JP6096015B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧緩衝器の作動油内に含まれる気泡を作動油と共に流通させるようにしたものに関する。
従来、油圧緩衝器の一つである二輪車のフロントフォークにおいては、インナーチューブとアウターチューブとが互いに摺動するときに、アウターチューブに固定されたピストンをインナーチューブ内に貯留させた作動油内において移動させて、このピストンに設けられた流通孔に作動油を流通させることで減衰力を得るように構成されている(特許文献1)。
しかしながら、このような構成の油圧緩衝器では、走行中に作動油に混ざった小さな気泡が、停車中にピストン下部に集まって大きな気泡を形成してしまう。この大きな気泡は、停車後の最初の走行開始時に、段差を超えるような過渡的な衝撃がフロントフォークに入力されると、大きな気泡のままピストンの流通孔を通過し、この大きな気泡によって押しのけられていた作動油の油面(気泡との界面)が勢い良くピストンのバルブに衝突する水撃となって異音を発生させることが問題となっている。
特開2009−108884号公報
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、油圧緩衝器の初動時に、作動油中に含まれる気泡に起因する異音の発生を抑制するピストンを備えた油圧緩衝器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための油圧緩衝器の構成として、車体側のアウターチューブ内に車軸側のインナーチューブを摺動自在に挿入し、インナーチューブに隔壁部材を設け、隔壁部材の隔壁部をインナーチューブの内部に位置させて、隔壁部材の隔壁部よりも下部を作動油室、上部を油溜室に区画し、アウターチューブ側に取り付けられたピストン支持部材を隔壁部材の隔壁部に貫通させて作動油室内に挿入し、ピストン支持部材の先端部に前記作動油室内を摺動しながら、作動油室内に貯留された作動油を流通させて減衰力を得る流通孔を備えたピストンを設け、アウターチューブの内周とインナーチューブの外周との間に環状の油室を区画し、この環状の油室をインナーチューブに設けた油孔を介して作動油室に連通し、環状の油室の断面積をピストン支持部材の断面積より大きく形成し、ピストン支持部材が作動油室から退出する伸側行程で作動油室の作動油を油溜室へ流す体積補償流路と、伸側行程で作動油室から油溜室への流れを阻止するチェック弁とを有してなる油圧緩衝器において、ピストンの流通孔内を流通する作動油に渦を発生させる渦発生手段を備え、渦発生手段は、流通孔の内周面から当該流通孔の中心方向に突出する突部、又は中心方向に対して窪む凹部として設けられたので、流通孔を流通する作動油が乱流状態となり、作動油に含まれた気泡と作動油とを混合させた状態で流通させて、作動油中に含まれる気泡が流通孔を流れることに起因する異音の発生を抑制することができる。
また、油圧緩衝器の他の構成として、渦発生手段が流通孔を横切るように設けられた柱体からなるので、柱体を過ぎる作動油の流れに渦が生じて、作動油により気泡を包んで流通孔を流通させることができる。
また、油圧緩衝器の他の構成として、渦発生手段が、流通孔の内周面を所定粗さの粗面として構成されたことにより、流通孔の内周面に境界層が生じにくくなり、乱流状態となって作動油が流れるので、作動油によって気泡を包むように流通孔を流通させることができる。
フロントフォークの断面図である。 フロントフォークの断面図である ピストンの外観斜視図及び断面図である。 渦発生手段の他の形状を示す図である。 渦発生手段の他の形状を示す図である。 渦発生手段の他の形態を示す図である(実施形態2)。 渦発生手段の他の形態を示す図である(実施形態3,実施形態4)。
実施形態1
図1及び図2は、本発明に係る油圧緩衝器の一実施形態を示す二輪車のフロントフォークの断面図である。同図に示すように、フロントフォーク(油圧緩衝器)10は、アウターチューブ11を車体側に、インナーチューブ12を車輪側に配置する倒立型フロントフォークであって、車体に対し上下方向に延長するように取り付けられる。
フロントフォーク10は、インナーチューブ12とアウターチューブ11とが互いに摺動自在に設けられる。インナーチューブ12の下端には車軸ブラケット15が取り付けられ、インナーチューブ12における底部が形成される。アウターチューブ11の上端には、キャップ13が取り付けられ、アウターチューブ11における天井部が形成される。
このフロントフォーク10の内部には、懸架スプリング33が設けられ、下端が車軸ブラケット15に着座し、上端がキャップ13を介してアウターチューブ11に取り付けられる本発明の特徴とするピストン26に支持される。インナーチューブ12の内周は、上記ピストン26に対するシリンダであり、油圧緩衝器としての作動油が後述の油溜室22まで所定量注入されている。
まず、図2,図3を用いてピストン26について説明する。
