次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。なお、以下では、図柄の変動表示の終了に伴い当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)を付与可能な当り遊技を実行可能なパチンコ遊技機に、本発明を適用した例を説明する。
図1乃至図3に示すように、第1実施例のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに、遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)が設けられている。複数の演出ボタンは、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67が設けられている。尚、演出ボタン63の構成は本実施例1の態様に限らず、遊技者からの入力を検知できるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力検知手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力検知手段(光電式等)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されている。また、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することができる。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L、8C、8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L、8C、8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄8L、8C、8Rはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄によって、後述(図4参照)の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果、及び第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果(つまり特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果)を、遊技者が認識し易いように表示する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということもある。
例えば、当否判定の結果が大当りとなった場合には、「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する(「当り演出図柄」ともいう)。また小当りとなった場合には「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄で演出図柄を停止表示する(「小当り演出図柄」ともいう)。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ図柄で演出図柄を停止表示する(「外れ演出図柄」ともいう)。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することができる。つまり遊技者は、一般的には当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。なお、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、当り遊技に伴って実行される当り遊技演出や、客待ち用のデモ演出などが表示される。なお、演出図柄遊技演出や当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とがある。第1演出保留又は第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材が下方に落下し、当該可動装飾部材が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図3参照)により駆動される。本実施例1では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置31(「第1可変入球口」ともいう)が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図3参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1可変入球口31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置36(「第2可変入球口」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図3参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2可変入球口36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。第2大入賞装置36には、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39が形成されている。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。このような特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行される共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入球口27が設けられている。
このように各種入球口等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちといい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際は左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当りとなり遊技状態が変化した際には、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。そして、第1始動口、第2始動口、第1大入賞口、第2大入賞口、及び一般入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(「賞球」ともいう)が払い出される。
また、図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示及び停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)、第2特別図柄を変動表示及び停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)、及び、普通図柄を変動表示及び停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、及び、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
また主表示器40には、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に、実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46、及び、遊技球の発射方向、すなわち右打ちすべき状態か左打ちすべき状態かを示す発射方向表示器47が含まれている。これら主表示器40に含まれる各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球を契機として行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合(すなわち、大当り図柄や小当り図柄である場合)には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的に、図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が、第1大当り(15R大当り)となった場合には、「ijn」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する。また第2大当り(2R大当り)となった場合には、「jnkl」の4個のLEDを点灯し、残りを消灯する。また小当りとなった場合には、「mnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯し、残りを消灯することができる。また、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。停止表示態様については、第1特別図柄表示器41bと同様に、第2特別図柄当否判定の結果に応じて夫々異なる表示態様に定められている。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば予め定められた順序で、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部85に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85aに記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85bに記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値はそれぞれ4個となっている。これら第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85bを、夫々「第1取得情報記憶手段」及び「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「u□v●」というようにuのLEDを消灯vのLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が2の場合は「u●v□」というようにuのLEDを赤色で点灯させvのLEDを消灯する表示態様とすることができる。また、保留数が3の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が4(上限数)の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。また、第2特図保留表示器43bは、「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数1〜4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というようにtのLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。なお外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部86に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「q□r●」というようにqのLEDを消灯しrのLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数2〜4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例1のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい、「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい、「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7に表示される演出図柄8、演出表示器102に表示される図柄、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、及び一般入球口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられており、特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。一般入球口センサ27aは、各一般入球口27内にそれぞれ設けられて一般入球口27に入球した遊技球を検知するものである。
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、及び第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47、及び当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
また図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って遊技演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPUは、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示及び停止表示にあわせて変動表示及び停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数及び第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数及び第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7a演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄、第1演出保留表示部、又は第2演出保留表示部の一部又は全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えてVDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。なお可動装飾部材14は、図1では一部分のみ視認可能となっているが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b(図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチらサブ制御基板90に対して信号が出力される。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御について説明する。特別図柄当否判定の結果として、「大当り」、「小当り」、「外れ」がある。「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示される。また「小当り」のときには、特別図柄表示部41に「小当り図柄」が停止表示される。また「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当り又は小当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」と言い、小当りとなって実行される特別遊技を「小当り遊技」と言う。
当りには複数の種別がある。図6に示すように当りの種別としては、「15R(ラウンド)第1大当り」、「15R第2大当り」、「2R第3大当り」、及び「15R第4大当り」がある。「15R第1大当り」及び「15R第4大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であり、1ラウンド目と2ラウンド目に、特定領域39への遊技球の通過が可能(容易)な態様で第2大入賞口35を開放させる大当りである。この特定領域39への遊技球の通過を狙うラウンドを、チャンスラウンドやチャレンジラウンドということができる。「15R第2大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であるものの、前述のチャンスラウンドである1ラウンド目と2ラウンド目の開放時間が極短時間(一瞬開閉)で、特定領域39への遊技球の通過が困難(不可能としてもよい)な大当りである。すなわち、この「15R第2大当り」は、特定領域39への遊技球の通過が可能(容易)な態様で第2大入賞装置36を開放させることのない大当りであるといえる。「2R第3大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が2回であり、チャンスラウンドである1ラウンド目と2ラウンド目に特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞装置36を開放させる大当りである。但し、第2大入賞口35の開放時間が1ラウンド目と2ラウンド目を合わせても1.8秒であるので、15R第1大当りより特定領域への遊技球の通過可能性が低いものとなっている。
本実施例1のパチンコ遊技機1では、大当り遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、特別図柄当否判定の結果が前述の15R第1大当り、2R第3大当り、又は15R第4大当りとなった場合には、特定領域への遊技球の通過可能性が比較的高い態様で1ラウンド目と2ラウンド目のチャンスラウンドが実行されるため、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させることができる。これに対して、15R第2大当りとなった場合には、1ラウンド目と2ラウンド目のチャンスラウンドの開放時間が各0.1秒であるので、第2大入賞口へ遊技球を入球させるのが非常に困難であるので、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができず、その大当り遊技後の遊技状態は、後述の通常状態(低確率状態)となる可能性が非常に高い(低確率状態になるといってもよい)。
