JP6137085B2 - 光ファイバケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバケーブルに関する。
電線や光ファイバケーブルの外被に用いられる樹脂組成物として、各種のものが知られている(特許文献1〜9参照)。
例えば、特許文献1に記載の技術では、ケーブル配管内への布設を容易にするために、オレフィン系樹脂に結晶径3〜10μmのタルクを添加し、当該タルクを添加したオレフィン系樹脂混合物を外被として用いて摩擦を低減している。
特開2007−272199号公報 特開2010−175706号公報 特開2010−044254号公報 特開2010−039378号公報 特開2009−282390号公報 特開2009−282389号公報 特開2009−282388号公報 特開2007−183477号公報 特開2007−101586号公報
しかしながら、電線や光ファイバケーブルの品種、用途によってはIEC 60332-3-24(垂直トレイ燃焼試験)などの極めて高い難燃性が要求される燃焼試験に合格することが求められ、その場合には難燃剤を多量に添加する必要がある。しかし、難燃剤を多量に配合すると材料が脆くなって十分な機械強度が得ることが難しい。また、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂などの低結晶性樹脂を用いれば、難燃性を多量に配合しても比較的高い機械強度を得ることができるが、タルクを添加しても十分な低摩擦性を得ることは難しかった。
本発明は、高い難燃性と機械強度を得つつ、低摩擦性を得ることが可能な光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
本発明にかかる光ファイバケーブルは、
樹脂組成物からなる外被で光ファイバが被覆されている、長手方向に直する断面が長方形を有する平型の光ファイバケーブルであって、
前記樹脂組成物は、熱可塑性樹脂をベースとし、前記熱可塑性樹脂に対して、滑剤が含有され、さらに、粒子径が1μm以上15μm以下のシリカが0.1質量%以上10質量%以下の割合で添加され、前記シリカが、前記外被表面に露出している。
本発明によれば、高い難燃性と機械強度を得つつ、低摩擦性を得ることが可能な光ファイバケーブルを提供することができる。
本実施形態に係る光ファイバケーブルの斜視図である。 図1におけるE−E断面図である。 摩擦係数と伸び残率の関係を示すグラフである。 摩擦係数の測定方法を説明する断面図である。 摩擦係数の測定方法を説明する側面図である。
〈本発明の実施形態の概要〉
最初に本発明の実施形態の概要を説明する。
本発明にかかる光ファイバケーブルの一実施形態は、
(1)樹脂組成物からなる外被で光ファイバが被覆されている、長手方向に直する断面が長方形を有する平型の光ファイバケーブルであって、
前記樹脂組成物は、熱可塑性樹脂をベースとし、前記熱可塑性樹脂に対して、滑剤が含有され、さらに、粒子径が1μm以上15μm以下のシリカが0.1質量%以上10質量%以下の割合で添加され、前記シリカが、前記外被表面に露出している。
(1)の構成によれば、ベースとなる熱可塑性樹脂にシリカと滑剤とを添加することで、高い難燃性と機械強度を得つつ、低摩擦性を得ることが可能であり、施工性に優れ、例えば円滑に通線して布設することができ、しかも高強度な光ファイバケーブルを得ることができる。
(2)前記シリカは、二次粒子径が1μm以上15μm以下のゲル法シリカであり、表面に前記シリカが不規則に露出して凸部を形成してもよい。
(2)の構成によれば、ゲル法シリカは二次粒子の凝集力が高い。このため、ゲル法シリカは、樹脂組成物の成型加工時の剪断力によって破壊されにくく元々の形状を維持しやすい。したがって、上記構成によれば、シリカを不規則に樹脂組成物の表面に露出させて凸部を形成しやすく、その凸部によって被接触体との接触面積を減少させることができるため、低摩擦性が得やすい。
