JP6115359B2 - ガスセルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スセルの製造方に関する。
近年、携帯電話など移動体通信網やテレビ放送網等のデジタルネットワーク化の進展に伴い、伝送装置のクロック信号や放送局の基準周波数の生成に使用される基準クロック源等として、高精度・高安定な発振器が必要不可欠なものとなっている。そのような発振器として、発振周波数の精度・安定度が高い原子発振器が多く用いられている。また、通信機器の小型化に伴い、搭載される原子発振器の小型化の要求が高まり、光反応部(物理パッケージとその駆動回路部)も含めて全体を小型化することが求められている。
この小型化の要求に対して特許文献1には、物理パッケージを構成するガスセルの製造にあたり、金属が設けられた穴を備える基板と、当該穴を封止する封止基板と、を陽極接合法等によって接合し、金属が設けられた穴を封止するガスセルの製造方法が開示されている。
特開2009−283526号公報
しかしながら、上述のガスセルの製造方法において、金属が設けられた穴を備える基板と、当該穴を封止する封止基板と、を接合する際に生じる熱によって、金属が蒸発し、穴に封入される金属が減少する虞があった。また、ガスセルに封入される金属が減少することで、ガスセルが搭載される原子発振器の精度が低下する課題もあった。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態、または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係るガスセルの製造方法は、第1族元素の金属、第1面に開口する有底の穴を有するベース基板、および封止基板を準備する工程と、穴内に金属を閉じ込める様に封止基板を第1面に重ね合わせる工程と、ベース基板には、開口を囲んでいる封止領域と、封止領域を囲んでいる接合領域と、を有し、接合領域においてベース基板と封止基板とを加熱接合する第1の接合工程と、封止領域においてベース基板と封止基板とを加熱接合し、穴を封止する第2の接合工程とを含むことを特徴とする。
この様なガスセルの製造方法によれば、金属が設けられたベース基板の穴の開口を閉じ込める様に封止基板を重ね合わせ、第1の接合工程によって接合領域においてベース基板と封止基板との接合をおこなう。これにより、封止領域を囲む様に環状に接合されたベース基板と封止基板との間で、環状に接合された接合部に内包される接合領域と封止領域とに隙間が生じる。したがって、穴を封止する第2の接合工程で生じる熱に伴う金属の蒸散を環状に接合された接合部に内包されるベース基板と封止基板との隙間に留めることができる。
よって、上述したガスセルの製造方法は、穴に封入される金属の蒸散を抑制した高精度なガスセルを製造することができる。
[適用例2]
上記適用例に係るガスセルの製造方法において、重ね合せる工程では、穴内に金属を配置するステップを含むことが好ましい。
この様なガスセルの製造方法によれば、重ね合わせる工程において穴内に金属を配置することで、穴の開口を閉じ込める直前に金属を配置することができ、金属の蒸散を抑制することができる。
[適用例3]
上記適用例に係るガスセルの製造方法において、第1の接合工程は、接合領域において複数回の接合を行うことが好ましい。
この様なガスセルの製造方法によれば、接合領域において封止領域を囲む様にベース基板と封止基板とを複数回接合をおこなう。これにより、封止領域を囲む様に環状に接合された接合部に内包される隙間が複数形成される。したがって、穴を封止する第2の接合工程で生じる熱に伴う金属が蒸散をする隙間の容積が小さくなることから、さらに金属の蒸散を抑制することができる。よって、上述したガスセルの製造方法は、さらに穴に封入される金属の蒸散を抑制した高精度なガスセルを製造することができる。
[適用例4]
上記適用例に係るガスセルの製造方法において、第1の接合工程は、接合領域から封止領域に向かって連続して接合を行うことを特徴とする。
この様なガスセルの製造方法によれば、接合領域においてベース基板と封止基板とを連続して接合をおこなう。接合領域から封止領域に向かってベース基板と封止基板とを連続して接合することで、ベース基板と封止基板と間の隙間を減縮することができる。また、複数回接合する場合と比べて、封止領域を囲む様に接合されて接合部間に生じる隙間に蒸散した金属を封止領域に押出すことで、さらに接合に伴う熱による金属の蒸散を抑制することができる。よって、上述したガスセルの製造方法は、さらに穴に封入される金属の蒸散を抑制した高精度なガスセルを製造することができる。
[適用例5]
上記適用例に係るガスセルの製造方法において、ベース基板には複数の穴を有し、第2の接合工程の後に穴ごとに分離をする工程を含むことが好ましい。
この様なガスセルの製造方法によれば、接合されたベース基板と封止基板とを穴ごとに分離する工程を含むことで、当該製造方法の各工程で複数のガスセルを同時に形成することができる。よって、上述したガスセルの製造方法は、生産効率を高めることができる。
[適用例6]
上記適用例に係るガスセルの製造方法において、第1の接合工程は、ベース基板または封止基板の少なくとも一方を冷却し加熱接合をおこなうことが好ましい。
この様なガスセルの製造方法によれば、ベース基板または封止基板の少なくとも一方を冷却しながら第1の接合工程をおこなうことで、穴に封入される金属の蒸散をさらに抑制することができる。
[適用例7]
上記適用例に係るガスセルの製造方法において、第2の接合工程は、ベース基板または封止基板の少なくとも一方を冷却し加熱接合をおこなうことが好ましい。
