JP6114726B2 - 排ガス用熱交換器 - Google Patents

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Description

本発明は、ボイラー排ガス等の燃焼排ガスの排ガスダクト内に設置され、該燃焼排ガスとの熱交換によって導入した冷水を温水化して熱回収すると共に、該燃焼排ガスを低温化するのに用いる排ガス用熱交換器に関する。
一般的に、ボイラー排ガス等の高温の燃焼排ガスより熱回収する手段として、該燃焼排ガスが流れる排ガスダクト内に伝熱管を配設し、該伝熱管に供給した冷水(水道水)を燃焼排ガスとの熱交換で昇温させて温水として取り出す方法が広く採用されている(例えば、特許文献1,2)。
しかるに、燃焼排ガスは、概して燃料中の硫黄分に由来する亜硫酸ガス(SO2)や硫酸ガス(SO3)を含んでおり、これらによる強い腐食性(特に露点以下の低温部での結露による酸露点腐食性)があるため、排ガス用熱交換器の伝熱管やその配管支持部等の排ガスに接する金属部分が早期に腐食劣化するという問題があった。そこで、従来より、排ガス用熱交換器の耐酸腐食対策として、接ガス部にステンレス鋼や低合金鋼等の耐蝕性の高い金属材料を用いたり、接ガス部の金属表面にフッ素系樹脂によるライニングやコーティングを施す試みがなされているが、現状では優れた耐酸腐食性を備えるものとして次のような排ガス用熱交換器が唯一実用化されている(非特許文献1)。
この実用化されている排ガス用熱交換器は、図6に示すように、排ガスダクト10の天井部に配置する炭素鋼からなる熱交換器シェル100から多数本(数百本)の伝熱管200が垂下している。その熱交換器シェル100は、内側が水平仕切板101によって上下に仕切られており、仕切られた上側空間が縦仕切壁110によって入口側分室111と出口側分室112及び中間分室113に区画されると共に、下側空間も縦仕切壁120によって上流側室121と下流側室122とに区画されている。そして、入口側分室111には冷水W1を導入する入口ヘッダー131が、出口側分室112には熱交換後の温水W2を導出する出口ヘッダー132が、それぞれ設けてある。一方、各伝熱管200は、上端側を熱交換器シェル100の底壁をなすシールプレート102に止着した外管201と、この外管201内に挿通されて上端を水平仕切板101に止着した図示一点鎖線で示す内管202とからなる二重管になっている。なお、排ガスダクト10内の上流側には、伝熱管200に向けて洗浄水W3を噴射して付着ダストを洗い流すための洗浄水ノズル300が配設されており、その洗浄後の洗浄水W4を下方のドレン400より排出するようになっている。
図7で詳細に示すように、各伝熱管200の外管201は、ステンレス鋼管211の外面にフッ素系樹脂PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)の被覆層212が設けてあり、下端を栓体(図示省略)で閉塞し、開放した上端側をシールプレート102の係止孔102aに挿通して、その挿通部の上中下三カ所を拡径213することによって該シールプレート102に止着されている。また、内管202は、フッ素系樹脂FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)製チューブからなり、上下両端が開放し、その上端側を水平仕切板101の取付孔101aに貫通して、内側にステンレス鋼製の短管221を圧入することにより、該水平仕切板101に止着されている。そして、シールプレート102の底面を含む熱交換器シェル100の接ガス部表面にはフッ素系樹脂PFAのルーズライニング150が施されている。