(3)前記滑剤は、脂肪酸であり、前記熱可塑性樹脂に0.1質量%以上1質量%以下の割合で添加されていてもよい。
(3)の構成によれば、脂肪酸からなる滑剤を添加することで、十分な材料強度を維持しつつ低摩擦性を得ることができる。
(4)前記滑剤は、脂肪酸誘導体であり、前記熱可塑性樹脂に0.1質量%以上1質量%以下の割合で添加されていてもよい。
(4)の構成によれば、脂肪酸誘導体からなる滑剤を添加することで、十分な材料強度を維持しつつ低摩擦性を得ることができる。
(5)前記滑剤は、シリコーンであり、前記熱可塑性樹脂に0.5質量%以上5質量%以下の割合で添加されていてもよい。
(5)の構成によれば、シリコーンからなる滑剤を添加することで、十分な材料強度を維持しつつ低摩擦性を得ることができる。
(6)デュロメーター硬さが40以上60以下であってもよい。
(6)の構成によれば、表面に露出したフィラーがベースである樹脂組成物の内部に埋もれにくいため、フィラーの添加量を少なくしても、低摩擦性を得ることができる。
(7)前記熱可塑性樹脂は、100質量部のポリオレフィン樹脂に、非ハロゲン系難燃剤を20質量部以上180質量部以下の割合で配合したものであってもよい。
(7)の構成によれば、ポリオレフィン樹脂に、適量の非ハロゲン系難燃剤を配合した熱可塑性樹脂をベースとして用いることで、高い難燃性と機械強度を得つつ、低摩擦性を得ることが可能である。
(8)前記熱可塑性樹脂は、100質量部のポリ塩化ビニル樹脂に、可塑剤を30質量部以上60質量部の割合で配合したものであってもよい。
(8)の構成によれば、ポリ塩化ビニル樹脂に、適量の可塑剤を配合した熱可塑性樹脂をベースとして用いることで、高い難燃性と機械強度を得つつ、低摩擦性を得ることが可能である。
〈本発明の実施形態の詳細〉
以下、本発明に係る樹脂組成物、電線及び光ファイバケーブルの実施の形態の例を、図面を参照して説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1および図2に示すように、光ファイバケーブル1は、光ファイバ心線(光ファイバの一例)2と、一対の抗張力線3と、これらを被覆する外被4とを備えたインドアケーブルである。光ファイバケーブル1は断面が長方形を有する平型のケーブルである。なお、光ファイバケーブル1としては、インドアケーブルに限らず、ドロップケーブル等の他の用途のケーブルであってもよい。
光ファイバ心線2は、光ファイバケーブル1の略中央に配置され、コアとクラッドとから形成される二重構造のガラス体の外周に紫外線硬化型樹脂が被覆された構成を有している。
2本の抗張力線3は、光ファイバケーブル1の断面長手方向(図2において左右方向)における光ファイバ心線2の両側に、光ファイバ心線2に沿って平行に配置されている。抗張力線3としては、例えば、鋼線、アラミド繊維、ガラス繊維強化プラスチック等が用いられる。
外被4は、光ファイバ心線2と2本の抗張力線3の外周にほぼ隙間なく密着して設けられている。
外被4の断面長手表面(図2において上下表面)4a,4bの中央部には光ファイバ心線2を挟んで一対のノッチ5が形成されている。一対のノッチ5は、それぞれ光ファイバ心線2に向かってV字状に切り込まれている。外被4の寸法は、断面長手表面4a,4bの長さが、例えば2.0〜3.5mm、断面短手表面4c,4dの長さが、例えば1.5〜2.0mmである。
外被4は、熱可塑性樹脂をベースとした樹脂組成物から形成されている。この外被4を構成する樹脂組成物は、熱可塑性樹脂に対して、滑剤が含有されている。また、この外被4を構成する熱可塑性樹脂には、粒子状の部材であるフィラーFiが添加されている。そして、このフィラーFiが外被4の表面に不規則に露出しており、この露出したフィラーFiが凸部6となって外被4の表面に不規則に点在している。
熱可塑性樹脂に添加される本例のフィラーFiは、粒子径が1μm以上15μm以下のもので、熱可塑性樹脂に対して0.1質量%以上10質量%以下の割合で添加されている。また、本例のフィラーFiは、二次粒子径が1μm以上15μm以下のゲル法シリカである。
