JP6112748B1 - 通電装置及び通電方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本電流を流す前に漏電の有無を捕獲作業者等に感知させることで捕獲作業者等が本電流により感電することを防止すると共に、固定具により捕獲対象獣の動きを制限したことによって容易に失神させることができる通電装置及び通電方法を提供する。【解決手段】固定具Zにより動きが制限されたイノシシXに対し、固定具ZとイノシシXの少なくとも一方に当接させる1又は複数の電極体13、13a、電極体13、13aとイノシシXを含む閉回路C内に供給する電流を、漏電の有無が感知可能な通電パターンに設定可能な判断部22、及び閉回路C内への電流の入切操作を行う切替えスイッチ11、11aを有する通電操作具と、閉回路Cへの電流を供給する電源部20とを備える【選択図】図1

Description

本発明は通電装置及び通電方法に関する。詳しくは、本電流を流す前に漏電の有無を捕獲作業者等に感知させることで捕獲作業者等が本電流により感電することを防止すると共に、固定具により捕獲対象獣の動きを制限したことによって容易に失神させることができる通電装置及び通電方法である。
一般に捕獲された動物は、箱罠などに入れられた後も興奮し暴れるため、とめさし作業を行おうとしても容易に近づくことができず、また近づけたとしても噛みつきやツノによる攻撃を受ける場合が多い。このような攻撃を受けた捕獲作業者は大きな怪我を負うだけでなく、場合によっては命を落とすことさえあるので、捕獲作業は非常に危険な作業である。特に、近年では捕獲作業者の高齢化が進み、力によって捕獲対象獣を取押さえる行為や、危険を察知して迅速に身をかばう行為ができにくくなっている。
このため、例えば特許文献1に示すように、棒状に形成された電極棒を用いて電気的作用により野生動物類や猛禽類を屠殺する野生動物屠殺用具が考案されている。
この特許文献1に記載された野生動物屠殺用具は、棒状の電極を用いることで猛禽類に対しては距離を離して突き刺し、猛禽類に接近することなく屠殺することができるので、作業者の安全が保たれている。
特許5687750号
しかし、特許文献1の野生動物屠殺用具は、人間が感電すると即死状態となる数百mA〜数Aの大電流を流すため、漏電が生じていた場合には非常に危険である。そして、作業者自身あるいは周囲の人が不用意に檻に触れていた場合、あるいは地面が濡れていた場合には作業者等は感電する恐れがあるにもかかわらず、それを感知することができないので感電を防ぐ手立てがない。
即ち、作業者が操作を誤った場合や予測できない状況になった場合の、いわゆるフェイルセーフ機能が備えられておらず、依然として作業時の危険性は解消されていない。
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであり、本電流を流す前に漏電の有無を捕獲作業者等に感知させることで捕獲作業者等が本電流により感電することを防止すると共に、短時間で容易に捕獲対象獣を失神させることができる通電装置及び通電方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の通電装置は、固定具により動きが制限された捕獲対象獣に対し、前記固定具と捕獲対象獣の少なくとも一方に当接させる1又は複数の電極体、該電極体と前記捕獲対象獣を含む閉回路内に供給する電流を、漏電の有無が感知可能な通電パターンに設定可能な電流制御部、及び前記閉回路内への電流の入切操作を行う切替えスイッチを有する通電操作具と、前記閉回路への電流を供給する電流供給部とを備える。
