(第1の実施形態)
第1の実施形態の空気調和機は、セパレート型であり、室内機と室外機とから構成される。室内機には、室内熱交換器および送風用のファンが内装され、室外機には、圧縮機、
四方弁、室外熱交換器、絞り装置、室外ファンが内装される。室内機と室外機とが冷媒配管によって接続されて冷凍サイクルが形成され、冷房、暖房、除湿などの空調運転が行われる。
室内機は、図1、2に示すように、キャビネット1の天面に室内空気を吸込む吸込口2が形成され、キャビネット1の前面下部に吹出口3が形成されている。キャビネット1の内部には、吸込口2から吹出口3に至る空気通路が形成され、この空気通路に室内熱交換器とファンとが配置されている。
キャビネット1は、背面板と前面パネル4とから構成され、背面板に前面パネル4が着脱可能に取り付けられる。背面板は、前面開放の箱型に形成され、室内の壁面に取り付けられる。背面板に、室内熱交換器および送風用のファンが取り付けられる。
前面パネル4は、背面側が開放した箱型形状に形成され、その前面の下部に吹出口3が形成されている。吹出口3に、ルーバ5が設けられ、ルーバ5は、前面パネル4に回動可能に取り付けられている。前面パネル4の前方に、オープンパネル6が設けられる。オープンパネル6は、前面パネル4に開閉可能かつ着脱可能に取り付けられる。オープンパネル6は、前面パネル4の吹出口3よりも上側を覆う。オープンパネル6が閉じているとき、吹出口3を除いて前面パネル4が隠れる。オープンパネル6が開いたとき、前面パネル4が現れ、フィルタなどを着脱することができる。
図3に示すように、空気調和機は、冷凍サイクルを制御して、冷房、暖房、除湿などの空調運転を行う制御部10を備えている。そして、空気調和機は、室温検出器11、外気温検出器12、室内の湿度を検出する湿度検出器13、室内の人の有無を検出する人体検出器14を備えている。室内機に、室温検出器11、湿度検出器13および人体検出器14が設けられる。人体検出器14は、赤外線センサを用いたものである。なお、人体検出器14として、CCDやCMOSなどのカメラ方式のセンサを用いてもよい。また、赤外線センサとカメラを組み合わせたものにしてもよい。
空気調和機は、制御部10と通信可能な操作端末を有する。操作端末として、室内において通信可能なリモコン20と、室外および室内において通信可能な外部操作端末21とがある。リモコン20は、室内操作端末の1つである。外部操作端末21は、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、ノートPCなどの通信機能を有する携帯可能な情報端末とされる。
空気調和機の室内機に、リモコン20と通信を行う通信部22とネットワークを通じて通信を行うためのネットワーク通信部23とが設けられる。通信部22は、赤外線などによる無線通信を双方向に行う。これにより、制御部10は、通信部22を通じてリモコン20と通信を行える。
ネットワーク通信部23は、ケーブルによりルータ24に通信可能に接続され、室内におけるLANに接続される。ルータ24はインターネット網などの外部のネットワーク(WAN)に接続される。外部操作端末21は、室外および室内においてネットワークにアクセス可能とされる。外部操作端末21は、TCP/IPなどの所定の通信プロトコルによりネットワークを通じて制御部10と双方向に通信を行う。
また、ルータ24は、無線LAN機能を有している。そのため、外部操作端末21は、直接ルータ24と無線通信を行うことができ、さらにLANを介して制御部10と通信を行える。したがって、室内において、外部操作端末21は、ルータ24を介して制御部10と通信を行い、室外において、外部操作端末21は、ネットワークを利用して、ルータ
24を通じて制御部10と通信を行う。なお、ルータ24とネットワーク通信部23とが無線通信を行ってもよい。
ユーザは、リモコン20あるいは外部操作端末21を操作して、空気調和機に指示を行う。制御部10は、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリを有し、リモコン20などの操作端末からの指示にしたがって、設定された空調運転を実行するように冷凍サイクルを制御する。すなわち、ユーザは、操作端末を操作して、設定温度および暖房運転、冷房運転、除湿運転、自動運転などのいずれかの運転を選択する。操作端末は、ユーザの操作に基づく制御信号を室内機に送信する。制御部10は、通信部22あるいはネットワーク通信部23から制御信号を受け取ると、指示された空調運転における設定温度と検出された室温、外気温とに基づいて圧縮機、絞り装置、送風用のファン25を制御する。また、ユーザは、操作端末を操作して、空調運転の停止を指示したり、タイマ予約を設定することもできる。
さらに、室内機に、各種の情報を報知するための表示部26と、音声を発する発話部30とが設けられる。表示部26は、LEDなどのランプ、ディスプレイを有する。表示部26のランプやディスプレイは、前面パネル4に設けられ、オープンパネル7の下部に表示窓27が形成される。制御部10が表示部26を制御すると、ランプが点灯あるいは点滅し、ディスプレイに文字などが表示される。オープンパネル7が閉じていても、表示窓27を通じて表示部26の表示を確認することができる。ユーザは、LEDの点灯状況などを見て、運転状況などの情報を得ることができる。
発話部30は、音を発するスピーカ31と、制御部10の指令に基づいて音声信号を生成して、音声信号をスピーカ31に出力する音声生成部32とからなる。スピーカ31は、前面パネル4の吹出口3の近くに取り付けられる。詳しくは、スピーカ31は、吹出口3の上部付近に取り付けられる。スピーカ31の前面が前面パネル4の前面に露出している。オープンパネル6が閉じているとき、スピーカ31は外から見えないが、スピーカ31の音は、前面パネル4とオープンパネル6との隙間から出るので、ユーザはスピーカ31の音を聞き取ることができる。
