JP6119898B2 - 粒子線透過窓 - Google Patents
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Description
本発明は、粒子線透過窓に係り、特に、大気圧や圧力変動による破損を回避しつつ電子線、イオンビームなどの荷電粒子線、X線やガンマ線などの電磁波などの粒子線の高い透過率が可能な粒子線透過窓に関する。
従来、X線などを真空チャンバから取り出す際に、特許文献1や2に示されるような透過窓が用いられている。図1にその概略を示す。透過窓2は、金属薄膜であるベリリウム箔とされており、真空容器1の開口部1aにろう材4、5で接合されたり、拡散接合され、大気側が保護リング3で止められている。このため、透過窓2は、真空容器1の真空状態を良好に保ちながら、高い透過率でX線を真空容器1の内側から外側に照射することができる。
このような透過窓を補強するため、特許文献3には、粒子線透過窓の真空側面に、高融点材料の真直棒からそれぞれ形成され、被照射物の移動方向に対して傾斜して配置された複数の補強桟を設け、該補強桟の一端を水冷保持板にろう接固定すると共に、該補強桟の他端を水冷保持板に設けられた遊嵌孔に摺動自在に挿入することが記載されている。
しかしながら、特許文献1や2に記載された真空ろう接や拡散接合では、接合時の加熱温度による熱変形や応力により、10〜100μm厚の箔膜でも亀裂や破損が発生する。従って、更に薄い数μm膜厚の箔での加熱接合は、熱負荷が高く、適用が不可能である。又、特許文献3に記載された補強桟では、窓にかかる大気圧による破裂を抑制するためには不十分であるという問題点を有していた。
一方、特許文献4や5には、加熱を行なうことなく常温で接合する常温接合方法が記載されているが、本発明が対象とする粒子線透過窓への適用は考えられていなかった。
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、大気圧や圧力変動による箔膜の破壊を回避しつつ、粒子線のフレームや箔膜にコーティングされた金属膜による損失を少なくして高透過率を実現した透過窓を提供することを課題とする。
本発明は、粒子線を透過する箔膜と、該箔膜の両面に密着接合される、微小透孔がメッシュ状に形成された2枚のフレームとを備えた粒子線透過窓であって、前記2枚のフレームの箔膜側の表面にコーティングされた金属膜と、前記箔膜のフレーム側の表面にコーティングされた金属膜とを有し、該箔膜のフレーム側の表面にコーティングされた金属膜の厚さが、前記箔膜の厚さよりも薄いことを特徴とする粒子線透過窓により、前記課題を解決したものである。
本発明は、又、粒子線を透過する箔膜と、該箔膜の両面に密着接合される、微小透孔がメッシュ状に形成された2枚のフレームとを備えた粒子線透過窓であって、前記2枚のフレームの箔膜側の表面にコーティングされた金属膜と、前記箔膜のフレーム側の表面にコーティングされた金属膜とを有し、該箔膜のフレーム側の表面にコーティングされた金属膜が透過箔膜部を有することを特徴とする粒子線透過窓により、同様に前記課題を解決したものである。
本発明によれば、微小透孔がメッシュ状に形成されたフレームで箔膜を挟むようにしたので、大気圧や圧力変動による箔膜の破壊を回避しつつ、粒子線のフレームによる損失を少なくし、高透過率を実現できる。又、箔膜のフレーム側の表面にコーティングされた金属膜が、箔膜を透過する電子線を大きく損なうことがない。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明を電子線透過窓10に適用した実施形態は、図2に示す如く、ハニカム状の単位窓11がハニカム状に37個配列されており、電子線を透過する箔膜12と、該箔膜12を図の上下両側から挟む、微小透孔14aがメッシュ状に多数形成されたフレーム14とを備えている。
前記箔膜12は、例えば厚さ2〜5μmのチタン製とされ、前記フレーム14は、例えば厚さ0.1〜0.5mmのステンレス製とされている。なお、フレーム14の材質は、チタン、ニッケル、アルミ若しくは銅又はその合金、ベリリウム、カーボン等でも構わない。
以下、図3を参照して、製造手順を説明する。
まずステップ100で、図4(a)に示す如く、フレーム14の箔膜12側の表面に、表面状態に応じて厚さ0.1〜10μm程度の薄い金属、例えば金を、イオンプレーティングやめっき、蒸着等によりコーティングして金属コーティング14cを形成する。金の代わりに銀、銅、アルミニウム等を用いても良い。
