JP6145213B2 - 遺伝子組換えされた簡易生物学的インジケータを含む滅菌インジケータ - Google Patents

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Description

以前、本発明者らは、細菌芽胞を含む少なくとも1種の供試生物と、その供試生物により取り込まれインジケータ酵素を生成するための少なくとも1つのレポーター遺伝子と、前記レポーター遺伝子が少なくとも1つのインデューサーに曝露されるまで前記レポーター遺伝子の発現を抑制する少なくとも1つのリプレッサー遺伝子とを含む遺伝子組換えされた生物学的インジケータを開示し、前記遺伝子組換えされた生物学的インジケータは、例えば、小瓶と蓋の組み合わせなどの2コンパートメントシステムのような自己内蔵型生物学的インジケータの構成要素であり、前記2コンパートメントシステムは、前記遺伝子組換えされた生物学的インジケータのための増殖培地をさらに含む。例えば、米国特許第8,372,624号参照のこと。
米国特許第8,372,624号で開示された遺伝子組換え生物学的インジケータシステムおよび方法において、リプレッサー遺伝子はシステムがインデューサーに曝露されるまでレポーター遺伝子の発現を抑制する。このシステムおよび方法の使用においては、インデューサーの分解によるインジケータの変色および/またはレポーター遺伝子のように供試生物によって取り込まれなければならないリプレッサー遺伝子に関する課題を含む様々な問題点がある。例えば、滅菌プロセス中または遺伝子組換えされた生物学的インジケータシステムを作製するための処理において、このシステムが加熱される際に変色が観察されていた。加熱処理または他の滅菌プロセス(例えば、蒸気過酸化水素やエチレンオキシドなどの酸化滅菌プロセス)によってキシロースなどのインデューサーが分解され、褐色になるまたは変色すると考えられる。この褐変または変色は、滅菌不全を表す結果と関連した変化の検出の妨害につながる。当然ながら、これは試験の感度の低減につながるので望ましくない。インデューサーはリプレッサー遺伝子の効果を解消するために以前は必要とされた。リプレッサー遺伝子を除くことによりインデューサーを用いる必要はもはやなくなり、インデューサーに起因する褐変や変色問題を回避することができる。また、認識されるように、供試生物がレポーター遺伝子を取り込むように誘導するために用いられるベクターにリプレッサー遺伝子を含有させる必要性があると、遺伝子組換えされた生物学的インジケータシステムを製造するために行われる全処理が複雑化するだけである。これらの問題は解決されるべき課題である。
よって、このシステムの使用には問題があり、本発明者らは本発明を開発することによりこの問題に取り組んだ。本発明者らは、以前のシステムのように、細菌芽胞を含む前記少なくとも1種の供試生物と、供試生物に取り込まれインジケータ酵素を生成するための前記少なくとも1つのレポーター遺伝子とを含む遺伝子組換えされた新規の生物学的インジケータを開発し、前記遺伝子組換えされた生物学的インジケータは、自己内蔵型生物学的インジケータの構成要素である。しかし、本発明は、米国特許第8,372,624号に開示の遺伝子組換えされた生物学的インジケータシステムおよび方法に必要とされるリプレッサー遺伝子およびインデューサーを必要とせず、また、実際にこれらを除外している。
よって、本発明の一実施形態によると、
遺伝子組換えされた生物学的インジケータを含有し、滅菌中に前記生物学的インジケータを滅菌媒体と接触させることができるように構成された第1コンパートメント、および
少なくとも1つの酵素基質を含有し、滅菌中に前記酵素基質を前記生物学的インジケータから分離して維持し、前記生物学的インジケータが前記滅菌媒体に曝露された後に前記酵素基質が前記生物学的インジケータに接触することができるように構成された第2コンパートメント、を備える滅菌インジケータであって、
前記遺伝子組換えされた生物学的インジケータは、少なくとも1つの供試生物およびインジケータ酵素を生成するのに適し、前記供試生物によって取り込まれる少なくとも1つのレポーター遺伝子を含み、
前記滅菌インジケータにおける供試生物は、前記供試生物中または滅菌インジケータに存在する場合に前記レポーター遺伝子の発現を抑制しうる活性リプレッサー遺伝子または活性化可能なリプレッサー遺伝子を含まず、かつ
前記インジケータ酵素および前記酵素基質は、前記酵素基質に対する前記インジケータ酵素の酵素作用により検出可能な信号が生じるように選択される、滅菌インジケータが提供される。
一実施形態において、前記レポーター遺伝子は、少なくとも1つのプラスミドおよび/または少なくとも1つのウイルスを用いて前記供試生物によって取り込まれる。
一実施形態において、前記供試生物は、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)および/またはバチルス・アトロファエウス(Bacillus atrophaeus)の芽胞を含む。
一実施形態において、前記レポーター遺伝子は、lacZ、bgaB、xylE、cat、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む。
一実施形態において、前記インジケータ酵素は、β−D−ガラクトシダーゼ、β−D−グルコシダーゼ、α−D−グルコシダーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、ブチレートエステラーゼ、カプリレートエステラーゼリパーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、カテコール−2,3−ジオキシゲナーゼ、ミリステートリパーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ、バリンアミノペプチダーゼ、キモトリプシン、ホスホヒドロラーゼ、α−D−ガラクトシダーゼ、α−L−アラビノフラノシダーゼ、N−アセチル−β−グルコサミニダーゼ、β−D−セロビオシダーゼ、アラニンアミノペプチダーゼ、プロリンアミノペプチダーゼ、チロシンアミノペプチダーゼ、フェニルアラニンアミノペプチダーゼ、β−D−グルクロニダーゼ、脂肪酸エステラーゼ、またはそれらの2つ以上の混合物を含む。
一実施形態において、前記レポーター遺伝子は、lacZまたはbgaBを含み、前記インジケータ酵素は、β−D−ガラクトシダーゼを含む。
一実施形態において、前記プラスミドは、レポーター遺伝子を含み、リプレッサー遺伝子を含まない。
一実施形態において、前記ウイルスは、カプシドによって囲まれた核酸およびレポーター遺伝子を含み、リプレッサー遺伝子を含まない少なくとも1つの遺伝子輸送体を含む。一実施形態において、前記ウイルスは、少なくとも1つのバクテリオファージを含む。一実施形態において、前記ウイルスは、λバクテリオファージまたはM13バクテリオファージを含む。
本発明の他の実施形態によると、
遺伝子組換えされた生物学的インジケータを含有し、滅菌中に前記生物学的インジケータを滅菌媒体と接触させることができるように構成された第1コンパートメント、および
少なくとも1つの酵素基質を含有し、滅菌中に前記酵素基質を前記生物学的インジケータから分離して維持し、前記生物学的インジケータが前記滅菌媒体に曝露された後に前記酵素基質が前記生物学的インジケータに接触することができるように構成された第2コンパートメント、を備える滅菌インジケータであって、
前記遺伝子組換えされた生物学的インジケータは、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルスおよび/またはバチルス・アトロファエウスの芽胞、ならびにゲオバチルス・ステアロサーモフィルスおよび/またはバチルス・アトロファエウスの芽胞によって取り込まれ、インジケータ酵素を生成するためのlacZ、bgaB、xylE、およびcatから選択される少なくとも1つのレポーター遺伝子を含み、
前記滅菌インジケータにおける前記ゲオバチルス・ステアロサーモフィルスおよび/またはバチルス・アトロファエウスの芽胞は、前記供試生物中または滅菌インジケータに存在する場合に前記レポーター遺伝子の発現を抑制しうる活性リプレッサー遺伝子または活性化可能なリプレッサー遺伝子を含まず、かつ
前記インジケータ酵素および前記酵素基質は、前記酵素基質に対する前記インジケータ酵素の酵素作用により検出可能な信号が生じるように選択される、滅菌インジケータが提供される。
一実施形態において、前記インジケータ酵素は、β−D−ガラクトシダーゼ、β−D−グルコシダーゼ、α−D−グルコシダーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、ブチレートエステラーゼ、カプリレートエステラーゼリパーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、カテコール−2,3−ジオキシゲナーゼ、ミリステートリパーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ、バリンアミノペプチダーゼ、キモトリプシン、ホスホヒドロラーゼ、α−D−ガラクトシダーゼ、α−L−アラビノフラノシダーゼ、N−アセチル−β−グルコサミニダーゼ、β−D−セロビオシダーゼ、アラニンアミノペプチダーゼ、プロリンアミノペプチダーゼ、チロシンアミノペプチダーゼ、フェニルアラニンアミノペプチダーゼ、β−D−グルクロニダーゼ、脂肪酸エステラーゼ、またはそれらの2つ以上の混合物を含む。
本発明の他の実施形態によると、滅菌プロセスであって、
滅菌される物品および上記滅菌インジケータを、滅菌媒体に曝露する工程と、
前記第1コンパートメントおよび前記第2コンパートメントの内容物を混合する工程と、
前記第1コンパートメントおよび前記第2コンパートメントの混合物を培養する工程と、
培養後に、検出可能な信号の有無を検出することにより前記滅菌プロセスの有効性を判定する工程とを含む、滅菌プロセスが提供される。
一実施形態において、前記滅菌プロセスにおいて、前記滅菌媒体は、蒸気、乾熱、放射線、プラズマ、1つ以上のガス状滅菌剤、および/または1つ以上の液状滅菌剤を含む。
一実施形態において、前記滅菌プロセスにおいて、前記滅菌媒体は、電子ビーム放射線、電磁放射線、γ放射線、β放射線、エチレンオキシド、ガス状過酸化水素、液状過酸化水素、ホルマリン、グルタルアルデヒド、および/または過酢酸を含む。
