JP6107838B2 - 射出成形品の品質管理方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は射出成形品の品質管理方法及び装置に関する。
ダイカスト鋳造や樹脂成形に用いられる射出成形法においては、型締め完了時にその装置の一部である固定型と可動型が正確な位置でタッチしているか否かが金型位置センサによって検出されている。型締め不良による成形不良の発生を防止するためであり、また、作業者の安全を確保するためでもある。
また、射出成形品の良否判別に関し、特許文献1には、溶融樹脂を金型に充填するスクリュの移動量と溶融樹脂の密度とに基いて金型に充填された溶融樹脂重量を求め、この溶融樹脂重量に基いてショット毎に射出成形品の良否を判別することが記載されている。
特開2001−191382号公報
ところで、固定型及び可動型の開閉方向と交差する方向に進退する複数のスライドコアを設け、これら固定型、可動型及びスライドコアによって射出成形用のキャビティを形成するケースがある。このケースにおいて、スライドコアを油圧シリンダ等の流体圧で型締め位置に保持していても、スライドコアが成形圧によって型締め位置から後退方向にずれる(コアバック)という問題がある。このコアバック量のバラツキは射出成形品の寸法ないしは重量のバラツキとなって現れ、射出成形品の良否を左右する。特に、例えばエンジンのシリンダブロックのように軽量化が要望される射出成形品にあっては、コアバック量のバラツキは成形品の良否に直接的に影響してくる。
これに対して、特許文献1のような金型に充填された成形材料の重量を求めるだけでは、上記コアバックの問題は解決されない。
そこで、本発明は、上記スライドコアのコアバックを考慮して射出成形品の品質を管理することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、所定ショット毎にスライドコアの実際の型締め位置及びコアバック位置を検出して射出成形品の品質を管理するようにした。
ここに開示する射出成形品の品質管理方法は、
固定型と、可動型と、該固定型及び可動型の開閉方向と交差する方向に進退し該固定型及び可動型と共に射出成形用のキャビティを形成する複数のスライドコアとを備えた金型による射出成形品の品質管理方法であって、
所定ショット毎に、上記複数のスライドコア各々の実際の型締め位置と、射出成形に伴う上記型締め位置からの後退ずれ位置であるコアバック位置と、そのときの射出成形条件とを取得するステップと、
上記各スライドコアの実際の型締め位置及びコアバック位置に基いて管理すべき所定の品質管理情報を生成するステップと、
所定ショット毎に上記品質管理情報とそのときの射出成形条件とを関連づける相関データを生成するステップと、
所定ショット毎に上記品質管理情報に所定の管理基準を逸脱するずれがあるか否かを検出するステップと、
上記管理基準を逸脱するずれが検出されたときに、上記相関データに基いて、上記射出成形条件の変更指示、上記金型のメンテナンス指示及び上記金型の交換指示の少なくとも一つを表示するステップとを備えていることを特徴とする。
また、ここに開示する射出成形品の品質管理装置は、
固定型と、可動型と、該固定型及び可動型の開閉方向と交差する方向に進退し該固定型及び可動型と共に射出成形用のキャビティを形成する複数のスライドコアとを備えた金型による射出成形品の品質管理装置であって、
上記複数のスライドコア各々の実際の型締め位置と、射出成形に伴う当該型締め位置からの後退ずれ位置であるコアバック位置とを検出する手段と、
所定ショット毎に射出成形条件を検出する手段と、
上記複数のスライドコアの実際の型締め位置及びコアバック位置、並びに上記射出成形条件に基づいて射出成形品の品質を管理するための情報を出す品質管理制御手段と、
表示手段とを備え、
上記品質管理制御手段は、
上記各スライドコアの実際の型締め位置及びコアバック位置に基いて管理すべき所定の品質管理情報を生成し、所定ショット毎に当該品質管理情報とそのときの射出成形条件とを関連づける相関データを生成し、所定ショット毎に上記品質管理情報に所定の管理基準を逸脱するずれがあるか否かを検出し、上記管理基準を逸脱するずれが検出されたときに、上記相関データに基いて、上記射出成形条件の変更指示、上記金型のメンテナンス指示及び上記金型の交換指示の少なくとも一つを表示することを特徴とする。
ここに、「所定ショット毎」については、1ショット毎であっても、複数ショット毎であってもよい。