フィラーFiの粒子径は分布をもっている。このため、熱可塑性樹脂には、ある程度分布のある粒子径のフィラーFiを添加することになる。なお、フィラーFiの粒子径は、ここでは、平均粒子径である。
熱可塑性樹脂に含有されている滑剤は、脂肪酸であり、熱可塑性樹脂に0.1質量%以上1質量%以下の割合で添加されている。
なお、熱可塑性樹脂に含有される滑剤としては、脂肪酸誘導体あるいはシリコーンであっても良い。脂肪酸誘導体からなる滑剤を熱可塑性樹脂に含有させる場合も、熱可塑性樹脂に0.1質量%以上1質量%以下の割合で添加するのが好ましい。また、シリコーンからなる滑剤を熱可塑性樹脂に含有させる場合は、熱可塑性樹脂に0.5質量%以上5質量%以下の割合で添加するのが好ましい。
また、外被4を構成する樹脂組成物のベースとなる熱可塑性樹脂は、100質量部のポリオレフィン樹脂に、非ハロゲン系難燃剤を20質量部以上180質量部以下の割合で配合したものである。
なお、熱可塑性樹脂としては、100質量部のポリ塩化ビニル樹脂に、可塑剤を30質量部以上60質量部以下の割合で配合したものでも良い。
そして、上記構成の樹脂組成物から形成された外被4は、そのデュロメーター硬さが40以上60以下である。
上記の樹脂組成物は、図示を省略するダイスによって押出成形され、これにより、光ファイバ心線2と2本の抗張力線3が樹脂組成物によって一括被覆され、外被4が形成される。また、外被4の表面にはフィラーFiからなる複数の凸部6が不規則に点在するように設けられる。このように、光ファイバケーブル1は、光ファイバ心線2と2本の抗張力線3が外被4によって被覆されることにより、一体的に構成されて製造される。
ところで、光ファイバケーブルや電線などのケーブルの外被は、布設時の通線性の観点から滑りやすいものがよい。一方、電線や光ファイバケーブルの品種、用途によっては、IEC 60332-3-24(垂直トレイ燃焼試験)などの極めて高い難燃性が要求される燃焼試験に合格することが求められ、その場合には難燃剤を多量に添加する必要があり、多量の難燃剤を添加しても強度の低下が少ない低結晶性樹脂を用いるのが好ましい。低結晶性樹脂は、DSC(示差走査熱量測定)で測定した結晶融解熱量が90/g以下の樹脂であり、例えば、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンメチルアクリレート共重合体、エチレンブチルアクリレート共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、等が挙げられる。また、非結晶樹脂を可塑剤で軟化したものでも同様の効果が得られ、例えばポリ塩化ビニル樹脂にDOP(ジオクチルフタレート)、DINP(フタル酸ジイソノニル)、TOTM(トリメリット酸トリオクチル)、エポキシ化大豆油、ポリエステル系可塑剤などを添加したものが挙げられる。しかしながら、このような低結晶性樹脂を採用すると、外被の表面における摩擦が高くなり、通線性が低下してしまう。
そこで、例えば特許文献1に記載の技術では、ケーブル配管内への布設を容易にするために、オレフィン系樹脂に結晶径3〜10μmのタルクを添加し、当該タルクを添加したオレフィン系樹脂混合物を外被として用いて摩擦を低減している。
しかし、低結晶性樹脂は、摩擦を低減させることが難しく、タルクを添加しても十分な低摩擦性を得ることはできなかった。
また、フィラーは外被の表面だけでなく外被内にも存在し、材料強度の観点からみると、このフィラーは異物となり、樹脂組成物の老化特性悪化の原因となる。
図3のグラフは、外被の摩擦係数と伸び残率との関係を示している。
図3に示すように、外被の樹脂組成物に添加するフィラーの粒径や添加量を調整し、摩擦係数と加熱老化後(100℃で48時間加熱後)の伸び残率を測定した。その結果、滑剤を添加しない樹脂組成物では、フィラーの粒径や添加量を調整しても、図3中鎖線で示すように、摩擦係数と伸び残率の双方を良好な状態にできる良好範囲(図3中ハッチング部分)に入る条件を見つけることはできなかった。一方、滑剤を添加した樹脂組成物では、フィラーの粒径や添加量を調整することで、図3中実線で示すように、摩擦係数と伸び残率をともに良好な状態にできる良好範囲(図3中ハッチング部分)に入る条件を見つけることができた。