そして、固定具により動きが制限された捕獲対象獣に対し、固定具と捕獲対象獣の少なくとも一方に当接させる1又は複数の電極体、電極体と捕獲対象獣を含む閉回路内に供給する電流を、漏電の有無が感知可能な通電パターンに設定可能な電流制御部、及び閉回路内への電流の入切操作を行う切替えスイッチを有する通電操作具によって、作業時に充分な安全性を確保することができる。すなわち、作業者自身あるいは周囲の人が不用意に檻に触れていた場合、あるいは地面が濡れていた場合には作業者等が感電する恐れがあっても、例えば、人体に影響のない程度の微弱電流を通電初期に流す等の通電パターンの電流を流すようにすることで、漏電していても軽い電気的刺激を受けるだけで済み、漏電を感知して退避する等の措置を取ることができる。
更に、閉回路への電流を供給する電流供給部によって、捕前述の電流制御部によって、大きさや通電パターンを適正化した電流を閉回路内に流すことができる。
また、通通電パターンが、断続的な予備電流を流して、漏電の有無が感知可能な予備通電ステップと、所定時間電流を流さないようにして、予備通電ステップで漏電を感知した場合に退避時間を確保する無通電ステップと、捕獲対象獣に連続した本電流を流す本通電ステップとを備える場合には、漏電していれば、予備通電ステップで、人体に影響のない程度の電気的刺激を受けるのみで漏電を感知し、無通電ステップで、退避する等の措置を取ることができる。そして、本通電ステップで、漏電していない場合に連続した本電流を流すようにして、捕獲対象獣に通電させることができる。
また、予備通電ステップが、パルス電流制御を行う場合には、短時間で間隔をおいて通電するため、身体に大きな負担をかけることなく、ある程度の大きさの電気的刺激を捕獲作業従事者に与えることができ、漏電の感知性を向上させることができる。
また、本通電ステップは、連続通電時間が1〜10秒間である場合には、短い時間で捕獲対象獣を失神させることができるので、捕獲作業者の心理的負担が軽減される。
そして、本電流ステップが1秒間未満であると、短時間のため捕獲対象獣を失神させるもしくは死にいたらしめることができず、本電流ステップが10秒間を超えて長くなると、捕獲対象獣が苦しむ姿を見続けなければならないため、捕獲作業者の精神的負担が大きいからである。
また、電流制御部は、切替スイッチを複数設ける場合、少なくとも1つの切替スイッチが切状態になると、閉回路内への電流供給を行わない電流制御構成を有する場合には、他のすべての切替えスイッチが入状態であっても非通電状態にすることができ、より安全性を高めることができる。
また、電流制御部は、予備通電ステップ、無通電ステップ、本通電ステップの少なくとも一ステップにおいて、人間の声の周波数を検知すると、閉回路内への電流供給を行わない電流制御構成を有する場合には、人が声を出して危険を知らせる行為により非通電状態にすることができるので、捕獲作業者の感電を防ぐことができ、あるいは感電したとしても通電を止めることで、作業者の安全を図ることができる。
また、予備通電ステップ、無通電ステップ、本通電ステップにおいて、作業手順を音声で知らせる場合には、操作ミスや確認のし忘れなどを防ぎ、マニュアルに従って安全に捕獲作業を行うことができるので、感電を防ぐことができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の通電方法は、固定具により捕獲対象獣の動きを制限する固定工程と、固定工程により動きが制限された捕獲対象獣もしくは固定具に、1又は複数の電極体を当接させて、電極と捕獲対象獣を含む閉回路を形成する閉回路形成工程と、閉回路形成工程で形成された閉回路内に、切替えスイッチの入操作によって、所定の電流を供給可能な状態にする通電準備工程と、電流制御部により漏電の有無が感知可能な通電パターンに設定された電流を、閉回路内に供給する電流供給工程とを備える。
そして、固定具により捕獲対象獣の動きを制限する固定工程によって、捕獲対象獣の動きを制限し、捕獲作業者の安全を図ることができる。
固定工程により動きが制限された捕獲対象獣もしくは固定具に、1又は複数の電極体を当接させて、電極と捕獲対象獣を含む閉回路を形成する閉回路形成工程によって、捕獲対象獣に対して通電可能な閉回路を形成することができる。
