JP6106125B2 - 透明多孔体の細孔パラメータの算出方法 - Google Patents

透明多孔体の細孔パラメータの算出方法 Download PDF

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Description

本発明は、透明多孔体の細孔パラメータの算出方法に関し、詳細には、可視光に対して透明な多孔体の平均細孔半径、細孔径分布、光学定数(実効屈折率)、及び比表面積などを透過率測定結果より算出する方法に関する。
波長範囲0.2から0.8μmの紫外・可視領域の光に対して透明な多孔体、例えば、多孔質シリカガラスは、(1)可視域(0.35から0.8μm)の光を透過するという透明性と、(2)数百m/gに達する比表面積(1g当りの物質の総表面積)を有するが故に気体分子を吸着するというガス吸着特性の二つの特性を有している。この二つの特性を利用することにより、多孔質ガラスに対して、光学素子への利用、及びガス検知素子への利用等、様々な利用手法が提案されている。多孔質シリカガラスをガス検知素子として利用する場合、例えば、特定の検知対象ガスと選択的に反応して可視領域で変色(発色あるいは退色)する色素を、多孔質シリカガラスに担持させてガス検知素子を作成する。このガス検知素子を使用すると、超小型の蓄積型センサを製造することが可能となる。(特許文献1、2参照)。
この蓄積型ガスセンサのガス検出素子は、色素を担持する母材となる多孔体と、多孔体の細孔内に担持される色素との2つの要素より構成されている。
ここで、ガス検知素子が作成される基材としての、多孔質シリカガラス等の透明な多孔体の性能の評価を行うためには、透明多孔体の細孔パラメータ、具体的には平均細孔半径、細孔径分布、光学定数(実効屈折率)、及び比表面積を算出しなければならない。透明多孔体の平均細孔径及び比表面積等は、従来、窒素ガスなどの無極性分子の飽和蒸気(吸着質)を細孔表面に等温状態において吸着させて吸着等温線や脱着等温線を測定し、測定した吸脱着等温線を解析することにより導出されてきた。例えば、比表面積(BET比表面積:Brunauer,Emmett,Tellerの吸着理論に基づく比表面積)は、飽和蒸気圧に対する蒸気圧の比が約0.2から0.35程度の範囲の吸着等温線をBET解析することによって求められる(非特許文献1参照)。さらに、細孔径分布については、吸着等温線あるいは脱着等温線をDollimore−Heal法(非特許文献2参照)などの手法で解析することで求められている。
細孔パラメータを求めるには、いずれの方法においても、解析対象となる透明多孔体の吸脱着等温線を正確に測定しなくてはならない。
ここで、吸脱着等温線の測定には、吸着質の試料への吸着量を気体の体積と圧力の関係から求める容量法(Volmetric method)と、吸着質の吸着量を試料重量の変化から求める重量法(gravimetric method)と、二つの方法がある。
前者の容量法では、吸着質の吸着量を、吸着質に対する近似的状態方程式を用いて吸着前後の圧力変化より見積もる。その測定原理は非常に簡単であるが、温度以外に、圧力を測定する圧力センサの精度と、死容積測定の精度及び測定系全体の真空漏れなどにより測定誤差が生ずるため、測定には細心の注意を要する。また、容量法による吸脱着等温線の測定には長い時間が掛かり、そのため測定の自動化がかなり進んでいる。
他方、後者の重量法による吸脱着等温線の測定は、容量法のように死容積を求める必要が無いものの、重量変化を正確に測る必要があり、恒温槽温度と試料温度との差を少なくし、熱対流による影響や、浮力や容器への吸着による重量変化を補正しなくてはならない。また、恒温槽等からの振動や静電気の影響も受けやすい。さらに、容量法に比較して、重量法によって吸脱着等温線測定を行うための自動化された装置は少ない。吸着質の蒸気圧を変えるのに、吸着質をその気液相転移点よりも昇温させ、これにより吸着等温線を測定するが、試料温度と恒温槽温度をなるべく一致するように温度制御することが測定精度を高める上で重要である。同様に、脱着等温線を測定する場合には、上記とは逆に恒温槽温度を下げる。従って、温度変化の影響が大きいので、装置全体を恒温状態にしておく必要がある。
特許第3943008号公報 特許第3700877号公報 特許第5032352号公報 特許第5192341号公報
近藤精一、石川達雄、安部郁夫共著、「吸着の科学」(丸善株式会社、1991 年)、pp. 40-46. D. Dollimore and G. R. Heal, J. Appl. Chem., 14, 109 (1964). 小川重男、丸尾容子、Vycor多孔質ガラスの乾燥過程における1/λ4の光散乱、2008年(平成20年)春季第55回応用物理学関係連合講演会予稿集、20080327(発行)、第1分冊、第179頁 M. Kerker, The Scattering of Light and Other Electromagnetic Radiation (1969, Academic, New York), p.37, Eq.(3.2.24). R. B. Penndorf, J. Opt. Soc. Am., 52, 896 (1962). Handbook of Applicable Mathematics, Vol. II: Emlyn Lloyd,Probability (John Wiley & Sons, 1980), Chapter 11 "A Catalogue of Continuous Probability Distributions." 角野広平、「ガラスの光学的性質I.」、New Glass, 24(1), pp.59-63(2009).
