JP6125250B2 - シーム溶接装置およびシーム溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一対のローラ電極で少なくとも2枚以上の母材を積層したワークを挟持し、該一対のローラ電極を回転させながら加圧・通電することで抵抗溶接を行うシーム溶接装置およびシーム溶接方法に関する。
従来、シーム溶接で発生する亀裂を防止する手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、薄板の溶接すべき縁をその溶接に先立ち、収束したレーザ光線で予熱する。この技術により、所定の溶接速度で予期される温度勾配を減少させ、ワークに対する溶接最大速度を上昇させ、電気抵抗値が低い材料のワークに対して通常の溶接速度で質的に十分な溶接を可能にしていた。
特開平8−229689号公報
従来、少なくとも2枚以上の母材を積層したワークをシーム溶接する場合には、ワークが小型であったため、小型のワークを固定配置された一対のローラ電極に移動させてシーム溶接を実施していた。
しかし、近年、大型のワークをシーム溶接するために、一対のローラ電極が設けられた溶接装置本体をロボットに搭載し、ロボットによって溶接装置本体をワークに対して移動させてシーム溶接を実施する。
このようなシーム溶接では、ワーク内に形成されたナゲットが急冷し、ワークのナゲット近傍に急激な収縮が生じ、ワークに割れが発生する。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、ワークの割れを防止し、シーム溶接の品質を向上するシーム溶接装置およびシーム溶接方法を提供することにある。
(1) 溶接装置本体(例えば、後述の溶接装置本体20)と、前記溶接装置本体に設けられ、少なくとも2枚以上の母材(例えば、後述の母材W1,W2)を積層したワーク(例えば、後述のワークW)を挟み込んで転動する一対のローラ電極(例えば、後述の一対のローラ電極21)と、前記溶接装置本体の前記一対のローラ電極よりも進行方向(例えば、後述の進行方向A)後方に設けられ、前記ワークを加熱する第1熱源(例えば、後述の一対の徐冷用熱源23)と、を備えたことを特徴とするシーム溶接装置。
(1)の発明によると、一対のローラ電極でワークを加圧・通電することで、ワーク内に溶融したナゲットを形成し、第1熱源で一対のローラ電極が通過したワークを加熱する。これにより、冷却され易いワークの表面近傍が加熱され、溶融したナゲットを一様に緩やかに冷却させる。そのため、ワークの割れの発生を防止することができ、シーム溶接の品質を向上することができる。
(2) 前記溶接装置本体の前記一対のローラ電極よりも進行方向前方に設けられ、前記ワークを加熱する第2熱源(例えば、後述の一対の予熱用熱源22)を更に備えたことを特徴とする(1)に記載のシーム溶接装置。
(2)の発明によると、一対のローラ電極でワークを加圧・通電する前に、第2熱源でワークを加熱する。これにより、一対のローラ電極でワークを加圧・通電する前に、ワークの温度を上昇させ、ワークの電気抵抗を上昇させる。そのため、一対のローラ電極でワークを加圧・通電するときに、ワークの各母材の電流密度が高くなる接触部で発熱量が上昇し、ナゲットが成長し易くなる。
(3) 一対のローラ電極(例えば、後述の一対のローラ電極)で少なくとも2枚以上の母材(例えば、後述の母材)を積層したワーク(例えば、後述のワーク)を挟持し、該一対のローラ電極を回転させながら加圧・通電することで抵抗溶接を行うシーム溶接方法であって、前記一対のローラ電極の挟持位置よりも進行方向(例えば、後述の進行方向)後方で、前記ワークを加熱し、前記ワークの急冷を抑制する徐冷工程(例えば、後述のステップS53)と、を含むことを特徴とするシーム溶接方法。
(3)の発明によると、(1)の発明と同様な作用・効果を奏することができる。
(4) 前記一対のローラ電極の挟持位置よりも進行方向前方で、前記ワークを加熱し、前記ワークの電気抵抗を上昇させる予熱工程(例えば、後述のステップS51)を更に含むことを特徴とする(3)に記載のシーム溶接方法。
(4)の発明によると、(2)の発明と同様な作用・効果を奏することができる。
