JP6107190B2 - 蛍光光源装置 - Google Patents

蛍光光源装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6107190B2
JP6107190B2 JP2013022982A JP2013022982A JP6107190B2 JP 6107190 B2 JP6107190 B2 JP 6107190B2 JP 2013022982 A JP2013022982 A JP 2013022982A JP 2013022982 A JP2013022982 A JP 2013022982A JP 6107190 B2 JP6107190 B2 JP 6107190B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorescent
periodic structure
wavelength conversion
conversion member
source device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013022982A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014153527A (ja
Inventor
井上 正樹
正樹 井上
政治 北村
政治 北村
蕪木 清幸
清幸 蕪木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ushio Denki KK
Original Assignee
Ushio Denki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ushio Denki KK filed Critical Ushio Denki KK
Priority to JP2013022982A priority Critical patent/JP6107190B2/ja
Priority to PCT/JP2014/052647 priority patent/WO2014123145A1/ja
Priority to CN201480007875.2A priority patent/CN104968995B/zh
Publication of JP2014153527A publication Critical patent/JP2014153527A/ja
Priority to US14/821,530 priority patent/US20160040857A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP6107190B2 publication Critical patent/JP6107190B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21SNON-PORTABLE LIGHTING DEVICES; SYSTEMS THEREOF; VEHICLE LIGHTING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLE EXTERIORS
    • F21S41/00Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps
    • F21S41/10Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps characterised by the light source
    • F21S41/14Illuminating devices specially adapted for vehicle exteriors, e.g. headlamps characterised by the light source characterised by the type of light source
    • F21S41/16Laser light sources

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)
  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)

Description

本発明は、励起光によって蛍光体を励起することにより、当該蛍光体から蛍光を放射する蛍光光源装置に関する。
例えばプロジェクターに用いられる緑色光源としては、従来、レーザ光を蛍光体に照射することによって、当該蛍光体から緑色光を放射する蛍光光源装置が知られている。このような蛍光光源装置の一例としては、回転ホイールの表面に蛍光体が塗布されてなる波長変換部材を備えてなり、この波長変換部材に青色領域のレーザ光を照射することによって、当該波長変換部材における蛍光体において緑色領域の光を生成する蛍光光源装置が知られている(特許文献1参照。)。
しかしながら、回転ホイールを備えた波長変換部材を利用した蛍光光源装置においては、回転ホイールを回転駆動するモーターの部品に劣化が生じて故障が生じやすく、また、駆動系自体の構成が複雑である、という問題がある。
また、蛍光光源装置の他の例としては、例えば図9に示すように、裏面に放熱用フィン64が設けられたAIN焼結体よりなる基板62の表面に、硫酸バリウム層63を介してYAG焼結体よりなる蛍光部材61が配置されてなる波長変換部材を備えてなり、この波長変換部材における蛍光部材61に、励起光として青色領域のレーザ光を照射することによって、当該蛍光部材61において緑色領域の光を生成する蛍光光源装置が知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、このような蛍光光源装置においては、高い発光効率が得られない、という問題がある。
具体的には、励起光が蛍光部材61に照射されたときに、当該蛍光部材61の表面において励起光が後方散乱されるため、励起光が蛍光部材61の内部に十分に取り込まれない、という問題がある。また、蛍光部材61内において蛍光体で生じた蛍光のうち、蛍光部材61と空気との界面に対する入射角が臨界角を超える蛍光が蛍光部材61の内部に閉じ込められるため、蛍光を効率的に利用することができない、という問題がある。
特開2011−13316号公報 特開2011−198560号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、波長変換部材に励起光が照射されたときに、当該励起光の後方散乱が抑制されると共に、波長変換部材の内部において生じた蛍光を高い効率で外部に出射することができ、従って、高い発光効率が得られる蛍光光源装置を提供することにある。
本発明の蛍光光源装置は、励起光により励起される蛍光体による波長変換部材を備えてなる蛍光光源装置であって、
