JP6137933B2 - 位置判定装置及び位置判定方法 - Google Patents
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Description
そこで、携帯端末の測位機能を利用する場合の消費電力を抑える技術が提案されている。特許文献1に記載された携帯端末は、自機の現在位置を測位し、現在位置から目的地までの距離が定められた距離を超える場合には、自機の移動速度を算出し、目的地までの移動に要する移動時間を算出する。携帯端末は、当該移動時間が経過するまでの間は測位を行わず、当該移動時間が経過すると測位を行う。
そこで、本発明は、移動端末の位置判定の消費電力を抑制するとともに、精度の高い位置判定を行うことを目的とする。
(1−1)全体構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る通信システムの全体を示す図である。
移動通信網1は、移動端末10に移動体通信のサービスを提供する通信網である。移動通信網1は、基地局2、交換局3、サービス制御局4、サーバ5などの各ノードを備える。また、移動通信網1は、関門交換局6を介して通信網7と接続される。通信網7は、例えば、インターネット、固定電話網、移動通信網1と異なる通信事業者が管理する移動通信網などである。なお、移動通信網1が備える各ノード、関門交換局6、通信網7、移動端末10の数は、図示した数に限定されない。
また、交換局3は、パケット通信のルーティングの機能も備える。交換局3は、パケットを受信すると、当該パケットのヘッダに含まれる宛先の通信アドレスを読み取り、ルーティングテーブルに基づいて当該通信アドレスに応じた転送先を決定し、当該転送先に当該パケットを転送する。
図2は、サーバ5のハードウェア構成を示す図である。サーバ5は、制御部51、記憶部52、通信部53、操作部54及び表示部55を備える。制御部51は、CPU(Central Processing Unit)51aなどの演算装置とROM(Read Only Memory)51bやRAM(Random Access Memory)51cなどの記憶装置とを備える。記憶部52は、ハードディスクドライブなどの記憶装置を備える。通信部53は、通信インターフェースを備える。操作部54は、キーボードやマウスを備える。表示部55は、液晶や有機EL(Electro-Luminescence)素子などを用いた表示装置を備える。制御部51は、操作部54で受け付けられたユーザの操作に応じて通信部53を制御することにより、移動端末10や他のノードとの間で通信を行う。記憶部52には、OS(Operating System)やアプリケーションプログラムが記憶されており、制御部51がこれらのプログラムを実行することによってサーバ5の動作を制御する。
「基地局識別子」フィールドには、各基地局2に固有の基地局識別子が格納される。
「緯度」フィールドには、基地局2が配置されている位置の緯度を示す情報が格納される。
「経度」フィールドには、基地局2が配置されている位置の経度を示す情報が格納される。
例えば、図4の1行目のレコードでは、基地局識別子「3656933」に緯度「北緯a1度b1分c1秒」及び経度「東経d1度e1分f1秒」が対応付けられている。
図4は、移動端末10のハードウェア構成を示す図である。移動端末10は、例えば携帯電話機であり、制御部11、記憶部12、通信部13、操作部14、表示部15、音声入出力部16及び時計部17を備える。制御部11は、CPU11aなどの演算装置とROM11bやRAM11cなどの記憶装置とを備える。記憶部12は、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)やSRAM(Static Random Access Memory)などの記憶装置を備える。通信部13は、アンテナ及び通信インターフェースを備える。操作部14は、複数の操作子を備える。表示部15は、液晶や有機EL素子などを用いた表示装置を備える。表示部15は、操作部14の機能を兼ね備え、ユーザが表示部15の画面上で行った操作を検知する。音声入出力部16は、スピーカ、マイクロホン及び音声処理回路を備える。時計部17は、日時を表す時刻情報を出力する。制御部11は、操作部14で受け付けられたユーザの操作に応じて通信部13を制御することにより、移動通信網1経由で他の移動端末10や、通信網7に接続された端末やサーバなどとの間で通信を行う。記憶部12には、OSやアプリケーションプログラムが記憶されており、制御部11がこれらのプログラムを実行することによって移動端末10の動作を制御する。