上記の二つの吸着等温線の測定方法のいずれにおいても、実際に吸着質を試料表面に吸着させて測定することになるので、測定結果は、被測定対象試料の表面状態に敏感にかつ微妙に依存する。そのため、試料の前処理に関しては、測定対象の試料から不純物、付着ガス等を取り除く工程が必要である(脱ガス処理)。また、吸着等温線の測定においては、容量法においては複数回の圧力の測定、死容積の測定等、重量法においては、さらに質量表示の監視、浮力補正、装置全体の温度の調整等の工程を経なければならない。したがって、吸着等温線の測定には、試料の適正な前処理も含めて、測定の操作が複雑であり、かつ時間もかかる。非多孔性固体試料であっても、通常、一組の吸脱着等温線を測定するのに失敗なしで、8時間程度は必要である。被測定対象が多孔体となると、更なる長時間を要し、大抵一昼夜を必要とすることが多い。さらに、吸着質を試料に直接吸着させる測定法では、非極性ガスが多孔体の表面と連結した細孔の壁表面に吸着される必要があり、多孔体内に存在する孤立した孔(泡など)がある場合などには、そもそも吸着されず、こうした孤立細孔は検出されない。
本発明は、こうした従来法のもつ本質的な限界や問題点、並びに操作の複雑さや時間が掛かることなどの種々の不便さに鑑み、透明多孔体が示す光学特性のみから、平均細孔半径並びに細孔径分布、実効屈折率、及び比表面積などを短時間に算出する方法に関する。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1記載の発明は、分光光度計に接続されたコンピュータにより、透明多孔体の細孔パラメータを算出する方法であって、平行平板状に加工された前記透明多孔体の平行平板厚と空隙率とを、予め前記コンピュータに入力するステップと、前記分光光度計において測定した前記透明多孔体の透過率スペクトルを、前記コンピュータに入力するステップであって、前記透過率スペクトルは、近紫外域から可視領域において波長掃引して測定される、ステップと、前記透過率スペクトルの対数を前記透明多孔体の平行平板厚で除した第1の値を、前記分光光度計の光源波長を前記透明多孔体の骨格部材の屈折率で除した第2の値の逆4乗又は前記第2の値の逆2乗に対してプロットするステップと、前記第2の値の逆4乗又は前記第2の値の逆2乗に対してプロットした前記第1の値を、前記第2の値の逆4乗と前記第2の値の逆6乗とを独立変数として線形多重回帰分析を行って、前記第2の値の逆4乗に対する係数と前記第2の値の逆6乗に対する係数と縦軸切片とを算出するステップであって、前記第2の値の逆4乗に対する前記係数は傾きパラメータであり、前記第2の値の逆6乗に対する前記係数は歪パラメータである、ステップと、前記縦軸切片から空気と多孔体界面とにおける反射率を算出するステップと、前記透明多孔体界面での反射率から前記透明多孔体の実効屈折率を算出するステップと、前記傾きパラメータ及び前記歪パラメータから、前記透明多孔体の予め仮定した細孔径分布函数の高次モーメントを求め、前記細孔径分布関数を規定する少なくとも2つのパラメータを、前記高次モーメントから代数的に演算して算出し、細孔径分布を決定するステップとを含むことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の方法であって、前記細孔径分布から、平均細孔半径を算出するステップと、前記空隙率と前記平均細孔半径を用いて、前記透明多孔体の比表面積を算出するステップとをさらに含むことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の方法であって、前記透明多孔体は、アセトン、エタノール、及び超純水による、透明度を向上させるための洗浄であって、それぞれ単独もしく2つ以上を複数組み合わせ、かつ各洗浄をそれぞれ複数回以上、洗浄を施されることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の方法であって、前記透明多孔体が多孔質ガラスである場合、前記透明多孔体は、前記洗浄工程は、0.1%希釈フッ酸による前記透明多孔体のライトエッチング処理がさらに施されることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の方法であって、前記透明多孔体は、前記洗浄により洗浄したのち、真空中で150℃以上に6時間以上加熱し、加熱後に乾燥窒素保管して乾燥させる乾燥工程がさらに施されることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、細孔パラメータ計測システムであって、前記透明多孔体の透過率スペクトルを測定する分光光度計と、前記分光光度計に接続されたコンピュータとを備え、請求項1又は2に記載の方法を実行することを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、コンピュータ可読記憶媒体であって、請求項1又は2記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したことを特徴とする。
本発明によれば、透明多孔体の細孔パラメータの算出において、従来の細心の注意を払いつつ、長時間を要する前処理と、ほぼ一昼夜にわたる吸脱着等温線の測定とを経ることなく、透明多孔体の透過率を測定するだけで、平均細孔半径、細孔径分布、実効屈折率、及び比表面積などの細孔パラメータの概算値を簡易に短時間に得ることができる。
透明多孔体が示す光学特性のみから、細孔パラメータを算出する方法の一例の工程を示す流れ図である。 本発明の1実施形態例にかかる細孔パラメータの算出方法の工程を示す流れ図である。 実施形態例における細孔パラメータ算出の流れの詳細を示す図である。 透明多孔体の有機溶媒による前処理工程((a)洗浄工程および(b)乾燥工程)を示す図である。 多孔質シリカガラス試料の(a)希フッ酸によるライトエッチングおよび(b)流水洗浄工程を示す図である。 本発明の実施例において使用する細孔パラメータ測定システムの構成を示すブロック図である。 透明多孔体試料の透過率の光源波長依存性(透過率スペクトル)を示す図である。 本実施例における、細孔パラメータ抽出の方法の詳細を示すフローチャートである。 本発明の実施形態例における透明多孔体の濁度(log(1/T(λ))/d)の媒質内波長の逆4乗(1/λ)依存性を、逆4乗(1/λ)と逆6乗(1/λ)を独立変数とする線型多重回帰分析した結果を示す図表で、(a)が初回、(b)が収束後の結果を示す。 本発明の実施形態例に示す細孔パラメータ算出法により求めた細孔径分布である。 従来技術における容量式自動吸着量装置により測定した透明多孔体(Vycor多孔質ガラス)の窒素ガス吸脱着等温曲線を示す図表である。 従来技術により求めた細孔径分布を示す図表である。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明の前提となる、透明多孔体が示す光学特性のみから、細孔パラメータ(平均細孔半径、細孔数密度、実効屈折率、及び比表面積など)を短時間に算出する方法の一例について説明する。
