JP6114371B1 - 高精度エンコーダの精度校正方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図1に示すように、前記高精度の絶対位置決め円形光学格子1’は、ハイデンハイン(HEIDENHAIN)から提出するものであり、かつそれは、主に、内環の光学格子11’と外環の光学格子12’とから構成される。その内、外環の光学格子12’は、等間隔の光学格子で、かつ内環の光学格子11’は、非等間隔の光学格子である。このような特殊な光学格子の配置方式により、光学センサの使用に合わせて、前記高精度の絶対位置決め円形光学格子1’は、精確な絶対角度位置決めを行うことができる。
図1の高精度の絶対位置決め円形光学格子1’の校正を行う時には、まず、等角度位置決めセンサ21’を図2中の8個の円形点の位置に設けると共に、不等角度位置決めセンサ22’を別の8個の三角形点の位置に設ける。続いて、円形光学格子を定速回転させ、16個のセンサにより位置決め信号を同時に読み取って、複雑な交叉対比及び演算を行い、円形光学格子の精度校正情報が取得される。
図3に示すように、複数本の明暗バーコード22’’は、円形エンコーダ2’’の円周面21’’上に設置される。このような設計によれば、前記明暗バーコード22’’から読み取る位置決め情報を利用すると共に、図形対比で読み出す関連位置決め情報に合わせて、高解像度の絶対位置決め情報が取得される。
前記ReniShaw円形バーコードエンコーダも、同様に目盛誤差(graduation error)の自然欠陥を有することが推定される。一方、前記ReniShaw円形バーコードエンコーダは、作業機台の中心回転軸に取り付けられて実際応用される時、前記ReniShaw円形バーコードエンコーダも、応用過程において走査誤差(scanning error)及び偏心誤差(eccentric error)などを生じるという問題があった。
特に、2次元画像センサの円形回転主体に対する物体表面の変位量の位置決め精度を向上させるために、本発明は、特に、α回転行列で前記N個の光斑画像から取得される前記複数個の変位ベクトルに対して変位ベクトル変換工程を行い、この方式により光斑の暗領域により生じる変位成分の対比誤差を解消する。
また、本発明は、さらに前記円形回転主体の平均回転半径を取得する方式により、成功的に、相隣する2個の変位ベクトルの内積によりこの2個の変位ベクトルの夾角を求めることができ、非偏心誤差に起因する変位ベクトル位置決めの誤差の回避が達成され、高精度の円周角度座標の位置決めが完成する。
(1)光学位置決め表面を有する円形回転主体と、少なくとも2次元画像センサを有する光斑画像捕捉モジュールと、制御と処理モジュールとを提供し、その内、前記円形回転主体は、外部の作業機台の中心回転軸に連接され、かつ前記2次元画像センサの水平座標軸は、前記円形回転主体の水平座標軸との間に精度校正角度を挟むステップ。
(2)前記光斑画像捕捉モジュールにより、各回ごとに一定値の小角度(Δθ)で連続的に1周り回転させる前記円形回転主体に対して光斑画像捕捉工程を行い、前記光学位置決め表面からN枚の光斑画像を取得すると共に、前記制御と処理モジュールのデータベース内に格納し、その内、当該光斑画像は、唯一性特徴を有する不変形光斑画像であるステップ。
(3)少なくとも1つの画像特徴対比法(at least one image comparison library established in the controlling and processing module)を利用して前記N枚の光斑画像のうちの第1枚の光斑画像と第N枚の光斑画像に対して多点光斑特徴対比を行い、非偏心誤差変位量(eccentric displacement)を得るステップ。
