JP6100775B2 - 溶剤補助ディレードコークス化プロセス - Google Patents

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    • C10G9/005Coking (in order to produce liquid products mainly)

Description

関連出願
本出願は、出典明示により本明細書に取り込まれる2011年7月29日提出の米国特許仮出願番号第61/513,369号の利益を請求する。
技術分野
本発明は、コークス化誘導期を短縮し、それによりコークス化プロセスを亢進する重質炭化水素残油の改善されたディレードコークス化プロセスに関する。
コークス化ユニットは、減圧蒸留塔または常圧蒸留塔から生じる低価値の残油を、低分子量の炭化水素ガス、ナフサ、軽質および重質ガス油、ならびに石油コークスに変換する油精製処理ユニットである。前記プロセスは、残油供給物中の長鎖炭化水素分子を短鎖分子に熱分解する。コークス化は、金属が最終的にコークス副産物となり、この固体形態でより容易に、かつ経済的に廃棄されるため、高レベルの金属を含有する減圧残油を処理するための好ましい選択肢である。液体コーカー生成物は、金属をほとんど含んでいない。高い金属および硫黄含有量を有する重質原油の処理が多くの製油所で増加しており、その結果として、コークス化操作は製油業界において重要性が増してきている。空気汚染を最小限とすることへの高まる関心は、コーカーが生成ストリームから比較的容易に除去できる硫黄を含有するガスおよび液体を生じることから、コーカー内で減圧残油を処理することについてのもう1つの動機となっている。
最も一般的に用いられるコークス化ユニットは、ディレードユニットまたは「ディレードコーカー」である。基本的なディレードコークス化プロセスにおいて、新たな供給原料は、分留装置の下部に導入される。重質再循環物質および新たな供給原料を含む分留装置の残油(bottom)は、炉に送り込まれ、コークス化温度に加熱される。続いて、この高温の供給物は、コークス化条件で維持されるコークスドラムに送られ、分解されて、軽質生成物を形成し、一方で、重質遊離ラジカル分子が「コークス」とも呼ばれるより重質な多核芳香族化合物を形成する。炉中の滞留時間が短いことから、供給物のコークス化は、コークス化ドラムに送り出されるまで「ディレード」する。揮発性成分は、コーカー蒸気として回収され、分留装置に戻され、コークスはドラム内部に堆積される。コークスドラムがコークスで満たされた場合、この供給物は別のドラムに切り替えられ、満たされたドラムは冷却され、従来の方法(例えば、油圧または機械的な方法)によって空にされる。
典型的なコークス化ユニット供給原料は、化石燃料から生じる減圧残油である。表示される様々な地理的地域からの原油に由来する減圧原油試料の選択された特性および性質が表1に示される。表1からわかるように、減圧残油は、1〜20度の範囲の低いアメリカ石油協会(API)度および0.2〜7.7重量%の範囲の硫黄含有量を有する。さらに、減圧残油は、窒素が豊富であり、ニッケルおよびバナジウムなどの金属を相対的に高濃度で含有しており、これらは他の精製ユニット操作で処理することを困難なものとしうる。
Figure 0006100775
表1
減圧原油はまた、原油の供給源に応じて、アスファルテンを0.3〜35重量%の範囲で含有する。アスファルテンは、ノルマルペンタンなどの低沸点パラフィン溶剤の添加によって沈殿される粒子として定義される。アスファルテンは、石油の溶液中に存在するものとして一般に受け入れられている。アスファルテンは、アスファルテンを分散相としておよびマルテンを連続相として、コロイドとして一般にモデル化される。石油残油は、低い極性溶剤相中に分散される極性アスファルテンの配列系としてモデル化され、中間極性のレジンによって結合されうる。
図1に図示されるように、アスファルテンは、レジン分子またはマルテンによって分散され、芳香族化合物などの小分子がアスファルテン−レジン分散のための溶剤として作用し、飽和炭化水素化合物が非溶剤として作用することが従来技術として公知である。原油が留分に分離され、続いて少量のレジン含有物と共に混合されると、アスファルテンは、溶液中に凝縮物としてのみ存在する。マルテンまたはレジンの添加は、飽和炭化水素化合物の添加によって平衡が妨げられるまでアスファルテンを溶液に戻すものであって、平衡が妨げられると、アスファルテンは再び凝縮し始める。
コークス形成は、アスファルテンが石油の溶液中に存在する場合に遅延することが周知であり、受け入れられている。コークス形成におけるこの遅延はまた、コークスの形成直前に生じる「誘導期」とも呼ばれる。この期間中、供給原料のコークス化によって形成された価値の高い軽質成分および/または第2の生成物は、連続的な熱分解にかけられ、再結合して、望ましくない高分子量のポリマー性化合物を形成する。