目的地記憶手段102は、目的地の位置を表す目的地情報を記憶する。目的地情報は、目的地の緯度及び経度と、この位置を中心する円の半径とを含む。目的地設定手段101は、地図を表す地図情報を記憶しており、この地図情報に基づいて地図の画像を表示部15に表示させる。地図情報は、地図上の各地点の緯度と経度を表す位置情報を含む。
図7は、測位履歴テーブルTB3を示す図である。測位履歴テーブルTB3は、記憶部12に記憶される。測位履歴テーブルTB3は、「端末位置情報」フィールドと「推定速度」フィールドと「時刻情報」フィールドとを有する。測位履歴記憶手段104は、取得手段によって端末位置情報が取得された時刻を表す時刻情報を時計部17から取得し、端末位置情報と時刻情報とを対応付けて測位履歴テーブルTB3に書き込む。
図8は、想定速度テーブルTB4を示す図である。想定速度テーブルTB4は、予め作成されて記憶部12に記憶されている。想定速度テーブルTB4は、「位置」フィールドと「想定速度」フィールドとを有する。
「位置」フィールドには、移動端末10の位置が書き込まれる。移動端末10の位置は、例えば、或る地点を中心とする円形の領域として表され、中心の緯度、経度と半径が「位置」フィールドに書き込まれている。
「想定速度」フィールドには、「位置」フィールドに書き込まれた位置における移動端末10の移動速度として予め想定された想定速度が書き込まれている。例えば、移動端末10の位置が駅に該当するならば、ユーザが移動のために使用する交通手段として電車が想定されるので、電車の平均速度が「想定速度」フィールドに書き込まれている。同様に、移動端末の10位置がバス停留所、タクシー乗り場、空港に該当するならば、交通手段としてそれぞれバス、タクシー、飛行機が想定されるので、それぞれバス、タクシー、飛行機の平均速度が「想定速度」フィールドに書き込まれている。
図9は、位置判定装置100の動作を示す流れ図である。
ステップS101では、目的地記憶手段102が、ユーザが指定した目的地を記憶する。
ステップS102では、取得手段103が、端末位置情報を取得し、測位履歴記憶手段104が、端末位置情報と時刻情報とを対応付けて記憶する。
ステップS103では、距離算出手段105が、移動距離を算出する。
ステップS105では、推定速度算出手段106が、推定速度を算出する。図18の例では、点Aに対応する時刻情報と点Bに対応する時刻情報とから時間差が算出され、線分ABの長さをこの時間差で除した値が推定速度となる。
ステップS106では、移動時間算出手段108が、推定速度と想定速度とを比較し、想定速度が大きい場合(ステップS106:YES)には、ステップS107に進み、推定速度が大きい場合(ステップS106:NO)には、ステップS108に進む。
ステップS108では、移動時間算出手段108が、推定速度と移動距離とから移動時間を算出する。
ステップS109では、取得制御手段109が、移動時間が経過したか否かを判定し、移動時間が経過した場合(ステップS109:YES)には、ステップS102に戻り、移動時間が経過していない場合(ステップS109:NO)には、一定時間後にステップS109の判定を繰り返す。
ステップS110では、報知手段111が、目的地への到着をユーザに報知する。
