JP6096001B2 - 構造解析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、構造解析装置に関し、特に、荷重伝達経路法に基づいて有限要素法により力の伝達経路を高速に解析する構造解析装置に関するものである。
従来、構造解析装置では、有限要素法などを用いて応力解析を行っていた。荷重伝達経路の調査には、応力やひずみなどを用いていたが、局所的な応力集中の影響などにより、定量的に判断することが困難であった。特に、力の伝達経路を求めることは、応力解析では不可能な場合がある。
そこで、剛性行列などに基づいて荷重に対する変形エネルギーを求めて荷重伝達経路を求める手法が開発された。すなわち、特許文献3に開示された指標U*を用いることで、荷重伝達経路を容易に把握することが可能となった。このU*解析は、「荷重伝達経路法に基づく数値構造解析装置」により大幅に計算コストが低減された。この方法では、有限要素法により変形エネルギーを求めるので、節点数が多いと計算時間が莫大になり、まだ実用的な程度には短縮されていない。以下に、これに関連する従来技術の例をあげる。
特許文献1に開示された「並列有限要素法計算システム」は、自由度が百万以上の超大規模構造問題を解く際、解が発散することなく求まり、しかも短時間の計算時間で解が求まる、計算パーフォンマンスの高い超大規模構造問題を解くシステムである。自由度100万以上の超大規模構造問題を解く並列有限要素法計算システムである。領域分割をする。部分領域を各プロセッサーの担当する部分へ分配する。剛性マトリックスを作成する。部分領域全体重ね合わせ運動を設定する。全自由度の前処理つき射影CG法の初期設定を行う。全自由度の前処理つき射影CG法の反復計算をする。変位解を出力する。
特許文献2に開示された「磁気シールド解析手法」は、励磁条件の時間的変動や物体の移動を加味した上で高精度な解を高速に得ることの出来る磁気シールドの解析手法である。解析対象を複数に分割してなるサブ領域の磁界状態を設定する(第1ステップ)。この磁界状態から積分方程式を用いて境界条件を求める(第2ステップ)。この境界条件を用いて有限要素法によりサブ領域内の磁界の状態を求める(第3ステップ)。初期時間(t=0)から時間的な条件の変動を与えつつ、所定時間ステップずつ時間を経過させながら、この解析ルーチンを繰り返して行って、磁気シールド解析を行う。さらに渦電流の影響を加味して、第1〜第3ステップを再度行って、サブ領域内の磁界の状態を求める。
特許文献3に開示された「荷重伝達経路法に基づく数値構造解析装置」は、荷重伝達経路法に基づく数値構造解析装置であって、計算時間を大幅に短縮するものである。図5に示すように、解析対象構造物の支持点Bを固定し、特定負荷点Aに荷重をかけるようにパラメータを設定する。剛性行列保持手段の全体剛性行列に基づいて、有限要素法計算手段で、解析対象構造物の変形を計算して各点の変位量などの基本データを求める。特定負荷点Aと支持点Bを固定して、変化負荷点Cに3通りの検査荷重を与え、それぞれの変形を有限要素法計算手段で計算して変位量を求める。部分剛性行列計算手段で、解析対象構造物の内部剛性行列と荷重値と変位量に基づく多元連立一次方程式を解き、部分剛性行列KACを求める。剛性指標計算手段で、部分剛性行列KACと基本データの変位量などから剛性指標U*の値を計算する。解析対象構造物の必要なすべての点を順次たどるように、変化負荷点Cを変更して各点のU*の値を計算する。
特許文献4に開示された「応力解析方法」は、半導体装置の高品質・高信頼化、及び半導体装置の生産効率の向上を実現可能な応力解析方法である。分割部で、チップ内を複数の解析エリアに分割する。複合物性値導出部で、複数の解析エリア毎の配線構造データに基づいて、複数の解析エリアのそれぞれについて、その解析エリアに含まれる複数の材料の物性値を複合した複合物性値を導出する。応力解析部で、各解析エリアを要素とする有限要素法の3次元モデルを作成し、各要素に複合物性値を当てはめ、応力解析を行う。
