JP6140863B1 - 摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法及び定数同定システム - Google Patents

摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法及び定数同定システム Download PDF

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Abstract

【課題】摩擦攪拌接合のシミュレーション解析に必要な広域の温度条件と広域のひずみ速度条件に適用可能な材料構成則において、複数の定数を精度よく且つ簡易に同定できるようにする。【解決手段】所定の対象材料の特性を示す材料構成則の関係式に含まれる複数の定数を同定する摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法において、前記対象材料でなる試験片1,2を用いて所定の条件下で摩擦攪拌接合試験を行い、所定の物理量Taを計測し、前記複数の定数に仮定の値が与えられた前記関係式を用いて、条件を前記摩擦攪拌接合試験と整合させて有限要素解析を行い、前記物理量Tbを算出し、計測された物理量Taと算出された物理量Tbとの一致度を評価し、所定の同定完了条件が成立するまで、上記の評価に基づいて、前記仮定の値を変更して上記の有限要素解析と評価を繰り返し行う。【選択図】図6

Description

本発明は、摩擦攪拌接合のシミュレーション解析に用いられる材料構成則の定数同定方法及び定数同定システムに関する。
部材間を接合する技術の一つとして、特許文献1,2に開示された摩擦攪拌接合が知られている。図11及び図12に示すように、摩擦攪拌接合では、先端部にショルダ32と該ショルダ32から突出したプローブ31とを備えたツール30が用いられ、該ツール30は、周方向Aに高速で回転しながら、プローブ31とショルダ32が材料21,22間の突き合わせ部24に押し込まれるように軸方向Bの力が加えられ、該突き合わせ部24に沿って横方向Cに材料21,22に対して相対的に並進移動される。
これによって、材料21,22は、ツール30との間に生じる摩擦熱によってツール30の周囲において粘塑性状態になると共に、該粘塑性材料がツール30の高速回転によって攪拌されることで材料発熱が発生する。この結果、材料21,22の突き合わせ部24及びその周辺部では、固相線温度には達しない程度に温度上昇した固相状態で再結晶が生じ、これにより、材料21,22間が突き合わせ部24に沿って接合される。これにより、材料21,22間には、微細化された金属組織からなる機械的性質に優れた接合部が形成され得る。
上記のような摩擦攪拌接合は、一部のアルミニウム合金において実用化が果たされているが、その他のアルミニウム合金や、アルミニウム合金以外の金属、或いは樹脂などにも適用可能な技術であり、今後、種々の材料への応用が期待されている。
摩擦攪拌接合において、ツールの回転速度や駆動トルク、材料に対するツールの並進移動速度などの条件が適切でなければ、材料の内部に欠陥が生じることがあり、これに起因して、継手強度が不足して接合部として十分な性能を有しない可能性がある。そこで、適切な条件で摩擦攪拌接合を行うためには、ツールの耐久性、ツール駆動装置の剛性、治具による材料の保持強度などを考慮しながら、接合機材の設計を行う必要がある。
現在、摩擦攪拌接合用の接合機材の設計や接合条件の設定にあたっては、接合機材の実機を試作して、この実機によって摩擦攪拌接合を適切に実行可能であるか否かを確認する試験を行っているのが実情である。
ところが、このように実機を用いた試験を行うためには、実機の試作及び試験に多大なコストと時間がかかってしまうことから、有限要素法を用いたシミュレーション解析システムを利用することで、コストの削減と時間の短縮を図ることが検討されている。
この場合、有限要素解析には、摩擦攪拌接合が行われる材料の特性を適切に示し得る材料構成則の関係式が用いられる必要がある。特に、摩擦攪拌接合が行われる材料部分では、粘塑性状態での材料発熱が生じるため、この現象を解析において高精度で予測し得る材料構成則の関係式が必要になる。
また、粘塑性状態で攪拌される材料では、ひずみ速度や温度などが部位によって大きく異なると共に、各部位においても大きく変動する。具体的には、摩擦攪拌接合が行われる材料部分において、そのひずみ速度域は例えば10−3〜10−1程度の広域に亘り、温度域は例えば室温以上、固相線温度(アルミニウム合金の場合は650℃程度)以下の広域に亘る。
したがって、摩擦攪拌接合の解析には、一定温度及び一定ひずみ速度で行われる一般的な材料試験で得られるような材料構成則の関係式(所定温度での応力とひずみの関係式など)を用いることは適当でなく、温度及びひずみ速度に対する依存性が大きく、広範囲の温度域及びひずみ速度域での適用が可能な材料構成則の関係式を用いることが好ましい。そのような構成則の関係式の例として、下記の数式1に示されるJohnson-cook則の関係式、数式2及び数式3に示されるNorton-hoff則の関係式などが知られている。なお、数式2において速度依存性を示す定数「m」には、数式3において温度依存性を示す定数「m、m、m」を含む右項全体が代入される。
Figure 0006140863
Figure 0006140863
数式1に示されるJohnson-cook則の関係式と、数式2,3に示されるNorton-hoff則の関係式のいずれにおいても、左項が応力σで構成され、右項が、材料の変形抵抗を示す項、材料の温度に依存する項、及び、材料のひずみ速度に依存する項を乗じた数式で構成されている。このように構成された材料構成則の関係式は、広範囲の温度域及びひずみ速度域で適用され得ることから、摩擦攪拌接合中における粘塑性材料の特性を示すものとして好適に用いることができる。
上記のJohnson-cook則の関係式(数式1)やNorton-hoff則の関係式(数式2,3)には複数の定数が含まれており、これらの定数は材料毎に決められるものである。したがって、このような関係式を摩擦攪拌接合の解析に用いる際には、材料構成則の関係式に含まれる定数を予め同定しておく必要がある。
特許第2712838号公報 特許第2792233号公報
ところが、上記のように材料の変形抵抗を示す項、材料の温度に依存する項及び材料のひずみ速度に依存する項を有する材料構成則の関係式の構成は複雑であることから、対象材料についての熱間ねじり試験や熱間引張試験などの材料試験によって得られる応力や、ひずみ、ひずみ速度などの値を上記の関係式に代入することで複数の方程式を立てて、複数の定数の解を求めようとしても、単純な計算によっては解を得ることができない。
