JP6142165B2 - 電気銅メッキ浴、電気銅メッキ方法並びに当該メッキ浴を用いて銅皮膜を形成した電子部品の製造方法 - Google Patents
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Description
これは、ビア充填(ビアホールへの銅充填)はビアの底部には厚く、ビア周辺には薄く膜厚形成する必要があり、メカニズム的に均一電着性とは別ものである(或は、相反する)ため、ビア充填とスルホールへの均一電着性の両立は容易でないことに因る。
従来、このような特性を満足するものとして圧延銅箔が用いられていたが、圧延銅箔では幅広い銅箔や薄い銅箔の製造が難しいという問題がある。
上記特許文献1又は2では、夫々銅メッキ浴に平滑剤として2′−ビス(2−イミダゾリン)などのイミダゾリン類、イミダゾール類、ベンゾイミダゾール類などの窒素系有機化合物(特許文献1の段落31、43;特許文献2の段落25、37)を含有している。
また、特許文献3では、イミダゾール環とその窒素原子に結合したアルキレン基(例えば、C2〜C20アルキレン)とを構成単位とするポリマーを平滑剤として銅メッキ浴に含有するが、上記先行文献1〜2の上記平滑剤に比べて、ビア充填においてボイドの発生を有効に防止するとともに、スルホールへの均一電着性もある程度の改善が期待できるが、やはり、ビア充填性とスルホールの均一電着性を両立させる点で依然として満足できるものではない。また、得られる銅皮膜の柔軟性と屈曲性も充分ではない。
(B)有機酸及び無機酸から選ばれた酸又はその塩と、
(C)次の一般式(I)で表されるビスイミダゾール誘導体
とを含有することを特徴とする電気銅メッキ浴である。
特に、銅メッキ浴に上記特許文献1〜2で開示されたイミダゾリン環、イミダゾール環、或いはベンゾイミダゾール環を1個有する化合物を用いた場合、ビア充填とスルホールへの均一電着性を共に良好に達成することは難しく、また、ビアホールへの銅析出ではボイドが発生してしまう。
また、特許文献3で開示された、イミダゾール環とその窒素原子に結合したアルキレン基(例えば、C2〜C20アルキレン)とを構成単位とするポリマーを平滑剤に使用した場合には、上記特許文献1〜2の上記平滑剤に比べて、ビア充填とスルホールへの均一電着性を共にある程度の改善が期待できるにとどまる。
これに対して、本発明のビスイミダゾール誘導体を用いると、スルホールでの均一電着性とビア充填に優れ、上記特許文献3のイミダゾール環とアルキレン鎖が繰り返すポリマーに比べて優位性は明らかである。
このため、ビアホールとスルホールが混在する基板などに本発明の電気銅メッキ浴を適用すると、形態の異なる2種類のホールを同時且つ円滑に銅メッキすることができ、生産性を向上できる。
また、本発明では、ビスイミダゾール誘導体を含有する電気銅メッキ浴を使用し、柔軟で屈曲性のある銅メッキ皮膜が得られるため、当該銅皮膜により高密度配線を形成したプリント基板は、変形が容易であるので省スペース化に適しており、電子機器の小型化が図れる。
可溶性銅塩のメッキ浴に対する含有量(金属換算)は一般に0.015〜3.2モル/L、好ましくは0.1〜1.2モル/Lである。
上記無機酸には、硫酸、ピロリン酸、ホウフッ酸などが挙げられる。また、有機酸には、グリコール酸や酒石酸等のオキシカルボン酸、メタンスルホン酸や2―ヒドロキシエタンスルホン酸等の有機スルホン酸などが挙げられる。
酸又はその塩のメッキ浴に対する含有量は一般に0.1〜12モル/L、好ましくは0.2〜3.0モル/Lである。
上記ビスイミダゾール誘導体(C)は、二つのイミダゾール環の窒素原子同士に所定長さのアルキレンR′が結合している化合物である。
イミダゾール環同士を架橋するアルキレンR′はC2〜C6の直鎖又は分岐アルキレンであり、好ましくはC3〜C6の直鎖又は分岐アルキレン基であり、当該アルキレンR′には水酸基が置換しても良い。
上記アルキレンR′の具体例としては、エチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレン、3−メチルペンチレン、ヘキシレンなどが挙げられ、好ましくはプロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレン、3−メチルペンチレンなどである。
このように、各イミダゾール環において、一方の窒素原子には上記架橋アルキレンR′が結合するが、他方の窒素原子には直鎖又は分岐アルキル基Rが結合する。
このアルキル基RはC1〜C10の直鎖又は分岐アルキル基であり、好ましくはC2〜C6の直鎖又は分岐アルキル基であって、当該アルキル基Rには水酸基が置換しても良い。
