以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。まず、図1〜図3を参照して、スロットマシン10の構造について説明する。
図1は、第1実施の形態におけるスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図であり、図2は、スロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図であり、図3は、筐体11の正面図である。なお、図1〜図3において、矢印Xは、スロットマシン10の左右方向を示しており、矢印Yは、スロットマシン10の前後方向を示しており、矢印Zは、スロットマシン10の上下方向を示している。
本実施形態のスロットマシン10は、遊技者がメダル投入口45から遊技媒体であるメダルを投入して、スタートレバー41を操作することで複数の図柄が付された3つのリール32L,32M,32Rが回転駆動し、その後、各リール32L,32M,32Rに対応して設けられたストップスイッチ42,43,44を遊技者が操作することで対応するリール32L,32M,32Rが停止し、そのリール32L,32M,32Rが停止することで表示される図柄の組み合わせが予め定めた組み合わせであった場合に、所定数のメダルを付与する特典や遊技状態に移行する特典を遊技者に付与するものである。
図1に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製のパネルを組み合わせて、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。尚、筐体11は木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。前面扉12には、筐体11の正面から見て左側部(図1矢印X左奥側の端部)に設けられる上下一対の支軸13a,13b(図2参照)に対応する軸受部14a,14b(図2参照)が設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができる。
また、前面扉12の開閉軸の反対側(図1矢印X右手前側の端部)には、その裏面に施錠装置20(図2参照)が設けられ、前面扉12は、その施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側中段部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。なお、本実施形態では、キーシリンダ21として、不正解錠防止機能の高いオムロック(登録商標)が用いられている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32R(図2参照)の回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41は、遊技者が遊技(ゲーム)を開始するときに手で押し操作(押される方向は限定されない)するレバーであり、所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41が操作されると、各リール32L,32M,32Rの回転が一斉に(但し、同時である必要はない)開始されるようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。
このとき、本スロットマシン10では、ストップスイッチ42〜44が操作された場合に基点位置(本実施形態では、対応する表示窓26L,26M,26Rそれぞれの下段位置)に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様だけでなく、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンが用意されている。これにより、ストップスイッチ42〜44が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでの間に各リール32L,32M,32Rが所定の停止態様で停止するように設定することにより、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、停止出目とも言う。)があたかも遊技者の操作によって決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることができる。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46(図2参照)によって貯留用通路47(図2参照)か排出用通路48(図2参照)のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46a(図2参照)が設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51(図2参照)へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55が操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ58が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ58が操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には、第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。この第2クレジット投入スイッチ57は、仮想メダルを一度に1枚投入するためのものである。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、ボーナス状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、遊技パネル25を液晶表示装置で構成して代替することは当然可能である。さらに、遊技パネル25を液晶表示装置で構成した場合には、リール32L,32M,32Rの表示を代替することも当然可能である。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えれるため、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81(図2参照)が設けられている。
メダル受け皿50の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート66が装着されている。また、メダル受け皿50の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿69が設けられている。さらに、メダル受け皿50の奥方には、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64が設けられている。
図2に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータ(図示せず)に連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスとも言う。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサ(図示せず)が各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、主制御装置101(図3参照)に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。複数の図柄は、各リール32L,32M,32R毎に、21個の図柄が等間隔に描かれており、そのうち連続する3個の図柄が表示窓26L,26M,26Rの上段、中段、下段の位置にそれぞれ視認可能に構成されている。このため、所定の位置にある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
また、図柄が停止した場合の有効ラインとしては、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの上段図柄、右リール32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1と、左リール32Lの中段図柄、中リール32Mの中段図柄、右リール32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの下段図柄、右リール32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3と、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄、右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄、右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、メダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。
尚、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよい。また、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。例えば、V(逆V)字状のラインとしたり、L字状のラインなどを有効にしてもよい。
また、有効ライン上に図柄が並んだ場合に移行する遊技状態としては、左から「7」図柄、「7」図柄、「7」図柄と並んで停止した場合のBB入賞や、有効ライン上に左から「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「スイカ」図柄と並んで停止した場合はスイカ入賞が成立し、有効ライン上に左から「ベル」図柄、「ベル」図柄、「ベル」図柄と並んで停止した場合はベル入賞、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」、図柄「リプレイ」図柄と並んで停止した場合のリプレイ入賞などが例示される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とにより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50(図1参照)へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91(図18参照)を収容するとともに、電源スイッチ71などを備えている。電源スイッチ71は、後述する主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。
図3に示すように、リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。詳細については後述するが、主制御装置101は、主たる制御を司るMPU(Micro Processing Unit)102、遊技プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)105、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)106、乱数を発生するフリーランカウンタ107、各種機器との連絡をとるポート104、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路103等を含む主基板213(図5参照)を具備しており、主基板213が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス221に収容されて構成されている。
次に、図4〜図7を参照して、基板ユニット220について説明する。まず、図4〜図7を参照して、基板ユニット220を構成する基板ボックス221及び取付ベース222の構造について説明する。図4は、基板ユニット220の分解斜視図であり、図5は、基板ボックス221の分解斜視図であり、図6は、取付ベース222の分解斜視図であり、図7は、取付ベース222が揺動した状態を示した斜視図である。なお、図4〜図7において、矢印X,Y,Z方向は、基板ユニット220が筐体11に取り付けられた状態における基板ユニット220の左右,前後,上下方向を示している。
図4に示すように、基板ユニット220は、主基板213(図5参照)が収容される基板ボックス221と、その基板ボックス221が取り付けられると共に筐体11(図1参照)に取り付けられる取付ベース222とで構成されている。なお、基板ボックス221は、取付ベース222に対して矢印A方向にスライド移動して取り付けられると共に反矢印A方向にスライド移動して取り外され、取付ベース222は、後述するが、下端部(矢印Z方向の下側端部)を回転軸として、基板ボックス221を前面扉12(図1参照)側に揺動可能に構成されているので、筐体11に固定された状態での基板ボックス221の取り外しをスムーズに行えメンテナンス作業の作業性を向上できるように構成されている。
図5に示すように、基板ボックス221(図4参照)は、主に、基板ボックス221の背面側を形成するボックスベース211(矢印Y方向右奥側)と、基板ボックス221の前面側(矢印Y方向左手前側)を形成するボックス蓋212と、基板ボックス221内に収容される主基板213と、その主基板213と外部とを電気的に接続するコネクタ271を覆うコネクタカバー214とを主に有して構成されている。
ボックスベース211は、そのボックスベース211の背面側を形成する背面部221と、その背面部221からボックス蓋212側に立設される4つの側壁部222〜225と、背面部221のほぼ全体に格子状に立設されるリブ226とを有して構成されている。側壁部222〜225は、ボックスベース211の上端(矢印Z方向上側)が側壁部222であり、左端(矢印X方向左奥側)が側壁部223であり、右端(X方向右手前側)が側壁部224であり、下端(矢印Z方向下側)が側壁部225である。なお、リブ226は、背面部221のほぼ全体に設けられているので、ボックスベース211の強度を保つと共にボックスベース211の耐捻れ特性(又は耐撓み特性)を向上できる。
側壁部222には、ボックス蓋212側(矢印Y方向左手前側)に突出する2本の突出片227と、その突出片227より反ボックス蓋212側(矢印Y方向右奥側)で且つボックスベース211の左右方向(矢印X方向)に3つ形成される矩形形状の貫通孔228と、その貫通孔228より反ボックス蓋212側で且つボックスベース211の左右方向に4つ形成される矩形形状の貫通孔229とが設けられている。
突出片227は、ボックスベース211とボックス蓋212とがスライド移動して基板ボックス221が製作される場合に、ボックス蓋212の凹部251に当接してボックス蓋212のスライド移動を規制する。ボックス蓋212の凹部251に突出片227が当接した状態においては突出片227と凹部251とによって平面状の部位が形成され、この部位には、貼付後に引き剥がされても元位置に文字が残存する封印シール(図示せず)が貼付される。
貫通孔228は、基板ボックス221が製作された状態で、ボックス蓋212の突出片252が貫挿される孔であり、貫通孔228に突出片252が貫挿されると、ボックスベース211とボックス蓋212との離反する方向(矢印Y方向)への移動を規制できるし、左右方向に3つ設けられているのでボックスベース211及びボックス蓋212の捻れや撓みも規制できる。よって、ボックスベース211とボックス蓋212との隙間から針金や薄板状の工具などが挿入され、主基板213の配線パターンが変更されたり、不正な制御回路が接続されたりする不正行為の発生を抑制できる。
ここで、貫通孔228は、必ずしも3つ設ける必要はなく、1又は2以上のいずれの数にしても良いが、複数設けることが好ましい。1つの穴で形成する場合に比べて各穴の長さを短くすることができるので、各穴の撓み幅を規制することができる。また、側壁部222の横幅方向のほぼ全域に亘る長さの突出片252が設けられて貫通孔228に貫挿されているので、この貫挿部分がボックスベース211とボックス蓋212との結合構造から離れた位置に設けられてもボックスベース211とボックス蓋212の取り外しをより確実に規制することができる。
また、貫通孔229は、取付ベース222(図4参照)に基板ボックス221が取り付けられた場合に、取付ベース222の突出片307(図6参照)が貫挿される孔であり、貫通孔229に突出片307が貫挿されると、取付ベース222と基板ボックス221との離反する方向(矢印Y方向)への移動を規制できるし、左右方向に4つ設けられているので、基板ボックス221及び取付ベース222の捻れや撓みも規制できる。よって、基板ボックス221を手前側に無理に取り外そうとしても、基板ボックス221が取付ベース222から取り外されることを抑制できる。
側壁部223,224には、ボックスベース211の上下方向(矢印Z方向)の所定間隔毎に、略L字状のベース側係止部230がそれぞれ4個づつ設けられている。ベース側係止部230は、背面部221との間に通路230aを形成しており、この通路230a内にボックス蓋212の蓋側係止部253が挿入されると、ボックス蓋212とボックスベース211との離反する方向への移動を規制できるし、ボックスベース211及びボックス蓋212の捻れや撓みも規制できる。つまり、各係止部230,253によっても、主基板213に対する不正行為の発生を抑制できる。
側壁部225には、ボックスベース211の左右方向の中央に、基板ボックス221の返送時にボックスベース211とボックス蓋212とを封印するベース側返送用封印部231と、そのベース側返送用封印部231の左右両側にそれぞれ2つずつ設けられると共にボックス蓋212の蓋側結合部255が進入する切り欠き232と、その切り欠き232の左右両側に設けられると共にボックスベース211とボックス蓋212とを螺着する螺子(図示せず)が挿入される螺子挿入部233と、その螺子挿入部233の左右両側にそれぞれ設けられると共にボックスベース211とボックス蓋212とを封印する封印部材260が挿入されるベース側封印部234とが設けられている。
ボックス蓋212は、そのボックス蓋212の前面側を形成する前面部241と、その前面部241からボックスベース211側(矢印Y方向右奥側)に立設される4つの側壁部242〜245と、前面部241のほぼ中央に設けられ機種情報やボックス蓋212とボックスベース211の封印履歴及び基板ボックス221と取付ベース222の封印履歴などが印されたシールが貼付されるシール貼付部246と、前面部241の右側上部(矢印X方向右手前側で且つ矢印Z方向上側)に穿設されると共にリセットスイッチ72及びキーシリンダ73が露出される露出孔247,248と、その露出孔247,248を覆うカバー247a,248aと、コネクタ271が露出する開口249と、コネクタカバー214を固定する固定部250a,250bとを主に有して構成されている。なお、カバー247a,248aを備えることで、リセットスイッチ72およびキーシリンダ73に対する誤操作を抑制できる。
側壁部242には、ボックス蓋212の左右方向のほぼ中央に形成されると共にボックスベース211の突出片227に当接する凹状の2つの凹部251と、その凹部251よりボックスベース211側(矢印Y方向右奥側)に3つ設けられると共にボックスベース211の貫通孔228に貫挿する突出片252とが設けられている。
側壁部243,244には、ボックス蓋212の上下方向(矢印Z方向)の所定間隔毎に、略L字状の蓋側係止部253がそれぞれ4つ設けられている。蓋側係止部253は、前面部241との間に通路253aを形成しており、この通路253a内にボックスベース211のベース側係止部230が挿入され、上述した通り、ボックス蓋212とボックスベース211との離反する方向への移動および捻れが規制される。
なお、基板ボックス221は、ボックスベース211とボックス蓋212とを相対的にスライド移動させて合致させることで製作される。基板ボックス221の製作は、まず、ボックス蓋212に主基板213を取り付け、その後、蓋側係止部253とベース側係止部230とが重ならないようにボックスベース211とボックス蓋212とを合わせ、蓋側係止部253が通路230a内に挿入すると共にベース側係止部230が通路253a内に挿入するようにボックス蓋212(又はボックスベース211)を矢印Z方向上側(又は矢印Z方向下側)にスライド移動させる。ボックスベース211とボックス蓋212とのスライド移動は、上述した通り、突出片227と凹部251により規制される。
側壁部245には、ボックス蓋212の左右方向の中央に、基板ボックス221の返送時にボックスベース211とボックス蓋212とを封印する蓋側返送用封印部254と、その蓋側返送用封印部254の左右両側にそれぞれ2つずつ設けられると共に基板ボックス221と取付ベース222とを結合する結合部材259が挿入される蓋側結合部255と、その蓋側結合部255の左右両側にそれぞれ設けられると共にボックスベース211とボックス蓋212とを螺着する螺子(図示せず)が螺着される螺子溝256と、その螺子溝256の左右両側にそれぞれ設けられると共にボックスベース211とボックス蓋212とを封印する封印部材260が挿入される蓋側封印部257と、蓋側結合部255が配設される領域に対応して側壁部245から下方(矢印Z方向下側)に突出した突出片258とが設けられている。
なお、後述するが、結合部材259は、基板ボックス221と取付ベース222とを結合すると共にボックスベース211とボックス蓋212とを再封印するものであり、封印部材260は、ボックスベース211とボックス蓋212を封印するものである。
主基板213には、図示しない各種電子部品の他に、スロットマシン10の状態をリセットするリセットスイッチ72と、スロットマシン10の設定を変更する設定キーが挿入されるキーシリンダ73と、外部との電気的接続を行うコネクタ271などが搭載されている。この主基板213は、螺子272によりボックス蓋212側に固着され、コネクタ271は、ボックス蓋212の開口249から外部に露出される。
リセットスイッチ72は、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのスイッチである。本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ72を押しながら電源スイッチ71をオンすると、バックアップデータがリセット(初期化)されるようになっている。また、電源スイッチ71(図2参照)がオンされている状態でリセットスイッチ72を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
