JP6119077B2 - 異物分離装置 - Google Patents
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Description
灰と当該灰より大きな粒径の異物とからなる処理物を受け入れる受け入れ口と、前記受け入れ口より下側に位置される送り出し口とを備え、
前記受け入れ口と前記送り出し口との間に設けられた落下路に、前記異物を前記処理物から分離する異物分離手段を備えた異物分離装置であって、その特徴構成は、
前記異物分離手段が、前記落下路に鉛直方向に対して傾斜して配置される篩であるとともに、
前記篩が、前記落下路を傾斜姿勢で横断して、前記処理物の落下に伴って前記異物を前記処理物から分離し、前記灰を前記送り出し口に送る第1運転状態と、前記篩が、前記落下路から退避した退避姿勢で、前記処理物の落下に伴って前記異物を含んだまま、前記送り出し口に送る第2運転状態との間で、運転状態を選択可能に構成されるとともに、
前記落下路を形成する筐体に、前記筐体及び前記篩に振動を付与する振動付与装置を備え、前記第1運転状態で前記篩上に分離される前記異物を、前記第2運転状態で、前記送り出し口に送り込み可能に構成されている点にある。
そして、筐体に振動付与装置が備えられるので、第1運転状態において、筐体を介して傾斜姿勢にある篩を振動させることができ、これにより、異物が篩の傾斜に伴って一方側の端部に移動するため、異物による篩の目詰まりを防止することができる。よって、異物を処理物から分離する処理速度の低下を防止することができるとともに、処理物の処理を長期間連続して行うことができる。ここで、処理物から異物が分離された灰は、例えば、異物の混入が許容されない建設資材用の原料等として利用することができる。
前記傾斜姿勢の篩の下の前記落下路に接続される移動路が、前記落下路とは別に備えられ、
前記移動路は、前記傾斜姿勢の篩の上部から、当該篩により分離された前記異物を受け入れるように構成され、
前記第2運転状態において、前記第1運転状態で分離された異物が、前記移動路の全部又は一部を移動する構成である点にある。
これにより、第2運転状態で、移動路の全部を異物が移動する場合は、第1運転状態で分離した異物を、落下路部位に移動させて、この落下路部位において、異物を含んだまま落下路を流れる処理物に、移動路を移動してきた異物を混入させて、送り出し口へ送ることができる。
一方、第2運転状態で、移動路の一部を異物が移動する場合では、例えば、移動路の途中で異物を貯留する状態とすることができる。この場合、落下路においては、受け入れ口において受け入れた処理物を、そのまま送り出し口へ送ることができる。
前記移動路は、前記傾斜姿勢の篩の上部における前記落下路から分岐し、前記傾斜姿勢の篩の下の前記落下路に接続されており、
前記移動路に、前記篩から分離した前記異物を貯留する異物貯留部が設けられ、当該異物貯留部から前記落下路への移動時期を制御する異物移動時期調整機構を備え、
前記異物移動時期調整機構は、開閉弁を備え、
前記開閉弁は前記異物を、閉状態で前記異物貯留部に貯留し、開状態で前記落下路へ移動させる点にある。
また、異物貯留部から落下路への移動時期を制御する異物移動時期調整機構が設けられるので、異物貯留部に貯留された異物の落下路への移動時期を調整することができる。つまり、第2運転状態において、異物を含んだまま落下路を流れる処理物に、第1運転状態で分離した異物を混入する時期を調整することができる。
前記篩の傾斜姿勢と退避姿勢との間で、前記篩を揺動可能とする揺動軸を備えた揺動機構を備え、
前記篩の傾斜姿勢において、前記揺動軸側から上方に延び、前記移動路を塞いで前記落下路の一側壁を形成する側壁形成部材を備えた点にある。
また、篩の傾斜姿勢において、移動路を塞ぐ側壁形成部材が設けられているので、篩が傾斜姿勢となる第1運転状態において、移動路への処理物の流入を防いで、受け入れ口から受け入れた処理物の全量を落下路に流通させ、落下路に設けられた篩を通過させることができるので、受け入れた処理物の全量に対して異物を分離する処理を確実に行うことができる。
前記筐体が、前記側壁形成部材とともに前記落下路を形成する第1筐体と、
前記移動路の一部を形成する第2筐体とから構成され、