前記波長変換部材は、励起光受光面とされる表面に表面側周期構造が形成され、当該表面側周期構造の周期は、前記蛍光体から放射される蛍光の回折が発生する範囲の大きさであり、裏面に裏面側周期構造が形成されており、当該裏面の外側に光反射面が設けられていることを特徴とする。
本発明の蛍光光源装置においては、前記裏面側周期構造の周期は、前記蛍光体から放射される蛍光の回折が発生する範囲の大きさであることが好ましい。
本発明の蛍光光源装置においては、前記波長変換部材は、その全体が蛍光体が含有されてなる蛍光部材よりなることが好ましい。
本発明の蛍光光源装置においては、前記波長変換部材は、蛍光体が含有されてなる蛍光部材と、当該蛍光部材の表面上に形成された、表面に周期構造を有する表面側周期構造体層、および当該蛍光部材の裏面上に形成された、裏面に周期構造を有する裏面側周期構造体層の少なくとも一方の周期構造体層とを備えていることが好ましい。
このような構成の本発明の蛍光光源装置においては、前記蛍光部材上に形成された周期構造体層の屈折率は、当該蛍光部材の屈折率の値以上であることが好ましい。
本発明の蛍光光源装置は、励起光により励起される蛍光体による波長変換部材を備えてなる蛍光光源装置であって、
前記波長変換部材は、励起光受光面とされる表面に表面側周期構造が形成され、当該表面側周期構造の周期は、前記蛍光体から放射される蛍光の回折が発生する範囲の大きさであり、裏面が粗面により形成された光拡散面とされており、当該裏面の外側に光反射面が設けられていることを特徴とする。
本発明の蛍光光源装置においては、波長変換部材における励起光受光面に表面側周期構造が形成されているため、波長変換部材に励起光が照射されたときに、当該励起光の後方散乱が抑制され、その結果、励起光を波長変換部材の内部に十分に取り込むことができる。
また、波長変換部材の裏面の外側に光反射面が設けられていると共に、当該裏面には、裏面側周期構造が形成されること、または光拡散面が粗面により形成されることによって凹凸面とされている。そのため、波長変換部材の内部において蛍光体から放射された蛍光は、当該裏面において角度を変えて光反射面で反射されることから、蛍光が波長変換部材の内部に閉じ込められることが抑制される。
従って、本発明の蛍光光源装置によれば、励起光を波長変換部材の内部に十分に取り込むことができると共に、波長変換部材内において生成された蛍光を高い効率で外部に出射することができることから、高い発光効率が得られる。
本発明の蛍光光源装置の一例における構成の概略を示す説明図である。 図1の蛍光光源装置における波長変換部材の構成を示す説明用断面図である。 波長変換部材における表面側周期構造の変形例を模式的に示す説明図である。 励起光が蛍光部材よりなる波長変換部材の表面に垂直な方向に入射した場合において、当該励起光が伝播する媒体の屈折率の変化をマクロ的に示した図であり、(a)は波長変換部材の一部を拡大して示す断面図であり、(b)は波長変換部材の表面に対して垂直な方向における位置と屈折率とのマクロ的な関係を示すグラフである。 本発明の蛍光光源装置の他の例における波長変換部材の構成を示す説明用断面図である。 本発明の蛍光光源装置の更に他の例における波長変換部材の構成を示す説明用断面図である。 本発明の蛍光光源装置のまた更に他の例における波長変換部材の構成を示す説明用断面図である。 実験例2において得られた、波長変換部材の裏面における光の反射率と、当該波長変換部材の光取出し効率との関係を示すグラフである。 従来の蛍光光源装置における波長変換部材の構成を示す説明用断面図である。
以下、本発明の蛍光光源装置の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の蛍光光源装置の一例における構成の概略を示す説明図であり、図2は、図1の蛍光光源装置における波長変換部材の構成を示す説明用断面図である。
この蛍光光源装置は、図1に示すように、青色領域の光を出射するレーザダイオード10と、このレーザダイオード10に対向して配置された、当該レーザダイオード10から出射されるレーザ光である励起光Lによって励起されて緑色領域の蛍光L1を出射する波長変換部材を有する蛍光発光部材20とを備えてなる。
レーザダイオード10と蛍光発光部材20との間における当該レーザダイオード10に接近した位置には、レーザダイオード10から入射された励起光Lを平行光線として出射するコリメータレンズ15が配置されている。また、コリメータレンズ15と蛍光発光部材20との間には、レーザダイオード10からの励起光Lを透過すると共に蛍光発光部材20における波長変換部材からの蛍光L1を反射するダイクロイックミラー16が、コリメータレンズ15の光軸に対して例えば45°の角度で傾斜した姿勢で配置されている。
ここに、図1では、1つのレーザダイオード10の光を用いているが、レーザダイオード10が複数あり、蛍光発光部材20における波長変換部材の前に集光レンズを配置させ、集光光を当該波長変換部材に照射する形態であってもよい。また、励起光はレーザダイオード10による光に限るものではなく、波長変換部材における蛍光体を励起することができるものであれば、LEDによる光を集光したものでもよく、更には、水銀、キセノン等が封入されたランプからの光であってもよい。尚、ランプやLEDのように放射波長に幅を持つ光源を利用した場合には、励起光の波長は主たる放射波長の領域である。ただし、本発明においては、これに限定されるものではない。
蛍光発光部材20は、図2に示すように、矩形の基板31の表面(図2における上面)上に、略矩形板状の蛍光部材21よりなる波長変換部材が設けられたものである。
この蛍光発光部材20は、蛍光部材21の表面(図2における上面)がレーザダイオード10に対向するように配置されており、当該表面が励起光受光面とされていると共に、蛍光出射面とされている。
また、蛍光部材21の裏面(図2における下面)および側面の各々には、例えば銀よりなる光反射膜33が設けられている。このように、蛍光部材21の裏面および側面に光反射膜33が形成されることにより、蛍光部材21の裏面および側面の外側に光反射面が設けられている。また、基板31の裏面には、例えば放熱用フィン(図示省略)が配置されている。
そして、波長変換部材を構成する蛍光部材21には、励起光受光面すなわち当該蛍光部材21の表面に、凸部(以下、「表面側凸部」ともいう。)23が周期的に配列されてなる表面側周期構造22が形成されている。また、波長変換部材の裏面すなわち蛍光部材21の裏面には、凸部(以下、「裏面側凸部」ともいう。)26が周期的に配列されてなる裏面側周期構造25が形成されている。
ここに、本明細書中において、「周期構造」とは、表面から裏面に向かうに従って小径となる凸状形状を有する周期構造体(図2においては凸部23,26)が、周期的に配列されなる構造を示す。
