以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
まず、図1および図2を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す概略平面図である。図1に示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や抽選に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持している。これにより、遊技盤2とガラス板との間に遊技球が移動する遊技領域10が形成されている。
遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に所定の角度だけ回転させると、皿28(図2参照)に溜められた遊技球が発射装置(不図示)へと案内されてハンドル20の回転角度に応じた打球力で当該発射装置によって発射される。発射された遊技球は、レール部材(不図示)によって遊技領域10の左上部位置へと案内される。この遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車が設けられており、遊技領域10の左上部位置に発射された遊技球は、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら、液晶表示器5の左側を通って遊技盤2に沿って落下する。遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に所定の角度以上回転させると、遊技球は強い打球力で打ち出されて、レール部材によって遊技領域10の右上部位置へと案内される。遊技領域10の右上部位置に発射された遊技球は、遊技クギ等に接触することでその移動方向を変化させながら、液晶表示器5の右側を通って遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。また、皿28と近接配置された取り出しボタン23(図2参照)を遊技者が操作すると、皿28の下面の一部が開口されて、皿28に溜まった遊技球が皿28の下方に配置された不図示の箱に落下する。
また、遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車の他に、入賞や抽選に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、普通入賞口14、ゲート15、電動チューリップ16等の公知の部材が配置されている。
遊技球は、遊技盤2に沿って落下する過程で、ゲート15、普通入賞口14、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、および排出口17のいずれかに入球する。このとき、遊技球が普通入賞口14、第1始動口11、第2始動口12、または大入賞口13に入賞すれば、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が皿28に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口17を介して遊技領域10から排出される。
第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ16が作動している間だけ開放される入賞口である。第1始動口11または第2始動口12に遊技球が入賞すると、例えば、3個の賞球が得られる。なお、第2始動口12に遊技球が入賞した場合に、1個の賞球が得られてもよい。パチンコ遊技機1では、第1始動口11または第2始動口12に遊技球が入賞したことを契機として大当たり判定(特別図柄判定)が実行される。そして、大当たり判定の結果が大当たりである場合、大入賞口13が開放されて遊技者が多量の賞球を獲得可能な大当たり遊技(特別遊技)が開始される。
大入賞口13は、遊技領域10の中央領域であって第2始動口12の下方に設けられる。大入賞口13は、通常は閉塞された状態であり遊技球が入賞することはないが、大当たり判定の結果が大当たりであった場合に開放されて、遊技球が入賞可能となる。大入賞口13に遊技球が入賞すると、例えば、10個の賞球が得られる。
電動チューリップ16は、第2始動口12に近接配置されており、対の羽根部材を有している。この電動チューリップ16は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1参照)と、一対の羽根部材が第2始動口12を開放する開姿勢(不図示)との間で姿勢変化可能に構成されている。第2始動口12は、通常はこの電動チューリップ16によって閉塞されている。これに対して、遊技球がゲート15を通過したことを契機として普通図柄判定(第2始動口12の開閉判定)が実行され、この普通図柄判定(抽選)の結果が当たりである場合に、電動ソレノイド(不図示)が作動して、一対の羽根部材が規定時間だけ開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。その結果、第2始動口12への遊技球の入賞が可能となる。
以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として実行される大当たり判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として実行される大当たり判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定(特別図柄抽選)」と呼ぶものとする。
特別図柄判定の結果には、大当たり、およびハズレがあり、大当たりには複数の種類がある。例えば、大当たりには、所定の条件が満たされる(遊技球が10個入賞する、または開放から30秒経過する)まで大入賞口13の開状態が維持されるラウンドが15回繰り返される15R大当たり、上記ラウンドが5回繰り返される5R大当たり等がある。
また、遊技機1は、特別図柄判定の結果が大当たりとなった場合に、遊技状態が変動することがある。具体的には、大当たり遊技後に、遊技機1の遊技状態が、特別図柄抽選の当選確率が低い低確率遊技状態(例えば、当選確率が1/300)から当選確率が高い高確率遊技状態(例えば、当選確率が1/30)に移行することがある。
また、大当たり遊技後には、いわゆる「電サポ」が付与された状態である補助遊技状態(時短付き遊技状態)に移行することがある。補助遊技状態では、電動チューリップ16が動作し易く、第2始動口12に遊技球が入賞し易い。具体的には、補助遊技状態では、普通図柄抽選に当選する確率が通常よりも高く、普通図柄変動時間が通常よりも短くなるとともに、電動チューリップ16が動作して第2始動口12が開放される時間が通常よりも長くなる。高確率遊技状態かつ補助遊技状態である状態を、確変遊技状態ということがある。確変遊技状態は、例えば、次に大当たりとなるまで継続してもよいし、大当たり遊技後に特別図柄が変動して停止する回数(変動回数)が所定回数となるまで継続してもよい。また、低確率遊技状態であって補助遊技状態である状態を時短遊技状態ということがある。大当たり遊技後に時短遊技状態となった場合、大当たり遊技後の変動回数が所定回数(例えば、100回)となるまで補助遊技状態が継続し、その後、通常遊技状態(低確率遊技状態であって補助遊技状態でない状態)となる。
例えば、15R大当たりでは大当たり遊技後に確変遊技状態に移行し、5R大当たりでは大当たり遊技後に時短遊技状態に移行してもよい。
図1および図2に示されるように、遊技盤2または枠部材3には、各種演出を行う液晶表示器5、盤ランプ8、可動役物としての第1可動部材71、第2可動部材72、第3可動部材73、スピーカ24、および枠ランプ25が設けられている。
液晶表示器5は、演出画像を表示する画像表示手段であり、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。この液晶表示器5には、例えば、特別図柄判定の結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定が保留されていることを示す保留表示画像等の表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示手段は、例えばEL表示器等の他の画像表示器であってもよい。
盤ランプ8は、遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。スピーカ24は、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。枠ランプ25は、発光色や発光パターン、光の放射方向を変化させることによって光による演出を行う。
第1可動部材71、第2可動部材72、および第3可動部材73は、遊技球が通過しない位置に配置されている。後述するように、第1可動部材71と第2可動部材72とで第1演出役物70が構成され、第1可動部材71と第3可動部材73とで第2演出役物75が構成される。第1可動部材71、第2可動部材72、および第3可動部材73は、遊技盤2に対して可動に構成された可動役物であり、例えば内蔵された発光素子を発光させながら移動したり回転したりすることによって各種の演出を行う。これらの可動部材を用いた演出については、後に詳述する。
また、図2に示されるように、枠部材3には、遊技者が操作情報を入力するための演出ボタン26および演出キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。演出キー27は、十字キーとして機能する4つの周辺キーと、決定ボタンとして機能する中央キーとを有して構成されている。
[表示器4の構成]
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、上述した特別図柄判定や普通図柄判定の結果やこれらの権利の保留数に関する情報を表示するものである。図3に示されるように、表示器4は、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、および遊技状態表示器47を備えている。
第1特別図柄表示器41は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として特別図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の結果を示す特別図柄を停止表示する。第2特別図柄表示器42は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として特別図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の結果を示す特別図柄を停止表示する。上述した特別図柄判定の結果に応じて、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42に停止表示される図柄が予め定められている。例えば、15R大当たりの停止図柄や5R大当たりの停止図柄は、予め定められている。
また、第1特別図柄保留表示器43は第1特別図柄判定の保留数を表示し、第2特別図柄保留表示器44は第2特別図柄判定の保留数を表示する。普通図柄表示器45は、遊技球がゲート15を通過したことを契機として普通図柄を変動表示してから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、賞球として払い出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。
以下、図4を参照しつつ、パチンコ遊技機1の制御装置の構成について説明する。ここで、図4は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成例を示すブロック図である。図4に示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、抽選の実行や大当たり遊技の制御、演出制御部130へのコマンド送信処理等を制御する遊技制御部100、遊技制御部100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御部130、画像や音による演出を制御する画像音響制御部140、および各種のランプや可動役物7による演出を制御するランプ制御部150を備えている。また、図4に示す他に、パチンコ遊技機1は、賞球の払い出しを制御する払出制御部(図示せず)も備えている。
