(実施形態1)
回路を内蔵した電池型デバイスでは、回路を規定の形状に収納する分だけ蓄電部のサイズが小さくなり、供給可能な電力容量が少なくなる問題がある。そこで、2本以上の電池が同時に使用されることが多いことを利用して、1本目に制御機能の役割を担わせ、2本目以降は制御機能よりも電池容量の確保を重視して機能させる。以下の説明では、1本目の制御機能を担うデバイスを電池型デバイスと記し、2本目以降の電池容量の確保を担うデバイスをペアバッテリと記す。また、以下の説明では、電池型デバイスとペアバッテリをまとめて電池群と記す。
しかしながら、電池型デバイスとペアバッテリ(もしくは、通常の電池)が直列に接続される場合には、電池容量の少ない電池型デバイスの容量が先になくなってしまう。電池型デバイスの容量が先になくなった場合、電池群の出力電圧の急激な低下を発生させ、また、電池型デバイスの過放電や液漏れの原因となる。また、電池容量の多いペアバッテリを用意してもその電池容量の全部を使いきることができない。
そこで、本実施形態においては、ペアバッテリ内部のバッテリセルを2つに分けて、電池型デバイスの電池容量が先になくなった場合に、ペアバッテリ内部のバッテリセルの接続の切り替えを行う。また、電池型デバイスの電池容量が先になくなった場合には、電池型デバイスのバッテリセルを通電させない(短絡する)ように、電池型デバイス内で経路の切り替えを行う。このようにすることで、電池群の電圧の低下を防ぎ、過放電や液漏れを抑制する。
図1は、電池の一実施例の構成を図解した機能ブロック図である。図1において、電池1は、電源2、第1の系統3、第2の系統4、第1の切替部5、指示部6、判定部7、電流センサ8、加速度センサ9、及び送受信部10を含む。電池11は、第3の系統12、第4の系統13、及び第2の切替部14を含む。
電源2は、電力を供給する。
第1の系統3は、電源からの第1の電圧を出力する。
第2の系統4は、直列接続された外部の電池から入力された第2の電圧を出力する。
第1の切替部5は、第1の電圧に応じて、第1の系統3から第2の系統4に切り替えを行う。
指示部6は、第1の電圧に応じて、直列接続された外部の電池に対して、第3の電圧を出力する第3の系統から、第3の電圧よりも高い第4の電圧を出力する第4の系統に切り替えるように指示する。
判定部7は、外部の電池から、自電池の電極端子と接続されている外部の電池の電極端子の極性に関する情報を取得し、取得した極性に関する情報に基づいて、外部の電池との接続の形態を判定する。そして、第1の切替部5は、接続の形態が直列接続の場合、第1の系統3から第2の系統4に切り替えを行う。
電流センサ8は、電源から出力される電流を計測する。
加速度センサ9は、電池に加わる加速度を計測する。
送受信部10は、計測された電流と計測された加速度に基づいて電池を使用する機器の種類を推定し、推定された機器の種類に応じて電池の接続の形態を判定する情報処理装置に、計測された電流と加速度を送信し、判定された接続の形態を受信する。そして、第1の切替部5は、接続の形態が直列接続の場合、第1の系統3から第2の系統4に切り替えを行う。
第3の系統12は、第3の電圧を出力する。
第4の系統13は、第3の電圧よりも高い第4の電圧を出力する。
第2の切替部14は、直列接続された外部の電池の電圧値が所定の閾値以下の場合、第3の系統12から第4の系統13に切り替えを行う。また、第2の切替部14は、外部の電池により外部の電池の電圧値が所定の閾値以下であると判定された場合、外部の電池の指示に応じて、第3の系統12から第4の系統13に切り替えを行う。
情報処理装置15は、電流と加速度に基づいて電池を使用する機器の種類を推定し、推定された機器の種類に応じて電池の接続の形態を判定する。
図2は、バッテリセルの切り替えを説明する図である。図2(A)はペアバッテリのバッテリセルの切り替え前の状態を示す図であり、図2(B)はペアバッテリのバッテリセルの切り替え後の状態を示す図である。図2(A)及び図2(B)においては、電池型デバイス20とペアバッテリ21が直列に接続されている。
図2において、電池型デバイス20及びペアバッテリ21は、例えば、単3、単4電池(乾電池)、コイン電池、あるいは充電池等の形状をしている。また、電池型デバイス20及びペアバッテリ21は、物理エネルギーを電子情報に変換し、かつ電池型デバイス20及びペアバッテリ21を使用する親機器に電力を供給することができる。
電池型デバイス20は、バッテリセルB1、電圧センサ51、切替回路52を含む。電池型デバイス20においては2つの経路が存在し、ここでは、マイナス極からA、B、Dを通ってプラス極に至る経路をL1とし、マイナス極からA、C、Dを通ってプラス極に至る経路をL2とする。電圧センサ51は、バッテリセルB1の電圧を計測する。切替回路52は、電圧センサ51が計測した電圧値に応じて、経路L1と経路L2の接続を切り替えることができる。経路L2にはバッテリセルB1が含まれるが、経路L1にはバッテリセルB1は含まれない。尚、経路L1、L2には図2に示すように、それぞれマイナス極側からプラス極側に電流を流すダイオードが含まれる。
ペアバッテリ21は、バッテリセルB2、B3、及び切替回路53を含む。ペアバッテリ21においても2つの経路が存在し、ここでは、マイナス極からE、F、Hを通ってプラス極に至る経路をL3とし、マイナス極からE、G、Hを通ってプラス極に至る経路をL4とする。経路L3にはバッテリセルB2、B3が含まれ、バッテリセルB2とバッテリセルB3は直列に接続されている。一方、経路L4にはバッテリセルB3が含まれるが、バッテリセルB2は含まれない。切替回路53は、このような経路L3と経路L4の接続を、電池型デバイス20からの切替信号に応じて切り替えることができる。尚、経路L3、L4には図2に示すように、それぞれマイナス極側からプラス極側に電流を流すダイオードが含まれる。
電池型デバイス20の電池容量が十分ある場合には、図2(A)に示すように、電池型デバイス20のバッテリセルB1と、ペアバッテリ21のバッテリセルB3が使用される。これはすなわち、電池型デバイス20の経路L2、及びペアバッテリ21の経路L4が接続された状態である。そして、電池型デバイス20のバッテリセルB1の電圧が所定の閾値を下回ると、図2(B)に示すように、電池型デバイス20のバッテリセルB1からペアバッテリ21のバッテリセルB2へ通電が切り替わる。すなわち、電池型デバイス20の経路L1、及びペアバッテリ21の経路L3が接続された状態に切り替わる。
電池型デバイス20の接続経路がL2からL1に切り替わることにより、バッテリセルB1はペアバッテリから接続が切り離されるため、バッテリセルB1の過放電や液漏れを防ぐことができる。また、ペアバッテリ21の接続経路がL4からL3に切り替わることにより、バッテリセルB2とB3が直列に接続された状態となる。これにより、電池群の出力電圧の低下を防ぐことができる。
