JP6128511B2 - iPS細胞の高効率な樹立方法 - Google Patents

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Description

本発明は、歯髄組織のうち特に歯根部歯髄に由来する細胞を用いてiPS細胞(人工多能性幹細胞)を高効率で樹立する方法に関する。
iPS細胞は、体細胞に特定の遺伝子を導入することにより、様々な組織に分化できる多能性細胞としたものである。iPS細胞はES細胞(胚性幹細胞)に代わる多能性細胞として近年非常に注目されているが、樹立効率が極めて低いという問題点があり、少しでも樹立効率の高いiPS細胞の樹立方法を見出すことが重要な課題となっている。
このような樹立効率の高いiPS細胞樹立方法として例えば特許文献1の技術がすでに知られている。
特許文献1は、歯髄由来細胞は皮膚由来線維芽細胞よりも高効率でiPS細胞を樹立できることを開示している。本文献においては、入手が容易な歯髄を出発材料とすると従来の皮膚由来線維芽細胞を出発材料とする場合より高効率でiPS細胞を樹立できることが開示されている。
なお、特許文献2は、歯髄が未分化多能性細胞を含むことを開示しているが、遺伝子を導入して多能性を誘導する技術ではなく、そこで示されている多能性は歯及び歯周辺組織に限られている。
このように歯髄を利用したiPS細胞の製造技術はすでに知られているものの、歯髄をさらに複数の部位に分けてiPS細胞樹立に関する特性を比較検討するという発想は全く含んでいなかった。
すなわち、特許文献1の技術は、歯髄全体をまるごと粉砕・酵素処理するものであり(すなわち出発材料の大部分が歯冠部由来であり)、歯髄組織がiPS細胞樹立により適した部位と適さない部位にさらに分けられるという概念は一切示唆されていない。
特表2011−529330号公報 特開2004−201612号公報
本発明は、体細胞ソースとして歯髄由来細胞に着目し、より高効率なiPS細胞の樹立方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、歯髄組織は生物学的特性の異なる複数の部位からなるという、これまで考えられていなかった可能性に着目し、鋭意検討を行った。その結果、驚くべきことに、歯根部歯髄は歯冠部歯髄よりもiPS樹立効率が数倍(2〜5倍)高く、かつより確実な多能性を有するiPS細胞を生じさせるという発見が得られ、本件発明の完成に至った。歯髄組織の容量は歯根部よりも歯冠部の方が大きいため、先行特許文献1において処理されていた細胞は実質的に大部分が歯冠部由来であったと推定される。従って、歯根部に特化した本発明はiPS細胞樹立効率を格段に向上させることができる。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
〔1〕歯根部歯髄に由来する細胞に核初期化物質を接触させることを含む、iPS細胞の製造方法。
〔2〕核初期化物質が、Oct3/4, Klf4およびSox2またはそれらをコードする核酸である、前記〔1〕記載の方法。
〔3〕核初期化物質が、Oct3/4, Klf4, Sox2およびc-Mycまたはそれらをコードする核酸である、前記〔1〕記載の方法。
〔4〕歯根部歯髄に由来する細胞が、ヒト乳歯の歯根部歯髄由来間葉系細胞である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の方法。
〔5〕iPSを製造するための体細胞ソースとしての、歯根部歯髄に由来する細胞の使用。
歯根部歯髄由来細胞の使用は、iPS細胞の樹立効率を顕著に増大させることができるので、従来樹立効率の低かったヒトiPS細胞の誘導に有用である。
また、歯根部歯髄由来細胞は、矯正治療により抜歯した歯などから調製することができるため、多数の人の歯根部歯髄由来細胞を容易に収集することができる。
また、歯根部歯髄由来細胞を自己由来の細胞から容易に調整することができるため、オーダーメイド再生医療やセミオーダーメイド再生医療においても有効に用いることができる。
