JP6112947B2 - ロボット装置、ロボット制御方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

ロボット装置、ロボット制御方法、プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、リンクを旋回駆動する一対のアクチュエータを制御する制御部を備えたロボット装置、ロボット制御方法、プログラム及び記録媒体に関する。
マニピュレータの制御方法において、手先が対象物に柔軟に接触できることが重要になってきている。これを産業ロボットに応用すれば、人間とロボットとの共同作業が実現したり、手先の柔軟性の方向を制御することにより部品のはめ合い作業等が容易になったりする。
また、これを脚式移動ロボットに応用すれば、地面に柔らかく接地することで胴体に対する衝撃を和らげたり、段差を吸収することで不整地を安定に歩行したりすることを可能とする。
手先の柔軟性の制御を実現するために、手先に力センサを装着するインピーダンス制御や、人工筋肉アクチュエータを用いる制御等が行われている。人間の筋はアクチュエータであると同時に、粘弾性可変の制御機構であることが知られている。人工筋肉アクチュエータの中でも、特にMcKibben型の人工筋肉アクチュエータに代表される空気圧式のゴム人工筋肉アクチュエータは、粘弾性特性が筋に類似している。そこで、マニピュレータに配置されている人工筋肉アクチュエータの柔らかさを制御することで、任意の手先の柔軟性で対象物に接触することができる。
非特許文献1においては、第1リンク及び第2リンクをそれぞれ駆動する人工筋肉アクチュエータに加え、第1リンクと第2リンクとを同時に駆動する二関節同時駆動アクチュエータを有する、3対6筋マニピュレータが提示されている。非特許文献1では、人工筋肉アクチュエータの弾性を等しくすると、第1関節と手先を結ぶ線上から手先に外力が加わった場合では、手先の外力方向と移動方向が一致するという剛性特性に特徴があることを検証している。McKibben型のアクチュエータは粘弾性特性に非線形性を有している、拮抗配置して制御を行う必要がある、という理由でモーションコントロールに用いることには難がある。
これに対し、特許文献1では、制御入力の飽和を用いる簡便なフィードバック制御系を導出し、手先の剛性制御に加えて関節角度の同時制御を行っている。
マニピュレータシステムは手先の質量によってダイナミクスが変化する。この変化を考慮しない制御系では、手先のペイロード把持などにより関節角度の制御性能が劣化してしまう。マニピュレータシステムにダイナミクスの変化が生じた際に、制御性能及び安定性を保つ制御手法として、受動性に基づく制御が知られている。
特開2012−86354号公報
一関節筋および二関節筋を含む筋座標系によるロボットアームの機能的特性、大島徹、藤川智彦、熊本水頼、精密工学会誌、Vol.66,No.1,pp.141−146
しかしながら、上記特許文献1に示されているマニピュレータの制御では、アクチュエータの弾性要素による関節トルクを補償するため、フィードバック系に積分器を持たせている。そのため、PD制御等の受動性に基づく制御を導入することが難しく、ペイロード把持などにより手先質量が変動すると、関節角度の追従制御性能が劣化するという問題があった。
そこで、本発明は、リンクの負荷変動に対して関節角度の追従制御性能を維持することができるロボット装置、ロボット制御方法、プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
本発明のロボット装置は、基部に対して第1関節で旋回可能に連結された第1リンクと、引張力を発生し、前記第1リンクを前記第1関節まわりに旋回駆動するよう前記第1リンクの両側に配置された一対の一関節駆動アクチュエータと、前記各一関節駆動アクチュエータに対する発生力指令値をそれぞれ求めて前記各一関節駆動アクチュエータを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1関節の関節角度を目標関節角度にするのに必要な関節トルクを求める関節トルク演算処理と、前記第1関節の目標剛性に基づき、前記各一関節駆動アクチュエータに対する発生力指令値の和を示す和算値を求める和算処理と、前記第1関節に作用する前記各一関節駆動アクチュエータの弾性力による弾性トルクを求める弾性トルク演算処理と、前記関節トルクをT、前記和算値をU、前記弾性トルクをTPC1、前記第1リンクのモーメントアーム径をrとしたとき、|T+TPC1|<U×rの制約条件を満たすように、前記関節トルクと前記弾性トルクとの合計値を制約する制約処理と、前記制約処理にて制約された前記合計値に基づき、前記各一関節駆動アクチュエータの発生力指令値を求める発生力演算処理と、を実行することを特徴とする。
本発明によれば、アクチュエータの弾性要素による関節剛性を補償する制御により、受動性に基づく制御が可能となる。そのため、リンクに接触が生じていなければ、リンクの負荷変動などに対してロバスト安定性の高い軌道制御が実現され、接触時はアクチュエータの弾性要素による所望の剛性が実現される。これにより、ロバスト性の高い関節角度の軌道追従制御と手先の柔軟性の制御の同時制御を実現することができる。
