止処理(S204)の詳細については、図28を参照して後述する。
一方、第1特別図柄が変動表示中でないと判定された場合には(S202:No)、第1特別図柄変動開始処理が実行される(S203)。第1特別図柄変動開始処理(S203)については、図25を参照して後述するが、第2特別図柄が当たりでない場合には、第1特別図柄保留球数格納エリア203aに保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていれば、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理が実行される。一方、第2特別図柄が当たりである場合には上述した処理が実行されず、変動表示が開始されない。これは、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当たりが発生することにより、遊技者が困惑してしまうことを防ぐためである。
第1特別図柄変動開始処理(S203)または第1特別図柄変動停止処理(S204)が実行された後に、第2特別図柄が変動表示中であるか否かが判定される(S205)。第2特別図柄が変動表示中であると判定された場合には(S205:Yes)、第2特別図柄変動停止処理(S207)が実行される。この第2特別図柄変動停止処理(S207)の詳細については、図32を参照して後述する。
一方、第2特別図柄が変動表示中でないと判定された場合には(S205:No)、第2特別図柄変動開始処理が実行される(S206)。この第2特別図柄変動開始処理(S206)は、図29を参照して後述するが、第1特別図柄変動開始処理(S203)と同様に、第1特別図柄が当たりでない場合には、第2特別図柄保留球数格納エリア203aに保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていれば、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理が実行される。一方、第1特別図柄が当たりである場合には上述した処理が実行されず、変動表示が開始されない。また、第2特別図柄の大当たり判定において、大当たりまたは小当たりであると判定された場合には、第1図柄表示装置に変動表示されている第1特別図柄を停止表示させる。
次に、図25を参照して、特別図柄変動処理(図24、S104)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(S203)について説明する。図25は、この第1特別図柄変動開始処理(S203)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理(S203)では、まず、第1特別図柄保留球数カウンタの値(N1)を取得し(S301)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きいか判別する(S302)。
S302の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0であると判別された場合は(S302:No)、第1特別図柄における変動表示が未実行である保留球は無く、新たな変動を開始しないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S302の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きいと判別された場合には(S302:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を1減算する(S303)。そして、第1特別図柄保留球数格納エリア203aの保留エリア1〜保留エリア4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う(S304)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
S304の処理を終えると、第2特別図柄の大当たりまたは小当たりに基づく変動が実行中であるか否かを判別する(S305)。S305の処理において、第2特別図柄の大当たりまたは小当たりに基づく変動が実行中でないと判別された場合は(S305:No)、変動を開始する第1特別図柄の保留球に基づく抽選結果を判定するための第1特別図柄大当たり判定処理を実行し(S306)、S307の処理へ移行する。第1特別図柄大当たり判定処理(S306)の詳細については、図26を参照して後述する。
一方、S305の処理において、第2特別図柄の大当たりまたは小当たりに基づく変動が実行中であると判別された場合は(S305:Yes)、第1特別図柄の抽選結果を外れとして設定し(S308)、第1図柄表示装置に表示する第1特別図柄の外れ図柄をセットして(S309)、S307の処理へ移行する。S308およびS309の処理により、第2特別図柄が大当たりまたは小当たりとなる変動中に、第1特別図柄が大当たり(または小当たり)とならないようにできる。その結果、第2特別図柄と第1特別図柄とが同時に大当たりまたは小当たりとなることで、遊技者が困惑してしまうとの不具合を抑制することができる。
S306またはS309の処理を終えると、第1特別図柄の判定結果に基づく変動パターンを選択・設定するための第1特別図柄変動パターン選択処理を実行し(S307)、本処理を終了する。第1特別図柄変動パターン選択処理(S307)の詳細については、図27を参照して後述する。
このように第2特別図柄の大当たりまたは小当たりに基づく変動が実行中の場合には、その間に実行される第1特別図柄の抽選は全て外れとして設定され、外れに基づく変動が実行されることになる。なお、これに限られず、第2特別図柄の大当たりまたは小当たりに基づく変動が実行中の間には、外れの態様で第1特別図柄の変動表示を実行するが、その第1特別図柄の抽選結果は保存(格納)しておくようにしてもよい。そして、第2特別図柄の大当たり遊技または小当たり遊技の終了後に保存(格納)しておいた抽選結果に基づいて大当たり遊技、または小当たり遊技を開始してもよい。さらに、第1特別図柄の大当たり遊技の終了後に保存(格納)しておいた抽選結果に基づいて大当たり遊技が開始される場合には、大当たり遊技が継続しているかのような演出を実行するようにしてもよい。
次に、図26を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図25、S203)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(S306)について説明する。図25は、この第1特別図柄大当たり判定処理(S306)を示すフローチャートである。
第1特別図柄大当たり判定処理(図26、S306)では、まず、第1特別図柄保留球実行エリア203cに記憶されている各カウンタ値を取得し(S401)、遊技状態が高確率遊技状態(確変中)であるか否かを判別する(S402)。遊技状態が高確率遊技状態であるか否かの判別は、確変フラグ203mがオンに設定されているか否かにより実行される。確変フラグ203mがオンである(即ち、遊技状態が高確率遊技状態(確変中))と判別された場合には(S402:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値と一致するか否を判別し、その抽選結果を取得する(S403)。一方、確変フラグ203mがオフである(即ち、遊技状態が低確率遊技状態(確変中でない))と判別された場合には(S402:No)、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値と一致するか否かを判別し、その抽選結果を取得する(S404)。
S405の処理では、抽選結果が大当たりであるか否かを判別する(S405)。抽選結果が大当たりであると判別された場合には(S405:Yes)、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1図柄表示装置37に大当たり図柄がセットされ、特図1大当たりフラグ203oがオンにセットされる(S406)。これにより、第1図柄表示装置37には、7セグメント表示器37bの左側7セグメントLEDに第1当たり種別カウンタC2の値に基づく図柄(例えば、16R確変大当たりであれば「7」)がセットされる。
一方、抽選結果がオフであると判別された場合には(S405:No)、第1図柄表示装置37に外れ図柄がセットされる(S407)。本実施形態では、外れの場合には、第1図柄表示装置37の7セグメント表示器37bの左側7セグLEDに外れを示す「−」がセットされる。ここで、第1図柄表示装置37にセットされる各図柄は、変動表示停止した場合に停止表示される図柄を設定するための処理である。
次に、図27を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図25、S203)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(S307)について説明する。図27はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(S307)を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動パターン選択処理(S307)は、第1特別図柄保留球実行エリア203cに格納された特別当たり乱数カウンタC1の値に基づいた当否判定の結果に基づいて、変動パターンを各カウンタ値に基づいて選択するための処理である。
第1特別図柄変動パターン選択処理では、まず、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図26参照)において取得した第1特別図柄の抽選結果が、大当たりであるか否かを判別する(S501)。S501の処理において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別された場合には(S501:Yes)、大当たり時の変動パターンを第1特別図柄用変動パターンテーブル202d1より決定する(S502)。S502の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「完全外れ」、「外れノーマルトリーチ」、「外れスーパーリーチ」、「外れスペシャルリーチ」が規定され、大当たり用の変動パターンとしては、「当たりノーマルリーチ」、「当たりスーパーリーチ」、「当たりスペシャルリーチ」各種が規定されている。
一方、S501の処理において、第1特別図柄の外れであると判定された場合には(S501:No)、外れ時の変動パターンを決定する(S503)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S502の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
ここで、「当たりスーパーリーチ」、「外れスーパーリーチ」の各種には、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」および、その他のスーパーリーチが含まれており、変動種別カウンタCS1の数値に基づいて、S307の処理において選択される。本制御例では、スーパーリーチの種別(「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」など)を主制御装置110のMPU201にて選択するように構成したが、これに限られず、音声ランプ制御装置113のMPU221にて選択するように構成してもよい。これにより、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。
S502の処理またはS503の処理が終わると、次に、S502の処理またはS503の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための第1変動パターンコマンドを設定する(S504)。次いで、S502、またはS503の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための第1停止種別コマンドを設定する(S505)。これらの第1変動パターンコマンドおよび第1停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図39参照)のS1701の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、第1停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S505の処理が終わると、第1特別図柄変動開始処理へ戻る。
なお、第1変動パターンコマンドの設定と共に、第1特別図柄の変動時間の計測を開始することで、第1特別図柄の変動開始とタイミングを合わせて、変動時間を計測することができ、正確に変動時間を計測することができる。
次に、図28を参照して、特別図柄変動処理(図24、S104)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S204)について説明する。図28はこの第1特別図柄変動停止処理(S204)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動停止処理(図28、S204)では、まず、第2特別図柄の変動時間の終了タイミングであるか否かを判別する(S601)。S601の処理において、第1特別図柄の変動時間が終了タイミングでないと判別された場合には(S601:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S601の処理において、第1特別図柄の変動時間が終了タイミングであると判別された場合には(S601:Yes)、特図1大当たりフラグ203oがセットされているか否かが判別される(S602)。S602の処理において、特図1大当たりフラグ203oがセットされていると判別された場合には(S602:Yes)、確変フラグ203mがオフに設定される(S603)。決定されている変動停止種別に基づいた大当たり遊技の各種設定がされる(S604)。具体的には、大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))、大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回))の場合には、大当たり遊技が実行されるラウンド回数が16回に設定され、1回のラウンドにおける特定入賞口65aの最大開放時間が30sに設定される。
S604の処理を終えると、次いで、第2特別図柄の変動を停止させるために、特図2変動停止コマンドを設定し(S605)、第1特別図柄表示装置37の第2特別図柄の変動を停止させ(S606)、S609の処理へ移行する。
一方、特図1大当たりフラグ203oがオフであると判別された場合には(S602:No)、時短カウンタ203kが「0」より大きい値であるか判別される(S607)。時短カウンタ203kが「0」より大きい値であると判別された場合には(S607:Yes)、時短カウンタ203kの値が1減算される(S608)。つまり、第1特別図柄が1回変動表示する毎に、時短カウンタ203kが1減算される。一方、時短カウンタ203kが0より小さい値である(即ち、0である)と判別された場合には(S607:No)、S608の処理をスキップして、S609の処理が実行される。
S609の処理では、音声ランプ制御装置113に対して、第1特別図柄の変動表示を確定停止させることを指示する第1変動停止コマンドが設定される(S609)。次いで、第1図柄表示装置37の第1特別図柄を決定された当否判定結果を示す図柄で停止表示させ、(S610)、本処理を終了する。
次に、図29を参照して、特別図柄変動処理(図24、S104)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(S206)について説明する。図29はこの第2特別図柄変動開始処理(S206)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動開始処理(図29、S206)では、上記した、第1特別図柄変動開始処理(図25、S203)に対して、第2特別図柄には保留がないため、特別図柄保留球数カウンタの減算(S303)や、特別図柄保留球格納エリアのシフト処理(S304)の処理が不要である点で相違する。
具体的には、第2特別図柄変動開始処理(S206)では、まず、第2特別図柄保留球実行エリア203dにデータが格納されているか否かを判別する(S701)。本実施形態では、第2特別図柄に保留を設けないようにしたため、ここで第2特別図柄保留球実行エリア203dに格納されているデータは、その第2特別図柄保留球実行エリア203dに格納されているデータに基づく変動表示が停止されるまで記憶され、当該変動が停止されると共に消去される(図32のS1013参照)。これにより、第2特別図柄に基づく変動が実行されている間は、新たなデータが第2特別図柄保留球実行エリア203dに格納されることがなく、第2特別図柄に基づく変動が停止されると、新たなデータが格納可能となる。
S701の処理において、第2特別図柄保留球実行エリア203dにデータが無いと判別された場合は(S701:No)、第2特別図柄の変動を開始するタイミングではないので、そのまま本処理を終了する。
一方、S701の処理において、第2特別図柄保留球実行エリア203dにデータがあると判別された場合は(S701:Yes)、第1特別図柄の大当たりに基づく変動が実行中であるか否かを判別する(S702)。
S702の処理において、第1特別図柄の大当たりに基づく変動が実行中でないと判別された場合には(S702:No)、第2特別図柄大当たり判定処理(S703)と、第2特別図柄変動パターン選択処理(S704)とを実行して、本処理を終了する。第2特別図柄大当たり判定処理(S703)の詳細は図30を参照して、第2特別図柄変動パターン選択処理(S704)の詳細は図31を参照して後述する。
一方、S702の処理において、第1特別図柄の大当たりに基づく変動が実行中であると判別された場合には(S702:Yes)、第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりとならないようにするため、第1特別図柄変動開始処理(図25参照)と同様に設定する。具体的には、第2特別図柄の抽選結果を外れとして設定し(S705)、第1図柄表示装置37に表示する第2特別図柄の外れ図柄をセットし(S706)、S704の処理へ移行する。
このように第1特別図柄の大当たりに基づく変動が実行中の場合には、その間に実行される第2特別図柄の抽選は全て外れとして設定され、外れに基づく変動が実行されることになる。なお、これに限られず、第1特別図柄の大当たりに基づく変動が実行中の間には、外れの態様で第2特別図柄の変動表示を実行するが、その第2特別図柄の抽選結果は保存(格納)しておくようにしてもよい。そして、第1特別図柄の大当たり遊技の終了後に保存(格納)しておいた抽選結果に基づいて大当たり遊技を開始してもよい。さらに、第1特別図柄の大当たり遊技の終了後に保存(格納)しておいた抽選結果に基づいて大当たり遊技が開始される場合には、大当たり遊技が継続しているかのような演出を実行するようにしてもよい。
次に、図30を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図29、S206)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理(S703)について説明する。図30はこの第2特別図柄大当たり判定処理(S703)を示すフローチャートである。
第2特別図柄大当たり判定処理(図30、S703)では、上記した、第1特別図柄大当たり判定処理(図26、S306)に対して、抽選結果に小当たりが含まれる点で相違する。その他の点は同一であるため、同一の部分についての詳細な説明は省略する。
S801からS804の処理では、第1特別図柄大当たり判定処理(図26)と同様に、第2特別図柄保留球実行エリア203dのデータに基づいて、第2特別図柄の抽選結果を取得する。
S803またはS804の処理を終えると、次いで、取得した抽選結果が大当たりであるか否かを判別する(S805)。抽選結果が大当たりであると判別された場合には(S805:Yes)、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1図柄表示装置37に大当たり図柄がセットされ、特図2大当たりフラグ203pがオンにセットされ(S806)、第2特別図柄変動開始処理(図29参照)へ戻る。S806の処理により、第1図柄表示装置37には、7セグメント表示器37bの右側7セグメントLEDに第1当たり種別カウンタC2の値に基づく図柄(例えば、16R確変大当たりであれば「7」)がセットされる。
一方、S805の処理において、抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S805:No)、次いで、抽選結果が小当たりであるか否かが判別される(S807。)S807の処理において、抽選結果が小当たりであると判別された場合(S807:Yes)、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1図柄表示装置に表示する第2特別図柄の小当たり図柄がセットされ、特図2小当たりフラグ203rがセットされ(S808)、第2特別図柄変動開始処理(図29参照)へ戻る。
S807の処理において、抽選結果が小当たりではないと判別された場合は(S807:No)、第1図柄表示装置に第2特別図柄の外れ図柄がセットされ(S809)、第2特別図柄変動開始処理(図29参照)へ戻る。本実施形態では、外れの場合には、第1図柄表示装置37の7セグメント表示器37bの右側7セグLEDに外れを示す「−」がセットされる。
次に、図31を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図29、S206)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(S704)について説明する。図31はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(S704)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動パターン選択処理(図31、S704)では、上記した、第1特別図柄変動パターン選択処理(図27、S307)のS504の処理で設定される第1変動パターンコマンドが、第2変動パターンコマンドに変更され(S904)、S505の処理で設定される第1停止種別コマンドが、第2停止種別コマンドに変更される(S905)点で相違する。また、第2特別図柄の抽選では、抽選結果として小当たりとなる場合があるため、抽選結果が小当たりとなる場合には(S903:Yes)、特図2小当たり用変動パターンテーブル202d2bに基づいて変動パターンが決定される点で相違する。その他の部分については同一であるので、同一の部分についての詳細な説明は省略する。
次に、図32を参照して、特別図柄変動処理(図24、S104)の一処理である第2特別図柄変動停止処理(S207)について説明する。図32はこの第2特別図柄変動停止処理(S207)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動停止処理(図32、S207)では、上記した、第1特別図柄変動停止処理(図28、S204)に対して、第2特別図柄に対する変動停止処理(S1005およびS1006)を行い、小当たりに基づく変動の停止時に、小当たりの開始を設定する点で相違する。その他の部分は同一であるので、同一の部分についての詳細な説明は省略する。
第2特別図柄変動停止処理(S207)では、まず、第1特別図柄変動停止処理(図28参照)と同様に、S1001からS1006の処理(第1特別図柄変更停止処理ではS601からS606の処理)を実行する。なお、第2特別図柄における大当たり種別は第1特別図柄における大当たり種別と異なっており、S1004の処理において設定される大当たりの開始の設定では、第2特別図柄における大当たり種別に応じた大当たり遊技の各種設定がされる。
具体的には、大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))、大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回))の場合には、大当たり遊技が実行されるラウンド回数が16回に設定され、1回のラウンドにおける特定入賞口65aの最大開放時間が30sに設定される。一方、大当たりC(2R確変大当たり(電サポ次回まで))、大当たりD(2R時短大当たり(電サポ100回))、大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))、大当たりF(2R通常大当たり(電サポなし))の場合には、大当たり遊技が実行されるラウンド回数が2回に設定され、1回のラウンドにおける特定入賞口65aの最大開放時間が0.5sに設定される。
S1002の処理において、特図2大当たりフラグ203pがセットされていないと判別された場合(S1002:No)、次いで、特図2小当たりフラグ203rがセットされているか否かを判別する(S1007)。S1007の処理において、特図2小当たりフラグ203rがセットされていると判別された場合は(S1007:Yes)、小当たりの開始を設定し(S1008)、S1009の処理へ移行する。S1008の処理では、小当たり遊技が実行されるラウンド回数が2回に設定され、1回のラウンドにおける特定入賞口65aの最大開放時間が0.5sに設定される。
一方、S1007の処理において、特図2小当たりフラグ203rがセットされていないと判別された場合は(S1007:No)、S1008の処理をスキップしてS1009の処理へ移行する。S1007またはS1008の処理を終えると、第1特別図柄変動停止処理(図28参照)と同様に、時短中カウンタ203kの減算処理(S1009およびS1010)を実行し、S1011の処理へ移行する。
S1011の処理では音声ランプ制御装置113に対して、第2特別図柄の変動表示を確定停止させることを指示する第2変動停止コマンドがセットされる(S1011)。第1図柄表示装置37の第2特別図柄を決定された当否判定結果を示す図柄で停止表示させ、(S1012)、本処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の制御はそれぞれ独立して並行して実行可能に構成されているが、第1または第2特別図柄の一方で大当たり遊技が発生した場合には、他方の特別図柄の変動表示が停止される。これにより、遊技者は、大当たり遊技に集中して遊技を行うことができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の制御はそれぞれ独立して並行して実行可能に構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることができる。よって、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
また、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選遊技がどちらか一方ずつで実行されるパチンコ機10と比較して、本パチンコ機10は、第1特別図柄、第2特別図柄の変動時間を比較的、短くしても、第1特別図柄または第2特別図柄のどちらか一方では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が実行され易い状態となり、遊技の効率をあげることで、特別図柄が変動表示していない状態が長くなってしまう不具合を抑制することができる。
次に、図33から図34を参照して、始動入賞処理(S105)を説明する。まず、図33のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図33は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図23参照)の中で実行され、第1入賞口64、右第1入賞口641、または第2入賞口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタを取得し、その値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理(S105)が実行されると、まず、球が第1入賞口64または右第1入賞口641に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S1101)。ここでは、第1入賞口64または右第1入賞口641への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入賞口64または右第1入賞口641に入賞したと判別されると(S1101:Yes)、異常入球カウンタ203tの値を0に初期化し(S1102)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S1103)。そして、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S1104)。
そして、第1入賞口64または右第1入賞口641への入賞がない場合(S1101:No)、或いは、第1入賞口64または右第1入賞口641への入賞があっても第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が4未満でない場合(S1105:No)、S1108の処理へ移行する。一方、第1入賞口64または右第1入賞口641への入賞があり(S1101:Yes)、且つ、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が4未満であれば(S1104:Yes)、第1特別図柄1保留球数カウンタ203eの値(N1)を1加算する(S1105)。そして、演算により変更された第1特別図柄1保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S1106)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図39参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄1保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第1特別図柄1保留球数カウンタ203eに格納する。
S1106の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S1107)。具体的には、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、第2特別図柄では入賞情報を保留することがないため、S1108〜S1112までの処理では、S1101〜S1107までの処理に対して、保留球数カウンタの加算処理および保留球数コマンドの設定処理を行わず、保留球実行エリアへ直接各種カウンタ値を格納する点で相違する。なお、本実施形態では、第2特別図柄において入賞情報を保留しないように構成したが、これに限られず、第1特別図柄と同様に入賞情報を所定数(例えば、4球)保留するようにしてもよい。
また、本実施形態では、第1特別図柄の変動中でなければ、第2入賞口640へ遊技球を入球させるようにスキップスイッチ51cを押下するように示唆する押下示唆演出は表示されない。よって、第1特別図柄が変動中でないにも関わらず、第2入賞口640へ遊技球が頻繁に入球する場合には、不正に第2入賞口640へ遊技球が入球されていることが考えられる。そこで、第1特別図柄が変動中でないにも関わらず、第2入賞口640へ入球する遊技球をカウントし、そのカウントした遊技球の数が所定数を超える場合にはエラー処理をするように構成している(S1109およびS1114からS1116)。
具体的には、まず、第2入賞口640への入賞があったか否か(第2入賞口640へ遊技球が入球したか否か)を判別する(S1108)。S1108の処理において、第2入賞口640への入賞がなかったと判別された場合は(S1108:No)、そのままS1113の処理へ移行する。
一方、S1108の処理において、第2入賞口640への入賞があったと判別された場合は(S1108:Yes)、次いで、第1特別図柄の変動中であるか否かを判別する(S1109)。S1109の処理において、第1特別図柄の変動中でないと判別された場合は(S1109:Yes)、異常入球カウンタ203tを0に初期化し(S1110)、S1111の処理へ移行する。
S1111の処理では、第2特別図柄保留球実行エリア203dにデータがあるか否かを判別する(S1111)。S1111の処理において、第2特別図柄保留球実行エリア203dにデータがないと判別された場合は(S1111:No)、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値を第2特別図柄保留球実行エリア203dへ格納して(S1112)、S1113の処理へ移行する。
S1111の処理において、第2特別図柄保留球実行エリア203dにデータがあると判別された場合は(S1111:Yes)、第2特別図柄に基づく変動が実行中の場合であるので、S1112の処理をスキップして、S1113の処理へ移行する。第2特別図柄保留球実行エリア203dにデータがあると判別された場合に(S1111:Yes)、S1112の処理がスキップされるので、第2特別図柄では入賞情報の保留が行われないことになる。
一方、S1109の処理において、第1特別図柄の変動中でないと判別された場合は(S1109:No)、第1特別図柄が変動中でないにも関わらず、第2入賞口640へ遊技球が入球した場合であるので、異常入球カウンタ203tの値を1加算して(S1114)、S1115の処理へ移行する。
S1115の処理では。異常入球カウンタ203tの値が3より大きいか否かを判別する(S1115)。この異常入球カウンタ203tは、第1特別図柄の変動中に第2入賞口640へ遊技球が入球された場合に0に初期化される(S1110)。よって、第1特別図柄が変動していないにも関わらず、第2入賞口640へ遊技球が4球以上入球すると異常入球カウンタ203tの値が3より大きくなる。