バッテリセルの容量は、バッテリセルB1+バッテリセルB2=バッテリセルB3の関係を満たすとする。このようにすると、ペアバッテリ21の電池容量は従来同様と仮定し従来の電池容量を100%とした場合に、バッテリセルB2+バッテリセルB3=100%が成り立つので、電池群の合計容量/2=(バッテリセルB1)/2+50%となる。例えば、バッテリセルB1の容量が従来の電池に比べ80%のときは、ペアバッテリ使用時の電池群の電池容量は、単に電池型デバイスを直列に接続する場合と比べ90%まで向上できる。
尚、バッテリセルB1は電源2の一例である。経路L1は第2の系統4の一例である。経路L2は第1の系統3の一例である。切替回路52は第1の切替部5の一例である。経路L3は第4の系統13の一例である。経路L4は第3の系統12の一例である。切替回路53は第2の切替部14の一例である。
次に、電池型デバイス20のハードウェア構成について説明する。図3は、電池型デバイス20のハードウェア構成の一例である。
電池型デバイス20は、バッテリセルB1、電圧センサ51、MPU(Micro Processing Unit)62、スイッチTr1、Tr2、プラス極側電力線通信部64、マイナス極側電力線通信部65、高周波ブロック回路66、及び負電源発生回路67を含む。ここで、電圧センサ51は、図2の電圧センサ51に対応する。また、スイッチTr1、Tr2、MPU62、及び負電源発生回路67は、図2の切替回路52の機能を提供する。尚、以下の説明では、プラス極側電力線通信部64及びマイナス極側電力線通信部65のプラス極側とマイナス極側を特に区別しない場合には単に電力線通信部64、65と記す場合がある。尚、MPU62は、指示部6、及び判定部7の一例である。また、MPU62は第1の切替部5の機能の一部を提供する。
電圧センサ51は、電池型デバイス20内のバッテリセルB1の電圧値を計測する。
MPU62は、電池型デバイス20の電圧値を監視し、電圧値が所定の閾値を下回った場合に、経路の切替を行うためにスイッチTr1、Tr2にオン・オフを切り替える信号を出力し、またペアバッテリ21に対して経路の切替信号を送信する。すなわちMPU62は、電圧センサ51が計測した電圧値を所定の時間間隔毎に取得し、電圧値が所定の閾値より小さいか否かを判定する。そして、MPU62は電圧値が所定の閾値より小さいと判定した場合には、スイッチTr2をオフにするためにスイッチTr2のベースに負電流が流れないように制御し、スイッチTr1をオンにするために負電源発生回路67に対して矩形波を出力する。それとともに、MPU62は、プラス極側電力線通信部64またはマイナス極側電力線通信部65を介して、ペアバッテリ21に経路の切替信号を送信する。尚、電圧値が所定の閾値を下回るまで(電圧値が所定の閾値以上である場合)は、MPU62はスイッチTr2のベースに負電流が流れるように制御し、スイッチTr2をオンの状態とする。尚、電圧値の判定に用いる所定の閾値は、MPU62の所定の記憶領域に格納される。
さらに、MPU62は、ペアバッテリ21との接続状態の取得処理を行う。すなわち、MPU62は、ペアバッテリ21と接続されていないのか、直列に接続されているのか、並列に接続されているのかの状態を取得する。
尚、MPU62の駆動電力は、バッテリセルB1より提供される。バッテリセルB1の容量が少なくなり、経路の切り替えが発生しても、バッテリセルB1からの電力は供給されるものとする。また、例えば、ポイント(L)とポイント(K)を接続し、ダイオードにより(L)から(K)の向きに電流を流すようにすることにより、経路の切り替えが発生した場合に、MPU62はペアバッテリ21から電力を供給されるようにしてもよい。
スイッチTr1、Tr2は、PNPトランジスタにより構成され、ベースに基準電圧より低い電圧が加えられることによりベースに負電流が流れ、その結果コレクタ−エミッタ間に電流が流れスイッチがオンの状態となる。以下の説明では、MPU62がスイッチTr1をオンにするとは、具体的にはMPU62はスイッチTr1のベースに負電流が流れるように制御することを指し、スイッチTr1をオフにするとは、スイッチTr1のベースに負電流が流れないようにすることを指す。これは、スイッチTr2も同様であり、後ほど説明するスイッチTr3、Tr4も同様である。尚、スイッチTr1、Tr2、Tr3、Tr4は、PNPトランジスタに限定されない。例えば、スイッチTr1、Tr2、Tr3、Tr4は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor - Field Effect Transister)等、スイッチング機能を有する素子であればよい。その場合MPU62はトランジスタの種類に応じてスイッチングの制御を行う。
スイッチTr1、Tr2は、MPU62からの切替指示に応じて、プラス極とマイナス極の間にバッテリセルB1を通電させるか、バッテリセルB1を通電させない(短絡する)のかを切り替える。スイッチTr2がMPU62によりベースに負電流が流れるように制御され、スイッチTr1のベースに負電流が流れない場合は、スイッチTr2がオンでスイッチTr1がオフ、すなわち、バッテリセルB1が通電された状態となる。一方、スイッチTr1のベースに負電流が流れるように制御され、スイッチTr2のベースに負電流が流れない場合には、スイッチTr1がオンでスイッチTr2がオフ、すなわち、バッテリセルB1が通電しない状態となる。
電力線通信部64、65は、直流PLC(Power Line Communication)もしくはそれと同等の通信機能を持ち、電力線を通じてペアバッテリ21と通信する。電力線通信部64、65は、MPU62からペアバッテリ21に対する通信データを受信すると、電力線を介して通信可能な形式に変換して(アナログ信号に変換して)、ペアバッテリ21に送信する。また、ペアバッテリ21から通信データを受信した場合には、通信データを通信可能な形式に変換される前の状態に戻し(デジタル信号に変換し)、MPU62に転送する。尚、電力線通信部64、65は、各々が独立して通信が可能である。電力線通信部64は、例えばPLC回路により実現されるが、これに限定されない。例えば、電流に信号を重畳させてペアバッテリと通信可能なものであれば種々の方法が用いられてよい。また、電池型デバイス20とペアバッテリ21の通信は、無線通信などペアバッテリと通信可能なものにより実現してもよい。
高周波ブロック回路66は、電力線通信信号が隣接する電池型デバイス20やペアバッテリ21以外に伝わらないようにするための回路である。
負電源発生回路67は、MPU62がスイッチTr1をオンにするために出力した矩形波を入力とし、マイナス極より低い電圧を生成してスイッチTr1に出力する(スイッチTr1のベースに負電流が流れるようにする)ものである。スイッチTr1は電流の向き等からPNPトランジスタとなるが、PNPトランジスタは基準より低い電圧を受けることにより電流が流れ、スイッチTr1がオンの状態となる。本実施形態では、トランジスタの基準電圧は電池のマイナスの電圧となる。尚、負電源発生回路67は、切り替え時に瞬断を起こさないようにするために、コンデンサを持つ。
