JP6126132B2 - サッカリドシロキサンコポリマーの作製方法 - Google Patents

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    • C08G77/26Polysiloxanes containing silicon bound to organic groups containing atoms other than carbon, hydrogen and oxygen nitrogen-containing groups

Description

本発明は、サッカリドシロキサンコポリマーの作製方法に関する。より具体的には、本発明は、概して、アミン官能性サッカリドを含むサッカリドシロキサンコポリマーの作製方法に関する。
サッカリドシロキサンは、当該技術分野において既知である。ヒドロキシル官能性サッカリド構成成分と、オルガノシロキサン構成成分とを含むサッカリドシロキサンが、毛髪、皮膚、布地、紙、木、及び他の基材に塗布する場合に、有用であることが判明している。官能性シロキサンの多くの合成はサッカリド、極性溶媒中でのアミノシロキサンとグルコノラクトン又はラクトビオノラクトンとのアルドンアミド反応に基づいている。これらのポリマーは、熟成時のアルドンアミド連鎖の加水分解により不安定性を示した。サッカリド官能性シロキサンの他の合成は、反応時間が非常に遅いため、不都合である傾向がある。全体的な反応時間及び製造費用を著しく低減する一方で、所望の安定性を有する、サッカリドシロキサンコポリマーの作製方法を有することが望ましくあり得る。
一方法によると、サッカリドシロキサンコポリマーは、アミン官能性サッカリドを、少なくとも1つの縮合可能な又は加水分解可能な基を含有するエポキシ官能性シランと反応させることによって作製される。この反応の生成物を、オリゴマーと反応させて、サッカリドシロキサンコポリマーを形成する。
別の方法によると、サッカリドシロキサンコポリマーは、N−メチルグルカミン又はN−エチルグルカミンを、エポキシ官能性モノ又はジ−アルコキシシランと反応させることによって作製される。この反応の生成物を、ジシラノールオリゴマーと反応させて、サッカリドシロキサンコポリマーを形成する。
サッカリドシロキサンコポリマーの作製方法は、(a)アミン官能性サッカリドを、少なくとも1つの縮合可能な又は加水分解可能な基を含有するエポキシ官能性シランと反応させることと、(b)工程(a)の生成物をオリゴマーと反応させて、サッカリドシロキサンコポリマーを形成することと、を含む。サッカリドシロキサンコポリマーの作製方法は、反応時間を著しく低減し、これは、予想外であった。得られたサッカリドシロキサンコポリマーは、毛髪、皮膚、布、紙、木、及び他の基材に塗布する場合に、有用である。
用語の定義及び用法
「パーソナルケア」の分野は、身体のその一部に利益を提供することが意図される、身体のいずれかの一部のあらゆる局所的治療を含むことが意図される。その利益は、直接的又は間接的であってもよく、感覚的、機械的、美容的、保護的、予防的、又は治療的であってもよい。ヒト身体が、本明細書で開示されているパーソナルケア組成物及び本発明の方法によって形成される製品にとって特に望ましい標的基材であることが企図される一方で、同様の組織、特に皮膚及び毛髪などのケラチン組織を有する他の哺乳動物が好適な標的基材であり得、したがって、獣医学的用途も本発明の範囲内であることは、当業者にとって容易に明らかであろう。
本発明の方法によって形成されるパーソナルケア組成物は、身体の一部に対する利益を提供するように適合される。本明細書に使用される「適合される」とは、身体の一部に対する利益の安全かつ有効な塗布を可能にする様式で製剤化されることを意味する。本明細書に使用される「安全かつ有効」とは、このような利益を求める消費者を損傷することなく、又は彼らに著しい不快感をもたらすことなく、このような利益を求める消費者によって知覚可能なレベルの利益を提供する量を意味する。提供される利益よりも著しい不快感が凌駕する結果、通常の消費者は不快感に耐えられない。
パーソナルケア製剤分野の当業者であれば、具体的なパーソナルケア組成物の意図された用途に従って好適である本質的な成分、任意に添加剤及び賦形剤を選択するための周知の基準を識別するであろう。コポリマーに加えてパーソナルケア組成物に製剤化されてもよい添加剤の非限定例としては、付加的なシリコーン、エアロゾル、抗酸化剤、洗浄剤、着色剤、付加的なコンディショニング剤、付着剤(deposition agent)、電解質、軟化薬及び油類、剥離剤、発泡促進剤、芳香剤、湿潤剤、閉塞剤、殺シラミ薬、pH調整剤、色素、防腐剤、殺生物剤、他の溶剤、安定剤、日焼け防止剤、懸濁化剤、タンニング剤、他の界面活性剤、増粘剤、ビタミン類、植物、蝋類、レオロジー改質剤、フケ防止剤、抗ニキビ剤、抗う蝕剤、並びに創傷治癒促進剤が挙げられる。
単一製品において複数の利益を提供するように製剤化されたパーソナルケア製品において、特定の利益が犠牲になることは、珍しいことではない。例えば、毛髪に関して、コンディショニング利益の増加は、多くの場合、毛髪の「コシ」又はボリュームの減少を伴う。コポリマーの添加は、いくつかの有効性を犠牲にすることなく、このような利益を組み合わせる製品の製剤化を可能にしてもよく、実際に一部の製剤において、利益の組み合わせに関して相乗効果を提供する。本発明の方法によって形成されるコポリマーを含むパーソナルケア組成物から製剤化されるパーソナルケア製品は、例えば、コンディショニング及びカール保持利益の両方を増強する、典型的には、互いに拮抗する効果から得る利益の増強を提供し得る。これらはまた、毛髪、皮膚、及び着色化粧料において、増粘利益を提供し得る。
加えて、本発明の方法によって形成されるコポリマーのパーソナルケア組成物への添加は、ある他の添加剤の必要性を排除又は減少させることができる。例えば、コポリマーの水素結合特性が増加するため、これは、環状シリコーンにとって有効な増粘剤であり、したがって、ストリンジェンシー、残渣形成、及び/又はコンディショニング欠陥などの望ましくない製品特性を偶発的に付与し得る他の増粘添加剤に対する必要性を減少させることができる。
本発明の方法によって形成されるコポリマーは、周囲条件で、ガム、ろう状の固体、又は固体であり得る。しかしながら、液体形態で存在するコポリマーの部分集合があり、液体分散性形態もまた温度などの条件を操作することにより製造され得ることに留意すべきである。しかしながら、一部のコポリマーが、例えば、溶液又はエマルションといった、分散体の迅速な形成を可能にする粘度範囲を達成するために、コポリマーは、好適な溶媒又は溶媒配合物中に溶解されることにより、まず可溶化されなければならない。
次いで、可溶化されたコポリマーは、パーソナルケア組成物中に迅速に送達するための溶液又はエマルションを形成するために使用される。具体的な溶媒配合物は、コポリマーのイオン特性、及び、意図された用途に対するその溶媒の好適性に基づいて選択される。具体的な一実施形態では、溶媒配合物は、パラフィンとアルコールの混合物を含む。非常に具体的な実施形態では、アルコールは、イソプロピルアルコール、2−ブチル−オクタノール、又はこれらの組み合わせを含む。あるいは、アルコールは、2−ブチル−オクタノールを含んでもよい。
本明細書で使用するとき、「分散体」という用語は、第1のがバルク第2の相にわたって分布している最終的に分割される粒子を含み、第1の相が「内」又は分散した相を構成し、一方、第2の相が「外」又は連続した相を構成する、二相系を意味する。