このように、本発明者は、タルクやシリカなどの微粒子であるフィラーは、樹脂組成物としては異物であり、フィラーの添加量が多くなると樹脂組成物の老化特性が悪化して材料強度が低下してしまうことに着目した。そして、本発明者は、外被のベースとなる樹脂組成物にさらに滑剤を含有させ、添加するフィラーの粒径や添加量を調整し、十分な材料強度の維持と低摩擦化を両立できることを見出した。その結果、低摩擦化、材料強度の維持、難燃性の3つの両立が達成できた。
本実施形態の光ファイバケーブル1の外被4の樹脂組成物では、熱可塑性樹脂に対して滑剤を含有し、さらに、粒子径が1μm以上15μm以下のフィラーFiを0.1質量%以上10質量%以下の割合で添加している。このように、ベースとなる熱可塑性樹脂にフィラーFiと滑剤とを添加することで、フィラーFiの添加によって生じる老化特性の悪化を抑制して十分な材料強度を維持しつつ、低摩擦性を得ることができる。そして、本実施形態に係る樹脂組成物から外被4を用いて形成された光ファイバケーブル1によれば、樹脂組成物に含まれたフィラーFiによって他ケーブルや管路の内面等との接触面積を小さくでき、摩擦の低減を図ることができる。これにより、施工性に優れ、例えば円滑に通線して布設することができ、しかも高強度な光ファイバケーブル1を得ることができる。
また、本例の樹脂組成物に含まれるフィラーFiが、二次粒子径が1μm以上15μm以下のゲル法シリカであり、表面にフィラーFiが不規則に露出して凸部6を形成している。ゲル法シリカは二次粒子の凝集力が高い。このため、ゲル法シリカは、樹脂組成物の成形加工時の剪断力によって破壊されにくく元々の形状を維持しやすい。したがって、シリカからなるフィラーFiを不規則に樹脂組成物の表面に露出させて凸部6を形成しやすく、その凸部6によって被接触体との接触面積を減少させることができるため、低摩擦性が得やすい。
しかも、脂肪酸からなる滑剤を、熱可塑性樹脂に0.1質量%以上1質量%以下の割合で添加することで、フィラーFiの量を調整して材料強度を維持しつつも、布設時に良好な通線性を確保するのに十分な低摩擦性を得ることができる。
また、脂肪酸誘導体からなる滑剤を、熱可塑性樹脂に0.1質量%以上1質量%以下の割合で添加した場合でも、フィラーFiの量を調整して材料強度を維持しつつも、布設時に良好な通線性を確保するのに十分な低摩擦性を得ることができる。さらには、シリコーンからなる滑剤を、熱可塑性樹脂に0.5質量%以上5質量%以下の割合で添加した場合でも、十分な材料強度を維持しつつ低摩擦性を得ることができる。
また、本実施形態では、外被4を構成する樹脂組成物のデュロメーター硬さが40以上60以下である。このような樹脂組成物によれば、表面に露出したフィラーFiが樹脂組成物の内部に埋もれにくいため、フィラーFiの添加量を少なくしても、低摩擦性を得ることができる。
本実施形態に係る熱可塑性樹脂は、100質量部のポリオレフィン樹脂に、非ハロゲン系難燃剤を20質量部以上180質量部以下の割合で配合したものである。このように、ポリオレフィン樹脂に、適量の非ハロゲン系難燃剤を配合した熱可塑性樹脂をベースとして用いることで、材料強度を十分に維持しつつ低摩擦性及び難燃性を得ることができる。
熱可塑性樹脂としては、100質量部のポリ塩化ビニル樹脂に、可塑剤を30質量部以上60質量部の割合で配合したものであってもよく、このように、ポリ塩化ビニル樹脂に、適量の可塑剤を配合した熱可塑性樹脂をベースとして用いた場合も、材料強度を十分に維持しつつ低摩擦性及び難燃性を得ることができる。