本発明のiPS細胞の樹立に用いた歯髄組織の位置関係を示す。A:本実施例に使用した乳中切歯の外観図、B:大臼歯(永久歯)の中央縦断面の模式図。a;歯冠部、b:歯根部。a−1:歯冠部歯髄、b−1:歯根部歯髄 細胞の形態の比較を示す。A:歯冠部歯髄由来間葉系細胞(4継代後)、B:歯根部歯髄由来間葉系細胞(4継代後) ウイルス導入効率を示す。歯冠部歯髄由来間葉系細胞は約39%、歯根部歯髄由来間葉系細胞は約37%で、有意な差は認めなかった。 遺伝子発現解析結果を示す。A1,A2,A3:歯冠部歯髄由来間葉系細胞から樹立したiPS細胞、D1,D2,D3:歯根部歯髄由来間葉系細胞から樹立したiPS細胞。導入した遺伝子(REX1, NANOG, endo Oct3/4, endo Sox2)は、ウイルス導入後6日目の歯髄間葉系細胞ではこれらの発現を認めなかったが、iPS細胞様コロニーでは発現が認められる。導入した遺伝子(Tg Oct3/4, Tg Sox2, Tg KLF4, Tg c-myc)は、ウイルス導入後6日目の歯髄間葉系細胞では発現しているが、iPS細胞様コロニーでは、すでにその発現が消失または減少している。 アルカリフォスファターゼ(ALP)染色結果を示す。A:歯冠部から樹立されたiPS細胞様コロニー、B:歯根部から樹立されたiPS細胞様コロニー。いずれもALP発現が認められる。 未分化マーカーによる免疫組織化学染色結果を示す。A,B,C:歯冠部歯髄由来間葉系細胞から樹立したiPS細胞様コロニー、D,E、F歯根部歯髄由来間葉系細胞から樹立したiPS細胞様コロニー。A、Dは、未分化マーカーSSEA4、B,Eは、未分化マーカーTRA−1−60、C,Fは、未分化マーカーTRA−1−81を用いてそれらの発現を観察した。すべてのコロニーは陽性であった。 核型解析結果を示す。A:歯冠部歯髄由来間葉系細胞から樹立したiPS細胞様コロニー(20継代)の核型解析、B:歯根部歯髄由来間葉系細胞から樹立したiPS細胞様コロニー(20継代)の核型解析。いずれも46,XY[20] で異常は認めなかった。 iPS細胞様コロニー観察結果を示す。A:歯冠部歯髄由来間葉系細胞から樹立したiPS細胞様コロニー、B:歯根部歯髄由来間葉系細胞から樹立したiPS細胞様コロニー。樹立後、何回か継代し、NOD/SCIDマウスの精巣に移植するために用いた。 iPS細胞を移植後に取り出した試料の観察結果を示す。A:歯冠部歯髄由来間葉系細胞から樹立したiPS細胞を移植12週後に取り出した試料、B:歯根部歯髄由来間葉系細胞から樹立したiPS細胞を移植12週後に取り出した試料。 歯冠部歯髄由来間葉系細胞から樹立したiPS細胞を移植12週後に取り出した試料のヘマトキシリンおよびエオジン染色。A:消化管様構造を示す。B:脂肪細胞様の形態を示す。C:色素上皮細胞様の形態を示す。 歯根部歯髄由来間葉系細胞から樹立したiPS細胞を移植12週後に取り出した試料のヘマトキシリンおよびエオジン染色。A:消化管様構造を示す。B:軟骨用構造を示す(挿入図はアルシアンブルー染色像、倍率は中央図の1/2)。C:神経管様構造を示す。
本発明のiPS細胞の製造方法に使用される体細胞ソースである歯髄由来細胞は、歯根部の象牙質の内側の歯髄組織中に存在し、歯髄や象牙質等に分化する能力を有する(主として象牙芽細胞に分化する能力を有する)体性幹細胞の1つである。そして、本発明はそのうちでも、歯冠部ではなく、歯根部の歯髄組織中の細胞を使うことをもっとも特徴としている。本発明は、歯髄組織は生物学的特性の異なる複数の部位からなるという、これまで考えられていなかった可能性に着目し、歯根部歯髄は歯冠部歯髄よりもiPS樹立効率が数倍高いという知見を得たのである。歯髄組織の容量は、歯根部よりも歯冠部の方が大きいため、前述のように歯冠部をiPS細胞に利用した例はあったが、歯根部歯髄を利用した例はない。
歯根部歯髄の組織は、矯正治療に伴う便宜抜歯等で抜去された歯の歯頚部近心および遠心から、歯髄を傷つけないようにして歯科用ダイヤモンドで楔を入れまず歯を歯冠と歯根に分割する。、次に、歯冠と歯根をゆっくりと引き離して、歯根から歯髄組織が分離することにより得ることができる。このようにして得られた歯髄組織を組織外生法や、また適当な大きさの組織片に刻んだ後コラゲナーゼ等で酵素処理し、得られる細胞懸濁液を間葉系幹細胞用の培地に播種して、常法に従って培養することで歯根部歯髄由来細胞を得ることができる。
後述する実施例では、歯冠側近心隅角相当部の歯髄組織を歯冠部歯髄(図1Aのa−1)と根尖相当部から3mm程度歯冠側の歯髄組織を歯根部歯髄(図1Aのb−1)として用いた。
歯根部歯髄由来細胞のソースとしては、歯髄組織が残存する歯であれば特に制限はないが、増殖能力の高い歯根部歯髄由来細胞を多く含むものを選択することが好ましい。特に、核初期化物質がレトロウイルスベクターを用いて歯根部歯髄由来細胞に導入される場合、導入可能な細胞が分裂期細胞に限定されるので、遺伝子導入効率の点からも増殖能力の高い歯根部歯髄由来細胞を含む歯髄組織を出発材料とすることが望ましい。したがって、例えば、本発明の歯根部歯髄由来細胞のソースとしては、矯正治療目的にて抜去された乳歯歯髄組織由来の間葉系細胞が挙げられる。