この排ガス用熱交換器では、上記構成によって熱交換部が図6の如く入口側から出口側へ4つの領域Z1〜Z4に分かれる形になり、入口ヘッダー131から入口側分室111へ導入された冷水W1は、該入口側分室111直下の領域Z1において、各伝熱管200の内管202内に分配流入し、その下端から流出して外管201の内側を上昇して上流側室121内へ流出する。次いで、該上流側室121が中間分室113に臨む領域Z2において、各伝熱管200の外管201内に分配流入し、その下端内部から内管202内へ流入して上昇し、中間分室113内へ流出する。続いて、該中間分室113が下流側室122に臨む領域Z3において、各伝熱管200の内管202内に分配流入し、その下端から流出して外管201の内側を上昇し、下流側室122内へ流出する。更に、出口側分室112直下の領域Z4において、各伝熱管200の外管201内に分配流入し、その下端内部から内管202内へ流入して上昇し、出口側分室112へ流出し、この過程での排ガスとの熱交換によって昇温した温水W2として出口ヘッダー132から導出される。なお、図7は、熱交換の操作線を示しており、導入された冷水W1が各領域Z1〜Z4を順次経る過程で段階的に昇温して温水W2として導出する一方、高温排ガスG1は逆に領域Z4→Z1を通過することで連続的に降温して低温排ガスG2として下流側へ移行する。
特開2010−255925号公報 特開2014−126330号公報
インターネット・ウエブ・エアーフローリッヒ/耐酸熱交換器/伊藤忠マシンテクノス株式会社、検索日:2014年7月7日、http://www.itcmt.co.jp/products/industrial/plant/airflow.html
しかしながら、前記従来の排ガス用熱交換器の場合、図7に示すように、熱交換器シェル100の上壁部は周辺部をパッキン104を介してボルト止めする着脱可能な蓋板103にて構成されるが、伝熱管200の異常の有無を点検する際、蓋板103を取り外しても水平仕切板101が存在するから、そのままでは各伝熱管200の状態を目視で確認することができず、点検するためには該水平仕切板101を止着した多数本の内管202ごと引き上げて熱交換器シェル100外へ持ち出す必要があり、その作業に多大な労力及び時間を要する上、補修・交換にも非常に手間がかかるという難点があった。また、水平仕切板101は、熱交換器シェル100に対して周縁部でパッキン104を介してねじ止めする構造であるが、熱交換器シェル100の略内側全体を覆う広面積で且つ比較的に薄肉の板体であるため、撓みや歪みによる封止不良を生じ易く、特に上記点検時の着脱操作に伴って周辺部が変形して封止不良に繋がる懸念が多分にあった。
本発明は、上述の事情に鑑み、優れた耐酸腐食性を具備し、亜硫酸ガス及び硫酸ガスを含む高温の燃焼排ガスを熱交換対象として、長期にわたって高い熱交換効率が得られる上、伝熱管の点検及び補修・交換を極めて容易に能率よく行え、構造的にも簡素な排ガス用熱交換器を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための手段を図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明に係る排ガス用熱交換器は、燃焼排ガスが横方向に流れる排ガスダクト10の天井部に配置する熱交換器シェル1と、該熱交換器シェル1から垂下する多数本の伝熱管2とを備え、熱交換器シェル1は、天井部が着脱可能な蓋板11にて構成され、内部が仕切壁12によって複数の分室13,14に区割され、最上流側の分室13に臨む入口ヘッダー31と最下流側の分室14に臨む出口ヘッダー32とを備えると共に、隣接する上流側の分室13と下流側の分室14との間に各々接続ヘッダー33,34を介して通水管路4が接続され、伝熱管2は、外面にフッ素系樹脂のコーティング51が施されて下端を閉塞した金属パイプ(ステンレス鋼パイプ20)からなる外管21と、この外管21内に挿入されて下端が開放したフッ素系樹脂の可撓性チューブからなる内管22とで二重管状をなし、その複数本ずつが入口ヘッダー31及び出口ヘッダー32と各接続ヘッダー33,34に各々対応する群を構成し、各伝熱管2の外管21は、上端部が分室13,14の底壁15に設けた取付孔15aに気密に挿嵌固定されて、内部が該分室13,14内に連通し、該伝熱管2における内管22の上部側が前記分室13,14内に延出されて前記群毎に集合して対応するヘッダー31〜34に連通し、入口ヘッダー31より導入された冷水W1が、二重管状の各伝熱管2内を往復しつつ熱交換器シェル1の各分室13,14を経て出口ヘッダー32に至る過程で、排ガスダクト10内を流れる高温の燃焼排ガスと熱交換して該出口ヘッダー32より温水W2として導出すると共に、該熱交換によって燃焼排ガスを低温化するように構成されてなる。
