[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本発明に係る通信装置は、その一側面として、ユーザに提供される各サービスに係る複数の通信機器、及び、通信機器からのパケットを光通信により上位装置に送信する第1の光回線終端装置、の双方に電気的に接続された通信装置であって、通信機器からアドレス取得用のパケットを受信する受信手段と、パケットに含まれている、パケットの送信元の通信機器を示す機器情報、及び、送信元の通信機器が提供するサービスを示すサービス情報を特定する特定手段と、機器情報及びサービス情報に基づいて、該機器情報が示す通信機器からパケットを受信した際に行う制御内容を決定する決定手段と、制御内容に応じた制御を行い、パケットを第1の光回線終端装置に送信する送信手段と、を備える。
この通信装置では、各サービスの通信機器から送信されたパケットに基づいて、送信元の通信機器を示す機器情報、及び、該通信機器により提供されるサービスを示すサービス情報が特定される。そして、これらの情報に基づいて、該通信機器からパケットを受信した際に行う制御内容が決定され、該制御内容に応じた制御が行われて、パケットが第1の光回線終端装置に送信される。これにより、パケット送信元の通信機器が提供するサービスに応じて、制御内容が決定されることとなる。そして、当該制御内容に応じた制御が行われた後に、パケットが第1の光回線終端装置に送信されるので、パケットを受信した第1の光回線終端装置において、パケット送信元の通信機器が提供しているサービスを特定することができる。このため、第1の光回線終端装置から上位装置に向かう区間においても、パケットに係るサービスに応じたQoS制御を行うことが可能となる。
また、決定手段は、サービス情報に応じた識別子をパケットに付加することを、制御内容として決定し、送信手段は、識別子をパケットに付加した後に、パケットを第1の光回線終端装置に送信してもよい。これにより、パケットを受信した第1の光回線終端装置が、識別子(例えばVLAN ID)に基づいてパケット送信元の通信機器が提供しているサービスを特定することができる。識別子によりサービスを特定するため、第1の光回線終端装置側のポート数が少ない(例えば1ポート)構成においても、パケットに係るサービスに応じたQoS制御を行うことが可能となる。
また、通信装置は、少なくともサービスの数以上の、第1の光回線終端装置と接続可能なWANポートを更に備え、決定手段は、サービス情報に応じたWANポートからパケットを送信することを制御内容として決定し、送信手段は、サービス情報に応じたWANポートをパケットの送信ポートとして設定した後に、パケットを第1の光回線終端装置に送信してもよい。これにより、パケットを受信した第1の光回線終端装置が、物理的なポートの違いに基づいて、パケット送信元の通信機器が提供しているサービスを特定することができる。例えば第1の光回線終端装置を複数構成とせざるを得ない場合等においては、物理的なポートを異ならせるという簡易な構成によって、パケットに係るサービスに応じたQoS制御を行うことが可能となる。
また、通信装置は、機器情報、サービス情報、及び制御内容を関連付けたマッピング情報を記憶する記憶手段を更に備え、送信手段は、マッピング情報に基づいて制御を行い、パケットを第1の光回線終端装置に送信してもよい。マッピング情報を記憶することにより、パケット受信時の送信処理を迅速且つ簡易に行うことができる。
また、受信手段は、通信機器からのパケットとして、通信機器からのDHCPパケットを受信してもよい。DHCPパケットには、通信機器が提供するサービスを示す情報が含まれているため、サービス情報を確実に特定することができる。
本発明に係る通信システムは、その一側面として、ユーザに提供される各サービスに係る複数のネットワークに接続されたスイッチ部と、スイッチ部に電気的に接続された第2の光回線終端装置と、第2の光回線終端装置との間で光通信を行う第1の光回線終端装置と、ユーザに提供される各サービスに係る複数の通信機器、及び、第1の光回線終端装置、の双方に電気的に接続された通信装置と、を備え、通信装置は、通信機器からアドレス取得用のパケットを受信する受信手段と、パケットに含まれている、パケットの送信元の通信機器を示す機器情報、及び、送信元の通信機器が提供するサービスを示すサービス情報を特定する特定手段と、機器情報及びサービス情報に基づいて、該機器情報が示す通信機器からパケットを受信した際に行う制御内容を決定する決定手段と、制御内容に応じた制御を行い、パケットを第1の光回線終端装置に送信する送信手段と、を有してもよい。
また、スイッチ部及び第2の光回線終端装置、並びに、第1の光回線終端及び通信装置は、それぞれLANケーブルで接続されており、通信装置及び複数の通信機器は、同軸ケーブルで接続されており、通信装置は、受信手段が受信したパケットに係る同軸ケーブル用の信号を、送信手段が送信するパケットに係るLANケーブル用の信号に変換する変換手段を更に有してもよい。当該構成によれば、例えば集合住宅のFTTB構成等において同軸ケーブルを用いたDOCSIS方式において、パケットに係るサービスに応じたQoS制御を行うことが可能となる。
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態にかかる通信装置及び通信システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。通信システム1は、光ファイバにより有線通信を行うFTTx(Fiber To The x)構成において用いられる通信システムであり、より詳細には、集合住宅の共用部までは光ケーブルを引き込み、共用部から各ユーザの宅内までは電話線や同軸ケーブル等を引き込むFTTB構成において用いられる通信システムである。本実施形態の通信システム1は、ケーブルテレビの回線を利用して高速なデータ通信を行うDOCSIS方式によりデータ通信を行う。DOCSIS方式では、集合住宅の共用部から各ユーザの宅内までの区間において同軸ケーブルが用いられ、規定された任意の周波数が使用されてデータ通信が実現される。