例えば、移動端末を所持したユーザが一時的に或る場所に留まっていたり、一時的に移動速度を遅くする場合があり得るが、そのような場合に測位が行われると、推定速度が実際の移動速度の平均値よりも小さく推定される可能性がある。また、測位手段の誤差により推定速度が実際の移動速度よりも小さく推定される場合がある。これらの場合、移動時間算出手段で算出される移動時間が実際の移動時間よりも長くなるので、目的地への到達の判定を行うタイミングが目的地への到達よりも遅れるおそれがある。これに対して、本実施形態では、推定速度と想定速度とを比較して大きい方の速度を選択し、選択された速度と移動距離とに基づいて移動時間を算出し、移動時間が経過する前の端末位置情報の取得の頻度が、移動時間が経過した後の端末位置情報の取得の頻度よりも低くなるように取得手段を制御するから、目的地への到着の判定が遅れることを防ぐことができる。
(2−1)第2実施形態の構成
第2実施形態の第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態と同じ構成要素には、第1実施形態と同じ符号を付与した。
図10は、位置判定装置200の機能構成を示す図である。位置判定装置200の各機能は、制御部11がアプリケーションプログラムを実行することによって移動端末10において実現される。
位置判定装置200は、第1実施形態の位置判定装置100が備える想定速度記憶手段107を備えていない。
図11は、位置判定装置200の動作を示す流れ図である。
ステップS201では、目的地記憶手段102が、ユーザが指定した目的地を記憶する。
ステップS202では、取得手段103が、端末位置情報を取得し、測位履歴記憶手段104が、端末位置情報と時刻情報とを対応付けて記憶する。
ステップS203では、距離算出手段105が、移動距離を算出する。
ステップS204では、判定手段110が、移動端末10が目的地に到着したか否かを判定する。目的地に到着したと判定された場合(ステップS204:YES)には、ステップS211に進み、目的地に到着していないと判定された場合(ステップS204:NO)には、ステップS205に進む。
ステップS206では、移動時間算出手段208が、推定速度と移動距離とから移動時間を算出する。
ステップS207では、取得制御手段209が、許容遅延時間と移動時間とを比較し、許容遅延時間の方が長い場合(ステップS207:YES)には、ステップS208に進み、移動時間の方が長い場合(ステップS207:NO)には、ステップS209に進む。
ステップS209では、取得制御手段209が、移動時間を待機時間に設定する。
ステップS210では、取得制御手段109が、待機時間が経過したか否かを判定し、待機時間が経過した場合(ステップS210:YES)には、ステップS202に戻り、移動時間が経過していない場合(ステップS210:NO)には、一定時間後にステップS210の判定を繰り返す。
ステップS211では、報知手段111が、目的地への到着をユーザに報知する。
例えば、移動端末を所持したユーザが一時的に移動速度を速くする場合があり得るが、そのような場合に測位が行われると、推定速度が実際の移動速度の平均値よりも大きく推定される可能性がある。また、測位手段の誤差により推定速度が実際の移動速度よりも大きく推定される場合がある。これらの場合、移動時間算出手段で算出される移動時間が実際の移動時間よりも短くなるので、目的地への到達の判定を行うタイミングが早まり、無駄な電力を消費するおそれがある。これに対して、本実施形態では、許容遅延時間と移動時間とを比較して長い方を待機時間として設定し、当該待機時間が経過する前の端末位置情報の取得の頻度が、当該待機時間が経過した後の端末位置情報の取得の頻度よりも低くなるように取得手段を制御するから、無駄な電力を消費することを防ぐことができる。
(3−1)第3実施形態の構成
第3実施形態の第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態と同じ構成要素には、第1実施形態と同じ符号を付与した。
図12は、位置判定装置300の機能構成を示す図である。位置判定装置300の各機能は、制御部11がアプリケーションプログラムを実行することによって移動端末10において実現される。
位置判定装置300は、第1実施形態の位置判定装置100が備える想定速度記憶手段107を備えていない。
図13は、位置判定装置300の動作を示す流れ図である。
