以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本実施例のパチンコ機GMを示す斜視図である。このパチンコ機GMは、島構造体に着脱可能に装着される矩形枠状の木製外枠1と、外枠1に固着されたヒンジ2を介して開閉可能に枢着される前枠3とで構成されている。この前枠3には、遊技盤5が、裏側からではなく、表側から着脱自在に装着され、その前側には、ガラス扉6と前面板7とが夫々開閉自在に枢着されている。
ガラス扉6の外周には、LEDランプなどによる電飾ランプが、略C字状に配置されている。一方、ガラス扉6の上部左右位置と下側には、全3個のスピーカが配置されている。上部に配置された2個のスピーカは、各々、左右チャネルR,Lの音声を出力し、下側のスピーカは重低音を出力するよう構成されている。
前面板7には、発射用の遊技球を貯留する上皿8が装着され、前枠3の下部には、上皿8から溢れ出し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿9と、発射ハンドル10とが設けられている。発射ハンドル10は発射モータと連動しており、発射ハンドル10の回動角度に応じて動作する打撃槌によって遊技球が発射される。
上皿8の外周面には、チャンスボタン11が設けられている。このチャンスボタン11は、遊技者の左手で操作できる位置に設けられており、遊技者は、発射ハンドル10から右手を離すことなくチャンスボタン11を操作できる。このチャンスボタン11は、通常時には機能していないが、ゲーム状態がボタンチャンス状態となると内蔵ランプが点灯されて操作可能となる。なお、ボタンチャンス状態は、必要に応じて設けられるゲーム状態である。
上皿8の右部には、カード式球貸し機に対する球貸し操作用の操作パネル12が設けられ、カード残額を3桁の数字で表示する度数表示部と、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチと、ゲーム終了時にカードの返却を指令する返却スイッチとが設けられている。
図2に示すように、遊技盤5の表面には、金属製の外レールと内レールとからなるガイドレール13が環状に設けられ、その略中央には、中央開口HOが設けられている。そして、中央開口HOの下方には、不図示の可動演出体が隠蔽状態で収納されており、可動予告演出時には、その可動演出体が上昇して露出状態となることで、所定の信頼度の予告演出を実現している。ここで、予告演出とは、遊技者に有利な大当り状態が招来することを不確定に報知する演出であり、予告演出の信頼度とは、大当り状態が招来する確率を意味している。
中央開口HOには、大型の液晶カラーディスプレイ(LCD)で構成されたメイン表示装置DS1が配置され、メイン表示装置DS1の右側には、小型の液晶カラーディスプレイで構成された可動式のサブ表示装置DS2が配置されている。
メイン表示装置DS1は、大当り状態に係わる特定図柄を変動表示すると共に背景画像や各種のキャラクタなどをアニメーション的に表示する装置である。この表示装置DS1は、中央部に特別図柄表示部Da〜Dcと右上部に普通図柄表示部19とを有している。そして、特別図柄表示部Da〜Dcでは、大当り状態の招来を期待させるリーチ演出が実行されることがあり、特別図柄表示部Da〜Dc及びその周りでは、適宜な予告演出などが実行される。
サブ表示装置DS2は、通常時には、その表示画面が遊技者に見やすい角度に傾斜した静止状態で画像情報を表示している。但し、所定の予告演出時には、遊技者に見やすい角度に傾斜角度を変えながら、図示の左側に移動する共に、所定の予告画像を表示するようになっている。
すなわち、実施例のサブ表示装置DS2は、単なる表示装置ではなく、予告演出を実行する可動演出体としても機能している。ここで、サブ表示装置DS2による予告演出は、その信頼度が高く設定されており、遊技者は、大きな期待感をもってサブ表示装置DS2の移動動作に注目することになる。
ここで、サブ表示装置DS2は、縦横比が15:9程度の縦長形状であって、対角寸法が5インチ程度ではあるが、480(H)×800(V)の高画質のカラー画面を有して構成されている。なお、この表示装置DS2は、各画素(ピクセル)を256階調で制御可能であり、この最高階調を実現しようとすると、1秒間に伝送すべき画像データの総量は、垂直同期信号の周波数を60Hzとして、480×800×3×256×60ビットとなる。
メイン表示装置DS1やサブ表示装置DS2の下方であって、遊技球が落下移動する遊技領域には、第1図柄始動口15a、第2図柄始動口15b、第1大入賞口16a、第2大入賞口16b、普通入賞口17、及び、ゲート18が配設されている。これらの入賞口15〜18は、それぞれ内部に検出スイッチを有しており、遊技球の通過を検出できるようになっている。
第1図柄始動口15aの上部には、導入口INから進入した遊技球がシーソー状又はルーレット状に移動した後に、第1図柄始動口15に入賞可能に構成された演出ステージ14が配置されている。そして、第1図柄始動口15に遊技球が入賞すると、特別図柄表示部Da〜Dcの変動動作が開始されるよう構成されている。
第2図柄始動口15bは、左右一対の開閉爪を備えた電動式チューリップで開閉されるように構成され、普通図柄表示部19の変動後の停止図柄が当り図柄を表示した場合には、所定時間だけ、若しくは、所定個数の遊技球を検出するまで、開閉爪が開放されるようになっている。
なお、普通図柄表示部19は、普通図柄を表示するものであり、ゲート18を通過した遊技球が検出されると、普通図柄が所定時間だけ変動し、遊技球のゲート18の通過時点において抽出された抽選用乱数値により決定される停止図柄を表示して停止する。
第1大入賞口16aは、前後方向に進退するスライド盤を有して構成され、第2大入賞口16bは、下端が軸支されて前方に開放する開閉板を有して構成されている。第1大入賞口16aや第2大入賞口16bの動作は、特に限定されないが、この実施例では、第1大入賞口16aは、第1図柄始動口15aに対応し、第2大入賞口16bは、第1図柄始動口15bに対応するよう構成されている。