請求項2の発明は、上記請求項1の排ガス用熱交換器において、各ヘッダー31〜34の内空間30と分室13,14との間に仕切板6が介在し、該仕切板6に設けた取付孔6aに伝熱管2における各内管22の上端部が挿嵌され、この挿嵌部分が熱可塑性フッ素系樹脂によって溶接53されてなるものとしている。
請求項3の発明は、上記請求項1又は2の排ガス用熱交換器において、熱交換器シェル1内が上流側分室13と下流側分室14とに2区割され、上流側分室13の側壁部13aに入口ヘッダー31と通水管路4の一端側の接続ヘッダー33が設けられると共に、下流側分室14の側壁部14aに出口ヘッダー32と通水管路4の他端側の接続ヘッダー34が設けられてなるものとしている。
請求項4の発明は、上記請求項1〜3のいずれかの排ガス用熱交換器において、排ガスダクト10内における伝熱管2の配置部よりも上流側に、該伝熱管2に対して洗浄水W3を噴射する洗浄水ノズル8が配設されると共に、該伝熱管2の配置部の下方に水溜まり部10aが設けられ、この水溜まり部10aに溜まった洗浄水W4中に各伝熱管2の下端部が浸漬されてなるものとしている。
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。まず、請求項1の発明に係る排ガス用熱交換器では、熱交換器シェル1より排ガスダクト10内へ垂下する二重管状の各伝熱管2は、外管21が外面にフッ素系樹脂のコーティング51を施した金属パイプ20からなり、内管22がフッ素系樹脂の可撓性チューブからなるため、優れた耐酸腐食性を具備し、亜硫酸ガス及び硫酸ガスを含む高温の燃焼排ガスを熱交換対象として、長期にわたって高い熱交換効率が得られる。しかも、該伝熱管2は、入口ヘッダー31及び出口ヘッダー32と接続ヘッダー33,34に対し、内管22が複数本ずつの群として集合して連通する一方、各伝熱管2の外管21が上端部で分室13,14の底壁15に挿嵌固定されて内部を該分室13,14内に連通しているから、伝熱管2を点検する際、熱交換器シェル1の天井部をなす蓋板11を取り外すだけで、外管21及び内管22の止着部分が露呈する。従って、各内管22を外管21から抜出することにより、内外管22,21の状態を目視によって簡単に確認できると共に、内外管22,21に破損や劣化等の欠陥が発見された場合の補修や交換の作業も容易に能率よく行える。また、熱交換器シェル1自体は、内部が仕切壁12によって複数の分室13,14に区割されているだけであるから、構造的に簡素であって安価に製作できるという利点がある。
請求項2の発明によれば、各ヘッダー31〜34の内空間30と分室13,14との間に介在する仕切板6に、各ヘッダー31〜34毎に対応する内管22群が一体化しているから、前記点検に際し、該仕切板6を引くことで内管22群を各々の外管21から一挙に抜出でき、それだけ作業性が向上すると共に、各内管22の上端部が該仕切板6に対して熱可塑性フッ素系樹脂によって溶接53されているから、その溶接部の加熱溶融によって該内管22の交換を容易に行える。
請求項3の発明によれば、熱交換器シェル1内が上流側分室13と下流側分室14とに2区割され、入口ヘッダー31及び出口ヘッダーと通水管路4の両側の接続ヘッダー33,34が両分室13,14の側壁部13a,14aに設けられ、入口ヘッダー31に導入された冷水W1が各ヘッダー31〜34に対応する領域Z1〜Z4の各々で伝熱管2を往復し、排ガスダクト10内を計4往復して出口ヘッダー32より温水W2として導出する構成であるから、排ガス用熱交換器として簡素で且つ機能的である上に高い熱交換効率が得られる。
請求項4の発明によれば、洗浄水ノズル8から噴射された洗浄水W3によって伝熱管2の表面に付着したダストが洗い流され、もって熱交換効率の低下が防止されると共に、該伝熱管2の配置部の下方の水溜まり部10aに溜まった洗浄水W4中に各伝熱管2の下端部が浸漬されるから、該伝熱管2内での沸騰が防止され、その沸騰に伴う伝熱管2の膨張で表面のフッ素系樹脂のコーティング層51が破壊されるのを回避できる。
