JP6095484B2 - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の燃料供給装置に関する。より詳しくは、分離膜を利用してタンクに貯留された燃料から高オクタン価燃料を分離する内燃機関の燃料供給装置に関する。
内燃機関の燃料として、さとうきび、とうもろこし、じゃがいもなど多くの作物から製造できるアルコール燃料が注目されている。特に近年では、アルコール燃料をガソリンに添加した混合燃料が流通しており、今後さらに普及すると予測されている。なお、アルコール燃料にはエタノールやメタノールなど様々な種類があるが、以下では、アルコール燃料として最も多く普及しているエタノールを例として説明する。
このような混合燃料の普及とあわせて、外部から給油された混合燃料を、車両上で高ガソリン濃度の燃料と高エタノール濃度の燃料に再び分離する分離装置に関する研究も進められている。ガソリンとエタノールとでは、例えばオクタン価や発熱量など燃料物性において様々な異なる点があるため、外部から給油された混合燃料をそのまま利用するよりも、車両上で再び分離し、用途に応じてガソリンとエタノールとを使い分けた方が好ましい場合がある。
特許文献1には、高オクタン価燃料を選択的に透過させる分離膜を用いたパーベーパレーション法によって、混合燃料を低オクタン価燃料と高オクタン価燃料とに分離する技術が記載されている。また特許文献1の技術では、分離前の原料燃料と分離後の低オクタン価燃料との間で熱交換し、分離前の原料燃料を昇温することによって、高オクタン価燃料の透過率(すなわち、分離効率)を向上させている。
特許第4229773号公報
特許文献1に記載されているように、分離効率を向上するためには分離膜に供給される燃料の温度(以下、単に「膜前燃料温度」ともいう)を好ましい温度に制御することが重要である。
ところで、上記のような分離膜を備えた燃料分離システムでは、分離によって得られた低オクタン価燃料及び高オクタン価燃料をそれぞれ別々のタンクに貯留するが、これら燃料をタンクに回収する前にある程度冷却する必要がある。このため燃料分離システムでは、分離後の燃料を冷却するためのラジエータや凝縮器等の燃料クーラが分離前の原料燃料を加熱する燃料ヒータと組み合わせて用いられる。したがって膜前燃料温度が高くなるほど、燃料クーラに求められる冷却性能は高くなり、ひいては燃料分離システム全体のサイズが大きくなる。
この点、特許文献1の技術では、膜前燃料温度の好ましい範囲は約80〜125℃としており温度幅が広い。上記の通り燃料分離システム全体のサイズは膜前燃料温度の最高温度で定まることから、低温側では相対的に過剰なシステムサイズとなってしまう。このような課題を解決するため、電気式ヒータを利用して膜前燃料温度を高い精度で制御することが考えられる。しかしながらこの場合、ヒータを駆動するための電力が必要となるため、車両全体の燃費が悪化するおそれがあり、またコストや重量も増加するおそれもある。
本発明は、電気式ヒータを用いることなく分離膜に流入する燃料の温度を高い精度で一定に制御できる内燃機関の燃料供給装置を供給することを目的とする。
(1)本発明は、内燃機関(例えば、後述のエンジン2)の燃料を貯留する燃料タンク(例えば、後述の主タンク10)と、前記燃料タンクから供給された燃料から高オクタン価燃料を透過させる分離膜(例えば、後述の分離膜122)と、前記機関の冷却水が流れる冷却水流路(例えば、後述の冷却水流路81)に設けられ、当該冷却水と前記分離膜に供給される燃料との間で熱交換を行う燃料ヒータ(例えば、後述の熱交換器82)と、前記冷却水流路に設けられた制御弁(例えば、後述の流量制御弁83)と、前記冷却水の温度(TW)、前記燃料ヒータに供給される前の燃料の温度(T_tank_f)、前記燃料ヒータに供給される燃料の流量(Q_f)、外気の温度(TA)、及び前記分離膜に供給される前の燃料の温度に相当する膜前燃料温度に対する目標温度(T_memb_f)に基づいて、前記膜前燃料温度が前記目標温度になるような冷却水の流量(Q_LLC_want)を算出し、当該算出した冷却水の流量に基づいて前記制御弁の開度を制御する膜前燃料温度制御装置(例えば、後述のECU6)と、を備える内燃機関の燃料供給装置を提供する。
(2)この場合、前記燃料供給装置は、前記分離膜に供給される燃料の温度を検出する燃料温度センサ(例えば、後述の膜前温度センサ92)をさらに備え、前記膜前燃料温度制御装置は、前記燃料温度センサの検出値(T_memb_f)と前記目標温度(T_memb_f_want)との偏差がなくなるように、前記膜前燃料温度が前記目標温度になるような前記冷却水の流量、当該冷却水の流量を算出するために必要となる物理量、又は前記制御弁の開度に対する補正値(V_fb,Q_LLC_fb,H_fb)を算出するフィードバック制御器(例えば、後述のPID演算部63,63A,63B)を備えることが好ましい。
(3)この場合、前記燃料ヒータは、冷却水の温度に応じて開閉するサーモスタット(例えば、後述のサーモスタット75)が設けられた冷却水の冷却水循環流路(例えば、後述の冷却回路7)のうち、前記サーモスタットより上流側と下流側とを接続するバイパス流路(例えば、後述の冷却水流路81)に設けられることが好ましい。
