JP6117508B2 - 培養基盤固定治具及びこれを用いた反重力培養方法 - Google Patents

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Description

本発明は、円筒容器内で培養基盤を一定の角度で保持する培養基盤固定治具に関し、より詳細には、反重力培養方法において用いられる培養基盤固定治具に関する。
細胞は生体の中では3次元の環境の中で、正常に増殖と分化を繰り返し、正常の組織に育成する。しかるに従来、細胞の培養の研究は、実験の便宜上、伝統的に、2次元平板の容器の中で行われてきた。その結果、最近になって、2次元平板だけでの培養の研究結果は、3次元の環境とは、かなりの差があり、数々の不都合が明らかになった。とくに幹細胞を従来型の平板で培養すると、ガン化(テラトーマ形成)する可能性が高くなることが明らかになった。そこで適正な3次元の構造をもった細胞培養基盤が急速に求められるようになった(非特許文献1)。しかし細胞をガン化させずに、正常に組織へと育成する3次元の細胞育成基盤の決定版が未だないのが現状である。
そこで、本発明者は、細胞に対して新たな物理刺激を与えることにより、細胞の増殖を促進する新規培養方法として、培養基盤に固定された細胞に対して、前記細胞の定着した足場から細胞方向へと重力を作用させる反重力刺激を与えて細胞を培養する反重力培養方法及びこれに用いる装置を提案している(特願2010−241528)。
Nature, 423: 21 August, (2003) p869-872
上記反重力培養方法において用いられる装置において、試験管内に細胞培養基盤を固定する際に、円筒容器内での作業になるので、作業性が悪いという問題を有していた。また試験管内での培養基盤の角度の調節も、難しかった。更に、また、試験管を回転させて細胞基盤に定着した細胞を培養する際に、途中で細胞培養基盤が脱落するといった問題を有していた。
そこで、本発明は、作業性良く円筒容器内で培養基盤を一定角度で保持するための治具を提供することを目的とする。
本発明(1)は、
円筒容器内に内接することにより固定される長尺形状部材であり、かつ、前記円筒容器内で培養基盤を一定の角度で保持する長尺形状部材を備える培養基盤固定治具であって、
前記長尺形状部材が、
前記培養基盤を保持する保持部と、
前記保持部と接続されている長尺形状の柄と、を備え、
前記保持部は、
前記培養基盤を把持する二枚のフレームと、
前記二枚のフレームと前記長尺形状の柄とを接続すると共に前記円筒容器内で前記培養基盤を一定の角度で保持するために前記二枚のフレームと前記長尺形状の柄との固定角度を調整する接続調整機構と、を有し、
前記保持部は、前記培養基盤が前記円筒容器の中心軸に対して傾斜する方向に沿って前記培養基盤を保持する、ことを特徴とする培養基盤固定治具である。
本発明(2)は、
前記接続調整機構は、可塑性部材からなることを特徴とする本発明(1)の培養基盤固定治具である。
本発明(3)は、
円筒容器内に内接することにより固定される長尺形状部材であり、かつ、前記円筒容器内で培養基盤を一定の角度で保持する長尺形状部材を備える培養基盤固定治具であって、
前記長尺形状部材が、長尺形状の板状部材であり、且つ
前記板状部材には前記培養基盤を挿入可能な空孔状の保持部が設けられており、
前記保持部は、前記培養基盤が前記円筒容器の中心軸に対して傾斜する方向に沿って前記培養基盤を保持する、ことを特徴とする培養基盤固定治具である。
本発明(4)は、
前記空孔状の保持部が複数配列されている、本発明(3)の培養基盤固定治具である。
本発明(5)は、
円筒容器内に内接することにより固定される長尺形状部材であり、かつ、前記円筒容器内で培養基盤を一定の角度で保持する長尺形状部材を備える培養基盤固定治具であって、前記円筒容器を載置可能である載置台を有する培養装置用であり、
前記長尺形状部材が、少なくとも2枚の長尺形状の板状部材からなり、
前記少なくとも2枚の板状部材間で培養基盤を挟み込み保持する保持部が設けられており、且つ、
前記培養装置は、前記円筒容器の中心軸を前記載置台の水平方向に対して傾斜させて前記円筒容器を前記載置台に載置可能である、ことを特徴とする培養基盤固定治具である。
本発明(6)は、
前記円筒容器を載置可能である載置台を有する培養装置用であって、
前記培養装置は、前記円筒容器の中心軸を前記載置台の水平方向に対して傾斜させて前記円筒容器を前記載置台に載置可能である、本発明(1)〜()のいずれか一つの培養基盤固定治具である。
本発明(7)は、
前記載置台の水平方向に対する前記円筒容器の中心軸の傾斜の角度は、前記載置台の水平方向に対して0〜80度である、本発明()又は()の培養基盤固定治具である。
本発明(8)は、
本発明(1)〜()のいずれか一つの培養基盤固定治具を用いて、培養基盤に固定された細胞に対して、前記細胞の定着した足場から細胞方向へと重力を作用させる反重力刺激を与えて細胞を培養する反重力培養方法であって、
細胞の固定された前記培養基盤を前記培養基盤固定治具の前記長尺形状部材により固定して、円筒容器内に挿入して固定する工程と、
前記円筒容器を回転させて細胞を培養する工程と
を有する反重力培養方法である。
本発明(9)は、
請求項1〜のいずれか一つの培養基盤固定治具を用いて、培養基盤に固定された細胞に対して、前記細胞の定着した足場から細胞方向へと重力を作用させる反重力刺激を与えて細胞を培養する反重力培養方法であって、
細胞の固定された前記培養基盤を前記培養基盤固定治具の前記長尺形状部材により固定して、円筒容器内に挿入して固定する工程と、
前記円筒容器内に培養液を供給する工程と、
前記培養液内で前記培養基盤の足場を重力方向に対して上側に、前記培養基盤に固定した前記細胞を重力方向に対して下側に配置して細胞を培養する工程と、
を有する反重力培養方法である。
また、本発明(10)は、
前記細胞を培養する工程における前記円筒容器の回転速度が1〜100rpmである、本発明()の反重力培養方法である。





本発明によれば、作業性良く円筒容器内で培養基盤を一定角度で保持することができるという効果を奏する。
また、第一の好適態様に係る培養基盤固定治具によれば、長尺形状の柄に、培養基盤を保持する保持部が設けられていることにより、円筒容器外で培養基盤を保持部に固定して、更に柄を持って円筒容器内に挿入して固定することができるので、円筒容器内での培養基盤の固定作業が容易になる。
更に保持部と柄の固定角度を調整する機構を有することによって、円筒容器内での培養基盤の角度を調整することができ、円筒容器内の回転によって培養基盤に固定された細胞に対して与えられる重力刺激を調節することができる。
また、保持部がフレーム間に培養基盤を保持することで、例えば、無機化合物の多孔体等の比較的物理強度の弱い培養基盤を用いた場合であっても、フレーム構造を採用することによって保持部と培養基盤の接触面積が大きくなるため、応力が集中しにくくなるため培養基盤の損傷を防ぐことができる。