キーシリンダ73は、設定キーが挿入されて操作されることで、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うことができる。すなわち、ホール管理者等が設定キーをキーシリンダ73へ挿入して回転操作することにより、スロットマシン10の設定状態(各入賞態様の当選確率の設定)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。そして、設定状態が「設定1」に設定された場合、メダル払出枚数の期待値が最も低くなるように入賞態様(役)の抽選を行い、設定状態が「設定6」に設定された場合、メダル払出枚数の期待値が最も高くなるように入賞態様の抽選を行うように構成されている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の設定状態を変更する場合にも操作される。
コネクタカバー214は、開口249から露出したコネクタ271を覆うものである。コネクタカバー214は、ボックス蓋212の固定部250bに一端を差し込みつつボックス蓋212側に回動させて固定部250aにより係止されることで、ボックス蓋212に固定されるように構成されている。
また、コネクタカバー214には、左右方向に貫通した貫通孔273が形成されており、コネクタカバー214がボックス蓋212に固定された状態では、貫通孔273により固定部250aの突起部の下方を通る通路が形成される。よって、ボックス蓋212にコネクタカバー214が固定された状態で、貫通孔273にバンドなどを通して結ぶと、コネクタカバー214が取り外される(又は衝撃で外れてしまう)ことを抑制できる。なお、コネクタカバー214を取り外すためには、バンドを切断しなければならないので、その分の作業が増えることから不正にコネクタカバー214が取り外されることを抑制できる。
図6に示すように、取付ベース222は、筐体11(図2参照)側に固定される固定ベース281と、その固定ベース281に揺動可能に軸着される揺動ベース282と、その揺動ベース282に固定されると共に固定ベース281に揺動可能に軸着される補強部材283とを有して構成されている。
固定ベース281は、本実施形態では、金属材料で構成されており、固定ベース281の背面側(矢印Y方向右奥側)を形成する背面部291と、その背面部291の下端(矢印Z方向下側)に立設される立壁部292と、固定ベース281の左右方向(矢印X方向)のほぼ真ん中で且つ立壁部292近傍に形成される凹状の凹部293と、背面部291の左右両側から揺動ベース282側(矢印Y方向左手前側)に突出すると共に揺動ベース282を係止可能な係止爪294と、立壁部292の左右両端に形成されると共に軸295が挿入される挿入孔296とを有して構成されている。なお、固定ベース281は金属材料で構成されるものとしたが、揺動ベース282や基板ボックス221より硬化な材料であれば、樹脂材料であっても木製であっても良い。また、揺動ベース282や基板ボックス221より軟化な材料であっても、材料の厚さや形状などで一定以上の強度があればよい。例えば、基板ボックス221と同一材料であっても基板ボックス221の厚さに比べて2倍以上の厚みを有している場合などが例示される。すなわち、固定ベース281に補強する部材を取り付けない場合と比して、固定ベース281が撓まなくなっていれば補強部材に相当する。
揺動ベース282は、その揺動ベース282の背面側を形成する背面部301と、その背面部301の左右両側(矢印X方向両側)に反固定ベース281側(矢印Y方向手前側)に立設される側壁部302,303と、背面部301の下側に反固定ベース281側に立設される側壁部304と、側壁部302〜304に囲まれた領域の開口305とを主に有して構成されている。開口305は、基板ボックス221がスライド移動して取り付けられる場合の出入口である。また、揺動ベースは透明な樹脂を基本に形成されており、基板ボックスの背面や基板の背面を視認することができる。
背面部301には、揺動ベース282の左右方向のほぼ真ん中で且つ側壁部304近傍に形成されると共に結合部材259(図5参照)が係止される4つの取付側結合部306と、背面部301の上端から更に上方(矢印Z方向上側)に突出すると共にボックスベース211の貫通孔229(図5参照)に貫挿される4つの突出片307と、その突出片307の間に設けられると共に基板ボックス221をロックするロック部308とが設けられている。なお、取付側結合部材306は、背面部301の固定ベース281側と補強部材283側との両側(矢印Y方向両側)に凸形状に形成されており、固定ベース281の凹部293内に収容されるように構成されている。よって、取付側結合部306を金属製の固定ベース281で覆うことで、取付側結合部306が不正に破壊されることを抑制できる。
両側壁部302,303の補強部材283側(矢印Y方向左手前側)には、互いに向き合う内側方向に突出した押さえ片309が設けられている。この押さえ片309は、基板ボックス221が取付ベース222に取り付けられた状態で、その基板ボックス221が取付ベース222から離反する方向に移動することを規制する部材である。また、側壁部303には、基板ボックス221を螺子止めするための螺子挿入部310も設けられている。よって、基板ボックス221を前面側に無理に取り外そうとしても、螺子挿入部310に挿入される螺子により取り外しを抑制できるし、押さえ片309によっても取り外しを抑制できる。
側壁部304には、揺動ベース282の左右方向のほぼ中央に形成されると共にボックス蓋212の突出部258(図5参照)が貫挿される貫通孔311と、左右方向の両端に形成されると共に軸295により固定ベース281に対して揺動ベース282を軸着する軸着部312とが設けられている。また、側壁部304には、左右方向の両端に規制部313が設けられており、その規制部313が固定ベース281の立壁部292に当接することにより、揺動ベース282の揺動範囲が固定ベース281に対して鋭角となるように構成されている。
また、取付側結合部306の左右両側には、側壁部304から背面部301に亘って切り欠き314が形成され、その切り欠き314の上端、即ち、切り欠き314の背面部301の上側(矢印Z方向上側)に位置する端部には、螺子溝を有する螺着部315が形成されている。螺着部315は、補強部材283を揺動ベース282に対して固定する場合に螺子(図示せず)が螺着される部分である。
補強部材283は、本実施形態では、金属材料により略L字状に形成されている。補強部材283は、揺動ベース282の背面部301に当接する背面板321と、その背面板321の左右方向(矢印X方向)の中央に形成されると共に揺動ベース282の取付側結合部306を囲む貫通孔322と、その貫通孔322の左右両側に形成されると共に揺動ベース282の螺着部315に対して螺子止めされる螺子止め部323と、揺動ベース282の側壁部304に当接する側壁板324と、その側壁板324のほぼ中央に形成されると共にボックス蓋212の突出部258(図5参照)が貫挿される貫通孔325と、側壁板324の左右両端に形成されると共に軸295が挿入される挿入孔326とを有して構成されている。なお、挿入孔326は、揺動ベース282の軸着部312と固定ベース281の挿入孔296との間に位置するので、樹脂材料で構成される揺動ベース282の補強部材としても作用する。
補強部材283は、主に、揺動ベース282の揺動時の補強と、取付側結合部306の破壊を抑制するための補強との目的で設けられている。よって、補強部材283は、固定ベース281及び揺動ベース282の下端側に配設する必要が生じる。そして、取付側結合部306は、基板ボックス221の挿入方向先端側に配設されているので、揺動ベース282の揺動時の補強と取付側結合部306の補強との両方の補強を、固定ベース281及び揺動ベース282の下端側で行うことができる。従って、補強部材283の大きさ(面積)を小さくしつつ、揺動ベース282の揺動時の補強と取付側結合部306の補強とを行うことができ、コスト低減を図ることができる。
また、基板ボックス221の挿入方向後端側は、基板ボックス221を挿入することから操作者による操作がし易い位置となる場合が多い。そこで、取付側結合部306が、基板ボックス221の挿入方向後端側に配設されていると、蓋側結合部255(図5参照)及び取付側結合部306も操作し易い位置になってしまうので、蓋側結合部255及び取付側結合部306が不正に破壊される可能性も高くなる。しかしながら、取付側結合部306は、基板ボックス221の挿入方向先端側に配設しているので、不正行為者により蓋側結合部255及び取付側結合部306が簡単に操作されることを抑制できる。
また、取付側結合部306の周辺部を抉って結合部材259を抜こうとした場合を考慮して取付側結合部206が基板ボックス221の挿入方向先端側に配設されている。結合部材259を抜くために必要な揺動ベース282の撓み幅は、取付側結合部306が基板ボックス221の挿入方向後端側に配設されている場合より挿入方向先端側に配設されている場合のほうが多くなるので、不正行為者は不正を行いにくくなる。また撓み量が多いほど揺動ベース282が破壊される可能性が高くなるので、不正行為があったことを発見し易くすることができる。また、補強部材283は、揺動ベース282の左右方向のほぼ全域に亘って設けられているので、揺動ベース282の捻れや撓みも抑制できる。よって、揺動ベース282が捻られたり撓まされて、取付側結合部306の結合部材259との結合が、取付側結合部306を破壊せずに解除されることを抑制できる。また、取付側結合部306近傍のみが破壊されて基板ボックス221が取り外され、その後、基板ボックス221が取り付けられると、前面側からは基板ボックス221が取り外されたか否かの確認が困難となる。しかしながら、補強部材283により取付側結合部306は囲まれているので、揺動ベース282を撓ませて取付側結合部306のみを破壊することはできない。よって、基板ボックス221が不正に取り外されることを抑制することができる。また、補強部材283は、揺動ベース282の左右方向のほぼ全域に亘って設けられているので、各封印部234,257(図5参照)の背面側も覆うことができる。よって、封印部材260(図5参照)及び各封印部234,257への背面側からの接触を抑制できるので、封印部材260による各封印部234,257の封印状態が不正に解除されることも抑制できる。
また、補強部材283及び取付側結合部306は、取付ベース222に基板ボックス221が取り付けられた状態になると、基板ボックス221により覆われる。よって、補強部材283及び取付側結合部306への直接的な接触を抑制できるので、補強部材283が不正に取り外されたり、取付側結合部306が不正に破壊されることを抑制できる。
なお、取付ベース222の組み付けは、まず、揺動ベース282に補強部材283を嵌め合わせた後に、揺動ベース282の背面側の下方から(図6の矢印Bで示す方向から)螺子を螺入して、揺動ベース282と補強部材283とを固定する。そして、揺動ベース282と補強部材283とが一体となった状態で、軸295を、固定ベース281の挿入孔296及び補強部材283の挿入孔326に通し、揺動ベース282の軸着部312に軸着して行われる。
図7に示すように、取付ベース222は、固定ベース281、揺動ベース282及び補強部材283が組み付けられると、固定ベース281に対して揺動ベース282が揺動する範囲が規制されている。揺動ベース282の揺動範囲は、矢印Cで示す範囲であり、固定ベース281に対して鋭角となる範囲である。そして、揺動ベース282と補強部材283との固定は、揺動ベース282の背面下方から螺子を挿入して行うので、固定ベース281と揺動ベース282との間にドライバーなどの工具を入れることができず、補強部材283を取り外すことを抑制することができる。よって、取付側結合部306を囲む補強部材283の取り外しを抑制できるので、取付側結合部306が破壊されて、不正に基板ボックス221が取付ベース222から取り外されることを抑制できる。
次に、図8から図16を参照して、結合部材259及び各結合部255,306について説明する。図8は、結合部材259を拡大した斜視図であり、図8(a)は、結合部材259が分解された状態の斜視図であり、図8(b)は、結合部材259が結合された状態の斜視図である。
図8(a)に示すように、結合部材259は、略筒状に形成される筒部材331と、その筒部材331に内挿される内挿部材332とで構成されている。なお、以下の説明では、紙面垂直方向視において左手前側を前面側と称し、右奥側を背面側と称す。
筒部材331には、前面側に位置する第1筒部341と、その第1筒部341の背面側に連接されると共に第1筒部341の外径より小さな外径となる第2筒部342と、第1筒部341の前面側の端部から第2筒部342側に亘って延設されると共に蓋側結合部255に設けられる第1挿入溝261a(図9参照)に挿入される筒側挿入突起343と、第1筒部341の前面側の端部から第2筒部342側に亘って形成されると共に内挿部材332の内挿側挿入突起354が挿入される第1切り欠き344と、第2筒部342の背面側の端部で且つ筒側挿入突起343及び第1切り欠き344の延設線上に位置する第2切り欠き345と、その第2切り欠き345に対して第2筒部342の外周方向に90度ずれた位置に形成される筒側係止部346とが設けられている。
筒側係止部346は、第2筒部342の外周に形成される第3切り欠き347内に揺動可能に配設されており、具体的には、第3切り欠き347の前面側の端部に連結されると共に背面側に延設される揺動部348と、その揺動部348の背面側端部に形成されると共に取付ベース222の取付側結合部306(図13参照)に係止される係止爪349と、その係止爪349の背面側に設けられるテーパ面350と、係止爪349の前面側に設けられる係止面351とで構成されている。
内挿部材332には、前面側に位置する第1内挿部352と、その第2内挿部353の背面側に連結されると共に第1内挿部352の外径より小さな外径に形成される第2内挿部353と、第1内挿部352の前面側端部から第2内挿部353側に亘って延設されると共に筒部材331の第1切り欠き344に挿入される内挿側挿入突起354と、第2内挿部353から背面側に突出する内挿側係止部355とが設けられている。
内挿側係止部355は、第2内挿部352の背面側の端部に連接される揺動部356と、その揺動部356の背面側端部に形成されると共に筒部材331の第1切り欠き345に係止される係止爪357と、その係止爪357の背面側に設けられるテーパ面358と、係止爪357の前面側に設けられる係止面359とで構成されている。
内挿部材332と筒部材331との結合は、内挿部材332の内挿側挿入突起354を筒部材331の第1切り欠き344内に挿入しつつ内挿部材331を取付側結合部306側に押し込むことで行われる。内挿部材331が取付側結合部306側に押し込まれると、まず、テーパ面358が第1筒部341の内面に当接し、更に押し込まれると、筒部材331の内面により係止爪357が内挿部材332の軸心方向へ押されて内挿部材332の挿入が行われる。そして、内挿部材332が取り付け位置まで達すると、係止爪357が揺動部356により押し戻され、筒部材331の第2切り欠き345に係止されて、筒部材331と内挿部材332との結合が行われる(図8(b)の状態)。この際に、係止爪357の係止面359により内挿部材332の引き抜きが防止される。
次いで、図9から図11を参照して、蓋側結合部255について説明する。図9は、ボックス蓋212の部分拡大正面図であり、図10は、図9のX−X線におけるボックス蓋212の部分拡大断面図である。また、図11(a)は、図9のXIa−XIa線におけるボックス蓋212の部分拡大断面図であり、図11(b)は、図9のXIb−XIb線におけるボックス蓋212の部分拡大断面図である。
図9から図11に示すように、蓋側結合部255は、結合部材259が挿入される第1凹部261と、その第1凹部261の外周側をボックス蓋212の本体部分(側壁部245)に連結する一対の第1連結部3262と、第1凹部261が外周側に固着された結合部材259が挿入される第2凹部271と、その第2凹部271の外周側をボックス蓋212の本体部分(側壁部245)に連結する一対の第2連結部272とを主に備えて構成されている。
第1凹部261は、内周面および外周面が軸直断面視円形に形成される筒状体であり、上面側(図9紙面手前側)が開放されると共に、底面側(図9紙面奥側)に第1底壁263が内方に張り出して形成されている。第1底壁263には、正面視円形の第1貫通孔263aが貫通形成されており、結合部材259の第2筒部342(図8参照)が貫挿可能とされている。
一対の第1連結部3262は、第1凹部261の軸心を通過する仮想線(図9上下方向)に沿って直線状に形成されると共に、第1凹部261の外周面に連結する箇所が他の箇所に比べて細幅(図9参照)に形成されている。第1凹部261の内周面には、結合部材259の筒側挿入突起343(図8参照)が挿入される第1挿入溝261aが、一対の第1連結部3262の内の一方に対向する位置において第1凹部261の軸心方向に沿って凹設されている。この第1挿入溝261aは、底壁263の上面を越える位置まで延設され、かかる第1挿入溝261aによって底壁263の一部が凹設されている。
第1凹部261の外周面には、第2凹部271の第2挿入溝271aに挿入される第1挿入突起261bが、一対の第1連結部3262に対して位相を90度ずらした位置において外方へ向けて凸設されている。
第2凹部271は、内周面および外周面が軸直断面視円形に形成される筒状体であり、上面側(図9紙面手前側)が開放されると共に、底面側(図9紙面奥側)に第2底壁273が内方に張り出して形成されている。第2底壁273には、正面視円形の第2貫通孔273aが貫通形成されており、結合部材259の第2筒部342(図8参照)が貫挿可能とされている。なお、第2凹部271の内径は、第1凹部261の外径よりも若干大きく形成されており、第2凹部271の内周側に第1凹部261が内嵌可能かつ接着剤により固着可能に構成されている(図16参照)。
一対の第2連結部272は、第2凹部271の軸心を通過する仮想線(図9上下方向)に沿って直線状に形成されると共に、第2凹部271の外周面に連結する箇所が他の箇所に比べて細幅(図9参照)に形成されている。第2凹部271の内周面には、第1凹部261の第1挿入突起261bが挿入される第2挿入溝271aが、一対の第2連結部272に対して位相を90度ずらした位置に凹設されている。
また、第2凹部271の内周面には、一対の第1連結部3262を切断して第1凹部261を取り外した際に、第1凹部261の外周面に残存した第1連結部3262を受け入れるための一対の第2連結受入部271bが、一対の第2連結部272に対向する位置に凹設されている。
これら第2挿入溝271a及び第2連結受入部271bの延設長さ(第2凹部271の軸心方向(図10及び図11上下方向)の長さ)は、第1挿入突起261a及び第1連結壁262の高さ寸法(第1凹部261の軸心方向(図10及び図11上下方向)の長さ)と同等か若干大きくされている。そして、第2凹部271の深さ寸法(第2凹部271の上側端面から底壁273の上面までの寸法)は、第1凹部261の高さ寸法(第1凹部261の上側端面から底壁263の底面までの寸法)と同等か若干大きくされている。これにより、第2凹部271へ第1凹部261を内嵌した場合に、第2凹部271の上側端面から第1凹部261の上側端面が突出することを抑制することができる。その結果、第1凹部261を引き抜かれ難くすることができる。
第2凹部271の外周面には、蓋側返送用封印部254の第3挿入溝281aに挿入される第2挿入突起271cが、一対の第2連結部272に対して位相を90度ずらした位置において外方へ向けて凸設されている。
蓋側返送用封印部254は、第2凹部271が外周側に固着された結合部材259が挿入される第3凹部281と、その第3凹部281の外周側をボックス蓋212の本体部分(側壁部245)に連結する一対の第3連結部282とを主に備えて構成されている。
第3凹部281は、内周面および外周面が軸直断面視円形に形成される筒状体であり、上面側(図9紙面手前側)が開放されると共に、底面側(図9紙面奥側)に第3底壁283が内方に張り出して形成されている。第3底壁283には、正面視円形の第3貫通孔283aが貫通形成されており、結合部材259の第2筒部342(図8参照)が貫挿可能とされている。なお、第3凹部281の内径は、第2凹部271の外径よりも若干大きく形成されており、第3凹部281の内周側に第2凹部271が内嵌可能かつ接着剤により固着可能に構成されている(図17参照)。
一対の第3連結部282は、第3凹部281の軸心を通過する仮想線(図9左右方向)に沿って直線状に形成されている。第3凹部281の内周面には、第2凹部271の第2挿入突起271cが挿入される第3挿入溝281aが、一対の第3連結部282の内の一方に対向する位置に凹設されている。
また、第3凹部281の内周面には、一対の第2連結部272を切断して第2凹部271を取り外した際に、第2凹部271の外周面に残存した第2連結部272を受け入れるための一対の第3連結受入部281bが、一対の第3連結部282に対して位相を90度ずらした位置に凹設されている。
次いで、図12を参照して、取付結合部306について説明する。図12は、揺動ベース282の部分拡大正面図である。取付結合部306は、結合部材259が挿入されるように内部が空洞の箱状体として形成されており、その箱状体の正面側(図12紙面手前側)を構成する上壁406に貫通孔404が穿設されると共に、その貫通孔404の内縁の一部に切り欠き405が切り欠き形成されている。貫通孔404は、結合部材259が貫挿される開口であり、正面視略円形に形成されている。切り欠き405は、結合部材259を取り外す際に係止爪349を通過させるための部位であり、係止爪349よりも大きな外形を有している。なお、切り欠き405は、結合部材259が取付側結合部306に結合された状態で、その係止爪349に対して周方向に90度ずれた位置(即ち、係止爪349から最も離間した位置)に設けられており、結合部材259の取り外しを困難としている。
次いで、図13を参照して、結合部材259により基板ボックス221と取付ベース222とを結合して封印する方法について説明する。図13は、基板ユニット220の部分断面図であり、図13(a)は第1凹部261及び取付側結合部306が結合部材259により結合される前の状態が、図13(b)は第1凹部261及び取付側結合部306が筒部材331のみにより結合された状態が、図13(c)は第1凹部261及び取付側結合部306が結合部材259により封印された状態が、それぞれ図示されている。なお、図13は、図9のX−X線における断面図に対応する。また、図13では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、一部の構成にのみ符号を付して説明する。
