この発明を添付の図面を参照しながら説明する。各図を通じて同符号は同一部分又は相当部分を示している。同符号の部分についての重複説明は適宜に簡略化あるいは省略する。
実施の形態1.
図1から図9は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1は取引支援システムの全体構成を示すブロック図、図2から図4は取引支援システムが備える冷蔵庫の貯蔵区画を側方から見た状態を示す断面図、図5は取引支援システムが備えるサーバ装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図、図6は取引支援システムの交渉処理の全体の流れを示すフロー図、図7は図6の変形例を示すフロー図、図8は取引支援システムの交渉処理の要部の第1の例を示すフロー図、図9は取引支援システムの交渉処理の要部の第2の例を示すフロー図である。
図1において、この発明の実施の形態1に係る取引支援システムが備える取引用端末装置は、冷蔵庫100を備えている。冷蔵庫100は、発泡ウレタン等の断熱部材からなる断熱筐体を備えている。冷蔵庫100の断熱筐体内は、断熱部材により仕切られて複数の異なる温度帯の貯蔵室101が設けられている。
この貯蔵室101内の構成について、図2を参照しながら説明する。貯蔵室101は、冷蔵庫100の前面に設けられたドア102により開閉することができる。貯蔵室101内は、例えば棚板103等により、複数の貯蔵区画にさらに仕切られている。なお、貯蔵室101内に棚板103等を設けることなく、1つの貯蔵室101が、そのまま1つの貯蔵区画を形成するようにすることも可能である。このようにして、冷蔵庫100は、内部に物品を収容するための複数の貯蔵区画を有している。
この図2に示す例では、貯蔵室101内に略水平に配置された棚板103により、貯蔵室101内には上下に複数の貯蔵区画が形成されている。棚板103の上面には物品を載置することができる。棚板103の下側の貯蔵区画内には、引出し容器104が設置されている。引出し容器104は、図示しないレール等の案内具に沿って、ドア102側へ引き出すことができる。
引出し容器104の後端部には、ベルト105の一端が連結されているベルト105の他端側には、カメラ106が取り付けられている。ベルト105は、貯蔵室101内の奥側の壁面、引出し容器104が置かれた貯蔵室101内の底面及び棚板103の下面にそれぞれ形成された案内スリット(図示せず)内を通されている。
この図2に示すように、引出し容器104が貯蔵区画内の奥にまで挿入されている状態では、ベルト105に取り付けられたカメラ106は、棚板103の下面に配置される。この状態では、カメラ106は、棚板103の下面から下方の引出し容器104内の物品を撮影することができる。
そして、図3に示すように、引出し容器104を貯蔵区画内のドア102側へと引き出すと、引出し容器104のドア102側へと移動に伴い、ベルト105の前記一端もドア102側へと引かれる。ベルト105の前記一端もドア102側へと引かれると、ベルト105の前記他端側に取りけられたカメラ106は、棚板103の下面から貯蔵室101の奥側の内壁面へと移動する。この図3に示す状態では、カメラ106は、貯蔵室101の奥側の内壁面からドア102側の引出し容器104内の物品を撮影することができる。
このように、引出し容器104の位置を移動させることで、カメラ106による引出し容器104内の物品を撮影する方向を変化させることができる。すなわち、引出し容器104の移動に連動してカメラ106の向きを変えつつカメラ106を移動させる機構を備えることで、カメラ106により引出し容器104内の物品を多方向から撮影することが可能である。
ここで、特に棚板103の下面における、貯蔵室101の奥側の内壁面と接する位置に設けられた案内スリットは、棚板103の下面から貯蔵室101の奥側の内壁面へと滑らかに接続する円弧状に形成されている。また、貯蔵室101の奥側の内壁面と底面との隅角部設けられた案内スリットは、底面から奥側の内壁面へと滑らかに接続する円弧状に形成されている。このようにすることで、引出し容器104を移動させた際のベルト105の移動を円滑なものとすることができる。
なお、引出し容器104を最後まで引き出すと、ベルト105を案内スリットから取り外すことができるようにしてもよい。このようにすることで、ベルト105及びカメラ106を取り外して洗浄等を容易に行うことができ、清潔に保つことが可能である。
さらに、棚板103は可動棚としてもよい。すなわち、棚板103の設置位置を上下方向に移動可能としてもよい。この場合、図2に示す位置から上方へと棚板103を移動させると、図4に示すようにカメラ106の位置は奥側へと移動する。つまり、棚板103を上下移動させると、この移動に連動してベルト105の作用によりカメラ106の位置は前後に移動する。この際、棚板103の上下移動自体は妨げられることはない。
