JP6098300B2 - 眼科装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被検眼の徹照像に画像処理を行う眼科装置に関する。
従来から、被検眼眼底へ測定光を投光し、その測定光の眼底反射光で瞳孔内を照明することによって、瞳孔内画像(いわゆる徹照像)を撮影する眼科装置が知られている。撮影された徹照像は、被検眼の中間透光体の混濁状態を確認するために用いられる。中間透光体に混濁が生じている箇所については、混濁によって眼底反射光が遮られるため、徹照像の中でも輝度の低い(即ち、暗い)領域となる。一方、中間透光体に混濁が生じていない箇所は、眼底反射光が遮られないので、徹照像の中でも輝度の高い(即ち、明るい)領域となる。
ところで、徹照像には、被検眼前眼部における測定光の光軸の周囲に、測定光の角膜反射に基づく輝点(即ち、角膜反射像)が生じる場合がある。かかる場合、角膜反射像によって徹照像が隠れてしまうおそれがある。これに対し、特許文献1に記載の眼内観察装置は、角膜反射像の映る位置を互いに異なる位置へずらした2枚の徹照像を撮影する。そして、2枚の徹照像を各々略均等に2分割し、2枚の徹照像からそれぞれ分割された角膜反射像を含まない領域同士を画像処理によって繋ぎ合わせる。これによって、角膜反射像の無い徹照像が生成される。
特開平9−173292号公報
しかしながら、被検眼の中間透光体は、測定光の光軸に近い部位ほど多くの光量で照明される。角膜反射像は測定光の光軸の周囲に生じるので、特許文献1記載の眼内観察装置のように、角膜反射像を含まないように徹照像を分割すると、分割された領域には、照明光量の多い光軸近くの部位が含まれない。このため、分割された領域同士を繋ぎ合わせた徹照像において、中間透光体に混濁の無い部位の輝度が低く、中間透光体の混濁した部位と、混濁の無い部位とのコントラスト比が低くなってしまうという問題点があった。かかる場合、例えば、中間透光体の混濁した部位を、混濁の無い部位と区別しにくくなってしまうおそれがある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、角膜反射像による影響が抑制され、且つ、中間透光体の混濁した部位と混濁の無い部位とのコントラスト比の高い徹照像を生成できる眼科装置を提供することを目的としている。
本発明の第1態様に係る眼科装置は、被検眼眼底に向けて測定光を投光し、その測定光の眼底反射光による徹照像を撮像素子で撮像する撮像光学系と、前記撮像光学系から投光される測定光の光軸を、被検眼の角膜頂点から離れた位置に位置決め可能な位置決め機構と、前記撮像光学系からの測定光の光軸が角膜頂点から離れた互いに異なる2以上の位置に前記位置決め機構によって位置決めされる場合の各々で前記撮像光学系によって撮像される複数の徹照像から、各徹照像において前記測定光の光軸近傍の瞳孔内領域を含む画像領域同士を合成して合成徹照像を生成する合成手段と、を備えている。
本発明によれば、角膜反射像による影響が抑制され、且つ、中間透光体の混濁した部位と混濁の無い部位とのコントラスト比の高い徹照像を生成できるという効果がある。
眼科装置の外観を示す外観図である。 眼科装置が有する測定部の光学系および制御系を示した概略構成図である。 眼科装置で撮像される徹照像を模式的に示した模式図である。 CPUによって実行される合成徹照像生成処理の内容を示したフローチャートである。 (a)は、合成徹照像生成処理によって撮影される1枚目の徹照像を示した模式図であり、(b)は、合成徹照像生成処理によって撮影される2枚目の徹照像を示した模式図であり、(c)は、(a)および(b)の徹照像に基づく合成徹照像を示した模式図である。 (a)は、角膜反射像が映り込んでいる徹照像の一例を示した写真であり、(b)は、角膜反射像が映り込まなくなる位置に観察光軸を設定して撮影された徹照像の一例を示した写真である。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態である眼科装置の外観構成を説明する。図1は、眼科装置1の外観を示す外観図である。眼科装置1は、被検眼の徹照像を観察するためのものである。本実施形態において、眼科装置1は、徹照像の観察が可能なオートレフラクトメータであるものとして説明する。眼科装置1は、基台2と、顔支持ユニット4と、移動台6と、駆動機構7と、測定部8と、ジョイスティック9と、モニタ70と、操作部90と、を備える。
基台2の上には、移動台6が支持されている。また、基台2には、顔支持ユニット4が固定されている。顔支持ユニット4は、図1に示すように、被検眼を測定部に対向させた状態で被験者の顔を支持するためのユニットである。
移動台6は、駆動機構7を介して測定部8を支持するものである。移動台6は、駆動機構7および測定部8と共に、基台2上を、左右方向(X方向)及び前後方向(Z方向)に移動可能に構成される。駆動機構7は、測定部8を、少なくとも上下方向(Y方向)に移動させるための機構である。駆動機構7は、測定部8を移動させるために、モータ等を有している。
