JP6106822B2 - 筋活動量計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、身体の筋活動量の計測方法に係り、表面筋電位の強度や強度分布から身体内部の筋活動量を計測する装置に関する。
身体の筋活動量の計測手段として、筋が活動するときに発する生体電位(筋活動電位)を計測する筋電計がよく用いられている。筋電計の主な種類には、筋に電極針を挿入して計測する針筋電計や、筋の直上の皮膚に表面電極を貼り付けて計測する表面筋電計があるが、医療診断などの特殊な分野を除けば、非侵襲で痛みがなく簡易な表面筋電計による計測が望ましい。
筋活動量は、筋線維が発する筋活動電位の総和として電気的に計測できる。この総和は筋内部の筋線維の活動頻度を表し、筋収縮力とほぼ比例する。筋活動量は、筋活動電位の時間2乗平均平方根値、いわゆる実効値により算出されるのが一般的である。表面筋電位も筋活動量にほぼ比例して増大することので、同じ計算方法で表面筋電位から筋活動量を算出することができる。
しかし、表面筋電計には、電極周辺にある筋の筋活動電位が全て重畳して計測されてしまう問題がある。特に、前腕や下腿のような多数の筋が狭い領域に密集する部位は重畳が大きくなり、特定の筋の計測が困難である。
そこで、発明者らは、前腕や下腿のような身体の慨円柱状部位に多数の表面電極を環状に貼り付けて表面筋電位の分布を計測し、身体内の電気伝導シミュレーションモデルを用いて内部の筋活動量を計算する、特開平2011−30991号に記載の発明をした。この発明により、従来は困難だった表面筋電計による多数筋密集領域における個別筋活動計測を実現した。
特開平2011−30991号
この特許文献1に記載の発明による電気伝導シミュレーションモデルでは、一つの筋は、その領域内の筋線維が均一に活動すると仮定していた。MRI等で計測部位を事前に撮影し、個々の筋の領域を特定し、筋線維の活動をこの仮定に基づいて計算していた。
しかし、筋の解剖生理学においては、一本の筋が異なる神経に支配されている場合があることがわかっている。たとえば、深指屈筋は、正中神経と尺骨神経の、2つの異なる神経に支配されている。この場合、同じ筋の領域内において必ずしも均一に筋が活動するとは限らない。つまり、この発明の手法では、筋領域を事前に特定したとしても、モデルによるシミュレーションと実際の筋活動量の分布は異なっている場合があるという問題があった。
また、深層筋の筋活動量の計算がしばしば発散するという問題もあった。これは、深層筋の筋活動電位の伝導がきわめて微弱であることに起因している。この発散は、深層筋と表層筋の表面筋電位伝導量に極端な差があることが原因である。減衰が大きく微弱な深層筋の表面筋電位と、減衰が小さく強大な表層筋の表面筋電位の比が極端に異なるために、深層筋の計算が微小な計測ノイズにきわめて敏感になっていた。
そこで本発明では、これらの問題を解決するため、個々の筋の領域を特定せず、身体内部を細かな筋ブロック領域に分割することで筋活動量の分布を計測する筋活動量計測装置を提供する。
本発明の第1の発明は、
身体の概円柱状部位の周囲に環状に配列した表面電極と、
前記表面電極における表面筋電位を計測する表面筋電位計測部と、を有する筋活動量計測装置であって、
前記身体の概円柱状部位の前記表面電極を環状に配列した位置の横断面の筋の筋活動量から、前記表面電極の位置における表面筋電位シミュレーション値を計算する表面筋電位シミュレーション部と、
前記表面筋電位シミュレーション部で計算された前記表面電極の位置における表面筋電位シミュレーション値と、前記表面筋電位計測部で計測された前記表面電極の位置における表面筋電位とを概一致させるように前記横断面の筋活動量を調整し、概一致したときの筋活動量を身体内の筋活動量と推定する筋活動量推定部と、
を具備し、
前記表面筋電位シミュレーション部は、
(ア)身体の概円柱状部位の円断面を有限要素分割により5mm以下に細かく分割した筋ブロック領域と、
(イ)前記筋ブロック領域を構成する、前記筋ブロック領域の幅の1/2以下に細かく分割した仮想筋線維と、
を想定し、
(ウ)前記筋ブロック領域の大きさを、横断面の外周付近は細かく、概中心に向かうに従い大きくして、
前記仮想筋線維の筋活動量の時間2乗平均値から、前記仮想筋線維の筋活動による表面筋電位の時間2乗平均値を計算し、
前記横断面内の筋ブロック領域について、前記仮想筋線維の筋活動による表面筋電位の時間2乗平均値の総和の平方根をとることにより、前記表面電極の位置における表面筋電位シミュレーション値を計算することを特徴とする筋活動量計測装置である。
本発明の第2の発明は、