更に、第二の好適態様に係る培養基盤固定治具によれば、上記効果に加え、培養基盤を挿入可能な空孔状の保持部を板状部材に設けるよう構成されているので、部材点数を増加させることなく空孔の数を増加させるだけで多数の培養基盤を適用することが可能となる。
また、第三の好適態様に係る培養基盤固定治具によれば、上記効果に加え、少なくとも2枚の板状部材で培養基材を挟み込むことで、3次元培養基盤(立体スキャフォールド)を容易に円筒容器内に固定することが可能となるのみならず、3次元培養基盤と培養液とを安定させて接触させることが可能となる。
本発明の培養方法によれば、前記細胞の定着した足場から細胞方向へと重力を作用させる反重力刺激によって細胞が活性化するため、当該細胞の増殖などが促進される効果を奏する。また、回転させて培養することによって、三次元培養基盤を使用した場合であっても、従来法では得られなかった高い効率で細胞を培養基盤にトラップさせることができる。また、培養液を使用することによって、当該培養液が三次元培養基盤の中を循環し、細胞の表面へ次々と新しい培養液が供給されることとなるため、細胞への栄養供給が好適に行なわれる。増殖・分化を終えた細胞は、トリプリン、またはコラーゲナーゼを使用する通常の方法によって、培養基盤から容易に遊離することが出来る。更に、円筒容器内に確実に固定することができるので、培養途中で培養基盤が脱落して意図する作用を細胞に対して及ぼすことができないといった問題が発生しにくくなる。
図1は、円筒容器内に培養基盤を固定するために用いられる培養基盤固定治具の第一態様の1の概略構成図である。 図2は、円筒容器内に培養基盤を固定するために用いられる培養基盤固定治具の第一態様の2に係る概略構成図である。 図3は、培養基盤固定治具の使用態様を示す図である。 図4は、培養基盤固定治具の使用態様を示す図である。 図5は、円筒容器内に培養基盤を固定するために用いられる培養基盤固定治具の第二態様の1に係る概略構成図(写真)である。 図6は、第二態様の1に係る培養基盤固定治具の使用態様を示す図である。 図7は、第二態様の1に係る培養基盤固定治具の使用態様を示す図(写真)である。 図8は、円筒容器内に培養基盤を固定するために用いられる培養基盤固定治具の第二態様の2に係る概略構成図(写真)である。 図9は、第二態様の2に係る培養基盤固定治具の使用態様を示す図(写真)である。 図10は、第二態様の2に係る培養基盤固定治具の使用態様を示す図(写真)である。 図11は、円筒容器内に培養基盤を固定するために用いられる培養基盤固定治具の第三態様に係る概略構成図である。 図12は、本発明に係る反重力培養装置の概略斜視図である。 図13(a)は、本発明に係る反重力培養装置の概略平面図であり、図13(b)は、概略側面図である。 図14は、本発明の変更例に係る反重力培養装置の使用態様を示す図(写真)である。 図15は、本発明の変更例に係る反重力培養装置の使用態様を示す図(写真)である。 図16は、本発明の変更例に係る反重力培養装置の使用態様を示す図(写真)である。 図17は、本発明に係る反重力培養装置に用いられる部品を示し、図17(a)は、三次元培養基盤を使用する場合に使用する部品の概略図であり、図17(b)は三次元培養基盤を用いることなく、単層又は重層の平面的に増殖した細胞を用いる場合に使用する部品の概略図である。 図18は、実施例及び比較例に係る培養方法により細胞を培養した際の実験結果を示すグラフである。 図19は、実施例及び比較例に係る培養方法により細胞を培養した際の実験結果を示すグラフである。 図20は、実施例及び比較例に係る培養方法により細胞を培養した際の実験結果を示すグラフである。 図21は、実施例及び比較例に係る培養方法により細胞を培養した際の実験結果を示すグラフである。 図22は、実施例及び比較例に係る培養方法により細胞を培養した際の実験結果を示すグラフである。 図23は、実施例及び比較例に係る培養方法により細胞を培養した際の実験結果を示すグラフである。 図24は、実施例及び比較例に係る培養方法により細胞を培養した際の実験結果を示すグラフである。
≪培養基盤固定治具≫
(第一形態の1に係る培養基盤固定治具)
図1は、円筒容器内に培養基盤を固定するために用いられる培養基盤固定治具の第一態様の1の概略構成図である。培養基盤固定治具3は、培養基盤を保持する保持部31と、前記保持部が固定されている長尺形状の柄33と、を有する。このようにして長尺状の柄33に保持部31を設けることによって、試験管内に培養基盤を挿入する際に作業しやすくなる。
保持部31は、培養基盤を把持する二枚のフレーム311、313と、前記保持部と前記柄との固定角度を調整するための要部材315とを有する。要部材315は、例えば、金属等の塑性変形できる可塑性部材、又は、前記二枚のフレームを互いに接近するように付勢した付勢部材からなる。
また、要部材315は、可塑性部材からなることが好適であり、可塑性部材であることにより、円筒容器内で培養基盤を一定の角度で保持する固定角度の調整機構として使用できる。要部材は、より具体的には、チタン、プラスチックなどの材料からなり、直径0.3〜0.7mmのワイヤーであることが好適である。
(第一態様の2に係る培養基盤固定治具)
図2は、円筒容器4内に培養基盤を固定するために用いられる培養基盤固定治具の第一態様の2に係る概略構成図である。第一形態の2の培養基盤固定治具3は、保持部31を複数有する。保持部31が前記柄の長尺方向に配列されている。このように複数の保持部31を配することにより、円筒容器内に複数の培養基盤を配置して同時に細胞培養を行うことができる。
図3に示すように、培養基盤固定治具を使用する場合には、細胞を定着させた培養基盤を保持部31の二枚の保持フレーム311及び313の間に挟み込む。この際、培養基盤は、円盤状の三次元培養基盤又は、シャーレであることが好適である。このような、円盤形状を有する培養基盤は、一般的に、円筒容器の中に固定しにくいが、本発明の固定治具の保持フレームを用いることによって、円盤を安定性良く固定することができる。
続いて、培養基盤を保持部に固定した後に、当該保持部の角度を調整する。保持部の角度を調整することによって円筒容器内での培養基盤の角度が決定するため、細胞に対して与える重力状態を調整することができる。
次に、図4に示すように角度を調整した培養基盤固定治具を円筒容器4内に挿入する。この際、長尺状の柄が設けられているため、円筒内に培養基盤を挿入しやすくなる。また、あらかじめ円筒容器外で角度の調整を行うことができるため、円筒容器内での培養基盤の角度が極めて調整しやすくなる。これにより、反重力培養方法において、培養途中で円筒容器内から培養基盤が脱落するといった問題が生じにくくなる。
(第二態様の1に係る培養基盤固定治具)