蛍光部材21は、単結晶または多結晶の蛍光体によって構成されている。蛍光部材21の厚みは、例えば0.05〜2.0mmである。
蛍光部材21を構成する単結晶の蛍光体は、例えば、チョクラルスキー法によって得ることができる。具体的には、坩堝内において種子結晶を溶融された原料に接触させ、この状態で、種子結晶を回転させながら鉛直方向に引き上げて当該種子結晶に単結晶を成長させることにより、単結晶の蛍光体が得られる。
また、蛍光部材21を構成する多結晶の蛍光体は、例えば以下のようにして得ることができる。先ず、母材、賦活材および焼成助剤などの原材料をボールミルなどによって粉砕処理することによって、サブミクロン以下の原材料微粒子を得る。次いで、この原材料微粒子を例えばスリップキャスト法によって焼結する。その後、得られた焼結体に対して熱間等方圧加圧加工を施すことによって、気孔率が例えば0.5%以下の多結晶の蛍光体が得られる。
蛍光部材21を構成する蛍光体の具体例としては、YAG:Ce、YAG:Pr、YAG:Sm、LuAG:Ceなどが挙げられる。このような蛍光体において、希土類元素のドープ量は、0.5mol%程度である。
蛍光部材21の表面に形成された表面側周期構造22を構成する表面側凸部23は、図2に示されているように、略錐形状であることが好ましい。
具体的に、表面側凸部23に係る略錐形状は、図2に示すような錘状(図2においては円錐状)、または図3に示すような錐台状(図3においては円錐台状)である。ここに、表面側凸部23の形状が錐台状である場合には、上底部24aの寸法(最大寸法)aは、励起光Lの波長未満とされる。例えば凸部23の形状が円錐台状であり、励起光Lの波長が445nmである場合には、円錐台状の凸部23の上底部24aの寸法(外径)は100nmである。
表面側凸部23の形状が略錘形状とされることにより、蛍光部材21の表面において励起光Lが反射することを防止または抑制することができる。このような作用が生じるのは、以下の理由による。
図4は、励起光Lが蛍光部材21の表面に垂直な方向に入射した場合において、当該励起光Lが伝播する媒体の屈折率の変化をマクロ的に示した図であり、(a)は蛍光部材21の一部を拡大して模式的に示す断面図であり、(b)は蛍光部材21の表面に対して垂直な方向における位置と屈折率とのマクロ的な関係を示すグラフである。この図4に示すように、励起光Lは、空気(屈折率が1)中から蛍光部材21(屈折率がN1 )の表面に照射されたときに、表面側周期構造22を構成する表面側凸部23のテーパ面に対して傾斜した方向から入射される。このため、マクロ的に見ると、励起光Lが伝播する媒体の屈折率は、蛍光部材21の表面に垂直な方向に向かって1からN1 に緩やかに変化することとなる。従って、蛍光部材21の表面に、屈折率が急激に変化する界面が実質的にないため、蛍光部材21の表面において励起光Lが反射することを防止または抑制することができる。
また、表面側周期構造22を構成する略錐形状の表面側凸部23において、テーパ面(側面)の傾斜角度(側面と底面とのなす角度)は、11°以上であることが好ましい。
テーパ面の傾斜角度が11°未満である場合には、テーパ面を屈折率の異なる2つの媒体の境界面とみなすようになるため、その屈折率差に従った反射光が生じてしまうおそれがある。
また、表面側周期構造22において、周期d1は、蛍光部材21を構成する蛍光体から放射される蛍光L1の回折が発生する範囲(ブラッグの条件)の大きさであることが好ましい。
具体的には、表面側周期構造22の周期d1は、蛍光体から放射される蛍光L1のピーク波長を、表面側周期構造22を構成する材料(図2においては蛍光部材21を構成する蛍光体)の屈折率で割った値(以下、「光学長さ」という。)、または、光学長さの数倍程度の値であることが好ましい。
本発明において、周期構造の周期とは、周期構造において互いに隣接する凸部間の距離(中心間距離)(nm)を意味する。
表面側周期構造22の周期d1が蛍光部材21内で生じる蛍光L1の回折が発生する範囲の大きさとされることにより、蛍光部材21の表面から蛍光L1を高い効率で外部に出射することができる。
具体的に説明すると、蛍光部材21内で生じた蛍光L1は、蛍光部材21の表面(蛍光部材21と空気との界面)に対する入射角が臨界角未満である場合には、蛍光部材21の表面を透過する透過光として無反射で蛍光部材21の表面から外部に取り出される。また、蛍光L1の蛍光部材21の表面に対する入射角が臨界角以上である場合には、例えば蛍光部材の表面が平坦面であるときには、蛍光は、当該蛍光部材の表面において全反射して波長変換部材の内部に向かうため、当該蛍光部材の表面から外部に取り出すことができない。しかしながら、蛍光部材21の表面に上記の条件を満足する周期d1を有する表面側周期構造22が形成されることにより、蛍光L1は、蛍光部材21の表面において表面側周期構造22によって回折が生じることとなる。その結果、−1次回折光として蛍光部材21の表面から出射されて外部に取り出される。
また、表面側周期構造22における周期d1に対する表面側凸部23の高さh1の比(h1/d1)であるアスペクト比は、0.2以上であることが好ましい。
この比(h1/d1)が0.2未満である場合には、高さ方向における回折の領域が狭くなるため、回折による十分な光取出し効率が得られない。
このような表面側周期構造22は、ナノインプリント法とドライエッチング処理とによって形成することができる。具体的には、平坦な表面を有する蛍光部材の当該表面に、例えばスピンコート法によってレジストを塗布し、次いで、レジストの塗布膜を例えばナノインプリント法によりパターニングする。その後、蛍光部材の表面における露出した領域に、ドライエッチング処理を施すことにより、表面側周期構造22が形成される。
蛍光部材21の面に形成された裏面側周期構造25を構成する裏面側凸部26は、円錐状である。
また、裏面側周期構造25の周期d2は、蛍光部材21を構成する蛍光体から放射される蛍光L1の回折が発生する範囲(ブラッグの条件)の大きさであることが好ましい。
具体的には、裏面側周期構造25の周期d2は、蛍光体から放射される蛍光L1のピーク波長を、裏面側周期構造25を構成する材料(図2においては蛍光部材21を構成する蛍光体)の屈折率で割った値(光学長さ)、または、光学長さの数倍程度の値であることが好ましい。
この条件を満足することにより、蛍光部材21内で生じ、当該蛍光部材21の表面に入射する蛍光L1において、入射角が臨界角未満である蛍光L1の光量を大きくすることができる。そのため、蛍光部材21内で生成された蛍光L1を高い効率で当該蛍光部材21の表面から外部に出射することができる。
