JP6124400B2 - 烏骨鶏の肉質改善方法 - Google Patents

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本発明は、烏骨鶏(うこっけい)の肉質改善方法、並びに当該方法により肉質改善された、烏骨鶏に関するものである。
烏骨鶏は、江戸時代初期に中国から我が国へ渡来したと考えられており、中国の本草書「本草綱目」によれば、烏骨鶏の卵や肉には、薬効があるとの記述がされている(秋篠宮様ら、1994年)。
実際、中国や韓国では、古くから薬膳料理の素材として珍重されてきた。
本出願人である公益財団法人東京都農林水産振興財団は、以前から烏骨鶏の改良に取り組み、通常、年間50〜80個程度しか産卵しなかった烏骨鶏を、年間200個程度までに改良した、高産卵系烏骨鶏「東京うこっけい」を生み出している。
この高産卵系烏骨鶏「東京うこっけい」から産み落とされた卵は、1個あたり、100〜150円という高値で取引されている。
このため採卵用素雛の需要は増加傾向にあり、その一方で、採卵を終了した個体も徐々に増加しつつある。
しかしながら、烏骨鶏の肉については、その皮の色や肉の色が黒色であることや、採卵を終了した後の雌鶏は、肉量が少なくなっているばかりか、脂肪含量が多く、脂肪含量の個体差も大きいことから、肉質の斉一性が低い、といった理由から、現実には、まだほとんど取引きされておらず、未利用資源の域を脱し切れていないのが実情である。
上記したように、これまで烏骨鶏の肉については、ほとんど取引きされず、市場に出回ってこなかった。
烏骨鶏の肉質改善を図ることは、その利用拡大を図る一つの方法であると考えられるが、これまで烏骨鶏の肉質改善を図る方法については、特にこれといった提案はなされてこなかった。
本発明は、上記問題点を解消し、烏骨鶏の肉質改善を図る方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、安全に烏骨鶏の肉質改善を図る方法を提供することを目的とするものである。
即ち、本発明は、安全に、烏骨鶏の肉中の脂質含量の低減、烏骨鶏の肉中の過酸化脂質の生成の抑制、並びに、烏骨鶏の血中の抗酸化活性の増強を、それぞれ図る方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、烏骨鶏にアシタバを経口給与し摂取させることにより、予想外にも、烏骨鶏の肉中の過酸化脂質の生成の抑制、並びに、烏骨鶏の血中の抗酸化活性の増強を、それぞれ図ることができることを見い出し、この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
即ち、請求項1に係る本発明は、烏骨鶏にアシタバを、乾燥重量として、1日に2.846mg/g・体重以上の割合で、少なくとも7日間以上、経口給与することを特徴とする、烏骨鶏の肉中の過酸化脂質の生成の抑制方法を提供するものである。
請求項2に係る本発明は、烏骨鶏が、東京うこっけいである、請求項1に記載の方法を提供するものである。
請求項3に係る本発明は、烏骨鶏にアシタバを、乾燥重量として、1日に2.846mg/g・体重以上の割合で、少なくとも7日間以上、経口給与することを特徴とする、烏骨鶏の血中の抗酸化活性の増強方法を提供するものである。
本発明によれば、烏骨鶏の肉質改善を図ることができる。
また、本発明によれば、食用されているアシタバを烏骨鶏に経口給与し摂取させるものであり、「安全に」烏骨鶏の肉質改善を図ることができる。
具体的には、本発明によれば、烏骨鶏の肉中の脂質含量を低減することができ、低脂肪な烏骨鶏の肉を提供することができる。
また、本発明によれば、烏骨鶏の肉中の過酸化脂質の生成を抑制することができ、ヒトの健康維持にとって負の影響が指摘されている過酸化脂質を抑制した烏骨鶏の肉を提供することができる。
さらに、本発明によれば、烏骨鶏の血中の抗酸化活性を増強することもできる。
即ち、本発明によれば、烏骨鶏の血中のSOD活性を増強し、活性酸素を有意に分解することができる。