図1は、透明多孔体が示す光学特性のみから、細孔パラメータを算出する方法の一例の工程を示す流れ図である。図1に記載の細孔パラメータの算出方法は、評価対象の透明多孔体を平行平面板状に加工し、必要に応じて透明多孔体の透明度を向上させるための洗浄を行う「加工・洗浄工程」と、評価対象の多孔体の光の透過率を測定し、データ処理をする「測定・解析工程」とから構成されている。
また、「測定・解析工程」は、以下の6つの工程により構成される。
・第1工程:評価対象の多孔体の空隙率の該略値を与えた上で、可視領域(波長0.35〜0.8μm)にて波長掃引して、透過率スペクトルを測定する。
・第2工程:透明多孔体の透過率の対数を平行平板厚で除した値を、分光光度計の光源波長を透明多孔体の骨格部材の屈折率で除した値(媒質内波長)の逆4乗に対してプロットする。
・第3工程:第2工程で作成された対数透過率の波長逆4乗プロットを、線型回帰分析して傾きパラメータと縦軸切片を求める。
・第4工程:第3工程より得られた縦軸切片より、空気と多孔体界面での反射率を算出し、算出した反射率から、透明多孔体の実効屈折率を算出する。
・第5工程:第3工程より得られた傾きパラメータを用いて、透明多孔体の平均細孔半径並びに細孔数密度を算出する。
・第6工程:上記空隙率の該略値と第5工程で得られた平均細孔半径を用いて、透明多孔体の比表面積を算出する。
透明多孔体の可視領域における透過率スペクトルの僅かな減少は、着色などの吸収性のものではなく、入射光波長の逆4乗に依存するものである。したがって、透過率スペクトルの僅かな減少は、ナノ細孔に起因するレイリー散乱によるものであるということができる(非特許文献3、特許文献3及び4参照)。
よって、本方法においては、透過率スペクトルの減少が、レイリー散乱によるものであるという事実を利用して、吸脱着等温線の解析を用いずに、透過率スペクトルの測定結果から、透明多孔体の実効的な平均細孔半径、細孔数密度、実効屈折率、並びに比表面積などの細孔パラメータを求めることができる。また、本方法において求めた細孔パラメータの値も吸脱着等温線の解析を用いて算出した細孔パラメータの値と同程度のオーダである。
次に、図1の「測定・解析工程」における、各細孔パラメータの算出について、透明多孔体の光学的性質に基づき説明する。
一般に、組成が一様で構造的に均質な媒質内では、光の強度は、媒質内の光の透過距離Lによって指数関数的に減衰することが実験的に見出されており、ランバートの法則として、
Figure 0006106125
と表示される。
ここで、Irefは入射光(参照光ともいう)の強度、Imeasは試料の透過光強度、Lは媒質内の光の透過距離(あるいは光路長)、そしてαは物質固有の性質で吸収係数と呼ばれる。
光源波長をλ(単位:μm)とするとき、透過率スペクトルT(λ)は、この波長λにおいて得られた透過光の強度Imeas(λ)および参照光の強度Iref(λ)の比で定義される。
媒質が透明である基本条件は、波長λでの吸収係数α(λ)が非常に小さいことであり、もし吸収係数α(λ)が可視光の波長によって大きく変化すれば、着色することになる。無色透明であれば、可視域の特定波長で吸収係数が変化することはない。透明な多孔体には、通常ナノサイズの多数の細孔群が媒質中に存在しているが、可視光に対して透明であるということは、媒質内の細孔群の分布が一様であり、構造的にも可視光の波長に匹敵するようなスケールでの不均一性が存在していないことを意味する。このような場合、多孔体は非吸収性で光学的に均一な媒質と見なせる。但し、ナノ細孔と媒質との屈折率の違いに起因する散乱は僅かであるが存在している。数十nmオーダーの孔径に比較して可視域の入射光の波長は、短波長側でも350nm程度はあり、孔径に対する入射光の波長の比は、1/10程度である。このことから、ナノ細孔による散乱は、その形状には依存せず、レイリー型の散乱となることが判る。
そこで、簡単のため、本方法においては、レイリー散乱体は全て同一の半径を有する球形状であるとして、透明多孔体の透過率スペクトルの測定から濁度の測定波長依存性を求め、この濁度がレイリー散乱の特徴である波長λの4乗分の1に比例することに基づいて、独立変数を逆4乗(1/λ)のみとして線形回帰分析を行うことで、透明多孔体の実効屈折率や平均細孔半径を決定し、透明多孔体のパラメータの算出を行う。
ナノ細孔の細孔群はナノ孔多孔体内に一様ランダムに分布していると考えられ、各細孔による散乱はインコヒーレントに起こる。その結果、透明なナノ孔多孔体の単位体積当りの散乱強度は、各散乱体からの散乱効果の総和としてよい。単位体積当りの細孔(=散乱体)の個数をN(体積の逆数の次元を有する)とし、光の強度をIとする。散乱による光の強度減衰は、
Figure 0006106125
と記述できる。ここで、Cscaは一つの散乱体の散乱断面積であり、面積の次元を有する。散乱体の集団に対しては、上記の吸収係数の代わりに濁度τ(距離の逆数の次元を有する)を導入すると、
Figure 0006106125
と書ける。
空気と透明なナノ孔多孔体の各境界面での表面反射率rを考慮して、この微分方程式を解くと、厚さdの物質に対して、透過率スペクトルT(λ)は次のようになる(第1工程)。
Figure 0006106125
ここで、光ビームは屈折率nの媒質1(空気:n=1.0003)から、屈折率nの媒質2(透明多孔体での吸収がなければ実数の屈折率:n)へ垂直入射するので、表面反射係数rは
Figure 0006106125
で表わされる。
さて、レイリー散乱体に対して、その散乱断面積Cscaは、
Figure 0006106125
で与えられることが知られている(非特許文献4参照)。但し、Vは散乱体の体積で、半径rの球状単一散乱体を仮定して、
Figure 0006106125
で与えられる。また、λは媒質2内部での光の波長であり、λを真空中での波長とするとλ=λ/nで与えられる。また、mは媒質1と媒質2の屈折率の比で、m=n/nで与えられる。
ところで、空隙率φ(無次元量)は、多孔体試料全体の体積Vに対して、その骨格を成す固体部分以外の部分の体積比率として定義される。多孔体の固体骨格部分の体積がVskeltonのとき、空隙部分の体積(細孔の総体積)Vは、V=V−Vskeltonであるから、空隙率φは次式で定義される。
Figure 0006106125
そして、散乱体として作用する細孔の体積がVで、単位体積当りの細孔数がNであるから、その積N・Vは、多孔体の空隙率φに他ならない。
φ=N・V (7)
式(1)によりτ=N・Cscaで定義される濁度は、式(4)と(7)を考慮すると、N・V =φ・Vに比例している。
式(2)の両辺の自然対数をとって試料厚dで除した量を作ると、濁度τが波長λの逆4乗に比例することから、散乱体が全てレイリー散乱領域の細孔半径を有するならば、横軸1/λに対して線型の依存性を示すはずである。即ち、