引出し容器104は、冷蔵庫100すなわち取引用端末装置の利用者が、(物々)交換取引に提供することが可能であると考える物品(以下、「提供可能物品」という)を収容するためのものである。冷蔵庫100の複数の貯蔵区画のうちの特定の、すなわち、一部の貯蔵区画内には、提供可能物品が収容される。カメラ106は、この特定の貯蔵区画内に収容された提供可能物品の画像を撮影する撮影手段である。
図1に戻り、再び図1を参照しながら説明を続ける。撮影手段であるカメラ106により撮影された、特定の貯蔵区画内に収容された提供可能物品の画像は、冷蔵庫100が備える表示操作部110へと送られる。表示操作部110には、抽出手段、表示手段及び入力手段が備えられている。
抽出手段は、撮影手段であるカメラ106により撮影された画像から提供可能物品の情報を抽出する。すなわち、まず、抽出手段は、カメラ106から送られた画像に対して画像解析を行う。そして、抽出手段は、当該画像内の提供可能物品の種類(品名、型式等)及び数量等の情報を抽出する。抽出手段は、例えば、表示操作部110が備える基板上に前述した機能を果たす電子回路として実装することができる。
撮影手段であるカメラ106及び表示操作部110の抽出手段は、提供可能物品を登録するための提供物品登録手段を構成している。また、ここでは、取引用端末装置は冷蔵庫100を備えており、この冷蔵庫100は複数の貯蔵区画を有している。そして、以上のようにして構成された提供物品登録手段は、冷蔵庫100の複数の貯蔵区画のうちの特定の貯蔵区画内に収容された物品を提供可能物品として登録する。
このようにすることで、冷蔵庫100内の特定の貯蔵区画内に物品を収容することで、半ば自動的に当該物品を提供可能物品として登録することができる。また、提供可能物品として登録したくない物品は、特定の貯蔵区画以外の貯蔵区画に収容しておけばよい。さらに、実際に所持している物品のみを提供可能物品として登録するため、取引成立後に提供する物品を実際には所持していなかった等のトラブルを未然に防止することができる。
表示手段は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)等からなる表示装置を備えている。表示手段は、冷蔵庫100に関する各種情報を表示する。また、表示手段は、抽出手段により抽出された提供可能物品の種類(品名、型式等)及び数量等の情報を表示することができる。取引用端末装置である冷蔵庫100の利用者は、表示手段に表示された情報により、冷蔵庫100の前記特定の貯蔵区画内に収容している物品の内容、すなわち、提供可能物品として登録しようとしている内容を確認することができる。
入力手段は、冷蔵庫100すなわち取引用端末装置の利用者が、(物々)交換取引で提供可能物品と交換することを希望する物品(以下、「希望物品」という)の情報を入力するためのものである。入力手段は、利用者が操作するための、例えば、ボタン又はスイッチ等を備えている。あるいは、タッチパネルにより入力手段と表示手段の機能を兼ねるようにしてもよい。
利用者が、入力手段を操作して自身が所持する提供可能物品との交換を希望する希望物品の種類及び数量等を入力すると、入力した内容が表示操作部110の表示手段に表示される。利用者が入力した内容が正しいものであることを確認して入力内容を確定すると、確定された内容により希望物品が登録される。このように、表示操作部110の入力手段は、希望物品を登録するための希望物品登録手段を構成している。
なお、入力手段を用いて、抽出手段により抽出された提供可能物品の種類及び数量等の情報を利用者が修正できるようにしてもよい。
以上のように、取引用端末装置である冷蔵庫100は、提供可能物品を登録するための提供物品登録手段と、希望物品を登録するための希望物品登録手段と、を備えている。また、取引用端末装置である冷蔵庫100は、位置情報取得部120をさらに備えている。位置情報取得部120は、当該取引用端末装置(当該冷蔵庫100)の設置位置情報を取得する位置情報取得手段である。
位置情報取得部120は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信装置を備えている。そして、位置情報取得部120は、GPS受信装置により受信した情報に基づいて、緯度経度又は住所等の当該冷蔵庫100が設置された位置に関する情報を取得する。なお、位置情報取得部120が取得した設置位置情報は、表示操作部110の表示手段に表示して利用者が確認することができる。また、表示操作部110の入力手段を操作して、利用者が設置位置情報を修正できるようにしてもよい。
携帯端末200は、冷蔵庫100が備える表示操作部110の抽出手段、表示手段及び入力手段の各機能の一部又は全部を備えている。また、携帯端末200は、カメラ106及び位置情報取得部120の機能を備えるようにしてもよい。すなわち、携帯端末200は、取引用端末装置である冷蔵庫100が備えている提供物品登録手段、希望物品登録手段及び位置情報取得手段の一部又は全部を備えている。このような、携帯端末200は、例えば、スマートフォン等の携帯電話機、パーソナルコンピュータ(PC)又はタブレット端末等により構成することができる。