図5は、円筒容器内に培養基盤を固定するために用いられる培養基盤固定治具の、第二態様の1の概略構成図である。第二形態の1の培養基盤固定治具(図5の右上に示された部材)は、空孔状保持部(図5の右上に示された部材に開けられた3個の方形状開口部)を有する板状の支持板型部材(板状部材)である。図6及び図7に示されるように、当該空孔に培養基盤(例えば小型シャーレ28)を挿入することで、板状部材350(培養基盤固定治具3)に培養基盤(例えば小型シャーレ28)を保持させ、更に当該板状部材350を円筒容器4に挿入することで、培養基盤(例えば小型シャーレ28)を円筒容器4内で一定の角度で固定出来る。これにより、一つの円筒容器内で、複数の培養基盤による細胞培養を同時に行うことが可能となる。尚、図5では、培養基盤固定治具が複数個所(本例では三箇所が例示)の空孔状保持部を有する例のみ示したが、これには限定されず、一箇所であってもよい。
板状部材の材質は、培地中で化学的に安定であり、培養細胞に対して無害であることが好適である。より具体的には、チタン等の金属やセラミック、合成樹脂(例えばポリウレタン)等が好適である(尚、図5に示す板状部材はポリウレタン製である)。更に、図5に係る板状部材は単一の材料により構成されているが、これには限定されず、当該板状部材は複数の材料による組み合わせによって形成されていてもよい。例えば、板状部材が変形しやすい(培養基盤を固定しにくい)材質である場合には、針金やメッシュ、板等の補強部材によって補強されていてもよい。
板状部材の形状は特に限定されないが、培養基盤が円筒容器内で適切に保持される形状を有することが望ましい。例えば、3mm〜7mm程度の厚みの板状部材を用いることで、板状部材(空孔状保持部)に挿入された培養皿がしっかりと保持されやすいため望ましい(例えば、直径35mmの培養皿を使用した場合)。更に、板状部材が円筒容器に内接するように、板状部材の幅及び厚みを構成することが望ましい。このような構成とすることにより、板状部材が円筒容器内で適切に固定されるため、板状部材に保持された培養基盤を円筒容器内に適切に固定させることが可能となる。また、板状部材の長さとしては、板状部材を円筒容器に挿入した際に円筒容器の開口部に達する程度の長さを有することが好適である。このような構成とすることにより、板状部材を把持しながら円筒容器へ挿入することが出来るため、板状部材を円筒容器内の適切な位置に固定させやすくなる。更には、板状部材に複数の空孔状保持部を設ける場合に、円筒容器の長さ内でより多くの空孔状保持部を設けることが出来るようになる。
板状部材に設ける空孔状保持部の空孔の大きさは特に限定されず、保持する培養基盤の少なくとも一部が挿入可能であればよいが、保持する培養基盤の縦断面にほぼ等しい大きさ(高さ及び幅)を備えていることが好適である。前述のように、円盤形状を有する培養基盤は一般的に円筒容器の中に固定しにくいが、このような空孔状とすることにより、円盤形状の中心付近まで培養基盤を空孔に挿入することが可能となる(図6参照)ため、安定性良く培養基盤を固定することができる。但し、例えば、発泡ポリウレタンのような発泡樹脂等を板状部材として用いる場合には、圧縮保持の観点から、板状部材に設ける空孔状保持部の空孔の大きさは、保持する培養基盤の少なくとも一部よりも小さい方が好適である。また、当該空孔状保持部の位置も特に限定されず、板状部材のどのような場所に設けられていても良い。更に、空孔を設ける角度も設計段階にて様々に変更可能であり、空孔状保持部の角度を調整することによって円筒容器内での培養基盤の角度が決定するため、細胞に対して与える重力状態を適宜調整することができる。更に、板状部材に複数の空孔状保持部を設ける場合、空孔を設ける角度は設計段階にて各々に変更可能である。従って、複数の空孔状保持部を各々平行となるように設けることにより、保持された複数の培養基盤を各々均一な重力状態とすることも出来る。対して、複数の空孔状保持部が平行とならないように設けることで、保持された複数の培養基盤を不均一な重力状態としてもよい。尚、板状部材に複数の空孔状保持部を設ける場合、空孔状保持部を設ける個数は特に限定されず、板状部材の長さ内であれば何個設けてあってもよい。例えば、長さ120mm、外径40mm程度の円筒容器に内接するように設計された板状部材で、径約36mmの培養皿を保持する場合には、板状部材には3個程度の空孔を設けることが可能である(図5参照)。ここで、空孔状保持部は、培養基盤を保持可能であれば、空孔状保持部を構成する空孔が閉じられている形態に限定されず、空孔の一部が開口していてもよい。例えば、板状部材に溝状に設けられた形態であってもよい。
(第二態様の2に係る培養基盤固定治具)
図8は、円筒容器内に培養基盤を固定するために用いられる培養基盤固定治具の、第二態様の2に係る概略構成図である。第二態様の2は、第二態様の1と同様に、板状部材(図8に示された部材)に複数の培養基盤を保持させる態様であるが、複数の空孔状保持部(図8に示された部材に開けられた開口部)を隙間なく配列させ連通させることで、一つの空孔としている。このような空孔状保持部を設けた場合には、複数の空孔状保持部を、間隔を離して設けた場合と比較し、板状部材自体の強度はやや劣るが、決められた板状部材の長さ内でより多くの培養基盤を保持することが可能となる(図9及び10参照)。
空孔状保持部の大きさ(連通する空孔の個数)は特に限定されない。例えば、長さ120mm、外径40mm程度の円筒容器に内接するように設計された板状部材で、径約36mmの培養皿を保持する場合には、5個程度の培養皿を保持することが可能である。尚、複数の空孔が連通された空孔状保持部を、円筒容器の長さ範囲内で複数設けてもよい。
第二形態の1及び2においては、培養基盤を保持部に固定した後に、第一形態の1及び2と同様に、培養基盤固定治具を円筒容器内に挿入する。板状部材を把持しながら円筒容器内に挿入することが可能であるため、円筒内で培養基盤を適切に配置しやすくなる。また、あらかじめ円筒容器外で培養基盤の保持状態を確認することが容易であるため、反重力培養方法において、培養途中で円筒容器内から培養基盤が脱落するといった問題が生じにくくなる。
(第三態様に係る培養基盤固定治具)
図11は、円筒容器内に培養基盤を固定するために用いられる培養基盤固定治具の、第三態様に係る概略構成図である。第三形態に係る培養基盤固定治具3は、二枚の板状部材351及び352を有し、当該二枚の板状部材351及び352間に培養基盤を挟み固定することで、円筒容器4内で培養基盤を一定の角度で固定する。
板状部材351及び352の構造は、当該板状部材351及び352間で培養基盤を挟み込み保持することが可能であれば何ら限定されない。尚、円筒容器4内部を培養液で満たす場合には、当該培養液の一部が流通可能な空隙を有し、板状部材351及び352に挟まれた培養基盤の少なくとも一部に培養液が接触可能なように構成されていることが好適である。培養液の一部が流通可能な空隙を有する板状部材とは、微小な空孔が設けてある構造でもよいし、メッシュ状の構造であってもよいが、例えば、十分に目の粗い網目構造をもつことが好適である。このような構成とすることにより、培養基盤に十分に培養液が接触する他、培養液が板状部材に阻害されることなく円筒容器内で流通可能となる。従って、板状部材351及び352を挿入した円筒容器内の重力状態を変化させた際などに、円筒容器内の培養液の偏りも少なくなり、培養液から細胞へ栄養供給も滞りなく行うことが可能となる。