本発明に用いることができる歯根部歯髄由来細胞は、当該歯根部歯髄由来細胞に核初期化物質を接触させることによりiPS細胞を樹立することができるいかなる動物種(哺乳動物を含む)由来のものであってもよく、具体的にはヒトおよびマウス由来のものが挙げられるが、好ましくはヒト由来の歯根部歯髄由来細胞である。
なお、得られるiPS細胞がヒトの再生医療用途に使用される場合には、拒絶反応が起こらないという観点から、患者本人またはHLAの型が同一である他人から歯根部歯髄由来細胞を採取することが特に好ましい。
本発明において「核初期化物質」とは、歯根部歯髄由来細胞からiPS細胞を誘導することができる物質(群)であれば、タンパク性因子またはそれをコードする核酸(ベクターに組み込まれた形態を含む)、あるいは低分子化合物等のいかなる物質から構成されてもよい。核初期化物質がタンパク性因子またはそれをコードする核酸の場合、好ましくは以下の組み合わせが例示される(以下においては、タンパク性因子の名称のみを記載する)。
(1) Oct3/4, Klf4, c-Myc
(2) Oct3/4, Klf4, c-Myc, Sox2(ここで、Sox2はSox1, Sox3, Sox15, Sox17またはSox18で置換可能である。また、Klf4はKlf1, Klf2またはKlf5で置換可能である。さらに、c-MycはT58A(活性型変異体), N-Myc, L-Mycで置換可能である。)
(3) Oct3/4, Klf4, c-Myc, Sox2, Fbx15, Nanog, Eras, ECAT15-2, TclI, β-catenin (活性型変異体S33Y)
(4) Oct3/4, Klf4, c-Myc, Sox2, TERT, SV40 Large T
(5) Oct3/4, Klf4, c-Myc, Sox2, TERT, HPV16 E6
(6) Oct3/4, Klf4, c-Myc, Sox2, TERT, HPV16 E7
(7) Oct3/4, Klf4, c-Myc, Sox2, TERT, HPV6 E6, HPV16 E7
(8) Oct3/4, Klf4, c-Myc, Sox2, TERT, Bmil
(以上、WO 2007/069666を参照(但し、上記(2)の組み合わせにおいて、Sox2からSox18への置換、Klf4からKlf1もしくはKlf5への置換については、Nature Biotechnology, 26, 101-106 (2008)を参照)。「Oct3/4, Klf4, c-Myc, Sox2」の組み合わせについては、Cell,126, 663-676 (2006)、Cell, 131, 861-872 (2007) 等も参照。「Oct3/4, Klf4, c-Myc, Sox2, hTERT, SV40 Large T」の組み合わせについては、Nature, 451, 141-146 (2008)も参照)
(9) Oct3/4, Klf4, Sox2(Nature Biotechnology, 26, 101-106 (2008)を参照)
(10) Oct3/4, Sox2, Nanog, Lin28(Science, 318, 1917-1920 (2007)を参照)
(11) Oct3/4, Sox2, Nanog, Lin28, hTERT, SV40 Large T(Stem Cells Express, published online May 29, 2008, p1-16を参照)
(12) Oct3/4, Klf4, c-Myc, Sox2, Nanog, Lin28(Cell Research (2008) 600-603を参照)
(13) Oct3/4, Klf4, c-Myc, Sox2, SV40 Large T(Stem Cells Express, published online May 29, 2008, p1-16も参照)
(14) Oct3/4, Klf4(Nature, Published online, 29 June 2008,p1-5 (doi:10.1038/nature07061)を参照)
(15) Oct3/4, c-Myc(Nature, Published online, 29 June 2008,p1-5 (doi:10.1038/nature07061)を参照)
(16) Oct3/4, Sox2 (Nature, 451, 141-146 (2008)を参照)
