JP6114446B1 - 低圧段駆動階層型電動ターボチャージャ装置および該低圧段駆動階層型電動ターボチャージャ装置を装着した動力システム - Google Patents

低圧段駆動階層型電動ターボチャージャ装置および該低圧段駆動階層型電動ターボチャージャ装置を装着した動力システム Download PDF

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Abstract

【課題】EGRの十分な量の確保と高精度な制御が可能なターボチャージャー装置を提供すること。【解決手段】高圧段と低圧段からなる階層型ターボチャージャーを構成し、低圧段ターボチャージャーにモータジェネレータを接続し、EGRバイパスの入り口を高圧段タービンと低圧段タービンの間に、EGRバイパスの出口を高圧段コンプレッサと低圧段コンプレッサの間に設け、モータジェネレータと低圧段タービンと低圧段コンプレッサによってEGRバイパスの入り口の圧力と出口の圧力を制御することによってEGRの十分な量の確保と高精度な制御を可能にする。【選択図】図3

Description

内燃機関の排気エネルギーの回収と電気エネルギーによる過給を行う電動ターボチャージャ装置に関するものである。
ターボチャージャは、次に示すエネルギー効率の向上に関する三つの課題を有している。
第1の課題は、ターボチャージャのタービン・コンプレッサの回転速度を直接制御できないことによる過給圧の高精度な制御の困難さによるエネルギー損失である。具体的には内燃機関の広い回転速度領域において過給圧を最適にすることの困難さであり、特にターボラグと呼ばれる低速走行時のスロットル操作に対するタービン・コンプレッサの回転速度上昇の遅延による過給圧不足の問題である。
第2の課題はターボチャージャのコンプレッサによる圧縮過程のエネルギー損失とタービンによる膨張過程のエネルギー損失、すなわちコンプレッサの運動エネルギーを圧力エネルギーに変換する時のエネルギー損失とタービンによる圧力エネルギーを運動エネルギーに変換する時のエネルギー損失である。
第3の課題はターボチャージャによる未回収の排気エネルギーによるエネルギー損失である。内燃機関の投入されたエネルギーの約30%は排気エネルギーとして放出されているが、ターボチャージャは適切な過給圧を得るのに必要な排気エネルギーを越える排気エネルギーはタービンをバイパスして放出しなければならない。
ターボチャージャの三つの課題の有効な解決手段は二つある。第1は電動ターボチャージャ、第2は階層型ターボチャージャである。
電動ターボチャージャはモータジェネレータでタービン・コンプレッサを駆動することにより第1の課題(特にターボラグ)を解決し、モータ・ジェネレータで回生発電することにより第3の課題を解決するものである。
本来の階層型ターボチャージャは圧縮と膨張を二段で行うことにより、一段毎の圧縮比と膨張比を小さくしてコンプレッサとタービンのエネルギー効率を向上して第2の課題を解決することが可能である。
しかし、実用化されている自動車の動力システムに用いられる階層型ターボチャージャは、特許文献2の技術のように、高圧段タービン・コンプレッサと低圧段タービン・コンプレッサの切換えにより第1の課題を解決するものであり、第2の課題を解決するものではない。
高圧段タービン・コンプレッサは内燃機関の低回転速度領域で十分な過給圧を発生する特性を有し、低圧段タービン・コンプレッサは内燃機関の高回転速度領域で最適な過給圧を発生する特性を有する。
特許文献1の技術は一段型電動ターボチャージャである。
段落0013に、タービン軸15を回転駆動し、またはタービン軸からの動力で発電するモータジェネレータ、その出力を調節するためのインバータ、バッテリについて記述されている。
段落0017に、内燃機関の回転速度と、燃料流量と、排気温度との関係をマップとして記憶し、温度センサで検出された温度が目標排気温度より低いとき電動ターボチャージャを駆動してブースト圧を上げ、検出温度が目標排気温度より高いとき電動ターボチャージャで回生制動(回生発電)させてブースト圧を下げることが記述されている。特許文献1の技術は第1の課題と第3の課題を解決するものである。
特許文献2の技術は階層型ターボチャージャである。
段落0003に、低圧段コンプレッサとして大流量で高効率な大容量型のものを、高圧段のコンプレッサとして小流量で高効率な小容量型のものを使用することが記述されている。
段落0004に、低速低負荷時に高圧段ターボ過給機を作動させ、低圧段ターボ過給機は実質的に作動を停止させ、高速高負荷時に高圧段タービンをバイパスするようにして、実質的に大容量型の低圧段ターボ過給機のみを作動させることが記述されている。
段落0005と段落0006に、それらのバイパスのバイパスバルブの制御により高圧段ターボ過給機と低圧段ターボ過給機の切換えを行うことが記述されている。
図1に高圧段コンプレッサのバイパス(吸気バイパス通路 8)、高圧段タービンのバイパス(高圧バイパス管 5)、低圧段タービンのバイパス(低圧バイパス管 9)が示されている。
特許文献2の技術は第1の課題を解決するものである。
また、特許文献2の技術は、高圧段タービン・コンプレッサと低圧段タービン・コンプレッサの切換えのためのバイパスとバイパスバルブが必要であり、流路形状による流体力学的エネルギー損失とバイパスバルブの耐熱の新たな課題が発生する。
電動ターボチャージャと階層型ターボチャージャの組合せた技術として階層型電動ターボチャージャがある。
階層型電動ターボチャージャには、高圧段駆動階層型電動ターボチャージャと低圧段駆動階層型電動ターボチャージャの二方式がある。
高圧段駆動階層型電動ターボチャージャは内燃機関の低回転速度領域で十分な過給圧を発生する高圧段タービン・コンプレッサにモータ・ジェネレータを接続することにより、第1の課題(特にターボラグ)の解決手段として優れている。
低圧段駆動階層型電動ターボチャージャは内燃機関の高回転速度領域で最適な過給圧を発生する低い低圧段タービン・コンプレッサにモータ・ジェネレータを接続することにより、
