JP6114990B2 - 動画像符号化処理装置、プログラムおよび集積回路 - Google Patents

動画像符号化処理装置、プログラムおよび集積回路 Download PDF

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Description

本発明は、動き補償を用いる動画像符号化技術に関し、特に、動きベクトルの予測効率を向上させる技術に関する。
H.264に代表される動画像符号化方式では、動きベクトルの予測符号化処理を行うことで、動きベクトルを効率的に符号化し、効率良く動画像符号化処理を行う。具体的には、処理対象ブロックの周辺のブロックの動きベクトル値から、当該処理対象ブロックの予測動きベクトルpmv(predictive motion vector)が求められる。そして、当該予測動きベクトルpmvに基づいて、探索範囲が決定され、当該探索範囲を探索することで(動き探索処理を実行することで)、処理対象ブロックの動きベクトルを決定する。
このように処理することで、H.264等の動画像符号化方式では、高精度かつ高速に動きベクトルが検出され、その結果、効率の良い動画像符号化処理が実現される。
動く物体の大きさが大きく変動しない動画像において、H.264等の動き探索処理を実行すると、効率良く動きベクトルを検出することができる。
一方、カメラズーム中の動画像等、動く物体の大きさが変動する動画像において、H.264等の動き探索処理を実行すると、効率良く動きベクトルを検出することができない場合がある。
そこで、カメラズーム中の動画像等においても、適切に動き探索処理を実行させるための技術が提案されている。
例えば、特許文献1の技術では、第1ブロックと、第1ブロックの中心から放射線状に延びる半直線上に位置する第2ブロックとの2つのブロックを用いて、リファレンスピクチャとカレントピクチャとの間で、ブロックマッチング処理を行うことで、カメラズーム中の動画像に対しても適切に動き探索処理を実行することができる。
特開2009−42915号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、2つのブロックによるブロックマッチング処理を行うため、周辺の探索済みブロックの動きベクトルを参照することが困難である。そのため、特許文献1の技術では、カメラズーム中の動画像等に対して適切に動き探索処理を実行しようとすると、探索範囲を広くする必要があり、その結果、演算量が多くなり、処理時間を短くすることが困難となる。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、カメラズーム中の動画像等においても、少ない演算量で、精度の高い動きベクトルの探索処理を実行することができる動画像符号化処理装置、プログラムおよび集積回路を実現することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の発明は、複数のフレーム画像からなる動画像信号を符号化する動画像符号化装置であって、ズームベクトル取得部と、物体動きベクトル取得部と、探索初期点算出部と、動き推定部と、を備える。
ズームベクトル取得部は、ズーム倍率と、フレーム画像上のズーム中心位置とに基づいて、ズームによる動きを示すズームベクトルを取得する。
物体動きベクトル取得部は、フレーム画像上の処理対象ブロックの周辺ブロックの各ブロックについて決定された動きベクトルから、各ブロックについて決定されたズームベクトルを減算することで、周辺ブロックのブロックごとに、物体動きベクトルを取得する。
探索初期点算出部は、物体動きベクトル取得部により取得された周辺ブロックの物体動きベクトルと、処理対象ブロックのズームベクトルとに基づいて、処理対象ブロックの動き探索処理の初期点を決定する。
動き推定部は、探索初期点算出部により決定された初期点に基づいて、処理対象ブロックの動き探索処理を実行することで、処理対象ブロックの動きベクトルを推定する。
この動画像符号化装置では、物体動きベクトル取得部により、周辺ブロックのブロックごとに決定された動きベクトルから、ズームに動きを示すズームベクトルを(ベクトル)減算することで取得した物体動きベクトルが取得される。そして、この動画像符号化装置では、探索初期点算出部により、周辺ブロックの物体動きベクトルと、処理対象ブロックのズームベクトルとに基づいて、処理対象ブロックの動き探索処理の初期点が決定される。
これにより、処理対象ブロックの動き探索処理の初期点が精度よく決定される。つまり、周辺ブロックの物体動きベクトルは、ズームによる動きの影響を排除した動きを示すベクトルであるため、上記処理により、決定された処理対象ブロックの動き探索処理の初期点は精度のよいものとなる。
そして、この動画像符号化装置では、動き推定部により、精度の高い動き探索処理の初期点から動き探索処理が実行されるため、演算量を少なく抑えつつ、高精度に動き探索処理を実行することができる。
つまり、この動画像符号化装置では、ズームされているシーンが動画像として入力された場合であっても、ズーム情報に基づいて、ズームによる動きと、純粋な物体の動きとの両方を適切に把握し、動き予測を適切に行うことができる。
したがって、この動画像符号化装置では、例えば、カメラズーム中の動画像等においても、少ない演算量で、精度の高い動きベクトルの探索処理を実行することができ、効率のよい動画像符号化処理を実現することができる。
なお、「ブロック」とは、複数の画素から構成される。
第2の発明は、第1の発明であって、周辺ブロックは、処理対象ブロックが含まれるフレーム画像と同一フレーム画像に含まれ、フレーム画像上において、処理対象ブロックの左上に隣接するブロックと、上に隣接するブロックと、左に隣接するブロックとを含む。
