JP6135133B2 - プラスチック容器および金型 - Google Patents

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本発明は、内部に内容器を収納するプラスチック容器及びプラスチック容器を製造するための金型に関する。
血液や尿の分析に用いるテストピース(検出センサチップ)は、湿気(水)により容易に劣化し、検出能力が低下する。従って、このようなテストピースの保存には、内部に乾燥剤を備えた容器が用いられる。例えば、特許文献1には、乾燥剤を収容し、開口部を透湿防塵シートで封止したカップ状の乾燥剤収容体を、底板内壁に台座を備えた容器本体の底部に、台座と透湿防塵シートが接触するように挿入され、容器本体の底板と透湿防塵シートとの間に隙間ができるように固定した防湿容器が提案されている。
図25に、特許文献1が開示する防湿容器の斜視図を示す。特許文献1が開示する防湿容器は、容器本体201と、乾燥剤収容体203とから構成されている。容器本体201は、蓋体202と、底板213と、底板213の上面の外周部に設けられた台座211とから構成されている。乾燥剤収容体203は、内容器230と、内容器230内部に収容された乾燥剤205と、内容器230の開口部を封止する透湿防塵シート204とから構成されている。乾燥剤収容体203は、透湿防塵シート204が、容器本体201の底板213内壁に設けられた台座211に接触するように挿入されている。また、容器本体201の内周壁には、突起212が設けられており、突起212は、容器本体201の底部に挿入された乾燥剤収容体203が、容器本体201の開口部側へ移動することを防止している。
特開2012−197117号公報
特許文献1が開示する防湿容器においては、金型を用いて容器本体201を形成する際、突起212がアンダーカットとなり、形成した容器本体201から金型を引き抜くために無理抜きするため、突起212にメクレが生じることがある。図26に示すように、突起212にメクレ214が生じた容器本体201の底部に乾燥剤収容体203を挿入する際、内容器230の開口部よりはみ出した透湿防塵シート204や内容器230が、メクレ214と干渉し、擦れることにより、破れたり、削れたりするという問題があった。
それ故に、本発明の課題は、金型を成型した容器本体から無理抜きしたときにおいても、突起にメクレが生じることを低減できる防湿容器を提供することである。
本発明の一局面は、内径が均一な部分を有し、射出成型によって形成される、内部に内容器を収納する容器であって、容器の内周壁の内径が均一な部分から突出し、内容器の容器の開口部側への移動を阻止する突起を備え、突起の断面の輪郭形状は、容器の内周壁に接続し、容器の開口部側に向かって、徐々に容器の内周壁に対する傾きが増す第1の曲線部を含み、第1の曲線部の曲率半径が、0.1mm以上である。
また、内径が均一な部分を有し、射出成型によって形成される、内部に内容器を収納する容器であって、容器の内周壁の内径が均一な部分から突出し、内容器の容器の開口部側への移動を阻止する突起を備え、突起の断面の輪郭形状は、容器の内周壁に接続し、容器の開口部側に向かって、徐々に容器の内周壁に対する傾きが増す第1の曲線部、または、内周壁に対する傾きが一定の第1の直線部と、容器の内周壁からの前記突起の高さが最も高くなる領域において、前記容器の内周壁に平行な直線である頂点直線部とを含む。
本発明の他の局面は、外径が均一な部分を有する外周壁と、前記外周壁の前記外径が均一な部分に形成された凹部とを備え、前記凹部の断面の輪郭形状は、上述の突起の断面の輪郭形状に一致する、金型。
本発明によれば、金型を成型した容器本体から無理抜きしたときにおいても、突起にメクレが生じることを低減できる防湿容器を提供することができる。
