JP6097197B2 - 熱量計及び熱量計測方法 - Google Patents

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本発明は、ガスの熱量計測技術に関し、特に、ガスの熱量を連続して精度良く計測することが可能であり、比較的簡単な構造で且つ小型の熱量計等に関する。
従来、都市ガスなどの熱量を計測する目的で種々の熱量計が用いられている。
かかる従来の熱量計には、法定の測定方法であるユンカース式流水形ガス熱量計法、ガスクロマトグラフ法を用いたもの、速応形熱量計(下記特許文献1などに記載)、ガス密度式熱量計、熱伝導率式熱量計(下記特許文献2などに記載)などがある。
また、下記特許文献3には、酸化触媒を用いた計測法について記載されている。当該方法では、熱した触媒にガスを流して触媒燃焼させ、温度変化等から熱量を求める。
特許第4844377号公報 特許第4890874号公報 特表平11−506537号公報
しかしながら、上述したユンカース式流水形ガス熱量計法及びガスクロマトグラフ法では、連続計量が不可能であるという課題がある。
また、上記速応形熱量計では、長時間の使用において測定値がドリフトするという課題があり、また、装置が大型であるという欠点もある。
また、上述したガス密度式熱量計及び熱伝導率式熱量計には、密度及び熱伝導率は空気成分と可燃性ガス成分とで区別ができないため空気成分が混入すると精度が悪くなる、という問題がある。
また、上記特許文献3に記載された方法及び装置では、基準ガスと試料ガスを交互に流す手順が用いられ、また、各ガス用のチャンバーが設けられるなど、測定方法及びそのための装置が比較的複雑であるという課題がある。
そこで、本発明の目的は、ガスの熱量計であって、ガスの熱量を連続して精度良く計測することが可能であり、比較的簡単な構造で且つ小型の熱量計、等を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の一つの側面は、連続して流入するガスの熱量を計測する熱量計が、加熱素子を包含する酸化触媒と、前記酸化触媒の近傍に前記ガスを導くガス導入管と、前記酸化触媒の周囲に設けられる蓄熱部と、前記蓄熱部の温度を計測する温度計測部と、前記加熱素子によって前記酸化触媒が加熱され、前記ガス導入管によってガスが導入された際に、前記温度計測部によって計測された温度に基づいて、前記ガスの熱量を求める演算部と、を有する、ことである。
更に、上記の発明において、一つの態様は、前記演算部は、前記加熱素子に印加された電力量に基づいて前記ガスの熱量を求める、ことを特徴とする。
また、上記の発明において、別の態様は、更に、前記酸化触媒と同仕様の参照酸化触媒と、前記参照酸化触媒の周囲に設けられる参照蓄熱部と、前記参照蓄熱部の温度を計測する参照温度計測部と、を有し、前記演算部は、前記参照温度計測部によって計測された温度に基づいて、前記ガスの熱量を求める、ことを特徴とする。
更に、上記の発明において、その好ましい態様は、更に、前記酸化触媒に包含される加熱素子が第1抵抗器であり、前記参照酸化触媒に包含される加熱素子が第2抵抗器であり、前記第1抵抗器と前記第2抵抗器が直列に接続され、互いに直列に接続される第3抵抗器及び第4抵抗器が前記第1抵抗器及び前記第2抵抗器と並列に接続される電気回路を有し、前記第1抵抗器と前記第2抵抗器の間の出力端子と、前記第3抵抗器と前記第4抵抗器の間の出力端子との間に、電流計が設けられる、ことを特徴とする。
更にまた、上記の発明において、その好ましい態様は、更に、空気を前記酸化触媒に導く空気管を有する、ことを特徴とする。
更に、上記の発明において、一つの態様は、前記空気管の先端が前記酸化触媒の近傍で開口する、ことを特徴とする。
また、上記の発明において、他の態様は、前記空気管の先端が前記ガス導入管の内部で開口する、ことを特徴とする。
また、上記の発明において、一つの態様は、前記酸化触媒が、前記蓄熱部を兼ねる、ことを特徴とする。
更に、上記の発明において、その好ましい態様は、前記酸化触媒は、多孔質体で構成され、前記ガス導入管は、前記加熱素子の近傍まで延びる、ことを特徴とする。