次に、電力線通信部64、65の一例であるPLC回路について説明する。図4は、PLC回路の構成の一例である。図4のポイント(J)は、図3の(J)に対応し、MPU71は、図3のMPU62に対応する。(J)から入力されたアナログ信号は、コンデンサC1、フィルタ73、PGA(Programmable Gain Amplifier)74、ADC(Analog-to-Digital Converter)75の順に入力されることにより、デジタル信号に変換され、MPU71に出力される。また、MPU71から出力されたデジタル信号は、DAC(Digital to Analog Converter)76、フィルタ77、PGA78、コンデンサC2の順に入力されることにより、アナログ信号に変換され、(J)から出力される。尚、フィルタ73、77は、信号に含まれる不要な周波数成分を除く(例えば、低周波をカットする)処理を行う。PGA74、78は、信号を増幅する。ADC75は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。DAC76は、デジタル信号をアナログ信号に変換する。直流PLCを介して電池型デバイス20とペアバッテリ21間の情報の送受信を行うことで、情報の送受信機能を実現するためのスペースを削減することができ、電池容量を増やすことができる。
次に、高周波ブロック回路66の構成について説明する。図5は、高周波ブロック回路66の構成の一例である。図5のポイント(H)、(I)は、それぞれ図3の(H)、(I)に対応している。図5に示すように、高周波ブロック回路は、コイルにより高周波がブロックされる。
次に、負電源発生回路67の構成について説明する。図6は、負電源発生回路67の構成の一例である。負電源発生回路67において、コンデンサC3、C4、ダイオードD1、D2、及び抵抗R1は、図6に示すように接続される。このように構成することで、MPUから矩形波が入力された場合、スイッチTr1(トランジスタのベース)に負電流が流れることとなり、スイッチTr1がオンの状態となる。
次に、ペアバッテリ21のハードウェア構成について説明する。図7は、ペアバッテリ21のハードウェア構成の一例である。
ペアバッテリ21は、バッテリセルB2、B3、プラス極側電力線通信部81、マイナス極側電力線通信部82、MPU83、スイッチTr3、Tr4、高周波ブロック回路84、及び負電源発生回路85を含む。尚、以下の説明では、プラス極側電力線通信部81及びマイナス極側電力線通信部82のプラス極側とマイナス極側を特に区別しない場合には単に電力線通信部81、82と記す場合がある。
電力線通信部81、82は、直流PLCもしくはそれと同等の通信機能を持ち、電力線を介して電池型デバイス20と通信する。電力線通信部81、82は、電池型デバイス20から通信データを受信し、受信した通信データを復号化し(デジタル信号に変換し)、MPU83に転送する。また、電力線通信部81、82は、MPU83から電池型デバイス20に対する通信データを受信すると、電力線を介して通信可能な形式に変換して(アナログ信号に変換して)、電池型デバイス20に送信する。尚、電力線通信部81、82は、各々が独立して通信が可能である。また、電力線通信部81、82の構成は、図4を参照して説明したものと同様である。
MPU83は、電力線通信部81、82を介して電池型デバイス20からの切替信号を受信し、経路の切替を行うためにスイッチTr3、Tr4にオン・オフを切り替える信号を出力する。すなわちMPU83は、電池型デバイス20から切替信号を受信すると、スイッチTr3をオフにし、スイッチTr4をオンの状態にする。尚、電池型デバイス20から切替信号を受信するまでは、MPU83は負電源発生回路85に矩形波を出力して、スイッチTr3をオンの状態にしておく。
尚、MPU83の駆動電力は、バッテリセルB2より提供される。経路の切り替え前であっても、バッテリセルB2からの電力は供給されるものとする。また、例えば、ポイント(L)とポイント(K)を接続し、ダイオードにより(L)から(K)の向きに電流を流すようにすることにより、経路の切り替えが発生した場合に、MPU83はバッテリセルB3から電力を供給されるようにしてもよい。尚、MPU83は第2の切替部14の機能の一部を提供する。
スイッチTr3、Tr4は、MPU83からの切替指示に応じて、プラス極とマイナス極の間にバッテリセルB2が通電されない場合と、バッテリセルB2とバッテリセルB3が直列に接続される場合とを切り替える。スイッチTr3がオフでスイッチTr4がオンの場合は、バッテリセルB2とバッテリセルB3が直列に接続される状態となる。一方、スイッチTr3がオンでスイッチTr4がオフの場合は、プラス極とマイナス極の間にバッテリセルB2が通電されない状態となる。
高周波ブロック回路84、負電源発生回路85は、それぞれ電池型デバイス20の高周波ブロック回路66、負電源発生回路67と同様である。ただし、負電源発生回路85は、MPU83から矩形波が入力された場合、スイッチTr3のベースに負電流を流すように動作する。高周波ブロック回路84、負電源発生回路85の構成は、それぞれ、図5を参照して説明した高周波ブロック回路、図6を参照して説明した負電源発生回路の構成である。
上記の図2〜図7における説明は、電池型デバイス20とペアバッテリ21が直列に接続される場合における説明である。しかしながら例えば、電池型デバイス20とペアバッテリ21が並列に接続される場合には、電池型デバイス20は、電圧が所定の閾値を下回った場合でも経路の切替動作を行わない。このように、電池型デバイス20とペアバッテリ21の接続の形態に応じて、電圧が所定の閾値を下回った場合の動作が異なる。そこで、本実施形態では、先ず電池型デバイス20は、初期設定として、ペアバッテリ21との接続状態を判定する処理(接続状態判定処理)を行う。
接続状態判定処理においては、電池型デバイス20のMPU62は、各々の極にペアバッテリ21のどちらの極が接続されているのかを電力線通信部64、65を用いて問い合わせることで、ペアバッテリ21との接続状態を判定する。
具体的には、先ず、電池型デバイス20のMPU62がペアバッテリ21に対して識別情報の問い合わせを行う。ここで、ペアバッテリの識別情報とは、ペアバッテリ21を一意に識別するための識別情報である。ペアバッテリ21のMPU83は、識別情報の問合せを受けると、自身の識別情報と、問い合わせを受信した電力線通信部がプラス側かマイナス側のどちらの電力線通信部かを示す極情報と、を電池型デバイス20に返答(返信)する。電池型デバイス20は、識別情報の問い合わせに対するペアバッテリからの返答に基いて接続状態を判定する。