前記筋活動量推定部が、前記表面電極の位置における表面筋電位シミュレーション値と前記表面電極の位置における表面筋電位が概一致したときの前記横断面内の仮想筋線維の筋活動量を、身体内の仮想筋線維の筋活動量と推定する第1の発明の筋活動量計測装置である。
本発明の第3の発明は、前記筋活動量推定部が、前記仮想筋線維の筋活動量を調整するときに、同じ筋ブロック領域に属する仮想筋線維の筋活動量を同一にして、前記表面筋電位シミュレーション値を計算する第2の発明の筋活動量計算装置である。
本発明の第4の発明は、前記表面電極は2個の電極が対となったバイポーラ電極であり、
前記2個の電極の間隔が異なる2以上のバイポーラ電極が、前記2個の電極の中心部を結ぶ線分の中点が概一致するよう配置された本発明の第1〜3のいずれかの筋活動量計測装置である。
本発明によれば、筋からの筋電位が複雑に重畳した表面筋電位から、個々の筋の領域を特定せず、身体内部を細かな筋ブロック領域に分割した身体内の電気伝導シミュレーションモデルにより、身体内部の筋活動量の分布を求めることが可能となる。
前腕の横断面25上の表面筋電位の分布をバイポーラ電極で計測している模式図である。 横断面25における前腕の断面図である。 前腕の電気伝導モデルの構築方法を示す模式図である。 人の表面筋電位から前記シミュレーションモデルを用いて筋活動量を計算する方法のフローチャートである。 狭い電極のみを使った場合の筋活動量計測結果である。 前腕の横断面25上に、狭い間隔のバイポーラ電極と広い間隔のバイポーラ電極を配置し、前腕の横断面25上の表面筋電位の分布を計測している模式図である。 従来のMRI撮影による筋領域の筋活動量計測結果である。 狭い間隔と広い間隔の2種類の電極を使った場合の筋活動量計測結果である。 筋活動量計測装置のブロック図である。
以下、実施例で本発明の実施形態を示す。
図1に本発明の筋活動量計測装置の一例を示す。
図1のように前腕の中心線26を概法線とする前腕の横断面25上の皮膚表面には、バイポーラ電極22が環状に配置されているものとする。バイポーラ電極とは、2つの単電極を一対としてその差動電圧を計測する電極であり、図1のバイポーラ電極22は、中心線26と概平行に並ぶ単電極が対をなしてバイポーラ電極となっている。バイポーラ電極は、前腕の周方向について概等間隔にn列配列されているものとする。筋活動量の計算精度を向上するには電極の配列数は多いほどよいが、計算精度を確保するには18ないし20以上が望ましい。このバイポーラ電極に、それぞれ便宜上の番号i=1…nを振る。
バイポーラ電極には、電極ケーブル23を介して表面筋電計測部24が接続されており、これらにより横断面25上の表面筋電位が計測されている。
次に、身体内の電気伝導シミュレーションモデルの構築方法について説明する。被計測者の横断面25における前腕の周径を測定し、同一径の円断面を構成する。この時、前腕表面の外形線17から、キャリパなどで計測された皮膚脂肪厚さだけ内側に筋ブロック領域の外形線13−1を構成する。ここでは円断面の例を示しているが、前腕形状を模するのであれば、楕円断面や断層撮影による正確な横断面形状を用いてもよい。
次に、筋ブロック領域の外形線13−1内を、表面から深層に向かうに従い徐々に大きくなるよう、細かく分割し、筋ブロック領域13を構成する。このとき、分割の大きさは概ね5mm以下とするのが望ましい。ただし、分割が細かすぎると計算速度の低下を招くことから、概ね1mm〜5mmの間とするのが望ましい。分割は、表層を概ね1mm程度、中心付近は5mm程度として大きさを表層から中心へと徐変すれば、さらに望ましい。電極−筋ブロック領域間距離は、表層では近く深層は遠い。この距離が遠いほど筋電位伝導量が急激に小さくなる。表層と深層で同じ大きさの筋ブロック領域を構成すると、表面電位への深層筋ブロック領域筋活動の寄与率が極端に小さくなり、筋活動量の計算が発散しやすくなる。そこで、深層の筋ブロック領域を大きくしてすることで表面電位への寄与率を増加し、筋活動量計算を容易にしている。筋ブロック領域の最大サイズを5mm程度としたのは、前腕内の最も小さな筋の幅にこのブロックが収まるようにするためである。
この筋ブロック領域は、例えば以下に示すVoronoi図により作成することができる。まず、表層の周上に等間隔、例えば1mmの間隔で均等に母点を配置する。次に、中心方向に向かって徐々に点間隔が広がりかつ均等に散在するように母点を配置する。この後、Voronoi図のアルゴリズムに従い、隣接する母点間を等分する垂直2等分線を作成し母点を中心とした領域に分割する、すなわち、平面内の領域が最寄りの母点に属するように分割する。
図2に、筋ブロック領域のVoronoi図の一例を示す。筋ブロック領域の分割は、表面は1mm、中心付近は4mmに、総計805個の筋ブロック領域に分割したものである。
