JP6103534B2 - 試験片の破壊靭性測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミックス材料や超硬材料、金属間化合物などの脆性物質の破壊靭性を測定する方法に関し、特に圧子圧入法(Indentation Fracture法、IF法)による破壊靭性の測定方法に関する。
セラミックス等の脆性材料の破壊靭性の測定法として、圧子圧入法(以下「IF法」と記載する)があり、材料の研究開発や製造現場での品質管理、商取引における製品品質のクラス分けなど、多方面で世界的に用いられている。
IF法は、図5、図6に例示したように、鏡面に仕上げた試験片(脆性材料)1の表面にビッカース圧子2を所定の荷重で押し込み、圧痕3の周りに半円形もしくは半楕円形の垂直亀裂4を発生させ、この圧痕3の対角線長さ2a1,2a2、亀裂長さ2C,2C、押込荷重、弾性率をもとに、破壊靭性を評価する方法である。その測定操作の簡便性と実用性から、この方法は、JIS R1607「ファインセラミックスの室温破壊じん(靱)性試験方法」においては、予亀裂導入破壊試験法(SEPB法:Single−Edge−Precracked−Beam Method)に準じる測定方法として採用されている。
このJIS R1607においては試験回数を5回以上として、個々の圧痕3の測定値から、次の式によって破壊靭性が算出される。
ここで、Kは破壊靭性値(MPa・m1/2)、Eは弾性率(Pa)でJIS R 1602によって測定された値を用いる。HVはビッカース硬さ(Pa)、Pは押込荷重(N)でビッカース圧子の押込荷重として硬さ試験機に設定した押込荷重(N)を用いる。Cは亀裂長さの平均の半分(m)であり、aは圧痕の対角線長さの平均の半分(m)である。図5に示した圧痕の対角線長さ2a1,2a2と亀裂長さ2C,2Cは、多くの場合、硬度計に付属の光学顕微鏡と測定ゲージ(オクラと呼ぶ)、または、金属顕微鏡などを用いて測定されることが一般的である。また、光学顕微鏡の対物レンズの倍率は10倍から20倍であり、接眼レンズの倍率は5〜10倍であることが多い。JIS R1607においてはこのように個々の圧痕に対して破壊靭性が計算され、その平均値を破壊靭性値として報告することになっている。
ファインセラミックスを対象とした破壊靭性の測定においては、JISに採用されている上記の三好の式(化1)が用いられることが国内では一般的である(JIS R1607、2010年 解説p.20−23参照)。一方で、IF法の算出式は、経験的な式であることから、同じ測定パラメータを用いるものの係数や指数が若干異なるだけの算出式が多く提案されており、国外においては新原の式が多用されている(ISO14627,ASTM F2094など)。また、超硬材料や金属間化合物などでは、これらとはまた異なる算出式が用いられることもある。
また、ベアリングボールを始め切削工具などのセラミックス製の比較的小型製品の破壊靭性の評価には、3×4×40mm程度の試験片を必要とする破壊靭性測定方法を利用することができない。一方、IF法は圧痕を打つことができる平らな面があれば測定できるために、小試験片に対応できるというメリットを有している。さらに、IF法は、試験方法が簡単であり試験環境の制御も比較的容易という長所も有している。このような理由から、IF法は、国内では標準的な破壊靭性の測定手法として主に工業界において多用されている。
しかしながら、国外においては、共通試験片を用いた国際的なラウンドロビン試験において著しく再現性に劣るなどの理由から、国際標準化が見送られ、標準的な試験手法としてみなされてこなかった。
測定値の再現性が劣る主な理由の一つに、従来の光学顕微鏡による観察においては、例えば、一般的な硬さ試験機に付属の光学顕微鏡と測定ゲージ(オクラ)を用いた場合では、亀裂4先端の識別が困難で、測定者の主観や経験、視力に依存して亀裂長さの測定精度が大きく低下するといったことが挙げられる。特に、白色のセラミックスなどでは亀裂先端が不明瞭であることが多く、測定精度の低下が避けられない。