アクチュエータの粘弾性モデルを示す模式図である。 第1実施形態におけるロボット装置を示す模式図である。 第1実施形態における制御装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態におけるCPUの制御動作を説明するための機能ブロック線図である。 第1実施形態におけるCPUの制御動作を説明するための機能ブロック線図である。 第1実施形態における軌道設計を示す図である。 第1実施形態におけるシミュレーション結果を示す図である。 第1実施形態におけるシミュレーション結果を示す図である。 第2実施形態におけるロボット装置を示す模式図である。 第2実施形態におけるスティフネス楕円を説明する図である。 第2実施形態における制御装置の構成を示すブロック図である。 第2実施形態におけるCPUの制御動作を説明するための機能ブロック線図である。 図12のフィードバック演算部のブロック線図である。 第2実施形態におけるシミュレーション結果を示す図である。 第2実施形態におけるシミュレーション結果を示す図である。 第2実施形態におけるシミュレーション結果を示す図である。 第2実施形態におけるシミュレーション結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態では、人工筋肉アクチュエータを用いたマニピュレータの関節角度と剛性の同時制御について説明する。
(1)モデリング
本第1実施形態では、人工筋肉アクチュエータを用いたマニピュレータの制御を行う。人工筋肉アクチュエータとは、筋の粘弾性と呼ばれる特性と類似する特性を有するアクチュエータである。筋は図1に示すように、力発生要素と弾性要素と粘性要素とを用いてモデル化される。ここで、uを力発生要素の収縮力(引張力)、xを収縮方向(引張方向)を正とする筋の収縮量(引張量)とする。収縮速度は、以下の式となる。
Figure 0006112947
また、kを弾性定数、bを粘性定数、Fを筋発生力とする。このとき、筋の粘弾性特性は、
Figure 0006112947
とモデル化され、筋発生力の弾性力、粘性力は、力発生要素の発生力uと比例するという非線形要素を有する点が特徴的である。
次に、本第1実施形態に係るロボット装置を図2に示す。図2に示すロボット装置100は、いわゆる1リンクマニピュレータ(以下、単に「マニピュレータ」という)120を有している。マニピュレータ120は、第1リンクであるリンク101、一対の一関節駆動アクチュエータであるアクチュエータe,fを備えている。
リンク101は、基端が基部103に対して第1関節である関節J1で旋回可能に連結されている。
アクチュエータe,fは、力発生要素、弾性要素及び粘性要素の並列接続でモデル化された、McKibben型の人工筋肉アクチュエータに代表される空気圧式のゴム人工筋肉アクチュエータである。
アクチュエータe,fは、発生力として、引張力(収縮力)のみ発生する。関節J1を任意の関節角度に位置決めするためには、アクチュエータe,fは、拮抗して配置される必要がある。そのため、アクチュエータe,fは、リンク101を関節J1まわりに旋回駆動するようリンク101の両側に配置されている。アクチュエータe,fの一端が、基部103に固定され、他端がリンク101に固定されている。
拮抗配置された各アクチュエータe,fの力発生要素の発生力(収縮力)、即ち発生力指令値をそれぞれue1,uf1とする。また、リンク101の旋回角度、即ち関節J1の関節角度(第1関節角度)をθとする。また、リンク101の慣性モーメントをI、モーメントアーム径をrとすると、運動方程式は、
Figure 0006112947
となる。式(2)の右辺第一項における発生力(発生力指令値)ue1,uf1の差が関節に回転トルク(関節トルク)を与え、右辺第二、第三項における発生力ue1,uf1の和が関節J1に対する剛性及び粘性を変動させることがわかる。
(2)制御系設計
ロボット装置100は、制御装置200と、制御装置200からの発生力指令値ue1,uf1に基づき、アクチュエータe,fをそれぞれ駆動させる2つのドライバ301,302とを備えている。これらドライバ301,302は、アクチュエータe,fに空気を送り込み、発生力指令値に応じた力をアクチュエータe,fに発生させるものである。
制御装置200は、各アクチュエータe,fに対応する発生力指令値ue1,uf1を生成する。そして、制御装置200は、各ドライバ301,302に各発生力指令値ue1,uf1を出力することで、各アクチュエータe,fの発生力を制御する。
以下、制御装置200の動作を説明する前に、制御装置200の装置構成について説明する。図3は、制御装置200の構成を示すブロック図である。
制御装置200は、コンピュータで構成されており、制御部(演算部)としてのCPU(Central Processing Unit)201を有している。また制御装置200は、ROM(Read Only Memory)202及びRAM(Random Access Memory)203を有している。また、制御装置200は、HDD(Hard Disk Drive)204、記録ディスクドライブ205及び各種のインタフェース207,209,210を備えている。
CPU201には、ROM202、RAM203、HDD204、記録ディスクドライブ205及び各種のインタフェース207,209,210が、バス206を介して接続されている。ROM202には、BIOS等の基本プログラムが格納されている。RAM203は、CPU201の演算処理結果を一時的に記憶する記憶装置である。
HDD204は、CPU201の演算処理結果である各種のデータ等を記憶する記憶部であると共に、CPU201に、後述する各種演算処理を実行させるためのプログラム221を記録する記録媒体でもある。CPU201は、HDD204に記録されたプログラム221に基づいて各種演算処理を実行する。
記録ディスクドライブ205は、記録ディスク222に記録された各種データやプログラム等を読み出すことができる。
インタフェース210には、上述したドライバ301,302が接続されている。CPU201は、バス206及びインタフェース210を介して各ドライバ301,302に発生力指令値ue1,uf1を出力する。これにより、各ドライバ301,302は、各発生力指令値ue1,uf1に対応する発生力を各アクチュエータe,fに発生させる。
本第1実施形態では、ロボット装置100は、図1では不図示の第1検出部である検出部401、及び接触センサ403を備えている。検出部401は、図1で関節J1に配置され、関節J1の関節角度θを検出する。接触センサ403は、リンク101に設けられ、リンク101に物体が接触したか否かを検知する。