ピストン26は、ピストン支持部材であるピストンロッド23の先端に設けられたピストンボルト25に固定される。ピストンロッド23は、アウターチューブ11の上端に取り付けられたキャップ13に一端が固定されている。
このピストン26は、油圧緩衝器としての減衰力を発生させる減衰力発生装置を備える。減衰力発生装置は、フロントフォーク10の圧縮時に作動油をピストン側油室21Bからピストンロッド側油室21Aに流通させる圧側流路41と、フロントフォーク10の伸長時に作動油をピストンロッド側油室21Aからピストン側油室21Bに作動油を流通させる伸側流路42とを備える。圧側流路41と伸側流路42とは、ピストン26の厚さ方向に貫通する貫通孔としてそれぞれ異なる位置に形成される。
圧側流路41は、バルブストッパ41Bにバックアップされる圧側ディスクバルブ41A(圧側減衰バルブ)により開閉される。
伸側流路42は、バルブストッパ42Bにバックアップされる伸側ディスクバルブ42A(伸側減衰バルブ)により開閉される。なお、バルブストッパ41B、圧側ディスクバルブ41A、ピストン26、伸側ディスクバルブ42A、バルブストッパ42Bは、後述するピストンボルト25に挿着されるバルブ組立体40を構成し、ピストンボルト25に螺着されるピストンナット27に挟まれて固定される。
上記圧側流路41には、流路内を流通する作動油を乱流状態で流通させるための渦発生手段70が設けられる。
渦発生手段70は、図3に示すように、圧側流路41の内周面41aにおいて、中心方向に突出する凸部として形成される。凸部は、例えば四角錐状に形成され、底面が内周面41a側に設けられ、底面の一方の対角線が圧側流路41の軸線方向、他方の対角線が円周方向を向き、頂部70Cが軸心方向に突出するダイヤ目状に形成される。
したがって、フロントフォーク10の圧側動作時に、圧側流路41に流れ込んだ作動油は、流入口側を向く頂点を起点として斜面70a,70bによって分流されるように流れ、径方向に延長する稜線70A,70Bによってその流れに剥離が生じて渦Uが生じる。この渦Uは、圧側流路41の圧側ディスクバルブ41A方向に行くに従って軸心方向に広がり、圧側流路41内全体の流れに乱流を生じさせ、小さな気泡同士が結合した大きな気泡や気泡塊から、小さな気泡に分解するように作用して、作動油が気泡を包み込んで圧側ディスクバルブ41A方向に向けて流れる。これにより、圧側流路41を気泡のみが塊となって流れることがなくなり、大きな気泡や気泡塊によって押しのけられていた作動油の油面が圧側ディスクバルブ41Aに水撃となって衝突することがなくなり、例えば、フロントフォーク10の非動作時から動作時に移行したときでも、ピストン26の下部に溜められた小さな気泡の塊(以下気泡塊という)が、そのまま流路内に流れることがないので、初動時の異音の発生が防止される。
なお、渦発生手段70としての凸部の形成は、上記ダイヤ目状に限定されず、図4に示すように、圧側流路41の軸線方向に対して延長方向を傾斜させて平板を設けるようにしても良い。この場合、作動油が平板の後に回り込むように流れるため渦Uを生じさせることができる。また、平板の角部71からは圧側流路41の中心方向に向かう3次元的な渦Uが生じる。これら渦Uによって平板通過後の作動油の流れに乱れを生じさせ、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
また、渦発生手段70としての上記凸部に代えて、図5(a),(b)に示すように、圧側流路41の壁面方向に、例えば球状に窪む凹部としての渦発生手段70を形成しても、圧側流路41を流れる作動油に乱れや渦が生じるので、凹部を過ぎた作動油の流れに乱流を生じさせることができ、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
上記凸部や凹部で構成される渦発生手段70の形成方法としては、直接ピストン26の圧側流路41の内周面41aを加工して形成しても良い。また、他の形成方法としては、可撓性を有するシート状の樹脂やゴムにあらかじめ上述した凸部や凹部を形成しておき、これを丸めて圧側流路41内に挿入する等がある。
また、圧側流路41の内周面41a全域に凸部や凹部を形成することで内周面41aを粗面状として、これを渦発生手段70としても良い。例えば、上記ダイヤ目状や平板形状の凸部もしくは上記球面形状の凹部を小さく形成して、規則的或いは不規則的に配置して粗面を構成する。この場合、凸部の高さや凹部の深さを均一に、またその配置を規則性をもって形成しても良いが、凸部の高さや凹部の深さを不均一に、またその配置を不規則性をもって形成することでより効率的に圧側流路41内を流れる作動油に乱流を生じさせることができる。
以下、図1乃至図3を用いてフロントフォーク10の各構成について詳述する。
インナーチューブ12は、両端が開口する所定肉厚の円筒状の筒体であって、車軸と取り付ける車軸ブラケット15と、内部空間を区画する隔壁部材としてのロッドガイドケース19とを備える。
