JP6129480B2 - 超音波液位測定装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、例えば、原子力発電プラントの冷却水配管等の液体が収容される液体容器体内の液位を、超音波の反射波を利用して測定するようにした超音波液位測定装置に関するものである。
従来から、この種の配管内の液位の測定手法の一つとして、超音波の反射波を利用した液位測定技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
これら何れの測定手法も、配管の底部外面に、下方から上方へ超音波を発信し且つ該超音波の液面での反射波を受信し得るようにして超音波送受信器を取付け、該超音波送受信器から管壁を通して上方へ発信された超音波が液体内を液面に向けて伝播し、該液面で反射して液面から上記超音波送受信器に向けて液体内及び管壁を伝播して再び上記超音波送受信器に到達する反射波を該超音波送受信器において受信し、この超音波の発信から反射波の受信までの間における超音波の往復伝播時間を測定し、この往復伝播時間と超音波の伝播速度とに基づいて配管内の液位を算出するものである。
特開平6−281492号公報 特開平8−219854号公報 特開平8−271321号公報
従って、これらの測定により取得される液位測定値の信頼性は、反射波(液面にて一回反射した後に上記超音波送受信器で受信される「第1反射波」、及び多重反射波(二回以上液面で反射した後にそれぞれ上記超音波送受信器で受信される第2反射波以降の反射波でその往復伝播時間が同一の反射波)を含む)を如何に精度良く検出するかによって左右されることになる。
一方、上記超音波送受信器において受信されるのは、上述のような液面で反射した超音波の反射波のみではなく、配管の管壁を通過して液体内に伝播することなく、管壁の底部内面と底部外面との間で反射を繰り返す反射波(以下、「管壁反射波」という)とか、多数の不確定要因から生じるノイズ波も同時に検出される。従って、液面での反射波(即ち、検出対象の反射波)を精度良く検出するには、この検出対象の反射波と、管壁反射波とかノイズ波とを如何に正確に判別するか、という点が重要となる。
また、液面での反射波の往復伝播時間は液位が小さいほど(低いほど)短くなることから、低液位時においては検出対象の反射波が短時間内に集中して出現し(即ち、反射波間の時間間隔が短くなり)、この結果、この集中的に出現する検出対象の反射波を、管壁反射波とかノイズ波から判別してこれを抽出することがより一層難しくなる。
さらに、ノイズ波の大きさ(電圧レベル)は、高液位ではノイズ波の液体への伝播による減衰が大きいことから小さくなるが、低液位であるときにはノイズ波の液体への伝播による減衰が小さいことから大きくなる。従って、低液位では、検出対象の反射波とノイズ波との間におけるレベル差が縮まり、これら両者の判別がさらに難しくなる。
また、低液位ではノイズ波のレベルが高いため、ノイズ波同士が同調して重なり合うとそのレベルが一段と高くなり、この同調したノイズ波のレベルが実際の液位に対応した反射波のレベルを大きく超えたような場合には、このノイズ波が検出対象の反射波として誤って検出され、例えば、実際は空液位に近い状態であるにも拘わらず、これを高液位として誤測定するという事態も発生し、低液位状態での液位測定における測定精度および信頼性の低下を招来する原因ともなっていた。
しかるに、このような低液位範囲での液位測定における測定精度あるいは信頼性を高めるための有効な提案はなされておらず、特に原子力発電プラントにおける配管内の液位測定のように、配管内の液位の管理が安全確保上において極めて重要な意味をもつ産業分野においては、その対応技術の早期開発に対する要請が大きい。
そこで本願発明は、液体容器体内の液位測定、特に低液位及び超低液位における液位測定を、高精度で且つ高い信頼性をもって行ない得るようにした超音波液位測定装置を提供することを目的としてなされたものである。
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
本願の第1の発明に係る超音波液位測定装置では、液体2が収容された液体容器体1の底部外面1bに取付けられた超音波送受信器5と、上記液体容器体1の空液位から満液位までの全液位範囲を複数に区画し該各区画に割り付けた複数の液位モードと、上記超音波送受信器5から液面に向けて発信された超音波の該超音波送受信器5と液面の間での往復伝播時間に基づいて上記液体容器体1内の液位を測定する液位測定手段10と、上記液位測定手段10で取得される液位を受けて現時点から所定回数以前までの各測定回の液位を集計するとともに、上記各測定回の液位のそれぞれに測定時刻に対応した重み付けをする集計処理部(111)と、重み付けされた各測定回の液位の標準偏差と平均値を求める第1演算部(112)と、前回決定された液位と上記標準偏差と上記平均値に基づいて上記各測定回の液位のうち、エラーと考えられる液位を抽出し、全測定回の液位に対応する重みの総和に対するエラー液位に対応する重みの総和の比率をエラー率として求める第2演算部(113)と、上記エラー率が所定値以上であるときには上記平均値を現在の液位として決定し、上記エラー率が所定値以下であるときには全液位から上記エラー液位を除いて再度標準偏差と平均値を求めて該平均値を現在の液位として決定する液位決定部(114)から成る液位決定手段(11)を備えたことを特徴としている。
本願の第2の発明では、上記第1の発明に係る超音波液位測定装置において、上記液位測定手段10を、測定手法を異にする複数の液位測定部10A〜10Nで構成し、上記液位決定手段11は上記複数の液位測定部10A〜10Nによってそれぞれ測定される液位に基づいて現在の液位を決定するように構成したことを特徴としている。