特許文献5に開示された「構造解析数値計算装置」は、有限要素法を利用する構造解析数値計算装置であって、構造物に分布荷重がかけられる場合も、荷重伝達経路を計算できるようにしたものである。図6に示すように、構造内部の点を固定しないで荷重をかけた時の相補ひずみエネルギーUと、構造内部の1点を固定して荷重をかけた時の相補ひずみエネルギーU'の比から、各点におけるU**値を求める。実際の計算では、Uと、負荷点Aと構造内部の1点Cとに関する撓み性行列CACと、点Cに関する撓み性行列の逆行列CCC -1と、負荷点Aの荷重pAとから、点Cにおける指標U**の値(CACCC -1CAA・pA/(2U))を算出する。または、UとCCC -1と点Cの変位dCから、点Cにおける指標U**の値(dC・CCC -1C/(2U))を算出する。
非特許文献1の「有限要素法の数値計算」には、有限要素法における静的縮小法(Static Condensation)が開示されている。この手法は、構造モデルの自由度を低減するために、事前に構造モデルの平衡方程式の一部を解いておくという計算方法である。静的縮小法は、グヤンの縮約法(Guyan's Reduction)とも呼ばれ、行列の大きさ(次元)を小さくする方法である。要素行列の段階でも使われるし、解析前の全体行列の段階でもしばしば使われる。静的縮小法では、次の静的な剛性方程式を考える。
[K]{δ}={F}
残しておきたい節点変位(master)をδmとし、消去したい節点変位(slave)をδsとする。それに対応して、剛性行列と外力も並べ換えを行う。
Figure 0006096001
これは次の2つの式になる。
[Kmm]{δm}+[Kms]{δs}={Fm}
[Ksm]{δm}+[Kss]{δs}={Fs}
2番目の式から{δs}を解くと、次の式になる。
s}=[Kss]-1({Fs}-[Ksm]{δm})
再表2002-093412号公報 特開2006-351622号公報 再表2007-052784号公報 特開2007-213269号公報 再表2008-105221号公報
K. J. Bathe, E. L. Wilson 著, 菊池文雄 訳: 「有限要素法の数値計算」, 科学技術出版社 (1979.9), p.290.
しかし、従来の構造解析方法では、次のような問題がある。解析対象領域全体を複数の部分領域に分けて有限要素法の演算時間を短縮する静的縮小法がよく利用されるが、この部分領域に分割する方法を荷重伝達経路法に適用しようとしても、単純に分割したのでは、荷重伝達経路法の計算条件を適切に満たすようにはできない。機械的に単純に適用しても正しく計算できないので、有限要素法の演算を高速化できない。「荷重伝達経路法に基づく数値構造解析装置」に静的縮小法を単純に適用すると、例えば次のような構造解析装置になる。
解析対象構造物の全体剛性行列に基づいて有限要素法により解析対象構造物の変形を計算する有限要素法計算手段を備え、荷重伝達経路法により解析対象構造物の構造解析を行う構造解析装置に、解析対象領域全体を変化負荷点Cが含まれる主計算領域と変化負荷点Cが含まれない副計算領域とに分割する分割手段と、主計算領域と副計算領域との境界部分の縮退マトリクスを必要に応じて作成する副計算領域縮退手段と、解析対象構造物の必要なすべての点を順次たどるように変化負荷点Cを変更する位置変更手段と、特定負荷点Aと支持点Bを固定し、位置変更手段で選択した変化負荷点Cに3つの独立の検査荷重を順次かけるように計算パラメータを設定する検査荷重設定手段と、検査荷重をかけた状態について有限要素法計算手段によりそれぞれ変形を計算して変化負荷点Cの変位量と特定負荷点Aの荷重値を求める手段と、解析対象構造物の内部剛性行列と変化負荷点Cの変位量と特定負荷点Aの荷重値とに基づいて未知数が9個以下の多元連立一次方程式を解いて部分剛性行列KACを求める連立方程式計算手段とを備える構造解析装置。