(4)この場合、前記膜前燃料温度制御装置は、前記膜前燃料温度が前記目標温度になるように算出された冷却水の流量と、前記機関の回転数と、前記冷却水の温度とに基づいて、前記制御弁の開度を制御することが好ましい。
(1)本発明では、内燃機関の冷却水流路に燃料ヒータを設け、この燃料ヒータによって内燃機関の排熱で暖められた冷却水と分離膜に供給される燃料との間で熱交換を行う。これにより本発明では、内燃機関の排熱を利用して分離膜に供給される燃料を昇温できるので、燃料を暖めるための電気式ヒータを追加して設ける必要がない。また本発明では、冷却水の温度、燃料ヒータに供給される前の燃料の温度、燃料ヒータに供給される燃料の流量、外気の温度、膜前燃料温度に対する目標温度など、燃料ヒータを通過し分離膜に供給される燃料の温度を上下させる複数の因子に基づいて、膜前燃料温度が所定の目標温度になるような冷却水の流量を算出し、算出した冷却水の流量に基づいて冷却水流路に設けられた制御弁の開度を制御する。これにより、電気式ヒータと比べれば応答性の低い本発明の燃料ヒータであっても、膜前燃料温度をシステム全体のサイズに応じて予め定められた最適な目標温度に高い精度で制御することができる。換言すると、本発明によればシステム全体のサイズを膜前燃料温度の目標温度に応じた大きさに最適化することができる。
(2)本発明は、分離膜に供給される燃料の温度を検出する温度センサと、燃料温度センサの検出値と膜前燃料温度の目標温度との偏差がなくなるように、上記複数の因子に応じて定められた冷却水の流量、当該冷却水の流量を算出するために必要となる物理量、又は制御弁の開度に対する補正値を算出するフィードバック制御器と、をさらに備える。本発明では、このような燃料温度センサとフィードバック制御器とを利用することにより、実際の膜前燃料温度を目標温度に速やかに収束させかつ定常偏差が発生するのを防止できる。これにより、膜前燃料温度を目標温度にさらに精度良く制御できるので、システム全体のサイズに応じた機能を十分に発揮できる。
(3)例えば、内燃機関の始動直後であって冷却水の温度が規定の温度に達していない場合、サーモスタットは閉じている。このため、燃料ヒータをサーモスタットと直列に設けると、内燃機関の始動直後から分離膜に供給される燃料を昇温することができず、分離を開始できない場合がある。これに対し本発明では、サーモスタットが設けられた冷却水循環流路のうち、サーモスタットより上流側と下流側とを接続するバイパス流路に燃料ヒータを設けることにより、サーモスタットの状態によらず内燃機関の始動直後から分離膜に供給される燃料の温度を制御することができる。
(4)上述のように、本発明では、内燃機関の冷却水を流用して膜前燃料温度を上昇させる。ところが、内燃機関の冷却水は、一般的には、内燃機関のクランクシャフトの回転から得た動力を利用して循環するようになっている。また、サーモスタットが設けられていると、冷却水の温度が変化するとその開度も変わる。このため、燃料ヒータに供給される冷却水の基流量は、制御弁の開度だけでなく、機関の回転数や冷却水の温度によって変化する。本発明では、このような基流量を変化させる因子を考慮し、上述のようにして膜前燃料温度が目標温度になるように算出された冷却水の流量と、機関の回転数と、冷却水の温度とに基づいて、制御弁の開度を制御する。これにより、膜前燃料温度を目標温度にさらに精度良く制御できる。
本発明の第1実施形態に係るエンジン及びその燃料供給装置の構成を示す図である。 エンジンの冷却回路の構成を示す図である。 燃料ヒータユニットの流量制御弁の目標開度を設定する演算の手順を示すブロック図である。 伝熱演算部における具体的な演算手順を示す図である。 要求冷却水流量、エンジン回転数、及び冷却水温度に基づいて流量制御弁に目標開度に対する基本開度を決定するマップの具体例である。 本発明の第2実施形態に係る流量制御弁の目標開度を設定する演算の手順を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る流量制御弁の目標開度を設定する演算の手順を示すブロック図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関(以下、単に「エンジン」という)2と、その燃料供給装置3の構成を示す図である。
エンジン2は、複数のシリンダ23を備えた多気筒エンジンである。図1には、このうちの1つを代表的に示す。エンジン2は、シリンダ23が形成されたシリンダブロックと、シリンダヘッドとを組み合わせて構成される。シリンダ23内には、ピストン24が摺動可能に設けられる。ピストン24の頂面とシリンダヘッドのシリンダ23側の面により、エンジン2の燃焼室20が形成される。ピストン24は、コンロッドを介して図示しないクランクシャフトに連結されている。すなわち、シリンダ23内におけるピストン24の往復動に応じて図示しないクランクシャフトが回転する。