本発明の一実施形態に係る排ガス用熱交換器の設置状態を模式的に示す概略縦断側面図である。 同排ガス用熱交換器の熱交換器シェルの横断平面図である。 同排ガス用熱交換器の温度操作線図である。 同排ガス用熱交換器の熱交換器シェルにおける伝熱管の外管の止着部分を示す縦断面図である。 同排ガス用熱交換器の熱交換器シェルにおける伝熱管の内管の止着部分を示す横断平面図である。 従来の排ガス用熱交換器の設置状態を模式的に示す概略縦断側面図である。 同排ガス用熱交換器の熱交換器シェルにおける伝熱管の止着部分を示す縦断面図である。 同排ガス用熱交換器の温度操作線図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る排ガス用熱交換器について、図面を参照して具体的に説明する。
この排ガス用熱交換器は、図1に示すように、燃焼排ガスが横方向に流れる排ガスダクト10の天井部に、炭素鋼からなる熱交換器シェル1が配置し、この熱交換器シェル1から多数本(数百本)の伝熱管2が排ガスダクト10内に垂下している。その熱交換器シェル1は、天井部が着脱可能な蓋板11にて構成され、内部が仕切壁12によって上流側分室13と下流側分室14とに区割されている。そして、上流側分室13には水道水等の冷水W1を導入する入口ヘッダー31が設けられ、下流側分室14には熱交換後の温水W2を導出する出口ヘッダー32が設けられる共に、両分室13,14間には熱交換器シェル1の外側に配置した通水管路4が接続されている。また、各伝熱管2は、熱交換器シェル1のシールプレートをなす底壁15に上端部を止着した外管21と、この外管21内に挿通した可撓性チューブからなる内管22とで二重管構成になっている。
なお、排ガスダクト10内における伝熱管2の配置部よりも上流側に、該伝熱管2に対して洗浄水W3を噴射する洗浄水ノズル8が配設されると共に、該伝熱管2の配置部の下方に、底を平坦にした水溜まり部10aが設けられ、この水溜まり部10aに溜まった洗浄水W4中に各伝熱管2の下端部が浸漬された状態になっている。
図2に示すように、入口ヘッダー31及び出口ヘッダー32は両分室13,14の各側壁部13a,14aに設けられ、通水管路4の両端部は両分室13,14の側壁部13a,14aに対して各々接続ヘッダー33,34を介して取り付けられている。そして、多数本の伝熱管2は、その複数本ずつが入口ヘッダー31及び出口ヘッダー32と各接続ヘッダー33,34に各々対応する四つの群を構成しており、各群の内管22の上部側が外管21から両分室13,14内へ延出して対応するヘッダー31〜34の各々に集合して連通接続している。なお、図2では、伝熱管2の配置と内管22の集合状態が判り易いように、多数本の伝熱管2の内の一部を図示し、他の伝熱管2は位置のみを(+)記号で示している。また、伝熱管2の実際の本数は図2による図示の数倍になっている。
図4及び図5で詳細に示すように、各伝熱管2の外管21は、ステンレス鋼パイプ20の外面にフッ素系樹脂PFAのコーティング51を施したものであり、図示を省略した下端がフッ素系樹脂PFAの栓体の融着やステンレス鋼製端板の溶接等で閉塞され、開放した上端側を熱交換器シェル1の底壁15の係止孔15aに挿通して、その挿通部の中間と下部を拡径21aすると共に、ステンレス鋼パイプ20の上端周縁を溶接7することにより、該底壁15に止着されている。なお、底壁15の係止孔15aの内周には、外管21の拡径21aを許容する環状凹部15bが形成されている。
一方、各伝熱管2の内管22は、フッ素系樹脂FEP製の可撓性チューブからなり、上下両端が開放しており、分室13,14内に延出した各上端部がヘッダー31〜34の内空間30と分室13,14内とを遮断する仕切板6の取付孔6aに挿通され、その先端外周部をフッ素系樹脂PFAによる樹脂溶接53によって該仕切板6に固着している。また、底壁15の底面を含む熱交換器シェル1の接ガス部表面には、フッ素系樹脂PFAのコーティング52が施されている。