具体的に説明すると、蛍光部材21内で生じ、この蛍光部材21の裏面(蛍光部材21と光反射膜33との界面)に対する入射角が臨界角以上である蛍光L1には、蛍光部材21の裏面に上記の条件を満足する周期d2を有する裏面側周期構造25が形成されていることにより、当該裏面において裏面側周期構造25によって回折が生じる。そして、−1次回折光は、蛍光部材21の裏面において光反射膜33により、法線方向(蛍光部材21の表面に対する垂直方向)に沿うようにして蛍光部材21の表面に向かって反射される。このように、裏面側周期構造25によって回折によって生じる蛍光L1の−1次回折光が、蛍光部材21の表面に対して入射角が臨界角未満となるようにして入射されることから、蛍光部材21の表面に入射する蛍光L1において、入射角が臨界角未満である蛍光L1の光量が大きくなる。
このような裏面側周期構造25は、表面側周期構造22と同様に、ナノインプリント法とドライエッチング処理とによって形成することができる。具体的には、平坦な裏面を有する蛍光部材の当該裏面に、例えばスピンコート法によってレジストを塗布し、次いで、レジストの塗布膜を例えばナノインプリント法によりパターニングする。その後、蛍光部材の裏面における露出した領域に、ドライエッチング処理を施すことにより、裏面側周期構造25が形成される。
基板31を構成する材料としては、樹脂に金属微粉末を混入させた放熱接着剤を介したアルミ基板などを用いることができる。また、基板31の厚みは、例えば0.5〜1.0mmである。また、このアルミ基板は、放熱フィンの機能を兼ね備えたものであってもよい。
上記の蛍光光源装置においては、レーザダイオード10から出射された青色領域のレーザ光である励起光Lは、コリメータレンズ15によって平行光線とされる。その後、この励起光Lは、ダイクロイックミラー16を透過して蛍光発光部材20における波長変換部材の励起光受光面すなわち蛍光部材21の表面に対して略垂直に照射される。そして、蛍光部材21においては、当該蛍光部材21を構成する蛍光体が励起され、蛍光L1が放射される。この蛍光L1は、波長変換部材の蛍光出射面すなわち蛍光部材21の表面から出射され、ダイクロイックミラー16によって垂直方向に反射された後、蛍光光源装置の外部に出射される。
この蛍光光源装置においては、波長変換部材の励起光受光面である蛍光部材21の表面に、表面側周期構造22が形成されている。そのため、蛍光部材21の表面に励起光Lが照射されたときに、当該励起光Lの後方散乱が抑制され、その結果、励起光Lを高い効率で蛍光部材21内に取り込むことができる。
また、光反射膜33が設けられた蛍光部材21の裏面には、裏面側周期構造25が形成されている。そのため、蛍光部材21内において蛍光体から放射され、当該蛍光部材21の裏面に入射した蛍光L1は、当該裏面において角度を変えて反射される。そのため、蛍光部材21内を繰り返し反射している蛍光L1の方向性を、波長変換部材の蛍光出射面である蛍光部材21の表面に対して垂直な方向とすることができる。その結果、蛍光L1が蛍光部材21内に閉じ込められることが抑制されることから、蛍光L1を高い効率で蛍光部材21の表面から外部に取り出すことができる。
しかも、表面側周期構造22の周期d1および裏面側周期構造25の周期d2が、蛍光部材21内で生じる蛍光L1の回折が発生する範囲の大きさとされていることから、より一層高い効率で蛍光L1を蛍光部材21の表面から外部に取出すことができる。
従って、この蛍光光源装置によれば、励起光Lを波長変換部材の内部に十分に取り込むことができると共に、波長変換部材の内部において生じた蛍光L1を高い効率で外部に出射することができることから、高い発光効率が得られる。
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の蛍光光源装置の他の例における波長変換部材の構成を示す説明用断面図である。
この蛍光光源装置において、蛍光発光部材20を構成する波長変換部材40は、図5に示すように、矩形の基板31上に設けられている。この波長変換部材40は、矩形板状の蛍光部材41と、この蛍光部材41の表面(図5における上面)上に形成された表面側周期構造体層42と、蛍光部材41の裏面(図5における下面)上に形成された裏面側周期構造体層44とを有している。表面側周期構造体層42には、表面に表面側周期構造43が形成されており、この表面側周期構造43は、円錐状の凸部(表面側凸部)43aが周期的に配列されてなるものである。また、裏面側周期構造体層44には、裏面に裏面側周期構造45が形成されており、この裏面側周期構造45は、円錐状の凸部(裏面側凸部)45aが周期的に配列されてなるものである。
この波長変換部材40においては、表面側周期構造体層42の表面(図5において上面)が、励起光受光面とされていると共に、蛍光出射面とされている。
また、蛍光部材41の側面、裏面側周期構造体層44の裏面(図5において下面)および側面の各々には、例えば銀よりなる光反射膜33が設けられている。このように、蛍光部材41の側面、裏面側周期構造体層44の裏面および側面に光反射膜33が形成されることにより、波長変換部材40の裏面および側面の外側に光反射面が設けられている。また、基板31の裏面には、例えば放熱用フィン(図示省略)が配置されている。基板31および蛍光部材41の構成は、当該蛍光部材41の表面および裏面に周期構造が直接形成されていないこと以外は、図1の蛍光光源装置と同様である。
表面側周期構造体層42の表面に形成された表面側周期構造43を構成する表面側凸部43aは、図1の蛍光光源装置の波長変換部材における表面側周期構造22と同様に、略錐形状であることが好ましい。表面側凸部43aの形状が略錘形状とされることによって、波長変換部材40の内部に、より一層高い効率で励起光Lを取り込むことができる。
表面側周期構造体層42の表面に形成された表面側周期構造43は、その周期d1が、蛍光部材41を構成する蛍光体から放射される蛍光の回折が発生する範囲の大きさであることが好ましい。このような条件を満足することにより、蛍光部材41を構成する蛍光体から放射される蛍光を高い効率で表面側周期構造体層42の表面から外部に取り出すことができる。
また、表面側周期構造体層42の表面側周期構造43における周期d1に対する凸部43aの高さh1の比であるアスペクト比は、図1に示す蛍光光源装置の波長変換部材における表面側周期構造22と同様である。
裏面側周期構造体層44の表面に形成された裏面側周期構造45は、その周期d2が、蛍光部材41を構成する蛍光体から放射される蛍光の回折が発生する範囲の大きさであることが好ましい。このような条件を満足することにより、蛍光部材41を構成する蛍光体から放射される蛍光を高い効率で表面側周期構造体層42の表面から外部に取り出すことができる。
表面側周期構造体層42および裏面側周期構造体層44(以下、これらをまとめて「周期構造体層」ともいう。)を構成する材料としては、屈折率が蛍光部材41の屈折率の値以上のものを用いることが好ましい。屈折率が蛍光部材41の屈折率の値より高い材料によって周期構造体層を構成することによれば、蛍光部材41と周期構造体層との界面に入射した蛍光は、当該界面を透過することによって屈折が生じる。そのため、波長変換部材40の内部で生じる蛍光は、当該波長変換部材40の裏面だけでなく、蛍光部材41と周期構造体層との界面においても角度が変えられ、その向きが法線方向(表面側周期構造体層42の表面に対する垂直方向)に近づくことから、蛍光が波長変換部材40の内部に閉じ込められることが抑制される。
