JP6106151B2 - 非接触給電システム、送電装置、および、位置ずれ検出方法 - Google Patents

非接触給電システム、送電装置、および、位置ずれ検出方法 Download PDF

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本発明は、送電コイルを有する送電装置と、この送電コイルから非接触で送電された電力を受電する受電コイルを有する受電装置と、により構成される非接触給電システム、受電装置が備える受電コイルに非接触で電力を送電する送電コイルを備えた送電装置、および、送電コイルと受電コイルとの位置ずれを検出する位置ずれ検出方法に関する。
近年、送電装置で発生させた交流電力を非接触で受電装置に送電し、受電装置に内蔵されたバッテリを充電する非接触給電システムが普及してきている。この非接触給電システムは、例えば、電気自動車や産業用機器、携帯用電子機器などに備えられた二次電池を充電する充電システムに利用されている。非接触給電システムでは、送電装置側に備えられたコイル(送電コイル)と受電装置側に備えられたコイル(受電コイル)とを磁気結合させることで、送電装置から受電装置に電力を供給している。そのため、送電コイルと受電コイルの位置関係がずれてしまうと、電力の伝送効率が悪くなってしまう。そこで、特許文献1には、送電コイルと受電コイルの位置ずれを検出するシステムが開示されている。
特開2012−249403
特許文献1では、受電装置(車両)から電磁波を送信し、送電装置(地上側ユニット)に備えられた複数のセンサが受信し、その信号強度に基づき、送電コイルと受電コイルの位置ずれを検出している。センサは、送電コイルの中心に対して対称となるように4個設置されており、4個のセンサの信号強度が等しい場合、位置ずれが発生していない(一致している)と判断し、一方、信号強度が等しくない場合、位置ずれが発生していると判断している。しかし、周囲構造体からの反射波、周囲の車両の移動、自車両の移動などの外的要因により、信号強度が安定せず、送電コイルと受電コイルの中心点が一致していても、信号強度が等しくならないことがあり、2つのコイルの相対位置がずれていると判断されてしまう場合がある。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて創作されたものであり、外的要因によって発生する信号強度の変動に影響されることなく、位置ずれ検出が可能な非接触給電システム、送電装置、および、位置ずれ検出方法を提供することにある。
本発明の第1の側面によって提供される非接触給電システムは、送電コイルを有する送電装置と、前記送電コイルから非接触で送電された電力を受電する受電コイルを有する受電装置と、により構成される非接触給電システムであって、前記受電装置は、基準となるPN符号である基準PN符号で情報信号をスペクトル拡散したスペクトル拡散信号を送信する拡散信号送信手段を、備え、前記送電装置は、互いに異なる位置に配置され、前記スペクトル拡散信号を受信するための第1拡散信号受信手段および第2拡散信号受信手段と、前記第1拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第1PN符号を発生させ、さらに、前記第2拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第2PN符号を発生させるPN符号再生手段と、前記PN符号再生手段が発生させた前記第1PN符号と前記第2PN符号との位相差を算出する位相差算出手段と、前記位相差算出手段により算出された前記位相差に基づき、前記送電コイルと前記受電コイルの位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、を備えており、前記送電装置は、前記基準PN符号の位相を検出する基準PN符号検出手段を、さらに備え、前記位相差算出手段は、前記基準PN符号の位相と前記第1PN符号の位相との第1位相差、および、前記基準PN符号の位相と前記第2PN符号の位相との第2位相差をそれぞれ算出し、前記第1位相差と前記第2位相差との差分をとることで、前記第1PN符号と前記第2PN符号との位相差を算出することを特徴とする。本発明の第2の側面によって提供される非接触給電システムは、送電コイルを有する送電装置と、前記送電コイルから非接触で送電された電力を受電する受電コイルを有する受電装置と、により構成される非接触給電システムであって、前記受電装置は、基準となるPN符号である基準PN符号で情報信号をスペクトル拡散したスペクトル拡散信号を送信する拡散信号送信手段を、備え、前記送電装置は、互いに異なる位置に配置され、前記スペクトル拡散信号を受信するための第1拡散信号受信手段および第2拡散信号受信手段と、前記第1拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第1PN符号を発生させ、さらに、前記第2拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第2PN符号を発生させるPN符号再生手段と、前記PN符号再生手段が発生させた前記第1PN符号と前記第2PN符号との位相差を算出する位相差算出手段と、前記位相差算出手段により算出された前記位相差に基づき、前記送電コイルと前記受電コイルの位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、を備えており、前記送電装置は、前記基準PN符号を発生させる基準PN符号発生手段と、前記基準PN符号に基づく電磁波を送信する基準PN符号送信手段と、をさらに備え、前記受電装置は、前記基準PN符号に基づく電磁波を受信する基準PN符号受信手段を、さらに備え、前記拡散信号送信手段は、前記基準PN符号受信手段が受信した基準PN符号でスペクトル拡散を行うことを特徴とする。本発明の第3の側面によって提供される非接触給電システムは、送電コイルを有する送電装置と、前記送電コイルから非接触で送電された電力を受電する受電コイルを有する受電装置と、により構成される非接触給電システムであって、前記受電装置は、基準となるPN符号である基準PN符号で情報信号をスペクトル拡散したスペクトル拡散信号を送信する拡散信号送信手段を、備え、前記送電装置は、互いに異なる位置に配置され、前記スペクトル拡散信号を受信するための第1拡散信号受信手段および第2拡散信号受信手段と、前記第1拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第1PN符号を発生させ、さらに、前記第2拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第2PN符号を発生させるPN符号再生手段と、前記PN符号再生手段が発生させた前記第1PN符号と前記第2PN符号との位相差を算出する位相差算出手段と、前記位相差算出手段により算出された前記位相差に基づき、前記送電コイルと前記受電コイルの位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、を備えており、前記拡散信号送信手段は、前記受電コイルを介して、前記スペクトル拡散信号を送信することを特徴とする。
上記第2の側面および第3の側面によって提供される非接触給電システムの好ましい実施の形態においては、前記位相差算出手段は、前記第1PN符号と前記第2PN符号との相関をとることで、前記第1PN符号と前記第2PN符号との位相差を算出する。
上記第1の側面および第3の側面によって提供される非接触給電システムの好ましい実施の形態においては、前記受電装置は、前記基準PN符号を発生させる基準PN符号発生手段を、さらに備え、前記拡散信号送信手段は、前記基準PN符号発生手段が発生させた基準PN符号でスペクトル拡散を行う。
上記第1の側面ないし第3の側面によって提供される非接触給電システムの好ましい実施の形態においては、前記位置ずれ検出手段は、前記送電コイルが前記第1拡散信号受信手段の配置位置と前記第2拡散信号受信手段の配置位置とのどちら側にずれているかを検出する。
上記第1の側面および第3の側面によって提供される非接触給電システムの好ましい実施の形態においては、前記送電装置は、前記位相差算出手段が算出した位相差から、前記拡散信号送信手段から前記第1拡散信号受信手段までの距離と前記拡散信号送信手段から前記第2拡散信号受信手段までの距離との差分距離を算出する差分距離算出手段と、前記差分距離と、前記第1拡散信号受信手段と前記第2拡散信号受信手段との離間距離と、に基づき、位置ずれ距離を算出する位置ずれ距離算出手段と、をさらに備える。
上記第1の側面ないし第3の側面によって提供される非接触給電システムの好ましい実施の形態においては、前記受電装置は、前記受電コイルが前記送電コイルに接近したことを検出する近接検出手段と、前記近接検出手段により、前記受電コイルが前記送電コイルに接近したことを検出したときに、前記拡散信号送信手段を制御する制御手段と、をさらに備える。
上記第1の側面ないし第3の側面によって提供される非接触給電システムの好ましい実施の形態においては、前記送電装置は、所定周波数の起動信号を電磁波にして送信する起動信号送信手段を、さらに備え、前記受電装置は、前記起動信号を受信する起動信号受信手段を、さらに備え、前記近接検出手段は、前記起動信号受信手段が受信した起動信号の信号強度が閾値以上となったときに、前記受電コイルが前記送電コイルに接近したことを検出する。
上記第1の側面ないし第3の側面によって提供される非接触給電システムの好ましい実施の形態においては、前記第1拡散信号受信手段と前記第2拡散信号受信手段は、前記送電コイルの中心位置に対して対称的な位置に配置されている。
上記第1の側面ないし第3の側面によって提供される非接触給電システムの好ましい実施の形態においては、前記第1拡散信号受信手段と前記第2拡散信号受信手段との組を、2組備え、第1の組と第2の組とは、各組を構成する前記第1拡散信号受信手段と前記第2拡散信号受信手段とを結ぶ線分が互いに直交するように配置されている。
上記第1の側面ないし第3の側面によって提供される非接触給電システムの好ましい実施の形態においては、前記情報信号は、前記受電装置が設けられた車両に関する車両情報である。