また、異常入球カウンタ203tの値は、第1入賞口64または右第1入賞口641へ遊技球が入球した場合に0にも初期化される(S1102)。即ち、第1特別図柄が変動する場合に異常入球カウンタ203tの値が0に初期化される。これにより、第1特別図柄の変動を開始させない(第1入賞口64または右第1入賞口641へ遊技球を入球させない)で、第2入賞口640へ遊技球を入球させる不正行為を精度よく検知することができる。例えば、第1特別図柄の変動を開始させているが、スキップスイッチ51cを押下するタイミングが悪いなどにより、第1特別図柄の変動中に第2入賞口640へ遊技球が入球しなかった場合には、異常入球カウンタ203tの値が0に初期化される(S1102)ので、不正行為として判別されることがない。
S1115の処理において、異常入球カウンタ203tの値が3より大きいと判別された場合は(S1115:Yes)、第1特別図柄の変動を開始させない(第1入賞口64または右第1入賞口641へ遊技球を入球させない)で、第2入賞口640へ遊技球を入球させるような不正行為が実行されている場合であるので、エラーコマンドを設定して(S1116)、S1113の処理へ移行する。一方、S1115の処理において異常入球カウンタ203tの値が3以下であると判別された場合は(S1115:No)、S1116の処理をスキップして、S1113の処理へ移行する。
S1116の処理において設定されたエラーコマンドは、後述するメイン処理の外部出力処理によって音声ランプ制御装置113などに送信される。音声ランプ制御装置113では、エラーコマンドを受信すると、コマンドに対応したエラー処理(例えば、エラー音による報知、エラーを示すLEDの点灯による報知など)を実行する。なお、S1116の処理においてエラーコマンドを設定すると共に、外部出力端子板261に当該エラーの発生を示す信号を出力するようにしてもよい。これにより、外部出力端子板261の信号を検知しているホールコンピュータにおいて、当該エラーの発生を検知することができ、ホールの店員に当該エラーの発生を報知することができる。
なお、S1115の処理において、異常入球カウンタ203tの値が3より大きいと判別された場合(S1115:Yes)、即ち、スキップスイッチ51cを用いて不正な遊技が実行されていると判断した場合には、スキップスイッチ51cの押下に基づいて遊技球が発射されないようにしてもよいし、スキップスイッチ51cの押下に基づいて発射される遊技球の発射強度を第2入賞口640へ到達不可能な発射強度に変更してもよい。これにより、上述した不正行為が継続して行われることを防止し、遊技店側が多大な被害を受ける不具合を抑制できる。
S1108,S1111,S1115,S1116またはS1109の処理の後、先読み処理を実行し(S1113)、本処理を終了する。先読み処理(S1113)の詳細については、図34を参照して後述する。
なお、本実施形態では、上述したように、スキップスイッチ51cが押下されたことに基づいて発射された遊技球以外は、第2入賞口640へ入球することができない(または困難)となっている。そこで、スキップスイッチ51cが押下されていないにも関わらず、第2入賞口640へ遊技球が入球した場合には、第2入賞口640へ遊技球が不正に入球されている可能性が高いので、当該状態を報知するようにしてもよい。具体的には、外部出力端子板261へ当該状態を示す信号を出力し、ホールコンピュータ262により検知可能としてもよいし、音声ランプ制御装置113へエラーコマンドを送信し、エラーコマンドを受信した音声ランプ制御装置113によりエラー音を出力したり、エラーを示すLEDを点灯させたりするようにしてもよい。これにより、第2入賞口640へ遊技球を入球させる不正行為を検出することができる。
また、スキップスイッチ51cの押下を示唆する示唆演出(図6(a))が表示されていない場合において、スキップスイッチ51cが所定時間以上押下されている場合や、第2入賞口640へ所定球数以上入球した場合に不正行為が発生したと判断して、同様に処理するようにしてもよい。これにより、より精度よく不正行為を判別し、報知することができる。その他、第1入賞口64または右第1入賞口641への遊技球の入球数に対して、第2入賞口640への遊技球の入球数が多くなった場合に不正行為が発生したと判断してもよいし、第1入賞口64または右第1入賞口641への入賞に基づいて払い出される賞球数に対して第2入賞口640への入賞に基づいて払い出される賞球数が多くなった場合に不正行為が発生したと判別してもよく、これらの場合には上記と同様にエラー処理するようにすればよい。
次に、図34を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(図33のS105参照)内の一処理である先読み処理(S1113)について説明する。図34は、この先読み処理(S1113)を示すフローチャートである。
この先読み処理(S1113)では、まず、第1入賞口64、右第1入賞口641または第2入賞口640に新たな入賞があるかどうかが判定される(S1201)。判定の結果、第1入賞口64、右第1入賞口641または第2入賞口640に新たな入賞がない場合は(S1201;No)、先読みを行う入賞がないため、そのまま本処理を終了する。
一方、第1入賞口64、右第1入賞口641または第2入賞口640に新たな入賞があった場合(S1201:Yes)、その入賞に基づく変動が開始される時点での遊技状態が確変遊技状態であるかどうか否かを判定する(S1202)。S1202の処理において、変動開始時の遊技状態が確変遊技状態であると判別された場合は(S1202:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図12(a)参照)に基づいて抽選結果を取得し(S1203)、S1205の処理に移る。S1203の処理では、第1入賞口64または右第1入賞口641へ新たな入賞があった場合には、第1特別図柄の大当たり判定値を用いて抽選結果の取得を行う。一方、第2入賞口640へ新たな入賞があった場合には、第2特別図柄の大当たり判定値および小当たり判定値を用いて抽選結果の取得を行う(図12(a)参照)。
S1202の処理において、変動開始時の遊技状態が確変遊技状態でないと判別された場合は(S1202:No)、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図12(a)参照)に基づいて抽選結果を取得し(S1204)、S1205の処理に移る。S1204の処理では、S1203の処理と同様に、第1入賞口64または右第1入賞口641へ新たな入賞があった場合には第1特別図柄、第2入賞口640へ新たな入賞があった場合には第2特別図柄、の判定値が用いられる。
S1203またはS1204の処理を終えると、S1203,S1204の処理で実行した大当たり判定結果を含む入賞情報コマンドを設定し(S1205)、本処理を終了する。なお、この先読み処理(S1110)では、本実施形態に限らず、選択される変動パターンの種別(外れリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ等)まで判別して入賞情報コマンドによって音声ランプ制御装置113に対して通知するように構成してもよい。
次に、図35を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図35は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図23参照)の中で実行され、第2図柄表示装置において行う第2図柄の変動表示や、右第1入賞口641に付随する電動役物641aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(図35,S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S1301)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置において当たりを示す表示がなされている最中と、右第1入賞口641に付随する電動役物641aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S1301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S1301:No)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S1302)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中でなければ(S1302:No)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S1307)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S1308)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0であれば(S1308:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0でなければ(S1308:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)を1減算する(S1309)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203hに格納されたデータをシフトする(S1310)。S1310の処理では、普通図柄保留球格納エリア203hの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203hの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S1311)。
次に、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを判定する(S1312)。パチンコ機10が普通図柄の時短状態である場合は(S1312:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S1314)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S1314:Yes)、S1313の処理に移行する。
S1314の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1314:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S1311の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図12(c))とに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S1315)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図12(c)参照)。
S1312の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S1312:No)、S1313の処理へ移行する。S1313の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S1311の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S1313)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図12(c)参照)。
次に、S1313またはS1315の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S1316)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S1316:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S1318)。このS1318の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるかを判定し(S1319)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であれば(S1319:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S1321)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S1321:Yes)、S1320の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が右第1入賞口641に過剰に入賞してしまうことにより、右第1入賞口641の下方へ遊技球が流下しなくなることを抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物641aの開放回数および開放時間が設定される。
S1321の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1321:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、右第1入賞口641に付随する電動役物641aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S1322)、S1323の処理へ移行する。S1319の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S1319:No)、S1320の処理へ移行する。S1320の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、右第1入賞口641に付随する電動役物641aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S1320)、S1323の処理へ移行する。
S1316の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S1316:No)、外れ時の表示態様を設定する(S1317)。このS1317の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S1323の処理へ移行する。
S1323の処理では、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるかを判定し(S1323)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であれば(S1323:Yes)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S1324)、本処理を終了する。一方、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S1325:No)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S1325)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、右第1入賞口641の開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、右第1入賞口641へ球が入球し易い状態となる。
S1302の処理において、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であれば(S1302:Yes)、第2図柄表示装置において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S1303)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置において変動表示が開始される前に、S1324の処理またはS1325の処理によって予め設定された時間である。
S1303の処理において、変動時間が経過していなければ(S1303:No)、本処理を終了する。一方、S1303の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S1303:Yes)、第2図柄表示装置の停止表示を設定する(S1304)。S1304の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S1318の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S1318の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される(S1318)。S1317の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図39参照)の第2図柄表示更新処理(S1708参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置における変動表示が終了し、S1318の処理またはS1317の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理(図35,S106)によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S1305)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S1305:Yes)、右第1入賞口641に付随する電動役物641aの開閉制御開始を設定し(S1306)、本処理を終了する。S1306の処理によって、電動役物641aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図39参照)の電動役物開閉処理(S1706参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S1320の処理またはS1322の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S1305の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S1305:No)、S1306の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図36のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図36は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図23参照)の中で実行され、普通入賞口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理(図36,S107)では、まず、球が普通入賞口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S1401)。ここでは、普通入賞口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入賞口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S1401:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S1402)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S1403)。
球が普通入賞口(スルーゲート)67を通過していないか(S1401:No)、或いは、球が普通入賞口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が4未満でなければ(S1403:No)、本処理を終了する。一方、球が普通入賞口(スルーゲート)67を通過し(S1401:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が4未満であれば(S1403:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)を1加算する(S1404)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203hの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S1405)、本処理を終了する。尚、S1405の処理では、普通図柄保留球数カウンタ203gの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図37は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1501)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図38を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図38は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1601)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1602)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1603)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1604)、オンされていれば(S1604:Yes)、処理をS1612へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1604:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1605)、記憶されていなければ(S1605:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1612へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1605:Yes)、RAM判定値を算出し(S1606)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1607:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1612へ移行する。なお、メイン処理(図39)のS1715の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1612の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1612)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1613,S1614)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1613,S1614)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1613,S1614)を実行する。RAMの初期化処理(S1613,S1614)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1613)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1614)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1610の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1604:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1605:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1607:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1608)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1609)、S1610の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1610の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。ここで、変動中の特別図柄が記憶されている場合には、音声ランプ制御装置113に対して表示制御装置114に電源時投入変動画像(図18(b)〜(C)参照)を変動表示させるように指示される。なお、この変動指示については、立ち上げ処理内の例えば、初期設定(S1601)で実行するようにしてもよいし、他の処理で実行してもよい。次いで、割込みを許可して(S1611)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図39を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図39は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1701〜S1708の各処理が実行され、その残余時間でS1710,S1711のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理(図39参照)においては、まず、タイマ割込処理(図23参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1701)。具体的には、タイマ割込処理(図23参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図24参照)や始動入賞処理(図33参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図38参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1702)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1703)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1704)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1704)をメイン処理(図39参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図23参照)において実行しても良い。また、大当たり制御処理(S1704)の詳細については、図40を参照して後述する。
大当たり制御処理(S1704)の処理を終えると、次いで、小当たり制御処理(S1705)を実行する。小当たり制御処理では、上述した大当たり制御処理(S1704)と同様に、特定入賞口65aの開閉を制御し、小当たり遊技の開始および終了タイミングに合わせて、対応するコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。具体的には、第2特別図柄変動停止処理(図32参照)において、小当たりの開始が設定された場合に、特定入賞口65aの開放回数が(ラウンド回数)が2回となるように制御され、1回のラウンドにおける特定入賞口65aの開放時間が0.5sに制御される。また、特定入賞口65aが閉鎖されてから開放されるまでの間隔も0.5sに制御される。特定入賞口65aの開閉制御が実行される場合には、特定入賞口65aが開(または閉)状態に変化したことを示すコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信することにより、音声ランプ制御装置113において、特定入賞口65aの状態(開状態または閉状態)を判別することが可能となる。
次に、右第1入賞口641に付随する電動役物641aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1706)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図35参照)のS1306の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS1322の処理またはS1320の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1707)。第1図柄表示更新処理では、第1特別図柄変動パターン選択処理(図27参照)または第2特別図柄変動パターン選択処理(図31参照)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、第1特別図柄変動開始処理(図25参照)のS307の処理または第2特別図柄変動開始処理(図29参照)のS704の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図25参照)の第1特別図柄変動パターン選択処理(図27参照)または第2特別図柄変動パターン選択処理(図31参照)によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1708)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図35参照)のS1324の処理またはS1325の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図35参照)のS1304の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図35参照)のS1317の処理またはS1318の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1709)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1709:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1710)、既に所定時間が経過していれば(S1710:Yes)、処理をS1701へ移行し、上述したS1701以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1710:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1711,S1712)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1711)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1702の処理と同一の方法によって実行する(S1712)。
ここで、S1701〜S1708の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1709の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1709:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図37のNMI割込処理が実行されたということなので、S1713以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1713)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1714)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1715)、RAM203のアクセスを禁止して(S1716)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1709の処理は、S1701〜S1708で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1711とS1712の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1701の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1701の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1601)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1601の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図40のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1704)を説明する。図40は、この大当たり制御処理(S1704)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1704)は、メイン処理(図102参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(図40,S1704)では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1801)。具体的には、第1特別図柄変動停止処理(図28参照)のS604の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1801の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1801:Yes)、確変フラグ203mをオフにし(S1802)、オープニングコマンドを設定し(S1803)、そのまま本処理を終了する。