本発明は、米国特許第8,372,624号のシステムに対して、いくつかの利点の1つ以上を提供し得る。リプレッサー遺伝子を除去することまたはその活性をノックアウトすることによって、インデューサーの必要性もなくなる。遺伝子の活性を「ノックアウト」することは、挿入突然変異や欠失突然変異によって、またはその遺伝子を含まないウイルスまたはプラスミドで野生型宿主生物を再度形質転換することによってなされてもよい。例えば、キシロース等のインデューサーは、場合によっては、米国特許第8,372,624号のシステムの適切な機能を意図せず妨げうるので、そのインデューサーを除外することにより、この可能性も完全になくなる。リプレッサーおよびインデューサーのどちらも必須成分ではないので、リプレッサー遺伝子を除去することによって、本発明は、遺伝子組換えされた生物学的インジケータを含む滅菌インジケータの製造コストと煩雑さを低減するという利益も提供する。リプレッサーを除去することによって、トランスフェクションベクターは、構成的にそのレポーター酵素を発現することができ、このことは、抑制がない時には、レポーター遺伝子の生成物はより高レベルで生成され、インジケータの感度が増加することを意味する。したがって、この滅菌インジケータの製造に関与する工程の数や複雑さは低減され、およびこれらの今は不要となった成分のコストやそれらの取り扱いがなくなる。最終的に、分解したインデューサーによる吸光がなくなることで、滅菌インジケータが滅菌処理され、培養され、その結果を判定する際に、読取り装置における感度と信号強度がさらに増加する。
図1は、前活性化構成における、本発明の実施形態用に適した滅菌インジケータの第一実施形態の概略断面図である。 図2は、活性化構成における図1の滅菌インジケータの概略断面図である。 図3は、図1の構成と同様に、前活性化構成における、本発明の実施形態用に適した滅菌インジケータの第2実施形態の概略断面図である。 図4は、キシロースを含有しない回復培地への0回、1回、および2回の高圧蒸気滅菌サイクルの効果を表すグラフである。 図5は、1%のキシロースを含有する回復培地への0回、1回、および2回の高圧蒸気滅菌サイクルの効果を表すグラフである。
本発明は、様々な滅菌インジケータ装置に有用でありうる。添付図は、本発明をよりよく理解するために適切な滅菌装置の非限定的1例を提供するように意図されるが、本発明を限定することを意図するものではない。添付図において、同様の部分や特徴が同様の参照符号で示される。
なお、図の簡略化および明瞭化のために、図面に示された要素は必ずしも一定の縮尺に従って描かれているわけではないということは理解されるべきである。例えば、明瞭化のために、その要素のいくつかの寸法は、互いに相対的に誇張されて描かれていてもよい。さらに、適切であると考えられる場合、対応する要素を示すために参照符号は図において繰り返されている。
さらに、下記の処理工程および構造は最終的に使用可能な滅菌インジケータを作製するための全処理フローを形成していなくてもよいということは理解されるべきである。本発明は、専門技術において現在使用されている装置および処理技術と組み合わせて実施することができ、本発明を理解するために必要であるような通常実施される大半の処理工程のみが包含される。
用語「滅菌」は、物質を複製、代謝、および/または増殖できない状態にすることをいう。これは、生存生物が全く存在しないことを意味するようにしばしばとられるが、本明細書において、この用語を用いて、事前に許容されうる程度に生存生物を含まない物質を表してもよい。他に特に示さない限りは、本明細書において、滅菌なる用語を用いて、例えば、消毒、衛生化などの滅菌よりも厳密ではない方法や手順を表してもよい。本明細書に記述された遺伝子組換えされた生物学的インジケータ、プロセス、および装置は、ヘルスケア分野、科学分野などにおいて使用されてもよい。これらは、滅菌、消毒、衛生化、汚染除去、洗浄などが望ましい商業用途および産業用途において使用されてもよい。前記商業用途および産業用途は、食品加工、低温殺菌、土壌浄化、水浄化などのプロセスを含んでもよい。
開示された滅菌インジケータを用いてもよい滅菌プロセスは、任意の滅菌プロセスを含んでもよい。滅菌プロセスは、滅菌媒体または滅菌剤が1つ以上のガス状滅菌剤、1つ以上の液状滅菌剤などのみならず、蒸気、乾熱、放射線、プラズマを含みうる滅菌プロセスを含んでもよい。放射線は、電子ビーム、あるいは電離放射線、白色パルス光または紫外光、マイクロ波などを含む任意の電磁スペクトルを含んでもよい。放射線は、γ放射線やβ放射線を含んでもよい。ガス状滅菌剤は、エチレンオキシド、ガス状過酸化水素などを含んでもよい。液状滅菌剤は、ホルマリン(水に溶解したホルムアルデヒドガスであり、場合によっては毒性物質の形成を抑制するためにメタノールを含有してもよい)、グルタルアルデヒド、過酢酸、液状過酸化水素などを含んでもよい。
遺伝子組換えされた生物学的インジケータを用いて、遺伝子組換えされた生物学的インジケータとともに提供される供試生物よりも滅菌プロセスに対する耐性が低い任意の標的微生物に対する滅菌剤の致死性を調べてもよい。これらの標的微生物は、ブドウ球菌および連鎖球菌種、クリプトスポリジウムなどの他のヒト病原微生物のみならず、大腸菌、レジオネラ菌種、カンピロバクター菌種、およびその他の腸内細菌などの細菌を含んでもよい。
生物の増殖は、数多くの細胞プロセスが組み合わされた結果を含み得る。典型的な滅菌インジケータ用途において、いくつかの様式でこのことが観察されうる。細胞が増殖し分裂するにつれて、細胞数は、細胞の支持培地が透明から、濁り、不透明(混濁)へと変化しうる点まで増加する。増殖の観察を容易にするために、pH指示染料を用いてもよい。増殖はエネルギーを必要とする。このエネルギーは、支持培地に含有される栄養素を代謝する細胞の能力によって提供されてもよい。このプロセスの分解生成物は、支持培地を酸性にしてもよい。この酸性度は、pH指示染料(例えば、フェノールレッド)の変色を引き起こしてもよい。結果として、増殖は、例えば、支持培地が鮮明な赤から黄色、そして混濁した黄色の状態へと変化することとして観察されてもよい。これらのプロセスは遅いが、生命の説得力のある証拠を示し、様々な無菌保証規制機関によって基準として一般的に受け入れられている。標的酵素またはレポーター酵素(例えば、α−グルコシダーゼ)の活性の関数としての、生存率を間接的に測定することによって、滅菌の指標を得るために必要とされる時間を短縮することができる。しかし、上述したように、このプロセスは最終的な確認としてまだ増殖させる必要がありうる。増殖と老廃物の蓄積は生命プロセスの最終結果であるから、これらが明白になるためにはかなりの時間を要する(24〜72時間)。
本発明において、インジケータ酵素(例えば、β−ガラクトシダーゼ)を生成するのに好適なレポーター遺伝子(例えば、lacZ)は、好適な媒体(例えば、プラスミドやウイルス)を用いて供試生物(例えば、細菌性微生物)によって取り込まれてもよい。従来技術と対比して、本発明では、リプレッサー遺伝子は供試生物中に含まれておらず、リプレッサーを用いていないので、インデューサーはレポーター遺伝子の効果を克服する必要はない。従って、本発明は、滅菌後の検知可能な生命の徴候が不明瞭になりうることを避け、レポーター遺伝子の発現を抑制しないので、より早い時点で滅菌が有効であるかまたは滅菌できていないかの確証を得ることが可能になる。滅菌プロセスに曝露されるものは、供試生物が生き残り増殖するために用いる種々の生命に関する機構であり、インジケータ酵素の生成のためにも用いられる。これらは、細胞の増殖(およびプラスミドの複製)のために用いられるDNAポリメラーゼ、供試生物(およびプラスミドまたはウイルス由来レポーター遺伝子、例えば、lacZ)の代謝に必要なものである転写のためのRNAポリメラーゼ、および細胞タンパク質の翻訳(とインジケータ酵素の発現)のために必要とされるリボソームのポリソームを含んでもよい。インジケータ酵素は、信号発生機構として迅速に作用しうるので、供試生物の生命に関する増殖機構の累積最終結果に結びつけられた場合よりも生き残った生物の存在がより早く明らかになりうる。
供試生物は、目的の滅菌プロセスに対して、滅菌プロセスよって滅せられる他の生物を超える耐性を持つ任意の生物を含んでもよい。使用される供試生物の種類は、使用する滅菌プロセスの種類によって例示される様々な要因に依存し得るが、それらに限定されない。供試生物は微生物でもよい。使用されうる菌株は、滅菌に用いられる処理に対して最も耐性を持つものでもよい。供試生物は、1つ以上の細菌、病原体、グラム陰性生物、グラム陽性生物、栄養増殖型生物、ウイルス、非自己複製病原体、細胞の細胞分画物または生成物、および/またはプリオンを含んでもよい。細菌性微生物は、内生芽胞、すなわち、細菌芽胞を形成するものであってもよい。供試生物は、バチルス属、ゲオバチルス属、またはクロストリジウム属の細菌を含んでもよい。これらは、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス、バチルス・アトロファエアス、枯草菌、バチルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、クロストリジウム・スポロゲネス(Clostridium sporogenes)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、枯草菌グロビギ(Bacillus subtilis globigii)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、大腸菌などを含んでもよい。最も一般的に用いられる二種類の供試生物は、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルスおよびバチルス・アトロファエウスであり、芽胞の形態が最も多く好ましい。当該技術において知られているように、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルスはバチルス・ステアロサーモフィルスとしても知られている場合がある。