ステップS301では、目的地記憶手段102が、ユーザが指定した目的地を記憶する。
ステップS302では、取得手段103が、端末位置情報を取得し、測位履歴記憶手段104が、端末位置情報と時刻情報とを対応付けて記憶する。
ステップS303では、距離算出手段105が、移動距離を算出する。
ステップS304では、判定手段310が、移動端末10が移動した経路を特定する。
ステップS306では、推定速度算出手段106が、推定速度を算出する。
ステップS307では、移動時間算出手段308が、推定速度と移動距離とから移動時間を算出する。
ステップS309では、報知手段111が、目的地への到着をユーザに報知する。
例えば、移動速度が大きめに推定された場合に、計算上、移動端末が判定対象領域を通り越したことになってしまう場合があり得る。この場合、判定対象領域内に移動端末が位置しているのにいつまで経っても到着と判定されないおそれがある。これに対して、本実施形態では、複数の端末位置情報から特定された経路が判定対象領域に重なった場合に、移動端末が目的地に到着したと判定するから、移動速度が大きめに推定された場合に到着の判定が行われなくなることや、無駄な電力が消費されることを防ぐことができる。
(4−1)第4実施形態の構成
第4実施形態の第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態と同じ構成要素には、第1実施形態と同じ符号を付与した。
図14は、位置判定装置400の機能構成を示す図である。位置判定装置400の各機能は、制御部11がアプリケーションプログラムを実行することによって移動端末10において実現される。
位置判定装置400は、第1実施形態の位置判定装置100が備える想定速度記憶手段107を備えていない。
Epx=(1−Px)×Ex+Px×(Ex+Ey) 式(1)
Epy=(1−Py)×Ey+Py×(Ex+Ey) 式(2)
ただし、
Epx:測位手段xを優先測位手段とした場合の消費電力の期待値、
Epy:測位手段yを優先測位手段とした場合の消費電力の期待値、
Px:測位手段xを優先測位手段とした場合の切替発生確率、
Py:測位手段yを優先測位手段とした場合の切替発生確率、
Ex:測位手段xから端末位置情報を取得する場合の消費電力、
Ey:測位手段yから端末位置情報を取得する場合の消費電力、
である。
図15、図16は、位置判定装置400の動作を示す流れ図である。図16は、図15のステップS402の内容を詳しく示す図である。
最初に、図15について説明する。
ステップS401では、目的地記憶手段102が、ユーザが指定した目的地を記憶する。
ステップS402では、第1切替手段452及び第2切替手段455が、優先測位手段の設定又は切り替えを行う。
ステップS403では、取得手段403が、優先測位手段から端末位置情報と誤差情報とを取得し、測位履歴記憶手段104が、端末位置情報と誤差情報と時刻情報とを対応付けて記憶する。
ステップS404では、距離算出手段105が、移動距離を算出する。
ステップS406では、推定速度算出手段106が、推定速度を算出する。
ステップS407では、移動時間算出手段408が、推定速度と移動距離とから移動時間を算出する。
ステップS409では、報知手段111が、目的地への到着をユーザに報知する。
なお、優先測位手段は、設定手段451により予め設定されている。
ステップS501では、取得手段403が、優先測位手段によって端末位置情報と誤差情報を取得し、距離算出手段105が、端末位置情報に基づいて移動距離を算出する。
ステップS502では、第1切替手段452が、移動距離に係数を乗じた値と誤差とを比較し、誤差の方が大きい場合(ステップS502:YES)には、ステップS503に進み、誤差の方が小さい場合(ステップS502:NO)には、ステップS506に進む。
ステップS504では、第1切替手段452が、代替測位手段の誤差と優先測位手段の誤差とを比較し、代替測位手段の誤差の方が小さい場合(ステップS504:YES)には、ステップS505に進み、優先測位手段の誤差の方が小さい場合(ステップS504:NO)には、ステップS506に進む。