この様なガスセルの製造方法によれば、ベース基板または封止基板の少なくとも一方を冷却しながら第2の接合工程をおこなうことで、穴に封入される金属の蒸散をさらに抑制することができる。
[適用例8]
上記適用例に係るガスセルの製造方法において、第1の接合工程または第2の接合工程の少なくとも一方の工程は、陽極接合法を用いることが好ましい。
この様なガスセルの製造方法によれば、陽極接合を用いることでベース基板と封止基板との間に静電引力による共有結合が生じ、強固に接合することができる。したがって、上述したガスセルの製造方法は、封入される金属の漏洩を抑制したガスセルを製造することができる。
[適用例9]
上記適用例に係るガスセルの製造方法において、準備する工程では、貫通する孔を有する基板と、貫通する孔の一端を塞ぐための底部基板と、を接合してベース基板を準備するステップを含むことが好ましい。
この様なガスセルの製造方法によれば、ベース基板を準備する工程では、貫通孔を有する基板と、孔を塞ぐとともに穴の底となる底部基板とを接合する工程を含むことで、孔を有する基板の厚みに応じて穴の深さを決定することができる。したがって、穴の底部となる底部基板と、穴の蓋部となる封止基板と、に囲まれる穴の容積を容易に均一にすることができる。よって、上述したガスセルの製造方法は、金属が封入される穴の容積が均一となることで高精度なガスセルを製造することができる。
第1実施形態に係るガスセルを模式的に示す断面図。 第1実施形態に係るガスセルの製造方法を説明する工程図。 第1実施形態に係るガスセルの製造方法を説明する工程図。 第1実施形態に係るガスセルの製造方法における接合工程を説明する平面図。 第2実施形態に係るガスセルの製造方法を説明する工程図。 第2実施形態に係るガスセルの製造方法を説明する工程図。 第1、および第2実施形態に係るガスセルを構成するベース基板の準備工程を説明する工程図。 第3実施形態に係る原子発振器の構造を説明するブロック図。 第3実施形態に係る原子発振器の金属のエネルギー準位を説明する図。 第3実施形態に係る原子発振器の電磁誘起透明化現象を説明するグラフ。 実施例に係る電子機器としてのパーソナルコンピューターを模式的に示す図。 実施例に係る電子機器としての携帯電話機を模式的に示す図。 実施例に係る電子機器としてのデジタルスチールカメラを模式的に示す図。 実施例に係る移動体としての自動車を模式的に示す図。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際の構成要素とは適宜に異ならせて記載する場合がある。
[第1実施形態]
第1実施形態に係るガスセルおよびガスセルの製造方法について、図1から図4を用いて説明する。
図1は、第1実施形態に係るガスセルを模式的に示す断面図である。図2および図3は、図1に示したガスセルの製造方法の各工程を模式的に示した工程説明図である。図4は、第1実施形態に係るガスセルの製造方法における接合工程を説明する平面図である。
本実施形態のガスセル100は、セル基板120に設けられた穴122に金属180を備え、穴122が底部基板140および封止基板160によって封止されたセルであって、後述する原子発振器1の物理パッケージ3に用いることができる。
以下に、ガスセル100の構造と、ガスセル100の製造方法と、について詳述する。
[ガスセル100の構造]
本実施形態のガスセル100は、ベース基板130と、ベース基板130の第1面に封止基板160と、を備える。ベース基板130は、セル基板120と底部基板140とを含み構成されている。ベース基板130としてのセル基板120には穴122が設けられ、当該穴122に金属180を備えている。セル基板120には、封止基板160が接合される第1面120aとは反対側の第2面120bに、穴122の底部123となる底部基板140が接合されている。
(セル基板120)
セル基板120は、封止基板160が接合されている第1面120aと、底部基板140が接合されている第2面120bと、を貫通する様に孔が設けられている。当該孔は、セル基板120に封止基板160および底部基板140が接続されることで穴122を構成する。穴122は、その形状は特に限定されることはない。穴122は、その形状として、例えば、多角形状もしくは円形状を有する。本実施形態において穴122は、その一例として円形状を有している。穴122は、概ね直径2mm程度の大きさとして設けられている。
セル基板120は、その材料としてシリコン基板やガラス基板等を用いることができる。セル基板120を構成する材料は特に限定されない。本実施形態においてセル基板120は、その一例として概ね1mmないし2mm程度の厚みを有するシリコン基板が用いられている。
(底部基板140)
底部基板140は、上述したセル基板120の第2面120bと接合されている。底部基板140は、セル基板120に設けられた孔の底部123として設けられている。
底部基板140は、その材料としてシリコン基板やガラス基板等を用いることができる。底部基板140を構成する材料は特に限定されない。本実施形態において底部基板140は、その一例として概ね0.25mm程度の厚みを有するガラス基板が用いられている。
(封止基板160)
封止基板160は、上述したセル基板120の第1面120aと接合されている。封止基板160は、セル基板120に設けられた孔を封止する蓋部として設けられている。