本発明によれば、ワークの割れを防止し、シーム溶接の品質を向上するシーム溶接装置およびシーム溶接方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係るシーム溶接装置を示す概略構成図である。 上記実施形態に係る溶接装置本体およびその周辺を示す斜視図である。 上記実施形態に係るシーム溶接装置を用いたシーム溶接を実施する手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係るシーム溶接の詳細な手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係るシーム溶接の原理を示す図であり、図5(a)は、上記実施形態での原理を説明する図であり、図5(b)は、従来の場合の原理を説明する図である。
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
先ず、図1、図2を参照して、本実施形態に係るシーム溶接装置1の構成について説明する。
図1は、シーム溶接装置1を示す概略構成図である。図2は、溶接装置本体20およびその周辺を示す斜視図である。
シーム溶接装置1は、ロボット10と、溶接装置本体20と、制御装置30と、を備える。
ロボット10は、多関節型のアーム11を有する産業用ロボットであり、アーム11の基端側に接続された基部12を工場などの床面に設置し、プログラム動作によって任意の姿勢に切り替わるとともにアーム11を任意の状態に変化させることができる。
ロボット10の基部12は、回転可能であり、ロボット10は、基部12の回転角度に対応した信号を出力する回転角度検出部13を有する
ロボットのアーム11は、6軸の関節を有し、ロボット10は、アーム11の各関節の軸角度に対応した信号を出力する軸角度検出部14を有する。
溶接装置本体20は、ロボット10のアーム11の先端に取り付けられる。
溶接装置本体20は、一対のローラ電極21と、一対の予熱用熱源22と、一対の徐冷用熱源23と、を有する。
一対のローラ電極21は、上方に配置された第1ローラ電極21aおよび下方に配置された第2ローラ電極21bから構成され、少なくとも2枚以上の母材W1,W2を積層したワークWを挟み込んで転動する。
一対の予熱用熱源22は、溶接装置本体20の一対のローラ電極21よりも溶接装置本体20の進行方向A前方に配置される。一対の予熱用熱源22は、上方に配置された第1予熱用熱源22aおよび下方に配置された第2予熱用熱源22bから構成され、第1予熱用熱源22aがワークWの上面Waを加熱し、第2予熱用熱源22bがワークWの下面Wbを加熱する。一対の予熱用熱源22は、例えば、誘導加熱装置やコイルヒータなどの通電によって発熱する発熱体を用いる。
なお、一対の予熱用熱源22は、母材W1,W2の板厚が異なる場合には、各母材W1,W2のそれぞれの板厚に応じて第1予熱用熱源22aと第2予熱用熱源22bとの発熱量を調整してもよい。
一対の徐冷用熱源23は、溶接装置本体20の一対のローラ電極21よりも溶接装置本体20の進行方向A後方に配置される。一対の徐冷用熱源23は、上方に配置された第1徐冷用熱源23aおよび下方に配置された第2徐冷用熱源23bから構成され、第1徐冷用熱源23aがワークWの上面Waを加熱し、第2徐冷用熱源23bがワークWの下面Wbを加熱する。一対の徐冷用熱源23は、一対の予熱用熱源22と同様に、例えば、誘導加熱装置やコイルヒータなどの通電によって発熱する発熱体を用いる。
なお、一対の徐冷用熱源23は、母材W1,W2の板厚が異なる場合には、各母材W1,W2のそれぞれの板厚に応じて第1徐冷用熱源23aと第2徐冷用熱源23bとの発熱量を調整してもよい。
図2に示すように、溶接装置本体20は、基部40と、第1支持ユニット50と、第2支持ユニット60と、移動機構70と、箱部80と、を更に有する。
基部40は、ロボット10のアーム11の先端に保持され、一対の予熱用熱源22を支持する。
第1支持ユニット50は、基部40に対して移動可能に構成され、第1ローラ電極21aを支持する。
第2支持ユニット60は、基部40に固定され、第2ローラ電極21bを支持する。
移動機構70は、第1支持ユニット50を移動させる。
箱部80は、基部40に接続され、一対の徐冷用熱源23を支持する。
基部40は、溶接装置本体20の待機時の垂直方向(X方向)に延びて直方体状に形成された支柱41と、支柱41の上端部41aに設けられた保持板42と、保持板42の上面に固定された状態でロボット10のアーム11の先端に回転可能に取り付けられたマウント部43と、支柱41の一方の側面41bに設けられた溶接電源44と、を有する。
保持板42は、上方にマウント部43が配置される平坦部42aと、支柱41の溶接電源44が設けられた側面41bと反対側の側面41cに沿って下方に屈曲する屈曲部42bと、屈曲部42bの下端から外方に向けて張り出した張出部42cと、を有する。