そして、このような問題を解決するための方法についての検討がなされている。具体的には、例えば、特許文献1では、IF法による試験に先立ち、セラミックス試験片の表面に予め、不透明かつ有色な揮発性の塗料を薄く塗布し乾燥させて被膜を形成する方法が提案されている。
さらに、特許文献2では、IF法による試験に先立ち、金属薄膜を蒸着させ、その後にビッカース圧子を圧入し、生成する亀裂を光学顕微鏡で観察する方法が提案されている。この方法によれば、試験片自体の亀裂観察は困難でも、薄膜に生じた亀裂の観察は容易であることから、試験片の亀裂の識別が容易にでき、破壊靭性測定が容易かつ正確にできるとされている。
さらに別の方法として、倍率が40〜50倍以上の対物レンズ採用し、顕微鏡観察の分解能を向上させて亀裂先端の位置決めを容易にし、亀裂先端間の長さを試料ステージの移動量から求めるという方法も提案されている(非特許文献1)。
特開昭61―4949 特開平4−289436
Ceramics International、第39巻(2013)、pp.611‐617
しかしながら、特許文献1、2の方法では、インクの被膜や金属薄膜が試験片に確実に密着して、試験片表面に生じた亀裂がそのまま被膜にも正確に伝わっているかどうかを保証することができない。すなわち、図7に例示したように、例えば、セラミックスなどの試験片では脆性であるために微小な変位でも亀裂が生じるが、これら薄膜は延性を有するから、下にあるセラミックス試験片に亀裂が生じていても微小な変位では膜が伸びるだけで亀裂が生じない可能性がある。さらには、試験片表面から膜が剥離している可能性もある。このために試験片に生じた亀裂長さを正確に測定できなくなってしまう恐れがある。
また、特許文献1、2のような被膜が試験片表面に存在すると、ビッカース圧子の圧入時に生じる圧子と試験片との摩擦が、膜を付けずに試験片に直に圧入した時の摩擦と異なるため、測定される破壊靭性の値に影響すると考えられる。さらに、膜に用いるインクや金属の種類及び膜厚によって試験片の圧入時の摩擦の大きさが異なると考えられるため、インクの成分や金属の種類及び膜の作製条件や膜厚を厳密に統一しなければ、再現性ある測定値は期待できない。このように、特許文献1、2の方法は、IF法による試験に先立って試験片に予め被膜を形成するため、測定値のばらつきを抑えることが難しく、広く普及するには至っていない。
さらに、非特許文献1の方法では、高倍率の対物レンズが必要であるため、低倍率での測定に対応し難く、また、移動量が正確に測定できる試料ステージを利用するため、汎用性に欠けるという問題がある。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、IF法において、試験片に生じた亀裂長さを高精度かつ再現性高く測定することができ、低倍率での測定にも対応可能な汎用性に優れた試験片の破壊靭性測定方法を提供することを課題としている。また、この試験片の破壊靭性測定方法に利用される破壊靭性測定用混合溶液を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の破壊靭性測定方法は、試験片の破壊靭性測定方法であって、以下の工程、(1)試験片の表面にビッカース圧子を圧入して圧痕および亀裂を生じさせる工程、(2)試験片の表面に樹脂と溶媒を含む混合溶液を塗布し、圧痕および亀裂を覆う透明被膜を形成する工程、(3)前記透明被膜が形成された試験片表面の圧痕の対角線長さおよび亀裂長さを顕微鏡で計測する工程、を含むことを特徴としている。
この破壊靭性測定方法では、前記工程(2)で形成される透明被膜の厚みが、40nm〜300nmの範囲であることが好ましい。
この破壊靭性測定方法では、前記工程(2)における混合溶液の溶媒は、非極性溶媒であることがより好ましい。