前記第1筐体と前記第2筐体とが、前記傾斜姿勢の篩の上部における前記移動路と前記落下路との接続部位で連結されている点にある。
前記処理物がフライアッシュであり、前記受け入れ口の上部に、フライアッシュサイロが内部のフライアッシュを落下投入自在に接続されている点にある。
前記処理物が、細粒化された石炭を燃料とする蒸気発生設備から発生し、電気集塵装置で集塵された集塵物である点にある。
石炭を原料として発電する火力発電プラント1は、図1に示したように、石炭バンカー2に貯蔵される石炭Cを粉砕機3に送り、この粉砕機3によって石炭Cを所定のサイズに細粒化した微粉炭Dを製造してボイラー4に供給して、空気予熱器5によって予熱された空気によって燃焼させると共に、復水器6から水蒸気Vを発生させる流体Wを給水予熱器7を経由して、ボイラー4の過熱器16に供給し、高温高圧の水蒸気Vを発生させる蒸気発生設備8と、この蒸気発生設備8によって生成された水蒸気Vが供給される蒸気タービン9と、蒸気タービン9と接続される発電機10とによって構成され、発電機10によって発電が行われている。
よって、この異物分離装置15で、異物Eを分離する対象とされる処理物Tは、細粒化された石炭Cを燃料とする蒸気発生設備8から発生して、給水予熱器7や空気予熱器5の下部に設けられたホッパーや電気集塵機11で集塵される集塵物としてのフライアッシュFとされる。
異物分離装置15は、フライアッシュFを一時的に貯留するフライアッシュサイロ20、フライアッシュFに含まれる異物Eを分離する異物分離部22、フライアッシュサイロ20と異物分離部22とを接続して、フライアッシュサイロ20に貯留されているフライアッシュFを異物分離部22に供給するフライアッシュ供給路21から構成されている。そして、異物分離部22が架台70に支持されて、この架台70が防振ゴム60を介して火力発電プラント1の構造体80に床100等を介して設置されている。
フライアッシュ供給路21には、フライアッシュ供給路21内を流れるフライアッシュFの供給量を調整可能な手動開閉式の流量調整弁21aが設けられており、フライアッシュサイロ20内に貯留されたフライアッシュFを異物分離部22に供給および供給停止可能とするとともに、供給時には、その供給量を調整可能とするものである。また、流量調整弁21aは、外部から簡便に開閉および開度調節操作可能に構成されている。この流量調整弁21aによって、フライアッシュサイロ20が内部のフライアッシュFを、異物分離部22の受け入れ口32の上部に、落下投入自在に接続されている。
これにより、フライアッシュFの固着を自動バタフライ弁21cで防止しつつ、フライアッシュFが固着したときも、加振装置21bを作動させて、フライアッシュ供給路21に振動を加えて内部のフライアッシュFを流動させることができる。
この、異物分離部22には、後述するV字型揺動体30の側壁形成部材30aとともに落下路23を形成する第1筐体31と、この第1筐体31に併設する状態で移動路24の一部を形成する第2筐体41とが設けられている。
第1筐体31は、灰Gと灰Gより大きな粒径の異物Eとからなる処理物TとしてのフライアッシュFを受け入れる受け入れ口32と、受け入れ口32より下側に位置される送り出し口33とを備えるとともに、受け入れ口32と送り出し口33との間には落下路23が形成されている。この落下路23には、異物EをフライアッシュFから分離する異物分離手段としての篩30bが備えられている。この、篩30bは、落下路23に鉛直方向に対して傾斜する傾斜姿勢で落下路23を横断して配置される。また、落下路23の内周面には、篩30bの外枠30c(図4参照)を支持するとともに、篩30bの外枠30cと落下路23の内周面との隙間をなくす支持部材23aが形成されている。
また、篩30bの傾斜姿勢においては、篩30bは落下路23の振動付与装置34が設けられている側面側を高くする状態で、鉛直方向に対して70°傾斜する状態で落下路23内に横断して配置されている。
そして、第1筐体31内の篩30bの、受け入れ口32側には、篩30bの上面に圧縮空気を噴射する空気噴射ノズル35が設けられている。