通信システム1は、光通信を利用して電話サービスや放送サービス等の複数のサービスを提供可能であり、ヘッドエンド設備10及び集合住宅設備20を含んで構成されている。通信システム1は、GE−PON(Gigabit Ethernet-Passive Optical Network)技術によりデータ通信を行う。そのため、1つのヘッドエンド設備10(より詳細には、1つのOLT16)に対して複数の集合住宅設備20(より詳細には、複数のD−ONU31)が接続された構成とされている。
ヘッドエンド設備10は、集合住宅設備20から見て上位側(局側)の装置群であり、通信サービスネットワーク11と、電話サービスネットワーク12と、放送サービスネットワーク13と、DOCSIS管理ネットワーク14と、L2/L3スイッチ15(スイッチ部)と、OLT16(第2の光回線終端装置)とを備えている。通信サービスネットワーク11は、PC(Personal Computer)からのインターネット接続等においてアクセスされるネットワークである。電話サービスネットワーク12は、TA(Terminal Adapter)等を用いた電話サービスが利用される際にアクセスされるネットワークである。放送サービスネットワーク13は、STB(Set Top Box)等を用いたテレビ放送(映像)サービスが利用される際にアクセスされるネットワークである。DOCSIS管理ネットワーク14は、DOCSIS方式によりデータ通信が行われる際にアクセスされるネットワークである。
L2/L3スイッチ15は、ユーザに提供される各サービスに係る複数のネットワーク(例えば、通信サービスネットワーク11、電話サービスネットワーク12、放送サービスネットワーク13、及びDOCSIS管理ネットワーク14)に接続された中継装置であり、OLT16から送信されたパケットを各サービスのネットワークのいずれかに振り分ける。また、L2/L3スイッチ15は、各サービスのネットワークから送信されたパケットをOLT16に転送する。L2/L3スイッチ15は、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルにおける、データリンク層及びネットワーク層のデータに基づいてパケットの振り分け先を決定することが可能である。本実施形態においては、L2/L3スイッチ15は、各ネットワーク毎に、VLAN(Virtual Local Area Network)の識別番号(識別子)であるVLANIDを設定することにより、パケットの振り分けを行う。例えば、通信サービスネットワーク11にはVLAN ID:Aが、電話サービスネットワーク12にはVLAN ID:Bが、放送サービスネットワーク13にはVLAN ID:Cが、DOCSIS管理ネットワーク14にはVLAN ID:Dが、それぞれ設定される。
OLT16は、L2/L3スイッチ15に電気的に接続された上位装置側の光回線終端装置である。OLT16とL2/L3スイッチ15とは、LAN(Local Area Network)ケーブルC1で接続されイーサネット(登録商標)により通信が行われる。OLT16は、集合住宅設備20(より詳細にはD−ONU31)から送信されたパケットをL2/L3スイッチ15に転送する。また、OLT16は、L2/L3スイッチ15から送信されたパケットを集合住宅設備20(より詳細にはD−ONU31)に転送する。
集合住宅設備20は、例えばマンション等の設備であり、共用部30と、複数のユーザ宅51,52とを備えている。共用部30には光ファイバC2が引き込まれ、共用部30からユーザ宅51,52の区間においては同軸ケーブルC4が敷設されている。
共用部30は、D−ONU31と、CMC(Coax Media Converter)32(通信装置)と、双方向ブースター33とを備えている。D−ONU31とCMC32とは、LANケーブルC3で接続されイーサネット(登録商標)により通信が行われる。CMC32と双方向ブースター33とは同軸ケーブルC4で接続されており、DOCSISで規定されたDOCSIS信号により通信が行われる。
D−ONU31は、上位装置側の光回線終端装置であるOLT16との間で光通信を行う、ユーザ宅側の光回線終端装置である。D−ONU31は、CMC32から受信したパケットを光通信により上位装置(OLT16)に送信するとともに、上位装置(OLT16)から受信したパケットをCMC32に送信する。
CMC32は、イーサネット(登録商標)信号とDOCSIS信号とを相互に変換するコンバータである。すなわち、CMC32は、同軸ケーブルC4を介して双方向ブースター33から受信したパケットに係るDOCSIS信号(同軸ケーブル用の信号)を、LANケーブルC3を介してD−ONU31に送信するパケットに係るイーサネット(登録商標)信号(LANケーブル用の信号)に変換する。また、CMC32は、LANケーブルC3を介してD−ONU31から受信したパケットに係るイーサネット(登録商標)信号を、同軸ケーブルC4を介して双方向ブースター33に送信するパケットに係るDOCSIS信号に変換する。CMC32は、上位接続用(D−ONU31側接続用)のWAN(Wide Area Network)ポートと、下位接続用(双方向ブースター33側接続用)のRF(Radio Frequency)ポートとを有している。WANポートは、例えばイーサネット(登録商標)規格のうち1000BASE-Tに対応したポートである。また、RFポートは同軸ケーブル用の信号伝送に対応したポートである。CMC32の詳細な機能については後述する。
双方向ブースター33は、上位装置からの下り方向の信号だけでなく、下位の通信機器40から上位装置側に向かう上り方向の信号をも増幅することができるブースターである。双方向ブースター33は、上位側の装置であるCMC32に同軸ケーブルC4を介して接続されている。また、双方向ブースター33は、ユーザ宅51,52の通信機器40、及び、アンテナ部60に、同軸ケーブルC4を介して接続されている。アンテナ部60は、ケーブルテレビ、地上波、BS(Broadcasting Satellite)、及びCS(CommunicationsSatellite)それぞれのアンテナを含んでいる。当該アンテナ部60からの信号によって、光通信を介さないテレビ放送サービスを提供することができる。