本発明に係る防湿容器を示す断面図 従来の突起の形状の一例を示す断面図 本発明に係る突起の形状の一例を示す断面図 本発明に係る突起の形状の他の一例を示す断面図 本発明に係る突起の形状の他の一例を示す断面図 本発明に係る突起の形状の他の一例を示す断面図 本発明に係る突起の形状の他の一例を示す断面図 本発明に係る突起の形状の他の一例を示す断面図 本発明に係る容器本体の製造方法を示す図 本発明に係る容器本体の製造方法を示す図 本発明に係る内容器の上面図 本発明に係る内容器の第1の例を示す断面図 本発明に係る内容器の第2の例を示す断面図 本発明に係る内容器の第3の例を示す正面図 本発明に係る内容器の第3の例を示す上面図 本発明に係る内容器の第3の例を示す一部断面図 本発明に係る防湿容器の製造方法を示す図 透湿防塵シートが内容器の開口部からはみ出した状態を示す図 透湿防塵シートが内容器の開口部からはみ出した状態を示す図 本発明に係る防湿容器の製造方法を示す図 本発明に係る防湿容器の製造方法を示す図 本発明に係る防湿容器の閉栓状態を示す断面図 本発明に係る防湿容器の他の一例を示す断面図 本発明に係る防湿容器の他の一例を示す断面図 従来の防湿容器の斜視図 従来の防湿容器の課題を示す図
図1は、本発明に係る防湿容器の一例を示す断面図である。図1は、筒状の容器本体の中心軸を含む面による断面図である。本発明に係る防湿容器は、防湿性を有する樹脂(例えば、ポリプロピレン)等からなる。容器本体1は、筒型であり、一端は底板13によって封止され、他の一端は開口している。筒型としては、円筒、角筒(四角柱、六角柱など)を例示できる。
図1に示した防湿容器のように、容器本体1と蓋体2とをヒンジ23を介して接続して一体とすると、樹脂一体成形体として効率よく生産できる。しかしながら、容器本体1と蓋体2とは、別体としてもよい。
容器本体1の開口を開閉自在に密栓する方法は、特に限定されない。例えば、容器本体1と蓋体2とを別体として、蓋体2を容器本体1の開口部に螺合して、開閉自在に密栓することもできる。
容器本体1は、底板13の上面の外周部に台座11を備える。台座11は、後述する乾燥剤収容体3を支持し、乾燥剤収容体3と底板13との間に隙間6を確保する役割を担う。従って、台座11が底板13に占める割合は小さい方がよい。図1には、台座11を容器本体1の内周壁に沿って配置した例を示したが、台座11の位置は乾燥剤収容体3を安定して支持できる限り特に制限されない。台座11の数及び形状もまた、乾燥剤収容体3を安定して保持できる限り特に制限されない。例えば、底板13の中央から容器本体1の内周壁に向けて放射状に延びるリブを、台座11として形成してもよい。
さらに、容器本体1は、内径が均一な部分を有し、内周壁の当該部分に突起12を有する。突起12は、後述する内容器30の底部の外面を含む平面よりも、容器本体1の開口部側に設置される。突起12は、容器本体1の底部に挿入された乾燥剤収容体3が、容器本体1の開口部側へ移動することを防止する。
突起12は、図1に示すように容器本体1の内壁全周に設けられてもよく、部分的に設けられてもよい。また、突起12の数は単数であっても、複数であってもよい。突起12を容器本体1の内壁全周に設ける場合、容器本体1の底部に挿入された乾燥剤収容体3が、容器本体1の開口部側へ移動することをより確実に防止できる。また、突起12を容器本体1の内壁全周に設けると、防湿容器内の空気の隙間6への流れが悪くなるおそれがあるが、後述する内容器30の溝31を形成する底部角の一部を面取りすることにより、上述の空気の流れが悪くなるのを防止することができる。
突起12の形状について、以下に説明する。
