JP6100144B2 - 入力装置およびその情報入力方法 - Google Patents
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Description
2次元データのうちの一部分(オンデータの集合領域の輪郭周辺)に絞って接触領域若しくは近接領域を特定するための処理が行われるため、処理に必要なメモリ容量が削減され、演算の負荷が小さくなる。
前記領域特定部は、前記2次元データ更新部による2次元データの前記更新が行われたときに、前記変換された2次元データの中で未だ前記オンデータか否かを判定していないデータが存在するならば、当該未判定のデータを順に取得して前記判定を行い、取得したデータがオンデータの場合、当該取得したデータを新たな開始点として前記輪郭追跡を行ってよい。
従って、操作面に複数の物体が同時に接触若しくは近接した場合でも、各物体の接触領域若しくは近接領域を的確に特定することが可能となる。
2次元データのうちの一部分(物体の接触若しくは近接を示す検出データの集合領域の輪郭周辺)に絞って接触領域若しくは近接領域を特定するための処理が行われるため、処理に必要なメモリ容量が削減され、演算の負荷が小さくなる。
前記領域特定部は、前記2次元データ更新部によって前記2次元データが更新されたときに、前記2次元データの中で未だ前記判定が行われていない検出データが存在するならば、当該未判定の検出データを順に取得して前記判定を行い、取得した検出データが物体の接触若しくは近接を示す場合、当該取得した検出データを新たな開始点として前記輪郭の追跡を行ってよい。
従って、操作面に複数の物体が同時に接触若しくは近接した場合でも、各物体の接触領域若しくは近接領域を的確に特定することが可能となる。
これにより、探索方向に沿うライン上において隣接した一群の検出データに基づいて、輪郭追跡における探索方向に物体と物体との隙間が存在するか否かを判定することが可能となり、隙間を超えて輪郭追跡が行われないようにすることができるため、複数の物体が近づいた状態で操作面に同時に接触若しくは近接している場合でも、各物体の接触領域若しくは近接領域を的確に特定することが可能となる。
前記領域の特定を行うステップでは、前記判定を行うステップにおいて前記オンデータが見つかる度に、当該見つかったオンデータを新たな開始点として前記輪郭の追跡を行ってよい。
前記判定を行うステップでは、前記2次元データの更新を行うステップにおいて前記2次元データが更新されたときに、前記2次元データの中で未だ前記判定が行われていない検出データが存在するならば、当該未判定の検出データを順に取得して前記判定を行ってよい。
前記領域の特定を行うステップでは、前記判定を行うステップにおいて物体の接触若しくは近接を示す検出データが見つかる度に、当該見つかった検出データを新たな開始点として前記輪郭の追跡を行ってよい。
以下、本発明の第1の実施形態に係る入力装置について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る入力装置は、センサが設けられた操作面に指やペンなどの物体を接触若しくは近接させることによって、その接触若しくは近接の位置に応じた情報を入力する装置である。図1は、第1の実施形態に係る入力装置の構成の一例を示す図である。図1に示す入力装置は、センサ部10と、処理部20と、記憶部30と、インターフェース部40を有する。なお、本明細書における「近接」とは、接触した状態で近くにあることと、接触しない状態で近くにあることを両方含む。
センサ部10は、操作面に分布した複数の検出位置において、指やペンなどの物体の接触若しくは近接の状態をそれぞれ検出する。例えばセンサ部10は、物体の接触若しくは近接に応じて静電容量が変化する複数の容量性センサ素子12がマトリクス状に形成されたセンサマトリクス11と、センサマトリクス11の容量性センサ素子12において生じた静電容量の変化を電圧に変換する静電容量−電圧変換回路(CV変換回路)13と、センサマトリクス11の容量性センサ素子12に電圧を供給するセンサ駆動回路14を有する。