そこで、対象材料についての材料試験によって得られる応力とひずみ速度などの計測値を用いると共に、例えば遺伝的アルゴリズムやシミュレーティッドアニーリングなどをベースとした何らかの最適化手法によって、材料構成則の関係式に含まれる複数の定数に仮の値を設定する工程、材料試験と条件を整合させた有限要素解析を行って、応力とひずみ速度などの算出値を得る工程、及び、材料試験で得られる計測値と有限要素解析で得られる算出値との一致度を評価する工程からなるサイクルを繰り返しながら、最適な定数の値の組合せを探索することで、定数の同定を行うことが考えられる。
しかしながら、上述したように摩擦攪拌接合によって粘塑性状態となる材料部分の温度及びひずみ速度はいずれも広範囲に亘ることから、摩擦攪拌接合の解析に用いられる材料構成則の定数を精度よく同定するためには、広域に亘る複数のひずみ速度条件及び複数の温度条件の下で材料試験を行い、これらの試験結果との対比を行うために、材料試験と同じ複数の条件下での有限要素解析を行う必要がある。
例えば、ひずみ速度及び温度のそれぞれについて4つ〜7つ程度の条件が設定される場合には、これらの条件の組合せはおよそ20〜40パターンとなり、該パターン毎に材料試験と有限要素解析を行う必要がある。そして、材料試験での計測値と解析での算出値との一致度を評価するためには、20〜40パターンずつの値同士を対比させる必要がある。
このような対比による一致度の評価を行いながら上記のJohnson-cook則の関係式(数式1)やNorton-hoff則の関係式(数式2,3)などに含まれる複数の定数の組合せを最適化手法によって同定するためには、同定が完了するまでに、定数の値の仮設定、解析及び評価からなるサイクルを数百回程度繰り返す必要がある。
そして、定数の値を仮設定し直す度に20〜40パターンの解析をやり直すことになるため、1つの対象材料についての材料構成則の定数を同定するまでに、最終的に1万回程度の解析が行われることになり、膨大な時間とコストを要してしまう。
さらに、以上のような定数同定方法において解析結果との対比が行われる材料試験に関しても、熱間試験中に材料の温度が設定温度を超えて上昇したり、熱間引張試験中におけるネッキングにより応力状態が変化したりする問題がある。そのため、必ずしも精度が高くない材料試験の結果を用いた評価が行われることから、材料構成則の定数を精度よく同定できないという問題もある。
そこで、本発明は、摩擦攪拌接合のシミュレーション解析に必要な広域の温度条件と広域のひずみ速度条件に適用可能な材料構成則において、複数の定数を精度よく且つ簡易に同定できるようにすることを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法及び定数同定システムは、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、所定の対象材料の特性を示す材料構成則の関係式に含まれる複数の定数を同定する摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法であって、
前記対象材料でなる試験片を用いて所定の条件下で摩擦攪拌接合試験を行い、所定の物理量を計測する物理量計測工程と、
前記複数の定数に仮定の値が与えられた前記関係式を用いて、条件を前記摩擦攪拌接合試験と整合させて有限要素解析を行い、前記物理量を算出する物理量算出工程と、
前記物理量計測工程で計測された物理量と、前記物理量算出工程で算出された物理量との一致度を評価する評価工程と、を有し、
所定の同定完了条件が成立するまで、前記評価工程の評価に基づいて、前記仮定の値を変更して前記物理量算出工程と前記評価工程を繰り返し行うことを特徴とする。
なお、本願の発明において、「同定完了条件」の具体的な条件は特に限定されるものでないが、例えば、同定されるべき複数の定数に関しての最適な値の組合せを探索するために所定の最適化手法が用いられる場合、該最適化手法における所定の「探索完了条件」を「同定完了条件」としてもよい。
ここでいう「探索完了条件」の具体例としては、複数の定数に与えられる仮定の値の変更回数が、所定の最適化手法における規定回数に達すること、又は、直前の「評価工程」において、計測された物理量と算出された物理量との一致度が所定条件を満たすと評価されることなどが挙げられる。
請求項2に記載の発明に係る摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法は、前記請求項1に記載の発明において、
前記物理量は、摩擦攪拌接合が行われているときの前記対象材料の温度であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明に係る摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法は、前記請求項2に記載の発明において、
前記摩擦攪拌接合試験は、前記試験片の被接合部に、高速で回転するツールの一端側を前記試験片の表面側から押し込むことで行われるものであり、
前記物理量計測工程では、前記表面側から見たときの前記被接合部からの距離が異なる複数箇所、及び、前記表面からの深さが異なる複数箇所で前記試験片の温度を計測することを特徴とする。
また、本願の請求項4に記載の発明は、所定の対象材料の特性を示す材料構成則の関係式に含まれる複数の定数を同定する摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定システムであって、
前記対象材料でなる試験片を用いて所定の条件下で行われた摩擦攪拌接合試験で計測された前記試験片の所定の物理量の情報を取得する情報取得手段と、
前記複数の定数に仮定の値が与えられた前記関係式を用いて、前記摩擦攪拌接合試験と条件を整合させた有限要素解析を行い、前記物理量を算出する物理量算出手段と、
前記情報取得手段によって取得された物理量と、前記物理量算出手段によって算出された物理量との一致度を評価する評価手段と、
所定の同定完了条件が成立するまで、前記評価手段による評価に基づいて、前記仮定の値を変更して、前記物理量算出手段による前記物理量の算出と、前記評価手段による評価とを繰り返し行う定数同定手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明に係る摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定システムは、前記請求項4に記載の発明において、
前記物理量は、摩擦攪拌接合が行われているときの前記対象材料の温度であることを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明に係る摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法によれば、対象材料でなる試験片を用いた摩擦攪拌接合試験が実際に行われると共に、複数の定数に仮定の値が与えられた関係式を用いて、摩擦攪拌接合試験と条件が整合された有限要素解析が行われた上で、1つの条件下での摩擦攪拌接合試験で得られる物理量の計測値と、同じく1つの条件下での解析で得られる同物理量の算出値との一致度の評価に基づいて、対象材料の温度域及びひずみ速度域が広範に亘る摩擦攪拌接合に対応した材料構成則の定数を同定することができる。