一方で、S1801の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1801:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1804)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1804の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1804:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1804の処理において、特別図柄の大当たり中であると判別した場合には(S1804:Yes)、S1805の処理を実行する。S1805の処理では、新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S1805)。S1805の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S1805:Yes)、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1806)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し(S1807)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1805の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別した場合には(S1805:No)、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判別する(S1808)。特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していれば(S1808:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖し(S1809)、その後、本処理を終了する。
一方、S1808の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していなければ(S1808:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別する(S1810)。エンディング演出の開始タイミングは、各大当たり種別における最終ラウンドが終了して特定入賞口65aが閉状態にされた場合に、エンディング演出の開始タイミングとして判別する。エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合には(S1810:Yes)、特図1大当たりフラグ203oまたは特図2大当たりフラグ203pをオフにして(S1811)、エンディングコマンドを設定する(S1812)。そして、確変大当たりであるか否かを判別する(S1813)。S1813の処理において、確変大当たりであれば(S1813:Yes)、確変フラグ203mをオンに設定し(S1814)、S1815の処理へ移行する。
S1815の処理では、大当たり種別が大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))であるか否かを判別する(S1815)。S1815の処理において大当たり種別が大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))でないと判別された場合には(S1815:No)、時短遊技状態を付与するために時短フラグ203sをオンに設定して(S1816)、本処理を終了する。一方、S1815の処理において大当たり種別が大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))であると判別された場合には(S1815:Yes)、S1816の処理をスキップして、即ち、時短遊技状態を付与せず、本処理を終了する。
S1813の処理において、確変大当たりでないと判別された場合は(S1813:No)、次いで、時短大当たりであるか否かを判別する(S1817)。S1817の処理において、時短大当たりであると判別された場合は(S1817:Yes)、時短中カウンタ203kを100に設定して(S1818)、本処理を終了する。
一方、S1817の処理において、時短大当たりでないと判別された場合は(S1817:No)、確変遊技状態も時短遊技状態も付与されない通常大当たりである場合なので、時短フラグ203sをオフに設定し(S1819)、時短中カウンタ203kに0を設定し(S1820)、本処理を終了する。
<音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図41から図49を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(S2000)とがある。
まず、図41を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図41は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1901)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S2017の電源断処理(図42参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1902)。図42を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図42、S2013参照)、S2017の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2017の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1902:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS2017の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1903)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1906の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1903:Yes)、S1904へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1903:No)、S1908へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1903:Yes)、S1904へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2017の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1903:No)、S1908へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1902:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S2017の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1904へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1904の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1904)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1905:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1906)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1905:No)、RAM223の異常を報知して(S1907)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1908の処理では、電源断フラグ223yがオンされているか否かを判別する(S1908)。電源断フラグ223yはS2017の電源断処理の実行時にオンされる(図42、S2016参照)。つまり、電源断フラグ223yは、S2017の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグ223yがオンされた状態でS1908の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2017の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1908:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1909)、電源断フラグ223yをオフにして(S1910)、RAM223の初期値を設定した後(S1911)、割込み許可を設定して(S1912)、メイン処理(S2000)へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグ223yがオフされた状態でS1908の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1904からS1906の処理を経由してS1908の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1908:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1909と、S1910をスキップして、処理をS1911へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S1911)。
なお、S1909のクリア処理をスキップするのは、S1904からS1906の処理を経由してS1908の処理へ至った場合には、S1904の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図42を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S2000)について説明する。図42は、このメイン処理(S2000)を示したフローチャートである。メイン処理(S2000)が実行されると、まず、該メイン処理(S2000)が開始されてから、又は、前回S2001の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S2001)、1ミリ秒以上経過していなければ(S2001:No)、S2002〜S2011の処理を行わずにS2012の処理へ移行する。S2001の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S2002〜S2011が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2012の変動表示処理やS2013のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2013の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2013の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2001の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S2001:Yes)、まず、S2003〜S2013の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2002)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2008の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2003)、その後電源投入報知処理を実行する(S2004)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2005の処理へ移行する。
S2005の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S2006)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理(S2006)では、詳しくは、後述するが、入賞情報格納エリア223aのデータに基づいて、第3図柄表示装置81の保留図柄表示の表示を更新する処理が実行される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2007)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S2008)、その後音編集・出力処理を実行する(S2009)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2009の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S2010)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2008のランプ編集処理が実行される。なお、S2009の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S2010の処理後、上述した示唆演出の閉鎖時押下示唆演出、開放時押下示唆演出を実行するための示唆演出処理が実行され(S2011)、その後、S2012の処理へ移行する。この示唆演出処理については図49を参照して後述する。
S2012の処理では、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを設定し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する。この変動表示設定処理の詳細については、図48を参照して後述する。
変動表示設定処理(S2012)の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S2013)。このコマンド判定処理の詳細については、図43を参照して後述する。
S2013の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2014)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2014の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2014:Yes)、電源断フラグ223y及び電源断処理中フラグ223xを共にオンして(S2016)、電源断処理を実行する(S2017)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2018)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S2014の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2014:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2015)、RAM223が破壊されていなければ(S2015:No)、S2001の処理へ戻り、繰り返しメイン処理(S2000)が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2015:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理(S2000)が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図43を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2013)について説明する。図43は、このコマンド判定処理(S2013)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2013)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S2000)(図42参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S2013)の詳細を説明する。
コマンド判定処理(図43、S2013)では、まず、RAM223に設けられた入賞情報格納エリア223aから、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より第1変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2101)。ここで、第1変動パターンコマンドは、第1特別図柄を変動表示させるための変動表示態様を示す特別図柄である。そして、第1変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S2101:Yes)、RAM223に設けられた第1変動開始フラグ223c1がオンに設定される(S2102)。受信した第1変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(S2103)。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに第1特別図柄の変動パターン種別であることを識別可能に記憶され、後述の変動表示設定処理(図48、S2603)において、表示制御装置114に対して第1特別図柄の変動表示演出の開始とその第1特別図柄の変動パターン種別とを通知する第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。
S2103の処理を終えると、S2102の処理において抽出した変動パターンと、演出カウンタ223eの値とに基づいて、示唆演出フラグ223fをオンに設定する。具体的には、変動パターンがノーマルリーチ(30秒)であり、かつ、演出カウンタ223eの値が0から30であれば、示唆演出を実行するために、示唆演出フラグ223fをオンに設定する。一方、変動パターンがノーマルリーチ(30秒)でない、または、演出カウンタ223eの値が31から198であれば、示唆演出を実行しないので、示唆演出フラグ223fをオフのままとしてする。ここで示唆演出フラグ223fがオンに設定されることにより、後述する示唆演出処理(図49参照)において、各種示唆演出(閉鎖時押下示唆演出、開放時押下示唆演出)が表示されるように設定される。S2104の処理を終えると、本処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、第1変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合には(S2101:No)、主制御装置110より第2変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2105)。ここで、第2変動パターンコマンドは、第2特別図柄を変動表示させるための変動表示態様を示す特別図柄である。そして、第2変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S2105:Yes)、RAM223に設けられた第2変動開始フラグ223c2がオンに設定される(S2106)。受信した第2変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(S2107)。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに第2特別図柄の変動パターン種別であることを識別可能に記憶され、後述の変動表示設定処理(図48、S2607)において、表示制御装置114に対して第2特別図柄の変動表示演出の開始とその第2特別図柄の変動パターン種別とを通知する第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。
第2変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合には(S2105:No)、主制御装置110より第1または第2停止種別コマンドを受信したか判別される(S2108)。第1または第2停止種別コマンドを受信したと判別された場合には(S2108:Yes)、第1停止種別コマンドを受信した場合には、第1停止種別選択フラグ223d1がオンに設定される。第2停止種別コマンドを受信した場合には、第2停止種別選択フラグ223d2がオンに設定される。(S2109)。受信した第1停止種別コマンドまたは第2停止種別コマンドから停止種別(16R確変大当たり、16R時短大当たりのいずれか)が抽出される(S2110)。抽出した停止種別は、音声ランプ制御装置113にMPU221のRAM223のその他メモリエリア223zに記憶される。なお、第1停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第1特別図柄の停止種別であることを識別可能に、第2停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第2特別図柄の停止種別であることを識別可能にそれぞれ記憶される。
一方、第1または第2停止種別コマンドを受信していないと判別された場合には(S2108:No)、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別される(S2111)。保留球数コマンドを受信したと判別された場合には(S2111:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203e(即ち、主制御装置110に保留された第1特別図柄の保留球数)が抽出され、第1特別図柄の保留球数は、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1に格納される(S2112)。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入賞口64、右第1入賞口641に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S2112の処理によって、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1の値を主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値にそれぞれ合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1の値が、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1の値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。なお、本実施形態では、第2特別図柄においては入賞情報の保留を行わないようにしたが、これに限られず、第2特別図柄においても入賞情報の保留を行うようにしてもよい。この場合、第1特別図柄と同様にして保留球数コマンドを送信することで、音声ランプ制御装置113と主制御装置110との第2特別図柄の保留球数カウンタの値を合わせることができる。
保留球数コマンドを受信していないと判別された場合には(S2111:No)、入賞コマンドを受信したか判別される(S2113)。入賞コマンドを受信したと判別された場合には(S2113:Yes)、受信したコマンドから入賞情報(当否判定結果、停止種別、変動パターン)を抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の入賞情報格納エリア223aに格納する(S2114)。そして、入賞時演出変更処理(S2115)を実行し、本処理を終了する。入賞時演出変更処理(S2115)の詳細については、図45から図47を参照して後述する。
一方、入賞コマンドを受信していないと判別された場合には(S2113:No)、第1変動停止コマンドまたは第2変動停止コマンドを受信したか判別される(S2116)。第1変動停止コマンドまたは第2変動停止コマンドを受信したと判別された場合には(S2116:Yes)、受信した第1変動停止コマンド、または第2変動停止コマンドに基づいて、表示用変動停止コマンドを設定し(S2117)、示唆演出フラグ223fをオフにし、示唆演出状態格納エリア223gをクリアして(S2118)、S2119の処理へ移行する。
S2119の処理では、受信したコマンドが特図2変動停止コマンドであるか否かを判別する(S2119)。S2119の処理において、受信したコマンドが特図2変動停止コマンドであると判別された場合には(S2119:Yes)、演出変更フラグ223hをオフに設定し(S2120)、本処理を終了する。ここで、この演出変更フラグ223hがオンである場合は、第2特別図柄に基づく一の変動において演出変更処理(図47)が実行され、演出が変更された場合である。そこで、演出フラグ223hがオンである場合には、演出変更処理(または疑似演出変更処理)を実行しないように構成している。S2119の処理において受信したコマンドが特図2変動停止コマンドであると判別された場合は、演出変更処理(図47)が実行され、演出が変更された変動が停止される場合であるので、演出フラグ223hをオフにすることで、次回以降の変動において。演出変更処理(図47)を実行することが可能となる。
一方、S2119の処理において、変動停止コマンドが特図2変動停止コマンドでないと判別された場合は(S2119:No)、S2120の処理をスキップして、本処理を終了する。
一方、第1変動停止コマンドまたは第2変動停止コマンドを受信していないと判別された場合には(S2116:No)、大当たり関連のコマンドを受信しているか判別される(S2121)。大当たり関連のコマンドを受信していると判別された場合には(S2121:Yes)、大当たりコマンド処理を実行し(S2122)、この処理を終了する。また、大当たりコマンド処理(S2122)の詳細については、図44を参照して後述する。
一方、大当たり関連のコマンドを受信していないと判別された場合には(S2121:No)、その他のコマンドに応じた処理が実行され(S2123)、この処理を終了する。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図44を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たりコマンド処理(S2120)について説明する。図44は、この大当たりコマンド処理(S2120)を示したフローチャートである。
大当たりコマンド処理(S2120)では、まず、オープニングコマンドを受信したか判別される(S2201)。オープニングコマンドを受信したと判別された場合には(S2201:Yes)、受信したオープニングコマンドに基づいて、表示用オープニングコマンドを設定し(S2202)、疑似演出変更フラグ223iをオフに設定して(S2203)、この処理を終了する。
一方、オープニングコマンドを受信していないと判別された場合には(S2201:No)、ラウンド数コマンドを受信しているか判別される(S2204)。ラウンド数コマンドを受信していると判別された場合には(S2204:Yes)、受信したラウンド数コマンドに基づいて、表示用ラウンドコマンドを設定し(S2205)、この処理を終了する。
一方、ラウンド数コマンドを受信していないと判別された場合には(S2204:No)、エンディングコマンドを受信しているか判別される(S2206)。S2206の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別された場合は(S2206:No)、そのまま本処理を終了し、コマンド判定処理へ戻る。
S2206の処理において、エンディングコマンドを受信していると判別された場合には(S2206:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S2207)、本処理を終了し、コマンド判定処理へ戻る。
次に、図45を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される入賞時演出変更処理(S2115)について説明する。図45は、この入賞時演出変更処理(S2115)を示したフローチャートである。
入賞時演出変更処理(S2115)では、まず、非電動役物640aが開状態であるかを判別する(S2301)。非電動役物640aが開状態ではないと判別された場合は(S2301:No)、第2入賞口640へ遊技球が入球することがないので、そのままこの処理を終了する。S2301の処理では、非電動役物640aの回転軸640bに取り付けられた図示しない回転センサによって非電動役物640aの開閉状態を判別する。なお、これに限られず、開閉切替部材902や第1流路切替部材900fの回動状態を回転センサによって判別することにより、非電動役物640aの開閉状態を判別するようにしてもよい。また、非電動役物640aが閉状態(または開状態)の場合にオンとなる位置に磁気センサや光センサを設けるようにすることで、非電動役物640aの開閉状態を判別可能としてもよいし、その他の非電動役物640aを開閉させるために作動される部材(例えば、開閉切替部材902や第1流路切替部材900f)の位置を検出することにより非電動役物640aの開閉状態を判別するようにしてもよい。
さらに、非電動役物640aが開状態ではないにも関わらず、第2入賞口640へ遊技球が入球した場合(第2特別図柄の入賞があった場合)には、エラー処理(エラー音の出力、エラー発生を示す表示、外部出力端子板261へエラーを示す信号を出力など)を実行するようにしてもよい。これにより、第2入賞口640へ不正に遊技球を入球する不正行為を検知することができる。
一方、非電動役物640aが開状態であると判別された場合は(S2301:Yes)、次に、今回の入賞が第2特別図柄の入賞であるかを判別する(S2302)。S2302の処理において、第2特別図柄の入賞ではないと判別された場合は(S2302:No)、そのままこの処理を終了する。
一方、S2302の処理において、第2特別図柄の入賞であると判別された場合は(S2302:Yes)、現在が第1特別図柄の変動中であるかを判別する(S2303)。第1特別図柄の変動中ではないと判別された場合は(S2303:No)、第1特別図柄の変動が実行されていない場合(即ち、押下示唆演出が表示されていない場合)に、スキップスイッチ51cが押下され、第2入賞口640へ遊技球が入球した場合であるので、遊技方法を説明するための演出である遊技方法説明演出を設定し(S2304)、この処理を終了する。具体的に、遊技方法説明演出は、「スキップスイッチを離してください!」の文字が第3図柄表示装置に表示され、「スキップスイッチを離してください」との音声が出力される。
なお、これに限られず、第1特別図柄の変動中でないにも関わらず、スキップスイッチ51cが押下された場合に遊技方法説明演出を設定するようにしてもよい。また、外部出力端子板261へ当該状態を示す信号を出力し、ホールコンピュータ262により検知可能としてもよい。これにより、第1特別図柄の変動が実行されていないにも関わらず、第2入賞口640へ遊技球を入球させるなどの不正行為を検出することができる。この場合、第1特別図柄が変動中していない場合において、スキップスイッチ51cが所定時間以上押下されている場合や、第2入賞口640へ所定球数以上入球した場合を不正と判断して、外部出力端子板261へ信号を出力するようにしてもよい。これにより、より精度よく不正行為を判別し、報知することができる。
一方、第1特別図柄の変動中であると判別された場合は(S2303:Yes)、示唆演出フラグ223fがオンであるか否かを判別する(S2305)。S2305の処理において、示唆演出フラグ223fがオフであると判別された場合は(S2305:No)、示唆演出の表示を行うタイミングではないので、そのまま本処理を終了する。
S2305の処理において示唆演出フラグ223fがオンであると判別された場合は(S2305:Yes)、次いで、演出変更フラグ223hおよび疑似演出変更フラグ223iがオフであるか否かを判別する(S2306)。
S2306の処理において演出変更フラグ223hまたは疑似演出変更フラグ223iのいずれかがオンであると判別された場合は(S2306:No)、既に、演出変更処理(S2309)または疑似演出変更処理(S2308)が実行され、演出が変更されている場合であるので、そのまま本処理を終了する。これにより、演出変更処理(S2309)または疑似演出変更処理(S2308)によって表示設定された、バトル演出やランクアップ演出などの実行中であるにも関わらず、新たな入賞が発生することにより、再度バトル演出やランクアップ演出が設定されてしまう不具合を抑制できる。
S2306の処理において、演出変更フラグ223hおよび疑似演出変更フラグ223iのいずれもがオフであると判別された場合は(S2306:Yes)、当該変動において演出変更処理(S2309)または疑似演出変更処理(S2308)が未実行の場合であるので、S2307の処理へ移行する。
S2307の処理では、実行中の変動が、第1特別図柄の大当たりの変動であるかを判別する(S2307)。S2307の処理において、第1特別図柄の大当たりの変動であると判別された場合は(S2307:Yes)、疑似演出変更処理を実行し(S2308)、S2310の処理へ移行する。疑似演出変更処理(S2306)の詳細については、図46を参照して後述する。
一方、S2307の処理において、実行中の変動が第1特別図柄の大当たりの変動ではないと判別された場合は(S2307:No)、演出変更処理を実行し(S2309)、S2310の処理へ移行する。演出変更処理(S2308)の詳細については、図47を参照して後述する。
S2308またはS2309の処理を終えると、示唆演出フラグ223fをオフに設定し、示唆演出状態格納エリア223gをクリアして、本処理を終了する。