上記品質管理方法又は装置によれば、スライドコアの実際の型締め位置とコアバック位置に基いて射出成形品の品質管理情報を生成するから、その情報は実際に得られる射出成形品に即したものになる。
そうして、所定ショット毎の品質管理情報とそのときの射出成形条件(成形材料の射出圧、射出速度、射出温度、射出動作設定(射出速度切替位置など)、金型温度、キャビティの真空度等)を関連づける相関データを求めるから、射出成形を繰り返していく途中で射出成形品に品質不良が発生したとき、リアルタイムで不良品発生防止のための適切な処置をとることが可能になる。
例えば、品質管理情報に所定の管理基準を逸脱するずれが検出されたときにおいて、上記相関データに基いて当該ずれに高い関連度をもつ射出成形条件があることが検出されたときは、当該ずれを解消するための当該射出成形条件の変更指示を表示することによって、その射出成形条件を適切に変更して事後の不良品発生を抑制することが可能になる。
或いは、当該品質管理情報のずれに高い関連度をもつ射出成形条件が存在しないときは、上記ずれの原因が金型にあることになるから、金型のメンテナンス(金型の清掃、補修等)指示又は上記金型の交換指示を表示することによって、事後の不良品発生を抑制することが可能になる。
好ましいのは、品質管理情報に所定の管理基準を逸脱するずれが検出されたときに、上記相関データに基いて、上記射出成形条件設定の見直し指示、上記金型のメンテナンス基準の見直し指示及び上記金型の設計の見直し指示の少なくとも一つを表示することである。
例えば、品質管理情報のずれに高い関連度をもつ射出成形条件が複数存在するときは、その複数の射出成形条件をどのように変更すべきかを俄に決定することは難しいのが通常であるから、射出成形条件設定の見直し指示を表示する。よって、作業者が上記相関データを分析することによって、寸法及び/又は重量のずれが抑制されるように、射出成形条件の設定を変更し、事後の不良品発生を抑制することが可能になる。
或いは、品質管理情報のずれに高い関連度をもつ射出成形条件が検出されないときは、例えば、管理基準を逸脱するまでのショット数に応じて金型のメンテナンス基準の見直し指示を表示する。すなわち、ショット数が多いときは、メンテナンスを行なうインターバル(所定ショット数毎にメンテナンスを行なうときのそのショット数)を長くすることによって、金型の稼働率の低下を防ぐことが可能になり、ショット数が少ないときは、当該インターバルの短縮によって不良品の発生を未然に防ぐことが可能になる。或いは、メンテナンスの程度(チェック箇所やチェック時間)を見直すことにより、金型の稼働率の低下を防止しつつ、不良品の発生を抑えることが可能になる。
或いは、品質管理情報のずれに高い関連度をもつ射出成形条件が検出されないときにおいて、例えば、過去に金型交換が頻繁に行なわれているときは、金型設計自体に問題があるとして、金型設計の見直し指示を表示する。この表示に基いて、型締め時におけるスライドコアの後退を規制するストッパの設定、射出成形品各部の肉厚やリブの位置、パーティングライン、ゲート位置、ゲート形状の変更等を行なうことにより、不良品が発生しにくい金型構造とすることが可能になる。
好ましいのは、上記所定ショット毎に上記複数のスライドコアのうちの相対するスライドコアのコアバック量に基いて上記固定型と上記可動型の相対的な位置ずれ量を求め、この位置ずれ量を上記品質管理情報の一つとして上記相関データに組み込むことである。
スライドコアは固定型又は可動型に対してスライドして型締め位置に保持される。例えば、スライドコアが可動型に対してスライドし、固定型側にスライドコアの後退を規制するストッパが設けられているケースで説明すると、射出成形時に固定型が可動型に対してスライドコアのスライド方向にずれているときは、相対するスライドコアのうちの、固定型が位置ずれした側に設けられている一方のスライドコアは他方のスライドコアよりもコアバック量が大きくなる。従って、相対するスライドコアのコアバック量の差を測定することにより、固定型と可動型の相対的な位置ずれ量を求めることができる。
固定型と可動型の相対的な位置ずれは、射出成形条件の異常、金型に対する異物(例えばバリ)の付着、金型の摩耗等によって生ずる。従って、上記位置ずれと射出成形条件とを関連づける相関データを生成すると、管理基準を逸脱する位置ずれを生じたとき、射出成形条件の変更指示、金型のメンテナンス指示、金型の交換指示、射出成形条件設定の見直し指示、金型のメンテナンス基準の見直し指示又は金型の設計の見直し指示を表示することにより、事後の位置ずれを防止して不良品発生を抑制することが可能になる。