処理部20は、入力装置の全体的な動作を制御する回路であり、例えばプログラムの命令コードに従って処理を行うCPUや、特定の機能を実現するロジック回路を含んで構成される。処理部20の処理は、全てCPUにおいてプログラムに基づいて実現してもよいし、その一部若しくは全部をロジック回路で実現してもよい。
例えば、座標演算部28は、領域特定部27において特定された領域の横方向(電極Lyが配列する方向)と縦方向(電極Lyが配列する方向)のそれぞれについてプロファイルデータを作成する。横方向のプロファイルデータは、操作面の縦方向における一群の検出データの和を1列毎に算出し、その検出データの和を操作面の横方向の順番に配列したものである。縦方向のプロファイルデータは、操作面の横方向における一群の検出データの和を1行毎に算出し、その検出データの和を操作面の縦方向の順番に配列したものである。座標演算部28は、この横方向のプロファイルデータと縦方向のプロファイルデータのそれぞれについて、検出データのピークの位置や重心の位置を演算する。この演算により求められた横方向の位置と縦方向の位置が、操作面上において物体が接触若しくは近接した座標を表す。座標演算部28は、このような演算により求めた座標のデータを、記憶部30の物体座標メモリ38に格納する。また、座標演算部28は、操作面上の座標が求められた物体の数を、記憶部30の物体数メモリ37に格納する。
記憶部30は、処理部20において処理に使用される定数データや変数データを記憶する。処理部20がCPUを含む場合、記憶部30はそのCPUにおいて実行されるプログラムを記憶してもよい。記憶部30は、例えば、DRAMやSRAMなどの揮発性メモリ、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含んで構成される。
インターフェース部40は、入力装置と他の制御装置(入力装置を搭載する情報機器のコントロール用ICなど)との間でデータをやり取りするための回路である。処理部20は、記憶部30に記憶される情報(物体の座標、物体数など)をインターフェース部40から図示しない制御装置へ出力する。
処理部20のタイミング制御部21は、操作面の全面に分布する複数の検出位置において検出データが得られるようにセンサ部10を制御する。センサ部10のセンサ駆動回路14は、タイミング制御部21の制御に従って、センサマトリクス11の複数の駆動電極を順番に選択し、パルス電圧を印加する。静電容量−電圧変換回路13は、一の駆動電極が選択されて駆動される度に、センサマトリクス11の複数の検出電極を順番に選択して、駆動電極と検出電極との交差点における容量性センサ素子12の静電容量に応じた電圧を有する検出信号を出力する。センサ部10は、静電容量−電圧変換回路13から順次に出力される検出信号をデジタル信号に変換し、検出データとして処理部20に出力する。処理部20の2次元データ生成部22は、センサ部10から順次に出力される検出データを、記憶部30の現在値メモリ31に行列形式で格納する。
2次元データ生成部22は、操作面の全面の検出データが行列形式の2次元データとして現在値メモリ31に格納されると、その現在値メモリ31に格納される各検出データと、基準値メモリ32に格納される各検出データ(物体が操作面に接触していないときの検出データ)との差を、相互に対応する検出データ(操作面の同じ位置の検出データ)についてそれぞれ演算する。この演算によって得られる検出データは、物体が未接触の状態からの変化量を示す。2次元データ生成部22は、この変化量を示す検出データからなる2次元データを記憶部30の2次元データメモリ33に格納する。
データ変換部25は、2次元データメモリ33に格納された2次元データに含まれる各検出データをオンデータ又はオフデータにそれぞれ変換し、その変換結果を2次元データメモリ34に格納する。図3は、データ変換部25において2次元データの各検出データをオンデータ又はオフデータに変換する例を示す図である。図3Aは変換前の2次元データを示し、図3Bは変換後の2次元データを示す。図3の例では、しきい値「50」より大きい検出データがオンデータ(値「1」)、これより小さい検出データがオフデータ(値「0」)に変換されている。