また、上記の発明において、一つの態様は、前記蓄熱部は、熱電素子で構成される、ことを特徴とする。
上記の目的を達成するために、本発明の別の側面は、連続して流入するガスの熱量を計測する熱量計測方法において、加熱素子を包含する酸化触媒と、前記酸化触媒の近傍に前記ガスを導くガス導入管と、前記酸化触媒の周囲に設けられる蓄熱部と、前記蓄熱部の温度を計測する温度計測部と、が設けられ、前記加熱素子によって前記酸化触媒を加熱し、前記ガス導入管によってガスを導入し、前記温度計測部によって計測された温度に基づいて、前記ガスの熱量を求める、ことである。
本発明の更なる目的及び、特徴は、以下に説明する発明の実施の形態から明らかになる。
本発明を適用した熱量計の実施の形態例に係る構成図である。 本熱量計1の第1実施例に係る構成図である。 熱量計1の第3実施例に係る構成図である。 変形形態の説明図である。 変形形態を示した図である。 変形形態の説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、図において、同一又は類似のものには同一の参照番号又は参照記号を付して説明する。
図1は、本発明を適用した熱量計の実施の形態例に係る構成図である。図1に示す熱量計1が本発明を適用した熱量計であり、詳細は後述するが、加熱素子(検知部加熱素子36)を包含した酸化触媒(検知部触媒35)と、当該酸化触媒を囲むように設けられた蓄熱材(検知部蓄熱材33、蓄熱部)が備えられ、加熱素子によって所定の温度に熱せられた酸化触媒の近傍に計測対象であるガスを吹き込んで触媒燃焼させ、その際の蓄熱材の温度などからガスの熱量を計測するものである。当該熱量計1を用いることにより、比較的簡便な装置で連続的なガスの熱量計測が可能となる。
図1では、熱量計1の大括りな機能構成を示している。本実施の形態例では、熱量計1は、都市ガスの工場や家屋への供給管(図中のガス管)に設置されて、供給管に流れるガスの熱量を連続して(随時)計測することを想定している。
ガス流量計測部2は、ガス管から熱量計1に導入されるガスの量を計測する部分である。検知部3は、導入されたガスにより上述した触媒燃焼が行われ、熱量計測のための値が検知される部分であり、参照部4は、ガスを導入せず、熱量計測のためのゼロ点補正を行うための値を計測する部分であり、ガスによる熱量分のみを計測するために参照される部分である。加熱回路部5は、検知部3及び参照部4に設けられる酸化触媒を加熱するための電気回路である。なお、検知部3、参照部4、及び加熱回路部5の具体的な構成(構造)については後述する。
演算部6は、ガス流量計測部2、検知部3及び参照部4で検知された各計測値からガスの熱量を求める部分である。具体的な方法については後述する。なお、当該演算部6は、いわゆるマイクロコンピューター等で構成することができ、図示していないが、CPU、RAM、ROM、ASIC、表示装置、入力装置等を備える。また、外部装置と通信するための通信インターフェースを備えるようにしてもよい。
図2は、本熱量計1の第1実施例に係る構成図である。本熱量計1は、いくつかの実施形態で具現化することができ、まず、第1実施例について図2に基づいて説明する。
図2に示すように、ガス流量計測部2には流量計21が設けられ、ガス管(上記供給管)から熱量計1に導入するガスの流量(例えば、Vリットル/秒)を、熱量の計測中、連続して計測する。計測された流量は演算部6に送信される。
検知部3には、検知部加熱素子36を内部に包含した検知部触媒35が設けられる。検知部触媒35は、例えば球状に固められた酸化触媒であり、Pt系触媒、Pd系触媒などを用いることができる。検知部加熱素子36は電気抵抗(第1抵抗器)であり、後述する加熱回路部5の電気回路(例えば、ホイートストンブリッジ回路)の一部を構成する。当該検知部加熱素子36に電気が印加されることによって検知部触媒35が加熱される。
