JP6126132B2 - サッカリドシロキサンコポリマーの作製方法 - Google Patents
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Description
「パーソナルケア」の分野は、身体のその一部に利益を提供することが意図される、身体のいずれかの一部のあらゆる局所的治療を含むことが意図される。その利益は、直接的又は間接的であってもよく、感覚的、機械的、美容的、保護的、予防的、又は治療的であってもよい。ヒト身体が、本明細書で開示されているパーソナルケア組成物及び本発明の方法によって形成される製品にとって特に望ましい標的基材であることが企図される一方で、同様の組織、特に皮膚及び毛髪などのケラチン組織を有する他の哺乳動物が好適な標的基材であり得、したがって、獣医学的用途も本発明の範囲内であることは、当業者にとって容易に明らかであろう。
サッカリドシロキサンコポリマーの作製方法は、(a)アミン官能性サッカリドを、少なくとも1つの縮合可能な又は加水分解可能な基を含有するエポキシ官能性シランと反応させることと、(b)工程(a)の生成物をオリゴマーと反応させて、サッカリドシロキサンコポリマーを形成することと、を含む。
式中、mは、概ね、3〜1000、あるいは20〜500、あるいは30〜200である。他のジシラノール官能性オリゴマーは、本発明の方法に使用され得ることが企図される。縮合化学のために有用なオリゴマーとしては、ジシラノールシロキサンが挙げられる。平衡化学のために、環状シロキサン及びジシラノールシロキサンが使用され得る。
式中、mは、概ね、3〜1,000、あるいは20〜500、あるいは50〜300である。
本発明の方法によって作製されるサッカリドシロキサンコポリマーは、所望の水溶液安定性を有する。コポリマーは、サッカリド構成成分及びシロキサン構成成分を含む。シロキサン構成成分は、コポリマー分子の主鎖を形成する。サッカリド構成成分は、末端基、ペンダント基、又は末端及びペンダント基の両方にて、シロキサン主鎖に結合され得る。あるいは、サッカリド構成成分は、ペンダント基にてシロキサン主鎖に結合され得る。理論に束縛されるものではないが、コポリマーがペンダントサッカリド構成成分を含有するとき、このコポリマーは、水の存在下で改善された安定性を有すると考えられる。そして、コポリマーがペンダントサッカリド構成成分を含有し、末端サッカリド構成成分を含有しないとき、このコポリマーは、末端サッカリド構成成分を有し、ペンダントサッカリド構成成分を有しないコポリマーと比較して、水の存在下で更になお改善された安定性を示してもよい。
GPMDES及びNMGは、St.Louis,MOのSIGMA−ALDRICH(登録商標)から入手し、いかなる精製も行わずに使用した。両方についての仕様書は、>99%の純度を示した。反応は、回転蒸発器及び75℃で設定された水浴を使用して、200−proofエタノール溶媒中で行われた。
メトキシ官能性NMG−シランは、メタノール溶媒中で3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランをNMG(両方とも、St.Louis,MOのSIGMA−ALDRICH(登録商標)から入手)と反応させることによって調製された。40.0gのGPMDMS及び75.4gの200−proofメタノールを、250mLのフラスコ中に装填した。35.4gのNMG粉末をこの混合物に添加した。GPMDMSのNMGに対するモル比は、1:1であった。GPMDMS、メタノール、及びNMGが入っているフラスコを、回転蒸発器に装着し、125rpmで混合させながら、60℃で反応させた。固体NMGは溶解し、この反応混合物は、30分後、透明な溶液になった。105分後、NMR分析のために、試料を採取し、メタノール溶媒を留去した。メタノールを完全真空下で留去した後の生成物NMGメチルジメトキシシランは、結晶性固体であった。H−NMRにより、この構造を確認した。29Si NMRは、メトキシ基の部分的な縮合を示した。
NMG−シロキサンの合成は、シラノール縮合プロセスによって行われた。NMG−ジアルコキシシランは、酸性又は塩基触媒の存在下で、シラノール末端ポリジメチルシロキサンによって縮合された。