本明細書で使用するとき、「溶液」という用語は、機械的分散体、コロイド状分散体、及び真の溶液を広く含むことが意図され、後者に限定されるとして解釈されるべきではない。溶液は、第1の相が溶質を構成し、第2の相が溶媒を構成する均一に分散した混合物を含む分散体である。
本明細書に使用されるとき、「エマルション」という用語は、乳化剤の補助により、第2の連続相に懸濁される第1の分散された内相を構成する液体を伴う、2つの不混和性液体の混合物を含む分散体を意味する。
全ての量、比率、及びパーセンテージは、特に記載のない限り、重量である。本明細書で使用するとき、冠詞「a」、「an」及び「the」は各々、本明細書の文脈により別途記載のない限り、1つ以上を指す。
本発明の方法
サッカリドシロキサンコポリマーの作製方法は、(a)アミン官能性サッカリドを、少なくとも1つの縮合可能な又は加水分解可能な基を含有するエポキシ官能性シランと反応させることと、(b)工程(a)の生成物をオリゴマーと反応させて、サッカリドシロキサンコポリマーを形成することと、を含む。
本発明の方法に使用され得るアミン官能性サッカリドは、そのサッカリド誘導体を含むものとして本明細書に定義される。一実施形態では、アミン官能性サッカリドは、少なくとも2つのヒドロキシル基を含む。アミン官能性サッカリドは、典型的には、少なくとも2つ又は3つのヒドロキシル基及び少なくとも1つの第1級又は第2級アミンを含む。
本発明の方法に使用されるアミン官能性サッカリドの非限定例としては、N−メチルグルカミン、N−エチルグルカミン、グルコサミン、ガラクトサミン、ムラミン酸、マンノサミン、キトサン、キトサンモノマー、キトサンオリゴマー、メグルミン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。これらのサッカリドは、加水分解可能なシランモノマー又はポリマーのエポキシ基と反応させることができる第1級又は第2級アミン官能基を含有し得る。他のアミン官能性サッカリドは、本発明の方法に使用され得ることが企図される。
本発明に使用されるべきエポキシ官能性シランは、少なくとも1つの縮合可能な又は加水分解可能な基を含有する。「加水分解可能な」基という用語は、ケイ素原子に結合するこれらの基が、湿気の存在下で、ヒドロキシル基(例えば、シラノール)と反応するか、又は他の加水分解可能な基と反応して、Si−O−Si結合を形成することを意味する。
エポキシ官能性シランの一例は、エポキシ官能性モノ又はジ−アルコキシシランである。より好ましいアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、及びこれらの混合物が挙げられる。他のアルコキシ基は、縮合可能な又は加水分解可能な基、例えば、イソプロピル、オクタデシル、アリル、ヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、ベータ−フェニルエチルなど、任意の炭化水素エーテルラジカル、例えば、2−メトキシエチル、2−エトキシイソプロピル、2−ブトキシイソブチル、p−メトキシフェニル、−(CHCHO)CHなど、並びにこれらの混合物として使用され得ることが企図される。
エポキシ官能性シランに使用され得る縮合可能な又は加水分解可能な基の他の非限定例としては、アミノラジカル、ケトオキシム、ウレイド基、アセトキシ基、カルボキシル基、カルボン酸アミドラジカル、シアノ基、イソシアネート基、硫酸基、硫酸エステル基、リン酸基、又はリン酸エステル基が挙げられるが、これらに限定されない。これらの縮合可能な又は加水分解可能な基の例は、米国特許第5,895,794号に見出され得る。
エポキシ官能性シランの非限定例としては、エポキシシクロヘキシルエチル官能性シラン、グリシドキシプロピル官能性シラン、エポキシアルカン(例えば、1,2エポキシヘキサン)、リモネンエポキシド官能性シラン、及びこれらの混合物が挙げられる。
グリシドキシプロピル官能性シランのいくつかの非限定例としては、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルプロポキシシラン、及びこれらの混合物が挙げられる。他のグリシドキシプロピル官能性シランが使用され得ることが企図される。
アミン官能性サッカリドのエポキシ官能性シランに対するモル比は、概ね、1.2:1.0〜0.5:1.0、あるいは、1.1:1.0〜0.8:1.0、あるいは、1.05:1.0〜0.95:1.0である。
アミン官能性サッカリドと少なくとも1つの縮合可能な又は加水分解可能な基を含有するエポキシ官能性シランとの反応は、未希釈又は溶媒の存在下で、行われ得る。アミン官能性サッカリドとエポキシ官能性シランとの反応は、極性溶媒中で行われ得る。使用され得る極性溶媒のいくつかの非限定例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はこれらの組み合わせが挙げられる。他の溶媒は、アミン官能性サッカリドとエポキシ官能性シランとの反応に使用され得ることが企図される。全て又は一部の溶媒は、この反応が完了した後に、例えば、留去又は蒸留することによって除去され得る。この溶媒の除去は、真空を使用して行われ得る。
アミン官能性サッカリドとエポキシ官能性シランとの反応は、加熱によって行われ得る。正確な温度は、選択される特定の成分及び使用される溶媒のタイプなどの様々な要因によって異なる。しかしながら、温度は、概ね、60〜80℃の範囲であり、反応時間は、数時間、あるいは、最長5時間、あるいは、0.5〜2時間であり得る。
アミン官能性サッカリドとエポキシ官能性シランとの反応の生成物は、出発材料によって異なる。いくつかの非限定的な生成物としては、NMGメチルジメトキシシラン、NMGメチルジエトキシシラン、NMGジメチルメトキシシラン、NMGジエチルエトキシシラン、及びNMGトリエトキシシランが挙げられるが、これらに限定されない。予想される生成物は、主に、モノマーであるが、ダイマー、トリマー、及びオリゴマーも可能であり得る。アミン官能性サッカリドとエポキシ官能性シランとの間の反応のある非限定例は、N−メチルグルカミン(NMG)(式II)を用いた(3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(式I)であり、溶媒としてメタノールを使用してNMGメチルジメトキシシラン(式III)を形成する。
Figure 0006126132
次いで、アミン官能性サッカリドとエポキシ官能性シランとの間の反応の生成物を、縮合プロセスを使用して、シロキサンオリゴマー又はポリマーと反応させて、サッカリドシロキサンコポリマーを形成する。
本発明の方法に使用され得るオリゴマーは、ジシラノール官能性オリゴマーを含む。ジシラノール官能性オリゴマーのある非限定例としては、以下のものが挙げられ、
Figure 0006126132

式中、mは、概ね、3〜1000、あるいは20〜500、あるいは30〜200である。他のジシラノール官能性オリゴマーは、本発明の方法に使用され得ることが企図される。縮合化学のために有用なオリゴマーとしては、ジシラノールシロキサンが挙げられる。平衡化学のために、環状シロキサン及びジシラノールシロキサンが使用され得る。
最終的なサッカリドシロキサンコポリマーにおいて、分子量又は重合度(DP)の制御を支援するために、末端保護剤又は末端保護する薬剤を、オリゴマーと反応させ得る。末端保護剤は、典型的には、縮合可能でない末端基及び縮合可能な末端基を含む。