すなわち、第1図柄始動口15aに遊技球が入賞すると、特別図柄表示部Da〜Dcの変動動作が開始され、その後、所定の大当り図柄が特別図柄表示部Da〜Dcに整列すると、第1大当りたる特別遊技が開始され、第1大入賞口16aのスライド盤が、前方に開放されて遊技球の入賞が容易化される。
一方、第2図柄始動口15bへの遊技球の入賞によって開始された変動動作の結果、所定の大当り図柄が特別図柄表示部Da〜Dcに整列すると、第2大当りたる特別遊技が開始され、第2大入賞口16bの開閉板が開放されて遊技球の入賞が容易化される。なお、特別遊技(大当り状態)の遊技価値は、整列する大当り図柄などに対応して種々相違するが、何れの遊技価値が付与されるかは、遊技球の入賞タイミングに応じた抽選結果に基づいて予め決定される。
典型的な大当り状態では、大入賞口16の開閉板が開放された後、所定時間が経過し、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すると開閉板が閉じる。このような動作は、最大で例えば15回まで継続され、遊技者に有利な状態に制御される。なお、特別図柄表示部Da〜Dcの変動後の停止図柄が特別図柄のうちの特定図柄であった場合には、特別遊技の終了後のゲームが高確率状態(確変状態)となるという特典が付与される。
図3は、上記した各動作を実現するパチンコ機GMの全体回路構成を示すブロック図であり、図4はその一部を詳細に図示したものである。図3に示す通り、このパチンコ機GMは、AC24Vを受けて各種の直流電圧や、電源異常信号ABN1、ABN2やシステムリセット信号(電源リセット信号)SYSなどを出力する電源基板20と、遊技制御動作を中心統括的に担う主制御基板21と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMDに基づいてランプ演出及び音声演出を実行する演出制御基板22と、演出制御基板22から受けた制御コマンドCMD’に基づいて表示装置DS1,DS2を駆動する画像制御基板23と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMD”に基づいて払出モータMを制御して遊技球を払い出す払出制御基板24と、遊技者の操作に応答して遊技球を発射させる発射制御基板25と、を中心に構成されている。
但し、この実施例では、主制御基板21が出力する制御コマンドCMDは、コマンド中継基板26と演出インタフェイス基板27を経由して、演出制御基板22に伝送される。また、演出制御基板22が出力する制御コマンドCMD’は、演出インタフェイス基板27と画像インタフェイス基板28を経由して、画像制御基板23に伝送され、主制御基板21が出力する制御コマンドCMD”は、主基板中継基板32を経由して、払出制御基板24に伝送される。制御コマンドCMD,CMD’,CMD”は、何れも16ビット長であるが、主制御基板21や払出制御基板24が関係する制御コマンドは、8ビット長毎に2回に分けてパラレル送信されている。一方、演出制御基板22から画像制御基板23に伝送される制御コマンドCMD’は、16ビット長をまとめてパラレル伝送されている。そのため、可動予告演出を含む予告演出を、多様化して多数の制御コマンドを連続的に送受信するような場合でも、迅速にその処理を終えることができ、他の制御動作に支障を与えない。
ところで、本実施例では、演出インタフェイス基板27と演出制御基板22とは、配線ケーブルを経由することなく、雄型コネクタと雌型コネクタとを直結されて二枚の回路基板が積層されている。同様に、画像インタフェイス基板28と画像制御基板23についても、配線ケーブルを経由することなく、雄型コネクタと雌型コネクタとを直結されて二枚の回路基板が積層されている。そのため、各電子回路の回路構成を複雑高度化しても基板全体の収納空間を最小化できると共に、接続ラインを最短化することで耐ノイズ性を高めることができる。
これら主制御基板21、演出制御基板22、画像制御基板23、及び払出制御基板24には、ワンチップマイコンを備えるコンピュータ回路がそれぞれ搭載されている。そこで、これらの制御基板21〜24とインタフェイス基板27〜28に搭載された回路、及びその回路によって実現される動作を機能的に総称して、本明細書では、主制御部21、演出制御部22、画像制御部23、及び払出制御部24と言うことがある。すなわち、この実施例では、演出制御基板22と演出インタフェイス基板27とで演出制御部22を構成し、画像制御基板23と画像インタフェイス基板28とで画像制御部23を構成している。なお、演出制御部22、画像制御部23、及び払出制御部24の全部又は一部がサブ制御部である。
また、このパチンコ機GMは、図3の破線で囲む枠側部材GM1と、遊技盤5の背面に固定された盤側部材GM2とに大別されている。枠側部材GM1には、ガラス扉6や前面板7が枢着された前枠3と、その外側の木製外枠1とが含まれており、機種の変更に拘わらず、長期間にわたって遊技ホールに固定的に設置される。一方、盤側部材GM2は、機種変更に対応して交換され、新たな盤側部材GM2が、元の盤側部材の代わりに枠側部材GM1に取り付けられる。なお、枠側部材1を除く全てが、盤側部材GM2である。
図3の破線枠に示す通り、枠側部材GM1には、電源基板20と、払出制御基板24と、発射制御基板25と、枠中継基板35とが含まれており、これらの回路基板が、前枠3の適所に各々固定されている。一方、遊技盤5の背面には、主制御基板21、演出制御基板22、画像制御基板23が、表示装置DS1,DS2やその他の回路基板と共に固定されている。そして、枠側部材GM1と盤側部材GM2とは、一箇所に集中配置された接続コネクタC1〜C4によって電気的に接続されている。
電源基板20は、接続コネクタC2を通して、主基板中継基板32に接続され、接続コネクタC3を通して、電源中継基板33に接続されている。電源基板20には、交流電源の投入と遮断とを監視する電源監視部MNTが設けられている。電源監視部MNTは、交流電源が投入されたことを検知すると、所定時間だけシステムリセット信号SYSをLレベルに維持した後に、これをHレベルに遷移させる。
また、電源監視部MNTは、交流電源の遮断を検知すると、電源異常信号ABN1,ABN2を、直ちにLレベルに遷移させる。なお、電源異常信号ABN1,ABN2は、電源投入後に速やかにHレベルとなる。