[遊技制御部100の構成]
遊技制御部100は、CPU101、ROM102、およびRAM103を備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、内部抽選や当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御部100には、第1始動口スイッチ(SW)111、第2始動口スイッチ(SW)112、電動チューリップ開閉部113、ゲートスイッチ(SW)114、大入賞口スイッチ(SW)115、大入賞口制御部116、普通入賞口スイッチ(SW)117、および表示器4が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。電動チューリップ開閉部113は、遊技制御部100からの制御信号に応じて、電動チューリップ16の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート15を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。大入賞口スイッチ115は、遊技球が大入賞口13に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。大入賞口制御部116は、遊技制御部100からの制御信号に応じて、大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、大入賞口13を開閉する。普通入賞口スイッチ117は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。
遊技制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ115、または普通入賞口スイッチ117からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御部に指示し、払出制御部からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
CPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、CPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、特別図柄判定の結果が大当たりになると、大入賞口制御部116を介して大入賞口13の開閉させることによって、特別遊技を実行する。また、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、普通図柄判定の結果が当たりになると、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ16を動作させることによって、第2始動口12を一時的に開放する。
また、CPU101は、特別図柄の変動開始や変動停止を示す情報を演出制御部130に送信する。また、CPU101は、特別図柄抽選の当選確率の変動設定や、普通図柄抽選の当選確率の変動設定に関する情報を演出制御部130に送信する。また、CPU101は、特別図柄の変動時間の短縮設定を示すデータ、第1始動口11または第2始動口12に遊技球が入賞したことを通知するための情報等を演出制御部130に送信する。
また、CPU101は、表示器4に対して、以下のような処理を実行する。すなわち、CPU101は、第1特別図柄判定を実行すると、第1特別図柄表示器41に特別図柄を変動表示させた後にその判定結果を示す特別図柄を停止表示させる。また、CPU101は、第2特別図柄判定を実行すると、第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させた後にその判定結果を示す特別図柄を停止表示させる。また、CPU101は、普通図柄判定を実行すると、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させた後にその判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。
また、CPU101は、第1特別図柄判定の保留数を第1特別図柄保留表示器43に表示させ、第2特別図柄判定の保留数を第2特別図柄保留表示器44に表示させ、普通図柄判定の保留数を普通図柄保留表示器46に表示させる。また、CPU101は、パチンコ遊技機1の遊技状態を遊技状態表示器47に表示させる。
[演出制御部130の構成]
演出制御部130は、CPU131、ROM132、RAM133、およびRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時を計測する。
演出制御部130は、遊技制御部100から送られる特別図柄判定の結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン26または演出キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。演出制御部130は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140およびランプ制御部150に送信する。
[画像音響制御部140の構成]
画像音響制御部140は、CPU141、ROM142、およびRAM143を備えている。CPU141は、ROM142に記憶されたプログラムに基づいて、演出内容を表現する画像を制御する際の演算処理を行う。図には示されていないが、画像音響制御部140は、液晶表示器5に表示される演出画像を生成するVDP(Video Display Processor)、およびスピーカ24から出力される音響データを生成する音響DSP(Digital Signal Processor)を備えている。CPU141は、演出制御部130からのコマンドおよびROM142に記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成してVDPおよび音響DSPに出力することによって、VDPおよび音響DSPの動作を制御する。
音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSPは、CPU141からの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24へ出力する。
VDPは、演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、および描画エンジンによって描画された演出画像を液晶表示器5に出力する出力回路を有している。描画エンジンは、CPU141からの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、このフレームバッファに描画された演出画像を所定のタイミングで液晶表示器5に出力する。
[ランプ制御部150の構成]
ランプ制御部150は、CPU151、ROM152、およびRAM153を備えている。CPU151は、ROM152に記憶されたプログラムに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ25、第1可動部材71、第2可動部材72、および第3可動部材73の動作を制御する際の演算処理を行う。RAM153は、CPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。
ROM152には、発光パターンデータおよび動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ25、盤ランプ8、第1可動部材71、第2可動部材72、および第3可動部材73が備える発光素子のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動役物7の動作パターンを示すデータである。
CPU151は、ROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをRAM153に読み出して、盤ランプ8、枠ランプ25、第1可動部材71、第2可動部材72、および第3可動部材73の発光素子の発光を制御する。また、CPU151は、ROM152に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをRAM153に読み出して、第1可動部材71、第2可動部材72、および第3可動部材73を動作させるモータの駆動を制御する。
[本実施形態の遊技機の動作概要]
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1の動作概要について説明する。遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞すると、後述する各種乱数が取得され、特別図柄が変動を開始する。具体的には、取得された乱数に基づいて、大当たりか否か、特別図柄の変動パターン、特別図柄の変動中に行われる演出が決定され、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動が開始されるとともに、決定された演出が行われる。特別図柄の変動中に行われる演出としては、液晶表示器5において変動表示される装飾図柄を用いた演出、キャラクタ画像等を用いた演出、可動役物を用いた演出が行われる。
以下では、図5〜図10を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1における可動役物を用いた演出の概要について説明する。
図5は、液晶表示器5の画面周辺に配置される第1演出役物70を用いた演出を示す図であり、特別図柄判定の結果が大当たりである場合における演出を示す図である。図5に示すように、液晶表示器5の周辺には、第1演出役物70が配置される。第1演出役物70は、第1可動部材71(ボール役物)と、第2可動部材72(バット役物)とを含む演出用の可動役物である。
第1可動部材71は、表面が遊技者に視認可能になるような姿勢(第1姿勢)と裏面が遊技者に視認可能になるような姿勢(第2姿勢)とに変化可能に構成された、可動役物である。第1可動部材71は、初期的には、第1姿勢にて例えば液晶表示器5の画面の左側に配設され、演出が行われる際には画面の中央付近まで移動可能に構成されている。第1可動部材71の表面には、野球のボールを模した装飾が施されている。また、第1可動部材71は、LED等の発光部を備え、演出が行われる際に発光部が発光することにより、光を用いた演出が可能に構成されている。
第2可動部材72は、初期的には液晶表示器5の画面の右側に配設されており、演出が行われる際には画面の中央付近まで移動可能に構成されている。第2可動部材72は、野球のバットを模したバット部材とバッターの腕を模した腕部材とを含み、腕部材が移動および回転することで、液晶表示器5の画面に並行な方向にバット部材を移動させることが可能に構成されている。
図5(A)に示すように、第1演出役物70を用いた演出が開始されると、第1可動部材71は、画面の右方向に移動を開始し、第2可動部材72は、画面の左方向に移動を開始する。第1可動部材71および第2可動部材72の動作開始後、第1可動部材71と第2可動部材72とが近接する位置に移動する(図5(B))。
その後、第1可動部材71と第2可動部材72とは、近接状態を維持しつつ、画面の右側に移動し(図5(C))、図5(C)に示す状態で第1可動部材71および第2可動部材72が所定時間停止する。そして、第1可動部材71と第2可動部材72とは近接状態を維持したまま、画面の左方向に移動し(図5(D))、その後、第2可動部材72は途中で左方向への移動を停止し、第1可動部材71のみが左方向にさらに移動して、第1可動部材71と第2可動部材72とは離反する(図5(E)。そして、そのまま第1可動部材71と第2可動部材72とは初期位置に戻り、第1可動部材71および第2可動部材72を用いた大当たり時の演出(第1演出役物70を用いた演出)は終了する。