Figure 0006106125
となる。つまり、透過率スペクトルT(λ)から、ln(1/T)/dを作成して、対応する媒質内波長(λ=λ/n)の逆4乗(1/λ)に対してプロットすると(第2工程)、傾きβ、縦軸切片Cの直線に載ることが期待される(第3工程)。
ここで、傾きのパラメータβは体積の次元を有し、式(4)、(5)、(7)を組み合わせると
Figure 0006106125
となる。この式(9)を体積Vに対して解き、式(5)と組み合わせれば、散乱体、即ち、細孔の半径rが求まることになる。さらに、体積Vを式(7)と組み合わせれば、散乱体、即ち細孔の数密度Nも算出できることになる(第5工程)。
他方、縦軸切片Cは長さの逆数の次元を有し、式(8)の二番目の等式をrに対して、条件0<r<1を満足するように解くと、単一界面の反射率rとして、
Figure 0006106125
が得られる。式(10)を式(3)と等値して、多孔体の屈折率nに対して解けば、
Figure 0006106125
となる(第4工程)。
そして、透過率測定より求めた諸量を用いて、多孔体の単位質量当りの内部表面積を表わす比表面積を導出する(第6工程)。
球状細孔が単位体積当りN個開孔した多孔体の総内部表面積Sは、理論的にはS=(4πr )・Nとなる。他方、この多孔体の見掛密度をρ[kg/m]とすると、固体骨格部分の密度ρskelton[kg/m]とは、ρ=(1−φ)ρskeltonの関係にある。従って、この多孔体の単位質量当りの細孔総表面積を示す比表面積σ[m/kg]は、
Figure 0006106125
により算出される。
球状細孔に対して総体積Vは、理論的にはV=V・Nで与えられるので、式(12)の最終項に含まれる比(S/V)は、式(5)と組み合わせると3/rに等しくなる。なお、細孔として半径rの円筒状貫通細孔を仮定する場合には、この比(S/V)は、2/rに等しくなる。
以上は、透明多孔体中に存在する細孔が全てレイリー散乱領域の同一半径rを持ち、単位体積当たりN個存在するものとして示した。
ところが、図1に記載の方法で求めた平均細孔半径は、吸脱着等温線の解析を用いる従来の法により求めた半径よりもやや大きく算出され、それに伴い比表面積の値も吸脱着等温線の解析を用いる従来の方法により求めた値より7割程度小さく見積もられた。その原因を探ったところ、線形回帰分析を行った波長の逆4乗プロットに対して、濁度の測定された曲線は、僅かであるが回帰直線から外れて湾曲していることが判明した。濁度の原因となるレイリー散乱体が全て同一の細孔半径を有していれば、図1に記載の方法に示されるように、濁度の波長依存性は、波長の逆4乗プロットに対して一直線となる。しかし、実際には、散乱体の細孔半径は、数nmから数十nmの範囲で分布しており、この細孔半径の分布が、濁度の測定された曲線に歪みをもたらしていることが判明した。
本発明は、この回帰直線に対する濁度の測定された曲線のずれを、詳細に検討し分析することで、平均細孔半径及び細孔径分布を求める。
[実施形態]
図2は、本発明の1実施形態にかかる細孔パラメータの算出方法の工程を示す流れ図である。図2に記載の細孔パラメータの算出方法は、図1に記載の方法と同様に「加工・洗浄工程」と「測定・解析工程」とから構成されている。
また、「測定・解析工程」は、以下6つの工程により構成される。
・第1工程:評価対象の多孔体の空隙率の概略値を与えた上で、近紫外・可視領域(波長0.30〜0.8μm)にて波長掃引して、透過率スペクトルを測定する。
・第2工程:透明多孔体の透過率の対数を平行平板厚で除した値を、分光光度計の光源波長を透明多孔体の骨格部材の屈折率で除した値(媒質内波長)の逆4乗又は逆2乗に対してプロットする。
・第3工程:第2工程で作成された対数透過率の、媒質内波長の逆4乗又は逆2乗プロットを、独立変数を逆4乗(1/λ)と逆6乗(1/λ)とにして、線型多重回帰分析して逆4乗に対する係数(傾きパラメータ)と逆6乗に対する係数(歪パラメータ)と、縦軸切片とを求める。
・第4工程:第3工程より得られた縦軸切片より、空気と多孔体界面での反射率を算出し、算出した反射率から、透明多孔体の実効屈折率を算出する。
・第5工程:第3工程より得られた傾きパラメータと歪パラメータから、透明多孔体の予め仮定した細孔径分布函数の高次モーメントを求め、規格化条件、高次モーメントの式を連立させて、細孔半径分布函数を規定するパラメータを算出し、細孔径分布及び平均細孔半径を決定し、算出する。
・第6工程:上記空隙率の概略値と第5工程で得られた平均細孔半径を用いて、透明多孔体の比表面積を算出する。
ここで、本実施形態においては、図1に記載の方法と第3工程、第5工程、及び第6工程が異なっている。本実施形態は、濁度の測定された曲線を、詳細に検討し分析することで、平均細孔半径及び細孔径分布を求める方法であるため、直線による線形回帰分析ではなく、線形多重回帰分析を行う必要がある。したがって、直線による線形回帰分析(図1の第3工程)に代えて、2つの独立変数(媒質内波長λの逆4乗と逆6乗)による線形多重回帰分析(図2の第3工程)を採用する。本実施形態は、線形多重回帰分析により求めたλの逆4乗に対する係数(傾きパラメータ)と逆6乗に対する係数(歪パラメータ)を用いて、細孔径分布及び平均細孔半径を決定し、算出する(図2の第5工程)。
次に、本実施形態の「測定・解析工程」における、各細孔パラメータの算出について、図1に記載の方法と比較して説明する。
透明多孔体中の細孔は、実際には、全て同一の半径を有する球形状ではなくて、平均細孔径raveを中心として、小さなものから大きなものまで色々な半径を有している。そこで、本実施形態においては、新たに、細孔半径がrからr+drであるような細孔径の規格化分布函数として、P(r)drを導入する。
規格化条件より、当然、
Figure 0006106125
である。従って、この細孔径分布函数に細孔数密度Nを掛ければ、細孔半径がrからr+drであるような細孔数密度分布が求められる。
さて、細孔径が分布を持つと、式(5)に示すように細孔半径は球状散乱体の体積を介して、散乱断面積(4)に影響するので、結局、式(1)で与えられる濁度τも細孔径分布函数の影響を受けることになり、色々な細孔径を有する散乱体による散乱の効果を全部含めた次の積分によって置き換えなくてはならない:
Figure 0006106125
同様にして、数密度Nを含む式は、全て細孔径分布函数N・P(r)drを用いた積分表示に書きなおされる。即ち、式(5)の球状散乱体の体積は、
Figure 0006106125
となり、式(7)の多孔体の空隙率φも、
Figure 0006106125
と書きなおされる。
さて、細孔半径が数十nmを超えて、数百nm領域に分布することを前提とすると、散乱は波長の4乗分の1に比例するレイリー型散乱だけでなく、波長の2乗分の1に比例するミー(Mie)型散乱をも考慮に入れる必要が生ずる。しかし、ミー散乱が支配的になると、雲のような白濁が起こるはずであるが、そのようなことは事実として起こっておらず、しかも多孔体が透明であることを考慮すると、散乱断面積Cscaに対する補正は、サイズパラメータx(≡kr=2πr/λ、k:は媒質中の波数、r:は細孔半径)の6次の項まで考慮した散乱効率Qsca(x)より求められるとして近似でき、その場合、散乱効率Qsca(x)は、