これにより、処理対象ブロックと同一フレーム画像に含まれる、上記位置の隣接ブロックを用いて、動画像符号化処理を実行することができる。
第3の発明は、第2の発明であって、周辺ブロックは、さらに、右上に隣接するブロックを含む。
これにより、上記位置の隣接ブロックを用いて、動画像符号化処理を実行することができる。
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明であって、ズーム機能を有するカメラ部をさらに備える。
ズームベクトル取得部は、カメラ部において設定されている、ズーム倍率と、フレーム画像上のズーム中心位置とに基づいて、ズームベクトルを取得する。
これにより、カメラ部において設定されている、ズーム倍率と、フレーム画像上のズーム中心位置とに基づいて、ズームベクトルを取得することができる。
第5の発明は、複数のフレーム画像からなる動画像信号を符号化する動画像符号化方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。動画像符号化方法は、ズームベクトル取得ステップと、物体動きベクトル取得ステップと、探索初期点算出ステップと、動き推定ステップと、を備える。
ズームベクトル取得ステップは、ズーム倍率と、フレーム画像上のズーム中心位置とに基づいて、ズームによる動きを示すズームベクトルを取得する。
物体動きベクトル取得ステップは、フレーム画像上の処理対象ブロックの周辺ブロックの各ブロックについて決定された動きベクトルから、各ブロックについて決定されたズームベクトルを減算することで、周辺ブロックのブロックごとに、物体動きベクトルを取得する。
探索初期点算出ステップは、物体動きベクトル取得部により取得された周辺ブロックの物体動きベクトルと、処理対象ブロックのズームベクトルとに基づいて、処理対象ブロックの動き探索処理の初期点を決定する。
動き推定ステップは、探索初期点算出部により決定された初期点に基づいて、処理対象ブロックの動き探索処理を実行することで、処理対象ブロックの動きベクトルを推定する。
これにより、第1の発明と同様の効果を奏する動画像符号化方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを実現することができる。
第6の発明は、複数のフレーム画像からなる動画像信号を符号化する動画像符号化処理を行うための集積回路であって、ズームベクトル取得部と、物体動きベクトル取得部と、探索初期点算出部と、動き推定部と、を備える。
ズームベクトル取得部は、ズーム倍率と、フレーム画像上のズーム中心位置とに基づいて、ズームによる動きを示すズームベクトルを取得する。
物体動きベクトル取得部は、フレーム画像上の処理対象ブロックの周辺ブロックの各ブロックについて決定された動きベクトルから、各ブロックについて決定されたズームベクトルを減算することで、周辺ブロックのブロックごとに、物体動きベクトルを取得する。
探索初期点算出部は、物体動きベクトル取得部により取得された周辺ブロックの物体動きベクトルと、処理対象ブロックのズームベクトルとに基づいて、処理対象ブロックの動き探索処理の初期点を決定する。
動き推定部は、探索初期点算出部により決定された初期点に基づいて、処理対象ブロックの動き探索処理を実行することで、処理対象ブロックの動きベクトルを推定する。
これにより、第1の発明と同様の効果を奏する集積回路を実現することができる。
本発明によれば、カメラズーム中の動画像等においても、少ない演算量で、かつ、短い処理時間で、精度の高い動きベクトルの探索処理を実行することができる動画像符号化処理装置、プログラムおよび集積回路を実現することができる。
第1実施形態に係る動画像符号化システム1000の概略構成図。 第1実施形態に係る動画像符号化装置D1の概略構成図。 探索初期点決定部2の概略構成図。 入力動画像(第Nフレーム画像および第N+1フレーム画像)の一例を模式的に示す図。 入力動画像(第Nフレーム画像および第N+1フレーム画像)におけるズーム処理について説明するための図。 入力動画像(第Nフレーム画像および第N+1フレーム画像)におけるズーム処理について説明するための図。 入力動画像(第Nフレーム画像および第N+1フレーム画像)において、周辺ブロックの動きベクトルについて説明するための図。 入力動画像(第Nフレーム画像および第N+1フレーム画像)において、動き探索処理の初期点の決定方法について説明するための図。 入力動画像(第Nフレーム画像および第N+1フレーム画像)において、動き探索処理の初期点の決定方法について説明するための図。
[第1実施形態]
第1実施形態について、図面を参照しながら、以下、説明する。
<1.1:動画像符号化処理システムの構成>
図1は、第1実施形態に係る動画像符号化システム1000の概略構成図である。
図2は、第1実施形態に係る動画像符号化システム1000の動画像符号化装置D1の概略構成図である。
図3は、第1実施形態に係る動画像符号化装置D1の探索初期点決定部2の概略構成図である。
動画像符号化システム1000は、図1に示すように、被写体光を集光し撮像することで撮像画像(動画像)信号を取得するカメラ部C1と、カメラ部C1により撮像された動画像信号に対してカメラ信号処理を実行するカメラ信号処理部C2と、カメラ部C1およびカメラ信号処理部C2を制御するカメラ制御部C3と、カメラ信号処理部C2から出力された動画像信号に対して、動画像符号化処理を実行し符号化信号Doutを取得する動画像符号化装置D1と、を備える。
カメラ部C1は、被写体光を集光する光学系と、光学系により集光された被写体光を光電変換により、電気信号に変換する撮像素子と、を備える。
光学系は、例えば、ズームレンズ、フォーカスレンズ等の複数のレンズと、絞り等から構成され、カメラ制御部C3からの制御信号によりズーム機能やフォーカス調整機能を実現することができる。