上記の物理量の一致度の評価においては、1回の試験結果と1回の解析結果とを対比させるだけで済むため、試験の回数が1回のみで済むと共に、仮に、定数の同定に至るまでに定数の仮定の値の変更、解析及び評価からなるサイクルが数百回繰り返されたとしても、最終的な解析の回数がそれを超えることがない。
よって、材料試験の結果を利用する従来の同定方法では、広範な温度域及びひずみ速度域に対応させるために数十パターンの材料試験を要すると共に、これに対応する数十パターンの解析が上記のサイクル毎に行われることで最終的に一万回程度の解析が必要になるのに対して、本発明によれば、上記のように試験及び解析の回数が少なくて済むため、時間とコストを効果的に短縮できる。したがって、本発明によれば、摩擦攪拌接合の有限要素解析に適した材料構成則の定数を簡易且つ効率的に同定できる。
また、従来の同定方法に用いられる材料試験では、温度やひずみ速度、応力等の値を必ずしも精度よく得られない問題があるのに対して、本発明によれば、実際の摩擦攪拌接合が行われるときの計測値が用いられることで、定数の同定を高精度で行うことができる。したがって、このように高精度に同定された定数を有する材料構成則の関係式を用いて、摩擦攪拌接合の有限要素解析を精度よく行うことができる。
本願の請求項2に記載の発明に係る摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法によれば、摩擦攪拌接合試験において計測された対象材料の温度は、摩擦攪拌接合によって生じる材料発熱に対応した物理量であるため、当該計測温度と、解析で算出された温度との一致度の評価に基づいて、材料発熱が生じる摩擦攪拌接合の解析に適した材料構成則の定数を精度よく同定できる。
本願の請求項3に記載の発明に係る摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法によれば、試験片の表面側から見たときの被接合部からの距離が異なる複数箇所、及び、試験片の表面からの深さが異なる複数箇所で計測された温度と、これらに対応する各箇所で算出された温度との一致度の評価に基づいて、対象材料における被接合部からの距離や表面からの深さの違いによる温度差が生じる摩擦攪拌接合の解析に適した材料構成則の定数を精度よく同定できる。
本願の請求項4に記載の発明に係る摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定システムによれば、対象材料でなる試験片を用いて実際に行われた1つの条件下での摩擦攪拌接合試験で得られた物理量の計測値と、複数の定数に仮定の値が与えられた関係式が用いられると共に、摩擦攪拌接合試験と条件が整合されて行われた1つの条件下での有限要素解析で得られた同物理量の算出値との一致度の評価に基づいて、対象材料の温度域及びひずみ速度域が広範に亘る摩擦攪拌接合の解析に適した材料構成則の定数を同定することができる。そのため、請求項1に係る発明と同様の効果を得ることができる。
本願の請求項5に記載の発明に係る摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定システムによれば、摩擦攪拌接合試験において計測された対象材料の温度は、摩擦攪拌接合によって生じる材料発熱に対応した物理量であるため、請求項2に係る発明と同様の効果を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法における摩擦攪拌接合試験に用いられる試験片とツールを示す平面図である。 同試験片と同ツールを示す図1のII−II線断面図である。 本発明の一実施形態に係る摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定システムの全体構成を示す図である。 同システムの記憶装置の構成を示す図である。 比較例に係る定数同定動作を示すフローチャートである。 実施例に係る定数同定動作を示すフローチャートである。 定数初期値を設定する方法を説明するためのグラフである。 摩擦攪拌接合試験と条件を整合させた有限要素解析で算出された温度分布の一例を示すコンター図である。 摩擦攪拌接合試験で計測された温度と有限要素解析で算出された温度の一例を示すグラフである。 定数データベースの一例を示すテーブルである。 摩擦攪拌接合を説明するための斜視図である。 摩擦攪拌接合を説明するための断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法及び定数同定システムについて、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態に係る摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法は、所定の対象材料の特性を示す材料構成則の関係式に含まれる複数の定数を同定する方法である。具体的に、本実施形態では、上記の数式2及び数式3に示されるNorton-hoff則の関係式に含まれる5つの定数(K、β、m、m、m)を同定する方法について説明する。
ただし、本発明は、Norton-hoff則の関係式に限られず、例えば上記の数式1に示されるJohnson-cook則の関係式など、摩擦攪拌接合の有限要素解析に利用可能なその他の材料構成則の関係式にも適用可能である。
本実施形態では、対象材料の特性を示す材料構成則の関係式に関して、以下に説明する方法によって定数が同定されることで、当該関係式を用いて、対象材料についての摩擦攪拌接合の有限要素解析を行うことが可能になる。したがって、対象材料の摩擦攪拌接合に用いられる接合機材の設計や接合条件の設定等において、有限要素法を用いたシミュレーション解析システムを利用することが可能になるため、設計等にかかるコストと時間を効果的に削減することができる。
[摩擦攪拌接合試験]
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法では、先ず、摩擦攪拌接合によって第1試験片1と第2試験片2を相互に接合させる摩擦攪拌接合試験が行われる。第1及び第2試験片1,2は、同一の対象材料からなる。
なお、摩擦攪拌接合試験では、一方の試験片1の材料のみを対象材料として、他方の試験片2として、異なる材料からなるものを用いてもよい。
第1及び第2試験片1,2は、例えば長方形の板材であり、互いに同じ大きさ及び厚みを有する。第1及び第2試験片1,2は、例えば長辺側の側面同士が付き合わされた状態で水平面上に載置され、所定の治具(図示せず)によって位置決めされた状態で、試験片1,2間の突き合わせ部3において互いに接合される。
