JP6103252B2 - 誘電体共振器および電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、誘電体を用いて構成された共振器である誘電体共振器、およびそれを含む電子部品に関する。
近年、大容量且つ高速の無線通信に、マイクロ波帯、特に0.6GHz〜24GHzの周波数帯が多く利用されている。一般的に、無線通信に用いられる通信装置は共振器を含んでいる。
通信装置に用いられる共振器としては、誘電体同軸共振器、分布定数線路を用いた共振器、インダクタとキャパシタを用いたLC共振器、誘電体共振器、空洞共振器等がある。
ところで、共振器では、スプリアスが発生する場合がある。通信装置では、特に共振器の共振周波数の2倍または3倍に近い周波数のスプリアスは、特性に悪影響を及ぼすおそれがある。スプリアス発生の原因の1つとしては、導体パターンによる自己共振がある。
特許文献1には、誘電体ブロックの対向する第1の端面と第2の端面の間に内導体が被覆された複数の貫通孔を有し、第1の端面を除く誘電体ブロックの外面に外導体が被覆されて構成される、複数の共振器と、外導体と絶縁され、第1の端面において入出力段の共振器と容量結合し実装面まで延長されている入出力電極とを有する誘電体フィルタが記載されている。また、特許文献1には、入出力電極が、第1の端面において所定の周波数で自己共振するようなインダクタンス成分を有する導体パターンを含むようにして、良好なスプリアス特性を得る技術が記載されている。
特開2004−328118号公報
種々の共振器のうち、誘電体共振器は、低損失で高い無負荷Q値が得られるという利点がある。しかし、従来の一般的な誘電体共振器は、面積が比較的大きい面を有する導体層を含んでおり、この導体層による自己共振に起因して、誘電体共振器の共振周波数の2倍または3倍に近い周波数のスプリアスが発生しやすいという問題点があった。
特許文献1に記載された技術では、導体パターンによって生じる自己共振を利用して、誘電体フィルタにおいて発生するスプリアスを抑制している。しかし、この技術では、導体パターンによって生じる自己共振周波数が、スプリアスを抑制しようとする周波数に合うように、導体パターンの形状を設計する必要があり、その導体パターンの形状の設計が難しいという問題点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、構成が簡単で、且つスプリアスによる悪影響を低減できるようにした誘電体共振器およびそれを含む電子部品を提供することにある。
本発明の誘電体共振器は、第1の比誘電率を有する第1の誘電体よりなり、外面を有する高誘電率本体と、高誘電率本体の外面に接する第1の接触面を有する第1の電極と、高誘電率本体の外面に接する第2の接触面を有する第2の電極と、高誘電率本体の外面に接する第3の接触面を有する第3の電極と、第1の電極、第2の電極および高誘電率本体を用いて構成されたインダクタと、第1の電極、第3の電極および高誘電率本体を用いて構成されたキャパシタとを備えている。第1ないし第3の接触面は、互いに距離をおいて配置されている。第1の接触面と第3の接触面の間の距離は、第1の接触面と第2の接触面の間の距離よりも小さい。本発明の誘電体共振器では、インダクタとキャパシタとによって共振回路が構成されている。
本発明の誘電体共振器は、更に、第1の比誘電率よりも小さい第2の比誘電率を有する第2の誘電体よりなり、高誘電率本体の周囲に存在する周囲誘電体部を備えていてもよい。
また、本発明の誘電体共振器において、高誘電率本体の外面は、互いに反対側に位置する第1の端面および第2の端面と、第1の端面と第2の端面を接続する接続面とを有していてもよく、第1の接触面と第3の接触面は第1の端面に接し、第2の接触面は第2の端面に接していてもよい。
また、本発明の誘電体共振器において、第2の電極と第3の電極は、互いに電気的に接続されていてもよく、共振回路は並列共振回路であってもよい。
また、本発明の誘電体共振器において、共振回路の共振周波数は、0.6GHz〜24GHzの範囲内に存在していてもよい。
本発明の電子部品は、本発明の誘電体共振器を1つ以上含むものである。
本発明によれば、構成が簡単な誘電体共振器を実現することができる。また、本発明では、キャパシタを実現するために、それぞれ面積が大きい面を有する2つの導体層を、互いに面が対向するように設ける必要がない。これにより、本発明によれば、面積が大きい面を有する導体層に起因して、共振回路の共振周波数の2倍または3倍に近い周波数において大きなスプリアスが発生することを防止することができる。以上のことから、本発明によれば、構成が簡単で、且つスプリアスによる悪影響を低減できるようにした誘電体共振器およびそれを含む電子部品を実現することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態に係る誘電体共振器を示す斜視図である。 図1における2−2線で示した位置における誘電体共振器の断面図である。 図1に示した誘電体共振器の一部を示す斜視図である。 図1に示した誘電体共振器における第1および第3の接触面を示す平面図である。 図1に示した誘電体共振器の回路構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態における変形例の誘電体共振器を示す斜視図である。 図6における7−7線で示した位置における誘電体共振器の断面図である。 第1の比較例の誘電体共振器を示す斜視図である。 図8における9−9線で示した位置における誘電体共振器の断面図である。 第1の比較例の誘電体共振器において発生する寄生インダクタンスおよび寄生容量について説明するための説明図である。 寄生インダクタンスおよび寄生容量を含めた第1の比較例の誘電体共振器の等価回路を示す回路図である。 図11に示した等価回路の反射減衰特性を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係る誘電体共振器において発生する寄生容量について説明するための説明図である。 寄生容量を含めた第1の実施の形態に係る誘電体共振器の等価回路を示す回路図である。 図14に示した等価回路の反射減衰特性を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係る誘電体共振器における第1の比誘電率と共振周波数との関係を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態における第1および第3の接触面の第1ないし第4の変形例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態における第1および第3の接触面の第5ないし第7の変形例を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る電子部品の斜視図である。 図19における20−20線で示した位置における電子部品の断面図である。 図19に示した電子部品における誘電体部の下面を示す平面図である。 図19に示した電子部品における第1および第3の接触面を示す平面図である。 図19に示した電子部品の回路構成を示す回路図である。 第2の比較例の電子部品を示す斜視図である。 図24における25−25線で示した位置における電子部品の断面図である。 図24に示した電子部品における誘電体部の下面を示す平面図である。 第2の比較例の電子部品の挿入損失特性を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係る電子部品の挿入損失特性を示す特性図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1ないし図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る誘電体共振器の構造について説明する。図1は、本実施の形態に係る誘電体共振器を示す斜視図である。図2は、図1における2−2線で示した位置における誘電体共振器の断面図である。図3は、図1に示した誘電体共振器の一部を示す斜視図である。