また、検知部3には、図2に示すように、検知部触媒35を上から囲うように検知部蓄熱材33が設けられている。この検知部蓄熱材33は、検知部触媒35及びその近傍で発生した熱量を間接的に把握するために、当該発生した熱を蓄熱する部分である。この検知部蓄熱材33には、アルミなどの熱伝導率が高い金属材料を用いることが適している。また、検知部蓄熱材33の形状は、中空の半球状、計量枡状など上記発生した熱が伝導しやすい形状とする。また、検知部触媒35の周囲を全て覆うような形状としてもよい。
検知部熱電対34(温度計測部)は、検知部蓄熱材33の温度を計測するものであり、検知部蓄熱材33に設けられ、計測された温度は演算部6に送信される。
ガス導入管31は、流量計21で計測されたガスを検知部触媒35の近傍(周囲)に導入する管であり、当該ガス導入管31によってガス管から分岐したガスが検知部触媒35と検知部蓄熱材33の間の空間に導かれる。当該ガス導入管31の先端は、ガスが検知部触媒35に吹きかけられるような位置にすることが好ましい。
エアー管32(空気管)は、ガスが燃焼するための酸素を供給する空気を吹き込む管であり、ガス導入管31と同様に、その先端が、検知部触媒35と検知部蓄熱材33の隙間に位置するように設けられている。従って、空気が検知部触媒35の周囲に吹き込まれる。なお、図示していないが、エアー管32の上流には送風機などを設けることができる。
次に、参照部4には、図2に示すように、参照部加熱素子46を内部に包含した参照部触媒45(参照酸化触媒)が設けられる。なお、参照部加熱素子46及び参照部触媒45は、検知部加熱素子36及び検知部触媒35と同仕様とする。また、参照部触媒45を上から囲うように参照部蓄熱材43(参照蓄熱部)が設けられており、検知部蓄熱材33と同様の材料及び形状で構成されている。但し、検知部蓄熱材33と同仕様であっても、異仕様であっても問題ない。また、参照部熱電対44(参照温度測定部)が、参照部蓄熱材43に設けられ、参照部蓄熱材43の温度を計測する。計測された温度は演算部6に送信される。
次に、加熱回路部5には、上記検知部加熱素子36及び上記参照部加熱素子46に電流を流して発熱させるための電気回路が設けられている。当該電気回路は、ここでは、一例として、ホイートストンブリッジ回路を構成している。当該電気回路には、図2に示されるように、電源51によって所定の電圧が印加される、ブリッジ回路があり、その一方の経路には、直列に接続される第1抵抗器としての検知部加熱素子36と第2抵抗器としての参照部加熱素子46が設けられ、それとは並列に接続される他方の経路には、第3抵抗器53と第4抵抗器54が直列に接続されている。
これら抵抗器の各抵抗値は、検知部3にガスが導入されていない状態、すなわちガスが燃焼していない状態において、ブリッジ間(検知部加熱素子36と参照部加熱素子46の間の出力端子と、第3抵抗器と第4抵抗器の間の出力端子の間)に電流が流れないような値に調整されている。当該ブリッジ間には、ブリッジ間に流れる電流を計測する電流計52が設けられ、ここで計測された電流値は演算部6に送信される。
次に、このような構成を有する第1実施例における熱量の計測方法について説明する。まず、加熱回路部5の電源51を投入し、検知部加熱素子36からの発熱により検知部触媒35を完全燃焼できる温度域、例えば400℃以上に加熱する。その後、ガス管から流量計21、ガス導入管31を介して概ね一定量の(Vリットル/秒が概ね一定の)ガスを、検知部触媒35の近傍に連続して導入する。導入されたガスは、上記熱せられた検知部触媒35(酸化触媒)及びエアー管32から導入される空気により触媒燃焼し、完全燃焼する。
当該燃焼により検知部触媒35及びその近傍の温度が上昇し、それに伴って検知部蓄熱材33の温度も上昇する。その後も概ね同量のガスが連続して導入されるので、上記燃焼が継続される。これにより、概ね一定した燃焼が継続されるので、燃焼開始後、一定の時間が経過すると、検知部触媒35及び検知部蓄熱材33の状態は安定し双方の温度は概ね一定の状態となる。この状態では、検知部蓄熱材33への入熱と検知部蓄熱材33からの放熱がバランスしている(入熱=放熱)。