領域特定部27は、2次元データメモリ34に記憶される2次元データの各データを操作面の端から順に取得し(ST115)、オンデータか否かを判定する(ST120)。取得したデータがオンデータの場合、領域特定部27は、後述するステップST130〜ST150の処理を行う。図4は、領域特定部27において2次元データ中のオンデータを検索する処理の一例を示す図である。図4の例では、操作面の左端から右端へ向かって順番に列が選択され、選択された列の上から下へ向かって順番にオンデータの検索が行われており、座標(X1,Y3)の位置に最初のオンデータが見つかっている。
ステップST115,120の検索によって2次元データからオンデータが見つかると、領域特定部27は、そのオンデータを開始点として、オンデータの集合領域の輪郭を追跡する処理を行う。
領域特定部27は、ステップST115,120の検索によって見つかったオンデータの座標を、輪郭追跡の開始点の座標として開始点メモリ36に格納する(ST200)。また、領域特定部27は、この開始点を最初の探索点として設定するとともに(ST210)、その探索点から次の探索点候補の位置を指示する探索方向を、図6によって定義された「0」の方向(右斜め上の方向)に設定する(ST210)。
探索点を「0」の探索方向へ移動したため、領域特定部27は、「0」の方向に向かって左側にあたる「6」の方向を新たな探索方向とする。領域特定部27は、この「6」の方向から時計周りに探索方向を回転させながら、オンデータを探索する。この探索によって最初に見つかるオンデータは「1」の方向にあるため、領域特定部27は、探索点を「1」の方向に移動する。これにより、新たな探索点は座標(X3,Y2)に移動する(図7C)。
探索点を「1」の探索方向へ移動したため、領域特定部27は、「1」の方向に向かって左側にあたる「7」の方向を新たな探索方向とする。領域特定部27は、この「7」の方向から時計周りに探索方向を回転させながら、オンデータを探索する。この探索によって最初に見つかるオンデータは「3」の方向にあるため、領域特定部27は、探索点を「3」の方向に移動する。これにより、新たな探索点は座標(X3,Y3)に移動する(図7D)。
探索点を「3」の探索方向へ移動したため、領域特定部27は、「3」の方向に向かって左側にあたる「1」の方向を新たな探索方向とする。領域特定部27は、この「1」の方向から時計周りに探索方向を回転させながら、オンデータを探索する。この探索によって最初に見つかるオンデータは「4」の方向にあるため、領域特定部27は、探索点を「4」の方向に移動する。これにより、新たな探索点は座標(X2,Y4)に移動する(図7E)。
探索点を「4」の探索方向へ移動したため、領域特定部27は、「4」の方向に向かって左側にあたる「2」の方向を新たな探索方向とする。領域特定部27は、この「2」の方向から時計周りに探索方向を回転させながら、オンデータを探索する。この探索によって最初に見つかるオンデータは「6」の方向にあるため、領域特定部27は、探索点を「6」の方向に移動する。これにより、新たな探索点は座標(X1,Y3)の開始点に移動する。
探索点を「6」の探索方向へ移動したため、領域特定部27は、「6」の方向に向かって左側にあたる「4」の方向を新たな探索方向とするが、この探索方向におけるデータはオフデータとなっている。探索点が開始点と等しくなり、かつ、探索方向を「4」としているため、領域特定部27は輪郭追跡の処理を終了する。
以上が、図2のフローチャートにおける輪郭追跡処理(ST130)の説明である。
輪郭追跡が終了すると、次に領域特定部27は、輪郭の内側の領域を埋める処理を行う。すなわち、領域特定部27は、領域情報メモリ35に格納した2次元データにおいて輪郭の内側の点を検索し、検索した点を「1」に設定する。図8は、図7に示す輪郭追跡によって求められた輪郭の内側を埋める処理を示す図である。図7に示す輪郭追跡によって、座標(X2,Y3)を取り囲む輪郭が求められた場合(図8A)、領域特定部27は、座標(X2,Y3)のデータを「1」に設定する(図8B)。このように、輪郭の内側を輪郭と同じ値のデータで埋めることにより、領域情報メモリ35の2次元データは、一の物体が接触若しくは近接した一纏まりの領域を特定するデータとなる。