図1ないし図3に示したように、本実施の形態に係る誘電体共振器1は、第1の比誘電率E1を有する第1の誘電体よりなり、外面を有する高誘電率本体2と、第1の比誘電率E1よりも小さい第2の比誘電率E2を有する第2の誘電体よりなり、高誘電率本体2の周囲に存在する周囲誘電体部3とを備えている。図1ないし図3には、高誘電率本体2が直方体形状を有している例を示している。しかし、高誘電率本体2の形状は、この例に限られない。
第1の比誘電率E1は、30〜100,000の範囲内であることが好ましい。第2の比誘電率E2は、第1の比誘電率E1の1/10以下であることが好ましい。
第1の誘電体を構成する誘電体材料の例としては、チタン酸カルシウムや、チタン酸ストロンチウムや、チタン酸バリウムや、チタン酸バリウムを含む金属酸化物材料、例えばチタン酸バリウムストロンチウムやチタン酸バリウムカルシウムを挙げることができる。
第2の誘電体を構成する誘電体材料の例としては、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂や、アルミナ等のセラミックや、ガラスや、これらの複合材料を挙げることができる。なお、第2の誘電体は、空気であってもよい。
ここで、図1に示したように、X方向、Y方向およびZ方向を定義する。X方向、Y方向およびZ方向は、互いに直交する。図1ないし図3に示した例では、高誘電率本体2は、Z方向における互いに反対側に位置する第1の端面2aおよび第2の端面2bと、第1の端面2aと第2の端面2bを接続する接続面とを有している。接続面は、X方向における互いに反対側に位置する2つの側面2c,2dと、Y方向における互いに反対側に位置する2つの側面2e,2fを含んでいる。
図1ないし図3に示した例では、周囲誘電体部3は、Z方向に直交する断面において高誘電率本体2の周囲に存在し、高誘電率本体2の接続面(側面2c,2d,2e,2f)に接している。図1に示したように、周囲誘電体部3は、Z方向における互いに反対側に位置する下面3aおよび上面3bと、下面3aと上面3bを接続する4つの側面3c,3d,3e,3fとを有している。側面3c,3dは、X方向における互いに反対側に位置している。側面3e,3fは、Y方向における互いに反対側に位置している。周囲誘電体部3の下面3aと高誘電率本体2の第1の端面2aは、同一平面上に位置している。周囲誘電体部3の上面3bと高誘電率本体2の第2の端面2bは、同一平面上に位置している。
誘電体共振器1は、更に、第1の電極11、第2の電極12および第3の電極13を備えている。電極11,12,13は、Ag,Cu等の金属によって構成されている。図3に示したように、第1の電極11は、高誘電率本体2の外面に接する第1の接触面11aを有している。第2の電極12は、高誘電率本体2の外面に接する第2の接触面12aを有している。第3の電極13は、高誘電率本体2の外面に接する第3の接触面13aを有している。第1ないし第3の接触面11a,12a,13aは、互いに距離をおいて配置されている。図3では、第1ないし第3の接触面11a,12a,13aを、ハッチングを付して示している。
図1ないし図3に示した例では、第1の電極11と第3の電極13は、いずれも、周囲誘電体部3の下面3aと高誘電率本体2の第1の端面2aの上に配置されている。第1の電極11は、側面3cと下面3aとの間の稜線の位置から、高誘電率本体2の第1の端面2aまで延びている。第1の接触面11aは、高誘電率本体2の外面のうちの第1の端面2aの一部に接触している。第3の接触面13aは、高誘電率本体2の外面のうちの第1の端面2aの他の一部に接触している。
図4は、第1の接触面11aと第3の接触面13aを示す平面図である。図4に示したように、第3の接触面13aは、コの字形状を有し、第1の接触面11aを3方向から囲むように配置されている。
第2の電極12は、周囲誘電体部3の上面3bと高誘電率本体2の第2の端面2bの上に配置されている。第2の接触面12aは、高誘電率本体2の外面のうちの第2の端面2bの全面に接触している。
第1の接触面11aと第3の接触面13aの間の距離は、第1の接触面11aと第2の接触面12aの間の距離および第2の接触面12aと第3の接触面13aの間の距離よりも小さい。
誘電体共振器1は、更に、それぞれ周囲誘電体部3の側面3e,3fに配置された導体層14,15を備えている。導体層14,15は、Ag,Cu等の金属によって構成されている。導体層14,15は、いずれも第2の電極12と第3の電極13とに接続されている。このようにして、第2の電極12と第3の電極13は、導体層14,15を介して、互いに電気的に接続されている。なお、図3では、導体層14,15を省略している。
次に、図5を参照して、図1に示した誘電体共振器1の設計上の回路構成について説明する。誘電体共振器1は、入出力端子21とインダクタ22とキャパシタ23とを備えている。入出力端子21は、第1の電極11によって構成されている。インダクタ22は、第1の電極11と、第2の電極12と、これらの間に介在する高誘電率本体2を用いて構成されている。キャパシタ23は、第1の電極11と、第3の電極13と、高誘電率本体2を用いて構成されている。第1の電極11と第2の電極12は、インダクタ22の両端を構成している。第1の電極11と第3の電極13は、キャパシタ23の両端を構成している。
入出力端子21と、インダクタ22の一端と、キャパシタ23の一端は、全て第1の電極11によって構成されている。従って、インダクタ22の一端とキャパシタ23の一端は、入出力端子21に電気的に接続されている。
第3の電極13によって構成されたキャパシタ23の他端と、第2の電極12によって構成されたインダクタ22の他端は、グランドに電気的に接続されている。誘電体共振器1では、インダクタ22とキャパシタ23とによって、共振回路、特に並列共振回路が構成されている。この共振回路(並列共振回路)の共振周波数は、0.6GHz〜24GHzの範囲内に存在していることが好ましい。
次に、本実施の形態におけるインダクタ22について詳しく説明する。本実施の形態では、第1の電極11の第1の接触面11aは高誘電率本体2の第1の端面2aに接触し、第2の電極12の第2の接触面12aは高誘電率本体2の第2の端面2bに接触している。高誘電率本体2は、第1の接触面11aと第2の接触面12aの間において、少なくとも0.6GHz〜24GHzの範囲内の周波数の電磁波を伝搬させる。電磁波が高誘電率本体2を伝搬する際に磁界が生じ、この磁界によって磁気エネルギーが蓄えられる。そのため、第1の電極11、第2の電極12および高誘電率本体2を用いたインダクタ22が構成される。
次に、本実施の形態におけるキャパシタ23について詳しく説明する。本実施の形態では、第1の電極11の第1の接触面11aと第3の電極13の第3の接触面13aは、高誘電率本体2の第1の端面2aに接触している。そして、第1の接触面11aと第3の接触面13aの間の距離は、第1の接触面11aと第2の接触面12aの間の距離および第2の接触面12aと第3の接触面13aの間の距離よりも小さい。本実施の形態では、第1の接触面11aと第3の接触面13aの間の距離が小さいため、第1の電極11、第3の電極13および高誘電率本体2を用いて、第1の電極11と第3の電極13を両端とするキャパシタ23が構成される。すなわち、第1の電極11と第3の電極13の間に電位差が生じると、第1の接触面11aと第3の接触面13aの間に電界が生じる。この電界は、少なくとも、第1の接触面11aおよび第3の接触面13aの近傍における高誘電率本体2の内部の一部に生じる。そして、この電界によって電気エネルギーが蓄えられるため、第1の電極11、第3の電極13および高誘電率本体2を用いたキャパシタ23が構成される。