供試生物は、菌類、マイコバクテリア、原生動物、栄養増殖型細菌などをさらに含んでもよい。使用されうる菌類の例としては、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、カンジタ・アルビカンス(Candida albicans)、毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)、ワンギエラ・デルマチチジス(Wangiella dermatitis)などが挙げられうる。使用されうるマイコバクテリアの例としては、マイコバクテリウム・ケロネー(Mycobacterium chelonae)、マイコバクテリウム・ゴルドネ(Mycobacterium gordonae)、マイコバクテリウム・スメグマチス(Mycobacterium smegmantis)、マイコバクテリウム・テラエ(Mycobacterium terrae)、ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)などが挙げられうる。使用されうる原生動物としては、ランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)、クリプトスポリジウム・パルバム(Cryptosporidium parvum)などが挙げられうる。使用されうる栄養増殖型細菌としては、エロモナス・ハイドロフィラ(Aeromonas hydrophila)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、ストレプトコッカス・フェカリス(Streptococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、化膿レンサ球菌(Streptococcus pyrogenes)、大腸菌、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、メチロバクテリウム(Methylobacterium)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、豚コレラ菌(Salmonella choleraesuis)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、ミクロコッカス・ラディオデュランス(Micrococcus radiodurans)、ディノコッカス・ラディオデュランス(Deinococcus radiodurans)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)などが挙げられうる。ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス、バチルス・アトロファエウス、枯草菌、バチルス・コアグランス、クロストリジウム・スポロゲネスなどの生物は、湿熱滅菌(高圧蒸気滅菌)の有効性を判定するために用いられてもよく、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルスが特に有用である。
栄養増殖型細菌などの栄養増殖型生物、栄養増殖型細胞および/またはそれらの構成部位は、供試生物として用いられてもよい。例として、大腸菌種および内生芽胞を形成しない細胞が挙げられ、例えば、エロモナス・ハイドロフィラ、エンテロコッカス・フェカリス、ストレプトコッカス・フェカリス、エンテロコッカス・フェシウム、化膿レンサ球菌、大腸菌、クレブシエラ(ニューモニエ)、レジオネラ・ニューモフィラ、メチロバクテリウム、緑膿菌、豚コレラ菌、ヘリコバクター・ピロリ、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、ステノトロホモナス・マルトフィリアなどが挙げられうる。
これらの供試生物は、1つ以上の賦形剤とともに用いられてもよい。賦形剤は、不安定な物体を安定させるために用いてもよい広い種類の一般的に不活性な化合物として定義されうる。使用されうる賦形剤の小区分は、例えば、オリゴ糖や多糖類などの炭水化物を含む。このような化合物の例として、二糖であるトレハロースが挙げられうる。ある生物の組織内における高濃度のトレハロースによって、その生物は水欠乏状態においても生き残ることができる。トレハロースは、脱水後の機能的細胞成分を回復させるために用いられてもよい。トレハロースは、極限の環境条件下(例えば、凍結乾燥)で細胞の生存にとって不可欠な膜や他の巨大分子構造に安定性を与えうる。他の安定化賦形化合物は、単糖(例えば、スクロース、グルコース、マルトースなど)および長鎖高分子(例えば、デキストラン、デンプン、アガロース、セルロースなど)を含んでもよい。他の非炭水化物系賦形剤は、タンパク質、ホスホネート、緩衝剤、ワックス、脂質、油、および他の炭化水素系材料を含んでもよい。
供試生物は、1つ以上の非自己複製病原体および/または細胞の細胞分画物または生成物を含んでもよい。臨床的に意義があるので、またはバイオテロリズムの媒介物として利用されるので、これらは使われうる。これらのインジケータ材は、自然または人為的な改変により抗生物質療法または化学消毒の通常の手段に対して今では耐性を持ちうる細胞菌株を含みうる。前者のタイプの例としては、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)、MSRA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、マイコバクテリウム・ケロネーなどが挙げられうる。VREとMRSAは、治療上の対抗策に対して耐性(例えば、抗生物質耐性)をもち、マイコバクテリウム・ケロネーは消毒のいくつかの様式に対して耐性(例えば、グルタルアルデヒド耐性)を持つので、これらが用いられてもよい。
供試生物は、1つ以上の新たに発生した生物を含んでもよい。これらは、一連の治療活動または消毒への特別なリスクや課題を示しうる。これらのインジケータ材の例としては、プリオンが挙げられる。プリオンは、それ自体生きている生物ではないが、疾病原因媒介物としてのその機能はその構造に関係しており、この構造活性相関は、その相対的感染力を判定するために利用されてもよい。細胞内の要素およびタンパク性プリオンのみならず、他の非自律媒介物(例えば、ウイルス)が用いられてもよい。
供試生物に取り込まれるレポーター遺伝子は、インジケータ酵素を生成するために提供され、lacZ、bgaB、xylE、cat、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含んでもよい。用語「lacZ」は、β−ガラクトシダーゼをコードする遺伝子をいう。用語「bgaB」は、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス由来の耐熱性β−ガラクトシダーゼをコードする遺伝子をいう。用語「xylE」は、シュードモナス・プチダ由来のカテコール−2,3−ジオキシゲナーゼをコードする遺伝子をいう。用語「cat」は、例えば、pC194由来の、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子をいう。用語「pC194」は、特定のプラスミドコンストラクトをいう。レポーター遺伝子について上述したことは、特に、バチルス・アトロファエウスを含む他の生物にも当てはまる。
レポーター遺伝子を供試生物に挿入(または形質移入)するための媒体は、1つ以上のプラスミドおよび/または1つ以上のウイルスを含んでもよい。これらの媒体はベクターと呼ばれうる。プラスミドは、染色体DNAとは分離した環状二重鎖DNAを有し得る。プラスミドは、線状でもよい。プラスミドのサイズは、約2000〜約20000塩基対(bp)の範囲でもよく、一実施形態においては、約5000〜約12000bpの範囲でもよい。同じプラスミドの1つ以上のコピー(例えば、1〜約3000コピー、一実施形態においては、1〜約60コピー、および、一実施形態においては、約20〜約3000コピー)が、供試生物の単一の細胞によって取り込まれてもよい。プラスミドは、複製開始点として機能する1つ以上のDNA配列を含有してもよい。プラスミドは、1つ以上の遺伝的マーカーを含有してもよい。プラスミドは、DNA断片の挿入を可能にする1つ以上の制限酵素切断部位を含む比較的短い領域でもよいポリリンカーまたはマルチクローニングサイト(MCS)を含有してもよい。プラスミドは、供試生物がプラスミドを保持するように仕向ける選択マーカーを提供する1つ以上の遺伝子を含有してもよい。選択マーカーは、抗生物質耐性遺伝子および/または栄養資化能を持つ遺伝子を含んでもよい。プラスミドは、接合のプロセス、つまり他の細菌へのプラスミドの無性伝播、を行いうるtra遺伝子(転移オペロン)を含有する接合性プラスミドを含んでもよい。
プラスミドは、少なくとも1つの複製開始点、少なくとも1つの選択マーカー、少なくとも1つの誘導性プロモーター、および少なくとも1つのレポーター遺伝子を含んでもよい。選択マーカーは、抗生物質耐性遺伝子および/または外因性栄養資化能を持つ遺伝子を含んでもよい。これらは、クロラムフェニコール、アンピシリンまたはスペクチノマイシン抗生物質遺伝子、および/またはキシロースまたはラクトース栄養資化遺伝子を含んでもよい。誘導性プロモーターは、PxylAを含んでもよい。用語「PxylA」は、活性xylR調節機能存在下で、活性を保つためにキシロースを必要とする転写プロモーターをいう。レポーター遺伝子は、lacZ、bgaB、xylE、およびcatなどを含んでもよい。プラスミドは、2つの複製開始点を含んでもよい。複製開始点の1つは、グラム陰性複製開始点を含んでもよく、もう一方の複製開始点はグラム陽性複製開始点を含んでもよい。グラム陰性複製開始点は、大腸菌を含んでもよい。グラム陽性複製開始点は、枯草菌、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス、またはバチルス・アトロファエウスを含んでもよい。プラスミドは、約2000〜約20000bpを含有してもよく、一実施形態においては、約5000〜約12000bpを含有してもよい。
天然に存在するプラスミドは、天然の広い範囲の宿主生物に渡って存在する。これらは、遺伝子、調節エレメント、および/またはDNAの構造片を含んでもよい。プラスミドは、通常、その宿主生物にいくつかの利点(例えば、抗生物質耐性またはエネルギーである特定の栄養源を使うための能力)を提供し、この有利な関係が存在しうる限り、宿主生物によって許容されうる。遺伝子組換えされたプラスミドは、目的の遺伝子、調節エレメント、および/または構造片の寄せ集めを含んでもよい。多くの天然(および以前設計された)プラスミドが入手可能なので、広い遺伝子の選択肢がある。例えば、利用される遺伝子は、完成したコンストラクトの所望の性質に基づいて選択されてもよい。これらの性質は、有用な宿主生物の全範囲を形質転換するための能力を含み、宿主生物に対していくつかの選択優位性(例えば、抗生物質耐性)を提供し、必要に応じて、耐熱性で迅速検出可能な信号を生成し、オンにすることが望まれるまでその信号をオフにするように備えてもよい。このことは、様々なソースプラスミドからDNAセグメントの形態を有する必須の特質をともにつなぎ合わせること(ライゲーション)によって、成し遂げられてもよい。例えば、断片はグラム陽性とグラム陰性生物にとっての複製開始点を含んでもよく、クロラムフェニコール耐性のためのcat遺伝子、耐熱性β−ガラクトシダーゼのためのbgaB遺伝子を含み、かつ必要とされるまでbgaB遺伝子産物を調節するためのxylR制御因子を任意に含んでもよい。