この例の場合、変化負荷点Cを含む領域を主計算領域として、それ以外の副計算領域を縮約して計算するので、主計算領域の形が不変の間は副計算領域の計算を1回のみにして演算を高速化すると、特定負荷点Aの荷重を正しく求めることができない。特定負荷点Aの正しい荷重を計算しようとすると、特定負荷点Aが主計算領域にある場合以外は毎回、副計算領域の計算を実行しなければならないので、演算をわずかしか高速化できない。
本発明の目的は、上記従来の問題を解決して、荷重伝達経路法の計算条件を適切に満たすような分割方法で、解析対象領域全体を複数に分割して、有限要素法の演算を高速化して精度よく計算することである。
上記の課題を解決するために、本発明では、解析対象構造物の全体剛性行列に基づいて有限要素法により解析対象構造物の変形を計算する有限要素法計算手段を備え、荷重伝達経路法により解析対象構造物の構造解析を行う構造解析装置に、解析対象領域全体を特定負荷点および変化負荷点が含まれる主計算領域と特定負荷点も変化負荷点も含まれない副計算領域とに分割する分割手段と、主計算領域と副計算領域との境界部分の縮退マトリクスを分割態様が変化したとき1回だけ作成する副計算領域縮退手段と、解析対象構造物の必要なすべての点を順次たどるように変化負荷点を変更する位置変更手段と、特定負荷点と支持点を固定し、位置変更手段で選択した変化負荷点に3つの独立の検査荷重を順次かけるように計算パラメータを設定する検査荷重設定手段と、検査荷重をかけた状態について有限要素法計算手段によりそれぞれ変形を計算して変化負荷点の変位量と特定負荷点の荷重値を求める手段と、解析対象構造物の内部剛性行列と変化負荷点の変位量と特定負荷点の荷重値とに基づいて未知数が9個以下の多元連立一次方程式を解いて部分剛性行列KACを求める連立方程式計算手段とを備える構成とした。
上記のように構成したことにより、荷重伝達経路法の計算条件によく適うように解析対象領域全体を複数に分割して、有限要素法の演算を高速化できる。
本発明の実施例における構造解析装置の機能ブロック図である。 本発明の実施例における構造解析装置の処理手順を示す流れ図である。 本発明の実施例における構造解析装置により解析する解析対象構造物の全体を示す図である。 本発明の実施例における構造解析装置で静的縮小法に基づいて分割した、先に解いておく副計算領域(白地部)と、最終過程で解く主計算領域(斜線部)の分割例を示す図である。 従来の数値構造解析装置の説明図である。 従来の構造解析数値計算装置の説明図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図4を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施例は、特定負荷点と変化負荷点が含まれる主計算領域と特定負荷点も変化負荷点も含まれない副計算領域とに分割し、分割態様が変化した際に副計算領域を境界節点に縮退させる計算を1回のみ行い、特定負荷点を固定して変位負荷点に3通りの検査荷重を与えて、縮退マトリクスを含めた主計算領域の変形を計算して変位量と荷重値を求め、多元連立一次方程式を解いて部分剛性行列KACを求め、剛性指標U*の値を計算し、変化負荷点を変更して各点のU*の値を計算する構造解析装置である。
図1に、構造解析装置の機能ブロック図を示す。図2に、構造解析装置の処理手順を示す。図3に、解析対象モデルを示す。図4に、静的縮小法に基づく分割例を示す。斜線部が主計算領域である。