閉回路形成工程で形成された閉回路内に、切替えスイッチの入操作によって、所定の電流を供給可能な状態にする通電準備工程によって、切り替えスイッチにより閉回路を通電可能にすることができる。
電流制御部により漏電の有無が感知可能な通電パターンに設定された電流を、閉回路内に供給する電流供給工程によって、作業時に充分な安全性を確保することができる。すなわち、作業者自身あるいは周囲の人が不用意に檻に触れていた場合、あるいは地面が濡れていた場合には作業者等が感電する恐れがあっても、例えば、人体に影響のない程度の微弱電流を通電初期に流す等の通電パターンの電流を流すようにすることで、漏電していても軽い電気的刺激を受けるだけで済み、漏電を感知して退避する等の措置を取ることができる。
また、通電パターンは、断続的な予備電流を流して、漏電の有無が感知可能な予備通電ステップと、所定時間電流を流さないようにして、予備電流ステップで漏電を感知した場合に退避時間を確保する無通電ステップと、捕獲対象獣に連続した本電流を流す本通電ステップとを備える場合には、漏電していれば、予備通電ステップで、人体に影響のない程度の電気的刺激を受けるのみで漏電を感知し、無通電ステップで、退避する等の措置を取ることができる。そして、本通電ステップで、漏電していない場合に連続した本電流を流すようにして、捕獲対象獣に通電させることができる。
また、電流制御部は、切替スイッチを複数設ける場合、少なくとも1つの切替スイッチが切状態になると、閉回路内への電流供給を行わない電流制御構成を有する場合には、他のすべての切替えスイッチが入状態であっても非通電状態にすることができ、より安全性を高めることができる。
また、電流制御部は、予備通電ステップ、無通電ステップ、本通電ステップの少なくとも一ステップにおいて、人間の声の周波数を検知すると、閉回路内への電流供給を行わない電流制御構成を有する場合には、人が声を出して危険を知らせる行為により非通電状態にすることができるので、捕獲作業者の感電を防ぐことができ、あるいは感電したとしても通電を止めることで作業者の安全を図ることができる。
本発明に係る通電装置及び通電方法は、本電流を流す前に漏電の有無を捕獲作業者等に感知させることで捕獲作業者等が本電流により感電することを防止すると共に、固定具により捕獲対象獣の動きを制限したことによって容易に失神させることができるものとなっている。
本発明に係る通電装置の、操作棒、接続コード、及びコントローラボックスをセットした状態を示す斜視説明図である。 電極体の拡大説明図である。 本発明に係る通電装置の実施の形態を示す、箱罠に入れられたイノシシが捕獲された状態を表す説明図である。 電流制御構成を示すブロック図である。 本発明に係る通電方法のフローチャートである。 電流制御のタイムチャートであって、図6(a)は、通常の電流制御を表し、図6(b)は、本電流ステップの途中で切替スイッチがOFFになった場合の電流制御を表したものである。
以下、本発明の通電装置及び通電方法について説明し、本発明の理解に供する。
まず、通電装置の一例である捕獲用通電装置Aの概要構成について、図1、図2、図4により説明する。
通電操作具の一例であり、約130センチの長さを有する通電作業用棒体1及び1a、及び電流供給部を有するものの一例である操作ボックス2により構成される。
なお、通電作業用棒体1及び1aの長さは130センチに限られるものではなく、他の長さに形成することも可能である。具体的には、山中で捕獲したイノシシを周囲の木に固定した場合、イノシシが暴れて大きく動きまわることがあり、このような場合では、例えば180センチの長さに形成された通電作業用棒体を使用することも考えられる。イノシシからの攻撃を避けるなどの安全性への配慮が充分に確保できる距離を保つことができるからである。