内燃機関の高回転速度領域で多く発生する過剰な排気エネルギーから回生発電できるので第3の課題の解決手段として優れている。また、モータージェネレータが温度が低く回転速度の低い低圧段タービン・コンプレッサに接続されていることにより、高圧段駆動階層型電動ターボチャージャに比べてモータ・ジェネレータの温度上昇の問題が少ない特徴を有している。
特許文献3の技術は高圧段駆動階層型電動ターボチャージャであり、低速走行時に作動する高圧段タービン・コンプレッサにモータ・ジェネレータが接続されている。
段落0023に、内燃機関の回転速度が低く排気エネルギが小さい領域では、高圧段タービンバイパス弁と高圧段コンプレッサバイパス弁を閉じ、高圧段タービン・コンプレッサを駆動させる。このとき、低圧段タービン3aは殆ど仕事ができず、ほぼ高圧段タービン・コンプレッサのみの運転となると記述されている。
段落0024に、内燃機関の回転速度が高く排気エネルギが大きい領域では、高圧段タービンバイパス弁と高圧段コンプレッサバイパス弁を開放し、低圧段タービンバイパス弁を閉じて、低圧段タービン・コンプレッサのみを駆動させると記述されている。
段落0025に、内燃機関の回転速度が低い領域と高い領域の中間の領域では、低圧段タービンバイパス弁と高圧段コンプレッサバイパス弁を閉じ、高圧段タービンバイパス弁の開度を調整することで、高圧段タービンバイパス弁の開度に応じた割合で高圧段タービン・コンプレッサと低圧段タービン・コンプレッサの両者を駆動させると記述されている。
段落0040に、排気エネルギが非常に小さい領域、すなわち内燃機関の回転速度が極低速の領域であっても、電気モータを駆動すれば十分なブースト圧を得ることが可能になる。よって、内燃機関の回転速度が極低速の領域における動力性能(極低速トルク)を向上させることができると記述されている。
特許文献3の技術の制御ステップをまとめると、下記のようになる。
車両発進時(内燃機関の回転速度が極低速で排気エネルギが非常に小さい領域)は電気モータのアシストによって高圧段タービン・コンプレッサで過給する。
低速低負荷走行時(内燃機関の回転速度が低く排気エネルギが小さい領域)は高圧段タービン・コンプレッサで過給する。
中速中負荷走行時(内燃機関の回転速度が低い領域と高い領域の中間の領域)は高圧段タービン・コンプレッサと低圧段タービン・コンプレッサで過給する。
高速高負荷走行時(内燃機関の回転速度が高く排気エネルギが大きい領域)は低圧段タービン・コンプレッサで過給する。
すなわち、電気モータは車両発進時の高圧段コンプレッサの駆動力をアシストするものであって排気エネルギーの回収の発電は記述されていない。特許文献3の技術は第1の課題を解決するものであって第3の課題を解決するものではない。
特許文献4の技術は低圧段駆動階層型電動ターボチャージャであり、高速走行時に作動する低圧段タービン・コンプレッサにモータ・ジェネレータが接続されていている。
段落0024には、前記排気経路切換手段は、高圧段コンプレッサー17をバイパスする第一吸気経路(図2参照)と、低圧段コンプレッサー20をバイパスする第二吸気経路(図3参照)との間で吸気経路を切り換える第一切換バルブSV1と、第二切換バルブSV2とから構成されると記述されている。
段落0025には、前記排気経路切換手段は、低圧段タービン19をバイパスする第一排気経路(図2参照)と、高圧段タービン15と低圧段タービン19を流れる第二排気経路(図3参照)との間で排気経路を切り換える第三切換バルブSV3とから構成されると記述されている。
段落0027には、車両発進時は、第一吸気経路(高圧段コンプレッサー17をバイパスする)に切り換え、第一排気経路(低圧段タービン19をバイパスする)に切り換え、モータージェネレーター22と低圧段コンプレッサー20で過給する。その際、高圧段コンプレッサー17の駆動損失が生じないため、急激に高圧段ターボ12の回転速度が上昇し、瞬時に高圧段コンプレッサー17だけで吸気を充分過給できるようになると記述されている。
段落0029には、通常走行時(低速低負荷時)は、第二吸気経路(低圧段コンプレッサー20をバイパスする)に切り換え、第二排気経路(バイパスなし)に切り換え、高圧段コンプレッサー17で過給し、低圧段タービン19とモータージェネレーター22で回生発電して電気をバッテリー24に蓄える。低圧段コンプレッサー20が空気を圧縮することによる駆動損失が生じないと記述されている。
段落0030には、通常走行時(中速中負荷時)は、吸気が低圧段コンプレッサー20と高圧段コンプレッサー17へ流れるようにし、排気が低圧段タービン19に流れるようにして、低圧段コンプレッサー20及び高圧段コンプレッサー17の両方で過給することが記述されている。
段落0031には、通常走行時(高速高負荷時)は、吸気が低圧段コンプレッサー20を流れた後に高圧段コンプレッサー17をバイパスし、排気が低圧段タービン19に流れるようにして低圧段コンプレッサー20のみで過給することが記述されている。
段落0046には、前記切換条件が、前記切換条件がブースト圧センサ(図示せず)により検出されるブースト圧が所定の圧力に達したときに成立するとしても良く、前記切換条件が回転センサ(図示せず)により検出される高圧段ターボ12の回転数が所定の回転数に達したときに成立するとしても良いと記述されている。
特許文献4の制御ステップをまとめると、下記のようになる。
車両発進時は高圧コンプレッサーをバイパスし、低圧段タービンをバイパスし、モータージェネレータと低圧段コンプレッサで過給する。
低速低負荷走行時は低圧コンプレッサーをバイパスし、高圧段コンプレッサで過給し、低圧段タービンとモータージェネレータで発電する。
中速中負荷走行時は高圧段コンプレッサと低圧段コンプレッサで過給する。
高速高負荷走行時は高圧段コンプレッサをバイパスし、低圧段コンプレッサで過給する。
すなわち、電気モータは車両発進時の低圧段コンプレッサの駆動力をアシストと、低速低負荷走行時の排気エネルギーの回収発電が記述されているので、特許文献4の技術は第1の課題と第3の課題を解決するものである。