次に、図46を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される疑似演出変更処理(S2306)について説明する。図46は、この疑似演出変更処理(S2306)を示したフローチャートである。
疑似演出変更処理(S2306)では、まず、第1特別図柄の残変動時間が20秒より長いか否かを判別する(S2401)。第1特別図柄の残変動時間が20秒より長いと判別された場合は(S2401:Yes)、残変動時間に応じて、復活バトル演出に基づく表示用演出変更コマンドを設定し(S2402)、本処理を終了する。
一方、S2401の処理において、第1特別図柄の残変動時間が20秒以下であると判別された場合は(S2401:No)、次に、第1特別図柄の残変動時間が10秒より長いか否かを判別する(S2403)。S2403の処理において、第1特別図柄の残変動時間が10秒より長いと判別された場合は(S2403:Yes)、残変動時間に応じて第1当たりバトル演出に基づく表示用演出コマンドを設定し(S2404)、本処理を終了する。
S2403の処理において、第1特別図柄の残変動時間が10秒以下であると判別された場合は(S2403:No)、次に、第1特別図柄の残変動時間が5秒より長いか否かを判別する(S2405)。S2405の処理において、第1特別図柄の残変動時間が5秒より長いと判別された場合は(S2405:Yes)、残変動時間に応じて第2当たりバトル演出に基づく表示用演出コマンドを設定し(S2406)、本処理を終了する。
一方、S2405の処理において、第1特別図柄の残変動時間が5秒以下であると判別された場合は(S2405:No)、一発告知演出に基づく表示用変更コマンドを設定し(S2407)、疑似演出変更フラグ223iをオンに設定して(S2408)、本処理を終了する。
このように、第1特別図柄の大当たりに基づく変動中に、第2入賞口640へ遊技球が入球した場合には、その第1特別図柄の残変動時間に応じてバトル演出が設定される。これにより、第2入賞口への入球に基づいて演出が開始されるバトル演出の終了タイミングと、第1特別図柄の大当たりに基づく変動の終了タイミング、即ち、第1特別図柄の大当たり遊技の開始タイミングとを一致させることができ、遊技者に対して違和感のない演出を提供することができる。また、第2特別図柄が外れになることに基づいて外れバトル演出が設定されることがないので、外れバトル演出が表示されたにも関わらず、大当たりとなってしまい、遊技者が困惑するとの不具合を抑制することができる。
次に、図47を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される演出変更処理(S2307)について説明する。図47は、この演出変更処理(S2307)を示したフローチャートである。
この演出変更処理(S2307)では、まず、遊技状態と第2特別図柄の抽選結果とに基づいて、演出変更選択テーブル222bより演出を選択する(S2501)。具体的には、遊技状態が確変遊技状態の場合に、第2特別図柄の抽選結果が、「大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))」であれば確変当たりバトル演出(30秒)が選択され、「大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回))」であれば時短当たりバトル演出(30秒)が選択され、「小当たり」であればスキップ演出(2.5秒)が選択され、「外れ」であれば外れバトル演出(30秒)が選択される。なお、遊技状態が確変遊技状態である場合には、第2特別図柄の抽選結果が「大当たりC(2R確変大当たり(電サポ次回まで))」、「大当たりD(2R時短大当たり(電サポ100回))」、「大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))」または「大当たりF(2R通常大当たり(電サポなし))」となることはない(図12(b)参照)。
また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、第2特別図柄の抽選結果が、「大当たりC(2R確変大当たり(電サポ次回まで))」であれば確変ランクアップ演出(12秒)が選択され、「大当たりD(2R時短大当たり(電サポ100回))」であれば上乗せランクアップ演出(12秒)が選択され、「小当たり」であればスキップ演出(2.5秒)が選択され、「外れ」であれば外れランクアップ演出(12秒)が選択される。なお、遊技状態が時短遊技状態である場合には、第2特別図柄の抽選結果が「大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))」、「大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回))」、「大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))」または「大当たりF(2R通常大当たり(電サポなし))」となることはない(図12(b)参照)。
さらに、遊技状態が通常遊技状態の場合には、第2特別図柄の抽選結果が、「大当たりE(2R確変有時短無大当たり(電サポ無し))」、「大当たりF(2R通常大当たり(電サポなし))」または「小当たり」であればスキップ演出(2.5秒)が選択され、「外れ」であれば外れバトル演出(30秒)が選択される。なお、遊技状態が時短遊技状態である場合には、第2特別図柄の抽選結果が「大当たりA(16R確変大当たり(電サポ次回まで))」、「大当たりB(16R時短大当たり(電サポ100回))」、「大当たりC(2R確変大当たり(電サポ次回まで))」または「大当たりD(2R時短大当たり(電サポ100回))」となることはない(図12(b)参照)。
上述したように、確変遊技状態において第2特別図柄が大当たりとなる場合には、確変または時短当たりバトル演出(30秒)が実行される(図15(b)参照)。確変遊技状態において第2特別図柄が大当たりとなる場合に選択される変動パターンは、変動A(30秒)であるので(図14(b)参照)、変動A(30秒)が終了するタイミングと確変または時短当たりバトル演出(30秒)の終了タイミングとを一致させることができる。
また、確変遊技状態において第2特別図柄が小当たりとなる場合には、スキップ演出(2.5秒)が実行される(図15(b)参照)。確変遊技状態において第2特別図柄が小当たりとなる場合に選択される変動パターンは変動C(0.5秒)であり(図14(c)参照)、その小当たり遊技の遊技時間は2秒(特定入賞口の開時間0.5秒と閉時間0.5秒×2回)である。よって、変動C(0.5秒)が終了しその後の小当たり遊技(2秒)が終了するタイミング(計2.5秒)と、スキップ演出の終了タイミング(2.5秒)とを一致させることができる。このスキップ演出が小当たり遊技の終了タイミングまで表示されることにより、小当たりが発生したことおよび小当たり遊技が実行されたことを遊技者が認識することが困難(または、出来ない)となるので、スキップ演出が表示されたことにより第1特別図柄の変動が停止され、次の第1特別図柄の保留に基づく変動が開始された(スキップされた)との印象を遊技者に対して与えることができる。
さらに、確変遊技状態において第2特別図柄が外れとなる場合には、外れバトル演出(30秒)が実行される(図15(b)参照)。確変遊技状態において第2特別図柄が外れとなる場合に選択される変動パターンは変動A(30秒)である(図14(d)参照)。よって、変動A(30秒)が終了するタイミングと外れバトル演出(30秒)の終了タイミングとを一致させることができる。
次いで、時短遊技状態において第2特別図柄が大当たりとなる場合には、昇格または上乗せランクアップ演出(12秒)が実行される(図15(b)参照)。時短遊技状態において第2特別図柄が大当たりとなる場合に選択される変動パターンは変動B(10秒)であり(図14(b)参照)、その大当たり遊技の遊技時間は2秒(特定入賞口の開時間0.5秒と閉時間0.5秒×2回)である。よって、変動B(10秒)が終了しその後の大当たり遊技(2秒)が終了するタイミング(計12秒)と、昇格または上乗せランクアップ演出の終了タイミング(12秒)とを一致させることができる。
また、時短遊技状態において第2特別図柄が小当たりとなる場合には、スキップ演出(2.5秒)が実行される(図15(b)参照)。このスキップ演出(2.5秒)は、確変遊技状態において第2特別図柄が小当たりとなる場合と同様に、時短遊技状態において実行される小当たり遊技の終了タイミング(計2.5秒)と終了タイミングが一致するものである。
さらに、時短遊技状態において第2特別図柄が外れとなる場合には、外れランクアップ演出(10秒)が実行される(図15(b)参照)。時短遊技状態において第2特別図柄が外れとなる場合に選択される変動パターンは変動B(10秒)である(図14(d)参照)。よって、変動B(10秒)が終了タイミングと、外れランクアップ演出(10秒)の終了タイミングとを一致させることができる。
ここで、昇格または上乗せランクアップ演出(12秒)と外れランクアップ演出(10秒)とは、演出時間が異なるものの、それぞれの演出における前半部分は同一の演出となっており、演出の後半部分(演出が表示されてから8秒経過時)において当該ランクアップ演出が、昇格ランクアップ演出、上乗せランクアップ演出、外れランクアップ演出のいずれであるかが判別可能な演出となっている。これにより、遊技者に対してランクアップ演出の後半まで興味を継続して持たせることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
次いで、通常遊技状態において第2特別図柄が大当たりとなる場合には、スキップ演出(2.5秒)が実行される(図15(b)参照)。このスキップ演出(2.5秒)は、確変遊技状態または時短遊技状態において第2特別図柄が小当たりとなる場合と同様に、通常遊技状態において実行される大当たり遊技の終了タイミング(計2.5秒)と終了タイミングが一致するものである。これにより、大当たり遊技が実行されたことを、遊技者対して認識困難(または、出来ない)にすることができ、第2特別図柄に基づく抽選結果が大当たりとなったことを認識困難(または、出来ない)にすることができる。
また、通常遊技状態において第2特別図柄が小当たりとなる場合にも、同様にスキップ演出が実行される(図15(b)参照)。このスキップ演出(2.5秒)は、通常遊技状態において第2特別図柄が大当たりとなる場合や、確変遊技状態または時短遊技状態において第2特別図柄が小当たりとなる場合と同様に、通常遊技状態において実行される小当たり遊技の終了タイミング(計2.5秒)と終了タイミングが一致するものである。
さらに、通常遊技状態において第2特別図柄が外れとなる場合には、外れバトル演出(30秒)が実行される。通常遊技状態において第2特別図柄が外れである場合に選択される変動パターンは変動A(30秒)である(図14(d)参照)。よって。第2特別図柄の外れに基づいて実行される変動A(30秒)が終了するタイミングと外れバトル演出(30秒)の終了タイミングとを一致させることができる。
本実施形態では、第1特別図柄に基づく大当たりの変動中には、第2特別図柄が外れになることに基づいて外れバトル演出が設定されることはなく、第1特別図柄の残変動時間に応じて大当たり演出が実行される(図46参照)。即ち、外れバトル演出が実行される場合は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが外れとなる場合となっているので、外れバトル演出が表示されたにも関わらず、大当たりとなることがないため、遊技者に対してわかりやすい遊技機を提供することができる。なお、第1特別図柄に基づく外れの変動が実行されている場合に、外れバトル演出が実行されると、外れバトル演出の表示中に第1特別図柄に基づく外れの変動が停止すると、その外れバトル演出を継続した状態で、次の保留に基づく第1特別図柄の変動を開始する。一方、第1特別図柄に基づく外れの変動が外れバトル演出の終了時においても継続して実行されている場合には、外れバトル演出を終了した後に、その第1特別図柄に基づく外れの変動表示が残時間分実行されることになる。
S2501の処理を終えると、S2501の処理において選択した演出に基づいて、表示用演出変更コマンドを設定し(S2502)、本演出変更処理において演出が変更されたことを示すための演出変更フラグ223hをオンに設定して(S2503)、本処理を終了する。
このように、外れバトル演出は、演出変更処理によって、第1特別図柄の大当たり以外の変動が、第2特別図柄の抽選結果が小当たりとなったことに基づいて変動停止される場合、即ち、バトル演出終了後に大当たり遊技が実行されない場合に表示される。また、上述した疑似演出変更処理によって、第1特別図柄の大当たりに基づく変動中に、第2入賞口640へ遊技球が入球した場合、即ち、バトル演出終了後に大当たり遊技が実行される場合には、外れバトル演出と演出の前半部分が同一の演出である当たりバトル演出が表示される。これにより、第2入賞口640へ遊技球が入球した場合に、第1特別図柄の変動が大当たりであるか否かを、バトル演出の後半まで判別できないようにできる。その結果、遊技者に対してバトル演出の後半まで興味を継続して持たせることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、上述したスキップ演出やバトル演出を、第2入賞口640へ遊技球が入球した場合に表示されるように構成したが、これに限られるものではない。具体的には、スキップスイッチ51cが押下された時点で表示されるようにしてもよい。これにより、スキップスイッチ51cの押下によってスキップ演出などが表示されている印象を強めることができる。また、スキップスイッチ51cの押下から第2入賞口640へ遊技球が入球するまでの期間は、スキップ演出やバトル演出とは異なる演出を別途行うようにしてもよい。これにより、スキップスイッチ51cの押下に基づいて表示された演出(スキップ演出など)の表示と、スキップスイッチ51cの押下に基づいて発射された遊技球の第2入賞口640への入球や入球に基づく抽選結果とに不整合が生じてしまうとの不具合を抑制できる。
次に、図48を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2012)について説明する。図48は、この変動表示設定処理(S2012)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(図48、S2012)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S2000)(図42参照)の一処理である。上述したように、変動表示設定処理(図48、S2012)は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した第1または第2変動パターンコマンドに基づいて、第1特別図柄または第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定し、そのコマンドを表示制御装置114に送信する処理を実行する。また、抽出した停止種別(16R確変大当たり、16R時短大当たり)に基づいて、その停止種別を表示制御装置114に通知するための表示用第1または第2停止種別コマンドを設定する処理を実行する。
変動表示設定処理(図48、S2012)では、まず、RAM223に設けられた第1変動開始フラグ223c1がオンに設定されているか判別される(S2601)。そして、第1変動開始フラグ223c1がオフであると判別された場合には(S2601:No)、主制御装置110より第1変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2605の処理を実行する。一方、第1変動開始フラグ223c1がオンであると判別された場合には(S2601:Yes)、第1変動開始フラグ223c1をオフに設定する(S2602)。
次に、S2603の処理では、コマンド判定処理(図43、S2013)のS2103の処理において第1変動パターンコマンドより抽出された第1特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM223のその他メモリエリア223zより取得して、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドが設定される(S2603)。なお、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、第1特別図柄に対応する表示用変動パターンコマンドであるか第2特別図柄の変動パターンコマンドであるかを識別可能に構成されている。具体的には、2バイト構成の表示用変動パターンコマンドの上位バイトの上位2ビットが「10」であれば、第1特別図柄に対応することを示し、「01」であれば第2特別図柄に対応することを示すように構成されている。
S2603の処理で設定された第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(図42、S2000)のコマンド出力処理(S2002)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第1特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。
ここで、表示制御装置114では、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の画面中央の表示領域に、受信した表示用変動パターンコマンドが示す変動表示態様で、第1特別図柄(第3図柄)を変動表示(動的表示)する。第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、その設定された表示用変動パターンコマンドに対応する特別図柄の保留球が消費される(即ち、第1特別図柄の保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、第1特別図柄保留球数カウンタ223b1の値を1減らし、入賞情報格納エリア223aに記憶されている第1特別図柄に対応する保留データが1つ前の保留エリアにシフトされる。
S2603の処理を終えると、第1特別図柄の変動時間の計測が開始される(S2604)。具体的には、S2603の処理において設定された変動パターンの変動時間に応じたカウンタ値をRAM223に格納し、メイン処理において1ms毎に減算することにより計測を行う。ここで計測される第1特別図柄の変動時間は、疑似演出変更処理(図46参照)において参照され、第1特別図柄の残変動時間に応じて各種バトル演出が設定される。これにより、第1特別図柄の大当たりに基づく変動中に、第2入賞口640への遊技球の入球に基づいて表示されるバトル演出の終了タイミングと、第1特別図柄の大当たりに基づく変動の終了タイミング、即ち、第1特別図柄の大当たり遊技の開始タイミングとを一致させることができ、遊技者に対して違和感のない演出を提供することができる。
S2601またはS2604の処理を終えると、RAM223に設けられた第2変動開始フラグ223c2がオンに設定されているか判別される(S2605)。そして、第2変動開始フラグ223c2がオンではない(即ち、オフである)と判別された場合には(S2605:No)、主制御装置110より第1変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2609の処理を実行する。一方、第2変動開始フラグ223c2がオンであると判別された場合には(S2605:Yes)、第2変動開始フラグ223c2をオフに設定する(S2606)。
コマンド判定処理(図43、S2013)のS2107の処理において、第2変動パターンコマンドより抽出された第2特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM223のその他メモリエリア223zより取得して、第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドが設定される(S2607)。
S2607の処理で設定された第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(図42、S2000)のコマンド出力処理(S2002)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第2特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。
S2607の処理を終えると、S2604の処理と同様にして、第2特別図柄の変動時間の計測が開始される(S2608)。
S2605またはS2608の処理が終わると、次に、第1停止種別選択フラグ223d1または第2停止種別選択フラグ223d2がオンに設定されているか判別される(S2609)。第1停止種別選択フラグ223d1及び第2停止種別選択フラグ223d2がオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別された場合には(S2609:No)、この処理を終了する。
一方、第1停止種別選択フラグ223d1または第2停止種別選択フラグ223d2がオンであると判別された場合には(S2609:Yes)、第1停止種別選択フラグ223d1がオンであった場合には、第1停止種別選択フラグ223d1がオフに設定され、第2停止種別選択フラグ223d2がオンであった場合には、第2停止種別選択フラグ223d2がオフに設定される(S2610)。
次に、コマンド判定処理(図43、S2013)のS2110の処理において、受信した第1停止種別コマンドまたは第2停止種別コマンドより抽出された停止種別が設定される(S2611)。設定されている停止種別が第1特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別(16R確変大当たり、16R時短大当たりのいずれかであるか)を通知するための表示用第1停止種別コマンドが設定される。また、設定されている停止種別が第2特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別(16R確変大当たり、16R時短大当たりのいずれかであるか)を通知するための表示用第2停止種別コマンドが設定される(S2612)。なお、主制御装置110から通知される第1または第2停止種別コマンドは、大当たりとなった場合に、その大当たり種別を通知するものであり、判定結果が外れの場合であっても通知される。判定結果が外れである場合には、その停止種別は参照されることなく、外れ図柄が設定されるものである。
このように構成されることで、音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄と第2特別図柄との両方を同時に変動表示させるように、表示制御装置114を制御することができる。
次に、図49を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される示唆演出処理(S2011)について説明する。図49は、この示唆演出処理(S2011)を示したフローチャートである。この示唆演出処理(図49、S2011)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S2000)(図42参照)の一処理である。
示唆演出処理(図49、S2011)では、まず、示唆演出フラグ223fがオンであるか否かを判別する(S2701)。S2701の処理において、示唆演出フラグ223hがオンでないと判別された場合は(S2701:No)、示唆演出を実行(表示)するタイミングではないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S2701の処理において示唆演出フラグ223hがオンであると判別された場合は(S2701:Yes)、次いで、遊技状態が確変または時短遊技状態であるか否かを判別する(S2702)。
S2702の処理において、遊技状態が確変または時短遊技状態でないと判別された場合は(S2702:No)、スキップスイッチ51cの押下を示唆する示唆演出を実行(表示)しないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S2702の処理において、遊技状態が確変または時短遊技状態であると判別された場合は(S2702:Yes)、示唆演出を実行(表示)するために、S2703の処理へ移行する。
S2703の処理では、第1特別図柄の変動中であるか否かを判別する(S2703)。S2703の処理において第1特別図柄の変動中でないと判別された場合は(S2703:No)、示唆演出を実行(表示)しないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S2703の処理において、第1特別図柄の変動中であると判別された場合は(S2703:Yes)、示唆演出を実行(表示)するために、S2704の処理へ移行する。
S2704の処理では、非電動役物640aが閉状態であるか否かを判別する(S2704)。S2704の処理において、非電動役物640aが閉状態であると判別された場合は(S2704:Yes)、非電動役物640aが閉状態である場合にスキップスイッチ51cを押下するように示唆する演出である閉鎖時押下示唆演出を実行(表示)するために、S2705の処理へ移行する。
S2705の処理では、スキップスイッチ51cが押下されているか否かを判別する(S2705)。スキップスイッチ51cが押下されている場合には、主制御装置110よりスキップスイッチ51cが押下されていることを示すコマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。このコマンドを受信したか否かに基づいて、スキップスイッチ51cが押下されているか否かを判別する。なお、これに限られず、スキップスイッチ51cの押下を音声ランプ制御装置113にて直接検知するようにしてもよい。
S2705の処理において、スキップスイッチ51cが押下されていると判別された場合は(S2705:Yes)、ゲージレベル223jの値を1加算し(S2706)、S2707の処理へ移行する。S2706の処理により、スキップスイッチ51cが押下されている場合にはゲージレベル223jが増加するので、閉鎖時押下示唆演出において表示されるゲージの点灯表示される領域が増加する。
S2707の処理では、ゲージレベル223jの値が4500より大きいか否かを判別する(S2707)。S2707の処理において、ゲージレベル223jの値が4500より大きいと判別された場合は(S2707:Yes)、ゲージレベル223jの値を4500に設定して、S2710の処理へ移行する。このS2707の処理により、スキップスイッチ51cの押下に基づいて設定されるゲージレベル223jの値は4500までの値に制限される。これにより、スキップスイッチ51cの押下によって閉鎖時押下示唆演出において表示されるゲージの点灯表示される領域は最大幅の90%までに制限される。なお、ゲージの点灯表示される領域が最大幅の90%に制限されている場合には、ゲージの点灯表示される領域が最大幅の88%〜92%の間で増減を繰り返すようにしてもよい。これにより、ゲージの増加が制限されてしまい、演出が単調になってしまうことで、遊技者が早期に飽きてしまうとの不具合を抑制できる。
一方、S2705の処理において、スキップスイッチ51cが押下されていないと判別された場合は(S2705:No)、ゲージレベル223jの値を0に設定して、S2710の処理へ移行する。S2709の処理によりスキップスイッチ51cが押下されていない場合にはゲージレベル223jが0となり、閉鎖時押下示唆演出において表示されるゲージの点灯表示される領域は0となる。
S2710の処理では、作動口誘導流路スイッチ800がオンであるか否かを判別する。作動口誘導流路スイッチ800がオンであると判別された場合は(S2710:Yes)、ゲージレベル223jの値を5000に設定し(S2711)、S2712の処理へ移行する。
S2711の処理により、ゲージレベル223jの値が最大値の5000に設定されるので、閉鎖時押下示唆演出において表示されるゲージの点灯表示される領域が最大となる(即ち、ゲージの全領域が点灯表示される)。また、ゲージレベル223jの値が5000である場合には、閉鎖時押下示唆演出においてコメントが表示される。
ここで、作動口誘導流路スイッチ800がオンとなるのは、その後作動口670へ遊技球が入球し、非電動役物640aが開状態となる場合である。詳細は後述するが、非電動役物640aが開状態の場合には、開放時押下示唆演出が実行(表示)される。これにより、スキップスイッチ51cを押下することで、閉鎖時押下示唆演出において表示されるゲージの点灯表示される領域が増加していき、ゲージが全て点灯表示された場合に、コメンドが表示され、後述する開放時押下示唆演出に表示が切り替わるとの印象を遊技者に対して与えることができる。なお、作動口670へ遊技球が入球した場合にゲージレベル223jの値を5000に設定するようにしてもよい。
S2710の処理において、作動口誘導流路スイッチ800がオンでないと判別された場合には(S2710:No)、S2711の処理をスキップして、S2712の処理へ移行する。
S2712の処理では、ゲージレベル223jの値に基づいて、表示用閉鎖時押下示唆演出コマンドを設定し(S2712)、示唆演出状態格納エリア223gに閉鎖時押下示唆演出中を示す値を設定して(S2713)、本処理を終了する。なお、示唆演出状態格納エリアにゲージレベル223jの値も格納する(または、ゲージレベル223jの値と閉鎖時押下示唆演出中を示す値とを示す値を格納する)ようにし、閉鎖時押下示唆演出中においてゲージレベル223jの値が変化していない場合には、S2712の処理をスキップするようにしてもよい。これにより、表示制御装置114へ送信するコマンドを減少させることができるので、処理負荷を低減することができる。
S2704の処理において、非電動役物640aが開状態であると判別された場合は(S2704:No)、次いで、開放時押下示唆演出中であるか否かを判別する(S2714)。具体的には、示唆演出状態格納エリア223gに格納されている値が、開放時押下示唆演出を示す値であるか否かを判別する。
S2714の処理において、開放時押下示唆演出が実行(表示)中であると判別された場合は(S2714:Yes)、既に開放時押下示唆演出が表示されているため、そのまま本処理を終了する。
一方、S2714の処理において、開放時押下示唆演出が実行(表示)中でないと判別された場合は(S2714:No)、開放時押下示唆演出を実行(表示)するための表示用開放時押下示唆演出コマンドを設定し(S2715)、示唆演出状態格納エリア223gに開放時押下示唆演出中を示す値を格納して(S2716)、本処理を終了する。
なお、上述した押下示唆演出(開放時押下示唆演出、閉鎖時押下示唆演出)を、第1特別図柄の保留球数に応じて表示される確率を変更してもよい。具体的には、第1特別図柄の保留球数が多い場合には、押下示唆演出を表示され易くし、第1特別図柄の保留球数が少ない場合には、押下示唆演出を表示され難くする。これにより、保留球数が多い場合には押下示唆演出を表示することで、第1特別図柄の変動をスキップしやすくし、入球がオーバーフローしてしまうことを抑制できる。一方、保留球数が少ない場合には押下示唆演出を表示しないことで、第1特別図柄の変動がスキップされないので、保留球を消化してしまい、変動表示がされていない時間を少なくすることができる。
また、第1特別図柄の保留球数に応じて押下示唆演出の内容を変更してもよい。具体的には、第1特別図柄の保留球数が多い場合には、スキップスイッチ51cの押下を強く促す演出(例えば、「スイッチを押せ!!」)を表示し、第1特別図柄の保留球数が少ない場合には、スキップスイッチ51cの押下を弱く促す演出(例えば、「スイッチを押すといいかも?」)を表示するようにしてもよい。これにより、保留球数が多い場合にはスキップスイッチ51cの押下を強く促す押下示唆演出を表示することで、第1特別図柄の変動をスキップさせやすくし、入球がオーバーフローしてしまうことを抑制できる。一方、保留球数が少ない場合には、スキップスイッチ51cの押下を強く促す押下示唆演出を表示しないことで、スキップスイッチ51cが押下されず、第1特別図柄の変動がスキップされないので、保留球を早く消化してしまい、変動表示がされていない時間が多くなってしまうとの不具合を抑制することができる。
さらに、上述した押下示唆演出は、第1特別図柄の抽選結果に応じて表示するようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の抽選結果が外れであれば押下示唆演出を表示し、反対に第1特別図柄の抽選結果が大当たりであれば押下示唆演出を表示しないようにする。これにより、第1特別図柄の抽選結果を強制停止することが可能な外れに基づく変動中にのみ押下示唆演出を行うことができる。
また、上述した開放時押下示唆演出と閉鎖時押下示唆演出を、第1特別図柄の抽選結果を先読みし、その先読みした結果に基づいて実行するようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の抽選結果が外れであるとの先読みされた場合には、スキップスイッチ51cの押下を促す押下示唆演出を表示されやすくする。これにより、外れの変動をスキップしやすくすることができるので、遊技機の稼働率を向上させることができる。なお、この先読みした結果に基づいて押下示唆演出を実行するのは、特定の遊技状態の場合のみとしてもよい。
さらに、第1特別図柄の保留球のうち3球目の保留が大当たりであると判別された場合には、1球目と2球目の保留球のスキップ演出を連続的な態様(連続押下示唆演出)の演出が実行(表示)されるようにしてもよい。具体的には、1球目の保留球に基づく変動中に「鍵を探せ!」の文字を伴う演出が表示されると共にスキップスイッチ51cの押下を促す押下示唆演出を表示する。そして、スキップスイッチ51cの押下に基づいて「鍵を入手!」の文字を伴う演出を表示すると共に1球目の保留球に基づく変動を停止する。次いで、2球目の保留球に基づく変動中に「入手した鍵で宝箱を開けろ!」の文字を伴う演出を表示すると共にスキップスイッチ51cの押下を促す押下示唆演出を表示する。そして、スキップスイッチ51cの押下に基づいて「宝箱が開いた!」の文字を伴う演出を表示すると共に2球目の保留球に基づく変動を停止する。その後、大当たりとなる3球目の保留球に基づく変動において、「おめでとう!大当たり!!」の文字を伴う演出を表示する。