本願の第3の発明では、上記第1又は第2の発明に係る超音波液位測定装置において、上記複数の液位モード相互間における液位モードの移行形態のそれぞれについて移行元液位モードと移行先液位モード間の距離的な相対関係を考慮して予め設定された液位モードの移行判定閾値14と、上記液位決定手段11で決定された現在の液位に対応する液位モードが、前回の液位モードと異なるときに液位モードの移行を行うか否かを判定するモード移行判定手段13を備えるとともに、上記モード移行判定手段13では、前回の液位モードを移行元液位モードとし、今回の液位モードを移行先液位モードとして、移行元液位モードから移行先液位モードへの液位モードの移行の可否を、該移行元液位モードと移行先液位モードの相対関係に対応する上記移行判定閾値14に基づいて判断することを特徴としている。
本願の第4の発明では、上記第1、第2又は第3の発明に係る超音波液位測定装置において、上記超音波送受信器5から超音波波形を取得する超音波波形取得手段20と、上記超音波波形取得手段20において取得される超音波波形のうち満液位における超音波波形を基準波形として保有する基準波形保有部21と、上記超音波波形取得手段20において取得される超音波波形と上記基準波形を対比して現在の液位を認識し、この認識される液位を、上記液位決定手段11において決定された液位と対比することで上記決定液位又は上記確定液位の適否をチエックする液位チエック手段22を備えたことを特徴としている。
本願発明では次のような効果が得られる。
(a)本願の第1の発明に係る超音波液位測定装置によれば、液体容器体1の底部外面1bに取付けられた超音波送受信器5から液面に向けて超音波を発信し、この発信された超音波の上記超音波送受信器5と液面の間での往復伝播時間に基づいて上記液体容器体1内の液位を測定し、この測定により取得された液位に、該液位が属する液位モードに関する情報を加味して、現在の液位を決定するものであるため、液体容器体1内の液体2に接触することなく該液体容器体1の外部から液位を取得でき、例えば液体2への接触が制限される環境下における液位測定手法として極めて有用であるとともに、液位の決定に際して液位モードに関する情報が加味されることでその信頼性が確保される。
また、この発明では、上記液位決定手段11において、現時点から所定回数以前までの各測定回の液位を集計するとともに上記各測定回の液位のそれぞれに測定時刻に対応した重み付けをし、この重み付けされた各測定回の液位の標準偏差と平均値を求めるとともに、上記各測定回の液位のうちのエラー液位を抽出し、全測定回の液位に対応する重みの総和に対するエラー液位に対応する重みの総和の比率をエラー率として求め、上記エラー率が所定値以上であるときには上記平均値を現在の液位として決定し、上記エラー率が所定値以下であるときには全液位から上記エラー液位を除いて再度標準偏差と平均値を求めて該平均値を現在の液位として決定することから、例えば、単に液位測定手段10によって測定された液位をそのまま現在の液位として決定する場合に比して、当該液位の測定精度及び信頼性が高く、特に原子力発電プラントの配管内の液位測定のように液位が安全確保上において極めて重要な意味をもつ産業分野において極めて有用な超音波液位測定装置を提供することができる。
(b)本願の第2の発明に係る超音波液位測定装置によれば、上記(a)に記載の効果加えて、以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記液位測定手段10を、測定手法を異にする複数の液位測定部10A〜10Nで構成し、上記液位決定手段11は上記複数の液位測定部10A〜10Nによってそれぞれ測定される液位に基づいて現在の液位を決定するように構成しているので、例えば、上記複数の液位測定部10A〜10Nの測定特性にバラツキがある場合であってもこのバラツキの影響を排した上で、しかも各液位モードでの測定に好適な測定手法による測定が行われることから、得られる液位の精度及び信頼性がさらに向上する。
(c)本願の第3の発明に係る超音波液位測定装置によれば、上記(a)又は(b)に記載の効果に加えて、以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記複数の液位モード相互間における液位モードの移行形態のそれぞれについて移行元液位モードと移行先液位モード間の距離的な相対関係を考慮して予め設定された液位モードの移行判定閾値14と、上記液位決定手段11で決定された現在の液位に対応する液位モードが、前回の液位モードと異なるときに液位モードの移行を行うか否かを判定するモード移行判定手段13を備えるとともに、上記モード移行判定手段13では、前回の液位モードを移行元液位モードとし、今回の液位モードを移行先液位モードとして、移行元液位モードから移行先液位モードへの液位モードの移行の可否を、該移行元液位モードと移行先液位モードの相対関係に対応する上記移行判定閾値14に基づいて判断するようにしているので、例えば、液位モード間の移行判定に人の主観的要素が介在するような場合に比して、設定された液位モードの信頼性が高く、延いてはこの液位モードを背景として取得される液位の信頼性がさらに高められる。
(d)本願の第4の発明に係る超音波液位測定装置によれば、上記(a)、(b)又は(c)に記載の効果に加えて、以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記超音波送受信器5から超音波波形を取得する超音波波形取得手段20と、上記超音波波形取得手段20において取得される超音波波形のうち満液位における超音波波形を基準波形として保有する基準波形保有部21と、上記超音波波形取得手段20において取得される超音波波形と上記基準波形を対比して現在の液位を認識し、この認識される液位を、上記液位決定手段11において決定された液位と対比することで上記決定液位又は上記確定液位の適否をチエックする液位チエック手段22を備えているので、上記認識液位と上記決定液位又は上記確定液位とが対応する場合にはこの決定液位又は確定液位の信頼性が担保され、逆に上記認識液位と上記決定液位又は上記確定液位とが対応しない場合には、例えばこれを警報により報知することで誤った液位の下での液位監視が未然に排除されるなど、液位監視の信頼性が確保される。