Figure 0006106125
で与えられることが知られている(非特許文献5参照)。非特許文献5には、サイズパラメータxの8次まで考慮した散乱効率が与えられており、その場合は、散乱体の半径が波長に匹敵する程度(r≦λ)まで有効である。
通常のレイリー散乱は、式(17)において初項までに留めた場合で、サイズパラメータがx<<1(通常は1/10程度まで)の範囲でしか有効でない。従って、濁度を媒質内波長λの逆4乗(1/λ)で回帰直線解析する際(図1に記載の方法)は、光源波長は350nmから800nm内の可視光領域に留める必要があった。
ここで、本実施形態は、細孔半径として100nmに近い数十nmまでを考慮する。光源波長λを近紫外領域の300nmまで広げると、サイズパラメータxは0.6前後にまで増加するので、xの6次まで取り入れた式(17)を採用する。ところで、散乱効率Qsca(x)は、散乱断面積Csca(x)を散乱体の幾何断面積πr で除した量であるから、散乱断面積Csca(r)は、
Figure 0006106125
で与えられる。従って、式(14)で与えられる濁度τは、上式(18)を細孔分布函数P(r)を掛けて積分した形式で、
Figure 0006106125
で与えられる。
ここまで、サイズパラメータにして6次、細孔半径にして8次まで考慮するならば、むしろ媒質内波長λの逆数の6次の項を意図的に観測するために、光源波長を可視域に限定せず、より近紫外領域にまで、即ち、掃引波長範囲を300nmから800nmに広げるとよいことは自明である。
そこで、近紫外域まで含めて測定した透過率より、式(2)の両辺の自然対数をとって試料厚dで除した量を作ると、濁度τが波長λの逆4乗に比例する主要項と逆6乗に比例する補助項の2項からなることが判る。そこで、横軸1/λに対してプロットすると、濁度の波長依存性の曲線は、1/λに対する直線から僅かにそれて湾曲した曲線となる(第2工程)。即ち、
Figure 0006106125
となる。つまり、透過率スペクトルT(λ)から、ln(1/T)/dを作成して、対応する媒質内波長(λ=λ/n)の逆4乗(1/λ)に対してプロットすると、縦軸切片Cで、「傾きβの主要直線」に「重みγで与えられる歪み」が被った曲線に載ることが期待される。あるいは、横軸を媒質内波長λの逆2乗(X=1/λ)にしてプロットすると、Y=βγX+βX+Cの近似函数によって、精度良くカーブフィットされることになる。
そして、ln(1/T)/dを、逆4乗(1/λ)と逆6乗(1/λ)を独立変数とする線形多重回帰分析すれば、1/λの係数β、1/λの係数βγ及び縦軸切片Cとが求められる(第3工程)。縦軸切片Cから、単一界面の反射率(式(10))と実効屈折率(式(11))が求められることは、細孔径が単一の場合も、細孔径分布を持つ場合も同じである。
傾きのパラメータβは、やはり体積の次元を有するが、式(19)から判るように、細孔径分布函数の6次のモーメントを含む形で与えられる。即ち、
Figure 0006106125
である。他方、歪みの重み係数γは、傾きパラメータβとの積βγとして、細孔径分布函数の8次のモーメントを含む形で与えられ、
Figure 0006106125
となる。重み係数γそのものは面積の次元を有し、多重線形回帰分析より求められた逆6乗(1/λ)の係数(βγ)を逆4乗(1/λ)の係数(β)で割れば数値的に求められる。
こうして求めた傾きパラメータβ(式(21))を、やはり平均細孔半径raveの球状散乱体V=(4π/3)rave ・N(表面積はS=4πrave ・N)による散乱とみなせば、単一半径の場合と同様に、平均細孔半径raveを求めることができる。
次に、細孔径分布函数P(r)の決定法について述べる。
細孔径分布函数P(r)の具体的な函数形は、高次のモーメントが計算できる分布函数であれば何でもよい。(その意味で、コーシー分布やローレンツ分布は二次以上のモーメントが数学的に求められないので除外される)。具体的には、ガウスの正規分布函数、対数正規分布函数、ワイブル分布、指数函数分布、ガンマ函数分布、ベータ函数分布等々、何でもよいが、高次冪のモーメントが解析的に求められるものの方が好ましい。しかし、コンピュータにより数値計算ができるもので、実験的に求められる細孔半径の分布を以下に記載する三つの(最低二つ)パラメータで表現できる分布函数であれば、いずれか一つに限られるものではない。ここで、三つのパラメータとは、(1)規格化のための定数、(2)細孔径分布函数の最大ピーク値を与える細孔半径(ガウス分布なら平均値)、そして(3)細孔径分布函数のピーク分布の広がり具合を指定するパラメータ(ガウス分布なら分散)である。
例えば、ガウスの正規分布函数の場合、規格化されているので、指定すべきパラメータは二つで、分布の最大値は平均値xaveによって、また、その分布の広がりは分散Dによって指定される:
Figure 0006106125
ガウスの正規分布は、変数xの変域に負の数を含み、正値を取る細孔半径rと整合し難いばかりか、高次のモーメントを計算するには扱いにくく、本発明の実施例においては、高次冪のモーメントが求めやすいガンマ分布函数を用いた(非特許文献6参照)。検出される最小細孔半径をr、分布広がりをs、規格化定数cとして、
Figure 0006106125
で定義されるガンマ分布は、細孔径分布函数の最大分布ピークを与える細孔半径が、
Figure 0006106125
にあり、n次の冪の高次モーメントは、次式で与えられる:
t=r−rとして、
Figure 0006106125
ここで、Γ(z)は、
Figure 0006106125
で定義されるガンマ函数で、漸化式:Γ(z)=Γ(z+1)/zなどの性質を有する。
上記細孔径分布函数において、規格化定数cは条件式(13)により決定される。また、分布の最大値を指定する細孔半径rmaxと広がりパラメータsとは、濁度の線型多重回帰分析より求められる分布函数P(r)に関する6次と8次のモーメント(積分実施後は、sについての8次と10次の代数方程式)を含む係数β(式(21))とβ・γ(式(22))とを連立させて解くことで求めることができる。
以上により、三つのパラメータ(c、rmax、s)が決定されるので、細孔径分布函数P(r)が決定される(第5工程)。即ち、透明多孔体の細孔径分布を、その透過率スペクトル測定より求めた濁度の波長依存性の線型多重回帰分析より決定できる。
細孔径分布より、平均細孔半径raveが求まり(第5工程)、この平均細孔半径raveを式(12)におけるrに置き換えれば、比表面積σ[m/kg]も、単一半径rの場合と同様に、求められる(第6工程)。
[実施例]
本発明の1実施例として、上記原理の具体的適用例を、以下図面を参照して詳細に説明する。