ユーザ宅51,52は、それぞれが例えばマンションの1室であり、ユーザに提供される各サービスに係る複数の通信機器40を備えている。具体的には、ユーザ宅51,52は、複数の通信機器40として、CM(Cable Modem)41と、EMTA(Embedded Media TerminalAdapter)42と、CM内蔵STB(Set Top Box)43と、を備えている。CM41は、通信用途のDOCSISケーブルモデムである。EMTA42は、CMとIP電話用のTAとが一体化した、電話用途で用いられる製品である。CM内蔵STB43は、DOCSISケーブルモデムとSTBとが一体化した放送用途で用いられる製品である。
ここで、ユーザに提供される各サービスの通信を行う上では、帯域制御及び優先制御等のQoS制御を行うことにより、優先度の高いサービスを確実に提供することが重要である。当該QoS制御は、同軸ケーブルC4の区間だけでなく、D−ONU31〜OLT16間の区間である光ファイバC2区間においても適切に行う必要がある。以下では、図2を参照しながら、D−ONU31〜OLT16間の区間における、サービスに応じたQoS制御に係るCMC32の機能について詳細に説明する。
図2は、図1のCMC32の機能を示すブロック図である。図2に示されるように、CMC32は、受信部321(受信手段)と、変換部322(変換手段)と、特定部323(特定手段)と、決定部324(決定手段)と、記憶部325(記憶手段)と、送信部326(送信手段)と、を有している。なお、以下では、通信機器40がIPアドレスを取得する際にDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)パケットを利用することにより実現されるCMC32の各機能を説明する。
受信部321は、双方向ブースター33及び同軸ケーブルC4を介して、通信機器40から送信されたDHCPパケット(アドレス取得用のパケット)を受信する。同軸ケーブルC4を介して受信部321が受信したDHCPパケットは、DOCSIS方式を採用したDOCSIS信号である。受信部321は、DHCPパケットを変換部322に入力する。
変換部322は、DHCPパケットをDOCSIS信号からイーサネット(登録商標)信号に変換する。変換部322は、イーサネット(登録商標)信号に変換されたDHCPパケットを特定部323に入力する。
特定部323は、DHCPパケットの送信元の通信機器40を示す機器情報を特定する。具体的には、特定部323は、DHCPパケットに含まれた、送信元の通信機器40を示すMAC(Media Access Control)アドレスを、上記機器情報として特定する。また、特定部323は、送信元の通信機器40が提供するサービスを示すサービス情報を特定する。具体的には、特定部323は、DHCPパケットに含まれたオプション情報に基づいて、サービス情報を特定する。
オプション情報とは、IPv4(Internet Protocol version 4)網の通信サービス、及び、IPv6(Internet Protocol version 6)網の通信サービスの双方において、DHCPパケットに含まれた情報である。IPv4網のDHCPパケットに含まれるオプション情報はOption60であり、IPv6網のDHCPパケットに含まれるオプション情報はOption16である。オプション情報に含まれる文字列は事前に任意に設定することができる。例えば、DOCSISケーブルモデムであるCM41から送信されるDHCPパケットに含まれるオプション情報の文字列として”docsis”を設定し、電話サービスに係るEMTA42のTA42b(図4参照)から送信されるDHCPパケットに含まれるオプション情報の文字列として”pktc”を設定し、テレビ放送サービスに係るCM内蔵STB43のSTB43b(図4参照)から送信されるDHCPパケットに含まれるオプション情報の文字列として”stb”を設定する。このようなオプション情報の文字列と提供されるサービスとの紐づけを予め設定しておくことにより、特定部323は、当該文字列からサービス情報を特定することができる。特定部323は、DHCPパケット、並びに、特定した機器情報(MACアドレス)及びサービス情報を決定部324に入力する。
決定部324は、機器情報及びサービス情報に基づいて、通信機器40からパケットを受信した際に行う制御内容を決定する。パケットを受信した際とは、DHCPパケットを受信した際に限らず、制御内容を決定した後に受信される全てのパケットを受信した際をいう。具体的には、決定部324は、サービス情報に応じたVLAN ID(識別子)をパケットに付加することを、制御内容として決定する。当該制御内容の決定は、記憶部325が記憶するVLAN IDマッピングテーブル(マッピング情報)に基づいて行われる。制御内容の決定について図3を参照して説明する。図3は、VLAN IDマッピングテーブルを示す図である。
図3に示されるように、VLAN IDマッピングテーブルMTでは、送信元の通信機器40と、オプション情報の文字列と、機器情報(MACアドレス)と、VLAN IDと、サービス情報とが関連付けられている。オプション情報の文字列”docsis”が設定されたCM41のVLAN IDとしてDが設定されている。また、オプション情報の文字列”pktc”が設定されたTA42b(図4参照)のVLAN IDとしてBが設定されている。また、オプション情報の文字列”stb”が設定されたSTB43bのVLAN IDとしてCが設定されている。さらに、オプション情報に文字列が存在しないか又は文字列が上記以外である通信機器40(その他の通信機器40)のVLAN IDとしてAが設定されている。なお、VLAN IDマッピングテーブルMTは、初期状態において、機器情報以外の項目が予め関連付けられた状態とされている。
決定部324は、特定部323から機器情報及びサービス情報が入力されると、記憶部325が記憶するVLAN IDマッピングテーブルMTを参照し、入力されたサービス情報に関連付けられたVLANIDの値を取得する。この際、決定部324は、VLAN IDマッピングテーブルMTにおいて、入力されたサービス情報に関連付けられた機器情報の項目に、入力された機器情報を設定(学習)し、VLAN IDマッピングテーブルMTを更新する。決定部324は、取得したVLAN IDの値をパケット(この場合はDHCPパケット)に付加することを決定し、DHCPパケット及び当該VLAN IDの値を送信部326に入力する。