操作端末が操作されると、操作信号が送信される。制御部10は、操作信号を受け取ると、操作信号から指示の内容を識別し、操作端末の操作に応じた音声が発せられるように発話部30を制御する。すなわち、制御部10は、指示の内容と操作された操作端末および操作された場所とに応じた音声生成信号を音声生成部32に出力する。発話部30は、音声生成信号に基づいて生成された、どこから操作されたのかが理解できる音声を発する。
リモコン20と外部操作端末21とがそれぞれ同じ指示をしたとき、リモコン20が室内で操作されたときの音声と外部操作端末21が室外で操作されたときの音声とが異なる。また、外部操作端末21が室内で操作されたときの音声と室外で操作されたときの音声とは異なる。ただし、リモコン20が室内で操作されたときの音声と外部操作端末21が同じ室内で操作されたときの音声とは同じである。
制御部10は、操作端末からの操作信号を受け取ったとき、発信した操作端末および発信した場所を判断する。例えば、設定温度28℃で冷房運転を開始する指示がされた場合、図4に示すように、まず制御部10は、操作信号が通信部22から入力されたか、ネットワーク通信部23から入力されたかをチェックして、リモコン20か外部操作端末21かを判断する(S1)。通信部22からの入力の場合、操作された操作端末はリモコン20となる。制御部10は、リモコン20からの指示であることを確認すると、リモコン20からの指示用に決められた音声を発するように発話部30を動作させる。スピーカ31
から「冷房28℃で運転を開始します」といったメッセージが発せられる(S2)。
ネットワーク通信部23からの入力の場合、操作された操作端末は外部操作端末21となる。次に、制御部10は、受け取った操作信号に基づいて、室内で操作されたか、室外で操作されたかを判断する(S3)。ネットワークを介して通信するとき、操作信号を含むパケットには、外部操作端末21のIPアドレスが付加される。このIPアドレスのネットワーク番号により、外部操作端末21が属するネットワークを識別できる。LANのときのネットワーク番号と外部のネットワーク(WAN)のときのネットワーク番号とは異なる。そこで、制御部10は、IPアドレスに基づいてLAN内での通信か、インターネットを通じての通信かチェックして、室内からの通信か室外からの通信かを判断する。
制御部10は、室外からの通信であることを確認すると、外部操作端末21が室外で操作されたと判断して、室外からの指示用に決められた音声を発するように発話部30を動作させる。スピーカ31から「外部通信により冷房28℃で運転を開始します」といったメッセージが発せられる(S4)。一方、外部操作端末21が室内で操作された場合、ユーザが、リモコン20がある室内で外部操作端末21を操作した場合、制御部10は、室内からの通信であることを確認して、外部操作端末21が室内で操作されたと判断する。スピーカ31から「冷房28℃で運転を開始します」といったメッセージが発せられる(S5)。このメッセージは、リモコン20が操作された場合のメッセージと同じである。
上記のように、室外において外部操作端末21が操作されて、指示が行われたとき、室外からの操作であることがわかるようなメッセージが発せられる。空気調和機がいきなり作動しても、室内にいるユーザは、外部からの指示により作動したことを認識できる。また、室内において、同じ指示が異なる操作端末を用いて行われたとき、同じメッセージが発せられるので、違和感がない。したがって、室内外での操作に応じてメッセージを変えることにより、ユーザを煩わすことのない、明確な情報を伝えることができる。
なお、ここで言う室内とは、リモコン20で空気調和機を操作できる範囲だけでなく、外部操作端末21がルータ24と通信して、空気調和機を操作できる範囲も含む。例えば、他の部屋などの屋内、さらに庭やバルコニー、ベランダなどの屋外から操作できる場所も室内の範囲に含まれる。
(第2の実施形態)
ところで、空気調和機を使用するには、取付作業が必要である。セパレート型の空気調和機では、空気調和機の室内機が壁に取り付けられ、室外機が屋外に据え付けられ、両機の間で配管、配線されると、設置作業が終了する。この後、複数のチェック項目に対して、チェックが行われると、空気調和機に対する全ての作業が完了する。作業者は、チェック項目をチェックするとき、工事説明書を見ながらチェックを行っている。そのため、作業者がチェック項目を見落としたり、チェック項目を読み間違ったりすると、確実なチェックがなされないおそれがある。そこで、第2の実施形態の空気調和機は、発話機能を利用して、チェック項目を音声で発する。その他の構成は、第1の実施形態と同じである。
室内機に、発話スイッチが設けられ、発話スイッチがオンされると、制御部10は、複数のチェック項目を音声で発するように発話部30を制御する。工事説明書に記載されているものと同じ複数のチェック項目のリストがメモリに予め記憶されており、制御部10は、発話スイッチのオンにより、メモリからチェック項目を読み出して、音声生成信号を作成し、発話部30に出力する。発話部30は、チェック項目を順に発声する。
図5に示すように、空気調和機に対する作業が終了すると、作業者は発話スイッチをオンする(S11)。制御部10は、発話部30を動作させ、発話部30のスピーカ31は
、チェック項目の1つを音声で発する(S12)。工事説明書に記載された1番目のチェック項目が読み上げられ、作業者は、チェック項目の1つを目で読むだけでなく、耳にも入ってくるので、より間違いなくチェックすることができる。