電池型デバイス20のプラス極にペアバッテリ21のマイナス極が接続されていると判定した場合、または、電池型デバイス20のマイナス極にペアバッテリ21のプラス極が接続されていると判定した場合は、MPU62は、直列接続であると判定する。また、電池型デバイス20のプラス極にペアバッテリ21のプラス極が、電池型デバイス20のマイナス極にペアバッテリ21のマイナス極が接続されていると判定した場合には、MPU62は、並列接続であると判定する。また、電池型デバイス20のプラス極及びマイナス極にペアバッテリ21のいずれの極も接続されていないと判定した場合には、電池型デバイス単体で使用されているとMPU62は判定する。また、例えば、電池型デバイス20のプラス極がペアバッテリ21のプラス極に接続されており、他方の極が接続されていないと判定した場合は、MPU62は接続状態が異常であると判定してもよい。同様に、例えば、電池型デバイス20のマイナス極がペアバッテリ21のマイナス極に接続されており、他方の極が接続されていないと判定した場合は、MPU62は接続状態が異常であると判定してもよい。さらに、電池型デバイス20の両方の極がペアバッテリ21の同じ極に接続されていると判定した場合は、MPU62は接続状態が異常であると判定してもよい。
本実施形態においては、電力線通信部64、65を介した電池型デバイス20とペアバッテリ21の通信は、接続判定処理及び切替処理時に発生する。つぎに、これらの通信において電池型デバイス20とペアバッテリ21でやりとりされるデータ(通信データ)のデータ形式について説明する。図8は、通信データの構成の一例を示す。
図8において、通信データ90は、識別情報91、制御情報92、ペイロード93、エラー訂正情報94を含む。
識別情報91は、通信データ90の送信元を一意に識別するための情報である。例えば、電池型デバイス20またはペアバッテリ21のシリアル番号などの情報が格納される。
制御情報92は、通信データ90の種別を示す情報である。通信データ90の種別には、接続状態判定処理において電池型デバイス20から送信される問い合わせを示す「問い合わせ」、その「問い合わせ」に対するペアバッテリからの返答を示す「返答」がある。さらに、通信データ90の種別には、切り替え処理時に電池型デバイスから送信される切替信号を示す「切替」がある。電池型デバイス20またはペアバッテリ21は、通信データを受信すると、制御情報92を確認することで、通信データ90の種別を判定する。
ペイロード93は、制御情報92が示す通信データ90の種別に応じた内容が格納される。制御情報92が「問い合わせ」である場合には、何も格納されない。制御情報92が「返答」である場合には、「問い合わせ」の通信データ90を受信した電力線通信部がプラス側かマイナス側のどちらの電力線通信部かを示す極情報が格納される。制御情報92が「切替」である場合には、どのスイッチをオンにし、どのスイッチをオフにするかの情報が格納される。
エラー訂正情報94は、例えば、パリティなどのエラー訂正符号が格納される。尚、エラー訂正情報94は、設計仕様に応じて、あってもよいし、なくてもよい。
識別情報の問い合せを行う場合は、MPU62は、通信データ90の識別情報に自身の識別情報を、制御情報92に「問い合わせ」を設定して送信する。また、「問い合わせ」に対して返信する場合には、MPU62は、通信データ90の識別情報に自身の識別情報を、制御情報92に「返答」を、ペイロード93に極情報を設定して送信する。また、切替信号を送信する場合には、MPU62は、通信データ90の識別情報に自身の識別情報を、制御情報92に「切替」を、ペイロード93に、どのスイッチをオンにし、どのスイッチをオフにするかの情報を設定して送信する。
次に、接続状態判定処理の動作フローについて説明する。図9は、電池型デバイス20の接続状態判定処理の処理内容を図解したフローチャートである。
図9の処理が開始されると、先ず、電池型デバイス20のMPU62は、プラス極側電力線通信部64から、ペアバッテリ21の識別情報を問い合わせる(S101)。識別情報の問合せにおいては、MPU62は、通信データ90の識別情報に自身の識別情報を、制御情報92に「問い合わせ」を設定して送信する。
ペアバッテリ21のMPU83は、識別情報の問合せを受けると、自身の識別情報と、受信した電力線通信部がプラス側かマイナス側のどちらの電力線通信部かを示す極情報と、を電池型デバイス20に返答(返信)する。ここで、ペアバッテリ21は問合せを受信した電力線通信部を介して返答(返信)を行うものとする。すなわち、極情報は問合せに対して返答した電力線通信部の極の情報であるともいえる。具体的には、MPU83は、通信データ90の識別情報91に自身の識別情報を、制御情報92に「返答」を、ペイロード93に極情報を設定して送信する。
電池型デバイス20のMPU62は、S101の問合せに対する返答を受信すると、受信した極情報に基いて、ペアバッテリ21がプラス極側電力線通信部81で返答したか否かを判定する(S102)。これはすなわち、電池型デバイス20のプラス極にペアバッテリ21のプラス極が接続されているのか否かを判定する処理である。MPU62は、ペアバッテリ21がプラス極側電力線通信部81で返答したと判定した場合(S102でYes)、マイナス極側電力線通信部65から、ペアバッテリ21の識別情報を問い合わせる(S103)。この識別情報の問合せを受けると、ペアバッテリ21のMPU83は、自身の識別情報と、受信した電力線通信部がプラス側かマイナス側のどちらの電力線通信部かを示す極情報と、を電池型デバイスに返答(返信)する。ここでもS101と同様に、ペアバッテリ21は問合せを受信した電力線通信部を介して返答(返信)を行うものとする。
電池型デバイス20のMPU62は、S103の問合せに対する返答を受信すると、受信した極情報に基いて、ペアバッテリ21がマイナス極側電力線通信部82で返答したか否かを判定する(S104)。これはすなわち、電池型デバイス20のマイナス極にペアバッテリ21のマイナス極が接続されているのか否かを判定する処理である。MPU62は、ペアバッテリ21がマイナス極側電力線通信部82で返答したと判定した場合(S104でYes)、電池型デバイス20とペアバッテリ21は並列に接続されていると判定する(S105)。そして処理は終了する。
S104においてMPU62は、ペアバッテリ21がマイナス極側電力線通信部82で返答していないと判定した場合(S104でNo)、電池型デバイス20とペアバッテリ21の接続状態は異常であると判定する(S106)。言い換えると、S104においてMPU62は、ペアバッテリ21がプラス極側電力線通信部81で返答したと判定した場合、電池型デバイス20とペアバッテリ21の接続状態は異常であると判定する。そして処理は終了する。
S104においてS103の問合せに対する返答がない場合(S104で返答なし)は、MPU62は、電池型デバイス20とペアバッテリ21の接続状態は異常であると判定する(S106)。そして処理は終了する。
S102において、S101の問合せに対する返答がない場合(S102で返答なし)、MPU62は、マイナス極側電力線通信部65から、ペアバッテリ21の識別情報を問い合わせる(S107)。ペアバッテリ21のMPU83は、識別情報の問合せを受けると、自身の識別情報と、受信した電力線通信部がプラス側かマイナス側のどちらの電力線通信部かを示す極情報と、を電池型デバイス20に返答(返信)する。ここでもS101と同様に、ペアバッテリ21は問合せを受信した電力線通信部を介して返答(返信)を行うものとする。