なお、図5に示すように、仕切板6は、ステンレス鋼板の表面にフッ素系樹脂PFAのコーティング54を施したものからなり、熱交換器シェル1の側壁部13a,14aに設けた開口部1aの外側周縁に固着された環状補強板17と、各ヘッダー31〜34のカップ部材35の周縁フランジ部35aとの間で周辺部を挟着され、その挟着部分をボルト止めすることで該開口部1aに着脱可能に取り付けられている。
上記構成の排ガス用熱交換器にあっては、図2で示すように、熱交換部が入口側から出口側へ4つの領域Z1〜Z4に分かれる形になり、入口ヘッダー31に導入された冷水W1は、上流側分室13における入口ヘッダー31側半部の領域Z1において、該入口ヘッダー31に接続した各伝熱管2の内管22内に分配流入し、その下端から流出して外管21の内側を上昇して該上流側分室13内へ流出する。次いで、該上流側分室13の接続ヘッダー33側半部の領域Z2において、各伝熱管2の外管21内に分配流入し、その下端内部から内管22内へ流入して上昇し、これら内管22を通して接続ヘッダー33内へ流入して通水管路4へ導出される。続いて、下流側分室14における接続ヘッダー34側半部の領域Z3において、通水管路4を通って接続ヘッダー34から接続した各伝熱管2の内管22内に分配流入し、その下端から流出して外管21の内側を上昇して該下流側分室14内へ流出する。更に、該下流側分室14の出口ヘッダー32側半部の領域Z4において、各伝熱管2の外管21内に分配流入し、その下端内部から内管22内へ流入して上昇し、これら内管22を通して出口ヘッダー32内へ流入する。
すなわち、入口ヘッダー31に導入された冷水W1は、4つの領域Z1〜Z4の各々で伝熱管2内を1往復し、排ガスダクト10内を計4往復する過程での高温排ガスG1との熱交換により、昇温した温水W2として該出口ヘッダー32から導出される。なお、図3は、熱交換の操作線を示しており、導入された冷水W1が各領域Z1〜Z4を順次経る過程で段階的に昇温して温水W2として導出する一方、高温排ガスG1は逆に領域Z4→Z1を通過することで連続的に降温して低温排ガスG2として下流側へ移行する。
なお、図1に示すように、排ガスダクト10内に配設された洗浄水ノズル8は、洗浄水W3の噴射によって伝熱管2の表面に付着したダストを洗い流し、もって付着ダストに起因した熱交換効率の低下を防止するものである。しかして、この洗浄後のダストを含む洗浄水W4は該伝熱管2の配置部の下方の水溜まり部10aに溜まり、その溜まり量を超える分がオーバーフロー管9を通して排出されるが、その溜まった洗浄水W4中に各伝熱管2の下端部が浸漬しているから、該伝熱管2内での沸騰が防止され、その沸騰に伴う伝熱管2の膨張で表面のフッ素系樹脂のコーティング層51が破壊されるのを回避できる。
このような排ガス用熱交換器によれば、二重管状の各伝熱管2は、外管21の外面にフッ素系樹脂のコーティング51が施され、内管22がフッ素系樹脂の可撓性チューブからなり、また熱交換器シェル1の接ガス表面にもフッ素系樹脂のコーティング51が施されているため、優れた耐酸腐食性を具備し、亜硫酸ガス及び硫酸ガスを含む高温の燃焼排ガスG1を熱交換対象として、長期にわたって高い熱交換効率が得られる。しかも、伝熱管2を点検する際、熱交換器シェル1の天井部をなす蓋板11を取り外すだけで、外管21及び内管22の止着部分が露呈するから、各内管22を外管21から抜出することにより、内外管22,21の状態を目視によって簡単に確認できると共に、内外管22,21に破損や劣化等の欠陥が発見された場合の補修や交換の作業も容易に能率よく行える。また、熱交換器シェル1自体は、内部が仕切壁12によって上流側分室13と下流側分室14とに区割されているだけであるから、構造的に簡素であって安価に製作できるという利点がある。
また、実施形態の構成では、各ヘッダー31〜34の内空間30と分室13,14との間に介在する仕切板6に、各ヘッダー31〜34毎に対応する内管22群が一体化しているから、前記点検に際し、該仕切板6を引くことで内管22群を各々の外管21から一挙に抜出でき、それだけ作業性が向上すると共に、各内管22の上端部が該仕切板6に対して熱可塑性フッ素系樹脂によって溶接53されているから、その溶接部の加熱溶融によって該内管22の交換を容易に行える。