作業者は、最初のチェック項目を確認すると、発話スイッチをオンする。次のチェック項目が発声される。制御部10は、1つのチェック項目を発声させた後、全てのチェック項目が発声されたかを確認する(S13)。全てのチェック項目の発声が終了していないとき、発話スイッチがオンされる(S11)と、制御部10は、次のチェック項目を発話部30に発声させる。全てのチェック項目の発声が終了したとき、制御部10は、発話スイッチがオンされても、発話部30を動作させない。このとき、制御部10は、チェック作業が終了した旨のメッセージを発するように発話部30を動作させる。作業者は、チェック作業が終了したことを認識できる。したがって、複数のチェック項目に対するチェック漏れをなくすことができる。
発話スイッチは操作端末に設けられてもよい。リモコン20あるいは外部操作端末21に発話スイッチが設けられると、作業者は手元で操作でき、発話スイッチを操作するために室内機まで行かなくてよい。したがって、チェック作業を効率よく行うことができる。
空気調和機の電源は、商用電源とされる。したがって、外部から電源が供給されているとき、発話部30から音声が発する。しかし、設置作業が終了したとき、まだ電源が供給されていない場合がある。そこで、商用電源とは別に、室内機に電池などの補助電源が内蔵される。
空気調和機に電源が供給されていなくても、補助電源により制御部10や発話部30に電源が供給される。発話スイッチがオンされると、発話部30はチェック項目に関する音声を発する。また、リモコン20などの操作端末に発話スイッチが設けられている場合でも、操作端末からの操作信号を受信できるので、チェック項目を発声させることができる。これにより、設置作業が終了していなくても、作業の途中で必要なチェックを行うことができ、ミスすることなく空気調和機を設置できる。
なお、本実施の形態では、チェック項目ごとに発話スイッチを押してチェックを行う方式をとっていたが、一度発話スイッチを押すと、所定時間ごとにチェック項目を読み上げる構成であってもよい。このようにすれば、作業者はチェック項目毎に発話スイッチを操作する必要がなくなり、操作の手間が省けて便利である。また、所定時間内にチェックが終わった場合に、発話スイッチを押すことにより、次のチェック項目に進める構成であってもよい。このようにすれば、チェック項目間の待機時間(前述の所定時間)の経過を待たずに次のチェックを行うことができるので、チェック時間を短縮することができる。
(第3の実施形態)
空気調和機は、人体検出器14を備えている。人体検出器14は、室内機の前面に配置され、室内の床を検出範囲とする。空調運転中、室内に人がいないことが検出されると、制御部10は、空調運転を停止させる。しかし、人体検出器14の検出範囲は、室内全体に及んでいない。すなわち、死角が存在する。そのため、検出範囲外に人がいる場合、人体検出器14は室内にいる人を検出することができない。したがって、人がいるにもかかわらず、空調運転が停止されることがある。
夏に冷房運転が行われているときに、冷房運転が停止されると、室温が上がり、暑さ指数の指標であるWBGT(湿球黒球温度)が高くなり、熱中症になる可能性が高くなる。特開2012−207867号公報に記載の空気調和機では、人がいると判断された室内において、熱中症が起こりやすい状態になったことが検出されると、スピーカから注意が
報知される。さらに、この状態が続いたとき、強制的に冷房運転が行われる。
しかし、上記の空気調和機では、室内に人がいないと判断されたとき、注意の報知もされず、冷房運転も行われない。室内にいる人を検出できなかった場合、熱中症になる可能性が高まる。そこで、第3の実施形態の空気調和機は、室内に人がいないことが検出され、空調運転が行われていないとき、室内に人がいるものとして空調運転を促すメッセージを発する運転モードを有する。本実施の形態ではこのモードに対応した空調運転を自動運転として説明する。その他の構成は、第1、第2の実施形態と同じである。
空気調和機に自動運転が設定されているとき、室温検出器11は室温を検出し、湿度検出器13は湿度を検出し、人体検出器14は、室内の人の有無を検出する。制御部10は、各検出器から取得した情報に基づいて、空調運転が必要ないと判断すると、空調運転を行わない。ここで、室温が上昇し、湿度も高まると、暑さ指数が高くなる。暑さ指数が安全領域から注意領域、そして危険領域へと上がっていく。
図6に示すように、空調運転が行われていないときに、制御部10は、暑さ指数を監視して、空調運転の実行の有無をチェックしている。室内に人がいるときに暑さ指数が危険領域になると、制御部10は、空調運転が必要であると判断し、冷房運転を自動的に開始する。このとき、制御部10は、発話部30を動作させて、運転開始のメッセージを発声させる。発話部30は、「お部屋が暑くなりました。運転を開始します。」といったメッセージを発する。冷房運転が行われることにより、室温および湿度が下がり、暑さ指数が低くなる。
人体検出器14により人がいないことが検出されると、制御部10は、冷房運転を停止させる。このとき、制御部10は、発話部30に運転停止の案内とともに運転を促すメッセージを発声させる。発話部30は、「人がいないと判断したので、運転を停止しました。必要な場合には運転してください。」といったメッセージを発する。
空調運転が停止することにより、室内環境が悪くなり、暑さ指数が高くなり、危険領域になる。しかし、制御部10は、空調運転が必要であると判断するが、室内に人がいないと判断しているので、冷房運転を行わない。運転が停止してから一定時間、例えば30分経過したとき、制御部10は、発話部30に運転を促すメッセージを発声させる。発話部30は、「人がいないと判断したので、運転を停止しています。お部屋は暑い状態です。必要な場合には運転してください。」といったメッセージを発する。空調運転が行われないとき、一定時間毎に、同じメッセージが発声される。なお、空調運転の停止中、人が検出されたとき、制御部10は、自動的に空調運転を開始させ、発話部30に運転開始のメッセージを発声させる。なお、危険領域内での暑さ指数が高いほど、一定時間の間隔を短くするような構成であってもよい。これにより、ユーザに注意を促す機会を増やすことができる。