図3に、本実施例における細孔パラメータ算出の流れの詳細を示す。本細孔パラメータ算出法の構成要素は、図1において説明した通り、第1に「加工・洗浄工程」、第2に「測定・解析工程」の二つである。まず「加工・洗浄工程」において、被検試料を作製し、前処理を行う。次に「測定・解析工程」において、被検試料の透過率スペクトルを測定し、測定された透過率スペクトルを解析して、細孔パラメータを算出する。なお、本実施の形態例では、参考として「検証工程」を設けているが、「検証工程」では、本実施例のパラメータ算出法により抽出されたパラメータを、従来法である吸脱着等温線から求めた結果と比較して、その妥当性を評価している。
本実施例では、具体的な適用対象の透明多孔体として公称細孔径4.2nmのコーニング社製Vycor7930(Thirsty Glass)多孔質シリカガラスを用いて、細孔パラメータの算出を行う。表1に示すように、このシリカガラス試料(透明多孔体試料)の平均細孔直径の公称値は4.2〜4.6nmで、従来法のBET法で測定すると、比表面積は約195〜200[m/g]とされる。
Figure 0006106125
1.「加工・洗浄工程」
まず、「加工・洗浄工程」から説明する。
「加工・洗浄工程」において、試料の加工を行う(試料作成工程)。被測定対象である透明多孔体試料を平行平面板形状に加工するに当たり、試料の厚さdに関しては、透過率を測定可能な範囲内の厚みとし、試料の縦横の大きさについては、透過率測定の光学系に合わせて任意の大きさとする。なお、本実施例では、透過率スペクトルを測定する分光光度計の試料ホルダに適合させた。
本実施例では、試料準備として、試料となる透明多孔体を厚さ1mm程度、縦横幅8mm×8mm程度の平行平面板に加工する。
次に、透明多孔体試料の洗浄を行うが(洗浄工程)、有機物の吸着とその酸化に起因する黄ばみなどが透明多孔体試料に見られる場合には、有機物そのものと黄ばみを取り除くため、有機溶媒による洗浄を行う。有機溶媒による洗浄工程として、アセトン、エタノール、超純水による洗浄を、それぞれ単独もしくは二つ以上を複数組み合わせ、かつ各洗浄をそれぞれ複数回以上、被測定対象である透明多孔体試料に対して、測定前処理として実施する。
透明多孔体は、一般的に、大気中に長時間放置すると細孔内に有機物質を吸着し、そのために黄ばむ傾向がある。光透過率の測定に際して、これら有機物汚染の影響を取り除くために、透明多孔体試料は、最初にアセトン(純度99%)、エタノール(純度99.5%)、及び超純水(18MΩ・cm)を用いて洗浄する必要がある。ここでは、透明多孔体が、有機溶媒では侵食されないという前提で、実施例を展開する。なお、透明多孔体の素材が、これら有機溶媒によって侵食される場合には、以下の洗浄は実施できない。代わって、塩酸、硫酸などの酸による洗浄に切り替えることもあり得る。洗浄に用いる溶媒に関しては、洗浄対象となる多孔体の化学的組成を充分に検討して決定する必要がある。
図4は、透明多孔体の有機溶媒による洗浄工程を示す図であり、図4(a)は洗浄工程、および図4(b)は洗浄後の乾燥工程を示している。
洗浄手順は、図4(a)に示すように、最初に、透明多孔体試料をアセトンで満たした容器内に浸漬し、さらにその容器そのものを、水を張った超音波洗浄器内に浸漬して、10分間超音波洗浄を行う。このステップを、10分後の洗浄終了毎に新しいアセトンに入れ替えて3回繰返す。次に、全試料を純水でリンスした後、再度図4(a)に示すように、エタノールを満たした新しい容器内に浸漬し、さらにその容器そのものを、水を張った超音波洗浄器内に浸漬して10分間超音波洗浄を実施する。このステップも3回繰り返す。試料を再度純水でリンスした後、微量の残留エタノールを取り除くために、再々度、図4(a)に示すように、超純水で満たされた容器内に透明多孔体試料を浸漬し、この容器を、水を張った超音波洗浄器内に浸漬して10分間超音波洗浄を実施する。これも3回繰返す。
最後に、透明多孔体試料を乾燥させる(乾燥工程)。乾燥工程は、図4(b)に示すように、透明多孔体試料を、乾燥窒素を流したデシケータ中に6時間程度保管することで、充分に乾燥させる。また、他の乾燥方法として、洗浄工程により洗浄した透明多孔体試料を、真空中で150℃以上に6時間以上加熱し、加熱後に乾燥窒素保管して透明多孔体試料を乾燥させてもよい。
ここで、被測定対象の透明多孔体が、多孔質シリカガラスである場合、測定・解析工程を実施するに先立ち、洗浄工程を追加して、0.1%希釈フッ酸によるライトエッチング処理を測定前処理として実施することもできる。被測定透明多孔体が多孔質シリカガラスの場合には、試料表面を希フッ酸により化学的にエッチングすることにより、さらに透明度を向上させることができる。
図5は、多孔質シリカガラスの透明多孔体試料の希フッ酸によるライトエッチングを示し、図5(a)は希フッ酸エッチング、図5(b)はエッチング後の流水による洗浄を示している。
エッチング工程としては、図5(a)に示すように、濃度0.1%の希釈フッ酸溶液を満たしたテフロン(登録商標)容器に1分間、透明多孔体試料を浸漬する。浸漬の際は、試料をハンドリングするためテフロン製のチップホルダーを用いる。
次に、図5(b)に示すように、希フッ酸によるライトエッチングの後、試料を超純水の流水中に20分間浸漬してリンスし、これにより微量のフッ酸を除去する。
実際、この工程を経ることによって、透明多孔体試料を真空中で約450℃まで加熱した後でも光学的に透明な状態に保持することが可能である。
最後に、図4(b)に戻って、試料を、乾燥窒素を流したデシケータ中に6時間程度保管することで、充分に乾燥させる。
2.測定・解析工程
測定・解析工程について、詳細に説明する。
まず、本実施例において使用する細孔パラメータ計測システムについて説明する。図6は、本実施の形態において使用する細孔パラメータ計測システムの構成を示すブロック図である。
細孔パラメータ計測システム600は、透明多孔体試料601の透過率スペクトルを測定する分光光度計610と、分光光度計610により計測された透明多孔体試料601の透過率スペクトルから、透明多孔体試料の細孔パラメータを算出する解析用コンピュータ620とにより構成される。なお、分光光度計610と、解析用コンピュータ620とは、有線又は無線により接続されていてもよい。
分光光度計610は、透明多孔体試料601に、近紫外光から可視光を照射する光源611と、測定対象の透明多孔体601を挿入する試料室612と、透明多孔体試料601を透過した光を検出する検出部613と、検出した透過光から透過率スペクトルを算出する演算部614とにより構成される。
透過率スペクトルの測定を行う分光光度計610は、島津製作所製U−3500分光光度計を用いた。透明多孔体試料は8mm角程度の大きさとしたので、孔径6mmのアルミ製試料ホルダ(プレート)に取り付けて、測定した。
次に、測定・解析工程の手順について説明する。