インタフェース207には、検出部401が接続され、検出された関節角度θを示す信号が、インタフェース207及びバス206を介してCPU201に伝送される。インタフェース209には、接触センサ403が接続され、接触したか否かを示す信号が、インタフェース209及びバス206を介してCPU201に伝送される。
図4は、CPU201の制御動作を説明するための機能ブロック線図である。以下、図4を用いてロボット制御方法について説明する。なお、図4では、マニピュレータ120は、符号Pで表している。ここで、制御装置200のCPU(制御部)201は、HDD204から読み出したプログラム221を実行することにより、図4に示す各部として機能する。
即ち、CPU201は、プログラム221に基づき、関節トルク演算処理を実行する関節トルク演算部230、和算処理を実行する和算部231、弾性トルク演算処理を実行する弾性トルク演算部232として機能する。更に、CPU201は、プログラム221に基づき、加算部233、制約処理を実行する制約部234、及び発生力演算処理を実行する発生力演算部235として機能する。
本第1実施形態では、関節J1を目標関節角度rに位置決めし、同時に関節J1の剛性を制御する。受動性に基づくロバスト制御を行う場合、その制御は積分器を考慮して設計することは難しい。
そこで、本第1実施形態では、弾性力を補償するループを設け、手先に接触などが発生せず剛性制御を必要としない際は弾性力をキャンセルし、受動性に基づく制御系を設計することにより位置決め制御に対するロバスト性を向上させる。
(2.1)粘弾性力補償
関節J1の目標関節角度をr、関節J1の目標剛性をrとする。関節トルク演算部230は、関節トルク演算処理として、関節J1の関節角度θを目標関節角度rにするのに必要な関節トルクTを演算する(関節トルク演算ステップ)。
具体的には、関節トルク演算部230は、フィードフォワード演算処理を実行するフィードフォワード演算部241と、フィードバック演算処理を実行するフィードバック演算部242と、加算処理を実行する加算部243とを有する。
フィードフォワード演算部241は、目標関節角度rに基づくフィードフォワード演算により、関節J1に対するフィードフォワード制御トルクTFFW1を求める。フィードバック演算部242は、関節角度θと目標関節角度rとの差分(θ−r)に基づくフィードバック演算により、フィードバック制御トルクTFB1を求める。より具体的には、フィードバック演算部242は、フィードバック演算処理として、差分(θ−r)を補償するPD制御を行う。そして、加算部243は、フィードバック制御トルクTFB1にフィードフォワード制御トルクTFFW1を加算して、関節トルクTを求める。つまり、関節トルクをT=TFB1+TFFW1と定義する。フィードバック制御系であるフィードバック演算部242により用いられる伝達関数をKPasとする。
また、アクチュエータe,fの弾性力を補償する制御入力(弾性トルク)をTPC1とすると、
Figure 0006112947
となる。即ち、弾性トルク演算部232は、弾性トルク演算処理として、式(3)に基づき、関節J1に作用する弾性力による弾性トルクTPC1を演算する(弾性トルク演算ステップ)。
ここで、式(2)より、
Figure 0006112947
を満たすように発生力指令値ue1,uf1を決定すれば、関節トルクTと弾性トルクTPC1を与えることができる。
しかし、同時に関節J1の剛性に関する条件
Figure 0006112947
を満たさなければならない。Uを発生力指令値ue1,uf1の和を示す和算値
Figure 0006112947
と定義すると、
Figure 0006112947
を満たすように、発生力指令値ue1,uf1を決定する必要がある。即ち、和算部231は、和算処理として、関節J1の目標剛性rに基づき、つまり式(7)の関係式に基づき、和算値U1を求める(和算ステップ)。
トルクの合計値(T+TPC1)と収縮力の和算値Uを同時に満たすには、式(4)と式(6)をue1,uf1について解き、
Figure 0006112947
と決定すればよい。しかし、人工筋肉アクチュエータは収縮方向(引張方向)にのみ力を発生するため、
Figure 0006112947
という条件を同時に満たさなければならない。式(8)と式(9)より
Figure 0006112947
という条件が得られる。つまりトルクの合計値T+TPC1が、
Figure 0006112947
という条件を満たしていれば、マニピュレータ120は、関節J1の剛性が目標値rとなると同時に、トルクTにより目標角度rに位置決めされる。
式(11)を実現するには、
Figure 0006112947
と制御入力を制約すればよい。
即ち、加算部233は、関節トルクTと弾性トルクTPC1とを合計した合計値(T+TPC1)を生成する。次に、制約部234は、制約処理として、|T+TPC1|<U×rの制約条件を満たすように、合計値(T+TPC1)を制約する(制約ステップ)。次に、発生力演算部235は、制約部234にて制約されたトルクの合計値(T+TPC1)に基づき、各アクチュエータe,fの発生力指令値ue1,uf1を、式(8)を用いて演算する(発生力演算ステップ)。
ここで、図4に示すように、接触ゲインGtを導入し、接触が発生した場合は、Gt=0とすることでフィードバック系および筋の弾性力の補償ループを遮断する。これにより、リンク101が人や物に接触したことを検知するなどの任意の時刻で、速やかにリンク101の剛性を目標剛性rへと切り替えることができる。
本第1実施形態では、筋の弾性力を補償しているためフィードバック演算部242に積分器が不要となるため、PD制御系を用いる。伝達関数KPasは、
Figure 0006112947
としている。