室内でメッセージを聞いた人は、リモコン20などの操作端末を操作して、冷房運転を開始させる。あるいは、人が人体検出器14に検知される場所に移動すると、冷房運転が開始される。人体検出器14により検出されなくても、室内に人がいる場合がある。例えば、人が室内の隅にいるとき、人体検出器14の検出範囲外(死角)にいることになる。このような場合、運転を促すメッセージが発せられることにより、操作端末を操作する、あるいは人体検出器14の検出範囲内に移動するといった行動を室内にいる人に取らせることができ、半強制的に空調運転を開始させることができ、室内環境を良好にすることができる。
室内に人がいない場合、何も操作されないので、空調運転は行われない。暑さ指数が高
くなったときに強制的に空調運転が行われる設定であれば、無人の状態で空調運転が行われる。これは、不要な運転であり、電力を無駄に消費してしまう。しかし、自動的に空調運転を行わず、室内にいる人に空調運転を開始させる行動を取らすことにより、必要な場合だけ運転が行われ、無駄に電力が消費されることを防止できる。
(第4の実施形態)
第3の実施形態の空気調和機では、室内環境が悪化したとき、空調運転を促すメッセージが発せられる。空調運転を開始させたいユーザは、操作端末を操作する、あるいは、人体検出器14に検知される場所に移動することで空調運転を開始させる。しかしながら、ユーザが、操作端末を操作して空調運転を開始させようとしたとき、間違った操作がされると、室内環境を改善できないような空調運転が開始されるおそれがある。例えば、冷房運転を開始すべきところを暖房運転にしてしまうなどがある。そこで、第4の実施形態の空気調和機は、空調運転を開始させる入力指示のガイダンスを発声させるとともに、操作端末を間違いなく操作できるように、操作端末の操作をガイドする。その他の構成は、第1〜第3の実施形態と同じである。
図7、8に示すように、リモコン20は、表示部33、複数の操作部34、端末制御部35、通信部36を備えている。表示部33は、液晶ディスプレイとされ、リモコン20の端末制御部35により制御され、空調運転の状況を示す画面や設定画面が表示される。操作部34は、運転選択、温度、風量などの各種の操作ボタンとされる。操作部34が操作されると、端末制御部35は、操作された操作部34に応じた操作信号を通信部36に出力する。双方向通信可能なリモコン20の通信部36は、室内機に向けて操作信号を送信する。また、通信部36は、室内機の通信部22から送信された信号を受信する。
そして、操作部34は、その形態を変化可能となっている。すなわち、操作部34は、バックライトを有しており、バックライトが発光したり、点滅することにより、操作部34の形態が変化する。このように、操作部の形態が変化することにより、操作部を目立たせることができる。なお、表示部33がタッチパネルであるとき、画面に操作部34が表示される。そして、操作部34の形状、色などが変わることにより、操作部34の形態が変化する。
空気調和機は、室内環境が悪くなったとき、強制的に空調運転の開始を促す機能を有している。図9に示すように、空調運転を促すために、空気調和機の制御部10は、運転の入力指示のための音声ガイダンスを発するように発話部30を動作させるとともに、入力指示のガイド信号を出力する。通信部22は、リモコン20にガイド信号を送信する(S21)。音声ガイダンスは、空調運転を行うために操作する必要がある操作部34を操作するように促すものである。ガイド信号は、操作が有効とされる操作部34の情報を含んでいる。
リモコン20は、ガイド信号を受け取ると、端末制御部35は、入力指示に応じた操作が有効とされる操作部34の形態を変化させる(S22)。操作が有効とされる操作部34としては、空調運転を行うために必要な操作ボタンであって、例えば運転/停止ボタン、運転選択ボタン、温度設定ボタンなどである。端末制御部35は、ガイド信号に基づいて操作が有効とされる操作部34と操作が無効とされる操作部34とを判別する。
そして、端末制御部35は、操作が有効とされる操作部34の形態を変化させる。有効な操作部34のバックライトが発光あるいは点滅する。操作が無効とされる操作部34の形態は変化しない。このように、操作部34の形態が変化すると、複数の操作部34のうち、操作可能な操作部34を明示することができ、ユーザは操作すべき操作部34を間違いなく認識できる。例えば、操作すべきボタンである運転/停止ボタンは発光または点滅
され、操作が無効とされる運転選択ボタン、温度設定ボタンの発光や点滅は行われない。
室内機は、音声ガイダンスを発した後、入力待ちの状態となる。このとき、制御部10は、表示部26を動作させ、入力待ちであることを報知する。表示部26のランプが点灯あるいは点滅し、ディスプレイに入力待ちのメッセージが表示される。
音声ガイダンスを聞いたユーザはリモコン20を用いて入力指示を行う。操作部34が操作される(S23)と、リモコン20は、操作信号を室内機に送信する。室内機の制御部10は、操作信号を受け取ると、操作信号に基づいて有効な操作か無効な操作かを判断する(S24)。
ユーザが運転/停止ボタンなどの有効な操作部34を操作したとき、制御部10は、受け取った操作信号により有効な操作であると判断する。制御部10は、リモコン20からの入力操作を受け付け(S25)、リモコン20からの指示に応じて空調運転を制御する。例えば、冷房運転が開始される。制御部10は、次のユーザの入力指示があるか確認する(S26)。