封止基板160は、その材料としてシリコン基板やガラス基板等を用いることができる。封止基板160を構成する材料は特に限定されない。本実施形態において封止基板160は、その一例として概ね0.25mm程度の厚みを有するガラス基板を用いている。
(金属180)
金属180は、底部基板140と封止基板160によって封止された穴122に設けられている。
金属180は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)、など第1族元素で一価の陽イオンを有する金属を用いることができる。本実施形態のガスセル100において、金属180は特に限定されない。本実施形態において金属180は、その一例としてセシウム(Cs)を用いている。
常温において金属180(セシウム(Cs)など)は、その物性が液状である。したがって、金属180は、穴122の底部123に溜まるように封入されている。
本実施形態のガスセル100は、第3実施形態で後述する原子発振器1に用いられる場合、穴122内で気化された金属180(金属原子)中に光を透過させる。したがって、光の透過を妨げない量の金属180が穴122に封入されていることが好ましい。
なお、金属180と、セル基板120を構成するシリコンと、が反応して化合物が生成される場合がある。したがって、穴122に封入される金属180が少ない場合には、かかる反応によって金属180が消滅する虞がある。よって、光の透過を妨げない量、かつ十分な金属180が穴122に封入されていることが好ましい。
[ガスセル100の製造方法]
上述したガスセル100の製造工程について説明する。
ガスセル100を製造する工程は、ベース基板130を準備する工程と、ベース基板130と封止基板160とを重ね合わせる(積層する)工程と、ベース基板130と封止基板160とを接合する接合工程と、を含む。以下、工程順にガスセル100の製造方法について説明する。
(ベース基板準備工程)
図2(a)は、セル基板120と底部基板140とが接合され、ベース基板130が準備された状態を示している。また、 図2(b)は、ベース基板130に設けられた凹部125に金属180が載置された状態を示している。
ベース基板準備工程は、セル基板120と底部基板140とが接合されたベース基板130を準備する工程である。また、ベース基板準備工程は、凹部125にセシウム(Cs)などの金属180を載置する工程である。
ベース基板準備工程は、底部基板140と、穴122を備えるセル基板120と、が接合されたベース基板130を準備する。また、底部基板140とセル基板120とが接合されていることで、穴122および底部123で構成される凹部125が設けられている。凹部125は、封止基板160が接合される第1面120a側に開口を有するとともに、第2面120b側に底部123を有する。
次にベース基板準備工程は、凹部125にセシウム(Cs)などの金属180を載置する。ベース基板準備工程において、金属180を載置する方法は特に限定されない。金属180の載置は、例えば、ディスペンサー装置等を用いて減圧された空間で行うことが好ましい。
なお、以下の説明においてベース基板130と称する場合は、セル基板120および底部基板140を含んだものとして説明する。
(封止基板積層工程)
図2(c)は、金属180が載置されたベース基板130に、封止基板160が重ね合わせられた状態を示している。
封止基板積層工程は、ベース基板130の凹部125に設けられた金属180を封止するための蓋部となる封止基板160を、ベース基板130を構成するセル基板120の第1面120aに重ね合わせる(積層する)工程である。封止基板160をベース基板130に重ね合わせことで穴122に金属180を閉じ込めることができる。
封止基板160をセル基板120の第1面120a(ベース基板130)に積層する(重ね合わせる)方法は特に限定されない。本実施形態の封止基板積層工程は、例えば、減圧された空間で行うことが好ましい。
(接合工程)
接合工程は、ベース基板130と封止基板160とを接合する工程である。接合工程は、後述する第1接合工程および第2接合工程を含む。
接合工程によって封止基板160と接合されるベース基板130には、セル基板120の第1面120a上で穴122の周囲に設定される封止領域134と、セル基板120の第1面120a上で前述の封止領域134と接する接合領域132と、の仮想領域が設定されている。
封止領域134とは、ガスセル100として残置される領域を示す。また、接合領域132とは、穴122を封止基板160によって封止するためにベース基板130と封止基板160とが接合される領域を示し、後述する個片化工程において切除される部分となる。
第1接合工程は、封止基板160と、ベース基板130を構成するセル基板120の第1面120aと、を接合領域132において接合する工程である。
第2接合工程は、封止基板160と、ベース基板130を構成するセル基板120の第1面120aと、を封止領域134において接合する工程である。
図2(d)は、第1接合工程によってベース基板130を構成するセル基板120の第1面120aに封止基板160が接合された状態を示している。
第1接合工程は、第1面120a上に設定された仮想領域である接合領域132において、セル基板120と封止基板160との接合を行う。
第1接合工程は、その接合方法として加熱接合法を用いることができる。本実施形態のガスセル100の製造方法においては、加熱接合の一例として陽極接合法を用いてセル基板120と封止基板160との接合をおこなっている。