通電作業用棒体1、1aは、この通電作業用棒体1、1aの一端に設けられると共に、通電作業用棒体1、1aを操作する際に把持する把持部10、10aと、把持部10、10aの中央寄りに設けられ、「ON」「OFF」の操作を行う切替えスイッチ11、11aと、切替えスイッチ11、11aから他端部側に伸びた延設部12、12aと、延設部12、12aの他端側に設けられた電極体13、13aとから構成されている。
捕獲用通電装置Aには、切替えスイッチ11、11aの双方が押されている場合に限り通電可能状態となり、いずれか片方のみが押されている場合、あるいは双方とも押されていない場合には、捕獲用通電装置Aは無通電状態となる。
切替えスイッチ11、11aの双方が押されている場合は、捕獲作業者が通電をしようとしている場合であると考えられ、いずれか片方のみが押されている場合は、例えば捕獲対象獣の攻撃から逃れている最中などにより、捕獲作業者が切替えスイッチ11、11aを同時に押せない場合であると考えられ、いずれも押されていない場合は、捕獲作業者が捕獲用通電装置Aに通電をしようとしていない場合と考えられるからである。
図1(a)に示すように、電極体13、13aは、通電作業用棒体1、1aの長手方向と同方向に伸びた主電極130,130aを有する。主電極130,130aの長さは、30〜35ミリ程度であり、先端は鋭利な形状に形成されているので、箱罠Yの隙間から差し込みやすい形状となっている。
この主電極130,130aは、把持部10、10a、切替えスイッチ11、11a、延設部12、12aの内部を貫通する、通電可能な通電用芯棒(図示せず)と電気的に接続されており、後述する操作ボックス2から供給されてきた電流は、通電用芯棒を通って電極体13、13aに送られる。
なお、把持部10、10a、切替えスイッチ11、11a、延設部12、12aは、絶縁体により被膜されているので、通電用芯棒を流れる電流が捕獲作業者側や箱罠Yに触れることで通電することを防ぐことができ、捕獲作業者等の作業中の安全を確保することができる。
なお、図1(b)に示すように、電極体13、13aを、通電作業用棒体1、1aの長手方向と同方向に伸びた主電極130,130aと、主電極130,130aと延設部12、12aの接続部から「U字」を逆さにしたフック状の形状を有すると共に、主電極130,130aを挟むように設けられた二本の副電極131、131aを設けた形状とすることもできる。
イノシシXを、箱罠を用いずに、足くくり罠などを用いて固定具Zで周囲の木に固定させる場合などは、イノシシXが暴れて固定具Zに連結されたワイヤWが大きく動くため、ワイヤWに電極体13、13aを当接させることは難しい。このような場合に、図2に示すように、固定具Zに連結されたワイヤWを主電極130,130aと二本の副電極131、131aに絡めて、電極体13、13aとワイヤWを当接させることができるので、より確実に通電させることができる。
このように、捕獲用通電装置Aは、イノシシXを箱罠Yに入れた場合と足くくり罠を用いた場合などのように、使用場面に応じて適切な形状の電極体13、13aに取替えて使用することができる。
操作ボックス2には、電流供給部の一例である電源部20、電源部20からの出力電圧を昇圧する昇圧器21、電流制御部の一例であり、切替えスイッチ11、11aからの「ON」「OFF」の状態に応じて昇圧器21に出力電圧を昇圧させるもしくは低圧させるかの命令を出す判断部22、及び操作の内容を逐次周囲に知らせるスピーカー23が収容されている。また、操作ボックス2の外側には、本電流の通電時間や、スピーカー23の音量などを設定する設定部24が設けられている。なお、スピーカー23は、操作ボックス2に複数増設してもよく、操作ボックス2の外部に周辺機器として外付けで操作ボックス2と接続することも可能である。
操作ボックス2と通電作業用棒体1及び1aは、接続ケーブル3により電気的に接続され、操作ボックス2の電源部20から供給され昇圧器21により昇圧された電流は、接続ケーブル3を介して通電作業用棒体1及び1aへ流れる。
次に、捕獲用通電装置Aの通電方法を、図2乃至図6により説明する。