本発明の第の側面によって提供される送電装置は、受電装置が備える受電コイルに非接触で電力を送電する送電コイルを備えた送電装置であって、前記受電装置には、所定周波数の電磁波を散乱反射させる反射体が備えられており、前記送電装置は、基準となるPN符号である基準PN符号で所定の信号をスペクトル拡散し、スペクトル拡散信号を送信する拡散信号送信手段と、互いに異なる位置に配置され、前記反射体により反射した前記スペクトル拡散信号を受信するための第1拡散信号受信手段および第2拡散信号受信手段と、前記第1拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第1PN符号を発生させ、さらに、前記第2拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第2PN符号を発生させるPN符号再生手段と、前記第1PN符号と第2PN符号とに基づき、前記送電コイルと前記受電コイルの位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、を備える。
本発明の第の側面によって提供される位置ずれ検出方法は、送電コイルと、前記送電コイルから非接触で送電された電力を受電する受電コイルと、の位置ずれを検出する位置ずれ検出方法であって、前記受電コイルを有する受電装置は、基準となるPN符号である基準PN符号で情報信号をスペクトル拡散したスペクトル拡散信号を送信する第1工程を、有し、前記送電コイルを有する送電装置は、互いに異なる位置に配置された第1拡散信号受信手段および第2拡散信号受信手段により、前記スペクトル拡散信号を受信する第2工程と、前記第1拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第1PN符号を発生させ、さらに、前記第2拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第2PN符号を発生させる第3工程と、前記第3工程によって発生させた前記第1PN符号と前記第2PN符号との位相差を算出する第4工程と、前記第4工程によって算出した前記位相差に基づき、前記送電コイルと前記受電コイルの位置ずれを検出する第5工程と、を有しており、前記送電装置は、前記基準PN符号の位相を検出する第6工程を、さらに有し、前記第4工程において、前記基準PN符号の位相と前記第1PN符号の位相との第1位相差、および、前記基準PN符号の位相と前記第2PN符号の位相との第2位相差をそれぞれ算出し、前記第1位相差と前記第2位相差との差分をとることで、前記第1PN符号と前記第2PN符号との位相差を算出することを特徴とする。本発明の第6の側面によって提供される位置ずれ検出方法は、送電コイルと、前記送電コイルから非接触で送電された電力を受電する受電コイルと、の位置ずれを検出する位置ずれ検出方法であって、前記受電コイルを有する受電装置は、基準となるPN符号である基準PN符号で情報信号をスペクトル拡散したスペクトル拡散信号を送信する第1工程を、有し、前記送電コイルを有する送電装置は、互いに異なる位置に配置された第1拡散信号受信手段および第2拡散信号受信手段により、前記スペクトル拡散信号を受信する第2工程と、前記第1拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第1PN符号を発生させ、さらに、前記第2拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第2PN符号を発生させる第3工程と、前記第3工程によって発生させた前記第1PN符号と前記第2PN符号との位相差を算出する第4工程と、前記第4工程によって算出した前記位相差に基づき、前記送電コイルと前記受電コイルの位置ずれを検出する第5工程と、を有しており、前記送電装置は、前記基準PN符号を発生させる第6工程と、前記基準PN符号に基づく電磁波を送信する第7工程と、をさらに有し、前記受電装置は、前記基準PN符号に基づく電磁波を受信する第8工程を、さらに有し、前記第1工程において、前記第8工程によって受信した基準PN符号でスペクトル拡散を行うことを特徴とする。本発明の第7の側面によって提供される位置ずれ検出方法は、送電コイルと、前記送電コイルから非接触で送電された電力を受電する受電コイルと、の位置ずれを検出する位置ずれ検出方法であって、前記受電コイルを有する受電装置は、基準となるPN符号である基準PN符号で情報信号をスペクトル拡散したスペクトル拡散信号を送信する第1工程を、有し、前記送電コイルを有する送電装置は、互いに異なる位置に配置された第1拡散信号受信手段および第2拡散信号受信手段により、前記スペクトル拡散信号を受信する第2工程と、前記第1拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第1PN符号を発生させ、さらに、前記第2拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第2PN符号を発生させる第3工程と、前記第3工程によって発生させた前記第1PN符号と前記第2PN符号との位相差を算出する第4工程と、前記第4工程によって算出した前記位相差に基づき、前記送電コイルと前記受電コイルの位置ずれを検出する第5工程と、を有しており、前記第1工程において、前記受電コイルを介して、前記スペクトル拡散信号を送信することを特徴とする。
本発明の第の側面によって提供される位置ずれ検出方法は、送電コイルと、前記送電コイルから非接触で送電された電力を受電する受電コイルと、の位置ずれを検出する位置ずれ検出方法であって、基準となるPN符号である基準PN符号で所定の信号をスペクトル拡散し、スペクトル拡散信号を送信する第1工程と、互いに異なる位置に配置された第1拡散信号受信手段および第2拡散信号受信手段により、前記第1工程により送信され、前記受電コイル側に設けられた反射体に反射して戻ってきた前記スペクトル拡散信号を受信する第2工程と、前記第1拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第1PN符号を発生させ、さらに、前記第2拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第2PN符号を発生させる第3工程と、前記第1PN符号と第2PN符号とに基づき、前記送電コイルと前記受電コイルの位置ずれを検出する第4工程と、を有する。
本発明によると、送電コイルを有する送電装置と、送電コイルから非接触で送電された電力を受電する受電コイルを有する受電装置と、により構成される非接触給電システムにおいて、情報信号を基準PN符号でスペクトル拡散変調したスペクトル拡散信号を送信し、送信されたスペクトル拡散信号を、互いに異なる位置に配置された第1拡散信号受信手段および第2拡散信号受信手段が受信する。そして、第1拡散信号受信手段が受信したスペクトル拡散信号に基づいて発生させた第1PN符号と、第2拡散信号受信手段が受信したスペクトル拡散信号に基づいて発生させた第2PN符号と、に基づき、送電コイルと受電コイルとの位置ずれを検出するようにした。これにより、受信するスペクトル拡散信号の信号強度の変動に依存せず、確実に位置ずれを検出することができる。
本発明の第1実施形態に係る充電システムの全体構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る送電装置が埋設された駐車スペースの一例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る受電装置の内部構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る送電装置を地面側から見たときの図である。 本発明の第1実施形態に係る送電装置の内部構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る送電装置を上面から見たときの図である。 再生PN符号PN1、PN2の各符号相関特性を示す図である。 再生PN符号PN1、PN2の位相差に基づく差分距離と、位置ずれ距離(相対位置)との対応関係を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る位置ずれ検出制御のうち、スペクトル拡散信号の送信制御のフロー図である。 本発明の第1実施形態に係る位置ずれ検出制御のうち、位置ずれ距離算出制御のフロー図である。 本発明の第2実施形態に係る受電装置の内部構成例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る送電装置の内部構成例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る充電システムの内部構成例を示す図である。
本発明に係る非接触給電システムの実施形態として、路上に設置された送電装置から電気自動車に搭載された受電装置に非接触で給電し、電気自動車に搭載された二次電池を充電する充電システムを例に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る充電システムの全体構成の一例を示す図である。図示するように充電システムは、駐車場や充電ステーションなどの地面に埋設された送電装置A1と、電気自動車の底面に搭載された受電装置B1と、により構成されている。送電装置A1は、高周波交流電力を発生させ、発生させた高周波交流電力を、磁気結合された一対のLC共振回路(送電回路32、受電回路10)を介して、非接触により受電装置B1に送電する。そして、受電装置B1は、受電した高周波交流電力をバッテリ13に適した電気特性に変換し、バッテリ13に供給する(バッテリ13を充電する)。送電装置A1は、例えば、図2に示すように、駐車スペースの地面に埋設されており、送電回路32は、その地面表面に、略平行に設置されている。