エンジン2には、点火プラグ29が設けられている。エンジン2は、後述の燃料噴射システム5及び燃料蒸気処理システム4から供給された燃料とスロットル弁28を介して供給された空気とで形成された混合気を点火プラグ29で点火することによって燃焼する。
燃料供給装置3は、外部から給油されたガソリンとエタノールの混合燃料を低オクタン価燃料と高オクタン価燃料とに分離する燃料分離システム1と、燃料蒸気を処理する燃料蒸気処理システム4と、分離した燃料をエンジン2に噴射する燃料噴射システム5と、これらの電子制御ユニット(以下、「ECU」という)6と、を備える。以下、各システム1,4,5の構成及び機能について順に説明する。
<燃料分離システム1>
燃料分離システム1は、主タンク10と、燃料ヒータユニット8と、分離器12と、ラジエータ13と、凝縮器14と、バッファタンク15と、副タンク16と、真空ポンプ17と、圧力制御弁18と、を備える。この燃料分離システム1は、分離器12に設けられた後述の分離膜122において、主タンク10と燃料ヒータユニット8とラジエータ13とからなり主に低オクタン価燃料が流通する1次側装置と、凝縮器14とバッファタンク15と副タンク16と真空ポンプ17と圧力制御弁18からなり主に高オクタン価燃料が流通する2次側装置とに分けられる。
始めに、燃料分離システム1の1次側装置の構成について説明する。
主タンク10は、図示しない外部給油口から供給されたエタノールとガソリンの混合燃料を貯留する。本実施形態では、混合燃料として、最も普及しているエタノール含有率が10%の混合燃料が好ましく使用される。
燃料ヒータユニット8は、エンジン2の冷却水が流れる冷却水流路81と、この冷却水流路81に冷却水の流路の一部として設けられた熱交換器82と、を備える。熱交換器82は、冷却水流路81を流れる冷却水を熱源として、第1燃料循環路101から供給された燃料との間で熱交換を行う。これにより熱交換器82は、分離器12の分離膜122に供給される燃料を、燃料の分離に最適な所定の目標温度まで加熱する。また、冷却水流路81には、熱交換器82に流入する冷却水の流量、ひいては熱交換器82における加熱効率を調整する流量制御弁83が設けられている。流量制御弁83は、図示しない駆動装置を介してECU6に接続されている。ECU6は、後に図3等を参照して説明する手順に従って流量制御弁83の目標開度を設定し、駆動装置は設定された目標開度になるように流量制御弁83を駆動する。
図2は、エンジン2の冷却回路7の構成を示す図である。図2に示すように、燃料ヒータユニット8は、エンジン2の冷却回路7の一部として組み込まれている。
冷却回路7は、エンジン2のウォータジャケットを流路に含む主循環流路71と、エンジン2のクランクシャフトの回転から得た動力によって主循環流路71内で冷却水を圧送するウォータポンプ72と、主循環流路71に設けられ冷却水を冷却するラジエータ73及びラジエタファン74と、主循環流路71に設けられ冷却水の温度に応じて開閉するサーモスタット75と、燃料ヒータユニット8と、を備える。
図2に示すように、燃料ヒータユニット8の冷却水流路81は、主循環流路71に対し、ラジエータ73より上流側とサーモスタット75より下流側とを接続するバイパス流路となっている。これにより、例えば、冷却水の温度が低くサーモスタット75が閉じた状態であっても、流量制御弁83を開くことによって熱交換器82を独立して稼働させることができる。また、冷却回路7には、冷却水流路81と並列にして複数のバイパス流路76が設けられており、冷却水が他のデバイス77へ適宜導かれるようになっている。
図1に戻って、分離器12は、熱交換器82により加熱された混合燃料を、浸透気化法(パーベーパレーション法)によって該混合燃料よりエタノール濃度が高くオクタン価の高い高オクタン価燃料と、よりエタノール濃度が低くオクタン価の低い低オクタン価燃料とに分離する。
分離器12は、混合燃料中の高オクタン価成分であるエタノールを選択的に透過させる分離膜122と、この分離膜122により区画された1次側の高圧室123及び2次側の低圧室124と、を備える。高圧室123は、第2燃料循環路84を介して熱交換器82に接続される。低圧室124は、2次側装置の後述の凝縮器14に接続される。
分離器12では、高圧室123に熱交換器82によって加熱された燃料を流通させ、低圧室124内を真空ポンプ17によって負圧にすると、気体状態にある高オクタン価成分のエタノール及び芳香族が分離膜122を選択的に透過し、高オクタン価燃料として低圧室124内に浸出する。一方、高圧室123内には、低オクタン価燃料が残留する。これにより、主タンク10から供給された混合燃料は、分離器12において高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とに分離される。この分離器12における分離効率は、分離膜122に供給される燃料の温度及び流量や、低圧室124内の負圧の大きさ等によって変化する。
