以下、第1の実施形態の構成を図1ないし図8を参照して説明する。
図8に示すように、照明器具11は、天井面に設置される器具本体12と、この器具本体12の中央部などに取り付けられるソケット13およびこのソケット13に着脱可能なランプであるLEDランプ14を備えたランプ装置15と、このランプ装置15を覆うグローブ16とを備えている。なお、以下、上下方向などの方向は、ランプ装置15を水平に取り付ける状態を基準とし、器具本体12およびソケット13側を上側、ランプ装置15側を下側として説明する。
ソケット13は、いわゆるGX53形口金に対応するもので、電気絶縁性を有する合成樹脂製の扁平な円筒状のソケット本体21を有し、このソケット本体21の中央部に図示しない挿通孔が形成されている。さらに、ソケット本体21の下面には、中央部に対して対称な位置に、図示しないソケット開口が形成されている。各ソケット開口は、円弧状に湾曲した長孔状となっており、外部電源(商用電源)と電気的に接続され電源を供給するための受金が内部に配置されている。さらに、各ソケット開口の一端には、拡径部が形成されている。
また、図1ないし図8に示すように、LEDランプ14は、上側から下側へと、口金ケースである収容部31、金属筐体である放熱体32、絶縁部材である絶縁シート33、光源基板としての発光素子基板であるLED基板34、および、ランプグローブであるカバー35が一体的に組み付けられて薄型の円筒状となっている。
収容部31は、例えばGX53形の口金部構造を有しており、電気絶縁性を有する合成樹脂製である。この収容部31は、収容部本体37を備え、点灯回路39が実装された電源基板40が内部に収容されている。
収容部本体37は、扁平な基体部42と、この基体部42の中央部に突出する基体突出部43と、基体部42の外方に離間された位置、すなわち基体部42の周囲に位置する円環状の周縁部44と、径方向に沿って放射状に形成され基体部42と周縁部44とを連結する複数、例えば3つの連結腕部45とを一体に備えている。そして、この収容部本体37には、基体部42の外周側、周縁部44の内周側、および、連結腕部45,45間に、貫通口である通気開口46がそれぞれ設けられている。
基体部42は、扁平な有蓋円筒状となっており、電源基板40(点灯回路39)を内部に保持するための複数の保持部48が下方に向けて突設されている。また、この基体部42には、中央部に対して対称な位置に、電極ピン49,49が内側(下側)から挿入されて外側(上側)に露出している。各電極ピン49は、円柱状に形成されており、ソケット13の各ソケット開口の拡径部に嵌合する拡大部49aを先端側に有している。したがって、これら電極ピン49は、ソケット13のソケット開口の拡径部に拡大部49aを挿入嵌合した状態でLEDランプ14を周方向に回転(旋回)させることで、拡大部49aがソケット開口の他端側に係止されて受金と電気的に接続されるとともに、LEDランプ14がソケット13(器具本体12)に接続固定されるようになっている。さらに、基体部42の外周縁部には、連結腕部45の基端に対応する位置に、ボス状のねじ受部50が形成されている。
また、基体突出部43は、扁平な有蓋円筒状となっており、基体部42よりも径寸法が小さく設定されている。そして、この基体突出部43は、LEDランプ14をソケット13に装着した状態でソケット本体21の挿通孔に挿入される。
また、各連結腕部45は、基端側(内側)から先端側(外側)へと徐々に幅狭となるように形成されている。さらに、これら連結腕部45は、先端側が周縁部44の外周縁よりも外方に突出している。
また、点灯回路39は、電極ピン49,49を介して図示しない外部電源(商用電源)から供給された電力を変換してLED基板34に給電するための回路である。