図1において、剛性行列保持手段1は、主計算領域および副計算領域の縮退マトリクスを合わせた解析対象部分の全体剛性行列を保持する手段である。有限要素法計算手段2は、有限要素法により全体剛性行列に基づく変形を計算する手段である。検査荷重設定手段4は、解析対象構造物の変化負荷点Cに検査荷重をかけるように計算パラメータを設定する手段である。
位置変更手段5は、解析対象構造物の必要なすべての点を順次たどるように、変化負荷点Cを変更する手段である。特定負荷点Aは、解析対象構造物の荷重伝達経路を調べるために負荷をかける点である。支持点Bは、そのとき解析対象構造物を支持する基準点である。変化負荷点Cは、解析対象構造物の必要なすべての点を順次たどるように選択される点である。必要なすべての点とは、有限要素法の節点のうち、解析の目的に必要であるとして選択したすべての点のことである。
荷重変位保持手段6は、検査荷重をかけた状態についての変位量を保持する手段である。連立方程式計算手段7は、検査荷重値と変位量に基づいて未知数が9個以下の多元連立一次方程式を解いて、部分剛性行列KACを求める手段である。剛性指標計算手段8は、部分剛性行列KACと変位量から剛性指標U*の値を計算する手段である。剛性指標保持手段9は、計算結果のU*の値を保持する手段である。有限要素モデル分割手段10は、解析対象領域全体を、特定負荷点と変化負荷点が含まれる主計算領域と特定負荷点も変化負荷点も含まれない副計算領域とに分割する手段である。副計算領域縮退手段11は、分割態様が変化した際に1回のみ、主計算領域と副計算領域の境界部分の縮退マトリクスを作成する手段である。
上記のように構成された本発明の実施例における構造解析装置の機能と動作を説明する。最初に、構造解析装置の概要を説明する。一般的には、有限要素法による構造解析の計算所要時間は、構造モデル規模の約1.5乗程度に比例する。U*解析では、各節点のU*値算出の計算はそれぞれ別個に必要となるため、計算時間は構造モデル規模の約2.5乗程度に比例する。計算時間の短縮のため、有限要素法で確立されている静的縮小法(static condensation:非特許文献1参照)を利用する。
通常の静的縮小法では、解析対象領域全体を、先に解いておく副計算領域と、最終過程で解く主計算領域とに分割する。しかし、「荷重伝達経路法」特有の特徴のため、「荷重伝達経路法に基づく数値構造解析装置」に静的縮小法をそのまま適用しても、正しく演算を高速化できない場合が生じる。そこで、解析対象構造物の分割方法と計算方法を一部変更する。「荷重伝達経路法に基づく数値構造解析装置」に静的縮小法を適用して演算を正しく実行するために、特定負荷点と変化負荷点を主計算領域に含めるように分割する。分割態様が変化した際に副計算領域を境界節点に縮退させる計算を1回のみ行う。こうすることにより、大幅に計算時間を短縮できる。
解析対象構造物は弾性体である。荷重値と変形量は線形関係にあるという弾性体の物理的性質(フックの法則)に基づいて、弾性体の変形量と荷重値と変形エネルギーを有限要素法で計算する。その計算の際、特定負荷点も変化負荷点も含まない領域については、外力の変化は無いので、変化負荷点ごとに毎回計算する必要はない。これは、フックの法則に基づく静的縮小法から明らかである。すなわち、特定負荷点と変化負荷点を含む領域については、変化負荷点ごとに毎回計算し、特定負荷点も変化負荷点も含まない領域については、分割態様の変化ごとに1回のみ計算するように制御することは、フックの法則に基づく制御方法である。
次に、静的縮小法について説明する。固定されて荷重が掛けられた解析対象構造物を有限要素法で解析することを考える。解析対象構造物の全自由度は節点数の6倍である。全自由度を添え字fで示すと、平衡方程式は、行列形式で次のようになる。
[Kff]{δf}={Ff}
可動節点を、m(主)とs(副)の2つに分ける。主計算領域は、変形量などを求めたい領域である。副計算領域は、直接には変形量などを求めない領域である。平衡方程式は次のようになる。