本実施の形態では、高誘電率本体2の外面上に位置する第1の接触面11aと第3の接触面13aを近づけることにより、第1の電極11、第3の電極13および高誘電率本体2を用いて、キャパシタ23を実現している。また、本実施の形態では、第1の電極11と、第2の電極12と、これらの間に介在する高誘電率本体2を用いて、キャパシタではなく、インダクタ22を実現している。第1の接触面11aと第2の接触面12aが近いと、第1の電極11、第2の電極12および高誘電率本体2によってキャパシタが構成されてしまうため、インダクタ22を実現するためには、第1の接触面11aと第2の接触面12aの間の距離は、第1の電極11、第2の電極12および高誘電率本体2によってキャパシタが構成されないように大きくする必要がある。従って、本実施の形態のように、1つの高誘電率本体2と、その外面に接する第1ないし第3の電極11,12,13とを用いて、インダクタ22とキャパシタ23を実現するためには、第1の接触面11aと第3の接触面13aの間の距離が第1の接触面11aと第2の接触面12aの間の距離よりも小さいことが必要な条件となる。
本実施の形態に係る誘電体共振器1では、第1の電極11によって構成された入出力端子21には、0.6GHz〜24GHzの範囲内の周波数を含む任意の周波数の電力が供給される。誘電体共振器1は、0.6GHz〜24GHzの範囲内の共振周波数で共振する。
[変形例]
次に、図6および図7を参照して、本実施の形態における変形例の誘電体共振器1について説明する。図6は、変形例の誘電体共振器1を示す斜視図である。図7は、図6における7−7線で示した位置における変形例の誘電体共振器1の断面図である。
図6に示したように、変形例の誘電体共振器1では、高誘電率本体2は円柱形状を有している。図7に示したように、この高誘電率本体2は、Z方向における互いに反対側に位置する第1の端面2aおよび第2の端面2bと、第1の端面2aと第2の端面2bを接続する接続面2gとを有している。周囲誘電体部3は、Z方向に直交する断面において高誘電率本体2の周囲に存在し、高誘電率本体2の接続面2gに接している。
図7に示したように、図1ないし図3に示した例と同様に、変形例においても、第1の電極11は高誘電率本体2の外面のうちの第1の端面2aに接触する第1の接触面11aを有し、第2の電極12は高誘電率本体2の外面のうちの第2の端面2bに接触する第2の接触面12aを有し、第3の電極13は高誘電率本体2の外面のうちの第1の端面2aに接触する第3の接触面13aを有している。
変形例の誘電体共振器1のその他の構成および作用は、図1ないし図3に示した例と同様である。
次に、第1の比較例の誘電体共振器と比較しながら、本実施の形態に係る誘電体共振器1の効果について説明する。始めに、図8および図9を参照して、第1の比較例の誘電体共振器について説明する。図8は、第1の比較例の誘電体共振器を示す斜視図である。図9は、図8における9−9線で示した位置における第1の比較例の誘電体共振器の断面図である。
図8および図9に示したように、第1の比較例の誘電体共振器101は、第1の比誘電率E1を有する第1の誘電体よりなる高誘電率本体102と、第2の比誘電率E2を有する第2の誘電体よりなり、高誘電率本体102の周囲に存在する周囲誘電体部103とを備えている。図8および図9には、高誘電率本体102が直方体形状を有している例を示している。しかし、高誘電率本体102の形状は、この例に限られず、例えば円柱形状であってもよい。
図8および図9に示した例では、高誘電率本体102は、Z方向における互いに反対側に位置する第1の端面102aおよび第2の端面102bと、第1の端面102aと第2の端面102bを接続する接続面とを有している。接続面は、X方向における互いに反対側に位置する2つの側面102c,102dと、Y方向における互いに反対側に位置する2つの側面102e,102fを含んでいる。
周囲誘電体部103は、Z方向における互いに反対側に位置する下面103aおよび上面103bと、下面103aと上面103bを接続する4つの側面103c,103d,103e,103fとを有している。側面103c,103dは、X方向における互いに反対側に位置している。側面103e,103fは、Y方向における互いに反対側に位置している。高誘電率本体102の第1の端面102aは、周囲誘電体部103の内部に位置している。周囲誘電体部103の上面103bと高誘電率本体102の第2の端面102bは、同一平面上に位置している。
図8および図9に示した例では、周囲誘電体部103は、第1層103Aと、この第1層103Aの上に配置された第2層103Bとを有している。
誘電体共振器101は、更に、それぞれ周囲誘電体部103の下面103a、上面103b、側面103e,103fに配置された導体層112,113,114,115を備えている。導体層112は、下面103aの大部分を覆っている。導体層113は、上面103bの大部分を覆っている。導体層114は、側面103eの全体を覆い、導体層112,113に電気的に接続されている。導体層115は、側面103fの全体を覆い、導体層112,113に電気的に接続されている。導体層112,113,114,115は、グランドに接続される。
誘電体共振器101は、更に、導体層112に対して所定の間隔をあけて対向するように周囲誘電体部103の内部に配置された導体層117を備えている。導体層117は、周囲誘電体部103の第1層103Aの上に配置されている。従って、導体層112と導体層117の間には、第1層103Aが介在している。高誘電率本体102の第1の端面102aは、導体層117に接続されている。導体層117は、周囲誘電体部103の側面103cに露出した端部117aを有している。高誘電率本体102の第2の端面102bは、導体層113に接続されている。導体層112,113,114,115,117は、Ag,Cu等の金属によって構成されている。
次に、誘電体共振器101の設計上の回路構成について説明する。誘電体共振器101では、導体層117によって入出力端子が構成されている。また、誘電体共振器101では、導体層117,113と、それらの間に介在する高誘電率本体102とによって、インダクタが構成されている。インダクタの一端は入出力端子に電気的に接続され、インダクタの他端はグランドに電気的に接続されている。また、誘電体共振器101では、導体層117,112と、それらの間に介在する周囲誘電体部103の第1層103Aとによって、キャパシタが構成されている。キャパシタの一端は入出力端子に電気的に接続され、キャパシタの他端はグランドに電気的に接続されている。誘電体共振器101の設計上の回路構成は、図5に示した本実施の形態に係る誘電体共振器1の設計上の回路構成と同様である。
次に、図10および図11を参照して、誘電体共振器101において発生する寄生インダクタンスおよび寄生容量について説明する。図10は、誘電体共振器101において発生する寄生インダクタンスおよび寄生容量について説明するための説明図である。図11は、寄生インダクタンスおよび寄生容量を含めた誘電体共振器101の等価回路を示す回路図である。
前述のように、誘電体共振器101の設計上の回路構成は、図5に示した本実施の形態に係る誘電体共振器1の設計上の回路構成と同様である。すなわち、図11に示したように、誘電体共振器101は、入出力端子121とインダクタ122とキャパシタ123とを備えている。インダクタ122の一端は入出力端子121に電気的に接続され、インダクタ122の他端はグランドに電気的に接続されている。キャパシタ123の一端は入出力端子121に電気的に接続され、キャパシタ123の他端はグランドに電気的に接続されている。入出力端子121は、導体層117によって構成されている。インダクタ122は、導体層117と、導体層113と、これらの間に介在する高誘電率本体102とを用いて構成されている。キャパシタ123は、導体層117と、導体層112と、これらの間に介在する周囲誘電体部103の第1層103Aとを用いて構成されている。