特定の設計のプラスミドは、所望の遺伝要素を組み合わせることによって構築されてもよい。遺伝要素は、ドナープラスミドまたは生物からの所望の遺伝子配列の制限消化によって、他の遺伝子配列と容易に連結されうるDNAの末端を生成することによって組み合わされてもよい。典型的に、5’または3’オーバーハングは、制限消化を介してライゲーションの標的である両方の配列上に生成されてもよい。消化後に、標的配列は精製されてから酵素(リガーゼ)によって連結される。プラスミドは、クロラムフェニコール耐性のためのcat遺伝子のみならず、グラム陽性生物とグラム陰性生物の両方にとっての複製開始点を含むベースプラスミドを組み合わせることによって構築してもよい。cat遺伝子のベースセグメントへの適切な結合を確認した後に、このプロセスはbgaB遺伝子セグメントとこの遺伝子のためのターミネーターT1とT2に対して繰り返されてもよい。遺伝要素の完全な組み立ておよび適切な組み立てと方向を確認でき次第、プラスミドは供試生物として用いられうる宿主生物に挿入されてもよい。
ビリオンと呼ばれうる完全なウイルス粒子は、カプシドと呼ばれうるタンパク質の保護膜によって囲まれた核酸を含みうる遺伝子輸送体であってもよい。カプシドは、ウイルスゲノムによってコードされたタンパク質を含んでもよく、その形は形態学的に区別するための基準として役立ちうる。プロモーターと呼ばれうるウイルスにコードされたタンパク質ユニットは、カプシドを形成するために自己組織化してもよく、ウイルスゲノムからの入力を必要としないが、いくつかのウイルスは、カプシドの構築を助けうるタンパク質をコードしてもよい。核酸と会合するタンパク質は、核タンパク質としてより技術的に知られ、ウイルスカプシドタンパク質とウイルス核酸との会合体はヌクレオカプシドと呼ばれうる。ウイルスは、生存生物であると考えなくてもよく、宿主細胞外で自己増殖するための手段を持たなくてもよい。本明細書で細菌とともに用いられるウイルスは、バクテリオファージまたはファージと呼ばれてもよい。ウイルスの例としては、λバクテリオファージまたはM13バクテリオファージが挙げられうる。まず非組み換えファージDNAをエンドヌクレアーゼで切断し、その後でDNA片を新しく形成された2つの末端に結合することによって、レポーター遺伝子はウイルス中に挿入されうる。
媒体(例えば、プラスミドやウイルス)は、例えば、プラスミドを用いた形質転換または接合により、あるいは、例えばウイルスを用いた形質導入または形質移入により、供試生物によって取り込まれてもよい。
レポーター遺伝子によって生成されうる前記インジケータ酵素は、β−D−ガラクトシダーゼ、β−D−グルコシダーゼ、α−D−グルコシダーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、ブチレートエステラーゼ、カプリレートエステラーゼリパーゼ、ミリステートリパーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ、バリンアミノペプチダーゼ、キモトリプシン、ホスホヒドロラーゼ、α−D−ガラクトシダーゼ、α−L−アラビノフラノシダーゼ、N−アセチル−β−グルコサミニダーゼ、β−D−セロビオシダーゼ、アラニンアミノペプチダーゼ、プロリンアミノペプチダーゼ、チロシンアミノペプチダーゼ、フェニルアラニンアミノペプチダーゼ、β−D−グルクロニダーゼ、脂肪酸エステラーゼ、またはそれらの2つ以上の混合物を含んでもよい。これらの耐熱性または熱不安定性対応物は、選択された宿主生物にとっての好適な培養条件に応じて用いられてもよい。
遺伝子組換えされた生物学的インジケータは、任意の適した手順を用いて滅菌プロセス中に滅菌媒体に曝露されてもよい。
開示された生物学的インジケータを含有する滅菌インジケータは、滅菌プロセスが有効であるか否かを判定するために、滅菌プロセス中に滅菌インジケータを滅菌媒体に曝露してから、酵素基質に曝露する任意の処理において用いられてもよい。滅菌プロセスは、ガス状滅菌剤または液状滅菌剤、乾熱、放射線などを利用してもよい。滅菌インジケータは、滅菌される物品とともに滅菌プロセス中に滅菌媒体に曝露されてもよい。滅菌プロセスが完了し次第、遺伝子組換えされた生物学的インジケータは、少なくとも1つの酵素基質を含む回復培地または培養培地と混合される。その後、遺伝子組換えされた生物学的インジケータは、酵素基質とともに所望の時間培養され、検査されて、滅菌プロセスが有効であったか否かを判定してもよい。
遺伝子組換えされた生物学的インジケータは、2つの別々のコンパートメントを備える容器を含む自蔵式滅菌インジケータに用いられてもよい。そのコンパートメントのうち1つは、生物学的インジケータを含有してもよい。もう一方は、前記少なくとも1つの酵素基質を含む回復培地を含有してもよい。使用に際し、滅菌インジケータと滅菌される物品は、滅菌媒体に曝露されてもよい。滅菌後、滅菌プロセスが有効であったか否かを判定するために、滅菌インジケータは、遺伝子組換えされた生物学的インジケータが回復培地と十分接触するように活性化されてもよい。これらの滅菌インジケータは、生物学的インジケータが滅菌媒体に曝露されうる任意の滅菌プロセス、例えば、ガス状滅菌剤を利用する滅菌プロセスで用いられてもよい。
図面を参照すると、図1および図2は、本発明の第1の例示的な実施形態における滅菌インジケータシステム10を示す。このインジケータシステム10は、容器30に取り付け可能な蓋20を備える。容器30は、閉じた底端31、開口した上端を含み、内部空間34を規定する。蓋20は、外壁22、開口した下端、および閉じた上端23を有する。蓋は、蓋の外壁の内側に配置され、別個の壁を形成し、内側のチャンバ26を規定する1つの内壁(または複数の内壁)24も含む。内側のチャンバ26は、壁24の底端に隣接した開口25を含む。チャンバ26は、流体50を含有し、流体50をチャンバ26内に被包するために、蓋20は、チャンバ26の開口25周りに配置された破損可能障壁40を含む。
図1および図2で図示された実施形態において、インジケータシステムは、蓋20が容器30にスナップフィット関係で取り付けられるように構成されている。図示されていないが、別の実施形態において、インジケータシステムは、蓋が容器とねじ山によって係合するねじ関係で、蓋が容器に取り付けられるように構成されてもよく、このシステムは、容器に対して蓋を回転すること、例えば、容器に対し蓋を更にねじって締めることによって活性化する。図1および図2に示されるように、容器30は、容器の上端に隣接するまたは近くの隆起または縁を形成する環状の突起32を含む。蓋20は、蓋の底に隣接した隆起または縁を形成する環状の突起29を含む。蓋20は、蓋の隆起29を容器の隆起32上を滑らせることによって容器30に取り付けられてもよい。容器30の隆起32は、蓋20の隆起29と係合して蓋20と容器30が分離することを防ぐ。外部下向きの力を蓋20に加えることなしに蓋20が下向きに滑ることを防ぐために、蓋20および容器30は、隆起32が蓋20に対して十分な大きさの圧力を及ぼすようなサイズにしてもよい。このように、インジケータの活性化が望まれる時間まで、破損可能障壁40が穿刺部材と接しないようにおよび/または穿刺部材によって壊れないように、破損可能障壁40は、穿刺部材36の先端38から離れて維持されていてもよい。
図1および図2に示すように、容器30は、破損可能障壁40を壊すように構成される。容器は、破損可能障壁40を有する蓋20が下向きに動かされ、障壁40が突起36の先端38と接した時に、破損可能障壁40を壊すまたは穴をあけるように構成された先端38を有する1つ以上の突起36(ここでは、「穿刺部材」とも呼ばれうる)を含む。穿刺部材36は、容器の内側の底壁37と一体で上方向に延びるように示されている。図示されていないが、他の実施形態において、穿刺部材36は、側壁35と内側の底壁37の両方から延びてもよい。
滅菌プロセスを評価するために、較正濃度の微生物は、容器30の内部34内に置かれる。微生物は、容器の壁35上に直接置かれてもよく、容器30内に配置される支持部材(例えば、支持部材70)上に提供されてもよい。他の実施形態において、微生物は、底壁37に直接置かれてもよい。その後、回復培地充填蓋20を容器30に取り付けることによって、滅菌インジケータは組み立てられる。上述したように、蓋20を容器30にスナップフィットすること、あるいは、例えば、ねじ取り付けによって蓋20を取り付けてもよい。図1を参照して、回復培地充填蓋20は、破損可能障壁40が無傷なまま穿刺部材36によって穴をあけられないような第1非活性化位置(あるいは、開位置)において、容器30に取り付けられる。望ましくは、第1非活性化位置において、破損可能障壁40は、穿刺部材36の先端38から離れた位置にあり、先端38と接触しない。
インジケータ10は、図1に示されるように組み立てられ、それから滅菌インジケータは、滅菌プロセスに供されうる。蓋20は、滅菌剤蒸気が入りインジケータシステムに流れ込む開口部28を有するように示される。滅菌剤は、開口部28から蓋に入り(外壁22および内壁24の間の空間に入り)、蓋20の内壁24の外面と容器30の壁35の内面との間に規定された空間60を通り容器30に流れ込む。滅菌剤蒸気は、容器30に流れ込み、遺伝子組換えされた生物学的インジケータの微生物に作用する。
滅菌プロセス完了後に、滅菌インジケータは、図2に図示した第2(または閉または活性化)位置に蓋20を容器30へ向かって下向きに動かすことによって活性化してもよい。蓋20は、蓋20上に十分な下向きの力または圧力を加えることによって下向きに動く。蓋20を下向きに動かすにつれて、破損可能障壁40は、穿刺部材36の先端38と接触させられ、最終的に穿刺部材36の先端38が破損可能障壁40に穴をあけるまたは貫通するような位置に移動される。破損可能障壁40に穴をあけた際に、図2に示すように、チャンバ26の開口25は露出し、液体回復培地50は容器30の内部領域34へ排出され、微生物と接触する。増殖培地を容器内に完全に排出するために、ねじる動きで蓋20を下向きに動かして、破損可能障壁40のより大きな開口または最大開口をもたらすことが望ましいかもしれない。
