JP6123454B2 - 有機含窒素化合物含有ガスの処理装置、有機含窒素化合物含有ガスの処理剤及び成膜装置 - Google Patents

有機含窒素化合物含有ガスの処理装置、有機含窒素化合物含有ガスの処理剤及び成膜装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機含窒素化合物含有ガスの処理装置、有機含窒素化合物含有ガスの処理剤及び成膜装置に関する。
近年、排気ガスによる環境負荷を低減するために、排気ガスに対する規制が厳しくなってきている。これに伴い、排気ガスの処理方法が種々提案されている。例えば、特許文献1では、NHを含むガスの処理方法及び処理装置が提案されている。
特開2002−239341号公報
例えば、金属酸化物膜を成膜する際に、窒素を含む金属錯体を用いた場合などにおいては、窒素を含む有機物である有機含窒素化合物を含む排気ガスが排出されることも考えられる。しかしながら、有機含窒素化合物を含む排気ガスの好適な処理方法が提案されていないのが現状である。
本発明の主な目的は、有機含窒素化合物含有ガスを好適に処理し得る処理装置を提供することにある。
本発明に係る有機含窒素化合物含有ガスの処理装置は、処理室と、処理剤とを備える。処理室は、導入口と、排出口とを有する。導入口からは、有機含窒素化合物含有ガスが導入される。排出口からは、処理されたガスが排出される。処理剤は、処理室内に配されている。処理剤は、有機含窒素化合物含有ガスに含まれる有機含窒素化合物の濃度を低減させる。処理剤は、活性白土、ゼオライト及び活性炭のうちの少なくとも一種を含む。
本発明に係る有機含窒素化合物含有ガスの処理剤は、有機含窒素化合物含有ガスに含まれる有機含窒素化合物の濃度を低減させる処理剤である。本発明に係る有機含窒素化合物含有ガスの処理剤は、活性白土、ゼオライト及び活性炭のうちの少なくとも一種を含む。
本発明に係る成膜装置は、成膜室と、供給部と、処理装置とを備える。成膜室は、膜を成膜するための室である。供給部は、膜の原料として、窒素を含む配位子を有する金属錯体を供給する。処理装置は、成膜室に接続されている。処理装置は、処理室と、処理剤とを有する。処理室は、導入口と、排出口とを有する。導入口には、成膜室から排出される有機含窒素化合物含有ガスが導入される。排出口からは、処理されたガスが排出される。処理剤は、処理室内に配されている。処理剤は、有機含窒素化合物含有ガスに含まれる有機含窒素化合物の濃度を低減させる。処理剤は、活性白土、ゼオライト及び活性炭のうちの少なくとも一種を含む。
本発明によれば、有機含窒素化合物含有ガスを好適に処理し得る処理装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る有機含窒素化合物含有ガスの処理装置の模式図である。 本発明の一実施形態における検知部の模式的断面図である。 変形例における検知部の模式的断面図である。 本発明の一実施形態における成膜装置の模式図である。 実験例1において作製した処理装置の模式図である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
(処理装置1の概略構成)
図1に示されるように、有機含窒素化合物含有ガスの処理装置1は、処理室10を備えている。処理室10には、有機含窒素化合物含有ガスが導入される。処理室10において、導入された有機含窒素化合物含有ガスにおける有機含窒素化合物の濃度が低減される。
なお、有機含窒素化合物含有ガスは、有機含窒素化合物のみからなるガスであってもよいし、有機含窒素化合物と、その他のガスとを含む混合ガスであってもよい。また、有機含窒素化合物ガスは、複数種類の有機含窒素化合物を含んでいてもよい。通常は、有機含窒素化合物含有ガスは、複数種類の有機含窒素化合物と、その他のガスを含む混合ガスであることが多い。
処理室10は、有機含窒素化合物含有ガスに対する耐久性に優れたものである限りにおいて特に限定されない。処理室10の容量は、処理しようとする有機含窒素化合物含有ガスの量や、供給される有機含窒素化合物含有ガスにおける有機含窒素化合物の濃度等に応じて適宜設定することができる。
処理室10は、導入口11と、排出口12とを有する。導入口11には、導入管33が接続されている。有機含窒素化合物含有ガスは、この導入管33を経由して、導入口11から処理室10内に導入される。
導入管33の上流側端部に、例えば、排気ガスに含まれる固形物を除去するトラップが接続されていてもよい。すなわち、排気ガスの発生源と処理室10との間に、例えば、排気ガスに含まれる固形物を除去するトラップが設けられていてもよい。このトラップを設けることにより、処理室10に固形物が流入することを抑制することができる。トラップとしては、例えば、コールドトラップ装置やフィルタートラップ装置などが好ましく用いられる。
処理室10内には、処理剤34が配されている。この処理剤34は、有機含窒素化合物含有ガスに含まれる有機含窒素化合物の濃度を低減させる。このため、処理室10内において、有機含窒素化合物含有ガスにおける有機含窒素化合物の濃度が低減される。この有機含窒素含有化合物の濃度が低減された有機含窒素化合物含有ガス(以下、「処理済みガス」とすることがある。)は、排出口12と、排出口12に接続された排気管35とを経由して処理装置1の外部に排出される。