ステップS505では、第1切替手段452が、代替測位手段を優先測位手段とするように設定手段451による設定を切り替える。
ステップS507では、期待値算出手段454が、消費電力の期待値を算出する。
ステップS508では、第2切替手段455が、代替測位手段の消費電力の期待値と優先測位手段の消費電力の期待値とを比較し、代替測位手段の消費電力の期待値の方が小さい場合(ステップS508:YES)には、ステップS509に進み、優先測位手段の消費電力の期待値の方が小さい場合(ステップS508:NO)には、図15のステップS403に進む。
ステップS509では、第2切替手段455が、代替測位手段を優先測位手段とするように設定手段451による設定を切り替え、図15のステップS403に進む。
測位手段の誤差や、測位手段から端末位置情報を取得するための消費電力は一定とは限らないため、誤差や消費電力が一定であるという前提のもとでは最適な測位手段を選択することができないおそれがある。これに対して、本実施形態では、実際に端末位置情報を取得した場合の誤差や、複数の測位手段の切替発生確率に基づく消費電力の期待値に基づいて測位手段の切り替えを行うから、誤差や消費電力が変化する場合でも、最適な測位手段を選択することができる。
第5実施形態の第1実施形態と異なる点について説明する。
推定速度算出手段106は、測位履歴記憶手段104の記憶内容に基づいて、移動端末10の移動速度の目的地の方向の成分を推定速度として算出する。具体的には、次のとおりである。
図19は、目的地と移動端末10の位置を例示した図である。点Aは、測位履歴テーブルTB3に記憶された2番目に新しい端末位置情報が表す位置であり、点Bは、最新の端末位置情報が表す位置である。点Cは、目的地テーブルTB2に記憶された目的地情報が表す位置である。円Dは、判定対象領域である。点Eは、点Bからの距離が最短である判定対象領域上の点である。この例では、判定対象領域は円形であるから、点Eは直線BCと円Dとの交点に一致する。推定速度算出手段106は、点A、点Bをそれぞれ始点、終点とするベクトルABと直線BEとのなす角θを算出する。そして、推定速度算出手段106は、点Aと点Bの端末位置情報と時刻情報とに基づいて第1実施形態と同じ方法で移動端末10の推定速度vを算出し、算出した推定速度vを次式によって補正して推定速度Vaを算出する。
ただし、nは、1<nである。例えば、n=2とすると、
θ=0°の場合 Va=v
θ=60°の場合 Va=0.875v
θ=120°の場合 Va=0.625v
θ=180°の場合 Va=0.5v
となる。つまり、推定速度算出手段106は、移動端末10が移動する方向と移動端末10の位置を基準とする目的地の方向とのずれが大きいほど推定速度を小さくするように推定測度を補正する。移動端末10が移動する方向と移動端末10の位置を基準とする目的地の方向とが一致する場合に推定測度が最大となり、移動端末10が移動する方向と移動端末10の位置を基準とする目的地の方向とが正反対の場合に推定測度が最小となる。従って、本実施形態によれば、第1実施形態と比べて、端末位置情報の取得の頻度が抑制される。
第6実施形態の第1実施形態と異なる点について説明する。
推定速度算出手段106は、測位履歴記憶手段104に記憶された2つの端末位置情報が表す位置と目的地との距離をそれぞれ算出し、算出された2つの距離の差に基づいて推定速度を算出する。具体的には、次のとおりである。
図20は、目的地と移動端末10の位置を例示した図である。点Aは、測位履歴テーブルTB3に記憶された2番目に新しい端末位置情報が表す位置であり、点Bは、最新の端末位置情報が表す位置である。点Cは、目的地テーブルTB2に記憶された目的地情報が表す位置である。点Fは、点Bと点Cを通る直線BC上の1点であり、点Fと点Cとの距離は、点Aと点Cとの距離に等しい。推定速度算出手段106は、点Fと点Bとの距離を、点A、点Bに対応する時刻情報から求めた時間差で除することによって、推定速度を求める。