活性酸素は、ガンの発生や老化促進との関与が指摘されており、健康を維持するために、日常摂取する食事によって、生活習慣病など各種疾病の発生や老化の促進を防ぐことが重要であると考えられているが、本発明によれば、烏骨鶏の肉中の脂質含量を低減することができるばかりか、烏骨鶏の肉中の過酸化脂質の生成を抑制し、烏骨鶏の血中の抗酸化活性を増強することもできることから、医食同源を期待する消費者の志向にマッチする烏骨鶏肉の生産を可能とする。
従って、本発明は、烏骨鶏、とりわけ「東京うこっけい」の肉の利用拡大に大いに資するものである。
実施例におけるムネ肉の粗脂肪含量を調べた結果を示すグラフである。 実施例におけるモモ肉の粗脂肪含量を調べた結果を示すグラフである。 実施例におけるムネ肉の過酸化脂質の生成量を調べた結果を示すグラフである。 実施例におけるモモ肉の過酸化脂質の生成量を調べた結果を示すグラフである。 実施例における血中の抗酸化活性を調べた結果を示すグラフである。
本発明は、烏骨鶏の肉質改善方法に関し、烏骨鶏にアシタバを経口給与することを特徴とするものである。
烏骨鶏は、ニワトリ(鶏)の一品種である。しかし、烏骨鶏は、一般的なニワトリと異なり、足指の数が多く、羽毛が綿毛であるなどの特異な外見的特徴を有するほか、その皮の色や肉の色、さらには骨に至るまで黒色であるという特徴がある。
烏骨鶏として具体的には、例えば本出願人である公益財団法人東京都農林水産振興財団が生み出した高産卵系烏骨鶏「東京うこっけい」を挙げることができる。この「東京うこっけい」は、産卵能力に優れた系統である。
本発明は、雌雄の烏骨鶏に適用することができるが、特に雌の烏骨鶏、とりわけ採卵用の烏骨鶏に好適に適用される。採卵終了後の雌の烏骨鶏に対しても有効である。
一般的に、採卵鶏の経済的な寿命は、孵化後1年半〜2年程度までになる。即ち、採卵鶏は、孵化から約5ヶ月後(5ヶ月齡)くらいから、性成熟に達して産卵を開始し、それから1〜1年半ほど採卵に供されて更新される(廃鶏になる)ので、孵化日から起算すると、都合、1年半〜2年程度までで更新されることになる。
経済的な寿命を終える(廃鶏になる)頃は、体重の増加がほぼ止まるか、増えたとしても成長が著しい時期(採卵鶏では孵化日〜産卵開始の20週齡頃)ほどの顕著な増加は見られなくなる。そして、肉中の脂肪含量が高まり、かつ、脂肪含量の個体差が大きくなるため、肉利用に仕向けるためには肉質の斉一性を高めることが重要となる。本発明は、採卵を終えた雌の烏骨鶏(例えば、450〜750日齢程度)に使えることはもちろん、雄の烏骨鶏においては、肉中の脂肪含量を低減するための肥育用飼料として利用することができる。
本発明は、このような烏骨鶏に、アシタバを経口給与し摂取させることを特徴とするものである。
アシタバ(明日葉;Angelica keiskei)は、八丈島を原産地とする日本固有のセリ科の多年性植物である。現地では古くから、自給野菜として食用とされてきたものであり、現在では伊豆諸島全域から特産野菜として島外出荷されている安全性に優れたものである。
近年、アシタバには、種々の生理作用(抗菌作用、抗腫瘍作用、血栓予防作用など)があることが確認されており、機能性食品の素材としての需要が増加している。
しかし、アシタバを烏骨鶏に給与した場合に、烏骨鶏の肉中の脂質含量を低減したり、烏骨鶏の肉中の過酸化脂質の生成を抑制するといった、烏骨鶏の肉質を改善する作用を有していることについては、これまで全く知られていない。
ここで、アシタバの一般成分は、次の表1に示すとおりであることが知られている。

*五訂日本食品標準成分表(2010)から引用
本発明は、烏骨鶏に、アシタバを経口給与し摂取させることを特徴とするものである。
アシタバとしては、いずれの部位を用いてもよく、例えば、茎、葉、根はもとより、その全体を用いることができるが、特に茎、葉が好適に用いられる。
アシタバは、一般的には乾燥物、特に乾燥粉末の形で用いられる。アシタバ乾燥物の水分含量としては、15%以下とすることが好ましく、特に10%以下とすることがより好ましい。但し、これに限定されるものではない。