摩擦攪拌接合試験に用いられる接合機材は、上下方向に延びる例えば円柱状のツール6を備えている。ツール6には、ツール6の下端面からツール6の軸心に沿って下方に突出したプローブ7と、ツール6の下端面においてプローブ7の周囲に形成されたショルダ8とが設けられている。
ツール6は、その軸心周りの周方向Aに回転駆動されながら軸方向Bに下降されることで、試験片1,2間の突き合わせ部3にプローブ7とショルダ8とが押し込まれる。その後、ツール6の上下方向位置が維持されるように、ツール6による試験片1,2に対する軸方向B下側への押し付けと、ツール6の周方向Aの回転駆動とが継続されながら、突き合わせ部3に沿った横方向Cへのツール6の並進移動が行われる。
ツール6の回転速度、ツール6を回転駆動するための駆動トルク、試験片1,2に対してツール6を軸方向Bに押し付けるためにツール6に作用させる軸力、ツール6の並進移動速度、治具による試験片1,2の位置決め強度等の各種条件は、一般的な摩擦攪拌接合で採用されるような条件に設定される。
以上の条件下で摩擦攪拌接合が行われるとき、試験片1,2における複数の温度計測ポイントCH1〜CH6において温度が計測される。本実施形態では、第1試験片1に設定された第1〜第5ポイントCH1〜CH5と、第2試験片2に設定された第6ポイントCH6にそれぞれ温度センサ18(図3参照)が取り付けられ、各温度センサ18によって各ポイントCH1〜CH6の温度が計測される。
図1に示すように、第1試験片1における第1〜第5ポイントCH1〜CH5に関して、平面視における突き合わせ部3からの距離は、第1ポイントCH1及び第3ポイントCH3が第1距離L1、第2ポイントCH2及び第4ポイントCH4が第1距離L1よりも大きな第2距離L2、第5ポイントCH5が第2距離L2よりも大きな第3距離L3とされている。また、第2試験片2における第6ポイントCH6は、平面視における突き合わせ部3からの距離が第3距離L3よりも僅かに大きな第4距離L4とされている。
ツール6の並進移動方向Cにおいて、第1及び第2ポイントCH1,CH2は同じ位置とされ、第3及び第4ポイントCH3,CH4は、第1及び第2ポイントCH1,CH2よりも下流側の同じ位置とされ、第5及び第6ポイントCH5,CH6は、第3及び第4ポイントCH3,CH4よりも更に下流側の同じ位置とされている。
また、図2に示すように、試験片1,2の表面からの深さは、第1及び第2ポイントCH1,CH2がD1とされており、第3及び第4ポイントCH3,CH4がD1よりも大きなD2とされており、第5及び第6ポイントCH5,CH6は、試験片1,2の表面に位置付けられている。
なお、温度計測ポイントCH1〜CH6の設定は、以上の構成に限られるものでなく、複数箇所に設定されるのであれば種々の変更が可能である。ただし、温度計測ポイントCH1〜CH6は、平面視における突き合わせ部3からの距離が異なる複数箇所、及び、試験片1,2の表面からの深さが異なる複数箇所に設定されることが好ましく、これにより、粘塑性状態の材料部分が攪拌される摩擦攪拌接合時において、突き合わせ部3からの距離や表面からの深さに応じて異なる試験片1,2の温度を計測することができる。
各温度計測ポイントCH1〜CH6において計測される温度は、並進移動方向Cにおけるツール6の位置に応じて変化するが、本実施形態では、並進移動方向Cにおいて、ツール6のプローブ7の軸心が各温度計測ポイントCH1〜CH6と同じ位置に位置するときに計測された温度のデータが、材料構成則の定数の同定に用いられる。
以上のように摩擦攪拌接合試験が行われた後、該試験で計測された温度のデータを用いて、次に説明する材料構成則の定数同定システムによる定数同定動作が行われる。
[摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定システムの概要]
図3は、摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定システムの中心となるコンピュータ10の構成を示す図である。このコンピュータ10は、CPU等の中央演算装置11と、メモリまたはハードディスク等の記憶装置12と、キーボード、マウス等の入力装置13と、ディスプレイ、プリンタ等の出力装置14とを有する。
中央演算装置11は、記憶装置12にアクセス可能に構成されていると共に、入力装置13から送られる信号、及び、上述の摩擦攪拌接合試験において試験片1,2(図1及び図2参照)の温度を検知する温度センサ18から送られる信号等を入力可能に構成されている。
中央演算装置11は、記憶装置12に記憶されている情報と、入力装置13等を介して入力された情報とを用いて、各種演算処理を実行したり、演算処理によって得られた情報を記憶装置12に保存したりする。また、中央演算装置11は、必要に応じて、出力装置14に制御信号を出力して、ディスプレイの表示や印刷などを行う。
なお、温度センサ18は、必ずしも中央演算装置11に接続されなくてもよく、この場合、摩擦攪拌接合試験で計測された温度のデータは、入力装置13等を介して記憶装置12に保存されてもよい。
[記憶装置]
図4に示すように、記憶装置12は、材料構成則の定数の同定に用いられる各種プログラムを記憶するプログラム記憶部12aと、各種プログラムの動作に用いられる各種データを記憶するデータ記憶部12bとを有している。
プログラム記憶部12aには、定数同定動作を全般的に行う定数同定プログラム、摩擦攪拌接合試験と条件を整合させた有限要素解析を行う摩擦攪拌接合解析プログラム、摩擦攪拌接合解析プログラムによる有限要素解析に用いられる材料構成則の関係式の定数に与えられる仮定の値(以下、「定数仮定値」という)の初期値(以下、「定数初期値」という)を設定する定数初期値設定プログラム、及び、定数同定プログラムによって同定された定数を所定の定数データベースに登録する定数登録プログラムなどが記憶されている。
データ記憶部12bには、上記の摩擦攪拌接合試験で計測された温度のデータが記憶される計測温度データファイル、摩擦攪拌接合解析プログラムによる有限要素解析によって算出された温度のデータが記憶される算出温度データファイル、摩擦攪拌接合解析プログラムによる有限要素解析に用いられる定数仮定値のデータが記憶される定数仮定値データファイル、定数初期値設定プログラムによる定数初期値の設定に用いられる各種参考データが記憶される参考データファイル、及び、既に材料構成則の定数同定が完了している各種材料に関する定数のデータが登録された定数データベースなどが設けられている。
[摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定システムの動作]