板状部材351及び352の形状は特に限定されないが、培養基盤を適切に保持することが可能な厚みを有することが望ましい。尚、板状部材が円筒容器に内接するように幅及び厚みを構成することで、板状部材が円筒容器内で適切に固定されるため、板状部材に保持された培養基盤を円筒容器内に適切に固定させることが可能となる。また、板状部材を円筒容器に挿入した際に、開口部に達する程度の長さを有することが好適である。このような構成とすることにより、板状部材を把持しながら円筒容器へ挿入することが出来るため、板状部材間で培養基盤を適切に挟み込んだまま、板状部材を円筒容器内の適切な位置に固定させやすくなる。
板状部材の材質は、培地中で化学的に安定であり、培養細胞に対して無害であることが望ましい。例えばチタン等の金属やセラミック、合成樹脂(例えばポリウレタン)等が好適である。それ以外の素材でも、例えば、特殊な加工を施したナイロン製のメッシュ等も適用可能である。
第三形態においては、培養基盤を保持部に固定した後に、第一及び第二形態同様に、培養基盤固定治具3を円筒容器4内に挿入する。第三形態に係る培養固定治具3によれば、3次元培養基盤(立体スキャフォールド)を容易に円筒容器内に固定することが可能となるのみならず、3次元培養基盤と培養液とを安定させて接触させることが可能となる。
続いて、本発明の培養基盤固定治具を用いた反重力培養方法について説明する。
(反重力培養方法)
本発明に係る細胞培養方法は、細胞に対して、前記細胞の定着した足場から細胞方向へと重力を作用させる反重力刺激を与えながら培養する反重力培養方法である。本発明者は、反重力刺激を細胞に対して与えることによって、細胞の増殖が促進されることを見出した。
ここで、「反重力刺激」とは、細胞の定着した足場から細胞方向へと重力を作用させることにより細胞に対して与えられる物理的な刺激を意味する。また、「重力刺激」とは、細胞から細胞の定着した足場方向へと重力を作用させることにより細胞に対して与えられる物理的な刺激を意味する。「重力変化刺激」とは、培養基盤に固定された細胞に加わる重力の作用方向を変化させることにより細胞に与えられる物理的な刺激を意味する。
本発明に係る培養方法は、細胞に対して反重力刺激を与えることによって、細胞活動が活性化されることを見出して完成させた。すなわち、定着した培養基盤から細胞を吊り下げるようにして培養することによって、細胞に対して反重力刺激が与えられて、細胞増殖が活性化される。このように天井から吊り下げられるように配されることによって、細胞は、培養基盤に対する接着面でしがみつくようにして培養される。更に細胞自身の形状も下方向にふくらむので細胞は自身の形状を維持しようとして努力する。これらの要因が細胞増殖等の促進刺激となると考えられる。
本発明に係る培養方法では、細胞に対して、反重力刺激を与える、又は、重力刺激と反重力刺激とを交互に与える、等の重力変化刺激を与えて細胞を培養することが好適である。反重力刺激を与えながら細胞を培養する方法としては、細胞を培養基盤上に固定して、前記培養基盤を重力方向に対して上側に、前記細胞を重力方向下側に固定する方法が挙げられる。すなわち、細胞が定着した基盤を反転させて細胞が逆さになった状態で培養する方法が挙げられる。このような状態で培養することによって、細胞の培養が促進されることを見出した。細胞を反重力状態に配することによって細胞を形成する骨格などの配置が重力によって変化するため、これが細胞培養を促す刺激となると推測される。
重力刺激と反重力刺激とを交互に与えながら細胞を培養する方法としては、例えば、細胞を培養基盤等の基盤に固定した状態で回転させることが好適である。このような方法により培養することにより、例えば、培地内に浮遊させて回転させる場合とは異なり、基盤が回転することによって、その上に固定された細胞の視点から考えると、細胞は、自己の固定されている基盤の重力場が反転しているように感じられる。これが、細胞内の再配置等を引き起こし反重力刺激となり、細胞培養や分化を促進すると考えられる。
尚、回転としては、断続回転と連続回転とが挙げられる。断続回転は、底面を下にして、細胞を一度定着させてから、一定時間後に、180度回転して底面を上にし、その後一定時間後培養を続け、細胞内の骨格を再配列させる。このようにして細胞骨格の再配列を必要に応じて繰り返し行わせる。細胞骨格の再配列刺激は、細胞にとって重大な刺激である、この刺激が細胞の分化と増殖に影響を与える。
ここで、培養基盤としては、多孔質の三次元培養基盤であってもよいし、シャーレ等の皿のような二次元(平面)培養基盤であってもよい。例えば、皿を使用した場合には、回転によって特殊な効果を期待することが出来る。すなわち、180°回転させた場合、重力は細胞にとって培養基盤とは反対の自由面から作用することになり、細胞に増殖と同時に、特異分化を促す効果を与えることが出来る。
本発明において使用する培養基盤は、多孔質の三次元培養基盤であることが好適である。ここで、三次元培養基盤とは、基盤の内部に気泡や間隙等の三次元の空間を有する基盤を意味する。
従来の方法によれば、細胞懸濁液を多孔質の三次元培養基盤に滴下するなどして細胞を播種すると、細胞は基盤をすり抜けて、殆どすべてが底面にまで落下するので、三次元培養の大きな技術的障害になっていた。これに対して本発明に係る方法のように基盤を回転させることによって、すり抜けて落下した細胞が再度、基盤と接触し、当該基盤上に定着する機会が増加することになる。したがって、細胞基盤と、細胞とを回転させることによって、従来法では得られなかった高い効率で細胞を培養基盤にトラップさせ、これによって骨芽細胞等の足場依存性細胞を、三次元培養基盤に播種し定着することができるという効果を有する。
本発明に係る培養方法において、容器の中に前記培養基盤を入れて、更に、培養液を導入して、前記容器を回転させることにより、細胞に対して反重力刺激を与えながら培養することが好適である。このように培養液を導入することによって、当該培養液が三次元培養基盤の中を循環し、細胞の表面へ次々と新しい培養液が供給されることとなるため、細胞への栄養供給が好適に行なわれる。このような環境に配されることによって、細胞培養に適した環境を提供することができる。培養液を用いる場合、細胞を懸濁した細胞懸濁液を培養基盤と共に、容器内に導入することが好適である。