Figure 0006096001
これは次の2つの式になる。
[Kmm]{δm}+[Kms]{δs}={Fm}
[Ksm]{δm}+[Kss]{δs}={Fs}
2番目の式から{δs}を解くと、次の式になる。
s}=[Kss]-1({Fs}-[Ksm]{δm})
この式は、{δm}が既知のときの{δs}の計算に用いることができる。
この式を上の式に代入すると次の式になる。
([Kmm]-[Kms][Kss]-1[Ksm]){δm}={Fm}-[Kms][Kss]-1{Fs}
これを簡単な形にすると次の式になる。
[Kmm *]{δm}={Fm *}
[Kmm *]=[Kmm]+[Ks *]
{Fm *}={Fm}+{Fs *}
[Ks *]=-[Kms][Kss]-1[Ksm]
{Fs *}=-[Kms][Kss]-1{Fs}
[Kmm *]は、縮小剛性行列である。{Fmm *}は、縮小荷重ベクトルである。この式は、次元数が削減された縮小方程式である。この縮小方程式で表現される構造物の変形を解くことにより、目的の変形{δm}が得られる。静的縮小法では、全体をまとめて解いた場合の解と同じ精度の解が得られる。
静的縮小法により主計算領域の局所的静的解析を実行するためには、次のことを考慮する必要がある。
(1)主計算領域の有限要素モデル
(2)副計算領域が境界節点を介して主計算領域に与える影響
(3)境界節点に対応する副計算領域の縮退剛性行列
[Ks *]=-[Kms][Kss]-1[Ksm]
(4)境界節点に対応する副計算領域の縮退荷重ベクトル
{Fs *}=-[Kms][Kss]-1{Fs}
静的縮小法または分割解析法による分割モデル解析の最も重要な特性は、副計算領域の縮退モデル境界における境界条件が、副計算領域の剛性のみに依存することである。それは全く主計算領域の剛性に対して独立である。そのため、主計算領域のいかなる変形も正しく取り扱うことができる。その結果は完全モデルで得られた結果と同じである。
静的縮小法では、荷重条件および拘束条件が変更される場合は、その領域は主計算領域内でなければならないという性質を持つ。また当然ながら、荷重や変位を求める必要のある節点は、主計算領域内になければならない。そうでない場合は、変更された荷重条件または拘束条件に対する縮退マトリクス[Ks *]と縮退荷重ベクトル{Fs *}を再度作成する必要がある。U*の計算では、特定負荷点を拘束し、対象とする節点を変化負荷点として、変化負荷点に検査荷重を与えて、特定負荷点の荷重と変化負荷点の変位を求めるという方法を用いる。そのため、特定負荷点および変化負荷点は主計算領域内とする必要がある。
次に、図1を参照しながら、数値構造解析装置の機能の詳細を説明する。位置変更手段5で、解析対象構造物の必要なすべての点を順次たどるように、変化負荷点Cを変更する。変化負荷点Cの位置に応じて、対象とする有限要素モデルに対して、有限要素モデル分割手段10で、特定負荷点および変化負荷点が含まれる主計算領域と、特定負荷点も変化負荷点も含まれない副計算領域とに分割する。副計算領域縮退手段11で、分割態様が変化した際に1回のみ、主計算領域と副計算領域の境界部分の縮退マトリクスを作成する。剛性行列保持手段1で、主計算領域および副計算領域の縮退マトリクスを合わせた解析対象部分の全体剛性行列を保持する。有限要素法計算手段2で、有限要素法により全体剛性行列に基づく変形を次のように計算する。図示は省略してあるが、有限要素法計算手段2は、変化負荷点Cの位置情報など必要な情報を、位置変更手段5などから得る。
主計算領域に対して、特定負荷点Aと支持点Bを固定し、変化負荷点Cに3つの独立検査荷重PCを順次かけるように、検査荷重設定手段4で計算パラメータを設定する。この検査荷重をかけた状態について、有限要素法計算手段2で主計算領域の変位量を求め、荷重変位保持手段6に保持する。特定負荷点の荷重値と変化負荷点の変位量に基づいて、連立方程式計算手段7で未知数が9個以下の多元連立一次方程式を解いて、部分剛性行列KACを求める。