また、移動台6には、検者からの操作を受け付けるジョイスティック9が設けられている。検者によってジョイスティック9が倒されることによって、測定部8を支持する移動台6が移動される。また、検者によってジョイスティック9の回転ノブ9aが回転操作されることによって、測定部8が、駆動機構7によって上下方向(Y方向)に移動される。このように、眼科装置1は、ジョイスティック9の操作によって、被検眼Eと測定部8とを手動で位置あわせすることができる。ジョイスティック9に設けられたプッシュボタン9bは、モニタ70に表示される徹照像を取り込む場合に操作される。
測定部8には、被検眼Eの観察像を撮影したり、被検眼Eの眼屈折力等を測定するための光学系が格納されている。この光学系の詳細については、図2を参照して後述する。
モニタ70は、測定部8によって撮影された被検眼Eの観察像や、測定部8による被検眼Eの測定結果等の各種情報を表示するディスプレイである。また、操作部90には、眼科装置1の各種設定を行うためのスイッチが複数配置されている。例えば、操作部90には、眼屈折力の測定を行うためのモードと、徹照像の観察を行うためのモードとを切り替る、モード切替スイッチ(図示せず)が配置されている。
次に、図2を参照して、測定部8が有する光学系および制御系について説明する。図2は、眼科装置1が有する測定部8の光学系および制御系を示した概略構成図である。
まず、眼科装置1の光学系について説明する。眼科装置1は、主な光学系として、測定光学系10と、固視標呈示光学系30と、リング指標投影光学系45と、作動距離指標投影光学系46と、観察光学系(撮像光学系)50と、を有している。
測定光学系10は、投影光学系(投光光学系)10aと、受光光学系10bと、を有している。投影光学系10aは、被検眼Eの瞳孔を介して被検眼Eの眼底Efに光束を投影するための光学系である。また、受光光学系10bは、眼底Efから反射された眼底反射光を瞳孔周辺部を介してリング状に取り出し、主に眼屈折力の測定に用いるリング状の眼底反射像を撮像するための光学系である。
投影光学系10aは、測定光学系10の光軸L1上に配置された、測定光源11と、リレーレンズ12と、ホールミラー13と、対物レンズ14と、を含む。
光源11は、被検眼Eの瞳孔中心部を介して眼底Efにスポット状の測定視標を投影するための光源である。光源11は、正視眼の眼底Efと光学的に共役な位置関係となっている。
また、本実施形態において、光源11は、被検眼Eの徹照像を撮影するための照明光源としても用いられる。即ち、光源11から出射された光束(照明光)の眼底反射光によって、被検眼Eの瞳孔内が照明される。
ホールミラー13は、リレーレンズ12を介した光源11からの光束を通過させる開口が設けられている。ホールミラー13は、眼Eの瞳孔と光学的に共役な位置関係となっている。
受光光学系10bは、投影光学系10aのホールミラー13と、対物レンズ14と、が投影光学系10aと共用されている。また、受光光学系10bは、ホールミラー13の反射方向の光軸L2上に配置された、リレーレンズ16と、全反射ミラー17と、全反射ミラー17の反射方向の光軸L2上に配置された受光絞り18と、コリメータレンズ19と、リングレンズ20と、エリアCCD等からなる二次元撮像素子22(以下、「撮像素子22」と称す)と、を含む。
受光絞り18及び撮像素子22は、眼底Efと光学的に共役な位置関係となっている。リングレンズ20は、眼底反射光をリング状に整形するための光学素子である。リングレンズ20は、リング状に形成されたレンズ部と、レンズ部以外の領域に遮光用のコーティングを施した遮光部と、を有している。また、リングレンズ20は、被検眼Eの瞳孔と光学的に共役な位置関係となっている。リングレンズ20を介したリング状の眼底反射光(即ち、二次元パターン像)は、撮像素子22で受光される。撮像素子22は、受光した二次元パターン像の画像情報を、演算制御部100(以下、制御部100と称す)に出力する。これによって、二次元パターン像をモニタ70に表示させたり、二次元パターン像に基づいて被検眼Eの屈折力を算出することが可能となる。
なお、測定光学系10は上記のものに限らず、被検眼眼底Efに向けて測定光を投光する投光光学系と、測定光の眼底Efでの反射によって取得される反射光を受光素子によって受光する受光光学系と、を有する測定光学系であればよい。例えば、眼屈折力測定光学系は、シャックハルトマンセンサーを備えた構成であってもよい。もちろん、他の測定方式の装置が利用されてもよい(例えば、スリットを投影する位相差方式の装置)。
対物レンズ14とホールミラー13との間には、ビームスプリッタ29が配置されている。ビームスプリッタ29は、後述の固視標呈示光学系30からの光束を被検眼Eに導き、被検眼Eの前眼部Ecからの反射光を観察光学系50に導く。また、ビームスプリッタ29は、光源11から出射され、眼底Efで反射された眼底反射光の一部を反射し、観察光学系50へ導くと共に、他の眼底反射光を透過し、受光光学系10bへと導く。なお、詳細は後述するが、光源11による眼底反射光のうち、観察光学系50へ導かれた光束は、徹照像を撮影するために用いられる。