次に、材料構成則の定数同定システムの動作例について、図6に示す定数同定動作が行われる実施例と、図5に示す定数同定動作が行われる比較例とを対比させながら説明する。実施例と比較例のいずれにおいても、上記の数式2及び数式3に示されるNorton-hoff則の関係式に含まれる5つの定数(K、β、m、m、m)を同定するための動作について説明する。
[比較例]
比較例に係る摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法では、図5に示す定数同定動作が行われる前に、予め、対象材料について、熱間ねじり試験や熱間引張試験などの材料試験が行われ、この材料試験によって、応力とひずみの関係を示すデータ、及び、応力とひずみ速度の関係を示すデータが得られる。
この材料試験におけるひずみ速度の条件としては、摩擦攪拌接合によって粘塑性状態となる材料部分に生じ得る広範囲のひずみ速度に対応させるべく、例えば1.0×10−3〜1.0×10−1程度の広域に亘る少なくとも4つ〜7つ程度の条件が設定される。なお、設定されたひずみ速度条件を実現するためには、材料試験で用いられるアクチュエータを、対象材料のひずみ速度に対応する速度で駆動させればよい。
また、温度の条件としては、摩擦攪拌接合時において、摩擦熱や材料発熱によって固相線温度(アルミニウム合金の場合は650℃程度)付近まで温度上昇する被接合部の温度と、被接合部から遠い材料部分の温度との差が大きくなることに対応させるべく、例えば300〜600℃程度の広域に亘る少なくとも4つ〜7つ程度の条件が設定される。
したがって、合計20〜40程度の条件での材料試験が行われることになり、温度条件毎に、応力とひずみの関係を示すデータと、応力とひずみ速度の関係を示すデータとが得られ、これらのデータは、コンピュータによる図5に示す定数同定動作に用いられる。
図5に示す比較例の制御動作には、主として、例えば遺伝的アルゴリズムをベースとした公知の最適化手法によって定数の値の最適な組合せを探索するように構成されたプログラムが用いられる。
この制御動作では、先ず、ステップS101において、上述の20〜40パターンの材料試験で得られたデータが取得される。具体的には、温度条件毎に得られた応力とひずみの関係を示すデータ、及び、温度条件毎に得られた応力とひずみ速度の関係を示すデータが取得される。
続くステップS102では、ステップS101で取得されたデータのうち、応力とひずみ速度の関係を示すデータに基づいて、同じく応力とひずみ速度の関係を示すNorton-hoff則の関係式(数式2,3)に含まれる5つの定数についての定数初期値が設定される。
具体的には、材料試験で得られた応力とひずみ速度の関係(ステップS101)と、Norton-hoff則の関係式(数式2,3)で示される応力とひずみ速度の関係との一致度が最も高くなるような定数の値の組合せが最小二乗近似等によって求められ、該組合せを構成する各定数の値が定数初期値(定数仮定値の初期値)に設定される。
次のステップS103では、ステップS102で設定された定数初期値を含むNorton-hoff則の関係式(数式2,3)を用いて、上述した20〜40パターンの材料試験に条件を整合させた有限要素解析が行われる。すなわち、材料試験と同じく、温度とひずみ速度の条件が異なる20〜40パターンの有限要素解析が行われる。これらの解析によって、1つのパターン毎に、応力とひずみの関係が算出される。
続くステップS104では、材料試験で得られた応力とひずみの関係(ステップS101)と、有限要素解析で得られた応力とひずみの関係(ステップS103)とが1つのパターン毎に対比される。つまり、ステップS104では、試験結果と解析結果との対比が20〜40パターン行われる。これらの対比によって、試験結果と解析結果との一致度が最小二乗近似等によって評価される。
続くステップS105では、図5の制御動作を行うプログラムで採用された最適化手法における所定の探索完了条件が成立したか否かが判定される。探索完了条件の具体例としては、例えば、後述するステップS106(定数仮定値の変更)の実行回数が、前記最適化手法で規定された所定回数に達することが挙げられる。
ただし、探索完了条件は、定数同定動作を行うプログラムに採用される最適化手法の種類に応じて異なるものであり、探索完了条件の別の例としては、直前のステップS104において、試験結果と解析結果との一致度が所定条件を満たすと評価されることなどが挙げられる。
ステップS105の判定の結果、探索完了条件が成立していない場合は、ステップS106において定数仮定値が変更された上で、ステップS103の有限要素解析がやり直されて、該有限要素解析の結果について、材料試験の結果との一致度が再び評価される(ステップS104)。
このような定数仮定値の変更(ステップS106)、有限要素解析(ステップS103)、及び、試験結果と解析結果との一致度の評価(ステップS104)のサイクルは、ステップS105の判定において探索完了条件が成立するまで繰り返される。
このサイクルにおける各ステップS106では、これ以前に設定された定数仮定値とこれに対応するステップS104の評価とに基づいて、上記の最適化手法に従って決められた値が、新たな定数仮定値として設定される。
また、このサイクルにおいて、各ステップS103では、直前のステップS106で再設定された定数仮定値を含むNorton-hoff則の関係式(数式2,3)を用いて、材料試験の条件と整合した20〜40パターンの有限要素解析が行われ、各ステップS104では、直前のステップS103で得られた20〜40パターンの解析結果が材料試験の結果と対比されて、両結果の一致度が評価される。
ステップS105の判定の結果、上記の最適化手法における探索完了条件が成立すると、ステップS107において、Norton-hoff則の関係式(数式2,3)に含まれる5つの定数(K、β、m、m、m)の値の組合せが、例えば、上記のサイクルの繰り返しの中で最も高い一致度の評価(ステップS104)が得られたときの定数仮定値の組合せに同定されて、定数同定動作が終了する。
以上で説明した比較例の方法において、20〜40パターンの全ての条件について試験結果と解析結果との一致度が高くなるような定数(K、β、m、m、m)の最適な組合せを見つけ出すためには、上述した定数仮定値の変更(ステップS106)、有限要素解析(ステップS103)、及び、試験結果と解析結果との一致度の評価(ステップS104)のサイクルを数百回程度繰り返す必要がある。
また、比較例の方法では、ステップS106において定数仮定値を再設定する度に、ステップS103において20〜40パターンの解析を行うことになるため、最終的にステップS107において定数の同定がなされるまでに、1万回程度の解析が行われることになる。仮に1回の解析に1時間かかる場合、全ての解析が終わるまでに13ヶ月程度かかることになり、膨大な時間とコストを要してしまう。