送信部326は、決定部324により決定された制御内容に応じた制御を行う。すなわち、送信部326は、決定部324によってVLAN IDマッピングテーブルMTに基づき取得されたVLAN IDの値をDHCPパケットに付加する。そして、送信部326は、当該VLAN IDの値が付加されたDHCPパケットをD−ONU31に送信する。
図4は、VLAN IDマッピングテーブルを用いたDHCPパケット送受信を示す図である。なお、PC41xはCM41に接続されてインターネット接続等を行うPCである。また、EMTA42は、電話機42cに接続されたTA42bと、CM42aとを含んでいる。また、CM内蔵STB43は、テレビ43cに接続されたSTB43bと、CM43aとを含んでいる。
CMC32は、通信機器40から受信したDHCPパケットにVLAN IDを付加し、当該付加後のDHCPパケットをD−ONU31に送信する。これ以降、D−ONU31は、同じ通信機器40からパケットを受信すると、当該VLAN IDに応じたLLIDをパケットに付加し、当該付加後のパケットをOLT16に送信する。LLIDとは、GE−PON等の1対N型通信方式において、論理的に1対1の通信を実現するために付加される識別子である。D−ONU31〜OLT16間では、LLID毎にQoS制御を行うことが可能となっている。OLT16は、LLIDに対応するVLAN IDに再度変換し、当該VLAN IDを付加したパケットをL2/L3スイッチ15に送信する。そして、L2/L3スイッチ15は、パケットのVLAN IDに基づいてパケットの送信先を振り分けるとともに、VLAN IDに応じたQoS制御を行う。
例えば、PC41xからCMC32にDHCPパケットが送信された場合には、VLANID:Aが付加されたDHCPパケットが、CMC32からD−ONU31に対して送信される。そして、VLAN ID:Aに対応したLLID:Aが付加されたパケットがD−ONU31からOLT16に送信される。更に、OLT16からL2/L3スイッチ15に対しては、再度VLAN ID:Aが付加されたパケットが送信され、L2/L3スイッチ15において、当該VLANID:Aに基づいた送信先である通信サービスネットワーク11にパケットが送信される。
同様に、CM41,42a,43aからCMC32にDHCPパケットが送信された場合には、VLAN ID:Dが付加されたDHCPパケットが、CMC32からD−ONU31に対して送信される。そして、VLAN ID:Dに対応したLLID:Dが付加されたパケットがD−ONU31からOLT16に送信される。更に、OLT16からL2/L3スイッチ15に対しては、再度VLAN ID:Dが付加されたパケットが送信され、L2/L3スイッチ15において、当該VLANID:Dに基づいた送信先であるDOCSIS管理ネットワーク14にパケットが送信される。
同様に、TA42bからCMC32にDHCPパケットが送信された場合には、VLANID:Bが付加されたDHCPパケットが、CMC32からD−ONU31に対して送信される。そして、VLAN ID:Bに対応したLLID:Bが付加されたパケットがD−ONU31からOLT16に送信される。更に、OLT16からL2/L3スイッチ15に対しては、再度VLAN ID:Bが付加されたパケットが送信され、L2/L3スイッチ15において、当該VLANID:Bに基づいた送信先である電話サービスネットワーク12にパケットが送信される。
同様に、STB43bからCMC32にDHCPパケットが送信された場合には、VLANID:Cが付加されたDHCPパケットが、CMC32からD−ONU31に対して送信される。そして、VLAN ID:Cに対応したLLID:Cが付加されたパケットがD−ONU31からOLT16に送信される。更に、OLT16からL2/L3スイッチ15に対しては、再度VLAN ID:Cが付加されたパケットが送信され、L2/L3スイッチ15において、当該VLANID:Cに基づいた送信先である放送サービスネットワーク13にパケットが送信される。
次に、図5〜7を参照して、通信システムの処理シーケンスについて説明する。図5〜7は、通信システムの処理を示すシーケンス図である。
図5は、インターネットサービスに係るCM41(MACアドレス:1111.1111.1111)、及び、CM41に接続されたPC41x(MACアドレス:9999.9999.9999)がDHCPパケットを送信する場合の通信システム1の処理シーケンスを示している。なお、当該DHCPパケットの送受信はIPv4網で行われるものである。
まず、CM41よりCMC32に対してDHCPパケット(DHCP discover)が送信される(ステップS11)。当該DHCPパケットには、オプション情報であるOption60が含まれており、該オプション情報の文字列として”docsis”が含まれている(with option60=”docsis***”)。つづいて、CMC32により、VLAN IDマッピングテーブルMT(図3参照)に基づき、オプション情報に対応したVLANID:Dが取得され、当該VLAN ID:Dを付加(tagVLAN=D)したDHCPパケット(DHCP discover)がD−ONU31に送信される(ステップS12)。なお、VLANIDマッピングテーブルMTの機器情報にはCM41のMACアドレス:1111.1111.1111が追加されるので、その後のパケット送受信においては、CM41から受信したパケット全てにVLAN ID:Dが付加される。
つづいて、DHCPオファーメッセージ(DHCP offer)が、D−ONU31からCMC32に送信され(ステップS13)更にCMC32からCM41に送信される(ステップS14)。当該DHCPオファーメッセージによって、CM41が使用できるIPアドレスの情報がCM41に通知される。その後、CM41からD−ONU31に対してIPアドレスを要求するDHCPリクエストメッセージ(DHCP request)が送信され、当該DHCPリクエストメッセージに応答したD−ONU31からのDHCPアックメッセージ(DHCP ack)がCM41で受信されると、要求に従ったIPアドレスの設定が行われる。