インナーチューブ12の外周面の上端側には、アウターチューブ11の内周面と摺動自在にするスライドブッシュ12Aが取り付けられる。スライドブッシュ12Aは、円筒状に形成された軸受であって、インナーチューブ12の外周において外径よりも小径に形成された凹部に嵌合され、インナーチューブ12に取り付けられた状態で、外周がインナーチューブ12の外周よりも突出するように構成される。
インナーチューブ12の内周は、軸線方向に沿って均一な内径で形成され、ピストン26が摺動するためのシリンダとして構成される。
インナーチューブ12の下端には、インナーチューブ12の底部を構成する車軸ブラケット15が取り付けられる。
車軸ブラケット15は、一端側が開口する有底円筒の筒体であって、円筒部分をインナーチューブ12の下端外周に形成されたネジ部に螺合させて取り付けられる。車軸ブラケット15の底部側の内周には、インナーチューブ12との液密を維持するシール部材108が設けられる。車軸ブラケット15は、車軸を取り付ける車軸取付孔16と、懸架スプリング33の荷重を調整するばね荷重調整装置34とを備える。
車軸取付孔16は、車軸ブラケット15の軸線と直交方向に貫通する貫通孔として車軸ブラケット15の下端側に形成される。
ばね荷重調整装置34は、車軸ブラケット15の底部に設けられ、概略、アジャストボルト101と、一対のスライダ102,109とにより構成される。
アジャストボルト101は、先端がネジ部よりも小径な軸状に延長する先端軸部101Aを有するボルトであって、ヘッド部の外周にOリングを有する。
このアジャストボルト101は、底面106よりも上方において、車軸ブラケット15の軸線に対して直交方向に筒を横断して同軸に形成された取付孔15A:15Bに回転自在に取り付けられる。取付孔15A:15Bは、一方の取付孔15Aが閉塞孔、他方の取付孔15Bが貫通孔である。取付孔15Bは、アジャストボルト101のヘッド部を収容可能とする大きさで形成される。
アジャストボルト101は、先端軸部101Aが取付孔15Aに挿入され、ヘッド部が取付孔15Bに収容される。ヘッド部に取着されたOリングは、ヘッド部と取付孔15Bとを液密とするともに緩み止めとして機能する。この取付孔15Bの開口部側には止め輪103が係着され、アジャストボルト101の抜け止め用に設けられる。
アジャストボルト101の中間部には、ヘッド側から順にワッシャ104、スライダ102、ナット105が挿着される。ワッシャ104は、例えば四辺形状をなし、その底辺が車軸ブラケット15の底面106に当接される。ワッシャ104の次に、スライダ102が挿着されるとともに、スライダ102にナット105を付帯させながら、ナット105がアジャストボルト101のネジ部に螺合される。ナット105は、四辺形状に形成される板状部品であって、板厚方向に貫通するネジ孔を備え、下辺を車軸ブラケット15の底面106に当接させて、回り止めされる。これにより、ナット105は、アジャストボルト101を回転させたときに共周り回転をせずに、アジャストボルト101の軸線方向のみに移動する。
スライダ102は、長手状のブロック体であって、厚さ方向にアジャストボルト101が貫通する貫通孔102Aを備える。スライダ102は、アジャストボルト101が貫通した状態において長手方向の下面が底面106に当接する。例えば、下面は平面状に形成され、上面が下面に対して所定角度直線を維持しつつ傾斜する下側斜面A1として形成されている。スライダ102には、下側斜面A1に対応する上側斜面A2を有するスライダ109が載置される。
スライダ109は、外周がインナーチューブ内周面に沿う円柱軸体状に形成され、下面が下側斜面A1に対応するように傾斜する上側斜面A2として形成される。このスライダ109は、上側斜面A2を下側斜面A1に当接した状態において、下端がアジャストボルト101よりも下方に達し、アジャストボルト101を跨ぐU字部が形成される。スライダ109の上面は、上側斜面A2に対して傾斜し、車軸ブラケット15の底面と平行となるように形成される。この上面には、懸架スプリング33の下端が着座する下ばね受け32が設けられる。
下ばね受け32は、有底円筒のカップ状に形成され、円筒部32Aの外周がインナーチューブ12の内周に接触する大きさを有し、底部32Bがスライダ109の上面に一体に形成される。
したがって、車軸ブラケット15は、内周とインナーチューブ12の下端部の外周との間にシール部材108を介挿させてインナーチューブ12に螺着される。このときインナーチューブ12は車軸ブラケット15の内周と下ばね受け32の円筒部32Aの間に概ね隙間なく挿着される。
また、下ばね受け32は、底部32Bがスライダ109の上面に載置されたときに、ワッシャ104の端面に当接する。このとき、スライダ109のU字部が、アジャストボルト101の中間部を挟むことによって車軸ブラケット15の中心軸に対して回り止めされる。下ばね受け32は、車軸ブラケット15の内側底部の段差部15Cの上に設けられたワッシャ107によってインナーチューブ12の先端部が支持される。また、ワッシャ107には、下ばね受け32の底部32Bの外周側の底面32Cが当接し、懸架スプリング33の動作時の脱落を防止する。