一方、小当りは、見かけ上2R第3大当りと同じ開放パターンで大入賞口(第2大入賞口35)を開放させる当りである。すなわち小当りでは、特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞装置36を開放させる。しかしながら、小当り遊技の実行中に、特定領域39への遊技球の通過があっても小当り遊技の実行後の遊技状態を小当り遊技の実行前から変化させないものとなっている。そのため、小当り遊技の実行前の遊技状態が通常状態(低確率状態)であれば、小当り遊技の実行後の遊技状態も通常状態となる。そして遊技者から見れば、上記の2R第3大当りと小当りとは大入賞口(第2大入賞口35)の開放パターンを見ても区別することができない。すなわち遊技者は特別図柄当否判定の結果が、2R第3大当りになったのか小当りになったのかを認識するのが困難である。そのため、2R第3大当りとしての特別遊技中に特定領域39へ遊技球を通過させたとしても、それだけでは、その後の遊技状態が高確率状態に移行したかどうかを認識するのは困難である。また、小当りとしての特別遊技中に特定領域39へ遊技球を通過させたとしても、それだけでは、その後の遊技状態が通常状態のままか、高確率状態に移行したかを認識するのは困難である。その結果、小当りとなった場合、及び2R第3大当りになった場合には、高確率状態であるかもしれないという期待感を持ちつつ遊技を進行することができ、遊技興趣を高めることができる。なお、小当りにおいては大入賞口の開放回数を、ラウンド数とは言わず、単に開放回数という。
より具体的には、本実施例1のパチンコ遊技機1における各大当り及び小当りとなったときの大入賞口の開放パターンは、図6のようになっている。すなわち、15R第1大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第1大当り図柄が停止表示された場合)、及び15R第4大当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに15R第4大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rまでは第2大入賞口35を最大28秒開放し、3R〜15Rまでは第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この当りでは、1R目及び2R目における第2大入賞口35の開放時間が夫々28秒あるため、そのラウンド中に特定領域39へ遊技球を通過させることが容易となっている。
また、15R第2大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第2大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rまでは第2大入賞口35を最大0.1秒開放し、3R〜15Rまでは第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この当りでは、1R目及び2R目における第2大入賞口35の開放時間が夫々最大0.1秒と極短時間とされている(一瞬開閉)ため、そのラウンド中に特定領域39へ遊技球を通過させることはほぼ不可能となっている。
すなわち、15R第2大当り用の開放パターンは、15R第1大当り用の開放パターンと比べて第1ラウンド及び第2ラウンドの開放態様が異なる。つまり、15R第1大当りでは、1ラウンド目及び2ラウンド目に第2大入賞口35が28秒開放するため、第2大入賞口35へ遊技球が容易に入球する。そして、第2大入賞口35へ入球した遊技球は、高い可能性で特定領域39を通過する。これに対して、15R第2大当りでは、1ラウンド目及び2ラウンド目に第2大入賞口35が0.1秒しか開放しない。そのため、1第2大入賞口35へ遊技球が入球することは非常に困難である。従って、15R第2大当りの実行中に、遊技球が特定領域39を通過する可能性は15R第1大当りと比してかなり低くなっている。また、遊技球が特定領域39を通過する可能性は限りなく0に近いため、通過しないといってもよい。
また図6に示すように、2R第3大当りに当選した場合(第1特別図柄表示器41aに2R第3大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rまで第2大入賞口35を最大0.9秒開放させる。この当りでは、1R目及び2R目における第2大入賞口35の開放時間が合計1.8秒あるため、そのラウンド中に特定領域39へ遊技球を通過させることが可能となっている。尚、本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。よって、第2大入賞口35の開放時間が1.8秒あれば、第2大入賞口35へ遊技球を入球させることは十分に可能である。またこの2R第3大当りは、第2大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、他の15R大当りのように多くの賞球(遊技利益)を望めるものではない。すなわち他の大当りに比してほとんど賞球の獲得できない大当りである。
また、第1小当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに第1小当り図柄が停止表示された場合)、及び、第2小当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに第2小当り図柄が停止表示された場合)には、第2大入賞口35において最大0.9秒間の開放を2回行う。すなわち、2R第3大当りと同じ開放パターンにて大入賞口を開放させる。この小当りにおいても、第2大入賞口35の開放時間が合計1.8秒あるため、特定領域39へ遊技球を通過させることが可能となっている。しかし前述の通り、特定領域39への通過があっても小当り遊技の前後で遊技状態の変化はない。またこの小当りは、大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、2R第3大当りと同様に多くの賞球を望めるものではない。すなわち小当りは、遊技状態の移行という点についても、賞球という点についても、遊技者にとっての特典がほぼないもの(入球による賞球のみ)となっている。
すなわち、本実施例では、第2大入賞口35の開放パターンとして、遊技球が特定領域39を通過可能(通過容易)な第1の開放パターンと(15第1大当り、15R第4大当り)、遊技球が特定領域39を通過困難(通過不能)な第2の開放パターンと(15R第2大当り)、遊技球が特定領域を通過可能であって第1の開放パターンより通過可能性が低い第3の開放パターンと(2R第3大当り)、を有するものすることができる。また、小当り用の開放パターンとして、遊技球が特定領域39を通過可能であるが通過した場合であっても特典を付与しない(高確率状態を発生しない)第4の開放パターンを有するものとすることができる。この第4の開放パターンは、他の態様として特定領域39を通過不能な開放パターンとしてもよい。
なお、第1特別図柄(特図1)の当否判定における各大当りへの振分確率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが50%、2R第3大当りが10%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定における大当りは、全て15R第4大当りとなっている。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく当否判定により大当りとなった場合には、必ず15R第4大当りとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(第1特別図柄の大当り抽選)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(第2特別図柄の大当り抽選)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当りか、小当りか、外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は0〜629までの範囲で値をとる。大当り種別決定用乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数及び大当り種別決定用乱数の他に、「リーチ乱数(「リーチ情報」ともいう)」及び「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
リーチ乱数は、特別図柄当否判定の結果が外れである場合に、演出図柄を用いてその結果を示す遊技演出(演出図柄遊技演出)においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは例えば、左と右の2個の演出図柄8R、8Lが同じ図柄で停止(仮停止)され、残り1個の中演出図柄8Cが変動中の状態をいう(「7↓7」の状態)。そして、変動中の中演出図柄8Cが停止中の演出図柄8R、8Lと同じ図柄で停止すれば、3つの演出図柄が同一の図柄で停止することとなり、当りとなる。なお、この場合の演出図柄の停止(仮停止)には、演出図柄表示領域7b内で多少揺れているような表示(揺れ変動)も含まれる。このリーチ乱数は、0〜126までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜198までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜240までの範囲で値をとる。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能、及び、開放延長機能の各機能が作動状態又は非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態(「低確率状態」ともいう)」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例1では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動している。具体的に、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が0.2秒の開放動作を1回行い、その期間第2始動口が開状態となる。また時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が2.0秒の開放動作を3回行うものとされる。
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例1のパチンコ遊技機1では、15R第1大当りとなった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に特定領域39の通過がなされていれば、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の時短状態、且つ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。
本実施例1のパチンコ遊技機1では、特別図柄の高確率状態(高確高ベース状態)の終了条件を、第1特別図柄と第2特別図柄とで個別に設定している。具体的には、第1特別図柄が予め設定された第1の特定回数(例:10回)変動表示を行うか、第2特別図柄が予め設定された第2の特定回数(例:140回)変動表示を行うか、又は大当りとなって大当り遊技が実行されるか、の何れかが成立すると高確率状態(高確高ベース状態)は終了する。前述した通り、本実施例1では、第1特別図柄の当否判定よりも第2特別図柄の当否判定の方が遊技者にとって有利であるので、意図せず第1特別図柄を変動表示させてしまった場合でも、10回に到達しさえしなければ、それによって第2特別図柄を変動表示させることが可能な回数が減少することはない。これにより、遊技者に高確率状態中の安心感を与えると共に、より有利な大当り発生への期待感を高めることができる。
また、15R第2大当りとなった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に特定領域39を通過することは極めて困難であるので、特別図柄の通常状態且つ特別図柄の時短状態、且つ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。可能性は限りなく低いが、仮に特定領域39を通過した場合には、「高確高ベース状態」となる。
また、通常状態(低確低ベース状態)において、2R第3大当りとなった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に特定領域39の通過がなされていれば、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の非時短状態、且つ低ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に、「高確低ベース状態」という。高確低ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確低ベース状態は、高確率状態であることが潜伏している状態、すなわち高確率状態であることが遊技者にとって認識困難な状態である。つまり高確低ベース状態は、いわゆる「潜伏確変状態(「確率非報知状態」ともいう)」である。これに対して、上記の高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態である。つまり高確高ベース状態は、いわゆる「確変遊技状態」である。また、高ベース状態において、2R第3大当りとなった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に特定領域39の通過がなされていれば、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の時短状態、且つ高ベース状態となる(図6参照)。すなわち、特別図柄の時短機能及びベース状態については、特別遊技の実行前の状態と同じ状態とされる。
前述と同様、特別図柄の高確率状態(高確低ベース状態)の終了条件は、第1特別図柄と第2特別図柄とで個別に設定されている。具体的には、第1特別図柄が第1の特定回数(10回)変動表示を行うか、第2特別図柄が第2の特定回数(140回)変動表示を行うか、又は大当りとなって大当り遊技が実行されるか、の何れかが成立すると高確率状態(高確低ベース状態)は終了する。低ベース状態では第2始動口に遊技球を入球させ第2特別図柄を変動表示させるのは困難であるので、実質的には、第1特別図柄を変動表示させ、第1特別図柄が第1の特定回数(10回)変動表示を行うか、又は大当りとなって大当り遊技が実行されるか、の何れかが成立することにより高確率状態(高確低ベース状態)が終了することとなる。従って、高確低ベース状態においては、高確高ベース状態と比較して、高確率状態において当否判定を受ける機会が少ないといえる。これにより、実質的に、高確率状態が終了することとなる特別図柄の変動回数条件が異なる遊技状態を作り出し、新たな遊技性を提供することができ、遊技興趣を高めることができる。」
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、特別図柄の通常状態且つ特別図柄の非時短状態、且つ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。また高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域へ発射すべきことを報知する。
これに対して、高確低ベース状態や低確低ベース状態といった低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。また低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域へ発射すべきことを報知する。
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
[主制御メイン処理]次に、図10〜図38に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御処理)について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。尚、実施例1及び図面において、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」ということがある。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4msec周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。なおコマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入球口センサ27a等(図5参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯スイッチからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、普図動作処理(S205)、特図動作処理(S206)、特定領域センサ検知処理(S207)、保留球数処理(S208)、及び電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定し(S302)、遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305に進む。