この破壊靭性測定方法では、前記工程(2)における混合溶液における樹脂の濃度は、1%〜25%であることがさらに好ましい。
本発明の破壊靭性測定方法によれば、IF法において、試験片に生じた亀裂長さを高精度かつ再現性高く測定することができ、低倍率での測定にも対応可能であるため汎用性に優れている。また、本発明の試験片の破壊靭性測定用混合溶液によれば、上記効果を確実に実現することができる。
試験片の凹凸に起因する乱反射光を例示した模式図である。 本発明の破壊靭性測定方法の原理を示した模式図である。 炭化ケイ素測定試験片に196Nでビッカース圧子を圧入後に光学顕微鏡で圧痕及び亀裂を観察した写真である。 炭化ケイ素測定試験片に196Nでビッカース圧子を圧入後に樹脂濃度4重量%の混合溶液を塗布して乾燥させた後に、光学顕微鏡で圧痕及び亀裂を観察した写真である。 圧子圧入により脆性材料表面に形成される圧痕及び亀裂の平面模式図である。 圧子圧入により脆性材料表面に形成される圧痕及び亀裂の断面模式図である。 先行技術(特許文献1、2)の問題点を示した模式図および部分拡大図である。
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決するため、測定する試験片の亀裂の識別、長さ計測を容易かつ正確に行うことが可能な新しい測定方法を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた。
その結果、非常に細く、かつコントラストが弱い試験片の亀裂先端の観察を困難にしている要因は、例えば図1に例示したように、試料表面上の微細な凹凸による光の乱反射であり、この光の乱反射がノイズとなり、亀裂先端からの光の反射を識別し難くしていると推察された。
このような推察に基づいて、本発明者らは、試験片へのビッカース圧子の圧入後に圧痕および亀裂を樹脂と溶媒を含む混合溶液で被覆して透明被膜を形成することにより、光の乱反射を抑制し、亀裂の識別を容易かつ正確に行うことができるのではないかと着想し、本発明を完成させるに至った。
以下、本発明の試験片の破壊靭性測定方法およびこれに利用される破壊靭性測定混合溶液の一実施形態について詳しく説明する。
本発明の試験片の破壊靭性測定方法は、JIS R1607(2010年)に示されるIF法に沿って行うことができる。そして、本発明の試験片の破壊靭性測定方法は、以下の工程、
(1)試験片の表面にビッカース圧子を圧入して圧痕および亀裂を生じさせる工程、
(2)試験片の表面に樹脂と溶媒を含む混合溶液を塗布し、圧痕および亀裂を覆う透明被膜を形成する工程、
(3)前記透明被膜が形成された試験片表面の圧痕の対角線長さおよび亀裂長さを顕微鏡で計測する工程、
を含む。
工程(1)では、試験片の表面にビッカース圧子を圧入して圧痕および亀裂を生じさせる。
試験片は、破壊靭性を測定すべき試料を3×4×40mm程度の大きさに切り出したものであり、材料としては、IF法の測定対象とされる各種セラミックス 、超硬材料、金属間化合物などを適宜選択することができる。
ビッカース圧子の圧入の際の押込荷重や荷重保持時間などの条件は適宜設定することができ、例えば、押込荷重は4.9〜490N、荷重保持時間は、10〜30秒程度の範囲を例示することができる。
工程(2)では、試験片の表面に樹脂と溶媒を含む混合溶液を塗布し、圧痕および亀裂を覆う透明被膜を形成する。
混合溶液に含まれる樹脂は、例えば、ロジン、ギルソナイトなどの天然樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、フタル酸樹脂などの合成樹脂などを例示することができる。また、樹脂には、合成樹脂に添加されるパラフィンやステアリン酸などの公知の滑剤、安定剤、可塑剤などが含まれていてもよい。