上記アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシル、オクチル、デシル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、7−ヒドロキシヘプチル、8−ヒドロキシオクチル、9−ヒドロキシノニル、10−ヒドロキシデシルなどが挙げられ、好ましくはプロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、イソアミル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシルなどである。
また、アニオンMは、ハロゲンイオン、OHイオン、RpCOO(RpはC1〜C3アルキル基)イオン、RqSO3(RqはC1〜C3アルキル基)イオン、炭酸水素イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、燐酸イオンである。尚、上記一般式(I)中の「M-」はアニオンを意味する便宜上の表現であり、価数1のアニオンに限定されるものではなく、アニオン部分は1価、多価を問わない。
その場合、反応温度は室温〜200℃、好ましくは50℃〜120℃であり、反応時間は1〜100時間、好ましくは3〜24時間である。無溶媒下での反応も可能であるが、溶媒下での反応の場合、使用する溶媒はメタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルセロソルブ、ジエチルセロソルブなどのセロソルブ、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
本発明のビスイミダゾール誘導体(C)は単用又は併用でき、メッキ浴中への添加量は0.01〜100ppm、好ましくは0.1〜50ppm、より好ましくは1〜20ppmである。添加量が少ないと均一電着性やビア充填効果が低下し、また、皮膜の屈曲性や柔軟性が充分得られない。逆に、多過ぎると焼けが生じたり、スルホールに無メッキ部が発生する。
(3)1,1′−エチレン−3,3′−(ジデシル)ジイミダゾリウム・ジクロリド
(6)1,1′−プロピレン−3,3′−(ジプロピル)ジイミダゾリウム・ジメタンスルホネート
(7)1,1′−プロピレン−3,3′−(ジヘキシル)ジイミダゾリウム・ジプロパンスルホネート
(8)1,1′−プロピレン−3,3′−{ジ(3−ヒドロキシプロピル)}ジイミダゾリウム・ジブロミド
(9)1,1′−プロピレン−3,3′−{ジ(10−ヒドロキシデシル)}ジイミダゾリウム・ジメタンスルホネート
(10)1,1′−(2−メチルプロピレン)−3,3′−(ジブチル)ジイミダゾリウム・ジメタンスルホネート
(11)1,1′−(2−メチルプロピレン)−3,3′−{ジ(5−ヒドロキシペンチル)}・ジエタンスルホネート
(12)1,1′−ブチレン−3,3′−(ジイソプロピル)ジイミダゾリウム・ジメタンスルホネート
(13)1,1′−ブチレン−3,3′−{ジ(6−ヒドロキシヘキシル)}ジイミダゾリウム・ジクロリド
(14)1,1′−ブチレン−3,3′-{ジ(9−ヒドロキシノニル)}ジイミダゾリウム・ジ(2−ヒドロキシエタン)スルホネート
(15)1,1′−ペンチレン−3,3′−(ジエチル)ジイミダゾリウム・ジプロパンスルホネート
(16)1,1′−(3−メチルペンチレン)−3,3′−(ジメチル)ジイミダゾリウム・ジエタンスルホネート
(17)1,1′−ヘキシレン−3,3′−(ジメチル)ジイミダゾリウム・ジメタンスルホネート
(18)1,1′−ヘキシレン−3,3′-{ジ(2-ヒドロキエチル)}ジイミダゾリウム・ジクロリド
上記ポリマーとしては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンランダムコポリマー、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーなどが挙げられる。
上記ポリマーの分子量は一般に500〜100万、好ましくは1000〜10万の範囲内である。ポリマーのメッキ浴に対する添加量は一般に0.01〜1000ppm、好ましくは0.1〜100ppm、さらに好ましくは1〜50ppmである。
ブライトナーのメッキ浴への添加量は一般に0.02〜200ppm、好ましくは0.1〜50ppmである。
そのメッキ浴に対する添加量は一般に1〜500pm、好ましくは5〜100ppmである。
尚、上記各成分の添加濃度はバレルメッキ、ラックメッキ、高速連続メッキ、ラックレスメッキ、バンプメッキなどのメッキ方式に応じて任意に調整・選択することになる。
電気銅メッキ浴の撹拌方法は、空気撹拌、急速液流撹拌、撹拌羽根等による機械撹拌等を使用することができる。