末端保護剤の一例は、トリメチルアルコキシシランである。末端保護剤に使用されるべきより好ましいアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びこれらの混合物が挙げられる。したがって、末端保護剤の例としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、及びトリメチルプロポキシシランが挙げられる。他のアルコキシ基は、末端保護剤に使用され得ることが企図される。
別の例では、末端保護剤は、ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)である。他の末端保護剤は、本発明の方法に使用されるオリゴマーと反応させるために使用され得ることが企図される。末端保護剤としては、トリアルキルシラノール、トリアルキルクロリド、トリメチルシリルで末端保護されたシロキサン、及びヘキサメチルジシロキサンが挙げられ得るが、これらに限定されない。
オリゴマー上で末端保護する量は、末端保護剤のオリゴマーに対するモル比の関数である。末端保護剤の量は、最終生成物のDPの初めに使用されたオリゴマーのDPに対する比によって異なる。このモル比はまた、シロキサンのDP及びシラノールのモルによっても異なる。オリゴマーシラノールの末端保護剤に対するモル比は、概ね、1:0.001〜1:0.2、あるいは、1:0.01〜1:0.1である。
例えば、50DPのジシラノールオリゴマーから開始する300DPのポリマーを調製するために、オリゴマーの二官能性末端保護剤に対するモル比は、6:1であり得る。10DPのジシラノールオリゴマーから開始する300DPのポリマーを調製するために、オリゴマーの二官能性末端保護剤に対するモル比は、30:1であり得る。一官能性末端保護剤については、モル比はそれぞれ、3:1及び15:1であり得る。ジシラノールオリゴマーの二官能性末端保護剤に対するモル比は、概ね、1:1〜500:1、あるいは、2:1〜250:1、あるいは、3:1〜150:1、あるいは、4:1〜30:1である。ジシラノールオリゴマーの一官能性末端保護剤に対するモル比は、概ね、0.5:1〜250:1、あるいは、1:1〜125:1、あるいは、1.5:1〜75:1、あるいは、2:1〜15:1である。
オリゴマーの比が、モル基準で末端保護剤よりも大きい場合、保護されたオリゴマーと保護されていないオリゴマー(例えば、ジシラノールオリゴマー)の混合物が形成され得る。したがって、このオリゴマーは、部分的に保護されたシロキサンであり得る。オリゴマーに対して使用される末端保護剤の量が多いほど、オリゴマーに生じる末端保護される量が多い。
例えば、式IVのHDMZに対する比が6:1のモル比を使用して、式IV及び保護されたオリゴマー(以下の式V)の混合物が形成され得る。
Figure 0006126132

式中、mは、概ね、3〜1,000、あるいは20〜500、あるいは50〜300である。
シラノールで保護されたジメチルシロキサン以外の保護されたオリゴマーが、形成され得ることが企図される。
次いで、保護される、保護されない、又はこれらの混合物であろうとなかろうとオリゴマーを、アミン官能性サッカリドとエポキシ官能性シランとの間の反応の生成物と反応させて、サッカリドシロキサンコポリマーを形成する。オリゴマーとの反応を支援するために、酸性又は塩基触媒が、反応を支援し得る。オリゴマーとの反応を支援するために使用され得る酸の非限定例としては、オクタン酸触媒、トリフルオロ酢酸(TFAA)、オクタン酸(OA)、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸、塩酸、及び酢酸が挙げられるが、これらに限定されない。
オリゴマーとの反応を支援するのに使用され得る塩基触媒の非限定例としては、水酸化カリウム(KOH)及び水酸化ナトリウム(NaOH)、カリウムシロネート(potassium silonate)、水酸化アンモニア及び水酸化アンモニウムが挙げられるが、これらに限定されない。塩基触媒を使用する場合、得られた生成物は、中和され得る。
この反応は、縮合又は平衡反応であり得る。1つのプロセスにおいて、縮合プロセスは、シラノール縮合プロセスである。
一例では、サッカリドシロキサンコポリマーは、アミド官能性モノ−又はジ−縮合可能な又は加水分解可能な基によるシラノールを含有するポリシロキサンの酸性又は塩基触媒による縮合によって合成され得る。モノ−又はジ−縮合可能な又は加水分解可能な基の非限定例は、アルコキシである。サッカリドシロキサンコポリマーを作製するための方法は、全体的な反応時間及び製造費用を著しく低減する。
例えば、NMGメチルジメトキシシランを、酸性系触媒を使用して、保護された及び保護されていないオリゴマーと反応させ得る。1つの非限定例を以下に示す。
Figure 0006126132
NMGシランである式IIIを、触媒を用いて、保護されていないオリゴマー及び保護されたオリゴマー(それぞれ、式IV及びV)と反応させて、式VIを形成する。式VIは、N−メチルグルカミン官能性ポリシロキサンであり、式中、xは、概して、1〜30、あるいは、1〜20、あるいは、1〜10であり、yは、概して、0〜1,000、あるいは、5〜500、あるいは、20〜300である。水及びメタノールは、上記の反応から形成された副生成物であることは、顕著である。
別の例では、NMGメチルジメトキシシランを、オクタン酸触媒を使用して、シラン末端保護剤及び保護されていないオリゴマーと反応させ得る。1つの非限定例を以下に示す。
Figure 0006126132
NMGシランである式IIIを、保護されていないオリゴマー及びシラン末端保護剤(それぞれ、式IV及びVII)と反応させて、式VIIIを形成する。
縮合反応は、未希釈又は溶媒の存在下で行われ得る。縮合反応で使用され得るいくつかのタイプの溶媒がある。縮合化学を妨げず、反応混合物及び生成物の粘度を低減して、このプロセスを促進し得る溶媒を有することが望ましい。例えば、非プロトン性溶媒は、縮合プロセス中、このコポリマーが非常に高い粘度であるため、希釈剤として使用され得る。縮合反応で使用され得る非プロトン性溶媒のいくつかの非限定例としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、及びトルエンが挙げられる。粘度を低減し、加えて、ポリマーと相溶性であるため、トルエンが、望ましかった。アルコールなどの他の溶媒を使用してもよいが、アルコールは、縮合反応において妨げとなり得るため、継続的にアルコールを除去することが望ましい。あるいは、例えば、溶媒が、コポリマーが配合される組成物に好適な担体媒質である場合には、このコポリマーは方法が完了した後に溶媒中に残ってもよい。
縮合反応は、加熱によって行われ得る。正確な温度は、選択される特定の成分などの様々な要因によって異なる。しかしながら、温度は、概ね、50〜80℃の範囲であり、反応時間は、数時間、あるいは、最長10時間、あるいは、1〜5時間であり得る。
縮合経路に加えて、平衡プロセスが、本発明の方法で使用され得る。平衡反応では、環状シロキサン及び直鎖状シロキサンは、シロキサン結合が開裂して、反応性モノマー及びオリゴマーを形成する。平衡プロセスは、多くの場合、それらの最終生成物中により高いレベルの環状シロキサンを含有する。直鎖状シロキサンの非限定例は、低粘度のトリメチル末端ブロックポリジメチルシロキサンである。ポリアルキルシロキサンなどの他の直鎖状シロキサンは、平衡プロセスで使用され得ることが企図される。
サッカリドシロキサンコポリマー