誘電体共振器101では、それぞれ面積が大きい面を有する2つの導体層112,117を、互いに面が対向するように設けることによって、キャパシタ123を実現している。導体層117は、寄生インダクタンスと寄生容量を有する。以下、この導体層117が有する寄生インダクタンス、寄生容量を、それぞれ、インダクタ131、キャパシタ132として表す。また、誘電体共振器101では、キャパシタ132として表される寄生容量の他に、図10および図11において、キャパシタ133,134,135として表された寄生容量が発生している。
キャパシタ133として表された寄生容量は、導体層112以外のグランドに接続された導体層114,115と、導体層117との間に発生している。図11に示したように、インダクタ131の一端とキャパシタ132の一端は、入出力端子121に電気的に接続されている。キャパシタ133の一端は、インダクタ131の他端とキャパシタ132の他端に電気的に接続されている。キャパシタ133の他端は、グランドに接続されている。
キャパシタ134,135として表された寄生容量は、インダクタ122(高誘電率本体102および導体層117,113)に起因して発生している。図11では、インダクタ122を、直列に接続された2つのインダクタ122A,122Bとして表している。キャパシタ134は、インダクタ122Aに対して並列に接続されている。キャパシタ135はインダクタ122Bに対して並列に接続されている。
図11に示した等価回路では、導体層117に起因した自己共振と、インダクタ122に起因した自己共振とが発生する。導体層117に起因した自己共振とは、インダクタ131およびキャパシタ132,133による共振である。インダクタ122に起因した自己共振とは、インダクタ122A,122Bおよびキャパシタ134,135による共振である。これらの自己共振の共振周波数は、誘電体共振器101の共振周波数よりも高い。
図12は、図11に示した等価回路の反射減衰特性を示す特性図である。図12において、横軸は周波数、縦軸は減衰量である。図12に示した反射減衰特性では、約5.9GHzにおいて減衰量が最大になっている。この減衰量が最大になる周波数が、誘電体共振器101の共振周波数である。図12に示した反射減衰特性では、約12GHzと約18GHzにおいて減衰量の2つのピークが存在している。約12GHzにおける減衰量のピークは、導体層117に起因した自己共振によって生じている。約18GHzにおける減衰量のピークは、インダクタ122に起因した自己共振によって生じている。この2つの減衰量のピークは、誘電体共振器101を含む通信装置において、誘電体共振器101の共振周波数の2倍または3倍に近い周波数のスプリアスの原因となる。
次に、図13および図14を参照して、本実施の形態に係る誘電体共振器1において発生する寄生インダクタンスおよび寄生容量について説明する。図13は、誘電体共振器1において発生する寄生インダクタンスおよび寄生容量について説明するための説明図である。図14は、寄生インダクタンスおよび寄生容量を含めた誘電体共振器1の等価回路を示す回路図である。
本実施の形態に係る誘電体共振器1では、第1の比較例の誘電体共振器101と同様に、図13および図14において、キャパシタ34,35として表される寄生容量が発生している。キャパシタ34,35として表された寄生容量は、第1の比較例の誘電体共振器101においてキャパシタ134,135として表された寄生容量と同様に、インダクタ22(高誘電率本体2および電極11,12)に起因して発生している。図13では、インダクタ22を、直列に接続された2つのインダクタ22A,22Bとして表している。キャパシタ34は、インダクタ22Aに対して並列に接続されている。キャパシタ35はインダクタ22Bに対して並列に接続されている。
図14に示した等価回路では、インダクタ22に起因した自己共振が発生する。インダクタ22に起因した自己共振とは、インダクタ22A,22Bおよびキャパシタ34,35による共振である。この自己共振の共振周波数は、誘電体共振器1の共振周波数よりも高い。
なお、本実施の形態に係る誘電体共振器1では、キャパシタ23を実現するために、それぞれ面積が大きい面を有する2つの導体層を、互いに面が対向するように設ける必要がない。そのため、本実施の形態に係る誘電体共振器1では、第1の比較例の誘電体共振器101におけるインダクタ131やキャパシタ132,133のような、キャパシタ23を実現するための導体層に起因した寄生インダクタおよび寄生容量は発生せず、この導体層に起因した自己共振も発生しない。
図15は、図14に示した等価回路の反射減衰特性を示す特性図である。図15において、横軸は周波数、縦軸は減衰量である。図15に示した反射減衰特性では、約5.9GHzにおいて減衰量が最大になっている。この減衰量が最大になる周波数が、誘電体共振器1の共振周波数である。図15に示した反射減衰特性では、約18GHzにおいて減衰量のピークが存在している。約18GHzにおける減衰量のピークは、高誘電率本体2に起因した自己共振によって生じている。図15に示した反射減衰特性では、図12に示した反射減衰特性において存在していた約12GHzにおける減衰量のピークが存在していない。これは、前述のように、本実施の形態に係る誘電体共振器1では、キャパシタ23を実現するための導体層に起因した自己共振が発生しないためである。
また、18GHzにおける減衰量は、図12に示した反射減衰特性では3.17dBであり、図15に示した反射減衰特性では1.05dBであった。このように、本実施の形態に係る誘電体共振器1では、第1の比較例の誘電体共振器101に比べて、18GHzにおける減衰量が小さくなっている。これは、本実施の形態では、インダクタ22を構成するための導体(電極11,12)の面の面積が、第1の比較例におけるインダクタ122を構成するための導体(導体層113,117)の面の面積よりも小さいことから、キャパシタ34,35のキャパシタンスが、キャパシタ134,135のキャパシタンスよりも小さくなるためと考えられる。特に、本実施の形態では、インダクタ22およびキャパシタ23を構成するために用いられている電極11の面の面積は、第1の比較例においてインダクタ122およびキャパシタ123を構成するために用いられている導体層117の面の面積に比べて非常に小さい。このことが、本実施の形態に係る誘電体共振器1において、第1の比較例の誘電体共振器101に比べて、18GHzにおける減衰量が小さくなることに、大きく貢献していると考えられる。
以上説明したように、本実施の形態では、キャパシタ23を実現するために、それぞれ面積が大きい面を有する2つの導体層を、互いに面が対向するように設ける必要がない。これにより、本実施の形態によれば、面積が大きい面を有する導体層に起因して、共振回路の共振周波数の2倍または3倍に近い周波数において大きなスプリアスが発生することを防止することができる。
また、本実施の形態に係る誘電体共振器1の主要な構成要素は、外面を有する高誘電率本体2と、高誘電率本体2の外面に接する第1ないし第3の電極11,12,13である。従って、誘電体共振器1の構成は簡単である。
以上のことから、本実施の形態によれば、構成が簡単で、且つスプリアスによる悪影響を低減できるようにした誘電体共振器1を実現することができる。