支柱41は、保持板42の張出部42cが張り出した側面41cにおいて張出部42cの下方で第1支持ユニット50を移動可能に有するとともに、第2支持ユニット60を第1支持ユニット50の更に下方に固定して有する。第1支持ユニット50および第2支持ユニット60は、支柱41の当該側面41cにおいてX方向に並列して配置される。
溶接電源44は、一対のローラ電極21に溶接電流を供給したり、一対の予熱用熱源22および一対の徐冷用熱源23に電流を供給したりするなど、溶接装置本体20で使用される電流を出力する。
移動機構70は、支柱41の溶接電源44が設けられた側面41bと反対側の側面41cにおいて保持板42の屈曲部42bの下方でX方向に延びる一対のガイドレール71と、第1支持ユニット50に固定されたロッド部72と、張出部42cに設けられてロッド部72をX方向に駆動するシリンダ73と、を有する。
第1支持ユニット50は、ロッド部72が固定された筐体51と、第1ローラ電極21aに設けられて溶接装置本体20の待機時の水平方向(Y方向)に延びる支軸部材52と、X方向およびY方向に直交する方向(Z方向)に第1ローラ電極21aを回動する支軸回動機構53と、第1ローラ電極21aを回転駆動する電極回転用モータ54と、を有する。
筐体51は、一対のガイドレール71に係合する一対のガイド溝51aを有する。第1支持ユニット50は、筐体51の一対のガイド溝51aが一対のガイドレール71に係合することで、シリンダ73によるX方向の駆動に応じてX方向に円滑に移動することができる。
支軸部材52は、図示しない、第1ローラ電極21aに固定された第1軸部と、電極回転用モータ54に接続する第2軸部と、第1軸部と第2軸部とを連結する自在継手と、を有する。自在継手は、例えば、等速ジョイントを用いることができる。
支軸回動機構53は、筐体51内に位置する図示しない支軸支持部材と、支軸支持部材を回転駆動する支軸回動用モータ53aと、支軸回動用モータ53aの動力を支軸支持部材に伝達する図示しない動力伝達機構と、を有する。
第2支持ユニット60は、基本的に第1支持ユニット50と同様な構成である。このため、第2支持ユニット60は、第1支持ユニット50と共通する構成に同一の参照符号を付して説明を省略する。
第2支持ユニット60は、第1支持ユニット50をX方向に反転させた状態で支柱41に固定される。このため、第2支持ユニット60は、筐体51のガイド溝51aを有しない。
第1支持ユニット50および第2支持ユニット60は、第1ローラ電極21aと第2ローラ電極21bとのX方向の位置を揃えて配置される。
箱部80は、保持板42の張出部42cおよび第2支持ユニット60の筐体51に連結される。
制御装置30は、ロボット制御部31と、予熱用熱源制御部32と、溶接電源制御部33と、徐冷用熱源制御部34と、電極回転用モータ制御部35と、支軸回動用モータ制御部36と、シリンダ制御部37と、記憶部38と、を有する。
ロボット制御部31は、ロボット10の姿勢およびアーム11を変化させるようにロボット10を制御する。
予熱用熱源制御部32は、一対の予熱用熱源22に供給する通電量を調整することで一対の予熱用熱源22を制御する。
溶接電源制御部33は、溶接電源44を制御する。
徐冷用熱源制御部34は、一対の徐冷用熱源23に供給する通電量を調整することで一対の徐冷用熱源23を制御する。
電極回転用モータ制御部35は、電極回転用モータ54を制御する。
支軸回動用モータ制御部36は、支軸回動用モータ53aを制御する。
シリンダ制御部37は、シリンダ73を制御する。
記憶部38は、ロボット10のティーチングデータおよび溶接制御データを記憶している。溶接制御データは、ロボット10のアーム11の先端に固定された溶接装置本体20の移動速度に関する移動速度データと、一対のローラ電極21の回転速度に関する回転速度データと、を含む。
次に、図3、図4を参照して、シーム溶接装置1を用いてシーム溶接を行う手順を説明する。
図3は、シーム溶接装置1を用いたシーム溶接を実施する手順を示すフローチャートである。図4は、シーム溶接の実行時の詳細な手順を示すフローチャートである。
図3に示すように、先ず、ワークWを所定位置にセットする(ステップS1)。ワークWとしては、例えば自動車のボディなど、少なくとも2枚以上の母材W1,W2を積層した大型のワークを用いることができる。ワークW内の各母材W1,W2は、プレス成形などによって個別に形成され、母材W1,W2間の隙間の大きさが一定ではない。
続いて、制御装置30は、ロボット10のティーチングデータを作成し(ステップS2)、その作成されたティーチングデータを記憶部38に記憶する。