一方、参照部4では、上記電源の投入後、参照部加熱素子46からの発熱により参照部触媒45が加熱され、参照部触媒45及びその近傍の温度が上昇する。それに伴って参照部蓄熱材43の温度も上昇する。参照部4には、ガスは導入されないので、燃焼による温度上昇はなく、電源の投入後、一定の時間が経過すると、参照部蓄熱材43の温度は概ね一定な状態となる。この状態では、参照部蓄熱材43への入熱と参照部蓄熱材43からの放熱がバランスしている(入熱=放熱)。
このように、検知部蓄熱材33と参照部蓄熱材43の温度が概ね一定になると、演算部6は、流量計21から送信されるガス流量(V(リットル/秒))、検知部熱電対34から送信される温度(Td(℃))、及び参照部熱電対44から送信される温度(Tr(℃))に基づいて、下記(1)式を用いて、導入されたガスの熱量(H1(kJ/m))を求める。
H1=F1(Wd×Td−Wr×Tr)/V (1)
なお、上記(1)式において、Wdは検知部蓄熱材33の質量(g)(既知)、Wrは参照部蓄熱材43の質量(g)(既知)、F1は予め定められた定数である。
演算部6は、求めた熱量の値を表示装置に表示すると共に熱量計1内のメモリに記録する。なお、それに代えて又はそれに加えて、演算部6は求めた熱量の値を外部の装置に送信するようにしてもよい。
本熱量計1では、このような熱量の計測を所定の頻度で(例えば、1秒毎に)連続して実行する。
なお、上記(1)式は、上記定常状態になり、同じ仕様の触媒及び加熱素子を備える、検知部蓄熱材33及び参照部蓄熱材43への入熱(すなわち、各蓄熱材からの放熱)の差が、導入され完全燃焼したガスの熱量に相当し、上記放熱量は、各蓄熱材がその時点で有している熱量に依存するとの考えに基づくものである。なお、検知部蓄熱材33及び参照部蓄熱材43の比熱は既知である。
また、F1は、熱量が既知である基準ガスを用いて同様の計測を行い、その計測から得られる計測値を上記(1)式に当てはめることによって予め決定しておく。なお、F1を定数ではなく温度の関数として決定してもよい。
次に、本熱量計1の信頼性確認及び劣化確認について説明する。上述の通り、加熱回路部5の電気回路では、ガスの非燃焼時に、電流計52の電流値がゼロとなるように調整されているので、上記熱量の計測時には、検知部加熱素子36(第1抵抗器)の温度が上昇し抵抗値が変化するので、電流計52で電流値が検出される(電流値がゼロでなくなる)。当該電気回路がホイートストンブリッジであり、第2抵抗器(参照部加熱素子46)、第3抵抗器53、及び第4抵抗器54の抵抗値が既知であるので、この時点で検出された電流値から、この時点の検知部加熱素子36(第1抵抗器)の抵抗値が求められる。
抵抗器の抵抗値はその温度に依存しており、その関係は予め決定しておけるので、ガスの熱量計測時に、電流計52で検知される電流値から検知部加熱素子36(第1抵抗器)の温度を求めることができる。また、抵抗値が既知の参照部加熱素子46(第2抵抗器)についてもその温度も求められる。
従って、上述した熱電対34、44で計測される蓄熱材33、43の温度Td、Trと、上記電流値から求められた検知部加熱素子36(第1抵抗器)及び参照部加熱素子46(第2抵抗器)の温度を比較することにより、熱電対34、44による温度測定の信頼性をチェックすることができる。
当該信頼性の確認は、演算部6によって、ガスの熱量計測と同じタイミングで常時行ってもよいし、それよりも長い周期で行うようにしてもよい。
また、酸化触媒(特に、検知部触媒35)の劣化を確認するために、定期的にガスを導入せずに電流計52の値をチェックするようにしてもよい。これにより、ゼロ点のドリフト状況を把握することができる。電流計52で検出された電流値がゼロでなければ、ゼロ点がドリフトしていると考えられ、その幅が増加傾向あるいは減少傾向であれば酸化触媒が劣化していると推察される。
また、検知部3と参照部4の触媒及び加熱素子を定期的に入れ換えて(互いに交換して)用い、当該交換による計測結果の変化から酸化触媒の劣化を把握する様にしてもよい。