固視標呈示光学系30は、被検眼Eを固視させるための固視光学系である。固視標呈示光学系30は、可視光源31と、固視標を持つ固視標板32と、投光レンズ33と、ビームスプリッタ29と、対物レンズ14と、を含む。可視光源31が点灯されることで、固視標板32が有する固視標が、被検眼Eに呈示される。可視光源31及び固視標板32は、図示しないスライド機構によって、光軸L3方向に移動可能に構成されている。可視光源31及び固視標板32が光軸L3方向に移動されることによって、被検眼Eの雲霧が行われる。
被検眼Eの前眼部の前方には、リング指標投影光学系45と、作動距離指標投影光学系46とが配置されている。リング指標投影光学系45は、被検眼Eの角膜Ecに対してリング指標を投影するための近赤外光を発する光学系である。なお、角膜Ecに投影するリング指標は、角膜形状測定用の指標としても利用できる。また、リング投影光学系45は、被検眼Eの前眼部を照明する前眼部照明としても用いることもできる。一方、作動距離指標投影光学系46は、被検眼Eの角膜Ecに無限遠指標を投影するための近赤外光を発する光学系である。角膜Ecに対する無限遠指標の位置に基づいて、被検眼Eに対する検眼装置1の位置をアライメントすることができる。
観察光学系(撮像光学系)50は、対物レンズ14と、ビームスプリッタ29と、が固視標呈示光学系30と共用され、ハーフミラー35と、撮像レンズ51と、二次元撮像素子52と、を含む。二次元撮像素子52は、被検眼Eの前眼部と略共役な位置に配置された撮像面を持つ。この二次元撮像素子52によって、被検眼Eの前眼部画像が撮像される。前眼部画像の一種である徹照像も、二次元撮像素子52によって撮像される。二次元撮像素子52からの出力は、制御部100に入力され、その結果、二次元撮像素子52によって撮像される被検眼Eの前眼部像が、モニタ70上に表示される。なお、本実施形態では、観察光学系50が、作動距離指標投影光学系46によって被検眼Eの角膜に形成されるアライメント指標像を検出する光学系を兼ねている。二次元撮像素子52によるアライメント指標像の撮像結果に基づいてアライメント指標像の位置が検出される。
次に、検眼装置1の制御系について説明する。検眼装置1は、主な制御系として、制御部100を有している。制御部100は、検眼装置1の各部の制御処理と、測定結果の演算処理とを行う電子回路を有する処理装置である。制御部100は、光源11,31、二次元撮像素子22,52、移動台6および駆動機構7、ジョイスティック9、モニタ70、操作部90、フラッシュメモリ105のそれぞれに電気的に接続されている。
制御部100は、CPU101と、ROM102と、RAM103とを備えている。CPU101は、眼科装置1に関する各種の処理を実行するための処理装置である。ROM102は、CPU101が眼科装置1の各種制御を行うための制御プログラムおよび固定データが格納された、不揮発性の記憶装置である。
RAM103は、書き換え可能な揮発性の記憶装置である。RAM103には、例えば、眼科装置1による被検眼Eの測定および撮影に用いる一時データが格納される。
また、フラッシュメモリ105は、書き換え可能な不揮発性の記憶装置である。フラッシュメモリ105には、眼科装置1によって徹照像を観察するための合成徹照像生成処理(図4参照)を、制御部100に実行させるためのプログラムが少なくとも格納されている。
<眼屈折力測定モード>
以上のような構成を備える装置の測定動作について説明する。まず、被検者の顔を顔支持ユニット4に固定させ、検者から被験者に対して固視標板32の固視標を固視するよう指示する。その後、被検眼Eに対するアライメントを行う。
制御部100は、測定開始信号の入力に基づき光源11を点灯させる。光源11から出射された測定光は、リレーレンズ12から対物レンズ14までを介して眼底Efに投影され、眼底Ef上でスポット状の点光源像を形成する。
眼底Ef上に形成された点光源像の光は、反射・散乱されて被検眼Eを射出し、対物レンズ14によって集光され、ビームスプリッタ29から全反射ミラー17までを介して受光絞り18の開口上で再び集光され、コリメータレンズ19にて略平行光束(正視眼の場合)とされ、リングレンズ20によってリング状光束として取り出され、リング像(二次元パターン像)として撮像素子22に受光される。
このとき、はじめに眼屈折力の予備測定が行われ、予備測定の結果に基づいて光源31及び固視標板32が光軸L3方向に移動されることによって、被検眼Eに対して雲霧がかけられる。その後、雲霧がかけられた被検眼に対して眼屈折力の測定が行われる。
撮像素子22からの出力信号は、RAM103に画像データ(測定画像)として記憶される。制御部100は、RAM103に記憶された測定画像に基づいて各経線方向にリング像の位置を特定(検出)する。この場合、エッジ検出によってリング像の位置が特定される。なお、リング像の位置の特定は、輝度信号の波形を所定の閾値にて切断し、その切断位置での波形の中間点や、輝度信号の波形のピーク、輝度信号の重心位置などによって求めてもよい。次に、制御部100は、特定されたリング像の像位置に基づいて、最小二乗法等を用いてリング像を楕円に近似する。制御部100は、近似した楕円の形状から各経線方向の屈折誤差を求め、求めた屈折誤差に基づいて被検眼の眼屈折値、S(球面度数)、C(柱面度数)、A(乱視軸角度)の各値を演算する。そして、制御部100は、演算結果をモニタ70へ出力することによって、S(球面度数)、C(柱面度数)、A(乱視軸角度)の各値をモニタ70に表示させる。