(4)前記非偏心誤差変位量(eccentric displacement)が前記光斑画像捕捉モジュールの位置決め精度よりも大きいか否かを判断し、「いいえ」であれば、ステップ(5)を実行し、「はい」であれば、ステップ(6)を実行するステップ。
(5)当該画像特徴対比法で前記N枚の光斑画像のうちの全ての相隣する2枚の光斑画像に対して前記多点光斑特徴対比を行い、複数個の変位ベクトルを取得すると共に、さらに前記複数個の変位ベクトルに基づいて前記N枚の光斑画像に相応するN個の角度座標を算出するステップ。
(6)前記円形回転主体の平均回転半径を取得すると共に、続いて前記N枚の光斑画像に相応するN個の座標ベクトルを算出するステップ。
(7)前記N個の座標ベクトルのうちの全ての相隣する2個の座標ベクトルとの内積演算を行い、前記N枚の光斑画像に相応するN個の補償後の角度座標を算出するステップ。
その内、前記ステップ(5)と前記ステップ(6)とを実行する時、α回転行列の利用を必要として前記複数個の変位ベクトルに対して変位ベクトル変換工程を行う。
図4に示すように、前記高精度エンコーダ装置1は、円形回転主体11と、光斑画像捕捉モジュール12と、制御と処理モジュール13と、角度調整モジュール14とを備えるように構成される。その内、前記円形回転主体11は、光学位置決め表面111を有し、即ち、その円周表面を有する。なおかつ、前記制御と処理モジュール13は、少なくとも1つの画像対比関数式と、少なくとも1つの数学関数式ブロックと、データベースとを有する。
図示のように、制御と処理モジュール13に電気的に接続される光斑画像捕捉モジュール12は、コヒーレント光(Coherence light)を前記円形回転主体11の光学位置決め表面111の上に発射させるために用いられる。例としては、レーザ光を前記円形回転主体11の頂部表面(図5A参照)、側辺表面(図5B参照)或いは底部表面(図5C参照)に発射することが挙げられる。続いて、光斑画像捕捉モジュール12が前記光学位置決め表面111から反射される反射光を受光すると共に、反射光のレーザ光斑を検出することにより、対応する光斑画像を取得する。
図示のように、前記光斑画像捕捉モジュール12は、発光素子121と、前段絞り122(front−stage aperture 122)と、レンズ123と、後段絞り124(rear−stage aperture 124と、2次元画像センサ125とを備えるように構成される。その内、発光素子121は、当該コヒーレント光(即ち、図6に示すレーザ光3)を前記円形回転主体11の光学位置決め表面111の上に発射させるために用いられる。かつ、前記前段絞り122は、反射光3’の二次反射散乱光を濾過するために用いられる。
また、レンズ123は、結像するために用いられ、前記円形回転主体11の表面の反射光3’を2次元画像センサ125に結像させる。ほかに、後段絞り124は、入射光線の入射視角及び光斑平均サイズを制限・制御するために用いられ、光斑画像の変形量を効果的に低減することができる。さらに、2次元画像センサ125は、同様に制御と処理モジュール13に電気的に接続される。ここでの2次元画像センサ125は、CCD画像センサ或いはCMOS画像センサであってもよく、前記レーザ光3のレーザ光斑画像を検出と記録するために用いられる。単一の物体の各物体表面に呈示されている3次元テクスチャパターンの何れも唯一であるため、レーザ光3が物体表面に入射する場合、その反射されるレーザ光斑画像も唯一の性特徴を有する点は説明に値する。
図示のように、前記光学位置決め表面111は、巨視的に見ると平坦な物体表面であるが、微視的に見ると前記平坦な物体表面は、実際には多くの異なる小角度の小物体表面112で連接してなるものである。その内、この小角度は、小物体表面112の法線と平坦な物体表面の法線との夾角として定義される。小物体表面112のいずれも鏡面反射が生じる光学平面であるため、レーザ光3が光学位置決め表面111に入射する場合、これらの小物体表面112は、高次回折光3c’を生じて光斑ノイズソースになる。