次に、第2実施例について説明する。当該実施例の熱量計1は、第1実施例と加熱回路部5のみが異なる。第2実施例の加熱回路部5は、上述したホイートストンブリッジ回路を有さず、単に検知部3(検知部加熱素子36)及び参照部4(参照部加熱素子46)に所定の電力を供給する電気回路を備えている。検知部触媒35、検知部加熱素子36、参照部触媒45、及び参照部加熱素子46は、第1実施例の場合と同仕様である。
また、計測方法も第1実施例と同様である。なお、ホイートストンブリッジ回路を用いた信頼性及び劣化の確認は行えない。第2実施例では、ガスを導入しない場合、検知部3と参照部4の触媒及び加熱素子を入れ換えた場合の計測値からゼロ点の補正、酸化触媒の劣化の把握を行う。
次に、第3実施例について説明する。図3は、熱量計1の第3実施例に係る構成図である。図3に示されるように、第3実施例の熱量計1は参照部4を有していない。ガス流量計測部2及び検知部3は、第1実施例と同様の構成であり、各部は同仕様である。
また、加熱回路部5は、図示していないが、単に検知部3(検知部加熱素子36)に所定の電力を供給する電気回路を備えている。
ガスの熱量計測は以下のようにして行われる。まず、加熱回路部5の電源(図示せず)を投入し、検知部加熱素子36からの発熱により検知部触媒35を完全燃焼できる温度域、例えば、400℃以上に加熱する。その後、ガス管から流量計21、ガス導入管31を介して概ね一定量の(Vリットル/秒が概ね一定の)ガスを、検知部触媒35の近傍に連続して導入する。導入されたガスは、上記熱せられた検知部触媒35(酸化触媒)及びエアー管32から導入される空気により触媒燃焼し、完全燃焼する。
当該燃焼により検知部触媒35及びその近傍の温度が上昇し、それに伴って検知部蓄熱材33の温度も上昇する。その後も概ね同量のガスが連続して導入されるので、上記燃焼が継続される。これにより、概ね一定した燃焼が継続されるので、燃焼開始後、一定の時間が経過すると、検知部触媒35及び検知部蓄熱材33の状態は安定し双方の温度は概ね一定の状態となる。この状態では、検知部蓄熱材33への入熱と検知部蓄熱材33からの放熱がバランスしている(入熱=放熱)。
このように、検知部蓄熱材33の温度が概ね一定になると、演算部6は、流量計21から送信されるガス流量(V(リットル/秒))、検知部熱電対34から送信される温度(Td(℃))、及び検知部加熱素子36への印加電力量(Wi(kJ))に基づいて、下記(2)式を用いて、導入されたガスの熱量(H2(kJ/m))を求める。
H2=F2(Wd×Td)/V−Wi/V (2)
なお、上記(2)式において、Wdは検知部蓄熱材33の質量(g)(既知)、F2は予め定められた定数である。また、印加電力量Wiは、加熱回路部5から演算部6に与えられる。
演算部6は、求めた熱量の値を表示装置に表示すると共に熱量計1内のメモリに記録する。なお、それに代えて又はそれに加えて、演算部6は求めた熱量の値を外部の装置に送信するようにしてもよい。
本熱量計1では、このような熱量の計測を所定の頻度で(例えば、1秒毎に)連続して実行する。
なお、上記(2)式は、上記定常状態になった検知部蓄熱材33への入熱(すなわち、各蓄熱材からの放熱)が、検知部加熱素子36への印加電力量と導入され完全燃焼したガスの熱量に相当し、上記放熱量は、蓄熱材がその時点で有している熱量に依存するとの考えに基づくものである。なお、検知部蓄熱材33の比熱は既知である。
また、F2は、熱量が既知である基準ガスを用いて同様の計測を行い、その計測から得られる計測値を上記(2)式に当てはめることによって予め決定しておく。なお、F2を定数ではなく温度の関数として決定してもよい。
なお、第3実施例の熱量計1では、ゼロ点補正のため、定期的にガスを導入しないで計測を行う。当該計測により出力(熱量H2)がゼロにならない場合には、上記(2)式に熱量H2がゼロになるような定数項を加えるなどの補正を行う。なお、当該ゼロ点補正の処理は、演算部6が行うようにすることができる。
以上、第1〜第3実施例について説明したが、各実施例において、以下のような変形形態とすることもできる。