本願発明の第1の実施形態に係る超音波液位測定装置の機能ブロック図である。 配管における液位モードの説明図である。 各液位モード相互間の関係説明図である。 第1反射波を検出主体とする液位測定手法の説明図である。 多重反射波を検出主体とする液位測定手法の説明図である 液位モードと測定方式の対応関係図である。 各液位モードにおける各測定方式の優先順位説明図である。 超低液位に対する他の測定手法の説明図である。 液位の誤測定の事象説明図である。 液位の集計データである。 満液位の超音波波形である。 高液位の超音波波形である。 中液位の超音波波形である。 低液位の超音波波形である。 超低液位の超音波波形である。 空液位の超音波波形である。 本願発明の第2の実施形態に係る超音波液位測定装置の機能ブロック図である。
A:第1の実施形態
図1には、本願発明の第1の実施形態に係る超音波液位測定装置の機能ブロック図を、その測定形態とともに示している。
なお、以下における説明の便宜上、先ず図2〜図8を参照して液位測定の基本思想を説明し、しかる後、図1のブロック図を参照して超音波液位測定装置の構成、並びにその作動等を説明する。
I:液位測定制御の基本思想
I−1:液位モードの設定(図2参照)
この実施形態では、配管1(特許請求の範囲中の「液体容器体」に該当する)内の現在の液位をより精度良く測定するために、先ず、その前提として液位モードを設定している。即ち、この液位モードは、請求項1に記載のように、上記配管1の空液位から満液位までの全液位範囲を所定の液位範囲毎に複数個に区画し、これら各区画にそれぞれ割り付けたものであって、特にこの実施形態では、区画個数を4とし、これら各区画のうち、満液位を含む最も高位の液位モードを「高液位モード」、該高液位モードよりも低位側に位置する液位モードを「中液位モード」、該中液位モードよりも低位側に位置する液位モードを「低液位モード」、空液位を含む最も低位の液位モードを「超低液位モード」としており、これを具体的に例示すれば以下のとおりである。
この実施形態では、図2に示すように、上記配管1の内径を「D」、該配管1の中心高さ「D/2」に対応する液位を基準液位「±0」としている。そして、この基準液位から正方向及び負方向の高さによって上記各液位モードを規定し、
高液位モード:「+(D/2(満液位))〜±0」
中液位モード:「±0〜−(D/4)」
低液位モード:「−(D/4)〜−(D/2.5)」
超低液位モード:「−(D/2.5)〜−(D/2(空液位))」
となるようにその液位範囲を設定している。
ここで、高液位モードには「+(D/2)」、即ち、満液位が含まれているが、この「+(D/2)」の液位の検出は液温による測定誤差等によって正確に測定することは難しい。そこで、「+(D/2)」より1割程度下位の液位、即ち、「+(9D/20)」を超え、且つ後述の液位チエック手段22に示す条件から「満液位」と判断するようにしている。
同様に、超低液位モードには「−(D/2)」、即ち、空液位が含まれているが、この「−(D/2)」の液位の検出は測定誤差等によって正確に測定することは難しい。そこで、「−(D/2)」より1割程度上位の液位、即ち、「−(9D/20)」より低下し、且つ後述の液位チエック手段22に示す条件から「空液位」と判断するようにしている。
なお、上記各液位モードの設定は、配管1の用途、使用状況等の条件に応じて任意に設定し得ることは勿論である。
I−2: 各液位モード間におけるモード移行(図3参照)
上記「A−1]において説明したところであるが、上記各液位モード相互間の位置付けは、図3に示すように、最上位に位置する「高液位モード」と最下位に位置する「超低液位モード」の間に、「中液位モード」と「低液位モード」が位置したものとなっている。
ここで、例えば、満液状態から液抜きを行う場合には、液面高さが順次低下することから、図3に実線矢印で示すように、現在の液面が属する液位範囲に対応する液位モードは「高液位モード → 中液位モード → 低液位モード → 超低液位モード」と順に移行する。逆に、空液状態から液張りを行うときには、液面高さが順次上昇することから、現在の液面が属する液位範囲に対応する液位モードは「超低液位モード → 低液位モード → 中液位モード → 高液位モード」と順に移行する。これら両者は、共に隣の液位モードへ移行するものであって、所謂「隣接移行」といわれる移行形態である。
ところが、実際には、液位モードの移行は「隣接移行」ばかりではなく、図3に破線矢印で示すように、「高液位モード」から「中液位モード」を経ることなく直接に「低液位モード」へ移行するとか、逆に「超低液位モード」から「低液位モード」を経ることなく直接に「中液位モード」へ移行する「一つ飛び移行」(破線矢印とは逆の移行も含む)、図3に鎖線矢印で示すように、「高液位モード」から直ちに「超低液位モード」へ移行するとか、逆に「超低液位モード」から直ちに「高液位モード」へ移行する「二つ飛び移行」という「飛び移行」という形態もある。
この液位モードの「飛び移行」は、例えば、液位測定時に液面が波立ち、液面で反射した反射波の反射方向が超音波送受信器の受信可能範囲から逸脱し、本来この超音波送受信器で受信されるはずの反射波が受信されず、しかも、この非受信状態の継続中に実際の液面の高さが大きく変化し、液面の波立ちが収まって液面での反射波を超音波送受信器において受信できる状態となったときには、既に先の受信時における液面高さに対応する液位モードあるいはこれに隣り合う液位モードを超えて、他の液位モードまで移行していた、というような場合に発生し得るものである。また、上記各「飛び移行」は、上述のような「液面の波立ち」等の現実的に起こり得る原因によるほかに、例えば、ノイズ波の受信等の不確定な原因によって発生することも考えられる。