溶媒は、樹脂を溶解できるものであれば特に限定されないが、水分の混入を避けるために、非極性溶媒であることが望ましい。溶媒に水分が含まれると、セラミックスにおいては低速亀裂成長が生じ、本来の亀裂長さよりも長い亀裂が測定される恐れがある。したがって、溶媒が非極性溶媒であることで、試験片の亀裂を正確に測定することができる。
また、溶媒は、混合溶液を試験片に塗布した後速やかに乾燥する高い揮発性を有していることが好ましい。
具体的には、溶媒としては、例えば、市販のペイント薄め液やシンナー(例えば、ロックペイント株式会社製など)、リグロインなどの高沸点石油系溶剤、メチルシクロヘキサンや、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタンなどの脂肪族炭化水素などを例示することができる。
そして、上記のような樹脂と溶媒を含む混合溶液としては、例えば、非極性溶媒を用いている市販のフタル酸樹脂ワニスを好適に例示することができる。
これらの樹脂と溶媒を含む混合溶液の濃度としては、例えば、市販のワニス(樹脂成分50重量%)を薄め液で希釈する場合では、樹脂成分の濃度が1〜25重量%の範囲であることが好ましく、さらに、樹脂成分が4〜12重量%であることがより好ましい。混合溶液中の樹脂濃度が1重量%未満であると、1回の塗布で十分な厚みの透明被膜を形成することが難しく、4回以上の重ね塗りする場合には被膜の表面の平滑性が損なわれる恐れがあるためである。一方、樹脂濃度が25重量%を超えると、1回の塗布で好適な被膜厚さよりも厚い透明被膜が形成されてしまうといった問題や、混合溶液の粘性が高いと試験片表面に亀裂全体を覆うように液を押し広げて塗布する際に、場所によって厚みのむらが生じやすく、試料表面に均一に塗布が難しくなるという問題が生じる。したがって、樹脂成分の濃度が1〜25重量%、好ましくは4〜12重量%であることによって、1、2回の塗布で好適な厚みで、かつ表面が平滑な透明被膜を形成することができるため、試験片の表面の凹凸からの乱反射光を著しく低減することができる。
透明被膜の厚みとしては、40〜300nmの範囲にあることが好ましく、90〜110nmの範囲であることがより好ましい。混合溶液の濃度及び塗布量を適宜選択することにより、好ましい透明被膜の厚さに形成することができる。透明被膜の厚みが40nm未満であると、試験片の表面凹凸からの乱反射光を十分に除去できなくなるためである。一方、透明被膜の厚みが300nmを超えると、亀裂からのかすかな光の反射さえも弱めてしまい、亀裂自体が見えにくくなる恐れがあるためである。したがって、透明被膜の厚みを40〜300nm、好ましくは90〜110nmの範囲とすることで、試験片の表面凹凸からの乱反射光を抑制し、亀裂を正確に識別することができる。なお、本発明における「透明被膜の厚み」は、試験片表面の平坦な面から透明被膜の表面までの距離をいう。
また、試験片への混合溶液の塗布法も特に限定されないが、簡便な方法しては、例えば、フェルトや、綿棒などに混合溶液を含浸させて、圧痕と亀裂全体を覆うように軽く塗る方法などを例示することができる。混合溶液の樹脂濃度が低い場合(樹脂成分10重量%未満)は、所定の厚みの透明被膜を形成するために、圧痕と亀裂の周辺全体をフェルトの先もしくは綿棒などで2〜3回なぞるようにして、均一に混合液を塗布することができる。一方、混合溶液の樹脂濃度が高い場合(樹脂成分10重量%以上)では、樹脂濃度が低い場合に比べて少なくてよいので、なぞる回数は1回でも好適な厚みの透明被膜を形成することができる。
そして、混合溶液において揮発性の高い非極性溶媒を使用する場合、混合溶液中の樹脂濃度が低い場合は、塗布した混合溶液の揮発成分(非極性溶媒)が多いので、溶液塗布後に30秒程度で乾燥し、混合溶液中の樹脂濃度が高い場合は数秒で乾燥が完了する。これにより、試験片表面に薄く平滑な透明被膜を均一に形成することができる。
工程(3)では、前記透明被膜が形成された試験片表面の圧痕の対角線長さおよび亀裂長さを顕微鏡で計測する。