また、周期構造体層の材料として蛍光部材41より高屈折率のものを用いることによれば、周期が小さい周期構造を形成することが可能となる。従って、周期構造を構成する凸部としてアスペクト比が大きくても高さが小さいものを設計することができるので、周期構造の形成が容易となる。例えば、ナノプリント法を利用する場合には、モールド(テンプレート)の作製やインプリント作業を容易に行うことができる。このとき、当該周期構造が形成されている波長変換部材40における蛍光体を励起するエネルギーは、約5W/mm2 以上の励起密度を持つため、周期構造体層を構成する材料は無機材料であることが望ましい。
周期構造体層を構成する材料としては、チタニア(屈折率2.2)、ジルコニア(屈折率1.8)、窒化珪素(屈折率2.0)などを用いることができる。
また、周期構造体層の厚みは、例えば0.1〜1.0μmである。
周期構造体層は、ゾルゲル法とナノインプリント法とを用いて形成することができる。具体的には、チタン、ジルコニウム等のアルコキシドを含むゾル状の材料を、例えばスピンコート法によって蛍光部材41の表面に塗布して、モールド(テンプレート)型を押付しつけた状態で加熱処理を行い、離型した後、熱処理を行う。この熱処理によって、反応(加水分解および縮重合)が進み、無機材料からなる周期構造体層が形成される。
上記の蛍光光源装置において、レーザダイオードから出射された青色領域のレーザ光である励起光は、コリメータレンズによって平行光線とされる。その後、この励起光は、ダイクロイックミラーを透過して蛍光発光部材における波長変換部材40の励起光受光面すなわち表面側周期構造体層42の表面に対して略垂直に照射され、当該表面側周期構造体層42を介して蛍光部材41に入射される。そして、蛍光部材41においては、この蛍光部材41を構成する蛍光体が励起される。これにより、蛍光部材41において蛍光が放射される。この蛍光は、波長変換部材40の蛍光出射面すなわち表面側周期構造体層42の表面から出射され、ダイクロイックミラーによって垂直方向に反射された後、蛍光光源装置の外部に出射される。
この蛍光光源装置においては、波長変換部材40における蛍光部材41の表面に表面側周期構造体層42が設けられており、この表面側周期構造体層42の表面によって励起光受光面が構成されている。そして、表面側周期構造体層42の表面には、表面側周期構造43が形成されている。そのため、波長変換部材40に励起光が照射されたときに、当該励起光の後方散乱が抑制され、その結果、励起光を高い効率で波長変換部材40内に取り込むことができる。
また、蛍光部材41の裏面には、裏面側周期構造45が形成された裏面側周期構造体層44が設けられており、その裏面側周期構造体層44の裏面に光反射膜33が設けられている。そのため、波長変換部材40の内部において蛍光体から放射され、当該裏面に入射した蛍光は、当該裏面において角度を変えて反射される。従って、波長変換部材40内を繰り返し反射している蛍光の方向性を、波長変換部材40の蛍光出射面に対して垂直な方向とすることができる。その結果、蛍光が波長変換部材40の内部に閉じ込められることが抑制されることから、蛍光を高い効率で波長変換部材40の表面から外部に取り出すことができる。
また、表面側周期構造43の周期d1および裏面側周期構造45の周期d2が、波長変換部材40の内部で生じる蛍光の回折が発生する範囲の大きさとされていることから、より一層高い効率で蛍光を波長変換部材40の表面から外部に取出すことができる。
更に、周期構造体層(表面側周期構造体層42および裏面側周期構造体層44)を構成する材料として、屈折率が蛍光部材41の屈折率の値より高いものが用いられていることから、この蛍光部材41と周期構造体層との界面に入射した蛍光が屈折することにより、蛍光の向きが法線方向に近づくため、表面側周期構造体層42の表面から効率よく取出される。
従って、図5の蛍光光源装置によれば、励起光を波長変換部材40の内部に十分に取り込むことができると共に、波長変換部材40の内部において生じた蛍光を高い効率で外部に出射することができることから、高い発光効率が得られる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る蛍光光源装置は、励起光により励起される蛍光体による波長変換部材において、励起光受光面とされる表面に表面側周期構造が形成され、裏面が粗面により形成された光拡散面とされており、当該裏面の外側に光反射膜が設けられていることを特徴とするものである。
ここに、本明細書中において、「粗面」とは、機械的研磨(具体的には、例えばブラスト処理等)および化学的研磨(具体的には、例えばエッチング処理等)などの粗面処理によって形成された凹凸面である。
第3の実施の形態に係る蛍光光源装置の具体例としては、例えば第1の実施の形態に係る図1の蛍光光源装置において、波長変換部材を構成する蛍光部材の裏面が、粗面により形成された光拡散面であること以外は、当該図1の蛍光光源装置と同様の構成を有するものが挙げられる。
上記の蛍光光源装置においては、レーザダイオードから出射された青色領域のレーザ光である励起光は、コリメータレンズによって平行光線とされる。その後、この励起光は、ダイクロイックミラーを透過して波長変換部材の励起光受光面すなわち蛍光部材の表面に対して略垂直に照射される。そして、波長変換部材においては、当該波長変換部材における蛍光部材を構成する蛍光体が励起され、蛍光が放射される。この蛍光は、波長変換部材の蛍光出射面すなわち蛍光部材の表面から出射され、ダイクロイックミラーによって垂直方向に反射された後、蛍光光源装置の外部に出射される。
この第3の実施の形態に係る蛍光光源装置においては、波長変換部材の励起光受光面である蛍光部材の表面に、表面側周期構造が形成されている。そのため、蛍光部材に励起光が照射されたときに、当該励起光の後方散乱が抑制され、その結果、励起光を高い効率で蛍光部材の内部に取り込むことができる。
また、光反射膜が設けられた蛍光部材の裏面は、粗面により形成された光拡散面とされている。そのため、蛍光部材内において蛍光体から放射され、当該蛍光部材の裏面に入射した蛍光は、様々な角度で反射される。そのため、波長変換部材内を繰り返し反射している蛍光の方向性を、波長変換部材の蛍光出射面である蛍光部材の表面に対して垂直な方向とすることができる。その結果、蛍光が蛍光部材の内部に閉じ込められることが抑制されることから、蛍光を高い効率で蛍光部材の表面から外部に取り出すことができる。