撮像素子は、例えば、CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサであり、光学系により集光された被写体光を電気信号に変換し、変換した電気信号を、動画像信号(撮像信号)として、カメラ信号処理部C2に出力する。
カメラ信号処理部C2は、カメラ部C1から出力される動画像信号(撮像信号)を入力し、入力された動画像信号に対して、カメラ信号処理(例えば、ホワイトバランス処理、ガンマ処理、輝度/色差信号への変換、輪郭強調の処理等)を実行する。そして、カメラ信号処理部C2は、カメラ信号処理後の動画像信号Dinを、動画像符号化装置D1に出力する。
カメラ制御部C3は、カメラ部C1およびカメラ信号処理部C2の各機能部を制御する。カメラ制御部C3は、カメラ部C1の光学系の光学ズームの制御を行うとともに、光学ズームの状態についての情報であるズーム情報(ズーム倍率および画像上のズーム中心位置についての情報)ZoomInfoを動画像符号化装置D1の探索初期点決定部2に出力する。
動画像符号化装置D1は、図1に示すように、符号化部1と、探索初期点決定部2とを備える。
符号化部1は、図2に示すように、イントラ予測部101と、セレクタ102と、減算器103と、直交変換部104と、量子化部105と、逆量子化部106と、逆直交変換部107と、加算器108と、記憶部109と、動き推定部110と、動き補償部111と、を備える。また、符号化部1は、図2に示すように、動きベクトル記憶部112と、動きベクトル予測処理部113と、減算器114と、可変長符号化部115と、を備える。
以下では、説明便宜のため、動画像信号Din(複数の画像から構成される動画像を形成する信号)のうちの第N+1番目(N:整数)のフレーム画像(第N+1フレーム画像)を形成する画像信号が、動画像符号化装置D1の符号化部1に入力されている場合を例に説明する。
イントラ予測部101は、カメラ信号処理部C2から出力される動画像信号Din(入力画像信号Din)を入力する。イントラ予測部101は、入力画像信号Dinに対して、同一画面内の符号化後の画素を用いて画面内予測を行い、予測画像信号を取得する。そして、イントラ予測部101は、取得した予測画像信号をセレクタ102に出力する。
セレクタ102は、イントラ予測部101からの出力と、動き補償部111からの出力とを、入力とし、切替信号SWに基づいて、両者のいずれか一方を選択し、減算器103に出力する。具体的には、セレクタ102は、符号化部1において、イントラ符号化処理が実行される場合、イントラ予測部101からの出力を選択し、一方、インター符号化処理が実行される場合、動き補償部111からの出力を選択し、減算器103に出力する。
減算器103は、カメラ信号処理部C2から出力される動画像信号Dinと、セレクタ102からの出力とを入力する。減算器103は、符号化部1において、イントラ符号化処理が実行される場合、入力画像信号Dinと、イントラ予測部101から出力されるイントラ予測画像信号との差分画像信号である予測誤差信号diffを取得し、取得した予測誤差信号diffを直交変換部104に出力する。一方、減算器103は、符号化部1において、インター符号化処理が実行される場合、入力画像信号Dinと、動き補償部111から出力される動き補償後の画像信号D_MCとの差分画像信号である予測誤差信号diffを取得し、取得した予測誤差信号diffを直交変換部104に出力する。
直交変換部104は、減算器103から出力される予測誤差信号diffを入力する。直交変換部104は、入力された予測誤差信号diffに対して、マクロブロック単位で直交変換(例えば、整数変換や離散コサイン変換(DCT))を実行し、直交変換後の信号を量子化部105に出力する。
量子化部105は、直交変換部104から出力される直交変換後の信号を入力する。量子化部105は、直交変換部104から出力される直交変換後の信号に対して、量子化処理を実行し、量子化処理後の信号を、逆量子化部106および可変長符号化部115に出力する。
逆量子化部106は、量子化部105から出力される信号を入力し、当該信号に対して、逆量子化処理を実行する。そして、逆量子化部106は、逆量子化処理部後の信号を逆直交変換部107に出力する。
逆直交変換部107と、逆量子化部106から出力される信号を入力し、当該信号に対して、逆直交変換処理を実行する。これにより、逆直交変換部107は、直交変換部104に入力された予測誤差信号diffと同様の信号(予測誤差信号diff’)を取得する。そして、逆直交変換部107は、逆直交変換処理後の信号(予測誤差信号diff’)を加算器108に出力する。
なお、予測誤差信号diff’は、予測誤差信号diffを、直交変換、量子化処理、逆量子化処理、および、逆直交変換処理を行うことで取得される信号であり、直交変換、量子化処理等に伴う誤差を含む信号である。
加算器108は、逆直交変換部107から出力される信号と、セレクタ102から出力される信号とを入力とし、両者を加算する。これにより減算器103に入力される動画像信号Dinと同様の動画像信号Din’が取得される。加算器108は、取得した動画像信号Din’を記憶部109に出力する。
記憶部109は、例えば、複数フレーム分の動画像信号(データ)を記憶することができるフレームメモリである。記憶部109は、加算器108から出力される動画像信号Din’を記憶する。また、記憶部109は、基準フレーム(例えば、現フレームの1フレーム前のフレーム)の動画像信号D_baseを動き推定部110および動き補償部111に出力する。