TFAA触媒の存在下で、HMDZをシラノール流体と反応させることによって、50DPのシラノール末端シロキサンの部分的な保護を行った。50DPのシラノール流体から300DPのシロキサンポリマーを合成するために、6モルのシラノール流体を、1モルのHMDZと反応させた(12のシラノールのうちの2つのシラノールを、HMDZとの反応において保護した)。反応は、より少ない時間(約2時間)で完了する場合があるが、80℃で4〜5時間、この反応を行った。より長い反応時間はまた、分子量の増加をもたらし、NMG−アルコキシシランによる縮合に対してより少ない遊離シラノールを残留させる、シラノールのいくらかの縮合を引き起こし得る。
50DP有する末端シラノール官能基を有する315gのシラノール流体を、凝縮器、温度計、及び蒸留レシーバー又は蒸留トラップ(Dean−Stark)を装着した1Lのフラスコ中に装填した。2.29gのHMDZを、室温で添加し、混合した。反応混合物を50℃までゆっくりと加熱し、TFAA触媒(0.2g)を添加した。このシステムを通じて、窒素ガスを洗い流し、NH3の副生成物を除去し、反応温度を80℃まで上昇させた。5時間後、反応混合物を冷却し、29Si NMR分析のために濾過した。ポリマーのDPは、部分的に保護されたシラノール流体生成物中で、50から116まで増加した。
NMG−シロキサンは、NMG−メチルジメトキシシランとシラノール流体との縮合反応によって調製された。4〜5滴のTFAA触媒の存在下で、キャッピング反応のために、288.3gの50DPのシラノール流体を、2.23gのHMDZと反応させた。反応混合物は、アンモニウム塩の形成により、3.5時間の反応後、わずかに混濁した。反応混合物を、5ミクロンのフィルタプレスを通じて濾過した。29Si NMRは、わずかに低い保護を示し、重合度の有意な増加を示さなかった。20.8gのNMG−メチルジメトキシシラン(メタノール中50%)を、保護されたシロキサンと混合し、80℃まで加熱した。メタノールを、わずかな真空下で留去し、1.2gのオクタン酸触媒を、シラノール縮合のために添加した。1.5時間の反応後、1.0gの脱イオン水を添加して、メトキシシランの加水分解を増強した。6時間の反応後、この反応混合物は、粘性になった。29Si NMRは、ポリマーのDPが137まで増加し、一部が未反応のシラノールであることを示した。
ワンステップで、シラノール流体、HMDZ、及びNMG−ジエトキシシランを縮合するための試みも行われた。50のDPを有する150gのシラノール流体を、1.55gのHMDZ、9.5gのNMG−メチルジエトキシシラン、及び0.22gのトリフルオロ酢酸と混合した。反応混合物を80℃まで加熱し、エタノールを真空下で除去した。縮合触媒のオクタン酸及び触媒量のアミノエチルアミノプロピルトリエトキシシランを添加し、2.0kPa(15mmHg)の真空下で反応させた。約1時間の反応後、ポリマー様ゲル相を、シラノール流体から分離した。HMDZは、NMG−ジエトキシシランと反応して、反応混合物から沈殿を生じることが見出された。5時間の縮合後、反応混合物は、低粘度のポリマーであり、分子量の増加は観察されなかった。
オクタン酸及びHMDZの組み合わせが触媒として使用された場合、シラノール流体とNMG−アルコキシシランとの間の縮合反応は、増強した。それは、末端保護剤、及びオクタン酸を伴う共触媒の両方である。250gの50DPのシラノール流体を、TFAA触媒を使用して、80℃で4.5時間、1.9gのHMDZと反応させた。シロキサンのDPは、116まで増加し、それぞれのシロキサンにおけるヒドロキシル基の比は、減少した。次いで、75gの濾過した部分的に保護されたシロキサンを、1.0gの脱イオン水、0.1gのHMDZ、及び0.2gのオクタン酸触媒の存在下で、2.0kPa(15mmHg)の真空下で、80℃で、7.0gのNMG−ジエトキシシランと反応させた。シラノール縮合により、5時間の反応時間後、ポリマーの粘度が増加し、DPが約200まで増加した。