ここでは、捕獲され箱罠Yに入れられたイノシシを殺処分する場合の作業手順を例に挙げて説明する。
図2、図3に示すように、捕獲対象獣の一例であるイノシシXは箱罠Yに入れられ、固定具Zで箱罠Yに固定されている。箱罠Yは、金属製網体を使用した檻状に形成されている。固定具Zは、本実施例のように、例えば、イノシシの鼻を縛って頭部の動きを制限する「鼻くくり」(登録商標)や、イノシシの脚の動きを制限する「チョン掛」(登録商標)や「足錠」などが考えられる。固定具Zは、イノシシXの鼻や脚首に刺して固定させるものであり、内側に設けられた針の形状を有する突起部分がイノシシの鼻や脚に食い込むようにして動きを固定するので、固定具Zに通電作業用棒体1及び1aを当接すると、容易に神経に通電することができる。
鼻くくり、チョン掛又は足錠には金属製のワイヤWが取付けられており、ワイヤWは、ナイロンロープNなどの絶縁体を介して箱罠Yに取付けられている。これにより、ワイヤWに通電作業用棒体1及び1aを当接した場合、箱罠Yに通電することを防ぐことができる。
イノシシXは、固定具Zで鼻をくくられて頭部の動きが制限され、チョン掛及び足錠により脚の動きが制限されるので、捕獲作業者に頭突きなど攻撃を加えることができない。なお、「噛みつき機」(登録商標)を用いると、より確実にイノシシXの噛みつきを防ぐことができる。捕獲作業者は、これらの固定具を用いて、イノシシXを箱罠Yに確実に固定し、可能な限り動きを制限する。
図2乃至図5に示すように、捕獲作業者は、箱罠Yに入れられたイノシシXに近づき、電源部20のスイッチ(図示せず)をONにして(S1)、通電可能状態にする。そして、スピーカー23より「電源が入りました。」というアナウンスが流れる(S2)。これにより、捕獲作業者及びその周囲の人は、捕獲用通電装置Aが作動可能状態となったことを認識することができ、自らの安全確保のために必要な退避行動をとることができる。
なお、S2のアナウンスにおいて、例えば「マニュアルに従って、イノシシXを動かないようにしっかりと固定してください。」などの作業の具体的な手順を含めることもできる。
そして、通電可能状態になったことにより、昇圧部21、判断部22、スピーカー23、設定部24が作動可能となる。このとき、設定部24を操作して本電流の通電時間、スピーカー23の音量、予備通電のパルスの間隔、及び周囲の声を検知する場合の受信感度などを設定する(S3)。本電流の通電時間については、例えば、1〜6秒間までの時間を1秒単位で設定でき、あるいは6秒以上流したい場合には「連続」を選択することで、切替えスイッチ11、11aを押している限り本電流が流れるようにすることもできる。
大まかな目安であるが、30kgのイノシシであれば、本電流の通電時間が約5秒であれば失神させることができ、100kgのイノシシであれば、約10秒で失神させることができる。
なお、捕獲したイノシシの肉を利活用しない場合(食用として利用しない場合)には、放血をせず埋設、焼却などの処理を行うため、10秒間程度本電流を流しても良い。しかし、食用として利活用する場合には、品質を保つために、例えば2秒間程度の短い本電流を流して脳を停止させたところで、とめさしや血抜きなどの処理を行う必要がある。
即ち、本電流の通電時間は、イノシシの大きさだけでなく利活用するか否かによっても異なってくる。
続いて、捕獲作業者は通電作業用棒体1、1aをそれぞれ左右の手に持ち、把持部10、10aを把持する。そして、通電作業用棒体1、1aの先端に設けられた電極体13、13aをそれぞれワイヤWに当接させる。このとき、ワイヤWを経路の一部としてイノシシXを含んだ閉回路Cが形成される。
なお、閉回路Cは、電極体13、13aの主電極130,130aをワイヤWに当接させることで形成することに限るものではない。例えば、主電極130,130aを捕獲対象獣の体表に直接当接させることも可能である。当接させる場所は耳の穴や太ももの内側、膝の裏側などに限られるものではなく、口や首、耳の穴、耳の後ろ、前脚首、後脚首などが考えられ、即ち、脂肪の層が薄くて、身体の表面に近い位置に神経が通っている箇所であれば良い。