ところで、本実施例のシステムリセット信号は、交流電源に基づく直流電源によって生成されている。そのため、交流電源の投入(通常は電源スイッチのON)を検知してHレベルに増加した後は、直流電源電圧が異常レベルまで低下しない限り、Hレベルを維持する。したがって、直流電源電圧が維持された状態で、交流電源が瞬停状態となっても、システムリセット信号SYSがCPUをリセットすることはない。なお、電源異常信号ABN1,ABN2は、交流電源の瞬停状態でも出力される。
主基板中継基板32は、電源基板20から出力される電源異常信号ABN1、バックアップ電源BAK、及びDC5V,DC12V,DC32Vを、そのまま主制御部21に出力している。一方、電源中継基板33は、電源基板20から受けたシステムリセット信号SYSや、交流及び直流の電源電圧を、そのまま演出インタフェイス基板27に出力している。演出インタフェイス基板27は、受けたシステムリセット信号SYSを、そのまま演出制御部22と画像制御部23に出力している。
一方、払出制御基板24は、中継基板を介することなく、電源基板20に直結されており、主制御部21が受けると同様の電源異常信号ABN2や、バックアップ電源BAKを、その他の電源電圧と共に直接的に受けている。
電源基板20が出力するシステムリセット信号SYSは、電源基板20に交流電源24Vが投入されたことを示す電源リセット信号であり、この電源リセット信号によって演出制御部22と画像制御部23のワンチップマイコンは、その他のIC素子と共に電源リセットされるようになっている。
但し、このシステムリセット信号SYSは、主制御部21と払出制御部24には、供給されておらず、各々の回路基板21,24のリセット回路RSTにおいて電源リセット信号(CPUリセット信号)が生成されている。そのため、例えば、接続コネクタC2がガタついたり、或いは、配線ケーブルにノイズが重畳しても、主制御部21や払出制御部24のCPUが異常リセットされるおそれはない。演出制御部22と画像制御部23は、主制御部21からの制御コマンドに基づいて、従属的に演出動作を実行することから、回路構成の複雑化を回避するために、電源基板20から出力されるシステムリセット信号SYSを利用している。
ところで、主制御部21や払出制御部24に設けられたリセット回路RSTは、各々ウォッチドッグタイマを内蔵しており、各制御部21,24のCPUから、定時的なクリアパルスを受けない限り、各CPUは強制的にリセットされる。
また、この実施例では、RAMクリア信号CLRは、主制御部21で生成されて主制御部21と払出制御部24のワンチップマイコンに伝送されている。ここで、RAMクリア信号CLRは、各制御部21,24のワンチップマイコンの内蔵RAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号であって、係員が操作する初期化スイッチSWのON/OFF状態に対応した値を有している。
主制御部21及び払出制御部24は、電源基板20から電源異常信号ABN1,ABN2を受けることによって、停電や営業終了に先立って、必要な終了処理を開始するようになっている。また、バックアップ電源BAKは、営業終了や停電により交流電源24Vが遮断された後も、主制御部21と払出制御部24のワンチップマイコンの内蔵RAMのデータを保持するDC5Vの直流電源である。したがって、主制御部21と払出制御部24は、電源遮断前の遊技動作を電源投入後に再開できることになる(電源バックアップ機能)。このパチンコ機では少なくとも数日は、各ワンチップマイコンのRAMの記憶内容が保持されるよう設計されている。
図3に示す通り、主制御部21は、主基板中継基板32を経由して、払出制御部24に制御コマンドCMD”を送信する一方、払出制御部24からは、遊技球の払出動作を示す賞球計数信号や、払出動作の異常に係わるステイタス信号CONや、動作開始信号BGNを受信している。ステイタス信号CONには、例えば、補給切れ信号、払出不足エラー信号、下皿満杯信号が含まれる。動作開始信号BGNは、電源投入後、払出制御部24の初期動作が完了したことを主制御部21に通知する信号である。
また、主制御部21は、遊技盤中継基板31を経由して、遊技盤5の各遊技部品に接続されている。そして、遊技盤上の各入賞口16〜18に内蔵された検出スイッチのスイッチ信号を受ける一方、電動式チューリップなどのソレノイド類を駆動している。ソレノイド類や検出スイッチは、主制御部21から配電された電源電圧VB(12V)で動作するよう構成されている。また、図柄始動口15への入賞状態などを示す各スイッチ信号は、電源電圧VB(12V)と電源電圧Vcc(5V)とで動作するインタフェイスICで、TTLレベル又はCMOSレベルのスイッチ信号に変換された上で、主制御部21に伝送される。
先に説明した通り、演出制御基板22と演出インタフェイス基板27とはコネクタ連結によって一体化されており、演出制御部22は、電源中継基板33を経由して、電源基板20から各レベルの直流電圧(5V,12V,32V)と、システムリセット信号SYSを受けている(図3及び図4参照)。また、演出制御部22は、コマンド中継基板26を経由して、主制御部21から制御コマンドCMDとストローブ信号STBとを受けている(図3及び図4参照)。
そして、演出制御部22は、ランプ駆動基板29にランプ駆動信号を出力することで多数のLEDランプや電飾ランプで構成されたランプ群を駆動している。また、モータ/ランプ駆動基板30に、ランプ駆動信号及びモータ駆動信号を出力することで、ランプ群を駆動すると共に、複数のステッピングモータで構成された演出モータ群M1〜Mnを駆動している。なお、ランプ駆動信号とモータ駆動信号は、何れもシリアル信号であり、演出内容を豊富化するべくランプ個数や演出モータ個数を如何に増やしても、配線ケーブルが増加することがなく、機器構成が簡素化される。
ランプ群は、ほぼ定常的にランプ演出を実現する一方、演出モータ群は、突然動作を開始して、可動演出体による可動予告演出を実現している。前記した通り、可動演出体には、サブ表示装置DS2が含まれる。
また、演出制御部22は、画像制御部23に対して、制御コマンドCMD’及びストローブ信号STB’と、電源基板20から受けたシステムリセット信号SYSと、2種類の直流電圧(12V,5V)とを出力している(図3及び図4参照)。