また、電気メッキにおける陽極は銅(合金)を材質とする可溶性陽極でも良いし、白金、、チタン又はカーボンなどを材質とする不溶性陽極でも良い。
また、本発明4は、本発明1又は2のビスイミダゾール誘導体を含有する電気銅メッキ浴を被メッキ物である電子部品に適用して、電子部品に銅皮膜を形成する方法である。
電子部品には、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フィルムキャリア、半導体集積回路、抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶振動子、スイッチ、リード線などが挙げられる。また、ウエハーのバンプ電極などのように電子部品の一部に本発明のメッキ浴を適用して皮膜形成しても良いことは言うまでもない。
上記製造例、実施例、試験例の「部」、「%」は基本的に重量基準である。
尚、本発明は下記の製造例、実施例などに拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
下記の製造例1は前記ビスイミダゾール誘導体の具体例のうち、化合物1の製造例であり、製造例2は同じく化合物4の製造例である。
(1)製造例1
冷却管、温度計、撹拌機を取り付けた300ml四つ口フラスコに1−ペンチルイミダゾール27.6gとメチルセロソルブ25mlを加えた。撹拌しながら80℃に加熱して、エチレングリコールジメタンスルホネート21.8gのメチルセロソルブ25ml溶液をゆっくり滴下した。
滴下終了後、同温度にて24時間反応した。
次いで、反応終了後、溶媒を留去し、得られた生成物(前記化合物1である1,1′−エチレン−3,3′−(ジペンチル)ジイミダゾリウム・ジメタンスルホネート)をイオン交換水で35重量%に希釈した。
尚、上記生成物をプロトンNMRに付し、4ppmの原料の窒素原子に結合しているメチレンのトリプレットシグナルが消失し、4.3〜4.5にマルチプレットのシグナルが出現していることから、反応の進行を確認した。
冷却管、温度計、撹拌機を取り付けた300ml四つ口フラスコに1−(4−ヒドロキシブチル)イミダゾール7.0gとメチルセロソルブ25mlを加えた。撹拌しながら80℃に加熱して、1,2−ジブロモエタン4.7gのメチルセロソルブ25ml溶液をゆっくり滴下した。
滴下終了後、同温度にて24時間反応した。
次いで、反応終了後、溶媒を留去し、得られた生成物(前記化合物4である1,1′−エチレン−3,3′−{ジ(4−ヒドロキシブチル)}ジイミダゾリウム・ジブロミド)をイオン交換水で35重量%に希釈した。
尚、上記生成物をプロトンNMRに付し、4ppmの原料の窒素原子に結合しているメチレンのトリプレットシグナルが消失し、4.3〜4.5にマルチプレットのシグナルが出現していることから、反応の進行を確認した。
下記の実施例1は可溶性銅塩と、酸と、ポリマー(PEG)と、光沢剤(SPS)と、塩化物イオンを含有する基本組成の電気銅メッキ浴に、本発明のビスイミダゾール誘導体として前記化合物4を含有した例である。実施例2〜7は基本組成の電気銅メッキ浴に、ビスイミダゾール誘導体として他の化合物を含有した例である。
一方、下記の比較例1〜10のうち、比較例1は本発明のビスイミダゾール誘導体を含有しないブランク例、比較例2は平滑剤に膠(にかわ)を使用した例、比較例3は平滑剤に染料(ヤーナスグリーンB)を使用した例、比較例4は平滑剤にポリエチレンイミンを使用した例、比較例5は平滑剤にポリビニルイミダゾールを使用した例である。比較例6〜7、9〜10は本発明のビスイミダゾール誘導体に代えて、ビスイミダゾール骨格を有する別種の化合物を含有した例であり、比較例6はイミダゾール環にアルキル置換基がない比較化合物1を使用した例、比較例7はイミダゾール環にアルキル置換基がなく、且つ、エーテル結合と水酸基を有するアルキレン鎖でイミダゾール環同士を架橋した比較化合物2を使用した例、比較例9はイミダゾール環同士の架橋構造にベンゼン環を有する比較化合物4を使用した例、比較例10はイミダゾール環同士の架橋構造にシクロアルカン環を有する比較化合物5を使用した例である。比較例8は本発明のビスイミダゾール誘導体に代えて、イミダゾール環とアルキレンの繰り返し構造を有する別種の化合物を含有した例である。
尚、比較例8は冒述の特許文献3の準拠例である。また、比較例7は特開2011−190260号公報に示す通り、イミダゾール化合物とエポキシド化合物を反応させた生成物であり、いわば当該公開公報の準拠例である。
硫酸銅水溶液を活性炭処理に付し、清澄にした後に各種成分を加えて、次の濃度の電気銅メッキ浴を建浴した(下記の実施例、比較例も同様)。
硫酸銅・五水和物(Cu2+として) 90g/L