本発明の排ガス用熱交換器では、熱交換器シェル1内を実施形態の如く上流側分室13と下流側分室14とに2区割する構成に限らず、3区割以上として、その隣接する上流側の分室と下流側の分室との間を接続ヘッダーを介して通水管路4で連結した構成としてもよい。ただし、実施形態のように2区割する構成では、排ガス用熱交換器として簡素で且つ機能的である上、高い熱交換効率が得られるという利点がある。また、本発明では、熱交換器シェル1とこれより垂下する多数本の伝熱管2とを熱交換ユニットとして、その複数のユニットを排ガスダクト10の大きさや通過ガス量に応じて並設してもよい。
その他、本発明の排ガス用熱交換器では、熱交換器シェル1の形状、該熱交換器シェル1に対する入口及び出口ヘッダー31,32と接続ヘッダー33,34の取付位置、これらヘッダー31〜34の構造、伝熱管2の本数と配列、該伝熱管2の外管21及び内管22の止着構造、コーティング51,52に用いる熱可塑性フッ素系樹脂の種類等、細部構成については実施形態以外に種々設計変更可能である。
1 熱交換器シェル
11 蓋板
12 仕切壁
13 上流側分室
13a 側壁部
14 下流側分室
14a 側壁部
15 底壁
15a 取付孔
2 伝熱管
20 ステンレス鋼パイプ(金属パイプ)
21 外管
22 内管
31 入口ヘッダー
32 出口ヘッダー
33,34 接続ヘッダー
4 通水管路
51 コーティング
53 溶接
6 仕切板
6a 取付孔
10 排ガスダクト
10a 水溜まり部
G1 高温排ガス
G2 低温排ガス
W1 冷水
W2 温水
W3,W4 洗浄水

Claims (4)

  1. 燃焼排ガスが横方向に流れる排ガスダクトの天井部に配置する熱交換器シェルと、該熱交換器シェルから垂下する多数本の伝熱管とを備え、
    前記熱交換器シェルは、天井部が着脱可能な蓋板にて構成され、内部が仕切壁によって複数の分室に区割され、最上流側の分室に臨む入口ヘッダーと最下流側の分室に臨む出口ヘッダーとを備えると共に、隣接する上流側の分室と下流側の分室との間に各々接続ヘッダーを介して通水管路が接続され、
    前記伝熱管は、外面にフッ素系樹脂のコーティングが施されて下端を閉塞した金属パイプからなる外管と、この外管内に挿入されて下端が開放したフッ素系樹脂の可撓性チューブからなる内管とで二重管状をなし、その複数本ずつが前記入口ヘッダー及び出口ヘッダーと各接続ヘッダーに各々対応する群を構成し、
    各伝熱管の前記外管は、上端部が前記分室の底壁に設けた取付孔に気密に挿嵌固定されて、その内部が該分室内に連通し、
    該伝熱管における前記内管は、上部側が前記分室内に延出されて前記群毎に集合して対応するヘッダーに連通し、
    入口ヘッダーより導入された冷水が、二重管状の各伝熱管内を往復しつつ前記熱交換器シェルの各分室を経て出口ヘッダーに至る過程で、排ガスダクト内を流れる高温の燃焼排ガスと熱交換して該出口ヘッダーより温水として導出すると共に、該熱交換によって燃焼排ガスを低温化するように構成されてなる排ガス用熱交換器。
  2. 前記各ヘッダーの内空間と前記分室との間に仕切板が介在し、該仕切板に設けた取付孔に前記伝熱管における各内管の上端部が挿嵌され、この挿嵌部分が熱可塑性フッ素系樹脂によって溶接されてなる請求項1に記載の排ガス用熱交換器。
  3. 前記熱交換器シェル内が上流側分室と下流側分室とに2区割され、上流側分室の側壁部に前記入口ヘッダーと前記通水管路の一端側の接続ヘッダーが設けられると共に、下流側分室の側壁部に前記出口ヘッダーと前記通水管路の他端側の接続ヘッダーが設けられてなる請求項1又は2に記載の排ガス用熱交換器。
  4. 前記排ガスダクト内における前記伝熱管の配置部よりも上流側に、該伝熱管に対して洗浄水を噴射する洗浄水ノズルが配設されると共に、該伝熱管の配置部の下方に水溜まり部が設けられ、この水溜まり部に溜まった洗浄水中に各伝熱管の下端部が浸漬されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス用熱交換器。
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