本発明の方法によって作製されるサッカリドシロキサンコポリマーは、所望の水溶液安定性を有する。コポリマーは、サッカリド構成成分及びシロキサン構成成分を含む。シロキサン構成成分は、コポリマー分子の主鎖を形成する。サッカリド構成成分は、末端基、ペンダント基、又は末端及びペンダント基の両方にて、シロキサン主鎖に結合され得る。あるいは、サッカリド構成成分は、ペンダント基にてシロキサン主鎖に結合され得る。理論に束縛されるものではないが、コポリマーがペンダントサッカリド構成成分を含有するとき、このコポリマーは、水の存在下で改善された安定性を有すると考えられる。そして、コポリマーがペンダントサッカリド構成成分を含有し、末端サッカリド構成成分を含有しないとき、このコポリマーは、末端サッカリド構成成分を有し、ペンダントサッカリド構成成分を有しないコポリマーと比較して、水の存在下で更になお改善された安定性を示してもよい。
サッカリドシロキサンコポリマーは、例えば、25℃及び101kPa(760mmHg)の温度及び圧力の周囲条件下で、固体又は流体であり得る。このコポリマーが周囲条件にて固体であるか、又は液体若しくはゴムなどの流体であるかは、このコポリマーの重合度(DP)などの様々な因子によって異なる。このサッカリドシロキサンコポリマーは、3〜1000、あるいは、20〜800、あるいは、50〜500、あるいは、100〜400の範囲のDPを有し得る。
上述の本発明の方法によって作製されたコポリマーは、組成物中で製剤化され得る。この組成物は、形成されたコポリマー及び追加の成分を含み得る。追加の成分は、特定の形成されたコポリマー及び組成物に対して所望の最終用途によって異なる。
組成物は、パーソナルケア組成物であってもよい。このパーソナルケア組成物は、(1)本発明の方法によって形成されるコポリマーと、任意に、(2)身体の一部にパーソナルケア組成物の局所塗布を可能にするのに適した担体媒体と、を含み得る。パーソナルケア組成物は、塗布される身体の一部に利益を提供するように適合される。加えて、パーソナルケア組成物は、任意に、非イオン性界面活性剤などの界面活性剤を含み得る。
あるいは、コポリマーは、分散体としてパーソナルケア組成物に送達されてもよい。コポリマーを希釈又は分散することにより加工が容易になり、好適に採用可能な溶媒としては、ポリジメチルシロキサン、炭化水素及びアルコールが挙げられる。特に好適な溶媒は、環状シロキサン、炭化水素−アルコール混合物、直鎖長鎖アルコール及び分枝鎖長鎖アルコール、並びに水である。
炭化水素、シリコーン及びアルコール並びに水に対するコポリマーの相溶性に起因して、これらは水性及び非水性系パーソナルケア製品のどちらにも組み込まれてもよく、身体の一部に利益を提供する。身体の一部が毛髪を含む実施形態では、利益は、ヘアスタイリングの容易さ及び保持の増強、固定効果及び光沢増強を含み得る。
コポリマーは、実質的に純粋な形態で組成物の中に、又は溶液若しくはエマルションの形態で分散液として製剤化されてもよい。使用される形態により、コポリマーは、水中油型系、油中水型系、ケイ素中水型系、及び水中ケイ素系に製剤化されてもよい。いくつかの水性系製剤の場合において、サッカリド−シロキサンコポリマーは、固体として製剤に直接添加されてもよい。一実施形態では、分散液は、溶液の形態である。溶媒は、組成物の所望の最終的な使用により、実質的に水性、又は実質的に非水性であってもよい。具体的な実施形態では、実質的に非水性溶媒は、揮発性又は不揮発性溶媒を含み、非常に具体的な実施形態では、実質的に非水性溶媒は、揮発性炭化水素、又はケイ素、又はこれらの組み合わせを含む。より具体的な実施形態では、実質的に非水性溶媒は、ケイ素を含む。
本明細書に使用される「揮発性」という用語は、溶媒が周囲条件で大きな蒸気圧を示すことを意味する。適切な揮発性ケイ素の例としては、フェニルペンタメチルジシロキサン、フェニルエチルペンタメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、メトキシプロピルヘプタメチルシクロテトラシロキサン、クロロプロピルペンタメチルジシロキサン、ヒドロキシプロピルペンタメチルジシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシロキサン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。特に適切なシロキサンは、シクロメチコンである。非常に具体的な実施形態では、揮発性ケイ素は、環状シロキサンを含む。
コポリマー成分は、典型的に、分散液としてパーソナルケア組成物に添加される。このため、全体としての分散液構成成分又はパーソナルケア組成物のいずれかに対するその濃度を説明してもよい。パーソナルケア組成物が分散液を含む一実施形態では、分散液は、0.1重量%〜50重量%のコポリマーと、組成物の0.01重量%〜25重量%のコポリマーとを含む。より具体的な実施形態では、分散液は、2重量%〜40重量%のコポリマーと、組成物の0.2重量%〜10重量%のコポリマーとを含む。更により具体的な実施形態では、溶液は、20重量%のコポリマーと、組成物の0.5重量%〜2重量%のコポリマーとを含む。
パーソナルケア組成物の一実施形態では、分散液は、エマルションの形態である。エマルションは、分散を維持するための界面活性剤、及び連続相として水を更に含む。内相は、分散された可溶化コポリマーを含む。非イオン性、両性(双極性イオンを含む)、アニオン性、又はカチオン性界面活性剤は、全て適切であり得る。水中油型エマルションは扱いが容易であり、水系製剤に容易に分散するため、それらが典型的に使用される。
本発明の更なる実施形態は、コポリマーエマルションを対象とする。エマルションは、コポリマーを含む内相と、水を含む連続相とを含む、水中油型エマルションである。コポリマーエマルションは、その両親媒性性質のため、内相の分散を維持する界面活性剤を含む。
他の実施形態は、エマルションを調製するための方法を提供する。コポリマーエマルションは、(1)事前形成されたコポリマーを乳化すること、又は(2)例えば、乳化重合若しくは懸濁重合を介して、各個々のエマルション粒子において、モノマーを高分子量コポリマーに重合すること、のいずれかによって調製され得る。一実施形態では、分散を確立し、水相を固定するために、最初に界面活性剤−水配合物が可溶化コポリマーに添加される。任意の水の追加部分は、エマルション及び/又はその意図される用途の所望の性質プロファイルに応じて添加される。
所望のエマルションが生じやすくなるような連続体が存在することが当業者により理解されよう。コポリマーエマルションは、他のエマルションに類似する制約を共有する。つまり、それらは、熱力学的に不安定であり、分散を維持するために界面活性剤を必要とし、かつ乳化を開始するためにエネルギーの投入を必要とする。混合を介した単純な攪拌が十分であってもよく、あるいは高せん断装置の利用を含むより高いせん断手段が必要とされてもよい。他の場合において、ポリマーの乳化又は反転方法が必要とされ得る。
エマルションを形成するのに必要な撹拌の程度は、混合デバイスの採用を必要とし得る。混合デバイスは、典型的には、必要とされるエネルギー入力を提供する。せん断範囲を広げるこれらの混合装置の非限定例としては、(1)インペラ、例えば、プロペラ、傾斜翼インペラ、等厚翼インペラ、Rushtonインペラ、又はCowles翼を備えた容器、(2)混練型ミキサー、例えば、Baker−Perkins、(3)せん断を生成するために開口部を通して陽圧置換を使用する高せん断装置(例えば、ホモジナイザー、ソノレータ、又はマイクロフルダイザー)、(4)ロータ及びステータ構成を使用する高せん断装置(例えば、コロイドミル、homomic line mill、IKA、又はBematek)、(5)一軸又は二軸スクリューを備えた連続混合機、(6)内部インペラ又はロータ/ステータ装置を備えたチェンジカンミキサー(例えば、Turelloミキサー)、並びに(7)遠心ミキサー(例えば、Hauschild高速ミキサー)が挙げられる。混合装置の組み合わせはまた、利益を提供することもできる。例えば、インペラを備えた容器が高せん断装置に連結されて、混合を提供することができる。