なお、上記実施形態では、光ファイバ心線2を外被4で被覆した光ファイバケーブル1について説明したが、電線の導体を被覆する外被に本発明の樹脂組成物を用いても良い。そして、この電線によれば、他ケーブルや管路の内面等との接触面積を小さくでき、摩擦の低減を図ることができる。これにより、施工性に優れ、例えば円滑に通線して布設することができ、しかも高強度な電線を得ることができる。
各種の樹脂組成物で実施例1〜15および比較例1〜6に係る光ファイバケーブル1を押出成形して作製し、それぞれの光ファイバケーブル1についての各種のケーブル特性を求めて比較した。それぞれの光ファイバケーブル1の外被4の組成等、添加剤等の含有率およびケーブル特性等を表1及び表2に示す。なお、表1及び表2における質量部の数値は、ベース樹脂を100とした場合における質量比である。
Figure 0006137085
Figure 0006137085
(樹脂組成物)
(1)ベース樹脂
実施例1〜8、実施例11〜13、比較例1〜6では、結晶融解熱量が40J/gのエチレンエチルアクリレート共重合体を用いた。
実施例9では、結晶融解熱量が80J/gのエチレン酢酸ビニル共重合体を用いた。
実施例10では、結晶融解熱量が100J/gの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いた。
実施例14,15では、ポリ塩化ビニル樹脂を用いた。
(2)難燃剤
実施例1〜10、比較例1〜6では、非ハロゲン難燃剤として水酸化マグネシウムを配合した。
実施例11では、非ハロゲン難燃剤としてイントメッセント難燃剤を配合した。
実施例12では、非ハロゲン難燃剤としてメラミンシアヌレートを配合した。
実施例13では、非ハロゲン難燃剤として次亜リン酸アルミニウムを配合した。
実施例14,15では、ベース樹脂として難燃性を有するポリ塩化ビニル樹脂を用いたので、難燃剤を配合しない。
(3)他の添加剤
実施例1〜13、比較例1〜6では、酸化防止剤を添加した。
実施例14,15では、難燃剤の代わりに柔軟性を持たせるためにフタル酸エステルを添加し、また、PVC安定剤を添加した。
(4)フィラー
実施例1〜4、比較例2,3,6では、二次粒子径3μmの硬質無機フィラー(ゲル法シリカ)を添加した。
実施例5〜15では、二次粒子径12μmの硬質無機フィラー(ゲル法シリカ)を添加した。
比較例4では、二次粒子径18μmの硬質無機フィラー(ゲル法シリカ)を添加した。
比較例5では、一次粒子径12nmの硬質無機フィラー(乾式シリカ)を添加した。
比較例1では、フィラーを無添加とした。
(5)滑剤
実施例1〜4,9〜13、比較例1〜5では、ジメチルシリコーン生ゴムを添加した。
実施例5,6では、脂肪酸(ステアリン酸)を添加した。
実施例14,15では、脂肪酸誘導体(ステアリン酸亜鉛)を添加した。
実施例7,8では、脂肪酸誘導体(オレイン酸化合物)を添加した。
比較例6では、滑剤を無添加とした。
(ケーブル特性)
(1)摩擦係数
各光ファイバケーブル1の摩擦係数を以下の方法で測定した。なお、摩擦係数の規格は、布設時に良好に通線することが可能な通線性が得られる0.25以下とした。
図4に示すように、5本の光ファイバケーブル1のうち、2本の固定用光ファイバケーブル1aを並列し、並列させた固定用光ファイバケーブル1aの上に1本の移動用光ファイバケーブル(被測定光ファイバケーブル)1bを配置し、さらに移動用光ファイバケーブル1bの上に2本の固定用光ファイバケーブル1aを並列して配置する。固定用光ファイバケーブル1aはそれぞれ固定用下板11または固定用上板12に固定されている。このように配置した光ファイバケーブル1a,1bの上部に約2kgの錘13を載せ、固定用光ファイバケーブル1aの間に配置された移動用光ファイバケーブル1bを、図5に示すように、ワイヤー14を介して引き抜き装置15に連結する。そして、引き抜き装置15によって牽引し、移動用光ファイバケーブル1bの移動開始に必要となる力Fと錘13の重さWとの関係から以下の式(1)に基づき摩擦係数μを求めた。
μ=F/W・・・(1)
(2)伸び残率