そして、画像制御部23では、制御コマンドCMD’に基づいてメイン表示装置DS1やサブ表示装置DS2を駆動して各種の画像演出を実行している。図4に示す通り、メイン表示装置DS1は、LEDバックライトによって発光しており、画像インタフェイス基板28から5対のLVDS(低電圧差動伝送Low voltage differential signaling)信号と、バックライト電源電圧(12V)とを受けて駆動されている。メイン表示装置DS1のバックライト光は、PWM制御による輝度が制御可能に構成されている。また、画像制御部23は、制御コマンドCMD’に基づく予告演出として、サブ表示装置DS2において適宜な予告演出を実行している。サブ表示装置DS2も、バックライト光によって発光しており、そのON/OFF状態が制御可能に構成されている。
このサブ表示装置DS2は、画像インタフェイス基板28からバックライト電源電圧と、4対のLVDS信号とを受けて駆動されている。4対のLVDS信号は、18ビット長のRGB信号(各6ビット)、垂直同期信号、及び水平同期信号を伝送する3対と、クロック信号を伝送する1対とに区分されている。このように、本実施例では、V−by−one信号の場合における1対の信号線での伝送量を、ほぼ四分してLVDS信号として伝送するので、極端な高速伝送とする必要がなく、安定したシリアル伝送を実現することができる。しかも、サブ表示装置DS2を、敢えて64階調で動作させることで、高解像度化を図っている。
この点を更に説明すると、(1)ノイズ環境に晒される可能性を想定すると、通信エラーによる誤表示の防止を最優先すべきこと、(2)サブ表示装置DS2が比較的小型であって、予告演出を表示する上で256階調までは不要であること、(3)階調度を抑制した分だけ、高解像度の画像データを安定した通信速度で送信できること、を考慮して、本実施例では、サブ表示装置DS2の最高性能(階調)を1/4階調に抑制すると共に、V−by−one信号をほぼ四分したLVDS信号による大量の画像データの送信によって、サブ表示装置DS2の画像演出の実質的な高性能化を図っている。
続いて、図4に基づいて、上記した演出制御部22と画像制御部23の構成を更に詳細に説明する。図4に示す通り、演出インタフェイス基板27は、電源中継基板33を経由して、電源基板20から3種類の直流電圧(5V,12V,32V)を受けている。ここで、直流電圧5Vは、デジタル論理回路の電源電圧として、演出インタフェイス基板27、ランプ駆動基板29、モータ/ランプ駆動基板30、画像インタフェイス基板28、及び画像制御基板23に配電されて各デジタル回路を動作させている。
但し、演出制御基板22には、直流電圧5Vが配電されておらず、12VからDC/DCコンバータで降圧された直流電圧3.3Vと、3.3VからDC/DCコンバータで更に降圧された直流電圧1.8Vだけが、演出インタフェイス基板27から演出制御基板22に配電されている。このように、本実施例の演出制御基板22は、全ての回路が電源電圧3.3Vで駆動されているので、電源電圧を5Vで動作する場合と比較して大幅に低電力化することができ、演出制御基板22の直上に演出インタフェイス基板27を配置して積層しても放熱上の問題が生じない。
また、演出インタフェイス基板27が、電源基板20から受けた直流電圧12Vは、そのままデジタルアンプ46の電源電圧として使用されると共に、モータ/ランプ駆動基板30とランプ駆動基板29に配電されて各ランプ群の電源電圧となる。一方、電源基板20から受けた直流電圧32Vは、演出インタフェイス基板のDC/DCコンバータにおいて直流電圧13Vに降圧されて、モータ/ランプ駆動基板30に配電されている。
図4に示すように、演出制御部22は、音声演出・ランプ演出・演出可動体による予告演出・データ転送などの処理を実行するワンチップマイコン40と、ワンチップマイコン40の制御プログラムなどを記憶するフラッシュメモリ(flash memory)41と、ワンチップマイコン40からの指示に基づいて音声信号を再生して出力する音声合成回路42と、再生される音声信号の元データである圧縮音声データを記憶する音声用メモリ43とを備えて構成されている。
ここで、ワンチップマイコン40、フラッシュメモリ41、及び音声用メモリ43は、電源電圧3.3Vで動作しており、また、音声合成回路42は、電源電圧3.3V及び電源電圧1.8Vで動作しており大幅な省電力化が実現されている。
ワンチップマイコン40には、複数のパラレル入出力ポートPIOが内蔵されている。そして、第1入力ポートPO1には、主制御部21からの制御コマンドCMD及びストローブ信号STBが入力され、第2入力ポートPO2からは、制御コマンドCMD’及びストローブ信号STB’が出力されるよう構成されている。
具体的には、第1入力ポートPO1には、主制御基板21から出力された制御コマンドCMDとストローブ信号(割込み信号)STBとが、演出インタフェイス基板27のバッファ44において、電源電圧3.3Vに対応する論理レベルに変換されて8ビット単位で供給される。割込み信号STBは、ワンチップマイコンの割込み端子に供給され、受信割込み処理によって、演出制御部22は、制御コマンドCMDを取得するよう構成されている。
演出制御部22が取得する制御コマンドCMDには、(1) 異常報知その他の報知用制御コマンドなどの他に、(2) 図柄始動口への入賞に起因する各種演出動作の概要特定する制御コマンド(変動パターンコマンド)や、図柄種別を指定する制御コマンド(図柄指定コマンド)が含まれている。ここで、変動パターンコマンドで特定される演出動作の概要には、演出開始から演出終了までの演出総時間と、大当たり抽選における当否結果とが含まれている。
また、図柄指定コマンドには、大当たり抽選の結果に応じて、大当たりの場合には、大当たり種別に関する情報(15R確変、2R確変、15R通常、2R通常など)を特定する情報が含まれ、ハズレの場合には、ハズレを特定する情報が含まれている。変動パターンコマンドで特定される演出動作の概要には、演出開始から演出終了までの演出総時間と、大当り抽選における当否結果とが含まれている。なお、これらに加えて、リーチ演出や予告演出の有無などを含めて変動パターンコマンドで特定しても良いが、この場合でも、演出内容の具体的な内容は特定されていない。