本実施形態では、ベクトルABと直線BCとが平行である場合を除いて、第1実施形態よりも推定速度が小さくなるから、第1実施形態よりも移動時間が長くなる。従って、第1実施形態と比べて、端末位置情報の取得の頻度が抑制される。
第7実施形態の第1実施形態と異なる点について説明する。
推定速度算出手段106は、測位履歴記憶手段104の記憶内容に基づいて、移動端末10が目的地に近づきつつあるか否かを判定し、移動端末10が目的地に近づきつつある場合と遠ざかりつつある場合とで推定速度に対する重み付けを異ならせる。具体的には、次のとおりである。
図21は、目的地と移動端末10の位置を例示した図である。点Aは、測位履歴テーブルTB3に記憶された2番目に新しい端末位置情報が表す位置(前回の端末位置)であり、点Bは、最新の端末位置情報が表す位置(最新の端末位置)である。点Cは、目的地テーブルTB2に記憶された目的地情報が表す位置である。つまり、図21(a)は、移動端末10が目的地に近づきつつある場合を示し、図21(b)は、移動端末が目的地から遠ざかりつつある場合を示している。
BC+e<(AC−e)×α (ただし、0<α<1) 式(4)
(AC+e)×β<BC−e (ただし、1<β) 式(5)
ただし、
AC:前回の端末位置から目的地までの距離
BC:最新の端末位置から目的地までの距離
e:測位の誤差
α、β:誤判定を抑制するための係数
本発明を次のように変形してもよい。
(8−1)変形例1
移動のために使用する交通手段に応じた想定速度を用いるようにしてもよい。
図17は、想定速度テーブルTB5を示す図である。この例では、3つのレコードにおける移動端末の位置は同じであるが、それぞれに対して異なる交通手段が対応付けられている。測位の結果、当該位置に移動端末が位置すると判定されたならば、当該位置に対応付けられた交通手段のいずれかをユーザに選択させ、選択された交通手段に対応付けられた想定速度を想定速度テーブルTB5から読み出すように構成すれば、ユーザが実際に使用する交通手段に対応する想定速度を用いて処理が行われるので、位置判定のタイミングを最適化することができる。
位置判定装置に想定速度を更新する手段が設けられていてもよい。例えば、ユーザが想定速度を指定するように構成してもよい。このようにすれば、位置判定のタイミングが遅れる傾向がある場合に、想定速度を大きめに変更することにより、位置判定のタイミングが早まるようにすることができる。
また、算出された推定速度を利用して想定速度を更新するようにしてもよい。例えば、推定速度が算出される度に、測位履歴テーブルに推定速度を書き込む。ユーザが指定したタイミング又は定期的に位置毎の推定速度の平均値を算出し、この平均値を想定速度テーブルに書き込む。このようにすれば、想定速度を実際の移動速度に近づけることができるから、位置判定のタイミングを最適化することができる。
実施形態では、移動時間又は待機時間が経過するまでは取得手段に端末位置情報の取得を行わせず、移動時間又は待機時間が経過したならば、取得手段に端末位置情報の取得を行わせる例を示したが、例えば、移動時間又は待機時間が経過するまではa分毎に取得手段に端末位置情報の取得を行わせ、移動時間又は待機時間が経過したならば、b分毎(ただし、b<a)に取得手段に端末位置情報の取得を行わせるようにしてもよい。要するに、移動時間又は待機時間が経過する前の端末位置情報の取得の頻度が、移動時間又は待機時間が経過した後の端末位置情報の取得の頻度よりも低くなるようにすればよい。
実施形態では、移動端末10に位置判定装置の機能が備えられた例を示したが、位置判定装置の機能を移動端末10とは別の装置に備えさせ、移動端末10と当該別の装置との通信により実施形態と同様の作用を得るようにしてもよい。別の装置とは、例えば、サーバ5でもよいし、無線通信によって移動端末10と通信を行うPC(Personal Computer)、タブレットPC、スレートPC等でもよい。無線通信の手段は、例えば、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)でもよいし、Bluetooth(登録商標)等のネットワークを用いない通信手段でもよい。一例として、第1実施形態の位置判定装置100の機能をサーバ5に備えた場合、移動端末10が目的地情報と基地局情報をサーバ5に送信し、ステップS102以降の処理をサーバ5に実行させるように構成すればよい。