本発明によれば、所定ショット毎に複数のスライドコア各々の実際の型締め位置とコアバック位置とそのときの射出成形条件とを取得し、この型締め位置とコアバック位置に基いて所定の品質管理情報を生成し、この品質管理情報とそのときの射出成形条件を関連づける相関データを生成し、品質管理情報に所定の管理基準を逸脱するずれがあるときに、上記相関データに基いて、射出成形条件の変更指示、金型のメンテナンス指示及び金型の交換指示の少なくとも一つを表示するから、不良品の発生を抑制することが可能になる。
金型構造を模式的に示す断面図。 スライドコアの駆動システムを示す平面図。 スライドコア位置検出センサの取付構造を示す斜視図。 同取付構造を示す平面図。 品質管理システムの構成を示すブロック図。 相関データの一例を示す図。 品質管理システムの全体フローを示す図。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
本実施形態はエンジンのシリンダブロックをアルミ合金でダイカスト鋳造するケースである。図1に模式的に示すように、上下に相対する固定型1及び可動型2と、固定型1及び可動型2の開閉方向に交差する方向に進退する複数のスライドコア3とによって鋳造用キャビティ4が形成される。同図では相対する2つのスライドコア3が示されているが、キャビティ4を形成する金型としては、上記固定型1、可動型2及び2つのスライドコア3の他に、当該2つのスライドコア3の相対方向に直交する方向に相対する別の2つのスライドコアが設けられている(図2参照)。また、可動型2にシリンダボアを形成するコア5が設けられている。なお、ダイカストマシンの図示は省略している。
スライドコア3は可動型2にスライド可能に設けられている。スライドコア3を前進させて型締め位置に保持した状態で、固定型1と可動型2を型閉じすることによって、上記キャビティ4が形成される。固定型1には、型締め位置に保持したスライドコア3の後退を阻止する後退ストッパ6が設けられている。スライドコア3は可動型2に設けられた前進端7によって前進が阻止されて型締め位置に保持される。
図2に示すスライドコア駆動システムにおいて、11はスライドコア3を進退させる油圧シリンダであり、可動型2に設けられた支持プレート12に支持されている。スライドコア3はスライドブロック14に固定され、スライドブロック14に油圧シリンダ11のピストンロッド15が結合されている。スライドブロック14は可動型2に設けられたガイド16に摺動自在に支持されている。
図3に示すように、各スライドコア3の実際の型締め位置及び射出成形に伴う当該型締め位置からの後退ずれ位置であるコアバック位置を検出するために、各スライドコア3のスライドブロック14からその背部にロッド17が突設されている。ロッド17は支持プレート12の貫通孔に通されていて、支持プレート12よりその背部に突出したロッド17の先端に被検出部18が固定されている。図4にも示すように、支持プレート12には被検出部18の進退を案内するガイド19が設けられている。そうして、支持プレート12の背面に被検出部18の位置を検出する変位センサ21が固定されている。スライドコア3は油圧シリンダ11によって型締め位置に保持されるが、金属溶湯の射出及び凝固に伴ってスライドコア3が油圧シリンダ11による保持圧力及び後退ストッパ6による保持力に抗して後退する。すなわち、スライドコア3が型締め位置からずれるコアバックを生ずる。変位センサ21は、1ショット毎にスライドコア3の実際の型締め位置とコアバック位置を検出する。
また、具体的な図示は省略するが、実施形態に係るダイカスト鋳造システムは固定型1に対する可動型2の型締め位置を検出するセンサ、並びに鋳造条件を検出する手段を備えている。
<品質管理制御>
図5に示すブロック図おいて、22は鋳造品(射出成形品)の品質管理制御手段であり、所定鋳造ショット毎に変位センサ21及び各種の鋳造条件(射出成形条件)検出手段23から与えられる検出信号に基いて鋳造品の品質を管理するための情報を生成し、表示装置24及び警報装置25によって表示する。