8.9gのNMG−ジエトキシシランを、オクタン酸触媒の存在下で、150gのシラノール流体と直接縮合した。5時間の縮合後、シロキサンの分子量のほんのわずかな増加があった(シロキサンのDPは85であった)。TFAA触媒の存在下で、85〜90℃で9時間の反応後、透明かつ軟粘度のポリマーを得た。次いで、HMDZを使用することによって、このポリマーを、トリメチルシリル基で保護した。29Si NMRは、シロキサンのDPが約122であり、依然として、未縮合のシラノールが存在したことを示した。
151gの50DPのシラノール及び100gのトルエンを、凝縮器、Dean Starkレシーバー、機械的撹拌器、及び温度計を装着した丸底フラスコ中に一緒に混合した。混合後、透明な溶液を形成した。1.15gのHMDZを添加し、4〜5滴のTFAA触媒を添加する前に、室温で5分間混合した。60℃で1時間、反応が生じた。29Si NMRは、ポリマーのDPが増加することなく、トリメチルシリル基を有するシラノールの部分的な保護を生じたことを示した。次いで、2.7gのオクタン酸を混合して、pHが6.5になるように調節した。次いで、13.0gのNMG−メチルジエトキシシランを混合して、85〜110℃で5.5時間反応させた。50gのIPAを添加し、混合した場合、ゲル様ポリマー相はトルエン中で分離したが、溶解した。後で、IPA及びトルエンを完全真空下で留去し、112のDPを有する、軟粘着性のあるポリマーを得た。
150gの50DPのシラノール及び100gのトルエンを、凝縮器、Dean Starkレシーバー、機械的撹拌器、及び温度計を装着した丸底フラスコ中に一緒に混合した。透明な溶液を形成した。1.80gのHMDZを添加し、2滴のTFAA触媒を添加する前に、室温で5分間混合した。80℃で2時間、反応が生じた。29Si NMRは、トリメチルシリル基を有するシラノールの部分的な保護が生じ、ポリマーのDPが74まで増加したことを示した。次いで、1.0gのオクタン酸を混合して、pHが5.0になるように調節した。次いで、13.0gのNMG−メチルジエトキシシランを混合して、85〜95℃で2.5時間反応させた。次いで、3〜4滴のTFAAを添加して、縮合反応を増強した。トルエンを完全真空下で留去した後、100のDPを有する粘着性のあるゲル様ポリマーを得た。29Si NMR分析は、一部のSi−OHが、Si−OZに変換する(式中、OZがエトキシ又はオクタン酸であり得る)、シロキサンのDPのほんのわずかな増加を示した。
NMG−ジエトキシシランと50DPのシラノール流体との酸性触媒による縮合が、酢酸エチル又は酢酸ブチルの溶媒中で行なわれた。これらの溶媒は、相溶性のため、縮合反応に対しては、トルエンほど有効ではなかった。酢酸エチルの場合には、濁った粘度のあるポリマーが観察されたが、一方、NMG−ジエトキシシランの自己縮合は、酢酸ブチル溶媒を使用した場合に観察され、ゲル様材料がシラノール流体から沈殿した。トルエンよりも低い沸点により、酢酸エチルでは、77〜80℃の最高反応温度の限界もあった。
触媒として50%のKOH溶液を使用することによって、塩基触媒による縮合反応が、行われた。NMG−シロキサンポリマーは、平衡経路及び縮合経路の両方によって首尾よく調製された。試験した酸性触媒による縮合経路よりも、KOHによる縮合反応が、速かった。しかしながら、触媒としてKOHを使用した平衡プロセス中、更に環状シロキサンが生成された。
150.7gのシラノール末端ポリジメチルシロキサン、10.48gのNMG−メチルジメトキシシラン(メタノール中50%溶液)、及び1.02gの5cstの200流体の、低粘度のトリメチル末端ブロックポリジメチルシロキサンを一緒に混合し、約100℃で、0.60gのKOH触媒を用いて縮合した。Dean−Starkレシーバーを使用することによって、メタノール及び水を除去した。粘度のわずかな増加が観察された。平衡反応が130℃で行われたとき、粘度が著しく増加した。29Si NMRは、ほんの微量の未反応シラノール、及び168のDPを有する3.7モル%のD4環状を示した。H−NMRにより、NMG官能基及びジメチルシロキサン単位を確認した。IPA及びIsofol−12中に溶解した後、生成物を、氷酢酸によって中和した。次いで、IPAを留去して、透明な高粘度のNMG−シロキサンを得た。