このように、特別図柄判定の結果が大当たりである場合には、当該判定に係る特別図柄の変動中に図5に示す第1演出役物70(可動役物)による演出が行われる。その後、大当たりを示す装飾図柄が液晶表示器5に停止表示され、大当たり遊技が行われる。
図6は、図5(B)および(C)に示す動作の詳細を示す図である。図6(A)に示すように、演出が開始されると、第1可動部材71はスライド部材710によって初期位置から右方向に移動される。例えば、ステッピングモータからの駆動力によって、第1可動部材71が右方向に移動される。また、第2可動部材72は、例えばステッピングモータからの駆動力によって初期位置から左方向に移動されるとともに、他のステッピングモータによって腕部材が軸周りに反時計回りに所定の角度だけ回転される。このようにして、図6(A)に示すように、第1可動部材71および第2可動部材72のバット部材(の一部)が近接状態となるように、第1可動部材71および第2可動部材72は制御される。
この近接状態から、第1可動部材71および第2可動部材72(の一部)は右方向に移動される(図6(B))。具体的には、第1可動部材71がさらに右方向に移動するとともに、第2可動部材72が軸周りに時計回りに所定の角度だけ回転されて第2可動部材72の一部(ボールと近接する部分)が右方向に移動する。
図7は、図5(D)および(E)に示す動作の詳細を示す図である。図6(B)に示す動作の後、図7(A)に示すように、第1可動部材71および第2可動部材72(の一部)は、近接状態を維持しつつ、左方向に移動する。具体的には、第1可動部材71が左方向に移動するとともに、第2可動部材72が軸周りに反時計回りに所定の角度だけ回転されることによって第2可動部材72の一部(ボールと近接する部分)が左方向に移動する。
その後、図7(B)に示すように、第1可動部材71は左方向にさらに移動し、第2可動部材72の一部は途中で左方向への移動を停止する。具体的には、第1可動部材71が左方向にさらに移動するとともに、第2可動部材72の反時計回りへの回転が停止する。
このように、ボールとバットとが近接するように第1可動部材71および第2可動部材72とが制御され、ボールがバットで打ち返されることを遊技者に期待させる演出が行われる(図6(B))。そして、特別図柄判定の結果が大当たりである場合には、ボールがバットで打ち返されるときの演出が行われた後(図7(A))、ボールが打ち返された方向に飛んでいく演出(図7(B))が行われる。
次に、図8を用いて特別図柄判定の結果がはずれである場合における可動役物を用いた演出について説明する。図8は、第1演出役物70を用いた演出を示す図であり、特別図柄判定の結果がハズレである場合における演出を示す図である。
図8(A)から図8(C)に示す第1可動部材71および第2可動部材72の動作は、図5(A)から図5(C)に示す動作と同じである。すなわち、第1可動部材71と第2可動部材72とが移動して近接状態になり、図8(C)に示すような状態(バットがボールに押された状態)となる。そして、特別図柄判定の結果がハズレである場合には、図5(D)および図5(E)に示す演出は行われずに、図8(D)に示すように、第1可動部材71および第2可動部材72は、収納位置へと移動して、そのまま収納される。
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1演出役物70による演出として、第1可動部材71および第2可動部材72を用いた演出が行われる。特別図柄判定の結果が大当たりである場合には、第1可動部材71と第2可動部材72とが近接状態となり、当該近接状態を維持しつつ第1可動部材71および第2可動部材72が所定方向(左方向)に移動して、第2可動部材72が第1可動部材71に影響を及ぼすような演出(ボールをバットで打ち返すような演出)が行われる。そして、第1可動部材71はさらに所定方向に移動して、第1可動部材71および第2可動部材72は離反する。
一方、特別図柄判定の結果がハズレである場合には、第1可動部材71と第2可動部材72とが近接状態となった後、第1可動部材71および第2可動部材72が所定方向(左方向)に移動する動作は行われずに、第1可動部材71および第2可動部材72は収納位置にそれぞれ収納される。すなわち、第2可動部材72が第1可動部材71に影響を及ぼすような演出が行われないまま、第1可動部材71および第2可動部材72は離反して、それぞれ収納される。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1において行われる他の可動役物による演出について説明する。図9は、特別図柄の変動中に行われる第2演出役物75を用いた演出の一例を示す図である。
図9に示すように、可動役物を用いた演出が開始されると、第1可動部材71が初期位置から右方向に移動を開始し(図9(A))、第1可動部材71は所定位置で停止する(図9(B))。次に、当該所定位置にて、第1可動部材71は、その裏面(図9(A)および(B)において液晶表示器5の画面と対向する面)が遊技者に視認可能になるように、回転する(図9(C))。第1可動部材71の裏面には、太陽を模した装飾が施されている。次に、図9(D)に示すように、裏面が視認可能となるように回転した第1可動部材71の周辺を囲むようにして、第3可動部材73が出現する。
ここで、第3可動部材73は、第2演出役物75の一部を構成する可動役物であり、第2演出役物75による演出が行われないときは、液晶表示器5の周辺に収納されている。例えば、第3可動部材73は、遊技盤2よりも前面であって、液晶表示器5の周辺に設けられた装飾部材の背面に収納されており、演出が行われないときは、遊技者に視認されないような位置に収納される。そして、第2演出役物75による演出が行われるときに、第3可動部材73が動作して、図9(D)に示す位置に移動する。
例えば、第3可動部材73は、複数の部材によって構成され、動作時にはステッピングモータ等によって回転されて、収納位置から出現して液晶表示器5の前面に移動する。第3可動部材73は、第1可動部材71が図9(C)に存在する位置にある場合に、第1可動部材71を囲むように液晶表示器5の前面に移動するように構成される。これにより、第1可動部材71と第2可動部材72とを含む第2演出役物75が構成される。
このようにして、第1可動部材71と第3可動部材73とを含む第2演出役物75が構成されて、第2演出役物75を用いた演出が行われる。第2演出役物75は、例えば太陽を示す演出用の役物であり、LED等の発光部を備える。例えば、第2演出役物75を用いた演出では、発光部が発光したり、第1可動部材71および/または第3可動部材73が動作することにより、大当たりを示唆する演出が行われる。
図10は、第1可動部材71の回転前の姿勢と回転後の姿勢とを示す図である。図10に示すように、第1可動部材71は、初期的には回転されずに表面が遊技者に視認可能な姿勢(第1姿勢)である。第2演出役物75を用いた演出が行われる場合、第1可動部材71は、ガイド部材710によって所定位置まで移動された後、裏面が遊技者に視認可能な姿勢(第2姿勢)になるように回転される。例えば、第1可動部材71は、ステッピングモータからの駆動力によって回転可能に構成されている。
以上のように、本実施形態では、第1可動部材71が表面を向いている場合(表面が遊技者に視認可能な場合)には、第1可動部材71と第2可動部材72とを含む第1演出役物70が構成されて、当該第1演出役物70を用いた演出が行われる。また、第1可動部材71が裏面を向いている場合(裏面が遊技者に視認可能な場合)には、第1可動部材71と第3可動部材73とを含む第2演出役物75が構成されて、当該第2演出役物75を用いた演出が行われる。
このように、第1可動部材71をその姿勢によって、全く異なる2つの可動役物の一部として用いることにより、限られたスペースであってもより多くの演出用可動役物を用いた演出を行うことができる。また、1つの可動役物(第1可動部材71)が、あるときは第1演出役物70として構成され、別のときには第2演出役物75として構成されるため、遊技者に意外な印象を与えることができ、興趣性を向上させることができる。
なお、第1可動部材71と第2可動部材72とを含む第1演出役物70による演出が行われる場合には、図5や図8で示すように、第1可動部材71は、第3可動部材73が仮に動作した場合に第3可動部材73と干渉する位置まで移動する。一方、第1可動部材71と第3可動部材73とを含む第2演出役物75による演出が行われる場合には、第1可動部材71は、第3可動部材73が動作した場合に当該第3可動部材73と干渉しない位置に移動する。
すなわち、図9に示すように、第3可動部材73が動作すると、第3可動部材73は、第1可動部材71を囲む位置に移動するため、第1可動部材71が図9(C)に示す位置よりも右方向に移動すると、第1可動部材71と第3可動部材73とが干渉してしまう。このため、第2演出役物75による演出が行われる場合には、第1可動部材71は、図9(C)に示す位置よりも右側には移動しない。
一方で、第1演出役物70による演出が行われる場合には、第1可動部材71が第2可動部材72と近接する位置まで移動する必要があるため、第1可動部材71は、図9(C)に示す位置よりも右側に移動する。
このように、第1演出役物70による演出が行われる場合と、第2演出役物75による演出が行われる場合とでは、第1可動部材71の動作や可動範囲が異なる。また、第1可動部材71が2つの演出役物の構成要素の一部となっているため、第1演出役物70による演出と第2演出役物75による演出とは、同時に行われない。
なお、他の実施形態では、第1可動部材が2つの演出役物の構成要素の一部となり、2つの演出役物による演出が同時に行われてもよい。
また、本実施形態では、1回の特別図柄の変動に基づいて行われる演出(変動演出)において、上記第1演出役物70による演出、および第2演出役物75による演出が行われる。他の実施形態では、複数回の特別図柄の変動にわたって行われる演出として、上記演出が行われてもよい。また、本実施形態では、現在の特別図柄の変動(当該変動)における演出として、上記演出が行われるが、他の実施形態では、保留に対する予告演出として上記演出が行われてもよい。
[遊技制御部100によるメイン処理]
次に、図11を参照しつつ、遊技制御部100によって実行されるメイン処理について説明する。ここで、図11は、遊技制御部100によって実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図11に示されている一連の処理を割り込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図11以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御部100の処理は、ROM102に記憶されているプログラムをCPU101が実行することによって行われる。
まず、遊技制御部100のCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、および普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。ここで、大当たり乱数は、特別図柄判定の結果が大当たりか、ハズレかを決定するための乱数である。図柄乱数は、特別図柄判定の結果が大当たりであった場合に、大当たりの種類(15R大当たり、5R大当たり等)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、特別図柄判定の結果がハズレの場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数である。普通図柄乱数は、普通図柄抽選の当選または落選を決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、および普通図柄乱数は、予め定めれた範囲で変動し、このステップS1の処理が行われる毎に「1」ずつ加算される。なお、ステップS1において、上記各乱数が予め設定されている最大値に達した場合は、各乱数はリセットされる。