従って、この第3の実施の形態に係る蛍光光源装置によれば、励起光を波長変換部材の内部に十分に取り込むことができると共に、波長変換部材の内部において生じた蛍光を高い効率で外部に出射することができることから、高い発光効率が得られる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第1の実施の形態および第2の実施の形態の蛍光光源装置において、波長変換部材における裏面側周期構造は、表面から裏面に向かうに従って小径となる凸状形状を有する凸部を有するものであれば、略錐状の凸部を有するものに限定されず、その他の構造の凸部を有するものであってもよい。
具体的に、第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る蛍光光源装置を構成する波長変換部材は、その裏面側周期構造が、例えば図6に示すような半球状の凸部を有するものであってもよい。
ここに、図6の蛍光光源装置は、蛍光発光部材20を構成する蛍光部材51よりなる波長変換部材において、裏面側周期構造52を構成する凸部(表面側凸部)52aの形状が半球状であること以外は、図1の蛍光光源装置と同様の構成をするものである。
この図6の蛍光光源装置において、裏面側周期構造52の周期d2は、蛍光部材51を構成する蛍光体から放射される蛍光の回折が発生する範囲の大きさであることが好ましい。このような条件を満足することにより、蛍光部材51を構成する蛍光体から放射される蛍光を高い効率で波長変換部材の表面から外部に取り出すことができる。
また、第1の実施の形態、第2の実施の形態および第3の実施の形態に係る蛍光光源装置においては、波長変換部材における裏面側周期構造が形成されてなる裏面に、光透過性を有する部材(以下、「積重部材」ともいう。)が連設されており、光反射面が波長変換部材の裏面と離間した状態で設けられていてもよい(図7参照)。
この積重部材は、波長変換部材の裏面側に位置される表面に、当該波長変換部材における裏面側周期構造に適合した周期構造が形成されたものであり、光透過性を有する接合部材によって波長変換部材40に接合される。また、積重部材は、波長変換部材40の裏面(波長変換部材と積重部材との界面)において屈折が生じるように、裏面側周期構造が形成されている部材とは異なる屈折率を有するものとされる。
具体的に、図7の蛍光光源装置においては、蛍光部材41、表面側周期構造体層42および裏面側周期構造体層44を有する波長変換部材40の裏面に、接合部材によって蛍光部材よりなる積重部材47が接合されており、この波長変換部材40と積重部材47との積重体が矩形の基板31上に設けられている。また、波長変換部材40と積重部材47との接合体の裏面(図7における下面)および側面の各々には、例えば銀よりなる光反射膜33が設けられている。このように、波長変換部材40と積重部材47との接合体の裏面および側面に光反射膜33が形成されることにより、波長変換部材40の裏面の外側に光反射面が設けられている。また、基板31の裏面には、例えば放熱用フィン(図示省略)が配置されている。
この蛍光光源装置は、波長変換部材40における裏面側周期構造体層44の裏面に光反射膜が設けられておらず、当該波長変換部材40が、裏面および側面に光反射膜33が設けられた積重部材47を介在した状態で矩形の基板31上に設けられていること以外は、図5の蛍光光源装置と同様の構成を有するものである。また、蛍光部材よりなる積重部材47の構成は、当該積重部材47の裏面に周期構造が形成されていないこと以外は、図1の蛍光光源装置と同様である。
この図7の蛍光光源装置においては、波長変換部材40に励起光が照射されることにより、波長変換部材40における蛍光部材41に励起光が入射されると共に、当該波長変換部材40を透過した励起光が積重部材47に入射される。これにより、波長変換部材40の内部において蛍光(以下、「第1の蛍光」ともいう。)が生じ、また積重部材47の内部においても蛍光(以下、「第2の蛍光」ともいう。)が生じる。
そして、第1の蛍光は、波長変換部材40の裏面と積重部材47との界面に入射することにより、その一部が当該界面において角度を変えて反射され、他の一部が当該界面を透過することによって屈折して積重部材47に入射される。また、第2の蛍光は、波長変換部材40の裏面と積重部材47との界面に入射することにより、その一部が当該界面において角度を変えて反射され、他の一部が当該界面を透過することによって屈折して波長変換部材40に入射される。
このように、第1の蛍光および第2の蛍光は、積重部材47と裏面側周期構造体層44との界面および/または蛍光部材41と周期構造体層(表面側周期構造体層42および裏面側周期構造体層44)との界面を経ることによって波長変換部材40の表面に入射することとなる。そのため、第1の蛍光および第2の蛍光は、波長変換部材40内において界面を経ることによって角度が変えられ、よって波長変換部材40の表面に対して様々な角度で入射されることから、波長変換部材40の内部に閉じ込められることが抑制される。
第2の実施の形態に係る蛍光光源装置において、波長変換部材は、図5に示したように、蛍光部材と表面側周期構造体層と裏面側周期構造体層とよりなる構成のものに限定されず、蛍光部材と共に、表面側周期構造体層および裏面側周期構造体層の少なくとも一方を備えていれば、その他の構造を有するものであってもよい。
具体的に、第2の実施の形態に係る蛍光光源装置を構成する波長変換部材は、例えば、蛍光部材と表面側周期構造体層とよりなり、当該表面側周期構造体層の表面が励起光受光面とされ、当該蛍光部材の裏面に裏面側周期構造が形成されて光反射膜が設けられた構成のものであってもよい。また、蛍光部材と裏面側周期構造体層とよりなり、当該蛍光部材の表面に表面側周期構造が形成されて励起光受光面とされ、当該裏面側周期構造体層の裏面に光反射膜が設けられた構成のものであってもよい。
第3の実施の形態に係る蛍光光源装置において、波長変換部材は、蛍光部材よりなり、当該蛍光部材の表面が励起光受光面とされ、裏面が粗面により形成された光拡散面とされた構成のものに限定されず、励起光受光面とされる表面に表面側周期構造が形成され、裏面が粗面により形成された光拡散面とされていれば、その他の構造を有するものであってもよい。
具体的には、第3の実施の形態に係る蛍光光源装置を構成する波長変換部材は、例えば、蛍光部材と表面側周期構造体層とよりなり、当該表面側周期構造体層の表面が励起光受光面とされ、当該蛍光部材の裏面が粗面により形成された光拡散面とされて光反射膜が設けられた構成のものであってもよい。また、蛍光部材と、当該蛍光部材の裏面に形成された裏面側粗面層とを備え、当該裏面側粗面層の裏面が粗面により形成された光拡散面とされている構成のものであってもよい。
また、蛍光光源装置全体の構造は、図1に示すものに限定されず、種々の構成を採用することができる。
以下、本発明の実験例について説明する。
(実験例1)
図5に示す構成に基づいて、下記の仕様の表面側周期構造を有する波長変換部材Aを作製した。
[基板(31)]
材質:アルミ基板,寸法:25mm(縦)×25mm(横)×1mm(厚み)