上述したように、ステップS12においてCMC32からD−ONU31に送信されるDHCPパケットにはVLAN ID:Dが付加されているため、D−ONU31は、VLAN ID:Dに対応したLLID:Dを付加したパケットをOLT16に送信することが可能となる。当該VLAN IDはVLAN IDマッピングテーブルMTにおいてサービス情報と関連付けられているため、D−ONU31〜OLT16間において、パケットの送信元の通信機器40が提供しているサービスを特定することができる。
また、PC41xからもCMC32に対してDHCPパケット(DHCP discover)が送信される(ステップS15)。当該DHCPパケットには、オプション情報として設定された文字列が含まれていない(with option60=unknown or without option60)。つづいて、CMC32により、VLAN IDマッピングテーブルMT(図3参照)に基づき、オプション情報として設定された文字列が含まれていない場合のVLAN ID:Aが取得され、当該VLAN ID:Aを付加(tagVLAN=A)したDHCPパケット(DHCP discover)がD−ONU31に送信される(ステップS16)。S16の後は通常のDHCP処理が行われ、PC41xのIPアドレスが設定される。なお、VLAN IDマッピングテーブルMTの機器情報にはPC41xのMACアドレス:9999.9999.9999が追加されるので、その後のパケット送受信においては、PC41xから受信したパケット全てにVLAN ID:Aが付加される。
図6は、電話サービスに係るEMTA42のCM42a(MACアドレス:1111.1111.1112)及びTA42b(MACアドレス:2222.2222.2222)がDHCPパケットを送信する場合の通信システム1の処理シーケンスを示している。なお、当該DHCPパケットの送受信はIPv4網で行われるものである。
まず、CM42aよりCMC32に対してDHCPパケット(DHCP discover)が送信される(ステップS21)。当該DHCPパケットには、オプション情報であるOption60が含まれており、該オプション情報の文字列として”docsis”が含まれている(with option60=”docsis***”)。つづいて、CMC32により、VLAN IDマッピングテーブルMT(図3参照)に基づき、オプション情報に対応したVLANID:Dが取得され、当該VLAN ID:Dを付加(tagVLAN=D)したDHCPパケット(DHCP discover)がD−ONU31に送信される(ステップS22)。S22の後は通常のDHCP処理が行われ、CM42aのIPアドレスが設定される。なお、VLAN IDマッピングテーブルMTの機器情報にはCM42aのMACアドレス:1111.1111.1112が追加されるので、その後のパケット送受信においては、CM42aから受信したパケット全てにVLAN ID:Dが付加される。
また、TA42bからもCMC32に対してDHCPパケット(DHCP discover)が送信される(ステップS25)。当該DHCPパケットには、オプション情報であるOption60が含まれており、該オプション情報の文字列として”pktc”が含まれている(with option60=”pktc***”)。つづいて、CMC32により、VLAN IDマッピングテーブルMT(図3参照)に基づき、オプション情報に対応したVLANID:Bが取得され、当該VLAN ID:Bを付加(tagVLAN=B)したDHCPパケット(DHCP discover)がD−ONU31に送信される(ステップS26)。S26の後は通常のDHCP処理が行われ、TA42bのIPアドレスが設定される。なお、VLAN IDマッピングテーブルMTの機器情報にはTA42bのMACアドレス:2222.2222.2222が追加されるので、その後のパケット送受信においては、TA42bから受信したパケット全てにVLAN ID:Bが付加される。
図7は、放送サービスに係るCM内蔵STB43のCM43a(MACアドレス:1111.1111.1113)及びSTB43b(MACアドレス:3333.3333.3333)がDHCPパケットを送信する場合の通信システム1の処理シーケンスを示している。なお、当該DHCPパケットの送受信はIPv6網で行われるものである。
まず、CM43aよりCMC32に対してDHCPパケット(DHCPv6 solicit)が送信される(ステップS31)。当該DHCPパケットには、オプション情報であるOption16が含まれており、該オプション情報の文字列として”docsis”が含まれている(with option16=”docsis***”)。つづいて、CMC32により、VLAN IDマッピングテーブルMT(図3参照)に基づき、オプション情報に対応したVLANID:Dが取得され、当該VLAN ID:Dを付加(tagVLAN=D)したDHCPパケット(DHCPv6 solicit)がD−ONU31に送信される(ステップS32)。なお、VLANIDマッピングテーブルMTの機器情報にはCM43aのMACアドレス:1111.1111.1113が追加されるので、その後のパケット送受信においては、CM43aから受信したパケット全てにVLAN ID:Dが付加される。
つづいて、DHCPアドバタイズメッセージ(DHCPv6 advertise)がD−ONU31からCMC32に送信され(ステップS33)、更に、CMC32からCM41に送信される(ステップS34)。当該DHCPアドバタイズメッセージによって、CM43aが使用できるIPアドレスの情報がCM43aに通知される。その後、CM43aからD−ONU31に対してIPアドレスを要求するDHCPリクエストメッセージ(DHCPv6 request)が送信され、当該DHCPリクエストメッセージに応答したD−ONU31からのDHCPアックメッセージ(DHCPv6 ack)がCM43aで受信されると、要求に従ったIPアドレスの設定が行われる。