ステップS1に続いて、CPU101は、始動口スイッチ(SW)処理を実行する(ステップS2)。始動口スイッチ処理では、CPU101は、第1始動口スイッチ111又は第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、検知信号が入力された時点の値を取得して、RAM103に記憶する。この始動口スイッチ処理については、図12を参照して、後に詳述する。
ステップS2に続いて、CPU101は、ゲートスイッチ(SW)処理を実行する(ステップS3)。ゲートスイッチ処理では、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号の入力の有無を監視し、検知信号の入力があった場合、ステップS1の処理で更新された普通図柄乱数の値を取得して、RAM103に記憶する。このゲートスイッチ処理については、図13を参照して、後に詳述する。
ステップS3に続いて、CPU101は、特別図柄処理を実行する(ステップS4)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、特別図柄判定の結果が大当たりであったか否か、大当たりであった場合の大当たりの種類(大当たり図柄)が判定される。また、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理で取得された乱数を用いて特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の結果を示す特別図柄を停止表示させる。特別図柄処理については、図14を参照して、後に詳述する。
ステップS4に続いて、CPU101は、普通図柄処理を実行する(ステップS5)。普通図柄処理では、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された普通図柄乱数を用いて普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる。普通図柄処理については、図18を参照して、後に詳述する。
ステップS5に続いて、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理における特別図柄判定で大当たりとなった場合に、大入賞口制御部116を介して大入賞口13を開閉する大入賞口処理を実行する(ステップS6)。大入賞口処理については、図19を参照して、後に詳述する。
ステップS6に続いて、CPU101は、電動チューリップ処理を実行する(ステップS7)。電動チューリップ処理では、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理における普通図柄抽選に当選した場合に、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ16の一対の羽根部材を作動させる。電動チューリップ処理については、図21を参照して、後に詳述する。
ステップS7に続いて、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS8)。具体的には、CPU101は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、および普通入賞口14の何れかに遊技球が入賞した場合、入賞した場所に応じた個数の賞球を払い出しする。例えば、CPU101は、第1始動口11または第2始動口12に遊技球が入賞した場合は、3個の賞球を払い出し、大入賞口13に遊技球が入賞した場合は10個の賞球を払い出す。
ステップS8に続いて、CPU101は、出力処理を実行する(ステップS9)。ステップS9の出力処理では、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理やステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理等でRAM103にセットされた各種コマンドを演出制御部130に送信する。
[遊技制御部100による始動口スイッチ処理]
次に、図12を参照して、遊技制御部100において実行される始動口スイッチ処理の詳細について説明する。ここで、図12は、図11のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。
図12に示すように、ステップS201において、遊技制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否か(第1始動口11に遊技球が入賞したか否か)を判定する。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS201:YES)、RAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、予めROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS202)。
CPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS202:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新する(ステップS203)。そして、CPU101は、ステップS1の処理によって更新した各種乱数(乱数データD1の大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)の値を取得して、RAM103に格納する(ステップS204)。
ここでは、第1始動口11に遊技球が入賞したことに応じて取得された各種乱数がRAM103に格納されることにより、ステップS203で保留数U1を増加させた保留玉に係る特別図柄判定の権利が、保留されることになる。詳細は後述するが、保留された特別図柄判定の権利は、ステップS4の特別図柄処理において消化されて、特別図柄が変動表示されて所定時間経過後に停止表示されることにより、当該特別図柄判定の結果が報知される。
続いて、CPU101は、ステップS204でRAM103に格納された各種乱数に基づいて事前判定処理を実行する(ステップS205)。事前判定処理は、保留された特別図柄判定の権利についての判定処理であり、大当たりか否かや大当たりの種類、変動パターン等を判定する処理である。その後、CPU101は、事前判定処理の結果を含む保留コマンドをRAM103にセットする(ステップS206)。保留コマンドは、特別図柄判定が保留されたことを通知するためのコマンドであって、図11のステップS9における出力処理において演出制御部130へと送信される。
ステップS201で「NO」と判定した場合、ステップS202で「NO」と判定した場合、又はステップS206の処理を実行した場合、CPU101は、ステップS207の処理を実行する。ステップS207では、CPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否か(第2始動口12に遊技球が入賞したか否か)を判定する。ここで、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS207:YES)、RAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、予めROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS208)。
CPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS208:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新する(ステップS209)。そして、CPU101は、ステップS1の処理で更新した各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、RAM103に格納する(ステップS210)。
そして、CPU101は、ステップS210の処理によってRAM103に格納された各種乱数を用いて、上記ステップS205の処理と同様に事前判定処理を実行し(ステップS211)、事前判定情報を含む保留コマンドをRAM103にセットする(ステップS212)。
ステップS207で「NO」と判定された場合、ステップS208で「NO」と判定された場合、又はステップS212の処理が行われた場合、CPU101は、始動口スイッチ処理を終了して、ゲートスイッチ処理に処理を進める。
[遊技制御部100によるゲートスイッチ処理]
図13は、図11のステップS3におけるゲートスイッチ処理の詳細フローチャートである。図13に示されるように、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号(ゲートスイッチ114が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、ゲートスイッチ114が「ON」になったか否かを判定する(ステップS301)。
CPU101は、ゲートスイッチ114が「ON」になったと判定した場合(ステップS301:YES)、RAM103に記憶されている普通図柄判定の保留数Gが、普通図柄判定の最大保留数Gmax(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS302)。
CPU101は、保留数Gが最大保留数Gmax未満であると判定した場合(ステップS302:YES)、保留数Gを「1」加算した値に更新し(ステップS303)、この処理によって保留された普通図柄判定に使用される普通図柄乱数を取得して、RAM103に格納する(ステップS304)。
[遊技制御部100による特別図柄処理]
次に、図14〜図17を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図14は、図11におけるステップS4の特別図柄処理を示す詳細フローチャートである。図15は、図14のステップS407の大当たり判定処理の詳細を示すフローチャートである。図16は、図14のステップS408の変動パターン設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図14に示されるように、遊技制御部100のCPU101は、例えばRAM103に記憶されている情報に基づいて、特別遊技中(大当たり遊技中)であるか否かを判定する(ステップS401)。ここで、特別遊技中であると判定された場合(ステップS401:YES)、CPU101は、特別図柄処理を終了する。
CPU101は、特別遊技中ではないと判定した場合(ステップS401:NO)、特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する(ステップS402)。ここで、特別図柄が変動表示中ではないと判定した場合(ステップS402:NO)、RAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定し(ステップS403)、「1」以上であると判定した場合(ステップS403:YES)、保留数U2を「1」減算して保留玉を1だけ消化する(ステップS404)。
CPU101は、保留数U2が「1」以上ではない(第2特別図柄判定が保留されていない)と判定した場合(ステップS403:NO)、RAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定し(ステップS405)、「1」以上であると判定した場合(ステップS405:YES)、保留数U1を「1」減算して保留玉を1だけ消化する(ステップS406)。一方、CPU101は、ステップS405で保留数U1が「1」以上でないと判定した場合(ステップS405:NO)、客待ちコマンドをRAM103に設定して、図14に示す特別図柄処理を終了する。
CPU101は、ステップS404またはステップS406の処理に続いて、大当たり判定処理を実行する(ステップS407)。以下、図15を参照して、大当たり判定処理について説明する。