図6に示すように、光学位置決め表面111の3次元テクスチャ構造において、水平面との夾角が0度である小物体表面112の比が最高で、密度が最大であるので、鏡面反射の光斑画像のエネルギーも最大となる。しかしながら、鏡面反射の光斑画像のノイズも最大であり、高密度の0度である小物体表面112の鏡面反射の光斑画像に容易に高次回折光3c’が生じることが原因で、鏡面反射の光斑画像のノイズが形成される。
反対に、図6に示すように、もし本来の入射光角度が水平面に対する夾角をθ’とする場合、小角度が0度である前記複数の小物体表面112の鏡面反射光の角度もθ’になり、小角度が0度である前記複数の小物体表面112の鏡面反射光は、前段絞り122と後段絞り124(front−stage aperture 122, rear−stage aperture 124)によって阻止され、2次元画像センサ125に進入することができない。
このような設置によれば、小角度が5度である小物体表面が、唯一性特徴を有する小物体表面になり、なおかつ、この唯一性特徴を有する小物体表面は、光学結像原理に従って、2次元画像センサ125の結像面に唯一性特徴を有する不変形光斑画像が形成される。補充説明すべきなのは、鏡面反射の結像点の光界の位相と一致であるため、2次元画像センサ125の結像面に亮点光斑が形成され、即ち、不変形光斑画像の特徴点が形成される。
本発明の方法により、図4に示す高精度エンコーダ装置1を用いて高精度の角度位置決めエンコーダが完成する。このため、前記方法は、まず、ステップ(S01):光学位置決め表面111を有する円形回転主体11と、少なくとも2次元画像センサ125を有する光斑画像捕捉モジュール12と、制御と処理モジュール13とを提供し、その内、前記円形回転主体11は、外部の作業機台2の中心回転軸213に連接され、かつ前記2次元画像センサ125の水平座標軸は、前記円形回転主体11の水平座標軸との間に精度校正角度αを挟むステップを実行する。説明に値するのは、前記円形回転主体11としては、任意の円柱体であってもよく、例えばハイデンハイン(HEIDENHAIN)が提出する高精度の絶対位置決めエンコーダ或いはReniShaw円形バーコードエンコーダであってもよい点である。その理由としては、本発明の技術精神は、光斑画像捕捉モジュール12を利用して円形回転主体11の光学位置決め表面111の光斑画像を捕捉することであり、事前に円周表面の上に設置される明暗バーコード或いは光学格子図案を読み取ることではないからである。
続いて、前記方法は、ステップ(S03):少なくとも1つの画像特徴対比法(at least one image comparison library established in the controlling and processing module13)を利用して前記N枚の光斑画像のうちの第1枚の光斑画像と第N枚の光斑画像に対して多点光斑特徴対比を行い、非偏心誤差変位量を得るステップを実行する。
図8に示すように、制御と処理モジュール13は、例えばスケール不変特徴変換(Scale Invariant Feature Transform,SIFT)の画像対比位置決め技術、または高速化ロバスト特徴(Speed Up Robust Feature,SURF)の画像対比位置決め技術などの少なくとも1つの画像対比関数式を用いて前記N枚の光斑画像のうちの相隣する2枚の光斑画像に対して多点光斑特徴対比工程を行う。