陽極接合法を用いたセル基板120と封止基板160との接合は、先ず接合対象であるベース基板130と封止基板160とを減圧された窒素雰囲気中に載置し、セル基板120と封止基板160とが接合される接合部152およびその付近を加熱(概ね300℃から400℃)する。さらに、ベース基板130および封止基板160(接合部152)に電極を接触させ、接合する両基板間に電圧(概ね800V)を印加する。
これにより、ベース基板130と封止基板160とは、接合されるセル基板120の第1面120a(ベース基板130と封止基板160との界面)において静電引力による共有結合が生じ、互いに強固に接合されるものである。
より詳しくは、封止基板160(ホウ珪酸ガラス)にはナトリウム(Na)などのアルカリ金属元素(可動元素)が含まれている。これら可動元素(Naイオン)は、封止基板160の中で自由に運動することができる。封止基板160を構成するSiO2のいずれかに元素の欠陥(欠落)があると、SiO−の電荷を持ち、可動元素と対になって電気的に中性を保つ。
この様な特性を有する封止基板160を加熱し、可動元素が動きやすい条件で電極を介して封止基板160にマイナスの電圧(電位)を印加すると、電極が設けられた側に可動元素が移動する。封止基板160と、シリコンを含み構成されるセル基板120との接合面(第1面120a)である接合部152において、封止基板160側にはSiO−空乏層(Naイオンが欠乏した層)が形成される。また、セル基板120の第1面120aにはプラスの電荷が集まった層が形成される。
これにより、ベース基板130を構成するセル基板120の第1面120aと、封止基板160との界面(接合部152)で静電引力が発生することで共有結合が生じ、ベース基板130(セル基板120)と封止基板160とが接合される。
第1接合工程において封止基板160と、セル基板120の第1面120aと、の接合は、穴122を囲む様に環状に接合される。換言すると、封止領域134を包囲する様にセル基板120と封止基板160が接合部152で接合される。
図3(e)は、第2接合工程によってベース基板130を構成するセル基板120と封止基板160とが接合され、セル基板120に備える穴122が封止基板160によって封止された状態を示している。
第2接合工程は、封止領域134において、セル基板120と封止基板160との接合を行う。
第2接合工程は、セル基板120と封止基板160との接合方法として加熱接合法を用いることができる。本実施形態のガスセル100の製造方法においては、加熱接合の一例として第1接合工程と同様に陽極接合法を用いてセル基板120と封止基板160とを接合を行っている。
第2接合工程において封止基板160と、セル基板120の第1面120aと、の接合は、穴122を囲む様に環状に接合される。換言すると、封止領域134において穴122を包囲する様にセル基板120と封止基板160が接合部154で接合される。
ここで接合工程は、凹部125(穴122)に封入される金属180が蒸散しないようにベース基板130と封止基板160とを接合することが求められる。そのため、接合工程は強固な接合力が得られる加熱接合法が用いられている。加熱接合法は、接合対象物であるベース基板130や封止基板160に熱を加えることから、かかる熱が金属180に伝わり蒸散するおそれがある。
そこで、本発明のガスセル100の製造方法は、金属180が封入される穴122から離間した接合領域132において第1接合工程を行い、接合に伴う熱が金属180に伝わることを抑制している。また、第1接合工程においてベース基板130と封止基板160とが接合部152によって封止領域134を囲む様に環状に接合される。これにより、封止領域134と、封止領域134を囲む様に環状に接合されたベース基板130と封止基板160との間で環状に接合された接合部154に内包される接合領域132と、に隙間Cが生じる。したがって、穴122を封止する第2接合工程で生じる熱に伴う金属180の蒸散(蒸気)を当該隙間Cに留めることができる。
上述した第1接合工程は、封止領域134を囲む様に接合部152によって、ベース基板130と封止基板160との接合がされるが、接合に伴う熱応力によってベース基板130や封止基板160の破損を抑制するため、分割して接合しても良い。
例えば、図4(d11)に示す様に、最初に第1の方向に沿ってベース基板130と封止基板160とを接合部152yで接合し、次に、図4(d12)に示す様に第1の方向と交差する第2の方向に沿ってベース基板130と封止基板160とを接合部152xで接合しても良い。
また、第1接合工程および第2接合工程は、ベース基板130および封止基板160の少なくとも一方を冷却しながら加熱接合をおこなっても良い。ベース基板130および封止基板160の冷却方法は特に限定されないが、例えば、比熱の大きい金属板(放熱器)を接合部152,154の周囲に当接する様に配置して接合中のベース基板130と封止基板160との冷却をおこなうことができる。ベース基板130と封止基板160との冷却をおこなうことで金属180に接合に伴う熱が伝わることを抑制するとともに、金属180の蒸散を抑制することができる。
なお、第1接合工程および第2接合工程では、加熱接合の一例として陽極接合法を用いたが陽極接合法に限定されること無く、共晶接合、ガラス接合、ガラスフリット接合、直接接合、樹脂接合、接着材接合、等を用いても良い。
(個片化工程)
図3に戻りガスセル100の製造方法の各工程を説明する。
図3(f)は、前述の接合工程によってベース基板130と封止基板160とが接合されるとともに、穴122に金属180が封止された状態を示している。