また、STB43bからもCMC32に対してDHCPパケット(DHCPv6solicit)が送信される(ステップS35)。当該DHCPパケットには、オプション情報であるOption16が含まれており、該オプション情報の文字列として”stb”が含まれている(with option16=”stb***”)。つづいて、CMC32により、VLAN IDマッピングテーブルMT(図3参照)に基づき、オプション情報に対応したVLANID:Cが取得され、当該VLAN ID:Cを付加(tagVLAN=B)したDHCPパケット(DHCP solocit)がD−ONU31に送信される(ステップS36)。S36の後は通常のDHCP処理が行われ、STB43bのIPアドレスが設定される。なお、VLAN IDマッピングテーブルMTの機器情報にはSTB43bのMACアドレス:3333.3333.3333が追加されるので、その後のパケット送受信においては、STB43bから受信したパケット全てにVLAN ID:Cが付加される。
次に、本実施形態に係るCMC32及び通信システム1の作用効果について、図8に示した比較例に係る通信システム100のパケット送受信と対比しながら説明する。図8は、比較例に係る通信システムのパケット送受信を示す図である。
比較例に係る通信システム100では、CMC132が、通信機器40から受信したパケット(例えばDHCPパケット)について、送信元の通信機器40が提供するサービス毎に区別することなく、D−ONU131に送信している。そのため、D−ONU131〜OLT116の区間においては、当該パケットがいずれのサービスに係る通信機器40から送信されたデータであるかを識別することができず、サービスに応じたQoS制御を行うことができない。また、L2/L3スイッチ115では、OLT116から受信したパケットについて、当該パケットのIPアドレスのレンジから送信先のネットワークを導出し、各ネットワークに割り当てられた適切なVLAN IDに振り分けを行う必要があり、パケットの振り分けが煩雑である。
この点、本実施形態に係るCMC32では、各サービスの通信機器40から送信されたパケットに基づいて、送信元の通信機器40を示す機器情報、及び、該通信機器40により提供されるサービスを示すサービス情報が特定される。そして、これらの情報に基づいて、該通信機器40からパケットを受信した際に行う制御内容が決定され、該制御内容に応じた制御が行われて、パケットがD−ONU31に送信される。これにより、パケット送信元の通信機器40が提供するサービスに応じて、制御内容が決定されることとなる。そして、当該制御内容に応じた制御が行われた後に、パケットがD−ONU31に送信されるので、パケットを受信したD−ONU31において、パケット送信元の通信機器40が提供しているサービスを特定することができる。このため、D−ONU31からOLT16に向かう区間においても、パケットに係るサービスに応じたQoS制御を行うことが可能となる。
提供されるサービスに応じた制御が行われたパケットがD−ONU31及びOLT16を介してL2/L3スイッチ15に送信されるので、L2/L3スイッチ15は、当該制御内容からパケット送信元の通信機器40が提供しているサービスを特定することができ、パケットを振り分けるネットワークを容易に決定することができる。
また、決定部324は、サービス情報に応じた識別子であるVLAN IDをパケットに付加することを制御内容として決定し、送信部326は、VLAN IDをパケットに付加した後に、当該付加後のパケットをD−ONU31に送信する。これにより、パケットを受信したD−ONU31が、VLAN IDに基づいてパケット送信元の通信機器40が提供しているサービスを特定することができる。また、VLAN IDによりサービスを特定するため、D−ONU31側のポート数が少ない(例えば1ポート)構成においても、パケットに係るサービスに応じたQoS制御を行うことが可能となる。
また、CMC32は、機器情報、サービス情報、及びVLAN IDを関連付けたVLAN IDマッピングテーブルMTを記憶する記憶部325を備えており、送信部326は、VLANIDマッピングテーブルMTに基づいてVLAN IDをパケットに付加し、当該付加後のパケットをD−ONU31に送信する。このようなVLAN IDマッピングテーブルMTを記憶することにより、パケット受信時の送信処理を迅速且つ簡易に行うことができる。
また、受信部321は、通信機器40からのパケットとして、通信機器40からのDHCPパケットを受信している。DHCPパケットにはオプション情報が含まれており、当該オプション情報の文字列からサービス情報を特定することができるため、サービス情報を確実に特定することができる。
本実施形態に係る通信システム1は、ユーザに提供される各サービスに係る複数のネットワーク(通信サービスネットワーク11等)に接続されたL2/L3スイッチ15と、L2/L3スイッチ15に電気的に接続されたOLT16と、OLT16との間で光通信を行うD−ONU31と、ユーザに提供される各サービスに係る複数の通信機器40、及び、D−ONU31の双方に電気的に接続されたCMC32と、を備えている。そして、L2/L3スイッチ15及びOLT16、並びに、D−ONU31及びCMC32は、それぞれLANケーブルC1,C3で接続されており、CMC32及び複数の通信機器40は、同軸ケーブルC4で接続されている。更に、CMC32は、受信部321が受信したパケットに係る同軸ケーブル用の信号を、送信部326が送信するパケットに係るLANケーブル用の信号に変換する変換部322を有している。これにより、集合住宅設備20のFTTB構成等の同軸ケーブルを用いたDOCSIS方式において、パケットに係るサービスに応じたQoS制御を適切に行うことが可能となる。
(第2実施形態)
次に、図9〜11を参照して、第2実施形態に係る通信装置及び通信システムを詳細に説明する。なお、本実施形態の説明では、上記実施形態と異なる点について主に説明する。図9は、第2実施形態に係る通信システムのWANポートマッピングテーブルを示す図である。図10は、WANポートマッピングテーブルを用いたパケット送受信を示す図である。図11及び12は、第2実施形態に係る通信システムの処理を示すシーケンス図である。
第2実施形態に係る通信システム1Aでは、CMC32Aの記憶部325が記憶するマッピング情報が、図9に示すWANポートマッピングテーブルWMTである。当該WANポートマッピングテーブルWMTにおいては、第1実施形態のVLAN IDマッピングテーブルMT(図3参照)のVLAN IDに代えて、CMC32AのWANポートが、送信元の通信機器40、オプション情報の文字列、機器情報(MACアドレス)、及びサービス情報に関連付けられている。