ガス状生成物の収率がコークス化ユニットにおける滞留時間とともに増加し、それに対応して液体の収率が減少することは、ビチューメンの熱分解についての独自の研究からも知られている。
また、約15重量%以下、好ましくは、6〜12重量%の範囲の揮発性物質含有量を有するコークスを生成することが望ましい。
よって、本発明の目的は、いかにしてコークスドラム中の供給物の滞留時間が短縮されるようにコークス化誘導期を短くするかという課題を解決することである。これは、液体の所望される収率を最大にし、コークスの収率を最小にすることにある。
本明細書で用いられるように、用語「コークス化ユニット」および「コーカー」は、同一の装置を意味し、交換可能に用いられる。
本発明は、式C2n+2(n=3〜8)を有するパラフィン溶剤を供給原料に注入することによって、コークス化誘導期を短くし、コークス化プロセスを向上させる、重質炭化水素残油の改善されたディレードコークス化プロセスを包含する。改善されたディレードコークス化プロセスには:
a.アスファルテンを含有する新たな重質炭化水素供給原料を、予め加熱するためにコークス化生成分留装置の下部に導入し;
b.予め加熱された新たな炭化水素供給原料を含む底部留分を、コークス化ユニット複合供給ストリームとして分留装置から送り出し;
c.式C2n+2(n=3〜8)を含有するパラフィン溶剤を、コークス化ユニット複合供給ストリームと、溶剤の供給ストリームに対する比率で体積比0.1:1〜10:1にて混合ゾーンに導入し、コークス化ユニット複合供給ストリームに存在する全てまたは実質的に全てのアスファルテンを溶剤凝縮し;
d.凝縮したアスファルテンを含有するコークス化ユニット複合供給ストリームを、所定のコークス化温度に加熱するためにコークス化ユニット炉に導入し;次いで
e.溶剤凝縮したアスファルテンおよびパラフィン溶剤を含有する加熱された複合供給ストリームを、ディレードコークス化ドラムに送り出して、液体部分が増加し、且つ同一の重質炭化水素供給原料にパラフィン溶剤を加えることなく堆積されたコークスの量と比較して少ないコークスがドラム内部に堆積するディレードコークス化生成ストリームを生成する
工程が含まれる。
本発明の別の実施態様によれば、改善されたディレードコークス化プロセスは:
a.アスファルテンを含有する新たな重質炭化水素供給原料を、予め加熱するためにコークス化生成分留装置の下部に導入し;
b.予め加熱された新たな炭化水素供給原料を含む底部留分を、コークス化ユニット複合供給ストリームとして分留装置から送り出し;
c.コークス化ユニット複合供給ストリームを、所定のコークス化温度に加熱するためにコークス化ユニット炉に導入し;
d.式C2n+2(n=3〜8)を有するパラフィン溶剤を、炉で加熱されたコークス化ユニット複合供給ストリームと、溶剤の供給ストリームに対する比率で体積比0.1:1〜10:1にてコークス化炉の下流で混合して、加熱されたコークス化ユニット複合供給ストリーム中において溶剤凝縮されたアスファルテンを形成し;
e.溶剤凝縮したアスファルテンおよびパラフィン溶剤を含有する加熱されたコークス化ユニット複合供給ストリームを、ディレードコークス化ドラムに送り出して、液体部分が増加し、且つ同一の重質炭化水素供給原料にパラフィン溶剤を加えることなく堆積されたコークスの量と比較して少ないコークスがドラム内部に堆積するディレードコークス化生成ストリームを生成する
工程を包含する。
直前に記載の実施態様に関する工程(d)における混合は、コークス化ユニットの上流である混合ゾーンまたはコークス化ドラム内部で生じる。後者の場合、パラフィン溶剤は、コークス化ドラムに直接送り込まれて、入ってくる供給原料と混合される。別の混合ゾーンが炉の上流に設置される場合、回転円板装置を用いることが有利でありうる。供給原料および溶剤は、前記ユニットの上部から導入され、凝縮した一部は、底部からコークス化ユニットに送られうる。この構成は、混合装置の汚染を防ぎ、または最小にする。
記載される本発明のプロセスおよび系は、下記の利点を提供する:
1.供給原料に加えられるパラフィン溶剤は、マルテン溶液中のアスファルテンの平衡を妨げて、アスファルテンの固形粒子を凝縮させる。よって、コークス化誘導期は短くなる。
2.注入されたパラフィン溶剤は、反応し、および/または反応していない軽質液体化合物のコークス化ドラムからの除去を促進し、さらなる遊離ラジカルを形成する望ましくない第2の分解反応を防ぐ。
3.コークス化反応のための滞留時間が短くなる。これは、減圧ガス油の範囲内で沸騰するレジン分子のコークス化を最小にし、それにより価値のより高い液体の収率を高める。