アシタバ、特にアシタバの茎葉の乾燥条件としては、裁断前又は裁断後の生茎葉を60±5℃程度の温度で適宜攪拌しながら、水分含量が10%以下になるまで通風乾燥すると好ましい。乾燥温度が70℃以上となると、乾燥時間が短縮されるものの、アシタバが退色するため、好ましくない。
なお、アシタバとしては、刈り取ったものをそのまま用いることもできるが、通常は、烏骨鶏が食しやすいように、また、飼料に混合しやすいように、刈り取ったものを、乾燥の前又は後に、適宜の大きさに粉砕・裁断したもの(粉砕物・裁断物)が用いられる。アシタバ粉砕物としては、上記理由から、0.05〜1mm程度の粒度のものが用いられ、特に150mesh(約0.106mm)程度の粒度に粉砕されたものが最も好適に用いられる。
従って、アシタバとしては、乾燥の前又は後に、アシタバの茎葉を粉砕・裁断して、乾燥粉末としたもの(アシタバ茎葉の乾燥粉末)が好ましく用いられる。
本発明において、アシタバは、烏骨鶏に経口給与される。
通常、アシタバは、鶏用配合飼料中に適当量配合され、経口給与される。
鶏用配合飼料中におけるアシタバの配合量は、乾燥重量として、5〜30質量%、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%である。
鶏用配合飼料中におけるアシタバの配合量が、乾燥重量として、5質量%未満であると、十分な肉質改善効果が得られない。一方、鶏用配合飼料中におけるアシタバの配合量が、乾燥重量として、30質量%を超えると、嗜好性に劣るものとなったり、総摂取エネルギー量が低下し、肉量が低下したりするため、好ましくない。
なお、鶏用配合飼料中におけるアシタバの配合量が、乾燥重量として、20質量%に達するようになると、鶏用配合飼料中におけるアシタバの配合量が5質量%や15質量%のときと比べて、烏骨鶏の1日1羽の体重gあたりの飼料摂取量は低下する。
但し、この場合でも、烏骨鶏が最終的に摂取するアシタバの1日1羽の体重gあたりの総量は多くなる。
上記のようにアシタバは、通常、鶏用配合飼料中に適当量配合され、経口給与される。アシタバの給与量としては、乾燥重量として、1日に2.846mg/g・体重以上の割合であり、これ未満の量であると、十分な肉質改善効果を得ることができない。
給与量の上限は特に制限されないが、あまり多過ぎても嗜好性に劣るものとなったり、総摂取エネルギー量が低下し、肉量が低下したりするため、通常、乾燥重量として、1日に13.3mg/g・体重以下の割合までとなる。
アシタバの給与量として、好ましくは、乾燥重量として、1日に2.846mg/g・体重から、11.059mg/g・体重まで、より好ましくは、乾燥重量として、1日に5.319mg/g・体重から、8.848mg/g・体重、までとなる。
本発明においては、上記した如き給与量でアシタバを、少なくとも7日間以上、好ましくは10日間以上、より好ましくは14日間以上、経口給与する。給与期間が短か過ぎると、十分な烏骨鶏の肉質改善効果が得られない。
以上の如き本発明によれば、食用されているアシタバを烏骨鶏に経口給与し摂取させるものであり、安全に烏骨鶏の肉質改善を図ることができる。
即ち、本発明によれば、烏骨鶏の肉中の脂質含量を低減することができ、これにより低脂肪な烏骨鶏の肉を提供することができる。
烏骨鶏の肉として具体的には、ムネ肉やモモ肉などについて、肉中の脂質含量を低減することができる。
また、本発明によれば、烏骨鶏の肉中の過酸化脂質の生成を抑制することができ、これによりヒトの健康維持にとって負の影響が指摘されている過酸化脂質を抑制した烏骨鶏の肉を提供することができる。
烏骨鶏の肉として具体的には、ムネ肉やモモ肉などについて、肉中の過酸化脂質の生成を抑制することができる。
さらに、本発明によれば、烏骨鶏の血中の抗酸化活性(赤血球の抗酸化活性)を増強することもできる。
以下に本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