さらに、比較例では、熱間ねじり試験や熱間引張試験などの材料試験で得られるデータが用いられるが、熱間試験中には材料の温度が設定温度を超えて上昇しやすい問題があると共に、熱間引張試験中にはネッキングにより応力状態が変化しやすい問題がある。そのため、材料試験で得られるデータの精度は必ずしも高くなく、このように精度が得られ難いデータを用いた評価に基づいて定数の同定が行われる比較例の方法では、定数を必ずしも精度よく同定できないという問題もある。
[実施例]
これに対して、本実施形態では、図6に示す実施例に係る制御動作が上述のコンピュータ10(図3参照)によって行われる。
実施例に係る制御動作には、主として、記憶装置12のプログラム記憶部12a(図4参照)に記憶された定数同定プログラムが用いられ、この他にも、定数初期値設定プログラムや摩擦攪拌接合解析プログラム、定数登録プログラムなどが適宜併せて用いられる。
定数同定プログラムは、例えば遺伝的アルゴリズムをベースとした公知の最適化手法によって、Norton-hoff則の関係式(数式2,3)に含まれる5つの定数(K、β、m、m、m)の値の最適な組合せを探索するように構成されている。また、定数同定プログラムは、定数の同定に際して、定数初期値設定プログラムや摩擦攪拌接合解析プログラム、定数登録プログラムなど、他のプログラムを必要に応じて動作させて、これらのプログラムと連係して動作する。
図6に示す制御動作では、先ず、ステップS1において、記憶装置12のデータ記憶部12b(図4参照)に記憶された各種データが取得される。
ステップS1で取得されるデータには、上記の摩擦攪拌接合試験における計測温度のデータ、及び、次のステップS2における定数初期値の設定に用いられる各種参考データが含まれる。
ステップS1において、計測温度のデータは、データ記憶部12bに記憶された計測温度データファイル(図4参照)から取得される。ここで取得される計測温度のデータは、図1に示す並進移動方向Cにおいて、プローブ7の軸心が各温度計測ポイントCH1〜CH6と同じ位置に位置するときに各温度計測ポイントCH1〜CH6で計測された温度のデータである。
ステップS1において、各種参考データは、データ記憶部12bに記憶された参考データファイル(図4参照)から取得される。ここで取得される参考データは、Norton-hoff則の関係式(数式2,3)に含まれる5つの定数(K、β、m、m、m)について定数初期値を設定するために用いられる各種情報のデータである。
具体的には、例えば、定数K以外の4つの定数(β、m、m、m)の値となり得る各範囲に関して、経験的に知られている対象材料又はこれに類似する材料の温度依存性及び速度依存性の変動幅から定められる範囲の上限値及び下限値のデータと、後述のように定数Kの定数初期値の設定に用いられるJIS Z 2241の引張試験(室温、低速)の結果(応力とひずみ速度の関係)のデータとが、上記の参考データとして用いられる。
ただし、参考データの構成はこれに限定されるものでなく、例えば、既に同定が完了している種々の材料の定数のデータが、上記の参考データとして用いられてもよい。
続くステップS2では、ステップS1で取得された参考データに基づいて、Norton-hoff則の関係式(数式2,3)に含まれる5つの定数(K、β、m、m、m)についての定数初期値が設定される。
例えば、4つの定数(β、m、m、m)の各定数初期値は、ステップS1で取得された上限値と下限値との平均値に設定される。このようにしてK以外の定数の値が仮に設定されたNorton-hoff則の関係式(数式2,3)に従えば、例えば図7における領域Pで示される応力とひずみ速度の関係が得られる。
そして、このようにK以外の定数の値が仮に設定されたNorton-hoff則の関係式(数式2,3)に、ステップS1で取得された引張試験の結果における応力とひずみ速度の値(図7における点Q)を代入することで、残りの定数Kの定数初期値が算出される。このようにして5つの定数(K、β、m、m、m)の値の全てが仮に設定されたNorton-hoff則の関係式(数式2,3)に従えば、例えば図7における曲線Rで示される応力とひずみ速度の関係が得られる。
ただし、ステップS2において、定数初期値の設定方法は特に上記の方法に限定されるものでなく、例えば、対象材料に類似する材料に関して、既に定数(K、β、m、m、m)の同定が完了している材料が複数存在する場合は、これらの材料の定数の値に基づく計算によって得られた値(例えば、平均値又は中央値)を、対象材料についての定数初期値として設定してもよい。
ステップS2で設定された定数初期値は、データ記憶部12bにおける定数仮定値データファイル(図4参照)に記憶される。
次のステップS3では、プログラム記憶部12aに記憶された摩擦攪拌接合解析プログラム(図4参照)によって、有限要素解析が行われる。ステップS3の有限要素解析は、ステップS2で設定された定数初期値を含むNorton-hoff則の関係式(数式2,3)を用いて、上述の摩擦攪拌接合試験に条件を整合させて行われる。
ステップS3の有限要素解析では、例えば、図8(a)に示される平面視でのコンター図、及び、図8(b)に示される仮想ツール106の並進移動方向から見たコンター図のように、並進移動中の仮想ツール106の周辺における仮想対象材料101の温度が部位毎に算出される。これによって得られる図8(a)及び図8(b)に示すような温度分布のデータは、データ記憶部12bにおける算出温度データファイル(図4参照)に記憶される。
続くステップS4では、ステップS1で取得された摩擦攪拌接合試験における計測温度のデータと、ステップS3の有限要素解析による算出温度のデータとが対比され、両者の一致度が評価される。
具体的には、例えば図9に示すように、上述した摩擦攪拌接合試験における試験片1,2の第1〜第6ポイントCH1〜CH6(図1,2参照)での計測温度Taと、ステップS3の有限要素解析で得られた温度分布(図8参照)における各ポイントCH1〜CH6に相当する箇所での算出温度Tbとが対比され、これらの各箇所での対比に基づいて、総合的な計測温度Taと算出温度Tbとの一致度が最小二乗近似等によって評価される。
続くステップS5では、定数同定プログラムで用いられる最適化手法における所定の探索完了条件が成立したか否かが判定される。具体的な探索完了条件は、例えば、後述するステップS6(定数仮定値の変更)の実行回数が、前記最適化手法で規定された所定回数に達することとされる。
ただし、具体的な探索完了条件は、定数同定プログラムで採用される最適化手法の種類に応じて異なるものであり、探索完了条件の別の例としては、例えば、直前のステップS4において、計測温度Taと算出温度Tbとの一致度が所定条件を満たすと評価されることなどが挙げられる。
ステップS5の判定の結果、探索完了条件が成立していない場合は、ステップS6において定数仮定値が変更された上で、ステップS3において有限要素解析がやり直されると共に、続くステップS4において、やり直された有限要素解析の結果について、摩擦攪拌接合試験の結果との一致度が再び評価される(ステップS4)。