上述したように、基板ボックス221が取付ベース222に対してスライド移動して取り付けられると、蓋側結合部255(第1凹部261)と取付側結合部306とが対向する位置に配設される(図13(a)の状態)。この状態で、第1凹部261の内周面と筒部材331の外周面との内の一方または両方に接着剤を塗布し、筒側挿入突起343(図8参照)が第1凹部261の第1挿入溝261aに挿入される位置で、筒部材331を第1凹部261へ押し込む。この際、係止爪349は、第1凹部261の内周面により押されて軸心方向に揺動する。筒部材331が更に押し込まれて係止爪349が取付側結合部306の貫通孔404を通過すると、係止爪349が揺動部348により筒部材331の径方向外側に揺動され、取付結合部306の上壁406に係止されると共に、第1凹部261に筒部材331が固着される(図13(b)の状態)。
そして、内挿側挿入突起354(図8参照)が第1切り欠き344(図8参照)に挿入される位置で、内挿部材332を筒部材331内に押し込む。この際、係止爪357(図8参照)は、筒部材331の内壁により押されて軸心方向に揺動する。内挿部材332が更に押し込まれて係止爪357が第2切り欠き345に達すると、係止爪357が揺動部356により内挿部材332の径方向外側に揺動され、係止爪357と第2切り欠き345とが係止される(図13(c)の状態)。
この場合、結合部材259は、第1挿入溝261aと筒側挿入突起343との係合により、周方向への回転が規制されるので、筒部材331の係止爪349が取付側結合部306の切り欠き405に対応する位置まで回転することが規制され、第1凹部261及び取付側結合部306の結合が解除されることを防止できる。
また、筒部材331の係止爪349は、筒部材331内に内挿部材332が内挿されているので、軸心方向への揺動が規制されている。よって、係止爪349が不正行為により軸心方向に揺動され、係止爪349と上壁406との係合が解除されることを抑制できる。その結果、結合部材259が引き抜かれることを抑制できる。
次いで、図14及び図15を参照して、結合部材259の結合により封印された基板ボックス221及び取付ベース222の封印の解除方法について説明する。図14(a)は、基板ユニット220の部分拡大正面図であり、図14(b)は取付側結合部306の上壁406の部分拡大背面図である。また、図15は、基板ユニット220の部分拡大断面図である。なお、図14(a)及び図14(b)では、第1連結部262が切断され、結合部材259が周方向に90度だけ回転された状態が図示されている。また、図15は、図9のX−X線における断面図に対応し、第1凹部261が外周側に固着された結合部材259が取り外された状態が図示されている。
結合部材259は、上述した通り、第1凹部261及び取付側結合部306により結合された状態で取り外し不可に構成されているので、基板ボックス221と取付ベース222との結合を解除するためには、ボックス蓋212の本体部分と第1凹部261とを連結する一対の第1連結部262をニッパなどの工具で切断(破壊)する。第1連結部262を切断すると、結合部材259は第1凹部261と共に周方向に回転可能となるので、これら結合部材259と第1凹部261とを一体の状態のままで90度回転させ、係止爪349を切り欠き405に対応する位置に移動させる(図14(a)及び図14(b)の状態)。これにより、第1凹部261とその第1凹部261が固着(接着)された結合部材259とを一体として取付側結合部306から引き抜くことができる(図15の状態)。これら第1凹部261及び結合部材259が引き抜かれると、基板ボックス221と取付ベース222との封印が解除され、基板ボックス221がスライド移動して取付ベース222から取り外し可能になる。このように、基板ボックス221を取付ベース222から取り外す場合には、第1連結部262が切断により破壊されるので、ホール関係者などは、基板ボックス221が取り外されたことを容易に確認することができる。
なお、引き抜かれた状態の第1凹部261と結合部材259とは、結合部材259の挿入方向先端側に内挿部材332の係止爪357が露出しているので、係止爪357を軸心方向に押さえつつ筒部材331の第2切り欠き345との係止を解除することで、内挿部材332を筒部材331から引き抜くことができる(図16参照)。
次いで、図16を参照して、封印の解除に伴い回収された結合部材259を使用して、第2凹部271及び取付側結合部306を結合することで、基板ボックス221と取付ベース222とを再封印する方法について説明する。図16は、基板ユニット220の部分断面図であり、図16(a)は第2凹部271及び取付側結合部306が第1凹部261及び結合部材259により結合される前の状態が、図16(b)は第2凹部271及び取付側結合部306が第1凹部261及び筒部材331のみにより結合された状態が、図16(c)は第2凹部271及び取付側結合部306が第1凹部261及び結合部材259により封印された状態が、それぞれ図示されている。なお、図16は、図9のX−X線における断面図に対応する。また、図16では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、一部の構成にのみ符号を付して説明する。
基板ユニット220を開封した後に再封印する場合には、上述したように、基板ボックス221を取付ベース222に対してスライド移動して取り付けることで、蓋側結合部255(第2凹部271)と取付側結合部306とを対向する位置に配設する(図16(a)の状態)。この状態で、第2凹部271の内周面と、筒部材331に固着された第1凹部261の外周面との内の一方または両方に接着剤を塗布し、第2凹部271の第2挿入溝271aに第1凹部261の第1挿入突起261bが、第2凹部271の第2連結受入部271bに第1凹部261の外周面に残存した第1連結部262(図14(a)参照)が、それぞれ挿入される位置で、第1凹部261及び筒部材331を第2凹部271に押し込む。
この際、係止爪349は、第2凹部271の底壁273における貫通孔273aにより押されて軸心方向に揺動する。筒部材331が更に押し込まれて係止爪349が取付側結合部306の貫通孔404を通過すると、係止爪349が揺動部348により筒部材331の径方向外側に揺動され、取付結合部306の上壁406に係止されると共に、第2凹部271に第1凹部261が固着される(図16(b)の状態)。
そして、上述した最初の封印の場合(図13参照)と同様に、内挿側挿入突起354(図8参照)が第1切り欠き344(図8参照)に挿入される位置で、内挿部材332を筒部材331内に押し込む。この際、係止爪357(図8参照)は、筒部材331の内壁により押されて軸心方向に揺動する。内挿部材332が更に押し込まれて係止爪357が第2切り欠き345に達すると、係止爪357が揺動部356により内挿部材332の径方向外側に揺動され、係止爪357と第2切り欠き345とが係止される(図16(c)の状態)。
この場合、結合部材259は、その筒側挿入突起343が第1凹部261の第1挿入溝261aに係合されると共に、第1凹部261の第1挿入突起261bが第2凹部271の第2挿入溝271aに嵌合されることで、周方向への回転が規制されるので、筒部材331の係止爪349が取付側結合部306の切り欠き405に対応する位置まで回転することが規制され、第2凹部271及び取付側結合部306の結合が解除されることを防止できる。
また、筒部材331の係止爪349は、筒部材331内に内挿部材332が内挿されているので、軸心方向への揺動が規制されている。よって、係止爪349が不正行為により軸心方向に揺動され、係止爪349と上壁406との係合が解除されることを抑制できる。その結果、結合部材259が引き抜かれることを抑制できる。
なお、この場合、基板ボックス221と取付ベース222との結合を解除するためには、ボックス蓋212の本体部分と第2凹部271とを連結する一対の第2連結部272をニッパなどの工具で切断(破壊)する。第2連結部272を切断すると、結合部材259は第1凹部261及び第2凹部271と共に周方向に回転可能となるので、これら結合部材259と第1凹部261及び第2凹部271とを一体の状態のままで90度回転させ、係止爪349を切り欠き405に対応する位置に移動させる(図14(a)及び図14(b)参照)。これにより、第2凹部271とその第2凹部271が固着(接着)された第1凹部261及び結合部材259とを一体として取付側結合部306から引き抜くことができる。これら第2凹部271、第1凹部261及び結合部材259が一体となった状態で引き抜かれると、基板ボックス221と取付ベース222との再封印が解除され、基板ボックス221がスライド移動して取付ベース222から取り外し可能になる。このように、基板ボックス221を取付ベース222から取り外す場合には、第2連結部272が切断により破壊されるので、ホール関係者などは、基板ボックス221が取り外されたことを容易に確認することができる。
次いで、図17を参照して、再封印の解除に伴い回収された結合部材259を使用して、基板ボックス221を封印する方法について説明する。図17は、基板ユニット220の部分断面図であり、基板ボックス221が第1凹部261、第2凹部271及び結合部材259により封印された状態が図示されている。なお、図17は、図9のX−X線における断面図に対応する。また、図17では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、一部の構成にのみ符号を付して説明する。
基板ボックス221(ボックスベース211及びボックス蓋212)を封印する場合には、ベース側返送用封印部231と第3凹部281とを、第1凹部261及び第2凹部271が外周側に固着された結合部材259により結合する。即ち、上述したように、基板ボックス221と取付ベース222との1回目の封印を解除することで、第1凹部261が外周側に固着された結合部材259が回収され(図15参照)、基板ボックス221と取付ベース222との2回目の封印(再封印)を解除することで、第1凹部261及び第2凹部271が外周側に固着された結合部材259が回収される。
この再封印の解除により回収され第1凹部261及び第2凹部271が外周側に固着された結合部材259は、上述したように、その結合部材259の挿入方向先端側に内挿部材332の係止爪357が露出しているので、係止爪357を軸心方向に押さえつつ筒部材331の第2切り欠き345との係止を解除することで、内挿部材332を筒部材331から引き抜く。
基板ボックス221を組み立てると、蓋側返送用封印部254(第3凹部281)とベース側返送用封印部231とが対向する位置に配設されるので、第2凹部271の第2挿入突起271cが第3凹部281の第3挿入溝281a(図9及び図10参照)に挿入される位置で、第1凹部261及び第2凹部271が外周側に固着された筒部材331を第3凹部281へ押し込み、係止爪349をベース側返送用封印部231の上壁に係止させる。そして、内挿側挿入突起354(図8参照)が第1切り欠き344(図8参照)に挿入される位置で、内挿部材332を筒部材331内に押し込む。これにより、筒部材331の係止爪349がベース側返送用封印部231の上壁に係止され、蓋側返送用封印部254(第3凹部281)とベース側返送用封印部231とが封印される。
この場合、ベース側返送用封印部231は、結合部材259の係止爪349,355の係止解除を不能とするために密閉形状に形成されている。よって、結合部材259は、主基板213(図5参照)の修理などの為に基板ボックス221をメーカーに送り返す場合に、基板ボックス221を開封不能に封印することができるので、基板ボックス221のメーカーへの返送途中に基板ボックス221がバラバラになり部品などが紛失することを抑制できる。
また、結合部材259は、再利用可能に構成されているが、基板ユニット220において1つしか備えられていない。そして、メーカーへの返送時にも使用されてメーカーに返却されるので、結合部材259が市場に流通することを抑制することもできる。よって、結合部材259が市場に流通することで、例えば、2つの基板ボックスから1の基板ボックスを不正に製作する場合に結合部材259が使用されることを抑制することができる。
また、各返送用封印部231,254を介して結合部材259により封印された基板ボックス221を開封する場合にも、第3連結部282をニッパなどの工具で切断しなければならないので、メーカーへの返送途中に基板ボックス221が開封された場合にも痕跡が残り、基板ボックス221の開封を発見することができる。
特に、結合部材259には、第1凹部261及び第2凹部271が接着剤によって固着されているので、第1凹部261及び第2凹部271の除去を困難として、結合部材259に痕跡が残らずに回収することを防止することができる。
次いで、本スロットマシン10の電気的構成について、図18を参照して説明する。図18は、スロットマシン10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置101には、演算処理手段であるMPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。MPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45(図1参照)から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、各クレジット投入スイッチ56,57の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ56a,57a、精算スイッチ58の操作を検出する精算検出センサ58a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、キーシリンダ73(図5参照)に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してMPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71(図2参照)による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はMPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、MPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46(図2参照)に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60(図1参照)、残払出枚数表示部61(図1参照)、払出枚数表示部62(図1参照)、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
表示制御装置81は、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのMPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置101からの信号を受け取った上で、表示制御装置81が独自に上部ランプ63、スピーカ64及び補助表示部65を駆動制御する。したがって、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。なお、各種表示部60〜62も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
上述したMPU102には、このMPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106、乱数を発生するフリーランカウンタ107が内蔵されている。また、MPU102には、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタも内蔵されている。
フリーランカウンタ107は、0〜65535の乱数を短い周期で生成して更新するハードウェアによって構成されたカウンタである。MPU102は、スタートレバー41の操作をスタート検出センサ41aの出力信号に基づいて確認した後、ハード回路によってフリーランカウンタ107の値をラッチし、そのラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。尚、本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタ107の値をラッチする構成となっている。また、ラッチされ、RAM106に格納されたフリーランカウンタの値は、スタートレバー41の操作によって開始されるゲームの入賞態様(役)を抽選するために用いられる。
ROM105とRAM106とは、記憶手段としてのメインメモリを構成するものであり、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM105に記憶されている。また、ROM105には、入賞態様の抽選に用いられる抽選テーブルを格納する抽選テーブル格納エリア105aが設けられている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いるスベリテーブルを記憶するためのスベリテーブル格納エリア106b、ボーナス状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、MPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
続いて、主制御装置101のMPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるMPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。タイマ割込み処理では、各種のセンサ入力を監視する処理や、ステッピングモータやランプ、スピーカなどへの出力を実行する処理が実行され、NMI割込処理では、停電信号が入力された場合に、遊技内容をRAM106のバックアップエリア(図示せず)に記憶する停電処理が実行される。
次に、図19を参照して、主制御装置101のMPU102により実行される通常処理について説明する。図19は、主制御装置101のMPU102により実行される通常処理を示したフローチャートである。
通常処理は、遊技に関わる主要な制御を行う処理で、MPU102により通常処理が実行されると、先ず、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い(S201)、次に、遊技を可能とするための開始前処理を行う(S202)。この開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。そして、表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、続くS203〜S213に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、まず、S203の処理では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値やBB入賞を除く各入賞の当選を示す各当選フラグ等)をクリアし、続くS204の処理では開始待ち処理を行う。
S204の開始待ち処理では、前回の遊技でリプレイ入賞が成立したか否かを判定し、リプレイ入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でリプレイ入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。
一方、いずれのリプレイ入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理で読み込まれたセンサの読込結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とすると共にエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ58が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ58が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ58が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合にはメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
S204の開始待ち処理の終了後、次いで、メダルのベット数が規定数に達しているか否かを判定し(S205)、ベット数が規定数に達していない場合には(S205:No)、S204の開始待ち処理に戻って、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。尚、本実施形態において、ベット数の規定数は、スロットマシン10の遊技状態に応じて設定される。即ち、スロットマシン10の遊技状態が一般遊技状態にある場合は規定数を1枚〜3枚に設定し、ボーナス状態にある場合は規定数を3枚に設定する。これにより、一般遊技状態ではベット数が3枚だけでなく、1枚または2枚であってもゲームを開始することができる。
S205の処理の結果、ベット数が規定数に達している場合には(S205:Yes)、次いで、スタートレバー41が操作されたか否かを判定する(S206)。そして、スタートレバー41が操作されていない場合には(S206:No)、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には(S206:Yes)、本スロットマシン10が規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。そこで、かかる場合には、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する(S207)。続く208の処理では、有効ラインを設定する有効ライン設定処理を行う(S208)。この有効ライン設定処理では、上ラインL1,中ラインL2,下ラインL3,右下がりラインL4,右上がりラインL5の全ての組合せラインを有効ラインとして設定する。そして、開始コマンドをセットする(S209)。ここで、開始コマンドとは、開始指令が発生したことを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。
その後、当選フラグ格納エリア106aの値に基づく抽選処理(S210)、スベリテーブル格納エリア106bの値に基づくリール制御処理(S211)、遊技に当選し且つクレジットが一杯であった場合にメダルを払い出すメダル払出処理(S212)、ボーナス状態であった場合にボーナスゲームを実行するボーナス状態処理(S213)を順に実行し、S203の処理に戻る。
次いで、図20から図26を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、結合部材259の係止爪349が複数回の封印で共通して使用されたが、第2実施の形態では、結合部材259の係止爪349が第1回目の封印でのみ使用される。なお、第1実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
