JP6118242B2 - 回転機械翼及び蒸気タービン - Google Patents

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Description

本発明は、例えば蒸気タービンなどの回転機械に用いられる回転機械翼、及びこの回転機械翼を備えた蒸気タービンに関する。
従来、蒸気タービンにおいては、軽量化を図るため、腹側部と背側部との各裏面によって空洞部が画成された中空構造としたタービン翼が知られている。このようなタービン翼では、振動を抑制する技術として、タービン翼の振動応答レベルを低減するため板バネ部材等のダンパが用いられている(例えば、特許文献1など参照)。この場合、共振時に翼内部で翼と板バネ部材とが接触するため、双方に摩擦が生じることにより減衰効果が得られることになる。
特許文献1には、タービン翼の内部に形成される空洞部が内部に形成され、かつ空洞部と外部とを連通させるスリットが形成された静翼において、腹側部材と背側部材との間に、腹側部材と背側部材のうち少なくとも一方と摺接し、双方の少なくとも一方との間に摩擦を生じさせる波形板バネが設けられた構成について記載されている。
特許第4939368号公報
ところで、発明者らは、板バネ部材による反力(付勢力)、即ち、板バネ部材が翼を内側から押圧する力が大きすぎると、ある加振力のもとでは、必要とされる減衰効果が得られないことを見出した。
図8は、板バネ部材による反力Nと実機から受ける加振力Fとの比N/Fと、板バネ部材が設けられたタービン翼の振動数及び減衰との関係を示すグラフである。図8に示すように、板バネ部材が設けられたタービン翼が減衰効果を発揮するためには、ある加振力に対して減衰が大きくなる領域(図8のIdで示すN/Fの領域)で使用することが理想である。
しかしながら、実機での加振力(図8のReで示すN/F)は実機に依存する一定の値であるので、仮に板バネ部材の反力が大きすぎると減衰が効かないことがある。即ち、反力が大きすぎると、減衰が効く前に、高サイクル疲労(HCF)に対する強度が維持できなくなる可能性があった。
実機を用いた振動特性の検証結果を実施して、必要な減衰効果が得られない場合、板バネ部材の反力を変更するために、再設計や金型のやり直しが必要となり、コストアップの要因となっていた。
この発明は、付勢部材用いて翼本体に生じる自励振動を抑制することができる回転機械翼において、振動の減衰特性を所望の特性に設定することを可能にする回転機械翼を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様によれば、回転機械翼は、腹側部の裏面と背側部の裏面とによって空洞部が画成された翼本体と、前記空洞部に、前記空洞部から前記裏面を押圧可能に配置された付勢部材と、前記付勢部材の付勢力を調整する調整部材と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、翼本体が弾性変形すると、付勢部材が翼本体の裏面に摺接し、翼本体の裏面との間に摩擦を生じさせる。この摩擦により翼本体の弾性変形を減衰することで、翼本体に生じる自励振動を抑制することができる。
そして、調整部材を用いて付勢部材の付勢力を調整することによって、付勢部材の反力を希望とする反力となるように調整が可能となる。これにより、腹側部と背側部との間における位置変動の減衰特性を所望の特性に設定することができる。
上記回転機械翼において、前記付勢部材は、板状をなし、前記背側部の裏面に密着する接触部と、前記腹側部に接して、前記接触部を付勢する弾性変形部と、を有する板状バネ部材であり、前記調整部材は、前記腹側部と前記弾性変形部との相対位置を調整する構成としてもよい。
上記構成によれば、動摩擦力を接触部と背側部の裏面との間に生じさせることができる。また、板状部材をプレス成型などにより湾曲させるだけで容易に付勢部材を形成することができる。
上記回転機械翼において、前記調整部材は、前記腹側部から前記背側部へ向けてねじ込まれて、前記弾性変形部を押圧するボルトであってよい。
上記構成によれば、完成した回転機械翼の外から板状バネ部材の反力の調整が可能となる。