特許文献4の技術は車両発進から低速低負荷走行への遷移時には低圧段コンプレッサから高圧段コンプレッサへの切換え、低速低負荷走行時から中速中負荷走行時への遷移持には再び低圧段コンプレッサの稼動、中速中負荷走行から高速高負荷走行への遷移時には高圧段コンプレッサの停止が行われるため、内燃機関の回転速度に対するトルクの連続性が損なわれる課題を有している。
階層型電動ターボチャージャ(特許文献3と特許文献4等の技術 によるターボチャージャの課題の解決と残存課題について説明する。
第1の課題について、低速低負荷走行時と高速高負荷走行時で高圧段タービン・コンプレッサと低圧段タービン・コンプレッサの切り換えによりある程度解決できたが、切り換えによる不連続性の残存課題がある。
第2の課題について、階層型であるが二つのタービン・コンプレッサを同時に使用しないので、本来の圧縮と膨張を二段で行うことによるエネルギー効率の向上は、実現できていない。
第3の課題について、モータジェネレータによる回生発電である程度解決できたが、それが可能なのは二つのタービン・コンプレッサの内モータジェネレータが接続されているタービン・コンプレッサが十分に回転している時に限られる。
階層型電動ターボチャージャに新たに発生した課題について説明する。
階層型電動ターボチャージャ(特許文献3と特許文献4技術)は高圧段タービン・コンプレッサと低圧段タービン・コンプレッサの切り換えにバイパスとバイパスバルブを用いるので流路形状による流体力学的エネルギー損失は増加している。
高圧段駆動階層型電動ターボチャージャ(特許文献3の技術)はモータジェネレータの熱の問題とモータジェネレータの回転速度の問題を有している。
モータジェネレータの熱の問題は、高圧段タービンの温度は900℃以上になり、この熱が伝導してモータ・ジェネレータの温度を上昇させ、モータ・ジェネレータの駆動及び発電のエネルギー効率が低下する問題である。モータ・ジェネレータの回転速度の問題は、高圧段タービン・コンプレッサと同等の30,000rpm以上の高速回転とターボラグの解決のための低速回転時の高トルクを満足するモータ・ジェネレータは、インバータ等の周辺機器も含めて高価なものになってしまうことである。
低圧段駆動階層型電動ターボチャージャ(特許文献4の技術)は高圧段タービン・コンプレッサと低圧段タービン・コンプレッサの切り換えが頻繁に発生し、内燃機関の回転速度に対するトルクの連続性が損なわれ、スポーツカーの動力システムには適さない。
特開2012-92783 いすゞ自動車株式会社 特開2007-154684 いすゞ自動車株式会社 特開2012-97606 いすゞ自動車株式会社 特開2012-62823 いすゞ自動車株式会社
本発明が解決しようとする四つの課題は階層型電動ターボチャージャの課題である。
第1の課題は、過給圧の不連続性のない高精度な制御の実現であり、具体的には、高圧段タービン・コンプレッサと低圧段タービン・コンプレッサを切り換えない方式の階層型電動ターボチャージャの実現である。
第2の課題は、圧縮と膨張を二段で行うことによるエネルギー効率の向上であり、具体的には、低速低負荷時から高速高負荷時までの全領域で高圧段タービン・コンプレッサと低圧段タービン・コンプレッサを使用する階層型電動ターボチャージャの実現である。
第3の課題は、低速低負荷時から高速高負荷時までの全領域で排気エネルギーから回生発電が可能な階層型電動ターボチャージャの実現である。
第4の課題は、タービン・コンプレッサの切換えのためのバイパスバルブが不要であり、流路形状による流体力学的エネルギー損失のない階層型電動ターボチャージャの実現であり、具体的には、タービン・コンプレッサを切換えない方式の階層型電動ターボチャージャの実現である。
本発明の低圧段駆動階層型電動ターボチャージャの構成は、内燃機関15、内燃機関15の吸気ポートと排気ポートに接続された排気エネルギーによって自由に回転する高圧段タービン・コンプレッサ20、高圧段タービン・コンプレッサ20の吸気ポートと排気ポートに接続された低圧段タービン・コンプレッサ30、低圧段タービン・コンプレッサ30に接続されたモータジェネレータ33, 34, 35からなる。
本発明の低圧段駆動階層型電動ターボチャージャの制御装置11は、モータジェネレータ33, 34, 35で低圧段タービン・コンプレッサ30を駆動し、低圧段タービン・コンプレッサ30によって高圧段コンプレッサ21の入り口圧力と高圧段タービン22の出口圧力を変化させることにより、高圧段タービン・コンプレッサ20の回転速度を制御して過給圧を制御する。
本発明の低圧段駆動階層型電動ターボチャージャは、常に低圧段コンプレッサ31と高圧段コンプレッサ21による二段の圧縮と高圧段タービン22と低圧段タービン32による二段の膨張を行う本来の階層型ターボチャージャである。
本発明の低圧段駆動階層型電動ターボチャージャの改良した第1の構成は、低圧段タービン・コンプレッサ30を低圧段コンプレッサ31と低圧段タービン32に分離し、前者に第2モータジェネレータ34を、後者に第3モータジェネレータ35を接続した構成であり、制御装置11は、第2モータジェネレータ34と第3モータジェネレータ35で低圧段コンプレッサ31と低圧段タービン32を独立して駆動し、高圧段タービン・コンプレッサ20の回転速度をより高精度に、より高応答性で制御することができる。
本発明の低圧段駆動階層型電動ターボチャージャの改良した第2の構成は、内燃機関の回転速度センサー、吸気ポート圧力(過給圧)センサー26、高圧段コンプレッサ入り口圧力センサー23、高圧段タービン出口圧力センサー24、高圧段タービン・コンプレッサ回転センサー25等のいくつかのセンサーを有し、制御装置11は、それらのセンサーの検出値に基づいて高圧段タービン・コンプレッサ20の回転速度をより高精度に、すなわち過給圧をより高精度に制御することができる。
本発明の低圧段駆動階層型電動ターボチャージャと特許文献4の低圧段駆動階層型電動ターボチャージャの差異について詳細に説明する。