取引用端末装置である冷蔵庫100は、無線通信部130を備えている。取引用端末装置(冷蔵庫100)は、無線通信部130により、無線通信方式によりインターネット300に接続されている。インターネット300に接続される取引用端末装置(冷蔵庫100)は、複数存在している。また、携帯端末200も、インターネット300に接続されている。
そして、インターネット300には、サーバ装置400が接続されている。こうして、複数の取引用端末装置(冷蔵庫100)及び携帯端末200は、インターネット300を介してサーバ装置400と互いに通信可能に接続されている。なお、インターネット300は、複数の取引用端末装置(冷蔵庫100)とサーバ装置400とを互いに通信可能に接続する通信ネットワークの一例である。
それぞれの取引用端末装置(冷蔵庫100)の提供物品登録手段により登録された提供可能物品に関する情報は、インターネット300を介してサーバ装置400へと送信される。サーバ装置400に送信された提供可能物品に関する情報は、提供物品情報記憶部501に記憶される。
また、それぞれの取引用端末装置(冷蔵庫100)の位置情報取得部120により取得された設置位置情報は、インターネット300を介してサーバ装置400へと送信される。サーバ装置400に送信された設置位置情報は、住所情報記憶部502に記憶される。
そして、それぞれの取引用端末装置(冷蔵庫100)の希望物品登録手段により登録された希望物品に関する情報は、インターネット300を介してサーバ装置400へと送信される。サーバ装置400に送信された希望物品に関する情報は、希望物品情報記憶部503に記憶される。
これらの情報は、各記憶部(提供物品情報記憶部501、住所情報記憶部502及び希望物品情報記憶部503)において、当該情報が登録又は取得された取引用端末装置(冷蔵庫100)の識別情報に対応付けて記憶される。
なお、各記憶部(提供物品情報記憶部501、住所情報記憶部502及び希望物品情報記憶部503)は、サーバ装置400に内蔵してもよいし、サーバ装置400外に例えば専用のデータベース(DB)サーバ等として設けるようにしてもよい。この点は、後述する商品価格情報記憶部504についても同様である。
サーバ装置400は、検索部410、距離算出部420、交渉部430及び市場価格取得部440を備えている。検索部410は、一の取引用端末装置(冷蔵庫100)から登録された提供可能物品及び希望物品に対して適合する希望物品及び提供可能物品を登録した他の取引用端末装置(冷蔵庫100)を検索するものである。この検索は、提供物品情報記憶部501及び希望物品情報記憶部503に記憶されている提供可能物品の情報及び希望物品の情報に基づいて行う。
検索部410は、一の取引用端末装置(冷蔵庫100)から登録された提供可能物品と同じ希望物品を登録し、かつ、当該一の取引用端末装置(冷蔵庫100)から登録された希望物品と同じ提供可能物品を登録している、当該一の取引用端末装置(冷蔵庫100)とは異なる他の取引用端末装置(冷蔵庫100)が存在しているか否かを検索する。
この検索により条件に適合する他の取引用端末装置(冷蔵庫100)が複数存在していた場合には、条件に適合する全ての取引用端末装置(冷蔵庫100)を列挙する。条件に適合する他の取引用端末装置(冷蔵庫100)が見付からない場合には、検索部410は、検索結果として条件に適合する他の取引用端末装置(冷蔵庫100)が存在しない旨(条件適合件数0件)を返す。
この際、検索条件に物品の数量についての条件に含めることが望ましい。すなわち、当該一及び他の取引用端末装置(冷蔵庫100)の双方について、互いの提供可能物品の数量が、それぞれ希望する物品の数量以上であることを検索条件に含めることが望ましい。
距離算出部420は、位置情報取得部120により取得された設置位置情報に基づいて、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)と他の取引用端末装置(冷蔵庫100)との距離を算出する。前述したように、それぞれの取引用端末装置(冷蔵庫100)の位置情報取得部120により取得された設置位置情報は、住所情報記憶部502に記憶されている。そこで、距離算出部420は、住所情報記憶部502に記憶されている設置位置情報に基づいて、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)と他の取引用端末装置(冷蔵庫100)との距離を算出する。
この際、他の取引用端末装置(冷蔵庫100)について、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)以外の全てを距離算出の対象とせず、検索部410により前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)との取引条件に適合するものとして列挙された取引用端末装置(冷蔵庫100)のみを、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)との距離算出対象としてもよい。