上記回転機械翼において、前記弾性変形部にはボルトの先端が挿入される凹部が設けられている構成としてもよい。
上記構成によれば、板状バネ部材が調整ボルトの軸部に直交するいずれかの方向に移動した場合においても、調整ボルトの先端が凹部に引っかかることによってそれ以上の板状バネ部材の移動が妨げられる。
上記回転機械翼において、前記調整部材は、前記弾性変形部と前記腹側部との距離を調整する複数の隙間調整片であってよい。
上記構成によれば、隙間調整片の枚数を変更することで板状バネ部材の反力を調整することができる。また、板状バネ部材の反力を調整する調整部材の剛性を高めることができる。
上記回転機械翼において、前記複数の隙間調整片間と、前記隙間調整片と前記弾性変形部との間の少なくとも一方に、凹凸嵌合部が設けられている構成としてもよい。
上記構成によれば、隙間調整片及び弾性変形部の位置ずれを防止することができる。
上記回転機械翼において、前記翼本体は、長手方向の両端が支持され、前記調整部材は、翼本体の長さ方向に間隔をおいて少なくとも一つが設けられ、少なくとも前記翼本体の中央部に設けられている構成としてもよい。
上記構成によれば、最も振動が大きくなる翼本体の中央部の付勢部材の付勢力を調整することによって、十分な減衰効果を得ることができる。
また、本発明は、上記いずれかの回転機械翼が、ロータ軸の周方向に所定の間隔をあけて配列されている蒸気タービンを提供する。
上記構成によれば、同一の段の翼群に、中実静翼と比較して自励振動の生じにくい中空の回転機械翼を配列して、自励振動を抑制することができる。
本発明によれば、付勢部材用いて翼本体に生じる自励振動を抑制することができる回転機械翼において、振動の減衰特性を所望の特性に設定するができる。
本発明の第一実施形態に係る蒸気タービンの概略構成を模式的に示した図である。 図1に示す蒸気タービンを低圧最終段側から見た外観図である。 本発明の第一実施形態の静翼を背側から見た拡大図である。 本発明の第一実施形態の静翼の翼形を示す断面図である。 本発明の第一実施形態の静翼に設けられ、調整部材として機能する調整ボルトの拡大図である。 本発明の第二実施形態の静翼の翼形を示す断面図である。 本発明の第二実施形態の静翼に設けられ、調整部材として機能する隙間調整片の拡大図である。 板バネ部材による反力と実機から受ける加振力との比と、板バネ部材が設けられたタービン翼の振動数及び減衰との関係を示すグラフである。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態に係る蒸気タービンについて図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の回転機械用部材である静翼10が適用される蒸気タービン1は、発電プラント等で用いられているものである。例えば、このような蒸気プラントとしては、高圧の蒸気を発生する蒸気発生器2と、蒸気発生器2から高圧の蒸気が直接供給される高圧蒸気タービン3と、蒸気発生器2及び高圧蒸気タービン3からの蒸気の湿分を分離して加熱する湿分分離加熱器4と、湿分分離加熱器4から低圧の蒸気が供給される低圧蒸気タービン(以下、蒸気タービン1という)が設けられている。
蒸気タービン1において、湿分分離加熱器4からの蒸気は、蒸気入口6に供給され、蒸気タービン1に形成されている蒸気通路7を、ロータ軸8の軸方向(図中、矢印Aで示す)に沿って流れる。蒸気通路7には、回転機械翼である動翼9と静翼10が交互に配置されており、蒸気タービン1は、静翼10での圧力降下によって運動エネルギーを生じさせ、これを動翼9によって回転トルクに変換している。
動翼9は、ロータ軸8に結合されており、これを回転駆動する。一方、静翼10は、図1〜図3に示すように、ロータ軸8の径方向(図中、矢印Rで示す)内側の端がシュラウド11に、径方向Rの外側の端が翼根リング12に、それぞれ溶接により結合されている(図3に溶接部を符号Eで示す)。
動翼9と静翼10は、一対となって一個の「段」を構成しており、蒸気タービン1には、多数の段が設けられている。これら段は、蒸気通路7を上流側から下流側に向かうに従って、動翼9及び静翼10の翼高さ(ロータ軸8に略直交する方向の翼の長さ)が、長くなるよう構成されている。蒸気通路7の最も下流側にある段を「低圧最終段」という。
