JP6127849B2 - 質量分析におけるサンプル識別方法と装置 - Google Patents

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Description

本発明は、質量分析(MS)装置又はその前段に液体クロマトグラフ(LC)装置もしくはガスクロマトグラフ(GC)装置を備えた装置に対して、分析結果がどのサンプルのものであるかを関連付ける方法と装置に関するものである。
質量分析は分析化学の分野での定性分析及び定量分析の確立した分析手法である。質量分析の応用としてのLC−MSやGC−MSは、食品、環境、創薬等の多岐の分野で使用される主要な分析技術の一つである。近年は、医療分野で診断への応用も模索されている。
これらの装置にかける前処理作業は、従来、手作業で行われることが多く、多くの時間と手間がかかっていた。特に、医療分野では、誤作業やサンプルからの感染の危険を伴うため、前処理を自動化することが強く望まれていた。
LC−MSやGC−MSにおける前処理の作業工程は、サンプルや目的により多様な工程を含む。例えば、分注、攪拌、遠心分離、溶媒抽出、固相抽出、加温、超音波破砕、凍結乾燥等が挙げられる。このため、どのような工程にも使用することができる汎用的な自動前処理装置は非常に難しく、いくつかの機能に限定した前処理装置を提供せざるを得ない。
このため、場合によっては、自動処理中のサンプルを一旦、ユーザに渡してマニュアル処理を挟む必要性がある。この際の問題は、サンプルと質量分析結果の関連付けの管理がユーザに任され、煩雑であると共に間違える可能性が出ることである。
また、このようなマニュアル処理を必要としない場合にも、多様な前処理後に、LCやGCを介して質量分析を行う長い工程に対して、サンプルと結果の関連付けを作業工程順に追跡できるようにしておくには非常に手間がかかる。
本発明は、これらの問題に鑑み、質量分析装置からデータを出すシステムに対し、サンプルと結果の関連付けを簡便に行うことができる方法と、それを実現する装置を提供することを目的とするものである。
本発明のサンプル識別方法は、質量分析データから互いに識別可能な複数種類の識別用物質を用意する工程と、分析を行う各サンプルに対し1もしくは複数の前記識別用物質を混合するか、又は前記識別用物質を混合しないことによって、サンプルを前記識別用物質によって標識する標識化工程と、前記識別用物質の質量分析データを得ることを含む各サンプルの分析工程と、前記分析工程で得た前記識別用物質の質量分析データに基づいて分析後の結果がどのサンプルの結果であるかを識別する工程と、を備えている。
一実施形態では、前記分析工程は、液体クロマトグラフィ又はガスクロマトグラフィからなるクロマトグラフィ工程と、前記クロマトグラフィ工程で分離された成分の質量分析データを得る質量分析工程を含んでいる。その場合、前記識別用物質の質量分析データは前記クロマトグラフィ工程で分離された識別用物質についての質量分析工程から得られたデータである。
識別用物質は質量分析データから互いに識別可能であればよく、質量分析データ以外のデータ、例えば液体クロマトグラフィ又はガスクロマトグラフィからなるクロマトグラフィによって互いに識別可能であることは必要ではない。
本発明の質量分析サンプル識別装置は、質量分析装置からなる質量分析部と、質量分析データから互いに識別可能な複数種類の識別用物質の質量分析データを保持している識別用物質MSデータ保持部と、サンプルと該サンプルに混合された1もしくは複数の前記識別用物質との関係、又はいずれの前記識別用物質も混合されなかったことをデータとして保持するサンプル−識別用物質データ保持部と、前記質量分析部で分析されたサンプル中の識別用物質の質量分析データについて、前記識別用物質MSデータ保持部に保持されている質量分析データから該識別用物質を識別し、前記サンプル−識別用物質データ保持部に保持されたデータに基づいて該サンプルを識別するサンプル識別部と、を備えている。
質量分析サンプル識別装置の一実施形態は、サンプルに1もしくは複数の前記識別用物質を混合する前処理部をさらに備えている。その場合、前記サンプル−識別用物質データ保持部はサンプルと前記前処理部が混合した1もしくは複数の前記識別用物質との関係、又はいずれの前記識別用物質も混合されなかったことをデータとして保持するものとなる。