次に、シミュレーションの結果を参照して、本実施の形態において、第1の比誘電率E1が30〜100,000の範囲内であることが好ましい理由について説明する。シミュレーションでは、以下で説明する第1ないし第3のモデルを用いた。第1ないし第3のモデルは、いずれも、図1ないし図3に示した誘電体共振器1を用いたモデルである。第1ないし第3のモデルでは、高誘電率本体2のZ方向に直交する断面の形状を正方形とした。第1のモデルでは、正方形の1辺の長さを0.5mmとした。第2のモデルでは、正方形の1辺の長さを0.6mmとした。第3のモデルでは、正方形の1辺の長さを0.7mmとした。また、第1ないし第3のモデルでは、高誘電率本体2のZ方向の長さを1mmとした。シミュレーションでは、第1ないし第3のモデルのそれぞれにおいて、第1の比誘電率E1を、100、500、2,000、10,000と変化させて、誘電体共振器1の共振周波数を求めた。なお、第2の比誘電率E2は7とした。
図16は、誘電体共振器1における第1の比誘電率E1と共振周波数との関係を示す特性図である。図16において、横軸は第1の比誘電率E1、縦軸は共振周波数である。図16において、符号51で示した破線の直線は、第1のモデルのシミュレーション結果から外挿によって求めた第1の比誘電率E1と共振周波数との関係を示している。また、図16において、符号52で示した破線の直線は、第3のモデルのシミュレーション結果から外挿によって求めた第1の比誘電率E1と共振周波数との関係を示している。
本実施の形態では、誘電体共振器1は、その共振周波数が0.6GHz〜24GHzの範囲内になるように設計される。直線51上の点53は、シミュレーションの条件の範囲内で、誘電体共振器1の共振周波数を約0.6GHzとすることのできる第1の比誘電率E1の最大値100,000を示している。また、直線52上の点54は、シミュレーションの条件の範囲内で、誘電体共振器1の共振周波数を約24GHzとすることのできる第1の比誘電率E1の最小値30を示している。従って、シミュレーションの条件の範囲内では、第1の比誘電率E1を30〜100,000の範囲内とすることにより、誘電体共振器1の共振周波数を約0.6GHz〜約24GHzの範囲内とすることが可能になる。この点から、本実施の形態では、第1の比誘電率E1は、30〜100,000の範囲内であることが好ましい。
[変形例]
次に、図17および図18を参照して、本実施の形態における第1および第3の接触面11a,13aの第1ないし第7の変形例について説明する。図17は、第1ないし第4の変形例を示す説明図である。図18は、第5ないし第7の変形例を示す説明図である。第1ないし第4の変形例は、図1ないし図3に示した例のように、高誘電率本体2が直方体形状を有している場合の例である。第5ないし第7の変形例は、図6および図7に示した例のように、高誘電率本体2が円柱形状を有している場合の例である。
図17における(a)は、第1の変形例を示している。第1の変形例では、第3の接触面13aは、第1の接触面11aをY方向の両側から挟むように配置されている。
図17における(b)は、第2の変形例を示している。第2の変形例では、第1の接触面11aと第3の接触面13aがY方向に並ぶように配置されている。
図17における(c)は、第3の変形例を示している。第3の変形例では、第1の接触面11aと第3の接触面13aがX方向に並ぶように配置されている。
図17における(d)は、第4の変形例を示している。第4の変形例では、Z方向に直交する高誘電率本体2の断面の形状を、Y方向に長い長方形にしている。この例では、第3の接触面13aは、コの字形状を有し、第1の接触面11aを3方向から囲むように配置されている。
図18における(a)は、第5の変形例を示している。第5の変形例では、第3の接触面13aは、第1の接触面11aをY方向の両側から挟むように配置されている。
図18における(b)は、第6の変形例を示している。第6の変形例では、第1の接触面11aと第3の接触面13aがY方向に並ぶように配置されている。
図18における(c)は、第7の変形例を示している。第7の変形例では、第1の接触面11aと第3の接触面13aがX方向に並ぶように配置されている。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る誘電体共振器および電子部品について説明する。始めに、図19ないし図21を参照して、本実施の形態に係る誘電体共振器および電子部品の構造について説明する。図19は、本実施の形態に係る電子部品の斜視図である。図20は、図19における20−20線で示した位置における電子部品の断面図である。図21は、本実施の形態に係る電子部品における誘電体部の下面を示す平面図である。
本実施の形態に係る電子部品200は、2つの誘電体共振器201A,201Bを含み、バンドパスフィルタを実現している。誘電体共振器201A,201Bの各々の構成は、第1の実施の形態に係る誘電体共振器1と同様である。すなわち、誘電体共振器201Aは、第1の比誘電率E1を有する第1の誘電体よりなる高誘電率本体202Aと、第2の比誘電率E2を有する第2の誘電体よりなり、高誘電率本体202Aの周囲に存在する周囲誘電体部203Aと、第1の電極211Aと、第2の電極212Aと、第3の電極213Aとを備えている。また、誘電体共振器201Bは、第1の比誘電率E1を有する第1の誘電体よりなる高誘電率本体202Bと、第2の比誘電率E2を有する第2の誘電体よりなり、高誘電率本体202Bの周囲に存在する周囲誘電体部203Bと、第1の電極211Bと、第2の電極212Bと、第3の電極213Bとを備えている。
図19ないし図21には、高誘電率本体202A,202Bが直方体形状を有している例を示している。しかし、高誘電率本体202A,202Bの形状は、この例に限られず、例えば円柱形状であってもよい。
ここで、図19に示したように、X方向、Y方向およびZ方向を定義する。X方向、Y方向およびZ方向は、互いに直交する。高誘電率本体202Aは、Z方向における互いに反対側に位置する第1の端面202Aaおよび第2の端面202Abと、第1の端面202Aaと第2の端面202Abを接続する接続面とを有している。高誘電率本体202Aの接続面は、X方向における互いに反対側に位置する2つの側面202Ac,202Adと、Y方向における互いに反対側に位置する2つの側面202Ae,202Afを含んでいる。
また、高誘電率本体202Bは、Z方向における互いに反対側に位置する第1の端面202Baおよび第2の端面202Bbと、第1の端面202Baと第2の端面202Bbを接続する接続面とを有している。高誘電率本体202Bの接続面は、X方向における互いに反対側に位置する2つの側面202Bc,202Bdと、Y方向における互いに反対側に位置する2つの側面202Be,202Bfを含んでいる。
高誘電率本体202A,202Bは、高誘電率本体202Aの側面202Adと高誘電率本体202Bの側面202Bcとが対向するように、X方向に並べられている。
周囲誘電体部203Aは、Z方向に直交する断面において高誘電率本体202Aの周囲に存在し、高誘電率本体202Aの接続面(側面202Ac,202Ad,202Ae,202Af)に接している。周囲誘電体部203Bは、Z方向に直交する断面において高誘電率本体202Bの周囲に存在し、高誘電率本体202Bの接続面(側面202Bc,202Bd,202Be,202Bf)に接している。本実施の形態では、周囲誘電体部203A,203Bは、一体化されて、1つの誘電体部203を構成している。図20では、周囲誘電体部203Aと周囲誘電体部203Bとの境界を点線で示している。
図19に示したように、誘電体部203は、Z方向における互いに反対側に位置する下面203aおよび上面203bと、下面203aと上面203bを接続する4つの側面203c,203d,203e,203fとを有している。側面203c,203dは、X方向における互いに反対側に位置している。側面203e,203fは、Y方向における互いに反対側に位置している。
誘電体部203の下面203a、高誘電率本体202Aの第1の端面202Aaおよび高誘電率本体202Bの第1の端面202Baは、同一平面上に位置している。誘電体部203の上面203b、高誘電率本体202Aの第2の端面202Abおよび高誘電率本体202Bの第2の端面202Bbは、同一平面上に位置している。高誘電率本体202Aは、誘電体部203の側面203cの近傍に配置されている。高誘電率本体202Bは、誘電体部203の側面203dの近傍に配置されている。