個片化工程は、接合工程によって接合されたベース基板130と封止基板160とを切断し、ガスセル100として個片化する工程である。
個片化工程は、封止領域134においてベース基板130と封止基板160とが接合された接合部154と、接合領域132と、の間にダイシングラインDLを設定し、ダイシングラインDLに沿ってガスセル100として個片化をおこなう。
図3(g)は、前述の個片化工程によってガスセル100として個片化された状態を示している。
ガスセル100の製造方法の各工程は、前述の個片化工程が終了することで一連の製造工程が完了する。
上述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
この様なガスセル100の製造方法によれば、金属180が設けられた穴122を封止する封止領域134を囲む様に、接合領域132においてベース基板130と封止基板160とを第1接合工程によって接合をおこなう。これにより、封止領域134を囲む様に環状に接合されたベース基板130と封止基板160との間で、環状に接合された接合部152に内包される接合領域132と封止領域134とに隙間Cが生じる。
したがって、穴122を封止する第2接合工程で生じる熱に伴う金属180の蒸散を環状に接合された接合部152に内包されるベース基板130と封止基板160との隙間Cに留めることができる。よって、本実施形態のガスセル100の製造方法は、穴122に封入される金属180の蒸散を抑制した高精度なガスセル100を製造することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係るガスセル100の製造方法について、図5および図6を用いて説明する。図5および図6は、第2実施形態に係るガスセル100の製造方法の工程のうち、接合工程を説明する図である。
第2実施形態に係るガスセル100の製造方法は、第1実施形態で上述したガスセル100の製造方法と比して、接合工程が異なる。その他のガスセル100の製造工程、およびガスセル100の構成は同様のため、同様の構成には同じ符号および符番を付して説明を一部省略して説明する。
(接合工程)
第2実施形態に係るガスセル100の製造工程において接合工程は、第1接合工程と第2接合工程とを含む。
図5には、第1接合工程の一例として接合領域132において、複数回ベース基板130と封止基板160とを接合する例を示している。また、図6には、第1接合工程の一例として接合領域132において連続してベース基板130と封止基板160とを接合する例を示している。
図5(d11)は、第1接合工程によってベース基板130を構成するセル基板120の第1面120aに封止基板160が接合された状態を示している。
本実施形態の第1接合工程は、封止基板160と、セル基板120の第1面120aと、を接合領域132において接合する工程であって、第1実施形態において上述したガスセル100の製造方法と略同様である。
第1接合工程において封止基板160と、セル基板120の第1面120aと、の接合は、複数回おこなわれる。本実施形態の第1接合工程は、例えば、1回目の接合として接合領域132において接合部152aによって封止基板160と、セル基板120の第1面120aと、の接合をおこなう。また、2回目の接合として接合領域132において先の接合部152aと穴122の間で、封止基板160と、セル基板120の第1面120aと、の接合を接合部152bによっておこなう。なお、セル基板120と封止基板160とは、穴122を囲む様に環状に接合部152a,152bで接合される。換言すると、封止領域134を包囲する様にセル基板120と封止基板160が接合部152a,152bで接合される。
図5(d12)は、封止基板160と、第2接合工程によってベース基板130を構成するセル基板120と、が接合され、セル基板120に備える穴122が封止基板160によって封止された状態を示している。
第2接合工程は、封止基板160と、セル基板120の第1面120aと、を封止領域134において接合する工程である。第2接合工程は、封止領域134においてセル基板120と封止基板160との接合を行う。
第2接合工程において封止基板160と、セル基板120の第1面120aと、の接合は、穴122を囲む様に環状に接合される。換言すると、封止領域134において穴122を包囲する様にセル基板120と封止基板160とが接合部154で接合される。
本実施形態の第1接合工程および第2接合工程は、セル基板120と封止基板160との接合方法として加熱接合法を用いることができる。本実施形態のガスセル100の製造方法においては、その一例として第1実施形態と同様に陽極接合法を用いてセル基板120と封止基板160とを接合を行っている。
上述した本実施形態の第1接合工程は、接合回数に限定されること無く3回以上でn(整数倍)回の接合をおこなっても良い。また、上述した本実施形態の第1接合工程は、複数回の点接合(接合部152a,152b)としておこなわれるが、連続する面接合としても良い。
図6(d21)は、第1接合工程によって封止基板160と、ベース基板130を構成するセル基板120の第1面120aと、が面接合された状態を示している。封止基板160とベース基板130との面接合は、陽極接合法を用いた場合に接合される部分(接合部152r)を加熱し、ベース基板130に電極を接触させるとともに、ローラー電極220を封止基板160に押圧させながら両基板に電位を印加する。第1接合工程は、接合領域132上を封止領域134に向かってローラー電極220を回動させることで、封止基板160と、セル基板120の第1面120aと、を接合部152rによって面接合することができる。