質量分析サンプル識別装置の他の実施形態は、前記質量分析部の前段に液体クロマトグラフ又はガスクロマトグラフからなるクロマトグラフ部をさらに備えている。その場合、前記質量分析部は前記クロマトグラフ部で分離された成分を分析するものとなる。
本発明では、サンプルごとに1もしくは異なる組み合わせの識別用物質を入れるか、又は識別用物質を入れないことにより、サンプルを標識化し、識別用物質の質量分析結果とサンプルの関連付けを行う。例えば、5つの物質を用意した場合、各物質の有無で32通りの組み合わせがあるため、32種のサンプルからの結果を区別することができる。こうした方法に基づき、例えば、自動前処理工程中にユーザのマニュアル作業が入っても、サンプルと質量分析結果との間の関連付けの管理を正確に行うことができる。最初に、所定の識別用物質を混合してサンプルを標識化すれば、途中工程を気にせずに、質量分析結果のみからサンプルとの関連付けが行えるため、操作が簡便になる。
質量分析サンプル識別装置の一実施例を示す概略構成図である。 同実施例のおける制御部を示すブロック図である。 同実施例のおける前処理部とLC部を示す概略構成図である。 同実施例おいてLC部からの溶出液をMS部に分取する状態を示す概略構成図である。 同実施例おいてLC部からの溶出液を、MS部を経ずに廃棄する状態を示す概略構成図である。 本発明の識別方法の一実施形態を概略的に示すフローチャートである。 一実施例におけるLCクロマトグラムとMSスペクトルを示す波形図である。 一実施例においてLCクロマトグラムからMSスペクトルを表示する方法を示す波形図である。 本発明方法の第1の実施例を示す概略図である。 同実施例におけるLCクロマトグラムとMSスペクトルを示す波形図である。 本発明方法の第2の実施例を示す概略図である。 同実施例におけるLCクロマトグラムとMSスペクトルを示す波形図である。
本発明は少なくとも質量分析計からなるMS部を備えた装置を用いた方法及び装置に適応されるものである。図1は好ましい一実施形態として、MS部2に、さらにサンプルに標識化のための識別用物質を混合する前処理部6と、前処理されたサンプルを分離する液体クロマトグラフからなるLC部8を備えて、LC部8で分離された成分をMS部2で質量分析する質量分析サンプル識別装置の概略構成を示している。
サンプルの処理の流れに沿って装置の構成を説明する。前処理部6は分注ノズル20を備えている。分注ノズル20は、サンプルと識別用物質を混合して標識化されたサンプルを調整し、調整後のサンプルを吸引し、LC部8に注入するためのものである。前処理部6には、それぞれのサンプルが収容された複数のサンプル容器がサンプル置場22に配置され、それぞれの識別用物質が収容された複数の容器が識別用物質置場24に配置され、さらに必要に応じて混合される試薬が収容された試薬容器が試薬置場26に配置されている。前処理部6には、サンプル、識別用物質及び試薬を分注するごとにノズル20を洗浄するために、ノズル洗浄槽28も配置されている。
ノズル20を任意の位置に移動させるために、ノズル20は保持部30により上下方向(Z方向)に移動可能に取り付けられている。保持部30はX方向に延びたガイドレール32にX方向に移動可能に取り付けられ、ガイドレール32はY方向に伸びた左右一対のガイドレール34にY方向に移動可能に取り付けられている。ノズル20は、保持部30、ガイドレール32及びガイドレール34によって、X,Y,Z方向の任意の位置に移動することができる。前処理部6の動作は制御部4により制御される。制御部4はコンピュータであり、専用のコンピュータであってもよく、汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
前処理部6には、さらにLC部8の分析流路に標識化されたサンプルを注入するための注入ポート36も配置されている。
LC部8は液体クロマトグラフを備えたものである。移動相を供給するために2種類の移動相38Aと38Bがそれぞれの送液ユニット40A、40Bにより送られ、ミキサ42で混合されて移動相が調製される。送液ユニット40Aと40Bは制御部4により動作が制御され、所定のプログラムにしたがって移動相AとBの組成が時間的に調整されてグラジエント分析が行われるように動作が制御される。