ここで、図4に示す制御ブロックを図5に示す制御ブロックに等価変換することが可能である。式(14)を発生力の和算値Uを用いて書き直すと、
Figure 0006112947
となる。即ち、制御部であるCPU201は、弾性トルク演算処理として、U×k×r×θを演算することにより、弾性トルクTPC1を求める。これを、式(8)に代入すると、
Figure 0006112947
となる。このとき、アクチュエータe,fが収縮方向にのみ力を発生する条件は、
Figure 0006112947
となる。
制御入力(関節トルク)Tを、関節角度θをパラメータとして式(16)に示したように上限値、下限値を制約し、さらに式(15)に示したように分配する。これにより、マニピュレータ120はPD制御系のような積分器を含まない制御系を用いて関節J1の剛性が目標値rとなると同時に、トルクTにより目標角度rに位置決めされる。
なお、本第1実施形態では筋の弾性力を補償する制御系を示したが、関節角速度を制御ループに加えることで筋の粘性力を補償することも可能である。
(2.2)軌道設計
次に、関節J1の目標軌道r、目標剛性rの設計方法を示す。本第1実施形態では、目標軌道rは図6(a)に示すような、加速区間−等速区間−減速区間を有する軌道を用いる。ここで、raS,raFはそれぞれ、軌道の初期角度、目標角度である。また、t,t,tfinはそれぞれ、等速区間の開始時間、等速区間の終了時間、位置決め終了時間である。さらに、目標剛性rは図6(b)に示すように、加減速区間で高剛性rsmaxとなり、等速間で低剛性rsminとなるように設定する。剛性を可変させることにより、マニピュレータ120は、駆動開始時では筋の弾性力により加速され、等速区間では低剛性となることによりほぼ慣性力で駆動される。これにより、少ない筋の発生力で駆動することが可能となる。
本第1実施形態では、加速区間−等速区間−減速区間を有する軌道を用いたが、例えばミニマムジャーク軌道のような等速区間を伴わない軌道であっても構わない。また、駆動の効率を考慮しない場合は、目標剛性を一定としても構わない。
(3)シミュレーション
前節の制御系を用いるシミュレーションを行う。リンク101の慣性モーメントをI=8.3×10−2[kgm]、モーメントアーム径をr=0.1[m]、弾性定数,粘性定数をk=25,b=3とする。目標軌道rは、初期角度raS=0[deg]、目標角度raF=20[deg]、等速区間の開始時間t=0.35[秒]、等速区間の終了時間t=0.45[秒]、位置決め終了時間tfin=0.8[秒]とする。関節J1の目標剛性はrsmax=2.3×k×r[Nm/rad]とし、rsmin=0.8×k×r[Nm/rad]とする。ここで、k,rは定数であるので、発生力の和Uを、加減速区間でU=2.3、等速区間で、U=0.8となるように制御すればよい。
図7(a)に関節角度θと目標角度rをそれぞれ実線,破線で、図7(b)に発生力指令値ue1,uf1の応答をそれぞれ実線,破線で示す。図7(c)に発生力指令値ue1,uf1の差を実線で、和を破線で、T/r+U×k×r×θの応答を一点鎖線で示す。さらに、図7(d)に関節トルクTを実線で、そのうちフィードフォワード制御トルクTFFW1を破線で、式(16)に示した制御トルクの上限値、下限値を点線で示す。
図7(a)より、目標軌道rと関節角度θは精度良く一致しており、関節J1は目標角度に位置決めされていることがわかる。図7(b)より、発生力指令値ue1,uf1はフィードバック制御系の関節トルクTを、式(15)と式(16)に示した条件で配分されているが、人工筋肉アクチュエータの収縮力(引張力)は正の値のみを取るという特性を満たしていることがわかる。図7(c)において、実線で示すuf1−ue1は、一点鎖線で示すT/r+U×k×r×θと重なっており、式(4)の条件を満たしている。また、破線で示すuf1+ue1=Uは、0.36[秒]以降は加減速区間で2.3、等速区間で0.8となっており、関節J1の剛性は目標値に制御されていることがわかる。図7(d)より、慣性モーメントがノミナル値では関節トルクTとフィードフォワード制御トルクTFFW1は一致していることがわかる。
次に、制御系のロバスト性を検証するため、リンク101の慣性モーメントを1.2倍とするシミュレーションを行う。応答を図8(a)〜図8(d)に示す。図8(a)より、慣性モーメントが変動しても受動性により関節角度θは目標軌道rに精度良く追従していることがわかる。また、図8(d)より、慣性モーメントの変動をフィードバック制御系が補償していることがわかる。フィードバック制御系の制御入力により、関節トルクTは破線で示すトルク制限に達し、0.3[秒]前後でトルクが制約されている。これにより、アクチュエータe,fは引張方向(収縮方向)のみに力を発生するという特性が保証され、図8(b)より、発生力指令値ue1,uf1は正の値のみを取るという特性を満たしていることがわかる。このように、制御対象のパラメータが変動しても、図8(c)において、破線で示すuf1+ue1=Uは、0.36[秒]以降は加減速区間で2.3、等速区間で0.8となっており、関節J1の剛性は目標値に制御されていることがわかる。
以上、本第1実施形態により、フィードバック制御系に積分器を含めることなく、高精度な軌道追従制御と、筋の粘弾性力による剛性制御の同時制御が実現できることがわかる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るロボット装置について説明する。
(1)モデリング
図9は、第2実施形態におけるロボット装置を示す模式図であり、ロボット装置100Bは、マニピュレータ120Bと、制御装置200Bと、6つのドライバ301〜306を備えている。
マニピュレータ120Bは、3対6筋の2リンクマニピュレータである。マニピュレータ120Bは、基部103に対して関節(第1関節)J1で旋回可能に連結されたリンク(第1リンク)101と、リンク101に対して関節(第2関節)J2で旋回可能に連結されたリンク(第2リンク)102とを有する。