上記構成のばね荷重調整装置34によれば、フロントフォーク10を組上げた状態で、露出するアジャストボルト101を螺動すると、下ばね受け32の下側斜面A1とスライダ109の上側斜面A2を介して、下ばね受け32がインナーチューブ12の内周に摺接して昇降する。下ばね受け32は、上述したピストン26の下側に設けられた上ばね受け31との間で、懸架スプリング33の初期長さを調整することにより、懸架スプリング33のばね荷重の調整を可能とする。
なお、ばね荷重調整装置34にあっては、スライダ102に直にネジ部(ナット部)を設ける、又はスライダ102にナットを嵌合固定する等により、スライダ102と分離されるナット105を不要とし、部品を削減することもできる。
インナーチューブ12の内部には、有底筒状のロッドガイドケース19が設けられる。
ロッドガイドケース19は、インナーチューブ12の上端側に取着される筒状部19Aと、この筒状部19Aの底部を構成する隔壁部19Bとからなる。
筒状部19Aは、上端側の外周にネジ部を有し、インナーチューブ12の上端側内周に螺着され、インナーチューブ12の上端面よりも上側に突き出る突出上端部と上端側ネジ部の境界の外周段差面をインナーチューブ12の上端面に突き当てるようにして両者が一体に固定化される。突出上端部の外周面には、アウターチューブ11の内周面との液密状態を維持するとともに摺動を可能にするシール部材20が設けられる。
また、筒状部19Aの上端側ネジ部より下側の部分は、インナーチューブ12の内部に挿入されたときに、インナーチューブ12の内周面との間に間隙を形成する。この隙間は、後述するピストンロッド側油室21Aと連続する空間である。
筒状部19Aの隔壁部19B側には、所定寸法の口径で厚さ方向に貫通する貫通孔として微小流路64が設けられる。
この微小流路64は、伸側行程で作動油室21におけるピストンロッド側油室21Aの作動油を油溜室22へ流すための体積補償流路であって、周方向に少なくとも1ヵ所以上設けられる。
隔壁部19Bは、ロッドガイドケース19の下端を閉塞するように形成される底壁であって、インナーチューブ12の内部に作動油室21を区画するとともに、隔壁部19Bの上部に油溜室22を区画する。つまり、隔壁部19Bは、インナーチューブ12の内部空間を隔壁部よりも下部を作動油室21、上部を油溜室22に区画する。油溜室22の中でその下側領域が油室22A、上側領域が空気室22Bである。空気室22Bは、フロントフォーク10における空気ばねとなる。なお、同図において、Lは油面である。
隔壁部19Bには、作動油室21と油溜室22との間で油を給排可能にする給排手段が設けられる。給排手段は、圧側行程では油溜室22からピストンロッド側油室21Aへの油の流れを許容し、伸側行程ではピストンロッド側油室21Aから油溜室22への油の流れを阻止するチェック弁60が設けられる。
チェック弁60は、ロッドガイドケース19の隔壁部19Bをインナーチューブ12の軸心と同軸に厚さ方向に貫通する円孔として形成されるバルブ室61に設けられる。
バルブ室61は、バルブ室61の内周面が上端側から階段状に拡径された段差部61Aに形成される。このバルブ室61にチェック弁60とバックアップスプリング62と、スプリングシート51と、ストッパリング51Aとが収容される。チェック弁60は、外周がフランジ状に形成される板状の環状部品であって、フランジ部が段差部61Aと衝合することで、バルブ室61の開口を閉塞可能にする。チェック弁60のフランジ部は、例えば、段差部61Aとスプリングシート51の間隔よりも薄く形成される。このチェック弁60の内周には、ピストンロッド23を摺動自在に支持する円筒状のブッシュ63が圧入され、ブッシュ63を貫通するピストンロッド23の外周に沿って、バルブ室61の内周を上下変位可能に設けられる。
チェック弁60の下側には、バックアップスプリング62が設けられ、さらにバックアップスプリング62の下側に、バックアップスプリング62が着座するスプリングシート51が設けられる。バックアップスプリング62は、皿ばね状をなし、内周側若しくは外周側において周方向の複数ヵ所でチェック弁60のフランジ部の下端面に当接する。
スプリングシート51は、外周が半径方向に凹凸するような花弁状に形成され、この外周の凹凸部分を介して作動油が流通可能に構成される。
ストッパリング51Aは、バルブ室61の段差部61Aよりも下側において半径方向に窪む溝に嵌着されて、スプリングシート51を下側から支持する。
すなわち、給排手段は、隔壁部19Bに形成されたバルブ室61に、チェック弁60、バックアップスプリング62、スプリングシート51の順に収容し、バックアップスプリング62をやや縮めた状態でストッパリング51Aを取り付けることで構成される。これにより、チェック弁60の外周と、バルブ室61との内周との間に、油溜室22からピストンロッド側油室21Aへの油の流れを許容する流路が形成される。