ミキサ42は流路切替バルブ44に接続されている。前処理部6内に配置されたノズル20と注入ポート36は流路切替バルブ44のそれぞれのポートに接続されている。流路切替バルブ44の他の1つのポートには計量ポンプ46が接続されている。流路切替バルブ44のさらに他の1つのポートには分離カラム48が接続され、分離カラム48の下流には紫外線分光器などからなる検出器50が接続されている。
図1のLC部の流路切替バルブ44の状態は、ノズル20が、標識化されたサンプルを吸入して注入ポート36に挿入された状態を示している。流路切替バルブ44のポジションは、ミキサ42を経て調製された移動相がノズル20から注入ポート36を経てカラム48へ送られるサンプル注入状態を表している。
LC部8の検出器50の下流の流路は、二方向流路切替バルブ52を経て、MS部2の質量分析計のイオン化部54又は廃液溜め57に導かれるように、流路切替バルブ52により流路が切替られるようになっている。
MS部2では、イオン化部54に隣接して質量分析部56が配置され、質量分析部56に隣接して検出部58が配置されている。質量分析部56は高真空状態に排気されている。質量分析部56にはイオン化部54につながるイオン導入部60が設けられ、イオン導入部60につながる2段の中間真空室62と64を経て分析室66が配置されている。中間真空室62と64はそれぞれ小さな開口をもつ隔壁によって仕切られており、それらの小さな開口によりイオン化部54から分析室66に向かって段階的に真空度が高くなっている。
イオン化室54では高電圧が印加されることにより、流路切替バルブ52を経て供給されたサンプルがイオン化されてサンプルイオンが発生する。サンプルイオンは差圧によって中間真空室62、64に引き込まれ、さらに分析室66に引き込まれる。
分析室66には4本のロッド電極からなる四重極フィルタ67が配置されており、分析室66に引き込まれたサンプルイオンは四重極フィルタ67の中央の空間に送られる。四重極フィルタ67には交流電圧と直流電圧が重畳して印加されており、この電圧に応じた特定の質量数(質量m/電荷z)を有するイオンのみがその四重極フィルタ67を通り抜けてイオン検出器68に到達する。イオン検出器68では到達したイオン数に応じた電流が検出信号として制御部4に取り込まれる。
LC部8の動作及びMS部2の動作も制御部4より制御される。LC部8の検出器50の検出信号も制御部4に取り込まれる。制御部4は、LC部8により分離されたサンプルのピークが検出器50により検出された時に、LC部8からの溶出液がイオン化部54に導かれるように流路切替バルブ52を切り替え、ピークが検出されないときは、LC部8からの溶出液を廃液溜め57に廃棄するように流路切替バルブ52を切り替える。
制御部4のうち本発明のサンプル識別に関係した部分を示したものが図2である。識別用物質MSデータ保持部10は、質量分析データから互いに識別可能な複数種類の識別用物質の質量分析データを保持している。サンプル−識別用物質データ保持部12は、サンプルと、そのサンプルに混合された1もしくは複数の識別用物質との関係、又はいずれの識別用物質も混合されなかったことをデータとして保持する。サンプル識別部14は、質量分析部2で分析されたサンプル中の識別用物質の質量分析データについて、識別用物質MSデータ保持部10に保持されている質量分析データからその識別用物質を識別し、サンプル−識別用物質データ保持部12に保持されたデータに基づいてそのサンプルを識別する。
識別用物質MSデータ保持部10とサンプル−識別用物質データ保持部12は制御部4の記憶装置により実現され、サンプル識別部14は制御部4に格納されたプログラムにより実行される機能である。
サンプル−識別用物質データ保持部12に保持されるデータは、自動処理を行う前処理部6を備えている場合は前処理部6から送られる。また、制御部4のキーボード等の入力装置を用いて入力することもできる。