領域特定部27によって一の物体が接触若しくは近接した領域が特定され、その領域を示す2次元データが領域情報メモリ35に格納されると、座標演算部28は、領域情報メモリ35に格納された当該2次元データに基づいて、物体が接触若しくは近接した操作面上の座標を演算する。例えば、座標演算部28は、領域情報メモリ35に格納された2次元データが示す領域の横方向のプロファイルデータと縦方向のプロファイルデータを作成し、それぞれのプロファイルデータについて検出データのピークの位置や重心の位置を算出し、横方向と縦方向の位置を示す座標を求める。領域特定部27は、演算により求めた座標の情報を物体座標メモリ38に格納する。
座標演算部28は、物体の位置を示す座標を算出すると、物体数メモリ37に格納される物体数の値に1を加える。
領域特定部27においてオンデータの集合領域の輪郭追跡が行われると、2次元データ更新部26は、2次元データメモリ34に記憶される2次元データにおいて当該輪郭追跡された集合領域に属するオンデータをオフデータに更新する。例えば2次元データ更新部26は、領域情報メモリ35に格納された2次元データが表す領域と同じ領域を2次元データメモリ34に記憶される2次元データから検索し、検索したデータを全てオフデータに書き換える。図9は、図7に示す輪郭追跡がなされた集合領域中のオンデータをオフデータに更新する処理を示す図である。図9Aは2次元データメモリ34に記憶される2次元データを示し、図9Bは領域情報メモリ35に示す2次元データを示し、図9Cは2次元データ更新部26により更新された後の2次元データを示す。
このように、輪郭追跡が行われた集合領域のオンデータをオフデータに更新することによって、操作面に複数の物体が接触若しくは近接した場合でも、各物体の接触領域若しくは近接領域を輪郭追跡によって特定することが可能となる。
2次元データメモリ34の2次元データから取得したデータがオフデータであるとステップST120において判定した場合、又は、当該2次元データから取得したデータがオンデータであると判定したためステップST130〜ST150の処理を実行した場合、領域特定部27は、まだオンデータであるか否かの判定(ステップST120)を行っていないデータが当該2次元データに残っていれば、ステップST115に戻って、当該2次元データから未判定のデータを順に取得し、ステップST120の判定を行う。その判定においてオンデータを見つけた場合、領域特定部27は、上記と同様にステップST130〜150の処理を実行する。当該2次元データの全てのデータについてステップST120の判定を行った場合、領域特定部27は、当該2次元データについての処理を終了する。
従って、2次元データのうちの一部分(オンデータの集合領域の輪郭周辺)に絞って接触(近接)領域を特定するための処理が行われるため、2次元データの全面に渡って繰り返し処理を行う従来の方法に比べて、処理に必要なメモリ容量を削減できるとともに、演算の負荷を小さくすることができる。
従って、操作面に複数の物体が同時に接触若しくは近接した場合でも、各物体の接触領域若しくは近接領域を的確に特定することができる。また、2次元データメモリ34に格納する2次元データ(オンデータ又はオフデータへ変換した後の2次元データ)の一部を書き換えながら、各物体の接触領域若しくは近接領域を特定しているため、処理に必要なメモリ容量を抑えることができるとともに、演算の負荷を小さくすることができる。
図11に示すフローチャートにおけるステップST300〜ST365は、図5に示すフローチャートにおけるステップST200〜ST265にそれぞれ対応しており、ほぼ同様の処理を行う。
探索点を「0(右)」の探索方向へ移動したため、領域特定部27は、「0(右)」の方向に向かって左側にあたる「3(上)」の方向を新たな探索方向とする。領域特定部27は、この「3(上)」の方向から時計周りに探索方向を回転させながら、オンデータを探索する。この探索によって最初に見つかるオンデータは「1(下)」の方向にあるため、領域特定部27は、探索点を「1(下)」の方向に移動する。これにより、新たな探索点は座標(X3,Y3)に移動する(図13C)。