ここで培養基盤としては、特に限定されないが、ポリマー、セラミックス等の多孔体や、チタンメッシュなどの繊維集合体材料等の多孔質の三次元培養基盤を使用することが好適である。ポリマーの多孔質基盤としては、ウレタン等の生体適合性材料の発泡体や、これらの表面にコラーゲンを被覆したものが使用できる。また、チタンメッシュとしては、チタン繊維の不織布などが挙げられる。セラミックスの多孔質基盤としては、セラミックス単体からなる多孔質基盤であってもよいし、ポリマーなどの多孔質材料の表面にセラミックスを被覆した基盤を用いることができる。また、発泡ポリウレタンの表面をリン酸カルシウムで被覆した多孔質細胞培養基盤を使用することが好適である。リン酸カルシウムが被覆されている状態でも、内部にセル(気泡、コンパートメント)を有し、当該セルが連通している状態であることが、細胞が成長しやすくなるため好適である。リン酸カルシウムとしては、特に限定されないが、ハイドロキシアパタイトあるいは、βトリカルシウムリン酸(βTCP)を使用することが好適である。また、発泡ポリウレタンは公知のポリウレタンの中からとくに細胞培養に適した幾何形体と化学的性質を具備した製品を使用することが好適である。ここで、発泡体のセルは200〜600μmの前後左右の広がりを有することが好適である。発泡ポリウレタンは、親水性を有するものであることが好適であり、3分以内に100μLのダルベッコウのリン酸緩衝生理食塩水を、表面に残さず吸い込む親水性と吸水性を示すものであることがより好適である。
多孔質培養基盤の製造方法は特に限定されないが、例えば、連続気泡を有する発泡体と処理溶液とを混合し、二酸化炭素をバブリングして、塩化カルシウムと第二リン酸化カリウムとを加えるアパタイト析出工程により製造することが出来る。ここで前記処理溶液は、塩化ナトリウムを含むことが好適である。このような製造方法により、多孔質細胞培養基盤を得ることにより、発泡ポリウレタンの表面に球状結晶の集合した被覆面が形成される。このように球状結晶が得られることによって、細胞の増殖がより促進される。
ここで、本発明に係る回転の速度は、1〜100rpmが好適であり、3〜20rpmがより好適である。このような回転速度で培養することにより、細胞の増殖が強く促進される。尚、本発明に係る回転は、回転の途中で、減速や加速等を行い回転速度を途中で変更又は回転を停止したり、回転の方向を逆方向に切り替える等してもよい(例えば、1/2回転や1/4回転等、周期的に正逆回転方向を切り替える態様を挙げることができ、この場合、前記同様、回転の速度は、1〜100rpmが好適であり、3〜20rpmがより好適である)。更には、回転速度や回転方向の変更及び回転の停止等の操作を繰り返し行ってもよい。
本発明に係る培養方法において、反重力刺激のみを与える場合、培養基盤は二次元的な平板型培養皿であることが好適である。例えば、平板型培養皿上で細胞を培養して、定着させた後に、当該培養皿を反転させて、天井に細胞がぶら下がった状態で培養することが好適である。このように培養することにより細胞に対して反重力刺激を与えることができる。また、所定時間経過した後に基盤を再度反転させてもよい。
更に、上記に平板培養皿を用いた方法の場合、前記培養が培養液内で行なわれることが好適である。培養液内で反転することにより、定着した細胞が落下することを防止することができる。更に、液体中で反転させることとなるため、空気中で反転させるよりも、反重力刺激がより穏和な刺激となる。
本発明において培養可能である細胞は、特に限定されないが、例えば、骨芽細胞、象牙芽細胞、歯根膜細胞、軟骨細胞、線維芽細胞、心筋細胞、肝細胞、膵臓由来細胞、ES細胞、並びにiPS細胞等の足場依存性細胞が挙げられる。
本発明において用いられる培養液は、培養する細胞に応じて適宜選択することが可能であり、特に限定されないが、例えば、炭素源、ビタミン、無機塩類などの栄養素を含む液体が好適である。培養液の量は、特に限定されないが、1〜1000mlが好適であり、1〜10mlがより好適である。
本発明に係る反重力培養方法の培養期間は、培養対象の細胞に応じて適宜設定可能であり特に限定されないが、1日〜5週が好適であり、2〜4週がより好適であり、3週が特に好適である。
その他、細胞培養環境は、公知の環境を適宜設定変更して適用できるので、特に限定されないが、培養器などの恒温条件で培養することが好ましい。
以下、本発明において好適に使用される反重力培養装置について説明し、更に、当該装置を用いた培養方法について詳細に説明する。
《反重力培養装置》
図12は、本発明に係る反重力培養装置1の概略斜視図であり、図13(a)は、当該反重力培養装置の概略平面図であり、図13(b)は、当該反重力培養装置の概略側面図である。
反重力培養装置1は、筒状容器を傾けて回転させる筒状容器回転手段11と、前記筒状容器回転手段11に対して回転減速手段12を介して接続されたモータ13と、前記モータを駆動するための駆動電源14と、を有する。当該装置を用いることにより、筒状容器内に配置された細胞は、当該容器の回転によって反重力刺激を受けることができる。先述の各構成は、基板15上に設置されていることが好適である。このように一枚の基板上に設置することにより持ち運びが容易になる。回転減速手段12及びモータ13は、ゴム製のクッション台座17の上に設置されていてもよい。クッション台座17の高さを調整することによってフレキシブルジョイントの位置関係を調整できる。また、本発明に係る装置には駆動電源(例えば、電池)14が設けられていることにより、別途、外部から電源を導入する必要がなく、当該装置をそのまま培養装置内に入れて扉を閉めて、培養を行なうことができるため、好適である。また、必要に応じ、通法のように平型リード線を用いて、培養装置のドアの隙間から外部電源を導入することが可能である。
筒状容器回転手段11は、複数のロール111a〜cを平行に回転軸112a〜cを介して固定する枠体113とを有する(図13(a))。これらの複数のロール111a〜cは、枠体113の内部に回転可能に固定されている。また、ロールは、例えば、中心に丸い形状の棒等の芯棒1111を使用して、その周囲を発泡ウレタンや、ゴムなどの軟質でありながら適度な摩擦性を有するクッション材料1112で覆った構成を有することが好適である(図13(a))。また、複数のロール111は回転軸が平行になるように配され、隣接するロールの間に筒状容器が載置できる程度の間隔d(ロールの間隔dは円筒状容器の直径よりも狭い間隔である)を有していることが好適である(図13(a))。
枠体113の回転軸を固定する辺のいずれか一方には、筒状容器が滑り落ちないようにするための、保持部1131が設けられていることが好適である。また、当該枠体113を斜めに固定する固定手段114を有することが好適である。当該固定手段を有することにより、筒状容器を斜めに傾けて回転させることができるので、円筒容器内に配置された細胞に対して反重力刺激を与えることができる。更に当該固定手段は枠体の傾き角度を調整可能に構成することが好適である。より具体的には、例えば、上部に固定孔1142を有する板状体1141を枠体113の左右に垂直に配し、前記固定孔1142に対して枠体113を固定する螺子1143を設ける。更に、前記固定孔1142の両脇にワッシャ1144を設けることが好適である。ここで、固定孔1142の形状は、垂直方向に対して細長く形成されていることが好適であり、このように細長く形成することにより枠体を上下に移動させることができるので、傾けることによって枠体が基板15と干渉する場合であっても、当該干渉を防ぐことができる。また、上下に移動することができるので、回転軸112a〜cのいずれかとモータの回転を伝達するためのフレキシブルジョイントとの距離調整が容易になる。