上記(1)-(16)には該当しないが、それらのいずれかにおける構成要素をすべて含み、且つ任意の他の物質をさらに含む組み合わせも、本発明における「核初期化物質」の範疇に含まれる。また、歯根部歯髄由来細胞が上記(1)-(16)のいずれかにおける構成要素の一部を、核初期化のために十分なレベルで内在的に発現している条件下にあっては、当該構成要素を除いた残りの構成要素のみの組み合わせもまた、本発明における「核初期化物質」の範疇に含まれる。
これらの組み合わせの中で、得られるiPS細胞を治療用途に用いることを念頭においた場合、Oct3/4, Sox2及びKlf4の3因子の組み合わせ(即ち、上記(9))が好ましい。一方、iPS細胞を治療用途に用いることを念頭に置かない場合(例えば、創薬スクリーニング等の研究ツールとして用いる場合など)は、Oct3/4, Klf4, c-Myc, Sox2及びLin28の5因子か、それにNanogを加えた6因子(即ち、上記(12))が好ましい。
上記の各タンパク性因子のマウス及びヒトcDNA配列情報は、WO 2007/069666に記載のNCBI accession numbersを参照することにより取得することができ(Lin28のマウス及びヒトcDNA配列情報は、それぞれNCBI accession number NM_145833及びNM_024674を参照することにより取得できる。)、当業者は容易にこれらのcDNAを単離することができる。核初期化物質としてタンパク性因子自体を用いる場合には、得られたcDNAを適当な発現ベクターに挿入して宿主細胞に導入し、該細胞を培養して得られる培養物から組換えタンパク性因子を回収することにより調製することができる。一方、核初期化物質としてタンパク性因子をコードする核酸を用いる場合、得られたcDNAを、ウイルスベクターもしくはプラスミドベクターに挿入して発現ベクターを構築し、核初期化工程に供される。
核初期化物質の歯根部歯髄由来細胞への接触は、該物質がタンパク性因子である場合、それ自体公知の細胞へのタンパク質導入方法を用いて実施することができる。そのような方法としては、例えば、タンパク質導入試薬を用いる方法、タンパク質導入ドメイン(PTD)融合タンパク質を用いる方法、マイクロインジェクション法などが挙げられる。
歯根部歯髄由来細胞への導入の容易さを考慮すると、核初期化物質は、タンパク性因子自体として よりも、それをコードする核酸の形態で用いることがむしろ好ましい。
核初期化物質のcDNAは、宿主となる歯根部歯髄由来細胞で機能し得るプロモーターを含む適当な発現ベクターに挿入される。発現ベクターとしては、例えば、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルスなどのウイルスベクター、動物細胞発現プラスミド(例、pA1-11,pXT1,pRc/CMV,pRc/RSV,pcDNAI/Neo)などが用いられる。
核初期化物質が低分子化合物である場合、該物質の歯根部歯髄由来細胞への接触は、該物質を適当な濃度で水性もしくは非水性溶媒に溶解し、歯根部歯髄由来細胞の培養に適した培地(例えば、約5〜20%の胎仔ウシ血清を含む最小必須培地(MEM)、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、RPMI1640培地、199培地、F12培地など。あるいはMesenchymal stem cells basal medium(Lonza社)などの間葉系幹細胞用培地)中に、核初期化物質濃度が歯根部歯髄由来細胞において核初期化が起こるのに十分で且つ細胞毒性がみられない範囲となるように該物質溶液を添加して、細胞を一定期間培養することにより実施することができる。核初期化物質濃度は用いる核初期化物質の種類によって異なる。接触期間は細胞の核初期化が達成されるのに十分な時間であればよい。
本発明のiPS細胞の樹立効率を上げるためには、前記核初期化物質に加え、すでに周知の樹立効率改善物質を周知の方法により歯根部歯髄由来細胞に接触させることにより、iPS細胞の樹立効率をより高めることができる。iPS細胞の樹立効率改善物質としては、例えば、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、トリコスタチンA、酪酸ナトリウム、MC 1293、M344等の低分子阻害剤、HDACに対するsiRNAおよびshRNA、G9aヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤等が挙げられるが、それらに限定されない。