部分剛性行列KACと、基本データの変位量と荷重値から、剛性指標計算手段8で剛性指標U*の値
*={1−(pA・dA)/{(KACC)・dA}}-1
を計算し、剛性指標保持手段9に保持する。1つの剛性指標U*の値が求まったら、位置変更手段5で、主計算領域の必要な全ての点を順次たどるように変化負荷点Cを変更して、主計算領域の必要な全ての点のU*の値を計算する。解析対象構造物の必要な全ての点のU*の値を計算できるように、有限要素モデル分割手段10を用いて、主計算領域と副計算領域の領域定義を変更して再度分割を行い、同様の計算を繰り返す。ただし、変化負荷点Cが同一の主計算領域内にある限り、分割処理と縮退計算は実行されない。
次に、図2を参照しながら、構造解析装置の処理手順について説明する。ステップ1において、有限要素モデルを、主計算領域と副計算領域に分割する。変化負荷点Cが同じ主計算領域内にある間は、改めて分割はしない。ステップ2において、副計算領域を縮退し、主計算領域と合わせた解析モデルを作成する。変化負荷点Cが同じ主計算領域内にある間は、分割パターンは変わらないので、変化負荷点Cの変更に関する部分のみ変更する。ステップ3において、点Bを固定し、点Aに荷重pAをかけて、各点の変位等を有限要素法により計算する。この計算は分割パターン毎に1回実行して、主計算領域のみについて変位を求める。
ステップ4において、特定負荷点Aと支持点Bを固定して、変化負荷点Cに検査荷重を与えて、有限要素法により主計算領域について、特定負荷点Aの荷重値と変化負荷点Cの変位を計算する。独立な3つの検査荷重をそれぞれ与えて3回計算し、3つの変位を求める。ステップ5において、特定負荷点Aの荷重と変位量を用いて、未知数が9個以下の多元連立一次方程式を解き、部分剛性行列KACを求める。
ステップ6において、部分剛性行列KACと、基本データの検査荷重と変位量から、変化負荷点Cに関する剛性指標U*(C)を求める。ステップ7において、必要なすべての点Cについて計算したかどうか調べる。計算すべき点Cが残っていれば、ステップ8において、まず変化負荷点Cの位置を同一主計算領域内で変更する。同一主計算領域内をたどり終えたら、副計算領域内の未処理の点に移る。ステップ4〜8の処理は、変化負荷点Cごとに実行する。ステップ9において、同一主計算領域内のすべての点(特定負荷点Aと支持点Bを除く)について計算し尽くして副計算領域内の点に移ったかどうか調べる。副計算領域内の点に移ったならば、ステップ1に戻り、分割処理から処理を再開する。そうでなければ、ステップ4に戻り、主計算領域の有限要素法の計算から処理を再開する。このようにして、解析対象構造物の必要なすべての点について剛性指標U*を計算するまで処理を繰り返す。
次に、図3と図4を参照しながら、解析対象構造物を分割して計算する方法について説明する。全体領域を4つに分割する場合を例にとって説明する。基本的な計算方法は、従来の静的縮小法と同じであるが、変化負荷点Cおよび特定負荷点Aの取扱方法が異なる。特定負荷点Aを含む要素は分割方法によらず、常に主計算領域とする。特定負荷点Aと変化負荷点Cが含まれる領域を計算対象部分である主計算領域とする。変化負荷点Cが決まるごとに、変化負荷点Cが現在の主計算領域内にあるか否かを調べて、主計算領域内にあれば有限要素法の計算を行う。主計算領域内に無ければ、新たな分割を行って有限要素法の計算を行う。
図4(a)に示すように、特定負荷点Aが左上端の節点とすると、計算対象部分が左上領域の場合は、特定負荷点Aが含まれるので、そのままその領域を主計算領域とする。変化負荷点Cが左上領域にある間は、分割の型は変更せず、この主計算領域についてのみ、有限要素法の計算を行う。副計算領域の縮退計算は予め1回のみ行う。つまり、分割処理と縮退計算は、1つの分割の型について1回だけでよい。主計算領域以外の副計算領域については、予め計算して境界部分での縮退マトリクスを求めておき、主計算領域でのU*値算出時に使用する。