図6(d22)は、封止基板160と、第2接合工程によってベース基板130を構成するセル基板120と、が接合され、セル基板120に備える穴122が封止基板160によって封止された状態を示している。
第2接合工程は、上述した各接合工程と同様のため説明を省略する。
ところで、ガスセル100の製造方法において接合工程は、穴122に封止される金属180の蒸散を抑制することが求められている。
そこで、本実施形態の第1接合工程は、金属180が封入されている穴122から離間させた接合領域132上で1回目の接合をおこない、さらに1回目の接合による接合部152aと封止領域134との間で2回目の接合をおこなう。
これにより、第2接合工程で穴122が封止される際の熱によって金属180が蒸散する隙間Cの容積を少なくすることができる。また、ローラー電極220を用いた面接合の場合には、ベース基板130と封止基板160との隙間Cに滞留した金属180の蒸気を穴122に押出しながら接合することができる。
ガスセル100のその他の製造方法および構成は、第1実施形態と略同様のため、説明を省略する。
上述した第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。
この様なガスセル100の製造方法によれば、接合領域132において封止領域134を囲む様にベース基板130と封止基板160とを複数回接合をおこなう。これにより、封止領域134を囲む様に環状に接合された接合部152a,152bに内包される隙間Cが複数形成される。したがって、穴122を封止する第2接合工程で生じる熱に伴って蒸散する金属180が滞留することができる隙間Cの容積が小さくなることから、金属180の蒸散を抑制することができる。
また、接合領域132から封止領域134に向かってベース基板130と封止基板160とを連続して面接合することで、ベース基板130と封止基板160と間の隙間Cに滞留する金属180の上記を封止領域134に押出すことができる。
したがって、上述したガスセル100の製造方法は、穴122に封入される金属180の蒸散をさらに抑制した高精度なガスセルを製造することができる。
なお、上述した第1実施形態および第2実施形態のガスセル100の製造方法では、ベース基板準備工程によって、予めセル基板120と底部基板140とが接合されたベース基板130を用いる形態を説明したが、これに限定されることはない。
図7(a1)に示す穴122が設けられたセル基板120と、図7(a2)に示す底部基板140と、を準備し、図7(a3)に示す様にセル基板120に底部基板140を接合する工程を含みベース基板130の形成および準備をおこなっても良い。
穴122を有するセル基板120と、穴122の底部123となる底部基板140と、を接合する工程を含むことで、セル基板120の厚みに応じて穴122の深さを決定することができる。したがって、穴122の底部123となる底部基板140と、穴122の蓋部となる封止基板160と、に囲まれる穴122の容積を容易に均一にすることができる。よって、上述したガスセル100の製造方法は、金属180が封入される穴122の容積が均一となることで高精度なガスセルを製造することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態に係る原子発振器について、図8ないし図9を用いて説明する。
図8は、第3実施形態に係る原子発振器の構造を示すブロック図である。図9は、原子発振器に搭載されるガスセルに封入された金属のエネルギー準位を説明する図である。図10は、原子発振器における電磁誘起透明化現象を説明するグラフである。
第3実施形態に係る原子発振器1は、第1実施形態および第2実施形態で上述したガスセル100が搭載されている。以下、ガスセル100が搭載された原子発振器1について説明する。
[原子発振器1の構造]
図8に示す原子発振器1は、量子干渉効果を利用した原子発振器である。
当該原子発振器1は、図8に示すように、光出射部21が設けられた第1ユニット2(光出射側ユニット)と、ガスセル100や光検出部32等が搭載されている第2電子部品である第2ユニット3(光検出側ユニット)と、光検出部32で検出された信号に基づき光出射部21等の制御をおこなう制御部7とを備える。
ここで、図8に示すように、第1ユニット2は、光出射部21と、光出射部21を収納する第1パッケージ22(光出射側パッケージ)とを備える。
また、第2ユニット3は、ガスセル100と、光検出部32と、ヒーター33と、温度センサー34と、コイル35と、これらを収納する第2パッケージ36(光検出側パッケージ)とを備える。
そして、このような第1ユニット2および第2ユニット3は、配線(不図示)を介して制御部7に電気的に接続され、制御部7により駆動制御される。
制御部7は、第2ユニット3に設けられたヒーターを制御する温度制御部72と、コイル35を制御する磁場制御部73と、光検出部32からの信号に基づいて光出射部21の制御をおこなう励起光制御部71と、を備える。
[原子発振器1の原理]
原子発振器1の原理を簡単に説明する。
原子発振器1では、ガスセル100内に封入された金属180を気化させて、その金属180に光を透過させて原子発振器1を動作させている。金属180の気化は、ヒーター33による加熱によっておこなわれている。