尚、前記核初期化物質の構成要素のうち、例えば、SV40 large Tは、体細胞の核初期化のために必須ではなく補助的な因子であるという点において、iPS細胞の樹立効率改善物質の範疇にも含まれ得る。核初期化の機序が明らかでない現状においては、核初期化に必須の因子以外の補助的な因子について、それらを核初期化物質として位置づけるか、あるいはiPS細胞の樹立効率改善物質として位置づけるかは便宜的であってもよい。即ち、体細胞の核初期化プロセスは、体細胞への核初期化物質およびiPS細胞の樹立効率改善物質の接触によって生じる全体的事象として捉えられるので、当業者にとって両者を必ずしも明確に区別する必要性はない。
iPS細胞の樹立効率改善物質は、該物質の非存在下と比較して歯根部歯髄由来細胞からのiPS細胞樹立効率が有意に改善される限り、核初期化物質と同時に歯根部歯髄由来細胞に接触させてもよいし、また、どちらかを先に接触させてもよい。
歯根部歯髄由来細胞は、その培養に適した自体公知の培地で前培養することができる。また、例えば約5〜20%の胎仔ウシ血清を含む最小必須培地(MEM)、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、RPMI1640培地、199培地またはF12培地等で前培養することも可能である。
核初期化物質(及びiPS細胞の樹立効率改善物質)との接触に際し、例えば、カチオニックリポソームなど導入試薬を用いる場合には、導入効率の低下を防ぐため、無血清培地に交換しておくことが好ましい場合がある。核初期化物質(及びiPS細胞の樹立効率改善物質)を接触させた後、細胞を、例えばES細胞の培養に適した条件下で培養することができる。ヒト細胞の場合、通常の培地に分化抑制因子として塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を添加して培養を行うことが好ましい。一方、マウス細胞の場合には、bFGFの代わりにLeukemia Inhibitory Factor(LIF)を添加することが望ましい。また通常、細胞は、フィーダー細胞として、放射線や抗生物質で処理して細胞分裂を停止させたマウス胎仔由来の線維芽細胞(MEF)の共存下で培養される。MEFとしては、通常STO細胞等がよく使われるが、iPS細胞の誘導には、SNL細胞(McMahon, A. P. & Bradley, A. Cell 62, 1073-1085 (1990))等がよく使われている。
iPS細胞の候補コロニーの選択は、薬剤耐性とレポーター活性を指標とする方法と目視による形態観察による方法とが挙げられる。前者としては、例えば、分化多能性細胞において特異的に高発現する遺伝子(例えば、Fbx15、Nanog、Oct3/4など、好ましくはNanog又はOct3/4)の遺伝子座に、薬剤耐性遺伝子及び/又はレポーター遺伝子をターゲッティングした組換え歯根部歯髄由来細胞を用い、薬剤耐性及び/又はレポーター活性陽性のコロニーを選択するというものである。一方、目視による形態観察で候補コロニーを選択する方法としては、例えばTakahashi et al., Cell, 131, 861-872 (2007)に記載の方法が挙げられる。レポーター細胞を用いる方法は簡便で効率的ではあるが、iPS細胞がヒトの治療用途を目的として作製される場合、安全性の観点から目視によるコロニー選択が望ましい。核初期化物質としてOct3/4、Klf4及びSox2の3因子を用いた場合、樹立クローン数は減少するものの、生じるコロニーのほとんどがES細胞と比較して遜色のない高品質のiPS細胞であることから、レポーター細胞を用いなくとも効率よくiPS細胞を樹立することが可能である。特に、本発明は3因子の導入によるiPS細胞の樹立効率を格段に改善させる作用効果を奏することから、目視による形態観察で十分効率よくiPS細胞の候補コロニーを選択することができる。
選択されたコロニーの細胞がiPS細胞であることの確認は、自体公知の種々の試験方法、例えば後記実施例に記載されるES細胞特異的遺伝子の発現解析などにより行うことができる。
このようにして樹立されたiPS細胞は、種々の目的で使用することができる。例えば、ES細胞で報告されている分化誘導法を利用して、iPS細胞から種々の細胞・組織・臓器への分化を誘導することができる。
さらに、iPS細胞から分化させた機能細胞(例、肝細胞)は、対応する既存の細胞株よりも実際の生体内での該機能細胞の状態をより反映していると考えられるので、医薬候補化合物の薬効や毒性のin vitroスクリーニング等にも好適に用いることができる。

以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されないことは言うまでもない。