さらに、筋ブロック領域の外形線13−1内を、さらに細かいサイズの仮想筋線維14に分割する。
ここで、仮想筋線維としたのは、各筋ブロック領域はこの仮想筋線維が集合して形成していると仮定したからである。このとき、各筋ブロック領域内における仮想筋線維の活動量は等しいと仮定することができる。この分割の大きさは、実際の筋線維の直径である20μm〜2mmであり、筋ブロック領域の最小サイズに依存する。概ね、筋ブロック領域のサイズの1/2以下にするのが望ましい。ただし、分割が細かすぎると計算速度の低下を招くことから、概ね1/2〜1/10程度に分割するのが望ましい。例えば、筋ブロック領域の最小サイズが1mmのときは、仮想筋線維の分割は概ね0.1mmから0.5mmの間が望ましい。
仮想筋線維の大きさが大きいと、筋ブロック領域の形状を正しく表すことができず、好ましくない。また、小さいと、計算に必要なメモリや時間が膨大となり好ましくない。
図3は、外形線13−1内を筋ブロック領域13と仮想筋線維14に分割した状態を模式的に示したものである。
次に、断面内の筋ブロック領域13と仮想筋線維14にそれぞれ番号を振る。仮に筋ブロック領域15の筋番号をjとし、その中にある仮想筋線維14の番号をkとして、筋j内の仮想筋線維kの位置ベクトルをxMjkとして表す。モデルの表面には、実際の前腕に配置したバイポーラ電極22の位置と同じ位置に仮想バイポーラ電極11があるものとし、身体に配置したバイポーラ電極と同じ番号を振る。仮に電極12の番号をiとして、その位置ベクトルをxEiとする。表面電極−仮想筋線維間距離16をLijkとすると、LijkはxMjkとxEiとベクトルのノルム記号||...||を用いて、数1のように表せる。このとき、表面電極−仮想筋線維間距離は、バイポーラ電極を構成するそれぞれの単電極の中心を結ぶ線分の中点から仮想筋線維の中心までの距離を指すものとする。以下、バイポーラ電極の位置を示したときは、前記の単電極の中心を結ぶ線分の中点を指すものとする。
Figure 0006106822
ここで、概円柱形状の身体部位において、部位内の筋線維の方向が中心軸方向に概ね揃っているとき、筋ブロックj内の仮想筋線維kが筋活動量の時間2乗平均値(以下、MS値とする)mjk で活動したときに表面電極i上に発生する表面筋電位の時間2乗平均値Vijk は、表面−仮想筋線維距離Lijkに対して累乗的に減衰するものとする。Vijk とmjk の関係は、数1とmjkとLijkおよびにLijk対する減衰乗数b,単位表面−仮想筋線維間距離L=1mmのときの単位筋活動量RMS値mjk=1における表面筋電位2乗平均平方根値(以下、RMS値とする)である係数Vを用いた伝達関数として次のように表される。なお、b、Vはバイポーラ電極を構成する各電極の間隔によって決まる定数であり、RMS値はMS値の平方根である。
Figure 0006106822
ここで、同一筋ブロック領域にある仮想筋線維は全て同じ筋活動量をとると仮定し筋j内の仮想筋線維は全て同じRMS値mをとるとすると、電極iにおける筋jの表面筋電位MS値Vij は、Vijk の総和として数2より次のように計算できる。
Figure 0006106822
数3のLSijを、筋jの電極iに対する総和伝達係数と呼ぶ。さらに,電極iの表面筋電位MS値V は全ての筋のMS値の総和となるため,数3より次式で表される。
Figure 0006106822
数4が、本発明の電気伝導シミュレーションモデルによる表面筋電位のシミュレーション計算式となる。これにより、各筋がそれぞれの筋活動量で活動したときの表面筋電位をモデル上で計算できる。
次に、人の表面筋電位と前記電気伝導シミュレーションモデルを用いて筋活動量を計算する方法を説明する。モデル上の仮想電極iに対応する被計測者の前腕上の表面電極iにより測定された表面筋電位MS値をVMi とする。
以下、図4のフローチャートに沿って計算方法を説明する。計算の最初に、S21に示すように数4のモデル式における各筋の筋活動量mの初期値をあらかじめ適当に決めておく。mの初期値は、計算が発散しないよう0と理論上の最大値の間となるように考えて設定され、例えば最大値の10%程度となるようにしている。
次に、S22に示すように数4のシミュレーション計算式によりシミュレーション表面筋電位RMS値Vを計算する。
ここから、人の前腕で測定した表面筋電位RMS値VMiとシミュレーション表面筋電位RMS値Vとの差eを、次のように計算する。
Figure 0006106822
数5のeから,S23に示すように差の評価関数fをRMS値の差の2乗和として次のように計算する.