そして、電源基板40は、電源基板本体51と、この電源基板本体51に実装され点灯回路39を構成する電子部品52とを備え、収容部本体37の基体部42の保持部48に保持固定されている。電子部品52は、電源基板本体51を保持部48に保持した状態で基体突出部43の内部に一部が嵌合して位置している。さらに、この電源基板40には、各電極ピン49と電気的に接続される配線53と、LED基板34と電気的に接続される複数の配線54とがそれぞれ導出されている。これら配線54は、収容部31のいずれかの連結腕部45に沿って配置され、この連結腕部45にて周縁部44の外縁部よりも外方の位置に突設された角筒状の配線挿通部55内に挿通されてLED基板34側へと導かれている。また、これら配線54の先端側は、一つのコネクタ56に接続されている。
また、放熱体32は、放熱性および熱伝導性に優れた例えばアルミニウムなどの金属により薄板状に形成されている。この放熱体32は、収容部31を覆う円形状の蓋部57と、この蓋部57の外方の周囲に位置する円環状の配置部58と、径方向に沿って放射状に形成され蓋部57と配置部58とを連結する複数、例えば3つの連結部59とを一体に備えている。このため、放熱体32には、蓋部57の外周側、配置部58の内周側、および、連結部59,59間に、開口部60がそれぞれ設けられている。そして、この放熱体32は、収容部31に対して、放熱体固定部材である複数のねじ61により固定されている。
蓋部57は、収容部31の収容部本体37全体を覆う円形状に形成されている。また、この蓋部57の外周縁部近傍には、各連結部59の基端に対応する位置に、ねじ61が挿入されるねじ孔65がそれぞれ設けられている。これらねじ孔65は、放熱体32を収容部31に取り付けた状態で収容部31のねじ受部50とそれぞれ連通し、これらねじ孔65に挿入されたねじ61がねじ受部50にねじ止めされるようになっている。さらに、この蓋部57の外周縁部は、上側に屈曲されて突出しており、この外周縁部の各開口部60の中央部には、放熱体32を収容部31に対して回り止めおよび位置決めするための放熱体側係合部としての引っ掛け受部66がそれぞれ上側、すなわち収容部31側に向けて突設されている。これら引っ掛け受部66は、ループ状に形成されており、放熱体32を収容部31に取り付けた状態で、収容部本体37の基体部42の外周に突設されたフック状の収容部側係合部としての引っ掛け部67にそれぞれ係合されるようになっている。
また、配置部58は、円環平板状に形成されLED基板34の配置面となる配置面部71と、この配置面部71の外周縁から下方に向けて屈曲して突出した屈曲部72とを一体に備えている。配置面部71の内周縁近傍、すなわち蓋部57の外周縁近傍の位置には、角孔状の開口73が設けられている。また、この配置面部71の外周縁近傍には、LED基板34を放熱体32に固定部材である複数のねじ75によって固定するための複数のねじ孔76が設けられている。また、屈曲部72には、カバー35を放熱体32に係止するための角孔状の係止開口78が複数設けられている。
開口73は、蓋部57の外周縁と隣接して位置しており、放熱体32を収容部31に取り付けた状態で配線挿通部55が挿入される。この開口73に挿入された配線挿通部55の先端側は、放熱体32の配置部58(配置面部71)の下面よりもカバー35側である下側に突出しており、各配線54と開口73の縁部との干渉を防止している。
また、各連結部59は、収容部31の各連結腕部45の基端側を覆う部分であり、基端側(内側)から先端側(外側)へと徐々に幅狭となるように形成されている。
また、絶縁シート33は、放熱体32とLED基板34とを絶縁するためのもので、円環状に形成され、放熱体32の配置部58の配置面部71の下面を覆ってLED基板34とともに取り付け固定されている。この絶縁シート33は、配置面部71と略等しい幅寸法に設定されており、配置面部71の下面の略全体を覆っている。さらに、この絶縁シート33には、内周縁側の位置に、放熱体32の開口73と連通して各配線54が挿通される角孔状の連通開口81が設けられている。また、この絶縁シート33には、外周縁近傍の位置に、放熱体32の各ねじ孔76と連通する連通孔82がそれぞれ設けられている。
また、LED基板34は、LEDモジュールとも呼ばれるものであり、円環平板状の基板本体85と、この基板本体85に実装された固体発光素子としての光源である複数のLED86とを一体的に備えている。