そのため、演出制御部22では、変動パターンコマンドを取得すると、これに続いて演出抽選を行い、取得した変動パターンコマンドで特定される演出概要を更に具体化している。例えば、リーチ演出や予告演出について、その具体的な内容が決定される。そして、決定された具体的な遊技内容にしたがい、LED群などの点滅によるランプ演出や、スピーカによる音声演出の準備動作を行うと共に、画像制御部23に対して、ランプやスピーカによる演出動作に同期した画像演出に関する制御コマンドCMD’を出力する。
このような演出動作に同期した画像演出を実現するため、演出制御部22は、第2入力ポートPO2を通して、画像制御部23に対するストローブ信号(割込み信号)STB’と共に、16ビット長の制御コマンドCMD’を演出インタフェイス基板27に向けて出力している。なお、演出制御部22は、図柄指定コマンドや、表示装置DS1に関連する報知用制御コマンドや、その他の制御コマンドを受信した場合は、その制御コマンドを、16ビット長に纏めた状態で、割込み信号STB’と共に演出インタフェイス基板27に向けて出力している。
上記した演出制御基板22の構成に対応して、演出インタフェイス基板27には出力バッファ45が設けられており、16ビット長の制御コマンドCMD’と1ビット長の割込み信号STB’を画像インタフェイス基板28に出力している。そして、これらのデータCMD’,STB’は、画像インタフェイス基板28を経由して、画像制御基板23に伝送される。
また、演出インタフェイス基板27には、音声合成回路42から出力される音声信号を受けるデジタルアンプ46が配置されている。先に説明した通り、音声合成回路42は、3.3Vと1.8Vの電源電圧で動作しており、また、デジタルアンプ46は、電源電圧12VでD級増幅動作しており、消費電力を抑制しつつ大音量の音声演出を可能にしている。
そして、デジタルアンプ46の出力によって、遊技機上部の左右スピーカと、遊技機下部のスピーカとを駆動している。そのため、音声合成回路42は、3チャネルの音声信号を生成する必要があり、これをパラレル伝送すると、音声合成回路42とデジタルアンプ46との配線が複雑化する。
そこで、本実施例では、音質の劣化を防止すると共に、配線の複雑化を回避するため、音声合成回路42とデジタルアンプ46との間は、4本の信号線で接続されており、具体的には、転送クロック信号SCLKと、チャネル制御信号LRCLKと、2ビット長のシリアル信号SDATA1,SDATA2との合計4ビットの信号線に抑制されている。なお、何れの信号も、その振幅レベルは3.3Vである。
ここで、SDATA1は、遊技機上部に配置された左右スピーカのステレオ信号R,Lを特定するPCMデータについてのシリアル信号であり、SDATA2は、遊技機下部に配置された重低音スピーカのモノラル信号を特定するPCMデータについてのシリアル信号である。そして、音声合成回路42は、チャネル制御信号LRCLKをLレベルに維持した状態で、左チャネルの音声信号Lを伝送し、チャネル制御信号LRCLKをHレベルに維持した状態で、右チャネルの音声信号Rを伝送する。なお、重低音スピーカは本実施例では1個であるので、モノラル音声信号が伝送されているが、ステレオ音声信号として伝送できるのは勿論である。
何れにしても本実施例では、4種類の音声信号を4本のケーブルで伝送可能であるので、最小のケーブル本数によってノイズによる音声劣化のない信号伝達が可能となる。すなわち、シリアル伝送であるのでパラレル伝送より圧倒的にケーブル本数が少な。なお、アナログ伝送を採る場合には、ケーブル本数は同数であるが、3.3V振幅のアナログ信号に、少なからずノイズが重畳して、音質が大幅に劣化する。一方、振幅レベルを上げると、電源配線が複雑化する上に消費電力が増加する。
このようなシリアル信号SDATA1,SDATA2は、クロック信号SCLKの立上りエッジに同期して、デジタルアンプ46に取得される。そして、デジタルアンプ46内部で、所定ビット長毎にパラレル変換され、DA変換後にD級増幅されて各スピーカに供給されている。
また、演出インタフェイス基板27には、ワンチップマイコン40から出力されるシリアルデータを出力するバッファ回路47,48が設けられている。ここで、出力バッファ47は、ワンチップマイコン40から伝送されたランプ駆動信号(シリアル信号)を、ランプ駆動基板29に配置されたシフトレジスタ回路に転送している。そして、ランプ駆動基板29のシフトレジスタ回路(不図示)では、ランプ駆動信号をパラレル信号に変換してLEDランプ群を駆動している。
もう一方のバッファ回路48は、入出力バッファとして機能しており、ワンチップマイコン40から伝送されたシリアル信号をモータ/ランプ駆動基板30に、そのまま転送する一方、一群の演出モータM1〜Mnの原点位置を示す原点センサ信号(シリアル信号)をワンチップマイコン40に転送している。
本実施例の場合、ワンチップマイコン40からバッファ回路48に伝送されたシリアル信号は、ランプ群を点灯させるためのランプ駆動信号(シリアル信号)と、演出モータを回転させるためのモータ駆動信号(シリアル信号)とが連続するよう構成されている。そして、モータ/ランプ駆動基板30では、これら一連のシリアル信号を16ビット長毎に分断すると共に、各16ビット長をパラレル信号に変換して、ランプ演出と可動予告演出を実行している。具体的には、制御コマンドCMDに対応して抽選決定された演出動作として、一連のランプ演出を実行すると共に、モータ駆動信号を受信した場合には、演出モータM1〜Mnを回転させて適宜な可動予告演出を実行している。
図5は、画像制御部23(画像インタフェイス基板28と画像制御基板23)について、その周りの基板も含めて詳細に図示した回路ブロック図である。先に説明した通り、画像制御部23は、演出制御部22から制御コマンドCMD’とストローブ信号STB’とシステムリセット信号SYSとを受けて動作している。また、演出制御部を経由して2種類の直流電圧5V,12Vを受けている。