なお、処理済みガスは、処理室10に導入された有機含窒素化合物含有ガスよりも有機含窒素化合物の濃度が低いガスであればよい。処理済みガスは、有機含窒素化合物を含んでいなくてもよいし、含んでいてもよい。処理済みガスに含まれる有機含窒素化合物の濃度の上限は、処理装置1に要求される性能等に応じて適宜設定することができる。
処理時の処理室10の温度は、使用する処理剤34の種類、導入される有機含窒素化合物含有ガスの種類、量等に応じて適宜設定することができる。処理時の処理室10の温度は、例えば、0℃〜200℃程度とすることができる。処理時の処理室10の温度は、例えば、0℃〜90℃であることが好ましく、常温であってもよい。処理時の処理室10の温度を常温より高い温度または低い温度にする場合は、加熱機構や冷却機構などの温度調節機構を設けてもよい。
処理時の処理室10の圧力も、使用する処理剤34の種類、導入される有機含窒素化合物含有ガスの種類、量等に応じて適宜設定することができる。処理時の処理室10の圧力は、例えば、常圧であってもよい。また、処理室10を減圧または加圧した状態で処理を行ってもよい。
処理室10に導入される有機含窒素化合物含有ガスの流量は、要求される処理能力、使用する処理剤34の種類、導入される有機含窒素化合物含有ガスの種類、量等に応じて適宜設定することができる。処理室10に導入される有機含窒素化合物含有ガスの流量は、例えば、例えば、0.1リットル/分〜40000リットル/分であることが好ましく、1リットル/分〜20000リットル/分であることがより好ましく、10リットル/分〜1000リットル/分であることがさらに好ましい。
有機含窒素化合物含有ガスにおける有機含窒素化合物の濃度は、特に限定されない。有機含窒素化合物含有ガスにおける有機含窒素化合物の濃度は、例えば、5ppm〜50000ppmであることが好ましく、100ppm〜30000ppmであることがより好ましく、500ppm〜5000ppmであることがさらに好ましい。
(有機含窒素化合物)
有機含窒素化合物は、窒素を含む有機物である。有機含窒素化合物は、例えば、アミン化合物、イミン化合物、複数種類のアミン化合物が結合した化合物、及び、少なくとも一種のアミン化合物と少なくとも一種のイミン化合物とが結合した化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種を含んでいてもよい。有機含窒素化合物は、例えば、モノアルキルアミン、一般式(a)で表される化合物、一般式(b)で表される化合物、一般式(c)で表される化合物、一般式(d)で表される化合物、一般式(e)で表される化合物、一般式(f)で表される化合物、一般式(g)で表される化合物、一般式(h)で表される化合物及び一般式(i)で表される化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種を含んでいてもよい。なお、モノアルキルアミンの具体例としては、例えば、モノメチルアミン、t−ブチルアミンなどが挙げられる。
Figure 0006123454
このような有機含窒素化合物を含む有機含窒素化合物含有ガスは、例えば、窒素を含む配位子を有する金属錯体が反応したとき、窒素を含む配位子を有する金属錯体が分解したとき、窒素を含む配位子を有する金属錯体が反応して生じた反応物が分解したときなどに発生する。従って、有機含窒素化合物含有ガスは、窒素を含む配位子を有する金属錯体が反応して生じたガス、窒素を含む配位子を有する金属錯体が分解して生じたガス、及び、窒素を含む配位子を有する金属錯体の反応物が分解して生じたガスの少なくとも一種を含んでいてもよい。
より具体的には、有機含窒素化合物含有ガスは、例えば、窒素を含む配位子を有する金属錯体を用いて例えば、金属膜や金属酸化物膜などの膜を製造する際に、窒素を含む配位子を有する金属錯体が反応、分解等することにより生じる。このため、有機含窒素化合物含有ガスは、窒素を含む配位子を有する金属錯体を用いて膜を製造する際に発生したガスを含んでいてもよい。
窒素を含む配位子を有する金属錯体としては、例えば、(アミドアミノアルカン)金属化合物が挙げられる。(アミドアミノアルカン)金属化合物は、下記一般式(1)で示される。
Figure 0006123454
一般式(1)において、Mは、金属原子を示す。Mは、Be(ベリリウム)、Ge(ゲルマニウム)、Nd(ネオジム)以外であることが好ましい。Mは、例えば、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、イットリウム、ルテニウム、アルミニウム、ランタンまたはインジウムであることが好ましく、マンガン、コバルト及び鉄の少なくとも一種であることがより好ましい。
一般式(1)において、nは、配位子の数を示す整数である。nは、金属Mの価数と等しく、通常1〜3の整数である。nが2以上の場合、2つ以上の配位子は同一であってもよく、異なっていてもよい。なお、配位子が2種以上の混合物の場合には、複数種の錯体ができることもある。