硫酸 120g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2000) 10mg/L
SPS 10mg/L
塩化物イオン 30mg/L
化合物4 10mg/L
尚、上記塩化物イオンには、塩酸を使用した(下記の実施例及び比較例も同じ)。
次の組成により電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅・五水和物(Cu2+として) 90g/L
硫酸 120g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2000) 10mg/L
SPS 10mg/L
塩化物イオン 30mg/L
化合物8 10mg/L
次の組成により電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅・五水和物(Cu2+として) 90g/L
硫酸 120g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2000) 10mg/L
SPS 10mg/L
塩化物イオン 30mg/L
化合物10 10mg/L
次の組成により電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅・五水和物(Cu2+として) 90g/L
硫酸 120g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2000) 10mg/L
SPS 10mg/L
塩化物イオン 30mg/L
化合物13 10mg/L
次の組成により電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅・五水和物(Cu2+として) 90g/L
硫酸 120g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2000) 10mg/L
SPS 10mg/L
塩化物イオン 30mg/L
化合物15 10mg/L
次の組成により電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅・五水和物(Cu2+として) 90g/L
硫酸 120g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2000) 10mg/L
SPS 10mg/L
塩化物イオン 30mg/L
化合物11 10mg/L
次の組成により電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅・五水和物(Cu2+として) 90g/L
硫酸 120g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2000) 10mg/L
SPS 10mg/L
塩化物イオン 30mg/L
化合物12 10mg/L
次の組成により電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅・五水和物(Cu2+として) 90g/L
硫酸 120g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2000) 10mg/L
SPS 10mg/L
塩化物イオン 30mg/L
次の組成により電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅・五水和物(Cu2+として) 90g/L
硫酸 120g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2000) 10mg/L
SPS 10mg/L
塩化物イオン 30mg/L
膠 10mg/L
次の組成により電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅・五水和物(Cu2+として) 90g/L
硫酸 120g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2000) 10mg/L
SPS 10mg/L
塩化物イオン 30mg/L
ヤーナスグリーンB 10mg/L
次の組成により電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅・五水和物(Cu2+として) 90g/L
硫酸 120g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2000) 10mg/L
SPS 10mg/L
塩化物イオン 30mg/L
ポリエチレンイミン(平均分子量5000) 10mg/L