図4(b)に示すように、変化負荷点Cがある計算対象部分が右上領域の場合は、特定負荷点Aが含まれる左上の要素および右上領域を主計算領域とする。図4(c)に示すように、変化負荷点Cがある計算対象部分が左下領域の場合は、特定負荷点Aが含まれる左上の要素と左下領域を合わせた領域を主計算領域とする。図4(d)に示すように、変化負荷点Cがある計算対象部分が右下領域の場合は、特定負荷点Aが含まれる左上の要素と右下領域を合わせた領域を主計算領域とする。
解析対象構造物をどのように分割するのが適当であるかは、解析対象構造物の特徴によるので、一概には決められない。しかし、一般論としては、細かすぎず、大まかすぎない程度が適当である。例えば、解析対象構造物をほぼ2等分した場合、主計算領域が大きいので、計算時間はあまり減らない。逆に、主計算領域を2要素とした場合、副計算領域の計算回数が多くなるので、やはり計算時間はあまり減らない。1<<(主計算領域のサイズ)<<(副計算領域のサイズ)となるようにするのが適当である。例えば、主計算領域のサイズを、副計算領域のサイズの1/5〜1/20とする。この分割様式のデータは、有限要素モデル分割手段10などに予め設定しておく。
上記のように、本発明の実施例では、構造解析装置を、特定負荷点と変化負荷点が含まれる主計算領域と特定負荷点も変化負荷点も含まれない副計算領域とに分割し、分割態様が変化した際に副計算領域を境界節点に縮退させる計算を1回のみ行い、特定負荷点を固定して変位負荷点に3通りの検査荷重を与えて、縮退マトリクスを含めた主計算領域の変形を計算して変位量と荷重値を求め、多元連立一次方程式を解いて部分剛性行列KACを求め、剛性指標U*の値を計算し、変化負荷点を変更して各点のU*の値を計算する構成としたので、荷重伝達経路法の計算条件を満たすように、解析対象領域全体を複数に分割して、演算を高速化できる。
本発明の構造解析装置は、自動車車体等の構造物の荷重伝達経路を解析するための構造解析装置として最適である。
1 剛性行列保持手段
2 有限要素法計算手段
4 検査荷重設定手段
5 位置変更手段
6 荷重変位保持手段
7 連立方程式計算手段
8 剛性指標計算手段
9 剛性指標保持手段
10 有限要素モデル分割手段
11 副計算領域縮退手段

Claims (1)

  1. 解析対象構造物の全体剛性行列に基づいて有限要素法により解析対象構造物の変形を計算する有限要素法計算手段を備え、荷重伝達経路法により解析対象構造物の構造解析を行う構造解析装置において、解析対象領域全体を特定負荷点および変化負荷点が含まれる主計算領域と特定負荷点も変化負荷点も含まれない副計算領域とに分割する分割手段と、主計算領域と副計算領域との境界部分の縮退マトリクスを分割態様が変化したとき1回だけ作成する副計算領域縮退手段と、解析対象構造物の必要なすべての点を順次たどるように変化負荷点を変更する位置変更手段と、特定負荷点と支持点を固定し、前記位置変更手段で選択した変化負荷点に3つの独立の検査荷重を順次かけるように計算パラメータを設定する検査荷重設定手段と、検査荷重をかけた状態について前記有限要素法計算手段によりそれぞれ変形を計算して変化負荷点の変位量と特定負荷点の荷重値を求める手段と、解析対象構造物の内部剛性行列と変化負荷点の変位量と特定負荷点の荷重値とに基づいて未知数が9個以下の多元連立一次方程式を解いて部分剛性行列KACを求める連立方程式計算手段とを備えることを特徴とする構造解析装置。
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