ラジエータ13は、第3燃料循環路125を介して分離器12から供給された低オクタン価燃料を冷却し、第4燃料循環路131を介して主タンク10へ供給する。ラジエータ13には、例えばフィン133と図示しない冷却ファンとを備えた空冷式のものが用いられるが、本発明はこれに限らない。ラジエータ13は、例えば水冷式でもよい。なお、第4燃料循環路131には、燃料ヒータ11からラジエータ13までの燃料高温区間内で燃料が沸騰するのを防止するため、当該高温区間内の燃料圧力を規定値以上にするレギュレータ132が設けられている。
以上のように、燃料分離システム1の1次側循環流路は、主タンク10、第1燃料循環路101、熱交換器82、第2燃料循環路84、分離器12の高圧室123、第3燃料循環路125、ラジエータ13、及び第4燃料循環路131によって形成される。すなわち、燃料分離システム1では、主タンク10に設けられた循環ポンプ102によって主タンク10に貯留されている混合燃料を1次側循環流路で循環させながら、分離器12によってこの循環燃料を高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とに分離し続けることにより、主タンク10内に当初貯留されていた混合燃料から高オクタン価燃料が徐々に除かれるので、主タンク10内には低オクタン価燃料が残留する。
次に、燃料分離システム1の2次側装置の構成について説明する。
凝縮器14は、第1燃料排出路126を介して分離器12の低圧室124に接続され、低圧室124内に浸出した気体状態の高オクタン価燃料を凝縮する。凝縮器14には、プレート状の複数のフィン141と、図示しない冷却ファンとを備えた空冷式のものが用いられるが、本発明はこれに限らない。凝縮器14は、例えば水冷式でもよい。
バッファタンク15は、第2燃料排出路142を介して凝縮器14に接続され、凝縮器14によって凝縮された高オクタン価燃料を負圧下で一時的に貯留する。バッファタンク15の鉛直方向上部のうち、第2燃料排出路142の近傍は、空気排出路151を介して真空ポンプ17及び副タンク16と接続されている。バッファタンク15の鉛直方向下部は、第3燃料排出路152を介して副タンク16に接続されている。また、第2燃料排出路142には、バッファタンク15側から凝縮器14側へ燃料が逆流するのを防止する第1逆止弁143が設けられている。第3燃料排出路152には、副タンク16側からバッファタンク15側へ燃料が逆流するのを防止する第2逆止弁153が設けられている。
副タンク16は、バッファタンク15から排出された高オクタン価燃料を貯留する。副タンク16は、後述するようにキャニスタ41を介して大気と連通している。したがって、副タンク16の内部は、基本的には大気圧とほぼ等しい。なお、以上のように構成された2次側装置のうち、分離器12と、凝縮器14と、バッファタンク15と、副タンク16とは、鉛直方向に沿って上方から下方へ向かってこの順で設けられるのが好ましい。これにより、分離器12において分離された高オクタン価燃料は、その自重を利用して副タンク16内に回収される。
空気排出路151は、バッファタンク15の鉛直方向上部から、副タンク16内のうち高オクタン価燃料が溜まる底部に至る。真空ポンプ17は、空気排出路151に設けられ、バッファタンク15側から副タンク16側へ空気を圧送することによって分離器12の低圧室124、凝縮器14及びバッファタンク15の内部を負圧にする。
また空気排出路151のうち、真空ポンプ17よりバッファタンク15側には、大気圧解放管154が分岐して設けられている。大気圧解放管154は、空気排出路151から副タンク16内のうち大気と連通する上部に至る。圧力制御弁18は、大気圧解放管154に設けられる。
次に、以上のように構成された燃料分離システム1の2次側装置によって、混合燃料から高オクタン価燃料を分離し、これを副タンク16内に貯留させるまでの手順について説明する。この2次側装置の制御手順は、(a)混合燃料から高オクタン価燃料を分離する分離ステップと、(b)分離した高オクタン価燃料を副タンク16に回収する回収ステップとの2つの手順に分けられる。
(a)分離ステップでは、1次側装置によって混合燃料を循環させた状態で、圧力制御弁18を閉じ、さらに真空ポンプ17を所定の出力で駆動する。真空ポンプ17を駆動すると、バッファタンク15、凝縮器14、及び分離器12の低圧室124内の空気が副タンク16へ排出される。この際、圧力制御弁18は閉じているので、大気圧解放管154を介して副タンク16内の空気がバッファタンク15側へ流れることはない。また、バッファタンク15と副タンク16との間には第2逆止弁153が設けられているので、第3燃料排出路152を介して副タンク16内の燃料や空気がバッファタンク15側へ流れることもない。したがって、真空ポンプ17を所定の出力で駆動し続けると、分離器12の低圧室124、凝縮器14、及びバッファタンク15の内部は、負圧になる。
低圧室124の内部が負圧になると、分離膜122の機能により高圧室123から低圧室124側へエタノール及び芳香族からなる気体状態の高オクタン価燃料が浸出する。気体状態で浸出した高オクタン価燃料は、凝縮器14によって凝縮され、バッファタンク15の底部に溜まる。分離ステップでは、バッファタンク15内にある程度の量の高オクタン価燃料が溜まるまで真空ポンプ17を駆動し続ける。そして、バッファタンク15内にある程度の量の高オクタン価燃料が溜まると、次の回収ステップへ移る。