Figure 0006106822
評価関数fを計算し、S24に示すように、このfが概最小となったかを判定する。fが概最小でない場合はS25に示すように筋活動量mの値を適宜変更してS22に戻りシミュレーション表面筋電位RMS値Vを再計算することを繰り返す。fが概最小となったときは、人の前腕で測定した表面筋電位RMS値の分布とシミュレーション表面筋電位が概一致したとみなし、S26に示すように、モデルの筋活動量MS値mを人の前腕の筋活動量MS値とする。
次に、本発明の筋活動量計測装置を用いて、図1のように前腕の横断面25上に電極間隔を10mmとしてバイポーラ電極(20列)を設置し筋活動量を測定した。ここで、筋ブロック領域は図2に示すようにVoronoi図を作成し、筋ブロック領域の分割は、表面は1mm、中心付近は4mmに、総計805個の筋ブロック領域に分割した。また、仮想筋線維の大きさは、0.2mmとした。
実験では、中指の近位指節関節へ屈曲負荷を与えた。前腕と手掌、中指基節をバンドで固定し、中指中節に紐をかけ手掌と反対の方向に一定荷重で引いた。このとき、被験者には荷重に対抗し、一定の姿勢で手指を静止するよう指示した。
結果を図5に示す。図中、筋活動量の大きさは黒白の濃淡で示され、白いほど活動量が大きい。この結果は、浅指屈筋と総指伸筋の領域の活性量が高いことを示すものであり、本発明の筋活動量計測装置で筋活動量を計測できることがわかる。
実施例1において、電極間隔が1種類のバイポーラ電極を用いた筋活動量計算方法を示したが、電極間隔が異なる種類のバイポーラ電極を前腕の中心軸方向に複数配置すれば、実施例1より詳細な筋活動量計測ができる。
本実施例では、図6に示すように、前腕21の横断面25上に狭い間隔のバイポーラ電極22aと、広い間隔のバイポーラ電極22bを配置し、それぞれのバイポーラ電極から得られる表面筋電位を表面筋電位計測部24で計測する。
このとき、減衰乗数bと係数Vはバイポーラ電極の電極間隔によって決まる定数であり、バイポーラ電極の電極間隔が広くなるほど減衰が緩やかになることがわかっている。このとき、狭い電極間隔のバイポーラ電極における減衰乗数と係数をbとV0N、広い電極間隔のバイポーラ電極における減衰乗数と係数をbとV0Wとおく。
シミュレーションモデル上の仮想電極を前腕21上のバイポーラ電極と同じ配置としたとき、仮想筋線維の筋活動量と表面筋電位との関係は、数2〜数4のbとVおよび総和伝達係数LSijを、狭い電極間隔のバイポーラ電極においてはbとV0NとLNSij、広い電極間隔のバイポーラ電極においてはbとV0WとLWSijに置き換えて計算できる。数2〜数4に対応する狭い電極間隔のバイポーラ電極における表面筋電位RMS値VNijk、VNij、VNiと、広い電極間隔のバイポーラ電極における表面筋電位RMS値VWijk、VWij、VWiは次式で表される。
Figure 0006106822
Figure 0006106822
Figure 0006106822
Figure 0006106822
Figure 0006106822
Figure 0006106822
数9と数12が、狭い間隔のバイポーラ電極と、広い間隔のバイポーラ電極を配置したときの電気伝導シミュレーションモデルによる表面筋電位のシミュレーション計算式となる。
本実施例における人の前腕で測定した狭い間隔のバイポーラ電極表面筋電位RMS値VMNiとVNiとの差、および広い間隔のバイポーラ電極表面筋電位RMS値VMWiとVWiとの差eは次のように定義される。
Figure 0006106822
Figure 0006106822
以下は、実施例1における筋活動量を計算する方法と同一の方法により、人の前腕の筋活動量MS値を計算する。
次に、本発明の筋活動量計測装置を用いて、図6のように前腕の横断面25上に、電極間隔を狭い間隔(15mm)と、広い間隔(45mm)でバイポーラ電極(それぞれ、20列)を設置し筋活動量を測定した。ここで、筋ブロック領域は図2に示すようにVoronoi図を作成し、筋ブロック領域の分割は、表面は1mm、中心付近は4mmに、総計805個の筋ブロック領域に分割した。また、仮想筋線維の大きさは、0.2mmとした。