図15に示すように、CPU101は、まず、大当たりか否かの判定を行う(ステップS501)。具体的には、CPU101は、図14のステップS404の処理に続いて大当たりか否かの判定を行う場合、ステップS404の処理で保留数U2を減算させた保留玉に係る大当たり乱数(ステップS2の処理でRAM103に格納された大当たり乱数)が、ROM102に予め記憶されている大当たり乱数の当選値と一致するか否かを判定する。これにより、CPU101は、第2特別図柄判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。なお、遊技状態が高確率遊技状態である場合は、通常よりも大当たりと判定される確率が高い。一方、図14のステップS406の処理に続いて大当たりか否かの判定を行う場合、CPU101は、ステップS406の処理で保留数U1を減算させた保留玉に係る大当たり乱数(ステップS2の処理でRAM103に格納された大当たり乱数)が、ROM102に予め記憶されている大当たり乱数の当選値と一致するか否かを判定する。これにより、CPU101は、第1特別図柄判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。
ここで、特別図柄判定の結果が大当たりである場合(ステップS501:YES)、CPU101は、上述した大当たり乱数と一緒にステップS2の処理でRAM103に格納された図柄乱数に基づいて、図柄乱数判定処理を行う(ステップS502)。具体的には、CPU101は、ステップS2の処理でRAM103に格納された図柄乱数がROM102に予め記憶されている複数種の大当たりのそれぞれに割り当てられた乱数値のいずれと一致するかを判定することにより、大当たりの種類を判定する。そして、CPU101は、判定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄を、設定情報としてRAM103に設定する(ステップS503)。
一方、ステップS501において大当たりでないと判定された場合(ステップS501:NO)、CPU101は、特別図柄判定の結果がハズレであることを表すハズレ図柄を、設定情報としてRAM103に設定する(ステップS504)。
ステップS503の処理、またはステップS504の処理の後、CPU101は、大当たり判定処理を終了して、図14の特別図柄処理に処理を戻す。
図14に戻り、ステップS407の大当たり判定処理に続いて、CPU101は、変動パターン設定処理を実行する(ステップS408)。以下、図16を参照して、変動パターン設定処理について説明する。
図16に示すように、CPU101は、ステップS407の大当たり判定処理の結果が大当たりであったか否かを判定する(ステップS510)。CPU101は、ステップS407の大当たり判定処理において大当たりと判定した場合(ステップS510:YES)には、大当たり用の変動パターンテーブルをRAM103にセットする(ステップS511)。
一方、ステップS407の大当たり判定処理において大当たりでないと判定した場合(ステップS510:NO)、すなわち、ステップS407の大当たり判定処理においてハズレと判定した場合、CPU101は、リーチ乱数判定処理を行う(ステップS512)。リーチ乱数判定処理では、CPU101は、大当たり判定処理に使用された大当たり乱数と一緒にRAM103に格納されたリーチ乱数が、ROM102に予め記憶されている値と一致するか否かを判定する。当該判定結果に基づいて、CPU101は、リーチ演出を行うか否かを決定する(ステップS513)。そして、CPU101は、リーチ演出を行うと決定した場合(ステップS513:YES)にはリーチ用の変動パターンテーブルをセットする(ステップS514)。CPU101は、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS513:NO)にはハズレ用の変動パターンテーブルをセットする(ステップS515)。
ステップS511、ステップS514、またはステップS515の処理の後、CPU101は、変動パターン乱数判定処理を行う(ステップS516)。具体的には、ステップS516において、CPU101は、セットした変動パターンテーブルを用いて、上述した大当たり乱数(ステップS407の判定処理で用いられた大当たり乱数)と一緒にステップS2の処理でRAM103に格納された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを選択する。
このようにして、CPU101は、ステップS2で取得された変動パターン乱数と大当たりか否かによってセットした変動パターンテーブルとに基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。決定された変動パターンは、設定情報としてRAM103に設定される(ステップS517)。ステップS517の処理の後、CPU101は、図16に示す変動パターン設定処理を終了して、図14の特別図柄処理に処理を戻す。
図14に戻り、ステップS408の処理に続いて、CPU101は、ステップS407の処理で設定した図柄の設定情報、ステップS408の処理で設定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等を含む変動開始コマンドを生成してRAM103にセットする(ステップS409)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の実行を指示するコマンドであって、図11のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。
ステップS409の処理に続いて、CPU101は、ステップS409の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始し(ステップS410)、変動時間の計測を開始する(ステップS411)。なお、特別図柄の変動表示は、ステップS407〜S409の処理がステップS404の処理に続いて行われた場合には第2特別図柄表示器42を用いて行われ、ステップS406の処理に続いて行われた場合には第1特別図柄表示器41を用いて行われる。
CPU101は、ステップS402の処理で「YES」と判定した場合、またはステップS411の処理を実行した場合、ステップS411における変動時間の計測開始から、ステップS408の処理で設定された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS412)。
CPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS412:YES)、特別図柄の変動表示が停止されることを通知する変動停止コマンドをRAM103にセットし(ステップS413)、ステップS410の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了し(ステップS414)、計測した変動時間をリセットする(ステップS415)。これにより、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42において、ステップS407の大当たり判定処理の判定結果に応じた図柄(大当たりの種類に応じた大当たり図柄やハズレ図柄)が停止表示され、特別図柄判定の結果が報知される。なお、ステップS413の処理でセットされた変動停止コマンドは、図11のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。
CPU101は、ステップS415の処理の後、停止中処理を実行する(ステップS416)。停止中処理の詳細については後述する。
ステップS401で「YES」と判定された場合、ステップS405で「NO」と判定された場合、ステップS412で「NO」と判定された場合、またはステップS416の処理が行われた場合、CPU101は、特別図柄処理を終了して、図11のステップS5の普通図柄処理を実行する。
[遊技制御部100による停止中処理]
次に、図14のステップS416の停止中処理について説明する。図17は、図14のステップS416の停止中処理を示す詳細フローチャートである。
図17に示されるように、CPU101は、上記ステップS407の大当たり判定処理の結果に基づいて、特別図柄判定の結果が大当たりか否かを判定する(ステップS480)。そして、CPU101は、大当たりと判定した場合(ステップS480:YES)、RAM103に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS481)。
CPU101は、ステップS481の処理に続いて、RAM103に記憶されている補助遊技フラグ及び確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS482)。CPU101は、ステップS482の処理に続いて、オープニングを開始し(ステップS483)、オープニングコマンドをRAM103にセットする(ステップS484)。このオープニングコマンドは、大当たり判定処理の結果に応じて開始されるオープニング演出を演出制御部130に行わせるためのコマンドであり、当該コマンドは、図11のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。これにより、大入賞口13が開放されることを遊技者に報知するためのオープニング演出が行われる。
一方、CPU101は、大当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合(ステップS480:NO)、補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS485)。ここで、補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS485:YES)、RAM103に記憶されている補助遊技残余回数Jを「1」減算し、当該Jを更新する(ステップS486)。補助遊技残余回数Jは、補助遊技状態が維持される残りの特別図柄の変動回数(特別図柄判定の実行回数)を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理において設定される。遊技状態設定処理の詳細については後述する。
ステップS486の処理に続いて、CPU101は、補助遊技残余回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS487)。ここで、補助遊技残余回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS487:YES)、CPU101は、補助遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS488)。
ステップS488の処理を実行した場合、補助遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS485:NO)、又は補助遊技残余回数Jが「0」ではないと判定した場合(ステップS487:NO)、CPU101は、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS489)。
確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS489:YES)、CPU101は、RAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Xを「1」減算し、当該Xを更新する(ステップS490)。ここで、高確率遊技残余回数Xは、高確率遊技状態で特別図柄判定が行われる残りの回数を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理(後述する)において設定される。
ステップS490の処理に続いて、CPU101は、高確率遊技残余回数Xが「0」であるか否かを判定する(ステップS491)。ここで、高確率遊技残余回数Xが「0」であると判定した場合(ステップS491:YES)、RAM103に記憶されている確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS492)。