このような連続押下示唆演出を実行(表示)することにより、大当たりとなる期待度を段階的に高めることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。なお、大当たりとなる保留球に基づく変動は強制停止することができないため、大当たりとなる保留球に基づく変動においてはスキップスイッチ51cの押下を示唆しないようすればよい。また、これに限られず、大当たりとなる保留球に基づく変動中にスキップスイッチ51cの押下を示唆するようにして、第2入賞口640への入球に基づいて演出の態様を変更するようにしてもよい。
<表示制御装置の制御処理について>
次に、図50から図65を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図50を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図50は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S2801)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図51を参照して、ブート処理(S2801)について説明する。図51は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S2801)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2901)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2902)。これにより、MPU231は、S2901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2902の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2902の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2903)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2904)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図50のS2801参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図50のS2802参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S2905)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S2801)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAM233から制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図51に示すブート処理では、S2901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S2901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S2902の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2903〜S2905の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2901の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S2901及びS2902の処理を含めて複数回繰り返した後、S2903〜S2905の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2901及びS2902の処理を行わずに、S2903〜S2905の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234からプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における表示制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図50の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S2802)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2803)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S2803の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S2804)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2804の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S2805)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図63(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図63(a)のS4602参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図52(b)参照)において、電源投入時画像である電源投入時主画像や電源投入時変動画像(図18参照)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図52(b)のS3108参照)および簡易表示設定処理(図52(b)のS3109参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入賞口64、右第1入賞口641または第2入賞口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像(図18参照)をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S2805の処理の後、割込許可を設定し(S2806)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2806の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図52(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図52(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S3001)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図52(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図52(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図22参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図52(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S3101)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S3101:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像(図18(a)参照)ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S3102)を実行し、次いで、表示設定処理(S3103)を実行する。
コマンド判定処理(S3102)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図53〜図59を参照して後述する。
表示設定処理(S3103)では、コマンド判定処理(S3102)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図60〜図62を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S3104)。このタスク処理では、表示設定処理(S3103)もしくは簡易表示設定処理(S3109)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S3105)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図63および図64を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S3106)。この描画処理では、タスク処理(S3104)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S3105)により設定された転送指示とから、図22に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図65を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S3107)。そして、V割込処理を終了する。S3107の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA〜F、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S3101の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S3101:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像(図18参照)を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S3108)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S3109)を実行して、S3104の処理へ移行する。
次いで、図53〜図59を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S3102)の詳細について説明する。まず、図53は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図53に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S3201)、未処理の新規コマンドがなければ(S3201:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S3201:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S3103)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S3202)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S3203)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S3204)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S3204:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S3205)、S3201の処理へ戻る。
ここで、図54(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S3205)の詳細について説明する。図54(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3301)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3301の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S3301で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S3302)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S3301の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S3303)。表示設定処理では、S3303の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S3301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3304)、ポインタ233fを0に初期化する(S3305)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3306)、変動パターンコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S3305の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S3301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S3302の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S3304の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
図53に戻り、説明を続ける。S3204の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S3204:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S3206)、表示用変動種別コマンドがあれば(S3206:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S3207)、S3201の処理へ戻る。
ここで、図54(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S3207)の詳細について説明する。図54(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA〜F、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S3401)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図52(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S3402)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S3402の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S3403)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S3402の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S3104)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S3403によって設定された停止図柄判別フラグからS3402の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
上述したように、本実施形態では、キャラクタROM234を、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しているが、第3図柄表示装置81において描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送することができる。よって、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81における描画の応答性を高く保つことができる。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3401の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS3402の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図53に戻り、説明を続ける。S3206の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別された場合は(S3206:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、大当たり関連コマンドがあるか否かを判別する(S3208)。S3208の処理において、大当たり関連コマンドがあると判別された場合は(S3208:Yes)、大当たり関連コマンド処理を実行して(S3209)、S3201の処理へ戻る。
ここで、図55を参照して、大当たり関連コマンド処理(S3209)の詳細について説明する。図55は大当たり関連コマンド処理(S3209)を示したフローチャートである。この大当たり関連コマンド処理(S3209)は、音声ランプ制御装置113より受信した大当たりの演出を実行するための各種コマンド(表示用オープニングコマンド、表示用ラウンド数コマンド、表示用エンディングコマンド)に対応する処理を実行するための処理である。
大当たり関連コマンド処理(S3209)では、まず、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別する(S3501)。S3501の処理において、表示用オープニングコマンドがあると判別された場合は(S3501:Yes)、オープニングコマンド処理(S3502)を実行して、S3503の処理へ移行する。
ここで、図56(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S3502)の詳細について説明する。図56(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用オープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
このオープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3601)。次いで、S3601で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S3602)。
そして、S3601の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3603)、ポインタ233fを0に初期化する(S3604)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3605)、オープニングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このオープニングコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S3604の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S3601の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S3602の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定されたオープニング表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、このオープニングコマンド処理が実行されると、オープニング転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が行われている最中に、ラウンド演出およびエンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から、通常用ビデオRAM236に転送することができる。上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)に演出に使用する画像データが、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送されるまでに多くの時間を要する。
新たに開始されるラウンド数を示す表示用ラウンド数コマンドは、第3図柄表示装置81におけるオープニング演出が終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、1ラウンド目を示す表示用ラウンド数コマンドを受信してから、ラウンド演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、オープニング演出が終了してからラウンド演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
また、エンディング演出の開始を指示する表示用エンディングコマンドは、第3図柄表示装置81におけるラウンド演出が全て(16ラウンド分)終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、表示用エンディングコマンドを受信してから、エンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、ラウンド演出が終了してからエンディング演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
そこで、本制御例では、表示用オープニングコマンドを受信した場合に、そこからラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりの変動表示が終了するまでに、ラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出を開始できると共に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出が全て(16ラウンド分)終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
なお、上述したように、本実施形態では、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別されたら、そこからオープニング演出において使用する画像データの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了するまでに、オープニング演出において使用する画像データの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
図55に戻り、説明を続ける。S3501の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S3501:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S3503)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S3503:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S3504)、S3505の処理へ移行する。
ここで、図56(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S3504)の詳細について説明する。図56(b)は、ラウンド数コマンド処理(S3504)を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理(S3504)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3701)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3702)。
そして、S3701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3703)、ポインタ233fを0に初期化する(S3704)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3705)、ラウンド数コマンド処理を終了し、大当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図55の説明に戻る。S3503の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S3503:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S3505)、表示用エンディングコマンドがあれば(S3505:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S3506)、コマンド判定処理へ戻る。一方、S3505の処理において、表示用エンディングコマンドがない場合は(S3505:No)、S3506の処理をスキップして、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図57を参照して、エンディングコマンド処理(S3506)の詳細について説明する。図57は、エンディングコマンド処理(S3506)を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理(S3506)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるラウンド数に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3802)。そして、各エンディング演出の表示態様に対応するエンディング表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S3801の処理によって設定されたエンディング表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他のエンディング表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S3803)。表示設定処理では、S3803の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルが、どのエンディング演出の表示態様に対応するものであるかを容易に判断することができる。
そして、S3801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3804)、ポインタ233fを0に初期化する(S3805)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3806)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図53に戻り、説明を続ける。S3208の処理において、大当たり関連コマンドがないと判別されると(S3208:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S3210)、背面画像変更コマンドがあれば(S3210:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S3211)、S3201の処理へ戻る。
ここで、図58(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S3211)の詳細について説明する。図58(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
この背面画像変更コマンド処理では、まず、背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S4603)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S3901)。そして、背面画像種別(背面A〜C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S3902)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで設定された背面画像変更フラグは、通常画像転送設定処理(図64参照)において参照される。通常画像転送設定処理では、背面画像変更コマンド処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、設定されている背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、設定されている背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。背面画像変更コマンド処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
図53に戻り説明を続ける。S3210の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S3210:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用演出変更コマンドがあるか否かを判別し(S3212)、表示用演出変更コマンドがあれば(S3212:Yes)、演出変更コマンド処理を実行して(S3213)、S3201の処理へ戻る。
ここで、図58(b)を参照して、演出変更コマンド処理(S3213)の詳細について説明する。図58(b)は、演出変更コマンド処理(S3213)を示すフローチャートである。この演出変更コマンド処理(S3213)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用演出変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
演出変更コマンド処理では、まず、コマンドに対応した演出変更表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S4001)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4002)。そして、S4001の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された演出変更表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4003)、ポインタ233fを0に初期化する(S4004)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S4005)、演出変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図53に戻り説明を続ける。S3212の処理において、表示用演出変更コマンドがないと判別されると(S3212:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用押下示唆演出コマンドがあるか否かを判別し(S3214)、各種表示用示唆演出コマンドがあれば(S3214:Yes)、示唆演出コマンド処理を実行して(S3215)、S3201の処理へ戻る。
ここで、図59(a)を参照して、示唆演出コマンド処理(S3215)の詳細について説明する。図59(a)は、示唆演出コマンド処理(S3215)を示すフローチャートである。この示唆演出コマンド処理(S3215)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用示唆演出コマンドに対応する処理を実行するものである。
示唆演出コマンド処理では、まず、コマンドに対応した示唆演出表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S4101)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4102)。そして、S4101の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された示唆演出表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4103)、ポインタ233fを0に初期化する(S4104)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S4105)、示唆演出コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図53の説明に戻り、説明を続ける。S3214の処理において、表示用示唆演出コマンドがないと判別されると(S3214:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S3216)、エラーコマンドがあれば(S3216:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S3217)、S3201の処理へ戻る。