<徹照像観察モード>
操作部90のモード切替スイッチの操作に基づいて、眼科装置1の制御が、観察光学系50により徹照像を観察するための徹照像観察モードに移行される。なお、眼屈折力測定モードにおいて、中間透光体に混濁があるかを予備的に判定し、混濁ありとの判定結果が導かれた場合に、制御部100の制御を、自動で徹照像観察モードに移行させるような構成としてもよい。この場合、例えば、撮像素子22で得られた二次元パターン像の輝度分布に基づく公知の方法を用いて、予備的な判定を行えばよい。
操作部90のモード切替スイッチが操作されると、モード切替信号が制御部100に入力される。これによって、眼科装置1の制御が、徹照像観察モードに移行される。徹照像観察モードにおいて、まず、制御部100は、リング指標投影光学系45の光源及び作動距離指標投影光学系46の光源を消灯させ、測定光源11を点灯させる。また、制御部100は、測定光源11の光量を増加させると共に、撮像素子52のゲインを高くする。これによって、眼屈折力測定時に必要な光量では、輝度値が悪くて見過ごされていた混濁部分を、より明確に観察できるようにする。なお、本実施例においては、眼底照明光源の光量及び撮像素子のゲインの両方を変化させる構成としたがこれに限るものではない。例えば、どちらか一方を変化させる構成でもよい。また、本実施例の場合、測定光源11は、眼底照明光源を兼ねているが、別途、徹照像撮影用の光源を設けてもよい。
光源11から眼底Efに向けて出射された光束は、眼底Efにて反射される。眼底反射光は、被検眼Eの水晶体を介して、瞳孔から出射される。このとき、被検眼Eの中間透光体が眼底反射光によって照明される。瞳孔から出射された眼底反射光は、ビームスプリッタ29、ハーフミラー35の各々で反射され、光軸L4上に配置された撮像素子52によって受光される。これにより、徹照像(瞳孔内画像)を含んだ画像が撮像素子52に撮像される。撮像素子52に撮像された画像は、制御部100を介してモニタ70に出力される。これにより、モニタ70に徹照像が表示される。
ここで、図3を参照して、徹照像について説明する。図3は、眼科装置で撮像される徹照像を模式的に示した模式図である。図3に示すように、白内障等による混濁がある部位K(以下、「混濁部位K」と称す)においては、暗い影が確認される。このとき、混濁部位Kにピントが合っておらず、混濁部位Kの影がぼやけている場合がある。かかる場合、検者は、ジョイスティック9を操作して、測定部8をZ方向(前後方向)に移動させる。これによって、混濁部位Kのぼやけ具合を調整することができる。
検者によって、ジョイスティック9のプッシュボタン9bが操作されると、制御部100のCPU101によって、合成徹照像生成処理が実行される。合成徹照像生成処理は、混濁部位と混濁の無い部位とのコントラストが明確で観察しやすい徹照像の静止画像を得るための処理である。
ここで、図4を参照して、合成徹照像生成処理について説明する。図4は、CPU101によって実行される合成徹照像生成処理の内容を示したフローチャートである。合成徹照像生成処理では、観察光軸の位置が異なる2枚の徹照像から、それぞれの徹照像に含まれるコントラストの高い領域が抽出され、それぞれの徹照像から抽出された領域同士が画像処理によって合成される。かかる画像処理によって合成される徹照像を、以下、合成徹照像と称す。なお、以下の説明の中で、図5及び図6を適宜参照する。
まず、CPU101は、RAM103の所定領域(取得枚数カウンタ)を初期化(本実施形態では、0クリア)する(S1)。この取得枚数カウンタは、合成徹照像を構成するために取得(キャプチャ)される徹照像の数を管理するためのカウンタである。
次に、CPU101は、S2,S3,S5のループ処理を実行して、被検眼Eに対する眼科装置1の位置決めを行う。これにより、観察光学系50の観察光軸が角膜頂点から離れた所定の目標位置まで移動される。まず、S2の処理において、取得枚数カウンタの値がCPU101によって判定される。予め、徹照像が一枚も取得されていなければ、取得枚数カウンタには、S1の処理によって0が格納されている。よって、かかる場合は、S3の処理に移行する(S2:「0」)。