図示の通り、画像制御部23は、演出インタフェイス基板27を経由して制御コマンドを受信して画像制御動作を実行するワンチップマイコン60と、ワンチップマイコン60の制御プログラムなどを記憶するフラッシュメモリ61と、ワンチップマイコン60の指示に基づき表示装置DS1,DS2を駆動するVDP(Video Display Processor )62と、画像演出用の画像圧縮データを記憶するグラフィックROM(CGROM)63と、VDP62の作業領域(Video RAM )として機能するSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)64と、ワンチップマイコン60を強制リセットさせるウォッチドッグタイマWDTなどを有して構成されている。
図示の通り、ウォッチドッグタイマWDTの出力は、システムリセット信号SYSと共にOR回路に供給されており、OR回路への入力信号の何れかがアクティブレベルになると、ワンチップマイコン60とVDP62とが同期してリセットされるようになっている。したがって、ワンチップマイコン60のプログラム暴走などに起因して制御動作が初期化されると、これに対応して、VDP62の動作を初期化されることになり、矛盾した不自然な画像演出が実行されることがない。
また、本実施例では、消費電力を可能な限り抑制するべく、各素子の電源電圧を最小化しており、各素子の電源電圧は、(1) ワンチップマイコン60が3.3Vと1.25V、(2) フラッシュメモリ61が1.25V、(3) VDP62が3.3Vと1.8Vと1.1V、(4) CGROM63が3.3V、(5) SDRAM64が1.8Vとなっている。
このように本実施例では、省電力化のために多数の直流電圧が必要となり、しかも、複数の電源電圧を有する回路素子については、その供給タイミングを最適化する必要がある。一方、演出制御部22と画像制御部23との間の配線ケーブル数を抑制する趣旨から2種類の直流電圧しか配電されていない。そこで、制御端子を有する複数のDC/DCコンバータ(V1〜V4)を配置すると共に、電源シーケンサ65を設けることで、多数の直流電圧を最適なタイミングで各素子に供給している(図5(b)参照)。
ところで、図5に示す通り、実施例のVDP62は、表示装置DS1,DS2への画像データの送出動作を規定する表示系クロックΦbと、その他の処理の動作タイミングを規定するシステムクロックΦaと、を別々に受けている。システムクロックΦaは、水晶振動子Xaの固有周波数で規定される固定周波数であるが、表示系クロックΦbは、クロック発振部66の出力であり、水晶振動子Xb中心周波数Fiを中心として、所定範囲内で周波数(Fi−δ〜Fi+δ)が偏移する変調クロックΦbとなっている。
図6(a)は、クロック発振部66の回路構成を示しており、水晶振動子Xbによる原発振回路OSCと、原発振回路OSCの発振周波数Fiを偏移させる周波数変調回路FS(PLLブロックBL)と、を有して構成されている。原発振回路OSCは、水晶振動子Xbと、インバータINと、帰還抵抗Rsと、負荷コンデンサC11,C12とを有して構成され、中心周波数Fiの基準クロックを生成している。ここで、インバータINと帰還抵抗Rsを接続する正帰還ループは、制御信号CTLによって開閉制御可能に構成されており、制御信号CTLによって発振動作の許否が制御可能に構成されている。
図示の通り、ここでは、制御信号CTL=Hであって定常的に発振動作を繰り返している。また、変調度設定端子=Hであることで、周波数偏移量δが、中心周波数Fiの上下に±1.0%(δ/Fi)程度となっている。
図6(b)は、図6(a)PLLブロックBLの内部構成を図示したものであり、変調ロジック部56を除けば、通常のPLL回路とほぼ同様である。すなわち、PLLブロックBLは、変調ロジック部56の他に、出力信号(変調クロック出力)を1/M分周する第1分周部50と、基準クロックを1/N分周する第2分周部51と、基準クロックを1/L分周する第3分周部52と、第1分周部50と第2分周部51の出力を比較する位相比較部53と、位相比較部53の出力を受けるチャージポンプ54と、抵抗とコンデンサによるループフィルタ55と、ループフィルタ55の出力電圧に対応して出力周波数Foが変化する電圧制御発振部VCOと、を有して構成されている。
但し、PLLブロックBLは、通常のPLL回路とは異なり、変調ロジック部56から受ける変調信号MDに基づいて、電圧制御発振部VCOの周波数が、最大で2%程度、微小に揺らぐ周波数変調が実現されるよう構成されている。また、実施例では、変調周期を、時間的に切り替え、変調周期τ1でVCOの出力周波数をFo−δ〜Fo+δの範囲で変化させた後、変調周期τ2でVCOの出力周波数をFo−δ〜Fo+δの範囲で変化させている。その結果、出力周波数が更に不規則に周波数変調されることで、不要輻射ノイズEMIの抑制効果が高まる。
何れにしても、PLLブロックBLの内部では、周波数Fo/Mの第1分周部50の出力信号と、周波数Fi/Nの第2分周部51の出力信号との位相差が、位相比較部53において検出され、その位相差がゼロとなるよう負帰還ループが機能するので、Fo/M=Fi/Nの関係が成立し、出力信号(変調クロック出力)の周波数Foは、やや揺らぐもののFo=Fi×M/Nとなる。
本実施例では、この出力信号が、変調クロックΦbとして実施例のVDP62に供給され、表示装置DS1,DS2への画像データの送出動作を規定している。また、この実施例では、表示系クロックΦb(変調クロック)の中心周波数Fiは、メイン表示装置DS1のドットクロック周波数の整数倍(1倍,2倍,4倍程度)となっており、表示装置DS1の解像度に対応して高くなる。なお、ドットクロック周波数は、表示装置DS1の1画素(ドット)を表示するために必要な動作時間の逆数であり、例えば、垂直同期信号60Hzであって、解像度1280×1024の場合には、ドットクロック周波数が100MHz程度となる。
そして、1画素はRGB三原色で構成されるので、大量の画像データを高速に伝送する必要が生じ、不要輻射ノイズEMI(Electro Magnetic Interference )の発生も懸念される。しかし、本実施例では、表示系クロックΦb(変調クロック)の周波数が適度に揺らぐので、不要輻射ノイズを効果的に抑制することができる。