普通図柄保留球数が4以上であれば(S302でYES)、S305に進む。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S302でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)にはS309に進むが、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S306でYES)には、S309に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S306でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて始動口センサ検知処理(S204)では、第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S310でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S310でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[普図動作処理]遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで、図13に示す普図動作処理(S205)を行う。普図動作処理(S205)では、普通図柄表示器42および可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。なお普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]図14に示すように、普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行う(S502)。また、普通図柄当否判定処理(S502)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。また普通図柄変動パターン選択処理に次いで後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行う。また、普通図柄乱数シフト処理(S504)に次いで、普通図柄変動開始処理を行い(S505)、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]図15に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、普通図柄当り判定テーブル(図8(D))のアドレスをセットする(S602)。続いて、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S603)。時短状態であれば、図8(D)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づいて、当りか否かを判定する(S606)。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。これに対して、非時短状態であれば、図8(D)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づいて、当りか否かを判定する(S604)。そして普通図柄当否判定(S604、S606)の結果が、「外れ」であれば(S604でNO、S606でNO)そのまま処理を終えるが、「当り」であれば(S604でYES、S606でYES)普通当りフラグをONして(S605)処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]普通図柄変動パターン選択処理(S503)に次いで普通図柄乱数シフト処理(S504)を実行する。図16に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]図17に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]図18に示すように、普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]図19に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時間に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。なお、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S205)に次いで特図動作処理(S206)を行う。特図動作処理(S206)では、図20に示すように、特別図柄表示器41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105で共にNO、S1107でYES)、大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)を行い、「特図動作ステータス」が「5」である場合には(S1101、S1103、S1105、S1107の全てがNO)、小当り遊技としての特別電動役物処理2(S1109)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図21に示すように、特別図柄待機処理(S1102)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、そうであれば(S1211でYES)処理を終え、そうでなければ(S1211でNO)待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例1では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例1では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B))。
[特図2当否判定処理]図22に示すように、特図2当否判定処理(S1202)ではまず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(図8(A))のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1307)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303、S1307)の結果が「大当り」であれば(S1304でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定する(S1308)。なお、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。また、第1特別図柄(特図1)の当否判定にて大当りと判定された場合は、15R第1大当り、15R第2大当り及び2R第3大当りのうち何れかが実行される。また、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りと判定された場合は、全て15R第4大当りとされる(図8(B))。大当り種別を判定(S1308)した後は、大当りフラグをONして(S1309)処理を終える。
尚、大当りフラグには、大当りの種別が15R第1大当り又は15R第2大当りであった場合にONする長当りフラグと、2R第3大当りであった場合にONする短当りフラグとがある。ここで、ラウンド表示器45は、2R用ランプと15R用ランプとの2個のLEDで構成されており、2R第3大当りとなって短当りフラグがONにされると、2R第3大当り図柄が確定表示するタイミングで、2R用ランプの方が点灯表示される。具体的には、「2R▲15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、15R第1大当り、15R第2大当り、及び15R第4大当りの何れかとなって長当りフラグがONにされると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプの方が点灯表示される。具体的には、「2R△15R▲」の様な表示態様となる。
一方、大当り判定(S1303、S1307)の結果が「大当り」でなければ(S1304でNO)、小当りか否かを判定する(S1305)。すなわち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)が、小当り判定値である「101」〜「105」の何れかと一致するか否か判定する(図8(A))。そして、小当りでもなければ(S1305でNO)そのまま処理を終え、小当りであれば(S1305でYES)、小当りフラグをONして(S1306)、処理を終える。なお、小当りか否かを決める乱数を、特別図柄当否判定用乱数とは別に設けてもよい。
[特図2変動パターン選択処理]特別図柄待機処理(図21)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図23及び図24に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。そして、時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、大当りフラグがONか否かを判定し(S1402)、ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。なお、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また本実施例1では、非時短状態中大当り用テーブルは、大当りが長当り(15R大当り)か短当り(2R大当り)かによっても分かれている。しかし本処理は、特図2についての変動パターン選択処理なので、特図2の抽選にて当選する大当りには15R第4大当り(長当り)しかない。従って本処理にて参照される箇所は、常に長当りの箇所となり、変動パターンP1または変動パターンP2が選択される。なお、非時短状態中大当り用テーブルは、長当り用と短当り用とに分かれていなくてもよい。これは後述の時短状態中大当り用テーブルについても同様である。
一方、大当りフラグがONでなければ(S1402でNO)、小当りフラグがONか否かを判定する(S1405)。そして、小当りフラグがONであれば(S1405でYES)、非時短状態中小当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。具体的には、本実施例1では必ず変動パターンP4が選択される。
また、小当りフラグがONでなければ(S1405でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1406)。図8(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「5」であり、非時短状態であれば「0」〜「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも外れ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ演出無し外れがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値である場合(S1406でYES)、即ち、リーチ有外れの場合には、非時短状態中リーチ有外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つリーチ有外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例1では、変動パターンP5又はP6が選択される。
リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値でない場合(S1406でNO)、即ち、リーチ無外れの場合には、非時短状態中リーチ無外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つリーチ無外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。このリーチ無外れ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。本実施例1では、変動パターンP7又はP8が選択される。
またS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、図24に示すように、参照する変動パターンテーブルを時短状態中用のテーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記ステップS1402〜S1609と同様の流れで処理(S1410〜S1416)を行う。すなわち、大当りであれば図9の時短状態中且つ大当りに該当する部分を参照し、小当りであれば図9の時短状態中且つ小当りに該当する部分を参照し、リーチ有外れであれば図9の時短状態中且つリーチ有外れに該当する部分を参照し、リーチ無外れであれば図9の時短状態中且つリーチ無外れに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する。
なお、時短状態中の変動パターンテーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無外れ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当りのうち長当りに当選した場合に、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターンテーブルは、非時短状態中の変動パターンテーブルよりも特別図柄の変動時間の平均値が短くなるようなテーブルとなっている。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図23に示すその他の処理(S1404)を行ってこの処理を終える。なお、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
[特図2乱数シフト処理]図25に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)ではまず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図21の特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図21の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、且つ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]図26に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図22に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1609)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出す。またS1608における大当りの種別判定では、15R第1大当り、15R第2大当り、及び2R第3大当りのいずれとも判定される可能性がある(図8(B))。図8(B)の第1特別図柄(特図1)の欄に示すように、各大当りの振分率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが50%、2R第3大当りが10%となっている。この大当りの種別判定で15R第1大当り又は15R第2大当りと判定された場合には、ステップS1609において大当りフラグとして長当りフラグをONする。一方、2R第3大当りと判定された場合には、S1609において大当りフラグとして短当りフラグをONする。
[特図1変動パターン選択処理]図27及び図28に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図23及び図24に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701〜S1720)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1702(図27)でYESの場合(すなわち大当りフラグがONの場合)には、さらに大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り又は15R第2大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S1703)。そして15R大当りである場合には(S1703でYES)、非時短状態中15R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。具体的には、変動パターンP1または変動パターンP2が選択される。