図1および図2に示すように、この実施形態において、蓋20の内面は、第2の環状突起27を含み、蓋は、突起27の上部が容器30の隆起32の底に係合するような位置まで下向きに移動されてもよく、蓋20は、第2の閉/活性化位置に保持される。第2の閉/活性化位置は、容器30との密封関係に蓋20を保持するのに役立ち、さらなる微生物がシステムに入ることを防ぎうる。その後、滅菌インジケータ10は、微生物生存率の判定を可能とするために十分な時間培養される。培養中、生存可能な微生物は代謝し増殖し、この代謝と増殖は副生成物を培養培地に放出する。副生成物は、例えば、pH変化、変色、乳白度、蛍光などを含む任意の選択された特質によって検出されてもよい。
他の実施形態において、蓋20は容器を閉位置に維持するための第2の突起27を含まないことは理解されるべきである。代替的な一実施形態において、容器30は、容器30の外側で隆起32の下に位置する他の環状の突起または戻り止め(示さず)のセットを含んでもよく、突起または戻り止めは、蓋の隆起29と係合するように構成されて、容器30を閉位置に維持してもよい。米国特許第5,770,393号は、そのような構成を記述しており、蓋と容器の構成に関する教示を参照することにより、この特許は本明細書に組み込まれる。他の代替的な実施形態において、蓋20の内面および容器30の外面にねじ山を切ってもよく、容器30に蓋20をねじってしめることによって、蓋20は閉位置に移動され維持されてもよく、蓋20は、例えば、小瓶の実施形態の追加細目のために参照してもよい米国特許第8,173,388B2号に示されるようにねじ山を切ってもよく、該特許はこの実施形態および前記実施形態の小瓶と蓋の構成に関する教示を参照することによって本明細書に組み込まれる。これらの代替的な構成の全ては、本発明の範囲内である。
上述したように、図1および図2において図示される実施形態における蓋20は、蒸気滅菌剤をインジケータ内へ侵入させるために開口部28を有するように示されている。しかし、蓋はそのような特徴を有する必要はないということは理解されるべきである。滅菌インジケータがともに用いられる特定の滅菌剤を考慮して、開口部の数、サイズ、形、および/または場所は、所望されるように選択されてよい。例えば、蓋および/または容器における開口部の場所、形、およびサイズは、微生物とその周りの環境の間に滅菌蒸気の入口と出口のための蛇行状の通路を提供するように選択されてよい。蛇行状通路は、外部物質からの汚染を抑制または防いだり、十分な量の滅菌剤が利用可能であることを確実にするように役立ちうる。蛇行状通路を含むことによって、物品全体が滅菌剤に曝され、それにより滅菌インジケータ中の供試生物が死滅する前に任意の実存微生物が死滅する可能性が高くなる。
開口部は、蓋内に開口部を設けることに加え、または設ける代わりに容器内に設けられてもよい。さらに、開口部が容器に設けられた場合、インジケータが活性化したり障壁が壊れた時に、増殖培地がそのような開口部を通って漏れたりこぼれたりしないように開口部を配置すべきである。
図3は、蓋20の開口部28に加え、開口部80が適切な位置で容器30の側壁35に形成されたインジケータ10を示す。図3に示された開口部は、穿刺部材36の先端38近傍の、容器30の上端近くの容器30の側壁35にあり、活性化後の漏れやこぼれを回避する。図3から分かるように、活性化後、この場所の開口部80は、活性化位置の蓋20によって覆われる。なお、図3に示されるインジケータ10は、蓋20の開口部28を含むが、これは必須ではない。一実施形態において(図示せず)、容器30は、開口部80を含み、蓋20と同様の蓋とともに用いられるが、その蓋は、開口部28などの開口部を含まない。このように、開口部は、蓋または容器のどちらか、あるいは、蓋と容器の両方に設けることができる。
滅菌プロセス完了後、穿刺部材36の先端38が破損可能障壁40を貫通し壊すように蓋20は下向きに押されるかねじられ、滅菌プロセスで死滅しなかったかもしれない遺伝子組換えされた生物学的インジケータ微生物のいずれかと混合し培養するために、増殖培地を空間26に放出する。回復培地50は、必要に応じて、生物の発芽、代謝、およびその後の増殖に備える水溶液培地または水溶液を含んでもよい。水溶液培地または水溶液は、緩衝液で処理されてもよい。死滅しなかった遺伝子組換えされた生物学的インジケータ微生物中のレポーター遺伝子によって生成された結果としてインジケータ酵素が存在した場合、インジケータ酵素は、酵素基質と接触し、検出可能な色、蛍光、またはpH変化などの他の特徴を有する酵素変性物を形成する。
酵素基質は、インジケータ酵素が作用すると酵素変性物に変換される物質または物質の混合物を含んでもよい。一般的に、酵素変性物は、発光物質、蛍光物質、または着色物質を含んでもよい。あるいは、酵素基質は、酵素が作用すると、付加化合物や付加成分と反応し、発光物質、蛍光物質または着色物質を生じうる生成物(例えば、培地のpHを変えることが可能な反応性中間生成物または物質)を生じうる1つ以上の化合物を含んでもよい。
特定のインジケータ酵素を検出するために用いうる基本的な酵素基質が2種類ある。第1の種類の酵素基質は、蛍光性基質か発色性基質かのどちらか一方でよく、ABなどの一般化学式が与えられてもよい。インジケータ酵素が作用すると、ABは分解してA+Bになってもよい。例えば、Bは蛍光物質か着色物質かのどちらかであってもよい。一実施形態において、2つのB化合物は共に反応し、蛍光シグナルまたは着色シグナルを生成し得る。この種の蛍光性基質の具体的な例は、4−メチルウンベリフェリルリン酸であってもよい。インジケータ酵素ホスファターゼ存在下で、基質は、4−メチルウンベリフェロンおよびリン酸塩に分解されてもよい。この種の他の蛍光性基質は、4−メチルウンベリフェリル、7−アミド−4−メチルクマリン、インドキシル、およびフルオレセインの誘導体を含んでもよい。この種の発色性基質の例は、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸であってもよい。ホスファターゼ存在下で、基質は、インディゴブルーとリン酸塩に分解されてもよい。この種の他の発色性基質は、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル、ニトロフェノール、およびフェノールフタレインの誘導体を含んでもよい。
第2の種類の酵素基質は、例えば、一般化学式CDが与えられてもよく、特定の酵素によってC+Dに変えられてもよい。しかし、CおよびDのどちらも蛍光物質または着色物質ではなく、Dは化合物Zとさらに反応し、蛍光化合物または着色化合物を生じ、酵素活性を示すことが可能であってもよい。この種の具体的な蛍光性基質の例は、アミノ酸リジンであってもよい。酵素リジンデカルボキシラーゼ存在下で、リジンはCO分子を失いうる。リジンの残部は、強塩基性であるカダベリンと呼ばれうる。4−メチルウンベリフェロンなどの塩基性インジケータが組み込まれ、強塩基存在下で蛍光を発してもよい。この種の発色性基質は、2−ナフチルリン酸であってもよい。インジケータ酵素ホスファターゼは、酵素基質と反応し、β−ナフトールを生成してもよい。遊離されたβ−ナフトールは、1−ジアゾ−4−ベンゾイルアミノ−2,5−ジエトキシベンゼンを含有する発色性試薬と反応し、青紫色を発してもよい。
酵素基質は、例えば、加水分解によって酵素的に変化して、明らかに変化または増加した蛍光を有する誘導体蛍光団を提供することが可能な化合物として本明細書で定義される蛍光原性化合物を含んでもよい。
蛍光原性化合物自体が、非蛍光性かメタ蛍光性(すなわち、例えば、色または強度が、対応する酵素変性物とは明らかに異なる方法で蛍光を発する)のどちらか一方であってもよく、励起と検出の適切な波長を用いて、酵素修飾によって発生した蛍光信号を、存在しうる任意の他の蛍光から分離してもよい。
起源の異なる多数のインジケータ酵素用酵素基質が用いられ得る。これらは、蛍光性4−メチルウンベリフェリル誘導体(4−メチルウンベリフェロンに加水分解可能)、7−アミド−4−メチル−クマリンの誘導体、ジアセチルフルオレセイン誘導体、およびフルオレスカミンを含んでもよい。
酵素基質として用いられてもよい4−メチルウンベリフェリルの誘導体は、4−メチルウンベリフェリル−2−アセトアミド−4,6−O−ベンジリデン−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド、4−メチルウンベリフェリルアセテート、4−メチルウンベリフェリル−N−アセチル−β−D−ガラクトサミニド、4−メチルウンベリフェリル−N−アセチル−α−D−グルコサミニド、4−メチルウンベリフェリル−N−アセチル−β−D−グルコサミニド、2’−(4−メチルウンベリフェリル)−α−D−N−アセチルノイラミン酸、4−メチルウンベリフェリル−α−L−アラビノフラノシド、4−メチルウンベリフェリル α−L−アラビノシド、4−メチルウンベリフェリルブチレート、4−メチルウンベリフェリル−β−D−セロビオシド、メチルウンベリフェリル−β−D−N,N’−ジアセチルキトビオシド、4−メチルウンベリフェリルエライデート、4−メチルウンベリフェリル−β−D−フコシド、4−メチルウンベリフェリル−α−L−フコシド、4−メチルウンベリフェリル−β−L−フコシド、4−メチルウンベリフェリル−α−D−ガラクトシド、4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトシド、4−トリフルオロメチルウンベリフェリル β−D−ガラクトシド、6,8−ジフルオロ−4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトシド、4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコシド、4−メチルウンベリフェリル−β−D−グルコシド、4−メチルウンベリフェリル−7,6−スルホ−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコシド、4−メチルウンベリフェリル−β−D−グルクロニド、6,8−ジフルオロ−4−メチルウンベリフェリル−β−D−グルクロニド、4−メチルウンベリフェリル p−グアニジノベンゾエート、4−メチルウンベリフェリルヘプタノエート、4−メチルウンベリフェリル−α−D−マンノピラノシド、4−メチルウンベリフェリル−β−D−マンノピラノシド、4−メチルウンベリフェリルオレエート、4−トリフルオロメチルウンベリフェリルオレエート、4−メチルウンベリフェリルパルミテート、4−メチルウンベリフェリルホスフェート、4−メチルウンベリフェリルプロピオネート、4−メチルウンベリフェリルステアレート、4−メチルウンベリフェリルスルフェート、4−メチルウンベリフェリル−β−D−N,N’,N''−トリアセチルキトトリオース、4’−メチルウンベリフェリル 2,3,5−トリ−β−ベンゾイル−α−L−アラビノフラノシド、4−メチルウンベリフェリル−β−トリメチルアンモニウム桂皮酸塩化物、4−メチルウンベリフェリル 4−グアニジノベンゾエート、および4−メチルウンベリフェリル−β−D−キシロシドを含んでもよい。