このような場所に電流を流すことで、直接神経に電流を流すことができ、従来よりも短い時間内で動物を失神させることができる。又は、イノシシXに装着された固定具Zに当接させることで、固定具Zの針部分がイノシシXの体内に食い込んでいるので、容易に神経に電流を流すことができる。
その後、捕獲作業者は、通電作業用棒体1、1aの切替えスイッチ11、11aをそれぞれ左右の親指で押す。このとき、切替えスイッチ11、11aの双方が押されたことを判断部22で確認する(S4)と閉回路Cは通電可能状態となったと判断し、スピーカー23より「予備通電を始めます。」もしくは「予備通電を始めるので、離れてください。」というアナウンスが流れる(S5)。このアナウンスにより、捕獲作業者及びその周囲の人は、今から予備通電が始まることを認識することができ、自らの安全確保のために必要な退避行動をとることができる。
なお、(S5)において、周囲に予備通電が始まることを知らせた後の予備電流が流れている間は、「ピピッ、ピピッ、ピピッ、・・・」という短い警報音をスピーカー23から流すことで、「現在予備電流が流れている」ことを周囲に知らせることができる。
ここで、図6に示すように、予備電流は、1秒ごとに100ミリ秒(ms)の長さの電流(以下、「パルス」という。)を二回流す通電パターンに設定されており、昇圧部21から通電用芯棒を通って電極体13、13aに送られる。なお、予備電流は、パルスを二回流す通電パターンに限られるものではなく、3回若しくはそれ以上、または1回のみであってもよい。
そして、予備電流のパルスは約50mAの電流が流れるが、捕獲作業者は閉回路C上には存在していないので、感電することはない。なお、予備電流の一回のパルスの長さは、100ミリ秒(ms)に限られるものではなく、例えば50ミリ秒などであってもよく、任意に設定することができる。
仮に、予備電流が閉回路C上を流れず漏電した場合には、捕獲作業者が閉回路Cと異なる閉回路上に存在する場合には感電するおそれがある。捕獲作業者が感電する場合とは捕獲作業者を含んだ閉回路が形成される場合であり、例えば、通電作業用棒体1、1aが雨で濡れていたため電極体13、13aから延設部12、12aの表面を伝って把持部10、10aに流れた場合や、通電作業用棒体1、1aのいずれか一方が地面に落ち、他方の通電作業用棒体が箱罠Yに触れていた場合などが考えられる。
続いて、アナウンス(S5)の後、再度切替えスイッチ11、11aの双方が押されたことを判断部22で確認し(S6)、予備通電の一例である一回目のパルスが捕獲用通電装置A1に100ミリ秒間流れる(S7)。アナウンス(S5)している間に、切替えスイッチ11、11aのいずれか一方がOFFになる場合もありうることから、切替えスイッチ11、11aの双方がONになっていることを慎重に確認することにより、より安全に捕獲作業を行うことができるからである。
一回目のパルス(S6)の後、再度切替えスイッチ11、11aの双方が押されたことを判断部22で確認し(S8)、捕獲用通電装置A1に二回目のパルスが100ミリ秒間流れる(S9)。一回目のパルス(S7)を流した後に、切替えスイッチ11、11aのいずれか一方がOFFになる場合もありうることから、切替えスイッチ11、11aの双方がONになっていることを慎重に確認することにより、より安全に捕獲作業を行うことができるからである。
本実施例では、予備電流は、1秒ごとに100ミリ秒(ms)の長さの電流を二回流す通電パターンであるので、捕獲作業者は、短い電気的刺激を1秒間隔で2回感じることになる。なお、1秒ごとに100ミリ秒(ms)の長さのパルスを流す回数は、2回に限られるものではなく、任意に定めることができる。