従って、測定される液位の信頼性を確保するためには、当該液位が属する液位モードが正しいものか、それとも誤ったものであるのかを見極めることが必要となる。そのため、この実施形態においては、液位モードの移行許否の判定手法として、移行判定閾値という概念を導入している。
即ち、隣接移行の場合は、移行元の液位モードにおける液位と移行先における液位モードにおける液位との差が小さく且つ比較的安定したものであることを考慮して移行判定閾値を「1」とする。これに対して、「飛び移行」の場合には、移行元の液位モードにおける液位と移行先における液位モードにおける液位との差が大きく且つ比較的不安定なものであり、しかもその程度は「一つ飛び移行」よりも「二つ飛び移行」の方が大きいことを考慮して、「一つ飛び移行」における移行判定閾値を「2」、「二つ飛び移行」における移行判定閾値を「4」としている。この閾値を用いた液位モードの移行制御については後述する。
II:超音波液位測定装置
超音波液位測定装置は、例えば、原子力発電プラント等における配管1(特許請求の範囲中の「液体容器」に該当する)内に収容された液体(例えば、水)の液位を超音波の反射波を利用して測定するものであって、上記配管1の底部外面1bに超音波送受信器5を、下方から上方へ超音波を発信し且つ該超音波の液面2aでの反射波を受信し得るようにして取付けており、この超音波送受信器5において受信された反射波の情報に基づいて制御装置Xにおいて上記配管1内の液位を測定するように構成されている。なお、図1において、符号3は上記超音波送受信器5が取付けられた取付基台、符号4は上記収納体3とともに上記超音波送受信器5を上記配管1の底部外面1bに固定するバンド4である。
上記超音波送受信器5において受信される全ての受信波(即ち、検出対象の反射波のほか、管壁反射波及びノイズ波を含む)は、後述の制御装置Xに入力され、この入力された受信波の伝播時間に基づく演算処理によって上記配管1内の現在の液位が測定される。
II−1:制御装置X
上記制御装置Xには、図1に示すように、液位測定手段10と液位決定手段11とモード移行判定手段13と出力手段16と超音波波形取得手段20と液位チエック手段22が備えられている。
II−1−1:液位測定手段10
上記液位測定手段10は、上記超音波送受信器5において受信される反射波を受けて、反射波の往復伝播時間とその伝播速度に基づいて液位を算出する。この液位測定手段10による液位測定手法としては、順次受信される反射波のうち、一番目に受信される第1反射波を検出主体とし、これに二番目以降に受信される第2反射波以降の反射波、即ち、第2反射波、第3反射波等の多重反射波を考慮して液位を算出する第1の測定手法と、多重反射波を検出主体として液位を算出する第2の測定手法が考えられる。これら各測定手法の内容を説明すると、以下の通りである。
(a)第1の測定手法
第1の測定手法は、上述のように第1反射波を検出主体とし、これに多重反射波を考慮して液位を算出する手法であって、図4(イ)〜(ニ)に示すとおりである。ここで、図4(イ)は高液位モード時における検出波形を、図4(ロ)は中液位モード時における検出波形を、図4(ハ)は低液位モード時における検出波形を、図4(ニ)は超低液位モード時における検出波形を、それぞれ示している。
第1反射波(W1)の出現時間は、高液位モードから超低液位モードに至るに伴って次第に早くなり、それに伴って各反射波の出現間隔も「ta」→「tb」→「tc」→「td」と次第に狭まり、さらに第1反射波及び多重反射波の間に出現する管内壁面での反射波の出現数や振幅も次第に増加する。この結果、高液位モードでは第1反射波(W1)と管内壁面での反射波(Ww)との判別は容易であるが、中液位モードから超低液位モードに近づくにつれて管内壁面での反射波(Ww)との判別がしにくくなり、特に超低液位モードにおいてはこの判別が困難な状態となる。
このような第1反射波(W1)の出現時間と、該第1反射波(W1)と管内壁面での反射波(Ww)との判別の難易度に対応すべく、各液位モードにおいて以下のような処理を行うようにしている。
まず、測定時間(Ts1)を設定し、この測定時間(Ts1)の範囲内における第1反射波及び多重反射波の出現状態を考慮する。ここで、測定時間(Ts1)の範囲は、満液時の第1反射波(W1)が検出できるまでの時間である。
そして、高液位モードでは、図4(イ)に示すように、測定時間(Ts1)内に第1反射波(W1)が存在すれば液位測定可能と判断し、この第1反射波(W1)の伝播時間に基づいて算出される液位を現在の液位として採用する。
中液位モードでは、図4(ロ)に示すように、測定時間(Ts1)内に第1反射波(W1)と第2反射波(W2)が存在し、且つ第1反射波(W1)と第2反射波(W2)の間に他の反射波が存在しないときに液位測定が可能と判断し、この第1反射波(W1)あるいは第2反射波(W2)の伝播時間に基づいて算出される液位を現在の液位として採用する。
なお、「第1反射波(W1)と第2反射波(W2)の間に、液面での反射波以外の他の反射波が存在しない」ことを条件としたのは、以下のような理由による。即ち、図9に示すように、例えば、第1反射波が小さくてこれが閾値以下であるような場合は、この第1反射波が測定されず、最初に閾値を超えた第2反射波を誤って第1反射波と測定し、また第4反射波を誤って第2反射波として測定するおそれがあり、係る誤測定を未然に防止するためである。
低液位モードでは、図4(ハ)に示すように、低液位領域に第1反射波(W1)が存在し、且つ中液位モード及び高液位モードの何れにも第1反射波(W1)が存在しないときに液位測定可能と判断し、現在の液位は低液位モードの上限(即ち、中液位モードの下限)以下であると判断する。
超低液位モードでは、図4(ニ)に示すように、各反射波と管内壁面反射波との判別が困難であるため、測定不能とする。