式(a)〜(i)及び式(1)において、Rは、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を示す。炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。Rは、炭素原子数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1〜5の直鎖状または分岐状のアルキル基であることがより好ましく、炭素原子数2〜5の直鎖状または分岐状のアルキル基であることがさらに好ましく、炭素原子数3〜5の直鎖状または分岐状のアルキル基であることがなお好ましい。具体的には、Rは、イソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基であることが特に好ましい。MがMg(マグネシウム)またはZn(亜鉛)の場合は、Rがメチル基以外の基であることが好ましい。MがBi(ビスマス)の場合は、Rがt−ブチル基以外の基であることが好ましい。
式(a)〜(i)及び式(1)において、R及びRは、それぞれ、炭素原子数1〜3の直鎖状または分岐状のアルキル基を示す。炭素原子数1〜3の直鎖状または分岐状のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。R及びRは、互いに結合して環(例えば、5員環や6員環など)を形成していてもよい。なかでも、R及びRは、それぞれ、炭素原子数1〜2のアルキル基(メチル基、エチル基)であることが好ましい。なお、R及びRは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
Zは、単結合、あるいは炭素原子数1〜5の直鎖状または分岐状のアルキレン基を示す。Zの一部は、環を形成していてもよい。Zは、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基を含んでいてもよい。但し、Zは、シクロアルキル基を含まない炭素原子数1〜10、好ましくは、炭素原子数1〜5の直鎖状または分岐状のアルキレン基であることが好ましい。Zの好ましい具体例としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、メチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、テトラエチレン基、2−メチルトリメチレン基、ヘキサメチレン基等などが挙げられる。Zが直鎖状のアルキレン基である場合は、Zにおける炭素原子数は、1〜3であることが好ましく、2であることがより好ましい。Zが分岐状のアルキレン基である場合は、Zは、例えば、下記の一般式で表される置換基であることが好ましい。
Figure 0006123454
上記一般式において、Zは炭素原子数1〜3の直鎖状アルキレン基を示す。Zの好ましい具体例としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基等が挙げられる。Zは、メチレン基であることがより好ましい。
上記一般式において、Rは炭素原子数1〜6の直鎖状または分岐状アルキル基、または炭素原子数3〜6のシクロアルキル基を示す。炭素原子数1〜6の直鎖状または分岐状アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基等が挙げられる。炭素原子数3〜6のシクロアルキル基の具体例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。Rは、炭素原子数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であることがより好ましく、炭素原子数1〜3の直鎖状のアルキル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。Zがメチレン基である場合は、Rが炭素原子数1〜3の直鎖状のアルキル基、より好ましくはメチル基であることが好ましい。
(アミドアミノアルカン)金属化合物の具体例としては、例えば、ビス(アミドアミノアルカン)マグネシウム化合物、(アミドアミノアルカン)リチウム化合物、ビス(アミドアミノアルカン)コバルト化合物、ビス(アミドアミノアルカン)マンガン化合物、ビス(アミドアミノアルカン)亜鉛化合物、ビス(アミドアミノアルカン)鉄化合物、ビス(アミドアミノアルカン)ニッケル化合物、トリス(アミドアミノアルカン)インジウム化合物、トリス(アミドアミノアルカン)イットリウム化合物、トリス(アミドアミノアルカン)ランタン化合物などが挙げられる。
(処理剤34)