ところで、以上のような分離ステップにおいて、バッファタンク15の上部には凝縮しきれなかった気体状態の高オクタン価燃料、すなわち燃料蒸気が溜まる。以下では、このような高オクタン価燃料由来の燃料蒸気は、主タンク10内で発生する低オクタン価燃料由来の燃料蒸気と区別するため、分離蒸気という。また、主タンク10内で発生する低オクタン価燃料由来の燃料蒸気は、上記分離蒸気と区別するため、ガソリン蒸気という。このバッファタンク15の上部に溜まった分離蒸気は、真空ポンプ17によって副タンク16の底部へ供給される。したがって、副タンク16内に凝縮した高オクタン価燃料が既に溜まっている場合、真空ポンプ17によって副タンク16の底部に圧送された分離蒸気は、この凝縮した高オクタン価燃料内で再凝縮が促される。本実施形態では、このように分離蒸気の凝縮を促すことにより、できるだけ副タンク16内に分離蒸気が発生しないようにしている。
(b)回収ステップでは、真空ポンプ17を停止するとともに、圧力制御弁18を開くことにより、大気圧解放管154を介してバッファタンク15と副タンク16とを連通させる。これにより、バッファタンク15の内部の圧力は、副タンク16とほぼ等しい大気圧まで上昇する。また、バッファタンク15の内部の圧力が上昇すると、その底部に溜まっていた高オクタン価燃料は、その自重により副タンク16内に回収される。以上のようにしてバッファタンク15内の高オクタン価燃料が副タンク16内に回収された後は、再び上記分離ステップを実行する。なお、この回収ステップでは、バッファタンク15よりも上方の凝縮器14及び分離器12の低圧室124の内部は、燃料の分離進行分の負圧低下があるのみでありバッファタンク15よりも負圧が維持される。したがって回収ステップ中も、分離膜122における分離は継続される。
2次側装置では、以上のような分離ステップと回収ステップとを繰り返し実行することにより、副タンク16内に高オクタン価燃料が回収される。
燃料分離システム1には、ECU6においてその運転状態を把握するために複数のセンサ91,92,93,94,95,96,97が設けられている。水温センサ91は、冷却水の温度を検出し、検出値に略比例した信号をECU6に送信する。膜前温度センサ92は、第2燃料循環路84を流れ、分離器12の分離膜122に供給される前の燃料の温度(以下、「膜前燃料温度」という)を検出し、検出値に略比例した信号をECU6に送信する。タンク温度センサ93は、第4燃料循環路131を流れ、主タンク10に戻される燃料の温度(以下、「タンク燃料温度」という)を検出し、検出値に略比例した信号をECU6に送信する。入口温度センサ96は、主タンク10から熱交換器82に至る第1燃料循環路101を流れ、熱交換器82に流入する直前の燃料の温度を検出し、検出値に略比例した信号をECU6に送信する。
外気温度センサ94は、外気の温度を検出し、検出値に略比例した信号をECU6に送信する。クランク角センサ95は、エンジン2のクランクシャフトに固定されたパルサの回転に応じて所定のクランク角ごとにパルス信号をECU6へ出力する。エンジン2の回転数は、ECU6では、クランク角センサ95の出力に基づいてエンジン2の回転数が把握される。負圧センサ97は、低圧室124内における負圧、すなわち大気圧と低圧室124内の圧力との差を検出し、検出値に略比例した信号をECU6に送信する。
<燃料蒸気処理システム4>
燃料蒸気処理システム4は、キャニスタ41と、キャニスタ41と主タンク10とを接続する主蒸気流路42と、キャニスタ41と副タンク16とを接続する副蒸気流路43と、キャニスタ41とエンジン2の吸気ポート27とを接続するパージ通路45と、パージ通路45を開閉するパージバルブ46と、を備える。
主タンク10内で発生した燃料蒸気であるガソリン蒸気は、二方弁47が設けられた主蒸気流路42を介してキャニスタ41へ導入される。また、副タンク16内で発生した燃料蒸気である分離蒸気は、二方弁49が設けられた副蒸気流路43を介してキャニスタ41へ導入される。
キャニスタ41は、大気通路48を介して大気と連通しており、その内部はほぼ大気圧と等しくなっている。またキャニスタ41は、活性炭素等の吸着剤を内蔵しており、この吸着剤にガソリン蒸気及び分離蒸気を吸着して保持させることによって、これら燃料蒸気が大気に放出されるのを防止する。エンジン2の運転中にパージバルブ46を開くと、キャニスタ41の吸着剤に保持されていた燃料は、大気通路48を介して導入された空気によって脱離し、負圧状態となっている吸気ポート27へ向けてパージ通路45を介して導入され、燃焼される。
<燃料噴射システム5>
燃料噴射システム5は、エンジン2のシリンダ23内に臨んで設けられたダイレクトインジェクタ51と、エンジン2の吸気ポート27内に臨んで設けられたポートインジェクタ52と、主燃料通路55を介して主タンク10内に貯留された燃料をダイレクトインジェクタ51へ圧送する主ポンプ53と、副燃料通路56を介して副タンク16内に貯留された燃料をポートインジェクタ52へ圧送する副ポンプ54と、を備える。