バッテリ13は、電気自動車に搭載され、電気自動車の動力源となる電力エネルギーを蓄積する二次電池であり、例えば、リチウム・イオン電池やニッケル水素電池などである。本実施形態では、リチウム・イオン電池を例に説明する。リチウム・イオン電池は、定電流で充電を開始し、電池電圧が所定の電圧に上昇すると、定電圧に切り換えて充電電流が所定の電流に変化するまで充電行う定電流定電圧充電方式の二次電池である。よって、受電装置B1は、この定電流定電圧充電制御を行い、定電流定電圧充電制御に適した電気特性に変換し、バッテリ13を充電する。なお、バッテリ13は、大容量のキャパシタなどであってもよい。
また、送電装置A1と受電装置B1は、互いに無線通信を行い、送電装置A1に備えられる送電回路32の送電コイル32L(後述)と受電装置B1に備えられる受電回路10の受電コイル10L(後述)との相対位置(位置ずれ)を検出する。具体的には、送電装置A1は、受電装置B1から送信されるスペクトル拡散信号を受信し、そのスペクトル拡散信号に含まれるPN(Psuedo Noise)符号に基づき、送電コイル32Lと受電コイル10Lとの位置ずれを検出する。送電装置A1は、検出した位置ずれに関する情報(以下、「位置ずれ情報」)を、送電制御に利用したり、送電装置A1に設けた図示しない報知手段に報知させたりする。また、送電装置A1は、検出した位置ずれ情報を、受電装置B1に送信し、それを受信した受電装置B1は、電気自動車の図示しない車両制御装置に提供する。そして、車両制御装置は、図示しない表示手段に表示したり、自動運転制御に利用したりする。
次に、このような充電システムを構成する送電装置A1および受電装置B1の詳細な構成について、図を用いて説明する。
まず、受電装置B1の構成について、説明する。図3は、受電装置B1内部の構成を示しており、受電装置B1は、受電回路10、整流平滑回路11、充電回路12、バッテリ13、受信アンテナ20、メモリ21、通信制御部22、および、送信アンテナ23を含んで構成される。
受電回路10は、送電装置A1の送電回路32との間で磁気結合をして、送電装置A1から送電される高周波交流電力を非接触で受電するものである。受電回路10は、例えば、複数ターンの円形コイルからなる受電コイル10Lとその受電コイル10Lに直列に接続されたキャパシタ10CとのLC共振回路で構成されている。LC共振回路の共振周波数は、受電する高周波交流電力の周波数に調整されている。受電回路10は、送電回路32が発生させた磁界内に存在すると、その磁界の影響により誘導起電力が発生し、高周波交流電力を受電する。
整流平滑回路11は、例えば、4個の整流素子をブリッジ接続したブリッジ回路で構成され、受電回路10が受電した高周波交流電力を整流平滑化して、直流電力に変換する。
充電回路12は、整流平滑回路11から出力される直流電力をバッテリ13の充電に適切な電気特性に変換し、バッテリ13を充電するものである。充電回路12は、バッテリ13に一定の充電電流を流す定電流充電の過程と、定電流充電後に、バッテリ13の電池電圧が一定となるように充電電流を制御する定電圧充電の過程とを含む定電流定電圧制御を実行する。このため、充電回路12は、充電電流を検出する電流検出器および電池電圧を検出する電圧検出器を含んで構成される。また、受電回路10が検出した充電電流および電池電圧は、随時あるいは所定時間毎に、通信制御部22に出力される。通信制御部22に出力された充電電流および電池電圧は、充電情報としてメモリ21に記憶される。
受信アンテナ20は、後述する送電装置A1の送信アンテナ23から送信される所定周波数の電磁波を受信し、後述する起動信号に変換するものである。
メモリ21は、各種車両情報を記憶する記憶媒体である。メモリ21には、車両情報として、バッテリ13の充電情報や、受電装置B1を備える電気自動車の車種情報(電気自動車のサイズ、受電コイル10Lの位置など)が記憶される。なお、メモリ21に記憶される車両情報は、これに限られるものではない。例えば、車種情報の換わりに、電気自動車の車種情報を特定するための車両IDを記憶しておいてもよい。
通信制御部22は、メモリ21に記憶される車両情報を一次変調した後、所定のPN符号でスペクトル拡散変調して、スペクトル拡散信号を発生させるものである。通信制御部22は、その機能要素として、充電情報記憶処理部22a、受信強度判定部22b、車両情報取得部22c、拡散符号発生部22d、および、拡散変調部22eを含んで、構成されている。
充電情報記憶処理部22aは、受電装置B1の充電回路12から入力される充電情報をメモリ21に書き込むものである。
受信強度判定部22bは、受信アンテナ20に接続されており、受信アンテナ20が受信した電磁波(起動信号)の信号強度(受信強度)を計測し、受信強度が閾値以上であるか否かを判定する。受信アンテナ20が受信する電磁波は、送電装置A1から送信されているものであり、電気自動車に備えられた受電装置B1と送電装置A1との距離に応じて、受信強度が変化する。これより、受信強度判定部22bは、受信強度が閾値以上となったときに、電気自動車が送電装置A1に近づいたと判定することができる。
車両情報取得部22cは、受信強度判定部22bにより受信強度が閾値以上であると判定されると、メモリ21から所定の車両情報を読み出し、拡散変調部22eに出力する。
拡散符号発生部22dは、受信強度判定部22bにより受信強度が閾値以上であると判定されると、図示しない内蔵する発振回路に基づき、所定のPN符号(以下、「基準PN符号」という)を発生させ、拡散変調部22eに出力する。拡散符号発生部22dは、基準PN符号として、例えば、最長符号系列(M系列)のPN符号を発生させる線形帰還シフトレジスタ(Linear Feedback Shift Register;LFSR)で構成される。n(nは正の整数)段で構成されるLFSRによって生成されるM系列のPN符号は、1符号周期あたり2n−1[ビット]の長さを持つ。なお、PN符号において、このビットはチップと呼ぶこともある。
拡散変調部22eは、受信強度判定部22bにより受信強度が閾値以上であると判定されると、車両情報取得部22cから入力される車両情報を所定周波数の搬送波で変調(一次変調)する。そして、一次変調された車両情報(以下、「車両情報信号」という)を拡散符号発生部22dが発生させた基準PN符号でスペクトル拡散(二次変調)する。スペクトル拡散された車両情報信号は、スペクトル拡散信号として送信アンテナ23に出力される。なお、車両情報をスペクトル拡散した後に、所定周波数の搬送波で変調することで、スペクトル拡散信号を生成するようにしてもよい。
送信アンテナ23は、拡散変調部22eから入力されるスペクトル拡散信号を電磁波として送信するものである。なお、図3において、受信アンテナ20と送信アンテナ23とをそれぞれ備えている例を説明するが、1つのアンテナで受信アンテナ20の機能と送信アンテナ23の機能を有する送受信アンテナで構成するようにしてもよい。図4は、地面から電気自動車の底面をみたときの受電装置B1の表面を示しており、図示するように、送信アンテナ23は、受電コイル10Lの中心に配置されている。
次に、送電装置A1の構成について、説明する。図5は、送電装置A1内部の構成を示しており、高周波電源30、送電制御部31、送電回路32、発振回路40、送信アンテナ42、受信アンテナ43a、43b、逆拡散復調回路44a、44b、および、通信制御部45を含んで構成される。
高周波電源30は、図示しない商用電源から入力される商用電力を全波整流し、直流電力に変換した後に、所定周波数(例えば、13.56MHz)の高周波交流電力に変換し、高周波交流電力を出力するものである。高周波電源30は、整流平滑回路、DC/DCコンバータ、パワーアンプ、フィルタ回路、および、電力検出回路を含んで構成される。
整流平滑回路は、商用電源から入力される商用電圧(例えば、AC200[V])を整流平滑化して直流電圧に変換するものである。商用電源としては、三相交流電源や単相交流電源が用いられる。整流平滑回路は、DC/DCコンバータに接続され、整流平滑回路によって整流平滑化された直流電圧は、DC/DCコンバータに送られる。DC/DCコンバータは、入力される直流電圧を所望の直流電圧に変換するものである。DC/DCコンバータは、パワーアンプに接続され、DC/DCコンバータによって所望の値に変換された直流電圧は、パワーアンプに送られる。
パワーアンプは、D級アンプやE級アンプなどで構成され、DC/DCコンバータによって変換された直流電圧を高周波交流電圧に変換するものである。パワーアンプは、送電制御部31から入力される高周波信号によってスイッチング素子をオン・オフ駆動することにより、高周波信号と同一の周期を有し、DC/DCコンバータから入力される直流電圧に依存した振幅の高周波電圧を発生させる。すなわち、DC/DCコンバータの出力電圧を制御することによってパワーアンプから出力される高周波電圧を制御することができる。フィルタ回路は、パワーアンプから出力される高周波交流電圧のうち、高調波成分を減衰し正弦波として出力するものである。すなわち、フィルタ回路は、ローパスフィルタとして機能する。フィルタ回路によって高調波成分が減衰された交流電圧は、電力検出回路に送られる。
電力検出回路は、例えば方向性結合器によって構成され、伝送線を伝搬する進行波電力および反射波電力を検出するものである。検出された進行波電力および反射波電力は送電制御部31に出力される。なお、高周波電源30の構成は、これに限られるものではなく、所定周波数の高周波交流電力を発生させることができるものであればよい。
送電制御部31は、高周波電源30のパワーアンプを制御するものである。送電制御部31は、高周波電源30の電力検出回路より入力される進行波電力および反射波電力に基づいて高周波信号を生成し、生成した高周波信号を入力することで、パワーアンプを制御する。また、後述する通信制御部45から入力される指示に基づき、パワーアンプへの高周波信号の入力を開始することで、高周波電源30からの高周波交流電力の発生を開始させる。
送電回路32は、受電装置B1の受電回路10との間で磁気結合をして、高周波電源30によって発生された高周波交流電力を非接触で送電するものである。送電回路32は、受電回路10と同一の構成を有し、複数ターンの円形コイルからなる送電コイル32Lとその送電コイル32Lに直列に接続されたキャパシタ32CとのLC共振回路で構成されている。LC共振回路の共振周波数は、送電する高周波交流電力の周波数に調整されている。送電回路32は、高周波電源30から高周波交流電力が入力されると、磁界を発生させる。