まず、近紫外から可視領域の透過率スペクトルの測定を行う(図2の第1工程に該当)。本工程では、上記加工・洗浄工程を経た透明多孔体試料601を分光光度計610の試料室612に挿入し、光源611の波長(λ)を近紫外領域0.30から0.8μmの波長範囲で、透明多孔体試料に照射し、検出部613において透過光強度Imeas(λ)を検出する。検出された透過光強度Imeas(λ)は、演算部614に入力され、演算部614において、透過光強度Imeas(λ)と参照光強度Iref(λ)とを式(2)に従って透過率T(λ)に変換する。これは標準的なダブルビーム分光光度計であれば、容易に実施できる測定である。
図7は、本工程により測定された、透明多孔体試料の透過率スペクトルを示す図表である。この試料とした多孔質シリカガラスは、短波長側0.33μm以下で透過率の減少がみられるが、シリカガラス自体に起因する紫外吸収端はもっと短波長側(210nm以下:非特許文献7参照)にあることが知られている。従って、波長0.30から0.33μmの間の透過率減少は、細孔による散乱による透過率減衰と考えられる。他方、0.35〜0.8μmの可視領域はほぼ透明で、この領域での透過率は90%を超える。
次に、上記工程により測定した透過率スペクトルから、細孔パラメータを算出する。図8は、本実施例における、細孔パラメータ算出の方法の詳細を示すフローチャートである。細孔パラメータ算出の方法は、透過率スペクトルを計測する分光光度計に接続された図6に記載の細孔パラメータ解析用コンピュータ620において行う。
細孔パラメータ算出は、まずステップS801において開始し、ステップS802において、コンピュータ620に測定ファイル名と初期パラメータを入力する。初期パラメータとしては、試料厚(d)、空隙率(φ)、そして、解析対象の透明多孔体の実効屈折率(n)を入力する。
ステップS803において、上記第1工程により得られた透過率スペクトル(T(λ))が分光光度計610からコンピュータ620に取り込まれ、コンピュータ620において、式(20)に従って解析が進められる。
ステップS804において、媒質内波長(λ(=λ/n))の計算を行う。本実施の形態では、多孔質シリカガラスを被測定対象としていることから、暫定的にシリカ骨格の屈折率1.45を透明多孔体の実効屈折率nの第1の出発値として採用する。
ステップS805において、透過率スペクトル(T(λ))を、式(20)の左辺に従って、対数を取り試料の厚さdで除した量ln(1/T)/dを縦軸に、媒質内波長(λ)の逆4乗(1/λ)又は逆2乗(1/λ)を横軸にとってプロットする。図8のステップS803〜S805は、図2の第2工程の詳細を示すものである。
ステップS805において得られたln(1/T)/dの媒質内波長λの逆4乗(1/λ)又は逆2乗(1/λ)に対するプロットを、ステップS806において、式(20)の右辺に示す逆4乗(1/λ)と逆6乗(1/λ)を含む線型多重回帰曲線でカーブフィッティングすることによって、逆4乗(1/λ)に対する係数(傾きのパラメータβ)、逆6乗(1/λ)に対する係数(歪パラメータγと前記βとの積β・γ)、および縦軸切片Cの値を求める。図8のステップS806は、図2の第3工程の詳細を示すものである。
ステップS807において、線型多重回帰分析より求まる縦軸切片(C)の値と式(10)とを用いて、単一界面の反射率(r)が求まり、この反射率(r)の値を式(11)に代入することで、多孔体の新実効屈折率nを算出する。図8のステップS807は、図2の第4工程の詳細を示すものである。
ステップS808において、線型多重回帰分析より求まる縦軸切片(C)の値より、式(10)及び(11)を用いて求めた1番目の算出値である新実効屈折率(n)と第1の出発値(n)とを比較して屈折率の誤差(|δ|)を求める。屈折率の誤差(|δ|)が許容誤差を超えているようであれば、ステップS809において、屈折率の誤差(|δ|)が小さくなるように、第1の算出値(n)と第1の出発値(n)の中間値を新たな第2の出発値(n)として採用して、再度、ステップS804に戻る。ステップS804〜ステップS807による線型多重回帰分析を繰返し、再度、第2の算出値(n)を求める。この差(|δ|)が許容誤差内に小さくなるまで、この計算ループを繰返すことで、精度よく、最終解に到達できる。
図9は、ステップS805のln(1/T)/dの媒質内波長λの逆4乗(1/λ)依存性を、逆4乗(1/λ)と逆6乗(1/λ)とを独立変数とする線形多重回帰分析した結果を示す図表で、図9(a)が初回(第1の出発値n=1.45で計算)の結果、図9(b)は上記の計算ループにより収束した実効屈折率n=1.35075に達した際の結果である。
図9(b)に示すように、最終的にβ=4.175050×10−7[μm]、βγ=3.220052×10−8[μm]、C=4.493975×10−5[μm−1]の値がそれぞれ得られる。また、表2に、図8に示す反復計算ループ(ステップS804〜S809)による、実効屈折率、縦軸切片、単一反射率を示す。縦軸切片の値は、反復計算によっても殆んど変化しないことが判る。また、表3に反復計算による傾きパラメータ(β)と、歪パラメータ(γ)の変化を示す。
Figure 0006106125
Figure 0006106125
ステップS810において、収束後得られた傾きパラメータ(β)ならびに歪パラメータ(γ)の値を用いて、式(23)で定義される細孔径分布函数に対する6次モーメント(式(21))と8次のモーメント(式(22))の表式を代数的に解くと、表4に示すように、規格化定数(c)、最大ピーク半径(rMAX)、分布広がり(s)のそれぞれの値が求められる。
Figure 0006106125
決定されたパラメータを用いて、規格化された細孔径分布函数を図10(a)に、また、式(15)で定義される直径2rから2(r+dr)内にある細孔体積分布函数P(d)を図10(b)に示す。
これより、平均細孔半径がrave=2.377[nm]と求まり、シリカ骨格の密度ρskelton=2.65[g/cm]であるから、式(12)を用いると、比表面積もσ=204.05[m/g]と算出される。この平均細孔半径は、公称細孔直径4.6[nm]に非常に近い値となっている。
図8のステップS810は、図2の第5の工程及び第6の工程の詳細を示したものである。
本実施例の細孔パラメータ算出の方法は、プログラム・モジュールの中に含まれ、細孔パラメータ解析用コンピュータ620において、目標の現実のプロセッサ上または仮想のプロセッサ上で実行されるコンピュータ実行可能命令の一般的な文脈で説明することができる。プログラム・モジュールのためのコンピュータ実行可能命令は、ローカルのコンピューティング環境内で、または分散コンピューティング環境において実行することができる。
また、本実施例の細孔パラメータ算出の方法は、コンピュータ可読媒体の一般的な文脈で説明することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピューティング環境内でアクセスすることが可能な任意の可用な媒体である。例として、限定としてではなく、コンピューティング環境内で、コンピュータ可読媒体には、メモリ、ストレージ、通信媒体、および以上のいずれの組合せも含まれる。