また、マニピュレータ120Bは、リンク101を関節J1まわりに旋回駆動するようリンク101の両側に配置された一対のアクチュエータe,fを有する。また、マニピュレータ120Bは、リンク102を関節J2まわりに旋回駆動するようリンク102の両側に配置された一対のアクチュエータe,fを有する。更に、マニピュレータ120Bは、リンク101,102を同時に関節J1,J2まわりに旋回駆動するようリンク101,102の両側に配置された一対のアクチュエータe,fを有する。
一対のアクチュエータe,fは、二関節同時駆動アクチュエータである。二関節同時駆動アクチュエータは、リンク101とリンク102を同時に駆動するように配置されているアクチュエータであり、人の上腕部や下肢大腿部には、二関節筋とよばれる二関節同時駆動アクチュエータが存在することが知られている。人の四肢の筋配列は複雑であるが、実効筋概念が導入され、図9に示すような3対6筋を有する2リンクモデルが提示されている。なお、アクチュエータe,fの拮抗対とアクチュエータe,fの拮抗対のように単一のリンクを駆動するアクチュエータを一関節駆動アクチュエータとよぶ。
アクチュエータe,f,e,f,e,fは、上記第1実施形態で説明した図1に示した筋の粘弾性特性を有するアクチュエータである。即ち、アクチュエータe,f,e,f,e,fは、力発生要素、弾性要素及び粘性要素の並列接続でモデル化され、引張力(収縮力)のみを発生する。本第2実施形態では、2リンクマニピュレータ120Bに対して関節角度と剛性の同時制御を行う。
制御装置200Bは、各アクチュエータe,f,e,f,e,fに対応する発生力指令値ue1,uf1,ue2,uf2,ue3,uf3を生成する。そして、制御装置200Bは、各ドライバ301〜306に各発生力指令値ue1,uf1,ue2,uf2,ue3,uf3を出力することで、各アクチュエータe,f,e,f,e,fの発生力を制御する。各ドライバ301〜306は、発生力指令値ue1,uf1,ue2,uf2,ue3,uf3に対応する発生力をアクチュエータe,f,e,f,e,fに発生させる。
en,ufn(n=1,2,3)を力発生要素の発生力(発生力指令値)、ken,kfn,ben,bfn(n=1,2,3)をアクチュエータの弾性定数、粘性定数とする。リンク101,102の旋回角度(即ち、関節J1,J2の関節角度)をθ,θとする。また、リンク101,102の慣性モーメントをI,I、リンク101,102の長さをl,l、リンク101,102の質量をm,mとする。モーメントアーム径をリンク101,102共にrとする。また、エンドエフェクタの質量をmとする。エンドエフェクタは、図9では省略されているが、リンク102の先端Eに設けられている。本第2実施形態では、各筋の弾性定数、粘性定数をいずれもk,bとすると、運動方程式は、
Figure 0006112947
となる。
(2)制御系設計
上記第1実施形態では関節J1の角度と剛性の同時制御を行ったが、本第2実施形態においても、関節J1,J2の角度と剛性の同時制御を行う。しかし、2リンクマニピュレータ120Bでは、手先(リンク102の先端)Eが外界と直に接触するので、手先Eの剛性を制御することが重要である。手先Eの剛性は、図10に示すようなスティフネス楕円によって表される。この楕円は、各方向に対しての剛性の分布を示し、手先Eと楕円の距離が離れるほど剛性が高いことを表している。
図11は、制御装置200Bの構成を示すブロック図である。制御装置200Bは、コンピュータで構成されており、上記第1実施形態と同様、制御部(演算部)としてのCPU201、ROM202、RAM203、HDD204、記録ディスクドライブ205及び各種のインタフェース207〜210を備えている。
CPU201には、ROM202、RAM203、HDD204、記録ディスクドライブ205及び各種のインタフェース207〜210が、バス206を介して接続されている。CPU201は、HDD204に記録されたプログラム221Bに基づいて各種演算処理を実行する。
インタフェース210には、上述したドライバ301〜306が接続されている。CPU201は、バス206及びインタフェース210を介して各ドライバ301〜306に発生力指令値ue1,uf1,ue2,uf2,ue3,uf3を出力する。各ドライバ301〜306は、入力した各発生力指令値に対応する発生力を各アクチュエータe,f,e,f,e,fに発生させる。
本第2実施形態では、ロボット装置100Bは、図9では不図示の第1検出部である検出部401、第2検出部である検出部402及び接触センサ403を備えている。検出部401は、図9で関節J1に配置され、関節J1の関節角度(第1関節角度)θを検出する。検出部402は、図9で関節J2に配置され、関節J2の関節角度(第2関節角度)θを検出する。接触センサ403は、リンク101又はリンク102に設けられ、リンク101又はリンク102に物体が接触したか否かを検知する。
インタフェース207には、検出部401が接続され、検出された関節角度θを示す信号が、インタフェース207及びバス206を介してCPU201に伝送される。インタフェース208には、検出部402が接続され、検出された関節角度θを示す信号が、インタフェース208及びバス206を介してCPU201に伝送される。インタフェース209には、接触センサ403が接続され、接触したか否かを示す信号が、インタフェース209及びバス206を介してCPU201に伝送される。
図12は、CPU201の制御動作を説明するための機能ブロック線図である。以下、図12を用いてロボット制御方法について説明する。なお、図12では、マニピュレータ120Bは、符号Pで表している。ここで、制御装置200BのCPU(制御部)201は、HDD204から読み出したプログラム221Bを実行することにより、図12に示す各部として機能する。