ユーザが続いてリモコン20を操作すると、リモコン20から操作信号が送信される。制御部10は、リモコン20から操作信号を受け取り、次の入力指示があることを確認する。制御部10は、発話部30に次の入力指示のための音声ガイダンスを発声させるとともに、リモコン20にガイド信号を送信する(S21)。リモコン20は、入力指示に応じた操作が有効とされる操作部34の形態を変化させる(S22)。ユーザの操作が終わるまで、空調運転を行うためのリモコン20の操作のガイドが続けられる。
ユーザがリモコン20を操作しないと、リモコン20から操作信号が送信されない。制御部10は、所定時間、リモコン20からの操作信号がないことを確認すると、ユーザの入力指示がないと判断して、実行中の空調運転を続行する。
ユーザが運転選択ボタン、温度設定ボタンなどの間違った操作部34を操作したとき、すなわち無効な操作部34を操作したとき、制御部10は、受け取った操作信号より無効な操作であると判断する。このとき、制御部10は、受け取った操作信号の入力を無効とする(S27)。そして、制御部10は、ユーザに入力ミスを報知する(S28)。すなわち、制御部10は、通信部22に操作が無効であることを示す警告信号を送信させる。リモコン20が警告信号を受信すると、端末制御部35は、入力ミスがあったことを表す警告を表示させる。また、制御部10は、発話部30に入力ミスの警告を発声させる。この後、制御部10は、再度、通信部22を通じて入力指示のガイド信号を送信し、音声ガイダンスを発するように発話部30に指令する(S21)。このようにして、ユーザが正しく操作できるように、聴覚と視覚を通じてユーザをガイドすることができる。
上記では、空気調和機の室内機が、ユーザの操作が有効か無効かを判断しているが、リモコン20が、有効、無効の判断を行ってもよい。ユーザが音声ガイダンスを聞いた後、リモコン20の操作部34を操作すると、端末制御部35は、操作された操作部34が有効な操作部34か無効な操作部34かをチェックする。
ユーザが入力指示に対応した操作部34を操作したとき、端末制御部35は、有効な操作であると判断して、この操作に応じた操作信号を室内機に送信する。室内機の制御部10は、操作信号を受け取ると、リモコン20からの入力を受け付けて、空調運転を制御する。
ユーザが入力指示に対応していない操作部34を操作したとき、端末制御部35は、無
効な操作であると判断して、表示部33に入力ミスであることを報知させる。表示部33は、入力ミスのメッセージが表示する。端末制御部35は、有効な操作部34の形態を変化させ、ユーザに再入力を促す。この間、リモコン20は、室内機に操作信号を送信しない。室内機の制御部10は、所定時間、操作信号を受け取っていないとき、再度音声ガイダンスを発声させる。室内機からも、入力指示に対する操作を行うように催促がされる。なお、リモコン20が無効な操作がされたことを表す操作信号を室内機に送信してもよい。制御部10は、この操作信号を受け取ると、リモコン20において無効な操作がされたことを認識する。
また、制御部10は無効な操作がされたことを認識すると、発話部30に入力ミスの警告を発声させる。この後、制御部10は、再度、通信部22を通じて入力指示のガイド信号を送信し、音声ガイダンスを発するように発話部30に指令するようにしてもよい。
(第5の実施形態)
音声の発話機能を有する空気調和機において、特許文献1(特開2007−278600号公報)に記載されているように、状況に応じて音声出力レベルを変更することができる。ところで、空調運転が行われると、室内機の送風用のファンが駆動され、送風音が発生する。空調運転中に音声が発せられと、音声が送風音にかき消され、ユーザは音声を聞き取りにくくなる。そこで、第5の実施形態の空気調和機は、空調運転中に発せられた音声を聞き取りやすくするために、発話部30から発する音声の音量と送風音とを相対的に変化させる。その他の構成は、第1〜第4の実施形態と同じである。
図10に示すように、空気調和機の制御部10は、空調運転中、発話部30が音声を発するとき、送風量を低下させる。発話部30が発する音声の音量は予め設定される。制御部10は、設定された音量に基づいて、ファン25の回転数の低下量を決める。これにより、発声の音量に対して、送風音が低下する。なお、ファン25の回転数が低いとき、設定された音量に対して送風音が高くない状態になる場合がある。この場合、制御部10は、ファン25の回転数を変えない。
図11に示すように、音声が発せられるとき、制御部10は、駆動中のファン25の回転数(FRT)が許容回転数(BFRT)以下かをチェックする(S31)。許容回転数は、ファン25の回転数がこの回転数を上回っているとき、音声の音量に対して送風音が大きすぎる状態となるときの回転数とされる。そして、音声の音量に応じて許容回転数は決められ、音量が高いほど許容回転数は高くなる。
ファン25の回転数が許容回転数より大きいとき、制御部10は、ファン25の回転数を許容回転数とする(S32)。ファン25の回転数が下がるので、送風音が低くなる。音声が発せられる(S33)と、音声は送風音より高いので、ユーザは音声を聞き取ることができる。発話が終了すると、制御部10は、ファン25の回転数を元に戻す(S34)。
ファン25の回転数が許容回転数以下のとき、制御部10は、ファン25の回転数を変更しない。音声が発せられる(S35)と、音声の音量は送風音より高いので、ユーザは音声を聞き取ることができる。
上記のように、音声に対して送風音を下げる代わりに、図12に示すように、発話部30が発する音声の音量を可変として、送風音に対して音量を上げてもよい。制御部10は、音声を発するとき、音声の音量とファン25の回転数に基づいて音量を上げる。ファン25の回転数が高いほど発話部30の音量が大きくなる。
図13に示すように、音声が発せられるとき、制御部10は、発声時の音声の音量(VOL)が許容音量(BVOL)以上かをチェックする(S41)。許容音量は、発声時の音量が許容音量を下回っているとき、音声の音量に対して送風音が大きすぎる状態となるときの音量とされる。そして、発声時のファン25の回転数に応じて許容音量は決められ、ファン25の回転数が高いほど許容音量は高くなる。例えば、送風が弱のときの音量は小とされ、送風が強のときの音量は大とされる。