3.検証工程
検証工程では、本実施例のパラメータ決定法により抽出されたパラメータを、従来法である吸脱着等温線から求めた結果と比較して、本発明実施例の細孔パラメータ決定法による結果の妥当性を評価する。
細孔直径分布を求めるには、透明多孔体の比表面積を求めるのと同様に、容量式自動ガス吸着装置(BELSORP−mx)を用いて吸脱着等温線を決定する。この装置は、多孔体の孔内壁面への窒素ガスの吸着量を自動的に測定できる。次に、この吸着等温線から、Dollimore and Heal法(非特許文献2)を用いて細孔直径分布を求める。
従来法に基づいて、実施の形態例2にて使用したのと同一の多孔質シリカガラス試料に対して、吸脱着等温線を求めた。
この吸着量測定に先立ち、多孔質シリカガラス試料を、実施例に示した洗浄工程を施した後、6時間に渡り約450℃で真空加熱し、細孔内部に吸着した水分を乾燥させた。乾燥後、多孔質シリカガラス試料について77Kにおける窒素ガスの吸脱着等温線を測定した。
図11に、多孔質シリカガラスの窒素ガス吸脱着等温線を示す。横軸に、液体窒素温度における飽和蒸気圧に対する窒素ガス圧の相対値を取り、縦軸に吸着量をとっている。吸着等温線と脱着等温線とはメソポーラス多孔物質に典型的なヒステリシス特性を示している。この吸着等温線を相対圧P/P=0.02〜0.5の範囲で、BET解析することによって、比表面積としてσ=207[m/g]の値を得る。
この値と上記に示された本発明の方法により導出された値(204.05[m/g])とを比較すると、本実施例による値は、従来法で求められた値にほぼ同等であることがわかる。本パラメータ算出法では、細孔の幾何学形状として球形を想定しており、他方、従来法が円柱状の細孔形状を想定していることと考え合わせると、本評価法による値と従来法による値とが、偶然とは云え、同一の値を与えたことは、かなり驚くべきものである。
図12に、上記多孔質シリカガラスの細孔直径分布を示す。これは、図11に示した吸脱着等温線をDollimore−Heal法(非特許文献2)により解析して求めたものである。
吸着等温線を解析すると、細孔直径6.4nm当りにピークを有するブロードな細孔径分布曲線が得られる。他方、脱着等温線を解析すると、細孔直径4.2nmに顕著なピークを有するシャープな細孔径分布曲線が得られる。
本発明のパラメータ算出法により決定された細孔径分布は、図10(a)に示す細孔径分布P(r)よりは、図10(b)に示す細孔体積分布P(r)により近い。しかも、脱着等温線より求めた細孔径分布曲線に近い。従って、平均細孔半径(rave)として、図10(b)に示す体積分布の最大値を取るのが妥当であるように思われる。但し、図10(b)に示す体積分布の広がりは、図12に示す脱着側の細孔径分布の分布広がりよりも広い。これは、レイリー散乱からのズレによって、分布広がりを求めた(逆6乗より求めた)ことに原因があると思われる。
この結果から、本発明による細孔パラメータ算定法による細孔径分布は、吸着等温線に基づく細孔径分布と比較すると、もととなった細孔径分布函数よりは体積分布函数の方に類似しており、体積分布函数に基づいた平均細孔径と非常に近い結果が得られていることがわかる。
601 透明多孔体試料
610 分光光度計
611 光源
612 試料室
613 検出器
614 演算部
620 解析用コンピュータ

Claims (7)

  1. 分光光度計に接続されたコンピュータにより、透明多孔体の細孔パラメータを算出する方法であって、
    平行平板状に加工された前記透明多孔体の平行平板厚と空隙率とを、予め前記コンピュータに入力するステップと、
    前記分光光度計において測定した前記透明多孔体の透過率スペクトルを、前記コンピュータに入力するステップであって、前記透過率スペクトルは、近紫外域から可視領域において波長掃引して測定される、ステップと、
    前記透過率スペクトルの対数を前記透明多孔体の平行平板厚で除した第1の値を、前記分光光度計の光源波長を前記透明多孔体の骨格部材の屈折率で除した第2の値の逆4乗又は前記第2の値の逆2乗に対してプロットするステップと、
    前記第2の値の逆4乗又は前記第2の値の逆2乗に対してプロットした前記第1の値を、前記第2の値の逆4乗と前記第2の値の逆6乗とを独立変数として線形多重回帰分析を行って、前記第2の値の逆4乗に対する係数と前記第2の値の逆6乗に対する係数と縦軸切片とを算出するステップであって、前記第2の値の逆4乗に対する前記係数は傾きパラメータであり、前記第2の値の逆6乗に対する前記係数は歪パラメータである、ステップと、
    前記縦軸切片から空気と多孔体界面とにおける反射率を算出するステップと、
    前記透明多孔体界面での反射率から前記透明多孔体の実効屈折率を算出するステップと、
    前記傾きパラメータ及び前記歪パラメータから、前記透明多孔体の予め仮定した細孔径分布函数の高次モーメントを求め、前記細孔径分布関数を規定する少なくとも2つのパラメータを、前記高次モーメントから代数的に演算して算出し、細孔径分布を決定するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記細孔径分布から、平均細孔半径を算出するステップと、
    前記空隙率と前記平均細孔半径を用いて、前記透明多孔体の比表面積を算出するステップと
    をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記透明多孔体は、アセトン、エタノール、及び超純水による、透明度を向上させるための洗浄であって、それぞれ単独もしく2つ以上を複数組み合わせ、かつ各洗浄をそれぞれ複数回以上、洗浄を施されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記透明多孔体が多孔質ガラスである場合、前記透明多孔体は、前記洗浄工程は、0.1%希釈フッ酸による前記透明多孔体のライトエッチング処理がさらに施されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記透明多孔体は、前記洗浄により洗浄したのち、真空中で150℃以上に6時間以上加熱し、加熱後に乾燥窒素保管して乾燥させる乾燥工程がさらに施されることを特徴とする請求項3又は4に記載の方法。
  6. 前記透明多孔体の透過率スペクトルを測定する分光光度計と、前記分光光度計に接続されたコンピュータとを備え、
    請求項1又は2に記載の方法を実行することを特徴とする細孔パラメータ計測システム。
  7. 請求項1又は2記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
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