金属180は、図9に示すように、三準位系のエネルギー準位を有しており、エネルギー準位の異なる2つの基底状態(基底状態α,β)と、励起状態との3つの状態をとり得る。ここで、基底状態αは、基底状態βよりも低いエネルギー状態である。このような気化された金属180に対して周波数の異なる第1共鳴光1および第2共鳴光を気化された金属180に照射すると、第1共鳴光の周波数ω1と第2共鳴光の周波数ω2との差(ω1−ω2)に応じて、第1共鳴光1および第2共鳴光の金属180における光吸収率(光透過率)が変化する。
第1共鳴光1の周波数ω1と第2共鳴光の周波数ω2との差(ω1−ω2)が、基底状態αと基底状態βとのエネルギー差に相当する周波数に一致したとき、基底状態α,βから励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、第1共鳴光1および第2共鳴光は、いずれも、金属180に吸収されずに透過する。このような現象をCPT現象、または電磁誘起透明化現象(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)と呼ぶ。
光出射部21は、ガスセル100に向けて、前述したような周波数の異なる2種の光(第1共鳴光および第2共鳴光)を出射する。例えば、光出射部21が第1共鳴光の周波数ω1を固定し、第2共鳴光の周波数ω2を変化させていくと、第1共鳴光の周波数ω1と第2共鳴光の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態αと基底状態βとのエネルギー差に相当する周波数ω0に一致したとき、光検出部32の検出強度Sは、図10に示すように、急峻に上昇する。このような急峻な信号をEIT信号として検出する。このEIT信号は、金属180の種類によって決まった固有値をもっている。したがって、このようなEIT信号を基準として用いることにより、高精度な原子発振器1を実現することができる。
上述した第3実施形態によれば、以下の効果が得られる。
この様な原子発振器1によれば、当該原子発振器1を構成するガスセル100の製造工程において封入される金属180の蒸散による損失が抑制されているため、安定した共鳴光(EIT信号)を得ることができる。したがって、上述した原子発振器1は、高精度な信号を発振することができる。
(実施例)
本発明の一実施形態に係るガスセル100を用いた原子発振器1を適用した実施例について、図11から図14を参照しながら説明する。
[電子機器]
本発明の一実施形態に係る原子発振器1を適用した電子機器について、図11から図13を参照しながら説明する。
図11、本発明の一実施形態に係る原子発振器1を備える電子機器としてのラップトップ型(またはモバイル型)のパーソナルコンピューターの構成の概略を示す斜視図である。この図において、ラップトップ型パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1008を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。この様なラップトップ型パーソナルコンピューター1100には、そのラップトップ型パーソナルコンピューター1100動作のクロック信号として用いられる原子発振器1が搭載されている。このような原子発振器1は、原子発振器1を構成するガスセル100の製造工程において封入される金属180の蒸散による損失が抑制されているため、安定した共鳴光を得ることができる。したがって、高精度な信号を発振することができる。よって、前述した原子発振器1が搭載されることで信頼性の高いラップトップ型パーソナルコンピューター1100を得ることができる。
図12は、本発明の一実施形態に係る原子発振器1を備える電子機器としての携帯電話機(PHSも含む)の構成の概略を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。この様な携帯電話機1200には、携帯電話機1200の通信および動作の基準となるクロック信号の発振器として原子発振器1が搭載されている。このような原子発振器1は、原子発振器1を構成するガスセル100の製造工程において封入される金属180の蒸散による損失が抑制されているため、安定した共鳴光を得ることができる。したがって、高精度な信号を発振することができる。よって、前述した原子発振器1が搭載されることで信頼性の高い携帯電話機1200を得ることができる。
図12は、本発明の一実施形態に係る原子発振器1を備える電子機器としてのデジタルスチールカメラの構成の概略を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチールカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1308が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1308は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1308に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1310に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示される様に、ビデオ信号出力端子1312には液晶ディスプレイ1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1310に格納された撮像信号が、液晶ディスプレイ1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。この様なデジタルスチールカメラ1300には、その動作のクロック信号となる原子発振器1が搭載されている。このような原子発振器1は、原子発振器1を構成するガスセル100の製造工程において封入される金属180の蒸散による損失が抑制されているため、安定した共鳴光を得ることができる。したがって、高精度な信号を発振することができる。よって、前述した原子発振器1が搭載されることで信頼性の高いデジタルスチールカメラ1300を得ることができる。