通常、50mAの連続した電流が1秒間体内を流れると心室細動を起こして死に至るので非常に危険であるが、短い電気的刺激を2回感じる程度であるので、捕獲作業者は容易に通電作業用棒体1、1aから手を離すことができる。
そして、通電作業用棒体1、1aから手を離すことで切替えスイッチ11、11aの双方もしくはいずれか一方がOFFとなり、捕獲作業者を含む閉回路が形成されることはないので、閉回路に本電流が流れることなく無通電状態となり、捕獲従事者の安全を確保することができる。
その後、二回目のパルス(S9)の後、再度切替えスイッチ11、11aの双方が押されたことを判断部22で確認する(S10)。二回目のパルス(S9)を流した後に、切替えスイッチ11、11aのいずれか一方がOFFになる場合もありうることから、切替えスイッチ11、11aの双方がONになっていることを慎重に確認することにより、より安全に捕獲作業を行うことができるからである。
この切替えスイッチ11、11aの確認(S10)後、判断部22は、閉回路Cは通電可能状態となったと判断し、スピーカー23より「本通電を始めます。」もしくは「本通電が始まるまでの2秒間は切替えスイッチを押しても電気は流れません。」というアナウンスが流れる(S11)。
続いて、二秒間の無通電状態を経て(S12)、本電流を流す(S13)。この時の電流制御は図6(a)に示される。これにより、捕獲作業者及びその周囲の人は、今から本通電が始まることを認識することができ、自らの安全確保のために必要な退避行動をとることができる。特に、本通電が始まる前に約2秒間の無通電状態が設けられていることから、退避行動をとるための充分な時間を確保することができる。
なお、本電流を流している間は、予備電流を流す際の警報音とは異なる「ピッ、ピッ、ピッ、ピイー」という、最初は短い警報音を流し、最後は連続した警報音を流すことで周囲に「現在本電流が流れている」ことを知らせることができる。
本通電を流す時間は1〜10秒間である。耳や口、足首などの表面付近に神経が通っており、かつ脂肪層が薄い場所を選んで本電流を流すことで、より確実に神経に電流を流すことができるので、短時間で失神させることができる。
仮に、本電流を流している途中で、何らかの理由でいずれかの切替スイッチがOFFになった場合には、当初設定していた時間内であれば、図6(b)に示すように、切替スイッチをONにすることで再度本電流を流すことができる。
なお、失神しても数秒で意識が戻り再び暴れ出す危険性があるので、意識が戻る前にとめさしや血抜きなどの処理をする必要がある。この様に、本電流の通電時間を含めても約10〜15秒でとめさしなどの処理をすることができるので、捕獲作業者の精神的負担を軽減することが出来ると共に、安全に肉質のよいイノシシの肉を得ることができる。
また、イノシシの発する鳴き声の周波数と人間の声の周波数を予め設定部24に記憶させておけば、人間の周波数を検知した場合(人間の声が発せられたことを検知した場合)には通電を強制的に停止させるなどの処置を取ることができる。なお、より安全性を高めるために、人間の声を検知した場合に限らず、イノシシ又は人間の声を検知した場合に強制的に停止させる処置を取ることも考えらえる。
即ち、捕獲作業者が通電作業用棒体1、1aを用いてイノシシXへの通電中に、なんらかの危険な事態(例えば、周囲の人が箱罠Yに触れた、イノシシXを手で押さえようとするなど)になった場合、とっさに発せられる人間の「危ない」などの声を検知し通電を停止させることで、感電することを防ぐことができる。なお、捕獲作業者を中心として半径3〜5メートルの声を検知するように設定すれば、捕獲作業者及び周囲の人が危険を察知した場合の声を検知することができる。
このように、本発明に係る通電装置及び通電方法は、本電流を流す前に漏電の有無を捕獲作業者等に感知させることで捕獲作業者等が本電流により感電することを防止すると共に、固定具により捕獲対象獣の動きを制限したことによって容易に失神させることができるものとなっている。
1、1a 通電作業用棒体
11、11a 切替えスイッチ