SONY(登録商標)製工業カメラ(型番:XCL−5005、CCD素子寸法:3.45x3.45μm、光学拡大倍率M=1)を前記2次元画像センサ125として用いる場合、多点光斑特徴対比工程を行う時、統計削除法を利用して変位標準差の1.5倍よりも大きい特徴ペア点を削除することができる。こうして、相隣する2枚の光斑画像の像平面における変位量の標準差が0.008画素サイズよりも小さいかを精確に対比することができるようになる。即ち、物体平面(即ち、光学位置決め表面111)の上の位置決め精度が34.1nmまで達し、標準差が約1/100画素サイズまで達する。その内、位置決め精度は、(3.45μm×0.008)÷0.1から求められる34.1nmとする。
補充説明すべきなのは、前記光斑画像捕捉モジュール12により、各回ごとに一定値の小角度(Δθ)で連続的に1周り回転させる前記円形回転主体11に対して光斑画像捕捉工程を行う時、2次元画像センサ125の光斑画像の画像取得範囲が、光斑不変形の移動可能な距離よりも必ず小さいか等しく、かつ、前記円形回転主体11を各回ごとに前記一定値の小角度(Δθ)で回転させる時に生じる物体平面における変位距離の2倍よりも大きい点である。即ち、物体平面における変位距離≦1/2(光斑画像の画像取得範囲)≦光斑不変形の移動可能な距離となる。従って、相隣する2枚の光斑画像の重なり画像取得範囲は、1/2光斑画像の画像取得範囲よりも大きいので、このゆえに重なり画像取得範囲内の2枚の光斑画像は、ほぼ完全一致の光斑画像特徴を有する。
さらに、0−0対比で取得される累積変位距離を、それぞれ0−20、20−40と40−60対比で取得される累積変位距離と比較して、0−0と0−20でも、0−0と20−40でも、或いは0−0と40−60でも、その累積変位距離の差は、いずれも±1/100pixel以内に存在することが分かる。これは、相隣する2枚の光斑画像の変位距離の累積量には誤差累積がないことを表す。このゆえに、長距離の変位量を精確に取得することができる。
図10に示すように、もし円形回転主体11の外径が33センチである場合、ステップ(S02)を実行した後、合計36003枚の光斑画像を取得する。その内、画像対比関数式で第36000番目の光斑座標画像と第00001番目の光斑座標画像(画像取得起始点)に対して光斑特徴多点対比を行って位置決めした後、2枚の光斑画像は、X軸方向には11.36画素離れ、かつY軸方向には4.38画素離れていることが分かる。
さらに、第36001、36002番目の光斑座標画像と第00001番目の光斑座標画像に対して光斑特徴多点対比を行って位置決めを完成した後、前記2枚の光斑座標画像と第00001枚の光斑座標画像との間のY軸変位は、それぞれ4.46と4.47画素であることが分かる。よって、第36000〜36002番目の光斑座標画像と第00001番目の光斑座標画像(画像取得起始点)に対して光斑特徴多点対比を行って位置決めを完成した後、円形回転主体11と前記中心回転軸21との間に既に非偏心誤差が生じたことを確定することができる。
偏心誤差の欠陥を効果的に解決できない商用の円形回転主体と異なって、本発明の方法は、画像対比関数式を利用して第N枚の光斑画像と第1枚の光斑画像に対して多点光斑特徴対比を行い、さらに図4に示す円形回転主体11と作業機台2の中心回転軸213との間に非偏心誤差が生じたかどうかを確認することができる。
は、画像取得点1と画像取得点2との間の変位ベクトルであり、
は、画像取得点2と画像取得点3との間の変位ベクトルであり、
は、画像取得点N−1と画像取得点Nとの間の変位ベクトルであり、かつ
は、画像取得点Nと画像取得点1との間の変位ベクトルである。その内、
となり、かつ
は、さらに偏心誤差変位として定義される。
前記偏心誤差変位が、システムの位置決め精度よりも小さい或いは等しい場合、即ち、
となり、円形回転主体11と作業機台2の中心回転軸21との同心度は、規格要求に合致することを表す。このゆえに、両者の間の非偏心誤差を無視してもよい。反対に、前記偏心誤差変位が、システムの位置決め精度よりも大きい場合、即ち、
となり、円形回転主体11と作業機台2の中心回転軸21との同心度は、規格要求に合致していないことを表す。前記非偏心誤差に対して補償を行う必要がある。