特許文献4の技術は、バイパスにより低圧段タービン・コンプレッサと高圧段タービン・コンプレッサを切り換える方式であることであり、本発明の技術のような本来の階層型ターボチャージャではないので、二段の圧縮と膨張を行う条件は限られ、回生発電を行う条件も限られる。
特許文献4の段落0027の車両発進時の条件にのみ、モータージェネレーター22と低圧段コンプレッサー20で過給することが記述されているので、他の条件ではモータージェネレーター22による低圧段コンプレッサー20の駆動は行わないものと考えられる。
段落0030の中速中負荷の条件にのみ、低圧段コンプレッサー20及び高圧段コンプレッサー17の両方で過給することが記述されているので、中速中負荷の条件では二段の圧縮と膨張を行うが、他の条件では行わないものと考えられる。また、中速中負荷の条件ではモータージェネレーター22は常に自由回転(駆動も回生発電もしていない状態)しているものと思われる。
段落0029の低速低負荷の条件にのみ、低圧段タービン19とモータージェネレーター22で回生発電することが記述されているので、他の条件では低圧段タービン19とモータージェネレーター22による回生発電は行わないものと考えられる。
また、特許文献4の技術は、ブースト圧センサにより検出されるブースト圧、回転センサにより検出される高圧段ターボ12の回転数に基づいて、第一切換バルブSV1、第二切換バルブSV2、第三切換バルブSV3の制御を行うのであって、本発明の技術のように常にそれらの情報に基づいてモータージェネレーター22を制御するものではない。
本発明の低圧段駆動階層型電動ターボチャージャの効果について、階層型電動ターボチャージャの四つの課題に対応して説明する。
第1の課題の過給圧の不連続性のない高精度な制御の実現について、本発明の低圧段駆動階層型電動ターボチャージャはタービン・コンプレッサ20, 30の切り換えはなく、モータジェネレータ33, 34, 35の制御だけで連続的な高精度な制御が実現できた。
第2の課題の全領域で作動する階層型電動ターボチャージャの実現について、本発明の低圧段駆動階層型電動ターボチャージャは常に階層型電動ターボチャージャとして動作しており、全速度域で圧縮と膨張を二段で行うことによる高いエネルギー効率が得られている。また、一段の容量を小さくできるので、特許文献3、特許文献4の技術に比べて高圧段タービン・コンプレッサ20と低圧段タービン・コンプレッサ30を小型化できる特徴も有している。
第3の課題の全領域で排気エネルギーから回生発電を行う階層型電動ターボチャージャの実現について、本発明の低圧段駆動階層型電動ターボチャージャは低速走行時であっても高速走行時であっても、減速する時にはモータジェネレータ33, 34, 35で低圧段ターボ・コンプレッサ30の回転速度を下げて過給圧を下げるとともに排気エネルギーから回生発電することができる。また発電が必要な時には、低速走行時であっても高速走行時であっても、燃料供給を増やすことにより内燃機関15のトルクを減少させることなくモータジェネレータ33, 34, 35で排気エネルギーから回生発電することができる。
第4の課題の流路形状による流体力学的エネルギー損失のない階層型電動ターボチャージャの実現について、本発明の低圧段駆動階層型電動ターボチャージャはタービン・コンプレッサ20, 30の切換えのためのバイパスバルブが不要であり、それらの流路形状による流体力学的損失はない。
本発明のモデル一覧を示す図である。 Model-2411の概要構成図である。 Model-2412の概要構成図である。 Model-2413の概要構成図である。 Model-2421の概要構成図である。 Model-2422の概要構成図である。 Model-2423の概要構成図である。 Model-2411の過給圧制御説明図である。 Model-2412のEGR制御説明図である。 Model-2413の過給圧制御説明図である。 Model-2421の過給圧制御説明図である。 Model-2422のEGR制御説明図である。 Model-2423の過給圧R制御説明図である。 Model-2411の過給圧制御フローチャートである。 Model-2412のEGR制御フローチャートである。 Model-2421の過給圧制御フローチャートである。 Model-2422のEGR制御フローチャートである。
図1は本発明の低圧段駆動階層型電動ターボチャージャのモデル一覧である。
Model-24はモータジェネレータ33, 34, 35で低圧段のタービン・コンプレッサ30を駆動する低圧段駆動階層型電動ターボチャージャである。
Model-241は一体方式の低圧段タービン・コンプレッサ30と一つのモータジェネレータ33を接続する方式、Model-242は低圧段タービン・コンプレッサ30を低圧段コンプレッサ31と低圧段タービン32に分離して前者に一つのモータジェネレータ34を、後者にもう一つのモータジェネレータ35を接続する方式である。
Model-2411とModel-2421はそれぞれModel-241とModel-242の基本形であり、二次電池13を有しモータジェネレータ33, 34, 35への電力の供給と発電電力の蓄積を行う。
Model-2412とModel-2422はModel-2411とModel-2421に外部EGR(排気再循環)を組み合わせた方式である。
Model-2413, Model-2423はModel-2411, Model-2412をハイブリッド動力にした方式で、二次電池13はモータジェネレータ33, 34, 35とハイブリッド動力のHVモータジェネレータ12への電力の供給と発電電力の蓄積を行う。
図2は本発明の電動ターボチャージャー装置の基本形のモデルであるModel-2411の概要構成図である。
制御装置11は第1モータジェネレータ33で低圧段タービン・コンプレッサ30を駆動して高圧段コンプレッサ21の入り口圧力と高圧段タービンの出口圧力を変化させることにより、高圧段タービン・コンプレッサ20の回転速度を制御して過給圧を制御する。低圧段タービン・コンプレッサ30と高圧段タービン・コンプレッサ20によって二段の圧縮と高圧段タービンと二段の膨張が行われる。