発声時の音量が許容音量より小さいとき、制御部10は、音声の音量を許容音量とする(S42)。送風音に対して、音量が上がる。音声が発せられる(S43)と、音声は送風音より高いので、ユーザは音声を聞き取ることができる。発話が終了すると、制御部10は、音量を元に戻す(S44)。
音声の音量が許容音量以上のとき、制御部10は、音量を変更しない。音声が発せられる(S45)と、音声は送風音より高いので、ユーザは音声を聞き取ることができる。なお、図10、図11の説明において、発話部30が発する音声の音量を可変とする構成であってもよい。
(第6の実施形態)
音声の発話機能を有する空気調和機では、スピーカが室内機に取り付けられる。例えば、特開2006−71165号公報に記載されている空気調和機では、スピーカがスピーカケースに取り付けられる。スピーカケースとして、表示ケースの一部分が用いられる。スピーカケースは、室内機のキャビネットに直接取り付けられていない。表示ケースの取付位置に応じてスピーカの位置が決まり、スピーカの位置が制約される。そのため、スピーカを前方に向けられないとき、スピーカから発せられる音声がユーザに届きにくくなる。空気調和機の機種ごとにスピーカの取付を考慮しなければならず、発話機能を様々な機種に展開するには汎用性に欠ける。また、発話機能をオプションで付加する場合にも、スピーカを取り付けるためにキャビネットの部材の変更をしなければならないおそれがある。
そこで、第6の実施形態の空気調和機では、スピーカケースを容易にキャビネットに取り付ける構造にして、汎用性の高いスピーカを実現する。その他の構成は、第1〜第5の実施形態と同じである。
図14〜16に示すように、スピーカ31は、スピーカケース40に収納される。スピーカケース40はキャビネット1の前面パネル4に固定される。スピーカケース40の一部が突出して、凸部41が形成される。前面パネル4に、円形の孔42が形成され、この孔42に凸部41が嵌め込まれる。スピーカケース40が前面パネル4の前面から露出する。
スピーカケース40は、凸部41が形成されたボトム43と、ボトム43に係合されるカバー44とから一体的に形成される。スピーカ31は、ボトム43とカバー44とに挟み込まれて固定される。
図17、18に示すように、ボトム43は、一側が開口した円筒状に形成される。凸部41はボトム43の前面に形成され、ボトム43の前壁の一部が前方に盛り上がることにより形成される。円形の凸部41は、ボトム43の前面の中心からずれて位置する。凸部41の前面に、スピーカ31の音を発する発音口45が形成される。発音口45は、複数の貫通孔46を有する。
ボトム43の内径は、スピーカ31の外径とほぼ同じとされ、スピーカ31がボトム4
3に嵌まり込む。ボトム43の内周面に、複数の支持リブ47が形成され、スピーカ31の側面を支える。支持リブ47の後側はテーパ状に形成され、スピーカ31を嵌め込むとき、スピーカ31が入りやすくなる。
図19、20に示すように、カバー44は、スピーカ31を押え込む保持部48と、前面パネル4に取り付けられる取付部49とから一体的に形成される。保持部48は、スピーカ31の後面の形状に合わせて凹凸に形成され、スピーカ31の後面に接触する。保持部48の下部に、ボトム43の位置決め用の側壁50が形成される。
取付部49は、保持部48の下側に位置し、保持部48から左右に張り出して形成される。取付部49に、ねじ用の孔51が形成され、前面パネル4に取付部49がねじ止めされる。
カバー44の保持部48の左右両側に、係合孔52を有する側板53が突設されている。ボトム43の左右両側に爪54が形成され、爪54が係合孔53に嵌まることにより、ボトム43がカバー44に係合される。側板53を撓ませることにより、爪54が係合孔53から外れ、ボトム43をカバー44から外すことができる。
スピーカ31がスピーカケース40に収納されているとき、スピーカ31の後面にカバー44が当接して、スピーカ31の前面の周縁がボトム43の前壁に形成された環状のリブ55に押し付けられる。このとき、スピーカ31とボトム43の前壁との間に隙間ができ、スピーカ31から発せられた音が凸部41によって形成された空間を通って発音口45から外部に抜ける。
前面パネル4の前面において、吹出口3の上側に、左右方向にわたって凹んだ段部56が形成され、この段部56に孔42が形成される。孔42の大きさは、凸部41の外径と同じである。スピーカケース40の凸部41が孔42に嵌め込まれ、取付部49が前面パネル4にねじにより取り付けられる。凸部41は孔42に密着するので、スピーカケース40の振動が抑えられる。なお、スピーカケース40の凸部41の位置をずらすことにより、前面パネル4の突起物や他の部材との干渉を避けることができる。これにより、スピーカケース40の取り付け位置の制約をある程度吸収することができる。
前面パネル4の孔42は、オープンパネル6の下部に対向する位置にあるので、オープンパネル6が閉じているとき、孔42は隠れる。しかし、段部56とオープンパネル6との間に隙間ができるので、前面パネル4から露出する凸部41は塞がれない。そして、隙間は室内に通じているので、スピーカ31から発せられた音はこもることなく、室内に直接出ていく。
上記のように、スピーカケース40の凸部41を前面パネル4の孔42に嵌め込むことにより、スピーカケース40をキャビネット1に簡単に固定することができる。しかも、スピーカケース40の発音口45が前面パネル4から露出するので、スピーカ31から発せられる音声を直接ユーザに聞かせることができる。また、スピーカケース40に合う孔42をキャビネット1に形成することにより、スピーカケース40を後付けすることが可能となり、空気調和機にオプションとして発話機能を容易に付加できる。