まず、図20から図22を参照して、第2実施の形態における蓋側結合部2255について説明する。図20は、ボックス蓋2212の部分拡大正面図であり、図21は、図20のXXI−XXI線におけるボックス蓋2212の部分拡大断面図である。また、図22(a)は、図20のXXIIa−XXIIa線におけるボックス蓋2212の部分拡大断面図であり、図22(b)は、図20のXXIIb−XXIIb線におけるボックス蓋2212の部分拡大断面図である。
図20から図22に示すように、蓋側結合部2255は、結合部材259が挿入される第1凹部2261と、その第1凹部2261の外周側をボックス蓋2212の本体部分(側壁部245)に連結する一対の第1連結部262と、第1凹部2261が外周側に固着された結合部材2259が挿入される第2凹部2271と、その第2凹部2271の外周側をボックス蓋2212の本体部分(側壁部245)に連結する一対の第2連結部272とを主に備えて構成されている。
第1凹部2261は、ボックス蓋2212の前面側(図21及び図22上側)に位置すると共に内外周面が軸直断面視円形の筒状に形成される第1前面筒2263と、その第1前面筒2263の背面側(図21及び図22下側)に同軸状に連接されると共に内外周面が軸直断面視円形の筒状に形成される第1背面筒部2264と、その第1背面筒2264の背面側の端部から第1前面筒2263側に亘って形成される一対の第1切り欠き2265と、それら一対の第1切り欠き2265の前面側の端部にそれぞれ連接されると共に背面側へ延設される一対の第1揺動部2266と、それら各第1揺動部2266の背面側端部の外周からそれぞれ突設される共に取付側結合部2306の上壁406(図25参照)に係止される第1係止爪2267とを備えて構成されている。
第1前面筒2263と第1背面筒2264とは、同じ肉厚で筒状に形成されると共に、第1背面筒2264の内径および外径が、第1前面筒2263の内径および外径よりもそれぞれ小さくされている。これにより、第1前面筒2263と第1背面筒2264との連接部には内周面および外周面にそれぞれ段差が形成されている。
第1凹部2261の第1前面筒2263の内周面には、結合部材259の筒側挿入突起343(図8参照)が挿入される第1挿入溝261aが、一対の第1連結部262の内の一方に対向する位置において第1凹部2261の軸心方向に沿って凹設されている。この第1挿入溝261aは、第1背面筒2264に達する位置まで延設され、かかる第1挿入溝261aによって第1背面筒2264の一部が凹設されている。
第1凹部2261の第1前面筒2263の外周面には、第2凹部2271の第2挿入溝271aに挿入される第1挿入突起261bが、一対の第1連結部262に対して位相を90度ずらした位置において外方へ向けて凸設されている。
同様に、一対の第1揺動部2266は、第1挿入溝261aに対して位相を90°ずらした位置に形成されている。よって、結合部材259の筒側挿入突起343(図8参照)が第1挿入溝261aに挿入される位置で、結合部材259が第1凹部2261に押し込まれると、一対の第1揺動部2266は結合部材259の一対の揺動部348にそれぞれ重なる位置に配置される(図23参照)。第1揺動部2266の幅寸法(図22(a)左右方向寸法)は、結合部材259の第3切り欠き347の幅寸法(図8(a)上下方向寸法)よりも小さくされているので、第1凹部2261に結合部材259が内嵌された状態においても、後述するように、第1揺動部2266を、結合部材259の揺動部348と共に、軸心方向へ揺動させることができる(図25参照)。
第2凹部2271は、内周面および外周面が軸直断面視円形に形成される筒状体であり、その筒状体の背面側(図21及び図22下側)の端部から前面側(図21及び図22上側)に向かって形成される一対の第2切り欠き2275と、それら一対の第2切り欠き2275の前面側の端部にそれぞれ連接されると共に背面側へ延設される一対の第2揺動部2276と、それら各第2揺動部2276の背面側端部の外周からそれぞれ突設される共に取付側結合部2306の上壁406(図25参照)に係止される第2係止爪2277とを備えて構成されている。
なお、第2凹部2271の内径は、第1凹部2261の第1前面筒2263の外径よりも若干大きく形成されており、第2凹部2271の内周側に第1凹部2261の第1前面筒2263が内嵌可能かつ接着剤により固着可能に構成されている(図25参照)。
第2凹部2271の内周面には、第1凹部2261の第1挿入突起261bが挿入される第2挿入溝271aが、一対の第2連結部272に対して位相を90度ずらした位置に凹設されている。
また、第2凹部2271の内周面には、一対の第1連結部262を切断して第1凹部2261を取り外した際に、第1凹部2261の外周面に残存した第1連結部262を受け入れるための一対の第2連結受入部271bが、一対の第2連結部272に対向する位置に凹設されている。
上述したように、第2挿入溝271a及び第2連結受入部271bの延設長さ(第2凹部2271の軸心方向(図21及び図22上下方向)の長さ)は、第1挿入突起261a及び第1連結壁262の高さ寸法(第1凹部2261の軸心方向(図21及び図22上下方向)の長さ)と同等か若干大きくされており、第2凹部2271へ第1凹部2261を内嵌した場合に、第2凹部2271の上側端面から第1凹部2261の上側端面が突出することが抑制できる(図25参照)。その結果、第1凹部2261を引き抜かれ難くすることができる。
また、このように、第2凹部2271に第1凹部2261が内嵌された状態では、第2揺動部2276の先端側(第2係止爪2277側)の少なくとも一部が、第1凹部2261の第1背面筒部2264に重なる位置まで、第2揺動部2276が背面側へ延設されている。よって、第2揺動部2276と第1凹部2261の第1背面筒部2264との間に隙間を設けることができるので、第2凹部2271に第1凹部2261が内嵌された状態でも、後述するように、第2揺動部2276を軸心方向へ揺動させることができる(図26参照)。
更に、一対の第2揺動部2276は、第2挿入溝271aに対して位相を90°ずらした位置に形成されている。よって、第1凹部2261の第1挿入突起261bが第2挿入溝271aに挿入される位置で、第1凹部2261が第2凹部2271に押し込まれると、一対の第2揺動部2276は第1凹部2261の一対の第1揺動部2266にそれぞれ重なる位置に配置される(図25参照)。第2揺動部2276の幅寸法(図22(b)左右方向寸法)は、第1凹部2261の第2切り欠き2265の幅寸法(図22(a)左右方向寸法)よりも小さくされている。従って、第2揺動部2276と第1凹部2261の第1背面筒部2264との間に設けられた隙間の分だけ、第2揺動部2276が軸心方向へ揺動した後は、次いで、かかる第2揺動部2276を、第1凹部2261の第1揺動部2266と共に、軸心方向へ揺動させることができる(図26参照)。
第2凹部2271の外周面には、蓋側返送用封印部2254の第3挿入溝281aに挿入される第2挿入突起271cが、一対の第2連結部272に対して位相を90度ずらした位置において外方へ向けて凸設されている。
蓋側返送用封印部2254は、第2凹部2271が外周側に固着された結合部材259が挿入される第3凹部2281と、その第3凹部2281の外周側をボックス蓋2212の本体部分(側壁部245)に連結する一対の第3連結部282とを主に備えて構成されている。
第3凹部2281は、内周面および外周面が軸直断面視円形に形成される筒状体であり、その内径が、第2凹部2271の外径よりも若干大きく形成されることで、内周側に第2凹部2271を内嵌可能かつ接着剤により固着可能に構成されている(図26参照)。第3凹部2281の内周面には、第2凹部2271の第2挿入突起271cが挿入される第3挿入溝281aが、一対の第3連結部282の内の一方に対向する位置に凹設されている。
また、第3凹部2281の内周面には、一対の第2連結部272を切断して第2凹部2271を取り外した際に、第2凹部2271の外周面に残存した第2連結部272を受け入れるための一対の第3連結受入部281bが、一対の第3連結部282に対して位相を90度ずらした位置に凹設されている。
次いで、図23を参照して、結合部材259により基板ボックス2221と取付ベース2222とを結合して封印する方法について説明する。図23は、基板ユニット2220の部分断面図であり、図23(a)は第1凹部2261及び取付側結合部2306が結合部材259により結合される前の状態が、図23(b)は第1凹部2261及び取付側結合部2306が筒部材331のみにより結合された状態が、図23(c)は第1凹部2261及び取付側結合部2306が結合部材259により封印された状態が、それぞれ図示されている。なお、図23は、図20のXXI−XXI線における断面図に対応する。また、図23では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、一部の構成にのみ符号を付して説明する。
基板ボックス2221が取付ベース2222に対してスライド移動して取り付けられると、第1凹部2261と取付側結合部2306とが対向する位置に配設される(図23(a)の状態)。この状態で、第1凹部2261の内周面と筒部材331の外周面との内の一方または両方に接着剤を塗布し、筒側挿入突起343(図8参照)が第1凹部2261の第1挿入溝261aに挿入される位置で、筒部材331を第1凹部2261へ押し込む。この際、係止爪349は、第1凹部2261の内周面により押されて軸心方向に揺動する。筒部材331が更に押し込まれて係止爪349が取付側結合部2306の貫通孔404を通過すると、係止爪349が揺動部348により筒部材331の径方向外側に揺動され、取付結合部2306の上壁406に係止されると共に、第1凹部2261に筒部材331が固着される(図23(b)の状態)。
そして、内挿側挿入突起354(図8参照)が第1切り欠き344(図8参照)に挿入される位置で、筒部材331内に内挿部材332を押し込む。この際、係止爪357(図8参照)は、筒部材331の内壁により押されて軸心方向に揺動する。内挿部材332が更に押し込まれて係止爪357が第2切り欠き345に達すると、係止爪357が揺動部356により内挿部材332の径方向外側に揺動され、係止爪357と第2切り欠き345とが係止される(図23(c)の状態)。
この場合、結合部材259は、第1挿入溝261aと筒側挿入突起343との係合により、周方向への回転が規制されるので、筒部材331の係止爪349が取付側結合部2306の切り欠き405に対応する位置まで回転することが規制され、第1凹部2261及び取付側結合部2306の結合が解除されることを防止できる。
また、筒部材331の係止爪349は、筒部材331内に内挿部材332が内挿されているので、軸心方向への揺動が規制されている。よって、係止爪349が不正行為により軸心方向に揺動され、係止爪349と上壁406との係合が解除されることを抑制できる。その結果、結合部材259が引き抜かれることを抑制できる。
次いで、図24を参照して、結合部材259の結合により封印された基板ボックス2221及び取付ベース2222の封印の解除方法について説明する。図24は、基板ユニット2220の部分拡大断面図である。なお、図24は、図20のXXI−XXI線における断面図に対応し、第1凹部2261が外周側に固着された結合部材259が取り外された状態が図示されている。
結合部材259により第1凹部2261及び取付側結合部2306が結合された状態から、基板ボックス2221及び取付ベース2222の封印を解除するためには、ボックス蓋2212の本体部分と第1凹部2261とを連結する一対の第1連結部262をニッパなどの工具で切断(破壊)する。第1連結部262を切断すると、結合部材259は第1凹部2261と共に周方向に回転可能となるので、これら結合部材259と第1凹部2261とを一体の状態のままで90度回転させ、係止爪349を切り欠き405に対応する位置に移動させる。これにより、第1凹部2261とその第1凹部2261が固着(接着)された結合部材259とを一体として取付側結合部2306から引き抜くことができる。これら第1凹部2261及び結合部材259が引き抜かれると、基板ボックス2221と取付ベース2222との封印が解除され、基板ボックス2221がスライド移動して取付ベース2222から取り外し可能になる。このように、基板ボックス2221を取付ベース2222から取り外す場合には、第1連結部262が切断により破壊されるので、ホール関係者などは、基板ボックス2221が取り外されたことを容易に確認することができる。
なお、引き抜かれた状態の第1凹部2261と結合部材259とは、結合部材259の挿入方向先端側に内挿部材332の係止爪357が露出しているので、係止爪357を軸心方向に押さえつつ筒部材331の第2切り欠き345との係止を解除することで、内挿部材332を筒部材331から引き抜くことができる(図25参照)。
次いで、図25を参照して、封印の解除に伴い回収された結合部材259を使用して、第2凹部2271及び取付側結合部2306を結合することで、基板ボックス2221と取付ベース2222とを再封印する方法について説明する。図25は、基板ユニット2220の部分断面図であり、図25(a)は第2凹部2271及び取付側結合部2306が第1凹部2261及び結合部材259により結合される前の状態が、図25(b)は第2凹部2271及び取付側結合部2306が第1凹部2261及び筒部材331のみにより結合された状態が、図25(c)は第2凹部2271及び取付側結合部2306が第1凹部2261及び結合部材259により封印された状態が、それぞれ図示されている。なお、図25は、図20のXXI−XXI線における断面図に対応する。また、図25では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、一部の構成にのみ符号を付して説明する。
基板ユニット2220を開封した後に再封印する場合には、上述したように、基板ボックス2221を取付ベース2222に対してスライド移動して取り付けることで、第2凹部2271と取付側結合部2306とを対向する位置に配設する(図25(a)の状態)。この状態で、第2凹部2271の内周面と、筒部材331に固着された第1凹部2261の外周面との内の一方または両方に接着剤を塗布し、第2凹部2271の第2挿入溝271aに第1凹部2261の第1挿入突起261bが、第2凹部2271の第2連結受入部271bに第1凹部2261の外周面に残存した第1連結部262が、それぞれ挿入される位置で、第1凹部2261及び筒部材331を第2凹部2271に押し込む。
この際、第1凹部2261の第1係止爪2267は、取付結合部2306の貫通孔404により押されて第1凹部2261の軸心方向に揺動する。第1凹部2261及び筒部材331が更に押し込まれて第1係止爪2267が取付側結合部2306の貫通孔404を通過すると、第1係止爪2267が第1揺動部2266により第1凹部2261の径方向外側に揺動され、取付結合部2306の上壁406に係止されると共に、第2凹部2271に第1凹部2261が固着される(図25(b)の状態)。
なお、この場合、第1揺動部2266は、上述したように、結合部材259(筒部材331)の揺動部348と重なる位置に配置されるので、第1係止爪2267が取付側結合部2306の貫通孔404を通過する際には、第1揺動部2266を、揺動部348と共に、軸心方向へ揺動させることができる。
第1凹部2261及び筒部材331を第2凹部2271に内嵌させた後は、上述した最初の封印の場合(図23参照)と同様に、内挿側挿入突起354(図8参照)が第1切り欠き344(図8参照)に挿入される位置で、内挿部材332を筒部材331内に押し込む。この際、係止爪357(図8参照)は、筒部材331の内壁により押されて軸心方向に揺動する。内挿部材332が更に押し込まれて係止爪357が第2切り欠き345に達すると、係止爪357が揺動部356により内挿部材332の径方向外側に揺動され、係止爪357と第2切り欠き345とが係止される(図25(c)の状態)。
この場合、結合部材259は、その筒側挿入突起343が第1凹部2261の第1挿入溝261aに係合されると共に、第1凹部2261の第1挿入突起261bが第2凹部2271の第2挿入溝271aに嵌合されることで、周方向への回転が規制されるので、第1凹部2261の第1係止爪2267が取付側結合部2306の切り欠き405に対応する位置まで回転することが規制され、第2凹部2271及び取付側結合部2306の結合が解除されることを防止できる。
また、筒部材331内に内挿部材332が内挿されることで、筒部材331の揺動部348の軸心方向への揺動が規制されているので、これに伴って、第1凹部2261の第1揺動部2266の軸心方向への揺動も規制することができる。よって、第1係止爪2267が不正行為により軸心方向に揺動され、かかる第1係止爪2266と上壁406との係合が解除されることを抑制できる。その結果、第1凹部2261及び結合部材259が引き抜かれることを抑制できる。
なお、この場合、基板ボックス2221と取付ベース2222との結合を解除するためには、ボックス蓋2212の本体部分と第2凹部2271とを連結する一対の第2連結部272をニッパなどの工具で切断(破壊)する。第2連結部272を切断すると、結合部材259は第1凹部2261及び第2凹部2271と共に周方向に回転可能となるので、これら結合部材259と第1凹部2261及び第2凹部2271とを一体の状態のままで90度回転させ、第1係止爪2267を切り欠き405に対応する位置に移動させる。これにより、第2凹部2271とその第2凹部2271が固着(接着)された第1凹部2261及び結合部材259とを一体として取付側結合部2306から引き抜くことができる。これら第2凹部2271、第1凹部2261及び結合部材259が一体となった状態で引き抜かれると、基板ボックス2221と取付ベース2222との再封印が解除され、基板ボックス2221がスライド移動して取付ベース2222から取り外し可能になる。このように、基板ボックス2221を取付ベース2222から取り外す場合には、第2連結部272が切断により破壊されるので、ホール関係者などは、基板ボックス2221が取り外されたことを容易に確認することができる。
次いで、図26を参照して、再封印の解除に伴い回収された結合部材259を使用して、基板ボックス2221を封印する方法について説明する。図26は、基板ユニット2220の部分断面図であり、基板ボックス2221が第1凹部2261、第2凹部2271及び結合部材259により封印された状態が図示されている。なお、図26は、図20のXXI−XXI線における断面図に対応する。また、図26では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、一部の構成にのみ符号を付して説明する。
基板ボックス2221(ボックスベース2211及びボックス蓋2212)を封印する場合には、ベース側返送用封印部231と蓋側返送用封印部2254(第3凹部281)とを、第1凹部2261及び第2凹部2271が外周側に固着された結合部材259により結合する。即ち、上述したように、基板ボックス2221と取付ベース2222との1回目の封印を解除することで、第1凹部261が外周側に固着された結合部材259が回収され(図24参照)、基板ボックス2221と取付ベース2222との2回目の封印(再封印)を解除することで、第1凹部2261及び第2凹部2271が外周側に固着された結合部材259が回収される。
この再封印の解除により回収され第1凹部2261及び第2凹部2271が外周側に固着された結合部材259は、上述したように、その結合部材259の挿入方向先端側に内挿部材332の係止爪357が露出しているので、係止爪357を軸心方向に押さえつつ筒部材331の第2切り欠き345との係止を解除することで、内挿部材332を筒部材331から引き抜く。
基板ボックス2221を組み立てると、蓋側返送用封印部2254(第3凹部2281)とベース側返送用封印部231とが対向する位置に配設されるので、第2凹部2271の第2挿入突起271cが第3凹部2281の第3挿入溝281a(図20及び図21参照)に挿入される位置で、第1凹部2261及び第2凹部2271が外周側に固着された筒部材331を第3凹部2281へ押し込む。これにより、ベース側返送用封印部231の貫通孔を通過した第2凹部2271の第2係止爪2277が、ベース側返送用封印部231の上壁に係止される。
なお、この場合、第2揺動部2276は、上述したように、第1凹部2261の第1背面筒部2264との間に隙間が設けられているので、第2揺動部2276を軸心方向へ揺動させることができる。更に、第2揺動部2276は、第1凹部2261の第1揺動部2266と重なる位置に配置されているので、第2係止爪2277がベース側返送用封印部231の貫通孔を通過する際には、第2揺動部2276を、第1揺動部2266及び揺動部348と共に、軸心方向へ揺動させることができる。
第1凹部2261、第2凹部2271及び筒部材331を第3凹部2281に内嵌させた後は、上述した最初の封印あるいは再封印の場合と同様に、内挿側挿入突起354(図8参照)が第1切り欠き344(図8参照)に挿入される位置で、内挿部材332を筒部材331内に押し込む。これにより、筒部材331の係止爪349がベース側返送用封印部231の上壁に係止され、蓋側返送用封印部2254(第3凹部2281)とベース側返送用封印部231とが封印される。
なお、蓋側返送用封印部2254は、結合部材259の係止爪355の係止解除および第2凹部2271の第2係止爪2277の係止解除を不能とするために密閉形状に形成されている。よって、結合部材259は、主基板213(図5参照)の修理などの為に基板ボックス2221をメーカーに送り返す場合に、基板ボックス2221を開封不能に封印することができるので、基板ボックス2221のメーカーへの返送途中に基板ボックス2221がバラバラになり部品などが紛失することを抑制できる。
また、結合部材259は、再利用可能に構成されているが、基板ユニット2220において1つしか備えられていない。そして、メーカーへの返送時にも使用されてメーカーに返却されるので、結合部材259が市場に流通することを抑制することもできる。よって、結合部材259が市場に流通することで、例えば、2つの基板ボックスから1の基板ボックスを不正に製作する場合に結合部材259が使用されることを抑制することができる。
また、各返送用封印部231,2254を介して結合部材259により封印された基板ボックス2221を開封する場合にも、第3連結部282をニッパなどの工具で切断しなければならないので、メーカーへの返送途中に基板ボックス2221が開封された場合にも痕跡が残り、基板ボックス2221の開封を発見することができる。
特に、結合部材259には、第1凹部2261及び第2凹部2271が接着剤によって固着されているので、第1凹部2261及び第2凹部2271の除去を困難として、結合部材259に痕跡が残らずに回収することを防止することができる。