ここで、図59(b)を参照して、エラーコマンド処理(S3217)の詳細について説明する。図59(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S4201)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S4202)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S4201の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S4202の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S4202に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図53の説明に戻る。S3216の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S3216:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S3218)、S3201の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS3201の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S3201:Yes)、再びS3202〜S3218の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S3202〜S3218の処理が繰り返し実行され、S3201の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図52(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S3108)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像(図18参照)を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図54(a)参照)および停止種別コマンド処理(図54(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
また、特別図柄の変動中に電源断が発生して、その後復旧した場合には、上述した主制御装置110のMPU201が電源投入時に実行する立ち上げ処理(図38参照)のS1610で送信する特別図柄の変動中であることを含む演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113が受信することで、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図42参照)のS2004の処理において、表示制御装置114に対して出力する電源投入時変動画像の変動開始コマンド(コマンド判定処理(図43、S2013)のS2117で受信処理)をこの表示制御装置114が受信することで、簡易コマンド判定処理(S3108)で受信処理され、その後に実行される簡易表示設定処理(S3109)で変動表示の開始(電源投入時変動画像の表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する)が設定される。なお、主制御装置110より電源断時に変動中であった特別図柄に対応する電源時投入時変動画像の変動開始の指示が出力されるタイミングでは、電源投入時変動画像は常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送済みとなっているので、直ぐに変動表示の開始が第3図柄表示装置81において実行(表示開始)される。この場合、図18(b)〜(c)に示す電源投入時変動画像が交互に表示される。
なお、電源断時点で実行されていた遊技に基づく演出許可コマンドが主制御装置110の立ち上げ処理(図38参照)により音声ランプ制御装置113へ送信された後に、当該演出許可コマンドに基づいて実行される変動表示を停止するための停止コマンドが主制御装置110より音声ランプ制御装置113へ送信される。音声ランプ制御装置113では、この停止コマンドを受信したことに基づいて、表示制御装置114へ表示用停止コマンドを送信する。表示制御装置114では、表示用停止コマンドを受信したことを簡易コマンド判定処理(図52(b)参照)で判別し、受信したコマンドに基づく表示態様で電源投入時変動画像(図18(b)または(c)参照)を停止させる。
なお、上述した電源投入時変動画像を停止させるための表示用停止コマンドを受信する前に、表示制御装置114において常駐用ビデオRAM235への転送を完了していた場合は、電源投入時変動画像のみが第3図柄表示装置81の通常演出用の座標位置(図18(a)参照)に表示される。電源投入時変動画像を停止させるための表示用停止コマンドには、電源投入時変動画像の停止態様が定められているため、通常演出用の停止態様を選択できないためである。ただし、これに限られるものではなく、電源投入時変動画像の停止態様(大当たりまたは外れ)に基づいて、表示制御装置114において停止態様を決定して表示するようにしてもよい。これにより、電源投入時変動画像の変動が実行されている場合においても、常駐用ビデオRAM235への転送が完了した時点から通常演出へと切り替えることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図54(a)参照)では、S3301の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S3302の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図60〜図62を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S3103)の詳細について説明する。図60は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図60に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S4301)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S4301:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S4302〜S4304の処理をスキップし、S4305の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S4301:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S4302)、S4303〜S4304の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S4303の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S4303)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S4303:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S4304)。
ここで、図61を参照して、警告画像設定処理(S4304)の詳細について説明する。図61は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S4401)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S4401の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S4402)、表示設定処理に戻る。
ここで、図60の説明に戻る。警告画像設定処理(S4304)の後、又は、S4303の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S4303:No)、次いで、S4305の処理へ移行する。
S4305では、ポインタ更新処理を実行する(S4305)。ここで、図62を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図62は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S4501)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S4501の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S4502)。その結果、End情報であれば(S4502:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S4503)、デモ用表示データテーブルであれば(S4503:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4504)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S4505)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S4503の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S4503:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S4506)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S4502の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S4502:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図60に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S4306)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S4306の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S4307)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S4308)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S4308:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S4308:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S4309)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S4309:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S4310)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4311)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4312)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S4313)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S4314)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S4315)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S4315の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S3104)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S4315によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S4309の処理において、確定表示フラグがオンではなくオフであれば(S4309:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S4316)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S4316:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S4317)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4318)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S4319)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S4320)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S4321)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S4316の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S4316:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図52(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S3109)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像(図18参照)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図63及び図64を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S3105)の詳細について説明する。まず、図63(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S4601)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S4601:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S4602)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図63(b)を参照して後述する。
一方、S4601の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S4601:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S4603)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図64を参照して後述する。
次いで、図63(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S3105)の一処理である常駐画像転送設定処理(S4602)について説明する。図63(b)は、この常駐画像転送設定処理(S4602)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S4701)、転送指示を送信していれば(S4701:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S4702)。このS4702の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S4702の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S4702:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S4702:Yes)、S4703の処理へ移行する。また、S4701の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S4701:No)、S4703の処理へ移行する。
S4703の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S4703)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S4703:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S4704)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S4703の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S4703:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S4705)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図52(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図52(b)のS3108参照)および簡易表示設定処理(図52(b)のS3109参照)ではなく、コマンド判定処理((図53〜図59参照)および表示設定処理(図60〜図62参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図64参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図63(a)のS4601:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像、電源投入時変動画像および電源投入時タイトル画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図64を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S3105)の一処理である通常画像転送設定処理(S4603)について説明する。図64は、この通常画像転送設定処理(S4603)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S3103)のポインタ更新処理(S4305)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S4801)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S4802)、転送データ情報であれば(S4802:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S4803)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S4804)、S4805の処理へ移行する。
また、S4802の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S4802:No)、S4803及びS4804の処理をスキップして、S4805の処理へ移行する。S4805の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S4805)、転送指示を設定していれば(S4805:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S4806)。
このS4806の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S4806の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S4806:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S4806:Yes)、S4807の処理へ移行する。また、S4805の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S4805:No)、S4807の処理へ移行する。
S4807の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S4807)、転送開始フラグがオンであれば(S4807:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S4808)、S4803の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S4813の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S4807:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S4809)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S4809:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S4809:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S4810)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S4811)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S4812)、S4813の処理へ移行する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S4809の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S4813の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S4813)。このS4813の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233jを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233jより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S4813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S4813:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S4813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S4813:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S4814)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S4814の処理の後、格納画像データ判別フラグ233jを更新し(S4815)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233jの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図65を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S3106)の詳細について説明する。図65は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S3104)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S3105)により設定された転送指示から、図22に示す描画リストを生成する(S4901)。即ち、S4901の処理では、タスク処理(S3104)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S3105)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233kによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S4902)。ここでは、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233kが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S4902の処理の後、描画対象バッファフラグ233kを更新する(S4903)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233kの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図52(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明したように、本第1実施形態では、操作ハンドル51の回転操作では第2入賞口640へ遊技球が到達困難(または、不可能)な発射強度(0〜90%)で遊技球が発射される。一方、スキップスイッチ51cの押下に基づいて第2入賞口640へ遊技球が到達可能な発射強度(100%)で遊技球が発射される。これにより、操作ハンドル51を回転操作して遊技球を発射させても第2入賞口640には入賞できない(入賞困難)となるように構成でき、第2入賞口640へ入賞させるには、スキップスイッチ51cを使用して遊技球を発射させることで容易に入賞させるように構成できる。よって、第2入賞口640へ入賞させる操作を別の操作とすることができ、遊技者が意図的に第2入賞口640へ容易に入賞させることができる。
ここで、本実施形態では、遊技者が意図的に第2入賞口640へ遊技球を容易に入賞させることが可能となっている。そこで特定の遊技状態(通常遊技状態)では、第2入賞口640への入賞に基づいて、得られる特典(大当たりの特典など)が少なくなるように構成している。これにより、第2入賞口640のみに遊技球を入賞させるように遊技を行う不正がされた場合にも、遊技店側が多大な被害を受ける不具合を抑制できる。
さらに、特定の遊技状態(通常遊技状態)では、所定以上の間、第1特別図柄の抽選が行われない状態で、第2特別図柄の抽選が連続して実行されると、エラー表示(店員を呼ぶ表示態様や現在の遊技方法が不正であることを示す表示態様)が第3図柄表示装置81に表示され、音声でもエラーを示す警報音や音声が出力される。そして、外部出力端子261に対してもエラー信号が出力され、ホールコンピュータへと通知される。これにより、遊技店側も不正な遊技方法を早期に判別でき、不正な遊技による被害を抑制することができる。
また、本実施形態では、第1特別図柄の変動表示の実行中においても第2特別図柄の抽選に基づく変動表示を実行可能である。そして、第1特別図柄の変動中において、第2特別図柄の変動表示の結果が大当たりまたは小当たりとなる態様で停止表示される場合に、変動中の第1特別図柄の変動表示が強制停止される。よって、スキップスイッチ51cの押下に基づいて発射された遊技球は、第2特別図柄の抽選を実行する第2入賞口640へ入球するので、遊技者がスキップスイッチ51cを押下することで、第1特別図柄の変動表示を強制停止することが可能に構成されている。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の変動中において、第2特別図柄の変動表示の結果が大当たりまたは小当たりとなる態様で停止表示される場合に、変動中の第1特別図柄の変動表示が強制停止されるように構成したが、これに限られるものではない。第1特別図柄の変動中において、第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりである変動表示が開始される場合に、変動中の第1特別図柄の変動表示が強制停止されるように構成してもよい。これにより、第1特別図柄の変動表示が強制停止されるタイミングを早めることができ、変動表示がスキップされたとの印象を遊技者に対してより強く与えることができる。
また、本実施形態では、第1特別図柄の変動表示の実行中においてスキップスイッチ51cの押下を促すための押下示唆演出(開放時押下示唆演出または閉鎖時押下示唆演出)が実行(表示)される。これにより、遊技者に対してスキップスイッチ51cの押下を促すことができ、第1特別図柄の変動が強制停止(スキップ)されるので、遊技機の稼働率を向上させることができる。
さらに、押下示唆演出では、第2入賞口640に付随する非電動役物640aの状態(即ち、スキップスイッチ51cの押下に基づいて第2入賞口640へ遊技球が入球するか否かの状態)に応じて、実行(表示)される押下演出が異なるように構成している。具体的には、スキップスイッチ51cの押下に基づいて第2入賞口640へ遊技球が入球する場合(非電動役物640aが開状態の場合)には、スキップスイッチ51の押下に基づいてバトル演出(図7(a)参照)やスキップ演出(図6(b)参照)が表示されることを示唆する開放時押下示唆演出が実行(表示)される。一方、スキップスイッチ51cの押下に基づいて第2入賞口640へ遊技球が入球しない場合(非電動役物640aが閉状態の場合)には、第2入賞口640へ入球しなかった遊技球は回転役物680へ入球(即ち、作動口670へ入球)し、非電動役物640aが開状態へと作動されるので、スキップスイッチ51cの押下に基づいて、上述した開放時押下示唆演出が表示されることを示唆する閉鎖時押下示唆演出が実行(表示)される。これにより、非電動役物640aの状態(即ち、スキップスイッチ51cの押下に基づいて第2入賞口640へ遊技球が入球するか否かの状態)に応じて、適切な演出を表示することができるので、遊技者に対して違和感のない演出を表示することができる。
なお、押下示唆演出は上述したものに限られず、第1特別図柄の保留球数に応じて押下示唆演出の内容を変更してもよい。具体的には、第1特別図柄の保留球数が多い場合には、スキップスイッチ51cの押下を強く促す演出(例えば、「スキップスイッチを押せ!!」)を表示し、第1特別図柄の保留球数が少ない場合には、スキップスイッチ51cの押下を弱く促す演出(例えば、「スキップスイッチを押すといいかも?」)を表示するようにしてもよい。これにより、保留球数が多い場合にはスキップスイッチ51cの押下を強く促す押下示唆演出を表示することで、第1特別図柄の変動をスキップさせやすくし、入球がオーバーフローしてしまうことを抑制できる。一方、保留球数が少ない場合にはスキップスイッチ51cの押下を弱く促す押下示唆演出を表示し、スキップスイッチ51cの押下を強く促す押下示唆演出を表示しないことで、第1特別図柄の変動がスキップされないので、保留球を消化してしまい、変動表示がされていない時間を少なくすることができる。
また、上述した開放時押下示唆演出と閉鎖時押下示唆演出を、第1特別図柄の抽選結果を先読みし、その先読みした結果に基づいて実行するようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の抽選結果が外れであるとの先読みされた場合には、スキップスイッチ51cの押下を促す押下示唆演出を表示されやすくする。これにより、外れの変動をスキップしやすくすることができるので、遊技機の稼働率を向上させることができる。なお、この先読みした結果に基づいて押下示唆演出を実行するのは、特定の遊技状態の場合のみとしてもよい。
さらに、第1特別図柄の保留球のうち3球目の保留が大当たりであると判別された場合には、1球目と2球目の保留球のスキップ演出を連続的な態様(連続押下示唆演出)の演出が実行(表示)されるようにしてもよい。具体的には、1球目の保留球に基づく変動中に「鍵を探せ!」の文字を伴う演出が表示されると共にスキップスイッチ51cの押下を促す押下示唆演出を表示する。そして、スキップスイッチ51cの押下に基づいて「鍵を入手!」の文字を伴う演出を表示すると共に1球目の保留球に基づく変動を停止する。次いで、2球目の保留球に基づく変動中に「入手した鍵で宝箱を開けろ!」の文字を伴う演出を表示すると共にスキップスイッチ51cの押下を促す押下示唆演出を表示する。そして、スキップスイッチ51cの押下に基づいて「宝箱が開いた!」の文字を伴う演出を表示すると共に2球目の保留球に基づく変動を停止する。その後、大当たりとなる3球目の保留球に基づく変動において、「おめでとう!大当たり!!」の文字を伴う演出を表示する。
このような連続押下示唆演出を実行(表示)することにより、大当たりとなる期待度を段階的に高めることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。なお、大当たりとなる保留球に基づく変動は強制停止することができないため、大当たりとなる保留球に基づく変動においてはスキップスイッチ51cの押下を示唆しないようすればよい。また、これに限られず、大当たりとなる保留球に基づく変動中にスキップスイッチ51cの押下を示唆するようにして、第2入賞口640への入球に基づいて演出の態様を変更するようにしてもよい。
<第1実施形態の第1変形例>
次に、図66を参照して、第1実施形態の第1変形例について説明する。図66は、本第1変形例における前面枠14を取り外した状態のパチンコ機10の正面図である。
上述した第1実施形態では、図2に示すように、スキップスイッチ51cが押下された場合に発射された遊技球が入球可能な位置に第2入賞口640を設け、その第2入賞口640に付随する非電動役物640aを開状態(即ち、第2入賞口への入球を可能)とするための作動口670を遊技盤右側に設けている。これに対し、第1実施形態の第1変形例では、図66に示すように、第2入賞口640と作動口670とを、スキップスイッチ51cが押下された場合に発射された遊技球が入球可能な位置に設けている点で相違する。また、本変形例では、右打ち遊技状態において、作動口670へ過剰に遊技球が入球することがないので、回転役物680を設けていない。その他の点は同一であるので、同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本第1変形例では、スキップスイッチ51cが押下されて、発射強度100%で発射された遊技球(図2の破線a参照)が入球可能な、遊技領域右上の領域に、第2入賞口640とその左隣に作動口670を設けている。また、第2入賞口640には、第1実施形態と同様に非電動役物640aが付随して設けられている。この非電動役物640aが閉状態である場合には、スキップスイッチ51cが押下され発射された遊技球が第2入賞口640へ入球せず、作動口670へ入球する。