本発明の低圧段駆動階層型電動ターボチャージャは、常に低圧段コンプレッサ31と高圧段コンプレッサ21による二段の圧縮と高圧段タービン22と低圧段タービン32による二段の膨張を行う本来の階層型ターボチャージャであり、特許文献3、特許文献4の技術のようにタービン・コンプレッサ20,30の切換えを行わないので、タービン・コンプレッサ20,30の切換えのためのバイパスとバイパスバルブを必要としない。
図2のModel-2411の概要構成図について詳細に説明する。
低圧段タービン・コンプレッサ30は低圧段コンプレッサ31と低圧段タービン32が一体化されたものであり、第1モータジェネレータ33が接続されている。
吸気は低圧段コンプレッサ31で圧縮され、さらに高圧段コンプレッサ21で圧縮され、インタークーラ27で冷却されて内燃機関15に供給される。内燃機関15の排気は高圧段タービン22で膨張して、さらに低圧段タービン32で膨張して排気される。
制御装置11は既存の自動車の動力システムと同様にアクセルペタルやブレーキペタル等からの操作情報、速度や加速度等のセンサーによる検出情報等に基づいて内燃機関の15等を制御するものであり、さらに、吸気ポート圧力(過給圧)センサー26、高圧段タービン・コンプレッサ回転センサー25、高圧段コンプレッサ入り口圧力センサー23、高圧段タービン出口圧力センサー24の検出値に基づいて、第1モータジェネレータ33の制御、二次電池13の電力の第1モータジェネレータ33への供給と第1モータジェネレータ33の回生発電の電力の蓄積の制御を行う。
図8はModel-2411の過給圧制御の概要説明図である。
制御装置11は内燃機関15と第1モータジェネレータ33を制御する。
Model-2411を含む全てのモデルの制御は定速走行モード、加速走行モード、減速走行モードの制御からなり、それらは高速走行においても低速走行においても同じである。
図8aは定速走行モード制御である。
制御装置11は、内燃機関15の回転速度または過給圧力が目標値より高い時には下記減速走行モード制御、低い時には下記加速走行モード制御を行い、目標値と一致している時には第1モータジェネレータ33の状態を維持し、内燃機関15への燃料供給と過給圧を一定に保ち、低圧段タービン・コンプレッサ30、高圧段タービン・コンプレッサ20、内燃機関15を定速回転状態にする。
図8bは加速走行モード制御である。
制御装置11は、内燃機関の15への燃料供給を増加させ、第1モータジェネレータ33で低圧段タービン・コンプレッサ30を増速させて高圧段コンプレッサ21の入り口圧力を上昇させ、高圧段タービン22の出口圧力を降下させることにより、高圧段タービン・コンプレッサ20を増速させて過給圧を上昇させ、内燃機関の15の回転速度を上昇させる。高圧段タービン22の出口圧力が降下するのは、低圧段タービン・コンプレッサ30の増速によって低圧段タービン32の背圧が降下するからである。
図8cは減速走行モード制御である。
制御装置11は、内燃機関の15への燃料供給を減少させ、第1モータジェネレータ33で低圧段タービン・コンプレッサ30を減速(回生発電)させて高圧段コンプレッサ21の入り口圧力を降下させ、高圧段タービン22の出口圧力を上昇させることにより、高圧段タービン・コンプレッサ20を減速させて過給圧を降下させ、内燃機関の15の回転速度を降下させる。第1モータジェネレータ33が回生発電した電力は二次電池13に蓄積する。
図14はModel-2411の過給圧制御フローチャートである。
第1ステップ : 制御装置11は、記憶装置からモータジェネレータ制御テーブルを読み込む。
第2ステップ : 制御装置11は、自動車の走行状態、内燃機関15の駆動状態、操縦者からの入力等から吸気ポート圧力(過給圧)の目標値 Pat を算出し、吸気ポート圧力(過給圧)センサー26の検出値 Pa、高圧段コンプレッサ入り口圧力センサー23の検出値 Pc、高圧段タービン出口圧力センサー24の検出値 Pt、高圧段タービン・コンプレッサ回転センサー25の検出値 Rh を読み込む。
第3ステップ : 制御装置11は、Pat = Pa であれば第4ステップに進む。Pat > Pa であれば第1モータジェネレータ33の増速(図8bの加速走行モード制御)を行い、Pat < Pa であれば第1モータジェネレータ33の減速(図8cの減速走行モード制御)を行う。
第4ステップ : 制御装置11は、Pa, Pc、Pt、Rh について、読み込んだモータジェネレータ制御テーブルに基づいて正常か異常かの判断を行い、正常であれば第2ステップに進み第2ステップ以降の制御を行い、異常であればシステム診断を行う。
Model-2412はModel-2411と外部EGR(排気再循環)を組み合わせた技術である。
外部EGRの最も期待されている効果は、低負荷時に吸気の酸素量を減少さすことによるポンピングロスと冷却損失の低減であり、それらによるの低負荷時の低燃費化である。
外部EGRとターボチャージャーの組み合わせにおいては、排気ポートの背圧と吸気ポート圧力(過給圧)との圧力差が十分でないとEGR量の制御が困難であった。
本発明の低圧段駆動階層型電動ターボチャージャと外部EGRの組み合わせにおいては、EGRバイパス40を高圧段タービン・コンプレッサ20と低圧段タービン・コンプレッサ30の間に設け低圧段タービン・コンプレッサ30によってEGRバイパス40の出口の圧力と入り口の圧力を制御することによってEGR量を正確に制御することが可能である。
図3はModel-2412の概要構成図である。Model-2412はModel-2411に外部EGR機構が付加されたモデルであり、それによる差異について説明する。
外部EGR機構は高圧段タービン22の出口と高圧段コンプレッサ21の入り口を連結するEGRバイパス40とEGRバルブ41とEGRクーラー42で構成される。
制御装置11は、EGRバイパス40の出口(高圧段コンプレッサ21の入り口)の圧力とEGRバイパス40の入り口(高圧段タービン出口)の圧力差を検出して、第1モータジェネレータ33でその圧力差を制御し、さらにEGRバルブ28の開口を制御することによりEGR量の制御を行う。