<実施例1>
(1)「東京うこっけい」の飼育
85週齡(595日齢)の採卵用の「東京うこっけい」を48羽について4羽を1群とした12群に区分し、A群、B群、C群及びD群の4区からなる各区に3反復群ずつを割付けて、それぞれ次に示す飼料を28日間給与し飼育した。鶏舎はヒナ段式の産卵用単飼ケージ(奥行39cm×幅22cm×高さ45cm)を設置した開放型鶏舎を用い、供試鶏を連続するケージに収容して飼料と飲水を不断給与した(自由に摂取させた)。照明条件は、16時間点灯(午前4時から午後8時)とした。
・A群(対照区):市販の鶏用配合飼料給与区(市販の鶏用配合飼料・JA東日本くみあい株式会社(群馬県)、商品名;マル群チキンフーズ仕上(ブロイラー仕上げ用の飼料)、配合割合;穀類62%、植物性油かす類25%、そうこう類5%、その他(植物性油脂、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、食塩、無水ケイ酸、小麦胚芽)8%、成分量;粗蛋白質17.0%以上、粗脂肪4.0%以上、粗繊維5.0%以下、粗灰分8.0%以下、カルシウム0.80%以上、リン0.45%以上、代謝エネルギー3180kcal/kg以上)
・B群(本発明区):市販の鶏用配合飼料の5質量%分を、アシタバ乾燥粉末で代替したものを給与
・C群(本発明区):市販の鶏用配合飼料の10質量%分を、アシタバ乾燥粉末で代替したものを給与
・D群(本発明区):市販の鶏用配合飼料の20質量%分を、アシタバ乾燥粉末で代替したものを給与
なお、アシタバ乾燥粉末としては、アシタバ茎葉を60±5℃程度の温度で適宜攪拌しながら、水分含量10%以下に乾燥させた後に、150mesh(約0.106mm)程度に粉砕したものを用いた。
その結果、市販の鶏用配合飼料の5質量%分を、アシタバ乾燥粉末で代替したものを給与したB群(本発明区)の「東京うこっけい」は、1日1羽あたり平均約64.9gの餌を摂取していた。従って、アシタバ乾燥粉末としては、平均約3.245g摂取したことになる。この群の「東京うこっけい」の平均体重は、1140gであったので、アシタバとしては、乾燥重量として、1日に約2.846mg/g・体重を摂取していたことになる。
次に、市販の鶏用配合飼料の10質量%分を、アシタバ乾燥粉末で代替したものを給与したC群(本発明区)の「東京うこっけい」は、1日1羽あたり平均約61.1gの餌を摂取していた。従って、アシタバ乾燥粉末としては、平均約6.113g摂取したことになる。この群の「東京うこっけい」の平均体重は、1149gであったので、アシタバとしては、乾燥重量として、1日に約5.319mg/g・体重を摂取していたことになる。
さらに、市販の鶏用配合飼料の20質量%分を、アシタバ乾燥粉末で代替したものを給与したD群(本発明区)の「東京うこっけい」は、1日1羽あたり平均約52.7gの餌を摂取していた。従って、アシタバ乾燥粉末としては、平均約10.542g摂取したことになる。この群の「東京うこっけい」の平均体重は、1192gであったので、アシタバとしては、乾燥重量として、1日に約8.848mg/g・体重を摂取していたことになる。
(2)肉質の検討
上記(1)で飼育された、各群の「東京うこっけい」を、飼育期間終了後に、と鳥して、ムネ肉の粗脂肪含量、モモ肉の粗脂肪含量、ムネ肉の過酸化脂質の生成量、モモ肉の過酸化脂質の生成量を調べた。また、合わせて、飼育期間終了直後で、と鳥時の各群の「東京うこっけい」について、血中の抗酸化活性を調べた。これらの結果を図1〜5に示す。
なお、ムネ肉やモモ肉の粗脂肪含量は、ソックスレー抽出器を用いたエーテル抽出法で抽出し、次式により求めた。
粗脂肪含量(%)=[脂肪抽出後の脂肪ビンの重さ(g)−脂肪抽出前の脂肪ビンの重さ(g)]/サンプル肉の採取量(g)×100
また、ムネ肉やモモ肉の過酸化脂質の生成量は、TBA法により測定した。