[蛍光部材(41)]
材質:LuAG(屈折率=1.83,励起波長=445nm、蛍光波長=535nm),寸法:1.7mm(縦)×3.0mm(横)×130μm(厚み)
[表面側周期構造体層(42)]
材質:窒化珪素(屈折率=2.0),寸法:1.7mm(縦)×3.0mm(横)×500nm(厚み)
[表面側周期構造(43)]
凸部(43a)の形状:円錐状,周期(d1)=268nm,凸部(43a)の高さ(h1)=500nm(周期(d1)に対する凸部(43a)の高さ(h1)の比(h1/d1)=2.0)
[光反射膜(33)]
材質:銀,厚み:110nm
また、表面側周期構造体層を設けなかったこと以外は、波長変換部材Aと同様の構成および仕様の波長変換部材Bを作製した。
波長変換部材Aの励起光受光面(周期構造体層の表面)および波長変換部材Bの励起光受光面(蛍光部材の表面)の各々に、ピーク波長が445nmの励起光を照射し、当該励起光受光面における光の反射率を測定した。
その結果、波長変換部材Aにおいては、反射率が0.4%であるのに対して、波長変換部材Bにおいては、反射率が15%であり、波長変換部材Aにおいては、励起光の後方散乱が十分に抑制されることが確認された。
(実験例2)
図2に示す構成に従い、下記の仕様の波長変換部材Cを作製した。
[基板(31)]
材質:アルミ基板,寸法:25mm(縦)×25mm(横)×1mm(厚み)
[蛍光部材(21)]
材質:LuAG:Ce(屈折率=1.85,励起波長=450nm、蛍光波長=530nm),寸法:1.7mm(縦)×3.0mm(横)×130μm(厚み)
表面側周期構造(22):凸部(23)の形状:円錐状,周期(d1)=292nm,周期(d1)に対する凸部(23)の高さ(h1)の比(h1/d1)=2.0
裏面側周期構造(25):凸部(26)の形状:半径0.015mmの半球状,周期(d2)=0.03mm,凸部(26)の高さ(h)=0.01nm
[光反射膜(33)]
材質:銀,厚み:110nm
また、表面側周期構造体層を設けなかったこと以外は、波長変換部材Cと同様の構成および仕様の波長変換部材Dを作製すると共に、裏面側周期構造体層を設けなかったこと以外は、波長変換部材Cと同様の構成および仕様の波長変換部材Eを作製した。
波長変換部材C、波長変換部材Dおよび波長変換部材Eの励起光受光面(蛍光部材の表面)の各々に、ピーク波長が445nmの励起光を照射し、蛍光出射面(蛍光部材の表面)における光取出し効率、および裏面(蛍光部材の裏面)における光の反射率(裏面反射率)を測定した。結果を図8に示す。この図8において、波長変換部材Cに係る測定値を三角プロットで示し、波長変換部材Dに係る測定値を菱形プロットで示し、波長変換部材Eに係る測定値を四角プロットで示す。
その結果、波長変換部材Cにおいては、裏面側周期構造が設けられていることから、光取出し効率が十分に向上することが確認された。
この波長変換部材Cにおいては、例えば裏面反射率が98%である場合の光取出し効率が84.7%であり、裏面の反射率が98%である場合の光取出し効率が67.5%である波長変換部材Eに比して、1.25倍の取出し効率が得られている。
10 レーザダイオード
15 コリメータレンズ
16 ダイクロイックミラー
20 蛍光発光部材
21 蛍光部材
22 表面側周期構造
23 凸部(表面側凸部)
24a 上底部
25 裏面側周期構造
26 凸部(裏面側凸部)
31 基板
33 光反射膜
40 波長変換部材
41 蛍光部材
42 表面側周期構造体層
43 表面側周期構造
43a 凸部(表面側凸部)
44 裏面側周期構造体層
45 裏面側周期構造
45a 凸部(裏面側凸部)
47 積重部材
51 蛍光部材
52 裏面側周期構造
52a 凸部(裏面側凸部)
61 蛍光部材
62 基板
63 硫酸バリウム層
64 放熱用フィン

Claims (6)

  1. 励起光により励起される蛍光体による波長変換部材を備えてなる蛍光光源装置であって、
    前記波長変換部材は、励起光受光面とされる表面に表面側周期構造が形成され、当該表面側周期構造の周期は、前記蛍光体から放射される蛍光の回折が発生する範囲の大きさであり、裏面に裏面側周期構造が形成されており、当該裏面の外側に光反射面が設けられていることを特徴とする蛍光光源装置。
  2. 前記裏面側周期構造の周期は、前記蛍光体から放射される蛍光の回折が発生する範囲の大きさであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光光源装置。
  3. 前記波長変換部材は、その全体が蛍光体が含有されてなる蛍光部材よりなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蛍光光源装置。
  4. 前記波長変換部材は、蛍光体が含有されてなる蛍光部材と、当該蛍光部材の表面上に形成された、表面に周期構造を有する表面側周期構造体層、および当該蛍光部材の裏面上に形成された、裏面に周期構造を有する裏面側周期構造体層の少なくとも一方の周期構造体層とを備えていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の蛍光光源装置。
  5. 前記蛍光部材上に形成された周期構造体層の屈折率は、当該蛍光部材の屈折率以上であることを特徴とする請求項4に記載の蛍光光源装置。
  6. 励起光により励起される蛍光体による波長変換部材を備えてなる蛍光光源装置であって、
    前記波長変換部材は、励起光受光面とされる表面に表面側周期構造が形成され、当該表面側周期構造の周期は、前記蛍光体から放射される蛍光の回折が発生する範囲の大きさであり、裏面が粗面により形成された光拡散面とされており、当該裏面の外側に光反射面が設けられていることを特徴とする蛍光光源装置。
JP2013022982A 2013-02-08 2013-02-08 蛍光光源装置 Active JP6107190B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013022982A JP6107190B2 (ja) 2013-02-08 2013-02-08 蛍光光源装置
PCT/JP2014/052647 WO2014123145A1 (ja) 2013-02-08 2014-02-05 蛍光光源装置
CN201480007875.2A CN104968995B (zh) 2013-02-08 2014-02-05 荧光光源装置
US14/821,530 US20160040857A1 (en) 2013-02-08 2015-08-07 Flourescence-emitting light source unit