次いで、図27から図38を参照して、第3実施の形態について説明する。第1実施の形態では、封印を行った回数が増加する毎に結合部材259に各凹部261,271が固着され、その外形が大きくなる場合を説明したが、第3実施の形態では、封印を行った回数が増加するごとに、結合部材3000の一部が除去され、その外形が小さくされる。なお、上記各実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
まず、図27から図29を参照して、第3実施の形態における蓋側結合部3255について説明する。図27は、ボックス蓋3212の部分拡大正面図であり、図28は、図27のXXVIII−XXVIII線におけるボックス蓋3212の部分拡大断面図である。また、図29(a)は、図27のXXIXa−XXIXa線におけるボックス蓋3212の部分拡大断面図であり、図29(b)は、図27のXXIXb−XXIXb線におけるボックス蓋3212の部分拡大断面図である。
図27から図29に示すように、蓋側結合部3255は、結合部材3000が挿入される第1凹部3261と、その第1凹部3261の外周側をボックス蓋3212の本体部分(側壁部245)に連結する一対の第1連結部3262と、第1筒部3100を除去した結合部材3000が挿入される第2凹部3271と、その第2凹部3271の外周側をボックス蓋3212の本体部分(側壁部245)に連結する一対の第2連結部3272とを主に備えて構成されている。
第1凹部3261は、内周面および外周面が軸直断面視円形に形成される筒状体であり、上面側(図27紙面手前側)が開放されると共に、底面側(図27紙面奥側)に第1底壁3263が内方に張り出して形成されている。なお、第1凹部3261の内径は、結合部材3000の第1筒部3100(図30参照)の外径よりも若干大きく形成されており、第1凹部3261の内周側に結合部材3000の第1筒部3100が内嵌可能かつ接着剤により固着可能に構成されている(図33参照)。
第1底壁3263には、正面視円形の第1貫通孔3263aが貫通形成されると共に、その第1貫通孔3263aの内縁から第1凹部3261の内周面に向けて一対の第1凹欠部3263bが凹欠されている。一対の第1凹欠部3263bは、結合部材3000の第1係止爪3103を通過させるための部位であり、第1凹部3261の軸心を通過する仮想線(図27左右方向)に沿って直線状に形成されている。
一対の第1連結部3262は、第1凹欠部3263bに対して位相を90度ずらした位置に形成されると共に、第1凹部3261の外周面に連結する箇所が他の箇所に比べて薄肉に形成されている(図29参照)。第1凹部3261の内周面には、結合部材3000の第1挿入突起3101(図30参照)が挿入される一対の第1挿入溝3261aが、一対の第1連結部3262に対して位相を90度ずらした位置、即ち、第1凹欠部3263bと同位相となる位置において第1凹部3261の軸心方向に沿って凹設されている。
第1挿入溝3261aの延設長さ(第1凹部3261の軸心方向(図28及び図29上下方向)の長さ)は、第1挿入突起3101の高さ寸法(第1凹部3261の軸心方向(図28及び図29上下方向)の長さ)と同等か若干大きくされている。そして、第1凹部3261の深さ寸法(第1凹部3261の上側端面から底壁3263の上面までの寸法)は、結合部材3000の第1筒部3100の高さ寸法(第1筒部3100の上側端面から下端面までの寸法、図30(b)参照)と同等か若干大きくされている。これにより、第1凹部3261へ結合部材3000を内嵌した場合に、第1凹部3261の上側端面から結合部材3000の上側端面が突出することを抑制することができる。その結果、結合部材3000を引き抜かれ難くすることができる。
第2凹部3271は、内周面および外周面が軸直断面視円形に形成される筒状体であり、上面側(図27紙面手前側)が開放されると共に、底面側(図27紙面奥側)に第2底壁3273が内方に張り出して形成されている。なお、第2凹部3271の内径は、結合部材3000の第2筒部3200(図30参照)の外径よりも若干大きく形成されており、第2凹部3271の内周側に結合部材3000の第2筒部3200が内嵌可能かつ接着剤により固着可能に構成されている(図37参照)。
第2底壁3273には、正面視円形の第2貫通孔3273aが貫通形成されると共に、その第2貫通孔3273aの内縁から第2凹部3271の内周面に向けて一対の第2凹欠部3273bが凹欠されている。一対の第2凹欠部3273bは、結合部材3000の第2係止爪3203を通過させるための部位であり、第2凹部3261の軸心を通過する仮想線(図27左右方向)に沿って直線状に形成されている。
一対の第2連結部3272は、第2凹欠部3273bに対して位相を90度ずらした位置に形成されると共に、第2凹部3271の外周面に連結する箇所が他の箇所に比べて薄肉に形成されている(図29参照)。
第2凹部3271の内周面には、結合部材3000の第2挿入突起3201(図30参照)が挿入される一対の第2挿入溝3271aが、一対の第2連結部3262に対して位相を上面視反時計回りへ30度ずらした位置において、第2凹部3271の軸心方向に沿って凹設されている。
また、第2凹部3271の内周面には、結合部材3000の一対の外側連結部3400を切断して第1筒部3100を除去した際に、第2筒部3200の外周面に残存した外側連結部3400を受け入れるための一対の第2連結受入部3271bが、一対の第2連結部3272に対して位相を上面視時計回りに60度ずらした位置において、第2凹部3271の軸心方向に沿って凹設されている。第2連結受入部3271bは、第2凹部3271の内外周面側を連通させており、第2筒部3200の外周面に残存した外側連結部3400の長短によらず、かかる外側連結部3400を第2連結受入部3271b内に受け入れることができる。
第2挿入溝3271aの延設長さ(第2凹部3271の軸心方向(図28及び図29上下方向)の長さ)は、第2挿入突起3201の高さ寸法(第2凹部3271の軸心方向(図28及び図29上下方向)の長さ)と同等か若干大きくされている。そして、第2凹部3271の深さ寸法(第2凹部3271の上側端面から底壁3273の上面までの寸法)は、結合部材3000の第2筒部3200の高さ寸法(第2筒部3200の上側端面から下端面までの寸法、図31及び図32参照)と同等か若干大きくされている。これにより、第2凹部3271へ結合部材3000(第2筒部3200)を内嵌した場合に、第2凹部3271の上側端面から結合部材3000(第2筒部3200)の上側端面が突出することを抑制することができる。その結果、結合部材3000を引き抜かれ難くすることができる。
蓋側返送用封印部3254は、結合部材3000の第3筒部3300が挿入される第3凹部3281と、その第3凹部3281の外周側をボックス蓋3212の本体部分(側壁部245)に連結する一対の第3連結部3282とを主に備えて構成されている。
第3凹部3281は、内周面および外周面が軸直断面視円形に形成される筒状体であり、上面側(図27紙面手前側)が開放されると共に、底面側(図27紙面奥側)に第3底壁3283が内方に張り出して形成されている。なお、第3凹部3281の内径は、結合部材3000の第3筒部3300(図30参照)の外径よりも若干大きく形成されており、第3凹部3281の内周側に結合部材3000の第3筒部3300が内嵌可能かつ接着剤により固着可能に構成されている(図38参照)。
第3底壁3283には、正面視円形の第3貫通孔3283aが貫通形成されると共に、その第3貫通孔3283aの内縁から第3凹部3281の内周面に向けて一対の第3凹欠部3283bが凹欠されている。一対の第3凹欠部3283bは、結合部材3000の第3係止爪3303を通過させるための部位であり、第3凹部3281の軸心を通過する仮想線(図27左右方向)に沿って直線状に形成されている。
一対の第3連結部3282は、第3凹欠部3283bに対して位相を90度ずらした位置に形成されると共に、第3凹部3281の外周面に連結する箇所が他の箇所に比べて薄肉に形成されている。
第3凹部3281の内周面には、結合部材3000の第3挿入突起3301(図30参照)が挿入される一対の第3挿入溝3281aが、一対の第3連結部3282に対して位相を上面視時計回りへ30度ずらした位置において、第3凹部3281の軸心方向に沿って凹設されている。
また、第3凹部3281の内周面には、結合部材3000の一対の内側連結部3500を切断して第2筒部3200を除去した際に、第3筒部3300の外周面に残存した内側連結部3500を受け入れるための一対の第3連結受入部3281bが、一対の第3連結部3282に対して位相を上面視反時計回りに60度ずらした位置において、第3凹部3281の軸心方向に沿って凹設されている。
第3連結受入部3281bは、第3凹部3281の内外周面側を連通させており、第3筒部3300の外周面に残存した内側連結部3500の長短によらず、かかる内側連結部3500を第3連結受入部3281b内に受け入れることができる。
次いで、図30から図32を参照して、結合部材3000について説明する。図30(a)は結合部材3000の上面図であり、図30(b)は図30の矢印XXXb方向から視た結合部材3000の側面図である。図31(a)は図30のXXXIa−XXXIa線における結合部材3000の断面図であり、図31(b)は図30のXXXIb−XXXIb線における結合部材3000の断面図であり、図32は図30のXXXII−XXXII線における結合部材3000の断面図である。
図30から図32に示すように、最外層に位置する第1筒部3100と、その第1筒部3100の内層側に位置する第2筒部3200と、その第2筒部3200の内層側に位置する第3筒部3300と、第1筒部3100の内周面および第2筒部3200の外周面を連結する外側連結部3400と、第2筒部3200の内周面および第3筒部3300の外周面を連結する内側連結部3500とを主に備えて構成されている。
第1筒部3100は、内周面および外周面が軸直断面視円形に形成される筒状体であり、上面側(図30(b)上側)の外周面から一対の第1挿入突起3101が外方へ向けて突設されると共に、底面側(図30(b)下側)の端面から一対の第1揺動部3102が下方へ向けて延設されている。また、一対の第1揺動部3102には、その延設方向先端における外周面から第1係止爪3103が外方へ向けてそれぞれ突設されている。なお、第1筒部3100の外径は、第1凹部3261の内径よりも若干小さく形成されており、第1凹部3261の内周側に第1筒部3100が内嵌可能かつ接着剤により固着可能に構成されている(図33参照)。
第1挿入突起3101は、第1凹部3261の第1挿入溝3261aに挿入される部位であり、第1筒部3100の軸心方向(図30(b)上下方向)に沿って延設されると共に、上面視において第1筒部3100の軸心を通過する仮想線(図30(a)上下方向)上に形成されている。第1揺動部3102は、所定幅の短冊状に形成されており、第1筒部3100の軸心に近接離間する方向へ揺動可能とされている。第1係止爪3103は、取付側結合部306の上壁406に係止される部位であり、第1揺動部3102に連接される面(係止面)が第1筒部3100の軸心に直交しつつ外方へ張り出して形成されると共に、外周側の面が先端側(第1揺動部3102から離間する側、図30(b)下側)へ向かうほど第1筒部3100の軸心へ近接するように傾斜する面(テーパ面)として形成されている。
第2筒部3200は、内周面および外周面が軸直断面視円形に形成される第1筒部3100と同心の筒状体であり、上面側(図31(a)上側)の外周面から一対の第2挿入突起3201が外方へ向けて突設されると共に、底面側(図31(b)下側)の端面から一対の第2揺動部3202が下方へ向けて延設されている。また、一対の第2揺動部3202には、その延設方向先端における外周面から第2係止爪3203が外方へ向けてそれぞれ突設されている。なお、第2筒部3200の外径は、第2凹部3271の内径よりも若干小さく形成されており、第2凹部3271の内周側に第2筒部3200が内嵌可能かつ接着剤により固着可能に構成されている(図33参照)。
第2挿入突起3201は、第2凹部3271の第2挿入溝3271aに挿入される部位であり、第2筒部3200の軸心方向(図31(a)上下方向)に沿って延設されると共に、上面視において一対の第1挿入突起3101を結ぶ仮想線(図30(a)上下方向)上に形成されている。
第2揺動部3202は、所定幅の短冊状に形成されており、第2筒部3200の軸心に近接離間する方向へ揺動可能とされている。第2係止爪3203は、取付側結合部306の上壁406に係止される部位であり、第2揺動部3202に連接される面(係止面)が第2筒部3200の軸心に直交しつつ外方へ張り出して形成されると共に、外周側の面が先端側(第2揺動部3202から離間する側、図31(b)下側)へ向かうほど第2筒部3200の軸心へ近接するように傾斜する面(テーパ面)として形成されている。
なお、一対の第2係止爪3203は、一対の第2挿入突起3201に対して位相を上面視反時計回りに60度ずらした位置に形成されている。よって、第2筒部3200を第2凹部3271(図27参照)へ挿入する場合には、第2係止爪3203が第2凹欠部3273bを通過する周方向位置で挿入作業を行うことで、第2挿入突起3201を第2挿入溝3271aに容易に挿入することができる。
第3筒部3300は、外周面が軸直断面視円形に形成される第1筒部3100と同心の柱状体であり、上面側(図31(a)上側)の外周面から一対の第3挿入突起3301が外方へ向けて突設されると共に、底面側(図32下側)の端面から一対の第3揺動部3302が下方へ向けて延設されている。また、一対の第3揺動部3302には、その延設方向先端における外周面から第3係止爪3303が外方へ向けてそれぞれ突設されている。なお、第3筒部3300の外径は、第3凹部3281の内径よりも若干小さく形成されており、第3凹部3281の内周側に第3筒部3300が内嵌可能かつ接着剤により固着可能に構成されている(図33参照)。
第3挿入突起3301は、第3凹部3281の第3挿入溝3281aに挿入される部位であり、第3筒部3300の軸心方向(図31(a)上下方向)に沿って延設されると共に、上面視において一対の第1挿入突起3101を結ぶ仮想線(図30(a)上下方向)上に形成されている。即ち、第1から第3挿入突起3101〜3301が一直線上に配置されている。
第3揺動部3302は、所定幅の短冊状に形成されており、第3筒部3300の軸心に近接離間する方向へ揺動可能とされている。第3係止爪3303は、取付側結合部306の上壁406に係止される部位であり、第3揺動部3302に連接される面(係止面)が第3筒部3300の軸心に直交しつつ外方へ張り出して形成されると共に、外周側の面が先端側(第3揺動部3302から離間する側、図2下側)へ向かうほど第3筒部3300の軸心へ近接するように傾斜する面(テーパ面)として形成されている。
なお、一対の第3係止爪3303は、一対の第3挿入突起3201に対して位相を上面視時計回りに30度ずらした位置に形成されている。よって、第3筒部3300を第3凹部3281(図27参照)へ挿入する場合には、第3係止爪3303が第3凹欠部3283bを通過する周方向位置で挿入作業を行うことで、第3挿入突起3301を第3挿入溝3281aに容易に挿入することができる。
次いで、図33を参照して、結合部材3000により基板ボックス3221と取付ベース3222とを結合して封印する方法について説明する。図33は、基板ユニット3220の部分断面図である。なお、図33は、図27のXXVIII−XXVIII線における断面図に対応する。また、図33では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、一部の構成にのみ符号を付して説明する。
上述したように、基板ボックス3221が取付ベース3222に対してスライド移動して取り付けられると、蓋側結合部3255(第1凹部3261)と取付側結合部306とが対向する位置に配設される(図33の状態)。この状態で、第1凹部3261の内周面と結合部材3000の第1筒部3100の外周面との内の一方または両方に接着剤を塗布し、第1挿入突起3101が第1凹部3261の第1挿入溝3261aに挿入される位置で、結合部材3000を第1凹部3261へ押し込む。この際、第1係止爪3103は、第1凹部3261の内周面により押されて軸心方向に揺動する。結合部材3000が更に押し込まれて第1係止爪3103が取付側結合部306の貫通孔404を通過すると、第1係止爪3103が第1揺動部3102により係合部材3000の径方向外側に揺動され、取付結合部306の上壁406に係止されると共に、第1凹部3261に結合部材3000の第1筒部3100が固着される。
この場合、結合部材3000は、第1挿入溝3261aと第1挿入突起3101との係合により、周方向への回転が規制されるので、第1筒部3100の第1係止爪3103が取付側結合部306の切り欠き405に対応する位置まで回転することが規制され、第1凹部3261及び取付側結合部306の結合が解除されることを防止できる。
次いで、図34を参照して、結合部材3000の結合により封印された基板ボックス3221及び取付ベース3222の封印の解除方法について説明する。図34(a)は、基板ユニット3220の部分拡大正面図であり、図34(b)は取付側結合部306の上壁406の部分拡大背面図である。なお、図34(a)及び図34(b)では、第1連結部3262が切断され、結合部材3000が周方向に90度だけ回転された状態が図示されている。
結合部材3000により第1凹部3261及び取付側結合部306が結合された状態から、基板ボックス3221及び取付ベース3222の封印を解除するためには、ボックス蓋3212の本体部分と第1凹部3261とを連結する一対の第1連結部3262をニッパなどの工具で切断(破壊)する。第1連結部3262を切断すると、結合部材3000は第1凹部3261と共に周方向に回転可能となるので、これら結合部材3000と第1凹部3261とを一体の状態のままで90度回転させ、第1係止爪3103を切り欠き405に対応する位置に移動させる(図34(a)及び図34(b)の状態)。これにより、第1凹部3261とその第1凹部3261が固着(接着)された結合部材3000とを一体として取付側結合部306から引き抜くことができる。これら第1凹部3261及び結合部材3000が引き抜かれると、基板ボックス3221と取付ベース3222との封印が解除され、基板ボックス3221がスライド移動して取付ベース3222から取り外し可能になる。このように、基板ボックス3221を取付ベース3222から取り外す場合には、第1連結部3262が切断により破壊されるので、ホール関係者などは、基板ボックス3221が取り外されたことを容易に確認することができる。
次いで、図35から図37を参照して、封印の解除に伴い回収された結合部材3000を使用して、第2凹部3271及び取付側結合部306を結合することで、基板ボックス3221と取付ベース3222とを再封印する方法について説明する。図35(a)及び図35(b)は回収された結合部材3000の上面図であり、図36は図35の矢印XXXVI視における結合部材3000の側面図である。図37は、基板ユニット3220の部分断面図である。なお、図37は、図27のXXVIII−XXVIII線における断面図に対応する。また、図37では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、一部の構成にのみ符号を付して説明する。
図35及び図36に示すように、封印の解除に伴い結合部材3000を第1凹部3261と共に回収した後は、一対の外側連結部3400をニッパなどの工具で切断することで、結合部材3000を、結合部材3000から除去される部分(即ち、図35(a)に示す第1凹部3261及び第1筒部3100により主に構成される部分)と、再封印に使用する部材としての結合部材3000(即ち、図35(b)及び図36に示す第2筒部3200及び第3筒部3300により主に構成される結合部材3000)とに分離する。
なお、この再封印に使用する部材としての結合部材3000(即ち、図35(b)及び図36に示す部材)の取得方法は、上述したように、一対の第1連結部3262を切断して、結合部材3000を第1凹部3261と共にボックス蓋3212から取り外した後(図34参照)、その取り外した部材から第1凹部3261及び第1筒部3100(図35(a)に示す部分)を除去する順序に限られるものではない。
例えば、一対の第1連結部3262を切断せず(即ち、第1筒部3261がボックス蓋3212に連結されたままの状態で)、先に、一対の外側連結部3400を切断して、第1凹部3261に第1筒部3100を残しつつ、再封印に使用する部材としての結合部材3000(即ち、図35(b)及び図36に示す第2筒部3200及び第3筒部3300により主に構成される結合部材3000)を取得し、その後、第1連結部3262を切断して、封印を解除する順序であっても良い。
再封印に使用する結合部材3000を取得した後は、基板ボックス3221を取付ベース3222に対してスライド移動して取り付け、第2凹部3271と取付側結合部306とを互いに対向する位置に配設する(図37の状態)。
この状態で、第2凹部3271の内周面と結合部材3000の第2筒部3200の外周面との内の一方または両方に接着剤を塗布し、第2凹部3271の第2挿入溝3271aに第2筒部3200の第2挿入突起3201が、第2凹部3271の第2連結受入部3271bに第2筒部3200の外周面に残存した外側連結部3400が、それぞれ挿入される位置で(図27から図29参照)、結合部材3000(図36参照)を第2凹部3271に押し込む。
この際、第2筒部3200の第2係止爪3203は、第2凹部3271の内周面により押されて軸心方向に揺動する。結合部材3000が更に押し込まれて第2係止爪3203が取付側結合部306の貫通孔404を通過すると、第2係止爪3203が第2揺動部3202により第2筒部3200の径方向外側に揺動され、取付結合部306の上壁406に係止されると共に、第2凹部3271に結合部材3000の第2筒部3200が固着される(図37の状態)。
この場合、結合部材3000は、第2筒部3200の第2挿入突起3201が第2凹部3261の第2挿入溝3271aに係合されると共に、第2筒部3200の外周面に残存した外側連結部3400が第2凹部3271の第2連結受入部3271bに係合されることで、周方向への回転が規制されるので、第2筒部3200の第2係止爪3203が取付側結合部306の切り欠き405に対応する位置まで回転することが規制され、第2凹部3271及び取付側結合部306の結合が解除されることを防止できる。
なお、この場合、基板ボックス3221と取付ベース3222との結合を解除するためには、ボックス蓋3212の本体部分と第2凹部3271とを連結する一対の第2連結部3272をニッパなどの工具で切断(破壊)する。第2連結部3272を切断すると、結合部材3000は第2凹部3271と共に周方向に回転可能となるので、これら結合部材3000と第2凹部3271とを一体の状態のままで90度回転させ、第2係止爪3203を切り欠き405に対応する位置に移動させる。これにより、第2凹部3271が固着(接着)された結合部材3000を一体として取付側結合部306から引き抜くことができる。これら第2凹部3271及び結合部材3000が一体となった状態で引き抜かれると、基板ボックス3221と取付ベース3222との再封印が解除され、基板ボックス3221がスライド移動して取付ベース3222から取り外し可能になる。このように、基板ボックス3221を取付ベース3222から取り外す場合には、第2連結部3272が切断により破壊されるので、ホール関係者などは、基板ボックス3221が取り外されたことを容易に確認することができる。