このような定数仮定値の変更(ステップS6)、有限要素解析(ステップS3)、及び、計測温度Taと算出温度Tbとの一致度の評価(ステップS4)のサイクルは、ステップS5の判定において探索完了条件が成立するまで繰り返される。
このサイクルにおける各ステップS6では、これ以前に設定された定数仮定値とこれに対応するステップS4の評価とに基づいて、上記の最適化手法に従って決められた値が、新たな定数仮定値として設定される。
また、このサイクルにおける各ステップS3では、直前のステップS6で再設定された定数仮定値を含むNorton-hoff則の関係式(数式2,3)を用いて、摩擦攪拌接合試験と条件を整合させた有限要素解析が行われ、各ステップS4では、直前のステップS3の有限要素解析で得られた算出温度Tbが摩擦攪拌接合試験での計測温度Taと対比されて、両温度Ta,Tbの一致度が評価される。
ステップS5の判定の結果、上記の最適化手法における探索完了条件が成立すると、ステップS7において、Norton-hoff則の関係式(数式2,3)に含まれる5つの定数(K、β、m、m、m)の値の組合せが、例えば、上記のサイクル(ステップS6、ステップS3〜ステップS5)の繰り返しの中で最も高い一致度の評価(ステップS4)が得られたときの定数仮定値の組合せに同定されて、定数同定動作が終了する。
ただし、ステップS7における定数の同定の仕方は上記のものに限られるものでなく、定数同定プログラムで採用される最適化手法の種類に応じて異なる。ステップS7におけるその他の同定の仕方として、例えば、最後のステップS6で設定された最終の定数仮定値の組合せが定数の値として同定されてもよい。
ステップS7で同定された定数(K、β、m、m、m)の値は、プログラム記憶部12aに記憶された定数登録プログラム(図4参照)によって、データ記憶部12bに記憶された定数データベース(図4参照)に、対象材料の特性を示す材料構成則の定数として新たに登録されて、定数同定動作が終了する。
例えば図10に示すように、定数データベースには、Norton-hoff則の関係式(数式2,3)に含まれる5つの定数(K、β、m、m、m)について同定された値が材料毎に登録される。したがって、定数の同定を終えた材料については、定数データベースに登録された定数の値を用いることで、摩擦攪拌接合の有限要素解析を精度よく行うことができる。
以上で説明した実施例の方法によれば、材料試験の結果を利用する比較例の方法(図5参照)とは異なり、対象材料でなる試験片1,2(図1及び図2参照)を用いた摩擦攪拌接合試験が実際に行われると共に、5つの定数(K、β、m、m、m)に定数仮定値が与えられたNorton-hoff則の関係式(数式2,3)を用いて、摩擦攪拌接合試験と条件が整合された有限要素解析(図6のステップS3)が行われた上で、1つの条件下での摩擦攪拌接合試験で得られる計測温度Taと、同じく1つの条件下での有限要素解析で得られる算出温度Tbとの一致度の評価(図6のステップS4)に基づいて、対象材料の温度域及びひずみ速度域が広範に亘る摩擦攪拌接合に対応したNorton-hoff則の関係式(数式2,3)の定数(K、β、m、m、m)を同定することができる。
計測温度Taと算出温度Tbとの一致度の評価(図6のステップS4)においては、1回の試験結果と1回の解析結果とを対比させるだけで済むため、図6に示す定数同定動作の前に予め行われる試験の回数が1回のみで済むと共に、図6に示す定数同定動作において、仮に、定数の同定(図6のステップS7)に至るまでに定数仮定値の変更(図6のステップS6)、解析(図6のステップS3)及び評価(図6のステップS4)からなるサイクルが数百回繰り返されたとしても、最終的な解析の回数がそれを超えることがない。
しかも、上記のサイクルにおいて、1回の評価(図6のステップS4)に際しては、1パターンの試験結果と解析結果とを対比させるだけで済むため、数十パターンの試験結果と解析結果とを対比させる比較例に比べて、定数の同定(図6のステップS7)に至るまでに必要な上記サイクルの回数を低減しやすくなり、例えば百回程度のサイクルによって高精度の同定をなし得る。
よって、上述の比較例の方法では、数十パターンの材料試験を要すると共に、これに対応する数十パターンの解析(図5のステップS103)が上記のようなサイクル毎に行われることで最終的に一万回程度の解析が必要になるのに対して、実施例の方法によれば、上記のように試験及び解析の回数が少なくて済むため、時間とコストを効果的に短縮できる。
したがって、本実施例によれば、摩擦攪拌接合の有限要素解析に適切に用いられ得るNorton-hoff則の関係式(数式2,3)の定数(K、β、m、m、m)を簡易且つ効率的に同定できる。
また、比較例の方法に用いられる材料試験では、温度やひずみ速度、応力等の値を必ずしも精度よく得られないのに対して、実施例の方法によれば、摩擦攪拌接合が行われるときに対象材料に生じる摩擦熱や材料発熱に応じて上昇する温度を用いた評価(図6のステップS4)に基づいて、摩擦熱や材料発熱が生じる摩擦攪拌接合の解析に適したNorton-hoff則の関係式(数式2,3)の定数(K、β、m、m、m)の同定を高精度で行うことができる。
しかも、実施例では、図1及び図2に示す摩擦攪拌接合試験において、試験片1,2の表面側から見たときの突き合わせ部3からの距離L1,L2,L3,L4が異なる複数箇所CH1〜CH6、及び、試験片1,2の表面からの深さD1,D2が異なる複数箇所CH1〜CH6で計測された温度Taと、有限要素解析における対応箇所について算出された温度Tbとの一致度の評価に基づいて、対象材料における被接合部からの距離や表面からの深さの違いによる温度差が生じる摩擦攪拌接合の解析に適したNorton-hoff則の関係式(数式2,3)の定数(K、β、m、m、m)を精度よく同定できる。
したがって、本実施形態によれば、以上のように高精度に同定された定数(K、β、m、m、m)を有するNorton-hoff則の関係式(数式2,3)を用いて、摩擦攪拌接合の有限要素解析を精度よく行うことができる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、Norton-hoff則の関係式(数式2,3)の定数(K、β、m、m、m)を同定する例を説明したが、本発明が適用される具体的な材料構成則はこれに限定されるものでなく、例えば、Johnson-cook則の関係式(数式1)の定数(A,B,n,C,m)を同定する場合にも本発明を好適に適用可能である。
また、上述の実施形態では、図6に示す定数同定動作において、遺伝的アルゴリズムをベースにした最適化手法が用いられる例を説明したが、本発明において、定数同定動作に用いられる最適化手法はこれに限られず、その他の種々の最適化手法を用いることができる。