第2筐体41は、移動路24の一部を構成している。移動路24は、第2筐体41と接続路26とで構成されている。そして、上述の第1筐体31と第2筐体41とが、傾斜姿勢の篩30bの上部において、落下路23と移動路24との接続部位22aで連結されている。つまり、第2筐体41によって構成される移動路24は、この接続部位22aにおいて、第1筐体31によって構成される落下路23から分岐する状態で設けられている。
また、この移動路24は、篩30bにより分離された異物Eを受け入れ可能に構成されるとともに、傾斜姿勢の篩30bの下の落下路部位23bにおいて再び落下路23と接続されて、この落下路部位23bを経由して異物Eを落下路23に移動可能に構成されている。
ここで、係合軸穴30dと係合軸46とが係合した状態では、係合軸穴30d内で係合軸46が回転しない状態となっている。そして、係合軸支持体46aは、第2筐体41の支持孔41aに貫通する状態で設けられ、係合軸46を第2筐体41に対して揺動可能としている。また、油圧シリンダ47の一端部が架台70の油圧シリンダ接続部70aに接続されるとともに、油圧シリンダ47の摺動軸47aが揺動アーム48の先端に接続されている。
V字型揺動体30は、篩30bで構成された篩面30eと、側壁形成部材30aで構成された壁面30fとを備えている。この篩面30eと壁面30fとは互いに一方の端部で接続され、篩面30eと壁面30fとの接続部には、その篩面30eと壁面30fとが形成する角度Qを70°とするV型接続部30gが形成されている。
また、このV字型揺動体30には、係合軸穴30dが形成された円筒部30hが側壁形成部材30aに取り付けられており、この円筒部30hの係合軸穴30dに係合軸46を貫通させるともに、その係合軸46の両端部に係合軸支持体46aを、第2筐体41の支持孔41aを揺動可能に貫通させた状態で取り付けて固定することで、係合軸46を中心として、第1筐体31と第2筐体41との間でV字型揺動体30が揺動可能となる。
この状態において、フライアッシュサイロ20からフライアッシュFが、落下されると、フライアッシュFに含まれる異物Eが、篩30bの上面に残留し、この残留した異物Eは、篩30bが傾斜して設けられていることで、V字型揺動体30のV型接続部30gに移動して、V型接続部30gに異物Eが蓄積される。また、空気噴射ノズル35から圧縮空気を篩30bの上面に向かって噴射することで、篩30bの上面に堆積する異物Eを、より迅速にV型接続部30gに移動させることができ、篩30bの上面に異物Eが堆積することによる篩30bの目詰まりを防止して、異物Eの分離速度が低下することを防止することができる。
その後、異物Eは、第2筐体41の底面44を転がって接合面42と反対側の側面43付近に移動して異物貯留部45に到達し、この異物貯留部45に貯留される状態となる。つまり、移動路24の中間部位となる第2筐体41の底面44に異物貯留部45が設けられており、この異物貯留部45に、篩30bにより分離された異物Eが貯留されるように構成されている。また、この異物貯留部45から落下路23への移動時期を制御する異物移動時期調整機構Zが備えられている。
異物分離装置15は、篩30bが、落下路23を傾斜姿勢で横断して、フライアッシュサイロ20からのフライアッシュFの落下に伴って異物EをフライアッシュFから分離し、フライアッシュFから異物Eが除去された灰Gを、送り出し口33に送る第1運転状態と、篩30bが、落下路23から退避した退避姿勢で、フライアッシュFのフライアッシュサイロ20からの落下に伴って、そのフライアッシュFを異物Eを含んだまま、送り出し口に送る第2運転状態との間で、運転状態を選択可能に構成されている。
ここで、シュート部25に到達するフライアッシュFから異物Eが分離された灰Dは、例えば、建設資材用の原料として使用される。よって、この第1運転状態とする時に、シュート部25の下部に建設資材用の原料を運搬するジェットパック車等の粉体搭載口を設置して、シュート部25の開閉弁25aを開いて、シュート部25からジェットパック車等にフライアッシュFから異物Eが分離された灰Dが搭載される。
この第2運転状態では、篩30bが、落下路23から退避した退避姿勢で、処理物TであるフライアッシュFのフライアッシュサイロ20からの落下に伴って異物Eを含んだまま、送り出し口33に送られてシュート部25に到達する。