滞留時間が長くなるにつれ、供給物中の液体がさらに分解されて、ガス状生成物を生じる。コークス化誘導期が本発明による溶剤の添加によって除かれるため、コークスドラムにおける滞留時間が短くなり、生じる液体はさらに分解されることはなくなる。よって、この改善された方法は、溶剤を添加せずに行われる同一のコークス化プロセスより多くの液体および少ないガス状生成物を生じるものである。
前記プロセスは、上記に記載され、パラフィン溶剤の使用に関してさらに下記に説明される。しかしながら、本発明の一実施態様は、コークス化生成ストリーム分留装置から回収した軽質ナフサストリームの一部を溶剤として用いるものと理解されるべきである。この生成ストリームには、主に、C〜C化合物であるオレフィンが含まれる。便宜上、簡略にするため、用語パラフィン溶剤は、その供給源が、オレフィン化合物を含む本プロセスで生成される軽質ナフサでありうることを理解すると共に、本発明を記載し、請求する際に用いられる。
本発明のプロセスの他の態様、実施態様および利点は、下記に詳細に記載される。さらに、前記の発明の概要および下記の詳細な説明の両方は、様々な態様および実施態様の例示のみを示すものであって、請求される特徴および実施態様の本質および性質を理解するための概要または構成を提供するものとされることが理解されるべきである。添付した図面は、様々な態様および実施態様の例示およびさらなる理解を提供するために含まれる。図面は、明細書の残りと共に記載され、請求される態様および実施態様の原理および操作を説明するために供される。
図面の簡単な説明
前記の発明の概要、ならびに下記の詳細な説明は、添付した図面と併せて読んだ場合に最も理解され、同一または同様の構成要素は同一の数字で表される:
図1は、一般に、石油混合物のコロイド分散の構成を示す図式モデルである; 図2は、本発明の改善されたディレードコークス化系およびプロセスのプロセスフロー図である; 図3は、本発明による改善されたディレードコークス化系およびプロセスの別の実施態様のプロセスフロー図である;ならびに 図4は、本発明の改善されたディレードコークス化系およびプロセスのさらなる実施態様のプロセスフロー図である。
(発明の詳細な説明)
図2に関して、改善されたディレードコークス化プロセスおよび装置10が図示されている。装置10には、分留装置20、混合ゾーン30、炉40およびコークス化ドラム50が含まれる。分留装置20には、新たな重質炭化水素供給原料を受け入れるための供給口27、ディレードコークス化生成ストリームを受けるためにコークス化ドラム排出口52と流体連結されている供給口21が含まれる。分留装置20にはまた、軽質ナフサ留分を送り出すための排出口22、重質ナフサ留分を送り出すための排出口23、ガス油留分を送り出すための排出口24、重質ガス油留分を送り出すための排出口25、ならびに底部留分および予め加熱された新たな重質炭化水素供給原料の混合物を送り出すための排出口26が含まれる。混合ゾーン30には、パラフィン溶剤を導入するための導管33および予め加熱された炭化水素供給原料と分留装置底部留分の複合ストリームを受け入れるための分留装置排出口26と流体連結されている供給口31が含まれる。混合ゾーン30にはまた、溶剤凝縮させたアスファルテンおよびパラフィン溶剤を含有する複合ストリームを送り出すための排出口32が含まれる。炉40には、混合ゾーン排出口32と流体連結されている供給口41および加熱された複合ストリームを送り出すための排出口42が含まれる。コークス化ドラム50には、炉排出口42と流体連結されている供給口51およびディレードコークス化生成ストリームを受け入れるための分留装置供給口21と流体連結されている排出口52が含まれる。
本発明のプロセスの実施において、アスファルテンを含有する新たな重質炭化水素供給原料は、供給口27を通して分留装置20の下部に導入される。予め加熱された供給原料は、分留装置底部ストリームと合わされ、供給口31を通して混合ゾーン30に送り込まれる。パラフィン溶剤は、溶剤の原料に対する割合で体積比0.1:1〜10:1にて導管33を通して混合ゾーン30に導入されて、複合ストリーム中において溶剤凝縮されたアスファルテンを形成する。溶剤凝縮されたアスファルテンおよびパラフィン溶剤を含有する複合ストリームは、排出口32を通して送り出され、供給口41を通して炉40に導入され、480℃〜530℃の範囲の所定のコークス化温度に加熱される。加熱された複合ストリームは、排出口42を通して送り出され、供給口51を通してコークス化ドラム50に送り込まれて、増加した分の液体を含有するディレードコークス化生成ストリームを形成し、ドラム内部に減少したコークスが堆積する。ディレードコークス化生成ストリームは、排出口52を通して送り出され、分留装置20に送り込まれ、分留されて、排出口22を通して36℃〜75℃の範囲で沸騰するパラフィン軽質ナフサ溶剤、排出口23を通して75℃〜180℃の範囲で沸騰する重質ナフサ生成物、排出口24を通して180℃〜370℃の範囲で沸騰する軽質ガス油、排出口25を通して370℃〜520℃の範囲で沸騰する重質コーカーガス油、および排出口26を通して520℃以上の範囲で沸騰する底部留分を生じる。必要に応じて、パラフィン軽質ナフサ溶剤の一部は、新たなパラフィン溶剤の使用を最小にするために、導管33に戻されて再循環される。