即ち、CPU201は、プログラム221Bに基づき、目標関節角度生成部520として機能する。また、CPU201は、プログラム221Bに基づき、関節トルク演算処理を実行する関節トルク演算部530、及び和算処理を実行する和算部531として機能する。また、CPU201は、プログラム221Bに基づき、弾性トルク演算処理、制約処理及び発生力演算処理を実行する発生力演算部532,533,534として機能する。
目標関節角度生成部520は、リンク102の先端Eの目標軌道に基づき、関節J1の目標関節角度(第1目標関節角度)ra1及び関節J2の目標関節角度(第2目標関節角度)ra2を生成する目標関節角度生成処理を実行する。
ここで、関節トルク演算部530は、上記第1実施形態の関節トルク演算部230と略同様の演算処理を実行する。また、和算部531は、上記第1実施形態の和算部231と略同様の演算処理を実行する。また、発生力演算部532,533は、上記第1実施形態の各部233,234,235と略同様の演算処理を実行する。関節トルク演算部530は、上記第1実施形態と同様、フィードフォワード演算部541と、フィードバック演算部542と、加算部543,544とを有している。
(2.1)粘弾性力補償
一関節駆動アクチュエータであるアクチュエータe,f及びアクチュエータe,fの制御方法は第1実施形態と略同様である。リンク101,102に対して、フィードバック制御系KPas及びフィードフォワード制御系KFFWは、関節角度θ(n=1,2)と目標角度ran(n=1,2)との誤差を補償するための関節トルク(制御入力トルク)Tとして、
Figure 0006112947
を算出する。上記第1実施形態と同様に、発生力指令値の和算値をUとおくと、
Figure 0006112947
と表せる。上記第1実施形態と同様にこれを解くと、
Figure 0006112947
となる。そして、関節トルク(制御入力トルク)T(n=1,2)に対して、
Figure 0006112947
と制約する。
本第2実施形態では、一関節駆動アクチュエータに加えて、二関節同時駆動アクチュエータであるアクチュエータe,fを用いて関節J1,J2に剛性を与える。アクチュエータe,fの発生力指令値ue3,uf3の和算値をUとする。さらに、アクチュエータe,fの発生力指令値ue3,uf3に差を与えることによって、一関節駆動アクチュエータと同様に関節J1,J2にトルクを与えることが可能である。つまり、制御部であるCPU201(発生力演算部534)は、各アクチュエータe,fに対する発生力指令値ue3,uf3の差分(uf3−ue3)に基づくトルクを各関節J1,J2に付与するように発生力指令値ue3,uf3を算出する。その際、接触などが発生せず手先Eに剛性を必要としない時間帯では、アクチュエータe,fの関節トルクにより、弾性要素の発生力をキャンセルするように発生力指令値ue3,uf3を算出する。ここで、
Figure 0006112947
とする。これを解くと発生力指令値ue3,uf3は、
Figure 0006112947
となる。そして、
Figure 0006112947
と制約する。
(2.2)ロバスト制御
上記第1実施形態では受動性に基づく制御系としてPD制御系を適用した。しかし、2リンクマニピュレータに対しては受動性に基づくロバスト制御手法が数多く提案されており、制御系に受動性に基づくロバスト安定性に加え、ロバスト性能を付与することができる。これらのロバスト制御を、前節の粘弾性補償を用いることにより二関節筋マニピュレータに対して適用することができる。本第2実施形態では、フィードバック演算部542は、図13に示すフィードバック制御系として構成されている。ここで、v,aは補助的なベクトルであり、
Figure 0006112947
である。ただし、
Figure 0006112947
である。また、
Figure 0006112947
とする。Yはリグレッサと呼ばれる行列であり、
Figure 0006112947
とおく。これを用いて、
Figure 0006112947
と定義する。このときuを、
Figure 0006112947
とすると、フィードバック制御トルクTFBnは、
Figure 0006112947
と求まる。ここで、
Figure 0006112947
の変動幅から求めることができる。ここで、
Figure 0006112947
はリンク102とエンドエフェクタを一体の剛体とみなすときの重心までの距離と慣性モーメントである。また、Λ,K,εは設計パラメータである。
(2.3)手先剛性制御
上記第1実施形態の1リンクマニュピレータ120では、関節J1の剛性と手先の剛性は同一であった。3対6筋を有する2リンクマニュピレータ120Bでは、発生力の和U,U,Uを制御することにより手先Eの剛性が求まる。例えば、発生力の和U,U,Uを、
Figure 0006112947
と制御すると、スティフネス楕円の長軸は関節J1と手先Eを結ぶ方向を向くことが知られている。また、手先Eのスティフネス楕円の長短軸がx−y軸と平行になる発生力の和U,U,Uを求めてもよい。
(2.4)軌道設計
本第2実施形態では、目標軌道を手先Eがy軸に平行に駆動するものとする。さらに上記第1実施形態と同様に加速区間−等速区間−減速区間を有するものとする。そして、関節角度θ,θに対する目標軌道ra1,ra2は、手先軌道から逆運動学により求める。
つぎに、目標剛性は式(35)を満たし、手先Eの目標位置においてスティフネス楕円の長軸が関節J1と手先Eを結ぶ方向を向くように設定する。また、上記第1実施形態と同様に、加減速区間で高剛性となり、等速間で低剛性となるように設定する。加減速区間での一関節アクチュエータの発生力の和をUnmax(n=1,2,3)、等速区間での一関節アクチュエータの発生力の和をUnmin(n=1,2,3)とする。