実験は、実施例1に記載したのと同じ方法で中指の近位指節関節へ屈曲付加を与えた。
結果を図7に示す。図中、筋活動量の大きさは黒白の濃淡で示され、白いほど活動量が大きい。この結果は、浅指屈筋と総指伸筋の領域の活性量が高いことを示すものであり、本発明の筋活動量計測装置で筋活動量を計測できることが分かる。
この計算結果(図7)を、実施例1の電極間隔を狭い間隔(15mm)のみとした場合(図5)と比較すると、図5は表層に筋活動が集中し、内部の筋活動を低く算出している。対して、図7は、2種類の電極により、電極近傍と遠方のそれぞれの筋活動を的確に算出できることを示していることがわかる。
したがって、本実施例のように複数の電極間隔のバイポーラ電極を同時に用いると、狭い電極間隔のバイポーラ電極では減衰が大きいため電極近傍の筋の筋活動量を詳細に計算でき、広い電極間隔のバイポーラ電極では減衰が小さいため広範囲で深部の筋活動を計算できることで、詳細かつ広範囲な筋活動量の計測が可能となる。
次に、本発明の筋活動量計測装置による計測を、従来の筋活動量計測装置による計測(特開平2011−30991号)と比較した。
図8は従来方法、つまりMRI画像を基に筋領域を抽出して計測したもののであり、前腕の横断面25上に、電極間隔を狭い間隔(15mm)と、広い間隔(45mm)でバイポーラ電極(それぞれ、20列)を設置し筋活動量を測定した。実験は、実施例1に記載したのと同じ方法で中指の近位指節関節へ屈曲付加を与えたものである。
図5、7と図8とを比較すると、筋活動位置はほぼ一致しており、本発明の筋活動量計測装置の有効性を示している。すなわち、本発明の筋活動量計測装置を用いれば、MRI画像等のデータがなくとも、筋活動量を計測できることがわかる。
主な実施形態を実施例1,2に述べたが、本発明の実施形態はこれらにとどまらない。例えば、身体内の電気伝導シミュレーションモデルの構築において被計測者の前腕横断面25の外形線17と各筋の外形線13を抽出する方法は、抽出に用いる断面画像にはCTやMRIのような人体の断層撮影装置や3次元画像撮影装置による被計測者の前腕断面画像を用いるのが望ましい。前記のような装置により被計測者を撮影できないときは、別人の断層画像や屍体の断層画像から外形線を抽出して、被計測者の前腕寸法に合わせて外形線を拡大縮小させたものを用いてもよい。
筋断面の外形線13で囲まれた筋ブロック領域を仮想筋線維14に分割する場合において、仮想筋線維14の断面の幅と高さは、0.1mmの他、筋線維の平均径である20μmなどが考えられるが、断面形状を仮想筋線維で十分に再現できるサイズであればいずれでもよい。前腕では、仮想筋線維の分割サイズは断面形状を十分に再現できるサイズとして0.2mm以下が望ましい。断面形状は、三角断面、四角断面、六角断面などが考えられ、いずれを用いてもよいが、四角断面のうち正方形断面の方が分割は簡易で計算も容易なため望ましい。
実施例1、2では、身体の表面筋電位の計測においてはバイポーラ電極を配置しているが、バイポーラ電極以外にも小型電極を多数具備した電極アレイを配置してもよい。
実施例2においては、狭い間隔と広い間隔の2種類のバイポーラ電極を前腕に配置する例を述べたが、バイポーラ電極の電極間隔をさらにふやし、3種類、4種類など他種類の電極間隔を持つバイポーラ電極を用いれば、さらに詳細な筋活動量計測を行える。
評価関数fをシミュレーションRMS値と測定表面筋電位RMS値の差の絶対値の2乗和としたが、これを絶対値の3乗和や4乗和、あるいは絶対値の和にしてもよいし、絶対値の正の実数乗の和としてもよい。あるいは、評価関数fをシミュレーションMS値と測定表面筋電位MS値の差の絶対値の和、絶対値の2乗和、3乗和、4乗和、あるいは正の実数乗の和としてもよい。また、評価関数にここに示した以外の関数を加えてもよい。