次の組成により電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅・五水和物(Cu2+として) 90g/L
硫酸 120g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2000) 10mg/L
SPS 10mg/L
塩化物イオン 30mg/L
ポリビニルイミダゾール(平均分子量2500) 10mg/L
次の組成により電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅・五水和物(Cu2+として) 90g/L
硫酸 120g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2000) 10mg/L
SPS 10mg/L
塩化物イオン 30mg/L
比較化合物1 10mg/L
上記比較化合物1(ブチレン−α,ω−ビス(1−イミダゾリウム))の構造式は次の通りである。
次の組成により電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅・五水和物(Cu2+として) 90g/L
硫酸 120g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2000) 10mg/L
SPS 10mg/L
塩化物イオン 30mg/L
比較化合物2 10mg/L
上記比較化合物2(1,12−ジイミダゾリル−2,11−ジヒドロキシ−4,9−ジオキサドデカン)の構造式は次の通りである。
次の組成により電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅・五水和物(Cu2+として) 90g/L
硫酸 120g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2000) 10mg/L
SPS 10mg/L
塩化物イオン 30mg/L
比較化合物3 10mg/L
上記比較化合物3(イミダゾリウム−ブチレンポリマー)の構造式は次の通りである。
次の組成により電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅・五水和物(Cu2+として) 90g/L
硫酸 120g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2000) 10mg/L
SPS 10mg/L
塩化物イオン 30mg/L
比較化合物4 10mg/L
上記比較化合物4(1,1′−(p,p′−キシリレン)−3,3′−(ジペンチル)ジイミダゾリウム・ジメタンスルホネート)の構造式は次の通りである。
次の組成により電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅・五水和物(Cu2+として) 90g/L
硫酸 120g/L
ポリエチレングリコール(平均分子量2000) 10mg/L
SPS 10mg/L
塩化物イオン 30mg/L
比較化合物5 10mg/L
上記比較化合物5(1,1′−(1,4−シクロヘキシレンジメチレン)−3,3′−(ジペンチル)ジイミダゾリウム・ジメタンスルホネート)の構造式は次の通りである。
そこで、先ず、スルホール径0.4mm、板厚2.0mmのガラス・エポキシ系基板に、常法に従ってPd触媒活性を施し、薄付け無電解銅メッキを行って試験片を作成した。
次いで、前記実施例1〜7及び比較例1〜10の各電気銅メッキ浴を用いて、浴温25℃、陰極電流密度2A/dm2の条件で、上記試験片に電気銅メッキを施した後、スルホールの中心を軸心方向に切断し、下式により均一電着性T(%)を算出して、スルホールでの均一電着性の優劣を評価した。
T(%)=(T2/T1)×100
T :均一電着性(%)
T1:スルホール端部のメッキ厚さ
T2:スルホール中央部のメッキ厚さ
先ず、開口部40μm角、深さ100μm、アスペクト比2.5のビアホールを有する基板を用意し、前記実施例又は比較例の浴で電気銅メッキする部分に予め公知の方法で下地層として膜厚0.3μmの銅メッキ皮膜を形成して、試験片を作成した。
次いで、前記実施例1〜4及び比較例1〜2の各電気銅メッキ浴を用いて、浴温25℃、陰極電流密度2A/dm2、30分の条件で、上記試験片に電気銅メッキを施した後、ビアホールの中心を軸心方向に切断し、ビアホール底部のボイド(空隙)の有無を顕微鏡で微視観察し、ビア充填の優劣を評価した。
下表Aはその試験結果である。
[表A] 均一電着性 ボイドの有無 均一電着性 ボイドの有無
実施例1 92% なし 比較例1 71% 有り
実施例2 93% なし 比較例2 70% 有り
実施例3 97% なし 比較例3 67% 有り