〔試験例1〕歯根部歯髄由来細胞の調整
ヒト乳歯から分取した歯冠部歯髄と歯根部歯髄からの間葉系細胞の採取
1.歯冠部歯髄と歯根部歯髄の採取
日本大学歯学部付属歯科病院にて、矯正治療のために、抜去が必要となった7歳男児の上顎左側乳中切歯を抜歯(歯の状態は歯根吸収は認めない)後、歯の歯頚部近心および遠心から、歯科用ダイヤモンドディスクにて、歯髄を傷つけないように、楔を入れ,挺子により歯を歯冠と歯根に分割する。次に、歯冠と歯根をゆっくりと引き離すと、歯根から歯髄組織が分離できた。次に、分離した歯根歯髄を眼科用ピンセットにて根尖相当部の歯髄を掴み,歯冠より歯髄を分離して,歯髄組織を一塊に摘出した。摘出した歯髄はNo.11メスにて歯冠部と歯根部の歯髄に単離した。
以下の実施例では、歯冠側近心隅角相当部(図1Aのa)の歯髄組織を歯冠部歯髄と根尖相当部から3mm程度歯冠側(図1Aのb)の歯髄組織を歯根部歯髄として用いた。
2.歯冠部歯髄由来間葉系細胞と歯根部歯髄由来間葉系細胞の調整
細胞の獲得方法は、組織外生法を用いた。歯冠部歯髄及び歯根部歯髄の両組織片(直径1mm)を直径35mmディッシュに静置し、組織が浮かないように、15%FBSおよび1%のペニシリンストレプトマイシン添加のMEM−α(wako)0.5mlを添加した。培養3〜5日後に、静置した各組織から細胞を外生した。それらの細胞群を歯冠部歯髄由来間葉系細胞と歯根部歯髄由来間葉系細胞とし、継代・培養後、下記実施例の実験日まで、バンバンカー液(日本ジェネティクス)中に移し、−80℃のフリーザー内にて保管した。
〔実施例1〕ヒト乳歯の歯冠部歯髄由来間葉系細胞および歯根部歯髄由来間葉系細胞からのiPS細胞の樹立効率の検討
1.実験方法
(1)iPS細胞樹立用細胞群の調整
我々がヒト乳歯から採取した歯髄由来間葉系細胞の対照群として、東京大学医科学研究所がCell Appricationより購入した新生児皮膚線維芽細胞(HDFn)を用いた。
iPS細胞の樹立方法は、の高山らの方法に従った。(Takayama et al. J. Exp. Med. Vol.207 No.13 2817-2030, 2010)。東京大学医科学研究所が作製した、Oct3/4,Sox2,KLF4,c-Mycの各iPS細胞誘導因子をMXsレトロウイルスベクターで組み込んだウイルス産生用293GPG細胞を通法に従って培養し、その上澄み液(上清液)を濃縮して-80℃にて凍結保存した。歯冠部歯髄由来間葉細胞(図2A)、歯根部歯髄由来間葉細胞(図2B)、およびHDFnは15%FBSおよび1%のペニシリンストレプトマイシン添加のMEM−α培地(wako)で培養・増殖し、iPS細胞の樹立には各歯髄由来間葉細胞において継代数4-5回、HDFn は継代数9-10回の細胞群を用いた。
(2)iPS細胞の樹立方法
樹立用の細胞はゼラチンを塗布した25cm2培養皿に2.0x105個の細胞を播種し、この日をday0とした。翌日と翌々日(day1 と2) に連続して最終濃度10ug/mlとなるようにProtamineを培地に添加し,ヒト由来Oct3/4, Sox2, KLF4, c-Mycの4因子またはc-Mycを除いた3因子の各因子のウイルス濃縮液を10ulずつ添加した。Day2のレトロウイルス感染24時間後に新鮮培地に交換し、Protaminを添加した(day3)。Day5において、あらかじめ、凍結保存しているフィーダー細胞(1継代目のMEF)を培養皿に播種し,播種翌日に50Gy電離放射線にて処理後、継代し、ゼラチンを塗布した10cm培養皿に7.5x105個の細胞を播種した。培地はDMEM基礎培地にFBS(牛胎児血清)を10%,2mM L-グルタミン,100Uペニシリン,0.1mg/ml ストレプトマイシンを添加した合成培地を用いた(Day6)。Day7において、ウイルス感染させた各種細胞群を0.05%トリプシン-EDTAで、培養皿から剥がして回収後,前日にあらかじめ準備しているMEF細胞の上に5x104個の細胞を播種した。その翌日(day8) に、培地をヒトES/iPS細胞用培地(DMEM/F12, 20%KNOCKOUT Serum Replacement, NON-ESSENTIAL AMINO ACID SOLUTION, 2-MerCAPTOETHANOL, 5ng/ml basic FGF, 2mM L-グルタミン,100Uペニシリン,0.1mg/ml ストレプトマイシン)に交換し,培養を継続した。その後、培地を2日に1度交換することで、細胞の未分化性を維持した。