品質管理制御手段22は、コンピュータを利用したものであり、CPU、データの入力手段であるキーボード、ブートプログラム等を記憶しているROM、各種データ及び処理結果を一時的に記憶するデータ格納手段としてのRAM、データの分析・処理を行なうためのプログラム等を記憶するHDD等の記憶装置、外部の情報システムと通信ネットワークを介して通信するための通信インタフェース、処理結果等を印刷するプリンタを備え、これらの各要素は、バスを介して接続されており、CPUは記憶装置に記憶したプログラムに従って、データの分析・処理を行なう。
CPUは、4つのスライドコア3の位置データ(実際の型締め位置及びコアバック位置)に基いて管理すべき所定の品質管理情報を生成する手段、所定ショット毎の品質管理情報とそのときの鋳造条件とを関連づける相関データを生成する手段、並びに品質管理情報に管理基準を逸脱する異常を検出したときに、上記相関データに基いて、鋳造条件の変更指示、金型のメンテナンス指示、金型の交換指示、鋳造条件設定の見直し指示、金型のメンテナンス基準の見直し指示、又は金型設計の見直し指示を生成し、当該指示を上記表示装置24に表示する指示表示手段等を構成する。
鋳造条件検出手段23としては、金属溶湯の射出圧、射出速度、射出温度及び射出速度切替位置、型温、並びに真空度の各検出手段を備えている。表示装置24は例えばCRT等のディスプレイによって構成される。
射出圧検出手段は射出プランジャの圧力を検出する。射出速度検出手段は例えば射出プランジャに施した磁気スケールによってプランジャの位置を読み取ることで射出速度を算出する。射出温度検出手段は金属溶湯の温度を検出する。射出速度切替位置検出手段は射出プランジャが予め設定した低速度から高速度へと切り替わる際の位置を上記磁気スケールによって検出する。型温検出手段は金型の温度を検出する。真空度検出手段はキャビティ4の真空度を検出する。
品質管理制御手段22は、上記位置データに基いて、コアバック量に関する情報、鋳造品の寸法及び重量に関する情報、並びにスライドコア3に付着しているバリ厚さに関する情報を生成する。
すなわち、変位センサ21で検出される各スライドコア3の実際の型締め位置とコアバック位置とに基いてコアバック量が求められる。各スライドコア3のコアバック位置に基いて当該ショットに係る鋳造品の寸法(幅及び長さ)を求められる。別に設けられた変位センサによって可動型2の実際の型締め位置が検出され、この型締め位置に基づいて当該ショットに係る鋳造品の高さが求められる。鋳造品の寸法(幅、長さ及び高さ)に基いて当該鋳造品の重量が求められる。各スライドコア3の型締め基準位置と実際の型締め位置とに基いてスライドコア3に付着しているバリ厚さが求められる。また、上記鋳造品の寸法及び重量の基準値からのずれ量が求められる。この鋳造品の寸法及び重量の基準値からのずれ量、並びにコアバック量は品質管理情報である。
また、品質管理制御手段22は、相対する2個1組のスライドコア3のコアバック位置に基いて、可動型2に対する固定型1の位置ずれ量を上記品質管理情報の一つとして求め、これを上記相関データに組み込む。図1に示すように、本実施形態の金型はシリンダボアを形成するコア5を有する可動型2に鋳造品の素材基準Cがある。素材基準Cから相対するスライドコア3のコアバック位置までの距離A,Bの差から固定型1の位置ずれ量が求められる。
A>Bの場合は固定型1が可動型2に対して相対的に同図の左側(A側)に位置ずれていることになる。その位置ずれ量=α×(A−B)/2である。B>Aの場合は固定型1が可動型2に対して相対的に同図の右側(B側)に位置ずれていることになる。その位置ずれ量=α×(B−A)/2である。「α」はホルダ強度を考慮して予め設定された係数であり、見かけ上の位置ずれ量が同じでも、強度が低いときは実際の位置ずれ量は大きくなるから、αの値が大きくなる。
品質管理制御手段22は、1ショット毎のコアバック量、鋳造品の寸法及び重量、該寸法及び重量のずれ量、バリ厚さ、並びに固定型1の位置ずれ量と、そのときの鋳造条件(射出圧、射出速度、射出温度、射出速度切替位置、型温、真空度)及び鋳造条件の基準値からのずれ量とを関連づける図6に示す相関データを作成する。
品質管理制御手段22は、管理基準として、予め設定された、鋳造品の寸法(幅、長さ、高さ)及び重量各々に関する許容し得る上限値と下限値、バリ厚さ及び固定型1の位置ずれ量に関する許容し得る限界値、並びに鋳造条件(射出圧、射出速度、射出温度、射出速度切替位置、型温、真空度)に関する許容し得る上限値と下限値を記憶しており、これら管理基準に基づいて上述の各変更指示及び見直し指示の表示を行なう。