発音口45の形状として、凸部41の前面をネット状にしてもよい。あるいは、凸部41の前面の肉厚を薄くしてもよい。凸部41の前面が振動することにより、音声を外部に伝えることができる。また、凸部41は、円筒状だけでなく、角が丸められた角丸四角筒状や角丸三角筒状などの多角形筒状であってもよい。
以上の通り、本発明の空気調和機は、音声を発する発話部30と、操作端末からの指示に基づいて空調運転を制御し、操作端末の指示に応じた音声を発するように発話部30を制御する制御部10とを備えたものである。操作端末は、室内において通信可能なリモコン20などの室内操作端末と、室外および室内において通信可能な外部操作端末21とされ、発話部30は、操作された操作端末および操作された場所に応じて異なる音声を発する。
発話部から発せられた音声により、室外から外部操作端末21により操作された場合と室内で操作端末が操作された場合とを判別することができる。ユーザは、外部から操作されたことを認識でき、異常が発生したのではといったような誤解を防げる。
各操作端末から同じ指示がされたとき、室内操作端末が室内で操作されたときの音声と外部操作端末21が室外で操作されたときの音声とが異なる。
すなわち、制御部10は、操作端末からの操作信号を受け取ったとき、操作信号に基づいて、室内操作端末による操作か外部操作端末21による操作かを判断するとともに、室内での操作か室外での操作かを判断して、発する音声を決める。したがって、室外からの操作と室内からの操作とでは、発せられる音声が異なる。
室内操作端末が室内で操作されたときの音声と外部操作端末21が室内で操作されたときの音声とは同じである。
同じ室内で室内操作端末あるいは外部操作端末21が操作されたとき、室内にいるユーザはいずれかの操作端末が操作されたことをわかる。そこで、制御部10は、いずれかの操作端末が室内で操作されたことを確認すると、同じ音声を発するように発話部30を制御する。
室内操作端末が室内で操作されたときの音声と外部操作端末21が室内で操作されたときの音声とを異ならせてもよい。室内に、室内操作端末を持っているユーザと外部操作端末21を持っているユーザがいる場合、制御部10は、操作信号を受け取ったとき、室内で操作された操作端末を確認して、操作された操作端末に応じた音声を発するように発話部30を制御する。室内にいるユーザは、他のユーザが操作したことを認識できる。
室内操作端末は制御部10と通信を行い、外部操作端末21と制御部10とはルータ24を介して通信を行い、外部操作端末21は、室内ではルータ24と通信を行い、室外ではネットワークを介してルータ24と通信を行う。室内操作端末の通信と外部操作端末21の通信とは、通信方式が異なる。したがって、制御部10は、操作された操作端末と操作された場所とを判別することができる。
制御部10は、操作端末からの指示に基づいて音声生成信号を発話部30に出力し、発話部30は、音声生成信号に基づいて音声信号を生成して、音声を発する。これにより、操作された操作端末および操作された場所に応じた音声信号が生成されることにより、それぞれの操作に応じた音声が発せられる。
空気調和機に対する作業が終了したとき、発話部30は、作業終了後のチェック項目を音声で発する。チェック項目を耳で聞きながら作業を行うことができるので、効率よくチェックを行える。
外部から供給される電源とは別に、補助電源が内蔵され、空気調和機に電源が供給されていなくても、補助電源から供給される電源により、発話部30は音声を発する。
作業が終了したとき、まだ電源が供給されていないことがある。補助電源があれば、制御部10や発話部30を動作させることができる。
空気調和機に設けられた発話スイッチが操作されたとき、あるいは操作端末が操作されたときに、発話部30は、チェック項目を順に発していく。
作業が終了したときに、作業者が発話スイッチあるいは操作端末を操作すると、制御部10は、作業の終了を認識することができる。この操作に応じて、チェック項目を発声させることができる。また、1つのチェックが終わって、発話スイッチなどが操作されると、次のチェック項目が発声される。
室内の人の有無を検出する人体検出器14が設けられ、制御部10は、空調運転中、人がいないことを検知したとき、空調運転を停止し、発話部30は、空調運転が停止しているとき、空調運転を促すメッセージを発する。
室内に人がいないことが検出されても、人体検出器14の検出範囲外に人がいる可能性がある。そこで、制御部10は、人がいないことを検知したときに、空調運転を促すメッセージを発声させる。人がいる場合、メッセージを聞いたユーザは、空調運転のための操作を行い、空調運転が開始される。
制御部10は、空調運転が停止しているとき、室内環境が悪化して、空調運転が必要であると判断すると、メッセージを発するように発話部30を動作させる。
室内環境が悪化すると、熱中症になる可能性が高まる。そのため、人がいるときに空調運転を促すことにより、その可能性を減らせる。
制御部10は、強制的に空調運転を行わせるとき、操作端末に入力指示を送信するとともに、音声ガイダンスを発するように発話部30に指令する。制御部10が入力指示を行うことにより、操作端末は、操作部34の形態を変化させる。
空調運転が停止するとき、および空調運転が停止してから一定時間経過したとき、発話部は、メッセージを発する。
すなわち、制御部10は、決められたタイミングで発話部を動作させる。繰り返しメッセージが発せられることにより、室内にいるユーザに空調運転が必要なことを認識させることができる。
操作端末に、複数の操作部34が設けられ、操作部34を明示できるように各操作部34の形態が変化可能とされ、発話部30から入力指示のための音声ガイダンスが発せられたとき、操作端末は、入力指示に応じた操作が有効とされる操作部34の形態を変化させる。