(b)第2の測定手法
第2の測定手法は、上述のように多重反射波を検出主体として液位を算出する手法であって、図5(イ)〜(ニ)に示すとおりである。ここで、図5(イ)は高液位モード時における検出波形を、図5(ロ)は中液位モード時における検出波形を、図5(ハ)は低液位モード時における検出波形を、図5(ニ)は超低液位モード時における検出波形を、それぞれ示している。
まず、測定時間(Ts2)を設定し、この測定時間(Ts2)の範囲内における第1反射波を含む第2反射波以降の多重反射波の出現状態を考慮する。ここで、測定時間(Ts2)の範囲は、満液時の第2反射波(W2)が検出できるまでの時間である。
そして、高液位モードでは、図5(イ)に示すように、測定時間(Ts2)内に多重反射波が少なくとも一つ以上存在すれば液位測定可能と判断し、この多重反射波(この例では第2反射波(W2))の伝播時間に基づいて算出される液位を現在の液位として採用する。
中液位モードでは、図5(ロ)に示すように、測定時間(Ts2)内に多重反射波が少なくとも三つ以上存在し(この例では第2反射波(W2)と第3反射波(W3)と第4反射波(W4))、且つこれら各反射波(W2)、(W3)、(W4)の伝播時間に基づいて算出される二つ以上の液位の中に同じ液位が二つ以上存在(この例では、W2−W1=W3−W2=W4−W3=tb)するときに液位測定可能と判断し、この液位を現在の液位として採用する。
なお、「算出される二つ以上の液位の中に同じ液位が二つ以上存在する」ことを条件としたのは、以下のような理由による。即ち、例えば、第1反射波(W1)が管内壁面反射波(Ww)に埋もれて検出できず、第2反射波(W2)と第3反射波(W3)及び第4反射波(W4)が検出された場合には、第2反射波(W2)の受信時点から第3反射波(W3)の受信時点までの伝播時間と、第3反射波(W3)の受信時点から第4反射波(W4)の受信時点までの時間は共に「tb」となり、同じ液位に対応する。従って、「算出される二つ以上の液位の中に同じ液位が二つ以上存在する」ことを条件とすることで、反射波を検出できない場合や、ノイズ波等による液位の誤測定を排除することができるからである。
低液位モードでは、図5(ハ)に示すように、測定時間(Ts2)内に多重反射波が少なくとも四つ以上存在し(この例では第2反射波(W2)〜第6反射波(W6)の四つ)、且つこれら各反射波(W2)〜(W6)の伝播時間に基づいて算出される液位の中に同じ液位が二つ以上存在するときに液位測定可能と判断し、さらに同じ液位の個数が最も多い液位を現在の液位として採用する。
なお、液位の採用条件に「同じ液位の個数が最も多い液位」を加えたのは、例えば、液面での多重反射波のみが第2反射波(W2)と第3反射波(W3)と第4反射波(W4)として検出された場合にはこれら各多重反射波の伝播時間に基づいて算出される液位は全て同じ液位となるが、もし、検出できない多重反射波や液面での多重反射波の間に管壁反射波(Ww)とかノイズ波が存在し、このノイズ波等が液面での反射波(多重反射波)として誤検出されたような場合には、「同じ液位が二つ以上」という条件を満たす液位が二以上存在することも有り得るので、「同じ液位の個数が最も多い液位」を液位の採用条件に加えることで、検出もれやノイズ波等による液位の誤測定を排除するようにしたものである。
超低液位モードでは、図5(ニ)に示すように、測定時間(Ts2)内に多重反射波が少なくとも五つ以上存在し(この例では第2反射波(W2)〜第6反射波(W6)の五つ)、且つこれら各反射波(W2)〜(W6)の伝播時間に基づいて算出される液位の中に同じ液位が二つ以上存在するときに液位測定可能と判断し、さらに同じ液位の個数が最も多い液位を現在の液位として採用する。
この実施形態では、上記第1の測定手法による測定方式を「第1反射波方式」とし、上記第2の測定手法による測定方式を対象液位に対応させて「第1の多重反射波方式」と「第2の多重反射波方式」としている。従って、図6に示すように、「第1反射波方式」は「低液位〜高液位」の液位範囲を測定対象とする。「第1の多重反射波方式」は「超低液位〜高液位」の全液位範囲を測定対象とする。「第2の多重反射波方式」は「超低液位〜低液位」の液位範囲を測定対象とする。
そして、各液位モードにおける上記各測定方式による液位の測定精度を考慮して、図7に示すように、各液位モードのそれぞれにおける上記各測定方式の優先順位を決めている。即ち、「高液位モード」では、第1反射波方式を「第1順位」、第1の多重反射波方式を「第2順位」とし、第2の反射波方式は採用しない。「中液位モード」では、第1反射波方式を「第2順位」、第1の多重反射波方式を「第1順位」とし、第2の反射波方式は採用しない。「低液位モード」では、第1反射波方式を「第3順位」、第1の多重反射波方式を「第1順位」とし、第2の反射波方式を「順位2」としている。「超低液位モード」では、第1反射波方式は採用せず、第1の多重反射波方式を「第2順位」とし、第2の反射波方式を「第1順位」としている。
(c)超低液位モードにおける他の測定手法
上述のように、超低液位モードでの液位測定は第1及び第2の多重反射波方式でしか行えないが、ここでは、これら第1及び第2の多重反射波方式とは異なる他の手法による超低液位モードでの液位の測定手法を説明する。
図8に示すように、超低液位モードは空液位に近い状態であり、しかも配管1の管壁内における超音波の伝播速度は液体2内の伝播速度の約4倍であることから、管壁肉厚の1/4以下の液位の測定は極めて困難であるが、この場合、超音波の送信波(上記超音波送受信器5からの発信波及び管壁反射波)の影に隠れた液面での第1反射波を検出する手法を採用することもでき、これによれば、管壁肉厚の1/4以下の液位の測定が可能となる。尚、図8では、時間「t01」が管壁肉厚に相当し、時間「t02」が液位に相当する。
II−1−2:液位決定手段11