また、サーバ5の機能を移動端末10に備えるようにしてもよい。すなわち、移動端末10の記憶部12に基地局テーブルTB1を記憶させておき、取得手段103が、基地局2から受信した基地局識別子に対応付けられた緯度と経度を基地局テーブルTB1から読み出すようにしてもよい。
端末位置情報を利用した種々のアプリケーションプログラムにおいては、要求される端末位置情報の取得の頻度がアプリケーションプログラム毎に異なることがあり得る。従って、実行するアプリケーションプログラムで要求される端末位置情報の取得の頻度を表す頻度情報を当該アプリケーションプログラムから取得し、取得した頻度情報に基づいて端末位置情報の取得の頻度を設定するようにしてもよい。アプリケーションプログラムと頻度情報とを対応付けてサーバ5等に記憶させておき、サーバ5等から頻度情報を取得するようにしてもよい。
実施形態と変形例とを組み合わせてもよい。また、複数の実施形態を組み合わせてもよいし、複数の変形例を組み合わせてもよい。例えば、第2実施形態における許容遅延時間と移動時間とを比較して長い方を待機時間として設定する構成を他の実施形態と組み合わせてもよい。また、第3実施形態における移動端末の経路による判定の構成を他の実施形態と組み合わせてもよい。また、第4実施形態における測位の誤差と消費電力の期待値とに基づく優先測位手段の切り替えの構成を他の実施形態と組み合わせても良い。また、第5、第6、第7実施形態における推定速度算出手段の構成を他の実施形態に適用してもよい。
実施形態では移動端末10が携帯電話機である例を示したが、移動端末10はいわゆるパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であってもよい。
実施形態では位置判定装置の制御部がプログラムを実行することによって位置判定装置の動作を制御する例を示したが、実施形態と同様の機能をハードウェアで実装するようにしてもよい。また、このプログラムを、光記録媒体、半導体メモリ等、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供し、この記録媒体からプログラムを読み取って位置判定装置の記憶部に記憶させるようにしてもよい。また、このプログラムを電気通信回線経由で提供してもよい。
Claims (2)
- 目的地の位置を表す目的地情報を記憶する目的地記憶手段と、
測位によって得られた移動端末の位置を表す端末位置情報と、当該端末位置情報の誤差を表す誤差情報とを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された端末位置情報と、当該端末位置情報が取得された時刻を表す時刻情報とを対応付けて記憶する測位履歴記憶手段と、
前記端末位置情報で表される位置から前記目的地情報で表される位置までの移動距離を算出する距離算出手段と、
前記測位履歴記憶手段の記憶内容に基づいて前記移動端末の移動速度の推定値である推定速度を算出する推定速度算出手段と、
前記推定速度と前記移動距離とに基づいて、前記端末位置情報で表される位置から前記目的地情報で表される位置まで前記移動端末が移動するのに要する移動時間を算出する移動時間算出手段と、
前記移動時間が経過する前の端末位置情報の取得の頻度が、前記移動時間が経過した後の端末位置情報の取得の頻度よりも低くなるように、前記取得手段を制御する取得制御手段と、
前記端末位置情報で表される位置と前記目的地情報で表される位置とに基づいて、前記移動端末が前記目的地に到着したか否かを判定する判定手段と、
測位の方式が互いに異なる複数の測位手段のいずれかを、前記取得手段が前記端末位置情報の取得に用いる優先測位手段として設定する設定手段と、