一方、S1703において15R大当りでないと判定した場合(S1703でNO)、即ち2R第3大当りである場合には、非時短状態中2R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。具体的には、変動パターンP3が選択される。
また、この特図1変動パターン選択処理では、S1712(図28)でYESの場合(すなわち大当りフラグがONの場合)にも、さらに大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り又は15R第2大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S1713)。そして15R大当りである場合には(S1713でYES)、時短状態中15R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。具体的には、変動パターンP9〜P11のいずれかが選択される。
一方、S1713において15R大当りでないと判定した場合(S1713でNO)、即ち2R第3大当りである場合には、時短状態中2R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1715)。具体的には、変動パターンP12が選択される。
この特図1変動パターン選択処理において、変動パターンの選択(S1704、S1706、S1709、S1710、S1711、S1714、S1715、S1718、S1719、S1720)を行った後は、その他の処理(S1705、図27)を行って、この処理を終える。その他の処理(S1705)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
[特図1乱数シフト処理]図29に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)ではまず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部85aの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図21の特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]図30に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)ではまず、特別図柄の変動時間(図21のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、後述の確変カウンタ処理(S1904)を行う。確変カウンタ処理(S1904)に続いて、時短フラグがONか否か判定する(S1907)。確変フラグがONでなければ(S1903でNO)、確変カウンタ処理(S1904)を行うことなく時短フラグがONか否か判定する処理(S1907)に移行する。S1907で、時短フラグがONであれば(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否か判定して(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定された場合(S1907でNO)、及び時短カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S1909でNO)、もS1911の処理に進む。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる
等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
〔確変カウンタ処理〕図31に示すように、確変カウンタ処理(S1904)では、まず変動停止したのが特図2であるか否かを判定する(S2701)。特図2であると判定された場合(S2701でYES)、特図2カウンタを1ディクリメントし(S2702)、S2703に移行する。一方、特図2でないと判定された場合(S2701でNO)、特図1カウンタを1ディクリメントし(S2707)、S2703に移行する。すなわち、変動表示(変動停止)したのが第1特別図柄であったのか、又は第2特別図柄であったのかを判定し、変動表示(変動停止)した特別図柄に対応するカウンタを1減算するのである。
ここで、本実施例1の主制御基板80のRAMには、高確率状態において第1特別図柄の変動表示の回数を計数する特図1カウンタ(「第1計数カウンタ」や「第1確変カウンタ」ともいう)と、高確率状態において第2特別図柄の変動表示の回数を計数する特図2カウンタ(「第2計数カウンタ」や「第2確変カウンタ」ともいう)と、が形成されている。これにより、特定の遊技状態(本実施例1では高確率状態)における第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数を個別に計数することができる。詳細は後述するが、高確率状態への移行時に、特図1カウンタ及び特図2カウンタに夫々所定の値が設定される。特図1カウンタに設定する値と、特図2カウンタに設定する値とは、個別に設定することができ、異なる値とすることもできるし、同じ値に設定することもできる。本実施例1では、後述の遊技状態設定処理(S2121)において、特図1カウンタに10をセットし、特図2カウンタに140をセットする態様を採用している。
S2703では、特図2カウンタが「0」か否かを判定し(S2703)、「0」でないと判定された場合(S2703でNO)、特図1カウンタが「0」か否かを判定する(S2708)。特図1カウンタが「0」でないと判定された場合(S2708でNO)、処理を終了し、高確率状態を続行する。一方、特図2カウンタが「0」であると判定された場合(S2703でYES)、確変フラグをOFFにし(S2704)、S2705の処理に進む。また、特図1カウンタが「0」であると判定された場合(S2708でYES)も、同様に確変フラグをOFFにし(S2704)、S2705の処理に進む。S2705では、時短フラグがONかどうかを判定する。時短フラグがONであると判定された場合(S2705でYES)、時短フラグをOFFにし(S2706)、処理を終了する。一方、時短フラグがONでないと判定された場合(S2705でNO)、すなわち、高確低ベース状態の遊技中であったと判定された場合、そのまま処理を終える。これは2R第3大当りとなり、高確低ベース状態(潜伏確変状態)が発生した場合に起こりうる処理である。これにより遊技状態は、「低確低ベース状態」とされる。また、この確変カウンタ処理(S1904)で、時短フラグがOFFにされると(S2705)、続く特別図柄変動中処理(S1104)のS1907の処理において、時短フラグがONでないと判定され(S1907)、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定用乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる(大当り図柄、小当り図柄、又は外れ図柄を停止表示)等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、続いて大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り、又は15R第4大当りのいずれか)か否かを判定する(S2002)。
そして15R大当りであれば(すなわち長当りフラグがONであれば)、大当り遊技中に実行するラウンド(1ラウンド1回開放の態様では、1回のラウンドは大入賞口の開放から閉塞まで)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を「15」にセットするとともに、大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の開放パターンとして、15R第1大当りであれば15R第1大当り用の開放パターン(図6参照)をセットし、15R第2大当りであれば15R第2大当り用の開放パターン(図6参照)をセットする(S2003)。
S2002において15R大当りでなければ(すなわち短当りフラグがONであれば)、大当り種別は2R第2大当りであるため、ラウンドカウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の開放パターンとして、2R第2大当り用の開放パターン(図6参照)をセットする(S2004)。
S2003又はS2004の処理を終えたら、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2005)、大当り遊技のオープニング演出を開始し(S2006)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2007)。
また、S2001において大当りフラグがONでないと判定された場合(S2001でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S2008)。小当りフラグがONであれば(S2008でYES)、小当り遊技中における大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数をカウントする小当り用開放カウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の開放パターンとして、小当り用の開放パターン(図6参照)をセットする(S2009)。
S2009の処理を終えたら、小当り遊技を開始するべく、小当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2010)、小当り遊技のオープニング演出を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「5」にセットする(S2012)。なお、S2008において小当りフラグがONでなければ(S2008でNO)、大当り遊技も小当り遊技も開始しないため、特図動作ステータスを「1」にセットし、処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当り遊技)]図33に示すように、特別電動役物処理1(S1108)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONと判定された場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONと判定された場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態且つ非時短状態に制御される。本実施例1では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の開放が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。
大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否かを判定する(S2106)。開放中でなければ(S2106でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当りのオープニングの時間が経過して1ラウンド目を開始する時間に至ったか、又は、ラウンド間のインターバルの時間が経過して次ラウンド(次の開放)を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2107)。
S2107の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2107の判定結果がYESであれば、実行されるラウンドが1ラウンド目及び2ラウンド目の何れかのラウンドに該当するか否かを判定する(S2108)。これは、大当り種別毎に、ラウンドカウンタの値を用いて判定してもよいし、別途実行するラウンドが何ラウンド目かをカウントするラウンドカウンタを設けて判定してもよい。1ラウンド目及び2ラウンド目のいずれのラウンドでもない(すなわち、3〜15ラウンドの何れか)場合(S2108でNO)、S2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(図6参照)に従って第1大入賞口30を開放させる。一方、1ラウンド目又は2ラウンド目であると判定された場合(S2108でYES)、V有効期間設定処理(S2109)を行ってからS2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させる。
V有効期間設定処理(S2109)では、1ラウンド又は2ラウンドにおける第2大入賞口35の開放中及び第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間に相当)に設定する。なお本実施例1ではこれ以外の期間(小当り中や特別遊技を実行していないときも含む)は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間に相当)に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検知処理(図36)のステップS2401〜S2403参照)ということであり、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。
ここで、特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、遊技状態表示器46を所定の表示態様とし、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となることを報知する。具体的には、遊技状態表示器46は「a1a2a3」の3個のLEDで構成されている。そして、本実施例1では、通常状態(低確率状態)においては、「a1□a2□a3□」(例えば、□:消灯、■:点灯)の表示態様とされる。また、大当り遊技中の特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、「a1■a2■a3■」の表示態様とされる。そして、大当り遊技が終了し、遊技状態が高確率状態に設定されると「a1□a2□a3□」の表示態様とされる。また、遊技状態表示器46の点灯制御タイミングはこのようなタイミングに限定されず、大当り遊技中は、遊技球が特定領域を通過しても「a1□a2□a3□」の表示態様のままとし、大当り遊技終了後の高確率状態へ移行するタイミングで「a1■a2■a3■」とし、高確率状態から低確率状態に移行するタイミングで「a1□a2□a3□」の表示態様としてもよい。
すなわち、後述の特定領域センサ検知処理(図36)では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、すなわち大当り遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図34))。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち不正に高確率状態に設定されることのないようにしている。
また、15R第1大当りや2R第3大当りにおいて、1R目又は2R目のV通過があれば、当該大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態に設定する一方で、小当り中にV通過があっても、小当り遊技前の遊技状態が通常状態であれば、その小当り遊技後の遊技状態も通常状態とし、大当り遊技の前後で当否判定確率を変化させないようにしている。
なお、本実施例1では、V有効期間設定処理(S2109)において、15R第2大当りである場合にも特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間)に設定するが、他の態様として、15R第2大当りの場合は1R目及び2R目において第1期間を設定しないものとしてもよい。すなわち、15R第2大当りの場合は1R目及び2R目を第2期間に設定するようにしてもよい。15R第2大当りに係る大当り遊技では、第2大入賞口35の開放時間を0.1秒と極短時間に設定しているため遊技球が第2大入賞口35へ入球する可能性は限りなく低いが、第2期間に設定しておけば、万が一入球した場合でもVフラグをONにしてしまうことがない。これにより、不正にVフラグをONにしたり、まれな入球によりVフラグがONになったりしてしまうのを防止することができる。尚、本実施例では1ラウンド又は2ラウンドにおいて特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効としているが、ラウンドの場所はこれに限らなくてもよい。
S2106において大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2106でYES)、そのラウンドにおける大入賞口への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例1では1ラウンド当り10個)に達しているか否かを判定する(S2111)。規定入球個数に達していなければ(S2111でNO)、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否か)を判定する(S2112)。そして、大入賞口の開放時間が経過していなければ(S2112でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入球個数に達している場合(S2111でYES)、又は大入賞口の開放時間が経過した場合(S2112でYES)、すなわち2つのラウンド終了条件のうちのいずれかが成立した場合には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖する(S2113)。そして、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2114)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2115)。「0」でないと判定された場合(S2115でNO)、次のラウンドを開始するため、処理を終える。