あるいは、検索部410は、距離算出部420により算出された前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)との距離が予め定められた基準より近い他の取引用端末装置(冷蔵庫100)のうちから、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)の取引条件に適合する取引用端末装置(冷蔵庫100)を検索するようにしてもよい。この際、検索対象とする前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)との距離の基準は、利用者が適宜に再設定できるようにすることが望ましい。
交渉部430は、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)と他の取引用端末装置(冷蔵庫100)との間での物品交換交渉を行わせるものである。交渉部430は、まず、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)の交渉相手を決定する。この交渉相手は、検索部410により前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)との取引条件に適合するものとして列挙された他の取引用端末装置(冷蔵庫100)のうちから選択される。
前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)との取引条件に適合する他の取引用端末装置(冷蔵庫100)が見付からなかった場合には、交渉部430は交渉を開始しない。検索部410により前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)との取引条件に適合するものとして見付かった他の取引用端末装置(冷蔵庫100)が1つのみであった場合には、交渉部430は、当該他の取引用端末装置(冷蔵庫100)を、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)の交渉相手として決定する。
また、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)との取引条件に適合する他の取引用端末装置(冷蔵庫100)として、検索部410により複数の取引用端末装置(冷蔵庫100)が列挙された場合、交渉部430は、これらの列挙された複数の取引用端末装置(冷蔵庫100)のうちから、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)との交渉相手を選択する。
この際、交渉部430は、検索部410により検索された他の取引用端末装置(冷蔵庫100)のうち、距離算出部420により算出された前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)との距離が近い取引用端末装置(冷蔵庫100)を優先して、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)との交渉対象として選択する。すなわち、交渉部430は、列挙された複数の取引用端末装置(冷蔵庫100)のうちで、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)との距離が最も近いものを交渉相手として選択する。
以上のようにして、交渉部430は、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)を含む2つの取引用端末装置(冷蔵庫100)を交渉対象として決定する。交渉対象を決定し交渉開始可能な状態となると、交渉部430は表示操作部110を介して双方の交渉対象に交渉可能である旨を通知する。
次に、交渉部430は、交渉対象として決定した前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)及び他の取引用端末装置(冷蔵庫100)の表示操作部110の表示手段に互いの取引条件を表示させる。そして、交渉対象となっているそれぞれの取引用端末装置(冷蔵庫100)に対し、取引に同意するか否かを確認する。
交渉対象となっている取引用端末装置(冷蔵庫100)の双方の同意を得られれば、交渉部430は、これらの交渉対象間での交渉を成立させる。一方、交渉対象となっている取引用端末装置(冷蔵庫100)の一方又は両方から同意を得られない場合には、交渉部430は、これらの交渉対象間での交渉は不成立とする。それぞれの取引用端末装置(冷蔵庫100)の利用者は、例えば表示操作部110の入力手段を用いて、取引に同意するか否かの意思を入力することができる。
交渉対象間での交渉が成立した場合、交渉部430は、交渉対象となっている取引用端末装置(冷蔵庫100)の双方の表示操作部110に、互いの住所等の今度の取引に必要な情報を表示させる。