S3の処理において、CPU101は、移動台6および駆動装置7へ駆動信号を出力する(S3)。駆動信号が受信された移動台6および駆動装置7によって、目標位置と観察光軸とが近づくように、被検眼Eに対して測定部8が移動される。本実施形態では、図5(a)に示すように、S3の処理における観察光軸の目標位置Axを、左側エッジElから瞳孔中心O側に1mm離れた位置とする。左側エッジElは、瞳孔中心Oを通る水平線上における瞳孔の左側エッジである。このように、本実施形態では、観察光軸の目標位置Axを、瞳孔のエッジ付近にすることで、観察光軸を、瞳孔の中心付近に存在する角膜頂点からずらして配置させる。ここで、瞳孔中心Oの座標、および、瞳孔中心Oを通る水平線上における左右のエッジEl,Erの座標を、例えば、二次元撮像素子52で撮像される徹照像を含む画像のX方向(水平方向)及びY方向(垂直方向)の輝度分布から求めることができる。徹照像はその周囲(例えば、虹彩)よりも輝度が高い。このため、二次元撮像素子52で撮像される画像を、X方向およびY方向の各方向に走査して画素ごとの輝度値を調べることで、各走査線の輝度分布が求められる。各走査線の輝度分布において輝度が立ち上がる位置に、徹照像のX方向またはY方向のエッジが検出される。X方向の各走査線におけるエッジの中央の座標、Y方向の各走査線におけるエッジの中央の座標に基づいて、瞳孔中心OのX座標、Y座標をそれぞれ得ることができる。更に、瞳孔中心Oを通るX方向の走査線の輝度分布から、エッジEl,Erの座標を求めることができる。なお、勿論、上記例示したもの以外の方法によって、瞳孔中心OおよびエッジEl,Erの座標を求めても良い。
S3の処理の実行後は、目標位置Axまで撮影光学系50の観察光軸が移動したかを判定する(S5)。かかる判定は、例えば、観察光軸の位置座標と、S3(又は、後述のS4)の処理で求めた徹照像のエッジEl,Erの座標との差分に基づいて行えばよい。なお、S5の処理において、観察光軸と目標位置Axとが完全一致しているかを判定する必要はなく、観察光軸が角膜頂点から十分離れる範囲で、目標位置Axからの誤差を許容して判定を行ってもよい。S5の処理によって観察光軸が目標位置Axまで移動したと判断されなければ(S5:No)、S2の処理に戻って、S2,S3,S5のループ処理が繰り返し実行される。本実施形態では、かかる処理によって、観察光軸を被検眼Eの動きに追従させつつ、観察光軸を目標位置Axまで移動させる。
ところで、図6(a)に示すように、観察光軸を被検眼Eの中心近傍に位置あわせした状態で徹照像を撮像すると、測定光源11の角膜反射によって、徹照像に輝点(角膜反射像)が映りこみやすい。この角膜反射像によって、例えば、混濁部位Kが隠れてしまうおそれがある。また、検者が、混濁部位Kと角膜反射像とを間違えてしまうおそれがある。これに対し、眼科装置1によれば、S2からS5の処理を実行して、観察光軸を角膜頂点から離すことによって、角膜反射光の少なくとも一部を、観察光軸とは異なる向きに向けさせることができる。よって、角膜反射像を徹照像に映りこみ難くすることができる。従って、角膜反射像の影響を低減し、観察し易い徹照像を得ることができる。
図4に戻って説明を続ける。次に、S5の処理によって、観察光軸が目標位置Axまで移動したと判定された場合は(S5:Yes)、かかる場合に二次元受光素子52に撮像される徹照像を、RAM103の所定領域に記憶させることによって取得する(S6)。また、S6の処理に伴って、取得枚数カウンタを1加算する(S7)。
S6の処理によって取得された徹照像から、徹照像の左側領域Pの画像データを抽出する(S8)。ここで、図5(a)に示すように、左側領域Pは、瞳孔中心Oを通る垂直線と、その垂直線から観察光軸側(即ち、この場合は左側)に所定距離離れた平行線との間の画像領域である。S8の処理では、CPU101は、S6の処理によってRAM103に記憶された徹照像の画像データの中で左側領域Pに対応するデータを、RAM103の所定領域に転送させる。これにより、観察光軸近傍の(本実施形態では、観察光軸の位置する)瞳孔内領域を含む画像データが抽出される。観察光軸に近いほど眼底反射光の光量が多いので、瞳孔内では観察光軸に近い領域ほど多くの光量で照明される。故に、徹照像では、観察光軸に近いほど、混濁の無い部位の輝度が高く、混濁の無い部位と混濁部位Kとのコントラストが明確になる。従って、S8の処理が実行されることで、S6の処理によって撮影された徹照像の中でもコントラストの高い画像領域が抽出される。
なお、本発明の各実施形態において、「観察光軸近傍」の瞳孔内領域は、瞳孔内に観察光軸が位置する場合は少なくとも観察光軸の位置を含む瞳孔内領域、瞳孔の外に観察光軸の位置する場合は瞳孔内において観察光軸から基も近くに位置する領域を含む瞳孔内領域として定義される。
S8の処理の実行後は、CPU101は、RAM103の取得枚数カウンタの値を判定する(S9)。これにより、観察光軸の位置が互いに異なる2枚の徹照像のそれぞれから画像領域の一部が抽出されているか判定される。取得枚数カウンタの値が「2」であれば(S9:「2」)、2枚の徹照像のそれぞれから画像領域が抽出されている。かかる場合は、S10の処理へ移行する。一方、取得枚数カウンタの値が「1」であれば(S9:「1」)、1枚の徹照像からしか画像領域が抽出されていない。この場合は、S4の処理に移行する。