次に、ロボット制御部31は、ロボット10を制御し、ロボット10の姿勢およびアーム11を変化させて溶接装置本体20を溶接ポイントに移動させる(ステップS3)。具体的には、ロボット制御部31は、ワークWの溶接対象部位の溶接ポイントが一対のローラ電極21の間に位置するように溶接装置本体20を移動させる。
溶接ポイントに移動した溶接装置本体20は、下側の第2ローラ電極21bをワークWの下面Wbに接触させる。
次に、シリンダ制御部37は、シリンダ73を制御し、第1支持ユニット50を下方の第2支持ユニット60側へ移動させ、一対のローラ電極21でワークWを挟持して加圧する(ステップS4)。
続いて、制御装置30は、溶接ポイントに対してシーム溶接を実施する(ステップS5)。具体的には、制御装置30は、図4に示す後述するステップS50〜S54の処理を行ってシーム溶接を実施する。
すなわち、電極回転用モータ制御部35は、電極回転用モータ54を駆動して一対のローラ電極21を回動させ、一対のローラ電極21を溶接ポイント内における一対のローラ電極21で通電する通電ポイントに移動させる(ステップS50)。
続いて、予熱用熱源制御部32は、一対の予熱用熱源22に通電して発熱させ、一対の予熱用熱源22でワークWの上面Waおよび下面Wbをそれぞれ加熱する(ステップS51)。一対の予熱用熱源22で加熱されたワークWの温度は、例えば500℃程度になる。
続いて、溶接電源制御部33は、一対のローラ電極21に溶接電流を通電する(ステップS52)。これにより、一対のローラ電極21の挟持位置におけるワークW内でナゲットを成長させ、一定の溶接強度が得られる抵抗溶接が実施される。
続いて、徐冷用熱源制御部34は、一対の徐冷用熱源23に通電して発熱させ、一対の徐冷用熱源23でワークWの上面Waおよび下面Wbをそれぞれ加熱する(ステップS53)。一対の徐冷用熱源23で加熱されたワークWの温度は、例えば700℃程度になる。
そして、制御装置30は、溶接ポイントの全てについてシーム溶接が終了したか否かを判定する(ステップS54)。シーム溶接が終了していないと判定された場合(ステップS54→NO)には、ステップS50に進み、ステップS50以降の処理を実施する。
一方、シーム溶接が終了したと判定された場合(ステップS54→YES)には、シリンダ制御部37は、シリンダ73を制御し、第1支持ユニット50を第2支持ユニット60から離れるように上方へ移動させ、一対のローラ電極21によるワークWの加圧を解除する(ステップS6)。
次に、ロボット制御部31は、ロボット10を制御し、ロボット10の姿勢およびアーム11を変化させて溶接装置本体20を待機位置に移動させる(ステップS7)。
以上により、シーム溶接を行う手順が終了する。
以上の本実施形態に係るシーム溶接装置1によれば、以下の効果を奏する。
(1)一対のローラ電極21でワークWを加圧・通電することで、ワークW内に溶融したナゲットを形成し、一対の徐冷用熱源23で一対のローラ電極21が通過したワークWを加熱する。これにより、冷却され易いワークの表面近傍が加熱され、溶融したナゲットを一様に緩やかに冷却させる。そのため、ワークWの割れの発生を防止することができ、シーム溶接の品質を向上することができる。
図5は、本実施形態に係るシーム溶接の原理を示す図であり、図5(a)は、本実施形態での原理を説明する図であり、図5(b)は、従来の場合の原理を説明する図である。
一対のローラ電極21でワークWを加圧・通電し、一対の徐冷用熱源23で一対のローラ電極21が通過したワークWを加熱する本実施形態での原理を説明する。
一対のローラ電極21でワークWを加圧・通電すると、母材W1,W2間および一対のローラ電極21とワークW間の接触面積の小さい部分の電気抵抗が高くなる。このため、一対のローラ電極21への通電時にその高い電気抵抗を有する部分の電流密度が高くなり、その高い電気抵抗を有する部分が発熱して溶融し易く、ナゲットNができ易い状態となる。すなわち、ナゲットNは、一対のローラ電極21に挟持された母材W1,W2間の接触部と、第1ローラ電極21aとワークWの上面Waおよび第2ローラ電極21bとワークWの下面Wbとの接触境界部と、から成長し始め、最終的に左図のナゲットNのように断面で接触境界部の4方向に延びる角Naが生えた形状に成長し易い((a)左図参照)。
そして、従来の場合では、上記の形状に成長したナゲットNは、ワークWの上面Waおよび下面WbがワークWの内部よりも冷却され易いため、上面Waおよび下面Wbに近い角Na部分の溶融金属と非溶融部との境界部から最も早く冷却収縮し、角Na部分の溶融金属が非溶融部側へ図示矢印のように引っ張られる((b)中図参照)。その結果、角Na近傍に割れSが生じ易くなる((b)右図参照)。