前記優先測位手段から取得された端末位置情報に基づいて前記距離算出手段で算出された移動距離に予め定められた演算を施した値が、前記優先測位手段から取得された誤差情報で表される誤差よりも小さい場合に、前記複数の測位手段のうちの前記優先測位手段でない代替測位手段から端末位置情報と誤差情報を取得し、当該代替測位手段から取得された誤差情報で表される誤差が前記優先測位手段から取得された誤差情報で表される誤差よりも小さい場合に、当該代替測位手段を優先測位手段とするように前記設定手段による設定を切り替える第1切替手段と、
前記複数の測位手段の各々について、前記設定手段によって当該測位手段が優先測位手段として設定された場合の、前記第1切替手段による設定の切り替えが発生する切替発生確率を算出する確率算出手段と、
前記複数の測位手段の各々について、前記取得手段が当該測位手段から前記端末位置情報を取得する場合の消費電力と前記切替発生確率とに基づいて、当該測位手段が前記設定手段によって優先測位手段として設定された場合の消費電力の期待値を算出する期待値算出手段と、
前記設定手段によって設定された優先測位手段の消費電力の期待値が、前記代替測位手段の消費電力の期待値よりも大きい場合に、前記代替測位手段を優先測位手段とするように前記設定手段による設定を切り替える第2切替手段と
を有することを特徴とする位置判定装置。 - 目的地の位置を表す目的地情報を記憶する目的地記憶ステップと、
測位によって得られた移動端末の位置を表す端末位置情報と、当該端末位置情報の誤差を表す誤差情報とを取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された端末位置情報と、当該端末位置情報が取得された時刻を表す時刻情報とを対応付けて記憶する測位履歴記憶ステップと、
前記端末位置情報で表される位置から前記目的地情報で表される位置までの移動距離を算出する距離算出ステップと、
前記測位履歴記憶ステップの記憶内容に基づいて前記移動端末の移動速度の推定値である推定速度を算出する推定速度算出ステップと、
前記推定速度と前記移動距離とに基づいて、前記端末位置情報で表される位置から前記目的地情報で表される位置まで前記移動端末が移動するのに要する移動時間を算出する移動時間算出ステップと、
前記移動時間が経過する前の端末位置情報の取得の頻度が、前記移動時間が経過した後の端末位置情報の取得の頻度よりも低くなるように、前記取得ステップにおける端末位置情報の取得を制御する取得制御ステップと、
前記端末位置情報で表される位置と前記目的地情報で表される位置とに基づいて、前記移動端末が前記目的地に到着したか否かを判定する判定ステップと、
測位の方式が互いに異なる複数の測位手段のいずれかを、前記取得ステップにおける前記端末位置情報の取得に用いる優先測位手段として設定する設定ステップと、
前記優先測位手段から取得された端末位置情報に基づいて前記距離算出ステップで算出された移動距離に予め定められた演算を施した値が、前記優先測位手段から取得された誤差情報で表される誤差よりも小さい場合に、前記複数の測位手段のうちの前記優先測位手段でない代替測位手段から端末位置情報と誤差情報を取得し、当該代替測位手段から取得された誤差情報で表される誤差が前記優先測位手段から取得された誤差情報で表される誤差よりも小さい場合に、当該代替測位手段を優先測位手段とするように前記設定ステップによる設定を切り替える第1切替ステップと、
前記複数の測位手段の各々について、前記設定ステップによって当該測位手段が優先測位手段として設定された場合の、前記第1切替ステップによる設定の切り替えが発生する切替発生確率を算出する確率算出ステップと、
前記複数の測位手段の各々について、前記取得ステップにおいて当該測位手段から前記端末位置情報を取得する場合の消費電力と前記切替発生確率とに基づいて、当該測位手段が前記設定ステップによって優先測位手段として設定された場合の消費電力の期待値を算出する期待値算出ステップと、
前記設定ステップによって設定された優先測位手段の消費電力の期待値が、前記代替測位手段の消費電力の期待値よりも大きい場合に、前記代替測位手段を優先測位手段とするように前記設定ステップによる設定を切り替える第2切替ステップと
を有することを特徴とする位置判定方法。
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