S4の処理に移行後、S4,S5,S2のループ処理を繰り返し実行する。これにより、被検眼Eに対して測定部8を移動させて、撮影光学系50の観察光軸を、先に撮影された徹照像とは異なる目標位置Ax´に配置させる。S4の処理では、前述のS3の処理と同様に、CPU101が移動台6及び駆動機構7に対して駆動信号を出力する。但し、図5(b)に示すように、S3の処理とは違い、S4の処理では、観察光軸の目標位置Ax´を、瞳孔中心Oを通る水平線上にて、瞳孔の右側エッジErから中心O側に1mm離れた位置とする。続くS5の処理によって、観察光軸が目標位置Ax´まで移動したと判定されなければ(S5:「No」)、S2の処理に移行する。S2の処理においては、取得枚数カウンタの値には1が格納されていると判定される(S2:「1」)。このため、S5の処理によって、撮影光軸が目標位置Ax´にまで移動したと判定されるまで、S2,S4,S5の処理が繰り返し実行される。
S5の処理によって、観察光軸が目標位置Ax´まで移動したと判定された場合は(S5:Yes)、二次元受光素子52に撮像される徹照像を、RAM103に取得させると共に(S6)、取得枚数カウンタを1加算する(S7)。そしてS8の処理を実行し、S6の処理によって取得された徹照像の右側領域Qの画像データを抽出し、RAM103へ記憶させる(S8)。抽出される右側領域Qは、徹照像の中心Oを通る垂直線と、その垂直線から観察光軸側(即ち、この場合は右側)に所定距離離れた平行線との間の画像領域である。図5(b)に示すように、S8の処理によって抽出される右側領域Qには、観察光軸近傍の(本実施形態では、観察光軸の位置する)瞳孔内領域が含まれる。なお、S8の処理では、右側領域Qの画像データと、前述の左側領域Pの画像データとを、取得枚数カウンタの値に応じて、RAM103内の異なる領域に記憶させる。つまり、左側領域Pのデータと、右側領域Qのデータとが、RAM103において一緒に記憶される。
次に、S9の処理では、取得枚数カウンタの値は「2」であると判定され(S9:「2」)、S10の処理に移行する。S10の処理では、RAM103に記憶された左側領域Qおよび右側領域Pの画像データを合成する。まず、各々の徹照像における瞳孔中心の座標(即ち、点Oの座標)が、所定の基準位置の座標に変換されるように、RAM103に記憶される左側領域Pおよび右側領域Qの画像データにおける座標データをそれぞれ補正する。そして、座標データの補正された画像データを組み合わせる処理を行う。これによって、図5(c)に示すように、観察光軸の位置が互いに異なる徹照像からそれぞれ抽出された右側領域Pと左側領域Qとを繋ぎ合せた合成徹照像が生成される。
S10の処理で生成された合成徹照像は、本実施形態では、制御部100の処理によって、モニタ70やプリンタ等に出力される。なお、本発明においては、プッシュボタン12bの操作によって、角膜頂点から観察光軸をずらした徹照像の撮影と、徹照像の合成とが自動的に行われる場合について説明したが、これらを手動で行うようにしてもよい。
以上説明したように、合成徹照像生成処理では、観察光軸の位置が異なる2枚の徹照像からそれぞれ抽出された画像領域を互いに繋ぎ合わせる画像処理によって合成徹照像が生成される。合成徹照像の基となる各々の徹照像は、観察光軸の位置が角膜頂点からずらされて撮影された徹照像なので、それぞれ、角膜反射の影響が低減されている。よって、合成徹照像も、角膜反射の影響が低減された観察し易い徹照像となる。また、合成徹照像の基となる左右の各画像領域には、それぞれ観察光軸近傍の瞳孔内領域が含まれる。観察光軸に近いほど、混濁部位Kと混濁の無い部位とのコントラストが高い。よって、合成徹照像は、混濁部位Kと混濁の無い部位とのコントラストが全体的に高い徹照像となる。従って、上記の合成徹照像生成処理によって、角膜反射の影響が抑制され、且つ、混濁部位Kと混濁の無い部位とのコントラストが全体的に高い徹照像を得ることができる。
また、本実施形態では、各々の徹照像から抽出する画像領域(即ち、本実施形態では、左側画像領域および右側画像領域)には、観察光軸の位置する瞳孔内領域が含まれる。このため、各々の徹照像において最もコントラストの良好な観察光軸の位置する瞳孔内領域を含む画像領域から合成徹照像が構成される。従って、本実施形態では、一層コントラストの良好な合成徹照像が得られる。
また、各々の徹照像から観察光軸近傍の領域を含む一部の画像領域が抽出されることによって、各々の徹照像の中で混濁の無い部位と混濁部位Kとのコントラストが低い、観察光軸から離れた領域の画像データが取り除かれる。合成徹照像は、各々の徹照像から抽出された画像領域を基にして合成徹照像が生成される。このため、合成徹照像のコントラストに、各々の徹照像に含まれる混濁部位Kと混濁の無い部位とのコントラストの低い画像領域が影響してしまうことを抑制できる。よって、本実施形態では、一層コントラストの良好な合成徹照像が得られる。