なお、この不要輻射ノイズの抑制効果は、表示装置DS1に対するLVDS伝送に限らず、表示装置DS2のLVDS伝送にも同様に機能する。しかも、本実施例では、表示装置DS1に対する5対と、表示装置DS2に対する4対のLVDS信号線毎にノイズ対策を採る必要がなく、コスト的にもスペース的にも有効である。すなわち、フェライトコアを配線毎に配置したのでは、最低9個の部品が必要になる。また、ノイズ対策として、コイルやコンデンサを配置する場合にも、同様にコスト的及びスペース的な不利があり、これらの対策が不要となる本実施例の構成の効果は顕著である。
次に、図7(a)は、VDP62の内部構成を示すブロック図であり、VDP62と、CGROM63、DDR2タイプのSDRAM64、及びワンチップマイコン60(以下、ホストCPU60と言う)との接続関係も含めて図示している。また、図7(b)は、VDP62の動作を示す機能ブロック図であり、図7(c)は、VDP62の動作手順を示す図面である。
図7(b)に示す通り、VDP62からホストCPU60に、VBlank割込み信号が伝送されており、通常1/60秒毎に生じるVBlank割込み信号に基づいて、ホストCPU60は、表示装置DS1,DS2の1フレーム分の表示動作が終わったことが把握できるよう構成されている。
図7(a)や図7(b)に示す通り、VDP62は、ホストCPU60によってコマンドリストが書込まれるコマンドメモリ70と、ホストCPU60からアクセスされるシステム制御レジスタ71と、コマンドリストを解析するコマンドパーサ(構文解析器)72と、静止画圧縮データをデコードする静止画デコーダ73と、動画圧縮データをデコードする動画デコーダ74と、デコーダでデコード(伸張)された画像について、拡大・縮小・回転・移動などのアフィン変換や投影変換などを実行するジオメトリエンジン80と、表示装置DS1,DS2に出力可能な画像データを生成するレンダリングエンジン81と、表示装置DS1,DS2の各種の信号を生成する二系統のディスプレイコントローラ82,83と、二系統の信号出力部(LVDS送信部75及びLVDS送信部76)と、を有して構成されている。
ここで、ディスプレイコントローラ82は、メイン表示装置DS1用のフレームバッファFLB1(内蔵RAM77)から読み出した画像データ(RGB毎に8ビット長)を信号出力部75に供給し、信号出力部(LVDS送信部)75は、これをLVDS形式で出力している。一方、ディスプレイコントローラ83は、サブ表示装置DS2用のフレームバッファFLB2(内蔵RAM77)から読み出した画像データ(RGB毎に6ビット長)を信号出力部76に供給し、信号出力部(LVDS送信部)76は、これをLVDS形式で出力する。なお、フレームバッファFLB1には、メイン表示装置DS1の一フレーム(画面)分の画像データが記憶され、フレームバッファFLB2には、サブ表示装置DS2の一フレーム(画面)分の画像データが記憶される。なお、何れもダブルバッファ構造を有しているので、その意味では、各々、二フレーム分の画像データが記憶可能である。
先に説明した通り、ディスプレイコントローラ82,83や、LVDS送信部75,76など、表示装置DS1,DS2に供給すべき画像表示データの出力に関する動作は、表示系クロック(変調クロック)Φbに基づいて実行されるので、LVDS信号の周波数が適宜(2%程度)に揺らぐことで不要輻射ノイズEMIの放射が効果的に抑制される。なお、偏移量δが微小であるので、表示画面の画質に悪影響を与えることはない。
ところで、システム制御レジスタ71は、VDP62に対する指示データなどをホストCPU60が書込む入力レジスタ群と、VDP62の動作状態などを示す情報をホストCPU60が読み出す出力レジスタ群と、に大別される。そして、ホストCPU60は、適宜な入力レジスタに、必要な設定値を書き込むことで、VDP62を適宜に動作させ、必要な出力レジスタの値を参照することで、VDP62の動作状態を把握している。
VDP62の描画動作は、ホストCPU60がコマンドメモリ70に書き込んだコマンドリストを、コマンドパーサ72が解析することで毎フレーム実行される。この描画動作のため、本実施例では、静止画圧縮データをデコードして一時保存するスプライトバッファSPBが、内蔵RAM77に確保され、動画圧縮データをデコード(伸張)して一次保存するムービーバッファMVBが、SDRAM64に確保されている。
すなわち、静止画デコーダ73は、コマンドパーサ72によるコマンドリストの解析結果に基づいて、所定の静止画圧縮データをデコードして、デコード結果をスプライトバッファSPB(内蔵RAM77)に格納する。また、動画デコーダ74は、コマンドパーサ72によるコマンドリストの解析結果に基づいて、所定の動画圧縮データをデコードして、デコード結果をムービーバッファMVB(SDRAM64)に格納する。
なお、スプライトバッファSPBは、メイン表示装置DS1用のスプライトバッファSP1と、サブ表示装置DS2用のスプライトバッファSP2に区分され、各スプライトバッファSP1,SP2に、静止画を構成する画像データ(デコード結果)が格納される。一方、この実施例では、サブ表示装置DS2では、動画を再生しないので、ムービーバッファMVBは、メイン表示装置DS1用にだけ使用される。
何れにしても、スプライトバッファSPB(SP1,SP2)やムービーバッファMVBに伸張された静止画や、動画一フレーム分の静止画は、スプライトバッファSP1,SP2やムービーバッファMVBにおいて、コマンドリストで指示された内容に基づき、ジオメトリエンジン80が、拡大・縮小・回転・移動などのアフィン変換や、投影変換などの処理を施す。そして、その後、レンダリングエンジン81が機能して、スプライトバッファSP1,SP2やムービーバッファMVBのデータが、SDRAM64か又は内蔵RAM77に確保されたフレームバッファFLBに纏められる。なお、内蔵RAM77には、メイン表示装置DS1用のフレームバッファFLB1と、サブ表示装置DS2用のフレームバッファFLB2とが区分して確保されている。
先に説明した通り、各フレームバッファFLB(FLB1+FLB2)は、ダブルバッファ構造を有しており、一方が表示用バンクとして機能し、他方が描画用バンクとして機能し、その機能を毎フレーム毎に切り替えて動作している。なお、表示用バンクの画像データが表示装置DS1,DS2に出力され、描画用バンクには、レンダリングエンジン81によって画像データが書き込まれる。