図5に例示したように、本発明における「圧痕の対角線長さ」は、長さ2a1,2a2で表され、「亀裂長さ」は、対向する亀裂の先端の間の長さ2C1,2C2で表される。この圧痕の対角線長さおよび亀裂長さを適宜な光学顕微鏡を用いて計測し、押込荷重、弾性率とともに、現在提案されている算出式(JIS R 1607の式(化1)、ISO14627,ASTM F2094など)に基づいて試験片の破壊靭性を評価することができる。
本発明の試験片の破壊靭性測定方法は、工程(2)において、試験片の表面に樹脂と溶媒を含む混合溶液を塗布し、圧痕および亀裂を覆う透明被膜を形成する。このため、透明被膜が試験片表面の凹凸を埋めて平滑な表面を形成し、試験片表面の凹凸からの乱反射光を著しく低減することができる(図2)。これにより、ノイズの減少、つまりS/N比の増大により、亀裂からのかすかな反射でも比較的容易にとらえることができるので、亀裂先端の位置を容易かつ正確に識別して計測することが可能となる。
本発明の試験片の破壊靭性測定方法では、試験片に亀裂を形成した後に透明被膜を形成するため、従来技術(特許文献1、2)のように試験片に生じた亀裂が被膜に正確に転写されない可能性や、試験片表面からの被膜の剥離の可能性を考慮する必要が全くない。また、ビッカース圧子の圧入時は、透明被膜を形成する前であるから、特許文献1、2のようにビッカース圧子と被膜との摩擦が測定値に影響することもない。
さらに、高倍率(例えば倍率が40〜50倍以上)の対物レンズなどを必ずしも必要とせず、汎用の試験装置や、比較的低倍率の光学顕微鏡によって、試験片に生じた亀裂長さを高精度かつ再現性高く測定することができる。このため、本発明の試験片の破壊靭性測定方法は、汎用性に優れ、新たに特別な器具を必要としないため、コストの負担も少ない。
より詳しくは、本発明の試験片の破壊靭性測定方法により、次のような効果が奏される。(1)圧痕対角線長さと亀裂長さの測定に用いる光学顕微鏡の対物レンズの倍率が10〜20倍で接眼レンズの倍率が5〜10倍のような低倍率での測定においては、透明被膜の形成により、精確かつ迅速な破壊靭性の測定方法を提供することができる。
(2)圧痕対角線長さと亀裂長さの測定に用いる光学顕微鏡の対物レンズの倍率が40〜50倍で接眼レンズの倍率が10倍以上のような高倍率での測定においては、透明被膜の形成により、迅速な破壊靭性の測定方法を提供することができる。
(3)試験片表面に、亀裂の識別を容易にすることのできる薄く均一な透明被膜を作成するために用いる破壊靭性測定用混合溶液を提供することができる。
(4)新たな装置を必要とせず、汎用の設備で十分に対応できることから、万人の破壊靭性の測定誤差を低減し、測定値の再現性を向上させることができる。
(5)測定誤差の低減により再現性が向上するため、異なる測定機関において測定された値であっても、信頼してそのデータを用いることができる。
(6)試験片上面に平滑かつ均一な透明被膜を形成するので、研磨途中の粒の破砕や脱落による表面の凹凸や研磨傷がほとんどないようなきわめて平滑な鏡面状態に試験片表面を加工せずとも、十分に信頼できる測定が可能である。このため、試験片表面の鏡面仕上げの条件を緩和することができ、ひいては、研磨工程の簡略化、低コスト化、短時間化に寄与できる。
(7)試験片表面の透明被膜が亀裂先端への水分の侵入を遮ることから、低速亀裂成長を抑制でき、低速亀裂成長の影響による測定誤差を低減することができる。
本発明の試験片の破壊靭性測定方法は、以上の実施形態に限定されることはない。例えば、破壊靭性の算出には、公知の算出式を使用することができ、弾性率と押込荷重と亀裂長さ、圧痕の対角線長さに基づいて算出することができる。
次に、実施例により本発明の試験片の破壊靭性測定方法について具体的に説明するが、以下の実施例によってなんら限定されるものではない。
<実施例1>対物レンズを10倍とし接眼レンズを10倍とした低倍率観察での測定精度及び作業効率の向上