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013022982A JP6107190B2 (ja) 2013-02-08 2013-02-08 蛍光光源装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014153527A JP2014153527A (ja) 2014-08-25
JP6107190B2 true JP6107190B2 (ja) 2017-04-05

Family

ID=51575450

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013022982A Active JP6107190B2 (ja) 2013-02-08 2013-02-08 蛍光光源装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6107190B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016058380A (ja) * 2015-08-07 2016-04-21 ウシオ電機株式会社 蛍光光源装置
JP5900563B1 (ja) * 2014-09-09 2016-04-06 ウシオ電機株式会社 蛍光光源装置
WO2016039322A1 (ja) * 2014-09-09 2016-03-17 ウシオ電機株式会社 蛍光光源装置
JP6452363B2 (ja) * 2014-09-16 2019-01-16 スタンレー電気株式会社 波長変換体及び波長変換装置
JP6507548B2 (ja) * 2014-09-26 2019-05-08 セイコーエプソン株式会社 波長変換素子、光源装置、プロジェクター
WO2016181858A1 (ja) * 2015-05-08 2016-11-17 コニカミノルタ株式会社 光源装置及び投影装置
KR102315807B1 (ko) * 2015-09-25 2021-10-22 마테리온 코포레이션 솔더 부착을 갖는 인광체 요소를 사용하는 높은 광출력 광 변환 장치
WO2017056470A1 (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 パナソニックIpマネジメント株式会社 波長変換素子及び発光装置
EP3367141B1 (en) 2015-10-20 2020-12-16 Panasonic Semiconductor Solutions Co., Ltd. Wavelength conversion element and light-emitting device
KR102555300B1 (ko) * 2016-04-18 2023-07-19 엘지이노텍 주식회사 조명 장치
CN111788521B (zh) * 2018-03-06 2022-10-28 索尼公司 发光元件、光源装置以及投影仪
JP7108196B2 (ja) 2019-12-26 2022-07-28 日亜化学工業株式会社 発光装置、波長変換部材の製造方法及び発光装置の製造方法
WO2022123878A1 (ja) * 2020-12-10 2022-06-16 シャープ株式会社 波長変換部材、光源装置、前照灯具、および投影装置
JP7505474B2 (ja) 2021-11-19 2024-06-25 セイコーエプソン株式会社 光源装置およびプロジェクター

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0547312A (ja) * 1991-08-13 1993-02-26 Ricoh Co Ltd 蛍光体の下地層およびその製法
JP2007200782A (ja) * 2006-01-27 2007-08-09 Ricoh Opt Ind Co Ltd 蛍光体光源およびその製造方法および光源装置および照明装置
JP2012104267A (ja) * 2010-11-08 2012-05-31 Stanley Electric Co Ltd 光源装置および照明装置
JP5286393B2 (ja) * 2011-07-29 2013-09-11 シャープ株式会社 発光素子、発光装置および発光素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014153527A (ja) 2014-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6107190B2 (ja) 蛍光光源装置
JP6489829B2 (ja) 蛍光光源装置
JP6111960B2 (ja) 蛍光光源装置
JP2014082401A (ja) 蛍光光源装置
WO2014123145A1 (ja) 蛍光光源装置
JP5658600B2 (ja) 発光装置
US10208900B2 (en) Fluorescence light source device with wavelength conversion member with particular ratio between light transmission percentage and light reflection percentage
JP6356522B2 (ja) 蛍光発光部材およびその製造方法並びに蛍光光源装置
JP5900563B1 (ja) 蛍光光源装置
JP6580133B2 (ja) パターニングされた薄膜波長変換器の製造方法
JP5971148B2 (ja) 蛍光光源装置
KR102000323B1 (ko) 변환 소자 및 발광체
JP2015195098A (ja) 蛍光光源装置
WO2015041138A1 (ja) 蛍光光源装置およびその製造方法
JP6413673B2 (ja) 蛍光光源装置
JP5497520B2 (ja) 発光モジュールおよび光波長変換部材
JP2016194697A (ja) 蛍光光源装置
JP2016178087A (ja) 蛍光光源装置
US11294195B2 (en) Aperiodic nano-optical array for angular shaping of incoherent emissions
EP3356725B1 (en) Light source with diffractive outcoupling
WO2017175635A1 (ja) 蛍光光源装置
WO2024128071A1 (ja) 波長変換部材及びそれを用いた照明装置
JP2024086397A (ja) 波長変換部材及びそれを用いた照明装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160621

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6107190

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250