図2は、従来の突起212の形状を示す拡大断面図である。また、図3は、本発明に係る突起12の形状の一例を示す拡大断面図である。図2及び図3は、筒状の容器本体の中心軸を含む面による断面図である。ここで、図3において、点線は従来の突起212の断面の輪郭形状である。突起212の断面の輪郭形状は略半円形状である。容器本体1の内周壁からの突起12の高さをHとする。これに対して突起12の断面の輪郭形状は、容器本体1の内周壁上に中心を有する略半円形状の円弧部と、円弧部より底板側の容器本体1の内周壁から円弧部にかけて、徐々に内周壁に対する傾きが増す第1の曲線部とを有する。第1の曲線部は、容器本体の内周壁および円弧部と正接する。ここで正接とは、2本の線の各接線が接続箇所において一致することをいう。第1の曲線部の各部の曲率半径は0.1mm以上であることが好ましく、例えば半径0.1mm以上の円弧であることが好ましい。これにより、形成した容器本体1から金型を抜く際に、突起12を金型が乗越えやすくなり、金型を抜きやすくすることができ、突起12にメクレが発生することを低減することができる。また、突起12の体積が増すため、形状が潰れて突起12の高さが低下することを防止できる。
また、図4に示す拡大断面図のように、突起12の断面の輪郭形状は、第1の曲線部を設ける代わりに傾きが一定の第1の直線部を設けた形状としてもよい。第1の直線部は、円弧部に正接するように設けられ、かつ、前記容器の開口部側において容器本体の内周壁となす角度Aが85°以下であることが好ましい。
また、図5及び図6に示す拡大断面図のように、突起12の断面の輪郭形状は、突起12の容器本体の内周壁からの高さが最も高くなる箇所に、円弧部に正接し、内周壁に平行で高さが一定となる頂点直線部を設けた形状としてもよい。突起12の頂点に設ける頂点直線部は、突起12の容器本体の内周壁からの高さHの1/3以上の長さを有することが好ましい。突起12の頂点に設ける第1の直線部の長さが突起12の容器本体の内周壁からの高さHの1/3以上であることにより、突起12の体積をさらに増加させることができ、突起12にメクレが生じるのを低減することができるとともに、形状が潰れて突起12の高さが低下することをより確実に防止できる。
また、図7及び図8に示す拡大断面図のように、突起12の断面の輪郭形状は、頂点直線部の端点から、容器本体1の開口部側の内周壁まで、傾きが一定の第2の直線部を設けてもよく、第2の直線部の代わりに、頂点直線部の端点から容器本体の開口部側にかけて容器の内周壁に対する傾きが増して、徐々に高さが小さくなる第2の曲線部を設けてもよい。第2の曲線部としては、容器本体1の内周壁上に中心を有する略円弧形状の円弧部であってもよく、他の曲線であってもよい。また、円弧部を設けず、頂点直線部は、第1の曲線部または第1の直線部と、円弧部を介さずに接続してもよい。
容器本体1の製造方法について、以下に説明する。
図9は、容器本体1の製造に用いる金型の断面図である。なお、図9では、容器本体1と蓋体2とを樹脂一体成形体として、製造する例を示す。容器本体1は、金型を用いて製造される。図9に示すように、第1の金型91及び第2の金型92に防湿性を有する樹脂(例えば、ポリプロピレン)を流し込み、流し込んだ樹脂を硬化して、容器本体1を形成する。
容器本体1を形成した後、第1の金型91を容器本体1から外し、図10に示すように、第1の金型押出93と第2の金型押出94とで、容器本体1を押し出すことにより、第2の金型92を容器本体1から引き抜き容器本体1を得ることができる。第2の金型92は、外径が均一な部分を有する外周壁と、外周壁の外径が均一な部分に形成された凹部95とを備える。凹部95の形状は、上述の容器本体1の突起12と凹凸を逆にした形状を有し、凹部95の断面の輪郭形状は、突起12の断面の輪郭形状に略一致する。これにより、上述の断面形状を有する容器本体1の突起12を成型することができ、第2の金型92を容器本体1から引き抜く際に、容器本体1の突起12にメクレが生じるのを低減することができる。
[乾燥剤収容体]