前処理時には、図3に示されるように、LC部8のバルブ44が切り替えられ、分注ノズル20が計量ポンプ46とつながり、サンプル、識別用物質さらに必要があれば試薬の吸引と吐出が可能になる。サンプルに識別用物質を混合する方法としては、分注ノズル20により識別用物質をサンプル容器に分注してもよいが、別に混合用の容器を用意し、そこにサンプルに識別用物質を分注した後、分注ノズル20により吸引と吐出を繰り返して混合するようにするのが好ましい。さらに必要があれば分注ノズル20により試薬も分注して混合する。サンプルに識別用物質、又はさらに試薬も混合されて調製されたサンプル溶液は、分注ノズル20により吸引された後、分注ノズル20が注入ポート36に挿入され、バルブ44が切り替えられて図1に示される状態になる。
図4はLC部8からMS部2へサンプルを分取する方法を示している。制御部4はLC部8から得られるクロマトグラム中でピークが出る時間帯をあらかじめ指定して、バルブ52を図4に示されるポジションに切り替えることにより、流路がLC部8からMS部2につながり、そのピーク部分だけをMS部2側に分取し分析することができる。ただし、特にピークが出る時間帯だけ分取を行う方法ではなく、LC部8から溶出される全成分をMS部2に導入して分析するようにしてもよい。
分取を行う方法をとる場合は、制御部4はLC部8から得られるクロマトグラム中でピークが出る時間帯以外の時間では、バルブ52を図5に示されるように切り替えることにより、流路はMS部2を通らず、LC部8から廃液溜め57に直接に向かう。
本発明のサンプル識別方法の一実施形態は、図6に示されるように実行される。質量分析データから互いに識別可能な複数種類の識別用物質を用意しておき、分析を行う各サンプルに対し1もしくは複数の識別用物質を混合するか、又は識別用物質を混合しないことによって、サンプルを識別用物質によって標識化する。識別用物質による標識化には、識別用物質を混合しないことも含まれる。識別用物質を混合したサンプルと識別することができるからである。
識別用物質の質量分析データも含んで質量分析データを得るように、標識化されたサンプルを分析する。そして、分析工程で得た識別用物質の質量分析データに基づいて分析後の結果がどのサンプルの結果であるかを識別する。
MSデータに関しては、LCの各保持時間の成分をMS分析することになるので、一つのサンプルから得られるLC−MSデータは、図7に示されるように、LCの保持時間(retention time)とMSのm/z比を二軸とする二次元的なデータになる。この測定結果のデータはいったんLC−MS装置の記憶装置に記憶される。
LC−MS装置では、この二次元上の結果は、図8に示されるように、構成画面で解析ソフト上に表示される。表示画面上でMSスペクトルを表示したい保持時間のピークの位置にカーソルを合わせると、その保持時間をもつサンプル成分のMSスペクトルがLC−MS装置の記憶装置から読みだされて画面上に表示される。
LCのクロマトグラム上での識別用物質のピークの保持時間は予備的な測定により予め分かっているので、識別用物質のピークの位置にカーソルを合わせるとその識別用物質のMSスペクトルが表示される。制御部4では、サンプル識別部14が識別用物質MSデータ保持部10からそのMSスペクトルに該当する識別用物質を割り出し、サンプル−識別用物質データ保持部12からその識別用物質が混合されたサンプルを割り出す。複数種の識別用物質が混合されたサンプルについても同様である。識別用物質が混合されていないサンプルがある場合は、LCのクロマトグラム上に識別用物質のピークがないことによってそのサンプルを割り出す。
ここで、識別用物質の具体例を示す。識別用物質は基本的にLC−MS装置で検出可能な物質であり、検出したいターゲットのMSデータに影響を与えないものであれば何でもよい。例えば、アミノ酸やペプチドをLC−MSで分析する際に、識別用物質としてアミノ酸安定同位体である下記8種を使用すれば、識別用物質を混合しないサンプルも含めると、256個のサンプルを識別することができる。
15N L−グルタミン酸
15Nグリシン
15Nアラニン
15Nバリン
15Nイソロイシン
15Nロイシン
15N L−チロシン
15Nフェニルアラニン
[実施例1]
前処理工程からLC−MSへと接続した場合における本発明方法の第1の実施例を図9と図10に示す。図9では前処理工程がサンプルと試薬の混合だけの非常に単純な機構での例を示した。