一方、本実施形態では、上記のような従来の現象に対し、一対の徐冷用熱源23で一対のローラ電極21が通過したワークWを加熱することで、冷却され易い上面Waおよび下面Wbを高温に維持し、ナゲットNの角Na近傍がナゲットNの中心部と一様に緩やかに冷却され、角Na部分の溶融金属が非溶融部へ図示矢印のように引っ張られ難くなる((a)中図参照)。その結果、シーム溶接されたワークWに割れが生じない(右図参照)。
(2)一対のローラ電極21でワークWを加圧・通電する前に、一対の徐冷用熱源23でワークWを加熱する。これにより、一対のローラ電極21でワークWを加圧・通電する前に、ワークWの温度を上昇させ、ワークWの電気抵抗を上昇させる。そのため、一対のローラ電極21でワークWを加圧・通電するときに、ワークWの各母材W1,W2の電流密度が高くなる接触部で発熱量が上昇し、ナゲットNが成長し易くなる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲で変形、改良などを行っても、本発明の範囲に包含される。
本実施形態では、一対の予熱用熱源22および一対の徐冷用熱源23を固定して配置していた。しかしながら、例えば、第1予熱用熱源22aおよび第1徐冷用熱源23aを第1支持ユニット50に搭載し、第1ローラ電極21aと同様に上下動させるものでもよい。
1…シーム溶接装置
20…溶接装置本体
21…一対のローラ電極
22…一対の予熱用熱源
23…一対の徐冷用熱源
30…制御装置
W…ワーク
W1,W2…母材
A…進行方向

Claims (9)

  1. 溶接装置本体と、
    前記溶接装置本体に設けられ、少なくとも2枚以上の母材を積層したワークを挟み込んで転動する第1ローラ電極及び第2ローラ電極の一対のローラ電極と、
    前記溶接装置本体の前記一対のローラ電極よりも進行方向後方に設けられ、前記ワークの上面と下面を加熱する第1熱源と、を備えたことを特徴とするシーム溶接装置。
  2. 前記第1熱源は、前記ワーク上面を加熱する第1徐冷用熱源と、前記ワーク下面を加熱する第2徐冷用熱源を有し、前記第1徐冷用熱源の発熱量と、前記第2徐冷用熱源の発熱量とを調整できることを特徴とする請求項1に記載のシーム溶接装置。
  3. 前記溶接装置本体の前記一対のローラ電極よりも進行方向前方に設けられ、前記ワークを加熱する第2熱源と、を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のシーム溶接装置。
  4. 前記第2熱源は、前記ワーク上面を加熱する第1予熱用熱源と、前記ワーク下面を加熱する第2予熱用熱源を有し、前記第1予熱用熱源の発熱量と、前記第2予熱用熱源の発熱量とを調整できることを特徴とする請求項3に記載のシーム溶接装置。
  5. 前記溶接装置本体は、ロボットに保持され、且つ、
    前記第1ローラ電極を支持する第1支持ユニットと、
    前記第2ローラ電極を支持する第2支持ユニットと、
    前記第1支持ユニットを前記第2支持ユニットへ移動させる移動機構と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載のシーム溶接装置。
  6. 前記第1支持ユニットと前記第2支持ユニットは、前記溶接装置本体の待機時の水平方向および垂直方向に直交する方向に、前記第1ローラ電極と前記第2ローラ電極とを回動する機構を有することを特徴とする請求項5に記載のシーム溶接装置。
  7. 前記一対のローラ電極よりも進行方向前方に設けられ前記ワークを加熱する第2熱源のうち前記ワーク上面を加熱する第1予熱用熱源および、前記一対のローラ電極よりも進行方向後方に設けられ前記ワークを加熱する第1熱源のうち前記ワーク上面を加熱する第1徐冷用熱源を前記第1支持ユニットに搭載し、前記第1ローラ電極と同様に上下動させることを特徴とする請求項5に記載のシーム溶接装置。
  8. 一対のローラ電極で少なくとも2枚以上の母材を積層したワークを挟持し、該一対のローラ電極を回転させながら加圧・通電することで抵抗溶接を行うシーム溶接方法であって、
    前記一対のローラ電極の挟持位置よりも進行方向後方で、前記ワークの上面と下面を加熱し、前記ワークの急冷を抑制する徐冷工程と、を含むことを特徴とするシーム溶接方法。
  9. 前記一対のローラ電極の挟持位置よりも進行方向前方で、前記ワークを加熱し、前記ワークの電気抵抗を上昇させる予熱工程と、を更に含むことを特徴とする請求項8に記載のシーム溶接方法。
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