電池型デバイス20のMPU62は、S107の問合せに対する返答を受信すると、受信した極情報に基いて、ペアバッテリ21がマイナス極側電力線通信部82で返答したか否かを判定する(S108)。これはすなわち、電池型デバイス20のマイナス極にペアバッテリ21のマイナス極が接続されているのか否かを判定する処理である。MPU62は、ペアバッテリ21がマイナス極側電力線通信部82で返答したと判定した場合(S108でYes)、電池型デバイス20とペアバッテリ21の接続状態は異常であると判定する(S106)。そして処理は終了する。
S108において、S107の問合せに対する返答がない場合(S108で返答なし)、MPU62は電池型デバイス20が単体で使用されていると判定する(S109)。そして処理は終了する。
S108において、MPU62は、ペアバッテリ21がマイナス極側電力線通信部82で返答していないと判定した場合(S108でNo)、電池型デバイス20とペアバッテリ21は直列に接続されていると判定する(S110)。言い換えると、S108において、MPU62は、ペアバッテリ21がプラス極側電力線通信部81で返答したと判定した場合、電池型デバイス20とペアバッテリ21は直列に接続されていると判定する。そして処理は終了する。
S102において、MPU62は、ペアバッテリ21がプラス極側電力線通信部81で返答していないと判定した場合(S102でNo)、電池型デバイス20とペアバッテリ21は直列に接続されていると判定する(S110)。言い換えると、S102において、MPU62は、ペアバッテリ21がマイナス極側電力線通信部82で返答したと判定した場合、電池型デバイス20とペアバッテリ21は直列に接続されていると判定する。そして処理は終了する。
図10は、ペアバッテリの接続状態取得処理の処理内容を図解したフローチャートである。
図10において、ペアバッテリ21のMPU83は、電力線通信部81、82を介して、図9のS101、S103、またはS107で送信された電池型デバイスからの識別情報の問合せを受信する(S201)。するとMPU83は、自身の識別情報と、受信した電力線通信部がプラス側かマイナス側のどちらの電力線通信部かを示す極情報とを含む情報を電池型デバイス20に返答(返信)する(S202)。そして処理は終了する。尚、図10の処理は、電池型デバイス20から識別情報の問合せを受信する毎に繰り返される。
図9及び図10を参照して説明したように接続状態を取得すると、電池型デバイス20のMPU62は、接続状態に応じて電圧の監視と接続の切り替え処理を行うか否かを決定する。具体的には、並列接続の場合、接続状態が異常である場合、もしくは電池型デバイス単体で使用している場合は、MPU62は電圧の監視及び切り替え処理を行わないようにする。直列接続である場合は、MPU62は電圧を監視して、電圧値が所定の閾値を下回ったら切り替え処理を行う。
次に電池型デバイス20の電圧監視と切り替え処理の動作フローについて説明する。図11は、電池型デバイス20の電圧監視と切り替え処理の処理内容を図解したフローチャートである。
図11においては、先ず、電池型デバイス20のMPU62は、電圧値を定期的に監視して、電圧降下を検出したか否かを判定する(S301)。具体的には、MPU62は、所定の時間間隔で電圧センサ51から電圧値を取得し、取得した電圧値が所定の閾値より小さいか否かを判定する。そして電圧値が所定の閾値より小さいと判定した場合、MPU62は電圧降下を検出する。電圧降下を検出しない場合(S301でNo)、すなわち、電圧値が所定の閾値以上である場合は、S301の処理が繰り返される。
S301において電圧降下を検出した場合(S301でYes)、MPU62は電力線通信部64、65を介してペアバッテリ21に切替信号を送信する(S302)。
次に、MPU62は、スイッチTr2をオフにする(S303)。
次に、MPU62は、スイッチTr1をオンにする(S304)。そして、処理は終了する。
次にペアバッテリ21の切り替え処理の動作フローについて説明する。図12は、ペアバッテリ21の切り替え処理の処理内容を図解したフローチャートである。
図12においては、先ず、ペアバッテリ21のMPU83は、電池型デバイス20から切替信号を受信する(S401)。この切替信号は、図11のS302において電池型デバイス20のMPU62が送信した切替信号である。
次に、MPU83は、スイッチTr3をオフにする(S402)。
次に、MPU83は、スイッチTr4をオンにする(S403)。そして、処理は終了する。
(実施形態2)
実施形態1では、電池型デバイスとペアバッテリが直列に接続された場合の例を説明した。これに対して実施形態2では、電池型デバイスとペアバッテリが3つ以上直列に接続される場合を説明する。
図13は、電池型デバイス20とペアバッテリ21を3つ直列に接続した場合の構成の一例である。図13においては、電池型デバイス20にペアバッテリ21aが直列に接続され、ペアバッテリ21aにペアバッテリ21bが直列に接続されている。
電池型デバイス20、ペアバッテリ21a、21bの構成は実施形態1で説明したものと同様である。電池型デバイス20とペアバッテリ21aの動作については、実施形態1で説明したのと同様の動作となる。一方、ペアバッテリ21bについては、電池型デバイス20の電池容量に関わらず、経路の切替動作は行われない。
図13(A)は、電池型デバイス20の電圧が低下するまでの状態を示している。それに対し、図13(B)は、電池型デバイス20の電圧が低下し、切替処理が行われた後の状態を示している。
電池型デバイス20の電池容量が十分ある場合には、図13(A)に示すように、電池型デバイス20のバッテリセルB1と、ペアバッテリ21aのバッテリセルB3aと、ペアバッテリ21bのバッテリセルB3bが使用される。これはすなわち、電池型デバイスの経路L2、ペアバッテリ21aの経路L4、及びペアバッテリ21bの経路L4が接続された状態である。そして、電池型デバイス20のバッテリセルB1の電圧が所定の閾値を下回ると、図13(B)に示すように、電池型デバイス20のバッテリセルB1からペアバッテリ21aのバッテリセルB2aへ通電が切り替わる。すなわち、電池型デバイス20の経路L1、ペアバッテリ21aの経路L3、及びペアバッテリ21bの経路L4が接続された状態に切り替わる。このように、電池型デバイスのバッテリセルB1の電圧が閾値を下回った場合でも、バッテリセル21bの経路は切り替わらない。
図13では、電池型デバイスに2つのペアバッテリが直列に接続される例を示したが、ペアバッテリが3つ以上直列に接続される場合も、3つ目以降に接続されるペアバッテリは2つ目に接続されるペアバッテリ21bと同様の動作となる。すなわち、電池型デバイス20の電圧値が所定の閾値を下回ったとしても、経路の切り替えは発生しない。つまり、2つ目以降に接続されるペアバッテリは、バッテリセルB3のみ使用され、バッテリセルB2は使用されない。ここで、電池型デバイスに直接接続されるペアバッテリ21aの高周波ブロック回路により、2つ目の以降のペアバッテリには、電力線通信の信号が到達しないので、2つ目以降のペアバッテリには切り替え信号は到達しない。