前記複数のロールのうち少なくとも一つは、その回転軸とモータと回転可能に接続されている。少なくとも一つの回転軸がモータに接続されていることにより、ロールの間に筒状容器を載置することにより筒状容器を回転させることができ、更に、筒状容器に接触している隣接するロールも回転するため、当該筒状容器を安定に回転させることができる。
回転軸とモータの接続は、回転減速手段12を介して、フレキシブルジョイント16により接続されていることが好適である。フレキシブルジョイント16としては、例えば、ゴム、プラスチック等の樹脂チューブを用いることができる。このようにフレキシブルジョイントを用いることにより、枠体113の傾斜を自由に設定することが可能となる。尚、フレキシブルジョイントの中心が、回転軸112bと回転減速手段回転軸の二つの軸の延長の交点になるように両者の位置関係を調整することが好適である。
回転減速手段12としては、特に限定されないが、プラネタリーギアを用いることが好適である。プラネタリーギアを用いることにより、減速機構をよりコンパクトにすることができるので、装置全体でかさばらなくすることができる。プラネタリーギアによって例えば、モータの回転速度を1/400まで減速することができる。
駆動電源14は、独立に電源を供給することができれば特に限定されないが、一次電池や、バッテリーなどの二次電池を使用することができ、例えば、図に示すように電池ボックスが設けられていてもよい。このように独立に電源供給できる駆動電源を有することにより、培養器のような密閉系の中に入れてもモータを駆動させることができる。
(変更例)
前述のように、図12等に示した反重力培養装置においては、筒状容器回転手段に設けられたロールの回転軸は、フレキシブルジョイントを介して、モータと接続している。その結果、枠体の傾斜を自由に設定することが可能となっている。しかし、そのような構成においては、フレキシブルジョイントに応力が集中し破損してしまう可能性があり、長時間放置の細胞培養において好ましくない場合もある。そこで当該問題の解決手段として、フレキシブルジョイントを排除した態様である反重力培養装置の変更例について詳述する。
変更例に係る反重力培養装置は、フレキシブルジョイントを用いずとも円筒容器回転手段に動力を伝達可能な構成とするために、円筒容器回転手段の回転軸と回転減速手段及びモータとが近接設置(又は直接的に接続)されている。例えば、円筒容器回転手段の下部に回転減速手段及びモータを設けた態様が考えられる(図14参照、点線囲い部が回転減速手段及びモータを組み込んだ部材)。このような構成とすることにより、円筒容器回転手段の回転軸とモータとが近接するため、フレキシブルジョイントを用いずとも、単純なギアやベルト等でモータの動力をロールの回転軸に伝達することが可能となる。しかし当該構成においては、回転減速手段やモータ等が大きい場合には、これらの部材が基板と接触する等し、枠体の傾斜角度の設定に不自由が生じる場合がある。その場合は、枠体全体の位置を高くすることで基板との距離を離してもよい。更には、図15のように、円筒容器回転手段の上部に回転減速手段やモータ(図示せず)を設けて、図15の点線囲い部に示すように、単純なギアやベルト等で、モータの動力をロールの回転軸(点線囲い中の右上の回転軸)に伝達すればよい。このような構成とすることにより、回転減速手段やモータ等が基板と接触し難くすることが可能となる。
変更例に係る反重力培養装置においては、フレキシブルジョイントを用いずに、モータと筒状容器回転手段におけるロールとが近接するように接続させ、動力を伝達させる。その結果、変更例に係る反重力培養装置によれば、枠体の傾斜を自由に設定することが可能となるのみならず、部材数を減らすことで、装置全体の耐久性を向上させることが可能となる。
ここで、枠体の回転軸を固定する辺のいずれか一方に設けられた保持部としては、筒状容器が接触する箇所に凸形状が設けてあってもよい(図15中実線囲い部参照)。このような構成とすることにより、摩擦力が働くことで当該凸形状が支えとなり、筒状容器が保持部上で滑り難くすることが可能となる。更に、筒状容器をローラーの上に載置した際に、筒状容器の底面の中心部付近と当該凸形状が接触するように、凸形状を設けることが好適である(図16参照)。このような構成とすることにより、筒状容器が回転する際の回転軸(円筒容器の中心軸)が凸形状によって安定し、円滑な回転を行うことが可能となる。
図17(a)は、三次元培養基盤を使用する場合に用いる容器及び培養基盤の概略構成図であり、図17(b)は、平板型培養皿を使用する場合に用いる容器及び培養基盤の概略構成図である。
図17(a)に示すように三次元培養基盤を使用する場合、容器はガラス製の円筒容器21であることが好適であり、更に、円筒容器の開口部は通気性のアルミキャップ23で覆われていることが好適である。
当該ガラス円筒容器内には、円形状の三次元培養基盤25が備えられており、当該三次元培養基盤25は、培養基盤固定治具3を用いて、円筒容器内に固定されている。ここで、三次元培養基盤25は、角度を調整することが好適である。円筒容器内21には、培養液lが導入されている。
図17(b)に示すように平板型培養皿でも、三次元培養基盤を使用する場合と同様に、容器はガラス製の円筒容器21であることが好適であり、更に、円筒容器の開口部は通気性のアルミキャップ23で覆われていることが好適である。ここで、平板培養皿(小型シャーレ)28は、円筒容器の内径よりも小さな径を有している円形状であることが好適である。平板型培養皿は、特に限定されないが、チタン又はプラスチック製であることが好適である。
平板培養皿は、培養基盤固定治具3を用いて、円筒容器内に固定されていることが好適である。当該培養基盤固定治具3によって、角度を調整することが好適であり、例えば、円筒容器21を反重力培養装置で回転させる際の傾きに傾斜させた場合に、水平方向になるように固定されることが好適である。
《反重力培養方法》
上記の装置を用いる反重力培養方法の例を挙げて説明する。本発明に係る反重力培養方法の具体例として、容器を回転させる装置を用いて、当該容器内に細胞を播種して、当該容器を回転させて培養する方法が挙げられる。このように容器を回転させることにより細胞に対して反重力刺激を与えながら培養する。回転させる筒状容器内壁に、培養基盤を固定して回転させて、細胞に対する重力の方向を反転させつつ培養することが好適である。