ダイレクトインジェクタ51は、主ポンプ53によって供給された比較的低オクタン価の燃料を、エンジン2のシリンダ23内に直接噴射する。ポートインジェクタ52は、副ポンプ54によって供給された比較的高オクタン価の燃料を、エンジン2の吸気ポート27内に噴射する。
図3は、燃料ヒータユニットの流量制御弁の目標開度を設定する演算の手順を示すブロック図である。図3に示す演算は、1次側装置において燃料を循環させている間、すなわち燃料分離システムによって燃料を分離している間、ECU6において実行される。なお、流量制御弁は、1次側装置において燃料を循環させていない間は全閉にされ、他のデバイス(図2参照)への冷却水の流量の低下を防止する。
図3に示すように、流量制御弁の目標開度V_wantは、伝熱演算部61及び流量−開度演算部62において膜前燃料温度に相関のある複数の因子に基づいて決定されたフィードフォワード入力V_ffと、PID演算部63において膜前温度センサの出力に基づいて算出されたフィードバック補正V_fbとを合算することによって算出される。以下、各演算部61〜63における機能について説明する。
伝熱演算部61は、膜前燃料温度に相関のある複数の因子に基づいて、膜前燃料温度が予め定められた目標温度T_memb_f_wantになるような冷却水の流量(以下、「要求冷却水流量」という)Q_LLC_wantを算出する。ここで、膜前燃料温度に相関のある複数の因子としては、例えば、冷却水の温度と、熱交換器に供給される燃料の温度と、熱交換器に供給される燃料の流量と、外気温度と、上記膜前燃料温度に対する目標温度の5つが挙げられる。
冷却水の温度は、熱交換器における燃料の加熱効率に相関がある。膜前燃料温度は、冷却水の温度が高くなるほど上昇する傾向がある。この冷却水の温度には、例えば水温センサの出力値TWが用いられる。
熱交換器に供給される燃料の温度は、熱交換器を通過した後の膜前燃料温度を目標温度にするために熱交換器において燃料に与えるべき熱量を把握するために必要な因子である。この熱交換器に供給される燃料の温度としては例えばタンク温度センサの出力値T_tank_f、すなわち熱交換器に供給される前の燃料であって、主タンク内に貯留されている燃料の温度が用いられる。
熱交換器に供給される燃料の流量は、熱交換器における燃料の加熱効率に相関がある。膜前燃料温度は、熱交換器に供給される燃料の流量が小さくなるほど高くなる傾向がある。この熱交換器に供給される燃料の流量には、例えば、熱交換器に燃料を圧送する循環ポンプの出力に基づいて推定された値Q_fが用いられる。
外気温度は、熱交換器における燃料の加熱効率の他、燃料が流れる配管内の燃料の放熱に相関がある。膜前燃料温度は、外気温度が高くなるほど上昇する傾向がある。この外気温度には、例えば外気温度センサの出力値TAが用いられる。
膜前燃料温度に対する目標温度は、熱交換器において燃料に与えるべき熱量を把握するために必要な因子である。この目標温度は、基本的には燃料分離システムを構成する装置の大きさに加えて、燃料分離システムを搭載した車両の状態及び外環境等に応じて図示しない処理によって定められる。より具体的には、目標温度は、例えば70℃程度である。
伝熱演算部61は、これら5つの入力(冷却水温度TW、タンク燃料温度T_tank_f、燃料流量Q_f、外気温度TA、目標温度T_memb_f_want)に基づいて予め定められたマップを検索することによって、実膜前燃料温度が目標温度T_memb_f_wantになるような要求冷却水流量Q_LLC_wantを決定する。
図4は、伝熱演算部における具体的な演算手順を示す図である。
伝熱演算部は、燃料流量Q_fを所定の基本流量Q_f_bsとし、外気温度TAを所定の基本外気温度TA_bsとした場合におけるタンク燃料温度T_tank_f及び冷却水温度TWと要求冷却水流量の基本値Q_LLC_want_bsとを関連付ける基本マップ(図4中、左側参照)を、目標温度T_memb_f_wantごとに備える。伝熱演算部は、複数の基本マップの中から、図示しない処理によって定められた目標温度T_memb_wantに対応するものを選択し(図4に示す例では、目標温度T_memb_f_want=X1℃とした、第1基本マップを選択した場合を示す)、この目標温度T_memb_f_wantに応じて選択した基本マップに基づいて、タンク燃料温度T_tank_f及び冷却水温度TWに応じた要求冷却水流量の基本値Q_LLC_want_bsを算出する。