動き推定部110は、現フレームの動画像信号Dinと、記憶部109から出力される基準フレームの動画像信号D_baseと、探索初期点決定部2から出力される動き探索処理の初期点についての情報とを入力とする。動き推定部110は、現フレーム画像と基準フレーム画像とを用いて、探索初期点を探索初期点決定部2により決定された初期点として、動き探索処理を行い、例えば、マクロブロックごとに、動きベクトルを決定する(詳細は後述)。そして、動き推定部110は、決定した動きベクトルに関する情報と基準フレームに関する情報とを動き補償部111に出力する。また、動き推定部110は、決定した動きベクトルに関する情報を動きベクトル記憶部112および減算器114に出力する。
動き補償部111は、動き推定部110から出力される動きベクトルに関する情報および基準フレームに関する情報と、記憶部109から出力される基準フレームの動画像信号D_baseとを入力する。動き補償部111は、基準フレーム画像の各画像領域を、動き推定部110に決定された動きベクトルに基づいて、シフトさせることで、動き補償後のフレーム画像を取得する。そして、動き補償部111は、動き補償後のフレーム画像を形成することができる動画像信号(動き補償後の動画像信号)D_MCを、セレクタ102に出力する。
動きベクトル記憶部112は、動き推定部110から出力される動きベクトルに関する情報を入力し、当該動きベクトルに関する情報を記憶する。そして、動きベクトル記憶部112に記憶された動きベクトルに関する情報は、探索初期点決定部2、および/または、動きベクトル予測処理部113から読み出すことができる。
動きベクトル予測処理部113は、動きベクトル記憶部112から、処理対象ブロック(フレーム画像(動画像)に含まれるブロック)の周辺のブロック(フレーム画像上において、処理ブロックの周辺のブロック)の動きベクトルに関する情報を読み出し、処理対象ブロックの予測動きベクトルpmv(predictive motion vector)を取得する。そして、動きベクトル予測処理部113は、取得した予測動きベクトルpmvに関する情報を減算器114に出力する。
減算器114は、動き推定部110から出力される動きベクトルに関する情報MV(処理対象ブロックの動きベクトルMV)と、動きベクトル予測処理部113から出力される予測動きベクトルpmvに関する情報とを入力する。減算器は、処理対象ブロックの動きベクトルMVと、予測動きベクトルpmvとの差分ベクトルdiff_MVを取得し、取得した差分ベクトルdiff_MVに関する情報を可変長符号化部115に出力する。
可変長符号化部115は、量子化部105から出力される信号と減算器114から出力される差分ベクトルdiff_MVに関する情報とを入力する。可変長符号化部115は、量子化部105から入力され信号(量子化信号)および差分ベクトルdiff_MVに関する情報に対して可変長符号化処理(エントロピー符号化処理(例えば、ハフマン符号化処理や算術符号化処理))を行う。そして、可変長符号化部115は、可変長符号化処理後の信号Doutを出力する。
探索初期点決定部2は、図3に示すように、ズームベクトル取得部21と、物体動きベクトル取得部22と、探索初期点算出部23と、を備える。なお、探索初期点決定部2は、符号化部1から、処理対象ブロックについての情報を取得できるものとする。
ズームベクトル取得部21は、カメラ制御部C3から出力されるズーム情報(ズーム倍率および画像上のズーム中心位置についての情報)ZoomInfoを入力し、当該ズーム情報ZoomInfoから、処理対象ブロックについてのズームによる動きベクトル(ズームによる動き量)を取得する。そして、ズームベクトル取得部21は、取得した処理対象ブロックについてのズームによる動きベクトルに関する情報を探索初期点算出部23に出力する。
物体動きベクトル取得部22は、動きベクトル記憶部112から、処理対象ブロックの周辺ブロックの動きベクトルに関する情報を取得する。物体動きベクトル取得部22は、周辺ブロックの各ブロックにおいて、動きベクトルからズームによる動きベクトルを減算したベクトル(これを「物体動きベクトル」という。)を取得する。そして、物体動きベクトル取得部22は、周辺ブロックの各ブロックについて取得した物体動きベクトルに関する情報を探索初期点算出部23に出力する。
探索初期点算出部23は、ズームベクトル取得部21から出力される処理対象ブロックについてのズームによる動きベクトルに関する情報と、物体動きベクトル取得部22から出力される周辺ブロックの各ブロックについて取得した物体動きベクトルに関する情報とを入力する。探索初期点算出部23は、処理対象ブロックについてのズームによる動きベクトルと、周辺ブロックの各ブロックについて取得した物体動きベクトルとに基づいて、動き探索処理の初期点を決定する。そして、探索初期点算出部23は、決定した、処理対象ブロックについての動き探索処理の初期点についての情報を、符号化部1の動き推定部110に出力する。
<1.2:動画像符号化システムの動作>
以上のように構成された動画像符号化システム1000の動作について、以下、説明する。
以下では、動画像符号化システム1000のカメラ部C1において、球状の物体が水平方向に移動するシーンを撮像する場合を例に説明する。
図4は、上記シーンをカメラ部C1により撮像した動画像の第N番目と第N+1番目のフレーム画像の5ブロック×5ブロックからなる画像領域を模式的に示す図である。なお、1ブロックは、例えば、16画素×16画素から構成される。
図4(a)に示すように、第Nフレーム画像において、球状の物体J1は、その中心点がα0点となる位置に存在している。そして、図4(b)に示すように、第N+1フレーム画像において、球状の物体J1は、その中心点がα1点となる位置に移動している。つまり、物体J1は、第Nフレームから第N+1フレームの間に水平方向に移動している。
図4で示したシーンを、第Nフレームでは、ズーム倍率を1倍とし、第N+1フレームでは、ズーム中心位置を図4のF点とし、ズーム倍率を1.5倍として、カメラ部C1により撮像した場合について、図5および図6を用いて説明する。