作動口670へ遊技球が入球することに基づいて、非電動役物640aが開状態へと作動(可変)され、次にスキップスイッチ51cが押下されて発射された遊技球は、作動口670へ入球せず、第2入賞口640へ入球する。ここで、非電動役物640aは左側へ回動することで開状態となるので、第2入賞口640の左隣に設けられている作動口670へ遊技球が入球し難い状態となる。これにより、非電動役物640aが開状態へと作動(可変)された場合に、スキップスイッチ51cが押下されて発射された遊技球をより確実に第2入賞口640へと入球させることができる。第2入賞口640へ所定数の遊技球(本第1変形例では1球)が入球すると、非電動役物640aは開状態(図66において破線で図示)から閉状態(図66において実線で図示)へと作動(可変)される。
このように、本第1変形例では、第2入賞口640が閉状態(非電動役物640aが閉状態)であっても、スキップスイッチ51cの押下に基づいて発射された1球目の遊技球が作動口670へ入球することで第2入賞口640が開状態(非電動役物640aが開状態)となり、その後スキップスイッチ51cの押下に基づいて発射された2球目の遊技球が第2入賞口640へ入球することが可能となっている。
これにより、第2入賞口640が閉状態(非電動役物640aが閉状態)であったとしても、スキップスイッチ51cの押下に基づいて、第2入賞口640へ遊技球を入球可能にできる。その結果、遊技者の任意のタイミングで第2入賞口640へ遊技球を入球させることができ、第1特別図柄に基づく変動をスキップさせることができる。
また、本第1変形例では、第2入賞口640へ遊技球を入球させるためには、スキップスイッチ51cの押下に基づいて遊技球を2球発射する必要がある。よって、遊技者が誤ってスキップスイッチ51cを押下してしまい、第1特別図柄の変動がスキップされてしまうことを防止できる。
なお、本実施形態では、上述したスキップ演出やバトル演出を、第2入賞口640へ遊技球が入球した場合に表示されるように構成せず、作動口670へ遊技球が入球した時点で表示されるようにしてもよい。また、作動口670へ遊技球が入球した時点で、スキップ演出の実行準備を開始するようにしてもよい。これは、作動口670へ遊技球が入球する場合は、その後、第2入賞口640へ遊技球が入球する可能性が高いからである。これにより、スキップ演出を実行するための処理負荷を分散させることができる。
<第1実施形態の第2変形例>
次に、図67を参照して、上述した第1実施形態の第2変形例について説明する。図67は本第2変形例における前面枠14を取り外した状態におけるパチンコ機10の正面図である。本第2変形例では、上述した第1変形例に対し、第2入賞口640および作動口670の位置を変更した点で相違し、その他の点で同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本第2変形例では、発射経路701の左下側に開口部604が設けられ、その開口部604から下方に、遊技球が流下可能なスキップ球入球通路606が形成され、そのスキップ球入球通路606の下流には第2入賞口640、非電動役物640aおよび作動口670が配設されている。このスキップ球入球通路606はスキップスイッチ51cの押下に基づいて発射される遊技球が流下する通路であり、外レール62と案内部材605と遊技盤13に立設された入球通路形成部材607とによって幅方向が区画され、遊技盤13と、ガラスユニット16によってその前後面が区画形成される通路である。
スキップ球入球通路606内を流下した遊技球は、通路内に設けられた作動口670へ入球する。作動口670へ遊技球が入球することで、非電動役物640aが閉状態(図67において実線で図示)から開状態(図67において破線で図示)へ可動される。これにより、次にスキップスイッチ51cの押下に基づいて発射される遊技球は、スキップ球入球通路606を流下し、第2入賞口640へ入球することになる。
上述したように、スキップ球入球通路606はその前面をガラスユニット16が形成しているため、通路内を目視確認することができる。また、ガラスユニット16が取り付けられている前面枠14を開状態にすることで、通路内の点検を容易に行うことができる。
開口部604は、円弧状に形成されている発射経路701の外周側を構成する外レール62と案内部材605との間に形成される。この開口部604は、発射経路701内を発射球が左上方に発射される領域(以下、左下弦領域と称す)の外周側、つまり、遊技球が自重によって流下する際に発射経路701の外周側に当接する位置(以下、左下弦位置と称す)に設けられる。このように開口部604を左下弦位置に設けたのは、発射経路701の終端部付近で発生した遊技球が、開口部604へ自重によって侵入可能とするためである。尚、開口部604を発射経路701の終端部付近、つまり、発射された遊技球が右上方に移動する領域(以下、左上弦領域と称す)に設ける場合は、遊技球が自重によって流下する際に当接する位置が発射経路701の内周側(内レール61)となる(以下、左上弦位置と称す)。本実施形態では発射経路701が遊技球を左上側に向かって発射させるよう左円弧状の形状となっているが、本実施形態以外の円弧状構成を採用した場合であっても、遊技球が自重によって当接する側に開口部604を設けることで、遊技球の入球を容易に行うことが可能となる。
次に図68を参照して開口部604近傍の構成について説明する。図68は図67に記載されているパチンコ機10における領域LXVIIIを拡大した図面である。開口部604の案内部材605側(図68右側)には、遊技球を開口部へ誘導するための誘導部材602が設けられている。誘導部材602は弾性部材(ウレタン)によって形成され、その取付基部602aが遊技盤13にネジで固定されている。取付基部602aは案内部材605の保護部605bに覆われているため、遊技球が衝突することが無い。この誘導部材602は、遊技球を受け止めるために発射経路701の幅方向略半分程度まで延設されており、遊技球が発射経路701始端部まで流下することを防いでいる。又、球発射ユニット112aによって発射された遊技球は案内部材605の傾斜面605aを転動した後、誘導部材602に接触することとなるが、案内部材605の傾斜面605aの先端部が誘導部材602の取付基部602aを覆うように形成される保護部となっているため、発射された遊技球が接触するのは誘導部材602の先端部となる。誘導部材602は弾性部材で形成されており、球発射ユニット112aから発射された遊技球と接触した際にその先端部が遊技球入球通路606内へ侵入する方向へ弾性変形(図68の点線図参照)し、開口部604の一部を覆う状態となる。この状態では誘導部材602は開口部と対峙し、開口部604の開口幅が狭くなる。
よって、球発射ユニット112aから発射された遊技球が誘導部材602近傍を通過する際には、誘導部材602が弾性変形するため著しく発射力が落ちることが無い。また、誘導部材が弾性変形することで開口部604の開口幅が狭くなるため、開口部に落下することも無くスムーズに発射を行うことを可能としている。そして、発射された遊技球が通過した後、誘導部材602はもとの位置に弾性復帰する。
次に、誘導部材602が遊技球と衝突した際の説明をする。誘導部材602、はその先端部が案内部材605の傾斜面605aと外レール62の傾斜面始端部とを繋いだ直線よりも発射経路701側へ突出するよう構成されている。また、外レール62の傾斜面の開口部604側への延長線が開口部604内に向かうよう外レール62と開口部604が形成されている。このように構成されている箇所において、外レール62側から流下してくる遊技球は次の何れかの経路を辿って開口部604へ侵入することになる。
誘導部材602に接触することなく開口部604へ侵入する場合は、その勢いのまま作動口670または第2入賞口640へと到達することを防ぐための突出部605aによって遊技球の流下速度を落としてから作動口670または第2入賞口640へ到達する。一方、誘導部材602に接触した後に開口部へ侵入する場合は、遊技球から受ける外力によって誘導部材が発射経路701内に侵入する方向へ弾性変形する。この弾性変形によって遊技球の流下速度を落とした後に作動口670または第2入賞口640へ到達する。
なお、遊技球から受ける外力によって誘導部材602が発射経路701内に侵入する方向へ弾性変形したとしても、案内部材605の保護部605bが誘導部材602の変化を制限しているため、遊技球から受ける外力によって発射経路701が塞がれることはなく、開口部604の開口幅が広くなる程度(図68の誘導部材602と保護部605bとの間の隙間が無くなる程度)にのみ誘導部材602が弾性変形するだけである。そのように弾性変形した状態であっても球発射ユニット112aによって発射された遊技球が発射経路701を通過できるよう案内部材605を通過した直後の発射経路701の通路幅は遊技球が2個通過可能な幅となっている。
このような構成を用いることにより、遊技球を受け止めてスキップ球入球通路606へと誘導する機能と、球発射ユニット112aから発射される遊技球をスムーズに通過させる機能とを両立させることが可能となる。更に、誘導部材602とは別部材である案内部材605を用いて誘導部材602の弾性変形を制限しているため、誘導部材602を一方向(スキップ球入球通路606内に侵入する方向)には変化し易く、他方向(発射経路を塞ぐ方向)には変化し難い材質にするといった複雑な技術を用いる必要をなくすことができる。
なお、誘導部材602は上述した構成に限ることなく、球発射ユニット112aから発射される遊技球を阻止することなく、且つ、遊技球を開口部へと誘導する機能を奏する構成であればよく、例えば取付基部602aを回転可能で且つ原点位置に復帰可能なバネ構成とし、その取付基部602aによって板状部材を軸支する可変構成や、遊技球発射方向にのみ回転可能な回転体を用いた構成でもよい。
また、可変しない構成であっても上記機能を奏する構成であればよく、例えば発射球の発射方向に沿って徐々に先細りとなる誘導通路を設けることで、遊技球が球発射ユニット112a側へ流下するのを阻止する構成としてもよい。尚、本実施形態では弾性部材としてウレタンを用いたが反発弾性が優れた材質であればよくその他ゴム(シリコンゴム等)を用いてもよい。また誘導部材602の取付位置を内レール61側にしてもよい。
スキップ球入球通路606内には、詳細は後述するが案内部材605に一体的に形成された突起部605cが作動口670または第2入賞口640を覆うように設けられている。これにより、スキップ球入球通路を流下する遊技球が作動口670または第2入賞口640に勢いよく衝突し破損してしまうことを防止できる。
<第1実施形態の第3変形例>
次に、図69を参照して、第3変形例におけるパチンコ機10について説明する。図69は前面枠14を取り外した状態におけるパチンコ機10の正面図である。第3変形例では、上述した第2変形例に対し、開口部604の位置の変更、案内部材を撤去した点で相違し、その他の点で同一である。同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本第3変形例では、開口部604が発射経路701の内周側に設けられており、開口部604を流下した遊技球が遊技領域内に設けられた作動口670または第2入賞口640へと入球する構成になっている。また、スキップ球入球通路606が遊技盤13の裏側を通って遊技領域に設けられた作動口670または第2入賞口640へ遊技球を誘導する構成になっている。なお、遊技盤13のスキップ球入球通路606が設けられる箇所は透過性の高いアクリル樹脂で構成されており、遊技盤13の裏側を流下する遊技球を遊技者は視認可能に構成されている。
ここで、発射経路701内の遊技球の流れを説明する。球発射ユニット112aにより発射された遊技球は、外レール62に沿って遊技領域へと導かれる。つまり、本第2変形例では発射された遊技球が発射経路の外周側に沿って遊技球が通過していくものであることから、発射された遊技球が侵入し得ない発射経路内周側に開口部604を設けている。
上述したように、本第3変形例では発射された遊技球が転動する位置に開口部604を設けていないため、案内部材605を設ける必要が無くなる。これにより、遊技機の製造コストを低減することができる。
ここで、スキップスイッチ51cがオンでない(押下されていない)場合に発射された遊技球は、発射経路701を通過し、外レール62に沿って遊技領域へと導かれる。一方、スキップスイッチ51cがオンである(押下されている)場合に発射された遊技球は発射経路701を通過した後、遊技領域へと到達せず、発射経路701を逆流して流下する。この遊技球は、誘導部材602によって開口部604へと誘導されることになる。開口部604へ入球した遊技球は、スキップ球入球通路606を流下した後に、遊技盤13に設けられている作動口670または第2入賞口640へと流下する。
本第3変形例のように遊技球を作動口670または第2入賞口640へと誘導する構造(スキップ球入球通路606)を遊技盤13の前面ではなく、裏面に設けることにより、限られた遊技盤13の前面スペース、つまり遊技領域の範囲が広がるため、遊技の興趣を向上させるための工夫を搭載しやすくなる。
なお、本第3変形例では開口部604を発射経路701内の内周側に設け、作動口670または第2入賞口640を遊技盤13の遊技領域内に設けたが、別の場所に設けてもよい。例えば、開口部604を発射経路701内の外周側に設け、作動口670または第2入賞口640を遊技盤13の右下領域に設けてもよい(図71参照)。このようにすることで、遊技盤13前面に設けられた遊技領域に遊技球を入球させるための作動口670または第2入賞口640を設ける必要が無くなる。また、遊技盤13の裏側を通過する通路606cの距離を長くすることで作動口670または第2入賞口640を狙った不正行為を防止することができる。
また、発射経路701を前後方向(奥行き方向)に遊技球が2球通過可能な奥行きで構成し、球発射ユニット112aによって発射される遊技球が奥側(遊技盤13側)に遊技球が1球通過可能な間隔を維持した状態で発射できるように構成してもよい。このようにすることで、遊技盤13に開口部を設ける場合においては、発射経路701の通路幅方向を狭くすることができるので、遊技盤13の左右方向(幅方向)を有効に使用することが可能となる。
<第1実施形態の第4変形例>
次に、図70を参照して、第4変形例におけるパチンコ機10について説明する。図70は前面枠14を取り外した状態におけるパチンコ機10の正面図である。第4変形例では、上述した第2変形例に対し、開口部604の位置の変更、案内部材を撤去した点で相違し、その他の点で同一である。同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本第3変形例では、開口部604が発射経路701の内周側に設けられており、開口部604を流下したファール球が第1内レール61aと第2内レール61bとの間に形成された開口部604を通過し、作動口670または第2入賞口640へと入球する構成になっている。
発射経路701内の遊技球の流れを説明する。球発射ユニット112aにより発射された遊技球は、外レール62に沿って遊技領域へと導かれる。つまり、本第4変形例では発射された遊技球が発射経路の外周側に沿って遊技球が通過していくものであることから、発射された遊技球が侵入し得ない発射経路内周側に開口部604を設けている。
上述したように、本第2変形例では発射された遊技球が転動する位置に第2開口部604を設けていないため、案内部材605を設ける必要が無くなる。
更に、内レール61を第1内レール61aと第2内レール61bとに分けて構成し、遊技球が1球通過できる程度の隙間を、第1内レール61aの下端部と第2内レール61bの上端部との間に設けることで、その隙間が開口部604を形成することとなり、誘導部材602を用いることなく遊技球を作動口670または第2入賞口640へと入球させることが可能となる。
<第1実施形態の第5変形例>
次に、図71を参照して、第5変形例におけるパチンコ機10について説明する。図71は前面枠14を取り外した状態におけるパチンコ機10の正面図である。第5変形例では、上述した第3変形例の更なる変形例であり、第2開口部604の位置、作動口670または第2入賞口640の位置を変更した点及び案内部材605を追加した点で相違し、その他の点で同一である。同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本第5変形例では、開口部604が発射経路701内の外周側に設けられており、開口部604を流下した遊技球が遊技盤13の右下領域に設けられた作動口670または第2入賞口640へと入球する構成になっている。また、スキップ球入球通路606が遊技盤13の裏側を通って遊技領域に設けられた作動口670または第2入賞口640へ遊技球を誘導する構成になっている(図71参照)。なお、遊技盤13は透過性の高いアクリル樹脂で構成されており、遊技盤13の裏側を流下する遊技球を遊技者は視認可能に構成されている。また、遊技盤の裏側に設けられる通路606cを遊技盤13の左端部から右端部にかけて設けているため、球発射ユニット112aから作動口670または第2入賞口640までの遊技球が流下する経路を長くすることができ、作動口670または第2入賞口640への不正行為を防止することが可能となる。
発射経路701内の遊技球の流れを説明する。球発射ユニット112aにより発射された遊技球は、案内部材605へと到達し、その後、案内部材605に沿って転動した遊技球が開口部604を飛び越え遊技領域へと導かれる。つまり、本第5変形例では発射された遊技球が案内部材605によって開口部604へ落下しないよう案内されて遊技領域へと到達するものである。スキップスイッチ51cの押下に基づいて発射された遊技球は、発射経路701内の終端部側から発射経路を逆流し、発射経路701の左下弦位置に設けられた開口部604を通過する。
本第5変形例のように遊技球を作動口670または第2入賞口640へと誘導する構造を遊技盤13の前面ではなく、裏面に設けることにより、限られた遊技盤13の前面スペース、つまり遊技領域の範囲が広がるため、遊技の興趣を向上させるための工夫を搭載しやすくなる。
また、このようにすることで、遊技盤13前面に設けられた遊技領域にファール球を入球させるための作動口670または第2入賞口640を設ける必要が無くなる。また、遊技盤13の裏側を通過する通路606cの距離を長くすることで作動口670または第2入賞口640を狙った不正行為を防止することができる。
<第1実施形態の第6変形例>
次に、図72を参照して、第6変形例におけるパチンコ機10について説明する。図72は前面枠14を取り外した状態におけるパチンコ機10の正面図である。第6変形例では、上述した第1実施形態の変形例であり、回転役物680と作動口670の位置を変更した点と、位置を変更した回転役物680と作動口670の前面側に第2前面カバー部材663を設けるようにした点と、疑似アウト口660、疑似レール部材661、第2前面カバー部材663、通過口664を設けるようにした点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本第6変形例では、作動口670がアウト口66の上部に設けられており、その作動口670の上部に回転役物680が設けられている。これにより、可変表示装置80の左側通過した遊技球(所謂、左打ちした遊技球)と、可変表示装置80の右側を通過した遊技球(所謂、右打ちした遊技球)とのいずれもが、回転役物680へ入球可能(即ち、作動口670へ入球可能)な遊技機とすることができる。
また、本第6変形例では、回転役物680の上部には、下方への遊技球の流下を規制する疑似レール部材661が設けられている。この疑似レール部材661は、略直方体の形状に樹脂で形成されており、中央部から左右方向にかけて上昇傾斜している。これにより、疑似レール部材661により下方への流下を規制された遊技球は、疑似レール部材661の中央へと誘導される(流下する)ことになる。
疑似レール部材661の中央部上側には、疑似レール部材661の中央へと誘導された(流下した)遊技球が入球可能な疑似アウト口660が設けられている。この疑似アウト口660の形状は、上述した第1実施形態のアウト口と同一の形状となっている。
さらに、疑似レール部材661の下方の領域には、内部の視認を困難にする第2前面カバー部材663が設けられている。これにより、遊技球が流下可能な遊技領域は疑似レール部材661より上側の範囲であると遊技者に対して認識させることができる。また、その疑似レール部材661より上側の範囲の遊技領域の最下部に疑似アウト口660が設けられているため、疑似アウト口66を、いずれの入賞口63,64,641,640,65にも入賞しなかった遊技球が入球するアウト口であると遊技者に対して認識させることができる。
疑似アウト口660へ入球した遊技球は、遊技盤13の背面側に設けられた図示しない流路を通り、疑似レール部材661の下側に設けられた通過口664へと流下する。この通過口664は、回転役物680の上側に設けられているので、通過口664を通過した遊技球は回転役物680へと入球することが可能である。
回転役物680の左右には、流路形成部材662が設けられており、この流路形成部材662によって、通過口664を通過した遊技球のうち、回転役物680へ入球しなかった遊技球がアウト口66へと流下する流路が形成されている。
具体的には、回転役物680の左側には左側流路形成部材662aが配設されており、回転役物680の外周部であるケース部材682と左側流路形成部材662とによって、通過口664からアウト口へ遊技球が流下可能な流路が形成されている。この流路は、通過口664を通過した遊技球のうち、回転役物680へ入球せず、回転役物680の左側へと流下した遊技球がアウト口66へと流下する流路となる。
また、回転役物680の右側には右側流路形成部材662bが配設されており、回転役物680の外周部であるケース部材682と右側流路形成部材662bとによって、通過口664からアウト口へ遊技球が流下可能な流路が形成されている。この流路は、通過口664を通過した遊技球のうち、回転役物680へ入球せず、回転役物680の右側へと流下した遊技球がアウト口66へと流下する流路となる。
上述したように、本第6変形例では、可変表示装置80の左側通過した遊技球(所謂、左打ちした遊技球)と、可変表示装置80の右側を通過した遊技球(所謂、右打ちした遊技球)とのいずれもが、回転役物680へ入球し、作動口670へ入球することが可能となっている。これにより、遊技状態(左打ち遊技状態、右打ち遊技状態)に関わらず、作動口670へ遊技球を入球可能にできる、即ち、非電動役物640aを開状態とすることができる。
また、回転役物680と作動口670との前面側には、内部が視認困難となる第2前面カバー部材663が設けられているため、作動口670へ遊技球が入球したことを遊技者は認識することが困難(または、出来ない)となっている。これにより、遊技者に対して、作動口670への入球に基づいて、第2入賞口640に付随する非電動役物640aが開閉されることを認識困難(または、出来ない)にすることができる。
なお、本第6変形例では、回転役物680と作動口670とをアウト口66の上部に設け、可変表示装置80の左側通過した遊技球(所謂、左打ちした遊技球)と、可変表示装置80の右側を通過した遊技球(所謂、右打ちした遊技球)とのいずれもが、回転役物680へ入球可能(即ち、作動口670へ入球可能)としたが、これに限られるものではない。例えば、遊技盤13の上部に回転役物680と作動口670とを設けるようにしてもよい。
また、可変表示装置80の左側通過した遊技球(所謂、左打ちした遊技球)のみが、回転役物680へ入球可能(即ち、作動口670へ入球可能)となるようにしてもよい。
さらに、回転役物680を設けないようにしてもよい。これにより、遊技機の製造コストを低減できると共に、遊技盤13の遊技領域を広くすることができる。この場合、本第6変形例のように作動口670を遊技盤13の下部に設けることで、作動口670へ遊技球が過剰に入球し、その他の入球口へ遊技球が入球しないとの不具合を抑制することができる。
以上、複数の変形例を示したが、これらに限られることなく別の構成を用いてもよい。例えば、発射経路701を構成する内レール61や外レール62に作動口670または第2入賞口640を構成する部材を一体的に設けてもよいし、発射経路701内に作動口670または第2入賞口640を設けてもよい。
また、作動口670または第2入賞口640を一組として設けるようにしたが、これに限られず、作動口670または第2入賞口640のうちいずれか一方のみを別の場所(例えば、通常の遊技領域)に設けるようにしてもよい。
さらに、作動口670への入賞に基づいて機械的に作動(可変)される非電動役物640aを用いて、第2入賞口640への入球可否(開閉状態)を変更可能に構成したが、これに限られず、作動口670への入賞に基づいて電気的に作動(ソレノイド等を駆動して作動)される電動役物を用いるようにしてもよい。また、この電動役物は、所定時間の経過に基づいて閉状態となるようにしてもよい。さらに、この電動役物の開閉は、所定の抽選結果(作動口670への入球に基づく抽選結果)に基づいて可変制御されるようにしてもよい。これにより、作動口670への入球に基づいて第2入賞口が開状態となる確率を変更することができ、遊技のバリエーションを増やすことができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、上述した各実施形態及び変形例にて主制御装置110にて様々な判定処理に基づく出力処理を行っているが、出力された情報は全て、音声ランプ制御装置113又は外部出力端子板261に出力可能に構成されているものであり、また、主制御装置110以外にて判定処理を行う場合も、その判定結果に基づく情報は全て、音声ランプ制御装置113又は外部出力端子板261に出力可能に構成されているものである。また、出力された情報を識別可能に外部に報知可能であり、報知を行う手段としては、音声ランプ制御装置113に接続されている各種装置(LCD、スピーカ等)や、主制御装置110に直接接続されている表示部等がある。
なお、本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態、変形例の全部または一部をそれぞれ組み合わせて構成してもよい。また、主制御装置110、音声ランプ制御装置113等のサブ制御装置で構成したが、それに限らず、全ての機能を主制御装置110に集約して構成しても良い。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群:スキップ機能>
遊技球が流下することが可能な第1領域と、その第1領域とは異なる、遊技球が流下することが可能な第2領域と、少なくとも前記第1領域と前記第2領域とのいずれかに遊技球を遊技者の操作に基づいて発射することが可能な発射手段と、前記第2領域へ遊技球が到達可能となるように、遊技者の操作に基づいて前記発射手段による遊技球の発射を制御する発射制御手段と、前記第1領域に配置される第1入球手段と、その第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を所定期間、動的表示する動的表示実行手段と、特定の前記判定結果を示す前記識別情報が前記表示手段に表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、前記第2領域に配置される第2入球手段と、その第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特定条件の成立を判別する特定条件判別手段と、その特定条件判別手段により前記特定条件が成立したと判定されたことに基づいて、前記動的表示実行手段により実行されている前記識別情報の動的表示を、前記所定期間の経過前に停止させる停止手段とを備えることを特徴とする遊技機A1。
従来より、始動口を遊技盤に備え、その始動口に遊技球が入球すると抽選を実行し、その抽選結果を表示装置にそれぞれ対応する図柄を所定期間変動表示させて遊技者に遊技の演出が行われる遊技機が提案されている(例えば、特開平9−308730号公報)。しかしながら、図柄が所定期間変動表示されて、その抽選結果が表示されるまで、次の抽選結果が表示されないので、遊技の効率が低下するという不具合があった。このような不具合を解消するために、遊技の効率を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機A1によれば、第1入球手段への入球に基づいて、動的表示実行手段により所定時間実行される識別情報の動的表示を、第2入球手段に遊技球が入球し、特定条件が成立した場合に、停止手段により所定時間の経過前に停止させることができる。よって、第1入球手段への入球に対応する動的表示を所定時間の経過前に強制終了させることができるので、短時間に多くの遊技を行うことができ、遊技の効率を向上することができる遊技機を提供することができるという効果がある。
遊技機A1において、前記判定手段は、前記第2入球手段に遊技球が入球した場合にも、判定を実行するものであり、前記特定条件は、前記第2入球手段に遊技球が入球したことを契機とする前記判定手段による判定結果が前記特定の判定結果である場合に少なくとも成立するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、第2入球手段に遊技球が入球した場合にも判定手段により判定が実行され、その判定結果が特定の判定結果である場合に特定条件が少なくとも成立するので、第1入球手段に対応する動的表示を強制終了しても、特定の判定結果を遊技者に付与することができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機A2において、前記判定手段は、前記第2入球手段に遊技球が入球した場合の前記特定の判定結果の一つとして、前記特定の判定結果よりも前記特典付与手段により遊技者に付与される特典が小さい特定の判定結果を判定することが可能に構成され、前記特定条件は、前記特典が小さい特定の判定結果である場合に少なくとも成立するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、遊技者に付与される特典の小さい特定の判定結果が判定手段に判定された場合に特定条件が少なくとも成立するので、第1入球手段に対応する動的表示を強制終了させる頻度を高く設定しても、遊技店側に多大な不利益が発生する不具合を防止することができるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記第2入球手段へ遊技球が入球することを規制する規制状態と、その規制状態よりも前記第2入球手段へ遊技球が入球し易い状態である非規制状態とに可変することが可能な可変部材と、前記第2入球手段へ遊技球が入球することに基づいて、前記可変部材を前記非規制状態から前記規制状態へと可変し、所定条件の成立に基づいて、前記可変部材を前記規制状態から前記非規制状態へと可変させる規制可変手段と、を備えることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、第2入球手段に遊技球が入球することに基づいて、可変部材により第2入球手段への入球が困難となる規制状態に可変されるので、第2入球手段への入球を制限することができるという効果がある。
遊技機A4において、前記第1領域に配置された遊技球が入球することが可能な第3入球手段を有し、前記所定条件は、前記第3入球手段へ遊技球が入球することに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、第3入球手段に入球することで、第2入球手段が非規制状態となるように可変部材が可変されるので、遊技者が意図して第3入球手段に入球させることで、第2入球手段を非規制状態に可変できるので、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機A5において、前記第3入球手段への遊技球の入球頻度を抑制する抑制手段を有するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、抑制手段により第3入球手段への入球頻度が抑制されるので、第2入球手段が非規制状態に可変される頻度を低下でき、第2入球手段への入球を抑制することができるという効果がある。
遊技機A6において、前記抑制手段は、所定周期毎に、前記第3入球手段へ遊技球を誘導することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、所定周期毎に、第3入球手段へ遊技球を誘導することが抑制手段により可能にされるので、安定して抑制しながらも一定に第3入球手段へ遊技球を誘導することができるという効果がある。
遊技機A6またはA7において、前記抑制手段は、前記遊技球を少なくとも1球保持可能な保持部を有した保持手段と、その保持手段を回動させて、前記保持部に有した遊技球を前記第3入球手段へと誘導させる誘導手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A6またはA7の奏する効果に加え、抑制手段は、遊技球を1球保持可能な保持部を有しており、回動させて第3入球手段へと保持させた遊技球を誘導するので、より確実に第3入球手段へと遊技球を周期的に誘導することができるという効果がある。
遊技機A8において、前記保持手段は、前記誘導手段により回動されることで、前記保持部に遊技球を受け入れ可能な許容位置と、前記保持部に遊技球が入球することを規制する規制位置とに可変されるものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、誘導手段により回動されることで、保持手段が保持部に遊技球を受け入れ可能な許容位置と規制する規制位置とに可変されるので、遊技者に分かり易く保持部の状態を認識させることができるという効果がある。
<特徴B群:打ち分け機構>