この時、前記方法は、続いてステップ(S05):前記画像対比関数式で前記N枚の光斑画像のうちの全ての相隣する2枚の光斑画像に対して多点光斑特徴対比を行い、複数個の変位ベクトルを取得すると共に、さらに前記複数個の変位ベクトルに基づいて前記N枚の光斑画像に相応するN個の角度座標を算出するステップを実行する。
として精確に算出される。画像取得点iの接線ベクトルと変位ベクトル
との夾角をδiとすると、幾何学的関係からδi=Δθi/2が分かる。さらに、画像取得点iと画像取得点i+1との間の弦長が算出され、即ち、前記変位ベクトルのベクトル長さが
から算出される。
一方、第N枚の光斑画像と第1枚の光斑画像は、最高重なり度を有するため、ベクトル重ね合せの原理に基づいて、
が算出される。従って、全ての弦長を互いに加算すれば、全ての弦長で囲まれてなる円形回転主体11の位置決め円周長さを、
から取得する。位置決め円周長さを取得した後、前記N枚の光班画像に対応するN個の円周位置決め角度座標を自己校正して算出することができる。
から算出して取得する。かつ、第3枚の光斑画像に対応する円周位置決め角度座標を、
から算出する。これによって類推すれば、全ての他の円周位置決め角度座標を、下記の数式(1)を用いて算出することができる。
前述した数式中、θN−2は、第N−1枚の光斑画像に対応する前記角度座標を表し、かつθN−1は、第N枚の光斑画像に対応する前記角度座標を表す。
これは、2枚の光斑画像の間の変位距離が1/200pixelよりも小さい場合のみ、光斑画像捕捉モジュール12により、この2枚の光斑画像の差異を正確に識別することができず、このゆえに、光斑画像の特徴点を対比して精確な角度位置決めを完成することができないことを表す。その内、1/200pixel=3.45μm/200=17.25nmとなる。しかしながら、一般商用の高精度角度エンコーダの外径が約20センチである場合、即ち、それに対応する円周長さが20πセンチである。例え、20μmの像平面における変位を固定して1枚の光斑画像を取得する場合では、N枚の光斑画像の実際数字が20πcm/20μm=π×104と算出される。よって、各回ごとに前記円形回転主体11を回転させる小角度(Δθ)の値が360度/π×104=0.011度と算出される。
と円形回転主体11の垂直軸方向との夾角δiが0.0055度=0.011度/2であることが分かる。さらに、前記円形回転主体11の(水平変位成分,垂直変位成分)は、(20μm1.92×10−3μm=(20μm×cos(0.0055度)20μm×sin(0.0055度)から算出される。このことから、円形回転主体11の垂直変位成分は、僅か1.92×10−3μmであり、明らかに17.25nmよりも小さいことが分かる。これは、2次元画像センサ125により、このような小さい垂直変位成分(1.92×10−3μm)の数値を正確に判読できないことを表す。通常、このような小さい垂直変位成分の数値は0と判読されていた。
説明に値するのは、2次元画像センサ125により、このような小さい垂直変位成分を読み取ることができても、2次元画像センサ125自身のノイズまたは光斑の暗領域により生じる変位成分の対比誤差のため、2次元画像センサ125により検出される変位ベクトルと円形回転主体11の円周上の実際の変位ベクトルとの間に些細な誤差が生じてしまうことになる点である。
図12から、吾人は、既に画像対比関数式を用いてN個の変位ベクトルを求めることができることが理解され、即ち、
となる。よって、前記光斑画像捕捉モジュール12により取得される任意の2枚の相隣する光斑画像の変位ベクトルが
として算出されると共に、さらに前記変位ベクトル
と2次元画像センサ125の水平軸との夾角
が
となることが推定される。
前記α回転行列中、
である
は、前記円形回転主体11を前記一定値の小角度で回転させて生じる変位ベクトルを表し、
である