実施例1、2では前腕における本発明の実施例を述べたが、本発明は前腕に限らず概円柱形の部位であれば適用できる。例えば、上腕、大腿、下腿、首のような部位にも適用できる。これらの部位で本発明を実施する場合は、前記した発明を実施するための形態および実施例において、前腕と記した部分を上腕、大腿、下腿、首と読み換えて実施する。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、筋電位計測装置の製造産業などに利用可能である。
11 シミュレーションモデル上の表面電極
12 番号iの仮想表面電極
13−1 筋ブロック領域の外形線
13 筋ブロック領域
14 筋jの中にある番号kの仮想筋線維
15 仮想筋線維に分割された筋jの外形線
16 電極−仮想筋線維間距離
17 前腕断面の外形線
21 前腕
22 表面電極
22a 狭い電極間隔のバイポーラ電極を構成する各電極
22b 広い電極間隔のバイポーラ電極を構成する各電極
23 電極ケーブル
23a 狭い電極間隔のバイポーラ電極を構成する各電極に接続された電極ケーブル
23b 広い電極間隔のバイポーラ電極を構成する各電極に接続された電極ケーブル
24 表面筋電位計測部
25 前腕の断面線
26 前腕の中心線

Claims (4)

  1. 身体の概円柱状部位の周囲に環状に配列した表面電極と、
    前記表面電極における表面筋電位を計測する表面筋電位計測部と、を有する筋活動量計測装置であって、
    前記身体の概円柱状部位の前記表面電極を環状に配列した位置の横断面の筋の筋活動量から、前記表面電極の位置における表面筋電位シミュレーション値を計算する表面筋電位シミュレーション部と、
    前記表面筋電位シミュレーション部で計算された前記表面電極の位置における表面筋電位シミュレーション値と、前記表面筋電位計測部で計測された前記表面電極の位置における表面筋電位とを概一致させるように前記横断面の筋活動量を調整し、概一致したときの筋活動量を身体内の筋活動量と推定する筋活動量推定部と、
    を具備し、
    前記表面筋電位シミュレーション部は、
    (ア)身体の概円柱状部位の円断面を有限要素分割により5mm以下に細かく分割した筋ブロック領域と、
    (イ)前記筋ブロック領域を構成する、前記筋ブロック領域幅の1/2以下に細かく分割した仮想筋線維と、
    を想定し、
    (ウ)前記筋ブロック領域の大きさを、横断面の外周付近は細かく、概中心に向かうに従い大きくして、
    前記仮想筋線維の筋活動量の時間2乗平均値から、前記仮想筋線維の筋活動による表面筋電位の時間2乗平均値を計算し、
    前記横断面内の筋ブロック領域について、前記仮想筋線維の筋活動による表面筋電位の時間2乗平均値の総和の平方根をとることにより、前記表面電極の位置における表面筋電位シミュレーション値を計算することを特徴とする筋活動量計測装置。
  2. 前記筋活動量推定部が、前記表面電極の位置における表面筋電位シミュレーション値と前記表面電極の位置における表面筋電位が概一致したときの前記横断面内の仮想筋線維の筋活動量を、身体内の仮想筋線維の筋活動量と推定する請求項1に記載の筋活動量計測装置。
  3. 前記筋活動量推定部が、前記仮想筋線維の筋活動量を調整するときに、同じ筋ブロック領域に属する仮想筋線維の筋活動量を同一にして、前記表面筋電位シミュレーション値を計算する請求項2に記載の筋活動量計測装置。
  4. 前記表面電極は2個の電極が対となったバイポーラ電極であり、
    前記2個の電極の間隔が異なる2以上のバイポーラ電極が、前記2個の電極の中心部を結ぶ線分の中点が概一致するよう配置された請求項1〜3のいずれか1項に記載の筋活動量計測装置。
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