同様に、箔膜12のフレーム14側の表面にも、表面状態に応じて厚さ5〜50nm程度の金属膜をコーティングして金属コーティング12cを形成する。金属コーティング12cは、金属コーティング14cと同じ物を用いることができる。箔膜12に蒸着する金属コーティング12cは、電子線を止める作用があるので、厚みは薄い方が望ましく、材質や表面平坦性、加圧力などにより十分な接合強度が得られる場合には、省略することも可能である。
次いで、ステップ110で、図4(b)に示す如く、金属コーティング12c、14cに、アルゴン、キセノン、クリプトン等の不活性元素、そのイオンのビーム16、プラズマ又は電子ビームを、例えば10−6Paの真空にした後、数分間照射して活性化処理し、清浄化する。
次いで、ステップ120で、図4(c)に示す如く、常温で、材質や表面平坦性により大きく異なるが、例えば80〜400〜3000kgf/cm2で加圧して接合する。なお、加圧に際しては周囲のみの加圧でも良いが、全面加圧の方が全体強度が向上し、安定であるとともに、片側フレームのみでの使用も可能である。
最後に、ステップ130で、図4(d)に示す如く、透過窓を真空ビームあるいはプラズマ照射装置内に入れてビームあるいはプラズマを照射し、スパッタリングにより透過窓部の箔膜12表面の金属コーティング12cを蒸発させて除去し、非コーティング部分を形成して透過箔膜部12dとする。金属コーティング12cの厚さが5〜50nm程度であれば容易に除去可能であり、常温接合での不活性ガスビームやプラズマ照射や実際の電子線照射装置に装着して電子線照射することでも適用可能である。
以上の手順により、透過窓性能として接合部の引張強度が推定10MPa以上、真空の気密性としてはHeリークレートにて1×10-6Pa・m3/secのものが得られる。
前記電子線透過窓10は、図5に例示する如く、真空チャンバ22と大気の間に配設されて使用される。図において、24はカソード、26はアノード、28は電子線である。
前記実施形態では、箔膜12のフレーム14側の表面にも金属コーティング12cが施されていたが、コーティングされた金属膜は、箔膜12を透過する電子線を大きく損なうことになるため、金属コーティング12cの厚さを箔膜12よりも薄くするか、あるいはコーティングの際に透過箔膜部12dをマスキングして箔膜12をコーティングすることが望ましい。なお、透過箔膜部12dをマスキングする場合には、金属コーティング12cの厚さはフレーム14の箔膜12側の表面と同じ0.1〜10μm程度で良い。
前記実施形態においては、微小透孔14aがハニカム状に形成された単位窓11がハニカム状に37個並べられていたが、微小透孔14aの配列状態はハニカム状に限定されず、単位窓の数や配列状態も、これに限定されない。又、単位窓に分けず全体で一様に微小透孔を形成しても良い。
適用対象も電子線透過窓に限定されず、粒子線一般に適用可能である。
10…電子線透過窓
12…箔膜
12c、14c…金属コーティング
12d…透過箔膜部(非コーティング部分)
14…フレーム
14a…微小透孔
16…ビーム
28…電子線
12…箔膜
12c、14c…金属コーティング
12d…透過箔膜部(非コーティング部分)
14…フレーム
14a…微小透孔
16…ビーム
28…電子線
Claims (2)
- 粒子線を透過する箔膜と、該箔膜の両面に密着接合される、微小透孔がメッシュ状に形成された2枚のフレームとを備えた粒子線透過窓であって、
前記2枚のフレームの箔膜側の表面にコーティングされた金属膜と、
前記箔膜のフレーム側の表面にコーティングされた金属膜とを有し、
該箔膜のフレーム側の表面にコーティングされた金属膜の厚さが、前記箔膜の厚さよりも薄いことを特徴とする粒子線透過窓。 - 粒子線を透過する箔膜と、該箔膜の両面に密着接合される、微小透孔がメッシュ状に形成された2枚のフレームとを備えた粒子線透過窓であって、
前記2枚のフレームの箔膜側の表面にコーティングされた金属膜と、
前記箔膜のフレーム側の表面にコーティングされた金属膜とを有し、
該箔膜のフレーム側の表面にコーティングされた金属膜が透過箔膜部を有することを特徴とする粒子線透過窓。
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