次いで、図38を参照して、再封印の解除に伴い回収された結合部材3000を使用して、基板ボックス3221を封印する方法について説明する。図38は、基板ユニット3220の部分断面図であり、基板ボックス3221が結合部材3000(第3筒部3300)により封印された状態が図示されている。なお、図38は、図27のXXVIII−XXVIII線における断面図に対応する。また、図38では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、一部の構成にのみ符号を付して説明する。
基板ボックス3221(ボックスベース3211及びボックス蓋3212)を封印する場合には、ベース側返送用封印部231と第3凹部3281とを、結合部材3000により結合する。即ち、上述したように、基板ボックス3221と取付ベース3222との1回目の封印の解除に伴い、第1筒部3100の除去された結合部材3000が回収され(図36参照)、基板ボックス3221と取付ベース3222との2回目の封印(再封印)の解除に伴い、第1筒部3100及び第2筒部3200の除去された結合部材3000(第3筒部3300)が回収される。
基板ボックス3221を組み立てると、第3凹部3281とベース側返送用封印部231とが対向する位置に配設されるので、第3凹部3281の内周面と結合部材3000の第3筒部3300の外周面との内の一方または両方に接着剤を塗布し、第3凹部3281の第3挿入溝3281aに第3筒部3300の第3挿入突起3301が、第3凹部3281の第3連結受入部3281bに第3筒部3300の外周面に残存した内側連結部3500が、それぞれ挿入される位置で(図27から図29参照)、結合部材3000(第3筒部3300)を第3凹部3281に押し込む。これにより、第3筒部3300の第3係止爪3303がベース側返送用封印部231の上壁に係止され、第3凹部3281とベース側返送用封印部231とが封印される。
この場合、第3筒部3300の第3係止爪3303は、その係止解除を不能とするために、箱状に形成された壁部に囲まれて密閉されている。よって、結合部材3000は、主基板213(図5参照)の修理などの為に基板ボックス3221をメーカーに送り返す場合に、基板ボックス3221を開封不能に封印することができるので、基板ボックス3221のメーカーへの返送途中に基板ボックス3221がバラバラになり部品などが紛失することを抑制できる。
また、結合部材3000は、再利用可能に構成されているが、基板ユニット3220において1つしか備えられていない。そして、メーカーへの返送時にも使用されてメーカーに返却されるので、結合部材3000が市場に流通することを抑制することもできる。よって、結合部材3259が市場に流通することで、例えば、2つの基板ボックスから1の基板ボックスを不正に製作する場合に結合部材3000が使用されることを抑制することができる。
また、各返送用封印部231,3254を介して結合部材3000により封印された基板ボックス3221を開封する場合にも、第3連結部3282をニッパなどの工具で切断しなければならないので、メーカーへの返送途中に基板ボックス3221が開封された場合にも痕跡が残り、基板ボックス3221の開封を発見することができる。
特に、結合部材3000には、第3筒部3300及び第3凹部3281が接着剤によって固着されているので、第3凹部3281の除去を困難として、結合部材3000に痕跡が残らずに回収することを防止することができる。
次いで、図39から図47を参照して、第4実施の形態について説明する。第1実施の形態では、封印を行った回数が増加する毎に結合部材259に各凹部261,271が固着され、その外形が大きくなる場合を説明したが、第4実施の形態では、封印を行った回数が増加するごとに、結合部材4000の一部が除去され、その外形が小さくされる。なお、第3実施の形態では、結合部材3000に複数の係止爪(第1〜第3係止爪3103〜3303)が形成されたが、第4実施の形態では、1の係止爪が複数回の封印で共通して使用される。また、上記各実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
まず、図39及び図40を参照して、第4実施の形態における蓋側結合部4255について説明する。図39は、ボックス蓋4212の部分拡大正面図であり、図40は、図39のXXXX−XXXX線におけるボックス蓋4212の部分拡大断面図である。
図39及び図40に示すように、蓋側結合部4255は、結合部材4000が挿入される第1凹部4261と、その第1凹部4261の外周側をボックス蓋4212の本体部分(側壁部245)に連結する一対の第1連結部4262と、第1筒部4100を除去した結合部材4000が挿入される第2凹部4271と、その第2凹部4271の外周側をボックス蓋4212の本体部分(側壁部245)に連結する一対の第2連結部4272とを主に備えて構成されている。
第1凹部4261は、内周面および外周面が軸直断面視円形に形成される筒状体であり、上面側(図39紙面手前側)が開放されると共に、底面側(図39紙面奥側)に第1底壁4263が内方に張り出して形成されている。第1底壁4263には、正面視円形の第1貫通孔4263aが貫通形成されており、結合部材4000の第3筒部4300(図44参照)が貫挿可能とされている。
一対の第1連結部4262は、第1凹部4261の軸心を通過する仮想線(図39上下方向)に沿って直線状に形成されている。なお、本実施の形態では、第1連結部4262の第1凹部4261の外周面への連結位置が、第1凹部4261の上側端面(上面)に対して底面側(図39紙面奥側)へ所定距離だけ離間した位置とされている。これにより、第1連結部4262が第1筒部4100の第1張出部4101に干渉することを回避して、第1凹部4261の上面側を第1筒部4100の第1嵌合溝4102に確実に嵌合させることができる(図44参照)。第1凹部4261の上面側には、一対の第1挿入溝4261aが、一対の第1連結部4262に対向する位置において第1凹部4261の軸心方向へ凹設されている。第1挿入溝4261aは第1凹部4261の内外周面側を連通させており、結合部材4000の第1挿入突起4103(図43参照)が挿入可能とされている。第1挿入溝4261aに第1挿入突起4103が挿入されることで、結合部材4000の周方向位置が位置決めされる。
なお、第1凹部4261の内径は、結合部材4000の第1筒部4100の外径よりも若干大きく形成されており、第1凹部4261の内周側に第1筒部4100が内嵌可能かつ接着剤により固着可能に構成されている(図43参照)。
第2凹部4271は、内周面および外周面が軸直断面視円形に形成される筒状体であり、上面側(図39紙面手前側)が開放されると共に、底面側(図39紙面奥側)に第2底壁4273が内方に張り出して形成されている。第2底壁4273には、正面視円形の第2貫通孔4273aが貫通形成されており、結合部材4000の第3筒部4300(図44参照)が貫挿可能とされている。
一対の第2連結部4272は、第2凹部4271の軸心を通過する仮想線(図39上下方向)に沿って直線状に形成されている。なお、本実施の形態では、第2連結部4272の第2凹部4271の外周面への連結位置が、第2凹部4271の上側端面(上面)に対して底面側(図39紙面奥側)へ所定距離だけ離間した位置とされている。これにより、第2連結部4272が第2筒部4200の第2張出部4201に干渉することを回避して、第2凹部4271の上面側を第2筒部4200の第2嵌合溝4202に確実に嵌合させることができる(図44参照)。第2凹部4271の上面側には、一対の第2挿入溝4271aが、一対の第2連結部4272に対向する位置において第2凹部4271の軸心方向へ凹設されている。第2挿入溝4271aは第2凹部4271の内外周面側を連通させており、結合部材4000の第2挿入突起4203(図43参照)が挿入可能とされている。第2挿入溝4271aに第2挿入突起4203が挿入されることで、結合部材4000の周方向位置が位置決めされる。
なお、第2凹部4271の内径は、結合部材4000の第2筒部4200の外径よりも若干大きく形成されており、第2凹部4271の内周側に第2筒部4200が内嵌可能かつ接着剤により固着可能に構成されている(図46参照)。
蓋側返送用封印部4254は、結合部材4000の第3筒部4300が挿入される第3凹部4281と、その第3凹部4281の外周側をボックス蓋4212の本体部分(側壁部245)に連結する一対の第3連結部4282とを主に備えて構成されている。
第3凹部4281は、内周面および外周面が軸直断面視円形に形成される筒状体であり、上面側(図39紙面手前側)が開放されると共に、底面側(図39紙面奥側)に第3底壁4283が内方に張り出して形成されている。第3底壁4283には、正面視円形の第3貫通孔4283aが貫通形成されると共に、その第3貫通孔4283aの内縁から第3凹部4281の内周面に向けて一対の第3凹欠部4273bが凹欠されている。一対の第3凹欠部4273bは、結合部材4000の第3係止爪4303を通過させるための部位であり、第3凹部4271の軸心を通過する仮想線(図39左右方向)に沿って直線状に形成されている。
一対の第3連結部4282は、第3凹欠部4283bに対して位相を90度ずらした位置に形成されている。なお、本実施の形態では、第3連結部4282の第3凹部4281の外周面への連結位置が、第3凹部4281の上面側とされており、第3連結部4282の上面と第3凹部4281の上面とが面一状の形成されている。
第3凹部4281の内周面には、一対の第3挿入溝4281aが、一対の第3連結部4282に対向する位置に凹設されると共に、これらと位相を90度ずらした位置に第3受入部4281bが凹設されている。第3挿入溝4281aには、結合部材4000の第3挿入突起4301(図42参照)が挿入されると共に、第3受入部4281bには、一対の内側連結部4500を切断して第2筒部4200を第3筒部4300から取り外した際に、第3筒部4300の外周面に残存した内側連結部4500を受け入れられ、これにより、結合部材4000(第3筒部4300)の周方向位置が位置決めされる(図47参照)。
なお、第3凹部4281の内径は、結合部材4000の第3筒部4300の外径よりも若干大きく形成されており、第3凹部4281の内周側に第3筒部4300が内嵌可能かつ接着剤により固着可能に構成されている(図47参照)。
次いで、図41を参照して、取付結合部4306について説明する。図41は、揺動ベース4282の部分拡大正面図である。取付結合部4306は、結合部材4000が挿入されるように内部が空洞の箱状体として形成されており、その箱状体の正面側(図41紙面手前側)を構成する上壁4406に貫通孔4404が穿設されると共に、その貫通孔4404の内縁の一部に切り欠き4405が切り欠き形成されている。貫通孔4404は、結合部材4000の第3係止爪4303が貫挿される開口であり、正面視略円形に形成されている。切り欠き4405は、結合部材4000を取り外す際に第3係止爪4303を通過させるための部位であり、第3係止爪4303よりも大きな外形を有している。なお、切り欠き4405は、結合部材4000が取付側結合部4306に結合された状態で、その第3係止爪4303に対して周方向に90度ずれた位置(即ち、第3係止爪4303から最も離間した位置)に設けられており、結合部材4000の取り外しを困難としている。
次いで、図42及び図43を参照して、結合部材4000について説明する。図42(a)は結合部材4000の上面図であり、図42(b)は図42(a)の矢印B方向から視た結合部材4000の側面図である。図43(a)は図42(a)のAa−Aa線における結合部材4000の断面図であり、図43(b)は図42(a)のAb−Ab線における結合部材4000の断面図である。
図42及び図43に示すように、最外層に位置する第1筒部4100と、その第1筒部4100の内層側に位置する第2筒部4200と、その第2筒部4200の内層側に位置する第3筒部4300と、第1筒部4100の内周面および第2筒部4200の外周面を連結する外側連結部4400と、第2筒部4200の内周面および第3筒部4300の外周面を連結する内側連結部4500と、第3筒部4300の上面から立設される回転操作子4600とを主に備えて構成されている。
第1筒部4100は、内周面および外周面が軸直断面視円形に形成される筒状体であり、上面側(図43(a)及び図43(b)上側)の外周面から第1張出部4101が径方向外方へ張り出して形成されると共に、その第1張出部4101の底面側(図43(a)及び図43(b)下側)に底面視円環状の第1嵌合溝4102が凹設されている。
第1嵌合溝4102は、第1凹部4261の上面側の端部が嵌合される溝であり(図44参照)、その第1嵌合溝4102の周方向2箇所(一対の外側連結部4400を結ぶ仮想線上の2箇所)には第1挿入突起4103が形成され、凹設された溝が埋められている。これら一対の第1挿入突起4103が第1凹部4261の第1挿入溝4261aに挿入されることで、結合部材4000が周方向に位置決めされる。なお、各第1挿入突起4103は、結合部材4000の上面視において、一対の外側連結部4400及び一対の内側連結部4500を結ぶ仮想線上に形成されている。
ここで、第1筒部4100は、第1挿入突起4103の高さ寸法(図43(b)上下方向寸法、即ち、第1張出部4101の底面(図43(b)下側面)から第1嵌合溝4102の底面(図43(a)上側面)までの第1嵌合溝4102の凹設深さ)が、第1凹部4261の上面からの第1挿入溝4261aの深さ寸法(図40上下方向寸法)よりも若干小さくされている。そして、第1筒部4100の底面から第1嵌合溝4102の底面までの高さ寸法(図43上下寸法)は、第1凹部4261の深さ寸法(第1凹部4261の上側端面(上面)から底壁4263の上面までの寸法)よりも若干小さくされている。これにより、第1凹部4261へ結合部材4000(第1筒部4100)を内嵌した場合には(図44参照)、第1凹部4261の上側端面(上面、図40上側面)を第1筒部4100の第1嵌合溝4102の底面に当接させることができる。よって、第1筒部4100の上面に超音波溶着機を当接させて超音波溶着を行うことで、第1凹部4261の上側端面と第1嵌合溝4102の底面との合わせ面を溶着して、第1凹部4261に結合部座4000(第1筒部4100)を固着することができる。
第2筒部4200は、内周面および外周面が軸直断面視円形に形成される第1筒部4100と同心の筒状体であり、上面側(図43(a)及び図43(b)上側)の外周面から第2張出部4201が径方向外方へ張り出して形成されると共に、その第2張出部4201の底面側(図43(a)及び図43(b)下側)に底面視円環状の第2嵌合溝4202が凹設されている。
第2嵌合溝4202は、第2凹部4271の上面側の端部が嵌合される溝であり(図46参照)、その第2嵌合溝4202の周方向2箇所(一対の外側連結部4400を結ぶ仮想線上の2箇所)には第2挿入突起4203が形成され、凹設された溝が埋められている。これら一対の第2挿入突起4203が第2凹部4271の第2挿入溝4271aに挿入されることで、結合部材4000(第2筒部4200)が周方向に位置決めされる。なお、各第2挿入突起4203は、結合部材4000の上面視において、一対の外側連結部4400及び一対の内側連結部4500を結ぶ仮想線上に形成されている。
ここで、第2筒部4200は、第2挿入突起4203の高さ寸法(図43(b)上下方向寸法、即ち、第2張出部4201の底面(図43(b)下側面)から第2嵌合溝4202の底面(図43(a)上側面)までの第2嵌合溝4202の凹設深さ)が、第2凹部4271の上面からの第2挿入溝4271aの深さ寸法(図40上下方向寸法)よりも若干小さくされている。そして、第2筒部4200の底面から第2嵌合溝4202の底面までの高さ寸法(図43上下寸法)は、第2凹部4271の深さ寸法(第2凹部4271の上側端面(上面)から底壁4273の上面までの寸法)よりも若干小さくされている。これにより、第2凹部4271へ結合部材4000(第2筒部4200)を内嵌した場合には(図46参照)、第2凹部4271の上側端面(上面、図40上側面)を第2筒部4200の第2嵌合溝4202の底面に当接させることができる。よって、第2筒部4200の第2張出部4201の上面から超音波溶着機を使用することで、第2凹部4271の上側端面と第2嵌合溝4202の底面とを超音波溶着して、第2凹部4271に結合部座4000(第2筒部4200)を固着することができる。
第3筒部4300は、外周面が軸直断面視円形に形成される第1筒部4100と同心の柱状体であり、上面側(図43(a)上側)の外周面から一対の第3挿入突起4301が外方へ向けて突設されると共に、底面側(図43(a)及び図43(b)下側)の端面から一対の第3揺動部4302が下方へ向けて延設されている。また、一対の第3揺動部4302には、その延設方向先端における外周面から第3係止爪4303が外方へ向けてそれぞれ突設されている。なお、第3筒部4300の外径は、第3凹部43281の内径よりも若干小さく形成されており、第3凹部4281の内周側に第3筒部4300が内嵌可能かつ接着剤により固着可能に構成されている(図47参照)。
第3挿入突起4301は、第3凹部4281の第3挿入溝4281aに挿入される部位であり、上面視において一対の外側連結部4400及び一対の内側連結部4500を結ぶ仮想線(図42(a)上下方向)から位相を90度ずらした位置に形成されている。
第3揺動部4302は、所定幅の短冊状に形成されており、第3筒部4300の軸心に近接離間する方向へ揺動可能とされている。第3係止爪4303は、取付側結合部4306の上壁4406に係止される部位であり、第3揺動部4302に連接される面(係止面)が第3筒部4300の軸心に直交しつつ外方へ張り出して形成されると共に、外周側の面が先端側(第3揺動部4302から離間する側、図43(b)下側)へ向かうほど第3筒部4300の軸心へ近接するように傾斜する面(テーパ面)として形成されている。
なお、一対の第3揺動部4302及び一対の第3係止爪3303は、結合部材4000の上面視において、一対の外側連結部4400及び一対の内側連結部4500を結ぶ仮想線(図42(a)上下方向)上に位置して形成されている。
回転操作子4600は、断面長放形状の柱状体として形成されているので、かかる回転操作子4600を把持して回転操作することで、結合部材4000を容易に回転操作することができる。
次いで、図44を参照して、結合部材4000により基板ボックス4221と取付ベース3222とを結合して封印する方法について説明する。図44は、基板ユニット4220の部分断面図である。なお、図44は、図39のXXXX−XXXX線における断面図に対応する。また、図44では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、一部の構成にのみ符号を付して説明する。
上述したように、基板ボックス4221が取付ベース4222に対してスライド移動して取り付けられると、蓋側結合部4255(第1凹部4261)と取付側結合部4306とが対向する位置に配設される(図44の状態)。この状態で、第1凹部4261の内周面と結合部材4000の第1筒部4100の外周面との内の一方または両方に接着剤を塗布し、第1挿入突起4101が第1凹部4261の第1挿入溝4261aに挿入される位置で、結合部材4000を第1凹部4261へ押し込む。第3係止爪4303が取付側結合部4306の貫通孔4404を通過すると、第3係止爪4303が第3揺動部4302により係合部材4000の径方向外側に揺動され、取付結合部4306の上壁406に係止されると共に、第1凹部4261に結合部材4000が固着される。
この場合、結合部材4000は、第1挿入溝4261aと第1挿入突起4103との係合により、周方向への回転が規制されるので、第3筒部4300の第3係止爪4303が取付側結合部4306の切り欠き4405に対応する位置まで回転することが規制され、第1凹部4261及び取付側結合部4306の結合が解除されることを防止できる。
なお、第1凹部4261と結合部材4000の第1筒部4100との固着は、上述した接着剤に加え、或いは、接着剤に代えて、超音波溶着を用いても良い。即ち、第1筒部4100の上面に当接された超音波溶着機により、第1凹部4261の上側端面と第1嵌合溝4102の底面との合わせ面を溶着することで、第1凹部4261に結合部座4000(第1筒部4100)を固着しても良い。
次いで、図45及び図46を参照して、封印の解除に伴い回収された結合部材4000を使用して、第2凹部4271及び取付側結合部4306を結合することで、基板ボックス4221と取付ベース4222とを再封印する方法について説明する。図45及び図46は、基板ユニット4220の部分断面図であり、図45では第1筒部4100が結合部材4000から切り離された状態が図示されている。なお、図45及び図46は、図39のXXXX−XXXX線における断面図に対応する。また、図45及び図46では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、一部の構成にのみ符号を付して説明する。
結合部材4000により第1凹部4261及び取付側結合部4306が結合された状態から、基板ボックス4221及び取付ベース4222の封印を解除するためには、第1筒部4100の内周側と第2筒部4200の外周側とを連結する一対の外側連結部4400をニッパなどの工具で切断(破壊)する。外側連結部4400を切断すると、第1筒部4100が結合部材4000から切り離され、第2筒部4200及び第3筒部4300とにより主に構成される結合部材4000が周方向に回転可能となるので、操作回転子4600を利用して、結合部材4000を90度回転させることで、第3係止爪4303を切り欠き4405に対応する位置に移動させる。
これにより、図45に示すように、結合部材4000から切り離された第1筒部4100が第1凹部4261に取り残された状態で、結合部材4000を取付側結合部4306から引き抜くことができる。結合部材4000が引き抜かれると、基板ボックス4221と取付ベース4222との封印が解除され、基板ボックス4221がスライド移動して取付ベース4222から取り外し可能になる。このように、基板ボックス4221を取付ベース4222から取り外す場合には、外側連結部4400が切断により破壊されるので、ホール関係者などは、基板ボックス4221が取り外されたことを容易に確認することができる。
再封印に使用する結合部材4000(即ち、第1筒部4100が切り離された図45に示す結合部材4000)を取得した後は、基板ボックス4221を取付ベース4222に対してスライド移動して取り付け、第2凹部4271と取付側結合部4306とを互いに対向する位置に配設する。