探索点を「1(下)」の探索方向へ移動したため、領域特定部27は、「1(下)」の方向に向かって左側にあたる「0(右)」の方向を新たな探索方向とする。領域特定部27は、この「0(右)」の方向から時計周りに探索方向を回転させながら、オンデータを探索する。この探索によって最初に見つかるオンデータは「2(左)」の方向にあるため、領域特定部27は、探索点を「2(左)」の方向に移動する。これにより、新たな探索点は座標(X2,Y3)に移動する(図13D)。
以下、同様にして、探索点を「1(下)」,「3(上)」,「2(左)」,「0(右)」,「3(上)」に移動させ、元の開始点の座標(X2,Y2)に戻る(図13D〜図13H)。探索点を「3(上)」の探索方向へ移動して開始点に戻ったため、領域特定部27は、「3(上)」の方向に向かって左側にあたる「2(左)」の方向を新たな探索方向とするが、この探索方向におけるデータはオフデータとなっている。探索点が開始点と等しくなり、かつ、探索方向を「2(左)」としているため、領域特定部27は輪郭追跡の処理を終了する。
ステップST340にて探索方向が「2(左)」であれば、図12に示すオンデータの検索経過から分かるように、開始点から見て「2(左)」〜「3(上)」の方向は全てオフデータになっているので、探索方向を時計回りに変更しても、これらの方向ではオンデータを見つけることができないのは明らかである。よって、この場合は集合領域の輪郭追跡が完了したと判断して、処理を終了する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係る入力装置は、上述した図1に示す入力装置と同様な構成を有しているが、領域特定部27における領域特定の処理に関して、図1に示す入力装置と異なっている。
例えば図15Bに示す変換後の2次元データを第1の実施形態に係る入力装置において輪郭追跡した場合、図15Bの太線の枠で囲まれた領域の全体が、一の物体に対応する領域として特定される。しかしながら、図15Aに示す2次元データの数値を詳しく見ると、この領域には3つのピークを示す座標(X3,Y3)、(X6,Y3)、(X3,Y6)が存在していることが分かる。このピークの中間部分は、オンデータとして判定されてはいるものの、検出データの値が低下した谷の領域となっている。このような谷の領域を持つ検出データのパターンは、複数の物体が互いに近づいた状態で操作面と接触(近接)している場合における、物体と物体との隙間に生じ易い。従って、領域特定部27は、探索方向に上記のような物体と物体との隙間があるか否かを調べるために、その探索方向のライン上に並んだ一群の検出データに基づいた評価値を算出する。
図16Aは探索方向が「0(右)」の場合を示し、図16Bは探索方向が「1(下)」の場合を示し、図16Cは探索方向が「2(下)」の場合を示し、図16Dは探索方向が「3(上)」の場合を示す。
図16の例において、探索点及び次の探索点候補に対応する検出データに乗ぜられる係数K1は「1」であり、探索方向点及び逆探索方向点に対応する検出データに乗ぜられる係数K2は「−1」である。
このように、1つの検出データだけでなく、これに隣接する一群の検出データの傾向から、輪郭追跡における探索方向に物体と物体との隙間が存在するか否か判定され、隙間を超えて輪郭追跡が行われないようにしているため、複数の物体が近づいた状態で操作面に同時に接触若しくは近接している場合でも、各物体の接触領域若しくは近接領域を的確に特定することができる。
ステップST115(図2)において、領域特定部27は、2次元データメモリ33に記憶される2次元データの各検出データを、操作面の端から順番に取得する。次いでステップST120において、領域特定部27は、取得した検出データがオンデータであるか否かをしきい値との比較に基づいて判定し、オンデータであると判定した場合はステップST130へ移行し、オフデータであると判定した場合はステップST125へ移行する。