焼結助剤に炭素とホウ素を用いて焼結した炭化ケイ素焼結体(イビセラム SC―850)から切り出した3×4×40mmの試験片の表面を鏡面研磨し試験片として用いた。この試験片は、非特許文献1に報告されているIF法の国内ラウンドロビン試験に用いられた試験片と同様のもので、同じ表面仕上げとなっている。このために、報告された値と以下の実施例で測定された値を比較することにより、その測定精度を評価することができるという利点を有する。以下に試験手順を詳述する。
試験片表面にビッカース圧子を荷重196N(20kgf)にて圧入して押し込み、圧痕およびその周囲に亀裂を形成した(工程(1))。その各圧痕部分について、図5に例示した圧痕の縦と横の2方向の対角線長さ2a及び2a、そして、亀裂長さ2Cと2Cを、10倍の対物レンズと10倍の接眼レンズを装着した硬度計付属の顕微鏡により、オクラを用いた一般的な測定を行った。
ここで、押込荷重を196Nとしたのは、JIS R1607の解説において、押込荷重としては196N又は294N程度が望ましいとされており、炭化ケイ素のような低靱性材料の場合は、剥離が発生しないように荷重を選ぶ必要があるとされていることから、剥離を避けるために196Nを選択した。
まず、圧痕導入後に、通常の測定手法に従い圧痕の対角線長さと亀裂長さを測定した。次に、非極性溶媒として塗料用シンナー(ロックペイント株式会社製 ペイント薄め液)を用いて市販のワニス(ロックペイント株式会社製、フタル酸樹脂ワニス、樹脂成分48重量%)を希釈した混合溶液(破壊靭性測定用混合溶液)を作製した(樹脂成分4.2重量%)。そして、この混合溶液を染み込ませた綿棒を用いて、圧痕及び亀裂を覆うように試験片表面に混合溶液を薄く均一に塗布し、約1分ほど放置して乾燥させ、厚みが約100nmの透明被膜を形成させた(工程(2))。対物レンズを10倍とし接眼レンズを10倍とした硬度計付属の顕微鏡を用いて同一測定者が圧痕の対角線長さおよび亀裂長さを測定し、透明被膜の測定精度に及ぼす効果を調べた(工程(3))。
試験片表面に透明被膜を形成しない場合と透明被膜を形成した場合での、各圧痕の縦と横の対角線長さの平均と亀裂長さの平均を表1に示す(測定値の単位:μm)。
表1に示したように、透明被膜の有無にかかわらず、圧痕の対角線長さはほぼ等しかった。一方、亀裂の長さ2Cは、「透明被膜あり」の方が〜30μmほど「被膜なし」の場合よりも長くなった。このことから、試験片の表面に透明被膜を形成することにより乱反射光が抑制され、透明被膜を形成しない場合には識別困難であった亀裂の先端までしっかりと観察ができ、亀裂長さを正確に長く測定できたことがわかる。透明被膜を形成した場合の6個の亀裂長さ2Cの平均値は、694.2±8.5μmであり、非特許文献1において報告されている、対物レンズの倍率を40〜50倍として接眼レンズの倍率を10倍以上とした高倍率観察と移動ステージを用いた手法により同一試験片における亀裂長さを高精度で測定した値、697.8±12.7μmに極めてよく一致しているといえる。このことから、透明被膜ありの場合は、高倍率観察による測定と同程度の高精度の測定が出来たことが明らかである。
さらに、6個の圧痕の測定に要する時間も、「透明被膜なし」では30分ほど要したが、「透明被膜あり」の場合、容易に亀裂を識別できるので、測定に要する時間はわずか15分であり、「透明被膜なし」の場合の半分の時間しか必要とせず、著しい作業効率の向上が見られた。
<実施例2>対物レンズを50倍とし接眼レンズを10倍とした高倍率観察での作業効率の向上
次に、非特許文献1に記載の高精度の測定手法を用いて、すなわち、50倍の対物レンズと10倍の接眼レンズで亀裂先端を観察してその位置を精確に求め、試料ステージを移動することにより亀裂先端間の距離を精確に測定した。この手法で、試験片の圧痕と亀裂に透明被膜を形成しない場合と、透明被膜を形成した場合で測定を行い、高倍率観察における本発明の方法の有効性を調査した。その結果として得られた各圧痕の対角線長さ2aの平均値と、亀裂長さ2Cの平均値を表2に示す(測定値の単位:μm)。