低圧最終段の静翼10は、上流側の段にある静翼10に比べて、特に翼高さが長いものとなっている。低圧最終段において、静翼10は、図1に示すように、ロータ軸8の周方向(図中、矢印Pで示す)に所定の間隔で複数配列されており、翼群を形成している。
図4に示すように、静翼10は、主に腹側を構成する腹側部材14と、主に背側を構成する背側部材15と、静翼10内部に配置されている板状バネ部材20と、板状バネ部材20の付勢力を調整する調整部材として機能する調整ボルト26と、を有している。腹側部材14と背側部材15は、それぞれ金属製の板状部材を、互いに異なる反り方で湾曲させたものである。腹側部材14は、その表面が静翼10の腹面となるよう反りが形成されている。一方、背側部材15は、その表面が静翼10の背面となるよう反りが形成されている。
腹側部材14と背側部材15は、略同一の長さに亘って翼高さ方向に延びている。
なお、「翼高さ方向」とは、図4に示す翼形の断面に垂直な方向であり、静翼10の平均反り線(骨格線ともいう、図中、一点鎖線Cで示す)に直交する方向である。
静翼10は、腹側部材14と背側部材15を組み合わせ、前縁部16と後縁部17において溶接して結合することで、その外装形状が形成されている。これにより、静翼10の内部、すなわち腹側部材14の裏面14aと背側部材15の裏面15aとの間には、翼高さ方向に沿って延びる空洞部18が形成される。また、静翼10の内部には、腹側部材14の裏面14aと背側部材15の裏面15aにより、翼内面14a,15aが形成されることになる。
このように本実施形態の静翼10においては、腹側部材14が静翼10の空洞部18より腹側の部分となる腹側部を構成し、背側部材15が、静翼10の空洞部18より背側の部分となる背側部を構成している。
また、本発明の翼本体は、腹側部材14と背側部材15との各裏面14a、15aによって空洞部18が画成されたものより構成されている。
また、空洞部18は、腹側部材14に形成されたスリット19a,19bによって、静翼10の内部(空洞部18)と外部とが連通され、静翼10の表面に付着した水滴を内部に取り込んで除去するようにしている。
内部に空洞部18を有する中空の静翼10は、内部に空洞部18を有しない中実静翼に比べて固有振動数が比較的小さなものとなっており、蒸気タービン1の作動時において、自励振動(フラッタ)が生じ易くなっている。自励振動が生じると、静翼10には弾性変形による撓みや捩れが生じ、静翼10の腹側部材14と背側部材15との間には、相対的な位置変動が生じる。
この相対的な位置変動を減衰するため、本実施形態による静翼10においては、空洞部18から、翼内面14a,15aに摺接可能な板状バネ部材20が設けられており、静翼10が弾性変形すると、この板状バネ部材20は、翼内面14a,15aとの間に摩擦が生じるようにしている。
本実施形態の静翼10においては、板状バネ部材20として、弓形板バネを用いており、板状バネ部材20が腹側部材14と背側部材15の間に配置されている。板状バネ部材20は長尺状をなし、板状バネ部材20の長手方向に延在する弾性変形部21と、一方向に延在する一対の接触部23,24と、弾性変形部21と接触部23,24とを連結する一対の連結部22と、を有している。換言すれば、板状バネ部材20は、一対の弓形板バネを弾性変形部21で接続した形状を有している。
弾性変形部21は、板状バネ部材20の略中央に板状バネ部材の長手方向に沿うように延在している。板状バネ部材20は、弾性変形部21が腹側部材14の翼幅方向の中央近傍に位置するように空洞部18の内部に配置される。弾性変形部21は、腹側部材14の裏面14aの曲率と略同じ曲率を有するように形成されている。
接触部23,24は、板状バネ部材20が空洞部18の内部に配置されることにより、背側部材15の裏面15aに自身の弾性力により面接触するように形成されている。接触部23,24は、背側部材15の裏面15aの曲率と略同じ曲率を有するように形成されている。板状バネ部材20は、長手方向が静翼10の翼高さ方向となるように位置決めされて、腹側部材14と背側部材15との間にある空洞部18に挿入される。