一方、交渉対象間での交渉が成立しない場合、他に検索部410により取引条件に適合するものとして列挙された取引用端末装置(冷蔵庫100)がない場合には、交渉部430は、そこで交渉を止める。他に検索部410により取引条件に適合するものとして列挙された取引用端末装置(冷蔵庫100)がある場合には、取引条件に適合し、かつ、未だ交渉対象として選択されていない取引用端末装置(冷蔵庫100)のうちで、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)との距離が最も近いものを交渉相手として選択し、交渉を継続させる。
このようにして、交渉部430は、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)の取引条件に適合する他の取引用端末装置(冷蔵庫100)について、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)との距離が近いものから順に交渉対象として選択して交渉を行わせる。なお、予め定められた回数以上交渉不成立となった場合には、以降の交渉を行わないようにしてもよい。また、交渉対象の一方からキャンセルの旨が表示操作部110を介して入力された場合には、交渉中であっても当該交渉を中止するようにしてもよい。
サーバ装置400が備える市場価格取得部440は、それぞれの取引用端末装置(冷蔵庫100)から登録された提供可能物品の市場価格を取得するものである。市場価格取得部440は、例えば、インターネット300を介して提供可能物品の市場価格に関する情報を検索して取得する。あるいは、冷蔵庫100の表示操作部110から利用者が提供可能物品の購入価格を入力し、市場価格取得部440は、この入力された購入価格を提供可能物品の市場価格の参考値として用いるようにしてもよい。市場価格取得部440により取得した提供可能物品の市場価格は、提供可能物品の種類毎に商品価格情報記憶部504に記憶される。
交渉部430は、交渉対象同士の取引交渉の過程において、市場価格取得部440により取得された提供可能物品の市場価格を用いて、交渉が円滑かつ平等にすすめられるように補佐を行うようにしてもよい。
すなわち、まず、交渉部430は、市場価格取得部440により取得された市場価格に基づいて交渉対象同士の提供可能物品の総価格を算出する。提供可能物品の総価格は、各提供可能物品の市場価格の単価に数量を乗じることで算出することができる。提供可能物品の種類が複数種にわたる場合には、提供可能物品の種類毎に単価と数量との積を求めた上で、これらの積の提供可能物品の種類についての総和をとることで算出することができる。
次に、交渉部430は、算出した交渉対象同士の提供可能物品の総価格を比較する。そして、交渉部430は、この比較において、総価格が高い方の交渉対象について取引に同意するか否かを先に確認する。提供可能物品の総価格が相手より高い方は、この取引をそのまま行うと価格上では損を被ることになる。そこで、損を被ることになる方が当該取引に同意するか否かを先に確認するようにすることで、その後の取引交渉をより円滑に進めることが可能となる。
また、交渉部430は、市場価格取得部440により取得された市場価格に基づいて交渉対象同士の提供可能物品の総価格が等しくなる提供可能物品の数量を算出するようにしてもよい。これは、特に、提供可能物品の総価格が相手より高い方の交渉対象が当該取引に同意しなかった場合に有効である。
まず、交渉部430は、算出した交渉対象同士の提供可能物品の総価格の差額を算出する。そして、交渉部430は、この差額を埋めて提供可能物品の総価格が等しくすることができる、それぞれの交渉対象の提供可能物品の数量を算出する。
なお、一般的には提供可能物品の数量を減らすことは容易であるが、提供可能物品の数量を増やすためには新たに調達することが必要であり容易ではない場合が多いと考えられる。そこで、次のようにしてもよい。すなわち、交渉部430は、まず、提供可能物品の総価格が高い方の数量を減らす方向で、交渉対象同士の提供可能物品の総価格を等しくすることができる数量を算出する。そして、総価格を等しくすることができる数量に端数が出てしまうのであれば、交渉部430は、この端数を切り捨てて総価格が相手より高かった方の提供可能物品の数量を新たに算出し直す。
また、交渉相手の提供可能物品のリスト中に、こちらがまだ希望物品として登録していない物品があった場合には、当該物品をこちらの希望物品として新たに登録できるようにしてもよい。提供可能物品の総価格が高い方から希望物品の追加があった場合、交渉部430は、この追加された希望物品を考慮に入れて交渉対象同士の提供可能物品の総価格を算出し直す。
なお、交渉部430により算出された交渉対象同士の提供可能物品の総価格及び差額は、それぞれの交渉対象の表示操作部110に表示される。このようにして、交渉部430が、市場価格取得部440により取得された市場価格に基づいて交渉対象同士の提供可能物品の総価格が等しくなる数量等の情報を交渉対象に提示することで、取引交渉をより円滑かつ平等に進めることが可能となる。