表2に示したように、透明被膜の有無にかかわらず、圧痕の対角線長さはほぼ等しく、6個の平均値もほぼ同じ値となった。また、亀裂の長さ2Cも、透明被膜の有無にかかわらず、ほぼ同一であった。この亀裂長さの値は、非特許文献1において報告されている、同一試料を高倍率観察により高精度で測定した値、697.8±12.7μmによく一致しており、高倍率観察においては、透明被膜の有無は測定精度にほとんど影響を与えなかった。
しかしながら、6個の圧痕の測定に要する時間は、「透明被膜なし」では26分ほど要したが、「透明被膜あり」の場合、乱反射光が抑制され、容易に亀裂を識別できるので測定に要する時間はわずか12分と半分以下の時間しか必要とせず、著しい作業効率の向上が見られた。
<実施例3>異なる測定者による低倍率観察での測定における再現性の向上
次に、測定者による測定値のばらつきを調べることを目的として、6個の圧痕を形成後に、3人の測定者が間隔を開けずに連続して、通常の低倍率観察による上記の方法で亀裂長さを測定した。そして、測定後に、非極性溶媒と樹脂からなる混合溶液を綿棒を用いて薄く均一に圧痕及び亀裂を覆うように試験片表面に塗布し、同じ顕微鏡を用いて、引き続いて、3人の測定者が同じ亀裂を測定した。その結果として得られた各圧痕ごとの縦と横の亀裂長さ2Cの平均を表3に示す(測定単位:μm)。
表3に示したように、同じ圧痕において、透明被膜ありの場合には測定者間のばらつきが低下することが明らかになった。各測定者の平均値を比較しても、透明被膜なしでは、亀裂の長さが654μmから664まで10μmほどの相違があるが、透明被膜ありでは693.6μmから695.5μmまで、わずか2μmほどの相違しかなく、極めて高い一致を示した。非特許文献1において報告されている、同一試料を高倍率観察により高精度で測定した値は、697.8±12.7μmであることから、圧痕形成後に透明被膜を形成する本発明の方法によれば、乱反射光が抑制され、測定者の主観や経験、視力に関わりなく、低倍率観察でも高倍率観察による測定と同程度の高精度の測定が出来たことが明らかであり、このことが、高い再現性をもたらした主因といえる。また、各測定者による6個の圧痕の標準偏差は、透明被膜なしでは、14μmから24μmと大きくばらついているが、透明被膜ありの場合は全体的に小さく、かつ、8.5μmから10.8μmとなっており、同一測定者の測定においても、安定してばらつきの小さな測定ができることがわかる。
さらに、6個の圧痕の測定に要する時間も、「透明被膜なし」では平均30分ほど要したが、「透明被膜あり」の場合、乱反射光が抑制されることで容易に亀裂を識別できるので、測定に要する時間はわずか15分であり、「透明被膜なし」の場合の半分の時間しか必要とせず、著しい作業効率の向上が見られた。
以上の亀裂長さの読取り値からJIS R1607に定める算出式により、破壊靭性を計算した。ここで、弾性率Eは超音波パルスエコー法により測定し、E=365GPaを代入した。また、圧痕の対角線長さ2aは以下の表4に示した実測値を用いた(測定単位:μm)。このようにして算出された破壊靭性を表5に示す(単位:MPa・m1/2)。
表5に示したように、「透明被膜あり」の場合には同一測定者における破壊靭性の測定値のばらつきが低下することが明らかになった。例えば、測定者Cでの破壊靱性は、最小値が2.37MPa・m1/2から、最大値で2.73MPa・m1/2まで、約0.36MPa・m1/2のばらつきがあるのに対し、「透明被膜あり」の測定では、最低値が2.26MPa・m1/2に対して最大値は2.37MPa・m1/2と、わずか0.11MPa・m1/2のばらつきに収まっており、再現性が著しく改善された。