発振回路40は、発振により所定周波数の搬送波信号(起動信号)を生成するものであり、送信アンテナ42は、発振回路40が生成した起動信号を電磁波として送信するものである。このとき、送信アンテナ42から出力される電磁波は微弱なものでよい。送信する電磁波を微弱なものとすることで、送電装置A1の消費電力量を低減させることができる。
受信アンテナ43a、43bは、受電装置B1から送信されるスペクトル拡散信号を受信するものである。なお、説明の便宜上、受信アンテナ43aが受信したスペクトル拡散信号をSS1、受信アンテナ43bが受信したスペクトル拡散信号をSS2とする。受信アンテナ43a、43bは、送電コイル32Lの中心位置に対して、対称的な位置に配置される。本発明に係る送電コイル32Lと受電コイル10Lとの位置ずれ検出では、受信アンテナ43a、43bを結ぶ線分方向(以降、「検出方向」という)の位置ずれを検出することができる。受信アンテナ43a、43bは、図6(a)に示すように、送電コイル32Lの外側で、電気自動車の進行方向に対して直交する方向(駐車スペースの幅員方向)に並ぶように配置されている。
また、受信アンテナ43a、43bは、2個1組として、複数組設けることも可能である。本発明においては、上記のとおり、1組の受信アンテナ43a、43bの検出方向毎にその検出方向に対する位置ずれを検出することができるため、例えば、図6(b)に示すように、駐車スペースの幅員方向の他、電気自動車の進行方向にも1組の受信アンテナ43a’、43b’を設置することで、前後左右の位置ずれ検出が可能となり、送電コイル32Lと受電コイル10Lとの位置ずれを、より高精度に検出することができる。
逆拡散復調回路44a、44bは、受信アンテナ43a、43bが受信したスペクトル拡散信号を逆拡散し、車両情報信号に復調するものである。逆拡散復調回路44a、44bは、図示しない電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator;VCO)により発振したクロック周波数に基づき、予め設定された基準PN符号と同系列のPN符号(以下、「再生PN符号」という)を発生させる。そして、発生させた再生PN符号でスペクトル拡散信号を逆拡散し、車両情報信号に復調する。逆拡散復調回路44a、44bは、逆拡散を行うとき、発生させる再生PN符号とスペクトル拡散信号に含まれるPN符号(以下、「受信PN符号」)との位相を一致させるために、符号同期回路を含んで構成される。符号同期回路は、再生PN符号の位相と受信PN符号の位相とを一致(同期)させるための同期捕捉と、その同期を保持するための捕捉追跡とを実行する。符号同期回路は、例えば、スライディング相関方式の同期捕捉回路と、遅延ロックドループ(Delay Locked Loop;DLL)と呼ばれる捕捉追跡回路と、を組み合わせた回路構成である。なお、符号同期回路は、上述するものに限定されず、他の方式の同期捕捉回路や他の方式の捕捉追跡回路であってもよい。
同期捕捉では、VCOの制御電圧を制御することで、再生PN符号の位相を少しずつ変化させる。そして、発生させた再生PN符号と受信PN符号との相関出力を監視して、相関出力が最大となるところを見つける。このような処理を行うことで、±Tc/2以内(Tc:PN符号の1チップ幅)の精度で正しい位相の再生PN符号を探し出す。同期捕捉により正しい位相が見つかると、捕捉追跡を実行し、位相同期を保持する。捕捉追跡では、DLLからの出力をVCOの制御電圧に加えることで、クロック周波数の微調整を行い、クロックの位相を補正し、同期を保持する。
逆拡散復調回路44a、44bは、上記符号同期回路により、再生PN符号と受信PN符号とで同期がとれると、この同期がとれた(位相が同じ)再生PN符号を、通信制御部45に出力する。また、逆拡散復調回路44a、44bのうちいずれか一方あるいはその両方は、同期がとれた再生PN符号で、スペクトル拡散信号を逆拡散し、車両情報信号に復調して、通信制御部45に出力する。以下の本実施形態および図5では、逆拡散復調回路44aのみが、車両情報を通信制御部45に出力するものとして、説明する。
逆拡散復調回路44aは、受信アンテナ43aに接続され、受信アンテナ43aから入力されるスペクトル拡散信号SS1に基づき、再生PN符号PN1を発生させる。同様に、逆拡散復調回路44bは、受信アンテナ43bに接続され、受信アンテナ43bから入力されるスペクトル拡散信号SS2に基づき、再生PN符号PN2を発生させる。なお、本発明の特許請求の範囲において、この逆拡散復調回路44a、44bをまとめて、PN符号再生手段としている。
通信制御部45は、逆拡散復調回路44a、44bから入力される2つの再生PN符号PN1、PN2の位相に基づき、送電コイル32Lと受電コイル10Lとの位置ずれを検出する。また、通信制御部45は、逆拡散復調回路44a、44bから入力される車両情報信号に基づき、送電制御部31に対して指示を出す。通信制御部45は、その機能要素として、位相差算出部45a、距離算出部45b、位置ずれ情報処理部45c、車両情報復調部45d、および、車両情報処理部45eを含んで構成される。なお、通信制御部45は、1組の受信アンテナ43a、43bが複数組設けている場合は、その組の検出方向毎に、位置ずれを検出する。
位相差算出部45aは、逆拡散復調回路44a、44bから入力される2つの再生PN符号PN1、PN2の位相を比較し、その比較結果(位相差θ)を出力するものである。再生PN符号PN1、PN2の位相は、送信アンテナ23から受信アンテナ43a、43bまでをスペクトル拡散信号が伝搬する時間に応じて、変化する。よって、この位相差θを求めることにより、送信アンテナ23が受信アンテナ43aと受信アンテナ43bのどちらの方向に寄っているかを算出することができる。この位相差θは、再生PN符号PN1の位相を基準として、再生PN符号PN2の位相の方が進んでいる場合(つまり、送信アンテナ23が受信アンテナ43b側に寄っている場合)、負の値とし、反対に、再生PN符号PN2の位相の方が遅れている場合(つまり、送信アンテナ23が受信アンテナ43a側に寄っている場合)、正の値として、算出される。また、送信アンテナ23が受信アンテナ43a、43bのいずれにも寄っていない(つまり、検出方向の位置ずれはなく、受信アンテナ43a、43bを結ぶ線分の垂直二等分線上に存在する)場合は、位相差θは、0(ゼロ)となる。
この位相差算出部45aが行う位相差θの算出方法について、詳細に説明する。まず、位相差算出部45aは、逆拡散復調回路44a、44bから入力される再生PN符号PN1、PN2の排他的論理和(EXOR)をとり、その結果を1周期分積分したものを符号位相差出力として算出する。そして、位相差算出部45aは、算出した符号位相差出力により、再生PN符号PN1の位相と再生PN符号PN2の位相がどれぐらいずれているか(位相差の大きさ(絶対値)|θ|)を求める。2つの再生PN符号PN1、PN2が同位相の場合(つまり、位相差θが0(ゼロ)の場合)、符号位相差出力は0(ゼロ)となる。一方、完全に反転した符号の場合、符号位相差出力は最大値となる。本実施形態では、M系列のPN符号を用いているので、1チップ以上位相がずれている場合、符号位相差出力は、完全に反転した符号の場合に得られる値(最大値)の約半分程度になる。また、1チップ以内で位相がずれている場合は、位相のずれ量に応じて線形的に増加する。これにより、符号位相差出力を算出することで、位相差θの大きさ(絶対値)|θ|を求めることができる。
位相差算出部45aは、位相差の大きさ|θ|を求めると、続いて、送信アンテナ23が受信アンテナ43a、43bのどちら側に寄っているかを判定する。すなわち、位相差θが、+(プラス)であるか−(マイナス)であるかを判定する。この位相差θの正負を判定するために、位相差算出部45aは、PN符号の1チップ幅をTcとして、再生PN符号PN1の位相を、意図的に−Tc/2ずらした(Tc/2位相を進めた)再生PN符号PN1’と、+Tc/2ずらした(Tc/2位相を遅らせた)再生PN符号PN1’’と、をそれぞれ生成する。そして、再生PN符号PN1’と再生PN符号PN2との符号相関値P1、および、再生PN符号PN1’’と再生PN符号PN2との符号相関値P2を算出し、その2つ符号相関値の差分(P2−P1)を求めることで、位相差θの正負を判定する。符号相関値は、符号の信号波形の似ている度合いを示す指数であり、例えば、両符号の積を1周期分積分して正規化したものである。符号相関値は、両符号の位相が一致することで信号波形が一致した場合に「1」になり、位相のずれが±Tc/2以内の場合、位相のずれ量に応じて線形的に減少する。このとき、符号相関値P1は、図7(a)に示す特性が得られ、符号相関値P2は、図7(b)に示す特性が得られる。図7(a)、(b)は、1チップ幅の三角形の符号相関値を持ち、ともに同じ形ではあるが、遅延量(Tc)だけずれている。また、2つの符号相関値P1、P2の差分(P2−P1)の差分は、図7(c)のような特性が得られる。
位相差算出部45aは、この図7(c)に示す特性に基づき、符号相関値の差分が0(ゼロ)(P1=P2)のとき、送信アンテナ23が、受信アンテナ43aおよび受信アンテナ43bと等距離の位置である(検出方向の位置ずれは発生していない)と判定する。また、位相差算出部45aは、符号相関値の差分が正の値(P1<P2)のとき、送信アンテナ23が受信アンテナ43a側に寄っていると判定し、一方、符号相関値の差分が負の値(P1>P2)のとき、送信アンテナ23が受信アンテナ43b側に寄っていると判定する。位相差算出部45aは、符号相関値の差分が正の値のとき、位相差θを正の値にし、符号相関値の差分が負の値のとき、位相差θを負の値にする。
位相差算出部45aは、以上のような算出方法により、再生PN符号PN1の位相に対して、再生PN符号PN2の位相が進んでいるか遅れているかの情報を含んだ、再生PN符号PN1と再生PN符号PN2の位相差θを算出し、距離算出部45bに出力する。