図3に関して、改善されたディレードコークス化プロセスおよび装置100が図示されている。装置100には、分留装置120、混合ゾーン130、炉140およびコークス化ドラム150が含まれる。分留装置120には、新たな重質炭化水素供給原料を受け入れるための供給口127、ディレードコークス化生成ストリームを受け入れるためにコークス化ドラム排出口152と流体連結されている供給口121が含まれる。分留装置120にはまた、軽質ナフサ留分を送り出すための排出口122、重質ナフサ留分を送り出すための排出口123、ガス油留分を送り出すための排出口124、重質ガス油留分を送り出すための排出口125、および底部留分および予め加熱された新たな重質炭化水素供給原料の混合物を送り出すための排出口126が含まれる。炉140には、分留装置排出口126と流体連結されている供給口141および底部留分および新たな重質炭化水素供給原料の加熱された複合ストリームを送り出すための排出口142が含まれる。混合ゾーン130には、パラフィン溶剤を受け入れるための導管133および加熱された複合ストリームを受け入れるために炉排出口142と流体連結されている供給口131が含まれる。混合ゾーン130にはまた、溶剤凝縮されたアスファルテンおよびパラフィン溶剤を含有する複合ストリームを送り出すための排出口132が含まれる。コークス化ドラム150には、混合ゾーン排出口132と流体連結されている供給口151およびディレードコークス化生成ストリームを受け入れるために分留装置供給口121と流体連結されている排出口152が含まれる。
アスファルテンを含有する新たな重質炭化水素供給原料は、供給口127を通して分留装置120の下部に導入される。予め加熱された供給原料は、分留装置底部ストリームと合わされ、供給口141を通して炉140に送り込まれ、480℃〜530℃の範囲の所定のコークス化温度に加熱される。加熱された複合ストリームは、供給口131を通して混合ゾーン130に運ばれる。パラフィン溶剤は、溶剤の供給原料に対する割合で体積比0.1:1〜10:1にて導管133を通して混合ゾーン130に導入されて、複合ストリーム中において溶剤凝縮されたアスファルテンを形成する。溶剤凝縮されたアスファルテンおよびパラフィン溶剤を含有する複合ストリームは、排出口132を通して送り出され、供給口151を通してコークス化ドラム150に送り込まれて、増加した分の液体を含有するディレードコークス化生成ストリームを生じ、従来法と比較してドラム内部に減少したコークスが堆積される。ディレードコークス化生成ストリームは、排出口152を通して送り出され、分留装置120に送り込まれ、分留されて、排出口122を通して36℃〜75℃の範囲で沸騰するパラフィン溶剤、排出口123を通して75℃〜180℃の範囲で沸騰する重質ナフサ、排出口124を通して180℃〜370℃の範囲で沸騰する軽質ガス油、排出口125を通して370℃〜520℃の範囲で沸騰する重質コーカーガス油、および排出口126を通して520℃以上の範囲で沸騰する底部留分を含有する軽質ナフサを生じる。必要に応じて、パラフィン溶剤を含有する軽質ナフサの一部は、新たなパラフィン溶剤の使用を最小にするために、導管133に戻されて再循環される。
図4に関して、改善されたディレードコークス化プロセスおよび装置200が図示されている。装置200には、分留装置220、炉240およびコークス化ドラム250が含まれる。分留装置220には、新たな重質炭化水素原料を受け入れるための供給口227、ディレードコークス化生成ストリームを受け入れるためのコークス化ドラム排出口252と流体連結されている供給口221が含まれる。分留装置220にはまた、軽質ナフサ留分を送り出すための排出口222、重質ナフサ留分を送り出すための排出口223、ガス油留分を送り出すための排出口224、重質ガス油留分を送り出すための排出口225、ならびに底部留分および予め加熱された新たな重質炭化水素原料の混合物を送り出すための排出口226が含まれる。炉240には、パラフィン溶剤を受け入れるための導管254および分留装置排出口226と流体連結されている供給口241、ならびに底部留分および新たな重質炭化水素供給原料の加熱された複合ストリームを送り出すための排出口242が含まれる。コークス化ドラム250には、パラフィン溶剤を受け入れるための導管253および加熱された複合ストリームを受け入れるための炉排出口242と流体連結されている供給口251が含まれる。コークス化ドラム250にはまた、ディレードコークス化生成ストリームを送り出すための排出口252が含まれる。