4因子(Oct3/4, Sox2, KLF4,c-Myc)を遺伝子導入した細胞群において,導入30日後にアルカリホスファターゼ(ALP)染色(Vector Labolatories)を行ない、陽性を示したiPS細胞様コロニーを顕微鏡下で観察し、そのコロニー数を数えた。形態学的にiPS細胞様であること、およびALP染色が陽性であることの二つの条件を示すコロニーをiPS細胞のコロニーと定義し、そのコロニー数により樹立効率を下記式にしたがい算出した。
樹立効率(%)=コロニー数÷播種した細胞数×100
3因子(Oct3/4, Sox2,KLF4)を遺伝子導入した細胞群においては、導入35日後に、ALP染色し、陽性を示したiPS細胞様コロニーを顕微鏡下にて観察し、そのコロニー数を数えて樹立効率を計算した。
2.結果および考察
結果を表1,表2に示す。
歯根部歯髄由来間葉系細胞は歯冠部歯髄由来間葉系細胞より4因子の導入において2.0倍、3因子の導入において約5倍も樹立効率が高くなる結果となった。
〔実施例2〕ヒト乳歯の歯冠部歯髄由来間葉系細胞および歯根部歯髄由来間葉系細胞のウイルス導入効率の比較
歯冠部歯髄由来間葉系細胞および歯根部歯髄由来間葉系細胞におけるiPS細胞の樹立効率の違いが明らかとなったので、次に、前記両細胞のウイルスの導入効率に違いが無いことを確認した。
1.実験方法
6ウェルプレートに実施例1の細胞群を1.0x105個、培養皿(n=3)に播種後、15%FBSおよび1%のペニシリンストレプトマイシン添加のMEM−α培地(wako)にて培養した。播種翌日,GFPで標識したpMYベクター(タイター:2x107IU/ml) をM.O.I(Multiplicity Of Infection)1にて感染後、最終濃度10ug/mlのProtamineを添加した。ウイルス感染より2日後にフローサイトメーター(BD社 Aria)にて、導入効率を解析した。これらの実験を4回施行後,平均GFP陽性細胞の割合を測定したところ、歯冠部歯髄由来間葉系細胞は38.75%、歯根部歯髄由来間葉系細胞は37.28%となった。t検定による統計学的解析の結果,両細胞のウイルス導入効率に有意差は認めなかった(図3)。この結果から、iPS細胞の樹立効率の違いは、細胞の特性の違いによるものであることが示された。
〔実施例3〕ヒト乳歯歯冠部歯髄由来間葉系細胞および歯根部歯髄由来間葉系細胞から樹立したiPS細胞の同定
1.実験方法
実施例1と同じ歯冠部歯髄由来間葉系細胞と歯根部歯髄由来間葉系細胞に4因子を導入して、形成されたES細胞様コロニーをES細胞マーカーと考えられている遺伝子の発現解析と抗体を用いた免疫細胞化学的な解析を行い、iPS 細胞が樹立していることを確認する。この実験では、ウイルス感染後23日目にES細胞様コロニーをピックアップし, 電離放射線処理したMEF上にて、継代・培養して、それらのコロニーを維持し、解析に用いた。
継代数7回目のiPS細胞の遺伝子発現解析を行った。実験には、歯冠部歯髄由来間葉系細胞および歯根部歯髄由来間葉系細胞から樹立されたiPS細胞のクローンをそれぞれ3つの細胞群を選択した。
はじめに、抗SSEA4-PE抗体(R&D FAB1435P)を付与後、FACS(BD社、Aria)にて、MEF上からiPS細胞を分取した。次に、分取したiPS細胞群をTRIZOL Regent (Life Technologies)を用いてTotal RNAを抽出し,Rever Tra Ace qPCR RT Kit (TOYOBO)でcDNAに変換し,Takara Ex Taq Hot Start Version (Takara)を使用してRT-PCR解析を行った。GAPDH(22サイクル)を内部標準として用いた。歯冠部および歯根部歯髄由来間葉系細胞から樹立されたiPS細胞様コロニーは,未分化細胞に特異的なREX1, NANOG, endoOct3/4, endoSox2 (24-27サイクル)を発現した(図4)。ウイルス感染させた4因子(Tg-Oct3/4, Tg-Sox2, Tg-c-Myc,Tg-KLF4)は感染後7日目には発現していたが,iPS細胞様コロニーには発現が認められなかったり、減少していた(21サイクル)(図4)。
歯冠部および歯根部歯髄由来間葉系細胞から樹立され、11もしくは12継代した各iPS細胞3クローンずつにおいて、アルカリホスファターゼ染色(Vector Labolatories)を施行した。すべてのクローンはALP陽性であることが示された(図5AとB)。