このように、2つ以上のペアバッテリが電池型デバイス20に直列に接続される場合には、電池容量は、電池型デバイスに1つのペアバッテリが直列接続される場合と同じ程度まで向上する。
(実施形態3)
実施形態3では、実施形態1で説明した電池型デバイス20とペアバッテリ21を並列に接続した場合の例を説明する。図14は、電池型デバイス20とペアバッテリ21を並列に接続した場合の構成の一例を示す。
電池型デバイス20は、図9及び図10を参照して説明した接続状態判定処理を行って、並列に接続されていることを判定する。そして、電池型デバイス20とペアバッテリ21が並列に接続されていると判断した場合、電池型デバイス20は、実施形態1で説明した電圧の監視及び切替処理は行わない。
よって、並列接続の場合、電池型デバイス20のバッテリセルB1と、ペアバッテリ21のバッテリセルB3が常に使用され、ペアバッテリ21のバッテリセルB2が使用されることはない。これは、並列接続の場合は、バッテリセルB1とバッテリセルB3の容量は同時になくなることから、過放電や液漏れは発生しないためである。
一方電池容量は、電池型デバイス20にペアバッテリ21を並列に接続することにより、(バッテリセルB1+バッテリセルB2)まで向上できる。
(実施形態4)
実施形態4は、一つの電池型デバイスに複数のバッテリセルとバッテリセルの切替回路とを設け、その電池型デバイスを直列接続した場合の例である。
図15は、実施形態4における直列接続された複数の電池型デバイスの構成の一例を示す。図15において、電池型デバイス56aと電池型デバイス56bが直列に接続されている。
電池型デバイス56aは、バッテリセルB1、B3、電圧センサ57a、切替回路58aを含む。電池型デバイス56aにおいては3つの経路が存在し、ここでは、マイナス極からA、B、Cを通ってプラス極に至る経路をL1とし、マイナス極からA、B、Dを通ってプラス極に至る経路をL2とする。また、マイナス極からA、Eを通ってプラス極にいたる経路をL3とする。切替回路58aは、電圧センサ57aが検出した電圧値に応じて、経路L1、経路L2、及び経路L3の接続を切り替えることができる。経路L1には、バッテリセルB1及びバッテリセルB3が含まれ、このバッテリセルB1とバッテリセルB3は直列に接続される。経路L2にはバッテリセルB3が含まれるが、バッテリセルB1は含まれない。経路L3は、いずれのバッテリセルB1、B3も含まれない。尚、経路L1には図15に示すように、マイナス極側からプラス極側に電流を流すダイオードが含まれる。
電池型デバイス56bは、電池型デバイス56aと同様の構成である。ただし、切替回路58bは、経路L1、L2、L3の接続を、電池型デバイス56aからの切替信号に応じて切り替える。
次に、複数の電池型デバイスのバッテリセルの使用状況について説明する。図16は、各バッテリセルの状態と、バッテリセルの切り替えの状態の関係を説明するための図である。
図16に示すように、初期状態においては、電池型デバイス56aのバッテリセルB1とバッテリセルB3が使用され、電池型デバイス56bのバッテリセルは使用されない。すなわち、初期状態においては、電池型デバイス56aの経路L1と電池型デバイス56bの経路L3が接続された状態となる。
電池が消費され電池型デバイス56aのバッテリセルB1の容量がなくなった場合、電池型デバイス56aのバッテリセルB3と電池型デバイス56bのバッテリセルB3が使用される。すなわち、電池型デバイス56aの経路L2と電池型デバイス56bの経路L2が接続された状態に切り替わる。
さらに電池が消費され電池型デバイス56aのバッテリセルB3の容量がなくなった場合、電池型デバイス56aのバッテリセルは使用されず、電池型デバイス56bのバッテリセルB1とバッテリセルB3が使用される。すなわち、電池型デバイス56aの経路L3と電池型デバイス56bの経路L1が接続された状態に切り替わる。
尚、電池型デバイス56aのバッテリセルB1またはバッテリセルB2の容量がなくなった場合の検出は、電池型デバイス56aの電圧センサ57aが検出した電圧値が所定の値の範囲内か否かに基づいて行われる。
尚、バッテリセルの容量の条件は、バッテリセルB1<バッテリセルB3となり、合計容量は、バッテリセルB1+バッテリセルB3となる。
次に、電池型デバイス56a、56bのハードウェア構成について説明する。図17は、実施形態4における電池型デバイス56a、56bのハードウェア構成の一例である。電池型デバイス56aと電池型デバイス56bでハードウェア構成は同じであるが、動作が異なるため、先ず電池型デバイス56aについて説明し、その後電池型デバイス56bについて説明する。
電池型デバイス56aは、バッテリセルB1、B3、電圧センサ501、MPU502、スイッチTr1、Tr2、Tr3、Tr4を含む。さらに、電池型デバイス56aは、プラス極側電力線通信部503、マイナス極側電力線通信部504、高周波ブロック回路505、及び負電源発生回路506a、506bを含む。ここで、電圧センサ501は、図16の電圧センサ57a、57bに対応する。また、MPU502、スイッチTr1、Tr2、Tr3、Tr4、及び負電源発生回路506a、506bは、図16の切替回路58a、58bに対応する。
プラス極側電力線通信部503、マイナス極側電力線通信部504、高周波ブロック回路505は、それぞれ、図3のプラス極側電力線通信部64、マイナス極側電力線通信部65、高周波ブロック回路66と同様である。また、負電源発生回路506a、506bは、図3の負電源発生回路67と同様である。
電圧センサ501は、電池型デバイス56aのプラス極とマイナス極の間の電圧を計測する。
MPU502は、初期状態(経路L1の状態)においては、スイッチTr2及びスイッチTr4をオンの状態とする。そして、MPU502は、電池型デバイス56aの電圧値を監視し、電圧値に応じて、経路の切替を行うために、スイッチTr1、Tr2、Tr3、Tr4にオン・オフを切り替える信号を出力する。それとともに、MPU502は、電池型デバイス56bに対して経路の切替信号を送信する。
すなわちMPU502は、電圧センサ501が計測した電圧値を所定の時間間隔毎に取得し、電圧値が所定の閾値T1から所定の閾値T2の間か否かを判定する(T1<T2)。MPU502は電圧値が所定の閾値T1から所定の閾値T2の間であると判定した場合には、スイッチTr1をオン、スイッチTr2をオフにし、スイッチTr4に対してはオンの状態を保つように制御する。このスイッチの切り替えは、経路L1から経路L2に切り替える動作を示している。尚、閾値T1及び閾値T2はMPU502の所定の記憶領域に格納される。