本実施形態では、処理剤34は、活性白土、ゼオライト及び活性炭のうちの少なくとも一種を含む。活性白土、ゼオライト及び活性炭は、それぞれ、有機含窒素化合物を吸着する。処理剤34は、活性白土、ゼオライト及び活性炭の1種のみを含んでいてもよいし、複数種類を含んでいてもよい。処理剤34は、活性白土、ゼオライト及び活性炭のうちの2種以上を独立して含んでいてもよいし、活性白土、ゼオライト及び活性炭のうちの2種以上が反応してなる材料を含んでいてもよい。処理剤34は、活性白土、ゼオライト及び活性炭のうちの少なくとも一種に加え、例えば、有機含窒素化合物を分解させたり、反応させたりする触媒や、有機含窒素化合物の吸収剤をさらに含んでいてもよい。
活性白土、ゼオライト及び活性炭のうちの少なくとも一種を含む処理剤34は、単位体積当たりの有機含窒素化合物の吸着可能量が多い。このため、処理剤34を用いることにより、小型で処理能力に優れた処理装置1を実現することができる。
処理装置1の処理能力をより向上させる観点からは、処理剤34は、活性炭及びゼオライトのうちの少なくとも一方を含んでいることがより好ましい。
処理剤34に含まれるゼオライトは、X型のゼオライトを含むことが好ましい。X型のゼオライトを用いることにより処理能力をさらに向上できる理由としては、定かではないが、細孔容積・細孔径が大きいため、有機含窒素化合物の吸着容量が多く・吸着速度が高いことが考えられる。ここで、「X型のゼオライト」とは、結晶構造がX型であるゼオライトをいう。
処理剤34に含まれるゼオライトは、バインダーレスのゼオライトを含むことが好ましい。バインダーレスのゼオライトは、焼成によりゼオライトを生成させる際に、バインダーを実質的に用いなかったゼオライトである。従って、バインダーレスのゼオライトにおいては、ゼオライト以外の材料の含有量が少ない。このため、バインダーレスのゼオライトを用いることにより処理能力をさらに向上させることができる。処理能力をさらに向上させる観点からは、ゼオライトの含有量が98重量%以上であることが好ましい。また、SiO/Al比が2〜3であることが好ましい。ゼオライトに主として含まれる陽イオンは、NaまたはKであることが好ましい。
バインダーレスX型ゼオライトは、例えば、次のようにして製造することができるが、これに限定されるものではない。
まず、合成X型ゼオライト粉末、該合成X型ゼオライト粉末との合計に対して20〜25wt%の平均粒子径1.5μm以上のカオリン型粘土、および該カオリン型粘土中のアルミニウムに対してNaOH/Alモル比0.25以下の水酸化ナトリウムからなる混合物を水分の調整をしながら全てが均一になるよう混合混練した後、所望の形に成形する。次いで、得られた成形体を乾燥させた後、カオリン型粘土が焼結し、メタカオリン型粘土に転移する温度、具体的には、550℃以上、好ましくは600℃で焼成する。そして、必要に応じて焼成した成形体を飽和水分吸着量程度まで加湿した後、濃度1.5〜2.5mol/Lの水酸化ナトリウムと0.1〜0.2mol/Lの珪酸ナトリウムとの混合水溶液と接触(浸漬)させ、通常X型ゼオライトを合成する温度条件、例えば40℃で1時間程度の熟成操作をした後、90℃で8時間程度保持して結晶化させて、成形体中のカオリン型粘土を純粋なX型ゼオライトに転化させる。転化終了後、成形体を水酸化ナトリウムおよび珪酸ナトリウム混合溶液中から取出し、水で十分洗浄した後、成形体を乾燥する。活性化するために、この乾燥品をさらに焼成してもよい。用いる合成X型ゼオライト粉末は、通常、NaX型ゼオライトでよく、公知の方法、すなわちアルミン酸ナトリウムと珪酸ナトリウムとから合成することができる。
なお、バインダーレスX型ゼオライトとしては、NaX型以外のバインダーレスX型ゼオライトを用いることもできるが、好ましくはNaX型ゼオライトである。
バインダーレスX型ゼオライトは、例えば東ソー株式会社製、ゼオラムF−9HA等を使用することができる。
処理剤34に含まれるゼオライトの細孔径は、3Å〜15Åであることが好ましく、5Å〜10Åであることがより好ましい。処理剤34に含まれるゼオライトの細孔径が小さすぎると、ゼオライトの細孔内に吸着させたい有機含窒素化合物が侵入できなくなり、有機含窒素化合物が吸着し得る表面積が小さくなるためである。処理剤34に含まれるゼオライトの細孔径が大きすぎる場合も、有機含窒素化合物が吸着し得る表面積が小さくなるためである。
処理剤34は、例えば、粉末状であってもよいし、粒状、タブレット状などであってもよい。なかでも、処理剤34が粒子状である場合、処理剤34の粒子径は、0.1mm〜5mmであることが好ましく、0.5mm〜2mmであることがより好ましい。
(検知部36)
図1に示されるように、排気管35には、検知部36が設けられている。検知部36は、有機含窒素化合物を検知する。検知部36を設けることにより、排気管35から排気されるガスに有機含窒素化合物が所定濃度以上の濃度で含まれているか否かを検知することができる。