さらに、上述の実施形態では、摩擦攪拌接合試験での計測結果と、有限要素解析での算出結果との対比において、温度の一致度を評価する例(図6のステップS4)を説明したが、本発明において、一致度の評価がなされる物理量は「温度」に限られるものでなく、例えば、ツール6(図1及び図2参照)に作用する回転トルク、軸方向Bにおいてツール6に作用する軸力、又は、並進移動方向Cにおいてツール6に作用する抵抗などであってもよい。
これら3つの変形例のうち、ツール6に作用する回転トルクの一致度が評価される第1の例では、ツール6の回転速度が一定に維持されながら摩擦攪拌接合が行われるときにツール6に作用する回転トルクについて、摩擦攪拌接合試験での計測値と、これと条件を整合させた有限要素解析での算出値との一致度が評価されるようにすればよい。この場合、摩擦攪拌接合試験における回転トルクの計測及び有限要素解析における回転トルクの算出は、例えば、材料に対するツール6の押し込み深さが異なる複数のタイミング、及び、並進移動方向Cにおけるツール6の位置が異なる複数のタイミングで行われることが好ましく、これによって得られる複数の計測値と複数の算出値との対比に基づいて一致度が評価されることで、定数の同定を精度よく行うことができる。
ツール6に作用する軸力の一致度が評価される第2の例では、材料に対してツール6が所定深さまで押し込まれているときにツール6に軸方向Bに作用する軸力について、摩擦攪拌接合試験での計測値と、これと条件を整合させた有限要素解析での算出値との一致度が評価されるようにすればよい。この場合、摩擦攪拌接合試験における軸力の計測及び有限要素解析における軸力の算出は、例えば、材料に対するツール6の押し込み深さが一定に維持された状態において、並進移動方向Cにおけるツール6の位置が異なる複数のタイミングで行われることが好ましく、これによって得られる複数の計測値と複数の算出値との対比に基づいて一致度が評価されることで、定数の同定を精度よく行うことができる。
並進移動方向Cにおいてツール6に作用する抵抗の一致度が評価される第3の例では、材料に対するツール6の押し込み深さが一定に維持されると共に、ツール6の回転速度が一定に維持されながら、並進移動方向Cにおけるツール6の並進移動が行われているときに、並進移動方向Cにおいてツール6に作用する抵抗について、摩擦攪拌接合試験での計測値と、これと条件を整合させた有限要素解析での算出値との一致度が評価されるようにすればよい。この場合、摩擦攪拌接合試験における抵抗の計測及び有限要素解析における抵抗の算出は、例えば、並進移動方向Cにおけるツール6の位置が異なる複数のタイミングで行われることが好ましく、これによって得られる複数の計測値と複数の算出値との対比に基づいて一致度が評価されることで、定数の同定を精度よく行うことができる。
以上のように、本発明によれば、摩擦攪拌接合のシミュレーション解析に必要な広域の温度条件と広域のひずみ速度条件に適用可能な材料構成則において、複数の定数を精度よく且つ簡易に同定できるようにすることが可能となるから、摩擦攪拌接合のシミュレーション解析分野において好適に利用される可能性がある。
1,2 試験片
3 突き合わせ部
6 ツール
7 プローブ
8 ショルダ
10 コンピュータ
11 中央演算装置
12 記憶装置
12a プログラム記憶部
12b データ記憶部
13 入力装置
14 出力装置
18 温度センサ
101 仮想対象材料
106 仮想ツール
CH1 第1ポイント
CH2 第2ポイント
CH3 第3ポイント
CH4 第4ポイント
CH5 第5ポイント
CH6 第6ポイント
Ta 計測温度
Tb 算出温度

Claims (5)

  1. 所定の対象材料の特性を示す材料構成則の関係式に含まれる複数の定数を同定する摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法であって、
    前記対象材料でなる試験片を用いて所定の条件下で摩擦攪拌接合試験を行い、所定の物理量を計測する物理量計測工程と、
    前記複数の定数に仮定の値が与えられた前記関係式を用いて、条件を前記摩擦攪拌接合試験と整合させて有限要素解析を行い、前記物理量を算出する物理量算出工程と、
    前記物理量計測工程で計測された物理量と、前記物理量算出工程で算出された物理量との一致度を評価する評価工程と、を有し、
    所定の同定完了条件が成立するまで、前記評価工程の評価に基づいて、前記仮定の値を変更して前記物理量算出工程と前記評価工程を繰り返し行うことを特徴とする摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法。
  2. 前記物理量は、摩擦攪拌接合が行われているときの前記対象材料の温度であることを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法。
  3. 前記摩擦攪拌接合試験は、前記試験片の被接合部に、高速で回転するツールの一端側を前記試験片の表面側から押し込むことで行われるものであり、
    前記物理量計測工程では、前記表面側から見たときの前記被接合部からの距離が異なる複数箇所、及び、前記表面からの深さが異なる複数箇所で前記試験片の温度を計測することを特徴とする請求項2に記載の摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定方法。
  4. 所定の対象材料の特性を示す材料構成則の関係式に含まれる複数の定数を同定する摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定システムであって、
    前記対象材料でなる試験片を用いて所定の条件下で行われた摩擦攪拌接合試験で計測された前記試験片の所定の物理量の情報を取得する情報取得手段と、
    前記複数の定数に仮定の値が与えられた前記関係式を用いて、前記摩擦攪拌接合試験と条件を整合させた有限要素解析を行い、前記物理量を算出する物理量算出手段と、
    前記情報取得手段によって取得された物理量と、前記物理量算出手段によって算出された物理量との一致度を評価する評価手段と、
    所定の同定完了条件が成立するまで、前記評価手段による評価に基づいて、前記仮定の値を変更して、前記物理量算出手段による前記物理量の算出と、前記評価手段による評価とを繰り返し行う定数同定手段と、を備えたことを特徴とする摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定システム。
  5. 前記物理量は、摩擦攪拌接合が行われているときの前記対象材料の温度であることを特徴とする請求項4に記載の摩擦攪拌接合解析における材料構成則の定数同定システム。
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