上記液位決定手段11は、上記液位測定手段10において連続的に測定される液位を受けて、所要の演算処理にて「現在の液位」を決定し、これを出力するものであって、集計処理部111と第1演算部112と第2演算部113及び液位決定部114を備えて構成され、ここでの液位決定処理の具体的内容は以下の通りである。
上記液位測定手段10においてサンプリング周期毎に連続的に測定される液位は、集計処理部111に入力される。この集計処理部111では、図10に示すように、上記液位測定手段10から入力される過去20回(時刻t=「0」〜「−19」)の液位「L」を時系列的に集計するとともに、これら各液位にそれぞれ重み付けを行う。この重み付けには、最も直近の液位の信頼性が一番高く、過去に遡るほど順次信頼性が低くなるとの観点から、過去20回の液位のそれぞれに、古い時刻の液位から新しい時刻の液位に向けて順に「1→2→3・・」と重みをつけ、現在の液位の重みを「20」としている。この集計処理部111での集計結果は次述の第1演算部112にて演算処理に付される。
上記第1演算部112では、上記集計処理部111において重み付けされた各測定回の液位について、下記数式1及び数式2に基づいて、液位の「標準偏差σ」と「平均値m」を求める。

Figure 0006129480

Figure 0006129480
図10に示す例の場合、「標準偏差σ=15.98」、「平均値m=0.119」となる。ここで、今回の20回の測定では「6〜10」の液位が多いにも拘らず、平均値が極端に小さい「m=0.119」となったのは、全液位の傾向からみて過大と思われる液位「−30」が20回中に4回も測定され、この過大な液位の影響を受けて標準偏差σが「15.98」と大きな広がりをもつことに起因するものと考えられる。そこで、次述の第2演算部113において、測定液位のエラー率を考慮して再演算が行われる。
上記第2演算部113では、測定エラーが疑われる時刻「−3」、「−6」、「−10」、「−15」の液位「−30」の影響を排除する。即ち、上記各測定液位から、「前回液位L±5」の範囲外にある液位と、「平均値m±1σ」の範囲外にある液位(以下、説明の便宜上「排除液位」という)を取り除く。なお、ここでは前回液位を「8.5」としている。
また、上記測定液位のエラー率を、全測定液位の重みの総和(1から20の総和で「210」となる)に対する測定エラーが疑われる液位「−30」の重みの総和(17+14+10+5=46)の割合として求めると、エラー率は、「46/210=0.219」、即ち、21.9%となる。このエラー率は、次述の液位決定部114に入力される。
上記液位決定部114では、上記エラー率が10%以下である場合は、上記平均値「m=0.119」を現在の液位として決定するが、上記エラー率が10%以上である場合には、全測定液位から上記排除液位を除いた状態で、「平均値m」と「標準偏差σ」とを再計算して求める(即ち、「10%」が特許請求の範囲における「所定値」に該当する)。
この例では、エラー率が「21.9%」であるため、再計算を行い、その結果、平均値「m′=8.567」、標準偏差「σ′=1.083」という数値が得られる。この再計算による平均値「m′=8.567」と標準偏差「σ′=1.083」は、前回液位「8.5」から考えて、共に妥当な数値と考えられ、従って、上記平均値「m′=8.567」を現在の液位として決定する。この液位決定部114で決定された液位は、次述のモード移行判定手段13と出力手段16及び液位チエック手段22に入力される。
II−1−3:モード移行判定手段13
上記モード移行判定手段13は、上記液位決定手段11で決定された液位が属する液位モードを受けて、この液位モードが前回の処理時における液位モードと異なる場合に、液位モードを前回の液位モードから今回の液位モードに移行させるべきか否かを判定する。
即ち、上記モード移行判定手段13には、記憶部15から前回の液位モードが入力されるとともに、移行判定閾値14が入力される。そして、これら各入力を受けて、上記モード移行判定手段13では、以下に例示するような判定処理が行われる。なお、移行判定閾値は、「隣接移行」の場合は「1」、「一つ飛び移行」の場合は「2」、「二つ飛び移行」の場合は「4」とすることは既述の通りである。
モード移行判定処理は、上記液位測定手段10において決定された測定液位の平均値「m′=8.567」と標準偏差「σ′=1.083」に基づいて行われる。
先ず、前回の液位モードと、現在の液位「8.567」が属する液位モードとの位置関係に基づく移行判定閾値と、該液位モードでの上記各測定方式の測定順位を考慮して、測定方式毎に新たな標準偏差「σ″」を求める。
即ち、現在の液位モードが、前回の液位モードと同じ液位モードか、あるいは隣接する液位モードである場合には、標準偏差「σ″=σ′×1(倍)×測定順位(1〜3の何れか)」とする。現在の液位モードが、前回の液位モードから一つ飛びの液位モードである場合には、標準偏差「σ″=σ′×2(倍)×測定順位(1〜3の何れか)」とする。現在の液位モードが、前回の液位モードから二つ飛びの液位モードである場合には、標準偏差「σ″=σ′×4(倍)×測定順位(1〜3の何れか)」とする。
従って、新たな標準偏差「σ″」は液位モードの移行形態と測定方式に対応して9個求められる。そして、この9個の標準偏差「σ″」を対比し、これらのうち、最も小さい標準偏差「σ″」を選択し、この最も小さい標準偏差「σ″」に対応する液位を新しい液位として求める。そして、この新しい液位が属する液位モードを「移行先の液位モード」として、モード移行を行わせる。
この場合、移行形態としては、上述のように「隣接移行」と「一つ飛び移行」と「二つ飛び移行」が存在するが、このうち、「隣接移行」はモード移行が測定液位に与える影響が少ないため、上記標準偏差「σ″」に基づくモード移行をそのまま実行させるが、「一つ飛び移行」と「二つ飛び移行」については、さらに移行判定条件を課している。