図9はModel-2412のEGR制御の概要説明図である。

制御装置11は内燃機関15、第1モータジェネレータ33、EGRバルブ41を制御し、Model-2411と同様に過給圧制御を行い、さらに、その過給圧に最適のEGR量になるようにEGR制御を行う。

図9aは高EGR走行モード制御であり、低負荷低速で経済的に走行するモードである。図9bは低EGR走行モード制御であり、高負荷高速で走行するモードである。

EGR量を増加させるには、制御装置11は、EGRバルブ41の開口を増大する制御と、第1モータジェネレータ33で低圧段タービン・コンプレッサ30を減速(自由回転、回生発電を含む)させて高圧段コンプレッサ21の入り口圧力を降下させ、高圧段タービン22の出口圧力を上昇させる制御により、EGR量を増加させる。

EGR量を減少させるには、制御装置11は、EGRバルブ41の開口を減少する制御と、第1モータジェネレータ33で低圧段タービン・コンプレッサ30を増速させて高圧段コンプレッサ21の入り口圧力を上昇させ、高圧段タービン22の出口圧力を降下させる制御により、EGR量を減少させる。
図15はModel-2412のEGR制御フローチャートである。
第1ステップ : 制御装置11は、記憶装置からモータジェネレータ制御テーブルとEGR制御テーブルを読み込む。
第2ステップ : 制御装置11は、自動車の走行状態、内燃機関15の駆動状態、操縦者からの入力等から吸気ポート酸素濃度目標値Oatを算出し、吸気ポート酸素センサー28から吸気ポート酸素濃度検出値Oa を読み込む。
第3ステップ : 制御装置11は、Oat = Oa であれば第4ステップに進む。Oat > Oa であれば第1モータジェネレータ33の増速とEGRバルブ41の開口減少(図9bの低EGR走行モード制御)を行う。Oat < Oa であれば第1モータジェネレータ33の減速とEGRバルブ41の開口増大(図9aの高EGR走行モード制御)を行う。
第4ステップ : 制御装置11は、Oa について、読み込んだEGR制御テーブルに基づいて正常か異常かの判断を行い、正常であれば第2ステップに進み第2ステップ以降の制御を行い、異常であればシステム診断を行う。
図4はModel-2413の概要構成図である。Model-2413はModel-2411のハイブリッド動力モデルであり、それとの差異について説明する。
Model-2413はHVモータジェネレータ12を有し、制御装置11はさらにHVモータジェネレータ12への電力の供給と発電電力の蓄積の制御を行う。
図10はModel-2413の過給圧制御の概要説明図であり、Model-2411との差異について説明する。
制御装置11は、さらにHVモータジェネレータ12を制御する。
図10aは定速走行モード制御である。
制御装置11は、内燃機関15の回転速度または過給圧力が目標値より高い時には減速走行モード制御、低い時には加速走行モード制御を行い、目標値と一致している時には、Model-2411の定速走行モード制御(図8a)を行い、さらにHVモータジェネレータ12の状態を維持(自由回転を含む)する。
図10bは加速走行制御モード制御である。
制御装置11は、Model-2411の加速走行モード制御(図8b)を行い、さらにHVモータジェネレータ12を制御して駆動トルクを増大する。
図10cは減速走行モード制御である。
制御装置11は、Model-2411の減速走行モード制御(図8c)を行い、さらにHVモータジェネレータ12を制御して回生発電する。
図5はModel-2421の概要構成図であり、Model-2411との差異について説明する。
Model-2421の低圧段タービン・コンプレッサ30は低圧段コンプレッサ31と低圧段タービン32は分離され、前者には第2モータジェネレータ34、後者には第3モータジェネレータ35が接続される。
制御装置11は、さらに、第2モータジェネレータ34の制御と第3モータジェネレータ35の制御、二次電池13の電力の第2モータジェネレータ34への供給と第3モータジェネレータ35の回生発電の電力の蓄積の制御を行う。
図11はModel-2421の過給圧制御の概要説明図である。
制御装置11は内燃機関15、第2モータジェネレータ34、第3モータジェネレータ35を制御する。
図11aは定速走行モード制御である。
制御装置11は、内燃機関15の回転速度または過給圧力が目標値より高い時には下記減速走行モード制御、低い時には下記加速走行モード制御を行い、目標値と一致している時には第3モータジェネレータ35が低圧段タービン32に駆動されて発電した電力と第2モータジェネレータ34が低圧段コンプレッサ31を駆動する電力をほぼ等しくし、内燃機関15への燃料供給と過給圧を一定に保ち、低圧段コンプレッサ31、低圧段タービン32、高圧段タービン・コンプレッサ20、内燃機関15を定速回転状態にする。
図11bは加速走行モード制御である。
制御装置11は、内燃機関15への燃料供給を増加させ、第2モータジェネレータ34で低圧段コンプレッサ31を増速させて高圧段コンプレッサ21の入り口圧力を上昇させ、第3モータジェネレータ35で低圧段タービン32を増速(回生発電の減少、自由回転を含む)させて高圧段タービン22の出口圧力を降下させることにより、高圧段タービン・コンプレッサ20を増速させて過給圧を上昇させ、内燃機関15の回転速度を上昇させる。
加速走行モード制御の変形例について説明する。
高圧段タービン22の出口圧力をさらに降下させる例で、より強力な加速が必要で、かつ二次電池13の残量が十分である時には、第3モータジェネレータ35で低圧段タービン32をさらに増速(強制駆動)させ.る。
図11cは減速走行モード制御である。
制御装置11は、内燃機関の15への燃料供給を減少させ、第2モータジェネレータ34で低圧段コンプレッサ31を:減速(自由回転を含む)させて高圧段コンプレッサ21の入り口圧力を降下させ、第3モータジェネレータ35で低圧段タービン32を減速(回生発電の増加)させて高圧段タービン22の出口圧力を上昇させることにより、高圧段タービン・コンプレッサ20を減速させて過給圧を降下させ、内燃機関15の回転速度を降下させる。第3モータジェネレータ35が回生発電した電力は二次電池14に蓄積する。
減速走行モード制御の変形例について説明する。
高圧段コンプレッサ21の入り口圧力をさらに降下させる例で、第2モータジェネレータ34で低圧段コンプレッサ31をさらに減速(回生発電を含む)させる。
図16はModel-2421の過給圧制御フローチャートである。
第1ステップ : 制御装置11は、記憶装置からモータジェネレータ制御テーブルを読み込む。
第2ステップ : 制御装置11は、自動車の走行状態、内燃機関15の駆動状態、操縦者からの入力等から吸気ポート圧力(過給圧)の目標値 Pat を算出し、吸気ポート圧力(過給圧)センサー26の検出値 Pa、高圧段コンプレッサ入り口圧力センサー23の検出値 Pc、高圧段タービン出口圧力センサー24の検出値 Pt、高圧段タービン・コンプレッサ回転センサー25の検出値 Rh を読み込む。
第3ステップ : 制御装置11は、Pat = Pa であれば第4ステップに進む。Pat > Pa であれば第2モータジェネレータ34の増速と第3モータジェネレータ35による低圧段タービン32の増速(図11bの加速走行モード)を行い、
Pat < Pa であれば第2モータジェネレータ34による低圧段コンプレッサ31の減速と第3モータジェネレータ35の減速(図11cの減速走行モード)を行う。
第4ステップ : 制御装置11は、Pa, Pc、Pt、Rh について、読み込んだモータジェネレータ制御テーブルに基づいて正常か異常かの判断を行い、正常であれば第2ステップに進み第2ステップ以降の制御を行い、異常であればシステム診断を行う。
Model-2422はModel-2421と外部EGR(排気再循環)を組み合わせた技術であり、EGRバルブ41(高温に晒される為に信頼性とコストの課題があった)を不要である特徴を有している。
Model-2422は、低圧段コンプレッサ31によってEGRバイパス40の出口圧力(高圧段コンプレッサ21の入り口圧力)を制御し、低圧段タービン32でEGRバイパス40の入り口圧力(高圧段タービン22の出口圧力)を制御することによって、EGRバルブ41なしでEGR量を正確に制御することが可能である。
図6はModel-2422の概要構成図である。Model-2422はModel-2421に外部EGR機構が付加されたモデルであり、それによる差異について説明する。
外部EGR機構は高圧段タービン22の出口と高圧段コンプレッサ21の入り口を連結するEGRバイパス40とEGRクーラー42で構成される。
制御装置11は、EGRバイパス40の出口(高圧段コンプレッサ21の入り口)の圧力とEGRバイパス40の入り口(高圧段タービン出口)の圧力差を検出して、第2モータジェネレータ34で低圧段コンプレッサ31を制御し、第3モータジェネレータ35で低圧段タービン32を制御することによりEGR量の制御を行う。