なお、上記の説明では、徹照像を撮影する際の観察光軸の目標位置Ax,Ax´を、瞳孔の左側又は右側エッジEl,Erから中心O側に1mm離れた位置として説明したが、かかる目標位置が例示に過ぎないことは勿論である。観察光軸の目標位置は、測定光源11からの光束の少なくとも一部が眼底に照射され、且つ、大方の被検眼において角膜頂点から観察光軸が離れる範囲で設定すればよい。例えば、観察光軸の目標位置を、瞳孔のエッジ付近とするにしても、本実施形態のように、左右のエッジを基準に目標位置を設定する必要は無く、他のエッジから定めても良い。また、瞳孔径が小さい場合は、角膜頂点と観察光軸とが十分に離れていないために、徹照像に強い角膜反射が映ってしまうおそれがある。そこで、観察光軸の目標位置を、徹照像のエッジから中心座標側に例えば0.5mm離れた位置に設定したり、瞳孔の縁または虹彩上に目標位置を設定したりしても良い。当然、観察光軸の目標位置を、徹照像のエッジから中心O側に1mm以上離れた位置に設定することもできる。但し、被検眼Eの観察光軸に近いほど瞳孔内を照明する眼底反射光の光量が多くなり、徹照像における混濁部位Kとそれ以外の部位とのコントラストが高くなるので、S3およびS4における観察光軸の目標位置は、瞳孔内の位置にすることがより望ましい。
また、S3およびS4の処理では、観察光軸の目標位置を、徹照像に角膜反射像が映り込まなくなる位置に設定することがより好ましい。この目標位置は、実験等によって求めればよい。なお、図6(b)に、角膜反射像が映り込まなくなる位置に観察光軸を設定して撮影された徹照像の一例を示す。
また、上記の合成徹照像生成処理では、観察光軸の位置決めを、瞳孔エッジを用いて行う場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、観察光軸の位置決めを行う間は、作動距離指標投影光学系46を点灯させ、作動距離指標投影光学系46を用いて観察光軸の位置決めを行うようにしてもよい。かかる場合は、例えば、作動距離指標投影光学系46によって前眼部に投影される無限遠指標に基づいて観察光軸を瞳孔の略中央に位置あわせし、観察光軸をかかる位置から左右にそれぞれ所定距離(例えば2mm)だけ離れた位置へ順次移動させて各々の徹照像の撮影を行うようにしてもよい。
<混濁判定>
眼科装置1では、上記の合成徹照像生成処理によって生成された合成徹照像に対して画像処理を行い、被検眼Eの中間透光体における混濁の有無、および、混濁の程度を判定する。以下、具体的な判定方法について説明する。
制御部100は、徹照像の外側エッジを検出し、その外側エッジで囲まれる領域の各画素の輝度値を検出していく。制御部100は、検出された輝度値が所定の閾値以下であるか否かを判定することによって、各画素が、混濁部位Kおよび混濁の無い部位のいずれに対応するものかを判定する。なお、この判定に用いられる輝度値の閾値は、検者によって事前に設定できるものであってもよい。制御部100は、画素の輝度値が所定の閾値以下である場合には、その画素が混濁部位Kに対応するものであると判定する。一方、画素の輝度値が所定の閾値より大きい場合には、その画素が混濁の無い部位に対応していると判定する。制御部100は、外側エッジで囲まれた全画素(即ち、徹照像の全画素)に対して、上記の判定処理を行う。そして、例えば、全画素または混濁の無い部位の画素と、混濁部位Kに対応する画素との画素数の比率に応じて、中間透光体における混濁の有無、および、混濁の程度を判定する。なお、このとき、眼科装置1で行われる判定は、中間透光体における混濁の有無、および、混濁の程度に関する判定のうち、一方だけを行ってもよい。
従来、角膜反射像が含まれない徹照像によって被検眼Eを観察するため、眼科装置の観察光軸を角膜頂点からずらして徹照像を撮影していた。このとき、混濁の無い部位の輝度値は、観察光軸の近傍の部位では高いが、観察光軸から離れるほど低くなる。このため、上記のように各部位の輝度値に基づいて混濁に関する判定が行われた場合に、観察光軸から離れた位置にある混濁の無い部位が、混濁部位Kとして判定されてしまうおそれがあった。
これに対し、眼科装置1において混濁に関する判定に用いる合成徹照像は、観察光軸の位置が互いに異なる2枚の徹照像から、各々の徹照像の中でも混濁の無い部位の輝度値が高い観察光軸近傍の瞳孔内領域を含んだ画像領域同士を組み合わせて合成されている。このため、合成徹照像において混濁の無い部位の輝度値は、全体的に高くなる。このため、混濁の無い部位と、混濁部位Kとの輝度値の差が出やすくなるので、混濁に関する判定の正確性を高めることができる。
以上、実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、様々な変形が可能であることは勿論である。
例えば、上記各実施形態では、観察光軸の異なる2つの徹照像から、一部の画像領域をそれぞれ抽出し、抽出した画像領域を繋ぎ合せることで合成徹照像を生成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、観察光軸の異なる2つの徹照像を重ね合わせることによって合成徹照像を生成してもよい。かかる場合は、例えば、合成徹照像の各画素の輝度値を、各徹照像において対応する位置に置かれた画素の輝度値の平均値にする画像処理を行えばよい。これにより、全体的にコントラストの高い合成徹照像を生成できる。かかる場合は、瞳孔の中心座標または瞳孔のエッジを基準にして、2つの徹照像を重ね合わせることができるのは勿論であるが、混濁部位Kの形状を利用して2つの徹照像を重ね合わせてもよい。即ち、それぞれの徹照像に含まれる一部または全部の混濁部位Kの形状が一致するように、各徹照像の画像データの座標データを補正すればよい。混濁部位Kの形状は、例えば、公知のエッジ検出処理によって特定することができる。