遊技領域における特定の領域に配置され、遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値が付与される入球手段と、遊技者が操作することが可能な操作手段と、その操作手段の操作に基づいて、遊技球を前記遊技領域へ発射する発射強度を可変させて発射することが可能な発射手段と、前記操作手段は、前記発射手段により発射される遊技球が前記特定の領域へ到達し難い発射強度で遊技球を前記発射手段により発射させることが可能な第1操作部と、その第1操作部とは異なる前記発射手段により発射される遊技球が前記特定の領域へ到達し易くなる発射強度で遊技球を前記発射手段により発射させることが可能な第2操作部とを少なくとも有していることを特徴とする遊技機B1。
従来より、操作ハンドルの操作量を調節することで、遊技領域へ発射される遊技球の発射強度を調節し、弾球遊技を行うパチンコ機が知られている(例えば、特開平9−308730号公報)。このような遊技機では、遊技者が遊技状態(左打ち遊技状態、右打ち遊技状態)に合わせて操作ハンドルの操作量を調整する必要があり、遊技者の操作の負担が大きかった。
遊技機B1によれば、遊技領域における特定の領域へ到達し難い発射強度で発射手段により遊技球を発射することが可能な第1操作部と、遊技領域における特定の領域へ到達し易くなる発射強度で発射手段により遊技球を発射することが可能な第2操作部とを有している。よって、遊技者が特定の領域へ遊技球を発射したい場合は第2操作部を操作し、特定の領域へ遊技球を発射したくない場合は第1操作部を操作すればよい。これにより、遊技者が操作ハンドルの操作量を調整して、特定の領域へ遊技球を発射するしないを調整する遊技機に比べ、遊技者の操作の負担を軽減することができるという効果がある。
遊技機B1において、遊技球を発射するための電力を、前記操作手段の操作に対応して前記発射手段へ可変して供給する供給手段を有し、前記第2操作部が操作されることに基づいて、前記第1操作部が操作されたことにより供給される最大電力以上の電力が前記供給手段により供給されるものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、第2操作部が操作されることに基づいて、第1操作部が操作されることにより供給手段から供給される最大電力以上の電力が供給されるので、簡易な操作で発射強度を可変させることができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、前記第1操作部は、遊技者が回動操作可能に構成され、回動量により前記発射強度が可変されるものであり、前記第2操作部は、遊技者に操作されることに基づいて、前記最大回動量の発射強度よりも大きい特定の発射強度で前記発射手段により遊技球が発射されるものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、第2操作部を操作することで、第1操作部が最大に回動されるよりも大きい発射強度で発射されるので、簡易な操作でより大きな発射強度で遊技球を発射することができるので、機敏な発射強度の変更をすることができ、多様な遊技を遊技者に行わせることができるという効果である。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、少なくとも前記第1操作部による操作に基づいて発射される遊技球が入球可能な第2入球手段と、その第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示す第2識別情報が表示される表示手段と、その表示手段により表示される前記第2識別情報を所定期間、動的表示させる動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示す前記第2識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特定条件が成立した場合に、前記演出実行手段により実行されている演出を前記所定の期間が経過するよりも前に終了させる終了手段とを有するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2操作部を操作することで、入球手段に入球させることで、第2入球手段への入球に対応する動的表示を所定時間の経過前に終了させることができるので、第1入球手段に対応する動的表示を効率良く行うことができるという効果がある。
遊技機B4またはB5において、前記判定手段は、前記入球手段に遊技球が入球した場合にも、判定を実行するものであり、前記表示手段には、前記入球手段に遊技球が入球した場合に前記判定手段により実行された判定結果を示す第1識別情報が表示され、特典付与手段は、前記表示手段の特定の前記判定結果を示す前記第1識別情報が表示された場合には、前記第2識別情報により前記特定の判定結果が示された場合よりも小さい特典を付与するものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4またはB5の奏する効果に加え、入球手段に入修した場合に判定手段による判定結果が特定の判定結果であると、第1識別情報が特定の判定結果である場合よりも小さい特典が付与されるので、遊技者が第2操作部を操作して意図的に第2入球手段へ容易に入球できる構成であっても遊技店側の不利益を軽減することが出来るという効果がある。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記入球手段へ遊技球が入球することを規制する規制状態と、その規制状態よりも前記入球手段へ遊技球が入球し易い状態である非規制状態とに可変することが可能な可変部材と、前記入球手段へ遊技球が入球することに基づいて、前記可変部材を前記非規制状態から前記規制状態へと可変し、所定条件の成立に基づいて、前記可変部材を前記規制状態から前記非規制状態へと可変させる規制可変手段と、を備えることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5の奏する効果に加え、可変部材により入球手段を非規制状態から規制状態に可変させることができるので、入球手段へ遊技球が入球することを容易に制限できるという効果がある。
遊技機B6において、遊技球が入球することが可能な第3入球手段を有し、前記所定条件は、前記第3入球手段へ遊技球が入球することに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、第3入球手段へ遊技球が入球することに基づいて所定条件が成立するので、遊技者が規制状態から非規制状態へと意図的に可変させることができるという効果がある。
遊技機B7において、前記第3入球手段への遊技球の入球頻度を抑制する抑制手段を有するものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、抑制手段により第3入球手段への入球頻度が抑制されるので、入球手段が非規制状態に可変される頻度を低下でき、第2入球手段への入球を抑制することができるという効果がある。
遊技機B8において、前記抑制手段は、所定周期毎に、前記第3入球手段へ遊技球を誘導することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機8の奏する効果に加え、所定周期毎に、第3入球手段へ遊技球を誘導することが抑制手段により可能にされるので、安定して抑制しながらも一定に第3入球手段へ遊技球を誘導することができるという効果がある。
遊技機B8またはB9において、前記抑制手段は、前記遊技球を少なくとも1球保持可能な保持部を有した保持手段と、その保持手段を回動させて、前記保持部に有した遊技球を前記第3入球手段へと誘導させる誘導手段とを有するものであることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B8またはB9の奏する効果に加え、抑制手段は、遊技球を1球保持可能な保持部を有しており、回動させて第3入球手段へと保持させた遊技球を誘導するので、より確実に第3入球手段へと遊技球を周期的に誘導することができるという効果がある。
遊技機B10において、前記保持手段は、前記誘導手段により回動されることで、前記保持部に遊技球を受け入れ可能な許容位置と、前記保持部に遊技球が入球することを規制する規制位置とに可変されるものであることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B10の奏する効果に加え、誘導手段により回動されることで、保持手段が保持部に遊技球を受け入れ可能な許容位置と規制する規制位置とに可変されるので、遊技者に分かり易く保持部の状態を認識させることができるという効果がある。
<特徴C群:意図して入賞>
遊技領域へ遊技球を遊技者の操作に基づいて発射可能な発射手段と、前記遊技領域における特定の領域へ遊技球が到達可能となるように、遊技者の操作に基づいて前記発射手段による遊技球の発射を制御する発射制御手段と、前記特定の領域に配置され、遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値が付与される第1入球手段と、前記特定の領域に配置され、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第2入球手段よりも前記第1入球手段へと遊技球を誘導し易い第1状態と前記第1入球手段よりも前記第2入球手段へと遊技球を誘導し易い第2状態とに可変される可変部材と、前記第2状態から前記第1状態へと前記可変部材を可変させる可変制御手段と、前記第1状態から前記第2状態へと可変させる再可変制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機C1。
従来より、特定の状態(当たり状態)となった場合に、発射装置の発射強度を調整して遊技領域の所定箇所を狙う遊技性を備えた遊技機が知られている。(例えば、特開平9−308730号公報)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、上述した特定の状態中に、所定箇所以外に遊技球が発射されてしまうと意図しない入賞が発生してしまうことにより、遊技者にとって不利益となってしまう問題があった。このような意図しない入賞を抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機C1によれば、特定の領域に配置される第1入球手段へ入球させるためには、特定の領域に配置される第2入球手段へ遊技球を入球させることで、可変部材を第1状態へ可変させる必要がある。これにより、操作手段が所定の操作で操作されることに基づいて、第1入球手段と第2入球手段とが配置される特定の領域へ遊技球が発射されても、まず第2入球手段へ遊技球が入球することとなる。その結果、遊技者が意図せず(誤って)操作手段を所定の操作で操作してしまったとしても、第1入球手段へ遊技球が入球することがなく、意図しない入賞を抑制することができる。
遊技機C1において、前記再可変制御手段により前記可変部材を前記第1状態から前記第2状態へと可変させるタイミングを遊技者が選択して可変させることが可能な選択手段を有するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、可変部材が前記選択手段により第1状態から第2状態へと可変されるタイミングを選択して可変されるので、遊技者が遊技に直接参加することができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機C2において、前記選択手段は、前記第1入球手段に遊技球が所定数入球することに基づいて、前記可変部材を前記第1状態から前記第2状態へと可変させるものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技球を遊技者の操作で発射して、第1入球手段へと入球させることで、可変部材を第2状態へと可変させることができるので、遊技者が意図して第1入球手段を狙って遊技球を発射させることで第2入球手段へと遊技球を入球させ易くすることができるという効果がある。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記可変制御手段は、前記第2入球手段へ遊技球が入球することに基づいて、前記第2状態から前記第1状態へと前記可変部材を可変させるものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3の奏する効果に加え、第2入球手段への入球を制限することが容易にできるという効果がある。
遊技機C1からC4のいずれかにおいて、前記可変部材は、前記第1状態では、前記第2入球手段へと遊技球が入球することを規制する位置に配置され、前記第2状態では、前記第1入球手段へと遊技球が入球することを規制する位置に配置されるものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、前記可変部材により第1状態では、第2入球手段への入球が規制され、第2状態では、第1入球手段への入球が規制されるので、効率良く第1入球手段、第2入球手段への入球率を制限することができるという効果がある。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記特定の領域とは異なる領域に配置される第3入球手段と、その第3入球手段に遊技球が入球したことに基づいて識別情報の動的表示を所定期間実行する動的表示実行手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特定条件の成立を判定する判定手段と、その判定手段により特定条件が成立したと判定されたことに基づいて、前記動的表示実行手段により実行されている前記識別情報の動的表示を、前記所定期間の経過前に停止させる停止手段とを備えることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1からC5のいずれかの奏する効果に加え、第1入球手段への入球に基づいて特定条件の成立が判定手段により判定されると第3入球手段への入球に対応する識別情報の動的表示が所定期間の経過前に強制的に停止手段により停止させられるので、第3入球手段に対応する識別情報の動的表示を効率良く実行できるという効果がある。
<特徴D群>(スキップ報知)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示す第1識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記第1識別情報を所定期間、動的表示する動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示す前記第1識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、遊技球が入球可能な第2入球手段と、その第2入球手段に遊技球が入球する第1状態とその第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変部材と、その可変部材を所定条件の成立に基づいて、前記第1状態または前記第2状態に可変させる状態可変手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球することに基づいて、特定条件が成立した場合に、前記動的表示手段に動的表示されている前記第1識別情報を前記所定期間の経過前に停止させる停止手段と、前記可変部材が前記状態可変手段により前記第1状態に可変されている場合と前記第2状態とに可変されている場合とで、異なる演出を実行する演出実行手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D1。
従来より、始動口を遊技盤に備え、その始動口に遊技球が入球すると抽選を実行し、その抽選結果を表示装置にそれぞれ対応する図柄を所定期間変動表示させて遊技者に遊技の演出が行われる遊技機が提案されている(例えば、特開平9−308730号公報)。しかしながら、上記した遊技機では、遊技者の意図に介さず図柄の変更期間が一方的に選択されて決定されるので、遊技の効率が悪くなっていた。しかし、単に変動期間を短く構成することで効率を向上させると、遊技の演出が単調なものとなり、遊技の興趣が低下するという課題があった。よって、遊技の効率を上げながらも、遊技の興趣も向上できる遊技機が求められていた。そこで、遊技効率を向上させると共に、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機D1によれば、第2入球手段に入球させ、特定条件が成立することで、動的表示中の第1識別情報を所定期間の経過前に停止手段により強制的に停止される。可変部材が第2入球手段に遊技球が入球する第1状態に可変されている場合と、第2入球手段に入球が困難となる第2状態に可変されている場合とで異なる演出が演出実行手段により実行されるので、遊技者に第1識別情報を所定期間の経過前に停止させることが可能な状態であるか否かを演出することができ、遊技の効率を上げながらも遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機D1において、前記特定条件は、前記第2入球手段に遊技球が入球した場合に、前記特定の判定結果以外となる前記第1識別情報が動的表示されている場合を条件の少なくとも一つするものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、特定条件が特定の判定結果以外となる第1識別情報が動的表示している場合を成立条件の一つとしているので、特定の判定結果となる動的表示が所定期間の経過前に強制的に停止される不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機D1またはD2において、前記演出実行手段は、前記可変部材が前記状態可変手段により前記第1状態に可変されている場合には、第1演出を実行し、前記第2状態に可変されている場合には、第2演出を実行するものであり、前記第2演出は、所定条件が成立した場合に、異なる演出に切り替えられるものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、所定条件が成立したことにより、第2演出と異なる演出に切り替えられるので、第2演出と異なる演出が実行されるようにでき興趣を向上できるという効果がある。
遊技機D2またはD3において、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、前記判定手段の判定に使用する情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を前記判定手段に判定されるまで少なくとも記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された情報を前記判定手段により判定されるよりも前に判定する事前判定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D2またはD3の奏する効果に加え、第1入球手段に入球した場合に判定に使用される情報が判定手段に判定されるよりも前に事前判定手段により判定されるので、第1識別情報の動的表示が開始されるよりも前に、判定結果を使用した演出等を実行できるという効果がある。
遊技機D4において、演出実行手段は、前記事前判定手段により前記特定の第1判定結果とは異なると判定された場合に、少なくとも前記演出を実行するものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、事前判定手段により特定の第1判定結果とは異なると判定された場合に演出実行手段により演出が実行されるので、第2入球手段に入球させられるか否かを演出により遊技者が判別して、第2入球手段に入球させる準備を遊技者が事前に行うことができるという効果がある。また、演出実行手段により実行される演出により事前に判定結果を認識できるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機D4またはD5において、前記演出実行手段は、前記事前判定手段により新たに取得された情報が前記特定の判定結果となると判別されたことに基づいて、前記新たに取得された情報よりも以前に取得されている情報に対する前記第1識別情報の動的表示中に前記演出を実行するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D4またはD5の奏する効果に加え、演出実行手段により実行される演出が特定の判定結果となると判別された情報に対応する第1識別情報の動的表示が開始されるまで連続で実行されるので、演出実行手段により実行される演出により特定の判定結果となることの期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴E群>(スキップ演出)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1判定を実行する判定手段と、その判定手段による第1判定結果を示す第1識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記第1識別情報を動的表示する動的表示手段と、その動的表示手段により所定期間、動的表示される動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記第1判定結果を示す前記第1識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、遊技球が入球可能な第2入球手段と、を有し、前記判定手段は、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第2判定を実行し、前記第2判定で、前記第1判定における前記特定の第1判定結果となるよりも高い確率で特定の前記第2判定結果を判定するものであり、前記表示手段は、前記判定手段による第2判定結果を示す第2識別情報が表示されるものであり、前記動的表示手段は、前記第2識別情報を動的表示するものであり、前記動的表示態様決定手段は、前記第2識別情報の動的表示態様を決定するものであり、前記特定の第1判定結果とは異なる判定結果で表示される前記第1識別情報が動的表示されている場合に、前記特定の第2判定結果となる前記第2識別情報の動的表示が開始されることに基づいて、前記第1識別情報の動的表示を前記所定期間の経過前に停止させる停止手段を有し、前記動的表示態様決定手段は、前記特定の第2判定結果以外の判定結果である場合には、前記第2識別情報の動的表示態様として、既に動的表示されている前記第1識別情報の動的表示態様の演出を可変させる特殊動的表示態様を決定するものであることを特徴とする遊技機E1。
従来より、始動口を遊技盤に備え、その始動口に遊技球が入球すると抽選を実行し、その抽選結果を表示装置にそれぞれ対応する図柄を所定期間変動表示させて遊技者に遊技の演出が行われる遊技機が提案されている(例えば、特開平9−308730号公報)。しかしながら、上記した遊技機では、遊技者の意図に介さず図柄の変更期間が一方的に選択されて決定されるので、遊技の効率が悪くなっていた。しかし、単に変動期間を短く構成することで効率を向上させると、遊技の演出が単調なものとなり、遊技の興趣が低下するという課題があった。よって、遊技の効率を上げながらも、遊技の興趣も向上できる遊技機が求められていた。そこで、遊技効率を向上させると共に、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機E1によれば、第2入球手段に入球させ、特定条件が成立することで、動的表示中の第1識別情報を所定期間の経過前に停止手段により強制的に停止される。第2入球手段に入球した場合に、特定の第2判定結果とならないと、特殊動的表示態様に第1識別情報の動的表示態様も可変して表示されるので、動的表示されている第1識別情報の動的表示が特定の第1判定結果である期待感を持たせることができ、遊技の効率を上げながら、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機E1において、前記特殊動的表示態様は、前記第1識別情報に対応する専用の動的表示態様と、前記第2識別情報に対応する専用の動的表示態様とをそれぞれ含むものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、特殊動的表示態様は、第1識別情報に対応する専用の動的表示態様と第2識別情報に対応する専用の動的表示態様とがそれぞれ含まれるので遊技者に分かり易い遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E1または2において、前記特殊動的表示態様は、前記特典付与手段により前記特典が付与されるか否かを示す演出が含まれるものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、特殊動的表示態様が特典付与手段により特典が付与されるか否かを示す演出が含まれるので、遊技者に特典が付与されることを特殊動的表示態様により期待させることができるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、遊技者に有利となる特別遊技状態とその特別遊技状態よりも遊技者に不利となる通常遊技状態との少なくとも一方を設定可能な設定手段を有し、前記特典付与手段は、前記通常遊技状態が設定されている場合には、前記特定の第2判定結果に対して、前記特定の第1判定結果よりも遊技者に不利となる特典を付与し易く構成されており、前記特別遊技状態が設定されている場合には、前記特定の第2判定結果に対して、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な特典を付与し易く構成されているものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3の奏する効果に加え、通常遊技状態が設定されている場合には、特定の第2判定結果に対して、特定の第1判定結果よりも遊技者に不利な特典が付与され易く、特別遊技状態が設定されている場合には、特定の第2判定結果に対して、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特典を付与し易く構成されているので、特別遊技状態における遊技の興趣を向上できるという効果がある。また、通常遊技状態における第2入球手段にのみ遊技球を入球させて遊技を行う不正に対しても、不利な特典が付与され易く構成されているので、防止できるという効果がある。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、前記停止手段は、前記特定の第2判定結果とは異なる判定結果で表示される前記第2識別情報が動的表示されている場合に、前記特定の第1判定結果となる前記第1識別情報の動的表示が開始されることに基づいて、前記第2識別情報の動的表示を前記所定期間の経過前に停止させるものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4のいずれかの奏する効果に加え、特定の第2判定結果とは異なる判定結果で表示される第2識別情報が動的表示されている場合に、特定の第1判定結果となる第1識別情報の動的表示が開始されることに基づいて、第2識別情報の動的表示を所定期間の経過前に停止手段により停止されるので、第2識別情報の動的表示を効率良く行うことができるという効果がある。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて、遊技者が得られる特典が異なる複数の遊技状態から一の遊技状態を設定する状態設定手段を有し、前記動的表示態様決定手段は、前記状態設定手段により設定されている前記遊技状態に応じて、対応する前記特殊動的表示態様を決定するものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE5のいずれかの奏する効果に加え、状態設定手段により設定されている遊技状態に応じて特殊動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定されるので、遊技状態に対応した特殊動的表示態様に切り替えることができ、遊技の多様化を実現できるという効果がある。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
従来より、特定の状態(当たり状態)となった場合に、発射装置の発射強度を調整して遊技領域の所定箇所を狙う遊技性を備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献:特開平9−308730号公報)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、上述した特定の状態中に、所定箇所以外に遊技球が発射されてしまうと意図しない入賞が発生してしまうことにより、遊技者にとって不利益となってしまう問題があった。このような意図しない入賞を抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために本技術的思想1の遊技機は、遊技領域へ遊技球を遊技者の操作に基づいて発射可能な発射手段と、前記遊技領域における特定の領域へ遊技球が到達可能となるように、遊技者の操作に基づいて前記発射手段による遊技球の発射を制御する発射制御手段と、前記特定の領域に配置され、遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値が付与される第1入球手段と、前記特定の領域に配置され、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第2入球手段よりも前記第1入球手段へと遊技球を誘導し易い第1状態と前記第1入球手段よりも前記第2入球手段へと遊技球を誘導し易い第2状態とに可変される可変部材と、前記第2状態から前記第1状態へと前記可変部材を可変させる可変制御手段と、前記第1状態から前記第2状態へと可変させる再可変制御手段と、を備えている。
<効果>
本技術的思想1記載の遊技機によれば、遊技領域へ遊技球を遊技者の操作に基づいて発射可能な発射手段と、前記遊技領域における特定の領域へ遊技球が到達可能となるように、遊技者の操作に基づいて前記発射手段による遊技球の発射を制御する発射制御手段と、前記特定の領域に配置され、遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値が付与される第1入球手段と、前記特定の領域に配置され、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第2入球手段よりも前記第1入球手段へと遊技球を誘導し易い第1状態と前記第1入球手段よりも前記第2入球手段へと遊技球を誘導し易い第2状態とに可変される可変部材と、前記第2状態から前記第1状態へと前記可変部材を可変させる可変制御手段と、前記第1状態から前記第2状態へと可変させる再可変制御手段と、を備えている。これにより、特定の領域に配置される第1入球手段へ入球させるためには、特定の領域に配置される第2入球手段へ遊技球を入球させることで、可変部材を第1状態へ可変させる必要がある。よって、操作手段が所定の操作で操作されることに基づいて、第1入球手段と第2入球手段とが配置される特定の領域へ遊技球が発射されても、まず第2入球手段へ遊技球が入球することとなる。その結果、遊技者が意図せず(誤って)操作手段を所定の操作で操作してしまったとしても、第1入球手段へ遊技球が入球することがなく、意図しない入賞を抑制することができる。
10 パチンコ機(遊技機)
13 遊技盤(遊技領域)
81 第3図柄表示装置(表示手段)
112 発射制御装置(発射制御手段)
640 第2入球口(第1入球手段
640a 非電動役物(可変部材)
670 作動口(第2入球手段

Claims (2)

  1. 遊技領域へ遊技球を遊技者の操作に基づいて発射可能な発射手段と、
    前記遊技領域における特定の領域へ遊技球が到達可能となるように、遊技者の操作に基づいて前記発射手段による遊技球の発射を制御する発射制御手段と、
    前記特定の領域に配置され、遊技球が入球可能な第1入球手段と、
    前記特定の領域に配置され、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、
    前記特定の領域とは異なる領域に配置される第3入球手段と、
    その第3入球手段に遊技球が入球したことに基づいて識別情報の動的表示を所定期間実行することが可能な動的表示実行手段と、
    前記識別情報が特定の識別情報で停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、
    前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、前記識別情報が動的表示されている期間に特定条件の成立を判定することが可能な判定手段と、
    前記第1入球手段よりも前記第2入球手段に遊技球が入球し易くする第1位置と、前記第2入球手段よりも前記第1入球手段に遊技球が入球し易くする第2位置とに可変されることが可能な可変部材と、
    前記可変部材が前記第1位置に可変されている場合に、前記第2入球手段に第1所定数の遊技球が入球したことに基づいて、前記可変部材を前記第2位置へと可変させる第1可変手段と、
    前記可変部材が前記第2位置に可変されている場合に、前記第1入球手段に第2所定数の遊技球が入球したことに基づいて、前記可変部材を前記第1位置へと可変させる第2可変手段と、
    前記判定手段により特定条件が成立したと判定されたことに基づいて、前記動的表示実行手段により実行されている前記識別情報の動的表示を、前記所定期間の経過前に終了させる終了手段と、を有し、
    前記識別情報が動的表示されている期間に前記第1入球手段に入球し、特定条件が成立すると決定された場合には、前記特定条件が成立するまでの期間に対応した期間で構成された前記識別情報の動的表示が途中で終了されることを示す特定演出が実行されるものであることを特徴とする遊技機。
  2. 前記識別情報が動的表示される表示手段は、液晶ディスプレイで構成されているものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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