各光ファイバケーブル1の伸び残率を測定した。なお、伸び残率の規格は、外被4として十分な材料強度が得られる75%以上とした。伸び残率の測定は、JIS C3005に基づき、100℃で48時間加熱した後に行った。
(3)難燃性
各光ファイバケーブル1の難燃性を評価した。難燃性の評価は、JIS C3005に基づいた燃焼試験(JIS 60℃傾斜燃焼試験)を行い、60秒以内で自然に消火するか否かで評価した。
(4)硬さ測定
各光ファイバケーブル1のデュロメーター硬さ(Dタイプ)を測定した。なお、硬さ測定は、JIS K 6253−3に基づいて測定した。
(5)外観
押出成形した各光ファイバケーブル1の外観を観察し、表面の波打ちなどの変形等の有無を調べた。
(ケーブル特性結果)
実施例1〜15および比較例1〜6は、十分な難燃性(表1及び表2中傾斜燃焼試験の項目における○印参照)を有し、また、適正な硬度を有し(デュロメーター硬さ40〜60の範囲)、さらに、外観も良好(表1及び表2中押出外観の項目における○印参照)であった。
実施例1〜15および比較例3,4は、いずれも摩擦係数が0.25以下であった。これに対して、比較例1,2,5,6は、いずれも摩擦係数が0.25よりも大きくなった。
実施例1〜15および比較例1,2,5,6は、いずれも伸び残率が75%以上であった。これに対して、比較例3,4は、いずれも伸び残率が75%より小さくなった。
(評価結果)
実施例1〜15は、粒子径が1μm以上15μm以下のフィラーが0.1質量%以上10質量%以下の割合で添加されているため摩擦係数が0.25以下となり、低摩擦性を得ることができ、布設時に良好に通線することが可能な通線性が得られることが分かった。また、実施例1〜15は、滑剤を添加したことで、フィラーの添加によって生じる老化特性の悪化が抑制されて伸び残率が75%以上となり、十分な材料強度が維持された。
これに対して、比較例1は、フィラーが含有されていないため、前述の規格より摩擦係数が大きくなってしまった。比較例2は、フィラーの含有率が小さ過ぎたため、規格より摩擦係数が大きくなってしまった。比較例3は、フィラーの含有率が大きいため、規格より摩擦係数は十分に小さくできるが、伸び残率が規格より小さくなってしまった。比較例4は、フィラーの粒子径(18μm)が大き過ぎたため、規格より伸び残率が小さくなってしまった。比較例5は、フィラーの粒子径(12nm)が小さ過ぎたため、規格より摩擦係数が大きくなってしまった。比較例6は、適正なフィラーを適量含有しているが、滑剤を含有していないため、規格より摩擦係数が大きくなってしまった。
上記のことから、実施例1〜15の最終結果(表1中最終結果の項目参照)は、全てのケーブル特性を満たすため合格であった。つまり、十分な材料強度を維持しつつ、低摩擦性が得られて布設時に良好に通線することができ、しかも良好な難燃性も備えていることが分かった。
これに対して、比較例1,2,5,6の最終結果(表2中最終結果の項目参照)は、規格より摩擦係数が大き過ぎて、布設時に良好に通線することが困難であるために不合格であり、比較例3,4の最終結果(表2中最終結果の項目参照)は、規格より伸び残率が小さ過ぎて、十分な材料強度を維持することが困難であるため不合格であった。
(他の比較例)
実施例3と同様の樹脂組成物において、ジメチルシリコーン生ゴムからなる滑剤の含有率を0.5質量%より小さい0.35質量%とし、ケーブル特性を調べた。その結果、摩擦係数が0.25よりも大きい0.27となり、不合格となった。
実施例2と同様の樹脂組成物において、非ハロゲン難燃剤(水酸化マグネシウム)からなる難燃剤を180質量部より大きい200質量部の割合で配合させ、ケーブル特性を調べた。その結果、伸び残率が75%より小さい73%となり、不合格となった。
実施例11と同様の樹脂組成物において、非ハロゲン難燃剤(イントメッセント難燃剤)からなる難燃剤を20質量部より小さい15質量部の割合で配合し、ケーブル特性を調べた。その結果、難燃性が不十分となり、不合格となった。