一方、「0」と判定された場合(S2115でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2116)、大当りのエンディング演出を開始する(S2117)。そして、大当り終了フラグをセットし(S2118)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタは、長当り(15R大当り)であれば大入賞口の開放が15回実行されると「0」になり、短当り(2R大当り)であれば大入賞口の開放が2回実行されると「0」になる。
またS2105において大当り終了フラグがONであれば(S2105でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の時間時間が経過したか否かを判定し(S2119)、エンディング時間が経過していなければ(S2119でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2119でYES)、大当り終了フラグをOFFにした後(S2120)、後述の遊技状態設定処理(S2121)を行う。そして、大当りフラグをOFFにし(S2122)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2123)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
[遊技状態設定処理]図34に示すように、遊技状態設定処理(S2121)ではまず、VフラグがONであるかどうかを判定する(S2201)。Vフラグは後述の特定領域センサ検知処理(図36)にてONするフラグである。そしてVフラグがONであれば(S2201でYES)、確変フラグをONするとともに(S2202)、特図1カウンタに「10」をセットし(S2203)、特図2カウンタに「140」をセットする(S2204)。その後、VフラグをOFFにし(S2205)、S2206の処理に進む。すなわち、本パチンコ遊技機1では、この遊技状態設定処理においてVフラグがONになっているか否かに基づいて、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に設定するか否かを決めている。
一方、VフラグがOFFであれば(S2201でNO)、確変フラグをONすることなく、時短フラグをONにし(S2210)、時短カウンタに「100」をセットし(S2211)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が低確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数が100回になること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。すなわち、この時短カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数との両方を計数するものである。尚、時短カウンタも第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示回数とを別々に設定する構成としてもよい。
S2206では、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が15R大当りか否かを判定する。そして、15R大当りでなければ、すなわち2R第3大当りであれば(S2206でNO)、次いで大当り遊技前の遊技状態、すなわち2R第3大当りとなった際の遊技状態が、時短状態か否かを判定する(S2209)。時短状態でなかったと判定された場合(S2209でNO)、時短フラグをONにすることなく(S2209でNO)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が高確率状態且つ特別図柄の非時短状態且つ低ベース状態(すなわち高確低ベース状態)になる。この高確低ベース状態は、第1特別図柄が10回変動表示すること、第2特別図柄が140回変動表示すること、及び、次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。
一方、S2206で、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が15R大当りであると判定された場合、並びに、S2209で、2R第3大当りとなった際の遊技状態が時短状態であったと判定された場合(S2209)、時短フラグをONにし(S2207)、時短カウンタに「149」をセットし(S2208)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が高確率状態且つ特別図柄の時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、第1特別図柄が10回変動表示すること、第2特別図柄が140回変動表示すること、及び、次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。
ここで、確変フラグをONにした場合(S2202)であって、時短フラグをONにする場合(S2207)の時短カウンタのセット回数を「149」回としたのは、遊技者の打ち方(何れの特別図柄を変動表示させるか)によっては、高確率状態(高確高ベース状態)で最大149回の特別図柄の変動表示(特別図柄当否判定)を行うことができるからである。例えば、本実施例1では、第2特別図柄が第1特別図柄よりも有利とされているので、第2特別図柄を139回変動表示させた後、第1特別図柄を9回変動表示させ、最後に第2特別図柄を1回変動表示させることが、遊技者にとってもっとも有利な高確率状態の消化手順とされる。
また、2R第3大当りであり、且つ当該大当り遊技中にVフラグがONにされた場合において、大当り遊技前の遊技状態が時短状態かどうかを判定する処理(S2209)を行うのは、大当り遊技前後の時短機能の作動状態、及び高ベース機能の作動状態を小当りと同じにするためである。これらの作動状態が小当りと2R第3大当りとで異なっていると、大入賞口の開放パターンで何れの当りかを認識困難にしたとしても、その後の作動状態によって、何れの当りかが判別されてしまうからである。これにより、小当りと2R第3大当りとを大入賞口の開放パターンでの判別を困難にすると共に、その後発生する時短機能や高ベース発生機能の作動状態によっても判別困難としている。尚、時短状態かを確認しないで単にVフラグONであれば時短フラグをONにする構成でもよい。
[特別電動役物処理2(小当り遊技)]図35に示すように、特別電動役物処理2(S1109)ではまず、小当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当り終了フラグは、小当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
小当り終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否か(すなわち大入賞装置の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち小当りのオープニングの時間が経過して1回目の開放を開始する時間に至ったか、又は、複数回にわたる開放の間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
S2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2303の判定結果がYESであれば、V無効期間設定処理(S2304)を行ってから、S2305に進み、小当りの開放パターン(図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させる。
V無効期間設定処理(S2304)では、小当り遊技における第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間)に設定する。また、本実施例1では、前述のV有効期間設定処理(S2109)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間(第2期間)とされている。従って、このV無効期間設定処理では、有効期間となっていないか、すなわち無効期間に設定されているかを確認する。具体的には、V有効期間の経過をカウントダウンにて計測するVタイマ(主制御基板80のRAMに設けられている)が「0」(すなわち有効期間無しの状態)に設定されているかを確認する。Vタイマが「0」でなければVタイマに「0」をセットする。なおVタイマが「0」か否かを確認することなく、Vタイマに「0」をセットする即ち有効期間無しの状態に設定するようにしてもよい。これにより、小当り中にV通過があっても、小当り遊技前の遊技状態が通常状態であればその小当り遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させないようにしている。なお、本実施例1では、前述のV有効期間設定処理(S2109)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間であるため、S2304の処理を省略してもよい。
S2302において大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば、(S2302でYES)、2回の開放中における大入賞口への入球個数、すなわち2回の開放において入球した遊技球を全て足した数が、規定の最大入球個数(本実施例1では10個)に達しているか否かを判定する(S2306)。規定入球個数に達していなければ(S2306でNO)、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否か)を判定する(S2307)。そして、大入賞口の開放時間が経過していなければ(S2307でNO)、処理を終える。
これに対して、2回の開放中における大入賞口への入球個数が規定入球個数に達している場合(S2506でYES)、大入賞口(第2大入賞口35)を閉鎖し(S2314)、S2311の小当り終了処理に移行する。一方、S2307で、大入賞口の開放時間が経過したと判定された場合(S2307でYES)には、大入賞口(第2大入賞口35)を閉鎖する(S2308)。そして、小当り用開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2309)、小当り用開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2310)。S2310で「0」でないと判定された場合(S2310でNO)、次の開放を開始するため、そのまま処理を終える。
一方、S2310で「0」であると判定された場合(S2310でYES)、S2311の小当り終了処理に移行する。S2311では、小当り遊技を終了させる小当り終了処理として、小当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2311)、小当りのエンディング演出を開始する(S2312)。そして、小当り終了フラグをセットし(S2313)、処理を終える。尚、小当り用開放カウンタは、大入賞口の開放が2回なされると「0」になる。
S2301において、小当り終了フラグがONであれば(S2301でYES)、2回の開放が終了しているので、小当りのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2315)、エンディング時間が経過していなければ(S2315でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2315でYES)、小当り終了フラグをOFFにするとともに(S2316)、小当りフラグをOFFにし(S2317)、さらに、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2318)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
尚、小当り遊技の開始に際して確変フラグや時短フラグをONからOFFに切り変えることはしない。また、小当り遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理(S2121、図34)を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当り遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させない。
[特定領域センサ検知処理]図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S206)に次いで特定領域センサ検知処理(S207)を行う。特定領域センサ検知処理(S207)では図36に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。検知がないと判定された場合(S2401でNO)、処理を終了する。S2401で検知があると判定された場合(S2401でYES)、V有効期間中か否かを判定する(S2402)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理1(図33)におけるV有効期間設定処理(S2109)にて設定される期間である。V有効期間は、大当り遊技における1ラウンド目と2ラウンド目に設定される。
また、S2402でV有効期間中であると判定した場合(S2402でYES)、VフラグをONにすると共に(S2403)、現在実行中の大当り遊技が2R大当り(2R第3大当り)であるか否かを判定する(S2404)。そして、2R大当りでないと判定された場合(S2404でNO)、すなわち15R大当りであれば、第1V通過コマンドをセットし(S2405)、処理を終える。一方、2R大当りであると判定された場合(S2404でYES)、第2V通過コマンドをセットし(S2406)、処理を終える。主制御基板80のCPUは、所定のタイミングでこのV通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信したV通過コマンドの種別によって、演出図柄表示領域等で遊技演出を実行する。
また、S2402でV有効期間中でないと判定した場合(S2402でNO)、VフラグをONすることなく、第3V通過コマンドをセットし(S2407)、処理を終える。なお、第1V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知制御を行わせるためのコマンドである。これに対して、第2V通過コマンド及び第3V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知制御を原則行わせないためのコマンドである。また、遊技制御用マイコン81は、このような特定領域センサ検知処理(S207)やV有効期間設定処理(S2109)を実行することにより、特定領域39への遊技球の通過の有効無効を切り替える手段(特定領域状態切替手段)として機能する。
[保留球数処理]図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検知処理(S207)に次いで保留球数処理(S208)を行う。保留球数処理(S208)では図37に示すように、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。
[電源断監視処理]図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。電源断監視処理(S209)では図38に示すように、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
以上詳細に説明したように、本実施例1のパチンコ遊技機1は、従来のパチンコ遊技機にはない特徴的な構成を備えることで、従来のパチンコ遊技機にはない特有の効果、乃至従来のパチンコ遊技機に比して顕著な効果を奏する。本実施例1のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定において大当りとなること(第1特別図柄(「第1識別情報」ともいう)又は第2特別図柄(「第2識別情報」ともいう)が大当り図柄(「特定の表示態様」ともいう)で停止表示すること)に基づいて、高確率状態が発生し(特典が付与され)、予め定められた所定の条件が成立すると高確率状態(特典)が終了する。
この高確率状態(特典)を付与する処理(S2121)を「特典付与手段」ということもできる。また、予め定められた所定の条件が成立した場合に高確率状態(特典)を終了させる処理(S1904)を「特典終了手段」ということもできる。「特別図柄当否判定において大当りとなることに基づいて」とは、具体的に、「特別図柄当否判定において大当りとなり、当該大当りに係る大当り遊技の実行中に第2大入賞口内に入球した遊技球が特定領域39を通過することに基づいて」、当該大当り遊技終了後に高確率状態が発生する。尚、特別図柄及び演出図柄8は連動(同期)して、変動表示及び停止表示し、同じ当否判定結果を示すので、「第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り図柄で停止表示すること」を、「演出図柄が当り演出図柄(特定の表示態様)で停止表示すること」と置き換えることができる。