なお、本発明の一実施形態に係る原子発振器1は、図11のラップトップ型パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図12の携帯電話機、図13のデジタルスチールカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等の電子機器に適用することができる。
[移動体]
図14は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500は、加速度センサーとして機能する原子発振器1が各種制御ユニットに搭載されている。例えば、同図に示す様に、移動体としての自動車1500には、当該自動車1500の加速度を検知するセンサーを内蔵してエンジンの出力を制御する電子制御ユニット(ECU:electronic Control Unit)1508が車体1507に搭載されている。高精度なクロック信号を得られる原子発振器1が電子制御ユニット1508に搭載されることで、車体1507の姿勢に応じた適切なエンジン出力制御を高精度に実行し、燃料等の消費を抑制した効率的な移動体としての自動車1500を得ることができる。
また、原子発振器1は、他にも、車体姿勢制御ユニット、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、に広く適用できる。
このような原子発振器1は、原子発振器1を構成するガスセル100の製造工程において封入される金属180の蒸散による損失が抑制されているため、安定した共鳴光を得ることができる。したがって、高精度な信号を発振することができる。よって、前述した原子発振器1が搭載されることで信頼性の高い自動車1500を得ることができる。
1…原子発振器、100…ガスセル、120…セル基板、120a…第1面、120b…第2面、122…穴、123…底部、125…凹部、130…ベース基板、132…接合領域、134…封止領域、140…底部基板、152…接合部、154…接合部、160…封止基板、180…金属、220…ローラー電極、1100…ラップトップ型パーソナルコンピューター、1200…携帯電話機、1300…デジタルスチールカメラ、1500…自動車。

Claims (9)

  1. 第1族元素の金属、第1面に開口する有底の穴を有するベース基板、および封止基板を準備する工程と、
    前記穴内に前記金属を閉じ込める様に前記封止基板を前記第1面に重ね合わせる工程と、
    前記ベース基板には、前記開口を囲んでいる封止領域と、前記封止領域を囲んでいる接合領域と、を有し、前記接合領域において前記ベース基板と前記封止基板とを加熱接合する第1の接合工程と、
    前記封止領域において前記ベース基板と前記封止基板とを加熱接合し、前記穴を封止する第2の接合工程とを含むことを特徴とするガスセルの製造方法。
  2. 前記重ね合せる工程では、前記穴内に前記金属を配置するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のガスセルの製造方法。
  3. 前記第1の接合工程は、前記接合領域において複数回の接合を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスセルの製造方法。
  4. 前記第1の接合工程は、前記接合領域から前記封止領域に向かって連続して接合を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のガスセルの製造方法。
  5. 前記ベース基板には複数の前記穴を有し、前記第2の接合工程の後に前記穴ごとに分離をする工程を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のガスセルの製造方法。
  6. 前記第1の接合工程は、前記ベース基板または前記封止基板の少なくとも一方を冷却し前記加熱接合をおこなうことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のガスセルの製造方法。
  7. 前記第2の接合工程は、前記ベース基板または前記封止基板の少なくとも一方を冷却し前記加熱接合をおこなうことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のガスセルの製造方法。
  8. 第1の接合工程または第2の接合工程の少なくとも一方の工程は、陽極接合法を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のガスセルの製造方法。
  9. 前記準備する工程では、貫通する孔を有する基板と、前記貫通する孔の一端を塞ぐための底部基板と、を接合して前記ベース基板を準備するステップを含むことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のガスセルの製造方法。
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