JP6144051B2 - 受信装置および受信方法 - Google Patents

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本発明は、受信装置に関し、特に、アンテナの逆相関配置を利用した逆相関アナログ合成ダイバーシチの受信装置に関するものである。
例えば、マイクロ波帯の固定通信システムにおいて、海面上を2点間で通信する場合を考える。このとき、送信アンテナから送信される電波を受信アンテナで直接受信する直接波と、送信アンテナから送信される電波が海面で反射して受信アンテナで受信する反射波があり、受信アンテナでは、直接波と反射波の両方が合成されて受信する。
海面反射波は、直接波に対してパスの違いから遅延が発生し、結果的に直接波と振幅/位相が異なる信号となる。海面は、潮位や波浪により、変動するため、海面反射波のパスも、この影響を受け、変動する。このため、受信アンテナでは、振幅/位相が時間的に変動する海面反射波と直接波との合成波を受信することとなる。従って、海面の変動状況に応じたフェージングが発生する。
フェージングの対策として、ダイバーシチ技術がある。
受信装置において、逆相関アンテナを利用した選択ダイバーシチに関しての技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2012−156880号公報
受信装置において、逆相関アンテナを利用した選択ダイバーシチではアンテナの切り替え時に電波の瞬断が発生し、後段の装置に影響を与えることがある。
本発明の受信装置は、受信する直接波と反射波が逆相関の関係となるように配置した2つのアンテナと、2つのアンテナにより受信されるアナログ信号を合成する合成部とを備えたことを特徴とする。
本発明の受信装置は、受信する直接波と反射波が逆相関の関係となるように配置した2つのアンテナと、2つのアンテナにより受信されるアナログ信号を合成する合成部と、2つのアンテナにより受信されるアナログ信号をそれぞれ所定の重み付けでレベル調整を行う可変増幅部とを有することを特徴とする。
本発明の受信装置は、受信する直接波と反射波が逆相関の関係となるように配置した2つのアンテナと、2つのアンテナにより受信されるアナログ信号を合成する合成部と、2つのアンテナにより受信されるアナログ信号をそれぞれ所定の重み付けでレベル調整を行う可変増幅部と、2つのアンテナにより受信されるアナログ信号の位相差を補正する遅延補正部とを有することを特徴とする。
本発明の受信方法は、受信する直接波と反射波が逆相関の関係となるように2つのアンテナを配置するアンテナ配置手段と、2つのアンテナにより受信されるアナログ信号を合成する合成手段とを有することを特徴とする。
本発明の受信方法は、受信する直接波と反射波が逆相関の関係となるように2つのアンテナを配置するアンテナ配置手段と、2つのアンテナにより受信されるアナログ信号を合成する合成手段と、2つのアンテナにより受信されるアナログ信号をそれぞれ所定の重み付けでレベル調整を行うレベル調整手段とを有することを特徴とする。
本発明の受信方法は、受信する直接波と反射波が逆相関の関係となるように2つのアンテナを配置するアンテナ配置手段と、2つのアンテナにより受信されるアナログ信号を合成する合成手段と、2つのアンテナにより受信されるアナログ信号をそれぞれ所定の重み付けでレベル調整を行うレベル調整手段と、2つのアンテナにより受信されるアナログ信号の位相差を補正する遅延補正手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、特別なハードウェア対応を行わなくても逆相関ダイバーシチが実現可能なため、より多くの装置において逆相関ダイバーシチが利用可能となる。
また、技術的にも厳密なタイミングや送信と受信で同じ経路を利用する必要がなく、中間領域での動作が可能なため、TDD(Time Division Duplex)だけでなくFDD(Frequency Division Duplex)やその他の無線多重技術とも組み合わせが可能となる。
本発明の一実施例に係る無線通信システムを説明するための図である。 本発明の一実施例に係る受信装置の構成例を示す図である。 本発明の一実施例に係る受信装置の詳細な動作を説明するための図である。
以下、本発明の一実施例について図を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る無線通信システムを説明するための図である。
図1は、A地点100とB地点101を結ぶPoint to Pointの無線通信システムである。
送信装置112の一方の送信波は、A地点100に配置されたアンテナ111から発射され、直接波102として、B地点101に配置された受信装置120のアンテナ200に届く。
また、送信装置112のもう一方の送信波は、A地点100に配置されたアンテナ111から発射され、海面、湖面、川面等の反射面106の反射点104により反射され、反射波103としてC地点105に配置された受信装置120のアンテナ201へと届く。
受信装置120のアンテナ200は、B地点101に配置する。
受信装置120のアンテナ201は、反射波103に対して180°位相が異なるC地点105に配置する。
図2は、本発明の一実施例に係る受信装置の構成例を示す図である。
アンテナ200で受信された直接波102は、受信部211で各種信号処理が施され、分配部212で可変増幅部213と受信信号検出部231に分配される。