例えば、ロードセルなどの重量検出機構を用いて処理剤34の重量を管理することにより、処理能力の劣化度合いを管理することも考えられる。しかしながら、例えば、有機含窒素化合物含有ガスが複数種類の有機含窒素化合物を含んでおり、複数種類の有機含窒素化合物の含有比率が変化するような場合には、ロードセルを用いた管理では、処理剤34の処理能力の劣化度合いを高精度に検出することは困難である。また、処理剤34の重量増加量が同じであっても、ガスの導入される流量、ガスが連続的に導入されたか、またはガスが間欠的に導入されたかなどにより、処理剤34の現在の処理能力にばらつきが生じる。従って、処理剤34の重量増加量により処理剤34の処理能力を管理する場合は、所定濃度以上の濃度で有機含窒素化合物が含まれるガスが排気管35を経由して排気することを確実に規制するために、予想される許容重量増加量よりも少ない増加量のときに処理剤34を交換する必要がある。従って、処理剤34の利用効率が低くなる。その結果、有機含窒素化合物含有ガスの処理に要するコストが上昇する。
一方、排気管35に設けられた検知部36により排気されるガスに含まれる有機含窒素化合物を直接検知する場合は、処理剤34の処理能力の低下を正確かつ確実に検出することができる。よって、処理剤34の処理能力が所望する処理能力となるまで処理剤34を使用することができる。よって、処理剤34の利用効率が高い。その結果、検知部36を設けることにより、有機含窒素化合物含有ガスの処理に要するコストを低減することができる。
検知部36は、有機含窒素化合物を検知できるものであれば特に限定されない。検知部36は、例えば、定電位電解方式ガス検知器、ガスクロマト分析機、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)、pH検知剤(破過検知剤(アンモニア用)を有するもの、ガス検知管などであってもよい。なお、本実施形態では、検知部36は、排気管35に設けられているが、検知部36の種類によっては、排気管35に接続された管に検知部36が接続されていてもよい。
検知部36は、例えば、pH検知剤などの、有機含窒素化合物と接触した際に色度が変化する検知剤を有することが好ましい。図2に示されるように、本実施形態では、具体的には、検知部36は、検知部本体36aを有する。検知部本体36aの内部には、排気管35に接続された内部空間が区画形成されている。この内部空間内に、pH検知剤36bが収容されている。検知部本体36aには、pH検知剤36bが収容された内部空間に臨む観察窓36a1が設けられている。この観察窓36a1を通して、pH検知剤36bの色度を観察することができる。よって、例えば、処理装置1の操作者が観察窓36a1を通してpH検知剤36bを観察することにより、処理剤34の処理能力が所望する処理能力よりも低くなっていないか(処理剤34が寿命を迎えていないか)を確認することができる。
また、図3に示されるように、pH検知剤36bの色度を測定する測定部36cを設けてもよい。例えば、測定部36cは、測定したpH検知剤36bの色度と、処理能力が劣化したと判断する色度として、予め設定された色度とを比較し、処理剤34の劣化度合いを判定する。このような測定部36cを設けることにより、処理剤34の劣化度合いを正確に測定することができる。測定部36cは、例えば、色度計、色相判別器(カラーセンサー)等により構成することができる。
測定部36cを設け、処理剤34の寿命を自動的に測定する場合は、測定部36cが処理剤34の処理能力が予め定められた処理能力よりも低くなったと判断した際に、処理装置1の操作者等に放置する報知部をさらに設けてもよい。
(成膜装置2)
本実施形態の処理装置1は、有機含窒素化合物含有ガスが排出される装置に好適に使用される。具体的には、例えば、処理装置1は、図4に示される成膜装置2に対して好適に使用される。成膜装置2は、窒素を含む配位子を有する金属錯体を用いて、金属膜や金属酸化物膜等を成膜する装置である。
図4に示されるように、成膜装置2は、成膜室41を有する。成膜室41は、膜を成膜するための部屋である。成膜室41には、供給部40が接続されている。供給部40は、膜の原料として、例えば上記一般式(1)で示される金属錯体などのような、窒素を含む配位子を有する金属錯体を成膜室41に供給する。成膜室41において、供給部40から供給された金属錯体を原料として成膜が行われる。成膜室41において行われる成膜の方法は、特に限定されない。成膜室41は、例えば、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition:CVD)法や、原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法などにより金属膜や、金属酸化物膜等を成膜する部屋であってもよい。
窒素を含む配位子を有する金属錯体は、成膜しようとする膜の種類によって適宜選択することができる。窒素を含む配位子を有する金属錯体としては、例えば、上記 一般式(1)で示される(アミドアミノアルカン)金属化合物が挙げられる。
成膜装置2は、処理装置1を有する。このため、成膜装置2では、有機含窒素化合物の排出量が少ない。よって、環境負荷の小さな成膜装置2を実現することができる。また、処理装置1と成膜室41との間に、固形物をトラップするトラップ42が設けられている。このため、処理装置1に固形物が流入することが抑制されている。
次に、実験例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(実験例1)