本発明に係る防湿容器は、容器本体1の底部に挿入された乾燥剤収容体3を有する。
乾燥剤収容体3は、内容器30と、内容器30内部に収容された乾燥剤5と、内容器30の開口部を封止する透湿防塵シート4とを備える。
内容器30は筒型であり、その一端は底板により封止され、他の一端は開口している。内容器30の外周形状及び大きさは、容器本体1に挿入可能で、かつ、内容器30の外径が容器本体1の内径と一致するように設定される。ただし、後述の溝31が設けられた部分はこの限りでない。
図11は、内容器30の一例を示す上面図である。図12は、図11に示す内容器30のI−I方向の断面図である。
内容器30の外周壁には、その開口端と底部とを結ぶ溝31が形成されている。また、内容器30の外周壁は、その外径が容器本体1の内径と一致するよう設定した突条32を備える。図11には5本の溝31を有する内容器30を示したが、溝31は単数であってもよく、その数は特に制限されない。開口端と底部とを最短距離で結ぶ直線の溝31を図示したが、溝31の形状は開口端から底部までを連続して結ぶ限り特に制限されない。
溝31の深さa及び幅bは、後述する防湿容器の乾燥能力を考慮して適宜決定される。溝31の数もまた、防湿容器の乾燥能力を考慮して適宜決定される。
内容器30の底板は、図12に示すような平面状であってもよい。また、内容器30の底板は、図13に示すように中央部が内方側に陥入した凹形状であってもよい。図13の底板を採用した場合の作用効果については後述する。
また、図14は、内容器の他の一例を示す正面図であり、図15は、図14で示す内容器の上面図であり、図16は、図15のA−A線における断面図である。内容器30aは、底部角の一部が面取りされている。突起12を容器本体1の内周壁全周に設けると、防湿容器内の空気の隙間6への流れが悪くなるが、内容器30aの溝31を形成する底部角の一部を面取りすることにより、上述の空気の流れが悪くなるのを防止できる。
また、内容器30aは、外周壁に溝31によって区画された頂部である複数の突条32を備えている。図15では突条32を15本備えているが、突条32の本数は、乾燥剤収容体3が突起12から容器本体1の開口側に移動するのを防止できれば制限されるものではなく、また、突条32を外壁の外周全体に設けていなくても良い。しかし、乾燥剤収容体3が突起12から容器本体1の開口側に移動するのを防止する目的と型設計の設計条件より、突条32の本数は2〜30本が好ましい。また、溝31の底部は平面で形成されているが、曲面で形成されていても良い。
また、図14〜図16に示す内容器30aの溝31を形成する底部の上端部の角が、斜めに平面カットされたC面取りされている。C面取りを行うことにより突起12と内容器30との隙間を大きく形成することができる。従って、突起12を容器本体1の内壁全周に設けても、容器本体1の内部の空気が溝31を通じて乾燥剤収容体3に流れにくくなるのを防いでいる。また、溝31の底部の上端部を斜めに平面カットしてC面取りしているが、曲面で面取りされたR面取りでも良い。
乾燥剤5としては、被収容物を汚染浸食しない限りにおいて、公知乃至慣用の乾燥剤をいずれも使用することができ、特に制限されない。具体的には、例えば、酸化カルシウム、塩化カルシウム、酸化アルミニウム、鉄粉等の化学系乾燥剤や、酸化アルミニウム、ゼオライト、モレキュラーシーブ、シリカゲル等の物理系乾燥剤を挙げることができる。
乾燥剤の種類を選択することにより、防湿容器内の湿度を調整することができる。ゼオライト及び/又はモレキュラーシーブを用いた場合は、防湿容器内の湿度を5%以下にすることが可能である。酸化カルシウム、塩化カルシウム等を用いた場合は、防湿容器内の湿度を5〜10%程度にすることが可能である。シリカゲル、酸化アルミニウムを用いた場合は、防湿容器内の湿度は約10%となる場合が多い。