そして、本実施例1のパチンコ遊技機1では、高確率状態(特典付与状態)において、第1特別図柄の変動表示回数だけを計数する特図1カウンタ(第1カウント手段)と、第2特別図柄の変動表示回数だけを計数する特図2カウンタ(第2カウント手段)と、を有しており、特別図柄当否判定において大当りとなることに基づいて、特図1カウンタ及び特図2カウンタに夫々所定の値がセットされる。例えば、特図1カウンタには第1の特定回数(本実施例1では「10」)がセットされ、特図2カウンタには第2の特定回数(本実施例1では「140」)がセットされる。そして、高確率状態(特典付与状態)を終了させる「予め定められた所定の条件」として、少なくとも特図1カウンタのカウント値が「0」になること(第1特別図柄が第1の特定回数変動表示すること)、特図2カウンタのカウント値が「0」になること(第2特別図柄が第2の特定回数変動表示すること)、及び、大当りとなること、を設定し、特典終了手段は、それらの条件のうち、もっとも先に成立した条件に基づいて高確率状態を終了させることができる。
このように、高確率状態の終了条件として、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数を合算して計数する従来のパチンコ遊技機と異なり、第1特別図柄の変動表示回数と、第2特別図柄の変動表示回数を、個別に計数する。すなわち、一方の特別図柄の変動表示回数の計数に、他方の特別図柄の変動表示回数の計数を影響させないものとすることができる。これにより、遊技者が意図する(変動表示させたいと考える)特別図柄を、当該特別図柄の終了回数として定められた回数分(第1の特定回数又は第2の特定回数)、変動表示させる可能性を高め、遊技性を向上させることが可能となる。
また、本実施例1のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄の当否判定よりも第2特別図柄の当否判定の方が遊技者にとって有利であるので、遊技者は高確率状態において、より多くの回数、第2特別図柄を変動表示させることを望む。本実施例1の構成によると、意図せず第1特別図柄を変動表示させてしまった場合でも、第1特別図柄の変動表示回数の合計が第1の特定回数(10回)に到達しさえしなければ、それによって、高確率状態において第2特別図柄を変動表示させることが可能な回数(第2特別図柄当否判定を受ける権利)が減少することはない。つまり高確率状態において第1特別図柄を変動表示しても「予め定められた所定の条件」が成立しない限り高確率状態が継続される。これにより、遊技者に高確率状態中の遊技に対する安心感を与えると共に、より有利な大当りの発生に対する期待感を高めることができる。また、有利な方の特別図柄の変動表示を、第2の特定回数分変動表示させうる可能性が高まるので、遊技の技量に寄らず公平な遊技を提供することができる。
また、本実施例1では、第1の特定回数を第2の特定回数よりも少なく設定しているが、第1の特定回数を第2の特定回数よりも多く設定してもよいし、同じにしてもよい。これにより、遊技者に高確率状態中の遊技に対する安心感を更により高めることができる。
また、高確率状態の終了条件を、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを個別に計数して個別設定したため、高確率状態における遊技者の遊技態様によっては、高確率状態の継続期間(高確率状態における特別図柄当否判定実行回数)を、各特別図柄に設定された最大変動表示回数(本実施例1では10回又は140回)よりも増加させることができる。具体的に、第2特別図柄当否判定を望む遊技者が、高確率状態において、前述の右打ち遊技によって第2特別図柄の変動表示のみを行い、且つ、高確率状態中に大当りとならなかった場合、第2特別図柄の変動表示回数が第2の特定回数(140回)になったタイミングで、高確率状態が終了する。すなわち、低確低ベース状態に移行することとなる。
一方、遊技者の遊技態様によっては、例えば、高確率状態において、右打ち遊技によって第2特別図柄の変動表示を行いつつ、(第2特図保留数も含めて)変動表示回数が第2の特定回数に到達する前に、左打ち遊技に切り替え、第2特別図柄の変動表示から第1特別図柄の変動表示に切り替える。第2特図保留数を含める理由は、本実施例1は第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示に優先して行う、所謂特2優先のタイプであるので、例えば138回の変動表示の時点で左打ちに切り替えたとしても、すでに第2特図保留数が2個以上記憶されている場合には、第1特別図柄の変動表示に切り替わる前に第2特別図柄の変動表示回数が140回に到達してしまい高確率状態が終了してしまうからである。そのため、保留数を考慮して例えば135回等で切り替えるのが好ましい。
そして、左打ち遊技によって第1特別図柄の変動表示を行いつつ、(第1特図保留数も含めて)変動表示回数が第1の特定回数に到達する前に、右打ち遊技に切り替え、第2特別図柄の変動表示を行うことができる。この遊技態様により、高確率状態において「最大第1の特定回数+第2の特定回数−1回(本実施例では149回)」の特別図柄の変動表示(特別図柄当否判定)を行うことができる。尚、前述したが、本実施例1のパチンコ遊技機1における遊技者にとって最も有利となる遊技態様は、第2特別図柄を139回変動表示させた後、第1特別図柄を9回変動表示させ、最後に第2特別図柄を1回変動表示させる順序で遊技を行うことである。
〔チャンスタイム演出〕本実施例1では、前述した通り、遊技者の遊技態様によっては、高確率状態において、最大149回の特別図柄当否判定を実行することが可能であることを説明したが、これを後述のナビ演出を用いて、より確実に発生させることができる。ナビ演出は、大当りとなって大当り遊技終了後に高ベース状態(高確率高ベース状態)となる場合において、遊技者に対して、右打ちすべき遊技状態か、左打ちすべき遊技状態かを、演出表示領域7bや盤面ランプ5で報知するものとすることができる。原則的には、低ベース状態では左打ち遊技(第1遊技領域への発射)を指示し(発射方向の指示が何もないときは左打ちとしてもよい)、高ベース状態では右打ち遊技(第2遊技領域への発射)を指示する。また、第1遊技領域への発射と第2遊技領域への発射とは、遊技球の発射強度が異なる。また、本来は右打ちすべき遊技状態(高ベース状態)であるものの、高確率状態の期間を延ばすため(最大149回の高確率状態をえるため)、特定のタイミングで左打ちを指示することもできる。この左打ち期間を「チャンスタイム」ともいい、指示を「ナビゲーション」や単に「ナビ」ともいい、これらの演出を「チャンスタイム演出」、「ナビ演出」ともいう。遊技者は、この指示(ナビ)に従って遊技球の発射領域を選択することで、高確率状態の実行期間を長く(高確率状態における特別図柄当否判定の回数を多く)することができる。
サブ制御部90は、主制御部80からの信号を受信して、現在の遊技状態(確率状態)、何れの特別図柄が変動表示したか、変動表示中の特別図柄の当否判定結果、大当りの種別、大当り遊技の開始タイミングや終了タイミング、及び、特別図柄の変動表示タイミングや変動停止タイミング等を把握している。サブ制御部90は、これらの情報に基づいて、右打ちナビ、左打ちナビ又は停止ナビ等のナビゲーションの実行制御(表示制御)を行う。また、当該ナビゲーションは、サブ制御部90が、画像制御部100に表示制御を指示して液晶表示領域7b上に矢印等のキャラクタ図柄を表示して発射方向を示す場合や、音声制御基板106に音声制御を指示してスピーカ67から音声を出力(例えば、「右打ちして下さい」、「左に戻して下さい」等の音声を出力)して発射方向を示す場合や、ランプ類で示す場合がある。
また、サブ制御部90のRAMには、第1特別図柄の変動表示回数を計数する演出特図1カウンタと、第2特別図柄の変動表示回数を計数する演出特図2カウンタと、を備えている。そして、主制御部80から受信した変動表示開始信号又は変動停止信号に基づいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数を夫々計数する。これにより、サブ制御部90によって、高確率状態における第1特別図柄の変動表示回数及び第2特別図柄の変動表示回数を把握し、画像制御部100に指示して、演出図柄表示領域7b上の演出第1カウンタ表示部及び演出第2カウンタ表示部に夫々の変動表示回数の表示制御をさせることができる。
具体的に、発射方向のナビゲーションに係る遊技演出を、図42に基づいて説明する。サブ制御部90は、大当り遊技終了後の高ベース状態(最初の変動表示)の開始に伴って(実際には高ベース状態の開始の少し前のタイミングで)、右打ちナビを開始する。具体的に、図42(a)では、15R第1大当りに係る大当り遊技(大入賞口の開放パターンの全て)が終了した後であって、大当り遊技終了後の最初の変動表示が開始する前の期間(「エンディング期間」ともいう)を示す。演出図柄表示領域7b上には高確高ベース状態の開始を報知する「高確モード突入」の表示と、右矢印キャラクタ「→」による右打ちナビを行う。また、図示はしないがスピーカ67から「右打ちを開始してください」等の音声を出力する。
次に、図42(b)は、図42(a)の時点からしばらく右打ち遊技を行った後の場面を示す。ここでは、高確率状態において、第2特別図柄の変動表示が35回実行され36回目の第2特別図柄の変動表示が実行されており、変動表示実行前(消化前)の第2特図保留が4個(上限まで)記憶されている場面を示す。また、本高確率状態においては、第1特別図柄の変動表示を1度も実行されていないことを示す。
次に、図42(c)は、図42(b)の時点から更にしばらく右打ち遊技を行った後の場面を示す。本場面は、高確率状態において、第2特別図柄の変動表示が64回実行され、65回目の第2特別図柄の変動表示が開始した時点のチャンスタイムの開始時を示すものである。ここでは、チャンスタイムの実行開始を示すキャラクタ図柄(リボン図柄内にチャンスタイムの文字)が表示されると共に、チャンスタイムの実行時間(ここでは90秒)と残り時間を表す残時間ゲージが表示される。また、本実施例1のチャンスタイムでは、左打ち遊技を行い第1始動口に遊技球を入球させて高確率状態の期間を長く(変動表示回数を多く)することを目的としているので、左矢印キャラクタ「←」を表示して、左打ちナビを行う。そして、遊技者はこの左打ちナビに従って、遊技態様を右打ち遊技から左打ち遊技に切り替え、第1始動口20へ遊技球を入球させ、第1特図保留を記憶させる。また、詳細は後述するが、図42に示す15R第1大当りにおいては、高確率状態の開始から65回転目の変動表示中をチャンスタイムとしており、この65回転目の変動表示は、保留数や変動パターン乱数の値にかかわらず、他の変動時間よりも長いチャンスタイム用変動時間(90000ms)に固定されている。遊技者は、このチャンスタイム用変動時間の間に、第1始動口20へ遊技球を4個以上入球させることを狙う(第1特図保留を上限まで記憶させる)。
次に図42(d)は、チャンスタイムの開始から60秒が経過した時点のチャンスタイム期間中を示す。高確率状態の開始から65回転目の第2特別図柄の変動表示中であり、チャンスタイム中に第1始動口20に3個入球した場面である。
次に図42(e)は、チャンスタイムの開始から85秒が経過した時点で、遊技者が、第1始動口20に4個の遊技球を入球させた(第1特図保留を上限まで記憶させた)場面を示す。ここで、チャンスタイム中のミッション(指令)を達成したことを示すキャラクタ図柄(リボン図柄にコンプリートの文字)が表示されると共に、一時的に発射を停止させることを示すキャラクタ図柄(‘しばらく発射停止’の文字)を示す。また、いまだ第2特別図柄の65回目の変動表示中であるが、後5秒で当該変動表示が終了することが示されている(残時間による)。遊技者は、この停止ナビに従い、次に発射指示があるまで、しばらく発射を停止することとなる。尚、当該ミッションの達成により、右打ちナビに切り替えてもよいものとする。
次に図42(f)は、第2特別図柄の65回転目の変動表示が終了した場面を示す(「353」の外れ演出図柄で停止表示)。また、このとき第1特図保留及び第2特図保留の両方が、保留上限数まで記憶されている。本実施例1は、前述した通り、第2特別図柄が第1特別図柄に優先して変動表示されるので、この場面で発射を行わない(新たに始動口に入球させないと)と、図42(g)(h)(i)に示す通り、まず第2特別図柄に係る第2特図保留のうち古いものから順に消化され、第2特図保留が全て消化されると、次に第1特別図柄に係る第1特図保留のうち古いものから順に消化される。尚、図42(h)は、依然として停止ナビを継続中で、高確率状態の開始から第2特別図柄が69回の変動表示を終え、第1特別図柄が2回の変動表示を追え、第1特別図柄が3回目の変動表示を行っている場面を示す。ここでもナビは停止ナビが実行されている。
また、図42(i)は、高確率状態の開始から第2特別図柄が69回の変動表示を終え、第1特別図柄が3回の変動表示を追え、第1特別図柄が4回目の変動表示を行っている場面を示す。すなわち、これにより、チャンスタイム中に記憶させた第1特別図柄に係る第1特図保留を全て(4個)消化することが確定したこととなる。ここで、最後の第1特図保留に係る変動表示が開始したので、停止ナビを終了し、再度右矢印キャラクタ「→」を表示して右打ちナビを行う。
次に図42(j)は、図42(i)の時点からしばらく右打ち遊技を行った後の場面を示す。この場面は、高確率状態の開始から、第1特別図柄が4回の変動表示を終え、第2特別図柄が85回の変動表示を終え、第2特別図柄が86回目の変動表示を行っている場面である。仮に高確率状態(高確高ベース状態)において、このまま右打ち遊技を行い、第2特別図柄の変動表示回数が140回に達するまで大当りにならなかった場合には、第1特別図柄の変動表示回数が4回、第2特別図柄の変動表示回数が140回で、高確率状態において計144回の高確率による特別図柄当否判定を受けたことになり、単に右打ち遊技だけを行うよりも、4回多い回数の特別図柄当否判定を受けることができる。従って、発射方向を指示するナビに従うことで、高確率状態において大当りになる可能性を高めることができお、所定の遊技上の利益を得ることができる。
ちなみに、図示は省略するが、本実施例1では、第2特別図柄の変動表示回数が130回転目になったときに、当該130回転目において、再度チャンスタイムを付与する。すなわち、130回転目の変動表示時間は、保留数や変動パターン乱数の値にかかわらず、他の変動時間よりも長いチャンスタイム用変動時間(90000ms)に固定されている。遊技者は、このチャンスタイム用変動時間の間に、第1始動口20へ遊技球を4個以上入球させることを狙う(第1特図保留を上限まで記憶させる)。具体的な制御処理、チャンスタイム用演出、及び発射方向のナビについては、図42に示す65回転目に実行されたチャンスタイムと同様であるため、説明は省略する。
また、この2回目のチャンスタイムにおいてもナビに従うことで、第2特別図柄の変動表示回数が140回に達するまで大当りにならなかった場合には、第1特別図柄の変動表示回数が最大で8回、第2特別図柄の変動表示回数が140回で、高確率状態において最大で計148回の高確率による特別図柄当否判定を受けたことになり、単に右打ち遊技だけを行うよりも、8回多い回数の特別図柄当否判定を受けることができる。
また、本実施例1では、第2特別図柄の変動表示回数が65回に到達したとき、及び130回に到達したときの65回転目及び130回転目の変動表示中をチャンスタイムとしているが、この様な態様に限らず、チャンスタイムに突入する変動表示回数は、適宜遊技性に合わせて設定すればよく、特図2カウンタ等の値に基づいて、第2特別図柄の変動表示回数のみで設定してもよい。
また、高確高ベース状態を発生可能な大当りの種別(大当り図柄の種類)を複数設定し(図6の態様よりも増加してもよい)、大当り種別によって、大当り遊技終了からの変動表示回数として、異なる回数にチャンスタイム用変動時間を設定してもよい。具体的に、第1の大当りとなった場合は65回目と130回目とにチャンスタイム用変動時間を設定し、第2の大当りとなった場合は70回目と90回目とにチャンスタイム用変動時間を設定してもよい。また、第3の大当りでは、チャンスタイム用変動時間を設定しないものとしてもよい。すなわち大当りの種別によってはチャンスタイム演出が実行されない場合もある。これにより、大当りの種別を複数設けることでチャンスタイム演出実行タイミングが多様化し、遊技興趣を高めることができる。