電池型デバイス56a内のスイッチの切り替え動作とともに、MPU502は、プラス極側電力線通信部503またはマイナス極側電力線通信部504を介して、電池型デバイス56bに経路をL2に切り替えるように切替信号を送信する。この切替信号は、図8で説明した通信データ90を用いて行われる。通信データ90において、識別情報91に電池型デバイス56aの識別情報が、制御情報92に切替信号であることを示す「切替」が、ペイロード93に電池型デバイス56bの切り替え対象のスイッチを示す情報がそれぞれ格納される。ここで、切り替え対象のスイッチは、スイッチTr1をオン、スイッチTr3をオフ、スイッチTr4をオンにすることを示す情報が格納される。
経路がL2の状態においてもMPU502は、電圧センサ501が計測した電圧値を所定の時間間隔毎に取得し、電圧値が所定の閾値T1より小さいか否かを判定する。MPU502は電圧値が所定の閾値T1より小さいと判定した場合には、スイッチTr3をオンにし、スイッチTr1及びスイッチTr4をオフにする。このスイッチの切り替えは、経路L2から経路L3に切り替える動作を示している。
電池型デバイス56a内のスイッチの切り替え動作とともに、MPU502は、プラス極側電力線通信部503またはマイナス極側電力線通信部504を介して、電池型デバイス56bに経路をL1に切り替えるように切替信号を送信する。この切替信号は、通信データ90を用いて行われ、通信データ90の識別情報91に電池型デバイス56aの識別情報が、制御情報92に「切替」が、ペイロード93に電池型デバイスの切り替え対象のスイッチを示す情報がそれぞれ格納される。ここで、切り替え対象のスイッチは、スイッチTr1をオフ、スイッチTr2をオンにすることを示す情報が格納される。
次に、電池型デバイス56bのハードウェア構成について説明する。
電池型デバイス56bの構成は、電池型デバイス56aと同様であるが、電池型デバイス56aから切替信号を受けて、経路の切替を行う点が電池型デバイス56aとは異なる。
電池型デバイス56bのMPU502は、電力線通信部503、504を介して電池型デバイス56aからの切替信号を受信し、経路の切替を行うためにスイッチTr1、Tr2、Tr3、Tr4にオン・オフを切り替える信号を出力する。ここで、切替信号は、通信データ90であって、その制御情報92が「切替」となっているものである。電池型デバイス56bのMPU502は、電池型デバイス56aから切替信号を受信すると、切替信号のペイロード93を参照し、切替対象のスイッチを確認する。そして、確認した切替対象のスイッチを切り替える。
次に電池型デバイス56aの電圧監視と切り替え処理の動作フローについて説明する。図18は、電池型デバイス56aの電圧監視と切り替え処理の処理内容を図解したフローチャートである。
図18においては、先ず、電池型デバイス56aのMPU502は、所定の時間間隔で電圧センサ501から電圧値を取得する(S601)。そして、MPU502は、S601で取得した電圧値が所定の閾値T1から所定の閾値T2の間にあるか否かを判定する(S602)。電圧値がT1からT2の間にないと判定した場合(S602でNo)、MPU502はS601の処理を繰り返す。
S602において電圧値がT1からT2の間にあると判定した場合(S602でYes)、MPU502は電力線通信部503、504を介して電池型デバイス56bに切替信号を送信する(S603)。この切替信号では、電池型デバイス56bに対してスイッチTr1をオン、スイッチTr3をオフ、スイッチTr4をオンにするように指示される。
次に、MPU502は、スイッチTr2をオフにする(S604)。
次に、MPU502は、スイッチTr1をオンにする(S605)。S604、S605により、電池型デバイス56aの経路がL1からL2に切り替わることとなる。
次に、MPU502は、所定の時間間隔で電圧センサ501から電圧値を取得する(S606)。そして、MPU502は、S606で取得した電圧値が所定の閾値T1より小さいか否かを判定する(S607)。電圧値がT1以上であると判定した場合(S607でNo)、MPUはS606の処理を繰り返す。
S607において電圧値がT1より小さいと判定した場合(S607でYes)、MPU502は、電力線通信部503、504を介して電池型デバイス56bに切替信号を送信する(S608)。この切替信号では、電池型デバイス56bに対して、スイッチTr1をオフ、スイッチTr2をオンにすることが指示される。
次に、MPU502は、スイッチTr1をオフにする(S609)。
次に、MPU502は、スイッチTr4をオフにする(S610)。
次に、MPU502は、スイッチTr3をオンにする(S611)。S609、S610、S611により、電池型デバイス56aの経路がL2からL3に切り替わることとなる。そして、処理は終了する。
次に電池型デバイス56bの切り替え処理の動作フローについて説明する。図19は、電池型デバイス56bの切り替え処理の処理内容を図解したフローチャートである。
図19においては、先ず、電池型デバイス56bのMPU502は、電池型デバイス56aから切替信号を受信する(S701)。この切替信号は、図18のS603及びS608において電池型デバイス56aが送信した切替信号である。
次に、MPU502は、切替信号、すなわち制御情報92が「切替」である通信データ90のペイロード93を参照し、切替対象のスイッチを確認する(S702)。
次に、MPU502は、切替信号でオフにするよう指定されたスイッチをオフにする(S703)。
次に、MPU502は、切替信号でオンにするよう指定されたスイッチをオンにする(S704)。そして、処理は終了する。
尚、実施形態4における接続状態取得処理は、ペアバッテリが電池型デバイス56bである点を除いては実施形態1と同様である。
(実施形態5)
実施形態1においては、電池型デバイスとペアバッテリの接続状態の判定は、図9及び図10のフローチャートで示されるような接続状態判定処理により行った。これに対して実施形態5では、電池型デバイスが何に入っているか(電池型デバイスにより電力の供給を受ける機器、以下親機器と記す)を判定することにより、電池型デバイスとペアバッテリの接続状態を判定する。尚、電圧の監視と切り替え処理については、実施形態1で説明したものと同様である。
図20は、実施形態5に係る電池型デバイスの構成の一例を示す。図3で説明した電池型デバイス20との違いは、電池型デバイス22は、さらに、電流センサ63、加速度センサ68、及び無線通信部69を含む点である。電流センサ63は電流センサ8の一例である。加速度センサ68は加速度センサ9の一例である。無線通信部69は、送受信部10の一例である。
電流センサ63は、電池型デバイス22の電流値を計測する。
加速度センサ68は、電池型デバイス22の加速度値を計測する。
無線通信部69は、例えばスマートフォンやサーバ等の情報処理装置23に対して無線で情報の送受信を行う。
MPU62は、電流センサ63から電流値を取得し、また加速度センサ68から加速度値を取得し、無線通信部69を介して情報処理装置23に電流値と加速度値を送信する。