本発明においては、吸湿による乾燥剤の凝集や、摩擦等による塵埃の発生を回避する観点から、物理系乾燥剤を使用することが好ましい。これらの中で、防湿容器内の湿度を低く保持できること、温度変化に伴う乾燥効率の変化及び水の再放出をおこしにくいことからモレキュラーシーブを特に好適に使用することができる。
透湿防塵シート4としては、透湿性及び防塵性を具備し、一定の強度を有するシートをいずれも使用することができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂からなる不織布、微多孔性フィルム、及び微多孔性シートを例示できる。このようなシートの市販の例としては、米国デュポン社製;『Tyvek(登録商標)』、積水化成品工業株式会社製;『セルポア』、徳山曹達株式会社製;『NFシート』、日東電工株式会社製『ニトフロン(登録商標)』を挙げることができる。
内容器30に乾燥剤5を収容し、内容器30の開口部を透湿防塵シート4で封止することにより乾燥剤収容体3を製造することができる。
乾燥剤5を内容器30に収容する際には、例えば、図17に示すように充填ノズルを使用すると、効率的に収容作業を行うことができる。
乾燥剤5を収容した後、内容器30の開口部を透湿防塵シート4で封止する。透湿防塵シート4は、予め内容器30の開口部の形状及び大きさに合わせて裁断される。このとき、図18及び図19に示すように、透湿防塵シート4は内容器30の開口部よりはみ出して裁断される。裁断された透湿防塵シート4は、空気吸引を利用した吸着アームを用いて内容器30の開口部に位置あわせすることができる。
内容器30の開口部を透湿防塵シート4で封止する方法は特に制限されないが、超音波を利用した溶着を例示できる。図20に示すように、吸着アームを用いて透湿防塵シートを保持しつつ、超音波ホーンを用いて加熱溶着することができる。内容器30の開口部と透湿防塵シート4との溶着面積は、両者の密着性を損なわない限りにおいて、小さい方が好ましい。溶着面積が大きいと、内容器30を容器本体1に挿入した際に透湿防塵シート4にしわやよじれが発生する原因となるため、好ましくない。
上述のようにして得られた乾燥剤収容体3を容器本体1に挿入する。図21に示すように、乾燥剤収容体3は、透湿防塵シート4を容器本体1の底板13に向けて挿入される。換言すると、内容器30の開口部は、容器本体1の底板13に向けられ、内容器30の底は、容器本体1の開口側に向けられる。乾燥剤収容体3は、透湿防塵シート4が、容器本体1の底板13内壁に設けられた台座11に接触するように挿入される。ここで、容器本体1に設けた突起12の断面形状が、容器本体1の底板側における容器本体1の内周壁と、突起12との接続箇所近傍の表面に、徐々に容器本体1の内周壁からの突起12の高さが高くなるように、突起12の接線方向に滑らかな曲線部を設けた形状となっていることにより、突起12にメクレが生じることを低減でき、内容器30の開口部よりはみ出した透湿防塵シート4が、乾燥剤収容体3を容器本体1に挿入する際、突起12に擦られて、破れたり、削れたりすることを低減することができる。また、内容器30が突起12より容器本体1の開口部へ浮き出すことをより確実に防止することができる。
台座11の設置位置及び大きさを適切に調整し、かつ、図20に示す超音波溶着の工程の後、直ちに乾燥剤収容体3の容器本体1への挿入を行うことで、乾燥剤収容体3の透湿防塵シート4と、容器本体1の台座11とが溶着されうる。
乾燥剤収容体3を、容器本体1に収容後、蓋体2により容器本体1の開口を密栓することにより、容器本体1内に乾燥状態がもたらされ、本発明の防湿容器が完成する。