ステップS492の処理が実行された場合、ステップS484の処理が実行された場合、確変遊技フラグが「ON」ではないと判定された場合(ステップS489:NO)、又は高確率遊技残余回数Xが「0」ではないと判定された場合(ステップS491:NO)、CPU101は、図17の停止中処理を終了する。
[遊技制御部100による普通図柄処理]
次に、図18を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される普通図柄処理の詳細について説明する。図18は、図11のステップS5の普通図柄処理を示す詳細フローチャートである。
まず、遊技制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている補助フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS501)。補助フラグは、普通図柄判定の結果が当りである場合に「ON」に設定されるフラグであり、電動チューリップ16を作動させる当たり遊技中であるか否かを示すフラグである。電動チューリップ16は、普通図柄判定の結果が当りである場合、所定のパターンで動作する。電動チューリップ16の動作パターンは、遊技機1の状態が補助遊技状態か否か(補助遊技フラグがONか否か)によって異なる。ここで、補助フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS501:YES)、CPU101は、図18の普通図柄処理を終了する。
補助フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS501:NO)、CPU101は、普通図柄表示器45における普通図柄の変動表示中であるか否かを判定し(ステップS502)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS502:NO)、RAM103に記憶されている普通図柄判定の保留数Gが「1」以上であるか否かを判定する(ステップS503)。ここで、保留数Gが「1」以上ではないと判定した場合(ステップS503:NO)、CPU101は、図18の普通図柄処理を終了する。
CPU101は、保留数Gが「1」以上であると判定した場合(ステップS503:YES)、保留数Gを「1」減算した値に更新し(ステップS504)、普通図柄乱数判定処理を実行する(ステップS505)。具体的には、遊技球がゲート15を通過したことに応じて上記ステップS3の処理で取得された普通図柄乱数が、ROM102に記憶されている普通図柄乱数の当選値(補助遊技状態か否かにより異なる)と一致するか否かに基づいて、普通図柄判定の結果が当たりであるか否かを判定する(ステップS506)。なお、遊技状態が補助遊技状態である場合、普通図柄判定の結果が当たりとなる確率は通常よりも高い。また、ROM102には、普通図柄乱数の当選値として、当選後に第2始動口12を長開放することとなる長開放当たりの当選値と、第2始動口12を短開放することとなる短開放当たりの当選値とが設定されてもよい。
CPU101は、普通図柄判定の結果が当たりではないと判定した場合(ステップS506:NO)、RAM103にハズレ図柄をセットする(ステップS507)。
一方、CPU101は、普通図柄判定の結果が当たりであると判定した場合(ステップS506:YES)、当たり図柄をRAM103にセットする(ステップS508)。
ステップS507の処理、又はステップS508の処理に続いて、CPU101は、RAM103に記憶されている補助遊技フラグがONか否かに基づいて、パチンコ遊技機1の遊技状態が、補助遊技状態であるか否かを判定する(ステップS509)。
CPU101は、補助遊技状態ではないと判定した場合(ステップS509:NO)、普通図柄表示器45において普通図柄を変動表示させる時間である普通図柄変動時間を例えば25秒にセットする(ステップS510)。逆に、補助遊技状態であると判定した場合(ステップS509:YES)、普通図柄変動時間を比較的短い値、例えば2秒にセットする(ステップS511)。このステップS510又はステップS511の処理によってセットされた普通図柄変動時間は、RAM103に一時的に記憶される。
ステップS510又はステップS511の処理に続いて、CPU101は、普通図柄表示器45において普通図柄の変動表示を開始させ(ステップS512)、その変動表示開始からの経過時間の計測を開始する(ステップS513)。
一方、CPU101は、普通図柄表示器45において普通図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS502:YES)、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判定する(ステップS514)。具体的には、ステップS513の処理によって計測を開始した経過時間が、上記ステップS510又はステップS511の処理で設定された普通図柄変動時間に達したか否かに基づいて、普通図柄の変動表示の終了タイミングになったか否かを判定する。ここで、終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS514:NO)、CPU101は、図18の普通図柄処理を終了する。
CPU101は、普通図柄の変動表示の終了タイミングになったと判定した場合(ステップS514:YES)、普通図柄表示器45による普通図柄の変動表示を終了させる(ステップS515)。具体的には、CPU101は、上記ステップS507、又はステップS508の処理でセットした図柄を普通図柄表示器45に停止表示させる。これにより、普通図柄判定の結果が遊技者に対して報知される。
ステップS515の処理に続いて、CPU101は、上記ステップS513の処理によって計測が開始された経過時間をリセットする(ステップS516)。そして、上記ステップS506と同様に、普通図柄判定の結果が当たりであるか否かを判定し(ステップS517)、当たりであると判定した場合(ステップS517:YES)、補助フラグを「ON」に設定する(ステップS518)。この補助フラグが「ON」に設定されることにより、電動チューリップ16が作動する。
ステップS518の処理の後、ステップS514の処理でNOと判定した場合、またはステップS517の処理でNOと判定した場合、CPU101は、図18の普通図柄処理を終了する。
[遊技制御部100による大入賞口処理]
次に、図19を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される大入賞口処理の詳細について説明する。図19は、図11のステップS6の大入賞口処理を示す詳細フローチャートである。
図19に示されるように、遊技制御部100のCPU101は、大当たり遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS601)。ここで、大当たり遊技フラグは、上記ステップS481でONに設定されるフラグである。大当たり遊技フラグがONの場合(ステップS601:YES)、CPU101は、オープニング中か否かを判定する(ステップS602)。
オープニング中であれば(ステップS602:YES)、CPU101は、オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS603)。オープニング時間が経過していれば(ステップS603:YES)、CPU101は、大当たり判定処理の結果に応じて、大入賞口13の開放パターンを設定し(ステップS604)、設定した開放パターンで大入賞口13の開放制御を開始する(ステップS605)。ステップS605の処理の後、CPU101は、次にステップS607の処理を実行する。
一方、オープニング中でなければ(ステップS602:NO)、CPU101は、エンディング中か否かを判定する(ステップS606)。エンディング中でなければ(ステップS606:NO)、CPU101は、次にステップS607の処理を実行し、エンディング中であれば(ステップS606:YES)、次にステップS611の処理を実行する。
ステップS607において、CPU101は、ステップS604で設定した開放パターンでの大入賞口13の開放制御が終了したか否かを判定する。判定結果が肯定の場合(ステップS607:YES)、CPU101は、大入賞口13の開放制御を終了する(ステップS608)。続いて、CPU101は、エンディングコマンドをRAM103にセットする(ステップS609)。ここでセットされたエンディングコマンドは、図11のステップ9の出力処理において演出制御部130に送信される。演出制御部130は、当該エンディングコマンドを受信したことに応じて、大当たり遊技が終了することを示すエンディング演出を実行する。次に、CPU101は、エンディング時間の計測を開始する(S610)。
CPU101は、ステップS610の処理を行った場合、またはステップS606の処理でYESと判定した場合、予め設定されたエンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS611)。エンディング時間が経過していれば(ステップS611:YES)、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する(ステップS612)。遊技状態設定処理の詳細については、後述する。ステップS612の遊技状態設定処理の後、CPU101は、大当たり遊技フラグをOFFに設定する(ステップS613)。
ステップS601の処理でNOと判定した場合、ステップS603の処理でNOと判定した場合、ステップS607の処理でNOと判定した場合、ステップS611の処理でNOと判定した場合、または、ステップS613の処理を実行した場合、CPU101は、図19に示す大入賞口処理を終了する。
次に、図19のステップS612の遊技状態設定処理について説明する。図20は、図19のステップS612の遊技状態設定処理を示す詳細フローチャートである。
図20に示されるように、CPU101は、大当たりの種類が高確率遊技状態への移行を伴う確変大当たりか否かを判定する(ステップS630)。確変大当たりであった場合(ステップS630:YES)、CPU101は、確変遊技フラグをONに設定する(ステップS631)。続いて、CPU101は、高確率遊技残余回数XにXmaxを設定する(ステップS632)。ここで、Xmaxは予め定められた値であり、Xmaxとして非常に大きな値、例えば、10000が設定される。Xに非常に大きな値Xmaxが設定されるため、事実上、高確率遊技残余回数Xが0になるまでに、遊技機1は、次の大当たりとなる。
ステップS632の処理の後、CPU101は、補助遊技フラグをONに設定する(ステップS633)。その後、CPU101は、補助遊技残余回数JにJmaxを設定する(ステップS634)。Jmaxは予め定められた値であり、Jmaxとして非常に大きな値、例えば、10000が設定される。
一方、確変大当たりでない場合(ステップS630:NO)、CPU101は、補助遊技フラグをONに設定し(ステップS635)、補助遊技残余回数Jに100を設定する(ステップS636)。
ステップS634の処理またはステップS636の処理を実行した場合、CPU101は、図20に示す遊技状態設定処理を終了する。
[遊技制御部100による電動チューリップ処理]
次に、図11のステップS7の電動チューリップ処理の詳細について説明する。図21は、図11の電動チューリップ処理の詳細フローチャートである。
まず、遊技制御部100のCPU101は、補助フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS701)。ここで、補助フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS701:NO)、CPU101は、電動チューリップ処理を終了する。
CPU101は、補助フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS701:YES)、電動チューリップ16が動作中であるか否かを判定する(ステップS702)。ここで、電動チューリップ16が動作中ではないと判定した場合(ステップS702:NO)、CPU101は、補助遊技フラグがONか否かを判定することにより、パチンコ遊技機1の遊技状態が補助遊技状態であるか否かを判定する(ステップS703)。