板状バネ部材20は、空洞部18の内部に配置された状態(初期状態)において、撓みにより僅かに弾性変形するように形成されている。この弾性力により、板状バネ部材20は、接触部23,24が背側部材15を裏側から押圧するようになっている。即ち、板状バネ部材20は、空洞部18に配置すると、腹側部材14と背側部材15とを、それぞれ静翼10の翼厚方向の外向きに付勢する(押し広げる)ように構成されている。なお、「翼厚方向」とは、図4に示す翼型の断面に平行な方向であり、翼の平均反り線Cと直交する方向を意味している。
図5に示すように、板状バネ部材20の付勢力を調整する調整部材として機能する調整ボルト26は、腹側部材14に取り付けられ、背側部材15(図4参照)に向けてねじ込まれている。調整ボルト26は、腹側部材14の主面に直交する方向にねじ込まれることによって、調整ボルト26の先端(ねじ先)が板状バネ部材20の弾性変形部21に当接する位置に取り付けられている。調整ボルト26は、静翼10の翼高さ方向(静翼の長手方向)に間隔をおいて複数設けられている。
調整ボルト26の配置位置は、対象とする振動モードに応じて調整位置を選択することができる。
調整ボルト26は、腹側部材14に形成されているネジ孔27に螺合するように取り付けられている。調整ボルト26としては、例えば六角穴付きボルトを採用することができる。調整ボルト26を六角穴付きボルトとすることによって、より締め付けトルクが必要な場合においても対応が可能となる。
ネジ孔27は、調整ボルト26の軸部が螺合する雌ネジ孔である。ネジ孔27は、腹側部材14の表面から裏面に貫通するように形成されている。ネジ孔27の表側にはザグリ28が形成されている。ザグリ28の深さ寸法は、少なくとも調整ボルト26の頭部の厚さ寸法よりも大きくされている。
板状バネ部材20の弾性変形部21には、調整ボルト26の先端が挿入される凹部29が形成されている。凹部29は平面視円形をなし、弾性変形部21の表面より僅かに凹むように形成されている。凹部29の直径は、調整ボルト26の軸部26aの直径よりやや大きく形成されている。即ち、調整ボルト26をネジ孔27に取り付けると、調整ボルト26の先端が凹部29に挿入され、板状バネ部材20が調整ボルト26の軸部26aに直交するいずれかの方向に移動した場合においても、調整ボルト26の先端が凹部に引っかかることによってそれ以上の板状バネ部材20の移動が妨げられる。
次に、上述した構成の静翼10の作用について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1に示すように、本実施形態では、蒸気タービン1の作動時において、その運転条件によっては、静翼10に自励振動が生じ、静翼10が弾性変形することがある。例えば、腹側部材14が後縁部17側に弾性変形すると共に、背側部材15が前縁部16側に弾性変形するなどして、腹側部材14の裏面14aと背側部材15の裏面15aとの間には、相対的な位置変動が生じることがある。
このとき、板状バネ部材20は、接触部23,24と腹側部材14の裏面14aの間において摺接しているので、腹側部材14と背側部材15の相対的な位置変動を抑制する方向に動摩擦力が生じる。この動摩擦力により、腹側部材14と背側部材15との間における相対的な位置変動が減衰され、静翼10の弾性変形を減衰することで、静翼10に生じる自励振動を抑制することができる。
また、板状バネ部材20が静翼10の腹側部材14と背側部材15とを押圧することによって、より効果的に静翼10の振動を抑制することができる。
ここで、板状バネ部材20による反力(付勢力)が大きく、必要とされる減衰効果が得られない場合、調整ボルト26を用いて反力を調整することができる。即ち、調整ボルト26を回して軸部26aの腹側部材14からの突出量を小さくすることによって、腹側部材14と弾性変形部21との相対位置を調整することができる。
例えば、図8に示すように、板状バネ部材20による反力Nと蒸気タービン1からの加振力Fとの比N/Fが加振力Fに対して減衰が大きくなる領域Idより大きい場合、反力Nが小さくなるように調整ボルト26を調整することにより、必要な減衰効果を得ることができる。