実験例1においては、図5に示される処理装置を作製し、t−ブチルアミン[以下、(CHCNHと称する。]の処理実験を行った。
ステンレス製カラム18に、(CHCNH吸着剤(処理剤)19として活性白土(水澤化学工業(株)製、商品名:ガレオナイト)を300ml充填した。ステンレス製カラム18の内径は、5.45cmであった。ステンレス製カラム18の断面積は、23cmであった。
次いで、窒素ガス供給ライン13から供給される窒素ガス(N)と、t−ブチルアミン供給ライン14から気化器17を経由して供給される(CHCNHガスとが混合された混合ガスを、常圧下、25℃において、ステンレス製カラム18に、流量5067ml/分で供給した。混合ガスにおいて、(CHCNH:Nは、0.6体積%:99.4体積%であった。従って、ステンレス製カラム18には、(CHCNHが流量27ml/分で供給され、Nが流量5040ml/分で供給された。なお、混合ガスの流量は、アズビル製のマスフローコントローラー15,16により制御した。
(混合ガスの処理条件)
線速度:3.6cm/秒
接触時間:4秒
空間速度:1012時間−1
(検知方法)
ステンレス製カラム18の下流側に、pH検知剤(光明理化学工業製 破過検知剤 アンモニア用)20及びガス検知器(理研計器製GDK71D、ジメチルアミン用センサー)23をステンレス製カラム18側からのこの順番で接続し、これらpH検知器20及びガス検知器23により(CHCNHを検知した。なお、pH検知剤20による検知は、色相判別器((株)キーエンス製 カラーセンサー)26によりpH検知剤20の色度(具体的には、色相)を検出することにより行った。
また、pH検知剤20の下流側に、ガス検知器23と並列に接続されたガス検知管(株式会社ガステック製 反応式検知管、型番:180L)25によってもの検知を行った。ガス検知管25によって(CHCNHが検知された時点を破過として判断した。この破過までの(CHCNHの供給量[(CHCNH導入ガス流量(27ml/分)×破過までの時間]を求め、破過能力を示す破過流通量(mol/L)を次式から算出した。
破過流通量(mol/L)=破過までの(CHCNH供給量(L)/22.4(L)/吸着剤充填量(300ml=0.3L)
結果を表1に示す。
(実験例2)
処理剤19として、活性炭(クラレケミカル(株)製、商品名;GG4/8)300mlを用いたこと以外は、実験例1と同様にして処理実験を行った。結果を表1に示す。
(実験例3)
処理剤19として、バインダレスX型ゼオライト(東ソー株式会社製、ゼオラムF−9HA)300mlを用いたこと以外は、実験例1と同様にして処理実験を行った。結果を表1に示す。用いたゼオライトの細孔径は、9Åであった。
(実験例4)
処理剤19として、シリカゲル(富士シリシア化学(株)製、商品名;富士シリカゲルA型白)300mlを用いたこと以外は、実験例1と同様にして処理実験を行った。結果を表1に示す。
(実験例5)
処理剤19として、シリカゲル(水澤化学工業(株)製、商品名;ミズカナイト)300mlを用いたこと以外は、実験例1と同様にして処理実験を行った。結果を表1に示す。
(実験例6)
処理剤19として、酸化鉄(ズードケミー触媒(株)(本願出願時における社名:クラリアント触媒株式会社)製、商品名:N600E)300mlを用いたこと以外は、実験例1と同様にして処理実験を行った。結果を表1に示す。
(実験例7)
処理剤19として、硫酸鉄(ズードケミー触媒(株)(本願出願時における社名:クラリアント触媒株式会社)製、商品名:N500)300mlを用いたこと以外は、実験例1と同様にして処理実験を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006123454
表1に示される結果から、活性白土、活性炭、バインダーレスX型ゼオライトの単位体積あたりの(CHCNH処理可能量が多いことがわかる。特に、活性炭、バインダーレスX型ゼオライトの単位体積あたりの(CHCNH処理可能量が多いことがわかる。一方、アンモニアの好適な吸着剤である硫酸鉄の単位体積当たりの(CHCNH処理可能量は少なかった。このことから、アンモニアの好適な吸着剤が、有機含窒素化合物を必ずしも好適に吸着するとは限らないことが分かる。
また、実験例1〜7を行った結果、(CHCNHの濃度が5ppm以上となったときにpH検知剤20が黄色から青色に変化することを確認した。このpH検知剤20の色度変化を色相判別器26により検出することにより、(CHCNHが排出されることを検知できた。
(実験例8)
1−(t−ブチルアミノ)−2−ジメチルアミノエタン(以下、C20と称することがある。)の処理実験
実験例8においては、図5に示される処理装置と実質的に同様の処理装置を作製し、C20の処理実験を行った。
ステンレス製カラム18に、C20吸着剤(処理剤)19としてバインダーレスX型ゼオライト(東ソー株式会社製、商品名;ゼオラムF−9HA)を50ml充填した。ステンレス製カラム18の内径は、1.6cmであった。ステンレス製カラム18の断面積は、2cmであった。