距離算出部45bは、位相差算出部45aから入力される位相差θから、送信アンテナ23から受信アンテナ43aまでの距離D1と、送信アンテナ23から受信アンテナ43bまでの距離D2との差(D2−D1)を算出する。そして、算出した距離差(差分距離)から、送電コイル32Lと受電コイル10Lとの位置ずれ量(位置ずれ距離)を算出する。この位置ずれ距離は、送信アンテナ23が1組の受信アンテナ43a、43bの検出方向に対して、どれほどずれているかを示す距離(つまり、受信アンテナ43aと受信アンテナ43bとを結ぶ線分の垂直二等分線からの距離)である。そして、距離算出部45bは、算出した位置ずれ距離を位置ずれ情報として、位置ずれ情報処理部45cに出力する。
ここで、再生PN符号PN1と再生PN符号PN2の位相差θは、送信アンテナ23から受信アンテナ43a、43bへの伝搬時間の差に比例し、伝搬時間の差は、これらの距離差に比例する。よって、2つの再生PN符号PN1、PN2の位相差θからその距離差が、計算される。また、位相差算出部45aから入力される位相差θが正の値のとき、再生PN符号PN2の位相が再生PN符号PN1の位相より遅れているため、距離D1より距離D2の方が長いことになり、D2−D1は正の値になる。一方、位相差算出部45aから入力される位相差θが負の値のとき、再生PN符号PN2の位相が再生PN符号PN1の位相より進んでいるため、距離D1より距離D2の方が短いことになり、D2−D1は負の値になる。
検出方向における送電コイル32Lと受電コイル10Lとの相対位置は、差分距離(D2−D1)との間に、例えば図8に示すような関係にある。この関係は、差分距離(D2−D1)、1組の受信アンテナ43a、43b間の離間距離L、および、電気自動車の底面(すなわち送信アンテナ23)から受信アンテナ43a、43bまでの高さに基づいて幾何学的に計算される。なお、この高さ情報は、後述する車両情報復調部45dにより復調された車両情報(車種情報)に基づき、特定することができる。
以上のことから、距離算出部45bは、入力される位相差θに基づき、その差分距離D2−D1を算出し、算出した差分距離D2−D1の値から、図8に示す関係により、位置ずれ距離を算出する。例えば、距離算出部45bは、算出した差分距離がΔDであった場合、図8に示す関係に基づき、位置ずれ距離ΔLを算出する。また、算出した差分距離が−ΔDであった場合、図8に示す関係に基づき、位置ずれ距離−ΔLを算出する。この位置ずれ距離は、受信アンテナ43a側に寄っている場合、正数となり、受信アンテナ43bに寄っている場合、負数となる。そして、距離算出部45bは、このΔLの情報を位置ずれ情報として、位置ずれ情報処理部45cに出力する。
位置ずれ情報処理部45cは、距離算出部45bが算出した位置ずれ情報を用いて、送電装置A1の図示しない報知手段により音声案内や表示することで、電気自動車の運転者に対する駐車支援(送電装置A1と受電装置B1の位置合わせ)を実行する。また、図示しない送信手段によって、電気自動車に送信され、電気自動車の車両制御装置が、図示しない表示手段のモニターに位置ずれ情報を表示させたり、電気自動車の自動駐車制御を実行したりしてもよい。また、位置ずれ情報処理部45cは、距離算出部45bが算出した位置ずれ情報に基づき、位置ずれ距離が閾値以下であるときに、送電装置A1の送電制御部31に対して、高周波交流電力を出力するように指示する。このようにすることで、高周波交流電力が常時送電されている場合に比べ、送電装置A1から無駄な高周波交流電力の消費を低減させることができる。
車両情報復調部45dは、逆拡散復調回路44a、44bから入力される車両情報信号を車両情報に復調し、復調した車両情報を車両情報処理部45eに出力する。
車両情報処理部45eは、車両情報復調部45dが復調したデジタル信号の車両情報に基づき、各種処理を実行する。例えば、車両情報処理部45eは、電気自動車の充電情報に基づき、充電が完了したと判断した場合には給電を停止するように、送電制御部31に指示する。また、車両情報処理部45eは、車両情報(車種情報)に基づき、当該電気自動車の受電コイル10Lのコイル面の地面からの高さを特定し、これに応じて送電する電力を調整するように、送電制御部31に指示する。なお、車両情報処理部45eは、受電装置B1から車種情報として車両IDが送信されてきた場合、車両IDと車種情報が対応付けられたテーブルから、車種情報を特定し、受電コイル10Lのコイル面の地面からの高さを特定する。
次に、上記のように構成された充電システムが行う位置ずれ検出制御の動作を、図を用いて説明する。本発明の第1実施形態に係る位置ずれ検出制御は、受電装置B1が行うスペクトル拡散信号の送信制御と、送電装置A1が行う位置ずれ距離算出制御と、で実行される。送電装置A1は駐車スペースに埋設され、受電装置B1は電気自動車に搭載されているものとして、電気自動車が駐車スペースに駐車しようとしているものとする。
まず、スペクトル拡散信号の送信制御について、図9を用いて説明する。送電装置A1は、送信アンテナ42から電磁波を常時出力しているため、受電装置B1を搭載した電気自動車が、送電装置A1が埋設された駐車スペースに近づくと、その電磁波を受電装置B1の受信アンテナ20が受信する(ステップS11)。受信アンテナ20は、受信した電磁波を通信制御部22に出力し、通信制御部22の受信強度判定部22bは、その電磁波の受信強度を計測し、受信強度が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS12)。ここで、受信強度判定部22bにより閾値以上であると判定されると(ステップS12;YES)、車両情報取得部22cは、メモリ21に記憶されている車両情報を読み出し、拡散変調部22eに出力する。これと同時に、拡散符号発生部22dは、基準PN符号を発生させ、拡散変調部22eに出力する(ステップS13)。一方、受信強度判定部22bにより閾値未満であると判定されると(ステップS12;NO)、受信アンテナ20が電磁波を受信している間は、閾値以上と判定されるまで、受信強度の測定および判定を継続する。
拡散変調部22eに車両情報と基準PN符号が入力されると、拡散変調部22eは、車両情報を所定周波数の搬送波信号で変調(一次変調)し、車両情報信号を生成する。そして、拡散変調部22eは、生成した車両情報信号を、基準PN符号でスペクトル拡散し、スペクトル拡散信号を生成する(ステップS14)。拡散変調部22eは、生成したスペクトル拡散信号を送信アンテナ23に出力し、送信アンテナ23からスペクトル拡散信号が送信される(ステップS15)。
上記の受電装置B1が行うスペクトル拡散信号の送信制御により、受電装置B1が送電装置A1に近づいたときに、車両情報信号がスペクトル拡散され、スペクトル拡散信号が送信される。
続いて、位置ずれ距離算出制御について、図10を用いて説明する。上記スペクトル拡散信号の送信制御により、送信アンテナ23からスペクトル拡散信号が送信されると、送電装置A1の受信アンテナ43a、43bそれぞれが、スペクトル拡散信号を受信する(ステップS21)。受信アンテナ43aは、スペクトル拡散信号を受信すると、受信したスペクトル拡散信号SS1を逆拡散復調回路44aに出力する。そして、逆拡散復調回路44aは、内部で発生させた再生PN符号PN1と受信PN符号とで同期をとる。逆拡散復調回路44aは、受信PN符号と同期がとれた再生PN符号PN1でこのスペクトル拡散信号SS1を逆拡散し、車両情報信号に復調する(ステップS22)。そして、復調された車両情報信号は、通信制御部45の車両情報復調部45dに出力される。また、逆拡散復調回路44aは、スペクトル拡散信号SS1を逆拡散するために内部で発生させ、受信PN符号と同期がとれた再生PN符号PN1を、通信制御部45の位相差算出部45aに出力する。これと同時に、受信アンテナ43bも、スペクトル拡散信号を受信し、受信したスペクトル拡散信号SS2を逆拡散復調回路44bに出力する。逆拡散復調回路44bでは、再生PN符号PN2を発生させ、受信PN符号と同期がとれた再生PN符号PN2を通信制御部45の位相差算出部45aに出力する。
再生PN符号PN1、PN2が入力された通信制御部45の位相差算出部45aは、この2つの再生PN符号PN1、PN2の位相差θを算出し、その結果を距離算出部45bに出力する(ステップS23)。位相差算出部45aから出力される位相差θは、上記のように、再生PN符号PN1に対して、再生PN符号PN2が遅れているか進んでいるかを示す正負の情報を含んでいる。そして、距離算出部45bは、入力される位相差θから、図8に示す関係に基づき、送電コイル32Lと受電コイル10Lの位置ずれ距離(相対位置)を算出する(ステップS24)。このときの位置ずれ距離は、送電コイル32Lが受電コイル10Lに対して、受信アンテナ43aまたは受信アンテナ44bのどちら側にどれだけ寄っているかを示す情報として、算出される。距離算出部45bは、算出した位置ずれ距離を、位置ずれ情報として、位置ずれ情報処理部45cに出力する。そして、位置ずれ情報処理部45cは、入力される位置ずれ情報に基づき、各種処理を実行する。
このスペクトル拡散信号の送信制御と位置ずれ距離算出制御と、を繰り返し実行することで、位置ずれ検出制御が実行される。そして、送電装置A1は、この位置ずれ検出制御で検出した位置ずれ情報に基づき、高周波交流電力の送電を開始したり、電気自動車の運転手に位置ずれ情報を提供したりする。また、送電装置A1は、検出した位置ずれ情報を、電気自動車に送信し、電気自動車の車両制御装置により、自動運転制御を行ったり、表示手段に表示させたりする。
以上で説明したように、本発明の第1実施形態に係る充電システムによれば、受電装置B1が、車両情報信号を基準PN符号でスペクトル拡散し、それにより生成されるスペクトル拡散信号を送電装置A1に送信する。送電装置A1の受信アンテナ43a、43bは、そのスペクトル拡散信号を受信し、逆拡散復調回路44a、44bは、スペクトル拡散信号に含まれる受信PN符号と同期がとれた再生PN符号を発生させる。そして、通信制御部45は、逆拡散復調回路44a、44bにより発生された再生PN符号PN1、PN2の位相差θに基づき、位置ずれを検出するようにした。これにより、受電装置B1から送信される電磁波(スペクトル拡散信号)の受信強度に依存せず、確実に位置ずれを検出することができる。