酵素基質として用いられてもよい7−アミド−4−メチルクマリンの誘導体は、L−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン、L−プロリン−7−アミド−4−メチルクマリン、L−チロシン−7−アミド−4−メチルクマリン、L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン、L−シトルリン−7−アミド−4−メチルクマリン、L−ロイシン−7−アミド−4−メチルクマリン、L−メチオニン−7−アミド−4−メチルクマリン、L−ピログルタミン酸7−アミド−4−メチルクマリン、L−アスパラギン酸β−(7−アミド−4−メチルクマリン)、L−グルタミン酸1−(7−アミド−4−メチルクマリン)、L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン、および7−グルタリル−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリンを含んでもよい。
酵素基質として用いられてもよい7−アミド−4−メチルクマリンのペプチド誘導体は、N−t−BOC−Ile−Glu−Gly−Arg 7−アミド−4−メチルクマリン、N−t−BOC−Leu−Ser−Thr−Arg 7−アミド−4−メチルクマリン、N−CBZ−Phe−Arg 7−アミド−4−メチルクマリン、N−スクシニル−Leu−Tyr−7−アミド−4−メチルクマリン、Gly−Pro 7−アミド−4−メチルクマリン、Pro−Phe−Arg 7−アミド−4−メチルクマリン、N−t−BOC−Val−Pro−Arg 7−アミド−4−メチルクマリン、およびN−グルタリル−Gly−Arg 7−アミド−4−メチルクマリンを含んでもよい。
酵素基質として用いられてもよいジアセチルフルオレセインの誘導体は、フルオレセインジアセテート、フルオレセインジブチレート、2’,7’−ジクロロフルオロセインジアセテート、フルオレセインジ(β−D−N−アセチルガラクトサミン)、フルオレセインジ(β−D−ガラクトシド)、フルオレセインモノ−(β−D−ガラクトシド)、およびフルオレセインジラウレートを含んでもよい。
活性が検出されるべきインジケータ酵素が、α−D−グルコシダーゼ、キモトリプシン、または脂肪酸エステラーゼの場合、用いられてもよい蛍光原酵素基質は、それぞれ、4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコシド、7−グルタリルフェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン、または4−メチルウンベリフェリルヘプタノエートであってもよい。活性が検出されるべきインジケータ酵素が、α−L−アラビノフラノシダーゼの場合、用いられてもよい蛍光性酵素基質は、4−メチルウンベリフェリル−α−L−アラビノフラノシドであってもよい。活性が検出されるべきインジケータ酵素が、β−D−グルコシダーゼの場合、用いられてもよい蛍光性酵素基質は、4−メチルウンベリフェリル−β−D−グルコシドであってもよい。
用いられてもよい酵素基質は、酵素的に変化して誘導体発色団を与えることが可能な発色性化合物、または他の化合物と反応し異なるあるいはより強い色を有する誘導体発色団を生じる生成物であってもよい。発色性化合物は、例えば、色または強度が、対応する酵素変性物とは明らかに異なる方法において、着色されていなくても着色されていてもよい。比色計測の使用者によく知られた方法で、励起および検出の適切な波長を用いて、酵素修飾によって発生した着色信号を、存在しうる任意の他の色から分離してもよい。
酵素基質として用いられてもよい発色性化合物は、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル誘導体、ニトロフェニル誘導体、インドキシル誘導体、およびフェノールフタレイン誘導体を含んでもよい。
用いられてもよい5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルの誘導体は、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリルアセテート、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルアセテート、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−β−D−ガラクトピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−1,3−ジアセテート、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−フコピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルコピラノシド、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルクロン酸、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート、および5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルスルフェートを含んでもよい。
用いられてもよいニトロフェニルの誘導体は、p−ニトロフェノールおよびo−ニトロフェノール誘導体を含んでもよい。これらは、ジエチル−p−ニトロフェニルホスフェート、ジ−p−ニトロフェニルホスフェート、p−ニトロフェニル−2−アセトアミド−2−デオキシ−3−O−β−ガラクトピラノシル−β−グルコピラノシド、p−ニトロフェニル−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−グルコピラノシド、p−ニトロフェニルアセテート、p−ニトロフェニル−N−アセチル−β−D−グルコサミニド、p−ニトロフェニル−β−D−N,N’−ジアセチルキトビオシド、p−ニトロフェニル−α−グルコピラノシド、p−ニトロフェニル−α−マルトシド、p−ニトロフェニル−β−マルトシド、p−ニトロフェニル−α−マンノピラノシド、p−ニトロフェニル−β−マンノピラノシド、p−ニトロフェニルミリステート、p−ニトロフェニルパルミテート、p−ニトロフェニルホスフェート、ビス(p−ニトロフェニル)ホスフェート、トリス(p−ニトロフェニル)ホスフェート、p−ニトロフェニル−β−グルコピラノシド、p−ニトロフェニル−β−グルクロニド、α−p−ニトリフェニルグリセリン、p−ニトロフェニル−α−ラムノピラノシド、p−ニトロフェニルステアレート、p−ニトロフェニルスルフェート、p−ニトロフェニル−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−グルコサミニド、p−ニトロフェニルチミジンモノ−ホスフェート、p−ニトロフェニル−2,3,4−トリ−O−アセチル−β−グルクロン酸メチルエステル、およびp−ニトロフェニル吉草酸塩を含む。
有用なo−ニトロフェノールは、o−ニトロフェニルアセテート、o−ニトロフェニル−β−グルコシド、およびo−ニトロフェニル−β−D−グルコピラノシドを含んでもよい。他の有用なニトロフェニル誘導体は、ニトロフェニル−β−フコピラノシド、ニトロフェニル−α−ガラクトピラノシド、ニトロフェニル−β−ガラクトピラノシド、ニトロフェニルブチレート、ニトロフェニルカプレート、ニトロフェニルカプロエート、ニトロフェニルカプリレート、ニトロフェニルラウレート、およびニトロフェニルプロピオネートを含んでもよい。
用いられてもよいインドキシル誘導体は、インドキシルアセテート、インドキシルβ−D−グルコシド、3−インドキシルスルフェート、および3−インドキシルホスフェートを含んでもよい。
用いられてもよいフェノールフタレイン誘導体は、フェノールフタレインジブチレート、フェノールフタレインジホスフェート、フェノールフタレインジスルフェート、フェノールフタレイングルクロン酸、フェノールフタレインモノ−β−グルコシドウロン酸、フェノールフタレインモノ−β−グルクロン酸、およびフェノールフタレインモノ−ホスフェートを含んでもよい。
上記発色性酵素基質は、適切なインジケータ酵素と直接反応し、発色団を生成しうる。
誘導体酵素変性物が、例えば、1−ジアゾ−4−ベンゾイルアミノ−2,5−ジエトキシベンゼン、1−ジアゾ−4−ベンゾイルアミノ−2,5−ジエトキシベンゼン、p−ジアゾ−2、5−ジエトキシ−N−ベンゾイルアラニン、4−クロロ−2−メチルベンゼンジアゾニウムクロリド、およびo−アミノアゾトルエンジアゾニウム塩のようなジアゾ化染料などの発色性試薬とさらに反応した場合に、1−ナフチル、2−ナフチルおよびナフチル−AS−BI誘導体を含有するさらなる酵素基質を用いて、発色団を生成してもよい。
用いられてもよい1−ナフチルの誘導体は、1−ナフチル−N−アセチル−β−D−グルコサミニドを含んでもよい。
用いられてもよい2−ナフチルの誘導体は、2−ナフチル−ホスフェート、2−ナフチルブチレート、2−ナフチル−カプリレート、2−ナフチル−ミリステート、L−ロイシル−2−ナフチルアミド、L−バリル−2−ナフチルアミド、L−シスチル−2−ナフチルアミド、N−ベンゾイル−DL−アルギニン−2−ナフチルアミド、N−グルタリル−フェニルアラニン 2−ナフチル−アミン、2−ナフチル−ホスフェート、6−Br−2−ナフチル−α−D−ガラクト−ピラノシド、2−ナフチル−β−D−ガラクト−ピラノシド、2−ナフチル−2−D−グルコピラノシド、6−ブロモ−2−ナフトール−β−D−グルコピラノシド、6−ブロモ−2−ナフチル−2−D−マンノピラノシド、および2−ナフチル−α−L−フコピラノシドを含んでもよい。