CPU101は、補助遊技状態ではないと判定した場合(ステップS703:NO)、電動チューリップ16の動作パターンとして、例えば第2始動口12を0.1秒間開放する動作を1回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS704)。なお、ステップS704において、上記のように普通図柄乱数の当選値として長開放当たりの当選値と、短開放当たりの当選値とが予め設定されている場合には、長開放当たりか否かを判定し、長開放当たりであれば、例えば、第2始動口12を5.6秒間開放する動作を1回行う動作パターンを、電動チューリップ16の動作パターンとしてRAM103にセットしてもよい。
一方、CPU101は、補助遊技状態であると判定した場合(ステップS703:YES)、電動チューリップ16の動作パターンとして、例えば第2始動口12を1.8秒間開放する動作を3回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS705)。
CPU101は、ステップS704、又はステップS705の処理によって電動チューリップ16の動作パターンを設定した後、設定した動作パターンでの電動チューリップ16の動作を電動チューリップ開閉部113に開始させる(ステップS706)。
CPU101は、ステップS706の処理を実行した場合、または電動チューリップ16の動作中であると判定した場合(ステップS702:YES)、ステップS706の処理で開始された電動チューリップ16の動作が完了したか否かを判定する(ステップS707)。ここで、電動チューリップ16の動作が完了したと判定した場合(ステップS707:YES)、CPU101は、RAM103に記憶されている補助フラグを「OFF」に設定する(ステップS708)。
ステップS701の処理でNOと判定した場合、ステップS707の処理でNOと判定した場合、またはステップS708の処理を実行した場合、CPU101は、電動チューリップ処理を終了する。
[演出制御部130による演出制御処理]
次に、上述した遊技制御部100からの各種コマンドに基づいた演出制御の詳細について図22および図23を参照して説明する。
図22は、演出制御部130において行われる処理の詳細を示すフローチャートである。以下では、図22および図23に示す処理を演出制御部130が行うものとして説明するが、これらの処理の一部または全部は、演出制御部130、画像音響制御部140、およびランプ制御部150の何れにおいて実行されてもよい。また、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御部130のCPU131は、図22に示す一連の処理を割り込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
CPU131は、コマンド受信処理を実行する(ステップS10)。コマンド受信処理は、遊技制御部100からの各種コマンドを受信したことに応じて、演出を制御する処理である。具体的には、CPU131は、遊技制御部100から遊技情報としてのコマンドを受信し、受信したコマンドに応じて、演出の内容を決定し、当該決定した演出を画像音響制御部140及びランプ制御部150に実行させるためのコマンドをRAM133に設定する。このコマンド受信処理の詳細については、図22に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、CPU131は、操作受付処理を実行する(ステップS11)。具体的には、CPU131は、演出ボタン26や演出キー27が操作された場合にその操作に応じた操作コマンドを生成してRAM133に設定する。次に、CPU131は、コマンド送信処理を実行する(ステップS12)。具体的には、CPU131は、RAM133に設定した各種コマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150に送信する。以上で、図22に示す演出制御処理は終了する。
[演出制御部130によるコマンド制御処理]
以下、図23を参照しつつ、演出制御部130において実行されるコマンド受信処理について説明する。ここで、図23は、図22のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。
まず、CPU131は、遊技制御部100から送信された保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1301)。CPU131は、保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1301:YES)、CPU131は、保留増加処理を実行する(ステップS1302)。ここでは、CPU131は、例えば、保留コマンドに対応する保留画像を液晶表示器5に表示させるためのコマンドをRAM133に設定する。また、CPU131は、保留コマンドに含まれる情報に基づいて、事前判定を行い、当該事前判定の結果に基づいて演出の内容を決定する。そして、CPU131は、決定した演出内容に応じたコマンドをRAM133に設定する。
ステップS1302の処理を実行した場合、又は、保留コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1301:NO)、CPU131は、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1303)。
変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1303:YES)、CPU131は、変動演出決定処理を実行する(ステップS1304)。具体的には、CPU131は、受信した変動開始コマンドに基づいて、特別図柄判定の結果が大当たりか否か、大当たりであった場合の大当たりの種類、変動パターン等を解析する。そして、解析結果に基づいて、受信した変動開始コマンドに係る特別図柄の変動に伴って行われる変動演出の内容を決定する。そして、CPU131は、決定した変動演出の内容に応じたコマンドをRAM133に設定する。
ここで、変動演出としては、例えば、画像や音声を用いた予告演出、液晶表示器5に表示される装飾図柄を用いた演出、リーチ演出、可動役物を用いた演出等があり、CPU131は、これらの演出のうちのどの演出を行うかを乱数を用いた抽選により決定する。
図24は、特別図柄判定の結果が大当たりである場合において、変動演出として決定される演出パターンの一例を示す図である。例えば、演出パターン1は、第2演出役物75による演出を含む演出パターンであり、演出パターン1が変動演出として決定された場合には、特別図柄の変動中に第2演出役物75による演出が行われる。上述したように、第2演出役物75による演出は、第1可動部材71が回転して裏面が視認可能な状態となった後、第3可動部材73が作動して第2演出役物75が液晶表示器5の前面に出現する演出である。
また、演出パターン2は、第1演出役物70による演出を含む演出パターンであり、演出パターン2が変動演出として決定された場合には、特別図柄の変動中に第1演出役物70による演出が行われる。上述したように、第1演出役物70による演出は、第1可動部材71および第2可動部材72が近接位置まで移動して、第1可動部材71および第2可動部材72が近接状態を維持したまま所定方向に移動し、その後に第1可動部材71および第2可動部材72が離反する演出である。
また、演出パターン3は、第2演出役物75による演出が行われた後、第1演出役物70による演出が行われて、大当たりが報知される演出パターンである。
図23に戻り、ステップS1304の処理を実行した場合、又は、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1303:NO)、CPU131は、変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1305)。
変動停止コマンドを受信した場合(ステップS1305:YES)、CPU131は、変動演出終了処理を実行する(ステップS1306)。変動演出終了処理では、CPU131は、例えば液晶表示器5に変動表示されている装飾図柄を停止表示させるためのコマンドをRAM133に設定する。
ステップS1306の処理を実行した場合、又は、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1305:NO)、CPU131は、オープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1307)。
オープニングコマンドを受信した場合(ステップS1307:YES)、CPU131は、オープニング処理を実行する(ステップS1308)。オープニング処理は、大当たり遊技が開始される際に行われるオープニング演出、および大当たり遊技中に行われる大当たり演出を決定する処理である。CPU131は、大当たりの種類等に応じて、オープニング演出や大当たり演出の内容を決定し、これらの演出を画像音響制御部140やランプ制御部150に実行させるためのコマンドをRAM133に設定する。
ステップS1308の処理を実行した場合、又は、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1307:NO)、CPU131は、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1309)。
エンディングコマンドを受信した場合(ステップS1309:YES)、CPU131は、エンディング処理を実行する(ステップS1310)。エンディング処理は、大当たり遊技が終了する際に行われるエンディング演出を決定する処理である。CPU131は、エンディング処理の結果を示すコマンドをRAM133に設定する。
ステップS1310の処理を実行した場合、又は、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1309:NO)、CPU131は、図23に示す処理を終了する。
以上のようにしてRAM133に設定された各種コマンドが画像音響制御部140やランプ制御部150に送信されることによって、各種コマンドに応じた演出が行われる。
[ランプ制御部150による可動役物制御処理]
次に、ランプ制御部150によって行われる可動役物の制御の詳細について説明する。図25は、ランプ制御部150によって行われる可動役物の制御の詳細を示すフローチャートである。ランプ制御部150は、演出制御部130からのコマンドに応じて、図25に示す処理を実行する。
ランプ制御部150は、まず、演出制御部130からのコマンドに基づいて、第2演出役物75による演出を行うか否かを判定する(ステップS1501)。
第2演出役物75による演出を行うと判定した場合(ステップS1501:YES)、ランプ制御部150は、第1可動部材71を所定位置まで移動させる(ステップS1502)。ここでの処理は、第1可動部材71を回転させることが可能な位置まで移動させる処理であり、図9(B)に示す位置まで第1可動部材71を右方向に移動させる処理である。
ステップS1502に続いて、ランプ制御部150は、第1可動部材71を回転させる(ステップS1503)。ここでの処理は、第1可動部材71の姿勢を変化させる処理であり、第1可動部材71の裏面が視認可能になるように第1可動部材71を回転させる処理である。このステップS1503の処理が行われることによって、図9(C)に示すように、第1可動部材71の裏面が前方を向くようになる。
ステップS1503に続いて、ランプ制御部150は、第3可動部材73を作動させる(ステップS1504)。このステップS1504の処理が行われることによって、第3可動部材73が液晶表示器5の前面に出現し、図9(D)に示すように第2演出役物75が構成される。その後、ランプ制御部150は、第2演出役物75を用いた演出(発光させたり、所定の動作をさせたりする演出)を行う。第2演出役物75を用いた演出が終了すると、第1可動部材71の表面が前方を向くように回転され、第1可動部材71と第3可動部材73とは初期位置に収納される。