は、前記光斑画像捕捉モジュール12により取得される任意の2枚の相隣する光斑画像の変位ベクトルを表し、かつαは、前記精度校正角度を表す。
となり、かつ
となる点である。
図13から、前記光斑画像捕捉モジュール12により取得される任意の2枚の相隣する光斑画像の変位ベクトルは、
とし、かつ光斑画像捕捉モジュール12の水平座標軸と前記
との間の夾角
となることが分かる。なおかつ、図13から、前記円形回転主体11を各回ごとに前記一定値の小角度(Δθi)で回転させる時に生じる変位ベクトルは、
とし、かつ前記円形回転主体11の水平座標軸と前記
との間の夾角
となることも分かる。さらに、吾人は、図13から、
と
との関係式が
となることが推定される。式中、
となる。一方、円形回転主体11を1周り回転させた後、前記一定値の小角度(Δθi)の総数が360度となるため、
となることが推定される。
しかしながら、2次元画像センサ125の視角から見れば、
が分かる。よって、さらに下記の数式(8)が推定される。
が乱数(random number)であるため、n次累積
の値が0となることが分かる。そのため、吾人は、前記2次元画像センサ125の水平座標軸と前記円形回転主体11の水平座標軸との間の夾角α(即ち、本発明に称する精度校正角度)を、数式(10)を用いて求めることができる。精度校正角度αを取得した後、角度調整モジュール14により、2次元画像センサ125の設置角度を調整して、前記2次元画像センサ125の水平座標軸と前記円形回転主体11の水平座標軸との間に夾角αを挟むようにさせる。こうすれば、α回転行列に合わせて2次元画像センサ125により検出されるN個の光斑画像の変位ベクトル
に対して、変位ベクトル変換工程を行うことだけで、前記円形回転主体11を各回ごとに回転させて生じる変位ベクトル
の値を精確に取得することができる。
この方式により、前記円形回転主体11の物体表面(即ち、光学位置決め表面111)に対して高精度の円周角度座標の位置決めが達成される。補充説明すべきなのは、本発明において、前記精度校正角度αの満たす必要のある制限条件を、以下の数式(9)で表す。
式中、qは、画素数を表し、かつΣΔRは、前記円形回転主体11の円周長さを表す。
ステップ(S04)の判断結果が「はい」であれば、円形回転主体11と作業機台2の中心回転軸21との同心度は、規格要求に合致していないことを表し、即ち、
となる。この場合、円形回転主体11と作業機台2の中心回転軸21との間に非偏心誤差が生じてしまい、前記非偏心誤差に対して補償を行う必要がある。
このため、方法手順は、継続的にステップ(S06):前記円形回転主体11の平均回転半径を取得すると共に、続いて前記N枚の光斑画像に相応するN個の座標ベクトルを算出するステップを実行する。なおかつ、続いてステップ(S07):前記N枚の光斑画像に相応するN個の座標ベクトルを算出すると共に、前記N個の座標ベクトルのうちの全ての相隣する2個の座標ベクトルとの内積演算を行い、前記N枚の光斑画像に相応するN個の補償後の角度座標を算出するステップを実行する。
前記円形回転主体11の平均回転半径を取得しようとする場合、まず、前記光斑画像捕捉モジュール12により、各回ごとに前記一定値の小角度で連続的にm周り回転させる前記円形回転主体11に対して前記光斑画像捕捉工程を行う必要があり、前記光学位置決め表面111からN×m枚の光斑画像を取得すると共に、前記データベース内に格納する。続いて、当該画像特徴対比法で取得される全ての光斑画像のうちの全ての相隣する2枚の光斑画像に対して前記多点光斑特徴対比を行い、N×m個の変位ベクトル
を取得する。続いて、前記平均回転半径を、下記の数式(2)を用いて取得する。
に対して変位ベクトル変換工程を行う必要があり、それから平均回転半径raveを算出する点である。
式中、raveは、前記平均回転半径を表す。
式中、
である