混合デバイスの選択は、乳化される内相のタイプに基づく。例えば、低粘度の内相は、開口部を通しての容積移送を使用する高せん断装置を用いて乳化することができる。しかしながら、高粘度の内相の場合には、回転子/固定子デバイス、二軸配合機又はチェンジカンミキサーが多くの場合、より良い選択である。加えて、親水性基を含有する内相は、乳化が容易であることが多く、したがって、インペラを備えた単純な容器が十分であり得る。
コポリマーの粘度は、シロキサン部分の分子量、サッカリド単位の数、シロキサン当りのサッカリド単位のモルパーセント、並びに温度及び圧力等の外部条件を含む様々な因子に依存する。当業者は、変動する内相の粘度が、コポリマーの溶媒又は溶媒混合物との配合物において比率を変動することにより達成され得ることを認識するであろう。
エマルションの調製における成分添加の最も望ましい順序は、経験的に決定される。例えば、粘度の高い相の乳化における添加の望ましい順序は、(1)溶媒又は溶媒配合物中にコポリマーを所望の粘度に可溶化する、(2)界面活性剤に配合する、(3)粘度の高い相のエマルションが形成されるまで、せん断しながら増分で水を添加する、(4)せん断しながら、所望の濃度になるまで水で希釈する、ことであり得る。高せん断を伴う「プレミックス」における添加の望ましい順序は、(1)インペラで構成される混合容器に全ての水を添加する、(2)界面活性剤を水と混合する、(3)コポリマー相を水にゆっくり添加し、粗エマルションを作製する、及び(4)所望の粒径が達成されるまで、高せん断装置を通して粗エマルションを移送する、ことであり得る。
非イオン性界面活性剤は、エマルションの作製に適しており、アルキルエトキシレート、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、及びそれらの混合物を含む。カチオン性、両性、及び/又はアニオン性界面活性剤も適しており、典型的に、非イオン性界面活性剤に加えて添加される。具体的な実施形態では、エマルションは、非イオン性界面活性剤を含み、別の具体的な実施形態では、エマルションは、カチオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含む。
コポリマーがエマルションの形態で組成物に送達されるパーソナルケア組成物の一実施形態では、エマルションは、エマルションの5重量%〜95重量%のコポリマーを含み、組成物は、組成物の0.01重量%〜25重量%のサッカリド−シロキサンを含む。より具体的な実施形態では、エマルションは、エマルションの10重量%〜60重量%のコポリマーと、組成物の0.2重量%〜10重量%のコポリマーとを含む。更により具体的な実施形態では、溶液は、20〜50重量%のコポリマーと、組成物の0.5〜2重量%のコポリマーとを含む。
コポリマーを含むパーソナルケア組成物は、パーソナルケア製品に製剤化され得る。パーソナルケア製品は、これらが塗布される身体の部分に対して、美容、治療又はこれらのいくつかの組み合わせについて機能し得る。このような製品の従来の例としては、制汗剤及び脱臭剤、スキンクリーム、スキンケアローション、加湿剤、にきび又はしわ除去剤などの顔用トリートメント、パーソナル及び洗顔料、浴用オイル、香料、コロン、サッシェ、日焼け止め剤、プレシェーブ及びアフターシェーブローション、ひげそり用石鹸、及びひげそり用フォーム、毛髪用シャンプー、ヘアコンディショナー、染毛剤、毛髪弛緩剤、ヘアスプレー、ムース、ジェル、パーマ剤、脱毛剤、及びキューティクルコート、メークアップ、着色化粧料、ファンデーション、コンシーラー、ブラシ、口紅、アイライナー、マスカラ、油除去剤、着色化粧料除去剤、リンクルフィラー、肌荒れ隠し(skin imperfection hider)、皮膚表面スムーザー、まつげカーラー、マニキュア液、ヘアメークアップ製品、アイシャドウ、ボディメークアップ、及び粉末、薬剤クリーム、ペースト又はスプレー(抗ニキビ剤など)、歯科衛生品、抗生物質、治癒促進剤、栄養素等が挙げられるが、これらに限定されず、これらは予防及び/又は治療用であり得る。
一般に、パーソナルケア製品は、概して、液体、リンス液、ローション、クリーム、ペースト、ジェル、泡、ムース、軟膏、スプレー、エアロゾル、石鹸、スティック、軟固体、固体ゲル、及びゲルを含むが、これらに限定されない、あらゆる従来の形態での塗布を可能にする担体を用いて製剤化され得る。好適な担体を構成するものは、当業者には容易に明白である。
パーソナルケア組成物を含むいくつかのパーソナルケア製品の実施形態では、コポリマーを含むことにより、製剤における他の増粘剤の必要性が低下する。これらの実施形態では、製品の所望の粘度又は濃さは、従来の増粘剤の典型よりも低い量で維持される。これは、増粘剤が、例えば、コンディショニング剤といった別の有益剤の望ましい効果を無効にする製品において特に望ましい。これはまた、塗布される身体の一部に提供される任意の所望の利益のためよりも、むしろ加工又は製剤特性のために1つ以上の増粘剤が含まれる製品においても望ましい。これらの場合、このコポリマーは、拮抗する性能特性を有する1つ以上の増粘剤の低減を可能にし得る。
本発明の方法によって作製されるコポリマーを含むいくつかのパーソナルケア製品の実施形態では、コポリマーを含むことにより、油中水型、より具体的には、ケイ素中水型乳化剤の必要性が低下する。コポリマー自体が、乳化特性を提供してもよい。これらの実施形態では、所望の製品の乳化が、典型的な従来のケイ素中水型乳化剤よりも少ない量で維持される。
パーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品の具体的な実施形態では、利益は、コンディショニング利益を含み、身体の一部分は毛髪を含む。コンディショニング利益の具体的な例としては、帯電防止、潤滑性、光沢、粘性、触知性、扱いやすさ又はスタイリング利益が挙げられるが、これらに限定されない。扱いやすさの利益の非限定例としては、乾燥及び/又は濡れた状態での櫛通りのしやすさが挙げられる。スタイリング利益の非限定例としては、カール保持又は毛髪弛緩利益が挙げられる。コンディショナーは、洗い流すタイプ又は洗い流さないタイプのコンディショナーであり得る。具体的な実施形態では、コンディショニング利益は、カール保持利益を含む。
好適なコンディショニング剤の例としては、カチオン性ポリマー、カチオン性界面活性剤、タンパク質、天然油、このコポリマー以外のシリコーン、炭化水素、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のパーソナルケア組成物に有用であり得る更なるケイ素の例としては、アルキルメチルシロキサン、環状シロキサン、ガム、直鎖状シロキサン、MQシロキサン樹脂、MTQシロキサン樹脂、及びポリエーテルシロキサンコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の方法によって形成されるコポリマーは、身体の一部に利益をもたらすことを支援し得る。1つのこのような方法は、安全かつ有効な量のパーソナルケア製品を身体の一部に投与することを含む。具体的な一実施形態では、安全かつ有効量のパーソナルケア組成物を投与することを含む、毛髪の治療方法を提供する。非常に具体的な実施形態は、安全かつ有効量のパーソナルケア組成物を投与することを含む、毛髪のスタイリング及び保持の方法を提供する。本明細書に使用される「安全かつ有効」とは、そのような利益を求める消費者を損傷することなく、又は彼らに著しい不快感をもたらすことなく、そのような利益を求める消費者により知覚可能なレベルの利益を提供する量を意味する。提供される利益よりも著しい不快感が凌駕する結果、通常の消費者は不快感に耐えられない。