ステップS1504の処理を行った場合、または、ステップS1501でNOと判定した場合、ランプ制御部150は、第1演出役物70による演出を行うか否かを判定する(ステップS1505)。第1演出役物70による演出を行わないと判定した場合(ステップS1505:NO)、ランプ制御部150は、図25に示す処理を終了する。
第1演出役物70による演出を行うと判定した場合(ステップS1505:YES)、ランプ制御部150は、第1可動部材71と第2可動部材72とを近接させる(ステップS1506)。具体的には、ランプ制御部150は、複数のモータを動作させて、図5(B)に示すように、第1可動部材71と第2可動部材72とを液晶表示器5の中央領域まで移動させる。
ステップS1506に続いて、ランプ制御部150は、第1可動部材71と第2可動部材72とを近接状態を維持しながら右方向に移動させる(ステップS1507)。ステップS1507の処理は、図5(B)の位置から図5(C)の位置に移動するように第1可動部材71と第2可動部材72と動作させる処理である。
ステップS1507に続いて、ランプ制御部150は、近接状態を維持しながら第1可動部材71と第2可動部材72とを左方向に移動させる(ステップS1508)。ステップS1508の処理は、第2可動部材72(バット)が第1可動部材71(ボール)に影響を及ぼすように見せる処理であり、図5(D)に示す演出のための処理である。
ステップS1508に続いて、ランプ制御部150は、第1可動部材71をさらに左方向に移動させて、第1可動部材71と第2可動部材72とを離反させる(ステップS1509)。ここでの処理は、図5(E)に示す演出のための処理である。そして、ステップS1509の処理の後、ランプ制御部150は、第1可動部材71と第2可動部材72とを初期位置に収納する(ステップS1510)。
なお、ステップS1508およびステップS1509の処理は、特別図柄判定の結果が大当たりである場合に行われる処理であり、ハズレである場合には、ステップS1508およびステップS1509の処理は行われず、ステップS1507の処理の後にステップS1510の処理が行われる。
また、上記ステップS1507の処理の後に、演出ボタン26を遊技者に押下させる表示を液晶表示器5に行い、特別図柄判定の結果が大当たりである場合において演出ボタン26が押されたことに応じて、上記ステップS1508の処理が行われてもよい。特別図柄判定の結果がハズレである場合には、演出ボタンが押されても上記ステップS1508およびステップS1509の処理は行われずに、ステップS1510の処理が行われて第1可動部材71および第2可動部材72は初期位置に収納される。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1における第1演出役物70および第2演出役物75の制御方法について説明する。
図26は、第1演出役物70および第2演出役物75を動作させるためのモータの制御の流れを示す図である。第1可動部材71、第2可動部材72、および第3可動部材73は、複数のステッピングモータによって動作される。各モータのステップ数、回転速度、回転方向を制御することにより、第1可動部材71、第2可動部材72、および第3可動部材73が動作し、第1演出役物70による演出、第2演出役物75による演出が行われる。
例えば、図26に示すように、第1可動部材71、第2可動部材72、および第3可動部材73は、モータA、モータB、モータC等からの駆動力によって動作する。例えば、モータAは、第1可動部材71を右方向に移動させるための駆動力を発生させる。
図26に示すように、モータAが動作している間、モータB、モータCは動作しない。モータAは、変動演出が開始されてから所定時間経過すると動作を開始する。そして、所定時間経過すると、動作を終了する。このモータAの動作終了を契機として、モータBは動作を開始する。そして、モータBの動作終了を契機として、モータCが動作を開始する。
このように、本実施形態では、各モータの制御において、あるモータの動作終了を契機として(動作終了を条件として)別のモータの動作を開始させる。このように各モータを制御することにより、複数の可動役物が複雑に絡み合って動作する場合においても、複数の可動役物を正常に動作させることができる。
すなわち、例えば各モータを変動演出の開始からの経過時間に応じて動作させると、動作のタイミングがプログラムされた時間からずれた場合に、可動役物が予期せぬ動作をする場合がある。図27は、経過時間に基づいて各モータを制御する場合において、動作タイミングにずれが生じる場合を示す図である。図27に示すように、モータAが動作を開始してから終了するタイミングで、モータBが動作を開始すると、正常な動作となる。
ここで、モータBが何らかの原因(例えば、役物に過剰な負荷がかかった場合やランプ制御部150の処理負荷が過剰になった場合等)でモータBの動作終了のタイミングがプログラムされた時間よりも遅れた場合であっても、モータCは、プログラムされた時間から動作を開始する。すると、本来、モータBとモータCとは同時に動作しないようにプログラムされていたにも関わらず、2つのモータは同時に動作してしまう。すると、可動役物は想定しない動作をし、2つの可動役物が干渉してしまう場合がある。
しかしながら、本実施形態では図26に示すように、各モータの動作終了を契機として他のモータが動作をするように、各モータの動作が制御されるため、可動役物が想定しない動作をすることがない。なお、図26では1つのモータの動作終了を契機として別のモータの動作を開始させる例について示されているが、実際には、複数のモータが同時に動作したり、あるモータの動作終了を契機として複数のモータの動作が開始したりする。
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動中に行われる演出として、第1演出役物70による演出、および第2演出役物75による演出が行われる。第1演出役物70による演出では、第2可動部材72(バット)が第1可動部材71(ボール)に影響を及ぼすような演出が行われる。
すなわち、第1可動部材71と第2可動部材72とが離れている位置から近接する位置まで移動し、近接状態を維持しつつ所定方向に第1可動部材71と第2可動部材72とが移動する。そして、第1可動部材71が所定方向にさらに移動する一方、第2可動部材72は、所定方向にはさらに移動せず、第1可動部材71と第2可動部材72とは離れる。2つの可動役物がこのような動作をすることにより、ある可動役物が別の可動役物に影響を及ぼす(力を作用させる)ように見せる演出を行うことができ、2つの役物を用いた新規な演出を行うことができる。
また、第2演出役物75による演出では、第1可動部材71の裏面が視認可能になるように第1可動部材71が回転し、当該第1可動部材71と第3可動部材73とで第2演出役物75が構成される。このように、第1可動部材71は、2つの別の可動役物の一部として用いることができるため、限られたスペースにより多くの可動役物を組み込むことができる。これにより、演出を多様化させて、興趣性を向上させることができる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下の形態であってもよい。
例えば、上記実施形態では、変動演出として第1演出役物70による演出を行ったが、他の実施形態では、例えば、大当たり中の演出として、上記演出を行ってもよいし、複数変動にわたる連続演出として上記演出を行ってもよい。また、普通図柄の変動に基づいて第1演出役物70や第2演出役物75による演出が行われてもよい。
また、上記実施形態では、第1演出役物による演出として、バットでボールを打つ演出を想定したが、他の実施形態では、他の任意の演出でもよい。例えば、第1演出役物による演出として、矢を弓で飛ばす演出が行われてもよい。
また、上記実施形態では、特別図柄判定の結果が大当たりである場合に、大当たり図柄に応じて確変遊技状態に変化する遊技機を想定した。他の実施形態の遊技機では、大当たりとなった場合において、大当たり図柄に応じて所定の入賞口(V入賞口)が大当たり遊技中に開放し、遊技球が当該V入賞口に入賞した場合に、確変遊技状態に移行するように構成されてもよい。このような遊技機では、大当たり図柄の種類に応じて、V入賞口が長開放か短開放し、長開放した場合には遊技球はV入賞口に入賞し、短開放した場合にはほぼ入賞しないように構成されている。そして、このような遊技機において、V入賞口への遊技球の入賞に応じて、上述した可動役物による演出が行われてもよい。
また、上記実施形態では、第1可動部材71が表面を向いている場合には、第1可動部材71と第2可動部材72とで第1演出役物70が構成され、第1可動部材71が裏面を向いている場合には、第1可動部材71と第3可動部材73とで第2演出役物75が構成された。他の実施形態では、第1可動部材は、第1の姿勢と第2の姿勢とに変化可能に構成されてもよい。そして、第1の姿勢のときには第2可動部材とで第1演出役物が構成され、第2の姿勢のときには第3可動部材とで第2演出役物が構成されてもよい。
また、他の実施形態では、第1可動部材が第1の態様又は第2の態様に変化し、各態様の第1可動部材と、第2可動部材または第3可動部材とで異なる演出役物が構成されてもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例に過ぎず、他の構成であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えばスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
[本発明に係る遊技機の構成とその作用効果]
以上説明したように、本発明に係る遊技機は以下のような構成であってもよい。なお、括弧書きは単なる例示にすぎない。
本発明に係る遊技機は、始動条件の成立に基づいて、特別遊技をおこなうか否かの判定を行う遊技機であって、演出に用いられる、第1の姿勢と第2の姿勢とに変化可能な第1可動部材(71)と、演出に用いられる第2可動部材(72)と、演出に用いられる第3可動部材(73)と、前記第1可動部材、前記第2可動部材、および前記第3可動部材を動作させて演出を制御する演出制御手段(150)とを備え、前記演出制御手段は、前記第1可動部材を前記第1の姿勢または前記第2の姿勢に制御する姿勢制御手段(150、S1503)と、前記第1可動部材が前記第1の姿勢の場合、前記第1可動部材と前記第2可動部材とを含む第1演出役物(70)を構成し、当該第1演出役物を用いた第1演出を実行する第1演出制御手段(S1504)と、前記第1可動部材が前記第2の姿勢の場合、前記第1可動部材と前記第3可動部材とを含む、前記第1演出役物とは異なる第2演出役物(75)を構成し、当該第2演出役物を用いた第2演出を実行する第2演出制御手段(S1506〜S1510)と、を含む。
上記構成によれば、第1可動部材が第1の姿勢の場合には、当該第1可動部材と第2可動部材とを用いて第1演出役物を構成することができ、第1可動部材が第2の姿勢の場合には、当該第1可動部材と第3可動部材とを用いて第2演出役物を構成することができる。これにより、1つの可動部材(可動役物)を異なる2つの可動役物の構成要素の一部として用いることができ、限られたスペースでより多くの可動役物を構成することができる。また、第1可動部材はその姿勢によって2つの可動役物として用いられるため、遊技者に意外な印象を与えることができ、より興趣性を向上させることができる。
また、他の構成では、前記姿勢制御手段は、前記第1可動部材の第1の面を遊技者に視認可能にさせることにより前記第1の姿勢に制御し、前記第1可動部材の第2の面を遊技者に視認可能にさせることにより前記第2の姿勢に制御してもよい。
上記構成によれば、第1可動部材の第1の面を遊技者に向けて第1演出役物を構成し、第2の面を遊技者に向けて第2演出役物を構成することができる。異なる面を視認可能となるように第1可動部材の姿勢を制御することで、異なる面を使用して全く異なる2つの可動役物の一部として用いることができる。例えば、表面にあるオブジェクトを模した装飾を行い、裏面に異なる別のオブジェクトを模した装飾を行ってもよい。