操作端末は、制御部10からの指示により、操作部34の形態を変化させる。音声ガイダンスを聞いたユーザは、操作部34の形態が変化したことを見て、操作すべき操作部34を認識できる。これにより、ユーザは間違いなく入力を行える。
入力指示の音声ガイダンスが発せられたとき、操作が有効な操作部34以外の操作部34による操作が無効とされ、無効な操作部34が操作されたとき、発話部30は、警告を発する。
操作部34が操作されたとき、制御部10あるいは操作端末において、その操作が有効であるか無効であるかが判断される。操作が無効であることが確認されると、警告が発せられ、ユーザは、間違った操作をしたことに気づく。
入力指示に対して間違った操作がされたとき、発話部30は、再度、音声ガイダンスを発し、操作端末は、再度、操作が有効な操作部34の形態を変化させる。
無効な操作がされると、制御部10は、間違った操作がされたことを認識する。このとき、ユーザに正しい操作を行うようにガイドするために、制御部10は、再度音声ガイダンスを発声させるとともに操作部34の形態を変化させる。
すなわち、操作端末の操作部34が操作されたとき、操作端末は、制御部10に操作信号を送信し、制御部10は、操作信号により有効な操作か無効な操作かを判断し、有効な操作であるとき、制御部10は、操作端末からの指示に応じて空調運転を制御し、無効な操作であるとき、制御部10は、操作端末に再度の入力指示を送信して、再度、音声ガイダンスを発するように発話部に指令する。
制御部10は、発話部30からの音声が聞き取れるように、発話部30から発する音声の音量と送風用のファン25の回転数とを相対的に変化させる。
ファン25の回転による送風音に対して音声の音量が相対的に大きくなる。これにより、音声が送風音にかき消されることがなくなり、ユーザは音声を聞き取りやすくなる。
制御部10は、発話部30が音声を発するとき、ファン25の回転数を下げる、あるいはファン25の回転数が高いほど発話部の音量を大きくする。
ファン25の回転数が下がると、送風音が低くなり、音量を変えなくても、音声を聞きやすくなる。また、音声の音量は送風音よりも高ければよいので、ファン25の回転数が低く、送風音が低いときは、音量が小さくても差し支えない。ファン25の回転数が高く、送風音が高くなると、音量がより大きくされる。これにより、むやみに音声が大きくなることを防げる。
発話部30はスピーカ31を有し、スピーカ31はスピーカケース40に収納され、スピーカケース40の前面の一部が空気調和機のキャビネット1の前面に形成された孔42に嵌め込まれて、スピーカケース40がキャビネット1に固定される。
スピーカケース40の一部がキャビネット1の孔42に嵌め込まれることにより、スピーカ31を位置決めすることができる。また、スピーカケース40の一部がキャビネット1の前面に露出することになり、スピーカ31を室内に向けることができ、スピーカ31からの音をストレスなく室内に放出することができる。
スピーカケース40の前面に、前方に向かって突出した凸部41が形成され、凸部41がキャビネット1の孔42に嵌め込まれる。また、スピーカケース40の凸部41に、スピーカ31の音を発する発音口45が形成され、発音口45がキャビネット1の前方に向かってキャビネット1から露出される。
キャビネット1の孔42に凸部41が嵌め込まれると、スピーカケース40の位置決めと固定とが行われ、スピーカケース40の取付作業を容易に行うことができる。凸部41に合う孔42があれば、キャビネット1のどこでもスピーカケース40を取り付けること
が可能となる。また、発音口45から音が室内に直接放出されるので、明瞭な音声を発することができる。
スピーカケース40は、凸部41が形成されたボトム43と、ボトム43に係合されるカバー44とから形成され、スピーカ31は、ボトム43とカバー44とに挟み込まれて固定される。スピーカ31をユニット化でき、スピーカ31の取り付けが容易になる。
ボトム43内にスピーカ31が嵌め込まれ、ボトム43に係合されたカバー44がスピーカ31の後面に接触して、スピーカ31をボトム43に押し付ける。スピーカ31は2つの部材に挟み込まれて固定されるので、ねじなどの固定部材を不要でき、スピーカ31の固定作業が楽になる。
スピーカケース40の凸部41は、スピーカケース40の前面の中心からずれた位置に形成される。キャビネット1の突起物や他の部材に当たらないように、スピーカケース40をキャビネット1に取り付けることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正・変更を加えることができるのは勿論である。空気調和機は、セパレータ型に限らず、一体型の空気調和機であってもよい。室内操作端末は、リモコン20に限らず、室内機と無線通信を行える情報端末であってもよい。この場合、無線通信の方式は、赤外線通信に限らず、ブルートゥース(登録商標)、ZigBee(登録商標)などの近距離無線通信を用いる。また、室内操作端末が無線LANにより室内機と通信可能とされてもよい。この場合、室内操作端末のIDと外部操作端末のIDとを予め室内機の制御部に登録しておく。制御部は、操作信号に含まれるIDに基づいて室内操作端末と外部操作端末とを判別する。
第7の実施形態として、外部操作端末21が操作されて、指示が行われたときに発せられる音声として、外部操作端末21に紐付けられた名前、愛称、符丁などの人物を特定できる言葉を付加して発してもよい。これにより、運転の指示を行った者を特定することができる。
第8の実施形態として、音声ガイダンスに伴って、操作端末の操作部34の形態を変化させるとき、外部操作端末21の操作部の形態を変化させてもよい。外部操作端末21もリモコン20と同様に、表示部、複数の操作部、端末制御部、通信部を備えている。室内に外部操作端末21があるとき、音声ガイダンスに伴って操作部の形態が変化される。