上述の本発明の方法によって形成されるコポリマーを含むパーソナルケア組成物を用いたパーソナルケアの製剤化は、増粘利益を提供する。具体的な実施形態では、制汗剤、毛髪、皮膚及び着色化粧製品が提供される。制汗製品は、上述のコポリマーを含むパーソナルケア組成物を用いて製剤化され、利益は、製剤が従来の増粘剤の典型的な量より実質的に少ない量を含むとき、制汗塩の懸濁を維持するのに十分な増粘利益を含む。具体的な実施形態では、制汗剤製品は、固体、軟質固体又はゲルの形態で提供される。より具体的な実施形態では、固体形態は、軟固体又はゲルを含む。
本発明の別の具体的な実施形態は、油中水型、より具体的には、シリコーン中水型製剤についての乳化利益を対象とする。必要とされるシリコーン中水型製剤の補助剤の量は、コポリマーが製剤に使用されるとき、通常より少なくてもよい。より具体的な実施形態では、制汗製品は、コポリマーを含む組成物を用いて製剤化される。更により具体的な実施形態では、固体形態は、ゲルを含む。
別の具体的な実施形態は、この利益が、コンディショニング利益の増強を含み、身体の一部が皮膚を含む、本発明の方法によって作製されるコポリマーを含むパーソナルケア製品を提供する。(1)安全かつ有効量の、パーソナルケア組成物を含むパーソナルケア製品を投与することと、(2)安全かつ有効量を皮膚に塗ることと、を含む、皮膚の治療方法を対象とする一実施形態が提供される。
別の具体的な実施形態は、この利益が美容利益を含む、パーソナルケア組成物を含む着色美容製品を対象とする。より具体的な実施形態は、液体ファンデーションを目的とする。
以下の実施例は、本発明を当業者に実証する目的で含まれる。しかしながら、本開示を考慮すれば、開示される具体的な実施形態において、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく多くの修正がなされ、それでも同様の又は類似する結果を得ることができることを当業者は理解すべきである。全ての量、比率、及びパーセンテージは、特に記載のない限り、重量である。
実施例では、以下の成分を使用した。NMGは、N−メチルグルカミンを指す。GPMDESは、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを指す。GPMDMSは、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを指す。AGEは、アリルグリシジルエーテルを指す。Pt IVは、Karstedtの触媒としても知られる、Ptがジビニルテトラメチルジシロキサンと錯体を形成する白金触媒を指す。IPAは、イソプロパノールを指す。HMDZは、ヘキサメチルジシラザンを指す。TFAAは、トリフルオロ酢酸を指す。
実施例1(NMG官能性ジエトキシシランの合成)
GPMDES及びNMGは、St.Louis,MOのSIGMA−ALDRICH(登録商標)から入手し、いかなる精製も行わずに使用した。両方についての仕様書は、>99%の純度を示した。反応は、回転蒸発器及び75℃で設定された水浴を使用して、200−proofエタノール溶媒中で行われた。
37.27gのGPMDES及び106gの200−proofエタノールを、250mLのフラスコ中に装填した。29.28gのNMG粉末をこの混合物に添加した。GPMDESのNMGに対するモル比は、1:1であった。GPMDES、エタノール、及びNMGが入っているフラスコを、回転蒸発器に装着し、125rpmで混合させながら、75℃で反応させた。固体NMGは溶解し、この反応混合物は、45分後、透明な溶液になった。1時間及び3時間後、NMR分析のために、試料を採取し、エタノール溶媒を留去した。このエタノールを完全真空下で留去した後の生成物(NMGメチルジエトキシシラン)は、結晶性固体であった。プロトン核磁気共鳴(H−NMR)により、この構造を確認した。しかしながら、29Si NMRは、エトキシ基の部分的な縮合を示した。H−NMRはまた、エトキシCHプロトンのほぼ60%の減少を示した。
生成物(NMGメチルジエトキシシラン)のH−NMRはまた、エタノールが生成物中に存在した場合、エトキシ基は無傷であり、エタノールが完全に留去した場合、部分的に加水分解されたことも示した。また、29Si NMRにより、加水分解/縮合の副生成物の形成も確認した。
実施例2(NMG官能性ジメトキシシランの合成)
メトキシ官能性NMG−シランは、メタノール溶媒中で3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランをNMG(両方とも、St.Louis,MOのSIGMA−ALDRICH(登録商標)から入手)と反応させることによって調製された。40.0gのGPMDMS及び75.4gの200−proofメタノールを、250mLのフラスコ中に装填した。35.4gのNMG粉末をこの混合物に添加した。GPMDMSのNMGに対するモル比は、1:1であった。GPMDMS、メタノール、及びNMGが入っているフラスコを、回転蒸発器に装着し、125rpmで混合させながら、60℃で反応させた。固体NMGは溶解し、この反応混合物は、30分後、透明な溶液になった。105分後、NMR分析のために、試料を採取し、メタノール溶媒を留去した。メタノールを完全真空下で留去した後の生成物NMGメチルジメトキシシランは、結晶性固体であった。H−NMRにより、この構造を確認した。29Si NMRは、メトキシ基の部分的な縮合を示した。
実施例3A(縮合経路によるNMGシロキサンの合成)
NMG−シロキサンの合成は、シラノール縮合プロセスによって行われた。NMG−ジアルコキシシランは、酸性又は塩基触媒の存在下で、シラノール末端ポリジメチルシロキサンによって縮合された。
最初に、シラノール流体を、HMDZと反応させて、シラノール基を部分的に保護した。TFAA触媒は、主に、シラノールのキャッピング反応のために使用されるが、酸性触媒によるシラノール/アルコキシシランの縮合反応にも使用された。TFAA触媒に加えて、オクタン酸(OA)及びトリフルオロメタンスルホン酸(TFAA)も、試験した。塩基触媒として、水酸化カリウム(KOH)を使用することによって、塩基触媒による縮合を行った。数個のバッチを合成して、反応条件を最適化した。29Si NMRにより、糖シロキサンの反応プロセス及び分子量又は重合度(DP)を観察した。
実施例3B(300DP−2P−NMGシロキサンを合成するための酸性触媒による縮合)
TFAA触媒の存在下で、HMDZをシラノール流体と反応させることによって、50DPのシラノール末端シロキサンの部分的な保護を行った。50DPのシラノール流体から300DPのシロキサンポリマーを合成するために、6モルのシラノール流体を、1モルのHMDZと反応させた(12のシラノールのうちの2つのシラノールを、HMDZとの反応において保護した)。反応は、より少ない時間(約2時間)で完了する場合があるが、80℃で4〜5時間、この反応を行った。より長い反応時間はまた、分子量の増加をもたらし、NMG−アルコキシシランによる縮合に対してより少ない遊離シラノールを残留させる、シラノールのいくらかの縮合を引き起こし得る。
実施例4(NMG−シロキサンポリマーの合成及び試験)