上記給排手段は、次のように動作する。
圧側行程では、チェック弁60は、インナーチューブ12に進入するピストンロッド23の移動にともなって下方に移動し、スプリングシート51の側に変位するとともに、段差部61Aとの間に隙間を形成する。これにより、油溜室22の作動油が、チェック弁60の外周と段差部61Aとの隙間を通ってピストンロッド側油室21Aへ流入可能となる。
また、伸側行程では、チェック弁60は、インナーチューブ12から退出するピストンロッド23の移動にともなって上方に移動し、段差部61Aに押し付けられて、チェック弁60の外周とバルブ室61の内周との間の隙間を閉じ、ピストンロッド側油室21Aの作動油が圧側行程の逆経路で油溜室22へ排出されることを阻止する。
アウターチューブ11は、下端開口部の内周にガイドブッシュ11Aと、オイルシール11Bと、ダストシール11Cとを備える。アウターチューブ11の内周と、インナーチューブ12の外周との間には、互いに摺動を自在とするブッシュ11A、12Aにて区画される環状油室17が形成される。この環状油室17には、上述したインナーチューブ12の内外に貫通する油孔28を介して、ピストンロッド側油室21Aと常時連通し、作動油が充填される。
環状油室17は、アウターチューブ11の内周とインナーチューブ12の外周とで形成される環状隙間からなり、この断面積をS1とした場合、ピストンロッド23の断面積(外周に囲まれる領域の面積)S2より大きくなるように形成される。例えば、S1>S2となるように設定される。
アウターチューブ11の上端開口部には、キャップ13が液密に螺着される。このキャップ13には、上述したピストン26を固定するためのピストンロッド23が取り付けられる。
ピストンロッド23は、所定長さの中空円筒体からなり、キャップ13の中心部の下端部に螺着して設けられた取付カラー24に一端側を螺着させた上で、このピストンロッド23のネジ部に螺合するロックナット24Aを取付カラー24に向けて締め付けることでキャップ13に固定される。ピストンロッド23は、キャップ13に固定された状態において、先端が隔壁部19Bよりも下側に貫通する。
ピストンロッド23の先端には、ピストンボルト25が設けられ、このピストンボルト25にピストン26が上述したように固定される。
ピストン26は、ピストンロッド23が収容されるピストンロッド側油室21Aと、ピストンロッド23が収容されないピストン側油室21Bとに区画する。
上述したピストン26の減衰力発生装置は、キャップ13の中心部に減衰力調整装置40Aを備える。
減衰力調整装置40Aは、ニードル弁85をピストンロッド23の中空部に挿入し、ピストンロッド23に設けたバイパス路45の開度をニードル弁85の上下動により調整することで、ピストンロッド側油室21Aと、ピストン側油室21Bとの間の作動油の流通量が調整される。なお、バイパス路45とは、ピストン26の上記圧側流路41及び伸側流路42を迂回して、ピストンロッド側油室21Aとピストン側油室21Bとに通じる流路である。
以下、減衰力調整装置40Aについて説明する。
減衰力調整装置40Aは、ピストンロッド23の中空部において、回転方向及び軸方向に移動自在に設けられた非円形のD字状断面の1本のプッシュロッド99と、プッシュロッド99を回転方向に移動させる第1調整部80と、プッシュロッド99を軸方向に移動させる第2調整部90とにより構成される。第1調整部80と第2調整部90とは、フロントフォーク10の上部において、プッシュロッド99の延長上に同軸に設けられる。
減衰力調整装置40Aは、プッシュロッド99の非円形断面内に摺動自在に係入するニードル弁85をピストンロッド23の中空部に螺合し、第1調整部80の回転によりニードル弁85を昇降させ、このニードル弁85によりバイパス路45の開度を調整して、バイパス路45の通路抵抗による減衰力を調整可能にする。この減衰力調整装置40Aは、プッシュロッド99と軸方向に衝合するバルブ押えスプリング95により、圧側ディスクバルブ41Aを閉じ方向に付勢し、圧側ディスクバルブ41Aの撓み変形による圧側減衰力を調整可能にする。
以下、第1調整部80と第2調整部90の構造、ニードル弁85を用いた減衰力調整構造、バルブ押えスプリング95を用いた減衰力調整構造について説明する。
第1調整部80と第2調整部90の構造は、キャップ組立体40を構成するキャップ13がOリング13Cを介してアウターチューブ11の上端開口部に液密に螺着される。キャップ13の下端開口側には取付カラー24が螺着され、この取付カラー24にピストンロッド23の上端部が螺着されてロックナット24Aで固定される。キャップ13には、当該キャップ13の下面側よりインナーチューブ1方向に突出する弾性部材13Aが設けられる。弾性部材13Aは、下面が、キャップ13に固定されるワッシャよりなる環状の受圧体13Bにより支持される。