図5(b)に示すように、ズームにより、α0点は、α2点に移動する。点xから点yへのベクトルをVec(x,y)と表記すると、点Fから点α2へのベクトルVec(F,α2)は、
Vec(F,α2)=1.5×Vec(F,α0)
となる。
また、第Nフレームから第N+1フレームまでの間にズーム倍率が「1」のまま、変化しない場合、物体J1の中心点の移動を示すベクトルは、Vec(α0,α1)である。第Nフレームから第N+1フレームまでの間にズーム倍率を「1」から「1.5」にした場合、物体J1の中心点の移動量もVec(α0,α1)のノルムの1.5倍となる。
つまり、上記の場合、点xの位置を示すベクトルをP(x)と表記すると、
P(α3)=P(F)+1.5×Vec(F,α0)+1.5×Vec(α0,α1)
となる。つまり、ズーム中心をF点とし、第Nフレームから第N+1フレームまでの間にズーム倍率を「1」から「1.5」にした場合、物体J1の中心点は、α0点からα3点に移動することになる。つまり、図6に示す状態となる。
以下では、図6に示す場合、すなわち、第Nフレームにおいて、ズーム倍率が「1」であり、第N+1フレームにおいて、ズーム中心がF点で、ズーム倍率が「1.5」である場合について、説明する。つまり、第Nフレームに対応する時刻において、カメラ部C1において、図6(a)に示す画像が、ズーム倍率「1」で撮像され、次のフレーム、つまり、第N+1フレームに対応する時刻において、カメラ部C1において、図6(b)に示す画像が、ズーム倍率「1.5」で撮像された場合について、以下、説明する。また、以下では、動画像符号化装置D1において、インター符号化処理が実行されているものとして、説明する。
カメラ部C1により撮像された第N+1フレーム画像を形成する動画像信号は、カメラ信号処理部C2を経て、動画像符号化装置D1に入力される。
第N+1フレームの動画像信号Dinは、符号化部1の減算器103と、動き推定部110とに入力される。
現マクロブロック(処理対象マクロブロック)がインター符号化処理される場合、セレクタ102では、制御信号SWにより、図1の「0」端子側が選択される。この場合、減算器103では、動画像信号Dinから、動き補償部111から出力される動き補償後の動画像信号D_MCを減算することで、予測誤差信号diffが取得される。すなわち、減算器103では、
diff=Din−D_MC
に相当する処理(差分画像を取得する処理)が実行される。
直交変換部104では、予測誤差信号diffに対して、直交変換(例えば、整数変換やDCT)が実行される。そして、直交変換後の信号が量子化部105に出力される。
量子化部105では、直交変換後の信号に対して、量子化処理が実行される。
量子化部105により量子化された信号は、可変長符号化部115および逆量子化部106に出力される。
量子化部105により量子化された信号は、逆量子化部106により逆量子化され、さらに、逆直交変換部107により逆直交変換が実行される。
逆直交変換された信号diff’は、加算器108に入力され、加算器108にて、セレクタ102からの出力D_MCと加算される。つまり、加算器108では、
Din’=diff’+D_MC
により動画像信号Din’が取得される。
そして、動画像信号Din’は、加算器108から記憶部109に出力される。
記憶部109では、加算器108から出力される動画像信号Din’が記憶される。
探索初期点決定部2のズームベクトル取得部21では、カメラ制御部C3から入力されたズーム情報ZoomInfoから、現フレーム(第N+1)フレームでのズーム中心点およびズーム倍率の情報が入力される。本実施形態では、ズーム中心は、図6に示すF点であり、現フレーム(第N+1)フレームでのズーム倍率は1.5倍である。
なお、説明便宜のために、処理対象ブロックは、図7に示すMB4、つまり、第Nフレーム画像において、物体J1の中心点α0点を含むブロックであるものとする。また、処理対象ブロックMB4の周辺ブロックを、図7のブロックMB0(処理対象ブロックの左上のブロック)、MB1(処理対象ブロックの上のブロック)、MB2(処理対象ブロックの右上のブロック)、MB3(処理対象ブロックの左のブロック)として、以下説明する。
ズームベクトル取得部21では、処理対象ブロックMB4のズームによる移動量を取得する。つまり、ズームによる移動ベクトルA4を取得する。つまり、図5を用いて説明したように、MB4の中心点であるα0点は、ズームにより、α2点に移動するので、ズームによる移動ベクトルA4は、
A4=Vec(α0,α2)
となる。
上記のようにして取得した処理対象ブロックMB4のズームによる移動ベクトルA4についての情報は、探索初期点算出部23に出力される。
物体動きベクトル取得部22では、既に処理済みの周辺ブロックMB0〜MB3の動きベクトルC0〜C3およびズームベクトルA0〜A3が、動きベクトル記憶部112から読み出される。
なお、ブロックMBxのズームによる移動ベクトル(以下、「ズームベクトル」という。)を「Ax」と表記し、ブロックMBxの動きベクトルを「Cx」と表記し、動きベクトルCxからズームベクトルAxを減算したベクトル(物体動きベクトル)を「Bx」と表記する。
また、動きベクトル記憶部112には、各ブロックの動きベクトルCxの他にズームベクトルAxも記憶されているものとする。
物体動きベクトル取得部22では、以下のベクトル演算により、既に処理済みの周辺ブロックMB0〜MB3の物体動きベクトルB0〜B3を取得する。
B0=C0―A0
B1=C1―A1
B2=C2―A2
B3=C3―A3
そして、上記ベクトル演算により取得した周辺ブロックMB0〜MB3の物体動きベクトルB0〜B3についての情報は、探索初期点算出部23に出力される。