基板本体85は、配置部58の配置面部71よりも狭い幅寸法に設定されている。このため、LED基板34は、配置部58の配置面部71に取り付けられた状態で、内周縁および外周縁がそれぞれ配置部58の配置面部71(絶縁シート33)の内周縁および外周縁に対して所定幅オフセットしている。また、この基板本体85には、放熱体32の開口73および絶縁シート33の連通開口81と連通して各配線54が挿通される切欠開口部88が内周縁に切り欠き形成されている。さらに、この基板本体85の下面には、切欠開口部88の近傍に、この切欠開口部88(開口73および連通開口81)から導出された各配線54がコネクタ56を介して電気的に接続されるコネクタ受部89が実装されている。そして、この基板本体85には、放熱体32の各ねじ孔76および絶縁シート33の各連通孔82と連通しねじ75が挿入される通孔90がそれぞれ設けられている。
また、各LED86は、例えば青色光を発光するLEDチップを、黄色発光系の樹脂封止層によって覆った面実装型の素子であり、基板本体85の下面、すなわちカバー35に対向する面の外周側の位置に、所定の列(仮想円C)上に沿って互いに略等間隔に離間されて配置されている。なお、この仮想円Cは、基板本体85と同心の円であり、この仮想円C上には、通孔90が位置している。したがって、LED基板34は、この仮想円C上の位置で放熱体32に対して各ねじ75によって固定され、放熱体32に対して熱的に接続されている。
また、カバー35は、透光性を有する合成樹脂製であり、放熱体32の配置部58(配置面部71)に対応する円環状に形成されている。さらに、このカバー35は、LED基板34(LED86)の下側(発光側)に対向する円環帯状の覆い部93と、この覆い部93の外周縁に設けられカバー35を放熱体32に係止するための係止部としての係止爪部94とを一体に備えている。
覆い部93は、平面状に形成されており、LED基板34に対して下方に離間されて位置している。
また、係止爪部94は、放熱体32の係止開口78に挿入されて係止される部分であり、覆い部93の外周縁に爪状に形成されている。
そして、グローブ16は、透光性を有する合成樹脂などにより、例えば上側が開口した有底円筒状に形成され、LEDランプ14(ランプ装置15)を覆って、LEDランプ14(LED86)からの発光を拡散させるように構成されている。
次に、上記第1の実施形態の作用を説明する。
LEDランプ14を組み立てる際には、まず、各電極ピン49を取り付けた収容部31の収容部本体37に対して、電子部品52を電源基板本体51に実装した電源基板40(点灯回路39)を挿入して保持部48により保持し、各電極ピン49と電源基板40とを各配線53により電気的に接続する。また、電源基板40から導出された各配線54は、いずれかの連結腕部45上に沿って引き出し、配線挿通部55に挿通して収容部31の下側に導出する。
次いで、この収容部31に対して、放熱体32を取り付ける。このとき、放熱体32は、各連結部59を収容部31の各連結腕部45とそれぞれ位置合わせし、各ねじ孔65を各ねじ受部50と位置合わせするとともに、各引っ掛け受部66を各引っ掛け部67と位置合わせしつつ、収容部31側へと押し込むことで、各引っ掛け部67が各引っ掛け受部66に係合し、放熱体32が収容部31に対して仮係止される。このとき、配線挿通部55から導出された各配線54およびコネクタ56は、配置部58の配置面部71の開口73に挿通して、この配置面部71の下側に導出する。この後、ねじ61を各ねじ孔65に挿入して各ねじ受部50にねじ止めすることで、放熱体32が収容部31に取り付け固定される。この状態で、放熱体32は、蓋部57により収容部31の収容部本体37の基体部42を覆うとともに、各連結部59の背面である上面に収容部31の各連結腕部45が位置し、かつ、配置部58が蓋部57(収容部31)の外方の周囲に位置する。