第1調整部80は、キャップ13の中心孔の下端開口側からOリング81を介して液密に挿着され、キャップ13の中間段差部に軸方向で係合して上方へ抜け止めされるとともに、キャップ13の下端開口側に螺着される取付カラー24の上端面の上に載置される平ワッシャ82に軸方向で衝合して下方へ抜け止めされる。結果として、上端外周の操作面80Aを用いてキャップ13に回転自在に設けられる。
第1調整部80の平ワッシャ82に衝接する下端面には、横溝を形成しておき、この横溝に係合片83の両側突起を回転方向にて概ね遊びなく係合させる。プッシュロッド99の非円形断面(D形断面)の外周を、係合片83の中心に設けた非円形孔(D形孔)に貫通させ、回転方向には概ね遊びなく係合し、かつ軸方向には摺動自在にする。これにより、第1調整部80は、プッシュロッド99を回転方向に移動させることができる。
第2調整部90は、第1調整部80の中心孔の下端開口側からOリング91を介して液密に挿着され、第1調整部80の中間段差部に軸方向で係合して上方へ抜け止めされる。第2調整部90の下端面は、第1調整部80の側に係合している係合片83の非円形孔を貫通しているプッシュロッド99の上端面と軸方向に隙間なく衝合する。
なお、プッシュロッド99は、後述するバルブ押えスプリング95のばね力により上向きに付勢され、その上端面を常に第2調整部90の下端面に衝合する。第2調整部90は、上端面の操作溝90Aを用いて第1調整部80に対し螺動され、プッシュロッド99を軸方向に移動させることができる。
以下、ニードル弁85を用いた減衰力調整構造について説明する。
ピストンロッド23の中空部の下端部には、インナベース84が挿着され、ピストンロッド23の下端面とピストンボルト25の内径段差部とがインナベース84の下端フランジを挟圧固定している。なお、インナベース84はピストンロッド23の中空部に圧入されても良い。
このようにしてピストンロッド23に固定されたインナベース84の内周にニードル弁85が液密に挿入され、ニードル弁85の中間部のネジ部がピストンボルト25の内周に螺着される。ニードル弁85の上端部の非円形断面、本実施例ではD形断面をなす非円形断面部が、ピストンロッド23の中空部に挿入されているプッシュロッド99の下端部の非円形断面内に概ね遊びなく、軸方向には摺動自在に、回転方向には係合するように係入する。
第1調整部80が、プッシュロッド99を回転方向に移動させると、プッシュロッド99と回転方向に係合しているニードル弁85がピストンボルト25に対して螺動し、ピストンボルト25に設けてあるバイパス路45の縦孔上端部の弁シートに対して進退し、バイパス路45の開度を調整することでバイパス路45の通路抵抗による圧側と伸側の減衰力を調整可能にする。
なお、第1調整部80が、プッシュロッド99を介してニードル弁85を螺動させるとき、ニードル弁85はバルブ押えスプリング95のための押動片92の中心孔に対して空動し、バルブ押えスプリング95に対して影響を及ぼさない。
以下、バルブ押えスプリング95による減衰力調整構造について説明する。
ピストンロッド23の下端側の直径方向の両側には、軸方向に延びる長孔状のガイド孔23Aが設けられ、押動片92の両側突起がそれらのガイド孔23Aに概ね遊びなく軸方向にスライド可能に係入されている。ピストンロッド23の中空部に挿入されているプッシュロッド99の下端面が押動片92の上面に直に衝接し、プッシュロッド99の下端部に係入しているニードル弁85の非円形断面部が押動片92の中心に設けた円形孔に軸方向移動自在に遊挿される。
ピストンボルト25の周りには、押動片92の両端突起に下方から衝合するばね受け93と、圧側ディスクバルブ41Aの上面(背面)に衝合するバルブ押え94とが配置され、ばね受け93とバルブ押え94の間にバルブ押えスプリング95が介装される。
ばね受け93はカップ状をなし、カップの内周下端にて押動片92の両側突起と衝合し、カップの上端外周フランジにバルブ押えスプリング95を着座させる。バルブ押え94は、圧側ディスクバルブ41Aの上面の適宜の外径位置に全周連続的(間欠的でも可)に衝接する円環状の押え部94Aと、ピストンボルト25の上端外周にスライドガイドされるスライド部94Bと、ピストンロッド側油室21Aを圧側流路41、伸側流路42、バイパス路45に連通する油路94Cを備え、外周段差部にバルブ押えスプリング95を着座させる。
第2調整部90を操作してプッシュロッド99を軸方向に移動させると、プッシュロッド99の下端面が衝接している押動片92がばね受け93を上下に移動してバルブ押えスプリング95を伸縮させて、バルブ押えスプリング95のセット荷重を調整する。これにより、バルブ押えスプリング95のセット荷重がバルブ押え94を介して圧側ディスクバルブ41Aを閉じる方向に付勢し、圧側ディスクバルブ41Aの撓み変形による圧側減衰力を調整可能にする。バルブ押え94は押え部94Aの径を交換可能に構成され、例えば、大径の押え部94Aを備えたバルブ押え94を適用して圧側ディスクバルブ41Aの外周側を押えることで、ピストン速度の低速域から減衰力を大きくする。また、小径の押え部94Aを備えたバルブ押え94を適用した場合には、圧側ディスクバルブ41Aの内周側を押えて、ピストン速度が中〜高速域での減衰力を大きくする。