また、図2のフローチャートのステップST150において、2次元データ更新部26は、2次元データメモリ33に格納される2次元データにおいて輪郭追跡が行われた集合領域に属する検出データを、領域特定部27においてオフデータと判定される値に更新する。
更に、図5に示すフローチャートにおけるステップST220(図11,図14に示すフローチャートにおけるステップST320も同様)において、領域特定部27は、2次元データメモリ33に記憶される2次元データから、探索方向の検出データを取得する。次いで、ステップST225(ステップST325)において、領域特定部27は、取得した検出データがオンデータであるか否かをしきい値との比較に基づいて判定し、オンデータであると判定した場合はステップST260(ステップST360)へ移行し、オフデータであると判定した場合はステップST230(ステップST330)へ移行する。
Claims (9)
- 操作面への物体の接触若しくは近接に応じた情報を入力する入力装置であって、
前記操作面上に分布する複数の検出位置において物体の接触若しくは近接の状態をそれぞれ検出するセンサ部と、
前記センサ部の検出結果に基づいて、前記操作面の複数の位置における物体の接触若しくは近接の状態を示す複数の検出データからなる2次元データを生成する2次元データ生成部と、
前記2次元データに含まれる複数の検出データを、物体の接触若しくは近接が有ることを示すオンデータ又は物体の接触若しくは近接が無いことを示すオフデータにそれぞれ変換するデータ変換部と、
前記変換された2次元データの各データを前記操作面の端から順に取得して前記オンデータか否か判定し、取得したデータがオンデータの場合、当該取得したデータを開始点として、前記オンデータが隣接して集合した集合領域の輪郭を、前記開始点から出発して前記開始点に戻るまで順に追跡し、当該輪郭の追跡の結果に基づいて、一の物体が前記操作面に接触若しくは近接した領域を特定する領域特定部とを有し、
前記領域特定部は、前記集合領域の輪郭を形成する輪郭点を前記開始点から順に探索する処理において、前記探索により見つかった輪郭点を探索点として設定し、前記探索点から見た次の探索点候補の位置を指示する探索方向を設定した場合、前記探索点、前記次の探索点候補、前記次の探索点候補から見て前記探索方向に隣接する少なくとも1つの探索方向点、及び、前記探索点から見て前記探索方向と逆方向に隣接する少なくとも1つの逆探索方向点に対応する前記検出データを前記2次元データ生成部において生成された2次元データからそれぞれ取得し、当該取得した一群の検出データに基づいて、前記探索点及び前記次の探索点候補における物体の接触若しくは近接の度合いと、前記探索方向点及び前記逆探索方向点における物体の接触若しくは近接の度合いとの大小関係を示す評価値を算出し、当該算出した評価値に応じて、前記次の探索点候補を探索点に設定可能か否か判定する
ことを特徴とする入力装置。 - 前記領域特定部において前記集合領域の輪郭追跡が行われる度に、前記変換された2次元データにおいて当該輪郭追跡された集合領域に属するオンデータを前記オフデータに更新する2次元データ更新部を有し、
前記領域特定部は、前記2次元データ更新部による2次元データの前記更新が行われたときに、前記変換された2次元データの中で未だ前記オンデータか否かを判定していないデータが存在するならば、当該未判定のデータを順に取得して前記判定を行い、取得したデータがオンデータの場合、当該取得したデータを新たな開始点として前記輪郭追跡を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。 - 操作面への物体の接触若しくは近接に応じた情報を入力する入力装置であって、
前記操作面上に分布する複数の検出位置において物体の接触若しくは近接の状態をそれぞれ検出するセンサ部と、
前記センサ部の検出結果に基づいて、前記操作面の複数の位置における物体の接触若しくは近接の状態を示す複数の検出データからなる2次元データを生成する2次元データ生成部と、