探索初期点算出部23では、処理対象ブロックMB4のズームベクトルA4と、周辺ブロックMB0〜MB3の物体動きベクトルB0〜B3とに基づいて、動き探索処理の初期点を算出する。具体的には、探索初期点算出部23は、物体動きベクトルB0〜B3の平均ベクトルBaveを取得し、取得したBaveを、処理対象ブロックMB4のズームベクトルA4にベクトル加算することで、動き探索処理の初期点を算出する。すなわち、動き探索処理の初期点を点Sとし、点Sの位置を示すベクトルをP(S)とすると、下記のベクトル演算により、動き探索処理の初期点Sを決定する。
P(S)=P(α0)+A4+B4_init
B4_init=Bave
上記により決定された動き探索処理の初期点Sについての情報は、符号化部1の動き推定部110に出力される。
なお、探索初期点算出部23は、ベクトル(A4+B4_init(=A4+Bave))についての情報を、符号化部1の動き推定部110に出力するようにしてもよい。
動き推定部110では、現フレーム画像(第N+1フレーム画像)と記憶部109から読み出された基準フレーム画像(本実施形態では、第Nフレーム画像とする。)とを用いて、動き探索処理が実行される。そして、当該動き探索処理の初期点は、探索初期点決定部2から出力された初期点Sとする。なお、探索初期点決定部2から出力される情報が、ベクトル(A4+B4_init(=A4+Bave))についての情報であるときは、動き推定部110は、処理対象ブロックの中心点(点α0)に上記ベクトル(A4+B4_init(=A4+Bave))をベクトル加算することで、初期点Sを算出する。
動き推定部110では、上記初期点Sを探索初期点として、探索範囲(例えば、±k画素(k:自然数)の領域)において、動き探索処理が実行される。具体的には、参照フレーム(第N+1フレーム)において、基準フレーム(第Nフレーム)の処理対象ブロックMB4と類似する画像領域を、上記初期点Sを中心とする上記探索範囲において、上記初期点Sに近い領域から探索する。つまり、基準フレーム(第Nフレーム)の処理対象ブロックMB4と探索した画像領域とのを用いてコスト計算し(例えば、SAD(Sum of absolute difference)値を算出し)、算出したコストが所定の閾値以下となる画像領域を決定する。そして、決定した画像領域と処理対象ブロックMB4との位置のずれから動きベクトルを決定する。このようにして決定した動きベクトルを処理対象ブロックの動きベクトルについての情報は、動き推定部110から動きベクトル記憶部112および減算器114に出力される。
なお、動き推定部110は、処理対象ブロックMB4の動きベクトルMVの情報として、動きベクトルC4と、ズームベクトルA4とに関する情報を、動きベクトル記憶部112に出力する。
そして、動きベクトル記憶部112では、処理対象ブロックMB4の動きベクトルMVに関する情報として、動きベクトルC4およびズームベクトルA4を特定できる状態で(特定できるデータとして)記憶する。
ここで、動き推定部110での具体的な処理について、図7を用いて、説明する。
図7に示すように、基準フレーム(第Nフレーム)のMB0と類似する参照フレーム(第N+1フレーム)の画像領域は、図7(b)の画像領域MB0’である。
また、基準フレーム(第Nフレーム)のMB1と類似する参照フレーム(第N+1フレーム)の画像領域は、図7(b)の画像領域MB1’である。
また、基準フレーム(第Nフレーム)のMB2と類似する参照フレーム(第N+1フレーム)の画像領域は、図7(b)の画像領域MB2’である。
また、基準フレーム(第Nフレーム)のMB3と類似する参照フレーム(第N+1フレーム)の画像領域は、図7(b)の画像領域MB3’である。
したがって、MB0〜MB3の動きベクトルは、図7(b)に示す、ベクトルC0〜C3である。
図8は、第N+1フレームにおける周辺ブロックMB0〜MB3の動きベクトルC0〜C3と、ズームベクトルA0〜A3と、物体動きベクトルB0〜B3とを明示した図である。
第Nフレームから第N+1フレームまでの間にズーム倍率は、1倍から1.5倍に変化するので、図8(b)に示すように、ズームベクトルは、ズーム中心点Fから各MBの中心点へのベクトルを1.5倍にしたベクトルから、ズーム中心点Fから各MBの中心点までのベクトルを減算したベクトルとなる。つまり、図8(b)に示す、ベクトルA0〜A4が、ブロックMB0〜MB4のズームベクトルとなる。
そして、処理対象ブロックMB4の周辺ブロックMB0〜MB3の物体動きベクトルB0〜B3は、
B0=C0−A0
B1=C1−A1
B2=C2−A2
B3=C3−A3
により、図8(b)に示すベクトルB0〜B3となる。
そして、探索初期点決定部2の探索初期点算出部23により、処理対象ブロックMB4の周辺ブロックMB0〜MB3の物体動きベクトルB0〜B3の平均ベクトルBaveが算出され、ベクトルB_initとして設定される。
B_init=Bave
そして、処理対象ブロックMB4のズームベクトルA4に、上記ベクトルB_init(=Bave)を加算することで、動き探索処理の初期点Sが決定される。
図8(b)に、処理対象ブロックMB4のズームベクトルA4および上記ベクトルB_init(=Bave)を示す。図8(b)から分かるように、処理対象ブロックMB4のズームベクトルA4とベクトルB_init(=Bave)を加算したベクトルの先は、ほぼα3点と一致する。つまり、上記処理により決定された処理対象ブロックMB4についての動き探索処理の初期点Sは、α3点とほぼ一致する点となる。
そして、動き推定部110では、上記S点から、処理対象ブロックMB4についての動き探索処理を開始するので、すぐに、コストが所定の閾値以下となる画像領域を決定することができる。つまり、上記処理により決定された動き探索処理の初期点Sが、第N+1フレーム画像において、物体J1の中心点(処理対象ブロックMB4の中心点)α3とほぼ一致するため、少ない演算量で、動き探索処理を終了させることができる。その結果、高速かつ高精度に動き探索処理を実行することができる。