次いで、C20とNとの混合ガスを、常圧下、25℃において、ステンレス製カラム18に、流量2510ml/分で供給した。混合ガスにおいて、C20:Nは、0.4体積%:99.6体積%であった。従って、ステンレス製カラム18には、C20が流量11ml/分で供給され、Nが流量2499ml/分で供給された。
(混合ガスの処理条件)
線速度:20.8cm/秒
接触時間:1秒
空間速度:2999時間−1
(検知方法)
ステンレス製カラム18の下流側に、pH検知剤(光明理化学工業製 破過検知剤 アンモニア用)20及びガス検知器(理研計器製GDK71D、ジメチルアミン用センサー)23をステンレス製カラム18側からこの順番で接続し、これらpH検知剤20及びガス検知器23によりC20を検知した。なお、pH検知剤20による検知は、色相判別器((株)キーエンス製 カラーセンサー)26によりpH検知剤20の色度を検出することにより行った。
また、pH検知剤20の下流側に、ガス検知器23と並列に接続されたガス検知管(株式会社ガステック製 反応式検知管、型番:180L)25によってもC20を検知した。ガス検知管25によって、C20が検知された時点を破過として判断した。この破過までのC20の供給量[C20導入ガス流量(11ml/分)×破過までの時間]を求め、破過能力を示す破過流通量(mol/L)を次式から算出した。
破過流通量(mol/L)=破過までのC20供給量(L)/22.4(L)/吸着剤充填量(50ml=0.05L)
結果を表2に示す。
Figure 0006123454
また、実験例8を行った結果、C20の濃度が5ppm以上となったときにpH検知剤20が黄色から青色に変化することを確認した。このpH検知剤20の色度変化を色相判別器26を用いることにより、C20が排出されることを検知できた。
1:処理装置
2:成膜装置
10:処理室
11:導入口
12:排出口
13:窒素ガス供給ライン
14:t−ブチルアミン供給ライン
15,16:マスフローコントローラー
17:気化器
18:ステンレス製カラム
20:pH検知剤
23:ガス検知器
25:ガス検知管
26:色相判別器
33:導入管
34,19:処理剤
35:排気管
36:検知部
36a:検知部本体
36a1:観察窓
36b:pH検知剤
36c:測定部
40:給部
41:成膜室
42:トラップ

Claims (13)

  1. 有機含窒素化合物含有ガスが導入される導入口と、処理されたガスが排出される排出口とを有する処理室と、
    前記処理室内に配されており、前記有機含窒素化合物含有ガスに含まれる有機含窒素化合物の濃度を低減させる処理剤と、
    を備え、
    前記処理剤は、活性白土、ゼオライト及び活性炭のうちの少なくとも一種を含み、
    前記有機含窒素化合物含有ガスが、下記の一般式(1)で表される金属錯体を用いて膜を製造する際に発生したガスである、有機含窒素化合物含有ガスの処理装置。
    Figure 0006123454

    (式中、Mは、マンガン、コバルト及び鉄の少なくとも一種である。R は、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を示す。R 及びR は、それぞれ、炭素原子数1〜3の直鎖状または分岐状のアルキル基を示す。R 及びR は、同一であってもよく、異なっていてもよい。Zは、−CH CH −、−CH CH CH −、又は−CHCH CH −を示す。nは、配位子の数を示し、金属Mの価数に等しく、1〜3の整数である。)
  2. 前記有機含窒素化合物が、アミン化合物、イミン化合物、複数種類のアミン化合物が結合した化合物、及び、少なくとも一種のアミン化合物と少なくとも一種のイミン化合物とが結合した化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1に記載の有機含窒素化合物含有ガスの処理装置。
  3. 前記有機含窒素化合物が、モノアルキルアミン、一般式(a)で表される化合物、一般式(b)で表される化合物、一般式(c)で表される化合物、一般式(d)で表される化合物、一般式(f)で表される化合物、一般式(g)で表される化合物、一般式(h)で表される化合物及び一般式(i)で表される化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載の有機含窒素化合物含有ガスの処理装置。
    Figure 0006123454

    (式中、Rは、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を示す。R及びRは、それぞれ、炭素原子数1〜3の直鎖状または分岐状のアルキル基を示す。R及びRは、同一であってもよく、異なっていてもよい。R及びRは、互いに結合して環を形成していてもよい。Zは、単結合、あるいは炭素原子数1〜5の直鎖状または分岐状のアルキレン基を示す。)
  4. 前記処理剤が、X型のゼオライトを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の有機含窒素化合物含有ガスの処理装置。