容器としては、特に限定されないが、上述の筒状容器が好適であり、更に好適には試験管が挙げられる。すなわち、筒状容器回転手段11の上に筒状容器を載置することによって、当該容器が回転し、細胞に対して反重力刺激を与えることができる。尚、筒状容器の傾きは、特に限定されないが、水平に対して0〜80°が好適であり、5〜60°がより好適であり、10〜40°が更に好適である。
三次元培養基盤を用いる場合には、各種細胞が定着したディスク状の三次元培養基盤25は、筒状容器21の内壁に固定されたのち、反重力装置の上で回転を受けつつ培養される。セルの開口部は通気性のアルミキャップ23で覆われる。
平板培養基盤を用いる場合には、各種細胞は、先ず、平板培養皿26の中で単層細胞層として培養される。この平板培養皿26は、周囲に備えられた培養基盤固定治具3を用いて円筒状容器21の内部に固定される。この培養基盤固定治具3によって、平板培養皿の底面が重力の方向に垂直になるよう、自在の角度でガラスセル内壁に固定できる。これによって平板培養皿を重力方向に垂直に、しかも上下を180°反転して固定することができ、その結果、細胞に対して、重力と反重力の動力学的効果を、それぞれ与えることができる。
例1:反重力培養方法
反重力培養装置1及び第三形態に係る培養基盤固定治具3を用いて、細胞の培養を行なった。骨芽細胞MC3T3−E1を三次元培養基盤(ハイドロキシアパタイト被覆発泡ポリウレタン:多孔質培養基盤)にコラーゲン被覆した培養基盤に対して、50,000個ずつ播種して、培養基盤固定治具に保持された当該培養基盤および培養液5ml(イーグルの最小必須培地)を、試験管内に入れて、水平に対して25°傾けたロール上に載置して、4rpmの速度で回転させて、培養器中で培養試験を行なった。2日後、2週後、4週後の細胞数をミトコンドリアの酵素活性を測定する呈色反応(MTS測定法)を行い450nmで吸光度を測定することにより観察した。2週後に細胞数が顕著に増加した。その結果を図18の実線で示す。
例2:静置培養方法
対照実験である従来型の静置培養の結果を図18の点線で示す。上記の例1と、調製した骨芽細胞が播種された三次元培養基盤を96ウエルディッシュに載置して静置培養した以外は同様の条件で細胞培養試験を行なった。2日後、2週後、4週後の細胞数を呈色反応を行い450nmで吸光度を測定した結果、従来型の静置の細胞数は、時間と共に細胞は増殖するが、反重力装置で培養した場合と比較すると、2〜4週においては約2分の1に留まっている。
例3、4
三次元培養基盤として、コラーゲンのみを被覆したポリウレタンを用いたこと以外は、例1と同様の方法で、例3に係る培養を行なった。また、回転を行なわなかったこと以外は、例3と同様の条件で、例4に係る培養を行った。これら例3及び例4に係る培養の結果を、1週後、2週後、3週後、6週後の細胞数にて観察し、図19に示す。いずれの時点でも反重力培養の例は、従来法で培養した比較例よりも高い細胞数を示した。
例5、6
三次元培養基盤として、市販のチタンメッシュを用いたこと以外は、例1と同様の方法で、例5に係る培養を行なった。また、回転を行なわなかったこと以外は、例5と同様の条件で、例6に係る培養を行った。これら例5及び例6に係る培養の結果を、3日、2週後、3週後、4週後、5週後、7週後の細胞数にて観察し、図20に示す。いずれの時点でも反重力培養の例は、従来法で培養した比較例よりも高い細胞数を示した。とくに2週目から4週目にかけては、1.4〜1.6倍高い値を示した。
例7、8
反重力培養装置1及び第一形態に係る培養基盤固定治具3を用いて、細胞の培養を行なった。二次元の平板培養基盤(内径13mm、深さ2mmのチタン製培養皿)の上に骨芽細胞MC3T3−E1を12.5万個ずつ播種して、4時間培養した。その後、例7においては、培養液(イーグルの最小必須培地)を、試験管内に入れて、皿を反転させて、培養皿を重力方向に対して上側に、細胞を重力方向下側に向けて配置して反重力刺激を与えながら48時間培養した。例8においては、培養液(イーグルの最小必須培地)を、試験管内に入れて、皿を反転させずに(4時間の培養と同じ向きで)重力の方向に垂直に配置して48時間培養した。48時間後の細胞数をミトコンドリアの酵素活性を測定する呈色反応(MTS測定法)を行い450nmで吸光度を測定することにより観察した。結果、反重力刺激を与えた例7においては、細胞数が顕著に増加した。その結果を図21で示す。
例9〜12
骨肉腫由来細胞(MG63)を皿1枚あたり3万個ずつ直径35mmのプラスチック製ディッシュに播種し、1晩、通法に従って培養・定着させた後、2群に分け、第一形態の培養基盤固定治具3に設置して、反重力培養装置1に導入し、細胞の培養を行った。その後、通法に従って1型コラーゲン及びF−アクチンの発現量を定量的に測定した。1型コラーゲンの発現量結果(例9及び例11)を図22に、F−アクチンの発現量結果(例10及び例12)を図23に各々示す。ここで、第1群(例9及び例10)においては、皿を反転させて、培養皿を重力方向に対して上側(天)に、細胞を重力方向下側に向けて配置して反重力刺激を与えながら、1週間培養している。他の1群(例11及び例12)においては、皿を反転させずに(定着した向きと同じ向きで)培養皿を重力方向に対して下側(地)に、細胞を重力方向上側に向けて配置し1週間培養している。結果、反重力下では、正重力下よりも、コラーゲンは2倍、アクチンは20倍の発現量となり、両マーカーとも顕著な差をもって明確に発現が増大した。以上のように、反重力装置の効果は明らかに実証された。尚、mRNAの定量は、Applied Biosystems StepOne(tm) /StepOnePlus(tm) リアルタイムPCRシステムにて解析した。すなわち、各群を1週間培養した後、通法に従い、RNAレーター(商標)(ライフテクノロジー社)試薬1mlを各皿に加え、全RNA抽出を回収した。それぞれの全RNAから逆転写酵素反応により鋳型DNAを合成し、TaqMan(r)Gene Expression Assaysを製造者のプロトコールに従ってRNA分析した。
例13、14
骨芽細胞MC3T3−E1MC3T3−E1を、市販の3次元細胞基盤チタンウエブ・ディスク(H社i−Lex製TW、13×1.5mm)内に、細胞が培養皿上に落下しないようにチタン粗大金網の上で、3万ずつ播種し、細胞がチタンウエブ内に定着するのを待ってから(1晩静置)、先ず市販の24ウェル培養ディスク(Corning社製)に移し、通常の静置培養を行った(24枚を培養)。その後、一定時間培養を続けた後、2群に分け、反重力培養装置に導入した。すなわち、本装置の第3形態の培養基盤固定治具(粗いチタンメッシュ板2枚の間に挟みこむ方式)に、1装置あたり、5枚ずつ挟み込み、その1郡の5枚は反重力装置によって、1/4反復交互回転(1分間に30回、90度回転する毎に回転方向を反転)を加えつつ培養し(例14)、他の群の5枚は対照として、挟み込んだまま静置培養した(例13)。それぞれ1週間培養した。コラーゲン産生量は、培養終了後に個々のディスクを取り出して、5℃でペプシン限定消化し、コラーゲンを可溶化してからSilcol試薬によって発色させ、590nmで比色定量した。その結果を図24に示す。1週間培養において半回転した場合(図24中TWRと表示)、コラーゲン産生量が同装置内静置(図24中tube-TWSと表示)の3.2倍に上昇した。