上記第1実施形態では、どちら側にどれだけ寄っているかを判定するために、距離算出部45bを設けた例を説明したが、単にどちら側に寄っているかの判定だけであれば、位相差算出部45aが算出した位相差θの正負の情報に基づき、位相差算出部45aが位置ずれ情報を生成するようにしてもよい。この場合、距離算出部45bは必ずしも必要な構成ではない。
また、上記第1実施形態では、送電装置A1において、送電回路32と送信アンテナ42とを別々に設けた構成としたが、送電回路32に送信アンテナ42の機能を持たせて、送信アンテナ42を省くことも可能である。さらに、受電装置B1において、受電回路10と受信アンテナ20、送信アンテナ23を別々に設けた構成としたが、受電回路10に受信アンテナ20および送信アンテナ23の機能を持たせて、受信アンテナ20および送信アンテナ23を省くことも可能である。この場合を第2実施形態として、図を用いて説明する。なお、第1実施形態に係る充電システムと、同一または類似の要素は、同一の符号番号を付して、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態に係る充電システムの全体構成は、図1に示す第1実施形態に係る充電システムと同様であり、送電装置A2と受電装置B2とにより、構成されている。
受電装置B2は、図11に示すように、受電回路10’、整流平滑回路11、充電回路12、バッテリ13、メモリ21、および、通信制御部22’を含んで構成される。受電装置B2は、第1実施形態の受電装置B1と比べ、受信アンテナ20および送信アンテナ23を省いた構成となっている。
受電回路10’は、受電回路10と同様に、送電装置A1から送電される高周波交流電力を受電する。そして、受電回路10’は、受電した高周波交流電力を伝送線に伝搬させる。さらに、受電回路10’は、後述する拡散変調部22e’から入力されるスペクトル拡散信号を電磁波にして、送信する。
通信制御部22’は、メモリ21に記憶される車両情報を一次変調した後に、基準PN符号でスペクトル拡散変調して、スペクトル拡散信号を発生させるものである。通信制御部22’は、その機能要素として、充電情報記憶処理部22a、受信強度判定部22b’、車両情報取得部22c、拡散符号発生部22d、および、拡散変調部22e’を含んで、構成されている。
受信強度判定部22b’は、受電回路10'が受電した電力を整流平滑回路11に伝送するための伝送線に接続されており、伝送線を伝搬する高周波交流電力を検出し、検出した高周波交流電力の電力レベルを測定する。そして、受信強度判定部22b’は、測定した電力レベルが閾値以上であるか否かを判定する。この閾値は、後述する高周波電源30’の起動用電力に基づき設定される。
拡散変調部22e’は、受信強度判定部22b’により電力レベルが閾値以上であると、判定されると、車両情報取得部22cから入力される車両情報を所定周波数の搬送波信号で一次変調し、車両情報信号を生成する。そして、拡散変調部22e’は、車両情報信号を拡散符号発生部22dが発生させた基準PN符号でスペクトル拡散する。スペクトル拡散された車両情報信号は、スペクトル拡散信号として、伝送線を介して、受電回路10’に出力され、受電回路10’から電磁波となり送信される。
送電装置A2は、図12に示すように、高周波電源30’、送電制御部31’、送電回路32’、受信アンテナ43a、43b、逆拡散復調回路44a、44b、および、通信制御部45を含んで構成される。第1実施形態の送電装置A1と比べ、発振回路40および送信アンテナ42を省いた構成となっている。
高周波電源30’は、商用電源から入力される商用電力を全波整流し、直流電力に変換した後に、所定周波(例えば、13.56MHz)の高周波交流電力に変換し、高周波交流電力を出力するものである。この商用電力から高周波交流電力への変換は、第1実施形態と同じため、その説明を省略する。また、高周波電源30’は、送電制御部31’による制御により、電力レベルが低い高周波交流電力(起動用電力)と、電力レベルが高い高周波交流電力(充電用電力)と、を発生させる。この高周波交流電力の調整は、例えば、第1実施形態で説明したDC/DCコンバータを制御することで、出力される電力レベルを低くしたり高くしたりすることができる。
送電制御部31’は、高周波電源30’のパワーアンプに高周波信号を入力し、高周波電源30’の制御を行う。また、送電制御部31’は、通信制御部45’から入力される指示に基づき、DC/DCコンバータを制御し、高周波電源30’から出力される高周波交流電力の電力レベルを調整する。具体的には、送電制御部31’は、常時、起動用電力を発生させるように高周波電源30’を制御し、通信制御部45’から充電開始指示が入力されたときは、充電用電力を発生させるように高周波電源30’を制御する。
通信制御部45’は、逆拡散復調回路44a、44bから入力される2つの再生PN符号PN1、PN2の位相に基づき、送電コイル32Lと受電コイル10Lとの位置ずれを検出する。そして、検出した位置ずれ情報に基づき、送電制御部31’に対して、充電用電力を発生させるように、充電開始指示を出す。また、通信制御部45’は、逆拡散復調回路44a、44bから入力される車両情報信号(車両情報)に基づき、充電用電力を調整するように送電制御部31’に指示を出す。
以上で説明したように、本発明の第2実施形態に係る充電システムによれば、送電装置A2と受電装置B2との間の無線通信を行う構成が、送電装置A1および受電装置B1と異なるが、送電コイル32Lと受電コイル10Lとの位置ずれ検出制御の処理フローは、同じである。よって、送電コイル32Lと受電コイル10Lとの位置ずれを検出するための無線通信において、一部、送電回路32’と受電回路10’とを用いて、通信するようにしたので、第1実施形態と同様に確実に位置ずれ検出が可能であるとともに、充電システム全体の構成を簡略化することが可能となる。
上記第2実施形態では、受電装置B2において、受信アンテナ20および送信アンテナ23の両方の機能を受電回路10’に持たせる場合について、説明したが、どちらか一方の機能のみを受電回路10’に持たせるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、受電装置B1、B2がスペクトル拡散信号を送信し、そのスペクトル拡散信号を送電装置A1、A2が受信することで、そのスペクトル拡散信号に基づき、位置ずれを検出する例を説明したが、これに限られない。例えば、送電装置がスペクトル拡散信号を送信し、送信したスペクトル拡散信号が受電装置に設けた反射体より反射され、反射されたスペクトル拡散信号を送電装置が受信することで、位置ずれ検出を行うようにすることも可能である。この場合を第3実施形態として、図を用いて説明する。なお、第1実施形態および第2実施形態に係る充電システムと、同一または類似の要素は、同一の符号番号を付して、その説明を省略する。
図13は、本発明の第3実施形態に係る充電システムの全体構成の一例を示す図である。第3実施形態に係る充電システムは、駐車場や充電ステーションなどの地面に埋設された送電装置A3と、電気自動車の底面に搭載された受電装置B3と、により構成されている。送電装置A3は、高周波交流電力を発生させ、発生させた高周波交流電力を、磁気結合された一対のLC共振回路(送電回路32、受電回路10)を介して、非接触により受電装置B3に送電する。そして、受電装置B3は、受電した高周波交流電力をバッテリ13に適した電気特性に変換し、バッテリ13に供給する(バッテリ13を充電する)。
第1実施形態および第2実施形態と異なり、受電装置B3(電気自動車の底面)には反射体50が設けられている。この反射体50は、所定の電磁波を到来方向以外にも散乱して反射させることができる。好ましくは、散乱方向を全方向に散乱させるのではなく、到来方向に集中するように散乱する反射体50を用いると、他の送電装置A3への干渉等を防ぐことができる。送電装置A3は、スペクトル拡散信号を生成し、それを送信すると、送電装置A3から送信されたスペクトル拡散信号は、反射体50により反射される。送電装置A3は、その反射されたスペクトル拡散信号を受信し、受信したスペクトル拡散信号に含まれる受信PN符号に基づき、送電コイル32Lと受電コイル10Lの相対位置(位置ずれ)を検出する。なお、図13において、反射体50と受電コイル10Lは、離れた位置に配置しているが、実際には、反射体50は、受電コイル10Lの中央に設けられている。
拡散符号発生部51は、所定のPN符号を発生させるものである。拡散符号発生部51は、発生させたPN符号を基準PN符号として、拡散変調部52に出力する。拡散変調部52は、図示しない発振回路の発振により、所定周波数の搬送波信号を生成し、この搬送波信号を、拡散符号発生部51から入力される基準PN符号でスペクトル拡散するものである。拡散変調部52は、スペクトル拡散した搬送波信号をスペクトル拡散信号として、送信アンテナ53に出力する。そして、送信アンテナ53は、スペクトル拡散信号を電磁波として、送信する。送信アンテナ53から送信されたスペクトル拡散信号は、反射体50により反射され、送電装置A3に戻ってくる。
受信アンテナ54a、54bは、反射体50により反射されたスペクトル拡散信号を受信するものである。受信アンテナ54a、54bは、図6(a)と同様に、送電コイル32Lの外側に、送電コイル32Lの中心位置に対称的に配置される。なお、受信アンテナ54a、54bも、第1実施形態と同様に、複数組設けておいてもよい。受信アンテナ54a、54bは、受信したスペクトル拡散信号をそれぞれ符号同期回路55a、55bに出力する。
符号同期回路55a、55bは、受信アンテナ54a、54bが受信したスペクトル拡散信号に含まれる受信PN符号と同期がとれた再生PN符号を発生させるものである。符号同期回路55a、55bは、上記第1実施形態で説明した逆拡散復調回路44a、44bに含まれる符号同期回路によって構成される。よって、この符号同期回路55a、55bの動作により、受信PN符号と同期がとれた再生PN符号PN1、PN2が発生される。そして、符号同期回路55a、55bは、発生させた再生PN符号PN1、PN2を位相差算出部45aに出力する。