本第2実施形態では、加速区間−等速区間−減速区間を有する軌道を用いたが、例えばミニマムジャーク軌道のような等速区間を伴わない軌道であっても構わない。また、駆動の効率を考慮しない場合は、目標剛性を一定としても構わない。
(3)シミュレーション
前節の制御系を用いたシミュレーションを行う。リンク101とリンク102の物理パラメータは同一とする。リンク101,102の長さを0.2[m]、リンク101,102の慣性モーメントをI=I=1.3×10−3[kgm]、モーメントアーム径を0.05[m]、弾性、粘性定数をk=12,b=0.003とする。目標軌道は、等速区間の開始時間t=0.2747[秒]、等速区間の終了時間t=0.4746[秒]、位置決め終了時間tfin=0.75[秒]とする。また、手先Eのスティフネス楕円が関節J1と手先Eを結ぶ方向になるように、各アクチュエータの発生力の和U,U,Uを制御する。そこで、Unmax=4,Unmin=2(n=1,2,3)とする。
図14(a)及び図14(b)にリンク101,102の関節角度θ,θを実線で、目標軌道ra1,ra2を破線で示す。図15(a)〜図15(c)に発生力指令値uf1,uf2,uf3の応答を実線で、発生力指令値ue1,ue2,ue3の応答を破線で示す。さらに、図16に発生力指令値uen,ufn(n=1,2,3)の和をそれぞれ実線、破線、一点鎖線で示す。
図14(a)及び図14(b)より実線で示す関節角度θ,θは破線で示す軌道と重なっており、リンク101,102は目標軌道に追従していることがわかる。図15(a)及び図15(b)に示すリンク101,102の応答より、発生力指令値ue1,uf1及び発生力指令値ue2,uf2は、それぞれ関節トルクT,Tを、式(21)に示した条件で配分されている。図15(c)より、発生力指令値ue3,uf3は弾性力を補償するためのトルクを式(25)に示した条件で配分されている。
図16において、実線、破線、一点鎖線で示すufn+uen(n=1,2,3)は、いずれも加減速区間で4、等速区間で2となっていることがわかる。各拮抗対の剛性が目標剛性に制御されていることから、手先Eのスティフネス楕円は関節J1と手先Eを結ぶ方向に制御されていることがわかる。
さらに、エンドエフェクタ質量を変動させるシミュレーションを行う。図17(a)にエンドエフェクタ質量を1倍、2倍、4倍とする際のリンク102の位置決め誤差の応答をそれぞれ実線、破線、一点鎖線で示す。また、比較として図17(b)にフィードバック制御系にPD制御系を用いるエンドエフェクタ変動シミュレーションの位置決め誤差応答を示す。フィードバック制御系にロバスト制御を用いると、エンドエフェクタ質量が変動しても軌道追従誤差に大きな劣化はない。しかし、PD制御系ではエンドエフェクタ質量が変動するにつれて軌道位置決め誤差が大きくなってゆくことがわかる。
本第2実施形態の制御系により、目標軌道への追従を実現しながら、3対6筋の弾性により手先の剛性を制御することが可能であることがわかる。さらに、エンドエフェクタ質量などにパラメータ変動が発生する際も受動性に基づくロバスト性を有し、軌道追従制御性能の劣化を防ぐことができる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
上記実施形態の各処理動作は具体的には制御装置200,200Bの制御部としてのCPU201により実行されるものである。従って上述した機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を制御装置に供給し、制御装置のコンピュータ(CPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによって達成されるようにしてもよい。この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、プログラム自体及びそのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
また、上記実施形態では、コンピュータ読み取り可能な記録媒体がHDD204であり、HDD204にプログラム221,221Bが格納される場合について説明したが、これに限定するものではない。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であれば、いかなる記録媒体に記録されていてもよい。例えば、プログラムを供給するための記録媒体としては、図3,図11に示すROM202、記録ディスク222、不図示の外部記憶装置等を用いてもよい。具体例を挙げて説明すると、記録媒体として、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、書き換え可能な不揮発性のメモリ(例えばUSBメモリ)、ROM等を用いることができる。
また、上記実施形態におけるプログラムを、ネットワークを介してダウンロードしてコンピュータにより実行するようにしてもよい。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施形態の機能が実現されるだけに限定するものではない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれてもよい。そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上記実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
また、上記実施形態では、コンピュータがHDD等の記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、図4、図5又は図12に示す機能を果たす場合について説明したが、これに限定するものではない。図4、図5又は図12に示す制御部の一部又は全部の機能をASICやFPGA等の専用LSIで構成してもよい。なお、ASICはApplication Specific Integrated Circuit、FPGAはField-Programmable Gate Arrayの頭字語である。