以上のような機能的構成を備えたサーバ装置400は、例えば、周知のコンピュータを用いて実装することができる。そこで、次にサーバ装置400を実装するためのハードウエア構成の一例について図5を参照しながら説明する。
サーバ装置400は、CPU601、ROM602、RAM603及び通信インターフェース604を備えている。CPU601は、与えられた命令(命令の集合であるプログラムを含む)を実行して情報の演算又は加工を行う中央処理装置(Central Processing Unit)である。ROM602は、データ又はプログラムを不揮発的に格納する読み出し専用メモリ(Read Only Memory)である。RAM603は、データ又はプログラムを揮発的すなわち一時的に格納するための読み書き可能なランダムアクセスメモリ(Random Access Memory)である。
通信インターフェース604は、サーバ装置400が外部との通信を行うために必要なハードウエアである。ここでは、サーバ装置400は、通信インターフェース604を介して通信ネットワークであるインターネット300に接続されている。これらのCPU601、ROM602、RAM603及び通信インターフェース604は、バスにより相互に情報のやり取りが可能なように接続されている。
なお、サーバ装置400は、外部記憶装置としてハードディスク、CD−ROM等を備えてもよいし、表示出力手段(例えばモニタ)、入力手段(例えばキーボード)等を備えてもよい。
サーバ装置400を構成するコンピュータのROM602には、以上のように構成されたコンピュータをサーバ装置400として動作させるためのプログラムが予め格納されている。そして、CPU601は、まず、ROM602からプログラムを読み出してRAM603に実行可能な形式でプログラムを格納する。そして、CPU601は、このRAM603に格納されたプログラムを読み出しながら実行する。
このようにして、ソフトウエアたるプログラムがコンピュータに読み込まれることにより、ソフトウエアとハードウエア資源とが協働した具体的手段によって、情報の演算又は加工を実現することで、以上で説明したような図1に示す各機能を備えたサーバ装置400が構築される。すなわち、サーバ装置400のコンピュータのCPU601において実行されるプログラムは、サーバ装置400のコンピュータを、検索部410、距離算出部420、交渉部430及び市場価格取得部440の各手段として機能させるためのものである。
なお、プログラムはROM602でなく外部記憶装置に格納されていてもよいし、プログラムを外部から通信インターフェース604を介してコンピュータへとダウンロードして用いるようにしてもよい。
また、取引用端末装置の特に表示操作部110又は取引用端末装置の全体、及び、携帯端末200についても、サーバ装置400と同様に、周知のコンピュータを用いたハードウエアにより構成することが可能である。
次に、図6を参照しながら、以上のように構成された取引支援システムの交渉処理の全体の流れを説明する。まず、ステップS1において、それぞれの取引用端末装置(冷蔵庫100)の位置情報取得部120は、当該取引用端末装置(冷蔵庫100)の設置位置情報を取得する。取得した設置位置情報は、インターネット300を介してサーバ装置400へと送られ、住所情報記憶部502に記憶される。
続くステップS2において、それぞれの取引用端末装置(冷蔵庫100)の提供物品登録手段により、交換提供する提供可能物品が登録される。ここでは、カメラ106及び表示操作部110の抽出手段により、冷蔵庫100内の特定の貯蔵区画内に収容された物品が検出されて提供可能物品として登録される。登録された提供可能物品の情報は、インターネット300を介してサーバ装置400へと送られ、提供物品情報記憶部501に記憶される。
続くステップS3において、それぞれの取引用端末装置(冷蔵庫100)の希望物品登録手段により、交換希望する希望物品が登録される。ここでは、表示操作部110の入力手段により入力された情報に基づいて、希望物品が登録される。登録された希望物品の情報は、インターネット300を介してサーバ装置400へと送られ、希望物品情報記憶部503に記憶される。
続くステップS4においては、サーバ装置400は、ある一の利用者が交換希望する物品を、交換提供する物品としている他の利用者が存在するか否かを確認する。すなわち、これを換言すれば、サーバ装置400の検索部410は、提供物品情報記憶部501及び希望物品情報記憶部503に記憶されている情報について、ある一の取引用端末装置(冷蔵庫100)から登録された希望物品と同じ提供可能物品を登録している、当該一の取引用端末装置(冷蔵庫100)とは異なる他の取引用端末装置(冷蔵庫100)を検索する。
このステップS4において、検索部410がある一の取引用端末装置(冷蔵庫100)から登録された希望物品と同じ提供可能物品を登録している、当該一の取引用端末装置(冷蔵庫100)とは異なる他の取引用端末装置(冷蔵庫100)を見付けることができなかった場合、すなわち、ある一の利用者が交換希望する物品を、交換提供する物品としている他の利用者が存在しなかった場合には、一連の処理は終了する。