アスファルテンを含有する新たな重質炭化水素供給原料は、供給口227を通して分留装置220の下部に導入される。予め加熱された供給原料は、分留装置底部ストリームと合わされ、供給口241を通して炉240に送り出され、480℃〜530℃の範囲の所定のコークス化温度に加熱される。加熱された複合ストリームは、供給口251を通してコークス化ドラム250に運ばれる。パラフィン溶剤は、溶剤の供給原料に対する比率で体積比0.1:1〜10:1にて導管253を通してコークス化ドラム250に導入されて、複合ストリーム中において溶剤凝縮されたアスファルテンを形成する。溶剤凝縮されたアスファルテンおよびパラフィン溶剤を含有する複合ストリームは、コークス化ドラム250で処理されて、増加した分の液体を含有するディレードコークス化生成ストリームを生じ、ドラム内部に減少したコークスが堆積する。ディレードコークス化生成ストリームは、排出口252を通して送り出され、分留装置220に送り込まれ、分留されて、排出口222を通して36℃〜75℃の範囲で沸騰するパラフィン溶剤を含有する軽質ナフサ、排出口223を通して75℃〜180℃の範囲で沸騰する重質ナフサ、排出口224を通して180℃〜370℃の範囲で沸騰する軽質ガス油、排出口225を通して370℃〜520℃の範囲で沸騰する重質コーカーガス油、および排出口226を通して520℃以上の範囲で沸騰する底部留分を生じる。必要に応じて、パラフィン溶剤を含有する軽質ナフサの一部は、新たなパラフィン溶剤の使用を最小にするために、導管253に戻されて再循環される。
本明細書に記載の改善されたディレードコークス化プロセスのための供給原料は、天然供給源に由来する炭化水素重油(原油、ビチューメン、タールサンドおよびシェール油を含む)、または精製プロセスから生じる炭化水素重油(常圧残油または減圧残油、コークス化、ビスブレーカーおよび流動接触分解法からの生成物)である。重質炭化水素供給原料は、ペンタンの沸点である36℃から2000℃の範囲の沸点を有する。ビチューメンなどの重質炭化水素供給原料には、軽質炭化水素がほとんど含まれない。これらの場合において、供給原料は、180℃の初留点(IBP)、例えば、ガス油のIBP、または370℃、例えば、減圧ガス油のIBPを有しうる。
パラフィン溶剤は、C2n+2(nは、3〜8でありうる)の一般式を有する。上記に記載されるように、分留装置からの軽質ナフサストリームの一部は、炉またはコークス化ドラムへの供給ストリームと混合される溶剤として用いることができる。当該技術分野で一般に用いられる軽質ナフサの定義によれば、オクタンおよびオルフィン化合物(ペンテン、ヘキセン、ヘプテンおよびオクテンを含む)はまた、混合物で存在しうる。混合物におけるCおよびC化合物の存在は、コークス化ユニットおよび上流で行われた圧力および温度条件に依存する。C〜Cアルカン化合物は、約28℃〜約114℃の範囲で沸点を有し、C〜Cオルフィン化合物は、約30℃〜約121℃の範囲の初留点を有する。溶剤は、装置の境界内温度および1バール〜100バールの圧力で注入される。
コークス化ユニットは、別々に操作する2つのドラムを備えた典型的なディレードコークス化ユニットである。一般に、コークス化ドラムのための操作条件には、425℃〜650℃の温度;ある実施態様において、425℃〜540℃;さらなる実施態様において、450℃〜510℃;およびさらなる実施態様において、470℃〜500℃;ならびに1バール〜20バールの圧力;ある実施態様において、1バール〜10バール;およびさらなる実施態様において、1バール〜7バールが含まれる。コークス化循環時間は、8時間〜60時間;ある実施態様において、24時間〜48時間;ならびにさらなる実施態様において、8時間〜24時間でありうる。
本発明のプロセスは、モルテン溶液中のアスファルテンの平衡を妨げ、全てのまたは実質的に全ての固体アスファルテン粒子を凝縮させるために、所定量のパラフィン溶剤を重質炭化水素供給原料と混合させることによってコークス化誘導期を短縮させることで従来技術のプロセスを超えた改善を示すものである。本プロセスにおいて、高価値の液体生成物の収率および品質は、望ましくない分解およびコークスの形成を最小にしつつ高められるものである。
本発明のプロセスおよび系は、上記および添付した図面に記載されているが;当業者にとって改変は明らかであり、本発明の保護範囲は、下記の特許請求の範囲によって決定されるべきである。