また、互いに重複する領域が含まれるように、観察光軸の異なる2つの徹照像から画像領域をそれぞれ抽出し、互いの画像領域を一部重ね合わせて合成徹照像を生成してもよい。かかる場合は、例えば、2つの画像領域が重なる領域については、被検眼Eの同一位置に置かれた画素の輝度値の平均値にする画像処理を行えばよい。
また、上記各実施形態では、観察光軸の位置が互いに異なる2枚の徹照像を基にして合成徹照像を生成する場合について説明したが、観察光軸の位置が互いに異なる3枚以上の徹照像を基にして合成徹照像を生成するように構成してもよい。
また、上記各実施形態では、観察光軸の位置が互いに異なる2枚の徹照像の撮影を、眼科装置1が自動的に行う場合について説明したが、検者が手動で徹照像を撮影するようにしてもよい。例えば、検者によるジョイスティック12の操作に応じて、徹照像の撮影位置を位置決めして、徹照像の撮影を行う。このとき、観察光軸の位置を示す指標と、観察光軸の目標位置を示す指標とを、徹照像と共にモニタに表示させ、検者がかかる視標を見ながら位置決めするように構成すればよい。そして、観察光軸の位置を異ならせて、2回の撮影が行われた場合に、互いの徹照像を合成させる処理が実行されるように構成すればよい。また、この徹照像の合成も、検者によるジョイスティック12又は操作部90の操作に基づいて行うようにしてもよい。
また、上記各実施形態においては、眼科装置1は、眼屈折力測定を行う構成を併せ持つものとして説明したが、本発明を実施するうえで、眼屈折力測定を行うための構成(例えば、受光光学系10bと、視標呈示光学系30と、作動距離指標投影光学系46)は、必ずしも設けなくても良い。また、本発明を、他覚的な眼屈折力測定を行うための眼科装置以外に適用することもできる。例えば、眼軸長測定装置や、角膜形状解析装置等の眼科装置に適用しても良い。なお、角膜形状解析装置に適用する場合は、該装置で被検眼の角膜頂点の位置座標を求め、その位置座標に対して観察光軸をずらして徹照像を撮影することができる。
また、上記各実施形態においては、眼科装置1が有する制御部100において、被検眼Eの徹照像を画像処理によって合成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、眼科装置で撮影された複数の徹照像を汎用のコンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ)に転送し、そのコンピュータで実行される画像処理によって、合成徹照像を生成することもできる。かかる場合、コンピュータのプロセッサによって実行される画像処理プログラムが格納されたフラッシュメモリ等に、上記の合成徹照像生成処理のS10と同様のステップを含むプログラムを記憶させておけばよい。そして、事前に、観察光軸の位置が互いに異なり、かつ、それぞれの徹照像の観察光軸の位置が角膜頂点より離れた位置にある複数の徹照像を、眼科装置からコンピュータに転送する等して、事前にコンピュータに取得させておく。また、各々の徹照像から抽出する画像領域を特定させるための情報、例えば、各々の徹照像に対応する瞳孔内での観察光軸の位置情報を、事前にコンピュータに取得させておく。このように構成したコンピュータにおいても、上記実施形態と同様に、角膜反射の影響が抑制され、且つ、全体的に混濁部位Kと混濁の無い部位とのコントラストが高い徹照像を合成徹照像として生成できる。
6 移動台
7 駆動機構
50 撮像光学系
52 二次元撮像素子
103 RAM
105 フラッシュメモリ
S2〜S5 位置決め制御処理
S8 抽出処理
S10 画像合成処理
E 被検眼

Claims (2)

  1. 被検眼眼底に向けて測定光を投光し、その測定光の眼底反射光による徹照像を撮像素子で撮像する撮像光学系と、
    前記撮像光学系から投光される測定光の光軸を、被検眼の角膜頂点から離れた位置に位置決め可能な位置決め機構と、
    前記撮像光学系からの測定光の光軸が角膜頂点から離れた互いに異なる2以上の位置に前記位置決め機構によって位置決めされる場合の各々で前記撮像光学系によって撮像される複数の徹照像から、各徹照像において前記測定光の光軸近傍の瞳孔内領域を含む画像領域同士を合成して合成徹照像を生成する合成手段と、を備えていることを特徴とする眼科装置。
  2. 前記位置決め機構を制御することによって、前記撮像光学系の測定光の光軸を角膜頂点から離れた互いに異なる2以上の位置に自動で位置決めさせる位置決め制御手段と、
    前記位置決め制御手段の制御によって前記測定光の光軸が角膜頂点から離れた位置に位置決めされている場合に、前記撮像光学系によって撮像される前記徹照像を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、を有し、
    前記合成手段は、前記記憶制御手段によって記憶された前記光軸の位置が互いに異なる複数の前記徹照像に基づいて前記合成徹照像を生成することを特徴とする請求項1記載の眼科装置。
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