CMC32Aは、少なくとも、提供され得るサービスの数以上のWANポート(D−ONU31と接続可能なWANポート)を備えている。そして、決定部324は、サービス情報に応じたWANポートからパケットを送信することを、通信機器40からDHCPパケットを受信した際に行う制御内容として決定する。当該制御内容の決定は、記憶部325が記憶するWANポートマッピングテーブルWMTに基づいて行われる。
図9に示されるように、WANポートマッピングテーブルWMTでは、オプション情報の文字列”docsis”が設定されたCM41が送信元である場合のCMC32AのWANポートとしてWANポート4が設定されている。また、オプション情報の文字列”pktc”が設定されたTA42bが送信元である場合のWANポートとしてWANポート2が設定されている。また、オプション情報の文字列”stb”が設定されたSTB43bが送信元である場合のWANポートとしてWANポート3が設定されている。さらに、オプション情報に文字列が存在しないか又は文字列が上記以外である通信機器40(その他の通信機器40)が送信元である場合のWANポートとしてWANポート1が設定されている。なお、WANポートマッピングテーブルWMTは、初期状態において、機器情報以外の項目が予め関連付けられた状態とされている。
決定部324は、特定部323から機器情報及びサービス情報が入力されると、記憶部325が記憶するWANポートマッピングテーブルWMTを参照し、入力されたサービス情報に関連付けられたWANポートの値を取得する。この際、決定部324は、WANポートマッピングテーブルWMTにおいて、入力されたサービス情報に関連付けられた機器情報の項目に、入力された機器情報を設定(学習)し、WANポートマッピングテーブルWMTを更新する。決定部324は、取得したWANポートからDHCPパケットを送信することを決定し、DHCPパケット及び当該WANポートの値を送信部326に入力する。
送信部326は、決定部324により決定されたWANポートを送信ポートとして設定した後に、DHCPパケットをD−ONU31Aに送信する。なお、D−ONU31Aは、少なくとも、CMC32AのWANポートの数以上の、LANポートを備えている。D−ONU31Aは必ずしも1台でなくてもよく、複数のD−ONU31AがCMC32Aに接続され、複数のD−ONU31AのLANポートが1台のCMC32AのWANポートに接続される態様であってもよい。本実施形態では、D−ONU31Aは1台であり、D−ONU31AのLANポート1がCMC32AのWANポート1に、LANポート2がWANポート2に、LANポート3がWANポート3に、LANポート4がWANポート4に、それぞれ電気的に接続されている(図10参照)。
このようなCMC32Aによれば、パケットを受信したD−ONU31Aが、物理的なポートの違いに基づいて、パケット送信元の通信機器40が提供しているサービスを特定することができる。また、例えばD−ONU31Aを複数構成とせざるを得ない場合(例えば、各サービスが異なる事業者によって提供されている場合等)において、物理的なポートを異ならせるという簡易な構成によって、パケットに係るサービスに応じたQoS制御を行うことが可能となる。
図10に示されるように、CMC32Aは、通信機器40からDHCPパケットを受信すると、当該DHCPパケットの送信元に応じたWANポートから、当該DHCPパケットを送信する。そして、D−ONU31は、CMC32AのWANポートに対応したLANポートからパケットを受信すると、LANポート(CMC32AのWANポート)に応じたLLIDを当該パケットに付加し、付加後のパケットをOLT16に送信する。OLT16は、LLIDに対応するVLAN IDに変換し、当該VLAN IDを付加したパケットをL2/L3スイッチ15に送信する。そして、L2/L3スイッチ15は、パケットのVLAN IDに基づいてパケットの送信先を振り分けるとともに、VLAN IDに応じたQoS制御を行う。
例えば、PC41xからCMC32にDHCPパケットが送信された場合には、CMC32Aは、D−ONU31Aに対してWANポート1から当該DHCPパケットを送信する。そして、D−ONU31Aは、WANポート1に対応したLANポート1からパケットを受信すると、LANポート1に応じたLLID:Aを付加したパケットをOLT16に送信する。更に、OLT16からL2/L3スイッチ15に対しては、LLID:Aに対応するVLAN ID:Aが付加されたパケットが送信され、L2/L3スイッチ15において、当該VLANID:Aに基づいた送信先である通信サービスネットワーク11にパケットが送信される。
同様に、CM41,42a,43aからCMC32にDHCPパケットが送信された場合には、CMC32Aは、D−ONU31Aに対してWANポート4から当該DHCPパケットを送信する。そして、D−ONU31Aは、WANポート4に対応したLANポート4からパケットを受信すると、LANポート4に応じたLLID:Dを付加したパケットをOLT16に送信する。更に、OLT16からL2/L3スイッチ15に対しては、LLID:Dに対応するVLAN ID:Dが付加されたパケットが送信され、L2/L3スイッチ15において、当該VLANID:Dに基づいた送信先であるDOCSIS管理ネットワーク14にDHCPパケットが送信される。
同様に、TA42bからCMC32にDHCPパケットが送信された場合には、CMC32Aは、D−ONU31Aに対してWANポート2から当該DHCPパケットを送信する。そして、D−ONU31Aは、WANポート2に対応したLANポート2からパケットを受信すると、LANポート2に応じたLLID:Bを付加したパケットをOLT16に送信する。更に、OLT16からL2/L3スイッチ15に対しては、LLID:Bに対応するVLAN ID:Bが付加されたパケットが送信され、L2/L3スイッチ15において、当該VLANID:Bに基づいた送信先である電話サービスネットワーク12にDHCPパケットが送信される。