実施例5,6と同様の樹脂組成物において、脂肪酸からなる滑剤の含有率を0.1質量%より小さい0.07質量%とし、ケーブル特性を調べた。その結果、摩擦係数が0.25よりも大きい0.26となり、不合格となった。
実施例5,6と同様の樹脂組成物において、脂肪酸からなる滑剤の含有率を1質量%より大きい1.05質量%とし、ケーブル特性を調べた。その結果、外観に波打ちが見られ、不合格となった。
実施例7,8と同様の樹脂組成物において、脂肪酸誘導体からなる滑剤の含有率を0.1質量%より小さい0.07質量%とし、ケーブル特性を調べた。その結果、摩擦係数が0.25よりも大きい0.27となり、不合格となった。
実施例7,8と同様の樹脂組成物において、脂肪酸誘導体からなる滑剤の含有率を1質量%より大きい1.05質量%とし、ケーブル特性を調べた。その結果、外観に波打ちが見られ、不合格となった。
実施例14と同様の樹脂組成物において、フタル酸エステルからなる可塑剤の添加量を30質量部よりも少ない20質量部とし、ケーブル特性を調べた。その結果、伸び残率が75%より小さい74%となるとともに、デュロメーター硬さが適正範囲40〜60から逸脱した61となり、不合格となった。
実施例15と同様の樹脂組成物において、フタル酸エステルからなる可塑剤の添加量を60質量部よりも多い70質量部とし、ケーブル特性を調べた。その結果、摩擦係数が0.25よりも大きい0.27となるとともに、デュロメーター硬さが適正範囲40〜60から逸脱した39となり、不合格となった。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
1:光ファイバケーブル
2:光ファイバ心線(光ファイバの一例)
4:外被
6:凸部
Fi:フィラー

Claims (8)

  1. 樹脂組成物からなる外被で光ファイバが被覆されている、長手方向に直する断面が長方形を有する平型の光ファイバケーブルであって、
    前記樹脂組成物は、熱可塑性樹脂をベースとし、前記熱可塑性樹脂に対して、滑剤が含有され、さらに、粒子径が1μm以上15μm以下のシリカが0.1質量%以上10質量%以下の割合で添加され、前記シリカが、前記外被表面に露出している、
    光ファイバケーブル。
  2. 前記シリカは、二次粒子径が1μm以上15μm以下のゲル法シリカであり、表面に前記シリカが不規則に露出して凸部を形成している、
    請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記滑剤は、脂肪酸であり、前記熱可塑性樹脂に0.1質量%以上1質量%以下の割合で添加されている、
    請求項1または請求項2に記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記滑剤は、脂肪酸誘導体であり、前記熱可塑性樹脂に0.1質量%以上1質量%以下の割合で添加されている、
    請求項1または請求項2に記載の光ファイバケーブル。
  5. 前記滑剤は、シリコーンであり、前記熱可塑性樹脂に0.5質量%以上5質量%以下の割合で添加されている、
    請求項1または請求項2に記載の光ファイバケーブル。
  6. デュロメーター硬さが40以上60以下である、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
  7. 前記熱可塑性樹脂は、100質量部のポリオレフィン樹脂に、非ハロゲン系難燃剤を20質量部以上180質量部以下の割合で配合したものである、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
  8. 前記熱可塑性樹脂は、100質量部のポリ塩化ビニル樹脂に、可塑剤を30質量部以上60質量部の割合で配合したものである、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
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