情報処理装置23は電流値と加速度値を受信すると、受信した電流値や加速度値と、親機器の特性を示すプロファイルと、に基づいて、親機器を推定する。そして、情報処理装置23は、推定した親機器が直列接続により駆動するのかまたは並列接続により駆動するのかを示す接続情報をプロファイルに基づいて判定する。そして、情報処理装置23は取得した接続情報を電池型デバイス22に送信する。尚、親機器の推定の方法は種々の方法で推定できる。例えば、親機器の推定は、電池型デバイス22の加速度の変化時間や変化傾向(パターン)、重力加速度の向き、電流値の変化時間や変化傾向(パターン)などに基づいて行われる。尚、情報処理装置23は情報処理装置15の一例である。
MPU62は、情報処理装置23から接続情報を受信すると、接続情報に基いて電池型デバイスとペアバッテリの接続状態を判定する。
無線通信部69は、具体的にはアンテナを介して情報処理装置23とデータの送受信を行うが、電池室に電池を固定する蓋が金属などの電波を透過しにくい材質である場合がある。そこで、電池型デバイス22に内部アンテナと外部アンテナを設け、MPU62は、内部アンテナと外部アンテナのうち、送受信感度の高いアンテナを使用する。2つのアンテナの切り替えは、回路により制御される。そして、無線通信部69は、送受信感度の高いアンテナを用いてデータの送受信を行う。
図21は、実施形態5におけるアンテナの構成の一例を示す。
外部アンテナは、フラットケーブルにより電池型デバイスに接続される。フラットケーブルは電池型デバイスの蓋の隙間を通して接続される。図21において、外部アンテナは(X)に示すように、上面から下面にかけて、アンテナ、シリコン等の絶縁体、パーマロイ等の磁気シールド、磁石(上;N極、下;S極)の順で配置される。また、電池型デバイスを入れる機器本体に(Y)で示すように磁石(上:N極、下:S極)を貼り付ける。機器本体が磁石に吸着する鉄等であれば、外部アンテナ(X)を直接機器本体に張り付ける。機器本体が磁石に吸着しないようであれば、磁石(Y)を機器本体に両面テープ等で張り付ける。
尚、実施形態5においては、親機器の推定は情報処理装置23が行うとしたが、MPU62が情報処理装置23と同様にして行ってもよい。その場合、MPU62は、プロファイルを情報処理装置から取得してもよいし、所定の記憶領域に予めプロファイルを格納してもよい。
次に、情報処理装置23の接続状態判定処理の動作フローについて説明する。図22は、情報処理装置23の接続状態判定処理の処理内容を図解したフローチャートである。
図22において、先ず、情報処理装置23は、電池型デバイス22から電流値及び加速度値を受信する(S801)。そして、情報処理装置23は、電流値および加速度値に基づいて、親機器の推定を行う(S802)。次に、情報処理装置23は、推定した親機器の情報から接続状態を判定する(S803)。次に、情報処理装置23は、判定した接続状態を情報処理装置23に送信する(S804)。そして、処理は終了する。
次に、情報処理装置23のハードウェア構成について説明する。図23は、情報処理装置23のハードウェア構成の一例を示す。情報処理装置23は、図23に示すように、CPU1001、メモリ1002、読取部1003、通信インターフェース1005を含む。なお、CPU1001、メモリ1002、読取部1003、通信インターフェース1005は、例えば、バス1006を介して互いに接続されている。
CPU1001は、メモリ1002を利用して上述のフローチャートの手順を記述したプログラムを実行する。
メモリ1002は、例えば半導体メモリであり、RAM(Random Access Memory)領域およびROM(Read Only Memory)領域を含んで構成される。また、メモリ1002は、例えばハードディスクや外部記録装置であってもよい。メモリ1002には、親機器の特性を記したプロファイルが格納される。
読取部1003は、CPU1001の指示に従って着脱可能記憶媒体1004にアクセスする。着脱可能記憶媒体1004は、たとえば、半導体デバイス(USBメモリ等)、磁気的作用により情報が入出力される媒体(磁気ディスク等)、光学的作用により情報が入出力される媒体(CD−ROM、DVD等)などにより実現される。尚、読取部1003はあってもなくてもよい。
通信インターフェース1005は、CPU1001の指示に従って(無線)ネットワークを介してデータを送受信する。
実施形態を実現するためのプログラムは、例えば、下記の形態で情報処理装置23に提供される。
(1)メモリ1002に予めインストールされている。
(2)着脱可能記憶媒体1004により提供される。
(3)ネットワークを介して提供される。
尚、実施形態1〜5の電池型デバイスには、種々の機能を付加することができる。例えば、電池型デバイスは、実施形態5で説明したように、電池型デバイス及びペアバッテリを使用する親機器の推定行う機能を有してもよい。さらに、例えば、電池型デバイスは親機器の制御を行ってもよい。図24は、電池型デバイスが親機器の推定及び制御を行う機能を有する構成の一例を示す。
図24において、電池型デバイス900とペアバッテリ901は直列に接続されている。電池型デバイス900は、電流計902、加速度センサ903、記憶部904、無線通信部905、アンテナ906、MPU907、バイブレータ908、スピーカ909、及び2次電池910を含む。
電流計902は、電池型デバイス900の電流を計測する。加速度センサ903は、電池型デバイス900の加速度を計測する。記憶部904は、電流計902が計測した電流値及び加速度センサ903が計測した加速度値を格納する。記憶部904は例えば、FeRAMである。無線通信部905は、加速度値や電流値をスマートフォンやサーバ等の情報処理装置913に送信したり、情報処理装置913から制御信号を受けたりする。無線通信部905は例えば、BT(Bluetooth(登録商標))4.0等である。アンテナ906は、無線通信部905と情報処理装置913の間で信号の送受信を行う。
MPU907は、電流計902が計測した電流値や加速度センサ903が計測した加速度値を無線通信部905及びアンテナ906を介して情報処理装置913に送信するよう制御する。
バイブレータ908は、例えば情報処理装置913から信号を受信したときに振動する。スピーカ909は、例えば情報処理装置913から信号を受信したときに報知音を出力する。2次電池910は、バッテリセルB1の一例である。
ペアバッテリ901は、2次電池911と切替回路912を含む。2次電池911は、バッテリセルB2、B3の一例である。切替回路912は、切替回路53の一例である。
情報処理装置913は電池型デバイス900から電流値または加速度値を受信する。そして、情報処理装置913は、電流値または加速度値と、予め用意した親機器の特性を示すプロファイルと、に基づいて、親機器を推定する。そして、情報処理装置913は推定した親機器の情報を電池型デバイスに送信する。
尚、本実施形態は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を取ることができる。