図12はModel-2422のEGR制御の概要説明図である。

制御装置11は内燃機関の15、第2モータジェネレータ34、第3モータジェネレータ35を制御し、Model-2421と同様に過給圧制御を行い、さらに、その過給圧に最適のEGR量になるようにEGR制御を行う。図12aは高EGR走行モード制御であり、低負荷低速で経済的に走行するモードである。図12bは低EGR走行モード制御であり、高負荷高速で走行するモードである。

EGR量を増加させるには、制御装置11は、第2モータジェネレータ34で低圧段コンプレッサ31を減速(自由回転を含む)させて高圧段コンプレッサ21の入り口圧力を降下させる制御、第3モータジェネレータ35で低圧段タービン32を減速(回生発電の増大を含む)させて高圧段タービン22の出口圧力を上昇させる制御によりEGR量を増加させる。

EGR量を減少させるには、制御装置11は、第2モータジェネレータ34で低圧段コンプレッサ31を増速させて高圧段コンプレッサ21の入り口圧力を上昇させる制御、第3モータジェネレータ35で低圧段タービン32を増速(回生発電の減少、自由回転を含む)させて高圧段タービン22の出口圧力を降下させる制御よりEGR量を減少させる。


図17はModel-2422のEGR制御フローチャートである。
第1ステップ : 制御装置11は、記憶装置からモータジェネレータ制御テーブルとEGR制御テーブルを読み込む。
第2ステップ : 制御装置11は、自動車の走行状態、内燃機関15の駆動状態、操縦者からの入力等から吸気ポート酸素濃度目標値Oatを算出し、吸気ポート酸素センサー28から吸気ポート酸素濃度検出値Oa を読み込む。
第3ステップ : 制御装置11は、Oat = Oa であれば第4ステップに進む。Oat > Oa であれば第2モータジェネレータ34の増速と第3モータジェネレータ35の増速(図12bの低EGR走行モード制御)を行う。
Oat < Oa であれば第2モータジェネレータ34の減速と第3モータジェネレータ35の減速(図12aの高EGR走行モード制御)を行う。
第4ステップ : 制御装置11は、Oa について、読み込んだEGR制御テーブルに基づいて正常か異常かの判断を行い、正常であれば第2ステップに進み第2ステップ以降の制御を行い、異常であればシステム診断を行う。
図7はModel-2423の概要構成図である。Model-2423はModel-2421のハイブリッド動力モデルであり、それとの差異について説明する。
Model-2423はHVモータジェネレータ12を有し、制御装置11はさらにHVモータジェネレータ12への電力の供給と発電電力の蓄積の制御を行う。
図13はModel-2423の過給圧制御説明図であり、Model-2421との差異について説明する。
制御装置11は、さらにHVモータジェネレータ12を制御する。
図13aは定速走行モード制御である。
制御装置11は、内燃機関15の回転速度または過給圧力が目標値より高い時には減速走行モード制御、低い時には加速走行モード制御を行い、目標値と一致している時には、Model-2421の定速走行モード制御(図11a)を行い、さらにHVモータジェネレータ12の状態を維持(自由回転を含む)する。
図13bは加速走行モード制御である。制御装置11はさらにHVモータジェネレータ12で駆動する。
制御装置11は、Model-2421の加速走行モード制御(図11b)を行い、さらにHVモータジェネレータ12を制御して駆動トルクを増大する。
図13cは減速走行モード制御である。
制御装置11は、Model-2421の減速走行モード制御(図11c)を行い、さらにHVモータジェネレータ12を制御して回生発電する。
11 制御装置
12 HVモータジェネレータ
13 二次電池
14 インバータ
15 内燃機関
20 高圧段タービン・コンプレッサ
21 高圧段コンプレッサ
22 高圧段タービン
23 高圧段コンプレッサ入り口圧力センサー
24 高圧段タービン出口圧力センサー
25 高圧段タービン・コンプレッサ回転センサー
26 吸気ポート圧力(過給圧)センサー
27 吸気インタークーラー
28 吸気ポート酸素センサー
30 低圧段タービン・コンプレッサ
31 低圧段コンプレッサ
32 低圧段タービン
33 第1モータジェネレータ
34 第2モータジェネレータ
35 第3モータジェネレータ
40 EGRバイパス
41 EGRバルブ
42 EGRクーラー