誘電体共振器201Aの第1の電極211Aは、高誘電率本体202Aの外面に接する第1の接触面211Aa(図20参照)を有している。第2の電極212Aは、高誘電率本体202Aの外面に接する第2の接触面212Aa(図20参照)を有している。第3の電極213Aは、高誘電率本体202Aの外面に接する第3の接触面213Aaを有している。第3の接触面213Aaは、図19ないし図21には示していないが、後で説明する図22に示している。第1ないし第3の接触面211Aa,212Aa,213Aaは、互いに距離をおいて配置されている。
図19ないし図21に示した例では、第1の電極211Aと第3の電極213Aは、いずれも、誘電体部203の下面203aと高誘電率本体202Aの第1の端面202Aaの上に配置されている。第1の電極211Aは、側面203cと下面203aとの間の稜線の位置から、高誘電率本体202Aの第1の端面202Aaまで延びている。第1の接触面211Aaは、高誘電率本体202Aの外面のうちの第1の端面202Aaの一部に接触している。第3の接触面213Aaは、高誘電率本体202Aの外面のうちの第1の端面202Aaの他の一部に接触している。
誘電体共振器201Bの第1の電極211Bは、高誘電率本体202Bの外面に接する第1の接触面211Ba(図20参照)を有している。第2の電極212Bは、高誘電率本体202Bの外面に接する第2の接触面212Ba(図20参照)を有している。第3の電極213Bは、高誘電率本体202Bの外面に接する第3の接触面213Baを有している。第3の接触面213Baは、図19ないし図21には示していないが、後で説明する図22に示している。第1ないし第3の接触面211Ba,212Ba,213Baは、互いに距離をおいて配置されている。
図19ないし図21に示した例では、第1の電極211Bと第3の電極213Bは、いずれも、誘電体部203の下面203aと高誘電率本体202Bの第1の端面202Baの上に配置されている。第1の電極211Bは、側面203dと下面203aとの間の稜線の位置から、高誘電率本体202Bの第1の端面202Baまで延びている。第1の接触面211Baは、高誘電率本体202Bの外面のうちの第1の端面202Baの一部に接触している。第3の接触面213Baは、高誘電率本体202Bの外面のうちの第1の端面202Baの他の一部に接触している。
図22は、誘電体共振器201Aの第1および第3の接触面211Aa,213Aaと、誘電体共振器201Bの第1および第3の接触面211Ba,213Baを示す平面図である。図22に示したように、第3の接触面213Aaは、第1の接触面211AaをY方向の両側から挟むように配置されている。第3の接触面213Baは、第1の接触面211BaをY方向の両側から挟むように配置されている。
誘電体共振器201Aの第2の電極212Aは、誘電体部203の上面203bと高誘電率本体202Aの第2の端面202Abの上に配置されている。第2の接触面212Aaは、高誘電率本体202Aの外面のうちの第2の端面202Abの全面に接触している。第1の接触面211Aaと第3の接触面213Aaの間の距離は、第1の接触面211Aaと第2の接触面212Aaの間の距離および第2の接触面212Aaと第3の接触面213Aaの間の距離よりも小さい。
誘電体共振器201Bの第2の電極212Bは、誘電体部203の上面203bと高誘電率本体202Bの第2の端面202Bbの上に配置されている。第2の接触面212Baは、高誘電率本体202Bの外面のうちの第2の端面202Bbの全面に接触している。第1の接触面211Baと第3の接触面213Baの間の距離は、第1の接触面211Baと第2の接触面212Baの間の距離および第2の接触面212Baと第3の接触面213Baの間の距離よりも小さい。
図20および図21に示したように、本実施の形態では、誘電体共振器201Aの第3の電極213Aと誘電体共振器201Bの第3の電極213Bは、一体化されて、1つの導体層213を構成している。導体層213は、誘電体部203の下面203aに配置されている。図20および図21では、第3の電極213Aと第3の電極213Bとの境界を点線で示している。
電子部品200は、更に、それぞれ誘電体部203の側面203e,203fに配置された導体層214,215を備えている。導体層213〜215は、Ag,Cu等の金属によって構成されている。
導体層214,215は、いずれも、誘電体共振器201Aの第2および第3の電極212A,213Aと、誘電体共振器201Bの第2および第3の電極212B,213Bに接続されている。このようにして、誘電体共振器201Aの第2の電極212Aと第3の電極213Aは、導体層214,215を介して、互いに電気的に接続されている。また、誘電体共振器201Bの第2の電極212Bと第3の電極213Bも、導体層214,215を介して、互いに電気的に接続されている。
次に、図23を参照して、図19に示した電子部品200の設計上の回路構成について説明する。電子部品200は、2つの誘電体共振器201A,201Bを含んでいる。誘電体共振器201Aは、入力端子221とインダクタ222Aとキャパシタ223Aとを備えている。誘電体共振器201Bは、出力端子224とインダクタ222Bとキャパシタ223Bとを備えている。
入力端子221は、誘電体共振器201Aの第1の電極211Aによって構成されている。インダクタ222Aは、第1の電極211Aと、第2の電極212Aと、これらの間に介在する高誘電率本体202Aを用いて構成されている。キャパシタ223Aは、第1の電極211Aと、第3の電極213A(導体層213)と、高誘電率本体202Aを用いて構成されている。第1の電極211Aと第2の電極212Aは、インダクタ222Aの両端を構成している。第1の電極211Aと第3の電極213Aは、キャパシタ223Aの両端を構成している。
入力端子221と、インダクタ222Aの一端と、キャパシタ223Aの一端は、全て第1の電極211Aによって構成されている。従って、インダクタ222Aの一端とキャパシタ223Aの一端は、入力端子221に電気的に接続されている。
第3の電極213Aによって構成されたキャパシタ223Aの他端と、第2の電極212Aによって構成されたインダクタ222Aの他端は、グランドに電気的に接続されている。誘電体共振器201Aでは、インダクタ222Aとキャパシタ223Aとによって、共振回路、特に並列共振回路が構成されている。
出力端子224は、誘電体共振器201Bの第1の電極211Bによって構成されている。インダクタ222Bは、第1の電極211Bと、第2の電極212Bと、これらの間に介在する高誘電率本体202Bを用いて構成されている。キャパシタ223Bは、第1の電極211Bと、第3の電極213B(導体層213)と、高誘電率本体202Bを用いて構成されている。第1の電極211Bと第2の電極212Bは、インダクタ222Bの両端を構成している。第1の電極211Bと第3の電極213Bは、キャパシタ223Bの両端を構成している。
出力端子224と、インダクタ222Bの一端と、キャパシタ223Bの一端は、全て第1の電極211Bによって構成されている。従って、インダクタ222Bの一端とキャパシタ223Bの一端は、出力端子224に電気的に接続されている。
第3の電極213Bによって構成されたキャパシタ223Bの他端と、第2の電極212Bによって構成されたインダクタ222Bの他端は、グランドに電気的に接続されている。誘電体共振器201Bでは、インダクタ222Bとキャパシタ223Bとによって、共振回路、特に並列共振回路が構成されている。