インナーチューブ12の上端側のロッドガイドケース19のピストンロッド側油室21Aに臨む下端面にストッパリング51Aを用いて固定したスプリングシート51と、ピストンロッド23に設けたストッパリング52Aに係止させたスプリングシート52との間にリバウンドスプリング53を介装してある。フロントフォーク10の最伸長時に、ロッドガイドケース19がリバウンドスプリング53をスプリングシート52との間で加圧することにより、最伸長ストロークが規制される。
以下、フロントフォーク10の動作について説明する。
[圧側行程]
圧側行程でインナーチューブ12に進入するピストンロッド23の進入容積分の作動油がインナーチューブ12の内周のピストンロッド側油室21Aからインナーチューブ12の油孔28を介して環状油室17に移送される。このとき、環状油室17の容積増加分ΔS1(補給量)がピストンロッド23の容積増加分ΔS2より大きいから、環状油室17への油の必要補給量のうち、(ΔS1−ΔS2)の不足分が油溜室22からチェック弁60を介して補給される。
この圧側行程では、低速域で、ニードル弁85により開度調整されたバイパス路45の通路抵抗により圧側減衰力を発生し、中高速域で、圧側ディスクバルブ41Aの撓み変形により圧側減衰力を発生する。
[伸側行程]
伸側行程でインナーチューブ12から退出するピストンロッド23の退出容積分の作動油が環状油室17からインナーチューブ12の油孔28を介してインナーチューブ12の内周のピストンロッド側油室21Aに移送される。このとき、環状油室17の容積減少分ΔS1(排出量)がピストンロッド23の容積減少分ΔS2より大きいから、環状油室17からの油の排出量のうち、(ΔS1−ΔS2)の余剰分が体積補償流路を構成する微小流路64を介して油溜室22へ排出される。
この伸側行程では、低速域で、ニードル弁85により開度調整されたバイパス路45の通路抵抗により伸側減衰力を発生し、中高速域で、伸側ディスクバルブ42Aの撓み変形により伸側減衰力を発生する。また、上述の微小流路64の通路抵抗による伸側減衰力も発生する。
このような動作により、空気ばね室の空気が作動油に混ざり、小さな気泡となって含まれる。また、上記圧縮行程や伸長行程が繰り返されることで、作動油内に視認されずに含まれる空気の成分が気泡となって、作動油内を浮遊状態となる。
浮遊状態となった小さな気泡は、車両が停止して圧側行程と伸側行程などの動作がなくなると、ピストン26方向へ上向きに上昇を開始する。ピストン26よりも上側のピストンロッド側油室21Aでは、気泡が上昇してロッドガイドケース19の周りに集合する。
一方、ピストン26よりも下側のピストン側油室21Bの気泡は、作動油内を徐々に上昇してピストン26の下側へ向けて移動し、大きな気泡を形成したり、小さな気泡同士が集合した気泡塊となってピストン26の下部に気泡溜りを形成する。このような大きな気泡や気泡塊は、走行開始時に段差を超えるなどした場合に、大きな気泡や気泡塊のままピストン26の圧側流路41に吸い込まれるように移動することになるが、大きな気泡や気泡塊が圧側流路41を移動するときに、渦発生手段70によって生じた渦からなる乱流状態の作動油に混ぜられて、撓み変形した圧側ディスクバルブ41Aから流出するので、気泡に起因する異音を発生させることなく圧側の減衰力を得ることができる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、以下に示すように構成しても良い。
実施形態2
渦発生手段70の他の形態として、図6に示すように、渦発生手段70を構成しても良い。この場合の渦発生手段70は、筒部73とフランジ部73Aとにより構成される円筒状のスリーブにより構成され、圧側流路41の流入口側に、筒部73を挿入し、フランジ部73Aをピストン26に当接させて取り付けられる。
圧側流路41に挿入された筒部73の先端は、当該筒部73の内周面73aに対して略直角に環状底面73bが形成される。
この場合において、筒部73の内周面73aと環状底面73bとの境界である周縁73cは、筒部73の内周面73aを流通した作動油が剥離する剥離点となり、この周縁73cを過ぎた流れは、図の矢印で示すような渦Uが生じることになる。