まず、エアー管32を設けない形態としてもよい。この場合、ガスの燃焼に必要な空気は、検知部触媒35の周囲に自然に導入されるようにする必要があるので、検知部蓄熱材33は検知部触媒35を全て覆う(囲う)形状とせず、一部が開放された形状とする。当該エアー管32を設けない形態では、エアー管自体、空気を送る送風機等の装置、及び、エラー管を通すための検知部蓄熱材33の孔等を設ける必要がなく、装置の構造(構成)を簡略化することができる。
また、他の形態として、エアー管32をガス導入管31に合流させるようにしてもよい。換言すれば、エアー管32の空気が放出される先端部(開口部)をガス導入管31の内部に設けるようにしてもよい。この場合、当該合流の位置は、流量計21の下流側で、ガス導入管31の先端部(開口部)までの間とする。さらに、その位置を、流量計21の下流側で、検知部蓄熱材33に至るまでの間とすることが好ましい。このような形態とすることにより、検知部触媒35の周囲に、事前によく混合されたガスと空気が導入されることになり、より燃焼を完全なものにすることができる。さらに、上記合流を検知部蓄熱材33に至るまでに行うことにより、検知部蓄熱材33に管を通すための孔を1つ設ければよくなり、構造を簡単なものにでき、施工も容易となる。
次に、検知部触媒35が検知部蓄熱材33を兼ねる形態としてもよい。換言すれば、検知部触媒35を大きくして検知部蓄熱材33を省く構成である。図4は、当該形態の説明図である。当該変形形態では、検知部触媒35に検知部熱電対34が設けられる。この場合、参照部4があれば、参照部触媒45が参照部蓄熱材43を兼ね、参照部触媒45に参照部熱電対44が設けられる。
更に、この変形形態において、検知部触媒35を多孔質体で構成し、ガス導入管31を検知部触媒35に挿入し、ガス導入管31のガスを噴き出す先端が検知部加熱素子36の近傍に達すように構成してもよい。図5は、当該形態を示した図である。
次に、検知部蓄熱材33に熱電素子を用いる形態としてもよい。図6は、当該形態の説明図である。当該形態では、図6に示されるように、検知部熱電対34は、検知部蓄熱材33(熱電素子)の外側表面に設けられ外気の温度を計測する。熱電素子で得られる発電量は、熱電素子の温度と外気温度との差に依存するので、発電量と外気温度を計測することによって検知部蓄熱材33(熱電素子)の温度を得ることができる。当該変形形態では、演算部6は、このようにして求めた検知部蓄熱材33(熱電素子)の温度を上述したガス熱量の算出に用いる。
なお、発電された電力は、二次電池やキャパシタで畜電し、熱量計1の計測回路や演算回路で用いる。
以上説明したように、本実施の形態例に係る熱量計1では、ガスの熱量を定常状態となった検知部蓄熱材33の温度に基づいて求めることができるので、熱量の連続計測が可能であり、また、熱量計1を比較的簡単な構造とすることができる。
また、第3実施例のように、参照部4を設けずに、熱量を酸化触媒に印加される電力量を用いて求めるようにすることにより、さらに、簡単な構造、小型な装置とすることができる。
また、第1及び第2実施例のように、参照部4を設けることにより、ゼロ点補正がなされた計測結果を得られ、計測精度を向上させることができる。また、酸化触媒の劣化診断を容易に行うこともできる。
また、第1実施例のように、加熱回路部5にホイーストンブリッジを備えることにより、温度測定(熱電対)の信頼性確認及び酸化触媒の劣化確認を容易に行うことができる。
また、エアー管32を設けることにより、ガス燃焼領域に確実に酸素を供給でき、ガスの完全燃焼が達成され、計測精度の向上を図れる。
さらに、エアー管32の先端を酸化触媒の近傍で開口するようにすることにより、良好な燃焼がなされる。
また、エアー管32の先端をガス導入管31の内部で開口することにより、事前に良く混合されたガスと空気を酸化触媒の周囲に供給でき、燃焼をさらに完全なものにすることができる。
また、酸化触媒が蓄熱材を兼ねた構成とすることにより、酸化触媒から蓄熱材への熱伝導に係る熱ロスをなくすことができ、より精度の高い計測が可能となる。
また、酸化触媒を多孔質体で構成し、その中にガス導入管31を挿入する形態とすることで、ガスを確実に完全燃焼させることができる。