この状態で、第2凹部4271の内周面と結合部材4000の第2筒部4200の外周面との内の一方または両方に接着剤を塗布し、第2挿入突起4201が第2凹部4271の第1挿入溝4271aに挿入される位置で、結合部材4000を第2凹部4271へ押し込む。第3係止爪4303が取付側結合部4306の貫通孔4404を通過すると、第3係止爪4303が第3揺動部4302により係合部材4000の径方向外側に揺動され、取付結合部4306の上壁406に係止されると共に、第2凹部4271に結合部材4000が固着される(図46の状態)。
この場合、結合部材4000は、第2挿入溝4271aと第2挿入突起4203との係合により、周方向への回転が規制されるので、第3筒部4300の第3係止爪4303が取付側結合部4306の切り欠き4405に対応する位置まで回転することが規制され、第2凹部4271及び取付側結合部4306の結合が解除されることを防止できる。
なお、第2凹部4271と結合部材4000の第2筒部4200との固着は、上述した接着剤に加え、或いは、接着剤に代えて、超音波溶着を用いても良い。即ち、第2筒部4200の上面に当接された超音波溶着機により、第2凹部4271の上側端面と第2嵌合溝4202の底面との合わせ面を溶着することで、第2凹部4271に結合部座4000(第2筒部4200)を固着しても良い。
ここで、結合部材4000により第2凹部4271及び取付側結合部4306が結合された状態から、基板ボックス4221及び取付ベース4222の封印を解除するためには、第2筒部4200の内周側と第3筒部4300の外周側とを連結する一対の内側連結部4500をニッパなどの工具で切断(破壊)する。内側連結部4500を切断すると、第2筒部4200が結合部材4000から切り離され、第3筒部4300により主に構成される結合部材4000が周方向に回転可能となるので、操作回転子4600を利用して、結合部材4000を90度回転させることで、第3係止爪4303を切り欠き4405に対応する位置に移動させる。
これにより、結合部材4000から切り離された第2筒部4200が第2凹部4271に取り残された状態で、結合部材4000を取付側結合部4306から引き抜くことができる。結合部材4000が引き抜かれると、基板ボックス4221と取付ベース4222との再封印が解除され、基板ボックス4221がスライド移動して取付ベース4222から取り外し可能になる。このように、基板ボックス4221を取付ベース4222から取り外す場合には、内側連結部4500が切断により破壊されるので、ホール関係者などは、基板ボックス4221が取り外されたことを容易に確認することができる。
次いで、図47を参照して、再封印の解除に伴い回収された結合部材4000を使用して、基板ボックス4221を封印する方法について説明する。図47は、基板ユニット4220の部分断面図であり、基板ボックス4221が結合部材4000(第3筒部4300)により封印された状態が図示されている。なお、図47は、図39のXXXX−XXXX線における断面図に対応する。また、図47では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、一部の構成にのみ符号を付して説明する。
基板ボックス4221(ボックスベース4211及びボックス蓋4212)を封印する場合には、ベース側返送用封印部231と第3凹部4281とを、結合部材4000により結合する。即ち、上述したように、基板ボックス4221と取付ベース4222との1回目の封印の解除に伴い、第1筒部4100の除去された結合部材4000が回収され、基板ボックス4221と取付ベース4222との2回目の封印(再封印)の解除に伴い、第1筒部4100及び第2筒部4200の除去された結合部材4000(第3筒部4300)が回収される。
基板ボックス4221を組み立てると、第3凹部4281とベース側返送用封印部231とが対向する位置に配設されるので、第3凹部4281の内周面と結合部材4000の第3筒部4300の外周面との内の一方または両方に接着剤を塗布し、第3凹部4281の第3挿入溝4281aに第3筒部4300の第3挿入突起4301が、第3凹部4281の第3連結受入部4281bに第3筒部4300の外周面に残存した内側連結部4500が、それぞれ挿入される位置で(図39及び図42参照)、結合部材4000(第3筒部4300)を第3凹部4281に押し込む。これにより、第3筒部4300の第3係止爪4303がベース側返送用封印部231の上壁に係止され、第3凹部4281とベース側返送用封印部231とが封印される。
この場合、第3筒部4300の第3係止爪4303は、その係止解除を不能とするために、箱状に形成された壁部に囲まれて密閉されている。よって、結合部材4000は、主基板213(図5参照)の修理などの為に基板ボックス4221をメーカーに送り返す場合に、基板ボックス4221を開封不能に封印することができるので、基板ボックス4221のメーカーへの返送途中に基板ボックス4221がバラバラになり部品などが紛失することを抑制できる。
また、結合部材4000は、再利用可能に構成されているが、基板ユニット4220において1つしか備えられていない。そして、メーカーへの返送時にも使用されてメーカーに返却されるので、結合部材4000が市場に流通することを抑制することもできる。よって、結合部材3259が市場に流通することで、例えば、2つの基板ボックスから1の基板ボックスを不正に製作する場合に結合部材4000が使用されることを抑制することができる。
また、各返送用封印部231,4254を介して結合部材4000により封印された基板ボックス4221を開封する場合にも、第3連結部4282をニッパなどの工具で切断しなければならないので、メーカーへの返送途中に基板ボックス4221が開封された場合にも痕跡が残り、基板ボックス4221の開封を発見することができる。
特に、結合部材4000には、第3筒部4300及び第3凹部4281が接着剤によって固着されているので、第3凹部4281の除去を困難として、結合部材4000に痕跡が残らずに回収することを防止することができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記各実施の形態では、結合部材259、3000,4000を、基板ボックス221,2221,3221,4221と、取付ベース222,2222,3222,4222との封印に使用する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、基板ボックス221,2221,3221,4221を構成するボックスベース211,2211,3211,4211とボックス蓋212,2212,3212,4212との封印に、結合部材259、3000,4000を使用しても良い。
即ち、本発明における第1部材および第2部材は、基板ボックスを構成する複数の部品であっても良く、第1部材および第2部材のうちの一方が制御基板を収納する基板ボックスであって他方がその基板ボックスを取り付ける取付ベースや、基板ボックスを覆うカバー部材、基板ボックスを取り付ける遊技機本体としても良く、或いは、遊技機において結合する必要のある複数部品のいずれの部品であっても良い。
上記各実施の形態では、結合部材259、3000,4000の一部が、基板ボックス221,2221,3221,4221の蓋側結合部255,2255,3255,4255に固着される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これに代えて、或いは、これに加えて、取付ベース222,2222,3222,4222側に固着される構成であっても良い。
また、基板ボックス221,2221,3221,4221を構成するボックスベース211,2211,3211,4211とボックス蓋212,2212,3212,4212との封印に結合部材259、3000,4000を使用する場合には、結合部材259、3000,4000を、ボックスベース211,2211,3211,4211とボックス蓋212,2212,3212,4212とのいずれか一方に固着しても良く、或いは、両方に固着しても良い。
即ち、第1部材と第2部材の少なくとも一方が、結合部材(封印部材)に固着される固着部を備えれば良く、これら第1部材および第2部材の両方が固着部を備えていても良い。
上記各実施の形態では、結合部材259が、筒部材331と、その筒部材331に取り外し可能に内挿される内挿部材332とから構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これら筒部座意331と内挿部材332とが一体に構成されていても良い。即ち、結合部材259を複数の部材で構成しても良く、1の部材で構成しても良い。
一方、結合部材3000,4000が1の部材から構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、結合部材3000,4000を複数の部材から構成することは当然可能である。
上記各実施の形態では、封印対象となる部材(基板ボックス221,2221,3221,4221)の一部が結合部材259,3000,4000に固着される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、封印対象ではない別部材を結合部材259,3000,4000(封印部材)に固着させるように構成しても良い。
上記第1及び第2実施の形態では、結合部材259の筒側挿入突起343が第1凹部261の第1挿入溝261aに、第1凹部261の第1挿入突起261bが第2凹部271の第2挿入溝271aに、第2凹部271の第2挿入突起271bが第3凹部281の第3挿入溝281aに、それぞれ挿入される、即ち、封印部材と固着部との合わせ面または固着部と固着部との合わせ面に、その合わせ面の一方の面に凸部が凸設されると共に他方の面に凸部を受け入れる凹部が凹設される場合を説明したが、かかる凸部および凹部の形成は1箇所のみに限られるものではなく、複数箇所に形成されていても良い。
同様に、上記第3及び第4実施の形態では、結合部材3000,4000の第1から第3挿入突起3101〜3301,4103〜4303が、第1から第3凹部3261〜3281,4261〜4281の第1から第3挿入溝3261a〜3281a,4261a〜4281aに挿入される、即ち、封印部材と固着部との合わせ面または固着部と固着部との合わせ面に、その合わせ面の一方の面に凸部が凸設されると共に他方の面に凸部を受け入れる凹部が凹設される場合を説明したが、かかる凸部および凹部の形成は2箇所に限られるものではなく、1箇所のみに形成されていても良く、複数箇所に形成されていても良い。
なお、凸部の形状は、上面視矩形状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の形状とすることは当然可能であり、脆弱部を備える形状が好ましい。他の形状としては、例えば、突出先端へ向かうほど細幅となる上面視三角形状が例示される。この場合には、凹部は凸部に対応する形状とする。このように凸部を突出先端ほど細幅となる形状とすることで、封印部材(結合部材259,3000,4000)の回収のために固着部を削り取ろうとした場合に、凸部の突出先端の頂点(脆弱部)を破断し易くすることができる。その結果、封印部材の回収を困難とすることができる。
上記各実施の形態では、基板ボックス221,2221,3221,4221と、取付ベース222,2222,3222,4222との封印の可能回数が、第1凹部261,2261,3261,4261と第2凹部271,2271,3271,4271とにより2回である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、封印可能回数を3回以上としても良く、或いは、封印可能回数を1回としても良い。
上記各実施の形態では、結合部材259,3000,4000の外形が断面円形に形成されると共に、それに対応する円形に第1凹部261〜4261、第2凹部271〜4271及び第3凹部281〜4281が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、断面矩形状などの他の形状であっても良い。
上記各実施の形態では、第1凹部261〜4261、第2凹部271〜4271及び第3凹部281〜4281が全周にわたって結合部材259,3000,4000または第1凹部261〜4261、第2凹部271〜4271に固着される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、周方向の一部のみが固着されるものであっても良い。
上記第1から第3実施の形態では、結合部材259,3000,4000、第1凹部261〜4261、第2凹部271〜4271又は第3凹部281〜4281の固着を接着剤を用いて行う場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の手段を用いても良い。他の手段としては、超音波溶着による固着や硬化樹脂による固着が例示される。第4実施の形態においても、同様に、硬化樹脂による固着を用いても良い。なお、これら各固着手段は、1種類のみを適用しても良く、或いは、その一部または全部を組み合わせて適用しても良い。
上記第3及び第4実施の形態では、第1凹部3261,4261及び第2凹部3271,4271が比較的剛性の弱い第1連結部3262,4262及び第2連結部3272,4272を介して側壁部245に連結され、第1連結部3262,4262及び第2連結部3272,4272を切断することで、第1凹部3261,4261及び第2凹部3271,4271が取り外し可能に構成されたが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1連結部3262,4262及び第2連結部3272,4272を省略し、第1凹部3261,4261及び第2凹部3271,4271が側壁425に取り外し困難に連結されていても良い。
上記各実施の形態では、いわゆるAタイプのスロットマシンについて説明したが、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはCTゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した各実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。なお、これらの各タイプにおけるボーナス当選としては、BB当選、RB当選、SB当選、CT当選などが挙げられる。
また、上記各実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
また、パチンコ機に本発明を適用することも可能である。パチンコ機の場合、外枠に遊技機本体が装着されるとともに、遊技機本体の前面側に扉部材が設けられる。遊技機本体には、遊技球飛翔領域としての遊技領域が形成されるとともに作動口や液晶表示装置などが設置された遊技盤が搭載され、扉部材に設けられた視認窓により、遊技領域や液晶表示装置が視認可能となっている。そして、遊技球発射装置により発射された遊技球が作動口に入賞することに伴い、内部抽選が行われると共に液晶表示装置上にて絵柄の可変表示が行われる。かかるパチンコ機に上記実施形態の主制御装置と表示制御装置の構成を適用した場合であっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上記各実施の形態に含まれる各種発明の概念を示す。
第1封印部を有する第1部材と、第2封印部を有する第2部材と、前記第1封印部および第2封印部を連結して前記第1部材および第2部材を封印する封印部材とを備え、前記封印部材を使用して前記第1部材および第2部材を再封印可能に構成された遊技機において、前記封印部材は、前記第1封印部および第2封印部を連結して前記第1部材および第2部材を封印する前の形状と、前記第1部材および第2部材の封印を解除した後の形状とが異なることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、封印部材により第1封印部および第2封印部が連結され第1部材および第2部材が封印されると共に、その封印の解除により取り外された封印部材を使用して、第1部材および第2部材が再封印される。このように、封印部材を使い回す場合には、封印部材を取り外し易い構成とする必要がある。しかし、封印部材を取り外し易い構成にすると、その封印部材が他の遊技機(第1部材および第2部材)の封印に使用され易くなり、封印構造を偽装する不正行為を招く。これに対し、本発明によれば、第1部材および第2部材の封印を解除した後の封印部材の形状を、封印する前の形状と異ならせることができる。よって、取り外した封印部材を他の遊技機の封印に使用した場合には、その封印部材が既に封印に使用されたものであるか否かを判別することができるので、封印構造を偽装する不正行為を抑制することができるという効果がある。
遊技機A1において、前記第1封印部または第2封印部の少なくとも一方は、前記第1部材および第2部材の封印状態において前記封印部材に固着される固着部を備え、
前記第1部材および第2部材の封印が解除されると、前記固着部が固着された状態で、前記封印部材が前記第1部材および第2部材から取り外されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、第1封印部または第2封印部の少なくとも一方が、第1部材および第2部材の封印状態において封印部材に固着される固着部を備え、第1部材および第2部材の封印が解除されると、固着部が固着された状態で、封印部材が第1部材および第2部材から取り外されるので、第1部材および第2部材の封印を解除した後の封印部材の形状を、封印する前の形状と異ならせることができる。この場合、固着部は封印部材に固着されているので、封印部材の形状を封印前の形状に戻すことを困難にすることができるという効果がある。
遊技機A2において、前記第1封印部および第2封印部から構成される封印部が複数形成され、
前記固着部は、少なくとも前記封印部と同数以上が形成されていることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、第1封印部および第2封印部から構成される封印部が複数形成され、固着部は、封印部と同数以上が形成されているので、封印前後で封印部材の形状を異ならせることを、複数回の封印の解除において行うことができる。即ち、封印回数に対応して形状を変化させることができるので、その形状から封印に使用された回数を認識することができる。
遊技機A2又はA3において、前記固着部は、前記封印部材が挿通される穴として複数形成されると共に、それら複数の穴がそれぞれ異なる大きさの穴として形成されていることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、封印部材が挿通される穴として固着部が形成されているので、構造を簡素化しつつ、封印部材に固着部を確実に固着させることができるという効果がある。更に、固着部はそれぞれが異なる大きさの穴として形成されているので、封印部材の形状が封印前後で異なる形状となる構成においては、封印の解除に伴い取り外された封印部材を、他の遊技機の同じ箇所における固着部には挿通させられなくすることができる。よって、封印構造を偽装する不正を抑制することができるという効果がある。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記第1封印部は、前記固着部を前記第1部材に連結する連結部を備え、前記固着部は、外周側に前記連結部が連結されると共に、前記第1部材および第2部材の封印状態において前記封印部材が内周側に内嵌されて固着される筒状体として形成され、前記連結部が切断されて前記第1部材および第2部材の封印が解除されると、前記固着部が固着された状態で、前記封印部材が前記第1部材および第2部材から取り外されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4のいずれかの奏する効果に加え、固着部を第1部材に連結する連結部を第1封印部が備え、固着部は、外周側に連結部が連結されると共に、第1部材および第2部材の封印状態において封印部材が内周側に内嵌されて固着される筒状体として形成され、連結部が切断されて第1部材および第2部材の封印が解除されると、固着部が固着された状態で、封印部材が第1部材および第2部材から取り外されるので、第1部材および第2部材の封印を解除した後の封印部材の形状を、封印する前の形状と異ならせることができる。この場合、固着部は封印部材に固着されているので、封印部材の形状を封印前の形状に戻すことを困難とすることができるという効果がある。
なお、連結部としては、第1から第3連結部262〜282,3262〜3282,4262〜4282が該当する。
遊技機A5において、前記第1封印部および第2封印部から構成される封印部を複数備えると共に、それら複数の封印部のそれぞれに前記固着部が形成され、前記固着部が固着された封印部材を使用して第1部材および第2部材を再封印する場合には、その封印部材に固着された固着部の内の最外層側の固着部を所定の固着部の内周側に内嵌して固着することを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、第1封印部および第2封印部から構成される封印部を複数備えると共に、それら複数の封印部のそれぞれに固着部が形成され、固着部が固着された封印部材を使用して第1部材および第2部材を再封印する場合には、その封印部材に固着された固着部の内の最外層側の固着部を所定の固着部(即ち、次に封印すべき箇所における固着部)の内周側に内嵌して固着するので、封印前後で封印部材の形状を異ならせることを、複数回の封印の解除において行うことができる。
遊技機A6において、前記封印部材は、前記第2封印部に係止される係止爪部と、前記固着部に係合される係合部とを備えると共に、前記固着部が固着された封印部材を使用して前記第1部材および第2部材を再封印する場合には、前記係止爪部が前記第2封印部に係止され、かつ、前記封印部材に固着された固着部が所定の固着部に係合されることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、封印部材は、第2封印部に係止される係止爪部と、固着部に係合される係合部とを備えると共に、固着部が固着された封印部材を使用して第1部材および第2部材を再封印する場合には、係止爪部が第2封印部に係止されるので、構造を簡素化することができるという効果がある。即ち、封印部材に形成された係止爪部を、複数回の封印において共通して使用することができ、かかる係止爪部を封印の回数分だけ設ける必要がないので、その分、構造を簡素化することができる。また、固着部が固着された封印部材を使用して第1部材および第2部材を再封印する場合には、封印部材に固着された固着部が所定の固着部(即ち、次に封印すべき箇所における固着部)に係合されるので、封印の解除に伴い固着された固着部を、次回の封印において所定の固着部に係合される部位として使用することができる。即ち、係合のための部位を封印の回数分だけ予め封印部材に設けておく必要がないので、その分、構造を簡素化することができる。