本発明に係る防湿容器は、防湿容器内の湿気(水)が乾燥剤5に到達する際の通路となる透湿防塵シート4が容器本体1の底板13に向けられて設置されている。しかしながら、底板13の内壁には台座11が設置されているので、底板13と透湿防塵シート4の間には隙間6が存在する。また、内容器30の外周壁には溝31が設けられている。従って、防湿容器内の湿気(水)は、溝31と容器本体1の内周壁との間の空間を通り、隙間6へと移動することができる。隙間6へと移動した湿気(水)は、透湿防塵シート4を透過して乾燥剤5に吸着される。
一方、内容器30の被収容物と接触する部分は、内容器30の底部である。この底部は透湿防塵シート4に比して強靱であるため、被収容物(テストピース)との接触により内容器30の塵埃が発生する可能性はきわめて低い。また、乾燥剤収容体3に傷等が生じ、当該傷から乾燥剤5及びその塵埃が乾燥剤収容体3の外部に漏れ出る懸念は著しく低減される。すなわち、本発明に係る防湿容器は、被収容物が、防湿容器自体の損傷によって生じる塵埃や、乾燥剤5及びその塵埃により汚損する懸念がきわめて低減された、優れた防湿容器である。
上述のように、本発明に係る防湿容器は、安定した乾燥能力と、乾燥剤5による被収容物の汚損の低減とが両立されている。
上述のように乾燥剤5の種類を選択することによっても調節できるが、内容器30、30aの溝31の深さa及び幅b、並びにその数を選択することによっても調節することができる。また、内容器30aにおいては、突条32の高さd及び幅w、並びにその数を選択することによって調節することができる。溝31の深さa及びbを大きくし、突条32の高さd及び幅wを小さくし、溝31及び突条32の本数を増やせば短時間に多量の湿気(水)を吸収することができるため、瞬発力に優れた防湿容器となるが、短時間に乾燥剤5の乾燥能を消費してしまうため、防湿容器の寿命は短くなる。後述する所望の吸水速度に応じて、設定するのがより好ましい。
また、溝31の深さa及び幅bは被収容物の大きさに応じて、被収容物が溝31に挟まらないように設定するのが好ましい。
また、防湿容器の乾燥能力は、台座11の高さh1及び、透湿防塵シート4と接触する面の面積を選択することによっても調節することができる。台座11の高さh1を大きくすれば、隙間6の体積が大きくなるため、瞬発力に優れた防湿容器となる。
台座11の透湿防塵シート4と接触する面の面積を大きくすると、湿気(水)が透過する面積が小さくなるため、乾燥は緩慢に行われ、瞬発力には劣るが防湿容器の寿命は長くなる。
また、被収容物の大きさを縦x、横y、高さzとする。被収容物が溝31内に落ちないためには、下記の寸法を満たせば良い。溝31の幅bが被収容物の横yより大きい場合は、溝31の深さaが被収容物の縦xの10−100%から指定される寸法であれば良い。また、溝31の幅bが被収容物の横y以下の寸法の場合は、溝31の深さaが被収容物の縦xの10−100%から指定される寸法または縦xの100%から溝31の幅b以下の寸法であれば良い。また、上記の寸法を満たすように突条32の幅wを適宜設定するのが好ましい。さらに、容器本体1の開口を封止する蓋体2の内環21の下から乾燥剤収容体3の底部までの高さh2は、蓋体2で容器本体1の開口部を封止する際、蓋体2と容器本体1との間に被収容物が噛み込まれることを防ぐために、被収容物の高さz以上の寸法とすることが好ましい。例えば、図22に示す容器本体1の開口を封止する蓋体2の内環21の下から乾燥剤収容体3の底部までの高さh2の寸法は、一例として28.3mmとした。この場合高さzが28.3mmより低い被収容物を収容することが好ましい。また、乾燥剤収容体3を挿入する空間の寸法は、一例として高さh3を14.6mm、内径rを22.33mmとした。