前記2次元データの各検出データを前記操作面の端から順に取得して、物体の接触若しくは近接を示すか否か判定し、取得した検出データが物体の接触若しくは近接を示す場合、当該取得した検出データを開始点として、物体の接触若しくは近接を示す検出データが隣接して集合した集合領域の輪郭を、前記開始点から出発して前記開始点に戻るまで順に追跡し、当該輪郭の追跡の結果に基づいて、一の物体が前記操作面に接触若しくは近接した領域を特定する領域特定部とを有し、
前記領域特定部は、前記集合領域の輪郭を形成する輪郭点を前記開始点から順に探索する処理において、前記探索により見つかった輪郭点を探索点として設定し、前記探索点から見た次の探索点候補の位置を指示する探索方向を設定した場合、前記探索点、前記次の探索点候補、前記次の探索点候補から見て前記探索方向に隣接する少なくとも1つの探索方向点、及び、前記探索点から見て前記探索方向と逆方向に隣接する少なくとも1つの逆探索方向点に対応する前記検出データを前記2次元データ生成部において生成された2次元データからそれぞれ取得し、当該取得した一群の検出データに基づいて、前記探索点及び前記次の探索点候補における物体の接触若しくは近接の度合いと、前記探索方向点及び前記逆探索方向点における物体の接触若しくは近接の度合いとの大小関係を示す評価値を算出し、当該算出した評価値に応じて、前記次の探索点候補を探索点に設定可能か否か判定する
ことを特徴とする入力装置。 - 前記領域特定部において前記集合領域の輪郭追跡が行われる度に、前記2次元データにおいて当該輪郭追跡された集合領域に属する検出データの値を、前記領域特定部の前記判定において物体の接触若しくは近接が無いと判定される値に更新する2次元データ更新部を有し、
前記領域特定部は、前記2次元データ更新部によって前記2次元データが更新されたときに、前記2次元データの中で未だ前記判定が行われていない検出データが存在するならば、当該未判定の検出データを順に取得して前記判定を行い、取得した検出データが物体の接触若しくは近接を示す場合、当該取得した検出データを新たな開始点として前記輪郭の追跡を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の入力装置。 - 前記領域特定部は、前記探索点及び前記次の探索点候補に対応する前記検出データにそれぞれ第1係数を乗じて得た値と、前記探索方向点及び前記逆探索方向点に対応する前記検出データに前記第1係数と反対の符号を持つ第2係数をそれぞれ乗じて得た値とを足し合わせることにより前記評価値を算出する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の入力装置。 - 操作面への物体の接触若しくは近接に応じた情報を入力する入力装置において行われる情報入力方法であって、
前記操作面上に分布する複数の検出位置において物体の接触若しくは近接の状態をそれぞれ検出するステップと、
前記複数の検出位置における前記検出の結果に基づいて、前記操作面の複数の位置における物体の接触若しくは近接の状態を示す複数の検出データからなる2次元データを生成するステップと、
前記2次元データに含まれる複数の検出データを、物体の接触若しくは近接が有ることを示すオンデータ又は物体の接触若しくは近接が無いことを示すオフデータにそれぞれ変換するステップと、
前記変換された2次元データの各データを前記操作面の端から順に取得して前記オンデータか否かを判定するステップと、
前記判定を行うステップにおいて前記2次元データから取得したデータがオンデータであると判定した場合、当該取得したデータを開始点として、前記オンデータが隣接して集合した集合領域の輪郭を、前記開始点から出発して前記開始点に戻るまで順に追跡し、当該輪郭の追跡の結果に基づいて、一の物体が前記操作面に接触若しくは近接した領域を特定するステップとを有し、
前記領域の特定を行うステップでは、前記集合領域の輪郭を形成する輪郭点を前記開始点から順に探索する処理において、前記探索により見つかった輪郭点を探索点として設定し、前記探索点から見た次の探索点候補の位置を指示する探索方向を設定した場合、前記探索点、前記次の探索点候補、前記次の探索点候補から見て前記探索方向に隣接する少なくとも1つの探索方向点、及び、前記探索点から見て前記探索方向と逆方向に隣接する少なくとも1つの逆探索方向点に対応する前記検出データを前記2次元データ生成部において生成された2次元データからそれぞれ取得し、当該取得した一群の検出データに基づいて、前記探索点及び前記次の探索点候補における物体の接触若しくは近接の度合いと、前記探索方向点及び前記逆探索方向点における物体の接触若しくは近接の度合いとの大小関係を示す評価値を算出し、当該算出した評価値に応じて、前記次の探索点候補を探索点に設定可能か否か判定する