本発明の好ましい態様は、以下を包含する。
[1]少なくとも1つのドラムを含むディレードコークス化ユニットで使用するためのディレードコークス化プロセスであって、前記コークス化ユニットが、ディレードコークス化生成ストリームおよびドラム中に保持されるコークス生成物を生じ、前記コークス化生成ストリームが、コークス化生成ストリーム分留装置に導入されて、少なくとも底部留分、中間留分および軽質ナフサ留分を生じるものであり、
a.アスファルテンを含有する新たな重質炭化水素供給原料を、予め加熱するためにコークス化生成分留装置の下部に導入し;
b.予め加熱された新たな炭化水素供給原料を含む底部留分を、コークス化ユニット複合ストリームとして分留装置から送り出し;
c.式C 2n+2 (nは、3〜8でありうる)を有するパラフィン溶剤またはパラフィンおよびオレフィン溶剤の組み合わせ(ここで、後者は、式C 2n (nは、3〜8でありうる)を有する)を、溶剤の供給ストリームに対する十分な比率でコークス化ユニット複合供給ストリームと混合するための混合ゾーンに導入し、コークス化ユニット複合供給ストリーム中の実質的に全てのアスファルテンを溶剤凝縮し;
d.凝縮されたアスファルテンを含有するコークス化ユニット複合供給ストリームを、所定のコークス化温度に加熱するためにコークス化ユニット炉に導入し;次いで
e.溶剤凝縮されたアスファルテンおよびパラフィン溶剤を含有する加熱された複合供給ストリームをディレードコークス化ドラムに送り込んで、増加した分の液体を含有し、且つ同一の重質炭化水素供給原料にパラフィン溶剤を加えることなく堆積されたコークスの量と比較してドラム内部に減少したコークスが堆積するディレードコークス化生成ストリームを生成すること
を特徴とするプロセス。
[2]溶剤の供給ストリームに対する比率が、体積比0.1:1〜10:1である、[1]に記載のプロセス。
[3]混合ゾーンに加えられるパラフィン溶剤の体積が、重質炭化水素供給原料中の実質的に全てのアスファルテンを凝縮するのに十分であるように予め定められているものである、[1]に記載のプロセス。
[4]ディレードコークス化プロセスにかけられる重質炭化水素供給原料の試料を分析して、実質的に全てのアスファルテンを凝縮させるために必要なパラフィン溶剤のアスファルテンに対する比率を決定することを含むものである、[3]に記載のプロセス。
[5]パラフィン溶剤が、80℃以下の初留点を有するものである、[1]に記載のディレードコークス化プロセス。
[6]80℃以下の沸点を有し、コークス化生成分留装置から回収された芳香族化合物を実質的に含まない軽質ナフサ留分の少なくとも一部が、溶剤混合ゾーンに導入されるものである、[1]に記載のディレードコークス化プロセス。
[7]分留装置から取り出され、混合ゾーンに導入される軽質ナフサストリームが、アルカン化合物およびアルケン化合物の混合物を含むものである、[6]に記載のディレードコークス化プロセス。
[8]軽質ガス油が、軽質ナフサストリームと共に別のストリームとして分留装置から回収されるものである、[6]に記載のディレードコークス化プロセス。
[9]溶剤混合ゾーンが、コークス化生成分留装置およびコークス化ユニット炉の間にあるものである、[1]に記載のディレードコークス化プロセス。
[10]溶剤混合ゾーンが、コークス化ユニット炉およびコークス化ドラムの間にあるものである、[1]に記載のディレードコークス化プロセス。
[11]溶剤が、コークス化ドラムの前に重質炭化水素供給原料に直接注入されるものである、[1]に記載のディレードコークス化プロセス。
[12]工程(e)が、送り出された底部留分、ならびに溶剤および溶剤凝縮されたアスファルテンのコークス化複合ユニット供給ストリームを、1〜20バールの範囲の圧力において480℃〜530℃の範囲の温度に加熱することを含むものである、[1]に記載のディレードコークス化プロセス。
[13]圧力が、1〜10バールの範囲である、[12]に記載のディレードコークス化プロセス。
[14]圧力が、1〜7バールの範囲である、[12]に記載のディレードコークス化プロセス。
[15]重質炭化水素供給原料が、原油、ビチューメン、タールサンド、シェール油、石炭液化液体およびこれらの組み合わせからなる群から選択される未精製の炭化水素供給源である、[1]に記載のディレードコークス化プロセス。
[16]重質炭化水素供給原料が、常圧残油、減圧残油、ビスブレーカー生成物、流動接触分解生成物または副生成物およびこれらの組み合わせからなる群から選択される精製された炭化水素供給源に由来するものである、[1]に記載のディレードコークス化プロセス。