また、測定者間の破壊靭性の平均値のばらつきも、若干ではあるが、「透明被膜あり」の方が小さくなる傾向が見られた。非特許文献1において、高倍率観察により高精度で求めた同一試料の破壊靭性は新原の式を用いて算出されたものが記載されているが、同一データを用いてJIS R1607の式を用いて求められた破壊靭性は2.39±0.03MPa・m1/2であり、本実施例での「透明被膜あり」の場合の破壊靭性〜2.3MPa・m1/2とよく一致している。このことから、本発明による測定手法は、非特許文献1に示した先行技術による高精度測定法と同程度の、高い信頼性のある破壊靭性の測定手法であることが明らかとなった。
<実施例4>光学顕微鏡観察における亀裂識別を容易にする混合溶液の濃度の検討
実施例1〜3で用いたものと同じ炭化ケイ素測定試験片(イビセラム SC―850)を供試材に用いた。測定試験片表面にビッカース圧子を荷重196N(20kgf)にて押し込み、圧痕及び亀裂を形成し、10倍の対物レンズと10倍の接眼レンズを装着した光学顕微鏡を用いて亀裂を観察し、亀裂識別を容易にする混合溶液の濃度範囲を検討した。
まず、圧痕導入後に何も塗布しないで観察を行った。鏡筒に取り付けたデジタルカメラで撮影した観察像を図2に示す。図2を見てわかるように、亀裂の先端に近づくに従いコントラストが薄くなってゆき、どこが亀裂先端であるのか識別し難いことが分かる。
次に、樹脂の最適濃度範囲を求めるために、混合溶液中の樹脂濃度を変化させた混合溶液を作製して圧痕及び亀裂に塗布して乾燥させ、圧痕及び亀裂の観察を行った。樹脂と非極性溶媒の混合溶液として、市販のワニス(ロックペイント、フタル酸樹脂ワニス、樹脂成分48%)を塗料用シンナー(ロックペイント ペイント薄め液)で適宜希釈した混合溶液を作製し、これを染み込ませた綿棒を用いて、圧痕及び亀裂を覆うように試験片表面に混合溶液を薄く均一に塗布し、約1分ほど放置して乾燥させ、透明被膜を形成させ、光学顕微鏡で観察を行った。
その結果、樹脂濃度が1重量%未満と極端に低い場合、数回塗り重ねても十分な厚みの透明被膜が形成されず、亀裂識別の改善効果は見られなかった。一方、濃度が25重量%を超える濃度においては、透明被膜が厚すぎて亀裂自体が見え難くなってしまった。この結果、混合溶液中の樹脂の重量濃度は、1%〜25%の範囲が好ましいことが分かった。
さらに、図2で示した同じ圧痕に、樹脂濃度が4重量%の混合溶液を塗布した後の観察像を図3に示す。
図3に示したように、亀裂先端のコントラストがくっきりとして、亀裂先端の位置が明瞭に特定できた。この場合の、透明被膜の厚みをエリプソメーターで測定したところ、約100nmの透明被膜が形成されていたことが分かった。このように、混合溶液中の樹脂濃度が4〜12重量%の範囲であると、明瞭に亀裂が識別可能であり、亀裂長さの測定精度が向上することが確認された。
1 試験片
2 ビッカース圧子
3 圧痕
4 亀裂

Claims (4)

  1. 試験片の破壊靭性測定方法であって、以下の工程、
    (1)試験片の表面にビッカース圧子を圧入して圧痕および亀裂を生じさせる工程、
    (2)試験片の表面に樹脂と溶媒を含む混合溶液を塗布し、圧痕および亀裂を覆う透明被膜を形成する工程、
    (3)前記透明被膜が形成された試験片表面の圧痕の対角線長さおよび亀裂長さを顕微鏡で計測する工程、
    を含むことを特徴とする破壊靭性測定方法。
  2. 前記工程(2)で形成される透明被膜の厚みが、40nm〜300nmの範囲であることを特徴とする請求項1の破壊靭性測定方法。
  3. 前記工程(2)における混合溶液の溶媒は、非極性溶媒であることを特徴とする請求項1または2の破壊靭性測定方法。
  4. 前記工程(2)における混合溶液における樹脂の濃度は、1%〜25%であることを特徴とする請求項1から3のいずれかの破壊靭性測定方法。
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