同様に、STB43bからCMC32にDHCPパケットが送信された場合には、CMC32Aは、D−ONU31Aに対してWANポート3から当該DHCPパケットを送信する。そして、D−ONU31Aは、WANポート3に対応したLANポート3からパケットを受信すると、LANポート3に応じたLLID:Cを付加したパケットをOLT16に送信する。更に、OLT16からL2/L3スイッチ15に対しては、LLID:Cに対応するVLAN ID:Cが付加されたパケットが送信され、L2/L3スイッチ15において、当該VLANID:Cに基づいた送信先である放送サービスネットワーク13にDHCPパケットが送信される。
次に、図11及び12を参照して、通信システム1Aの処理シーケンスについて説明する。
図11は、CM41(MACアドレス:1111.1111.1111)、及び、CM41に接続されたPC41x(MACアドレス:9999.9999.9999)がDHCPパケットを送信する場合の通信システム1の処理シーケンスを示している。なお、当該DHCPパケットの送受信はIPv4網で行われるものである。
まず、CM41よりCMC32Aに対してDHCPパケット(DHCP discover)が送信される(ステップS41)。当該DHCPパケットには、オプション情報であるOption60が含まれており、該オプション情報の文字列として”docsis”が含まれている(with option60=”docsis***”)。つづいて、CMC32Aにより、WANポートマッピングテーブルWMTに基づき、オプション情報に対応したWANポート4が取得され、当該WANポート4からD−ONU31Aに対してDHCPパケット(DHCP discover)が送信される(ステップS42)。なお、WANポートマッピングテーブルWMTの機器情報にはCM41のMACアドレス:1111.1111.1111が追加されるので、その後のパケット送受信においては、CM41から受信したパケット全てがWANポート4から送信される。
つづいて、DHCPオファーメッセージ(DHCP offer)がD−ONU31AからCMC32Aに送信され(ステップS43)、更に、CMC32AからCM41に送信される(ステップS44)。当該DHCPオファーメッセージによって、CM41が使用できるIPアドレスの情報がCM41に通知される。その後、CM41からD−ONU31Aに対してIPアドレスを要求するDHCPリクエストメッセージ(DHCP request)が送信され、当該DHCPリクエストメッセージに応答したD−ONU31AからのDHCPアックメッセージ(DHCP ack)がCM41で受信されると、要求に従ったIPアドレスの設定が行われる。
また、PC41xからもCMC32に対してDHCPパケット(DHCP discover)が送信される(ステップS45)。当該DHCPパケットには、オプション情報として設定された文字列が含まれていない(with option60=unknown or without option60)。つづいて、CMC32Aにより、WANポートマッピングテーブルWMTに基づき、オプション情報として設定された文字列が含まれていない場合のWANポート1が取得され、当該WANポート1からD−ONU31Aに対してDHCPパケット(DHCP discover)が送信される(ステップS46)。S46の後は通常のDHCP処理が行われ、PC41xのIPアドレスが設定される。なお、WANポートマッピングテーブルWMTの機器情報にはPC41xのMACアドレス:9999.9999.9999が追加されるので、その後のパケット送受信においては、PC41xから受信したパケット全てがWANポート1から送信される。
図12は、図11同様、CM41(MACアドレス:1111.1111.1111)、及び、CM41に接続されたPC41x(MACアドレス:9999.9999.9999)がDHCPパケットを送信する場合の通信システム1の処理シーケンスを示しているが、図11と異なり、DHCPパケットの送受信がIpv6網で行われている例を示している。
まず、CM41よりCMC32Aに対してDHCPパケット(DHCPv6 solicit)が送信される(ステップS51)。当該DHCPパケットには、オプション情報であるOption16が含まれており、該オプション情報の文字列として”docsis”が含まれている(with option16=”docsis***”)。つづいて、CMC32Aにより、WANポートマッピングテーブルWMTに基づき、オプション情報に対応したWANポート4が取得され、当該WANポート4からD−ONU31Aに対してDHCPパケット(DHCPv6 solicit)が送信される(ステップS52)。
つづいて、DHCPアドバタイズメッセージ(DHCPv6 advertise)がD−ONU31AからCMC32Aに送信され(ステップS53)、更に、CMC32AからCM41に送信される(ステップS54)。当該DHCPアドバタイズメッセージによって、CM41が使用できるIPアドレスの情報がCM41に通知される。その後、CM41からD−ONU31Aに対してIPアドレスを要求するDHCPリクエストメッセージ(DHCPv6 request)が送信され、当該DHCPリクエストメッセージに応答したD−ONU31AからのDHCPアックメッセージ(DHCPv6 ack)がCM41で受信されると、要求に従ったIPアドレスの設定が行われる。
また、PC41xからもCMC32に対してDHCPパケット(DHCPv6 solicit)が送信される(ステップS55)。当該DHCPパケットには、オプション情報として設定された文字列が含まれていない(with option16=unknown or without option16)。つづいて、CMC32Aにより、WANポートマッピングテーブルWMTに基づき、オプション情報として設定された文字列が含まれていない場合のWANポート1が取得され、当該WANポート1からD−ONU31Aに対してDHCPパケット(DHCP discover)が送信される(ステップS56)。S56の後は通常のDHCP処理が行われ、PC41xのIPアドレスが設定される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、DOCSIS方式によりデータ通信を行う通信システムを例に説明したがこれに限定されず、他のFTTH構成において用いられる通信システムであってもよい。