50DPのシラノール流体を、0.2重量%のKOHの存在下で、85℃でNMG−メチルジエトキシシランと縮合した場合、高粘度のポリマーを得た。末端保護のために、保護剤を使用しなかった。29Si NMRは、80〜85℃で、9時間の反応後、ペンダントNMG官能基を含有する300DPのNMG−シロキサンポリマーの形成を示した。また、29Si NMRピーク試験によって示されるように、環状シロキサンも形成された。
Claims (14)
- サッカリドシロキサンコポリマーの作製方法であって、
(a)アミン官能性サッカリドを、少なくとも1つの縮合可能な又は加水分解可能な基を含有するエポキシ官能性シランと反応させる工程と、
(b)工程(a)の生成物を、オリゴマーと反応させて、前記サッカリドシロキサンコポリマーを形成する工程と、
(c)任意に、前記サッカリドシロキサンコポリマーを形成するために、末端保護剤を更に含む工程と、を含み、
前記少なくとも1つの縮合可能な又は加水分解可能な基を含有する前記エポキシ官能性シランが、エポキシ官能性モノ又はジ−アルコキシシランである、方法。 - 前記アミン官能性サッカリドが、N−メチルグルカミン、N−エチルグルカミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記アミン官能性サッカリドが、グルコサミン、ガラクトサミン、ムラミン酸、マンノサミン、キトサン、キトサンモノマー、キトサンオリゴマー、メグルミン、又はこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの縮合可能な又は加水分解可能な基が、アミノラジカル、ケトオキシム、ウレイド基、アセトキシ基、カルボキシル基、カルボン酸アミドラジカル、シアノ基、イソシアネート基、硫酸基、硫酸エステル基、リン酸基、又はリン酸エステル基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1つの縮合可能な又は加水分解可能な基を含有する前記エポキシ官能性シランが、グリシドキシプロピル官能性シランである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1つの縮合可能な又は加水分解可能な基を含有する前記エポキシ官能性シランが、エポキシシクロヘキシルエチル官能性シラン、エポキシアルカン、又はリモネンエポキシド官能性シランである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記末端保護剤が、トリメチルアルコキシシランである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 前記オリゴマーが、部分的に保護されたシロキサンである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記オリゴマーが、環状シロキサン又はジシラノールシロキサンである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 工程(b)は、工程(a)の生成物を、保護された及び保護されていないオリゴマーと反応させることを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 工程(b)は、工程(a)の生成物を、シラン末端保護剤及び保護されていないオリゴマーと反応させることを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記サッカリドシロキサンコポリマーが、エマルションである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 工程(b)が、酸性又は塩基触媒を使用することを更に含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
- サッカリドシロキサンコポリマーの作製方法であって、
(a)N−メチルグルカミン、N−エチルグルカミン、又はこれらの混合物を、エポキシ官能性モノ又はジ−アルコキシシランと反応させる工程と、
(b)工程(a)の生成物を、ジシラノールオリゴマーと反応させて、前記サッカリドシロキサンコポリマーを形成する工程と、を含む、方法。
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