ここで、遊技者は、高確高ベース状態の所定のタイミングで、ナビとは無関係に所定期間左打ち遊技を行って、第1特別図柄の変動表示を9回だけ行い、右打ち遊技に戻して、第2特別図柄の変動表示を140回まで行うことで、高確高ベース状態において計149回の特別図柄当否判定を受けることができる。これは理論的には可能であるが、高確高ベース状態は、特別図柄の変動表示時間が短い時短状態に設定されているうえ、遊技盤面上には遊技釘16が多数配置されており、狙った数だけ第1始動口20に入球させるのは非常に困難で、チャンスタイムと無関係に第1特別図柄をちょうど9回だけ変動表示させるのは至難の業である。それどころか、誤って、第1特別図柄を10回変動表示させてしまい、その時点で高確率状態が終了し、低確低ベース状態に移行してしまう可能性がある。そこで、前述した様に、本実施例1では、特定の変動表示回数において、必ず長時間変動となるチャンスタイム用変動時間が設定されているので、サブ制御部90によるナビ演出に従えば、高確率状態の途中で第1特別図柄の変動表示が10回に到達して高確率状態が終了してしまうことを抑制し、効率よく特別図柄当否判定の回数を上積みすることができる。すなわち、このチャンスタイム毎に確実に4回(第1特図保留の上限数)ずつの第1特別図柄の変動表示を確保すれば、計148回の特別図柄当否判定を実行させることができるのである。尚、149回に対して1回少ないのは、チャンスタイム以外のときに遊技者が誤って第1始動口20に入球させてしまう場合もあるので、安全のため、148回までのナビとしている。また、本態様では、説明の便宜上、高確率状態において大当りにならない場合を用いて説明したが、当然、特別図柄当否判定の結果次第で、高確率状態中に大当りとなる場合もある。尚、前述した主制御部80で表示制御される発射方向表示器47は高ベース状態においては、常に右打ち遊技を示し、サブ制御部90によるナビ演出とは一部一致しないことがある。然しながら、遊技者は、小型で認識しにくい発射方向表示器47の表示態様を見て遊技を行うことは略ないので、演出図柄表示領域7b上のサブ制御部90によるナビ演出に従って遊技を行うこととなり、遊技に戸惑うことはない。
[参考例]
次に、参考例のパチンコ遊技機1について説明する。この参考例の説明においては、前述の第1実施例のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1実施例と同じ符号(ステップ数)を付して説明を一部省略する。
本参考例は、確変カウンタ処理(S1904)、遊技状態設定処理(S2121)、特別図柄変動中処理(S1104)の一部が、実施例1の処理と異なっている。まず、図39を用いて参考例の確変カウンタ処理(S1904)について説明する。まず、変動停止したのは第2特別図柄かどうかが判定され(S2801)、第2特別図柄でないと判定された場合、すなわち、今回変動停止したのは第1特別図柄であると判定された場合(S2801でNO)、確変カウンタ(特図2カウンタ)を減算することなく処理を終える。つまり、高確率状態においては、第1特別図柄を何回変動表示させても確変カウンタ(特図2カウンタ)の値が減ることがなく、次回大当りとなるまで高確率状態が継続することとなる。
一方、S2801で変動停止したのは第2特別図柄であると判定された場合(S2801でYES)、特図2カウンタを1減算し(S2802)、次いで特図2カウンタの値が0かどうかを判定する(S2803)。特図2カウンタの値が「0」でないと判定された場合(S2803でNO)、高確率状態を継続するべく、処理を終える。S2803で特図2カウンタの値が「0」であると判定された場合(S2803でYES)、確変フラグをOFFにし(S2804)、時短フラグをOFFにする(S2805)。すなわち、前述した第1特別図柄の変動表示と異なり、高確率状態において、第2特別図柄を変動表示した場合(第2特別図柄当否判定を実行した場合)、特図2カウンタに設定された値が減算され、その値が「0」になると、高確率状態は終了し、遊技状態が低確低ベース状態となる。ここで、本参考例では、特図1カウンタを設けていないので、特図2カウンタを単に「確変カウンタ」ということもできる。
また、高確率状態を終了させることはないが、高確率状態における第1特別図柄の変動表示回数を計数するためのカウンタを設けてもよい。また、第1特別図柄の変動表示回数をカウントするカウンタの計数値を、演出図柄表示領域7b上で行う遊技演出(計数した値を表示したり、計数値に基づいて遊技演出を行ったりする)に用いるだけである場合、当該カウンタを主制御部80ではなく、サブ制御部90に設けてもよい。尚、特図2カウンタは主制御部に設ける。
次に、図40を用いて参考例の遊技状態設定処理(S2121)について説明する。前述した通り、本参考例では、特図1カウンタを設けていないので、実施例1の図34のS2203に相当する処理が存在しない。高確率状態において第1特別図柄が変動表示しても高確率状態を終了することがないので、この様な処理が不要だからである。また、実施例1では図34のS2208において、時短カウンタに「149」をセットしたが、本参考例では、これに替えて、時短カウンタに「140」をセットする(S2212)。これは、高確率状態において、第1特別図柄が変動表示しても確変カウンタを減少しないと共に、時短カウンタも減少しない。すなわち、第1特別図柄が変動表示している限り、次回大当りとなるまで高確率状態且つ高ベース状態が維持されるため、確変大当りとなった際の時短カウンタの値は、第2特別図柄の変動表示回数の上限値である「140」に設定し、高確率状態においては、第2特別図柄が変動表示した場合にのみ当該カウンタの値を減算する。その他の処理は図34と同様であるので説明を省略する。
次に、図41を用いて参考例の特別図柄変動中処理(S1104)について説明する。前述した通り、本参考例では、高確率状態において、第1特別図柄が変動表示しても確変カウンタを減少しないと共に、時短カウンタも減少させないので。すなわち、第1特別図柄が変動表示している限り、次回大当りとなるまで高確率状態且つ高ベース状態が維持されるため、高確率状態且つ高ベース状態では、第2特別図柄が変動表示した場合にのみ時短カウンタを減少させ、低確率状態且つ高ベース状態では、第1特別図柄が変動表示した場合と第2特別図柄が変動表示した場合との両方の場合に時短カウンタを減少させる方が好ましいので減少させているが、第2特別図柄が変動表示した場合のみ減少するように構成してもよい。このため、参考例の特別図柄変動中処理(S1104)では、S1907で時短フラグがONであると判定された場合(S1907でYES)に、変動停止したのは第2特別図柄かどうかを判定する処理(S1913)が追加されている。そして、今回変動停止したのは第2特別図柄であると判定した場合(S1913でYES)、時短カウンタを1減少させ(S1908)、S1909の処理に移行する。一方、S1913で、変動停止したのは第2特別図柄でない、すなわち今回変動停止したのは第1特別図柄であると判定された場合(S1913でNO)、確変フラグがONかどうかを判定する(S1914)。S1914で、確変フラグONであると判定された場合(S1914でYES)、時短カウンタの値を減少させることなく、S1911の処理に移行する。一方、S1914で、確変フラグがONでない、すなわち低確高ベース状態であると判定された場合(S1914でNO)、時短カウンタを1減少させ(S1908)、S1909の処理に移行する。
以上説明した処理により、高確率高ベース状態においては、第1特別図柄が変動表示しても確変カウンタ及び時短カウンタの値を減少させず、すなわち、第1特別図柄のみを変動表示している限り、次回の大当り発生まで高確率高ベース状態を維持する。一方、高確率高ベース状態において、第2特別図柄が変動表示した場合には、確変カウンタ(特図2カウンタ)及び時短カウンタの値を減少させ、第2特別図柄の変動表示回数が特定回数(参考例では140回)に達するまで大当りにならなかった場合には、遊技状態を、高確率高ベース状態から低確率低ベース状態に移行する。また、低確率高ベース状態においては、第1特別図柄及び第2特別図柄の何れが変動表示した場合にも、時短カウンタを減少させ、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数を合算した回数が、所定の回数(参考例では100回)に達するまで大当りにならなかった場合には、遊技状態を、低確率高ベース状態から低確率低ベース状態に移行する。
これにより、徒に高ベース状態の継続率を高めることなく、射幸性を抑え、遊技者と遊技店との利益バランスを図った遊技機を提供することができる。また、高確率状態において、第1特別図柄の変動表示のみを実行すると次回の大当りが保証され(次回大当りまで高確率高ベース状態が継続)、第2特別図柄の変動表示のみを実行すると次回の大当りは保証されないが、有利な特別図柄当否判定を実行することができるといった、従来にない新規の遊技性を提供することができる。
具体的には、本参考例では、第1特別図柄当否判定及び第2特別図柄当否判定において大当りとなった際に選択される大当り種別や、当該大当り種別に対応する大入賞口の開放パターン等、主な制御処理も実施例1と共通とされ、本参考例も所謂特図2有利のパチンコ遊技機とされる。すなわち、遊技者は、『設定された回数のうちに大当りにならないと高確率状態が終了してしまう可能性があるものの、第1特別図柄当否判定よりも有利な第2特別図柄当否判定を実行させる』か、若しくは、『第2特別図柄当否判定よりも不利な判定内容であるが変動表示回数の制限なく次回の大当りが発生するまで高確率状態が終了しない第1特別図柄当否判定を実行させる』か、を遊技者が自身の趣向にあわせて選択し、遊技を行うことができる。もちろん、第1始動口20及び第2始動口21の両方に遊技球が入球可能なように遊技球を発射することで、両方の特別図柄当否判定を実行させることもできる。
また、特別図柄当否判定の有利不利の具体的内容は、図6に示す通り、第1特別図柄当否判定では、次回大当りが保証されるものの、大当りとなった場合に実行可能な大当り種別として、15R第1大当り、15R第2大当り及び2R第3大当りの3種類の大当りが設定されている。そして、特定領域39の通過可能性がある大当りは15R第1大当り及び2R第3大当りの2種類で、割合にすると50%である。すなわち、第1特別図柄当否判定を実行する場合、次回大当りは保証されるが、高確率状態が継続する可能性は最大50%とされる。また、獲得可能な利益量(賞球)の少ない2R第3大当りが実行される可能性もある。一方、第2特別図柄当否判定では、特定回数変動表示させる間に大当りとならなかった場合に高確率状態が終了してしまうものの、大当りとなった場合に実行可能な大当り種別として15R第4大当りのみ設定されている。そしてこの15R第4大当りは特定領域39の通過可能性が高い大当りであるので、大当りとなった場合には、高確率状態が継続する可能性が最大100%とされる。更に、全ての大当りが獲得可能な利益量の多い大当りとされている。
このように第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合よりも、第2特別図柄当否判定で大当りとなった場合の方が、大当り遊技終了後に高確率状態となる可能性が高く、獲得可能な遊技利益量が多い可能性が高くされている。すなわち、遊技者は、高確率状態の継続可能性が低いが、必ず大当りとなる第1特別図柄当否判定を実行するか(第1特別図柄を変動表示させるか)、又は、高確率状態の継続可能性が高いが、大当りになることなく高確率状態が終了する可能性のある第2特別図柄当否判定を実行するか(第2特別図柄を変動表示させるか)を、遊技者の趣向に合わせて選択し、遊技を行うことができる。これにより、新規の遊技性を提供することができ、遊技興趣を高めることができる。また、高ベース状態において、第1特別図柄当否判定のみを実行した場合と、第2特別図柄当否判定のみを実行した場合と、で、獲得可能な利益量の期待値が同じになるように設定するのが望ましい。すなわち、『高ベース状態において第1特別図柄当否判定のみを実行した場合の、高ベース状態継続中における平均大当り回数(平均連荘回数)と、第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合に大当り遊技で得られる平均獲得利益両とを乗算した値』と、『高ベース状態において第2特別図柄当否判定のみを実行した場合の、高ベース状態継続中における平均大当り回数(平均連荘回数)と、第2特別図柄当否判定で大当りとなった場合に大当り遊技で得られる平均獲得利益両とを乗算した値』と、が同じ値になるように、各大当りとなった際に得られる獲得可能な利益量、高確率状態を終了させることとなる変動表示回数、低確率状態の当り確率、高確率状態の当り確率、及び高確率状態の発生可能性等を設定することができる。
また、参考例の遊技機は、
遊技球が入球可能な第1始動口と、
遊技球が入球可能な第2始動口と、
前記第1始動口への入球に基づいて変動表示する第1識別情報と、
前記第2始動口への入球に基づいて変動表示する第2識別情報と、
前記第1識別情報又は前記第2識別情報が特定の表示態様で停止表示することに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、
前記特典を終了させる特典終了手段と、を備え、
前記特典終了手段は、前記第1識別情報の変動表示回数、及び前記第2識別情報の変動表示回数のうち、一方の変動表示回数が特定回数になることに基づいて前記特典を終了し、他方の変動表示回数によっては前記特典を終了しないことを特徴とするものである。
この様な遊技機によれば、第1始動口への入球に基づく遊技性と第2始動口への入球に基づく遊技性とを異なる遊技性とすることで、特異な遊技性を持つ遊技機を提供し、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、一方の識別情報の変動表示回数が特定回数になると特典が終了するものの、他方の識別情報の変動表示回数によっては特典を終了しないので、他方の識別情報の変動表示だけを行うと、次に識別情報が特定の表示態様で停止表示するまで特典が終了しないものとすることが可能となる。また、第1識別情報を変動表示させる場合と第2識別情報を変動表示させる場合とで、特典を付与する可能性を変えたり、他の遊技利益を付与する可能性を変えたりする構成を採用してもよい。これにより、遊技者の趣向によって狙いとする始動口を選択して遊技を行うなど、新たな遊技性を提供し、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、参考例の遊技機において、
前記第1始動口への入球に基づいて第1当否判定を行う第1当否判定手段と、
前記第2始動口への入球に基づいて第2当否判定を行う第2当否判定手段と、
前記第1当否判定又は前記第2当否判定の結果が当りになると特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、を備え、
前記第1識別情報は前記第1当否判定の結果に基づいて停止表示し、前記第2識別情報は前記第2当否判定の結果に基づいて停止表示するものであって、
前記第2当否判定において当りと判定される場合の方が、前記第1当否判定において当りと判定される場合よりも遊技者に有利となる可能性が高いことを特徴とするものとすることができる。
この様な構成において、例えば、第2識別情報の変動表示回数が特定回数になることに基づいて前記特典を終了し、第1識別情報の変動表示回数によっては特典を終了しないものとすることができる。これによると、第1識別情報の変動表示回数(第1当否判定の実行回数)によっては特典が終了することはないので、第1識別情報の変動表示によって、特典付与状態において遊技者によって有利な第2当否判定を第2の特定回数分実行する権利を喪失することを抑制することが可能となる。
〔他の態様1〕
次に、前述した実施例1及び参考例の他の態様1を説明する。本実施例1及び参考例では、特典として高確率状態を付与可能とし、当該高確率状態の終了条件として、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の回数の少なくとも一方を個別に計数し、一方の特別図柄のみの変動表示回数が予め定められた回数に達すると、特典である高確率状態を終了するものとしていた。他の態様1では、特典を高確率状態に替えて、高ベース状態(開放延長機能等の作動状態)とすることができる。
特に、実施例1では、高確率状態において、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の回数を個別に計数するための特図1カウンタと特図2カウンタとを設ける構成としたが、これに替えて、高ベース状態において、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の回数を個別に計数するための特図1時短カウンタ(第1カウンタ)と特図2時短カウンタ(第2カウンタ)とを設けることができる。そして、当該高ベース状態の終了条件(特典終了条件)として、少なくとも特図1時短カウンタによる計数値が第1の特定回数となること、特図2時短カウンタによる計数値が第2の特定回数となること、及び、特別図柄当否判定で大当りと判定されること、を設定し、何れか先に成立した条件に基づいて高ベース状態を終了させるものとしてもよい。
また、実施例1と同様に、第1の特定回数と第2の特定回数とは同じ回数であってもよいし、異なる回数であってもよい。また第2の特定回数を第1の特定回数よりも多い回数としてもよいし、第1の特定回数を第2の特定回数より多い回数としてもよい。これにより、本実施例1のように、第2特別図柄に係る当否判定を第1特別図柄に係る当否判定よりも有利にした場合(特図2有利のパチンコ遊技機)において、意図せず第1特別図柄を変動表示させてしまった場合でも、第1特別図柄当否判定の回数が第1の特定回数に到達しさえしなければ、高ベース状態において第2特別図柄を第2の特定回数変動表示させる権利が減少することはない。これにより、高ベース状態中における遊技者の大当りへの期待感を高めると共に、高ベース状態における遊技への安心感を提供することができる。また、高ベース状態の終了タイミングが多様化し、遊技興趣を高めることができる。
また、参考例では、第1特別図柄の変動表示によっては高確率状態を終了させず、第2特別図柄の変動表示が特定回数に達すること、及び当該特定回数に達する前に大当りになること、の何れか先に成立した条件に基づいて高確率状態を終了させたが、同様に、これに替えて、特典として高ベース状態を付与し、第1特別図柄の変動表示によっては高ベース状態を終了させず、第2特別図柄の変動表示が特定回数に達すること、及び当該特定回数に達する前に大当りになること、の何れか先に成立した条件に基づいて高ベース状態を終了させるものとすることができる。