即ち、「一つ飛び移行」あるいは「二つ飛び移行」の判定がなされた場合、上記標準偏差「σ″」に対応する液位を用いることなく(即ち、液位モード移行を実行することなく)、前回の液位及び液位モードを保持したまま次の液位測定に進み、新たに測定された液位について上記移行判定を実行させ、液位測定と移行判定の繰り返しの結果、「一つ飛び移行」の移行判定が所定回数、例えば、200回連続した場合に、また「二つ飛び移行」の移行判定が所定回数、例えば、2000回連続した場合に、それぞれモード移行を実行させる。
II−1−4:出力手段16
上記出力手段16は、上記液位決定手段11からの液位と上記モード移行判定手段13からの液位モードを受けて、これら液位と液位モードに係る情報を表示手段31に出力してここで表示させるとともに、記録手段32に出力してこれを記録させる。
II−1−5:液位チエック手段22
上記液位チエック手段22は、上記液位決定手段11で決定された液位が正しいのか否かを、該液位決定手段11での判定手法とは異なる手法でさらにチエックするものであって、次述の超音波波形取得手段20から超音波波形が入力される。
上記超音波波形取得手段20は、上記超音波送受信器5において受信された超音波波形(生波形)を取得する。この実施形態では、図11〜図20に示す10個の超音波波形を取得するようにしている。
図11は、満液位における超音波波形の画面表示である。図12は、満液位直前における超音波波形の画面表示である。図13は、高液位における超音波波形の画面表示である。図14は、高液位から中液位への過渡期における超音波波形の画面表示である。図15は、中液位における超音波波形の画面表示である。図16は、中液位から低液位への過渡期における超音波波形の画面表示である。図17は、低液位における超音波波形の画面表示である。図18は、低液位から超低液位への過渡期における超音波波形の画面表示である。図19は、超低液位から空液位への過渡期における超音波波形の画面表示である。図20は、空液位における超音波波形の画面表示である。
なお、図11の満液位における超音波波形の画面表示において、第1反射波の振幅をフルスケールの40%に合せ易いように、724mm〜745mmの振幅40%の位置に第1反射波の線が表示されるようにアンプゲインを調整している。そして、この満液位における超音波波形を基準波形として、これを基準波形保有部において保持する。また、満液位においては、液位90mm〜190mmの範囲の振幅は低く、また液位2300mm以上の範囲における振幅の積分値も小さい。
各液位の認識は以下のようにして行われる。
(a) 満液位の認識(図11参照)
満液位の認識は、以下の五条件を満たすことで行われる。
条件1:液位725mm〜745mmの範囲に第1反射波を検出
条件2:第1反射波の検出率が95%以上
条件3:第1反射波の振幅の平均値がフルスケールの30〜50%以内
条件4:第1反射波の振幅値が取込件数内で安定
条件5:液位90mm〜190mmの範囲の振幅は低く、且つ液位2300mm以上の範囲における振幅の積分値が小さい
上記条件1〜条件5を満足するとき、現在の液位は満液位であると判断する。
(b) 高液位の認識(図12参照)
高液位の認識は、満液位の条件に該当せず、且つ以下の三条件を満たすことで行われる。
条件1:液位745mm以下の範囲に第1反射波を検出
条件2:液位2300mm以上の範囲における振幅の積分値が基準波形のそれよりも小さい
条件3:液位90mm〜190mmの範囲における振幅の最大値が基準波形のそれよりも小さい
上記条件1〜条件3を満足するとき、現在の液位は高液位であると判断する。
(c) 中液位の認識(図13参照)
中液位の認識は、以下の三条件を満たすことで行われる。
条件1:液位745mm以下の範囲に第1反射波及び第2反射波を検出
条件2:液位2300mm以上の範囲における振幅の積分値が基準波形のそれよりも小さい
条件3:液位90mm〜190mmの範囲における振幅の最大値が基準波形のそれよりも小さい
上記条件1〜条件3を満足するとき、現在の液位は中液位であると判断する。
(d) 低液位の認識(図14参照)
低液位の認識は、以下の三条件を満たすことで行われる。
条件1:液位745mm以下の範囲に複数の多重反射波を検出
条件2:液位2300mm以上の範囲における振幅の積分値が基準波形のそれよりも小さい
条件3:液位90mm〜190mmの範囲における振幅の最大値が基準波形のそれよりも大きい
上記条件1〜条件3を満足するとき、現在の液位は低液位であると判断する。
(e) 超低液位の認識(図15参照)
超低液位の認識は、以下の三条件を満たすことで行われる。
条件1:液位745mm以下の範囲に複数の多重反射波を検出
条件2:液位2300mm以上の範囲における振幅の積分値が基準波形のそれよりも大きい
条件3:液位90mm〜190mmの範囲における振幅の最大値が基準波形のそれよりも大きい
上記条件1〜条件3を満足するとき、現在の液位は超低液位であると判断する。
(f) 空液位の認識(図16参照)
空液位の認識は、以下の三条件を満たすことで行われる。
条件1:液位745mm以下の範囲に多重反射波を未検出
条件2:液位2300mm以上の範囲における振幅の積分値が基準波形のそれよりも大きい
条件3:液位90mm〜190mmの範囲における振幅の最大値が基準波形のそれよりも小さい
上記条件1〜条件3を満足するとき、現在の液位は空液位であると判断する。
上記液位チエック手段22では、上記各液位の認識結果と、上記液位決定手段11で決定された液位を対比し、これら両者が一致しない場合は、上記液位決定手段11で決定された液位は誤っている可能性が高いものとして、警報手段33において警報を発し注意を喚起する。なお、警報発信時には、液位決定部114やモード移行判定手段13及び移行判定閾値14を自動調整して、上記液位チエック手段22で得られた液位を選択しやすいように誘導する方法も考えられる。