サンプル置場22に5種類のサンプル、識別用物質置場24に3種類の識別用物質、試薬置場26に1種類の試薬を用意し、混合用容器置場29に混合用の空容器を5個用意する。サンプル、識別用物質及び試薬の分注と攪拌は分注ノズル20によりなされる。分注ノズル20はサンプル、識別用物質、試薬及びそれらの混合溶液のいずれかに接触した後は、ノズル洗浄槽28で洗浄する。分注ノズル20は、混合用容器でサンプルに識別用物質、又はさらに試薬を混合してサンプル溶液を調製した後、そのサンプル溶液を吸引してLC工程への接続部36に注入し、その後の処理が実行される。これらの一連の動作は制御部4により制御される。
各サンプルの混合プロトコルは以下の通りである。
(混合プロトコル)
(1)混合用容器ごとに決められた識別用物質を分注ノズル20で吸引し、混合用容器に分注する。混合用容器と識別用物質の対応関係は表1の通りである。加える物質に○をした。2種類の識別用物質を加える場合は、2種類目の識別用物質を加えたら、混合溶液の吸引と吐出を繰り返して攪拌を行う。分注ノズル20は、1種類目の識別用物質を分注した後と、2種類目の識別用物質を分注し攪拌した後に洗浄槽28で洗浄する。この実施例では識別用物質は1種類又は2種類を混合する例を示しているが、3種類以上の識別用物質を混合する場合も同様である。
次に、サンプル(x=1〜5)ごとに以下の処理(2)から(8)を行う。
(2)サンプルxを分注ノズル20で吸引する。
(3)吸引したサンプルxを混合用容器xに吐出する。その後、吸引と吐出を繰り返して攪拌混合する。
(4)分注ノズル20を洗浄槽28で洗浄する。
(5)試薬を分注ノズル20で吸引する。
(6)吸引した試薬を混合用容器xに吐出する。その後、吸引と吐出を繰り返して攪拌混合する。
(7)分注ノズル20で混合用容器からサンプル溶液を吸引し、LC工程への接続部36に移動する。吸引したサンプル溶液をLC側のラインに注入する。
(8)分注ノズル20を洗浄槽28で洗浄する。
サンプルと混合用容器との対応関係が決まっていることから、サンプルを混合した識別用物質との対応関係も決まっている。
得られる質量分析データは図10に示すデータ1からデータ5の5つである。
各データがどのサンプル由来かは識別用物質を参照することで識別することができる。
この実施例では、出てきた識別用物質の組み合わせから、サンプルを以下のように識別することができる。
データ1のサンプルはサンプル1、
データ2のサンプルはサンプル2、
データ3のサンプルはサンプル3、
データ4のサンプルはサンプル4、
データ5のサンプルはサンプル5、
[実施例2]
次に、図9の機構に加え、混合用容器を搬送する容器移動アーム70と、ユーザが途中で混合用容器を回収するための容器回収部72を設けると共に、分注ノズル20aに液面検知の機能を加えた装置での例を図11と図12に示す。本実施例では、マニュアル操作による遠心分離により混合用容器内で溶媒抽出を行うプロトコルに準じた。
(混合プロトコル)
(1−1)混合用容器ごとに決められた識別用物質を分注ノズル20aで吸引し、混合用容器に分注する。混合用容器と識別用物質の対応関係は表2の通りである。加える物質に○をした。2種類の識別用物質を加える場合は、2種類目の識別用物質を加えたら、混合溶液の吸引と吐出を繰り返して攪拌を行う。分注ノズル20aは、1種類目の識別用物質を分注した後と、2種類目の識別用物質を分注し攪拌した後に洗浄槽28で洗浄する。この実施例では識別用物質は1種類又は2種類をサンプルに混合する例を示しているが、3種類以上の識別用物質をサンプルに混合する場合も同様である。
次に、サンプル(x=1〜5)ごとに以下の処理(1−2)から(1−8)を行う。
(1−2)サンプルxを分注ノズル20aで吸引する。
(1−3)吸引したサンプルxを混合用容器xに吐出する。その後、吸引と吐出を繰り返して攪拌混合する。
(1−4)分注ノズル20aを洗浄槽で洗浄する。
(1−5)試薬を分注ノズル20aで吸引する。
(1−6)吸引した試薬を混合用容器xに吐出する。その後、吸引と吐出を繰り返して攪拌混合する。
(1−7)分注ノズル20aを洗浄槽28で洗浄する。
(1−8)容器移動アーム70を使用して混合用容器xを容器回収部72に移送する。
(2)次に以下の処理を行う。