なお、封印部材の係止爪部としては、係止爪349が該当し、係合部としては第1筒部341又は筒側挿入突起343が該当する。
遊技機A5又はA6において、前記固着部は、前記第2封印部に係止される所定爪部を備え、その所定爪部を備えた固着部が固着された封印部材を使用して前記第1部材および第2部材を再封印する場合には、前記所定爪部が前記第2封印部に係止され、かつ、前記封印部材に固着された固着部が所定の固着部に係合されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A5又はA6において、第2封印部に係止される所定爪部を固着部が備え、その所定爪部を備えた固着部が固着された封印部材を使用して第1部材および第2部材を再封印する場合には、所定爪部が第2封印部に係止されるので、設計の自由度を高めることができるという効果がある。即ち、係止爪部を複数回の封印において共通して使用する場合には、その係止爪部が係止される各箇所を同じ形状や同じ配置として形成する必要があるところ、固着部に所定爪部を形成して、各封印箇所において異なる所定爪部を使用することができれば、所定爪部が係止される各箇所の形状や配置を共通とする必要がなく、その分、設計の自由度を高めることができる。
また、固着部が固着された封印部材を使用して第1部材および第2部材を再封印する場合には、封印部材に固着された固着部が所定の固着部(即ち、次に封印すべき箇所における固着部)に係合されるので、封印の解除に伴い固着された固着部を、次回の封印において、所定の固着部に係合される部位として使用することができ、かかる係合のための部位を封印の回数分だけ封印部材に設ける必要がないので、その分、構造を簡素化することができる。
なお、固着部の所定爪部としては、第1及び第2係止爪2267,2277が該当する。
遊技機A5からA8のいずれかにおいて、前記封印部材は、第1ピンと、第2ピンとを備え、前記第1ピンは、前記第2封印部に係止される第1係止爪部と、前記固着部に係合される係合部と、前記係止爪部に連通され前記第2ピンが挿入される挿入孔とを備え、前記第2ピンは、前記係止爪部の変位を規制する変位規制部と、前記第1ピンに係止される第2係止爪とを備え、前記封印部材を使用して前記第1部材および第2部材を封印する場合には、前記第1ピンの係止爪部が前記第2封印部に係止されると共に前記係合部が前記固着部に係合され、かつ、前記第2ピンが第1ピンの挿入孔に挿入されることで、前記第2ピンの変位規制部により前記係止爪部の変位が規制されると共に前記第2係止爪が第1ピンに係止されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A5からA8の奏する効果に加え、第2封印部に係止される第1係止爪部と、固着部に係合される係合部と第1ピンが備え、第1ピンの係止爪部が第2封印部に係止されると共に係合部が固着部に係合されることで、第1部材および第2部材を封印することができる。この場合、係止爪部に連通され第2ピンが挿入される挿入孔を第1ピンが備えると共に、係止爪部の変位を規制する変位規制部と、第1ピンに係止される第2係止爪とを第2ピンが備えるので、第1ピンの挿入孔に第2ピンを挿入して、第1ピンの第1係止爪部の変位を第2ピンの変位規制部により規制することで、第1係止爪部の係止が不正に解除されることを困難とすることができ、その結果、第1部材および第2部材の封印を確実に行うことができるという効果がある。また、第2ピンの第2係止爪部が第1ピンに係止されるので、かかる係止により、第2ピンが第1ピン(挿入孔)から抜き取られることを困難として、第2ピンの変位規制部による第1係止爪部の変位規制効果を確実に発揮させることができるという効果がある。
遊技機A2からA9のいずれかにおいて、前記封印部材と前記固着部との合わせ面または前記固着部と固着部との合わせ面には、その合わせ面の一方の面に凸部が凸設されると共に他方の面に前記凸部を受け入れる凹部が凹設されていることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A2からA9のいずれかの奏する効果に加え、封印部材と固着部との合わせ面または固着部と固着部との合わせ面には、その合わせ面の一方の面に凸部が凸設されると共に他方の面に凸部を受け入れる凹部が凹設されているので、これらの固着を接着剤により行う場合には、接着面積を拡大して、接着強度の向上を図ることができるという効果がある。また、これら凸部と凹部との嵌合により、封印部材と固着部(又は固着部と固着部)との相対的な位置関係を位置決めすることができるので、係止爪部または所定爪部による係止位置を所望の位置に確実に配置させることができるという効果がある。更に、このように、封印部材と固着部(又は固着部と固着部)とのあわせ面に凸部と凹部とが形成されていることで、例えば、封印部材の外周側に固着された固着部、或いは、固着部の外周側に固着された固着部を削り取り、封印部材を回収しようとした場合でも、凸部または凹部が削れてしまうので、かかる封印部材の回収を困難にすることができるという効果がある。
なお、凸部としては、筒側挿入突起343、第1及び第2挿入突起261b,271cまたは第1及び第2連結部262,272が該当し、凹部としては、第1から第3挿入溝261a〜281a、第2及び第3連結受入部271b,281bが該当する。
遊技機A10において、前記封印部材は先端側から前記固着部に装着されるものであり、前記凸部および凹部は、前記封印部材の後端面側に露出して形成されていることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、封印部材は先端側から固着部に装着されるものであり、凸部および凹部は、封印部材の後端面側に露出して形成されているので、凸部または凹部の状態を確認する際の視認性を確保することができるという効果がある。
第1封印部を有する第1部材と、第2封印部を有する第2部材と、それら第1封印部および第2封印部を連結して前記第1部材および第2部材を封印する封印部材とを備え、前記封印部材を使用して前記第1部材および第2部材を再封印可能に構成された遊技機において、前記第1部材および第2部材の封印の解除に伴って、前記封印部材からその封印部材の一部分が分離されることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、封印部材により第1封印部および第2封印部が連結され第1部材および第2部材が封印されると共に、その封印の解除により取り外された封印部材を使用して、第1部材および第2部材が再封印される。
このように、封印部材を使い回す場合には、封印部材を取り外し易い構成とする必要がある。しかし、封印部材を取り外し易い構成にすると、その封印部材が他の遊技機(第1部材および第2部材)の封印に使用され易くなり、封印構造を偽装する不正行為を招く。
これに対し、本発明によれば、第1部材および第2部材の封印の解除に伴って、封印部材からその封印部材の一部分が分離されるので、封印を解除した後の封印部材の形状を、封印する前の形状と異ならせることができる。よって、取り外した封印部材を他の遊技機の封印に使用した場合には、その封印部材が既に封印に使用されたものであるか否かを判別することができるので、封印構造を偽装する不正行為を抑制することができるという効果がある。また、第1部材および第2部材の封印が解除されると、封印部材からその封印部材の一部が分離されるので、封印部材の形状を封印前の形状に戻すことを困難とすることができるという効果がある。
遊技機B1において、前記第1封印部または第2封印部の少なくとも一方は、前記第1部材および第2部材の封印状態において前記封印部材が固着される固着部を備え、その固着部に固着された部分が、前記第1部材および第2部材の封印の解除に伴って前記封印部材から分離される前記一部分とされていることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、第1封印部または第2封印部の少なくとも一方は、第1部材および第2部材の封印状態において封印部材が固着される固着部を備え、その固着部に固着された部分が、第1部材および第2部材の封印の解除に伴って封印部材から分離される一部分とされているので、封印部材の形状を封印前の形状に戻すことを困難とすることができるという効果がある。即ち、封印の解除に伴って封印部材から分離された一部分を封印部材に合体させることで、封印部材を封印前の状態に戻すことは可能であるところ、封印の解除に伴って封印部材から分離された一部分は固着部に固着されているので、かかる一部分を回収すること自体を困難とすることができる。その結果、封印部材の形状を封印前の形状に戻すことを困難とすることができる。
また、封印部材を取り外して、第1部材および第2部材の封印を解除した場合には、その封印の解除に伴って封印部材の一部分が分離し、かかる分離した一部分が、第1封印部または第2封印部の少なくとも一方の固着部に固着された状態で残るので、封印部材が取り外された後において、固着部に残った部分(分離した一部分)の切断面などを確認することができるという効果がある。その結果、例えば、取り外した封印部材との整合性などを確認することができる。
遊技機B2において、前記第1封印部および第2封印部から構成される封印部が複数形成され、前記固着部は、少なくとも前記封印部と同数以上が形成されていることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、第1封印部および第2封印部から構成される封印部が複数形成され、固着部は、封印部と同数以上が形成されているので、封印前後で封印部材の形状を異ならせることを、複数回の封印の解除において行うことができる。即ち、封印回数に対応して形状を変化させることができるので、その形状から封印に使用された回数を認識することができる。また、複数回の封印の解除において、固着部に残った部分(分離した一部分)の切断面などを確認することができる。
遊技機B2又はB3において、前記固着部は、前記封印部材が挿通される穴として所定数が形成されると共に、それら所定数の穴がそれぞれ異なる大きさの穴として形成されていることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2又はB3の奏する効果に加え、封印部材が挿通される穴として固着部が形成されているので、構造を簡素化しつつ、封印部材に固着部を確実に固着させることができるという効果がある。更に、固着部はそれぞれが異なる大きさの穴として形成されているので、封印部材の形状が封印前後で異なる形状となる構成においては、封印の解除に伴い取り外された封印部材を、他の遊技機の同じ箇所における固着部には挿通させられなくすることができる。よって、封印構造を偽装する不正を抑制することができるという効果がある。
遊技機B2からB4のいずれかにおいて、前記第1部材が前記固着部を備え、前記封印部材は、前記固着部に固着される被固着部と、その被固着部の内層側に位置する内層部と、それら内層部および被固着部を連結する連結部とを備え、前記連結部が切断されて前記第1部材および第2部材の封印が解除されると、前記被固着部が前記内層部から分離された状態で、少なくとも前記内層部を有する封印部材が前記第1部材および第2部材から取り外されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B2からB4のいずれかの奏する効果に加え、第1部材および第2部材の封印の解除に伴って、封印部材から被固着部が分離されるので、封印を解除した後の封印部材の形状を、封印する前の形状と異ならせることができる。よって、取り外した封印部材を他の遊技機の封印に使用した場合には、その封印部材が既に封印に使用されたものであるか否かを判別することができるので、封印構造を偽装する不正行為を抑制することができるという効果がある。また、第1部材および第2部材の封印が解除されると、封印部材から被固着部が分離されるので、封印部材の形状を封印前の形状に戻すことを困難とすることができるという効果がある。
また、封印部材から分離される被固着部は、固着部に固着されているので、封印部材の形状を封印前の形状に戻すことを困難とすることができるという効果がある。即ち、封印の解除に伴って封印部材から分離された被固着部を封印部材に合体させることで、封印部材を封印前の状態に戻すことは可能であるところ、封印の解除に伴って封印部材から分離された被固着部は固着部に固着されているので、かかる被固着部を回収すること自体を困難とすることができる。その結果、封印部材の形状を封印前の形状に戻すことを困難とすることができる。
また、封印部材を取り外して、第1部材および第2部材の封印を解除した場合には、その封印の解除に伴って被固着部が封印部材から分離し、かかる被固着部が、第1封印部の固着部に固着された状態で残るので、封印部材が取り外された後において、固着部に残った被固着部における連結部の切断面を確認することができるという効果がある。その結果、例えば、取り外した封印部材における連結部の切断面との整合性などを確認することができる。
なお、内層部および被固着部を連結する連結部としては、外側連結部3400,4400および内側連結部3500,4500が該当する。
遊技機B5において、前記第1封印部および第2封印部から構成される封印部を複数備えると共に、それら複数の封印部のそれぞれに前記固着部が形成され、前記被固着部が分離された封印部材を使用して第1部材および第2部材を再封印する場合には、その封印部材の内層部を所定の固着部に固着することを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、第1封印部および第2封印部から構成される封印部を複数備えると共に、それら複数の封印部のそれぞれに固着部が形成され、非固着部が分離された封印部材を使用して第1部材および第2部材を再封印する場合には、封印部材の内層部を所定の固着部(即ち、次に封印すべき箇所における固着部)に固着するので、封印前後で封印部材の形状を異ならせることを、複数回の封印の解除において行うことができる。
遊技機B6において、前記封印部材は、1又は複数の前記被固着部と、その被固着部同士の間または前記被固着部および内層部の間を連結する連結部とを備えると共に、前記内層部は前記第2封印部に係止される係止爪部を備え、前記被固着部が分離された封印部材を使用して前記第1部材および第2部材を再封印する場合には、前記内層部の係止爪部が前記第2封印部に係止されることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、1又は複数の前記被固着部と、その被固着部同士の間または前記被固着部および内層部の間を連結する連結部とを備えると共に、前記内層部は前記第2封印部に係止される係止爪部を備え、前記被固着部が分離された封印部材を使用して前記第1部材および第2部材を再封印する場合には、前記内層部の係止爪部が前記第2封印部に係止されるので、構造を簡素化することができるという効果がある。即ち、内層部に形成された係止爪部を、複数回の封印において共通して使用することができ、かかる係止爪部を封印の回数分だけ設ける必要がないので、その分、構造を簡素化することができる。
なお、第2封印部に係止される内層部の係止爪部としては、第3係止爪4303が該当する。
遊技機B6において、前記封印部材は、1又は複数の前記被固着部と、その被固着部同士の間または前記被固着部および内層部の間を連結する連結部とを備えると共に、前記1又は複数の被固着部および内層部は前記第2封印部に係止される所定爪部および係止爪部をそれぞれ備え、前記第1部材および第2部材を封印または再封印する場合には、最外層側の前記所定爪部が前記第2封印部に係止されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B6において、1又は複数の前記被固着部と、その被固着部同士の間または被固着部および内層部の間を連結する連結部とを封印部材が備えると共に、1又は複数の被固着部および内層部は第2封印部に係止される所定爪部および係止爪部をそれぞれ備え、第1部材および第2部材を封印または再封印する場合には、最外層側の所定爪部が第2封印部に係止されるので、設計の自由度を高めることができるという効果がある。即ち、止爪部を複数回の封印において共通して使用する場合には、その係止爪部が係止される各箇所を同じ形状や同じ配置として形成する必要があるところ、被固着部に所定爪部を形成して、各封印箇所において異なる所定爪部を使用することができれば、所定爪部が係止される各箇所の形状や配置を共通とする必要がなく、その分、設計の自由度を高めることができる。
なお、第2封印部に係止される被固着部および内層部の所定爪部および係止爪部としては、第1から第3係止爪3103〜3303が該当する。
遊技機B2からB8のいずれかにおいて、前記封印部材と前記固着部との合わせ面には、その合わせ面の一方の面に凸部が凸設されると共に他方の面に前記凸部を受け入れる凹部が凹設されていることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B2からB8のいずれかの奏する効果に加え、封印部材と固着部との合わせ面には、その合わせ面の一方の面に凸部が凸設されると共に他方の面に凸部を受け入れる凹部が凹設されているので、これらの固着を接着剤により行う場合には、接着面積を拡大して、接着強度の向上を図ることができるという効果がある。また、これら凸部と凹部との嵌合により、封印部材と固着部との相対的な位置関係を位置決めすることができるので、係止爪部または所定爪部による係止位置を所望の位置に確実に配置させることができるという効果がある。更に、このように、封印部材と固着部とのあわせ面に凸部と凹部とが形成されていることで、例えば、封印の解除に伴って封印部材から分離された一部分(被固着部)に固着された固着部を削り取り、分離された一部分(被固着部)を回収しようとした場合でも、凸部または凹部が削れてしまうので、かかる分離された一部分の回収を困難にすることができるという効果がある。
なお、凸部としては、第1から第3挿入突起3101〜3301,4103,4203、外側連結部3400,4400または内側連結部3500,4500が該当し、凹部としては、第1から第3挿入溝3261a〜3281a、第2及び第3連結受入部3271b,3281bが該当する。
遊技機B9において、前記封印部材は先端側から前記固着部に装着されるものであり、前記凸部および凹部は、前記封印部材の後端面側に露出して形成されていることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、封印部材は先端側から固着部に装着されるものであり、凸部および凹部は、封印部材の後端面側に露出して形成されているので、凸部または凹部の状態を確認する際の視認性を確保することができるという効果がある。
〈その他〉
〈手段〉
この目的を達成するために、技術的思想1記載の遊技機は、第1封印部を有する第1部材と、第2封印部を有する第2部材と、それら第1封印部および第2封印部を連結して前記第1部材および第2部材を封印する封印部材とを備え、前記封印部材を使用して前記第1部材および第2部材を再封印可能に構成されるものであり、前記第1部材および第2部材の封印の解除に伴って、前記封印部材からその封印部材の一部分が分離される。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記第1封印部または第2封印部の少なくとも一方は、前記第1部材および第2部材の封印状態において前記封印部材が固着される固着部を備え、その固着部に固着された部分が、前記第1部材および第2部材の封印の解除に伴って前記封印部材から分離される前記一部分とされている。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記第1封印部および第2封印部から構成される封印部が複数形成され、前記固着部は、少なくとも前記封印部と同数以上が形成されている。
技術的思想1記載の遊技機によれば、封印部材により第1封印部および第2封印部が連結され第1部材および第2部材が封印されると共に、その封印の解除により取り外された封印部材を使用して、第1部材および第2部材が再封印される。
このように、封印部材を使い回す場合には、封印部材を取り外し易い構成とする必要がある。しかし、封印部材を取り外し易い構成にすると、その封印部材が他の遊技機(第1部材および第2部材)の封印に使用され易くなり、封印構造を偽装する不正行為を招く。
これに対し、本発明によれば、第1部材および第2部材の封印の解除に伴って、封印部材からその封印部材の一部分が分離されるので、封印を解除した後の封印部材の形状を、封印する前の形状と異ならせることができる。よって、取り外した封印部材を他の遊技機の封印に使用した場合には、その封印部材が既に封印に使用されたものであるか否かを判別することができるので、封印構造を偽装する不正行為を抑制することができるという効果がある。また、第1部材および第2部材の封印が解除されると、封印部材からその封印部材の一部が分離されるので、封印部材の形状を封印前の形状に戻すことを困難とすることができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、第1封印部または第2封印部の少なくとも一方は、第1部材および第2部材の封印状態において封印部材が固着される固着部を備え、その固着部に固着された部分が、第1部材および第2部材の封印の解除に伴って封印部材から分離される一部分とされているので、封印部材の形状を封印前の形状に戻すことを困難とすることができるという効果がある。即ち、封印の解除に伴って封印部材から分離された一部分を封印部材に合体させることで、封印部材を封印前の状態に戻すことは可能であるところ、封印の解除に伴って封印部材から分離された一部分は固着部に固着されているので、かかる一部分を回収すること自体を困難とすることができる。その結果、封印部材の形状を封印前の形状に戻すことを困難とすることができる。
また、封印部材を取り外して、第1部材および第2部材の封印を解除した場合には、その封印の解除に伴って封印部材の一部分が分離し、かかる分離した一部分が、第1封印部または第2封印部の少なくとも一方の固着部に固着された状態で残るので、封印部材が取り外された後において、固着部に残った部分(分離した一部分)の切断面などを確認することができるという効果がある。その結果、例えば、取り外した封印部材との整合性などを確認することができる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、第1封印部および第2封印部から構成される封印部が複数形成され、固着部は、封印部と同数以上が形成されているので、封印前後で封印部材の形状を異ならせることを、複数回の封印の解除において行うことができる。即ち、封印回数に対応して形状を変化させることができるので、その形状から封印に使用された回数を認識することができる。また、複数回の封印の解除において、固着部に残った部分(分離した一部分)の切断面などを確認することができる。