100…ロボット装置、101…リンク(第1リンク)、120…マニピュレータ、201…CPU(制御部)、e,f…アクチュエータ(一関節駆動アクチュエータ)

Claims (9)

  1. 基部に対して第1関節で旋回可能に連結された第1リンクと、
    引張力を発生し、前記第1リンクを前記第1関節まわりに旋回駆動するよう前記第1リンクの両側に配置された一対の一関節駆動アクチュエータと、
    前記各一関節駆動アクチュエータに対する発生力指令値をそれぞれ求めて前記各一関節駆動アクチュエータを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記第1関節の関節角度を目標関節角度にするのに必要な関節トルクを求める関節トルク演算処理と、
    前記第1関節の目標剛性に基づき、前記各一関節駆動アクチュエータに対する発生力指令値の和を示す和算値を求める和算処理と、
    前記第1関節に作用する前記各一関節駆動アクチュエータの弾性力による弾性トルクを求める弾性トルク演算処理と、
    前記関節トルクをT、前記和算値をU、前記弾性トルクをTPC1、前記第1リンクのモーメントアーム径をrとしたとき、|T+TPC1|<U×rの制約条件を満たすように、前記関節トルクと前記弾性トルクとの合計値を制約する制約処理と、
    前記制約処理にて制約された前記合計値に基づき、前記各一関節駆動アクチュエータの発生力指令値を求める発生力演算処理と、を実行することを特徴とするロボット装置。
  2. 前記制御部は、
    前記関節トルク演算処理として、前記関節角度と前記目標関節角度との差分に基づくフィードバック演算により、前記関節トルクを求めるフィードバック演算処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
  3. 前記制御部は、
    前記関節トルク演算処理として、
    前記目標関節角度に基づくフィードフォワード演算により、前記第1関節に対するフィードフォワード制御トルクを求めるフィードフォワード演算処理と、
    前記関節角度と前記目標関節角度との差分に基づくフィードバック演算により、フィードバック制御トルクを求めるフィードバック演算処理と、
    前記フィードバック制御トルクに前記フィードフォワード制御トルクを加算して、前記関節トルクを求める加算処理と、を実行することを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
  4. 前記制御部は、
    前記フィードバック演算処理として、前記差分を補償するPD制御を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載のロボット装置。
  5. 前記制御部は、
    前記弾性トルク演算処理として、前記各一関節駆動アクチュエータの弾性定数をk、前記関節角度をθとしたとき、U×k×r×θを演算することにより、前記弾性トルクを求めることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のロボット装置。
  6. 前記第1リンクに対して第2関節で旋回可能に連結された第2リンクと、
    引張力を発生し、前記第1リンク及び前記第2リンクを同時に前記第1関節及び前記第2関節まわりに旋回駆動するよう前記第1リンク及び前記第2リンクの両側に配置された一対の二関節同時駆動アクチュエータと、を備え、
    前記制御部は、
    前記各二関節同時駆動アクチュエータの弾性力により前記第1関節及び前記第2関節に付与されるトルクをキャンセルするように、前記各二関節同時駆動アクチュエータに対する、正の値となる制約を満たす発生力指令値を演算することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のロボット装置。
  7. 基部に対して第1関節で旋回可能に連結された第1リンクと、
    引張力を発生し、前記第1リンクを前記第1関節まわりに旋回駆動するよう前記第1リンクの両側に配置された一対の一関節駆動アクチュエータと、
    前記各一関節駆動アクチュエータに対する発生力指令値をそれぞれ求めて前記各一関節駆動アクチュエータを制御する制御部と、を有するロボット装置を制御するロボット制御方法において、
    前記制御部が、前記第1関節の関節角度を目標関節角度にするのに必要な関節トルクを求める関節トルク演算ステップと、
    前記第1関節の目標剛性に基づき、前記各一関節駆動アクチュエータに対する発生力指令値の和を示す和算値を求める和算ステップと、
    前記第1関節に作用する前記各一関節駆動アクチュエータの弾性力による弾性トルクを求める弾性トルク演算ステップと、
    前記関節トルクをT、前記和算値をU、前記弾性トルクをTPC1、前記第1リンクのモーメントアーム径をrとしたとき、|T+TPC1|<U×rの制約条件を満たすように、前記関節トルクと前記弾性トルクとの合計値を制約する制約ステップと、
    前記制約ステップにて制約された前記合計値に基づき、前記各一関節駆動アクチュエータの発生力指令値を求める発生力演算ステップと、を備えたことを特徴とするロボット制御方法。
  8. コンピュータに、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の各処理を実行させるためのプログラム。
  9. 請求項8に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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