(2−1)ユーザは5本の混合用容器を容器回収部72から回収し、マニュアルで装置外部の遠心分離機にかける。
(2−2)遠心処理後、ユーザは再び、容器回収部72に混合用容器を戻す。混合用容器を容器回収部72に置く位置は、遠心処理の前後で一致させる必要はない。容器移動アーム70は容器回収部72に戻された混合用容器を混合用容器置場29に戻す。
(3)最後にサンプル(x=1〜5)ごとに以下の処理を行う。
(3−1)混合容器x上に分注ノズル20aを移動する。
(3−2)液面検知機能で、混合用容器内のサンプル溶液の液面を検知する。
(3−3)液面から所定量下降して必要量の吸引を行い、分注ノズル20aをLC工程への接続部36に移動させる。吸引したサンプル溶液をLC上のラインに注入する。
得られる質量分析データは図12に示すデータ1からデータ5の5つである。
各データがどのサンプル由来かは、識別用物質を参照することで識別することができる。この実施例では、出てきた識別用物質の組み合わせから、サンプルは以下のように識別することができる。
データ1のサンプルはサンプル1、
データ2のサンプルはサンプル4、
データ3のサンプルはサンプル3、
データ4のサンプルはサンプル5、
データ5のサンプルはサンプル2、
2 MS部
4 制御部
6 前処理部
8 LC部
10 識別用物質MSデータ保持部
12 サンプル−識別用物質データ保持部
14 サンプル識別部14
20,20a 分注ノズル
22 サンプル置場
24 識別用物質置場
26 試薬置場
28 ノズル洗浄槽
36 注入ポート

Claims (5)

  1. 質量分析データから互いに識別可能であり、かつサンプル中の検出ターゲットと結合しない複数種類の識別用物質を用意する工程と、
    互いに独立して分析がなされる各サンプルに対し1もしくは複数の前記識別用物質を混合するか、又は前記識別用物質を混合しないことによって、サンプルを前記識別用物質によって標識する標識化工程と、
    前記識別用物質の質量分析データを得ることを含む各サンプルの分析工程と、
    前記分析工程で得た前記識別用物質の質量分析データに基づいて分析後の結果がどのサンプルの結果であるかを識別する工程と、
    を備えたサンプル識別方法。
  2. 前記分析工程は液体クロマトグラフィ又はガスクロマトグラフィからなるクロマトグラフィ工程と、前記クロマトグラフィ工程で分離された成分の質量分析データを得る質量分析工程を含み、
    前記識別用物質の質量分析データは前記クロマトグラフィ工程で分離された識別用物質についての質量分析工程から得られたデータである請求項1に記載のサンプル識別方法。
  3. 質量分析装置からなる質量分析部と、
    質量分析データから互いに識別可能であり、かつサンプル中の検出ターゲットと結合しない複数種類の識別用物質の質量分析データを保持している識別用物質MSデータ保持部と、
    サンプルと該サンプルに混合された1もしくは複数の前記識別用物質との関係、又はいずれの前記識別用物質も混合されなかったことをデータとして保持するサンプル−識別用物質データ保持部と、
    前記質量分析部で分析されたサンプル中の識別用物質の質量分析データについて、前記識別用物質MSデータ保持部に保持されている質量分析データから該識別用物質を識別し、前記サンプル−識別用物質データ保持部に保持されたデータに基づいて該サンプルと該サンプルとは別に前記質量分析部で分析された他のサンプルとを識別するサンプル識別部と、を備えた質量分析サンプル識別装置。
  4. サンプルに1もしくは複数の前記識別用物質を混合する前処理部をさらに備え、
    前記サンプル−識別用物質データ保持部はサンプルと前記前処理部が混合した1もしくは複数の前記識別用物質との関係、又はいずれの前記識別用物質も混合されなかったことをデータとして保持するものである請求項3に記載の質量分析サンプル識別装置。
  5. 前記質量分析部の前段に液体クロマトグラフ又はガスクロマトグラフからなるクロマトグラフ部をさらに備え、前記質量分析部は前記クロマトグラフ部で分離された成分を分析するものである請求項3又は4に記載の質量分析サンプル識別装置。
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