ここでTBA法は、食肉の脂質酸化測定法として最も良く使用されている方法であって、酸性条件下の試料にTBA(チオバルビツール酸)を加えると、過酸化脂質が分解されて遊離するTBARS(チオバルビツール酸反応物質)と反応して赤色色素が生じるので、これを比色によって測定するものである。チオバルビツール酸反応物質としては、MDA(マロンジアルデヒド)である。
詳しくは、細断したサンプル肉10gをビーカーに入れ、20%トリクロロ酢酸25mlを加えて約1分間ホモジナイズする。ホモジナイズしたサンプルを50mlメスフラスコに移し、蒸留水でメスアップする。メスフラスコを転倒攪拌した後、ろ紙でろ過する。ろ液5mlを蓋付褐色試験管に分取し、0.005M TBA溶液を5ml加えて攪拌する。常温の暗所環境下で16時間反応させ、分光光度計で波長532nmの吸光度を測定する。標品として1,1,3,3−テトラエトキシプロパンを用いて検量線を作成し、マロンジアルデヒド量としてチオバルビツール反応物質を定量した。
さらに、血中の抗酸化活性は、赤血球SOD活性を調べることにより行った。
即ち、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)は、活性酸素スーパーオキシドアニオンラジカル(O2)を過酸化水素と酸素に分解する酵素であり、この活性を調べることにより、血中の抗酸化活性とした。
赤血球SOD活性は、測定キットとして(株)同仁化学研究所製の「SOD Assay Kit−WST」を用いて測定した。試薬および赤血球試料の調製は、本キットの操作方法に従って行った。詳しくは、XanthineとXanthine oxidaseにより発生したスーパーオキシドアニオンラジカルは、発色試薬WST-1と反応することによって生成する水溶性ホルマザンであるWST-1ホルマザンが黄色を呈するため、その極大吸収波長付近である450nmの吸光度をマイクロプレートリーダーで測定した。WST還元の阻害率50%(IC50)を示す赤血球溶液20μlに含まれるSOD量を1単位(U)として、阻害曲線よりIC50が得られる希釈率を求めてこれに乗じて血液中のユニット数を計算した。
図1によれば、本発明区(B群〜D群)は、対照区と比べて、ムネ肉(浅胸筋)中の粗脂肪含量を顕著に低減したことが分かる。
即ち、市販の鶏用配合飼料の5質量%分以上を、アシタバ乾燥粉末で代替することにより、対照区と比べて、ムネ肉(浅胸筋)中の粗脂肪含量を顕著に低減したことが分かる。特に、市販の鶏用配合飼料の10質量%分以上を、アシタバ乾燥粉末で代替することにより、ムネ肉(浅胸筋)中の粗脂肪含量を極めて低減したことが分かる。
より詳しく述べると、ムネ肉(浅胸筋)中の粗脂肪含量は、A群(対照区)が0.89%であるのに対して、B群(アシタバ5質量%代替区;アシタバとしては、乾燥重量として、1日に約2.846mg/g・体重を摂取)では0.78%と顕著に低減しており、さらにC群(アシタバ10質量%代替区;アシタバとしては、乾燥重量として、1日に約5.319mg/g・体重を摂取)では0.65%、D群(アシタバ20質量%代替区;アシタバとしては、乾燥重量として、1日に約8.848mg/g・体重を摂取)では0.53%と、顕著に低減したことが分かる。
図2によれば、本発明区(B群〜D群)は、対照区と比べて、モモ肉(大腿二頭筋)中の粗脂肪含量を顕著に低減したことが分かる。
即ち、市販の鶏用配合飼料の5質量%分以上を、アシタバ乾燥粉末で代替することにより、対照区と比べて、モモ肉(大腿二頭筋)中の粗脂肪含量を顕著に低減したことが分かる。特に、市販の鶏用配合飼料の10質量%分以上を、アシタバ乾燥粉末で代替することにより、モモ肉(大腿二頭筋)中の粗脂肪含量を極めて低減したことが分かる。
より詳しく述べると、モモ肉(大腿二頭筋)中の粗脂肪含量は、A群(対照区)が2.43%であるのに対して、B群(アシタバ5質量%代替区;アシタバとしては、乾燥重量として、1日に約2.846mg/g・体重を摂取)では2.21%と顕著に低減しており、さらにC群(アシタバ10質量%代替区;アシタバとしては、乾燥重量として、1日に約5.319mg/g・体重を摂取)では1.92%、D群(アシタバ20質量%代替区;アシタバとしては、乾燥重量として、1日に約8.848mg/g・体重を摂取)では1.71%と、顕著に低減したことが分かる。