さらに、この放熱体32に対して、絶縁シート33を介して、予め基板本体85にLED86およびコネクタ受部89などを実装したLED基板34を取り付ける。このとき、絶縁シート33は、連通開口81を放熱体32の開口73と位置合わせするとともに、各連通孔82を放熱体32の各ねじ孔76と位置合わせする。また、LED基板34は、基板本体85の切欠開口部88を絶縁シート33の連通開口81および放熱体32の開口73と位置合わせするとともに、各通孔90を絶縁シート33の各連通孔82および放熱体32の各ねじ孔76と位置合わせする。この状態で、ねじ75を各通孔90および各連通孔82に挿入して各ねじ孔76にねじ止めすることで、LED基板34が絶縁シート33を介して放熱体32の配置部58の配置面部71に取り付け固定される。また、放熱体32の開口73から導出した各配線54およびコネクタ56は、絶縁シート33の連通開口81およびLED基板34の切欠開口部88から導出して、コネクタ56をコネクタ受部89に接続することで、点灯回路39が各LED86と電気的に接続される。
そして、このLED基板34を覆ってカバー35を放熱体32に取り付ける。このとき、カバー35は、各係止爪部94を放熱体32の各係止開口78に位置合わせしつつ放熱体32側へと押し込むことで、これら係止爪部94が係止開口78にそれぞれ係合する。この結果、カバー35の覆い部93がLED基板34の各LED86を覆った状態となる。
このように組み立てたLEDランプ14は、各電極ピン49をソケット13のソケット開口の拡径部に挿入した状態で周方向に旋回させることで、器具本体12に対して取り付けられ、各電極ピン49が、受金を介して外部電源(商用電源)と電気的に接続される。この後、LEDランプ14を覆って器具本体12に対してグローブ16を取り付けることで、照明器具11が完成する。
ソケット13により外部電源(商用電源)から各電極ピン49を介して点灯回路39に供給された電力は、この点灯回路39によって変換されて各LED86に供給され、これらLED86が点灯する。各LED86からの発光は、カバー35の覆い部93によって拡散されるとともに、グローブ16によって拡散されて照射される。
点灯回路39からの熱は、この点灯回路39を覆う放熱体32の蓋部57に伝達される。また、LED基板34(LED86)からの熱は、基板本体85から絶縁シート33を介して、放熱体32の配置部58に伝達される。したがって、点灯回路39とLED基板34(LED86)とで発熱領域が分離されて局所的(部分的)な熱のこもり(溜まり)が最小限に抑制されるとともに、放熱体32は、蓋部57によって大きな表面積を確保し、LED基板34(LED86)からの熱を効果的に大気中に放出する。
特に、放熱体32は、LED基板34(LED86)からの熱を受け取った配置部58の内周側および外周側に向かって熱対流を生じるとともに、点灯回路39を覆う蓋部57とLED基板34が配置される配置部58との間に位置する開口部60(収容部31の通気開口46)を外気が通り抜けることにより(矢印H1,H2)、効果的に大気中に放熱する。
上述したように、上記第1の実施形態によれば、放熱体32が、点灯回路39を内部に収容する収容部31を覆う蓋部57と、この蓋部57の周囲に位置しLED基板34を熱的に接続して配置する配置部58とを一体に備えることで、点灯回路39およびLED基板34(LED86)からの熱を蓋部57と配置部58とに分散させるとともに放熱体32の表面積を増加させることができ、簡単な構成で効果的に放熱できる。
次に、第2の実施形態を図9ないし図13を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
第2の実施形態のLEDランプ14は、収容部31が、収容部本体37と、この収容部本体37を覆う別体の合成樹脂製の蓋体96とを備え、カバー35が、LED基板34の各LED86から発光された光を拡散させるレンズ部97と、LED基板34を放熱体32に対して押さえつける押さえ部98とを有しているものである。