以降、第1実施形態と同様に処理され、位相差算出部45aにより、2つの再生PN符号の位相差θが算出される。そして、位相差算出部45aにより算出された位相差θは、距離算出部45bに出力される。距離算出部45bは、入力される位相差θに基づき、反射体50から受信アンテナ54aまでの距離と反射体50から受信アンテナ54bまでの距離との差分距離を算出する。そして、その差分距離から、図8に示す関係に基づき、送電コイル32Lと受電コイル10Lの位置ずれ距離を算出する。距離算出部45bは、算出した位置ずれ距離を位置ずれ情報として、位置ずれ情報処理部45cに出力し、位置ずれ情報処理部45cは、入力される位置ずれ情報に基づき、各種制御を実行する。
以上で説明したように、本発明の第3実施形態に係る充電システムによれば、受電装置B3側に反射体50を設けておき、送電装置A3から送信されるスペクトル拡散信号がその反射体50に反射される。そして、受信アンテナ54a、54bが反射体50により反射されたスペクトル拡散信号を受信し、符号同期回路55a、55bがその反射されたスペクトル拡散信号に含まれる受信PN符号と同期がとれた再生PN符号を発生させる。そして通信制御部45は、符号同期回路55a、55bにより発生された再生PN符号PN1、PN2の位相差に基づき、位置ずれを検出するようにした。これにより、送電装置A3から送信されるスペクトル拡散信号の受信強度に依存せず、確実に位置ずれを検出することができる。また、受電装置B3に設けた反射体50により反射されたスペクトル拡散信号に基づき、位置ずれを検出するため、送電装置A3と受電装置B3との無線通信を行うことなく、実現することができる。
上記第3実施形態において、送信アンテナ53と送電回路32を別々の構成として説明したが、第2実施形態と同様に、送信アンテナ53の機能を送電回路32に持たせるようにしてもよい。
上記第1実施形態ないし第3実施形態において、位相差算出部45aは、入力される2つの再生PN符号PN1と再生PN符号PN2との相関をとることで、位相差を算出する例を説明したが、これに限られない。例えば、送電装置が基準PN符号PN0の位相がわかっていれば、基準PN符号PN0と再生PN符号PN1との位相差、および、基準PN符号PN0と再生PN符号PN2との位相差を算出し、この2つの位相差の差分をとることで、再生PN符号1と再生PN符号PN2との位相差を算出することも可能である。
例えば、第1実施形態および第2実施形態において、受電装置B1、B2に拡散符号発生部22dを設けるのでなく、送電装置A1、A2に拡散符号発生部22dを設けておき、受電装置B1、B2が近付いたことを検出するために送信する起動信号あるいは起動用電力の換わりに、発生させた基準PN符号PN0を送信するようにする。そして、それを受信した受電装置B1、B2は、受信した基準PN符号で、車両情報(車両情報信号)をスペクトル拡散し、送電装置A1、A2に送信することで、実現される。また、第3実施形態においては、送電装置A3内部(拡散符号発生部51)で基準PN符号を発生させているため、その基準PN符号を位相差算出部45aに出力することで、実現される。
上記第1実施形態ないし第3実施形態において、受電装置が上記起動信号あるいは起動用電力の受信強度を計測し、その受信強度が閾値以上となったときに、送電装置に近づいたと判定する例を説明したが、これに限られない。例えば、赤外線センサやカメラ画像などに基づき、判定するようにしてもよい。
上記第1実施形態ないし第3実施形態において、電気自動車に搭載する二次電池を充電する充電システムを例に説明したが、これに限られない。例えば、携帯電話、パーソナルコンピュータなどに搭載された二次電池を充電するものであってもよい。また、二次電池を充電するものに限られず、直接電力を所定の負荷に供給する非接触給電システムであってもよい。例えば、マウス内部の回路に電力を供給するワイヤレスマウスであってもよい。
本発明に係る非接触給電システムは、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲を逸脱しなければ、各部の具体的な構成は、種々に設計変更することができる。
A1、A2、A3 送電装置
30、30’ 高周波電源
31、31’ 送電制御部
32、32’ 送電回路
32C キャパシタ
32L 送電コイル
40 発振回路
42、53 送信アンテナ
43a、43b、43a’、43b’、54a、54b 受信アンテナ
44a、44b 逆拡散復調回路
55a、55b 符号同期回路
45、45’ 通信制御部
45a 位相差算出部
45b 距離算出部
45c 位置ずれ情報処理部
45d 車両情報復調部
45e 車両情報処理部
51 拡散符号発生部
52 拡散変調部
B1、B2、B3 受電装置
10、10’ 受電回路
10C キャパシタ
10L 受電コイル
11 整流平滑回路
12 充電回路
13 バッテリ
21 メモリ
22、22’ 通信制御部
22a 充電情報記憶処理部
22b、22b’ 受信強度判定部
22c 車両情報取得部
22d 拡散符号発生部
22e、22e’ 拡散変調部
50 反射体

Claims (17)

  1. 送電コイルを有する送電装置と、前記送電コイルから非接触で送電された電力を受電する受電コイルを有する受電装置と、により構成される非接触給電システムであって、
    前記受電装置は、
    基準となるPN符号である基準PN符号で情報信号をスペクトル拡散したスペクトル拡散信号を送信する拡散信号送信手段を、備え、
    前記送電装置は、
    互いに異なる位置に配置され、前記スペクトル拡散信号を受信するための第1拡散信号受信手段および第2拡散信号受信手段と、
    前記第1拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第1PN符号を発生させ、さらに、前記第2拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第2PN符号を発生させるPN符号再生手段と、
    前記PN符号再生手段が発生させた前記第1PN符号と前記第2PN符号との位相差を算出する位相差算出手段と、
    前記位相差算出手段により算出された前記位相差に基づき、前記送電コイルと前記受電コイルの位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、
    を備えており、
    前記送電装置は、
    前記基準PN符号の位相を検出する基準PN符号検出手段を、さらに備え、
    前記位相差算出手段は、前記基準PN符号の位相と前記第1PN符号の位相との第1位相差、および、前記基準PN符号の位相と前記第2PN符号の位相との第2位相差をそれぞれ算出し、前記第1位相差と前記第2位相差との差分をとることで、前記第1PN符号と前記第2PN符号との位相差を算出する、
    ことを特徴とする非接触給電システム。
  2. 送電コイルを有する送電装置と、前記送電コイルから非接触で送電された電力を受電する受電コイルを有する受電装置と、により構成される非接触給電システムであって、
    前記受電装置は、
    基準となるPN符号である基準PN符号で情報信号をスペクトル拡散したスペクトル拡散信号を送信する拡散信号送信手段を、備え、
    前記送電装置は、
    互いに異なる位置に配置され、前記スペクトル拡散信号を受信するための第1拡散信号受信手段および第2拡散信号受信手段と、
    前記第1拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第1PN符号を発生させ、さらに、前記第2拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第2PN符号を発生させるPN符号再生手段と、
    前記PN符号再生手段が発生させた前記第1PN符号と前記第2PN符号との位相差を算出する位相差算出手段と、
    前記位相差算出手段により算出された前記位相差に基づき、前記送電コイルと前記受電コイルの位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、
    を備えており、
    前記送電装置は、
    前記基準PN符号を発生させる基準PN符号発生手段と、
    前記基準PN符号に基づく電磁波を送信する基準PN符号送信手段と、をさらに備え、
    前記受電装置は、
    前記基準PN符号に基づく電磁波を受信する基準PN符号受信手段を、さらに備え、
    前記拡散信号送信手段は、前記基準PN符号受信手段が受信した基準PN符号でスペクトル拡散を行う、
    ことを特徴とする非接触給電システム。
  3. 送電コイルを有する送電装置と、前記送電コイルから非接触で送電された電力を受電する受電コイルを有する受電装置と、により構成される非接触給電システムであって、
    前記受電装置は、
    基準となるPN符号である基準PN符号で情報信号をスペクトル拡散したスペクトル拡散信号を送信する拡散信号送信手段を、備え、
    前記送電装置は、
    互いに異なる位置に配置され、前記スペクトル拡散信号を受信するための第1拡散信号受信手段および第2拡散信号受信手段と、
    前記第1拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第1PN符号を発生させ、さらに、前記第2拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第2PN符号を発生させるPN符号再生手段と、
    前記PN符号再生手段が発生させた前記第1PN符号と前記第2PN符号との位相差を算出する位相差算出手段と、
    前記位相差算出手段により算出された前記位相差に基づき、前記送電コイルと前記受電コイルの位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、
    を備えており、
    前記拡散信号送信手段は、前記受電コイルを介して、前記スペクトル拡散信号を送信する、
    ことを特徴とする非接触給電システム。