13、13a 電極体
20 電源部
C 閉回路
X イノシシ
Z 固定具

Claims (11)

  1. 固定具により動きが制限された捕獲対象獣に対し、前記固定具と捕獲対象獣の少なくとも一方に当接させる1又は複数の電極体、
    該電極体と前記捕獲対象獣を含む閉回路内に供給する電流を、漏電の有無が感知可能な、断続的通電を有する通電パターンに設定可能な電流制御部、及び
    前記閉回路内への電流の入切操作を行う切替えスイッチを有する
    通電操作具と、
    前記閉回路への電流を供給する電流供給部とを備える
    通電装置。
  2. 前記通電パターンは、
    断続的な予備電流を流して、漏電の有無が感知可能な予備通電ステップと、
    所定時間電流を流さないようにして、前記予備通電ステップで漏電を感知した場合に退避時間を確保する無通電ステップと、
    前記捕獲対象獣に連続した本電流を流す本通電ステップとを備える
    請求項1に記載の通電装置。
  3. 前記予備通電ステップは、
    パルス電流制御を行う
    請求項2に記載の通電装置。
  4. 前記本通電ステップは、
    連続通電時間が1〜10秒間である
    請求項2又は請求項3に記載の通電装置。
  5. 前記電流制御部は、
    前記切替スイッチを複数設けると共に、少なくとも1つの切替スイッチが切状態になると、前記閉回路内への電流供給を行わない電流制御構成を有する
    請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の通電装置。
  6. 前記電流制御部は、
    前記予備通電ステップ、無通電ステップ、本通電ステップの少なくとも一ステップにおいて、人間の声の周波数を検知すると、前記閉回路内への電流供給を行わない電流制御構成を有する
    請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の通電装置。
  7. 前記予備通電ステップ、無通電ステップ、本通電ステップにおいて、作業手順を音声で知らせる請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6に記載の通電装置。
  8. 固定具により捕獲対象獣の動きを制限する固定工程と、
    該固定工程により動きが制限された捕獲対象獣もしくは前記固定具に、1又は複数の電極体を当接させて、該電極と前記捕獲対象獣を含む閉回路を形成する閉回路形成工程と、
    該閉回路形成工程で形成された前記閉回路内に、切替えスイッチの入操作によって、所定の電流を供給可能な状態にする通電準備工程と、
    電流制御部により漏電の有無が感知可能な、断続的通電を有する通電パターンに設定された電流を、前記閉回路内に供給する電流供給工程とを備える
    通電方法。
  9. 前記通電パターンは、
    断続的な予備電流を流して、漏電の有無が感知可能な予備通電ステップと、
    所定時間電流を流さないようにして、前記予備電流ステップで漏電を感知した場合に退避時間を確保する無通電ステップと、
    前記捕獲対象獣に連続した本電流を流す本通電ステップとを備える
    請求項8に記載の通電方法。
  10. 前記電流制御部は、
    前記切替スイッチを複数設けると共に、少なくとも1つの切替スイッチが切状態になると、前記閉回路内への電流供給を行わない電流制御構成を有する
    請求項8または請求項9に記載の通電方法。
  11. 前記電流制御部は、
    前記予備通電ステップ、無通電ステップ、本通電ステップの少なくとも一ステップにおいて、人間の声の周波数を検知すると、前記閉回路内への電流供給を行わない電流制御構成を有する
    請求項8、請求項9または請求項10に記載の通電方法。
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