Claims (4)


  1. 自動車等の内燃機関(15)に用いる電動ターボチャージャ装置であって、

    吸気と排気の流れに対して直列に接続され独立して回転可能な高圧段タービン・コンプレッサ(20)と低圧段タービン・コンプレッサ(30)の少なくとも二段のタービン・コンプレッサを有すること、

    前記高圧段タービン・コンプレッサ(20)は高圧段コンプレッサ(21)と高圧段タービン(22)を有し、前記低圧段タービン・コンプレッサ(30)は低圧段コンプレッサ(31)と低圧段タービン(32)が一体化されていて第1モータジェネレータ(33)が接続されていること、

    EGR(排気再循環)バイパス(40)とEGR量の制御を行うEGRバルブ(41)を有し、前記EGRバイパス(40)は前記高圧段タービン(22)と前記低圧段タービン(32)の間に入り口を、前記高圧段コンプレッサ(21)と前記低圧段コンプレッサ(31)の間に出口を有していること、

    さらに、前記第1モータジェネレータ(33)への電力の供給と前記第1モータジェネレータ(33)が発電した電力の蓄積を行う二次電池(13)、前記第1モータジェネレータ(33)と前記EGRバルブ(41)と前記内燃機関(15)を制御する制御装置(11)を有すること、

    前記制御装置(11)は下記の制御を行うこと、

    EGR量を増加させる制御において、前記EGRバルブ(41)の開口を増大させる制御と、前記第1モータジェネレータ(33)を制御して前記低圧段コンプレッサ(31)の回転速度を降下させて前記高圧段コンプレッサ(21)の入り口圧力を降下させ、前記低圧段タービン(32)の回転速度を降下させて前記高圧段タービン(22)の出口圧力を上昇させ、前記EGRバイパス(40)の入り口圧力と出口圧力の差を増大させる制御を行い、前記EGR量を増加させること、

    EGR量を減少させる制御において、前記EGRバルブ(41)の開口を減少させる制御と、前記第1モータジェネレータ(33)を制御して前記低圧段コンプレッサ(31)の回転速度を上昇させて前記高圧段コンプレッサ(21)の入り口圧力を上昇させ、前記低圧段タービン(32)の回転速度を上昇させて前記高圧段タービン(22)の出口圧力を降下させ、前記EGRバイパス(40)の入り口圧力と出口圧力の差を減少させる制御を行い、前記EGR量を減少させること、

    を特徴とする、電動ターボチャージャ装置。



  2. 自動車等の内燃機関(15)に用いる電動ターボチャージャ装置であって、

    吸気と排気の流れに対して直列に接続され独立して回転可能な高圧段タービン・コンプレッサ(20)と低圧段タービン・コンプレッサ(30)の少なくとも二段のタービン・コンプレッサ、を有すること、

    前記高圧段タービン・コンプレッサ(20)は高圧段コンプレッサ(21)と高圧段タービン(22)を有し、前記低圧段タービン・コンプレッサ(30)は独立した低圧段コンプレッサ(31)と低圧段タービン(32)を有し、前記低圧段コンプレッサ(31)には第2モータジェネレータ(34)が接続され、前記低圧段タービン(32)には第3モータジェネレータ(35)が接続されていること、

    前記EGR(排気再循環)バイパス(40)を有し、前記EGRバイパス(40)は前記高圧段タービン(22)と前記低圧段タービン(32)の間に入り口を、前記高圧段コンプレッサ21と前記低圧段コンプレッサ(31)の間に出口を有していること、

    さらに、第2モータジェネレータ(34)と第3モータジェネレータ(35)への電力の供給と第2モータジェネレータ(34)と第3モータジェネレータ(35)からの電力の蓄積を行う二次電池(13)、第2モータジェネレータ(34)と第3モータジェネレータ(35)と前記内燃機関(15)を制御する制御装置(11)を有すること、

    前記制御装置(11)は下記の制御を行うこと、

    EGR量を増加させる制御において、前記第2モータジェネレータ(34)を制御して前記低圧段コンプレッサ(31)の回転速度を降下させて前記高圧段コンプレッサ(21)の入り口圧力を降下させ、前記第3モータジェネレータ(35)を制御して前記低圧段タービン(32)の回転速度を降下させて前記高圧段タービン(22)の出口圧力を上昇させ、前記EGRバイパス(40)の入り口圧力と出口圧力の差を増大させる制御を行い、前記EGR量を増加させること、

    EGR量を減少させる制御において、前記第2モータジェネレータ(34)を制御して前記低圧段コンプレッサ(31)の回転速度を上昇させて前記高圧段コンプレッサ(21)の入り口圧力を上昇させ、前記第3モータジェネレータ(35)を制御して前記低圧段タービン(32)の回転速度を上昇させて前記高圧段タービン(22)の出口圧力を降下させ、前記EGRバイパス(40)の入り口圧力と出口圧力の差を減少させる制御を行い、前記EGR量を減少させること、

    を特徴とする、電動ターボチャージャ装置。



  3. 請求項1または請求項2に記載の電動ターボチャージャ装置を備えた内燃機関(15)からなることを特徴とする動力システム。



  4. 請求項3に記載の動力システムにおいて、

    車輪の駆動、回生発電、および前記内燃機関(15)の動力による発電を行うHV駆動(ハイブリッド動力駆動)モータジェネレータ(36)を有ること、

    前記二次電池(13)はさらに前記HV駆動モータジェネレータ(36)への電力の供給と前記HV駆動モータジェネレータ(36)が発電した電力の蓄積を行い、前記制御装置(11)は、さらに前記HV駆動モータジェネレータ(36)の制御を行う制御装置であること、

    前記制御装置11はさらに下記の制御を行うこと、

    前記二次電池(13)に蓄積された電力を前記HV駆動モータジェネレータ(12)に供給して前記車輪を駆動すること、

    前記HV駆動モータジェネレータ(12)で回生発電した電力を前記二次電池(13)に蓄積すること、

    を特徴とする動力システム。
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