図23は、本発明に係る防湿容器の他の一例において、図13に示す内容器30を採用した例を示す。乾燥剤の量を増やしたい場合、乾燥剤収容体3の容積を大きくすればよい。ただし、容器本体1の高さに余裕がない場合は、単純に乾燥剤収容体3の高さを大きくしただけでは、被収容物(テストピース等)の収容スペースを確保できないという問題がある。図23のように防湿容器を構成すれば、容器本体1の長さを変えることなく、乾燥剤収容体3の容積を大きくし、より多くの乾燥剤5を収容でき、かつ、同じ長さの被収容物(テストピース等)を収容することができる。また、図23の内容器30の底板は、外周部から徐々に内径が狭まるテーパー形状であるので、被収容物が底板の周縁部分に乗った場合でも中央の低い部分に導かれ、蓋を閉める際の妨げとならない。したがって、このテーパー形状により、安定して被収容物を収容することが可能となる。ただし、被収容物の安定した収容状態を考慮しなくてもよい場合は、底板の少なくとも一部に段差を設けることによって乾燥剤収容体3の容積を調整することができる。
図24は、図23に示す防湿容器と同様に、底板の中央が陥入した形状の内容器30を採用し、かつ、乾燥剤収容体3の容積を小さくした例である。内容器30の高さおよび陥入の程度を調整することにより、乾燥剤5の収容量を調節し、乾燥能力および防湿容器の寿命を所望の範囲に設定することができる。
(比較例)
突起の形状を図2で示される形状として、突起の形状に応じた金型を用いて形成した容器本体に、内容器と、内容器の開口部を封止した透湿防塵シートと、乾燥剤とを有する乾燥剤収容体を挿入し、比較例の防湿容器を得た。
(実施例)
突起の形状を図3で示される形状とした以外は、比較例と同様にして実施例の防湿容器を得た。
上記で得た防湿容器を用いて、下記の方法に従って評価した。
(断面形状)
比較例および実施例の防湿容器において、容器本体の突起の断面形状を確認した。突起の断面形状は、以下の基準で評価した。
○:突起にメクレの発生無し。
×:突起にメクレの発生有り。
(内容器削れ)
比較例および実施例の防湿容器において、内容器削れを確認した。内容器の削れは、以下の基準で評価した。
○:内容器削れが確認できる。
×:内容器削れが確認できない。
(透湿防塵シート削れ)
比較例および実施例の防湿容器において、透湿防塵シートの削れを確認した。透湿防塵シートの削れは、以下の基準で評価した。
○:透湿防塵シートの削れが確認できる。
×:透湿防塵シートの削れが確認できない。
(落下試験)
比較例および実施例の防湿容器を、1.5mの高さから5回落下させ、内容器が突起より容器本体の開口側への浮き出しを、以下の基準で確認した。
○:内容器の浮き出しが確認できる。
×:内容器の浮き出しが確認できない。
(内容器離脱強度)
比較例および実施例の防湿容器において、容器本体の底板に穴を開け、圧縮試験機を用いて、内容器が突起より容器本体の開口部へ浮き出す際のピーク強度を測定した。
表1に比較例および実施例の評価結果を示す。
Figure 0006135133
表1より、本発明に係る防湿容器は、金型を容器本体から引き抜く際に無理抜きを行っても、容器本体の突起にメクレが発生することを低減できることがわかった。また、容器本体の突起にメクレが発生しないことにより、乾燥剤収容体を容器本体に挿入時に、内容器と、透湿防塵シートとに削れが発生することを低減できることがわかった。さらに、乾燥剤収容体を容器本体に挿入した際、内容器が突起より容器本体の開口部へ浮き出すことをより確実に低減できることがわかった。
本発明に係る防湿容器は、被収容物の攻撃から透湿防塵シートを有効に保護し、乾燥剤及びその塵埃による被収容物の汚損を低減している。しかも、防湿容器の除湿速度や除湿可能期間を自在に調整することができる。
本発明における容器本体1の突起12は、防湿容器だけでなく、内径が均一な部分を有し、射出成型によって形成される、内部に内容器を収納する容器全般に適用して、金型無理抜きの際の突起の変形を低減することができる。また、本発明における第2の金型の凹部は、このような容器全般の成型に用いる金型に適用できる。