アンテナ201で受信された反射波103は、受信部221で各種信号処理が施され、分配部222で可変増幅部223と受信信号検出部231に分配される。
受信信号検出部231は、直接波102の受信レベルと反射波103の受信レベルと位相差を検出し、制御部232に出力する。
制御部232は、直接波102の受信レベルと反射波103の受信レベルから所定の比率の信号レベルにするために可変増幅部213と可変増幅部223の各々へ利得制御信号を出力する。
また、制御部232は、直接波102の受信レベルと反射波103の位相差から所定の位相差にするために遅延補正部214と遅延補正部224の各々へ位相制御信号を出力する。
可変増幅部213に入力された直接波の信号は、可変増幅部213で所定の信号レベルに増幅され、遅延補正部214で所定の位相に補正され、合成部241に入力される。
一方、可変増幅部223に入力された反射波の信号は、可変増幅部223で所定の信号レベルに増幅され、遅延補正部224で所定の位相に補正され、合成部241に入力される。
合成部241は、入力された直接波の信号と入力された反射波の信号をアナログ的に合成し、出力部242に出力する。
出力部242は、モデム等の変復調部であり、後段の機器に応じた受信信号に変換して出力する。
アンテナ200とアンテナ201が同じB地点101に配置し、位相補正(遅延補正)をしない場合、直接波の信号と反射波の信号を合成部241で合成すると、お互いの位相により強め合ったり、減衰させたりと作用する。例えば、直接波の信号と反射波の信号が完全逆位相になると受信信号は熱雑音に埋もれてしまい、まったく受信ができなくなってしまうこともある。これは海面などでは潮位変動などにより海面が上下するため、設置時に位相を合わせたとしても時間とともに位相が変わり、大きく減衰してしまう。
そこで図1に示すように、今まで通り、直接波を受信するアンテナとしてアンテナ200を設置し、反射波に対して180°位相が異なる位置にアンテナ201を配置する。このことにより、アンテナ200が逆位相の反射波により減衰するときにアンテナ201では位相が180°異なるため、反射波が直接波を強め合う状態になる。この状態で直接波の信号と反射波の信号を合成部241で合成すると、図3(A)に示す単純合成による一定の受信波形を得ることが可能となる。
直接波の信号と反射波の信号を合成部241で合成する時の計算式は、数式1〜数式5による。
数式において、v1は直接波、v2は干渉波、aは直接波の信号レベル、bは反射波の信号レベル、r1はアンテナ200の受信波の信号レベル、r2はアンテナ201の受信波の信号レベル、Cは単純合成受信レベルとする。*は掛算を示す。
v1=a*cos(ωt+α) ・・・ (数式1)
v2=b*cos(ωt+β) ・・・ (数式2)
r1=a*cos(ωt+α)+b*cos(ωt+β) ・・・ (数式3)
r2=a*cos(ωt+α)+b*cos(ωt+β+π) ・・・ (数式4)
例えば、反射率が1に近い場合、a≒bとなり、単純合成受信レベルCの計算式は数式5となる。
C=2a*cos(ωt+α)+b*cos(ωt+β)+b*cos(ωt+β+π)
=2a*cos(ωt+α) ・・・ (数式5)
次に、図2の合成部241で直接波と反射波を構成した場合の詳細を図3を用いて説明する。
図3は本発明の一実施例に係る受信装置の詳細な動作を説明するための図である。
図3(A)は反射率が1のときの基本的な単純受信合成による受信波形図である。図3(B)は反射率が0.5のときの単純合成による受信波形図である。図3(C)はアンテナ201のアンテナ利得が2倍の場合の単純合成受信波形図である。
図1の反射波103は反射点104の反射率により大きくレベルが変化する。前述の説明では反射率が1としたが、反射率が0.5とすると図3(B)のような単純合成の結果となる。受信装置120に受信信号検出部231を備えて受信レベルを検出することで、反射率などに左右されず常に良い電波を選択することが可能となる。
図2に示す逆位相の受信信号を合成する場合に、アンテナ200の入力とアンテナ201の入力比率によってはアンテナ201の信号を優先して受信した方がC/N(Carrier/Noise)などの関係により良いことがある。そこで受信信号検出部231を用いてアンテナ200とアンテナ201の受信レベルを比較し受信レベルが高い方に重みをもたせて、可変増幅部213と可変増幅部223を制御し合成することで、よりC/Nが高い信号を選択できるようになる。
図2に示す逆位相の受信信号を合成する場合に、アンテナ200の入力とアンテナ201の入力比率によってはアンテナ200の信号を優先して受信したほうがC/Nなどの関係により良いことがある。C/Nが悪い信号を選択しないために受信信号検出部231を用いてアンテナ200とアンテナ201の受信レベルを比較し、可変増幅部213と可変増幅部223を制御し受信レベルが高い方の利得を大きくし、受信レベルが低い方は増幅率を小さくすることで、アンテナ200とアンテナ201を選択したのと同等の効果を発揮でき、なめらかに切り替えるアンテナ切り替え式逆相関ダイバーシチが実現する。
図2のアンテナ200とアンテナ201のアンテナ利得が同じでない環境で、アンテナ200とアンテナ201の受信レベルがほぼ同じ環境では、それぞれに入ってくるレベルが大きくレベルが異なることがあるが、受信信号検出部231を備えているため、常に装置の入力部でのレベルが高いほうが選択される。その結果、図3(C)のような受信合成結果が得られる。