伝熱演算部は、燃料流量Q_fと基本流量Q_f_bsとの差、及び外気温度TAと基本外気温度TA_bsとの差に基づいて、要求冷却水流量の基本値Q_LLC_want_bsを補正し、最終的な要求冷却水流量Q_LLC_wantを算出する。図4において、右側の上段に示すように、燃料流量Q_fが基本流量Q_f_bsより大きくなるほど、要求冷却水流量Q_LLC_wantは、基本値Q_LLC_want_bsより大きな値に補正される。また、燃料流量Q_fが基本流量Q_f_bsより小さくなるほど、要求冷却水流量Q_LLC_wantは、基本値Q_LLC_want_bsより小さな値に補正される。さらに、図4において右側の下段に示すように、外気温度TAが基本外気温度TA_bsより高くなるほど、要求冷却水流量Q_LLC_wantは、基本値Q_LLC_want_bsより小さな値に補正される。また、外気温度TAが基本外気温度TA_bsより低くなるほど、要求冷却水流量Q_LLC_wantは、基本値Q_LLC_want_bsより大きな値に補正される。
以上のようなタンク燃料温度T_tank_f及び冷却水温度TWと要求冷却水流量の基本値Q_LLC_want_bsとの関係を定めた基本マップの値や、燃料流量Q_f及び外気温度TAに応じた補正値の具体的な値は、膜前燃料温度に対する目標温度を具体的に定めた上で、予め実験を行うことによって定められる。
図3に戻って、流量−開度演算部62は、エンジンの回転数NE及び冷却水温度TWに基づいて予め定められたマップを検索することにより、要求冷却水流量Q_LLC_wantを達成するために必要な流量制御弁の開度を算出し、これを基本開度V_ffとする。
図5は、要求冷却水流量Q_LLC_want、エンジン回転数NE、及び冷却水温度TWからなる3つの入力に基づいて基本開度V_ffを決定するマップの具体例である。
冷却回路において、冷却水を圧送するウォータポンプの出力は、エンジン回転数NEに概ね比例する。したがって、要求冷却水流量Q_LLC_wantに対しエンジン回転数NEが大きくなるほど、基本開度V_ffは小さくなる。
また、図5において一点鎖線で示すように、熱交換器が設けられた冷却水流路を流れる冷却水の基流量(流量制御弁の全開時における冷却水の流量)は、サーモスタットの状態や他のデバイスへの冷却水の流入状態、すなわち冷却水温度TWに応じて変化する。そこで流量−開度演算部では、図5に示すように、冷却水温度TWを4つの区間に分け、区間ごとに異なった態様で冷却水温度TWに応じた基本開度V_ffを算出する。第1区間は、サーモスタットが完全に閉じた状態に相当する。冷却水温度TWがこの第1区間内である場合、他の区間と比較して基流量が最も多くなる。第2区間は、サーモスタットが作動している過渡的な状態に相当する。第3区間は、サーモスタットが完全に開いた状態に相当する。第4区間は、サーモスタットが完全に開いた後であって、キャビテーションによって基流量が低下した状態に相当する。
図3に戻って、PID演算部63は、PID演算によって膜前温度センサの出力値T_memb_fと膜前燃料温度の目標温度T_memb_f_wantとの偏差がなくなるような流量制御弁の開度に対する補正値V_fbを算出する。
目標開度V_wantは、以上のように膜前燃料温度に相関のある5つの因子に基づいて算出した基本開度V_ffと、膜前温度センサの出力に基づいて算出された補正値V_fbとを合算することによって算出される。これにより、実際の膜燃料温度を目標温度に速やかに収束させかつ目標温度との間で定常偏差が発生するのを防止できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、図3の伝熱演算部61における演算では、タンク温度センサの出力値T_tank_fを熱交換器へ供給される燃料の温度としたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、タンク温度センサ93に替えて入口温度センサ96の出力値を熱交換器へ供給される燃料の温度として、図3等の伝熱演算部61の演算を行ってもよい。
<第2実施形態>
次に本発明の第2実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、第1実施形態と同じ構成については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図6は、本実施形態に係るECU6Aにおいて、流量制御弁の目標開度を設定する演算の手順を示すブロック図である。
図6に示すように、PID演算部63Aは、PID演算によって膜前温度センサの出力値T_memb_fと膜前燃料温度の目標温度T_memb_f_wantとの偏差がなくなるような冷却水流量に対する補正値Q_LLC_fbを算出し、この補正値Q_LLC_fbと伝熱演算部61の出力Q_LLC_ffとを合算したものを要求冷却水流量Q_LLC_wantとして流量−開度演算部62に入力する。このように、PID演算部63Aによって補正する値を変えても、第1実施形態とほぼ同等の効果を得ることができる。
<第3実施形態>
次に本発明の第3実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、第1実施形態と同じ構成については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図7は、本実施形態に係るECU6Bにおいて、流量制御弁の目標開度を設定する演算の手順を示すブロック図である。