50DP有する末端シラノール官能基を有する315gのシラノール流体を、凝縮器、温度計、及び蒸留レシーバー又は蒸留トラップ(Dean−Stark)を装着した1Lのフラスコ中に装填した。2.29gのHMDZを、室温で添加し、混合した。反応混合物を50℃までゆっくりと加熱し、TFAA触媒(0.2g)を添加した。このシステムを通じて、窒素ガスを洗い流し、NHの副生成物を除去し、反応温度を80℃まで上昇させた。5時間後、反応混合物を冷却し、29Si NMR分析のために濾過した。ポリマーのDPは、部分的に保護されたシラノール流体生成物中で、50から116まで増加した。
23.0gのNMG−メチルジエトキシシラン(エタノール中50%溶液)を、フラスコ中で、255.2gの部分的に保護されたシラノール流体と混合し、混合させながら、回転蒸発器上で80℃まで加熱した。エタノール溶媒を、2.0kPa(15mmHg)の真空で留去した。オクタン酸触媒(0.9g)を添加し、この縮合を真空下で7.5時間継続した。反応混合物は、NMG−メチルジエトキシシランとシラノール流体との縮合により、ゆっくりと粘性になった。29Si NMR分析は、DPの増加及びシラノール含量の減少を示した。また、H−NMRにより、ポリマー中でケイ素と結合したN−メチルグルカミンプロトン及びCHプロトンの存在も確認した。
得られたNMG−シロキサンポリマーを、5重量%のIsofol−12(2−ブチルオクタノール)希釈剤と混合し、乳化させて、50%の活性な水中油型エマルションを得た。熱性及び加水分解安定性研究のために、このエマルションを、45℃で2ヶ月間、熱老化した。室温及び熱老化したNMG−シロキサンエマルションの両方を、ヘアケア塗布における濡れた状態及び乾燥した状態での櫛通り力の特性について評価した。それらの性能は、標準的なカチオン性エマルションと比較された。
毛髪処理データは、NMG−シロキサンポリマーが、行われた酸性縮合経路、並びに標準的なカチオン性エマルションから合成されることを示した。具体的には、試験は、濡れた状態での櫛通り及び乾燥した状態での櫛通りの両方に対して、インストロン装置上で行われた。これらの結果は、それぞれ、3束×5回の引っ張りの平均櫛通り力(kg)として報告された。室温及び熱老化したNMG−シロキサンエマルションは、標準的なカチオン性エマルション(0.021kg)よりも高い濡れた状態での平均櫛通り力(それぞれ、0.032kg及び0.031kg)を有した。室温及び熱老化したNMG−シロキサンエマルションは、標準的なカチオン性エマルション(0.016kg)よりも低い乾燥した状態での平均櫛通り力を有した(それぞれ、0.013kgを有した)。したがって、室温及び熱老化したNMG−シロキサンエマルションは、標準的なカチオン性エマルションよりも良好な乾燥した状態での櫛通り力を有したが、標準的なカチオン性エマルションほど良好な濡れた状態での櫛通り力を有しなかった。NMG−シロキサンポリマーはまた、乳化し、40℃で2ヶ月間、熱老化した場合、加水分解に安定であった。
実施例5(NMG−シロキサンの縮合反応)
NMG−シロキサンは、NMG−メチルジメトキシシランとシラノール流体との縮合反応によって調製された。4〜5滴のTFAA触媒の存在下で、キャッピング反応のために、288.3gの50DPのシラノール流体を、2.23gのHMDZと反応させた。反応混合物は、アンモニウム塩の形成により、3.5時間の反応後、わずかに混濁した。反応混合物を、5ミクロンのフィルタプレスを通じて濾過した。29Si NMRは、わずかに低い保護を示し、重合度の有意な増加を示さなかった。20.8gのNMG−メチルジメトキシシラン(メタノール中50%)を、保護されたシロキサンと混合し、80℃まで加熱した。メタノールを、わずかな真空下で留去し、1.2gのオクタン酸触媒を、シラノール縮合のために添加した。1.5時間の反応後、1.0gの脱イオン水を添加して、メトキシシランの加水分解を増強した。6時間の反応後、この反応混合物は、粘性になった。29Si NMRは、ポリマーのDPが137まで増加し、一部が未反応のシラノールであることを示した。
実施例6(NMGジエトキシシランのワンステップ合成)
ワンステップで、シラノール流体、HMDZ、及びNMG−ジエトキシシランを縮合するための試みも行われた。50のDPを有する150gのシラノール流体を、1.55gのHMDZ、9.5gのNMG−メチルジエトキシシラン、及び0.22gのトリフルオロ酢酸と混合した。反応混合物を80℃まで加熱し、エタノールを真空下で除去した。縮合触媒のオクタン酸及び触媒量のアミノエチルアミノプロピルトリエトキシシランを添加し、2.0kPa(15mmHg)の真空下で反応させた。約1時間の反応後、ポリマー様ゲル相を、シラノール流体から分離した。HMDZは、NMG−ジエトキシシランと反応して、反応混合物から沈殿を生じることが見出された。5時間の縮合後、反応混合物は、低粘度のポリマーであり、分子量の増加は観察されなかった。
実施例7(シラノール流体の縮合反応)
オクタン酸及びHMDZの組み合わせが触媒として使用された場合、シラノール流体とNMG−アルコキシシランとの間の縮合反応は、増強した。それは、末端保護剤、及びオクタン酸を伴う共触媒の両方である。250gの50DPのシラノール流体を、TFAA触媒を使用して、80℃で4.5時間、1.9gのHMDZと反応させた。シロキサンのDPは、116まで増加し、それぞれのシロキサンにおけるヒドロキシル基の比は、減少した。次いで、75gの濾過した部分的に保護されたシロキサンを、1.0gの脱イオン水、0.1gのHMDZ、及び0.2gのオクタン酸触媒の存在下で、2.0kPa(15mmHg)の真空下で、80℃で、7.0gのNMG−ジエトキシシランと反応させた。シラノール縮合により、5時間の反応時間後、ポリマーの粘度が増加し、DPが約200まで増加した。
実施例8(シラノール流体の縮合反応)
8.9gのNMG−ジエトキシシランを、オクタン酸触媒の存在下で、150gのシラノール流体と直接縮合した。5時間の縮合後、シロキサンの分子量のほんのわずかな増加があった(シロキサンのDPは85であった)。TFAA触媒の存在下で、85〜90℃で9時間の反応後、透明かつ軟粘度のポリマーを得た。次いで、HMDZを使用することによって、このポリマーを、トリメチルシリル基で保護した。29Si NMRは、シロキサンのDPが約122であり、依然として、未縮合のシラノールが存在したことを示した。
実施例9(シラノール流体の縮合反応)
151gの50DPのシラノール及び100gのトルエンを、凝縮器、Dean Starkレシーバー、機械的撹拌器、及び温度計を装着した丸底フラスコ中に一緒に混合した。混合後、透明な溶液を形成した。1.15gのHMDZを添加し、4〜5滴のTFAA触媒を添加する前に、室温で5分間混合した。60℃で1時間、反応が生じた。29Si NMRは、ポリマーのDPが増加することなく、トリメチルシリル基を有するシラノールの部分的な保護を生じたことを示した。次いで、2.7gのオクタン酸を混合して、pHが6.5になるように調節した。次いで、13.0gのNMG−メチルジエトキシシランを混合して、85〜110℃で5.5時間反応させた。50gのIPAを添加し、混合した場合、ゲル様ポリマー相はトルエン中で分離したが、溶解した。後で、IPA及びトルエンを完全真空下で留去し、112のDPを有する、軟粘着性のあるポリマーを得た。
実施例10(シラノールの縮合)