本発明によれば、特別なハードウェア対応を行わなくても逆相関ダイバーシチが実現可能なため、より多くの装置において逆相関ダイバーシチが利用可能となる。
また、本発明によれば、技術的にも厳密なタイミングや送信と受信で同じ経路を利用する必要がなく、中間領域での動作が可能なため、TDD(Time Division Duplex)だけでなくFDD(Frequency Division Duplex)やその他の無線多重技術とも組み合わせが可能となる。
以上本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載された受信装置に限定されるものではなく、上記以外の受信装置に広く適用することができることは言うまでもない。
100:A地点、101:B地点、102:直接波、103:反射波、104:反射点、105:C地点、106:反射面、111,200,201:アンテナ、112:送信装置、120:受信装置、211,221:受信部、212,222:分配部、213,2223:可変増幅部、214,224:遅延補正部、231:受信信号検出部、232:制御部、241:合成部、242:出力部。

Claims (6)

  1. 予め定められた条件において受信する直接波と反射波が逆相関の関係となるように配置した第1アンテナと第2アンテナの2つのアンテナと、
    前記第1アンテナと前記第2アンテナにより受信されるアナログ信号を合成する合成部と、
    を備えた受信装置において、
    前記第1アンテナと前記第2アンテナにより受信されたそれぞれの信号を分配する第1分配部と第2分配部と、
    前記第1分配部と第2分配部それぞれの分配部にて分配された信号のそれぞれの一方について受信した信号の受信レベル及び位相差を検出する受信信号検出部と、
    前記受信信号検出部で検出された受信レベルと位相差を基に、前記第1分配部と第2分配部それぞれの分配部にて分配された信号のそれぞれの他方について信号レベルおよび位相を補正する制御信号を出力する制御部と、
    前記第1分配部と第2分配部それぞれの分配部にて分配された信号のそれぞれの他方について前記制御部からの制御信号を基に信号レベルを補正する第1可変増幅部と第2可変増幅部と、
    前記第1分配部と第2分配部それぞれの分配部にて分配された信号のそれぞれの他方について前記制御部からの制御信号を基に位相差を補正する第1遅延補正部と第2遅延補正部と、
    前記信号レベルおよび位相差を補正したそれぞれの信号を前記合成部で合成することを特徴とする受信装置。
  2. 請求項1に記載の受信装置であって、
    前記制御部は、前記第1アンテナと前記第2アンテナの受信レベルが高い受信信号に対する利得が大きくなるように前記第1可変増幅部もしくは前記第2可変増幅部の利得を制御することを特徴とする受信装置。
  3. 予め定められた条件において受信する直接波と反射波が逆相関の関係となるように配置された2つの受信手段と、
    前記2つの受信手段により受信されるアナログ信号を合成する合成手段と、
    を備えた受信装置において、
    前記2つの受信手段により受信されたそれぞれの信号を分配する2つの分配手段と、
    前記2つの分配手段により分配された信号のそれぞれの一方について受信した信号の受信レベル及び位相差を検出する受信信号検出手段と、
    前記受信信号検出手段で検出された受信レベルと位相差を基に、前記2つの分配手段により分配された信号のそれぞれの他方について信号レベルおよび位相を補正する制御信号を出力する制御手段と、
    前記2つの分配手段により分配された信号のそれぞれの他方について前記制御手段からの制御信号を基に信号レベルを補正する2つの可変増幅手段と、
    前記2つの分配手段により分配された信号のそれぞれの他方について前記制御手段からの制御信号を基に位相差を補正する2つの遅延補正手段と、
    前記信号レベルおよび位相差を補正したそれぞれの信号を前記合成手段で合成することを特徴とする受信装置。
  4. 請求項3に記載の受信装置であって、
    前記制御手段は、前記2つの受信手段の受信レベルが高い受信信号に対する利得が大きくなるように前記2つの可変増幅手段の利得を制御することを特徴とする受信装置。
  5. 予め定められた条件において受信する直接波と反射波が逆相関の関係となるように配置した2つのアンテナにより信号を受信し、前記受信したアナログ信号を合成する受信方法であって、
    前記2つのアンテナにより受信したそれぞれの信号を分配し、
    前記それぞれの分配された信号のそれぞれの一方について受信した信号の受信レベル及び位相差を検出し、
    前記検出された受信レベルと位相差を基に、前記それぞれの分配された信号のそれぞれの他方について信号レベルおよび位相を補正する制御信号を出力し、
    前記それぞれの分配された信号のそれぞれの他方について前記制御信号を基に信号レベルを補正し、
    前記それぞれの分配された信号のそれぞれの他方について前記制御信号を基に位相差を補正し、
    前記信号レベルおよび位相差を補正したそれぞれの信号を合成することを特徴とする受信装置の受信方法。
  6. 請求項5に記載の受信方法であって、
    前記2つのアンテナにより受信した信号の受信レベルが高い受信信号に対する利得が大きくなるように利得を制御することを特徴とする受信方法。
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