上述のように第1実施形態の伝熱演算部61では、予め定められたマップを利用することにより、5つの入力(冷却水温度TW、タンク燃料温度T_tank_f、燃料流量Q_f、外気温度TA、目標温度T_memb_f_want)に基づいて直接、実膜前燃料温度が目標温度T_memb_f_wantになるような要求冷却水流量Q_LLC_wantを決定した(図3及び4参照)。これに対し、図7に示す本実施形態の伝熱演算部61Bでは、要求冷却水流量Q_LLC_wantを算出するステップを2つに分ける。
伝熱演算部61Bは、始めに4つの入力(タンク燃料温度T_tank_f、燃料流量Q_f、外気温度TA、目標温度T_memb_f_want)に基づいて、予め設定されたマップや演算式を利用することにより、熱交換器に流入する燃料の温度をタンク燃料温度T_tank_fから目標温度T_memb_f_wantまで上昇させるために、熱交換器において燃料に与えるべき熱量(以下、「必要熱量」という)の基本値H_ffを算出する。
伝熱演算部61Bは、次に算出した必要熱量の基本値H_ffと、後述のPID演算部63Bにおいて算出された必要熱量に対する補正値H_fbとを加算することによって、必要熱量H_wantを算出する。次に伝熱演算部61Bは、算出した必要熱量H_wantと冷却水温度TWとに基づいて、予め定められたマップや演算式を利用することにより、熱交換器において冷却水から燃料へ必要熱量H_wantが与えられるような冷却水の流量を算出し、これを要求冷却水流量Q_LLC_wantとする。
PID演算部63Bは、上述のように要求冷却水流量Q_LLC_wantを算出する過程において必要となる物理量である必要熱量に対する補正値H_fbを、膜前温度センサの出力値T_memb_fと目標温度T_memb_f_wantとの偏差に基づいて算出し、上述のように伝熱演算部61Bへ入力する。以上のように、PID演算部63Bによって補正する値を変えても、第1実施形態とほぼ同等の効果を得ることができる。
1…燃料分離システム
10…主タンク(燃料タンク)
12…分離器
122…分離膜
2…エンジン(内燃機関)
3…燃料供給装置
6,6A,6B…ECU(膜前燃料温度制御装置)
63,63A,63B…PID演算部(フィードバック制御器)
7…冷却回路(冷却水循環流路)
75…サーモスタット
8…燃料ヒータユニット
81…冷却水流路(バイパス流路)
82…熱交換器(燃料ヒータ)
83…流量制御弁(制御弁)
92…膜前温度センサ(燃料温度センサ)

Claims (4)

  1. 内燃機関の燃料を貯留する燃料タンクと、
    前記燃料タンクから供給された燃料から高オクタン価燃料を透過させる分離膜と、
    前記機関の冷却水が流れる冷却回路に設けられ、当該冷却水と前記分離膜に供給される燃料との間で熱交換を行う燃料ヒータと、を備えた内燃機関の燃料供給装置であって、
    前記冷却回路は、前記機関を流路に含む主循環流路と、前記主循環流路に設けられた冷却水の温度に応じて開閉するサーモスタットと、前記主循環流路のうち前記サーモスタットより上流側と下流側とを接続するバイパス流路と、を備え、
    前記バイパス流路には、前記燃料ヒータと制御弁とが設けられ、
    前記冷却水の温度、前記燃料ヒータに供給される前の燃料の温度、前記燃料ヒータに供給される燃料の流量、外気の温度、及び前記分離膜に供給される前の燃料の温度に相当する膜前燃料温度に対する目標温度に基づいて、前記膜前燃料温度が前記目標温度になるような冷却水の流量を算出し、当該算出した冷却水の流量に基づいて前記制御弁の開度を制御する膜前燃料温度制御装置と、をさらに備えることを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  2. 前記分離膜に供給される燃料の温度を検出する燃料温度センサをさらに備え、
    前記膜前燃料温度制御装置は、前記燃料温度センサの検出値と前記目標温度との偏差がなくなるように、前記膜前燃料温度が前記目標温度になるような前記冷却水の流量、当該冷却水の流量を算出するために必要となる物理量、又は前記制御弁の開度に対する補正値を算出するフィードバック制御器を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  3. 前記膜前燃料温度制御装置は、前記膜前燃料温度が前記目標温度になるように算出された冷却水の流量と、前記機関の回転数と、前記冷却水の温度とに基づいて、前記制御弁の目標開度を算出する目標開度算出手段を備え、
    前記目標開度算出手段は、前記冷却水の温度が所定温度より高い場合には当該温度が前記所定温度以下である場合よりも前記目標開度を小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  4. 前記所定温度は、前記サーモスタットが完全に閉じた状態から開き始める温度に相当することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の燃料供給装置。
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