収容部31は、収容部本体37のねじ受部50が各連結腕部45に配置されている。また、蓋体96は、収容部本体37の基体部42の下側を覆って閉塞する円板状に形成されている。さらに、この蓋体96の上部には、各電極ピン49を支持するボス状の電極ピン支持部101が突設されている。このため、蓋体96は、収容部本体37に取り付けられた状態で、この収容部本体37と熱的に接続される。また、この蓋体96の下面は、放熱体32の蓋部57に対して面状に接触し、全面が密着するようになっている。
また、カバー35は、覆い部93のLED基板34のLED86に対向する位置、すなわち仮想円Cに対応する位置に円環状に連続するレンズ部97を備えている。さらに、このカバー35は、レンズ部97の内周縁側の位置に、押さえ部98の一部をなす第1の押さえ部としての内側押さえ部103が形成されているとともに、内側押さえ部103よりも内周側の位置に、押さえ部98の一部をなす第2の押さえ部としての押さえリブ104が形成されている。また、このカバー35のレンズ部97よりも外周側、すなわちカバー35の外周縁側には、放熱体32の配置部58の配置面部71と密着する平面状の平面部105が全周に亘って連続して形成されている。そして、カバー35の内周縁には、このカバー35を放熱体32に対して係止するための複数、例えば3つのカバー係止部としての係止腕部106が中央部に向けて放射状に突設されている。
レンズ部97は、カバー35の厚さ方向である下側に突出し、断面が円弧状となっている。また、レンズ部97の頂部97aは、それぞれLED86の直下に対向して位置し、この頂部97aからカバー35の内周側および外周側に、それぞれ傾斜状の出射面97b,97bが形成されている。
また、押さえ部98は、放熱体32を収容部31に取り付けた状態でLED基板34の基板本体85を放熱体32の配置部58(配置面部71)に押さえつけることで、LED基板34の熱をより確実に放熱体32(配置部58)に伝達するように構成されている。
内側押さえ部103は、レンズ部97の内周側の出射面97bと連続する位置、すなわちレンズ部97の内周縁の全周に亘って連続した円環平面状に形成されている。
また、各押さえリブ104は、カバー35の背面である上面に径方向に沿って放射状にそれぞれ形成されて突出しており、互いに略等間隔に離間されている。
また、平面部105は、レンズ部97の外周側にフランジ状に突出して連続している。
さらに、各係止腕部106は、放熱体32の各連結部59に対応する位置に突設されており、基端側から先端側へと、徐々に幅狭となるように形成されている。また、これら係止腕部106の先端側の上部には、内周側に向けて爪部106aが突設されている。これら係止腕部106の爪部106aは、放熱体32の各連結部59の蓋部57の外周縁近傍に設けられた角孔状の係止開口部108に挿入係止されるようになっている。さらに、いずれかの係止腕部106には、LED基板34に実装されたコネクタ受部89、各配線54およびコネクタ56などとの干渉を避けるための干渉防止部106bが下側に膨出して形成されている。
そして、カバー35は、放熱体32に取り付ける際に、押さえ部98および平面部105などを接着することで、LED基板34を放熱体32の配置部58に対して押さえつけるとともに、このLED基板34に対してカバー35を熱的に接続する。この状態で、カバー35は、LED86(およびねじ75)にレンズ部97が対向する。すなわち、ねじ75は、カバー35のレンズ部97の内側に位置する。
さらに、LED86に対向してカバー35の厚さ方向に突出するレンズ部97によってLED86からの直線的な光を拡散できるので、広配光を実現でき、既存の光源の代替使用が可能になる。また、LED基板34を押さえ部98によって放熱体32に対して押さえつけることで、LED基板34を放熱体32に対してより確実に固定でき、LED基板34(LED86)からの熱を放熱体32に対してより効果的に伝達できるとともに、押さえ部98を介してLED基板34(LED86)とカバー35とが直接熱的に接続されて、LED基板34(LED86)からの熱をカバー35からも放熱できるので、LED86の温度をより抑制でき、LEDランプ14をより高効率化できる。