本発明に係る反重力培養方法は、反重力刺激によって細胞が活性化されるという新たな発見に基づき完成された。従来の培養方法によれば、単に培養基盤上で細胞を定着させて培養を行なっていたが、細胞定着後の基盤を裏返せば細胞増殖を促進できることを示している。これは非常に簡単な作業によって、細胞が活性化されることを意味し、細胞培養全体に応用できることが期待される。
本発明に係る反重力培養方法及び反重力培養装置は、複雑で高価な装置を用いることなく、三次元培養基盤に汎用的に応用可能ならしめる。応用の1例としては、現在、iPS細胞が、従来の平板培養では、ガン化するなどの困難に局面するが、本装置によって、3次元の細胞の家と同時に、重力という自然の動力学的刺激を与えることで、新しい展開が十分期待できる。
本発明に係る反重力培養装置によれば、宇宙に行かなくても、机の上で細胞に対する重力の効果を調べることが出来る。要するに、今までの細胞培養装置では、細胞を床の上に静かに寝かせていたが、本発明に係る反重力培養装置により、天井の下側の面に、ヤモリや、忍者のように張り付けて生活させる。それが刺激(反重力刺激)になって細胞が、床の上とは異なった活動をすることになり、それがガンの薬の効き方などにも、違った影響を与えると推測される。細胞は、一人の体に60兆個(10の12乗個)存在する。体の中では、平板の上に静かに生きているのではなく、上下左右から力を受け、動いている。反重力培養装置によって交互に、上から下からの重力を繰り返し加えることより、少しだけ生体に近い状態に近づけて、体の外で培養が可能となる。
本発明の培養基盤固定治具は、円筒容器内に培養基盤を作業性良く固定することができるため、上記の反重力培養方法において有用である。
1:反重力培養装置
11:筒状容器回転手段
12:回転減速手段
13:モータ
14:駆動電源
15:基板
16:フレキシブルジョイント
17:台座
111a〜c:ロール
1111:芯棒
112a〜c:回転軸
113:枠体
1131:保持部
114:固定手段
1141:板状体
1142:固定孔
1143:螺子
1144:ワッシャ
21:円筒容器
23:アルミキャップ
25:三次元培養基盤
26、28:平板培養皿
3:培養基盤固定治具
31:保持部
311、313:保持フレーム
315:要部材
33:長尺形状の柄
350〜352:板状部材
4:円筒容器

Claims (10)

  1. 円筒容器内に内接することにより固定される長尺形状部材であり、かつ、前記円筒容器内で培養基盤を一定の角度で保持する長尺形状部材を備える培養基盤固定治具であって、
    前記長尺形状部材が、
    前記培養基盤を保持する保持部と、
    前記保持部と接続されている長尺形状の柄と、を備え、
    前記保持部は、
    前記培養基盤を把持する二枚のフレームと、
    前記二枚のフレームと前記長尺形状の柄とを接続すると共に前記円筒容器内で前記培養基盤を一定の角度で保持するために前記二枚のフレームと前記長尺形状の柄との固定角度を調整する接続調整機構と、を有し、
    前記保持部は、前記培養基盤が前記円筒容器の中心軸に対して傾斜する方向に沿って前記培養基盤を保持する、ことを特徴とする培養基盤固定治具。
  2. 前記接続調整機構は、可塑性部材からなることを特徴とする請求項1に記載の培養基盤固定治具。
  3. 円筒容器内に内接することにより固定される長尺形状部材であり、かつ、前記円筒容器内で培養基盤を一定の角度で保持する長尺形状部材を備える培養基盤固定治具であって、
    前記長尺形状部材が、長尺形状の板状部材であり、且つ
    前記板状部材には前記培養基盤を挿入可能な空孔状の保持部が設けられており、
    前記保持部は、前記培養基盤が前記円筒容器の中心軸に対して傾斜する方向に沿って前記培養基盤を保持する、ことを特徴とする培養基盤固定治具。
  4. 前記空孔状の保持部が複数配列されている、請求項記載の培養基盤固定治具。
  5. 円筒容器内に内接することにより固定される長尺形状部材であり、かつ、前記円筒容器内で培養基盤を一定の角度で保持する長尺形状部材を備える培養基盤固定治具であって、前記円筒容器を載置可能である載置台を有する培養装置用であり、
    前記長尺形状部材が、少なくとも2枚の長尺形状の板状部材からなり、
    前記少なくとも2枚の板状部材間で培養基盤を挟み込み保持する保持部が設けられており、且つ、
    前記培養装置は、前記円筒容器の中心軸を前記載置台の水平方向に対して傾斜させて前記円筒容器を前記載置台に載置可能である、ことを特徴とする培養基盤固定治具。
  6. 前記円筒容器を載置可能である載置台を有する培養装置用であって、
    前記培養装置は、前記円筒容器の中心軸を前記載置台の水平方向に対して傾斜させて前記円筒容器を前記載置台に載置可能である、請求項1〜のいずれか一項記載の培養基盤固定治具。
  7. 前記載置台の水平方向に対する前記円筒容器の中心軸の傾斜の角度は、前記載置台の水平方向に対して0〜80度である、請求項又は記載の培養基盤固定治具。
  8. 請求項1〜のいずれか一項記載の培養基盤固定治具を用いて、培養基盤に固定された細胞に対して、前記細胞の定着した足場から細胞方向へと重力を作用させる反重力刺激を与えて細胞を培養する反重力培養方法であって、
    細胞の固定された前記培養基盤を前記培養基盤固定治具の前記長尺形状部材により固定して、円筒容器内に挿入して固定する工程と、
    前記円筒容器を回転させて細胞を培養する工程と
    を有する反重力培養方法。
  9. 請求項1〜のいずれか一項記載の培養基盤固定治具を用いて、培養基盤に固定された細胞に対して、前記細胞の定着した足場から細胞方向へと重力を作用させる反重力刺激を与えて細胞を培養する反重力培養方法であって、
    細胞の固定された前記培養基盤を前記培養基盤固定治具の前記長尺形状部材により固定して、円筒容器内に挿入して固定する工程と、
    前記円筒容器内に培養液を供給する工程と、
    前記培養液内で前記培養基盤の足場を重力方向に対して上側に、前記培養基盤に固定した前記細胞を重力方向に対して下側に配置して細胞を培養する工程と、
    を有する反重力培養方法。
  10. 前記細胞を培養する工程における前記円筒容器の回転速度が1〜100rpmである、請求項記載の反重力培養方法。
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