誘電体共振器201Aと誘電体共振器201Bは、電磁界結合している。この電磁界結合は、インダクタ222A,222B間の誘導結合によるものである。図23では、インダクタ222A,222B間の誘導結合を、記号Mを付した曲線で表している。
インダクタ222A,222Bが構成される原理は、第1の実施の形態で説明したインダクタ22が構成される原理と同様である。また、キャパシタ223A,223Bが構成される原理は、第1の実施の形態で説明したキャパシタ23が構成される原理と同様である。
本実施の形態に係る電子部品200では、第1の電極211Aによって構成された入力端子221に信号が入力されると、そのうちの所定の通過帯域内の周波数の信号が選択的に、第2の電極212Bによって構成された出力端子224から出力される。
次に、第2の比較例の電子部品と比較しながら、本実施の形態に係る電子部品200の効果について説明する。始めに、図24ないし図26を参照して、第2の比較例の電子部品について説明する。図24は、第2の比較例の電子部品を示す斜視図である。図25は、図24における25−25線で示した位置における第2の比較例の電子部品の断面図である。図26は、第2の比較例の電子部品における誘電体部の下面を示す平面図である。
図24および図25に示したように、第2の比較例の電子部品300は、2つの誘電体共振器301A,301Bを含み、バンドパスフィルタを実現している。誘電体共振器301A,301Bは、本発明の誘電体共振器とは異なる。誘電体共振器301Aは、第1の比誘電率E1を有する第1の誘電体よりなる高誘電率本体302Aと、第2の比誘電率E2を有する第2の誘電体よりなり、高誘電率本体302Aの周囲に存在する周囲誘電体部303Aとを備えている。誘電体共振器301Bは、第1の比誘電率E1を有する第1の誘電体よりなる高誘電率本体302Bと、第2の比誘電率E2を有する第2の誘電体よりなり、高誘電率本体302Bの周囲に存在する周囲誘電体部303Bとを備えている。
図24および図25には、高誘電率本体302A,302Bが直方体形状を有している例を示している。しかし、高誘電率本体302A,302Bの形状は、この例に限られず、例えば円柱形状であってもよい。
図24および図25に示した例では、高誘電率本体302Aは、Z方向における互いに反対側に位置する第1の端面302Aaおよび第2の端面302Abと、第1の端面302Aaと第2の端面302Abを接続する接続面とを有している。接続面は、X方向における互いに反対側に位置する2つの側面302Ac,302Adと、Y方向における互いに反対側に位置する2つの側面302Ae,302Afを含んでいる。
また、高誘電率本体302Bは、Z方向における互いに反対側に位置する第1の端面302Baおよび第2の端面302Bbと、第1の端面302Baと第2の端面302Bbを接続する接続面とを有している。接続面は、X方向における互いに反対側に位置する2つの側面302Bc,302Bdと、Y方向における互いに反対側に位置する2つの側面302Be,302Bfを含んでいる。
高誘電率本体302A,302Bは、高誘電率本体302Aの側面302Adと高誘電率本体302Bの側面302Bcとが対向するように、X方向に並べられている。
周囲誘電体部303Aは、Z方向に直交する断面において高誘電率本体302Aの周囲に存在し、高誘電率本体302Aの接続面(側面302Ac〜302Af)に接している。周囲誘電体部303Bは、Z方向に直交する断面において高誘電率本体302Bの周囲に存在し、高誘電率本体302Bの接続面(側面302Bc〜302Bf)に接している。周囲誘電体部303A,303Bは、一体化されて、1つの誘電体部303を構成している。図25では、周囲誘電体部303Aと周囲誘電体部303Bとの境界を点線で示している。
誘電体部303は、Z方向における互いに反対側に位置する下面303aおよび上面303bと、下面303aと上面303bを接続する4つの側面303c,303d,303e,303fとを有している。側面303c,303dは、X方向における互いに反対側に位置している。側面303e,303fは、Y方向における互いに反対側に位置している。
高誘電率本体302Aの第1の端面302Aaと高誘電率本体302Bの第1の端面302Baは、誘電体部303の内部に位置している。誘電体部303の上面303b、高誘電率本体302Aの第2の端面302Abおよび高誘電率本体302Bの第2の端面302Bbは、同一平面上に位置している。高誘電率本体302Aは、誘電体部303の側面303cの近傍に配置されている。高誘電率本体302Bは、誘電体部303の側面303dの近傍に配置されている。
図24および図25に示した例では、誘電体部303は、第1層3031と、この第1層3031の上に配置された第2層3032とを有している。
電子部品300は、更に、誘電体部303の下面303aに配置された導体層312A,312B,312Cと、誘電体部303の上面303bに配置された導体層313と、誘電体部303の側面303e,303fに配置された導体層314,315とを備えている。導体層312Aは、下面303aと側面303cとの間の稜線の近傍に配置されている。導体層312Bは、下面303aと側面303dとの間の稜線の近傍に配置されている。導体層312Cは、導体層312A,312Bおよびその近傍の部分を除く下面303aの大部分を覆っている。導体層313は、上面303bの大部分を覆っている。導体層314は、側面303eの全体を覆い、導体層312C,313に電気的に接続されている。導体層315は、側面303fの全体を覆い、導体層312C,313に電気的に接続されている。導体層312C,313,314,315は、グランドに接続される。
電子部品300は、更に、導体層312A,312Cに対して所定の間隔をあけて対向するように誘電体部303の内部に配置された導体層317Aと、導体層312B,312Cに対して所定の間隔をあけて対向するように誘電体部303の内部に配置された導体層317Bとを備えている。導体層317A,317Bは、誘電体部303の第1層3031の上に配置されている。従って、導体層312Cと導体層317A,317Bの間には、第1層3031が介在している。高誘電率本体302Aの第1の端面302Aaは、導体層317Aに接続されている。高誘電率本体302Bの第1の端面302Baは、導体層317Bに接続されている。高誘電率本体302Aの第2の端面302Abと高誘電率本体302Bの第2の端面302Bbは、導体層313に接続されている。
電子部品300は、更に、誘電体部303の内部に配置された導体部318A,318Bを備えている。導体部318Aは、導体層312Aと導体層317Aとを電気的に接続している。導体部318Bは、導体層312Bと導体層317Bとを電気的に接続している。導体層312A〜312C,313〜315,317A,317Bおよび導体部318A,318Bは、Ag,Cu等の金属によって構成されている。
次に、電子部品300の設計上の回路構成について説明する。電子部品300では、導体層312Aによって入力端子が構成され、導体層312Bによって出力端子が構成されている。また、電子部品300では、導体層317A,313と、それらの間に介在する高誘電率本体302Aとによって、第1のインダクタが構成され、導体層317B,313と、それらの間に介在する高誘電率本体302Bとによって、第2のインダクタが構成されている。第1のインダクタの一端は入力端子に電気的に接続され、第1のインダクタの他端はグランドに電気的に接続されている。第2のインダクタの一端は出力端子に電気的に接続され、第2のインダクタの他端はグランドに電気的に接続されている。
また、電子部品300では、導体層317A,312Cと、それらの間に介在する誘電体部303の第1層3031とによって、第1のキャパシタが構成され、導体層317B,312Cと、それらの間に介在する誘電体部303の第1層3031とによって、第2のキャパシタが構成されている。第1のキャパシタの一端は入力端子に電気的に接続され、第1のキャパシタの他端はグランドに電気的に接続されている。第2のキャパシタの一端は出力端子に電気的に接続され、第2のキャパシタの他端はグランドに電気的に接続されている。