なお、上記第2の実施形態において、図14に示す第3の実施形態のように、放熱体32の蓋部57を、レンズ部97(レンズ部97の頂部97a)よりもカバー35の厚さ方向である下側に突出する突出部110としてもよい。この突出部110は、載置面である下端部110aが平面状に形成され、LEDランプ14を平面P上に安定的に載置できるようになっている。そして、このように、収容部31側を上側とし、突出部110の下端部110aによって平面P上にLEDランプ14を載置した際には、突出部110(蓋部57)がレンズ部97よりも下方に突出しているため、レンズ部97が平面Pと干渉することがなく、レンズ部97の傷付きや破損を防止できる。
また、上記各実施形態において、図15および図16に示す第4の実施形態のように、収容部31の内部に、例えば高熱伝導シリコーン(放熱シリコーン)などの放熱性および熱伝導性を有する放熱部材である樹脂Rを充填して点灯回路39(電源基板40)と放熱体32の蓋部57とを直接熱的に接続してもよい。この場合には、LED基板34(LED86)からの熱を受け取った放熱体32の配置部58の内周側と外周側との両方向に向かって熱対流が生じる(矢印H1,H2)とともに、点灯回路39からの熱を直接受け取った放熱体32の蓋部57から外周側に向かって熱対流が生じる(矢印H3)。すなわち、LED基板34(LED86)および点灯回路39から発生した熱がそれぞれ蓋部57と配置部58との間に設けられた同一の開口部60に流れ込む。この結果、これら双方の熱の流れ込みの相乗効果によって、より強力な熱対流が開口部60に生じ、LED基板34(LED86)から発生した熱をより効果的に大気中に放出できる。
次に、第5の実施形態を図17ないし図21を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
第5の実施形態のLEDランプ14は、収容部31が、収容部本体37の連結腕部45,45間にそれぞれ支持部113を備えるとともに、蓋体96に配線挿通部55が設けられ、かつ、LED基板34と放熱体32とが共通の固定部材であるねじ114,115によって収容部31に対して取り付け固定されているものである。
各支持部113は、周縁部44から収容部31の径方向に沿って外方へと放射状に突出して形成されており、連結腕部45,45の中間に位置している。したがって、連結腕部45と支持部113とは互いに略等間隔に離間されている。また、各支持部113、および、各連結腕部45には、先端近傍の位置に、ねじ114がねじ止めされるねじ受部117がそれぞれ突設されているとともに、各連結腕部45には、基端側の位置に、ねじ115がねじ止めされるねじ受部118がそれぞれ突設されている。
また、蓋体96は、いずれかの連結腕部45に嵌合する舌片状の突設部121が径方向に沿って放射状に突設され、この突設部121の先端側がねじ受部118の近傍まで延びている。さらに、この突設部121の先端側には、角筒状の配線挿通部55が一体形成されている。この配線挿通部55は、放熱体32のいずれかの連結部59の位置に設けられた開口73に挿入され、先端側がこの放熱体32の連結部59の下面よりもカバー35側である下側に突出している。そして、突設部121と連結腕部45の間に沿って点灯回路39(電源基板40)からの配線54が配線挿通部55に挿通され、LED基板34側へと導出されている。
また、放熱体32には、ねじ114が挿通されるねじ孔76の他に、各連結部59に、ねじ115が挿通される図示しないねじ孔がそれぞれ設けられている。
また、絶縁シート33は、ねじ114が挿通される連通孔82が、収容部31の各連結腕部45および各支持部113に対応してそれぞれ設けられている。さらに、この絶縁シート33は、内周縁の各連結腕部45に対応する位置に、シート延出部124がそれぞれ延設されており、これらシート延出部124には、ねじ115が挿通される図示しない連通孔がそれぞれ設けられている。
さらに、LED基板34は、基板本体85の内周縁の各連結腕部45に対応する位置に、延出部126がそれぞれ延設されている。また、基板本体85には、ねじ114が挿通される通孔90が、収容部31の各連結腕部45および各支持部113に対応してそれぞれ設けられているとともに、各延出部126に、ねじ115が挿通される通孔127が設けられている。