次に、以上の説明を図7(b)〜図7(c)に基づいて整理しておく。ホストCPU60は、例えば、VBlank割込み(t1)に起因して、コマンドメモリ70にコマンドリストを書き込む(t2)。次に、ホストCPU60は、コマンドリストの開始アドレスやその他の制御情報をシステム制御レジスタ71に設定することでVDP62の描画動作を開始させる(t3)。
すると、この描画開始の指示に対応して静止画デコーダ73や動画デコーダ74が動作し、コマンドメモリ70のコマンドリストに基づいて、CGROM63の圧縮データが読み出され、デコード結果が、スプライトバッファSPBや、ムービーバッファMVBに展開される(t4,t4’)。
次に、コマンドリストに基づいて、スプライトバッファSPBやムービーバッファMVBのデータに対して、ジオメトリエンジン80が座標演算を実行し、その演算結果に基づいて、レンダリングエンジン81が描画動作を実行する。そして、描画結果は、フレームバッファFLB1,FLB2の描画バンクに書き込まれる(t5)。
次に、フレームバッファFLB1,FLB2の描画バンクと表示バンクを切り換えると(t6)、その後、ディスプレイコントローラ82とディスプレイコントローラ83が機能して、フレームバッファFLB1,FLB2(各々の表示バンク)の画像データに基づいて、ディスプレイコントローラ82,83において出力信号が生成され、信号出力部75,76を経由して、表示装置DS1,DS2に出力される(t7)。なお、本実施例では、LVDS送信部75を経由してメイン表示装置DS1が駆動され、LVDS送信部76を経由してサブ表示装置DS2が駆動されている。
図8は、上記した内部構成のVDP62と、メイン表示装置DS1やサブ表示装置DS2との接続関係について、図5のLVDS送信部75,76をより詳細に図示したものである。図8(a)や図5に示す通り、メイン表示装置DS1は、VDP62のLVDS送信部(シリアライザ)75に対応するLVDS受信部(デシリアライザ)RV1を内蔵して構成され、LVDS受信部RV1を経由して、合計24ビットのRGB画像データと、垂直同期信号VSYNCと、水平同期信号HSYNCと、ドットクロック信号Dotとを受けている。
一方、図8(b)に示す通り、サブ表示装置DS2は、接続基板90に配置されたLVDS受信部RV2を経由して、合計18ビットのRGB画像データと、垂直同期信号VSYNCと、水平同期信号HSYNCと、ドットクロック信号Dotとを受けている。また、このサブ表示装置DS2では、三原色についての各8ビット長の入力端子(R0-R7,G0-G7,B0-B7 )について、その下位2ビット(R0,R1,G0,G1,B0,B1 )をグランドレベルに固定することで256階調を64階調に抑制している。
何れにしても、LVDS送信部75,76は、RGBデータを含んだパラレルデータを、LVDS信号に変換する部分(LVDSシリアライザ)であり、本実施例では、一対の信号伝送ライン(1本のツイストペア線)に数mAの程度の低レベルの信号電流を送信側から供給する一方、この信号電流をLVDS受信部RV1,RV2に設けた100Ω程度の終端抵抗で受ける構成を採っている。したがって、電圧振幅は、数100mV程度の低レベルであるが、論理レベル(H/L)に対応して電流方向を代えることで確実な信号伝送を実現している。
図8(b)に示す通り、LVDS送信部76は、サブ表示装置DS2に伝送すべき18ビット長のRGB信号と、水平/垂直同期信号とを含んだパラレルデータを、3対の差動信号(TBA0〜TBA6,TBB0〜TBB6,TBC0〜TBC6)に変換している。そして、これに、一対の転送クロックTBCLKの差動信号を加えて、4本のツイストペア線でLVDS受信部RV2に伝送している。先に説明した通り、RGB信号は、各色とも下位2ビットを除いた6ビット長であり、これがサブ表示装置DS2の入力端子(R2-R7,G2-G7,B2-B7 )に供給されることで、各画素は64階調に描画制御される。
図8(c)に示す通り、転送クロックTBCLKの一周期(ドットクロック周期)の間に、ツイストペア線(A+,A−)では、R2、R3、R4、R5、R6、R7、G2をシリアル転送し、ツイストペア線(B+,B−)では、G3、G4、G5、G6、G7、B2、B3をシリアル転送し、ツイストペア線(C+,C−)では、B4、B5、B6、B7、(HS)、(VS)、DEをシリアル転送している。
ここで、R2〜R7は、赤色画素の輝度を示す6ビット長データ、G2〜G7は、緑色画素の輝度を示す6ビット長データ、B2〜B7は、青色画素の輝度を示す6ビット長データである。また、(VS)や(HS)は、垂直同期タイミングや、水平同期タイミングを特定するデータであり、DEは、DATA ENABLE を意味している。なお、NAは未使用である。
上記した3対の差動信号を受けるVDS受信部RV2は、合計18ビットのRGB画像データと、垂直同期信号VSYNCと、水平同期信号HSYNCと、ドットクロック信号Dotとを受けて、5インチ寸法の小型表示装置DS2において、解像度480×800程度の高画質による画像演出を実行している。なお、解像度480×800に対応して、ドットクロック周期が0.036μS(1/28MHz)程度となるが、本実施例では、階調度を抑制しているので、安定したシリアル伝送が実現される。したがって、V-by-one 伝送の場合のように、高画質のサブ表示装置DS2における誤表示のおそれはない。また、本実施例では、RGBデータをV-by-one信号に変換するための送信基板が不要であり回路構成上の無駄もない。
以上、本発明の実施例について具体的に説明したが、具体的な記載内容は何ら本発明を限定しない。例えば、実施例では、サブ表示装置DS2で動画を再生しない構成としたが、サブ表示装置DS2においても動作を再生するのが好適である。
これは、動画とは言っても、一フレームの画像データとしては静止画と変わりはなく(フレーム毎の変化が速いだけ)、64階調で表示する限り、画像データが増えることはないためである。
そして、このような構成を採る場合には、ムービーバッファMVBについても、メイン表示装置DS1用とサブ表示装置DS2用とに区分される。
なお、本発明の適用は、必ずしも、弾球遊技機に限定されず回胴遊技機にも有効であることは勿論である。