また、蓄熱材を熱電素子で構成することにより、発電した電力を熱量計1の動作に利用でき、消費電力を削減することができる。
本発明の保護範囲は、上記の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
1 熱量計、 2 ガス流量計測部、 3 検知部、 4 参照部、 5 加熱回路部、 6 演算部、 21 流量計、 31 ガス導入管、 32 エアー管、 33 検知部蓄熱材、 34 検知部熱電対、 35 検知部触媒、 36 検知部加熱素子、 43 参照部蓄熱材、 44 参照部熱電対、 45 参照部触媒、 46 参照部加熱素子、 51 電源、 52 電流計、 53 第3抵抗器、 54 第4抵抗器

Claims (9)

  1. 連続して流入するガスの熱量を計測する熱量計であって、
    加熱素子を包含する酸化触媒と、
    前記酸化触媒の近傍に前記ガスを導くガス導入管と、
    前記酸化触媒の周囲に設けられる蓄熱部と、
    前記蓄熱部の温度を計測する温度計測部と、
    前記酸化触媒と同仕様の参照酸化触媒と、
    前記参照酸化触媒の周囲に設けられる参照蓄熱部と、
    前記参照蓄熱部の温度を計測する参照温度計測部と、
    前記加熱素子によって前記酸化触媒及び前記参照酸化触媒が加熱され、前記ガス導入管によってガスが導入された際に、前記温度計測部によって計測された温度と、前記参照温度計測部によって計測された温度に基づいて、前記ガスの熱量を求める演算部と、を有する
    ことを特徴とする熱量計。
  2. 請求項において、更に、
    前記酸化触媒に包含される加熱素子が第1抵抗器であり、前記参照酸化触媒に包含される加熱素子が第2抵抗器であり、前記第1抵抗器と前記第2抵抗器が直列に接続され、互いに直列に接続される第3抵抗器及び第4抵抗器が前記第1抵抗器及び前記第2抵抗器と並列に接続される電気回路を有し、
    前記第1抵抗器と前記第2抵抗器の間の出力端子と、前記第3抵抗器と前記第4抵抗器の間の出力端子との間に、電流計が設けられる
    ことを特徴とする熱量計。
  3. 請求項1あるいは2において、更に、
    空気を前記酸化触媒に導く空気管を有する
    ことを特徴とする熱量計。
  4. 請求項において、
    前記空気管の先端が前記酸化触媒の近傍で開口する
    ことを特徴とする熱量計。
  5. 請求項において、
    前記空気管の先端が前記ガス導入管の内部で開口する
    ことを特徴とする熱量計。
  6. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記酸化触媒が、前記蓄熱部を兼ねる
    ことを特徴とする熱量計。
  7. 請求項において、
    前記酸化触媒は、多孔質体で構成され、
    前記ガス導入管は、前記加熱素子の近傍まで延びる
    ことを特徴とする熱量計。
  8. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記蓄熱部は、熱電素子で構成される
    ことを特徴とする熱量計。
  9. 連続して流入するガスの熱量を計測する熱量計測方法であって、
    加熱素子を包含する酸化触媒と、
    前記酸化触媒の近傍に前記ガスを導くガス導入管と、
    前記酸化触媒の周囲に設けられる蓄熱部と、
    前記蓄熱部の温度を計測する温度計測部と、
    前記酸化触媒と同仕様の参照酸化触媒と、
    前記参照酸化触媒の周囲に設けられる参照蓄熱部と、
    前記参照蓄熱部の温度を計測する参照温度計測部と、が設けられ、
    前記加熱素子によって前記酸化触媒及び前記参照酸化触媒を加熱し、前記ガス導入管によってガスを導入し、前記温度計測部によって計測された温度と、前記参照温度計測部によって計測された温度に基づいて、前記ガスの熱量を求める
    ことを特徴とする熱量計測方法。
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