一方、ステップS4において、検索部410がある一の取引用端末装置(冷蔵庫100)から登録された希望物品と同じ提供可能物品を登録している、当該一の取引用端末装置(冷蔵庫100)とは異なる他の取引用端末装置(冷蔵庫100)を見付けた場合、すなわち、ある一の利用者が交換希望する物品を、交換提供する物品としている他の利用者が存在した場合には、ステップS5へと進む。
ステップS5においては、サーバ装置400は、ステップS4で確認されたある一の利用者が交換希望する物品を交換提供する物品としている他の利用者のうちで、当該一の利用者が交換提供する物品を、交換希望する物品としている他の利用者が存在するか否かを確認する。すなわち、これを換言すれば、サーバ装置400の検索部410は、提供物品情報記憶部501及び希望物品情報記憶部503に記憶されている情報について、ステップS4で検索された他の利用者のうちで、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)から登録された提供可能物品と同じ希望物品を登録している他の取引用端末装置(冷蔵庫100)を検索する。
このステップS5において、検索部410が、ステップS4で検索された他の利用者のうちで、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)から登録された提供可能物品と同じ希望物品を登録している他の取引用端末装置(冷蔵庫100)を見付けられなかった場合、すなわち、ステップS4で確認されたある一の利用者が交換希望する物品を交換提供する物品としている他の利用者のうちで、当該一の利用者が交換提供する物品を、交換希望する物品としている他の利用者が存在しなかった場合には、一連の処理は終了する。
一方、ステップS5において、検索部410が、ステップS4で検索された他の利用者のうちで、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)から登録された提供可能物品と同じ希望物品を登録している他の取引用端末装置(冷蔵庫100)を見付けた場合、すなわち、ステップS4で確認されたある一の利用者が交換希望する物品を交換提供する物品としている他の利用者のうちで、当該一の利用者が交換提供する物品を、交換希望する物品としている他の利用者が存在した場合には、ステップS6へと進む。
ステップS6においては、交渉部430は、距離算出部420により算出された距離に基づいて、ステップS5で確認されたある一の利用者と取引条件が適合する他の利用者のうち、当該一の利用者との距離が近い順に交渉を行わせる。
そして、ステップS7へと進み、ステップS6での交渉が成立すれば一連の処理は終了となる。一方、ステップS6での交渉が成立しなかった場合、ステップS5へと戻って交渉対象となる利用者がいなくなるまで交渉を行う。
なお、前述したように、検索部410は、距離算出部420により算出された前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)との距離が予め定められた基準より近い他の取引用端末装置(冷蔵庫100)のうちから、前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)の取引条件に適合する取引用端末装置(冷蔵庫100)を検索するようにしてもよい。そして、この際には、検索対象とする前記一の取引用端末装置(冷蔵庫100)との距離の基準は、利用者が適宜に再設定できるようにすることが望ましい。
そこで、図6のフローの変形例として、図7に示すように、ステップS3とステップS4との間に、ステップS0の処理を追加してもよい。この追加したステップS0においては、利用者は、取引用端末装置(冷蔵庫100)の表示操作部110の入力手段等を用いて、ステップS4での検索部410による検索対象とする距離の基準を登録する。そして、ステップS4においては、このステップS0で登録された距離の基準より近い範囲内で取引条件に適合する他の取引用端末装置(冷蔵庫100)を検索する。
次に、図8及び図9を参照しながら、図6及び図7のフロー図のステップS6からステップS7での処理の詳細について説明する。まず、図8に示すのは、ステップS6からステップS7での交渉仲介に係る処理の第1の例である。この図8において、まず、ステップS8で、交渉部430は、市場価格取得部440により取得した物品の市場価格に基づいて、一方の交渉対象の交換提供する物品と交換希望する物品の市場価格を算出する。
次に、ステップS9へと進み、交渉対象間で交換可能な物品の数量だけ交換した際に発生する市場価格の差額を算出する。なお、交換可能な物品の数量だけ交換した際に着目しているため、一方の交渉対象が交換希望する物品の市場価格は、他方の交渉対象が交換提供する物品の市場価格と等しい。
そして、ステップS10へと進み、交渉部430は、ステップS9で算出した市場価格の差額分だけ損を被る方の交渉対象に対し、当該取引に同意するか否かを確認する。損を被る方の交渉対象が当該取引に同意した場合には、ステップS11へと進む。