II−1−6:制御装置Xにおける制御
上記制御装置Xにおいては、上記各手段がその機能に基づいて作動することで、上記液体容器体5内の液位測定、特に低液位及び超低液位における液位測定が、高精度で且つ高い信頼性をもって行なわれるものである。
B:第2の実施形態
図17には、本願発明の第2の実施形態に係る超音波液位測定装置の機能ブロック図を、その測定形態とともに示している。
この第2の実施形態に係る超音波液位測定装置は、上記第1の実施形態に係る超音波液位測定装置とその基本構成を同じにするものであって、これと異なる点は、液位測定に係る部分の構成である。
即ち、上記第1の実施形態では単一の液位測定手段10によって液位を測定するようにしていたのに対して、この第2の実施形態では、液位測定の精度及び信頼性をさらに高める観点から、上記液位測定手段10を、測定手法を異にする複数の液位測定部10A〜10Nで構成し、これら複数の液位測定部10A〜10Nによってそれぞれ測定される液位に基づいて、上記液位決定手段11において現在の液位を決定するように構成している。
ここで、上記第1の実施形態における上記液位測定手段10は、第1反射波方式による液位測定と、第1の多重反射波方式による液位測定と、第2の多重反射波方式による液位測定の全てを実行し得るように構成していたが、この第2の実施形態では、測定方式の単一化によって液位測定の精度及び信頼性をさらに高めることを意図して、複数(この実施形態の場合は三個)の液位測定部10A〜10Nのそれぞれを、第1反射波方式による液位測定専用の液位測定部と、第1の多重反射波方式による液位測定専用の液位測定部と、第2の多重反射波方式による液位測定専用の液位測定部として機能させるようにしたものである。
従って、この第2の実施形態の超音波液位測定装置によれば、上記第1の実施形態に係る超音波液位測定装置と同様の作用効果が得られるのに加えて、液位測定の精度及び信頼性をさらに高めることができるものである。
1 ・・液体容器体(配管)
2 ・・液体(水)
3 ・・取付基台
4 ・・バンド
5 ・・超音波送受信器
10 ・・液位測定手段
10A〜10N・・液位測定手段
11 ・・液位決定手段
13 ・・モード移行判定手段
14 ・・移行判定閾値
15 ・・記憶部
16 ・・出力手段
17 ・・前回液位
20 ・・超音波波形取得手段
21 ・・基準波形保持部
22 ・・液位チエック手段
31 ・・表示手段
32 ・・記録手段
33 ・・警報手段
X ・・制御装置

Claims (4)

  1. 液体(2)が収容された液体容器体(1)の底部外面(1b)に取付けられた超音波送受信器(5)と、
    上記液体容器体(1)の空液位から満液位までの全液位範囲を複数に区画し該各区画に割り付けた複数の液位モードと、
    上記超音波送受信器(5)から液面に向けて発信された超音波の該超音波送受信器(5)と液面の間での往復伝播時間に基づいて上記液体容器体(1)内の液位を測定する液位測定手段(10)と、
    上記液位測定手段(10)で取得される液位を受けて現時点から所定回数以前までの各測定回の液位を集計するとともに、上記各測定回の液位のそれぞれに測定時刻に対応した重み付けをする集計処理部(111)と、重み付けされた各測定回の液位の標準偏差と平均値を求める第1演算部(112)と、前回決定された液位と上記標準偏差と上記平均値に基づいて上記各測定回の液位のうち、エラーと考えられる液位を抽出し、全測定回の液位に対応する重みの総和に対するエラー液位に対応する重みの総和の比率をエラー率として求める第2演算部(113)と、上記エラー率が所定値以上であるときには上記平均値を現在の液位として決定し、上記エラー率が所定値以下であるときには全液位から上記エラー液位を除いて再度標準偏差と平均値を求めて該平均値を現在の液位として決定する液位決定部(114)から成る液位決定手段(11)を備えたことを特徴とする超音波液位測定装置。
  2. 請求項1において、
    上記液位測定手段(10)が測定手法を異にする複数の液位測定部(10A〜10N)で構成され、上記液位決定手段(11)は上記複数の液位測定部(10A〜10N)によってそれぞれ測定される液位に基づいて現在の液位を決定する構成であることを特徴とする超音波液位測定装置。
  3. 請求項1又は2において、
    上記複数の液位モード相互間における液位モードの移行形態のそれぞれについて移行元液位モードと移行先液位モード間の距離的な相対関係を考慮して予め設定された液位モードの移行判定閾値(14)と、
    上記液位決定手段(11)で決定された現在の液位に対応する液位モードが、前回の液位モードと異なるときに液位モードの移行を行うか否かを判定するモード移行判定手段(13)を備えるとともに、
    上記モード移行判定手段(13)は、前回の液位モードを移行元液位モードとし、今回の液位モードを移行先液位モードとして、移行元液位モードから移行先液位モードへの液位モードの移行の可否を、該移行元液位モードと移行先液位モードの相対関係に対応する上記移行判定閾値(14)に基づいて判断する構成であることを特徴とする超音波液位測定装置。
  4. 請求項1、2又は3において、
    上記超音波送受信器(5)から超音波波形を取得する超音波波形取得手段(20)と、
    上記超音波波形取得手段(20)において取得される超音波波形のうち満液位における超音波波形を基準波形として保有する基準波形保有部(21)と、
    上記超音波波形取得手段(20)において取得される超音波波形と上記基準波形を対比して現在の液位を認識し、この認識される液位を、上記液位決定手段(11)において決定された液位と対比することで上記決定液位又は上記確定液位の適否をチエックする液位チエック手段(22)を備えたことを特徴とする超音波液位測定装置。
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