11もしくは12継代目の3つのクローン細胞において、未分化マーカーとして考えられているSSEA4 (図6AとD), TRA-1-60 (図6BとE), TRA-1-81(図6CとF)のタンパク発現について、免疫組織化学的手法にて観察した。6ウェルプレートに電離放射線処理したMEFを播種後、それぞれ3クローンのiPS細胞のコロニーを5日間培養した。培養後の細胞を4%パラホルムアルデヒドで15分間固定し,0.1%Triton-Xを含むPBSで透過処理後,4%正常ヤギ血清を含むPBSで30分間ブロッキングした。次に、ES cell characterization kit(Chemicon, SCR001)を用い,ブロッキング液で50倍希釈した一次抗体を1時間作用させ、PBSで500倍希釈した二次抗体を1時間作用させた。なお、使用した二次抗体は以下のとおりである;Alexa-488-標識抗-マウスIgG(Invitrogen A11029), Alexa-594-標識抗-マウスIgG (Invitrogen A11032)。歯冠部および歯根部歯髄由来間葉系細胞から樹立されたiPS細胞様細胞のクローンは、共にSSEA4, TRA-1-60, TRA-1-81を発現することが確認された。
また、誘導されたiPS細胞様細胞の染色体異常の有無を調べるため、G-bandによる核型解析を行なった。歯冠および歯根部歯髄由来間葉系細胞から樹立された20継代目のiPS細胞様細胞を、ゼラチンでコーティングしてMEFを播種した25cm2培養皿上で培養し、日本遺伝子研究所(仙台)に解析を依頼した。結果はどちらも46,XY[20]で、染色体に異常は認められなかった(図7A,B)。
以上の結果より,乳歯歯冠部歯髄由来間葉系細胞および乳歯歯根部歯髄由来間葉系細胞から樹立した細胞は、いずれもiPS細胞であることが確認された。
〔実施例4〕ヒト乳歯歯冠部および歯根部歯髄間葉系細胞からの樹立したiPS細胞から奇形腫形成
ヒト乳歯歯冠部および歯根部歯髄間葉系細胞からの樹立したiPS細胞の分化多能性を確認するために奇形腫の形成能を検討した。
1.実験方法
実験動物は7-8週齢のNOD/SCIDマウス(♂)を使用した。両細胞から樹立したiPS細胞(図8A:歯冠部歯髄由来間葉系細胞から樹立したiPS細胞、図8B:歯根部歯髄由来間葉系細胞から樹立したiPS細胞)を回収し,iPS培地で細胞塊の浮遊液を遠心した後,ペレットを10uMのY-27632を添加したcold PBS液にて懸濁した。1.0x106 cells/20ulになるように細胞の懸濁液を調整し、ハミルトンマイクロシリンジにて、マウスの片側の精巣の被膜下に細胞を注入した。細胞注入12週後に4%パラホルムアルデヒド液で潅流固定後、試料を摘出し(図9Aと図9B),浸漬・固定した。組織学的解析法の通法にしたがい、脱水,透徹,浸漬しパラフィン包埋した。試料は4umに薄切し,ヘマトキシリンおよびエオジン染色した。
2.結果
歯冠部歯髄由来iPS細胞を移植した試料の染色結果を図10A,B,およびCに示す。Aは消化管様構造、Bは脂肪細胞様の形態、Cは色素上皮細胞様の形態を示した。
歯根部歯髄由来iPS細胞を移植した試料の染色結果を図11A,BおよびCに示す。Aは消化管様構造、Bは軟骨用構造、Cは神経管様構造を示した。
歯冠部歯髄由来間葉系細胞および歯根部歯髄由来間葉系細胞から樹立されたiPS細胞は、内胚葉、中胚葉、外胚葉の細胞に分化し、特有の組織形成能を示したことから,分化多能性を持つことが明らかとなった。
本発明は、非常に入手容易な歯髄を出発材料とし、それに簡便な分離操作を行うことによって、従来技術と比べ著しく改善されたiPS細胞樹立効率を可能とするものである。iPS細胞技術は、医学関連分野において大いなる可能性を有していると考えられており、本件発明はiPS細胞技術の医学的使用を実現化させる上で非常に有用である。

Claims (5)

  1. 歯根部歯髄に由来する単離された細胞に核初期化物質を接触させることを含む、iPS細胞の製造方法。
  2. 核初期化物質が、Oct3/4, Klf4およびSox2またはそれらをコードする核酸である、請求項1記載の方法。
  3. 核初期化物質が、Oct3/4, Klf4, Sox2およびc-Mycまたはそれらをコードする核酸である、請求項1記載の方法。
  4. 歯根部歯髄に由来する単離された細胞が、ヒト乳歯の歯根部歯髄由来間葉系細胞である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. iPSを製造するための体細胞ソースとしての、歯根部歯髄に由来する単離された細胞の使用。
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