ちなみに、図9に、処理対象ブロックMB4の周辺ブロックMB0〜MB3の動きベクトルC0〜C3を平均したベクトルC42により、処理対象ブロックMB4の動き探索処理の初期点を求めた場合について示す。図9(b)から分かるように、この場合、動き探索処理の初期点は、図9(b)のα4点となり、α3点から、かなり離れた点になってしまう。したがって、α4点を初期点として動き探索処理が実行されるので、探索処理回数(コスト計算の回数)が多くなり、高速に処理を行うことができない。
これは、ズームに起因する画像の変化に適切に対応できないためである。
それに対して、本実施形態の探索初期点決定部2および動き推定部110では、ズームに起因する画像の変化を考慮しているため、少ない演算量で、高精度の動き探索処理が実現できる。すなわち、探索初期点決定部2では、処理対象ブロックMB4の周辺ブロック(処理済みブロック)の動きベクトルC0〜C3から、それぞれのズームベクトルA0〜A3を減算することで、純粋に物体の動きだけを反映させた物体動きベクトルB0〜B3が取得される。そして、物体動きベクトルB0〜B3を用いて予測したベクトルB4_init(上記では、B0〜B3の平均ベクトルBave)に基づいて、動き探索処理の初期点が決定される。
つまり、本実施形態の探索初期点決定部2および動き推定部110では、動きベクトルからズームによる移動量を排除して、純粋に、物体の動きを示すベクトルを取得することで、ズームされている場合であっても、高精度に、動き探索処理の初期点を予測することができる。
以上のようにして、決定された処理対象ブロックMB4の動きベクトルMVの情報(動きベクトルC4およびズームベクトルA4に関する情報)は、動きベクトル記憶部112および減算器114に出力される。
動きベクトル予測処理部では、動きベクトル記憶部に記憶されている処理済みの周辺ブロックの動きベクトルを用いて、予測動きベクトルpmvが取得される。予測動きベクトルpmvは、例えば、処理済みの周辺ブロックの動きベクトルの中間値により決定される。
減算器114では、動きベクトル予測処理部により取得された予測動きベクトルpmvと、処理対象ブロックの動きベクトルとの差分ベクトルdiff_MVが算出される。そして、算出された差分ベクトルdiff_MVに関する情報は、可変長符号化部115に出力される。
可変長符号化部115では、量子化部105から入力され信号(量子化信号)および差分ベクトルdiff_MVに関する情報に対して可変長符号化処理(エントロピー符号化処理(例えば、ハフマン符号化処理や算術符号化処理))が実行される。そして、可変長符号化処理後の信号Doutが、可変長符号化部115から出力される。
以上のように、動画像符号化システム1000では、カメラ部C1によりズームされているシーンが動画像として入力された場合であっても、ズーム情報に基づいて、ズームによる動きと、純粋な物体の動きとの両方を適切に把握し、動き予測を適切に行うことができる。
したがって、動画像符号化システム1000では、カメラズーム中の動画像等においても、少ない演算量で、かつ、短い処理時間で、精度の高い動きベクトルの探索処理を実行することができる。そして、動画像符号化システム1000では、精度の高い動きベクトルを探索できることにより、符号化効率を向上させることができる。
[他の実施形態]
上記実施形態では、処理対象ブロックの動き探索処理の初期点を、同一フレーム画像内の処理済みの周辺ブロックの動きベクトルの平均値(平均化した動きベクトル)に基づいて、予測する場合について、説明した。しかし、これに限定されることはなく、例えば、処理対象ブロックの動き探索処理の初期点を、同一フレーム画像内の処理済みの周辺ブロックの動きベクトルの中央値(メディアン値)に基づいて、予測するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、処理対象ブロックの動き探索処理の初期点を決定する処理について、前方予測による処理を前提に説明したが、これに限定されることはなく、例えば、後方予測による処理や、両方向予測による処理により、処理対象ブロックの動き探索処理の初期点を決定する処理を実行するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、処理対象ブロックMB4の周辺ブロックをMB0〜MB3として説明したが、これに限定されることはなく、例えば、処理対象ブロックの左上のブロック(MB0に対応)、上のブロック(MB1に対応)、および、左のブロック(MB3に対応)を周辺ブロックにしてもよい。
また、処理対象ブロックの大きさは、16画素×16画素、16画素×8画素、8画素×16画素、8画素×8画素等であってもよい。また、処理対象ブロックの大きさは、これら以外の大きさにしてもよい。
また、上記実施形態の動画像符号化装置の一部または全部は、集積回路(例えば、LSI、システムLSI等)として実現されるものであってもよい。
上記実施形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、プログラムにより実現されるものであってもよい。そして、上記実施形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、コンピュータにおいて、中央演算装置(CPU)により行われる。また、それぞれの処理を行うためのプログラムは、ハードディスク、ROMなどの記憶装置に格納されており、ROMにおいて、あるいはRAMに読み出されて実行される。