  4. 前記位相差算出手段は、前記第1PN符号と前記第2PN符号との相関をとることで、前記第1PN符号と前記第2PN符号との位相差を算出する、
    請求項2または請求項3に記載の非接触給電システム。
  5. 前記受電装置は、
    前記基準PN符号を発生させる基準PN符号発生手段を、さらに備え、
    前記拡散信号送信手段は、前記基準PN符号発生手段が発生させた基準PN符号でスペクトル拡散を行う、
    請求項1または請求項3に記載の非接触給電システム。
  6. 前記位置ずれ検出手段は、前記送電コイルが前記第1拡散信号受信手段の配置位置と前記第2拡散信号受信手段の配置位置とのどちら側にずれているかを検出する、
    請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の非接触給電システム。
  7. 前記送電装置は、
    前記位相差算出手段が算出した位相差から、前記拡散信号送信手段から前記第1拡散信号受信手段までの距離と前記拡散信号送信手段から前記第2拡散信号受信手段までの距離との差分距離を算出する差分距離算出手段と、
    前記差分距離と、前記第1拡散信号受信手段と前記第2拡散信号受信手段との離間距離と、に基づき、位置ずれ距離を算出する位置ずれ距離算出手段と、をさらに備える、
    請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の非接触給電システム。
  8. 前記受電装置は、
    前記受電コイルが前記送電コイルに接近したことを検出する近接検出手段と、
    前記近接検出手段により、前記受電コイルが前記送電コイルに接近したことを検出したときに、前記拡散信号送信手段を制御する制御手段と、をさらに備える、
    請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の非接触給電システム。
  9. 前記送電装置は、
    所定周波数の起動信号を電磁波にして送信する起動信号送信手段を、さらに備え、
    前記受電装置は、
    前記起動信号を受信する起動信号受信手段を、さらに備え、
    前記近接検出手段は、前記起動信号受信手段が受信した起動信号の信号強度が閾値以上となったときに、前記受電コイルが前記送電コイルに接近したことを検出する、
    請求項8に記載の非接触給電システム。
  10. 前記第1拡散信号受信手段と前記第2拡散信号受信手段は、前記送電コイルの中心位置に対して対称的な位置に配置されている、
    請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の非接触給電システム。
  11. 前記第1拡散信号受信手段と前記第2拡散信号受信手段との組を、2組備え、
    第1の組と第2の組とは、各組を構成する前記第1拡散信号受信手段と前記第2拡散信号受信手段とを結ぶ線分が互いに直交するように配置されている、
    請求項10に記載の非接触給電システム。
  12. 前記情報信号は、前記受電装置が設けられた車両に関する車両情報である、
    請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の非接触給電システム。
  13. 受電装置が備える受電コイルに非接触で電力を送電する送電コイルを備えた送電装置であって、
    前記受電装置には、所定周波数の電磁波を散乱反射させる反射体が備えられており、
    前記送電装置は、
    基準となるPN符号である基準PN符号で所定の信号をスペクトル拡散し、スペクトル拡散信号を送信する拡散信号送信手段と、
    互いに異なる位置に配置され、前記反射体により反射した前記スペクトル拡散信号を受信するための第1拡散信号受信手段および第2拡散信号受信手段と、
    前記第1拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第1PN符号を発生させ、さらに、前記第2拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第2PN符号を発生させるPN符号再生手段と、
    前記第1PN符号と第2PN符号とに基づき、前記送電コイルと前記受電コイルの位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、
    を備える送電装置。
  14. 送電コイルと、前記送電コイルから非接触で送電された電力を受電する受電コイルと、の位置ずれを検出する位置ずれ検出方法であって、
    前記受電コイルを有する受電装置は、
    基準となるPN符号である基準PN符号で情報信号をスペクトル拡散したスペクトル拡散信号を送信する第1工程を、有し、
    前記送電コイルを有する送電装置は、
    互いに異なる位置に配置された第1拡散信号受信手段および第2拡散信号受信手段により、前記スペクトル拡散信号を受信する第2工程と、
    前記第1拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第1PN符号を発生させ、さらに、前記第2拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第2PN符号を発生させる第3工程と、
    前記第3工程によって発生させた前記第1PN符号と前記第2PN符号との位相差を算出する第4工程と、
    前記第4工程によって算出した前記位相差に基づき、前記送電コイルと前記受電コイルの位置ずれを検出する第5工程と、
    を有しており、
    前記送電装置は、
    前記基準PN符号の位相を検出する第6工程を、さらに有し、
    前記第4工程において、前記基準PN符号の位相と前記第1PN符号の位相との第1位相差、および、前記基準PN符号の位相と前記第2PN符号の位相との第2位相差をそれぞれ算出し、前記第1位相差と前記第2位相差との差分をとることで、前記第1PN符号と前記第2PN符号との位相差を算出する、
    ことを特徴とする位置ずれ検出方法。
  15. 送電コイルと、前記送電コイルから非接触で送電された電力を受電する受電コイルと、の位置ずれを検出する位置ずれ検出方法であって、
    前記受電コイルを有する受電装置は、
    基準となるPN符号である基準PN符号で情報信号をスペクトル拡散したスペクトル拡散信号を送信する第1工程を、有し、
    前記送電コイルを有する送電装置は、
    互いに異なる位置に配置された第1拡散信号受信手段および第2拡散信号受信手段により、前記スペクトル拡散信号を受信する第2工程と、
    前記第1拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第1PN符号を発生させ、さらに、前記第2拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第2PN符号を発生させる第3工程と、
    前記第3工程によって発生させた前記第1PN符号と前記第2PN符号との位相差を算出する第4工程と、
    前記第4工程によって算出した前記位相差に基づき、前記送電コイルと前記受電コイルの位置ずれを検出する第5工程と、
    を有しており、
    前記送電装置は、
    前記基準PN符号を発生させる第6工程と、
    前記基準PN符号に基づく電磁波を送信する第7工程と、をさらに有し、
    前記受電装置は、
    前記基準PN符号に基づく電磁波を受信する第8工程を、さらに有し、
    前記第1工程において、前記第8工程によって受信した基準PN符号でスペクトル拡散を行う、
    ことを特徴とする位置ずれ検出方法。
  16. 送電コイルと、前記送電コイルから非接触で送電された電力を受電する受電コイルと、の位置ずれを検出する位置ずれ検出方法であって、
    前記受電コイルを有する受電装置は、
    基準となるPN符号である基準PN符号で情報信号をスペクトル拡散したスペクトル拡散信号を送信する第1工程を、有し、
    前記送電コイルを有する送電装置は、
    互いに異なる位置に配置された第1拡散信号受信手段および第2拡散信号受信手段により、前記スペクトル拡散信号を受信する第2工程と、
    前記第1拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第1PN符号を発生させ、さらに、前記第2拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第2PN符号を発生させる第3工程と、
    前記第3工程によって発生させた前記第1PN符号と前記第2PN符号との位相差を算出する第4工程と、
    前記第4工程によって算出した前記位相差に基づき、前記送電コイルと前記受電コイルの位置ずれを検出する第5工程と、
    を有しており、
    前記第1工程において、前記受電コイルを介して、前記スペクトル拡散信号を送信する、
    ことを特徴とする位置ずれ検出方法。
  17. 送電コイルと、前記送電コイルから非接触で送電された電力を受電する受電コイルと、の位置ずれを検出する位置ずれ検出方法であって、
    基準となるPN符号である基準PN符号で所定の信号をスペクトル拡散し、スペクトル拡散信号を送信する第1工程と、
    互いに異なる位置に配置された第1拡散信号受信手段および第2拡散信号受信手段により、前記第1工程により送信され、前記受電コイル側に設けられた反射体に反射して戻ってきた前記スペクトル拡散信号を受信する第2工程と、
    前記第1拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第1PN符号を発生させ、さらに、前記第2拡散信号受信手段が受信した前記スペクトル拡散信号に基づいて第2PN符号を発生させる第3工程と、
    前記第1PN符号と第2PN符号とに基づき、前記送電コイルと前記受電コイルの位置ずれを検出する第4工程と、
    を有する位置ずれ検出方法。
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