また、カバー35の各係止腕部106の爪部106aは、カバー35の外方に向けて突出しており、放熱体32の各連結部59の蓋部57の外周縁近傍に立ち上げられたループ状の係止突出部128に係止されるようになっている。
そして、LEDランプ14を組み立てる際には、まず、収容部31の収容部本体37に対して電源基板40(点灯回路39)を挿入保持し、各電極ピン49と電源基板40(点灯回路39)とを各配線53により電気的に接続する。
次いで、この収容部本体37に蓋体96を嵌合させて取り付ける。このとき、電源基板40(点灯回路39)から導出した各配線54を蓋体96の突設部121に形成した配線挿通部55に挿通し、この蓋体96の外部(下側)に導出する。
この後、この収容部31に対して、放熱体32、絶縁シート33およびLED基板34を取り付ける。このとき、放熱体32のねじ孔76、絶縁シート33の連通孔82、および、LED基板34の通孔90を、それぞれ各ねじ受部117と位置合わせするとともに、放熱体32の図示しないねじ孔、絶縁シート33の図示しない連通孔、および、LED基板34の通孔127を、それぞれ各ねじ受部118と位置合わせし、ねじ114,115により一体的に固定する。この状態で、絶縁シート33の各シート延出部124およびLED基板34の各延出部126が、放熱体32の各連結部59上に重ねられるとともに、いずれかのシート延出部124およびいずれかの延出部126よりも中央部側の位置にて、開口73に配線挿通部55が挿入され、この配線挿通部55を通して各配線54およびコネクタ56が導出される。そして、このコネクタ56をコネクタ受部89に接続することで、点灯回路39が各LED86と電気的に接続される。
そして、このLED基板34を覆ってカバー35を放熱体32に取り付ける。このとき、カバー35は、各係止爪部94を放熱体32の各係止開口78に位置合わせするとともに、各係止腕部106の爪部106aを、放熱体32の各係止突出部128に位置合わせしつつ押し込むことで、各係止爪部94および各爪部106aが、各係止開口78および各係止突出部128に係止される。この結果、カバー35の覆い部93のレンズ部97がLED基板34の各LED86に対向した状態となる。
このように組み立てたLEDランプ14は、各電極ピン49を介してソケット13(器具本体12)に対して取り付けられて外部電源(商用電源)と電気的に接続され、LEDランプ14を覆って器具本体12に対してグローブ16を取り付けることで、照明器具11が完成する。
ソケット13により外部電源(商用電源)から各電極ピン49を介して点灯回路39に供給された電力は、この点灯回路39によって変換されて各LED86に供給され、これらLED86が点灯する。各LED86からの発光は、カバー35のレンズ部97によって拡散されるとともに、グローブ16によって拡散され、均一な光として照射される。
点灯回路39からの熱は、この点灯回路39を覆う放熱体32の蓋部57に伝達され、LED基板34(LED86)からの熱は、基板本体85から絶縁シート33を介して、放熱体32の配置部58に伝達される。したがって、点灯回路39とLED基板34(LED86)とで発熱領域が分離されて局所的(部分的)な熱のこもり(溜まり)が最小限に抑制されるとともに、放熱体32は、蓋部57によって大きな表面積を確保し、LED基板34(LED86)からの熱を効果的に大気中に放出する。
このように、円形板状の単純な形状である蓋体96に配線挿通部55を形成しているため、配線挿通部55を容易に形成できるとともに、収容部31の収容部本体37に配線挿通部を設ける場合と比較して、収容部本体37の形状を簡略化でき、この収容部本体37を安価に製造できる。
また、収容部31に対して、放熱体32、絶縁シート33およびLED基板34を共通のねじ114,115によって固定するため、LEDランプ14の組み立て作業が容易で、かつ、部品点数を抑制でき、軽量化および低コスト化が実現できる。