また、上記実施形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア(OS(オペレーティングシステム)、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。なお、上記実施形態に係る動画像符号化装置をハードウェアにより実現する場合、各処理を行うためのタイミング調整を行う必要があるのは言うまでもない。上記実施形態においては、説明便宜のため、実際のハードウェア設計で生じる各種信号のタイミング調整の詳細については省略している。
また、上記実施形態における処理方法の実行順序は、必ずしも、上記実施形態の記載に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序を入れ替えることができるものである。
前述した方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリを挙げることができる。
上記コンピュータプログラムは、上記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
なお、本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
1000 動画像符号化システム
C1 カメラ部
D1 動画像符号化装置
1 符号化部
110 動き推定部
2 探索初期点決定部
21 ズームベクトル取得部
22 物体動きベクトル取得部
23 探索初期点算出部

Claims (6)

  1. 複数のフレーム画像からなる動画像信号を符号化する動画像符号化装置であって、
    ズーム倍率と、フレーム画像上のズーム中心位置とに基づいて、ズームによる動きを示すズームベクトルを取得するズームベクトル取得部と、
    前記フレーム画像上の処理対象ブロックの周辺ブロックの各ブロックについて決定された動きベクトルから、前記各ブロックについて決定されたズームベクトルを減算することで、前記周辺ブロックのブロックごとに、物体動きベクトルを取得する物体動きベクトル取得部と、
    前記物体動きベクトル取得部により取得された前記周辺ブロックの前記物体動きベクトルと、前記処理対象ブロックのズームベクトルとに基づいて、前記処理対象ブロックの動き探索処理の初期点を決定する探索初期点算出部と、
    前記探索初期点算出部により決定された前記初期点に基づいて、前記処理対象ブロックの動き探索処理を実行することで、前記処理対象ブロックの動きベクトルを推定する動き推定部と、
    を備える動画像符号化装置。
  2. 記周辺ブロックは、前記処理対象ブロックが含まれるフレーム画像と同一フレーム画像に含まれ、前記フレーム画像上において、前記処理対象ブロックの左上に隣接するブロックと、上に隣接するブロックと、左に隣接するブロックとを含む、
    請求項1に記載の動画像符号化装置。
  3. 記周辺ブロックは、さらに、右上に隣接するブロックを含む、
    請求項2に記載の動画像符号化装置。
  4. ズーム機能を有するカメラ部をさらに備え、
    前記ズームベクトル取得部は、前記カメラ部において設定されている、ズーム倍率と、フレーム画像上のズーム中心位置とに基づいて、前記ズームベクトルを取得する、
    請求項1から3のいずれかに記載の動画像符号化装置。
  5. 複数のフレーム画像からなる動画像信号を符号化する動画像符号化方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    ズーム倍率と、フレーム画像上のズーム中心位置とに基づいて、ズームによる動きを示すズームベクトルを取得するズームベクトル取得ステップと、
    前記フレーム画像上の処理対象ブロックの周辺ブロックの各ブロックについて決定された動きベクトルから、前記各ブロックについて決定されたズームベクトルを減算することで、前記周辺ブロックのブロックごとに、物体動きベクトルを取得する物体動きベクトル取得ステップと、
    前記物体動きベクトル取得ステップにより取得された前記周辺ブロックの前記物体動きベクトルと、前記処理対象ブロックのズームベクトルとに基づいて、前記処理対象ブロックの動き探索処理の初期点を決定する探索初期点算出ステップと、
    前記探索初期点算出ステップにより決定された前記初期点に基づいて、前記処理対象ブロックの動き探索処理を実行することで、前記処理対象ブロックの動きベクトルを推定する動き推定ステップと、
    を備える動画像符号化方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  6. 複数のフレーム画像からなる動画像信号を符号化する動画像符号化処理を行うための集積回路であって、
    ズーム倍率と、フレーム画像上のズーム中心位置とに基づいて、ズームによる動きを示すズームベクトルを取得するズームベクトル取得部と、
    前記フレーム画像上の処理対象ブロックの周辺ブロックの各ブロックについて決定された動きベクトルから、前記各ブロックについて決定されたズームベクトルを減算することで、前記周辺ブロックのブロックごとに、物体動きベクトルを取得する物体動きベクトル取得部と、
    前記物体動きベクトル取得部により取得された前記周辺ブロックの前記物体動きベクトルと、前記処理対象ブロックのズームベクトルとに基づいて、前記処理対象ブロックの動き探索処理の初期点を決定する探索初期点算出部と、
    前記探索初期点算出部により決定された前記初期点に基づいて、前記処理対象ブロックの動き探索処理を実行することで、前記処理対象ブロックの動きベクトルを推定する動き推定部と、
    を備える集積回路。

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