用いられてもよいナフチル−AS−BIの誘導体は、ナフチル−AS−BI−ホスフェートおよびナフチル−AS−BI−β−D−グルクロニドを含んでもよい。
活性を検出されるべきインジケータ酵素が、α−D−グルコシダーゼの場合、酵素基質はp−ニトロフェニル−α−グルコピラノシドであってもよい。活性が検出されるべきインジケータ酵素が、α−L−アラビノフラノシダーゼの場合、用いられてもよい酵素基質は、p−ニトロフェニル−α−L−アラビノフラノシドであってもよい。活性が検出されるべきインジケータ酵素が、β−ガラクトシダーゼの場合、酵素基質は、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシドまたは4−メチルウンベリフェロン−β−D−ガラクトピラノシドであってもよい。
用いられてもよい酵素基質は、活性を調べているインジケータ酵素の特性に依存してもよい。下記は、多数の酵素基質と、酵素基質と反応し、明らかに変化または増加した蛍光あるいは色を有する生成物を生成しうる対応するインジケータ酵素のリストである。
Figure 0006145213
インジケータ酵素がβ−ガラクトシダーゼの場合、酵素基質は、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(X−gal)、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリル−β−ガラクトピラノシド(Mag−gal)、5−ブロモ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(Bluo−gal)、6−ブロモ−2−ナフチル−β−D−ガラクトピラノシド、6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(Rose−gal)、3−インドキシル−β−D−ガラクトピラノシド(Y−gal)、5−ヨード−3−インドキシル−β−D−ガラクトピラノシド、N−メチルインドキシル−β−D−ガラクトピラノシド、2−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド(ONPG)、4−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド(PNPG)、フェニル−β−D−ガラクトピラノシド(P−gal)、2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−ラクトシド、4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトピラノシド、4−トリフルオロメチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトピラノシド、フルオレセインジ(β−D−ガラクトピラノシド)(FDG)、フルオレセインモノ−β−D−ガラクトピラノシド、フルオレセインジ−(β−D−アセチルガラクトサミン)、4−メチルウンベリフェリル−β−D−ラクトピラノシド、2−ナフチル−β−D−ガラクトピラノシド、8−ヒドロキシキノリン−β−D−ガラクトピラノシド、レゾルフィン−β−D−ガラクトピラノシド、3−カルボキシウンベリフェリル−β−D−ガラクトピラノシド、4−クロロメチル−6,8−ジフルオロウンベフェリル−β−D−ガラクトピラノシド、6,8−ジフルオロ−4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトピラノシド、6,8−ジフルオロ−4−ヘプタデシルウンベリフェリル−β−D−ガラクノピラノシド、5−(ペンタフルオロベンゾイルアミノ)−フルオレセイン−β−D−ガラクトピラノシド、C−フルオレセイン−β−D−ガラクトピラノシド、C−フルオレセイン−β−D−ガラクトピラノシド、C12−フルオレセイン−β−D−ガラクトピラノシド、5−クロロメチルフルオレセイン−β−D−ガラクトピラノシド、C12−レゾルフィン−β−D−ガラクトピラノシド、7−ヒドロキシル−9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン)(DDAO)、またはそれらの2つ以上の混合物を含んでもよい。
水溶液または水溶液培地における酵素基質の濃度は、酵素基質とインジケータ酵素の特性、目視または装置によって検出可能に生じる酵素変性物の量、およびインジケータ酵素が存在するか否かを判定するために必要な時間に依存しうる。酵素基質の十分量は、少なくとも約10−15Mのモル濃度の酵素変性物が約4時間までの期間内で生成されるように、および一実施形態においては、少なくとも約10−8Mのモル濃度の酵素変性物が約2時間までの期間内で生成されるように、滅菌完了後に存在しうる任意のインジケータ酵素と反応するのに要する量であってもよい。
栄養増殖培地および酵素基質を含有する水溶液または水溶液培地のpHは、約5〜約9.5の範囲であってもよく、一実施形態においては、約7.5である。
ここおよび本開示における他で、範囲と割合の制限の数値限度は組み合わせることができる。したがって、例えば、上記で、具体的に列挙されていないが、約6〜約9の範囲におけるpHおよび約7〜約8の範囲におけるpHは、具体的に開示されたpH範囲に含まれる。その範囲内にある整数値と小数値は、本出願において記述される全範囲内で開示されるとみなされる。
回復培地における酵素基質は、生物学的インジケータが滅菌サイクルにさらされた後で、生物学的インジケータとともに培養されてもよい。生物学的インジケータは機能的なままであると想定し、検出可能な量の酵素変性物を遊離するために十分な時間および条件下で、培養は続けられてもよい。一般的に、検出することができうる酵素変性物の量は、約1×10−15Mと低くてもよい。培養条件は、少なくとも約1×10−8Mの酵素変性物を生成するのに十分であればよく、一実施形態においては、約1×10−6〜約1×10−5Mの酵素変性物を生成するのに十分であればよい。検出可能な量の酵素変性物を生成するために必要な培養時間と温度は、インジケータ酵素と酵素基質の特性および回復培地に存在するそれぞれの濃度に依存してもよい。一般的に、培養温度は、約20℃〜約70℃の範囲であってもよい。培養時間は、約4時間までの範囲であってもよく、一実施形態において、約0.01〜約4時間の範囲、一実施形態において、約0.1〜約3時間の範囲、一実施形態において、約0.1〜約2時間の範囲、一実施形態において約0.2〜約1時間の範囲、および一実施形態において、約1分〜約30分であってもよい。
用いられてもよい酵素変性物を検出するための汎用的な方法は、測光、電位差測定、重量測定、熱量測定、電気伝導度測定、または電流測定技術を含んでもよい。蛍光法または分光光度法が用いられてもよい。例えば、酵素基質は、インジケータ酵素との相互作用において、蛍光的に測定されうるウンベリフェロンを生じうる4−メチルウンベリフェリル誘導体を含んでもよく、酵素基質は、インジケータ酵素との相互作用において、比色測定されうる酵素変性物を生じうるニトロフェノールあるいは同種の誘導体を含んでもよい。
本明細書において、単一のインジケータ酵素に関してまず記述したが、生物学的インジケータは、複数のインジケータ酵素を提供してもよい。例えば、生物学的インジケータは、第1の酵素は熱に耐性があり、第2の酵素はガス状滅菌媒体に耐性があり、第3の酵素は放射線、例えば、γ線照射またはβ線照射に耐性がある3種のインジケータ酵素を提供してもよい。
所望の結果が、あるとすれば一般的に培養期間内で明らかになるので、培養期間について前述したような比較的短い時間内で滅菌が効果的か否かについての結果を提供することは、開示の遺伝子組換えされた生物学的インジケータを使う利点に含まれうる。開示の遺伝子組換えされた生物学的インジケータを用いることによって、代替分子を間接的に測定するよりもむしろ供試生物の生存率を直接的に測定することが可能になりうる。開示された生物学的インジケータを用いることは、特定の滅菌方法に限定されない。すなわち、開示された生物学的インジケータは、任意の滅菌プロセスに用いられてもよい。滅菌プロセスの有効性は、滅菌の有効性の最終確認を提供するために増殖させる必要なしに、開示の遺伝子組換えされた生物学的インジケータを用いて判定されてもよい。センサーでより迅速な結果が得られうる可能性はあるが、開示された生物学的インジケータを用いることによって、滅菌が効果的か否かを判定するために電気化学的センサーを用いる必要はないであろう。開示された生物学的インジケータは、チップやセンサー用途などの瞬間読取用途での使用に修正可能でありうる。開示の遺伝子組換えされた生物学的インジケータは、ほとんどの耐性生物、臨床的に重要な生物、または細菌兵器生物を用いる任意の処理に適用可能でありうる。
滅菌プロセスの有効性を検出するために開示の遺伝子組換えされた生物学的インジケータを用いることは、(生細胞のみが遺伝子を発現することができる)遺伝的理論モデルに基づく測定の使用を含みうる。開示の遺伝子組換えされた生物学的インジケータは、任意の致命的な現象または致命的な現象の組み合わせに応答してもよい。開示された生物学的インジケータは、任意の殺菌作用様式(蒸気、過酢酸、エチレンオキシド、液状ホルムアルデヒド、ガス状ホルムアルデヒド、安定化された液状過酸化水素、蒸気状過酸化水素、乾熱、オゾン、オルトフタルアルデヒド、グルタルアルデヒド、クロラミン類、第4級アミン類、フェノール類、ヨードフォール類、電離放射線、紫外放射線、白色パルス光、プラズマ、マイクロ波放射など)に即効性の応答を提供しうる。
リプレッサー遺伝子が遺伝子組換えされた生物学的インジケータ微生物に含有される際に必要とされるインデューサーの分解により、従来のシステムで観察されたインジケータの変色、蛍光などの判定を妨げることの回避は、本発明の重要な利点に含まれる。遺伝子組換えされた生物学的インジケータ微生物におけるリプレッサー遺伝子の必要性を除くことにより、任意のインデューサーの必要性もなくなり、それによって、例えば、キシロース分解による変色の問題、および他のインデューサーの分解から生じうる問題が回避される。さらに、インジケータ微生物を形質移入するために用いられるベクターにリプレッサー遺伝子を含有させる必要性を省くことによって、遺伝子組換えは非常に簡易化される。