また、板状バネ部材20による反力が小さいことにより、必要な減衰効果が得られない場合には、反力Nが大きくなるように調整ボルト26を調整することにより、減衰特性を所望の特性に設定することができる。
上記実施形態によれば、静翼10が弾性変形すると、板状バネ部材20が腹側部材14及び背側部材15の裏面に摺接し、静翼10の裏面との間に摩擦を生じさせる。この摩擦により静翼10の弾性変形を減衰することで、静翼10に生じる自励振動を抑制することができる。
そして、調整部材として機能する調整ボルト26を用いて板状バネ部材20の付勢力を調整することによって、板状バネ部材20の反力を希望とする反力となるように調整が可能となる。
これにより、腹側部と背側部との間における位置変動の減衰特性を所望の特性に設定することができる。結果としてダンパとして機能する板状バネ部材20による振動低減効果の向上を図ることができる。換言すれば、実機の加振力に対して、必要な減衰が得られるダンパ反力を容易に得ることができる。
また、板状バネ部材20の反力を調整・変更したい場合でも、再設計や金型調整の必要がなくなる。
また、付勢部材として、板状をなし、背側部材15の裏面15aに密着する接触部23,24と、腹側部材14に接して接触部23,24を付勢する弾性変形部21と、を有する板状バネ部材20を採用した。これにより、動摩擦力を接触部23,24と背側部材15の裏面15aとの間に生じさせることができる。また、板状部材をプレス成型などにより湾曲させるだけで容易に板状バネ部材20を形成することができる。
また、調整部材として、調整ボルト26を採用したことによって、完成した静翼10の外から板状バネ部材20の反力の調整が可能となる。特に、反力を下げたい場合(反力が所定より大きすぎる場合)のみならず、反力が必要となる場合の両方に容易に対応することができる。板状バネ部材20の押し付け力が低く、板状バネ部材20と静翼10との間に隙間が生じるような場合にも対応が可能である。
また、弾性変形部21には調整ボルト26の先端が挿入される凹部29が設けられていることによって、板状バネ部材20が調整ボルト26の軸部26aに直交するいずれかの方向に移動した場合においても、調整ボルト26の先端が凹部29に引っかかることによって、それ以上の板状バネ部材20の移動が妨げられる。
なお、上記実施形態では、調整ボルトを翼高さ方向に複数設ける構成としたが、これに限ることはない。調整ボルト26は、一つの静翼10に一ヶ所配置してもよい。調整ボルト26を一ヶ所配置する場合は、静翼10の中央部に設けることが好ましい。本実施形態の静翼10はシュラウド11及び翼根リング12によって両端支持されているため、最も振動が大きくなる静翼10の中央部の板状バネ部材20の反力を調整することによって、十分な減衰効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、弾性変形部21に凹部29を形成することによって、弾性変形部21のずれを抑制する構成としたが、弾性変形部21と調整ボルト26との位置関係を維持できればこれに限ることはない。例えば、調整ボルト26の先端と弾性変形部21を例えば溶接によって接合するなどして固定してもよい。
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態の静翼10Bを図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態の静翼10Bに設けられた調整部材は、板状バネ部材20の弾性変形部21と静翼10Bの腹側部材14との距離を調整する複数の隙間調整片31(シム、スペーサー、ライナー)である。複数の隙間調整片31は、円形板形状をなし、弾性変形部21と静翼10Bの腹側部材14との間に配置される。
板状バネ部材20の静翼10に対する反力は、隙間調整片31の枚数を変更することによって調整することができる。隙間調整片31の枚数は、蒸気タービン1の実機を用いた検証試験結果に基づいて選択することができる。