  5. 前記処理剤が、バインダーレスのゼオライトを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の有機含窒素化合物含有ガスの処理装置。
  6. 前記ゼオライトの細孔径が3Å〜15Åである、請求項1〜のいずれか一項に記載の有機含窒素化合物含有ガスの処理装置。
  7. 前記排出口に接続されており、前記有機含窒素化合物を検知する検知部をさらに備える、請求項1〜のいずれか一項に記載の有機含窒素化合物含有ガスの処理装置。
  8. 前記検知部は、前記有機含有窒素化合物と接触した際に色度が変化する検知剤を有する、請求項に記載の有機含窒素化合物含有ガスの処理装置。
  9. 前記検知部は、前記検知剤の色度を測定する測定部をさらに有する、請求項に記載の有機含窒素化合物含有ガスの処理装置。
  10. 有機含窒素化合物含有ガスに含まれる有機含窒素化合物の濃度を低減させる処理剤であって、
    活性白土、ゼオライト及び活性炭のうちの少なくとも一種を含み、
    前記有機含窒素化合物含有ガスが、下記の一般式(1)で表される金属錯体を用いて膜を製造する際に発生したガスである、有機含窒素化合物含有ガスの処理剤。
    Figure 0006123454

    (式中、Mは、マンガン、コバルト及び鉄の少なくとも一種である。R は、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を示す。R 及びR は、それぞれ、炭素原子数1〜3の直鎖状または分岐状のアルキル基を示す。R 及びR は、同一であってもよく、異なっていてもよい。Zは、−CH CH −、−CH CH CH −、又は−CHCH CH −を示す。nは、配位子の数を示し、金属Mの価数に等しく、1〜3の整数である。)
  11. 膜を成膜するための成膜室と、
    前記膜の原料として、下記の一般式(1)で表される金属錯体を供給する供給部と、
    前記成膜室に接続された処理装置と、
    を備え、
    前記処理装置は、
    前記成膜室から排出される有機含窒素化合物含有ガスが導入される導入口と、処理されたガスが排出される排出口とを有する処理室と、
    前記処理室内に配されており、前記有機含窒素化合物含有ガスに含まれる有機含窒素化合物の濃度を低減させる処理剤と、
    を有し、
    前記処理剤は、活性白土、ゼオライト及び活性炭のうちの少なくとも一種を含む、成膜装置。
    Figure 0006123454

    (式中、Mは、マンガン、コバルト及び鉄の少なくとも一種である。R は、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を示す。R 及びR は、それぞれ、炭素原子数1〜3の直鎖状または分岐状のアルキル基を示す。R 及びR は、同一であってもよく、異なっていてもよい。Zは、−CH CH −、−CH CH CH −、又は−CHCH CH −を示す。nは、配位子の数を示し、金属Mの価数に等しく、1〜3の整数である。)
  12. 下記の一般式(1)で表される金属錯体を用いて膜を製造する際に発生した有機含窒素化合物含有ガスを、活性白土、ゼオライト及び活性炭のうちの少なくとも一種を含む処理剤と接触させることにより前記有機含窒素化合物含有ガスに含まれる有機含窒素化合物の濃度を低減させる、有機含窒素化合物含有ガスの処理方法。
    Figure 0006123454

    (式中、Mは、マンガン、コバルト及び鉄の少なくとも一種である。R は、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を示す。R 及びR は、それぞれ、炭素原子数1〜3の直鎖状または分岐状のアルキル基を示す。R 及びR は、同一であってもよく、異なっていてもよい。Zは、−CH CH −、−CH CH CH −、又は−CHCH CH −を示す。nは、配位子の数を示し、金属Mの価数に等しく、1〜3の整数である。)
  13. 下記の一般式(1)で表される金属錯体を用いて成膜する成膜工程と、
    前記成膜工程において発生した有機含窒素化合物含有ガスを、活性白土、ゼオライト及び活性炭のうちの少なくとも一種を含む処理剤と接触させることにより前記有機含窒素化合物含有ガスに含まれる有機含窒素化合物の濃度を低減させる工程と、
    を備える、成膜方法。
    Figure 0006123454

    (式中、Mは、マンガン、コバルト及び鉄の少なくとも一種である。R は、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を示す。R 及びR は、それぞれ、炭素原子数1〜3の直鎖状または分岐状のアルキル基を示す。R 及びR は、同一であってもよく、異なっていてもよい。Zは、−CH CH −、−CH CH CH −、又は−CHCH CH −を示す。nは、配位子の数を示し、金属Mの価数に等しく、1〜3の整数である。)
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