[17]重質炭化水素供給原料が、36℃〜2000℃の沸点を有する混合物である、[1]に記載のディレードコークス化プロセス。
[18]コークス化ユニットが、2つのドラムを含み、前記プロセスが、スイングモードで操作されるものである、[1]に記載のディレードコークス化プロセス。
[19]コークス化サイクルが、少なくとも30%まで減少されるものである、[1]に記載のディレードコークス化プロセス。
[20]少なくとも1つのドラムを含むディレードコークス化ユニットに使用するためのディレードコークス化プロセスであって、前記コークス化ユニットが、ディレードコークス化生成ストリームおよびドラム中に保持されるコークス生成物を生じ、コークス化生成ストリームが、コークス化生成ストリーム分留装置に導入されて、少なくとも底部留分、中間留分および軽質ナフサ留分を生成するものであり:
a.アスファルテンを含有する新たな重質炭化水素供給原料を、予め加熱するためにコークス化生成分留装置の下部に導入し;
b.予め加熱された新たな炭化水素供給原料を含む底部留分を、コークス化ユニット複合供給ストリームとして分留装置から送り出し;
c.コークス化ユニット複合供給ストリームを、所定のコークス化温度に加熱するためにコークス化ユニット炉に導入し;
d.式C 2n+2 (n=3〜8)を有するパラフィン溶剤を、炉で加熱されたコークス化ユニット複合供給ストリームと、溶剤の供給ストリームに対する比率で体積比0.1:1〜10:1にて混合して、炉で加熱されたコークス化ユニット複合供給ストリーム中で、溶剤凝縮されたアスファルテンを形成させ;
e.溶剤凝縮されたアスファルテンおよびパラフィン溶剤を含有する炉で加熱されたコークス化ユニット複合供給ストリームを、ディレードコークス化ドラムに送り出して、増加した分の液体を有し、且つ同一の重質炭化水素供給原料にパラフィン溶剤を加えることなく堆積されたコークス量と比較して減少したコークスが堆積するディレードコークス化生成ストリームを生成すること
を特徴とするプロセス。
[21]パラフィン溶剤および炉で加熱されたコークス化ユニット複合供給ストリームの混合が、混合ゾーンで生じるものである、[20]に記載のディレードコークス化プロセス。
[22]パラフィン溶剤が、炉で加熱されたコークス化ユニット複合供給ストリームに直接注入されるものである、[20]に記載のディレードコークス化プロセス。

Claims (18)

  1. 少なくとも1つのドラム(50、150)を含むディレードコークス化ユニットで使用するためのディレードコークス化プロセスであって、前記コークス化ユニットが、ディレードコークス化生成ストリームおよびドラム中に保持されるコークス生成物を生じ、前記コークス化生成ストリームが、コークス化生成ストリーム分留装置(20、120)に導入されて、少なくとも底部留分、中間留分および軽質ナフサ留分を生じるものであり、
    a.ディレードコークス化プロセスにかけられるアスファルテンを含有する重質炭化水素供給原料の試料を分析して、実質的に全てのアスファルテンを工程dにおいて凝集させるために必要なパラフィン溶剤対アスファルテン比を決定し;
    b.アスファルテンを含有する新たな重質炭化水素供給原料を、予め加熱するためにコークス化生成分留装置の下部に導入し;
    c.予め加熱された新たな炭化水素供給原料を含む底部留分を、コークス化ユニット複合供給ストリームとして分留装置から送り出し;
    d.式C2n+2(nは、3〜8でありうる)を有するパラフィン溶剤またはパラフィン溶剤および式C 2n (nは、3〜8である)を有するオレフィン溶剤の組み合わせを、コークス化生成分留装置(20)およびコークス化ユニット炉(40)の間またはコークス化ユニット炉(140)およびコークス化ユニット(150)の間にある溶剤混合ゾーン(30、130)に導入し、およびコークス化ユニット複合供給ストリーム中の実質的に全てのアスファルテンを溶剤凝集するために工程aにおいて決定した溶剤の供給ストリームに対する十分な比率で溶剤とコークス化ユニット複合供給ストリームとを混合し;
    e.凝集されたアスファルテンを含有するコークス化ユニット複合供給ストリームを、所定のコークス化温度に加熱するためにコークス化ユニット炉に導入し;次いで
    f.溶剤凝集されたアスファルテンおよび溶剤を含有する加熱された複合供給ストリームを少なくとも1つのドラムに送り込んで、増加した分の液体を含有するディレードコークス化生成ストリームを生成し、溶剤を同一の重質炭化水素供給原料に加えることなく堆積させたコークスの量と比較して減少したコークスをドラム内部に堆させること
    を特徴とするプロセス。
  2. 溶剤対供給ストリーム比が、体積比0.1:1〜10:1である、請求項1に記載のプロセス。