図7に示すように、隙間調整片31には、積み重ねられる他の隙間調整片31との位置決めに使用される凸部31aと凹部31bが形成されている。凸部31aは、隙間調整片31の一方の面の中央部に、僅かに突出するように形成されている。凹部31bは、隙間調整片31の一方の面とは反対側の面に、僅かに凹むように形成されている。これら、凸部31a及び凹部31bは、積み重ねられる複数の隙間調整片31のずれを防止する凹凸嵌合部として機能する。
また、板状バネ部材20の弾性変形部21における隙間調整片31との接触面には、隙間調整片31の凸部31aが挿入される凹部29Bが形成されている。
上記実施形態によれば、調整部材として、弾性変形部21と腹側部材14との距離を調整する複数の隙間調整片31を採用したことによって、隙間調整片31の枚数を変更することで板状バネ部材20の反力を調整することができる。また、板状バネ部材20の反力を調整する調整部材の剛性を高めることができる。
また、複数の隙間調整片31間と、隙間調整片31と弾性変形部21との間の少なくとも一方に、凹凸嵌合部が設けられていることによって、隙間調整片31及び弾性変形部21の位置ずれを防止することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、クレームの範囲によってのみ限定される。
1 蒸気タービン
2 蒸気発生器
3 高圧蒸気タービン
4 湿分分離加熱器
6 蒸気入口
7 蒸気通路
8 ロータ軸
9 動翼
10,10B 静翼
11 シュラウド
12 翼根リング
14 腹側部材(腹側部)
14a 裏面
15 背側部材(背側部)
15a 裏面
16 前縁部
17 後縁部
18 空洞部
19a,19b スリット
20 板状バネ部材(付勢部材)
21 弾性変形部
22 連結部
23,24 接触部
26 調整ボルト(調整部材)
26a 軸部
26b 頭部
27 ネジ孔
28 ザグリ
29,29B 凹部
31 隙間調整片
31a 凸部
31b 凹部

Claims (8)

  1. 腹側部の裏面と背側部の裏面とによって空洞部が画成された翼本体と、
    前記空洞部に、前記空洞部から前記裏面を押圧可能に配置された付勢部材と、
    前記付勢部材の付勢力を調整する調整部材と、を有することを特徴とする回転機械翼。
  2. 前記付勢部材は、板状をなし、
    前記背側部の裏面に密着する接触部と、
    前記腹側部に接して、前記接触部を付勢する弾性変形部と、を有する板状バネ部材であり、
    前記調整部材は、前記腹側部と前記弾性変形部との相対位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の回転機械翼。
  3. 前記調整部材は、前記腹側部から前記背側部へ向けてねじ込まれて、前記弾性変形部を押圧するボルトであることを特徴とする請求項2に記載の回転機械翼。
  4. 前記弾性変形部にはボルトの先端が挿入される凹部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の回転機械翼。
  5. 前記調整部材は、前記弾性変形部と前記腹側部との距離を調整する複数の隙間調整片であることを特徴とする請求項2に記載の回転機械翼。
  6. 前記複数の隙間調整片間と、前記隙間調整片と前記弾性変形部との間の少なくとも一方に、凹凸嵌合部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の回転機械翼。
  7. 前記翼本体は、長手方向の両端が支持され、
    前記調整部材は、翼本体の長さ方向に間隔をおいて少なくとも一つが設けられ、少なくとも前記翼本体の中央部に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の回転機械翼。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の回転機械翼が、ロータ軸の周方向に所定の間隔をあけて配列されていることを特徴とする蒸気タービン。
JP2013270228A 2013-12-26 2013-12-26 回転機械翼及び蒸気タービン Active JP6118242B2 (ja)

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