実施例4 91% なし 比較例4 72% 有り
実施例5 93% なし 比較例5 72% 有り
実施例6 94% なし 比較例6 75% 有り
実施例7 92% なし 比較例7 77% 有り
比較例8 84% ほぼなし
比較例9 81% 少し有り
比較例10 79% 少し有り
従来公知の平滑剤を使用した比較例2〜5では、スルホールでの均一電着性は比較例1と余り違いはないうえ、ビアホールでは比較例1と同じく底部にボイドの発生が確認された。
また、ビスイミダゾール骨格を有する比較化合物1〜2を使用した比較例6〜7では、スルホールでの均一電着性は比較例1より少し改善されたが、ビア底部でボイドの発生が確認された。
ビスイミダゾール骨格を有する比較化合物4〜5を使用した比較例9〜10では、スルホールでの均一電着性は上記比較例6〜7より更に少し改善されたが、ビア底部でボイドの発生が少し確認された。
イミダゾール環とアルキレンの繰り返し構造を有する比較化合物3を使用した比較例8では、スルホールでの均一電着性は上記比較例6〜7、9〜10より更に少し改善され、ビア底部でのボイドの発生もほぼ確認されなかった。
そこで、本発明のビスイミダゾール誘導体を含む実施例1〜7を、本発明と共通のビスイミダゾール構造を有する別種の化合物を含む比較例6〜7、9〜10と対比して考察すると、先ず、イミダゾール環にアルキル置換基がない比較例6に比べて、同アルキル置換基を有する実施例1〜7では、均一電着性及びビア充填性に優れることから、この銅メッキ特性の両立には、イミダゾール環へのアルキル置換基の存在が必須であることが分かる。
イミダゾール環同士を架橋するアルキレン鎖にエーテル結合を有する比較例7に、所定長さのアルキレン鎖を同架橋構造とする実施例1〜7を対比すると、均一電着性及びビア充填性の両立には、アルキレン鎖にエーテル結合が存在しない架橋構造が必須であることが分かる。
さらに、イミダゾール環とアルキレンの繰り返し構造を有する比較例8では、ボイドはほとんどない状態に改善し、均一電着性も他の比較例に比べて改善されたが、実施例1〜7に比べて均一電着性は劣るため、均一電着性及びビア充填性の両立には、2個のイミダゾール環の間にアルキレン鎖が架橋し、繰り返しのない実施例1〜7の分子構造が必須であることが分かる。
従って、スルホールの均一電着性とビア充填を同時に達成できる点で、本発明とは異なるビスイミダゾール構造、或いは繰り返し構造を有する化合物を電気銅メッキ浴に添加した場合に対して、イミダゾール環に所定のアルキル置換基を有し、且つ、イミダゾール環同士を所定のアルキレン鎖で架橋した本発明の特定のビスイミダゾール構造を有する誘導体を選択することの優位性が明らかに裏付けられた。また、そのメッキ浴への含有量はppmオーダーの微量で有効に作用することも確認できた。
アノードに酸化物皮膜チタン電極、カソードにチタン製回転ドラムを使用し、実施例1〜7及び比較例1〜10の各電気銅メッキ浴を用いて、電流密度100A/dm2、液温60℃にて、電気銅メッキを行い、12μの電着銅皮膜を得た。
そして、この電着皮膜を200℃、30分の条件で加熱した後、IPC−TM650に準じて抗張力(kg/mm2)、伸び(%)を測定した。
下表Bはその試験結果である。
[表B] 抗張力 伸び 抗張力 伸び
実施例1 16.0 15.3 比較例1 38.4 8.1
実施例2 17.1 14.8 比較例2 39.9 7.3
実施例3 16.4 16.1 比較例3 35.1 7.1
実施例4 15.9 15.5 比較例4 30.4 7.3
実施例5 15.1 17.1 比較例5 33.7 8.5
実施例6 15.0 16.4 比較例6 31.1 8.7
実施例7 15.2 19.2 比較例7 29.5 9.4
比較例8 22.7 11.8
比較例9 25.5 10.1
比較例10 26.1 9.9
また、伸びについては実施例1〜7は比較例1〜10に比べて大きな伸び(%)を示し、特に、比較例1〜5に対して実施例は約2倍の値を示し、比較例1〜10に対してもこれに準ずる大きな値であった。
このため、本発明のビスイミダゾール誘導体を電気銅メッキ浴に使用すると、柔軟で屈曲性の高い銅の電着皮膜が得られる。
Claims (4)
- さらに、光沢剤、平滑剤、界面活性剤、塩化物よりなる群から選ばれた添加剤の少なくとも一種を含有する請求項1に記載の電気銅メッキ浴。
- 請求項1又は2に記載の電気銅メッキ浴を用いて被メッキ物に銅皮膜を形成させることを特徴とする電気銅メッキ方法。
- 請求項1又は2に記載の電気銅メッキ浴を用いて電子部品に銅皮膜を形成することを特徴とする電子部品の製造方法。
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