  3. パラフィン溶剤が、80℃以下の初留点を有するものである、請求項1に記載のディレードコークス化プロセス。
  4. 80℃以下の沸点を有し、コークス化生成分留装置から回収された芳香族化合物を実質的に含まない軽質ナフサ留分の少なくとも一部が、溶剤混合ゾーンに導入されるものである、請求項1に記載のディレードコークス化プロセス。
  5. 分留装置から取り出され、溶剤混合ゾーンに導入される軽質ナフサ留分が、アルカン化合物およびアルケン化合物の混合物を含むものである、請求項に記載のディレードコークス化プロセス。
  6. 軽質ガス油が、軽質ナフサ留分と共に別のストリームとして分留装置から回収されるものである、請求項に記載のディレードコークス化プロセス。
  7. パラフィン溶剤またはパラフィンおよびオレフィン溶剤の組み合わせを、コークス化生成分留装置およびコークス化ユニット炉の間にある溶剤混合ゾーンにおいてコークス化ユニット供給ストリーム中へ導入する、請求項1に記載のディレードコークス化プロセス。
  8. パラフィン溶剤またはパラフィンおよびオレフィン溶剤の組み合わせを、コークス化ドラムの前にコークス化ユニット複合供給ストリームに直接注入する、請求項1に記載のディレードコークス化プロセス。
  9. 工程(e)が、送り出された底部留分、ならびに溶剤および溶剤凝集されたアスファルテンのコークス化ユニット複合供給ストリームを、1〜20バールの範囲の圧力において480℃〜530℃の範囲の温度に加熱することを含むものである、請求項1に記載のディレードコークス化プロセス。
  10. 圧力が、1〜10バールの範囲である、請求項に記載のディレードコークス化プロセス。
  11. 圧力が、1〜7バールの範囲である、請求項に記載のディレードコークス化プロセス。
  12. 重質炭化水素供給原料が、原油、ビチューメン、タールサンド、シェール油、石炭液化液体およびこれらの組み合わせからなる群から選択される未精製の炭化水素供給源である、請求項1に記載のディレードコークス化プロセス。
  13. 重質炭化水素供給原料が、常圧残油、減圧残油、ビスブレーカー生成物、流動接触分解生成物または副生成物およびこれらの組み合わせからなる群から選択される精製された炭化水素供給源に由来するものである、請求項1に記載のディレードコークス化プロセス。
  14. 重質炭化水素供給原料が、36℃〜2000℃の沸点を有する混合物である、請求項1に記載のディレードコークス化プロセス。
  15. コークス化ユニットが、2つのドラムを含み、前記プロセスが、スイングモードで操作されるものである、請求項1に記載のディレードコークス化プロセス。
  16. 少なくとも1つのドラムを含むディレードコークス化ユニットに使用するためのディレードコークス化プロセスであって、前記コークス化ユニットが、ディレードコークス化生成ストリームおよびドラム中に保持されるコークス生成物を生じ、コークス化生成ストリームが、コークス化生成ストリーム分留装置に導入されて、少なくとも底部留分、中間留分および軽質ナフサ留分を生成するものであり:
    a.アスファルテンを含有する新たな重質炭化水素供給原料を、予め加熱するためにコークス化生成分留装置の下部に導入し;
    b.予め加熱された新たな重質炭化水素供給原料を含む底部留分を、コークス化ユニット複合供給ストリームとして分留装置から送り出し;
    c.コークス化ユニット複合供給ストリームを、所定のコークス化温度に加熱するためにコークス化ユニット炉に導入し;
    d.式C2n+2(n=3〜8)を有するパラフィン溶剤を、炉で加熱されたコークス化ユニット複合供給ストリームと、溶剤の供給ストリームに対する比率で体積比0.1:1〜10:1にて混合して、炉で加熱されたコークス化ユニット複合供給ストリーム中で、溶剤凝集されたアスファルテンを形成させ;
    e.溶剤凝集されたアスファルテンおよびパラフィン溶剤を含有する炉で加熱されたコークス化ユニット複合供給ストリームを、ディレードコークス化ドラム中に送り出して、増加した分の液体を有するディレードコークス化生成ストリームを生成し、パラフィン剤を同一の重質炭化水素供給原料に加えることなく堆積させた場合のコークス量と比較して減少したコークスをドラム内部に堆させること
    を特徴とするプロセス。
  17. パラフィン溶剤および炉で加熱されたコークス化ユニット複合供給ストリームの混合が、溶剤混合ゾーンで生じるものである、請求項16に記載のディレードコークス化プロセス。
  18. パラフィン溶剤が、炉で加熱されたコークス化ユニット複合供給ストリームに直接注入されるものである、請求項16に記載のディレードコークス化プロセス。
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