また、高確率状態にかえて、他の特典状態としてもよい。例えば、特典状態として、特別図柄の時短状態、開放延長機能作動状態、普通図柄の高確率状態、普通図柄の時短状態等を挙げることができる。そして、これらの特典の終了条件を実施例1又は参考例のようにすることができる。また、これらの特典は、第1特別図柄又は第2特別図柄が特定の表示態様(大当り図柄、小当り図柄)で停止表示することに基づいて付与されるものとすることができる。また、これらの特典付与状態において、他の1又は複数の特典が付与されていてもよい。全ての組合せは実施例1又は参考例の他の態様1に含まれる。
〔他の態様2〕
次に、前述した実施例1及び参考例の他の態様2を説明する。実施例1及び参考例では、特典(高確率状態)が付与された場合、一律に特図1カウンタ又は特図2カウンタの値を設定した。他の態様2では、大当りの種別によって、特図1カウンタ又は特図2カウンタに異なる値を設定するものとする。
例えば、実施例1の他の態様2では、15R第1大当り及び15R第4大当りとなって、且つ遊技球が特定領域39を通過した場合、すなわち、特典として高確率状態が付与される場合には、特図1カウンタに第1の特定回数(例えば、10)を設定し、特図2カウンタに第2の特定回数(例えば、140)を設定するものとする。一方、2R第3大当りとなって、且つ遊技球が特定領域39を通過した場合、すなわち、特典として高確率状態が付与される場合には、特図1カウンタに第3の特定回数(例えば、140)を設定し、特図2カウンタに第4の特定回数(例えば、100)を設定するものとする。第1の特定回数、第2の特定回数、第3の特定回数、及び第4の特定回数は、一部が同じ回数であってもよいし、全てが異なる回数であってもよい。また、何れの回数が多い回数に設定されてもよい。全ての組合せが本他の態様2に含まれる。
ここで、実施例1の2R第3大当りは、2R第3大当りになったときの遊技状態が低ベース状態であった場合、2R大当り遊技終了後も低ベース状態とされる。この様な場合に、実施例1のように、特図1カウンタに「10」を設定し、特図2カウンタに「140」を設定すると、低ベース状態で第2始動口21に遊技球を入球させること(第2特別図柄を変動表示させること)は非常に困難であるので、結果的に、第1始動口20に遊技球を入球させることとなり、高確率状態は10回の変動表示で終了してしまうこととなり、高確率状態が短期間で終了し、遊技興趣を低下させる原因にもなりかねない。
従って、2R第3大当りに係る大当り遊技後の遊技状態において、主体となる特別図柄(今回は第1特別図柄)に対応するカウンタ(特図1カウンタ)の回数を、主体とならないときの回数よりも多い回数に設定することで、高確率状態の実行期間を長くし、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。また大当り種別(遊技状態)によって、特典を終了させることとなる第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示回数が異なるので、新たな遊技性を提供することができ、遊技興趣を高めることができる。
また、本参考例の他の態様2では、大当り種別によって、特図2カウンタのみに第1特定回数を設定する場合と、特図1カウンタのみに第2特定回数を設定する場合と、を設定することができる。
また、実施例1と参考例とを組合せて、大当り種別によって、特図2カウンタのみに第1特定回数を設定する場合と、特図1カウンタのみに第2特定回数を設定する場合と、特図1カウンタに第1の特定回数を設定し特図2カウンタに第2の特定回数を設定する場合と、特図1カウンタに第3の特定回数を設定し特図2カウンタに第4の特定回数を設定する場合と、の少なくとも1つを設定してもよい。
また、大当りの種別によって、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数を個別に計数する場合と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数を合算して計数する場合と、を設けてもよい。例えば、15R第1大当りとなり高確高ベース状態となった場合には、実施例1のように、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数を個別に計数して特典終了条件を設定し、2R第3大当りとなった場合(且つ、低確低ベース状態となった場合)には、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数が予め定めた回数(例えば140回)になることを特典終了条件とすることができる。これにより、高確低ベース状態における高確率状態の実行期間を実施例1の態様よりも長くすることができ、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。また当り種別(遊技状態)によって異なる条件で高確率状態が終了するので、新たな遊技性を提供することができ、遊技興趣を高めることができる。尚、他の態様として複数の態様を例示しているが、これら他の態様を複数組合せてもよい。これらについても全て本明細書の記載事項である。
〔他の態様3〕
次に、前述した実施例1及び参考例の他の態様3を説明する。本他の態様3では、本実施例1及び参考例の第2大入賞装置36において、その内部に、特定領域39への遊技球の通過を許容又は阻止するシャッター部材(「作動部材」ともいう)を備えるものとすることができる。すなわち、第2大入賞装置36がシャッター部材を備え、シャッター部材が特定領域39への遊技球の通過を妨げる(阻止する)第1の状態にあるとき、第2大入賞口35へ入球した遊技球は特定領域39ではない非特定領域を通過し、シャッター部材が特定領域39への遊技球の通過を許容する第2の状態にあるとき、第2大入賞口35へ入球した遊技球は非特定領域ではなく特定領域39を通過するように構成してもよい。尚、シャッター部材を駆動するソレノイドは、主制御基板80に接続する。このようなシャッター部材を設けた場合には、15R第2大当りにおいて第2大入賞口35が開放する1R及び2R中は、シャッター部材を第1の状態に制御して特定領域39を塞げばよい。
このようにすれば、万一0.1秒の極短時間の開放中に第2大入賞口35内へ遊技球が入球したとしても、確実に特定領域39への遊技球の通過を防ぐことができる。また、15R第2大当りにおける1R及び2R中において、シャッター部材が第2の状態にあるときは閉鎖し、シャッター部材が第1の状態にあるときに第2大入賞口35を開放するよう第2大入賞口35を開閉制御すれば、第2大入賞口35の最大開放時間を、遊技球が十分に入球可能な長さ(例えば28秒)に設定したとしても、特定領域39への遊技球の通過を防ぐことができる。尚、15R第1大当り等において特定領域39に遊技球を通過させたいときは、第2大入賞口35の開放中にシャッター部材を第2の状態に制御するようにすればよい。すなわち、前述のV有効期間(第1期間)にシャッター部材を第2の状態に制御すればよい。また、本実施例1では、小当りであっても特定領域を通過可能としたが、小当り遊技中に当該シャッター部材を第1の状態とすることで、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過するのを防ぐことができる。また、本構成に加えて、特定領域39の設置場所や特定領域39の遊技者側前方に設ける被覆部により、第2大入賞口35に入球した遊技球が特定領域39を通過したかどうかを遊技者に視認しにくい態様としてもよい。
〔その他〕
また、本実施例1では、1ラウンドにおける第1大入賞口又は第2大入賞口の開放回数を1回としているが、1ラウンドにおける第1大入賞口又は第2大入賞口の開放回数を複数回としてもよいし、異なる開放回数のラウンドを有するようにしてもよい。
また、実施例1では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図2優先の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図1優先の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留及び第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処置、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。
また、本実施例1では特定領域39を有するパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、これに限らず、大入賞口内に特定領域39を有することなく、特別図柄当否判定の結果(停止表示される大当り図柄の種類)のみによって、大当り遊技終了後に高確率状態が付与されるかどうかが決定されるタイプの遊技機においても適用することができる。いうまでもなく、「特別図柄当否判定において大当りとなること(第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り図柄で停止表示すること)に基づいて」には、このタイプの遊技機も、本実施例1のパチンコ遊技機も、他のタイプの遊技機も含まれる。また、確率設定手段を備えていない(高確率状態のない)タイプのパチンコ遊技機であって、内部に特定領域を有し、遊技球が入球可能な入球可能状態と遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な大入賞口を備え、大入賞口は、始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなると所定時間入球可能状態とされ、この入球可能状態となった大入賞口に遊技球が入球し、特定領域を遊技球が通過すると、大当りとなり大当り遊技が実行され、所定の特典が付与されるパチンコ遊技機にも適用される。このパチンコ遊技機は所謂1種2種混合機と呼ばれ、始動口への入球に基づく当否判定の結果が大当りになると、特定領域への通過を要せず、大当り遊技が実行される。また、特典としては、始動口への遊技球の入球頻度を高くする高ベース状態を発生することが挙げられる。また、第1始動口と第2始動口とを有し、第2始動口への入球頻度を高める高ベース状態を発生するものとすることができる。本発明はこれらあらゆるタイプの遊技機に適用することができる。
[参考発明]
また、前述の課題を解決するための参考発明1の遊技機は、
遊技球が入球可能な第1始動口と、
遊技球が入球可能な第2始動口と、
前記第1始動口への入球に基づいて変動表示する第1識別情報と、
前記第2始動口への入球に基づいて変動表示する第2識別情報と、
前記第1識別情報又は前記第2識別情報が特定の表示態様で停止表示することに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、
前記特典を終了させる特典終了手段と、を備え、
前記特典終了手段は、前記第1識別情報の変動表示回数が第1の特定回数になること、及び前記第2識別情報の変動表示回数が第2の特定回数になること、の何れが成立した場合にも前記特典を終了させることを特徴とする。
この様な遊技機によれば、第1始動口への入球に基づく第1識別情報の変動表示回数と、第2始動口への入球に基づく第2識別情報の変動表示回数とを、個別に計数するので、特典付与期間において、一方の識別情報を設定された回数分変動表示させることが可能となる。
ここで、「特典」として、例えば、第1識別情報又は第2識別情報が特定の表示態様で停止表示する確率が高くなる高確率状態とすることや、遊技球が第1始動口又は第2始動口に入球する頻度が高くなる高頻度状態とすることや、高確率状態又は高頻度状態を発生しやすくすること等を挙げることができる。また、第1の特定回数と第2の特定回数とは同じ回数であってもよいし、異なる回数であってもよい。
また、「特定の表示態様」として、複数の表示態様を設けても良いし、1つの表示態様を設けても良い。また、「特典は、第1識別情報又は第2識別情報が特定の表示態様で停止表示することに基づいて付与される」のであるから、特定の表示態様で停止表示することのみを条件としてもよいし、本条件を少なくとも1の条件とし、他の条件を加えてもよい。他の条件として、例えば、遊技球が特定領域を通過すること等を挙げることができる。
また、参考発明2の遊技機は、参考発明1の遊技機において、
前記第1の特定回数と前記第2の特定回数とは異なる回数であることを特徴とするものである。
この様な遊技機によれば、第1始動口へ入球させるか第2始動口へ入球させるかによって特典が終了する変動表示回数が異なるので、特異な遊技性を持つ遊技機を提供し、遊技興趣を高めることができる。また、「第1の特定回数と第2の特定回数とは異なる回数」であるので、第1の特定回数を第2の特定回数よりも多い回数としてもよいし、第2の特定回数を第1の特定回数よりも多い回数としてもよい。
また、前述と同様に、第1識別情報を変動表示させる場合と第2識別情報を変動表示させる場合とで、特典を付与する可能性を変えたり、他の遊技利益を付与する可能性を変えたりする構成を採用してもよい。これにより、遊技者の趣向によって狙いとする始動口を選択して遊技を行うなど、新たな遊技性を提供し、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、参考発明3の遊技機は、参考発明1又は参考発明2の遊技機において、
前記第1始動口への入球に基づいて第1当否判定を行う第1当否判定手段と、
前記第2始動口への入球に基づいて第2当否判定を行う第2当否判定手段と、
前記第1当否判定又は前記第2当否判定の結果が当りになると特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、を備え、
前記第1識別情報は前記第1当否判定の結果に基づいて停止表示し、前記第2識別情報は前記第2当否判定の結果に基づいて停止表示するものであって、
前記第2当否判定において当りと判定される場合の方が、前記第1当否判定において当りと判定される場合よりも遊技者に有利となる可能性が高いことを特徴とするものである。
この様な遊技機によれば、第1当否判定を行うよりも第2当否判定を行う方が遊技者にとって有利となる可能性が高いので、遊技者は第2当否判定が実行されることを期待することとなるところ、従来の遊技機と比して、第1当否判定の実行によって、第2当否判定の実行回数が減少する可能性を低く構成することが可能なため、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第1識別情報の変動表示回数と第2識別情報の変動表示回数とを個別に計数するので、第1識別情報を変動表示させてしまった場合であっても、第1識別情報の変動表示回数(第1当否判定の実行回数)が第1の特定回数に到達しさえしなければ、当該第1識別情報の変動表示回数によって特典が終了することはないので、特典付与状態において第2当否判定を第2の特定回数分実行することが可能となる。
ここで、「第2当否判定において当りと判定される場合の方が、第1当否判定において当りと判定される場合よりも遊技者に有利となる可能性が高い」とあるが、この様な例として、例えば、第2当否判定において当りとなった場合の方が第1当否判定において当りとなった場合よりも高い確率で特典を発生する態様や、第2当否判定において当りとなった場合の方が第1当否判定において当りとなった場合よりも高い確率で獲得可能な利益量が多い特別遊技が実行される態様や、第2当否判定において当りとなった場合の方が第1当否判定において当りとなった場合よりも高い確率で特典を発生しやすい特別遊技を実行する態様等を挙げることができる。
また、参考発明4の遊技機は、参考発明3の遊技機において、
前記第1当否判定又は前記第2当否判定において当りと判定する当否判定確率を、所定の確率と、前記所定の確率よりも高い高確率とに設定する確率設定手段を備え、
前記特典付与手段は、前記特典として、前記当否判定確率を前記高確率に設定し、
前記特典終了手段は、前記特典の終了として、前記当否判定確率を前記所定の確率に設定することを特徴とするものである。
この様な遊技機によれば、特典として、当否判定において当りと判定する確率を高確率(高確率状態)にするため、特典に対する遊技者の関心をより一層高めることが可能となる。高確率状態になると、当否判定において当りと判定される確率が高まるため、遊技者は、有利な第2当否判定が多く実行されることを期待することとなり、前述した効果をより一層高め、遊技興趣を更に高めることが可能となる。
また、前述の遊技機の構成に対して、遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な可変入球口と、第1当否判定又は第2当否判定の結果が当りになると可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、を備えるものとすることができる。
また、「第2始動口」を、第1態様と第1態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な可変式始動口としてもよい。また、可変式始動口への遊技球の入球頻度が所定の頻度の第1遊技状態と、第1遊技状態よりも可変式始動口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態とに設定する遊技状態設定手段とを備えるものとすることができる。ここで、「所定の頻度」には0を含むものとする。