この渦Uは、圧側流路41の圧側ディスクバルブ41A側に行くに従って、圧側流路41の軸心方向に広がり、上記周縁73cよりも圧側ディスクバルブ41A側における流れに乱流を生じさせる。そしてこのように生成された渦Uは、小さな気泡同士が結合した大きな気泡や、小さな気泡同士の集合体である気泡塊を、小さな気泡に分解しながら作動油で包み込み、圧側ディスクバルブ41Aに向けて流れる。したがって、圧側流路41を気泡のみが流れた後に、大きな気泡や気泡塊によって押しのけられていた作動油の油面が圧側ディスクバルブ41Aに水撃となって衝突することが抑制される。これにより、例えば、フロントフォーク10の非動作時から動作時に移行したときに、ピストン26の下部に溜められた気泡の塊が、そのまま圧側流路41を流れることがないので、初動時の異音の発生が防止される。
実施形態3
また、渦発生手段70の他の形態として、図7(a)に示すように、圧側流路41内を横切るように柱体を設けるように構成される。つまり、本実施形態における渦発生手段70は、柱体である。柱体には、例えば円柱,角柱などが挙げられる。
柱体は、例えば、圧側流路41の軸線に対して直交し、圧側流路41を横切るように設けられる。圧側流路41内において、柱体を過ぎた流れの圧側ディスクバルブ41A側には、渦が発生し、この流れは乱流状態となる。この場合、圧側流路41を流通しようとした大きな気泡や気泡塊は、柱体の後方に生じる渦によって、小さな気泡に分解されながら作動油で包み込まれて圧側ディスクバルブ41A側に向けて流れる。したがって、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、柱体の太さは、適宜設定すれば良く、また、断面形状において圧側流路41を流通する作動油の流れを妨げない、抵抗係数の小さい形状のものを採用すると良い。また、柱体を設ける位置は、好ましくは流入口に近い位置に設定すると良い。
実施形態4
上記実施形態3では、渦発生手段70としての柱体を圧側流路41内に横切るように設けるとして説明したが、図7(b)に示すように、実施形態3で示した柱体に対して交差するように、さらに柱体を設けるようにしても良い。すなわち、作動油の流れに対して十字状に柱体を設けて渦発生手段70としても良い。
このように十字状に柱体を配置することで、柱体を過ぎた作動油には、3次元の渦が生じるので、より作動油と気泡とを混合させて圧側ディスクバルブ41A側に流出させることができる。
なお、上記実施形態3及び実施形態4で示したように、柱体を圧側流路41に対して設けるにあたり、減衰力を作用させるための機能に影響を及ぼさないように構成することは言うまでもない。
本実施形態1乃至実施形態4で示すフロントフォーク10は、減衰力調整装置40Aを備えるものとして説明したが、減衰力調整装置40Aを備えていないフロントフォークであっても、上記説明した効果を得ることができる。
なお、上記実施形態では、渦発生手段70を圧側流路41に設けるものとして説明したが、伸側流路42に渦発生手段70を設けても良い。
また、上記実施形態1乃至実施形態4で示した渦発生手段70は、組み合わせて用いても良い。
10 フロントフォーク、11 アウターチューブ、
12 インナーチューブ、17 環状油室、19 ロッドガイドケース、
19A 筒状部、19B 隔壁部、
21 作動油室、21A ピストンロッド側油室、21B ピストン側油室、
22 油溜室、22A 油室、22B 空気室、
23 ピストンロッド(ピストン支持部材)、26 ピストン、
28 油孔、41 圧側流路、42 伸側流路、
64 微小流路、70 渦発生手段。

Claims (3)

  1. 車体側のアウターチューブ内に車軸側のインナーチューブを摺動自在に挿入し、
    前記インナーチューブに隔壁部材を設け、前記隔壁部材の隔壁部をインナーチューブの内部に位置させて、隔壁部材の隔壁部よりも下部を作動油室、上部を油溜室に区画し、
    前記アウターチューブ側に取り付けられたピストン支持部材を前記隔壁部材の隔壁部に貫通させて前記作動油室内に挿入し、
    前記ピストン支持部材の先端部に前記作動油室内を摺動しながら、作動油室内に貯留された作動油を流通させて減衰力を得る流通孔を備えたピストンを設け、
    前記アウターチューブの内周とインナーチューブの外周との間に環状の油室を区画し、この環状の油室をインナーチューブに設けた油孔を介して前記作動油室に連通し、
    前記環状の油室の断面積を前記ピストン支持部材の断面積より大きく形成し、
    前記ピストン支持部材が前記作動油室から退出する伸側行程で前記作動油室の作動油を前記油溜室へ流す体積補償流路と、伸側行程で前記作動油室から前記油溜室への流れを阻止するチェック弁とを有してなる油圧緩衝器において、
    前記ピストンの前記流通孔内を流通する作動油に渦を発生させる渦発生手段を備え
    前記渦発生手段は、前記流通孔の内周面から当該流通孔の中心方向に突出する突部、又は前記中心方向に対して窪む凹部として設けられた油圧緩衝器。
  2. 前記渦発生手段は、流通孔内を横切るように設けられた柱体からなる請求項1記載の油圧緩衝器。
  3. 前記渦発生手段が、流通孔の内周面を所定粗さの粗面として構成された請求項1記載の油圧緩衝器。
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