ことを特徴とする情報入力方法。 - 前記領域の特定を行うステップにおいて前記集合領域の輪郭追跡が行われる度に、前記変換された2次元データにおいて当該輪郭追跡された集合領域に属するオンデータを前記オフデータに更新するステップを有し、
前記判定を行うステップでは、前記変換された2次元データの更新を行うステップにおいて当該更新が行われたときに、前記変換された2次元データの中でまだ前記判定を行っていないデータが存在するならば、当該未判定のデータを順に取得して前記判定を行い、
前記領域の特定を行うステップでは、前記判定を行うステップにおいて前記オンデータが見つかる度に、当該見つかったオンデータを新たな開始点として前記輪郭の追跡を行う
ことを特徴とする請求項6に記載の情報入力方法。 - 操作面への物体の接触若しくは近接に応じた情報を入力する入力装置において行われる情報入力方法であって、
前記操作面上に分布する複数の検出位置において物体の接触若しくは近接の状態をそれぞれ検出するステップと、
前記複数の検出位置における前記検出の結果に基づいて、前記操作面の複数の位置における物体の接触若しくは近接の状態を示す複数の検出データからなる2次元データを生成するステップと、
前記2次元データの各検出データを前記操作面の端から順に取得して、物体の接触若しくは近接を示すか否か判定するステップと、
前記判定を行うステップにおいて前記2次元データから取得した検出データが物体の接触若しくは近接を示すと判定した場合、当該取得した検出データを開始点として、物体の接触若しくは近接を示す検出データが隣接して集合した集合領域の輪郭を、前記開始点から出発して前記開始点に戻るまで順に追跡し、当該輪郭の追跡の結果に基づいて、一の物体が前記操作面に接触若しくは近接した領域を特定するステップとを有し、
前記領域の特定を行うステップでは、前記集合領域の輪郭を形成する輪郭点を前記開始点から順に探索する処理において、前記探索により見つかった輪郭点を探索点として設定し、前記探索点から見た次の探索点候補の位置を指示する探索方向を設定した場合、前記探索点、前記次の探索点候補、前記次の探索点候補から見て前記探索方向に隣接する少なくとも1つの探索方向点、及び、前記探索点から見て前記探索方向と逆方向に隣接する少なくとも1つの逆探索方向点に対応する前記検出データを前記2次元データ生成部において生成された2次元データからそれぞれ取得し、当該取得した一群の検出データに基づいて、前記探索点及び前記次の探索点候補における物体の接触若しくは近接の度合いと、前記探索方向点及び前記逆探索方向点における物体の接触若しくは近接の度合いとの大小関係を示す評価値を算出し、当該算出した評価値に応じて、前記次の探索点候補を探索点に設定可能か否か判定する
ことを特徴とする情報入力方法。 - 前記領域の特定を行うステップにおいて前記集合領域の輪郭追跡が行われる度に、前記2次元データにおいて当該輪郭追跡された集合領域に属する検出データの値を、前記判定のステップにおいて物体の接触若しくは近接が無いと判定される値に更新するステップを有し、
前記判定を行うステップでは、前記2次元データの更新を行うステップにおいて前記2次元データが更新されたときに、前記2次元データの中で未だ前記判定が行われていない検出データが存在するならば、当該未判定の検出データを順に取得して前記判定を行い、
前記領域の特定を行うステップでは、前記判定を行うステップにおいて物体の接触若しくは近接を示す検出データが見つかる度に、当該見つかった検出データを新たな開始点として前記輪郭の追跡を行う
ことを特徴とする請求項8に記載の情報入力方法。
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