図3によれば、本発明区(B群〜D群)は、対照区と比べて、ムネ肉(浅胸筋)中の過酸化脂質の生成を顕著に抑制したことが分かる。
即ち、市販の鶏用配合飼料の5質量%以上を、アシタバ乾燥粉末で代替することにより、対照区と比べて、ムネ肉(浅胸筋)中の過酸化脂質の生成を顕著に抑制したことが分かる。
より詳しく述べると、ムネ肉(浅胸筋)中の過酸化脂質の生成量は、A群(対照区)が0.108mgMDA/kg浅胸筋であるのに対して、B群(アシタバ5質量%代替区;アシタバとしては、乾燥重量として、1日に約2.846mg/g・体重を摂取)では0.077mgMDA/kg浅胸筋、C群(アシタバ10質量%代替区;アシタバとしては、乾燥重量として、1日に約5.319mg/g・体重を摂取)では0.064mgMDA/kg浅胸筋、D群(アシタバ20質量%代替区;アシタバとしては、乾燥重量として、1日に約8.848mg/g・体重を摂取)では0.060mgMDA/kg浅胸筋と、それぞれ顕著に抑制したことが分かる。
図4によれば、本発明区(B群〜D群)は、対照区と比べて、モモ肉(大腿二頭筋)中の過酸化脂質の生成を顕著に抑制したことが分かる。
即ち、市販の鶏用配合飼料の5質量%以上を、アシタバ乾燥粉末で代替することにより、対照区と比べて、モモ肉(大腿二頭筋)中の過酸化脂質の生成を顕著に抑制したことが分かる。
より詳しく述べると、モモ肉(大腿二頭筋)中の過酸化脂質の生成量は、A群(対照区)が0.179mgMDA/kg大腿二頭筋であるのに対して、B群(アシタバ5質量%代替区;アシタバとしては、乾燥重量として、1日に約2.846mg/g・体重を摂取)では0.100mgMDA/kg大腿二頭筋、C群(アシタバ10質量%代替区;アシタバとしては、乾燥重量として、1日に約5.319mg/g・体重を摂取)では0.085mgMDA/kg大腿二頭筋、D群(アシタバ20質量%代替区;アシタバとしては、乾燥重量として、1日に約8.848mg/g・体重を摂取)では0.063mgMDA/kg大腿二頭筋と、それぞれ顕著に抑制したことが分かる。
図5によれば、本発明区(C群〜D群)は、対照区と比べて、血中の抗酸化活性を顕著に増強したことが分かる。
より詳しく述べると、血中の抗酸化活性は、A群(対照区)が5187U/ml-血中であるのに対して、B群(アシタバ5質量%代替区;アシタバとしては、乾燥重量として、1日に約2.846mg/g・体重を摂取)では5567U/ml-血中、C群(アシタバ10質量%代替区;アシタバとしては、乾燥重量として、1日に約5.319mg/g・体重を摂取)では6057U/ml-血中、D群(アシタバ20質量%代替区;アシタバとしては、乾燥重量として、1日に約8.848mg/g・体重を摂取)では7486U/ml-血中となっており、それぞれ血中の抗酸化活性を顕著に増強したことが分かる。
本発明によれば、烏骨鶏の肉質改善(烏骨鶏の肉中の脂質含量の低減、烏骨鶏の肉中の過酸化脂質の生成の抑制)を、安全に図ることができる。
また、本発明によれば、烏骨鶏の血中の抗酸化活性を増強することもできる。
従って、本発明は、医食同源を期待する消費者の志向にマッチする烏骨鶏肉の生産を可能とし、差別化した烏骨鶏肉が提供できることから、養鶏産業をはじめ、食品産業において有効に利用することができる。

Claims (3)

  1. 烏骨鶏にアシタバを、乾燥重量として、1日に2.846mg/g・体重以上の割合で、少なくとも7日間以上、経口給与することを特徴とする、烏骨鶏の肉中の過酸化脂質の生成の抑制方法。
  2. 烏骨鶏が、東京うこっけいである、請求項1に記載の方法。
  3. 烏骨鶏にアシタバを、乾燥重量として、1日に2.846mg/g・体重以上の割合で、少なくとも7日間以上、経口給与することを特徴とする、烏骨鶏の血中の抗酸化活性の増強方法。
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