は、第1枚の光斑画像と第2枚の光斑画像との間の変位ベクトルを表す。
は、前記N個の補償後の角度座標のうちの第1円周角度座標(即ち、0度)として定義されれば、続いて全ての他の補償後の円周角度座標を、下記の数式(7)を用いて算出する。
式中、
となる。なおかつ、
である
は、第i枚の光斑画像の座標ベクトルを表し、かつ
である
は、第i枚の光斑画像の座標ベクトルを表す。
1 高精度エンコーダ装置
11 円形回転主体
12 光斑画像捕捉モジュール
13 制御と処理モジュール
14 角度調整モジュール
111 光学位置決め表面
121 発光素子
122 前段絞り
123 レンズ
124 後段絞り
125 2次元画像センサ
3 レーザ光
3’ 反射光
3a’ 反射光
3b’ 反射光
112 小物体表面
<従来技術>
1’ 高精度の絶対位置決め円形光学格子
11’ 内環の光学格子
12’ 外環の光学格子
21’ 等角度位置決めセンサ
22’ 不等角度位置決めセンサ
22’’ 明暗バーコード
2’’ 円形エンコーダ
21’’ 円周面
Claims (10)
- 高精度エンコーダの精度校正方法であって、
(1)光学位置決め表面を有する円形回転主体と、少なくとも2次元画像センサを有する光斑画像捕捉モジュールと、制御と処理モジュールとを提供し、その内、前記円形回転主体は、外部の作業機台の中心回転軸に連接され、かつ前記2次元画像センサの水平座標軸は、前記円形回転主体の水平座標軸との間に精度校正角度αを挟むステップと、
(2)前記光斑画像捕捉モジュールにより、各回ごとに一定値の小角度で連続的に1周り回転させる前記円形回転主体に対して光斑画像捕捉工程を行い、前記光学位置決め表面からN枚の光斑画像を取得すると共に、前記制御と処理モジュールのデータベース内に格納し、その内、当該光斑画像は、唯一性特徴を有する不変形光斑画像であるステップと、
(3)少なくとも1つの画像特徴対比法を利用して前記N枚の光斑画像のうちの第1枚の光斑画像と第N枚の光斑画像に対して多点光斑特徴対比を行い、非偏心誤差変位量を得るステップと、
(4)前記非偏心誤差変位量が前記光斑画像捕捉モジュールの位置決め精度よりも大きいか否かを判断し、いいえであれば、ステップ(5)を実行し、はいであれば、ステップ(6)を実行するステップと、
(5)当該画像特徴対比法で前記N枚の光斑画像のうちの全ての相隣する2枚の光斑画像に対して前記多点光斑特徴対比を行い、複数個の変位ベクトルを取得すると共に、さらに前記複数個の変位ベクトルに基づいて前記N枚の光斑画像に相応するN個の角度座標を算出して当該方法を終了するステップと、
(6)前記円形回転主体の平均回転半径を取得するステップと、
(7)前記ステップ(6)の後で、前記N枚の光斑画像に相応するN個の座標ベクトルを算出すると共に、前記N個の座標ベクトルのうちの全ての相隣する2個の座標ベクトルとの内積演算を行い、前記N枚の光斑画像に相応するN個の補償後の角度座標を算出するステップとを含むことを特徴とする、
高精度エンコーダの精度校正方法。 - 前記円形回転主体を前記一定値の小角度(Δθ)で1回回転させる時、前記円形回転主体の円周移動距離を、前記2次元画像センサの画像取得範囲の1/2より小さくすることを特徴とする、請求項1に記載の高精度エンコーダの精度校正方法。
- 前記ステップ(5)を行う場合、当該画像特徴対比法を利用して最高重なり度のある相隣する2枚の光斑画像が前記多点光斑特徴対比を完成した後、前記位置決め精度の値を得ることを特徴とする、請求項1に記載の高精度エンコーダの精度校正方法。
- 前記ステップ(5)を行う場合、当該画像特徴対比法は、スケール不変特徴変換(Scale Invariant Feature Transform,SIFT)の画像対比位置決め方法、または高速化ロバスト特徴(Speed Up Robust Feature,SURF)の画像対比位置決め方法のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の高精度エンコーダの精度校正方法。