ステップS11においては、交渉部430は、ステップS9で算出した市場価格の差額分だけ得となる方の交渉対象に対し、当該取引に同意するか否かを確認する。得となる方の交渉対象も当該取引に同意した場合には、ステップS12へと進む。
ステップS12においては、交渉部430は、交渉対象の双方が当該取引に同意して交渉が成立したと判断する。こうして交渉が成立すると、一連の処理は終了となる。
一方、ステップS10において、損を被る方の交渉対象が当該取引に同意しない場合には、ステップS13へと進む。ステップS13においては、交渉部430は、損を被る方の交渉対象の交渉相手(すなわち、得となる方の交渉対象)の交換提供する物品に、損を被る方の交渉対象が希望する物品があるか否かを確認する。損を被る方の交渉対象が希望する物品があれば、ステップS14へと進む。
ステップS14においては、交渉部430は、損を被る方の交渉対象に表示操作部110を介して希望する物品及び数量を入力させる。希望する物品及び数量が入力されると、この入力された情報に基づいて、交渉部430は、取引される物品の市場価格の差額を再計算する。
ステップS14の後はステップS15へと進む。また、ステップS13で損を被る方の交渉対象が希望する物品が交渉相手の交換提供する物品にない場合には、ステップS14を経ることなくステップS15へと進む。
ステップS15においては、交渉部430は、損を被る方の交渉対象から相手に交換提供する物品の数量を減らすか否かを判断する。この判断は、交渉部430が算出した交渉対象双方の市場価格の差額から判断してもよいし、表示操作部110に損を被る方の交渉対象が入力した内容から判断してもよい。そして、損を被る方の交渉対象から相手に交換提供する物品の数量を減らす場合には、ステップS16へと進む。
ステップS16においては、交渉部430は、損を被る方の交渉対象から相手に交換提供する物品の数量を減らした上で、取引される物品の市場価格の差額を再計算する。ステップS16の後はステップS17へと進む。また、ステップS15で損を被る方の交渉対象から相手に交換提供する物品の数量を減らさない場合には、ステップS16を経ることなくステップS17へと進む。
ステップS17においては、交渉部430は、ステップS9で算出した市場価格の差額分だけ損を被る方の交渉対象に対し、ステップS13からステップS16を経て条件が変更された当該取引に同意するか否かを再び確認する。ステップS9で算出した市場価格の差額分だけ損を被る方の交渉対象が当該取引に同意した場合には、ステップS11へと進む。
一方、ステップS17において、ステップS9で算出した市場価格の差額分だけ損を被る方の交渉対象が当該取引に同意しない場合には、交渉は不成立となり一連の処理は終了となる。また、ステップS11において得となる方の交渉対象が当該取引に同意しない場合にも、交渉は不成立となり一連の処理は終了となる。
次に、図9に示すのは、図6及び図7のステップS6からステップS7での交渉仲介に係る処理の第2の例である。この図9におけるステップS8からステップS17までの各ステップの内容は、図8の同符号のステップとそれぞれ同内容である。したがって、個々のステップの内容の説明は重複するため省略する。ただし、この図9に示す第2の例においては、図8の第1の例と比較して、ステップS17での条件分岐の移行先が異なっている。
すなわち、図9に示す第2の例は、ステップS17において、ステップS9で算出した市場価格の差額分だけ損を被る方の交渉対象が当該取引に同意した場合には、ステップS10へと戻る(これに対し、図8の第1の例ではステップS11へと進んだ)。ステップS13からステップS16を経て取引条件が変化した結果、交渉対象間での損得の立場が逆転する場合が考えられる。
したがって、この第2の例では、ステップS14又はステップS16で再計算された最新の市場価格でもって、損を被る方と得となる方とを再度特定する。そして、ステップS10へと戻り、交渉部430は、再計算された最新の市場価格で損を被る方から先に同意の確認を行うようにしている。
なお、以上においては、取引用端末装置が冷蔵庫100を備えている例について説明した。しかし、取引用端末装置は必ずしも冷蔵庫100を備えていなくともよい。提供可能物品の登録が可能であれば、冷蔵機能を有さないケースを備えていればよいし、あるいは、提供可能物品を撮影するカメラを備えていれば足りる。また、撮影手段としてのカメラ106が撮影する画像は静止画であっても動画であってよい。
以上のように構成された取引支援システムによれば、不要な物品と希望する物品とを交換可能にし、これまでは廃棄していた例えば冷蔵庫内の物品を有効に利用し、かつ、必要な物品を入手することができるようになる。また、交渉対象同士の物理的な距離を考慮に入れて、実際に物品を交換する際に必要な費用、時間又は労力を削減することができる。すなわち、近くにある物品から優先的に交渉相手を選択するため、時間、輸送費用の面で経済的である。さらに、物品の市場価格を考慮した交換ができるため、システムの利用者間での平等性が保たれる。