本発明の容器は、内部に内容器を収納する容器として広範に利用できる。例えば、血糖値検査や尿検査に使用するためのテストピースや、薬剤(錠剤等)を収容するための容器として好適に使用することができる。
1、 容器本体
11 台座
12 突起
13 底板
2 蓋体
21 内環
23 ヒンジ
3 乾燥剤収容体
30、30a 内容器
31 溝
32 突条
4 透湿防塵シート
5 乾燥剤
6 隙間
91 第1の金型
92 第2の金型
93 第1の押出金型
94 第2の押出金型
95 凹部

Claims (9)

  1. 内径が均一な部分を有し、射出成型によって形成される、内部に内容器を収納する容器であって、
    前記容器の内周壁の前記内径が均一な部分から突出し、前記内容器の前記容器の開口部側への移動を阻止する突起を備え、
    前記突起の断面の輪郭形状は、前記容器の内周壁に接続し、前記容器の開口部側に向かって、徐々に前記容器の内周壁に対する傾きが増す第1の曲線部を
    前記第1の曲線部の曲率半径が、0.1mm以上であることを特徴とする、容器。
  2. 前記突起の断面の輪郭形状は、前記容器の内周壁上に中心を有する円弧部とを含み、
    前記第1の曲線部は、前記容器の内周壁および前記円弧部に正接することを特徴とする、請求項1に記載の容器。
  3. 前記突起の断面の輪郭形状は、前記容器の内周壁からの前記突起の高さが最も高くなる領域において、前記容器の内周壁に平行な直線である頂点直線部をさらに含み、
    前記頂点直線部は、前記円弧部に正接することを特徴とする、請求項2に記載の容器。
  4. 内径が均一な部分を有し、射出成型によって形成される、内部に内容器を収納する容器であって、
    前記容器の内周壁の前記内径が均一な部分から突出し、前記内容器の前記容器の開口部側への移動を阻止する突起を備え、
    前記突起の断面の輪郭形状は、
    前記容器の内周壁に接続し、前記容器の開口部側に向かって、徐々に前記容器の内周壁に対する傾きが増す第1の曲線部、または、前記内周壁に対する傾きが一定の第1の直線部と、
    前記容器の内周壁からの前記突起の高さが最も高くなる領域において、前記容器の内周壁に平行な直線である頂点直線部とを含むことを特徴とする、容器。
  5. 前記突起の断面の輪郭形状は、前記第1の曲線部と、さらに、前記容器の内周壁上に中心を有する円弧部とを含み、
    前記第1の曲線部は、前記容器の内周壁および前記円弧部に正接することを特徴とする、請求項4に記載の容器。
  6. 前記突起の断面の輪郭形状は、前記第1の直線部と、さらに、前記容器の内周壁上に中心を有する円弧部とを含み、
    前記第1の直線部は、前記容器の前記円弧部に正接し、かつ、前記第1の直線部と前記容器の内周壁とが、前記容器の開口部側においてなす角が85°以下であることを特徴とする、請求項に記載の容器。
  7. 前記頂点直線部の長さは、前記容器の内周壁からの前記突起の最大高さの3分の1以上であることを特徴とする、請求項3−6のいずれかに記載の容器。
  8. 前記突起の断面の輪郭形状は、前記頂点直線部の前記容器の開口部側の端部から、前記容器の開口部に向かって、前記容器の内周壁に接続し、
    当該端部に正接し、徐々に前記容器の内周壁に対する傾きが増す第2の曲線部、または、
    前記内周壁に対する傾きが一定の第2の直線部をさらに含むことを特徴とする、請求項−7のいずれかに記載の容器。
  9. 外径が均一な部分を有する外周壁と、
    前記外周壁の前記外径が均一な部分に形成された凹部とを備え、
    前記凹部の断面の輪郭形状は、請求項1−8に記載の突起の断面の輪郭形状に一致する、金型。
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