以下、具体的に説明する。図7に実施形態の全体フローを示すように、型締めがされたときに可動型2及びスライドコア3の実際の型締め位置が検出される。射出成形(ダイカスト)が実施されると、そのときの鋳造条件及びコアバック位置が検出される。実際の型締め位置、コアバック位置及び鋳造条件に関するデータが1ショット毎に集積され、鋳造品の寸法(幅、長さ、高さ)及び重量、並びにそれらの基準値からのずれ量、コアバック量、バリ厚さ、固定型1の位置ずれ量、並びに鋳造条件のずれ量が算出される。1ショット毎に品質管理情報とそのときの鋳造条件等とを関連づける相関データが作成される。
そうして、上記相関データに基いて鋳造品の品質を維持するために必要な指示が表示される。
すなわち、1ショット毎に品質管理情報(鋳造品の寸法(幅、長さ、高さ)及び重量、並びに可動型2に対する固定型1の相対位置)に管理基準を逸脱するずれがあるか否かが判定される。管理基準を逸脱するずれを生じた品質管理情報があるとき、警報装置25による警報が発せられて、次の鋳造が止められる。図6に示す相関データは、ショットNo.3において、鋳造品の長さに管理基準を逸脱するずれがあり、警告が出たケースである(「*」で表示)。
そして、上記相関データに基いて、具体的には、当該ショットに至るまでの当該品質管理情報のずれ量の変遷履歴と各鋳造条件の変遷履歴とに基いて、当該品質管理情報のずれに所定の高い関連度をもつ鋳造条件があるか否かが判定される。そのような鋳造条件があるときは、当該品質管理情報のずれを解消するための当該鋳造条件の変更指示が表示される。また、当該品質管理情報のずれに所定の高い関連度をもつ複数の鋳造条件が存在するときは、それら関連する鋳造条件の設定、又は全ての鋳造条件の設定についての見直し指示が表示される。
当該品質管理情報のずれに高い関連度をもつ鋳造条件が存在しないときは、当該品質管理情報のずれは金型に原因があることになる。この場合、バリ厚さが所定の管理基準を超えているときは、金型のメンテナンス(バリ取りを含む)指示が表示される。バリ厚さが所定の管理基準を超えていないときは、当該品質管理情報のずれは金型の摩耗ないしは変形に起因するとして、金型の交換指示が表示される。
また、当該品質管理情報のずれが金型に原因がある場合、管理基準を逸脱するまでのショット数に応じて金型のメンテナンス基準の見直し指示を表示する。すなわち、当該ショット数が多いときは、金型のメンテナンスのインターバルを長くし、或いは所定ショット数毎に行なうメンテナンスの程度を軽くし、当該ショット数が少ないときは上記インターバルを短くし、或いは所定ショット数毎に行なうメンテナンスの程度を厳しくする。
当該品質管理情報のずれが金型に原因があり、金型交換指示の表示が出るまでのショット数が少ないときは、金型設計自体に問題があるとして、型締め時におけるスライドコアの後退を規制するストッパの設定、射出成形品各部の肉厚やリブの位置、パーティングライン、ゲート位置、ゲート形状の変更等を促すべく、その金型設計の見直し指示が表示される。
そうして、上記鋳造条件の変更指示、鋳造条件設定の見直し指示、金型のメンテナンス指示、金型の交換指示、金型のメンテナンス基準の見直し指示及び金型設計の見直し指示は上記相関データに指示履歴として残される。
要するに、品質管理制御手段22は、指示項目として、鋳造条件の変更指示及び鋳造条件設定の見直し指示のうちの少なくとも一つ(鋳造条件に関する指図)と、金型のメンテナンス指示、金型の交換指示、金型のメンテナンス基準の見直し指示及び金型設計の見直し指示のうちの少なくとも一つ(金型に関する指図)とを備え、上記品質管理情報に所定の管理基準を逸脱するずれが検出されたときに、上記品質管理情報とそのときの鋳造条件等とを関連づけた相関データに基いて、上記複数の指示項目のうちから指示すべき項目を選択して表示する。
すなわち、管理基準を逸脱するずれが検出された品質管理情報の変遷履歴と鋳造条件の変遷履歴に基いて、当該品質管理情報のずれと鋳造条件との関連度を求め、その関連度に応じて、鋳造条件に関する指図と金型に関する指図のいずれかを選択する。そうして、鋳造条件に関しては、当該品質管理情報のずれに関連する鋳造条件が一つか複数かに応じて、鋳造条件の変更及び鋳造条件設定の見直しのいずれかを指示する。また、金型に関しては、バリ厚さに応じて、金型のメンテナンス又は交換のいずれかを指示し、管理基準を逸脱するまでのショット数に応じて金型のメンテナンス基準の見直しを指示し、金型交換に至るショット数に応じて金型設計の見直しを指示する。