- 前記ステップ(5)は、さらに以下の詳細ステップ、即ち、
(51)当該画像特徴対比法で前記N枚の光斑画像のうちの全ての相隣する2枚の光斑画像に対して前記多点光斑特徴対比を行い、複数個の変位ベクトルを取得すると共に、前記データベース内に格納し、その内、α回転行列の利用によって、前記複数個の変位ベクトルに対して変位ベクトル変換工程を行うステップと、
(52)前記複数個の変位ベクトルに基づいて前記円形回転主体の位置決め円周長さを算出するステップと、
(53)前記N枚の光斑画像のうちの第1枚の光斑画像の前記N個の角度座標に対応する第1角度座標を0度とすると共に、続いて全ての他の角度座標を、下記の数式(1)を用いて算出するステップとを含み、
- 前記ステップ(6)は、さらに以下の詳細ステップ、即ち、
(61)前記光斑画像捕捉モジュールにより、各回ごとに前記一定値の小角度で連続的にm周り回転させる前記円形回転主体に対して前記光斑画像捕捉工程を行い、前記光学位置決め表面からN×m枚の光斑画像を取得すると共に、前記データベース内に格納するステップと、
(62)当該画像特徴対比法で取得される全ての光斑画像のうちの全ての相隣する2枚の光斑画像に対して前記多点光斑特徴対比を行い、N×m個の変位ベクトルを取得するステップと、
(63)α回転行列を利用して前記N×m個の変位ベクトルに対して変換工程を行うステップと、
(64)前記平均回転半径の値を、下記の数式(2)を用いて算出するステップとを含み、
式中、
は、相隣する2枚の光斑画像の変位ベクトルを表すことを特徴とする、請求項1に記載の高精度エンコーダの精度校正方法。 - 前記α回転行列は、下記の数式(3)で表され、
である
は、前記円形回転主体を前記一定値の小角度で回転させて生じる変位ベクトルを表し、
である
は、前記光斑画像捕捉モジュールにより取得される任意の2枚の相隣する光斑画像の変位ベクトルを表し、かつαは、前記精度校正角度を表すことを特徴とする、請求項5または6に記載の高精度エンコーダの精度校正方法。 - 前記ステップ(7)は、さらに以下の詳細ステップ、即ち、
(71)前記N枚の光斑画像のうちの第1枚の光斑画像の座標ベクトルを、下記の数式(4)で表し、式中、raveは、前記平均回転半径を表すステップと、
(72)当該画像特徴対比法で前記N枚の光斑画像のうちの第1枚の光斑画像と第2枚の光斑画像に対して前記多点光斑特徴対比を行い、下記の数式(5)で表す前記複数個の座標ベクトルのうちの第2座標ベクトルを取得し、
式中、
である
は、第1枚の光斑画像と第2枚の光斑画像との間の変位ベクトルを表すステップと、
(73)さらに当該画像特徴対比法で前記N枚の光斑画像のうちの全ての相隣する2枚の光斑画像に対して前記多点光斑特徴対比を行い、下記の数式(6)で表す全ての座標ベクトルを取得するステップと、
(74)第1枚の光斑画像に対応する座標ベクトルである
は、前記N個の補償後の角度座標のうちの第1角度座標として定義されると共に、続いて全ての他の補償後の角度座標を、下記の数式(7)を用いて算出し、式中、
である
は、第i枚の光斑画像の座標ベクトルを表し、かつ
である
は、第i枚の光斑画像の座標ベクトルを表すことを特徴とする、請求項1に記載の高精度エンコーダの精度校正方法。
- 前記精度校正角度αを、下記の数式(8)を用いて算出し、
は、
であることを特徴とする、請求項1に記載の高精度エンコーダの精度校正方法。 - 前記精度校正角度αの満たす必要のある制限条件を、以下の数式(9)で表し、
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-
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