さらに、上記第2ないし第5の実施形態によれば、LED基板34の基板本体85上に所定の列(仮想円C)上に並んで配置されたLED86の列の位置で、ねじ75あるいはねじ114によってLED基板34を放熱体32に対して固定することで、ねじ75あるいはねじ114の頭部がレンズ部97の内側に位置しこのレンズ部97と対向する位置となるので、ねじ75あるいはねじ114とカバー35との干渉を避けるための構成をカバー35に形成する必要がなく、カバー35の構成をより簡略化でき、低コスト化およびカバー35による配光特性のむらが生じにくくなるとともに、LED基板34のうちで発熱が最も大きいLED86に対応する位置でLED基板34を放熱体32に押さえつけて固定するため、LED86からの熱をより効果的に放熱体32に伝達できる。
そして、収容部31は、点灯回路39(電源基板40)を内部に収容した収容部本体37を覆ってこの収容部本体37と熱的に接続される蓋体96を備えるため、この蓋体96に放熱体32の蓋部57を密着させることで、点灯回路39からの熱を、蓋体96を介して放熱体32の蓋部57へと、より確実に伝達でき、放熱性をより向上できる。
なお、上記各実施形態において、図22に示す第6の実施形態のように、グローブ16を球面状に湾曲させてもよい。
また、電源基板40の電子部品52は、例えばリード実装部品のみ、あるいは面実装部品のみで構成してもよい。電子部品52をリード実装部品のみで構成する場合には、電源基板本体51の片面に実装することで、電源基板40をフロー工程の1工程のみで実装できる。また、電子部品52を面実装(SMD)部品のみで構成する場合には、LED基板34とともに、電源基板40をリフロー工程の1工程のみで形成できる。
さらに、光源としては、LED86だけでなく、例えば有機EL素子、あるいは半導体レーザなどの固体発光素子や、平面状の蛍光ランプなどを用いてもよい。
また、LED基板34の基板本体85は、複数に分割してもよい。
さらに、カバー35を放熱体32に取り付ける構成は、任意に設定できる。また、カバー35は、必ずしも放熱体32に固定するだけでなく、例えば収容部31に取り付ける構成などとすることもできる。
そして、以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、放熱体32が、点灯回路39を内部に収容する収容部31を覆う蓋部57と、この蓋部57の周囲に位置しLED基板34を熱的に接続して配置する配置部58とを一体に備えることで、点灯回路39およびLED基板34(LED86)からの熱を蓋部57と配置部58とに分散させて局所的な熱の集中を防止できるとともに放熱体32の表面積を増加させることができ、簡単な構成で効果的に放熱できる。したがって、LEDランプ14の高効率化に伴う発熱量の増加に対応でき、LEDランプ14の高効率化が可能になる。
また、LED基板34(LED86)からの熱を受け取った放熱体32の配置部58は、円環状に形成されているので、内周側と外周側との両方向に向かって熱対流が生じる。このため、熱対流量が大幅に増加し、より効果的に放熱できる。しかも、放熱体32の点灯回路39を覆う蓋部57とLED基板34を配置した配置部58との間に開口した開口部60を空気が通過することにより、放熱および空気の循環による放熱体32の放熱特性の向上を図ることができるとともに、放熱体32の軽量化および低コスト化を実現できる。
さらに、樹脂により形成した収容部31に、金属製の放熱体32に設けた開口73に挿入されてこの開口73からカバー35側へと突出する配線挿通部55を形成し、この配線挿通部55に点灯回路39とLED基板34とを電気的に接続する各配線54を挿通することにより、金属製の放熱体32の開口73の縁部に各配線54が干渉することを樹脂製の配線挿通部55によって防止できる。このため、各配線54が開口73の縁部と擦れるなどして各配線54を傷付けることがなく、各配線54を断線などから保護でき、信頼性をより向上できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。