誘電体共振器301Aは、入力端子と第1のインダクタと第1のキャパシタとを備えている。誘電体共振器301Bは、出力端子と第2のインダクタと第2のキャパシタとを備えている。誘電体共振器301Aと誘電体共振器301Bは、電磁界結合している。この電磁界結合は、第1および第2のインダクタ間の誘導結合によるものである。電子部品300の設計上の回路構成は、図23に示した本実施の形態に係る電子部品200の設計上の回路構成と同様である。
次に、電子部品300において発生する寄生インダクタンスおよび寄生容量について説明する。電子部品300では、それぞれ面積が大きい面を有する導体層312Cと導体層317Aとを、互いに面が対向するように設けることによって、第1のキャパシタを実現し、それぞれ面積が大きい面を有する導体層312Cと導体層317Aとを、互いに面が対向するように設けることによって、第2のキャパシタを実現している。導体層317A,317Bは、いずれも、寄生インダクタンスと寄生容量を有する。また、電子部品300では、導体層312C以外のグランドに接続された導体層314,315と、導体層317A,317Bとの間に複数の寄生容量が発生する。また、電子部品300では、第1のインダクタ(高誘電率本体302Aおよび導体層317A,313)に起因した寄生容量と、第2のインダクタ(高誘電率本体302Bおよび導体層317B,313)に起因した寄生容量が発生する。このように、複数の寄生インダクタンスと複数の寄生容量が発生することにより、電子部品300では、導体層317A,317Bに起因した自己共振と、第1および第2のインダクタに起因した自己共振とが発生する。
図27は、第2の比較例の電子部品300の挿入損失特性を示す特性図である。図27において、横軸は周波数、縦軸は減衰量である。図27に示した挿入損失特性では、約5.8GHzにおいて減衰量が最小になっている。この減衰量が最小になる周波数を含む所定の範囲が、電子部品300(バンドパスフィルタ)の通過帯域である。図27に示した挿入損失特性では、約10.6Hz、約10.9GHz、約16.4GHz、約17.5GHzにおいて減衰量が小さくなる4つのピークが存在している。約10.6Hzと約10.9GHzにおける減衰量の2つのピークは、導体層317A,317Bに起因した自己共振によって生じている。約16.4GHzと約17.5GHzにおける減衰量の2つのピークは、第1および第2のインダクタに起因した自己共振によって生じている。この4つの減衰量のピークは、電子部品300を含む通信装置において、電子部品300の通過帯域の2倍または3倍に近い周波数のスプリアスの原因となる。
次に、本実施の形態に係る電子部品200の挿入損失特性について説明する。図28は、本実施の形態に係る電子部品200の挿入損失特性を示す特性図である。図28において、横軸は周波数、縦軸は減衰量である。図28に示した挿入損失特性では、図27に示した挿入損失特性では存在していた約10.6Hz、約10.9GHz、約16.4GHz、約17.5GHzにおける減衰量が小さくなる4つのピークが存在していない。これは、以下の理由によると考えられる。
本実施の形態に係る電子部品200では、キャパシタ223A,223Bを実現するために、それぞれ面積が大きい面を有する複数の導体層を、互いに面が対向するように設ける必要がない。そのため、本実施の形態に係る電子部品200では、第2の比較例の電子部品300における導体層317A,317Bに起因した寄生インダクタおよび寄生容量のような、キャパシタ223A,223Bを実現するための導体層に起因した寄生インダクタおよび寄生容量は発生せず、この導体層に起因した自己共振も発生しない。また、本実施の形態に係る電子部品200では、インダクタ222A(高誘電率本体202Aおよび電極211A,212A)とインダクタ222B(高誘電率本体202Bおよび電極211B,212B)に起因する寄生容量が発生する。しかし、本実施の形態では、特に、電極211A,211Bの面の面積が小さいため、インダクタ222A,222Bに起因する寄生容量は小さい。
以上説明したように、本実施の形態では、キャパシタ223A,223Bを実現するために、それぞれ面積が大きい面を有する複数の導体層を、互いに面が対向するように設ける必要がない。これにより、本実施の形態によれば、面積が大きい面を有する導体層に起因して、共振回路の共振周波数の2倍または3倍に近い周波数において大きなスプリアスが発生することを防止することができる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、誘電体共振器の第1ないし第3の電極は、同一平面上に配置されていてもよい。また、本発明の電子部品は、本発明の誘電体共振器を用いて構成されたバンドパスフィルタに限らず、本発明の誘電体共振器を含むものであればよい。
1…誘電体共振器、2…高誘電率本体、3…周囲誘電体部、11…第1の電極、12…第2の電極、13…第3の電極、21…入出力端子、22…インダクタ、23キャパシタ。

Claims (6)

  1. 第1の比誘電率を有する第1の誘電体よりなり、外面を有する高誘電率本体と、
    前記第1の比誘電率よりも小さい第2の比誘電率を有する第2の誘電体よりなり、前記高誘電率本体の周囲に存在する周囲誘電体部と、
    前記高誘電率本体の前記外面に接する第1の接触面を有する第1の電極と、
    前記高誘電率本体の前記外面に接する第2の接触面を有する第2の電極と、
    前記高誘電率本体の前記外面に接する第3の接触面を有する第3の電極と、
    前記第1の電極、前記第2の電極および前記高誘電率本体を用いて構成されたインダクタと、
    前記第1の電極、前記第3の電極および前記高誘電率本体を用いて構成されたキャパシタとを備えた誘電体共振器であって、
    前記高誘電率本体の前記外面は、第1の端面を有し、
    前記周囲誘電体部は、前記第1の端面の周囲に位置する端面を有し、
    前記第1の電極は、前記周囲誘電体部の前記端面と前記第1の端面の上に位置し、
    前記第1の接触面と前記第3の接触面は、前記第1の端面に接し、
    前記第1ないし第3の接触面は、互いに距離をおいて配置され、
    前記第1の接触面と前記第3の接触面の間の距離は、前記第1の接触面と前記第2の接触面の間の距離よりも小さく、
    前記インダクタとキャパシタとによって共振回路が構成されていることを特徴とする誘電体共振器。
  2. 前記周囲誘電体部の前記端面は、前記第1の端面と同一平面上に位置することを特徴とする請求項1記載の誘電体共振器。
  3. 前記高誘電率本体の前記外面は、更に、前記第1の端面とは反対側に位置する第2の端面と、前記第1の端面と前記第2の端面を接続する接続面とを有し、
    前記第2の接触面は、前記第2の端面に接していることを特徴とする請求項1または2記載の誘電体共振器。
  4. 前記第2の電極と前記第3の電極は、互いに電気的に接続され、
    前記共振回路は、並列共振回路であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の誘電体共振器。
  5. 前記共振回路の共振周波数は、0.6GHz〜24GHzの範囲内に存在することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の誘電体共振器。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の誘電体共振器を1つ以上含むことを特徴とする電子部品。
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