つまり、移動路24を構成する第2筐体41の異物貯留部45と接続路26との間に設けられている異物移動時期調整機構Zの開閉弁49の弁を開けることによって、異物Eは第2筐体41と接続路26とで構成される移動路24の全部を移動する状態となり、落下路23に排出されることとなる。
一方、この開閉弁49を閉じた場合は、異物Eは移動路24の一部を移動する状態となり、第2筐体41の異物貯留部45に一時的に異物Eを貯留することができる。そして、任意の時期に開閉弁49を開くことで、異物貯留部45に一時的に貯留した異物Eを、接続路26に排出するとともに、落下路部位23bにおいて落下路23に排出することができる。
(A)上記実施形態では、処理物TとしてのフライアッシュFは、電気集塵機11および給水予熱器7の下部に設けられたホッパーで収集された集塵物としたが、これに限らず、処理物Tを電気集塵機11のみで収集された集塵物としてもよい。
11 電気集塵装置
15 異物除分離装置
20 フライアッシュサイロ
22a 接続部位
22b 落下路部位
23 落下路
24 移動路
25 異物貯留部
30a 側壁形成部材
30b 篩
31 第1筐体
32 受け入れ口
33 送り出し口
34 振動付与装置
41 第2筐体
46 係合軸(揺動軸)
C 石炭
E 異物
F フライアッシュ
G 灰
T 処理物
Y 揺動機構
Z 異物移動時期調整機構
Claims (7)
- 灰と当該灰より大きな粒径の異物とからなる処理物を受け入れる受け入れ口と、前記受け入れ口より下側に位置される送り出し口とを備え、
前記受け入れ口と前記送り出し口との間に設けられた落下路に、前記異物を前記処理物から分離する異物分離手段を備えた異物分離装置であって、
前記異物分離手段が、前記落下路に鉛直方向に対して傾斜して配置される篩であるとともに、
前記篩が、前記落下路を傾斜姿勢で横断して、前記処理物の落下に伴って前記異物を前記処理物から分離し、前記灰を前記送り出し口に送る第1運転状態と、前記篩が、前記落下路から退避した退避姿勢で、前記処理物の落下に伴って前記異物を含んだまま、前記送り出し口に送る第2運転状態との間で、運転状態を選択可能に構成されるとともに、
前記落下路を形成する筐体に、前記筐体及び前記篩に振動を付与する振動付与装置を備え、前記第1運転状態で前記篩上に分離される前記異物を、前記第2運転状態で、前記送り出し口に送り込み可能に構成されている異物分離装置。 - 前記傾斜姿勢の篩の下の前記落下路に接続される移動路が、前記落下路とは別に備えられ、
前記移動路は、前記傾斜姿勢の篩の上部から、当該篩により分離された前記異物を受け入れるように構成され、
前記第2運転状態において、前記第1運転状態で分離された異物が、前記移動路の全部又は一部を移動する構成である請求項1記載の異物分離装置。 - 前記移動路は、前記傾斜姿勢の篩の上部における前記落下路から分岐し、前記傾斜姿勢の篩の下の前記落下路に接続されており、
前記移動路に、前記篩から分離した前記異物を貯留する異物貯留部が設けられ、当該異物貯留部から前記落下路への移動時期を制御する異物移動時期調整機構を備え、
前記異物移動時期調整機構は、開閉弁を備え、
前記開閉弁は前記異物を、閉状態で前記異物貯留部に貯留し、開状態で前記落下路へ移動させる請求項2記載の異物分離装置。 - 前記篩の傾斜姿勢と退避姿勢との間で、前記篩を揺動可能とする揺動軸を備えた揺動機構を備え、
前記篩の傾斜姿勢において、前記揺動軸側から上方に延び、前記移動路を塞いで前記落下路の一側壁を形成する側壁形成部材を備えた請求項3記載の異物分離装置。 - 前記筐体が、前記側壁形成部材とともに前記落下路を形成する第1筐体と、
前記移動路の一部を形成する第2筐体とから構成され、
前記第1筐体と前記第2筐体とが、前記傾斜姿勢の篩の上部における前記移動路と前記落下路との接続部位で連結されている請求項4記載の異物分離装置。 - 前記処理物がフライアッシュであり、前記受け入れ口の上部に、フライアッシュサイロが内部のフライアッシュを落下投入自在に接続されている請求項1〜5の何れか一項記載の異物分離装置。
- 前記処理物が、細粒化された石炭を燃料とする蒸気発生設備から発生し、電気集塵装置で集塵された集塵物である請求項1〜6の何れか一項記載の異物分離装置。
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