図4および図5に、キシロース存在効果、キシロース省略効果、および、それゆえ本発明の利点を示し、図4および図5は、高圧蒸気滅菌前、1サイクルの高圧蒸気滅菌後、および2サイクルの高圧蒸気滅菌後の、325nm〜900nmの範囲の波長における吸光度のグラフである。理解されるように、従来、インデューサーを含有する少なくとも第2のコンパートメントは、滅菌の有効性を判定するための処理において吸光度が読み取られる前に、2サイクルの高圧蒸気滅菌に供される。滅菌インジケータが製造されている際に第1の高圧蒸気滅菌サイクルが行われ、増殖培地と酵素基質の無菌を確保することが必要である。その滅菌インジケータが、それがインジケータである滅菌プロセスに供される際に第2の高圧蒸気滅菌サイクルが行われる。
図4は、高圧蒸気滅菌前、単一サイクルの高圧蒸気滅菌後、および2サイクルの高圧蒸気滅菌後の、キシロースを含まない(すなわち、0%キシロースを含有する)増殖培地の吸光度を表すグラフである。図4の例において、目的の酵素基質は、360nmで電磁放射線を吸収し420nmで蛍光を発する。図4のグラフで分かるように、420nm付近において増殖培地の吸光度にはほとんど違いはない。
図5は、高圧蒸気滅菌前、単一サイクルの高圧蒸気滅菌後、および2サイクルの高圧蒸気滅菌後の、1%キシロース含有増殖培地の吸光度を表すグラフである。図5の例において、同じ目的酵素基質が使われ、360nmで電磁放射線を吸収し420nmで蛍光を発する。図5のグラフにおいて分かるように、420nm付近において初期には増殖培地の吸光度は非常に低いが、ただ1度の高圧蒸気滅菌サイクル後に増殖培地の吸光度は急激に増加し、420nm付近において、第2の高圧蒸気滅菌サイクル後に増殖培地の吸光度はさらに増加する。1回または2回の高圧蒸気滅菌サイクル後の高圧滅菌された増殖培地の吸光度は、非常に大きいので、生き残っている遺伝子組換えされた生物学的インジケータ微生物の増殖による任意の変色または蛍光を少なくとも部分的にまたおそらく完全に不明瞭にし、よって滅菌プロセスの有効性の判定を妨害すると予想される。
本発明は、図4および図5のグラフの比較から明確に明らかであるような問題を避けるためになされた。
本発明の原理はある特定の実施形態に関して説明されたが、これらの実施形態は図示目的で提供されている。その様々な改変は本明細書を読む際に当業者には明らかになるであろうことは理解されるべきである。よって、本明細書に開示された本発明は、添付の請求項の範囲に入るそのような改変を包含することを意図することは理解されるべきである。本発明の範囲は、請求項の範囲によってのみ限定される。

Claims (15)

  1. 遺伝子組換えされた生物学的インジケータを含有し、滅菌中に前記生物学的インジケータを滅菌媒体と接触させることができるように構成された第1のコンパートメント、および
    少なくとも1つの酵素基質を含有し、滅菌中に前記酵素基質を前記生物学的インジケータから分離して維持し、前記生物学的インジケータが前記滅菌媒体に曝露された後に前記酵素基質が前記生物学的インジケータに接触することができるように構成された第2のコンパートメント、を備える滅菌インジケータであって、
    前記遺伝子組換えされた生物学的インジケータは、少なくとも1つの供試生物およびインジケータ酵素を生成するのに適し、前記供試生物によって取り込まれ少なくとも1つのレポーター遺伝子を含み、
    ただし、前記滅菌インジケータにおける供試生物は、前記供試生物中または滅菌インジケータに存在する場合に前記レポーター遺伝子の発現を抑制しうる活性リプレッサー遺伝子または活性化可能なリプレッサー遺伝子を含まず、かつ
    前記インジケータ酵素および前記酵素基質は、前記酵素基質に対する前記インジケータ酵素の酵素作用により検出可能な信号が生じるように選択される、滅菌インジケータ。
  2. 前記レポーター遺伝子は、少なくとも1つのプラスミドおよび/または少なくとも1つのウィルスを用いて前記供試生物によって取り込まれる、請求項1に記載の滅菌インジケータ。
  3. 前記供試生物は、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)および/またはバチルス・アトロファエウス(Bacillus atrophaeus)の芽胞を含む、請求項1または2に記載の滅菌インジケータ。
  4. 前記レポーター遺伝子は、lacZ、bgaB、xylE、cat、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の滅菌インジケータ。
  5. 前記インジケータ酵素は、β−D−ガラクトシダーゼ、β−D−グルコシダーゼ、α−D−グルコシダーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、ブチレートエステラーゼ、カプリレートエステラーゼリパーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、カテコール−2,3−ジオキシゲナーゼ、ミリステートリパーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ、バリンアミノペプチダーゼ、キモトリプシン、ホスホヒドロラーゼ、α−D−ガラクトシダーゼ、α−L−アラビノフラノシダーゼ、N−アセチル−β−グルコサミニダーゼ、β−D−セロビオシダーゼ、アラニンアミノペプチダーゼ、プロリンアミノペプチダーゼ、チロシンアミノペプチダーゼ、フェニルアラニンアミノペプチダーゼ、β−D−グルクロニダーゼ、脂肪酸エステラーゼ、またはそれらの2つ以上の混合物を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の滅菌インジケータ。
  6. 前記レポーター遺伝子は、lacZまたはbgaBを含み、前記インジケータ酵素は、β−D−ガラクトシダーゼを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の滅菌インジケータ。
  7. 前記プラスミドは、レポーター遺伝子を含み、リプレッサー遺伝子を含まない、請求項2に記載の滅菌インジケータ。
  8. 前記ウイルスは、カプシドによって囲まれた核酸およびレポーター遺伝子を含み、リプレッサー遺伝子を含まない少なくとも1つの遺伝子輸送体を含む、請求項2に記載の滅菌インジケータ。
  9. 前記ウイルスは、少なくとも1つのバクテリオファージを含む、請求項8に記載の滅菌インジケータ。
  10. 前記ウイルスは、λバクテリオファージまたはM13バクテリオファージを含む、請求項8に記載の滅菌インジケータ。
  11. 滅菌プロセスであって、
    滅菌される物品および請求項1〜10のいずれか1項に記載の滅菌インジケータを、滅菌媒体に曝露する工程と、
    前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメントの内容物を混合する工程と、
    前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメントの混合物を培養する工程と、
    培養後に、前記検出可能な信号の有無を検出することにより前記滅菌プロセスの有効性を判定する工程とを含む、滅菌プロセス。
  12. 前記滅菌媒体は、蒸気、乾熱、放射線、プラズマ、1つ以上のガス状滅菌剤、および/または1つ以上の液状滅菌剤を含む、請求項11に記載の滅菌プロセス。
  13. 前記滅菌媒体は、電子ビーム放射線、電磁放射線、γ放射線、β放射線、エチレンオキシド、ガス状過酸化水素、液状過酸化水素、ホルマリン、グルタルアルデヒド、および/または過酢酸を含む、請求項11に記載の滅菌プロセス。
  14. 遺伝子組換えされた生物学的インジケータを含有し、滅菌中に前記生物学的インジケータを滅菌媒体と接触させることができるように構成された第1のコンパートメント、および
    少なくとも1つの酵素基質を含有し、滅菌中に前記酵素基質を前記生物学的インジケータから分離して維持し、前記生物学的インジケータが前記滅菌媒体に曝露された後に前記酵素基質が前記生物学的インジケータと接触することができるように構成された第2のコンパートメント、を備える滅菌インジケータであって、
    前記遺伝子組換えされた生物学的インジケータは、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルスおよび/またはバチルス・アトロファエウスの芽胞、ならびにゲオバチルス・ステアロサーモフィルスおよび/またはバチルス・アトロファエウスの芽胞によって取り込まれ、インジケータ酵素を生成するためのlacZ、bgaB、xylE、およびcatから選択される少なくとも1つのレポーター遺伝子を含み、
    ただし、前記滅菌インジケータにおける前記ゲオバチルス・ステアロサーモフィルスおよび/またはバチルス・アトロファエウスの芽胞は、前記供試生物中または滅菌インジケータに存在する場合に前記レポーター遺伝子の発現を抑制しうる活性リプレッサー遺伝子または活性化可能なリプレッサー遺伝子を含まず、かつ
    前記インジケータ酵素および前記酵素基質は、前記酵素基質に対する前記インジケータ酵素の酵素作用により検出可能な信号が生じるように選択される、滅菌インジケータ。
  15. 前記インジケータ酵素は、β−D−ガラクトシダーゼ、β−D−グルコシダーゼ、α−D−グルコシダーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、ブチレートエステラーゼ、カプリレートエステラーゼリパーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、カテコール−2,3−ジオキシゲナーゼ、ミリステートリパーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ、バリンアミノペプチダーゼ、キモトリプシン、ホスホヒドロラーゼ、α−D−ガラクトシダーゼ、α−L−アラビノフラノシダーゼ、N−アセチル−β−グルコサミニダーゼ、β−D−セロビオシダーゼ、アラニンアミノペプチダーゼ、プロリンアミノペプチダーゼ、チロシンアミノペプチダーゼ、フェニルアラニンアミノペプチダーゼ、β−D−グルクロニダーゼ、脂肪酸エステラーゼ、またはそれらの2つ以上の混合物を含む、請求項14に記載の滅菌インジケータ。
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