なお、上記実施形態はダイカスト鋳造品の品質管理に関するが、本発明は、樹脂射出成形品の品質管理にも適用することができる。
1 固定型
2 可動型
3 スライドコア
4 キャビティ
21 変位センサ(型締め位置及びコアバック位置の検出手段)
22 品質管理制御手段
23 鋳造条件検出手段
24 表示装置
25 警報装置

Claims (6)

  1. 固定型と、可動型と、該固定型及び可動型の開閉方向と交差する方向に進退し該固定型及び可動型と共に射出成形用のキャビティを形成する複数のスライドコアとを備えた金型による射出成形品の品質管理方法であって、
    所定ショット毎に、上記複数のスライドコア各々の実際の型締め位置と、射出成形に伴う上記型締め位置からの後退ずれ位置であるコアバック位置と、そのときの射出成形条件とを取得するステップと、
    上記各スライドコアの実際の型締め位置及びコアバック位置に基いて管理すべき所定の品質管理情報を生成するステップと、
    所定ショット毎に上記品質管理情報とそのときの射出成形条件とを関連づける相関データを生成するステップと、
    所定ショット毎に上記品質管理情報に所定の管理基準を逸脱するずれがあるか否かを検出するステップと、
    上記管理基準を逸脱するずれが検出されたときに、上記相関データに基いて、上記射出成形条件の変更指示、上記金型のメンテナンス指示及び上記金型の交換指示の少なくとも一つを表示するステップとを備えていることを特徴とする射出成形品の品質管理方法。
  2. 請求項1において、
    上記管理基準を逸脱するずれが検出されたときに、上記相関データに基いて、上記射出成形条件設定の見直し指示、上記金型のメンテナンス基準の見直し指示及び上記金型の設計の見直し指示の少なくとも一つを表示するステップとを備えていることを特徴とする射出成形品の品質管理方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    上記所定ショット毎に上記複数のスライドコアのうちの相対するスライドコアのコアバック位置に基いて上記固定型と上記可動型の相対的な位置ずれ量を求めるステップと、
    上記位置ずれ量を上記品質管理情報の一つとして上記相関データに組み込むステップとを備えていることを特徴とする射出成形品の品質管理方法。
  4. 固定型と、可動型と、該固定型及び可動型の開閉方向と交差する方向に進退し該固定型及び可動型と共に射出成形用のキャビティを形成する複数のスライドコアとを備えた金型による射出成形品の品質管理装置であって、
    上記複数のスライドコア各々の実際の型締め位置と、射出成形に伴う当該型締め位置からの後退ずれ位置であるコアバック位置とを検出する手段と、
    所定ショット毎に射出成形条件を検出する手段と、
    上記複数のスライドコアの実際の型締め位置及びコアバック位置、並びに上記射出成形条件に基づいて射出成形品の品質を管理するための情報を出す品質管理制御手段と、
    表示手段とを備え、
    上記品質管理制御手段は、
    上記各スライドコアの実際の型締め位置及びコアバック位置に基いて管理すべき所定の品質管理情報を生成し、所定ショット毎に当該品質管理情報とそのときの射出成形条件とを関連づける相関データを生成し、所定ショット毎に上記品質管理情報に所定の管理基準を逸脱するずれがあるか否かを検出し、上記管理基準を逸脱するずれが検出されたときに、上記相関データに基いて、上記射出成形条件の変更指示、上記金型のメンテナンス指示及び上記金型の交換指示の少なくとも一つを表示することを特徴とする射出成形品の品質管理装置。
  5. 請求項4において、
    上記品質管理制御手段は、
    上記管理基準を逸脱するずれが検出されたときに、上記相関データに基いて、上記射出成形条件設定の見直し指示、上記金型のメンテナンス基準の見直し指示及び上記金型の設計の見直し指示の少なくとも一つを上記表示手段によって表示することを特徴とする射出成形品の品質管理装置。
  6. 請求項4又は請求項5において、
    上記品質管理制御手段は、
    上記所定ショット毎に上記複数のスライドコアのうちの相対するスライドコアのコアバック位置に基いて上記固定型と上記可動型の相対的な位置ずれ量を求め、該位置ずれ量を上記管理情報の一つとして上記相関データに組み込むことを特徴とする射出成形品の品質管理装置。
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