150gの50DPのシラノール及び100gのトルエンを、凝縮器、Dean Starkレシーバー、機械的撹拌器、及び温度計を装着した丸底フラスコ中に一緒に混合した。透明な溶液を形成した。1.80gのHMDZを添加し、2滴のTFAA触媒を添加する前に、室温で5分間混合した。80℃で2時間、反応が生じた。29Si NMRは、トリメチルシリル基を有するシラノールの部分的な保護が生じ、ポリマーのDPが74まで増加したことを示した。次いで、1.0gのオクタン酸を混合して、pHが5.0になるように調節した。次いで、13.0gのNMG−メチルジエトキシシランを混合して、85〜95℃で2.5時間反応させた。次いで、3〜4滴のTFAAを添加して、縮合反応を増強した。トルエンを完全真空下で留去した後、100のDPを有する粘着性のあるゲル様ポリマーを得た。29Si NMR分析は、一部のSi−OHが、Si−OZに変換する(式中、OZがエトキシ又はオクタン酸であり得る)、シロキサンのDPのほんのわずかな増加を示した。
実施例11A(酢酸エチル中のNMGシロキサンの合成、酸性縮合)
NMG−ジエトキシシランと50DPのシラノール流体との酸性触媒による縮合が、酢酸エチル又は酢酸ブチルの溶媒中で行なわれた。これらの溶媒は、相溶性のため、縮合反応に対しては、トルエンほど有効ではなかった。酢酸エチルの場合には、濁った粘度のあるポリマーが観察されたが、一方、NMG−ジエトキシシランの自己縮合は、酢酸ブチル溶媒を使用した場合に観察され、ゲル様材料がシラノール流体から沈殿した。トルエンよりも低い沸点により、酢酸エチルでは、77〜80℃の最高反応温度の限界もあった。
実施例11B(300DP−2P−NMGシロキサンを合成するための塩基触媒による縮合)
触媒として50%のKOH溶液を使用することによって、塩基触媒による縮合反応が、行われた。NMG−シロキサンポリマーは、平衡経路及び縮合経路の両方によって首尾よく調製された。試験した酸性触媒による縮合経路よりも、KOHによる縮合反応が、速かった。しかしながら、触媒としてKOHを使用した平衡プロセス中、更に環状シロキサンが生成された。
実施例12(塩基触媒による平衡プロセスによるNMG−シロキサン)
150.7gのシラノール末端ポリジメチルシロキサン、10.48gのNMG−メチルジメトキシシラン(メタノール中50%溶液)、及び1.02gの5cstの200流体の、低粘度のトリメチル末端ブロックポリジメチルシロキサンを一緒に混合し、約100℃で、0.60gのKOH触媒を用いて縮合した。Dean−Starkレシーバーを使用することによって、メタノール及び水を除去した。粘度のわずかな増加が観察された。平衡反応が130℃で行われたとき、粘度が著しく増加した。29Si NMRは、ほんの微量の未反応シラノール、及び168のDPを有する3.7モル%のD環状を示した。H−NMRにより、NMG官能基及びジメチルシロキサン単位を確認した。IPA及びIsofol−12中に溶解した後、生成物を、氷酢酸によって中和した。次いで、IPAを留去して、透明な高粘度のNMG−シロキサンを得た。
実施例13(保護を行わずに、塩基触媒による平衡プロセスによるNMG−シロキサン)
50DPのシラノール流体を、0.2重量%のKOHの存在下で、85℃でNMG−メチルジエトキシシランと縮合した場合、高粘度のポリマーを得た。末端保護のために、保護剤を使用しなかった。29Si NMRは、80〜85℃で、9時間の反応後、ペンダントNMG官能基を含有する300DPのNMG−シロキサンポリマーの形成を示した。また、29Si NMRピーク試験によって示されるように、環状シロキサンも形成された。
本発明は、1つ以上の具体的な実施形態を参照して記載されているが、当業者は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの変更がそこになされ得ることが認識されよう。これらの実施形態のそれぞれ、及びそれらの明らかな変形は、本発明の趣旨及び範囲内に入るものとして企図される。

Claims (14)

  1. サッカリドシロキサンコポリマーの作製方法であって、
    (a)アミン官能性サッカリドを、少なくとも1つの縮合可能な又は加水分解可能な基を含有するエポキシ官能性シランと反応させる工程と、
    (b)工程(a)の生成物を、オリゴマーと反応させて、前記サッカリドシロキサンコポリマーを形成する工程と、
    (c)任意に、前記サッカリドシロキサンコポリマーを形成するために、末端保護剤を更に含む工程と、を含
    前記少なくとも1つの縮合可能な又は加水分解可能な基を含有する前記エポキシ官能性シランが、エポキシ官能性モノ又はジ−アルコキシシランである、方法。
  2. 前記アミン官能性サッカリドが、N−メチルグルカミン、N−エチルグルカミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アミン官能性サッカリドが、グルコサミン、ガラクトサミン、ムラミン酸、マンノサミン、キトサン、キトサンモノマー、キトサンオリゴマー、メグルミン、又はこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つの縮合可能な又は加水分解可能な基が、アミノラジカル、ケトオキシム、ウレイド基、アセトキシ基、カルボキシル基、カルボン酸アミドラジカル、シアノ基、イソシアネート基、硫酸基、硫酸エステル基、リン酸基、又はリン酸エステル基である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  5. 少なくとも1つの縮合可能な又は加水分解可能な基を含有する前記エポキシ官能性シランが、グリシドキシプロピル官能性シランである、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  6. 少なくとも1つの縮合可能な又は加水分解可能な基を含有する前記エポキシ官能性シランが、エポキシシクロヘキシルエチル官能性シラン、エポキシアルカン、又はリモネンエポキシド官能性シランである、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記末端保護剤が、トリメチルアルコキシシランである、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記オリゴマーが、部分的に保護されたシロキサンである、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記オリゴマーが、環状シロキサン又はジシラノールシロキサンである、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. 工程(b)は、工程(a)の生成物を、保護された及び保護されていないオリゴマーと反応させることを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  11. 工程(b)は、工程(a)の生成物を、シラン末端保護剤及び保護されていないオリゴマーと反応させることを含む、請求項1〜1のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記サッカリドシロキサンコポリマーが、エマルションである、請求項1〜1のいずれか一項に記載の方法。
  13. 工程(b)が、酸性又は塩基触媒を使用することを更に含む、請求項1〜1のいずれか一項に記載の方法。
  14. サッカリドシロキサンコポリマーの作製方法であって、
    (a)N−メチルグルカミン、N−エチルグルカミン、又はこれらの混合物を、エポキシ官能性モノ又はジ−アルコキシシランと反応させる工程と、
    (b)工程(a)の生成物を、ジシラノールオリゴマーと反応させて、前記サッカリドシロキサンコポリマーを形成する工程と、を含む、方法。
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